以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両制御システム100を示すブロック図である。図1に示す車両制御システム100は、乗用車などの車両(以後、自車両と称する)に搭載され、自車両の走行を制御する。車両制御システム100は、自車両の走行する走行車線と合流車線とが合流する合流区間において、他車両の受け入れ意図を考慮して自車両の走行を制御するためのシステムである。受け入れ意図については後述する。車両制御システム100は、自動運転の車両と非自動運転(手動運転)の車両との相互関係の円滑化に寄与する。なお、非自動運転の車両には、クルーズコントロールなどの運転支援制御を行っている車両も含まれる。
[車両制御システムの構成]
車両制御システム100の構成について説明する。車両制御システム100は、システムを統括的に制御するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。ECU10は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10には、GPS受信部1、外部センサ2、内部センサ3、地図データベース4、及びアクチュエータ5が接続されている。
GPS受信部1は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、自車両の位置(例えば自車両の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部1は、測定した自車両の位置情報をECU10へ送信する。
外部センサ2は、自車両の周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ2は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
カメラは、自車両の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、自車両のフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、自車両の外部状況に関する撮像情報をECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自車両の周辺の障害物を検出する。レーダセンサは、電波又は光を自車両の周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU10へ送信する。障害物には、ガードレール、建物等の固定障害物の他、歩行者、自転車、他車両等の移動障害物が含まれる。
内部センサ3は、自車両の走行状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。車速センサは、自車両の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、自車両の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)をECU10に送信する。
加速度センサは、自車両の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、自車両の横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、自車両の加速度情報をECU10に送信する。ヨーレートセンサは、自車両の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した自車両のヨーレート情報をECU10へ送信する。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース4は、例えば、自車両に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えばカーブ、直線部の種別、カーブの曲率等)、交差点及び分岐点の位置情報、及び構造物の位置情報などが含まれる。また、地図情報には、二つの車線が合流する合流区間の情報(位置、長さ)、合流区間の終端の位置の情報が含まれる。
アクチュエータ5は、自車両の走行制御を実行する装置である。アクチュエータ5は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自車両の駆動力を制御する。なお、自車両がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータにECU10からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自車両が電気自動車である場合には、動力源としてのモータにECU10からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ5を構成する。
ブレーキアクチュエータは、ECU10からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自車両の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU10からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、自車両の操舵トルクを制御する。
次に、ECU10の機能的構成について説明する。ECU10は、車両位置認識部11、走行状態認識部12、他車両情報取得部13、合流区間認識部14、対象車両判定部15、受入意図判定部16、及び車両制御部17を有している。
車両位置認識部11は、GPS受信部1の位置情報及び地図データベース4の地図情報に基づいて、自車両の地図上の位置を認識する。また、車両位置認識部11は、地図データベース4の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ2の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により自車両の位置を認識する。車両位置認識部11は、その他、周知の手法により自車両の地図上の位置を認識してもよい。
走行状態認識部12は、内部センサ3の検出結果に基づいて、自車両の走行状態を認識する。走行状態には、自車両の車速が含まれる。走行状態には、自車両の加速度が含まれてもよく、自車両のヨーレート(向き)が含まれてもよい。
他車両情報取得部13は、外部センサ2の検出結果に基づいて、自車両の周辺の他車両に関する他車両情報を取得する。他車両情報には、少なくとも他車両の位置、及び、他車両の走行状態が含まれる。他車両の走行状態には、他車両の車速が含まれる。他車両の走行状態には、他車両の加速度が含まれていてもよく、他車両の向きが含まれてもよい。なお、他車両情報取得部13は、車々間通信を介して他車両情報を取得してもよい。
合流区間認識部14は、自車両の走行する走行車線と合流車線が合流する合流区間(合流区間の始点及び終点を含む)を認識する。ここで、合流車線は合流する側の車線に限られず、走行車線が合流側の車線であり合流車線が本線の車線である場合も本実施形態の説明に含まれる。また、合流区間には、合流される本線道路の車線のうち、合流側の車線に隣接する区間も含まれる。
合流区間認識部14は、車両位置認識部11の認識した車両の地図上の位置と地図データベース4の地図情報とに基づいて、自車両の走行する走行車線を認識する。合流区間認識部14は、地図情報に基づいて、自車両の前方の合流区間(走行車線が合流する合流区間又は走行車線が合流される合流区間)を認識する。なお、合流区間認識部14は、更に走行状態認識部12の認識した自車両の向きを利用して、走行車線及び合流区間を認識してもよい。
対象車両判定部15は、自車両と干渉する対象車両が合流車線に存在するか否かを判定する。対象車両とは、合流区間における合流時に、自車両の一定距離内に近接すると予測される他車両を意味する。合流時には、自車両が合流側の車線を走行しており本線車道に合流するときと、自車両が本線車道を走行しており合流側の車線から他車両が合流してくるときの両方が含まれる。
対象車両判定部15は、車両位置認識部11の認識した自車両の位置、走行状態認識部12の認識した自車両の走行状態、地図データベース4の地図情報、他車両情報取得部13の取得した他車両情報、及び合流区間認識部14の認識した合流区間に基づいて、対象車両が合流車線に存在するか否かを判定する。対象車両判定部15は、周知の手法により、対象車両が合流車線に存在するか否かを判定することができる。
受入意図判定部16は、対象車両判定部15により対象車両が合流車線に存在すると判定された場合に、対象車両の受け入れ意図を判定する。受入意図判定部16は、自車両の位置、地図情報、走行状態、他車両情報、及び合流区間に基づいて、対象車両の受け入れ意図を判定する。具体的に、受入意図判定部16は、対象車両が自車両を先行させる前方受け入れ意図を有するか、対象車両が車両を後続させる後方受け入れ意図を有するか、対象車両が前方受け入れ意図及び後方受け入れ意図の何れも有しない迷い状態であるか、を判定する。
前方受け入れ意図とは、合流時に自車両を対象車両に先行させて、自車両が対象車両の先行車になることを受け入れる対象車両の運転者の意図である。後方受け入れ意図とは、合流時に対象車両が自車両より先行して(自車両を対象車両に後続させて)、自車両が対象車両の後続車になることを受け入れる対象車両の運転者の意図である。迷い状態とは、自車両を前方に受け入れるか後方に受け入れるか対象車両の運転者が迷っている状態である。
ここで、図2(a)は、自車両が対象車両に先行するように合流する場合を示す平面図である。図2(a)に、自車両M、対象車両N、自車両Mの走行する走行車線R1、対象車両Nの走行する合流車線R2、合流車線R2に隣接する隣接車線R3、合流区間C、合流区間の終端CEを示す。また、図2(a)に、時刻t1における自車両Mt1及び対象車両Nt1、時刻t2における自車両Mt2及び対象車両Nt2を一点鎖線で示す。
図2(a)は、受入意図判定部16により対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると判定された状況を示している。この場合、車両制御システム100は、対象車両Nに先行するように自車両Mの走行を制御して対象車両Nの前方に合流する。なお、自車両Mの走行の制御については後述する。
図2(b)は、自車両が対象車両に後続するように合流する場合を示す平面図である。図2(b)は、受入意図判定部16により対象車両Nが後方受け入れ意図を有すると判定された状況を示している。この場合、車両制御システム100は、対象車両Nに後続するように自車両Mの走行を制御して対象車両Nの後方に合流する。
図3は、対象車両の受け入れ意図の判定に用いるパラメータを説明するための平面図である。図3に、合流車線R2上で対象車両Nの前方を走行する前方車NF、対象車両Nと前方車NFとの相対距離A1、自車両Mと合流区間Cの終端CEとの距離A2、自車両Mと対象車両Nとの相対距離(本線車道の延在方向における距離)E1を示す。受入意図判定部16は、対象車両Nと前方車NFとの相対距離A1、自車両Mと合流区間Cの終端CEとの距離A2、自車両Mと対象車両Nとの相対距離E1に加えて、自車両Mと対象車両Nの相対速度E2、自車両Mと対象車両Nとの相対加速度E3を対象車両Nの受け入れ意図の判定に用いることができる。
受入意図判定部16は、自車両の位置及び他車両情報の二つに基づいて、対象車両Nと前方車NFとの相対距離A1を算出する。受入意図判定部16は、自車両の位置及び地図情報の二つに基づいて、自車両Mと合流区間Cの終端CEとの距離A2を算出する。受入意図判定部16は、自車両の位置、及び他車両情報の二つに基づいて、自車両Mと対象車両Nとの相対距離E1を算出する。ここでは対象車両Nの進行方向を本線車道の延在方向と仮定しているが、地図情報に基づいて本線車道の延在方向を認識してもよい。受入意図判定部16は、自車両の走行状態及び他車両情報の二つに基づいて、自車両Mと対象車両Nの相対速度E2及び相対加速度E3を認識する。
受入意図判定部16は、上述したパラメータのうち少なくとも2つを用いて、受け入れ意図の判定を行うことができる。ここで、図4(a)は、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び相対速度E2と受け入れ意図との関係を示すグラフである。図4(a)に示すグラフは、現実の人間行動データに基づいてモデル化したものである。図4(a)の縦軸は、自車両Mと対象車両Nとの相対速度である。横軸は、自車両Mと対象車両Nとの相対距離(本線道路の延在方向における距離)である。図4(a)に、前方受け入れ意図の人間行動データを黒色の範囲として示す。後方受け入れ意図の人間行動データを白色の範囲として示す。迷い状態の人間行動データをハッチングの範囲として示す。
図4(a)のグラフは、前方受け入れ意図の領域と、後方受け入れ意図の領域と、迷い状態の領域とに分けられる。図4(a)に、前方受け入れ意図の領域と後方受け入れ意図の領域との境界線H1,H2、迷い状態の領域と前方受け入れ意図の領域との境界線H3、迷い状態の領域と後方受け入れ意図の領域との境界線H4を示す。前方受け入れ意図の領域は、境界線H1~H3の右側の領域である。後方受け入れ意図の領域は、境界線H1,H2,H4の左側の領域である。迷い状態の領域は、境界線H3と境界線H4に囲まれた領域である。
受入意図判定部16は、例えば、自車両Mと対象車両Nとの相対距離E1、及び自車両Mと対象車両Nの相対速度E2の二つのパラメータに基づいて、図4(a)に示す関係を利用することにより、対象車両の受け入れ意図を判定する。受入意図判定部16は、相対距離E1と相対速度E2を図4(a)のグラフにプロットした点が前方受け入れ意図の領域に位置する場合、対象車両Nの受け入れ意図は前方受け入れ意図を有すると判定する。受入意図判定部16は、相対距離E1と相対速度E2をプロットした点が後方受け入れ意図の領域に位置する場合、対象車両Nの受け入れ意図は後方受け入れ意図を有すると判定する。受入意図判定部16は、相対距離E1と相対速度E2をプロットした点が迷い状態の領域に位置する場合、対象車両Nの受け入れ意図は迷い状態であると判定する。
図4(b)は、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び自車両Mから合流区間の終端CEまでの距離A2と受け入れ意図との関係を示すグラフである。図4(b)の縦軸は、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1である。横軸は、自車両Mから合流区間の終端CEまでの距離A2である。図4(b)に、前方受け入れ意図の人間行動データを黒色の範囲として示す。後方受け入れ意図の人間行動データを白色の範囲として示す。迷い状態の人間行動データをハッチングの範囲として示す。
図4(b)のグラフも、前方受け入れ意図の領域と、後方受け入れ意図の領域と、迷い状態の領域とに分けられる。図4(b)に、前方受け入れ意図の領域と後方受け入れ意図の領域との境界線K1、迷い状態の領域と前方受け入れ意図の領域との境界線K2、迷い状態の領域と後方受け入れ意図の領域との境界線K3を示す。前方受け入れ意図の領域は、境界線K1,K2の上側の領域である。後方受け入れ意図の領域は、境界線K1,K3の下側の領域である。迷い状態の領域は、境界線K2と境界線K3に囲まれた領域である。
受入意図判定部16は、自車両Mと対象車両Nとの相対距離E1、及び自車両Mから合流区間の終端CEまでの距離A2の二つのパラメータに基づいて、図4(b)に示す関係を利用することにより、対象車両Nの受け入れ意図を判定してもよい。受入意図判定部16は、図4(b)の場合と同様に、相対距離E1及び距離A2を図4(b)のグラフにプロットした点から、対象車両Nの受け入れ意図を判定することができる。
なお、理解を容易にするため図4(a)及び図4(b)を例示して説明を行ったが、受入意図判定部16は、グラフ上へのプロットを行う必要はなく、少なくとも二つのパラメータと受け入れ意図の関係を規定したデータテーブルを用いて、対象車両Nの受け入れ意図の判定を行うことができる。データテーブルは、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び相対速度E2と受け入れ意図との関係を予め設定したデータテーブルであってもよく、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び自車両Mから合流区間の終端CEまでの距離A2と受け入れ意図との関係を規定したデータテーブルであってもよい。データテーブルは、上述したパラメータのうち三つ以上と受け入れ意図との関係を規定したデータテーブルであってもよい。
受入意図判定部16は、対象車両Nが迷い状態であると判定した場合、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であるか、後方受け入れ意図に近い状態であるか判定する。受入意図判定部16は、図4(a)のグラフ上に、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び相対速度E2をプロットした点が、迷い状態の領域のうち前方受け入れ意図の領域側(すなわち境界線H3側)に位置する場合、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であると判定する。受入意図判定部16は、図4(a)のグラフ上にプロットした点が、迷い状態の領域のうち前方受け入れ意図の領域側(すなわち境界線H4側)に位置する場合、対象車両Nが後方受け入れ意図に近い状態であると判定する。
なお、受入意図判定部16は、少なくとも二つのパラメータと受け入れ意図(前方受け入れ意図に近い状態、後方受け入れ意図に近い状態)の関係を規定したデータテーブルを用いて、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であるか、後方受け入れ意図に近い状態であるか判定してもよい。
車両制御部17は、合流区間Cにおける自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、対象車両判定部15により自車両Mと干渉する対象車両Nが合流車線に存在しないと判定された場合、合流区間Cにおける自車両Mの通常の走行制御を行う。合流区間Cにおける自車両Mの通常の走行制御とは、自車両Mが合流する側である場合には自車両Mが本線道路(この場合は合流車線)に合流するように走行する制御である。自車両Mが合流される側である場合には本線道路(この場合は走行車線)をそのまま走行する制御である。
車両制御部17は、受入意図判定部16の判定結果に基づいて、合流区間Cにおける自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、アクチュエータ5に制御信号を送信することにより、自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると判定された場合、合流区間Cにおいて対象車両Nに先行するように自車両Mの走行を制御する(図2(a)参照)。すなわち、車両制御部17は、合流後に自車両Mが対象車両Nの先行車になるように自車両Mの走行を制御する。
車両制御部17は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有すると判定された場合、合流区間Cにおいて対象車両Nに後続するように自車両Mの走行を制御する(図2(b)参照)。すなわち、車両制御部17は、合流後に自車両Mが対象車両Nの後続車になるように自車両Mの走行を制御する。これらの自車両Mの走行の制御は、周知の手法により実現することができる。
車両制御部17は、対象車両Nが迷い状態であると判定された後、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合、自車両Mの加速により対象車両Nに対する働き掛け(対象車両Nが前方受け入れ意図を有するような働き掛け)を行う。車両制御部17は、自車両Mが加速度閾値以上の加速度となるように自車両Mの走行を制御する。加速度閾値は、加速による働き掛けのために予め設定された値である。加速度閾値は、対象車両Nと自車両Mとの相対関係(位置、速度、加速度などの関係)に応じて値を変更してもよい。
車両制御部17は、対象車両Nが迷い状態であると判定された後、対象車両Nが後方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合、自車両Mの減速により対象車両Nに対する働き掛け(対象車両Nが後方受け入れ意図を有するような働き掛け)を行う。車両制御部17は、自車両Mが減速度閾値以上の減速度(すなわちマイナスの加速度)となるように自車両Mの走行を制御する。減速度閾値は、減速による働き掛けのために予め設定された値である。減速度閾値は、対象車両Nと自車両Mとの相対関係(位置、速度、加速度などの関係)に応じて値を変更してもよい。
[車両制御システムの合流区間における自車両の制御]
次に、本実施形態の車両制御システム100による合流区間Cにおける自車両Mの制御を説明する。図5は、合流区間Cにおける自車両Mの制御を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートは、走行制御中(例えば自動運転中)の自車両Mが合流区間Cに一定距離未満まで接近した場合に実行される。この場合、ECU10は、地図上の合流区間Cを既に認識している。一定距離は、自車両Mの加速による対象車両Nへの働き掛けを行った後でも、対象車両Nの状況によっては対象車両Nに後続することができるように、適切な余裕をもって設定される。
図5に示すように、車両制御システム100のECU10は、S10として、車両位置認識部11による自車両Mの位置の認識を行う。また、ECU10は、走行状態認識部12により自車両Mの走行状態を認識すると共に、他車両情報取得部13により他車両情報を取得する。
S12において、ECU10は、対象車両判定部15により自車両Mと干渉する対象車両Nが合流車線に存在するか否かを判定する。対象車両判定部15は、自車両の位置、自車両の走行状態、地図情報、及び他車両情報に基づいて、対象車両Nが合流車線に存在するか否かを判定する。ECU10は、対象車両Nが合流車線に存在しないと判定された場合(S12:NO)、S14に移行する。ECU10は、対象車両Nが合流車線に存在すると判定された場合(S12:YES)、S16に移行する。
S14において、ECU10は、車両制御部17により合流区間Cにおける通常の自車両Mの制御を行う。車両制御部17は、アクチュエータ5に制御信号を送信することにより自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、自車両Mが合流する側である場合には自車両Mが本線道路に合流するように自車両Mの走行を制御し、自車両Mが合流される側である場合には本線道路をそのまま走行するように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S16において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが前方受け入れ意図を有するか否かを判定する。受入意図判定部16は、自車両の位置、自車両の走行状態、及び他車両情報に基づいて上記判定を行う。受入意図判定部16は、例えば、自車両の位置、自車両の走行状態、及び他車両情報に基づいて、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び相対速度E2を算出し、相対距離E1及び相対速度E2と受け入れ意図との関係を予め設定したデータテーブルを用いて、上記判定を行う。
ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると判定された場合(S16:YES)、S18に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有しないと判定された場合(S16:NO)、S20に移行する。
S18において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに先行するように自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、自車両Mが対象車両Nの先行車となるように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S20において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが後方受け入れ意図を有するか否かを判定する。受入意図判定部16は、自車両の位置、自車両の走行状態、及び他車両情報に基づいて上記判定を行う。ECU10は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有すると判定された場合(S20:YES)、S22に移行する。ECU10は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有しないと判定された場合(S20:NO)、S24に移行する。対象車両Nが後方受け入れ意図を有しないと判定された場合とは、対象車両Nが迷い状態であると判定された場合に相当する。
S22において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに後続するように自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、自車両Mが対象車両Nの後続車となるように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S24において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であるか否かを判定する。受入意図判定部16は、自車両Mの位置、自車両Mの走行状態、及び他車両情報に基づいて上記判定を行う。具体的に、受入意図判定部16は、例えば、自車両Mの位置、自車両Mの走行状態、及び他車両情報に基づいて、自車両Mと対象車両Nの相対距離E1及び相対速度E2を算出し、相対距離E1及び相対速度E2と受け入れ意図(対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であるか否か)との関係を予め設定したデータテーブルを用いて、上記判定を行う。
ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合(S24:YES)、S28に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態ではないと判定された場合(S24:NO)、S26に移行する。対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態ではないと判定された場合とは、対象車両Nが後方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合に相当する。
S26において、ECU10は、車両制御部17により自車両Mの減速により対象車両Nに対する働き掛けを行う。車両制御部17は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有するように、減速による働き掛けを行う。その後、ECU10は、S30に移行する。
S28において、ECU10は、車両制御部17により自車両Mの加速により対象車両Nに対する働き掛けを行う。車両制御部17は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有するように、加速による働き掛けを行う。その後、ECU10は、S30に移行する。
S30において、ECU10は、車両位置認識部11による自車両Mの位置の認識を行う。また、ECU10は、走行状態認識部12により自車両Mの走行状態を認識すると共に、他車両情報取得部13により他車両情報を取得する。すなわち、ECU10は、最新の各種の情報を取得する。
S32において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nは前方受け入れ意図を有する又は前方受け入れ意図に近い状態であるか判定する。受入意図判定部16は、S30で認識又は取得した自車両の位置、自車両の走行状態、及び他車両情報に基づいて上記の判定を行う。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有する又は前方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合(S32:YES)、S34に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有する又は前方受け入れ意図に近い状態であると判定されなかった場合(S32:NO)、S36に移行する。対象車両Nが前方受け入れ意図を有する又は前方受け入れ意図に近い状態であると判定されなかった場合とは、対象車両Nが後方受け入れ意図を有する場合又は対象車両Nが後方受け入れ意図に近い状態である場合に相当する。
S34において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに先行するように自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、自車両Mが対象車両Nの先行車となるように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S36において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに後続するように自車両Mの走行を制御する。車両制御部17は、自車両Mが対象車両Nの後続車となるように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
[車両制御システムの作用効果]
以上説明した本実施形態に係る車両制御システム100によれば、合流車線に自車両Mと干渉する対象車両Nが存在する場合に対象車両Nの受け入れ意図を判定し、その判定結果に応じて適切に自車両Mの走行を制御することができる。しかも、車両制御システム100では、対象車両Nが前方受け入れ意図及び後方受け入れ意図の何れでもない迷い状態である場合には、対象車両Nが前方受け入れ意図及び後方受け入れ意図の何れに近い状態であるかを判定して、自車両Mの加速又は減速による働き掛けを行う。
従って、車両制御システム100によれば、対象車両Nの迷い状態すら考慮していない従来のシステムと比べて、対象車両Nの状態(前方受け入れ意図を有する状態、後方受け入れ意図を有する状態、迷い状態)に応じて合流区間Cにおける自車両Mの走行を適切に制御することができる。これにより、車両制御システム100は、対象車両Nの受け入れ意図の状態を考慮しない場合と比べて、自車両Mの制御と運転者の感覚の不一致を抑制することができる。その結果、車両制御システム100は、手動運転の対象車両Nが自動運転中の自車両Mと過剰な接近や接触を起こすことを抑制すると共に、手動運転の対象車両Nの予期せぬ挙動により自車両Mの自動運転が中断することも避けられる。よって、車両制御システム100によれば、自動運転の車両と非自動運転(手動運転)の車両との相互関係の円滑化に寄与する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
図6は、合流区間Cにおける自車両Mの制御の変形例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、対象車両Nが迷い状態であると判定した場合に処理を繰り返す点(ループする点)が図5に示すフローチャートと異なっている。
図6に示すフローチャートは、走行制御中(例えば自動運転中)の自車両Mが合流区間Cに一定距離未満まで接近した場合に実行される。この場合、ECU10は、地図上の合流区間Cを既に認識している。なお、図6のS40-S54、S60、S62は、それぞれ図5のS10-S24、S26、S28と同じ処理であるため説明を簡略化する。
図6に示すように、車両制御システム100のECU10は、S40として、車両位置認識部11による自車両Mの位置の認識を行う。また、ECU10は、走行状態認識部12により自車両Mの走行状態を認識すると共に、他車両情報取得部13により他車両情報を取得する。
S42において、ECU10は、対象車両判定部15により自車両Mと干渉する対象車両Nが合流車線に存在するか否かを判定する。ECU10は、対象車両Nが合流車線に存在しないと判定された場合(S42:NO)、S44に移行する。ECU10は、対象車両Nが合流車線に存在すると判定された場合(S42:YES)、S46に移行する。
S44において、ECU10は、車両制御部17により合流区間Cにおける通常の自車両Mの制御を行う。車両制御部17は、自車両Mが合流する側である場合には自車両Mが本線道路に合流するように自車両Mの走行を制御し、自車両Mが合流される側である場合には本線道路をそのまま走行するように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S46において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが前方受け入れ意図を有するか否かを判定する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると判定された場合(S46:YES)、S48に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有しないと判定された場合(S46:NO)、S50に移行する。
S48において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに先行するように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S50において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが後方受け入れ意図を有するか否かを判定する。ECU10は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有すると判定された場合(S50:YES)、S52に移行する。ECU10は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有しないと判定された場合(S50:NO)、S54に移行する。
S52において、ECU10は、車両制御部17により、合流区間Cにおいて対象車両Nに後続するように自車両Mの走行を制御する。その後、ECU10は、今回の制御を終了する。
S54において、ECU10は、受入意図判定部16により対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であるか否かを判定する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態であると判定された場合(S54:YES)、S56に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図に近い状態ではないと判定された場合(S54:NO)、S60に移行する。
S54において、ECU10は、受入意図判定部16によりS54のYESの判定が二回目以降であるか否かを判定する。二回目以降であるとは、一つの合流区間Cについて図6のフローチャートの処理が一回以上ループしたことを意味する。ECU10は、二回目以降であると判定された場合(S54:YES)、S58に移行する。ECU10は、二回目以降ではないと判定された場合(S54:YES)、S62に移行する。
S58において、ECU10は、受入意図判定部16により自車両Mが合流区間Cの終端CEに至るまでに対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると予測可能であるか否かを判定する。受入意図判定部16は、自車両Mの位置、地図情報、自車両Mの走行状態、及び他車両情報に基づいて上記判定を行う。
具体的に、受入意図判定部16は、自車両Mの位置、地図情報、及び自車両Mの走行状態(車速、加速度など)に基づいて、自車両Mが合流区間Cの終端CEに至るまでの余裕時間を認識する。受入意図判定部16は、自車両Mの位置、自車両Mの走行状態、及び他車両情報に基づいて、余裕時間が経過するまでに対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると予測可能であるか否かを判定する。受入意図判定部16は、自車両Mの位置、自車両Mの走行状態、及び他車両情報と、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると予測可能であるか否かの判定結果とが予め規定されたデータテーブルを用いて、当該判定を行ってもよい。受入意図判定部16は、周知の手法により当該判定を行うことができる。
ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると予測可能ではないと判定された場合(S58:NO)、S60に移行する。ECU10は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有すると予測可能であると判定された場合(S58:YES)、S62に移行する。
S60において、車両制御部17により自車両Mの減速により対象車両Nに対する働き掛けを行う。車両制御部17は、対象車両Nが後方受け入れ意図を有するように、減速による働き掛けを行う。その後、ECU10は、S40に戻って処理を繰り返す。
S62において、ECU10は、車両制御部17により自車両Mの加速により対象車両Nに対する働き掛けを行う。車両制御部17は、対象車両Nが前方受け入れ意図を有するように、加速による働き掛けを行う。その後、ECU10は、S40に戻って処理を繰り返す。
以上説明した図6のフローチャートの処理によっても、車両制御システム100は、対象車両Nの状態に応じて合流区間Cにおける自車両Mの走行を適切に制御することができる。なお、車両制御システム100は、フローチャートをループさせる場合、受け入れ意図の判定を複数回繰り返し、同じ判定結果が所定回数以上(例えば5回以上)に現れたときに、当該判定結果に基づいて自車両Mの走行を制御してもよい。
その他、本実施形態において、受入意図判定部16は、地図情報に基づいて、合流区間Cの道路形状や車線幅を考慮して対象車両Nの受け入れ意図の判定を行ってもよい。
また、受入意図判定部16は、対象車両Nの前方受け入れ意図及び後方受け入れ意図を確率として算出してもよい。受入意図判定部16は、例えば、本実施形態において説明した各パラメータのうち少なくとも二つと前方受け入れ意図の確率とを予め規定したデータテーブルを用いて、対象車両Nの前方受け入れ意図の確率を算出する。同様に、受入意図判定部16は、例えば、各パラメータのうち少なくとも二つと後方受け入れ意図の確率とを予め規定したデータテーブルを用いて、対象車両Nの後方受け入れ意図の確率を算出する。データテーブルは、図4(a)及び図4(b)に示すような人間行動データに基づいて構築される。
この場合、受入意図判定部16は、対象車両Nの前方受け入れ意図の確率の方が後方受け入れ意図の確率より大きい値であり、前方受け入れ意図の確率が確率閾値以上であるとき、対象車両Nは前方受け入れ意図を有すると判定する。確率閾値は、予め設定された値である。同様に、受入意図判定部16は、対象車両Nの後方受け入れ意図の確率の方が前方受け入れ意図の確率より大きい値であり、後方受け入れ意図の確率が確率閾値以上であるとき、対象車両Nは後方受け入れ意図を有すると判定する。受入意図判定部16は、対象車両Nが前方受け入れ意図及び後方受け入れ意図の何れも有さない場合、対象車両Nは迷い状態であると判定する。
なお、車両制御システム100は、対象車両Nの受け入れ意図の判定結果を運転者に通知する通知部を有していてもよい。通知部は、例えば、ディスプレイ及びスピーカを有するHMI[Human Machine Interface]とすることができる。