JP7204402B2 - 画像処理装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
複写機において、CMYK4色コピー(以下では、フルカラーコピーと称する。)が一般的である。ここで、Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエロー、Kはブラックを示す。なお、フルカラーコピーでは、4色分の色材が必要であるためコストが高い。そうした状況において、コスト削減のため、色数を削減して印刷する2色コピーが注目されている。2色コピーとは、カラー原稿のうち、無彩色及び無彩色の近傍部は白、黒、灰色で印刷し、それ以外の有彩色部はユーザに指定された色(例えば、C,M,Y,R,G,B等)に置き換えて印刷する機能である。ここで、Rはレッド、Gはグリーン、Bはブルーを示す。また、無彩色とは白、黒、灰色等の色味のない色を指し、有彩色とはそれ以外の色味のある色を指す。2色コピーを行う方法として、スキャナ等の読取装置でデジタル化されたカラー原稿の彩度を取得し、デジタルカラー原稿の各画素が有彩色か無彩色かを判定し、判定結果に応じてデジタルカラー原稿を有彩色又は無彩色に置き換えて印刷する方法がある。彩度とは鮮やかさの度合いを示す。この方法では有彩色判定された全ての画素が、ユーザ指定色に変換される。つまり、白、黒、灰色以外の色は全てユーザ指定色に変換される。
特許文献1には、彩度による有彩色と無彩色の判定に加え、色合いを示す色相という値を算出して、色合いの判定も加味した上で、ユーザ指定色に変換する画素と無彩色に変換する画素を判定し、色の置き換えを行う方法が提案されている。
特開2012-249133号公報
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。上記従来技術では、デジタルカラー原稿のユーザ指定色に該当する色のみが有彩色(ユーザ指定色)に変換され、それ以外の色は無彩色に変換される。例えば、ユーザ指定色が赤である場合は、原稿の赤い部分のみがユーザ指定色に変換され、その他の色は無彩色に変換される。この方法の場合は、ユーザ指定色部分を強調することや、印刷結果を見やすくするという目的もある。例えば、文書に赤ペンで丸を付けた部分だけをカラーにすることで、その部分をより強調することや、平日と休日で色が塗り分けられたカレンダーの休日部分だけをカラーにすることで、休日を分かりやすくするなどである。
一方、両面印刷された原稿をコピーする場合には、裏側に印刷された画像が表に透けた状態でコピーされる現象(以下では、裏写りと称する。)が発生することがある。裏写りが発生すると、表の画像の印象が変わってしまうため、裏写りが目立たないことが望ましい。通常コピーにおいては、紙の種類毎に異なる紙の下地の色(紙そのものの色)の差を無くすため、白に近い薄い色は白に補正(以下では、下地除去と称する。)することを行う。裏写りは紙の裏の画像が透けて表に写るため、表から見ると薄くなる。そのため、この下地除去により裏写りも補正され、裏写りは低減される。結果として、フルカラーコピーでは裏写りが目立たなくなり、表画像の印象が変わるという問題は起こらないことが多い。しかし、2色コピーでは、裏写り箇所に対するユーザ指定色に置き換える画素か無彩色に置き換える画素かの判定が、裏写りがない場合に対して変わってしまうことがある。その結果、本来ユーザ指定色に変換されるべき画素が無彩色に、或いは本来無彩色に変換されるべき画素がユーザ指定色に変換されてしまうという問題がある。
本発明は、上述の問題の少なくとも一つに鑑みて成されたものであり、無彩色及びユーザによって指定された有彩色への変換処理において裏写りの影響を好適に低減する仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、例えば、画像処理装置であって、
有彩色を指定する指定手段と、
原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた画像の画素のうち裏写りが発生している画素を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された画素の色成分ごとの輝度値と、当該画素に対応する色成分ごとの平均輝度値の差の絶対値を算出し、当該絶対値のうち最小の絶対値分、当該画素に対応する色成分ごとの輝度値を増加させる処理手段と、前記処理手段によって増加された色成分ごとの輝度値に基づいて、前記特定手段によって特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が所定の色相範囲内であれば、当該画素を前記指定手段によって指定された前記有彩色に変換し、前記特定手段によって特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が前記所定の色相範囲内でなければ、当該画素を無彩色に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、無彩色及びユーザによって指定された色への変換処理において裏写りの影響を好適に低減することができる。
一実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 一実施形態に係る2色変換のフローチャートを示す図。 一実施形態に係る裏写り画素判定のフローチャート。 一実施形態に係る裏写り2色変換のフローチャート。 画像データから取得する画素群のイメージ図。 2色プリント設定時の操作パネルの一例を示す図。 L*a*b*空間のa*b*平面とa*b*平面上の判定境界の一例を示す図。 色変換テーブルを模式的に示す図。 判定の閾値テーブルの例を示す図。 フラグの値の組合せと組合せに応じた変換を示す図。 一実施形態に係る裏写り画素判定のフローチャート。 一実施形態に係る裏写り2色変換のフローチャート。
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。なお、実施形態に係る画像処理装置として複合機(デジタル複合機/MFP/Multi Function Peripheral)を例に説明する。しかしながら本発明の主旨を逸脱しない範囲で、レーザプリンタやFAXなどの電子写真方式の画像処理装置に適用することが可能である。また、本発明は、適用対象を画像処理装置に限定する必要はなく、画像形成機能や画像処理機能を有していない情報処理装置にも適用することも可能である。
<第1の実施形態>
<画像処理装置の構成>
以下では、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る画像形成システムは、画像処理装置100、スキャナ110、プリントエンジン108、及びユーザインタフェース(UI)111を有するMFP(Multifunction Peripheral)であるものとして説明する。しかし、本画像形成システムは、プリント機能が備えられているものであればいずれの形態であってもよい。
図1を参照して、画像処理装置100の構成例を説明する。本実施形態に係る画像処理装置100は、画像データ取得部101、裏写り判定部102、2色変換テーブル生成部103、2色変換テーブル保持部104、色変換部105、ガンマ補正部106、及び画像形成部107、及びUI111を備えている。なお、UI111は、外付けのディスプレイ、キーボード、マウスなどであってもよい。また、画像処理装置100は画像データを取得するため、コンピュータ109及びスキャナ110の少なくとも一方と接続されている。また、画像処理装置100は、画像形成部107から出力される画像データを印刷するため、プリントエンジン108と接続されている。また、画像処理装置100はHDD等の記憶装置112と接続されている。
画像データ取得部101は、スキャナ110で読み取った原稿から生成されるRGB画像データを取得する。なお、本実施形態ではRGB画像データを例に挙げて説明するが、後述するL*a*b*空間へ変換可能な色空間を持つ画像データであれば、いずれの画像データであってもよい。また、画像データ取得部101はUI111から送信される設定値を取得する。取得する設定値は、ユーザ指定色の設定値である。本実施形態においてはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)の6色の中から指定色を選択する前提で説明を行うが、選択される指定色は、この6色に限られるものではない。
裏写り判定部102は、画像データ取得部101から入力されたRGB画像データの各画素について、裏写り画素であるか否かを判定し、画素毎に裏写り判定フラグを付与する。裏写り判定フラグは、”0”、”1”の値で保持されてもよいし、他の値を用いてもよいし、裏写り画素であると判定された場合にのみ情報を付加するようにしてもよい。即ち、裏写り画素であるかどうかが識別可能であればよい。判定方法の詳細については後述する。
色変換部105は、裏写り判定部102の判定結果に基づき、画像データ取得部101から入力されたRGB画像データの各画素のうち、裏写りと判定された画素の画素値を修正する。そして、色変換部105は、裏写りと判定された画素については修正後の画素値を、裏写りではない画素は元のRGB画像データの画素値を所定の色空間に変換し、各画素がユーザ指定色に変換する画素か、無彩色に変換する画素かを判定する。なお、所定の色空間とは、例えば3次元色空間において1つの無彩色軸を有するL*a*b*やLCHなどの色空間である。本実施形態においては、L*a*b*空間へ変換し、LCH空間へ変換するものとするが、本発明を限定する意図はなく、YUV空間等へ変換してもよい。
L*a*b*空間及びLCH空間は人間の視覚特性を考慮し、デバイスに非依存の3次元色空間である視覚均等色空間である。本実施形態では、図7に示すように、3次元色空間において無彩軸の成分を除く2成分を用いて判定を行う。図7に示すように、L*a*b*空間における無彩軸の成分である明度成分L*を除く色度成分a*b*を用いている。色相に関連する2成分に対応する2つのパラメータで規定される2次元色平面(以下、色相平面と称する。)において俯瞰することで、各画素の色(C,M,Y,R,G,Bや、オレンジ、ピンク、パープル等の中間色など)を判定することが可能である。そして、ユーザ指定色に変換する画素か、無彩色に変換する画素かの判定結果に基づき、各画素をユーザ指定色又は無彩色に対応するCMYK値に変換し、CMYK画像データを生成する。
図1の説明に戻る。2色変換テーブル生成部103は、後述する色変換部105において色変換テーブルを用いて色変換を行う場合の2色変換テーブル(例えば、ルックアップテーブル形態)を生成する。2色変換テーブル保持部104は、2色変換テーブル生成部103で生成した2色変換テーブルやフルカラー用の色変換テーブル等の色変換テーブルを記憶装置112に保持し、保持したテーブル等を必要に応じて色変換部105等に送る。
ガンマ補正部106は、色変換部105から送られてきたCMYK画像データに対して、プリントエンジン108における階調特性を一定に保つための補正処理を施す。画像形成部107は、ガンマ補正部106で補正されたCMYK画像データを、プリンタに適したN(整数)ビットのハーフトーン画像データに変換してプリントエンジンへ送る制御を行なう。なお、ハーフトーン処理としては濃度パターン法、組織的ディザ法、誤差拡散法等のさまざまな手法が提案されているが、本実施形態においてはいずれの手法を採用してもよい。なお、プリントエンジン108は、CMYKトナーを用いたエンジンであるものとして以下の実施形態の説明を行うが、CMYKインクを用いたエンジンであってもよい。
<2色変換処理>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る、裏写り判定、色判定及び色変換に関する2色変換処理の処理手順を説明する。以下で説明する処理は、例えば画像処理装置100に接続された記憶装置112に格納されたプログラムをRAM113に読み出してCPU114が実行することで実現される。
S201で、画像データ取得部101は、CPU114からスキャナ110に読取指示を出し、原稿のスキャンを実行させることでスキャン画像データを生成し、生成されたスキャン画像データを取得する。取得する画像データは、RGB画像データである。一つの画素につきR,G,Bの3つの画素値を持つ。本実施形態ではR,G,Bのそれぞれが8bitデータ、即ち、0~255の整数値を取るデータとして説明する。
次に、S202で、画像データ取得部101は、UI111から送信される設定値を取得する。UI111の設定値とは、UI111を介してユーザからの指定に基づいて設定される値である。図6は、操作部に表示されるUI111の例を示す。図6(a)は、プリント時のカラー選択や、倍率、枚数等の設定を行うためのUIに遷移するためのボタン609,610,611が選択可能に表示されている。これらのボタンは、操作部のタッチパネル式の液晶表示部を直接操作することにより選択することができる。また、別途設けられたハードウェアキーを操作することにより選択することもできる。図6(b)は、図6(a)のカラー選択ボタン609押下時に遷移する、色数を設定する画面である。UI111は、CMYKの色材を用いたフルカラー印刷を行なう場合、ユーザにより押下されたフルカラーボタン601の設定値を送信する。一方、2色カラーボタン602が押下された場合、UI111は、図6(c)のユーザ指定色を設定する設定画面に遷移する。以下、図6(b)において2色カラーボタン602が選択されている場合の処理について説明する。
図6(c)に示すUIメニューでは、2色プリントにおいて黒と組み合わせる色(指定色)が選択可能になっている。例えばY(603)、R(604)、M(605)、B(606)、C(607)、G(608)の各色の中から任意の色を設定可能である。なお、設定値は、上記設定画面を介したユーザ入力に従って、予めユーザによって指定されていてもよいし、印刷を行なう際にユーザに選択させてもよい。予めユーザによって指定されている場合には、印刷を行う際にユーザに確認を行うように制御してもよい。なお、これらの色以外の有彩色を選択可能としてもよい。任意のボタン603~608を選択した状態でOKボタンを操作すると、指定色の設定が確定し、戻るボタンが操作されると、選択したボタンの指定色が設定されることなく元の画面に遷移することとなる。
続いて、S203で、裏写り判定部102は、S201で取得したRGB画像データの各画素に対し、裏写り画素判定を行う。そして裏写り判定結果に基づいて、RGB画像データの各画素に裏写りであるかどうかを示すフラグ(裏写り判定フラグ)を付与する。裏写りフラグは、例えば、裏写り画素である場合は1、裏写り画素で無い場合は0を保持する。なお、本実施形態では裏写りフラグを付与し、裏写りかどうかを示す値を1と0にしたが、裏写り画素かどうかが分かればどのような形式でもよい。
また、本実施形態では、画像データの各画素のRGB値と、分散値とを用いて裏写り画素であるか否かを判定する。当該分散値は、任意の画素(注目画素)とその周囲の画素のRGB値のばらつき度合いを表すものである。通常、ある画素と別の画素を比較して色が異なる場合、その2つの画素はRGB値と分散値の両方が異なる。反対に、2つの画素の色が同じ場合は、RGB値と分散値の両方が同じ値を持つ。しかし、裏写りによって本来の色とは別の色に変わってしまった画素の場合、本来の色を持つ画素と比較すると、RGB値だけが異なり、分散値は同じ値を持つという特徴がある。この特徴を利用して裏写り画素であるか否かを判定する。裏写り画素判定のさらなる詳細については後述する。
次に、S204で、色変換部105は、S201で取得した画像データから一つの画素を取得する。また、色変換部105は、取得した画素について、S203で付与された画素に紐付く裏写り判定フラグの情報を取得する。続いて、S205で、色変換部105は、S203で付与された裏写りフラグの値に基づいて、S204で取得した画素が、裏写り画素かどうかを判定する。裏写り画素であればS206に進み、そうでない場合はS207に進む。
S206で、色変換部105は、裏写り画素に対応する2色変換処理を実行し、S208に進む。裏写り画素に対応する2色変換処理の詳細については後述する。一方、S207で、色変換部105は、通常の2色変換処理を実行し、S208に進む。通常の2色変換処理の詳細については後述する。
次に、S208で、色変換部105は、S201で取得したRGB画像データの全ての画素を処理したかどうかを判定する。全ての画素を処理したかどうかの判定は、各画素に処理済みかどうかを表すフラグを付与して、全ての画素のフラグが処理済みとなったかを判定してもよいし、画像データ取得時に全画素数を保持しておき、全画素数分処理を繰り返したか否かを判定してもよい。全ての画素を処理していない場合は、S204に戻る。
S208で全ての画素を処理したと判定された場合、S209で、色変換部105は、全ての画素がユーザ指定色又は無彩色を構成するCMYK値に変換された画像データをガンマ補正部106に出力し、処理を終了する。
<裏写り画素判定>
次に、図3を参照して、図2のS203の裏写り画素判定処理の詳細を説明する。なお、図3の各ステップの処理は、裏写り判定部102が行う。以下で説明する処理は、例えば画像処理装置100に接続された記憶装置112に格納されたプログラムをRAM113に読み出してCPU114が実行することで実現される。
まず、S301で、裏写り判定部102は、S201で取得したRGB画像データから一つの画素(注目画素)を取得する。続いて、S302で、裏写り判定部102は、S301で取得した画素を中心とする5x5画素(注目画素を含む25画素)をRGB画像データから取得する。例えば図5に示すように、RGB画像データ501から取得した注目画素502を中心とする周囲24画素503を取得する。また、注目画素が画像データの端部の場合は、存在しない画素のRGB値を0として扱う。例えば図5の504のように注目画素が画像データの左端の場合、注目画素よりも左側には画素が存在しないため、存在しない2x5画素分の画素は、RGB値を0として扱う。なお、本実施形態においては取得する画素数を5x5の25画素としたが、これに限られるものではなく、画像データのサイズなどに応じて取得する画素数を変えてもよい。
次に、S303で、裏写り判定部102は、S301及びS302で取得した注目画素とその周囲の画素から、注目画素の分散値を算出(取得)する。注目画素の分散値はR,G,Bそれぞれに対して算出する。分散値の算出は以下の数式1を用いる。
数式1
Figure 0007204402000001
ここで、σr[n]は画像データのn番目の画素のRの分散値を示す。xriは5x5画素内のi番目のRの画素値(輝度値)を示す。μrは5x5画素のRの画素平均値を示す。Nは総画素数(25)を示す。同様に、σg[n]はGの画像データのn番目の分散値を示し、σb[n]はBの画像データのn番目の分散値を示す。xgiはGのi番目の画素値を示し、xbiはBのi番目の画素値を示す。μgはGの画素平均値を示し、μbはBの画素平均値を示す。またΣは総和の計算を示す。
次に、S304で、裏写り判定部102は、S303で算出した分散値を元に、同じ分散値を持つ画素の値をR,G,Bそれぞれに対して加算していく。数式で表すと以下のようになる。
Tr[σr[n]]=Tr[σr[n]]+Pr
Tg[σg[n]]=Tg[σg[n]]+Pg
Tb[σb[n]]=Tb[σb[n]]+Pb ・・・数式2
ここで、Trが分散値毎のRの画素値の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。Prは注目画素のRの画素値を表す。同様にTgはG、TbはBの分散値毎の画素値の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。またPgはG、PbはBの注目画素の画素値を表す。また、分散値及びR,G,B値毎に、該当する画素が何画素あるかをカウントする。数式で表すと以下のようになる。
Cr[σr[n]]=Cr[σr[n]]+1
Cg[σg[n]]=Cg[σg[n]]+1
Cb[σb[n]]=Cb[σb[n]]+1 ・・・数式3
ここで、Crが分散値毎のRの画素数の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。同様にCgはG、CbはBの分散値毎の画素数の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。
次に、S305で、裏写り判定部102は、S301で取得したRGB画像データの全ての画素を処理したかどうかを判定する。全ての画素を処理したかどうかの判定は、各画素に処理済みかどうかを表すフラグを付与して、全ての画素のフラグが処理済みとなったかを判定してもよいし、画像データ取得時に全画素数を保持しておき、全画素数分処理を繰り返したかを判定してもよい。全ての画素を処理していない場合は、S301に戻る。一方、全ての画素を処理したと判定した場合はS306に進む。
S306で、裏写り判定部102は、S304で算出した分散値毎の画素値の総和及び画素数の総和から、R,G,Bそれぞれの分散値毎の平均画素値を算出する。平均画素値の算出は数式4を用いて行う。
Aver[σr[n]]=Tr[σr[n]]/Cr[σr[n]]
Aveg[σg[n]]=Tg[σg[n]]/Cg[σg[n]]
Aveb[σb[n]]=Tb[σb[n]]/Cb[σb[n]] ・・・数式4
ここで、AverがRの分散値毎の平均画素値、AvegがGの分散値毎の平均画素値、AvebがBの分散値毎の平均画素値を表す。
次に、S307で、裏写り判定部102は、S201で取得したRGB画像データから一つの画素(注目画素)を取得する。続いて、S308で、裏写り判定部102は、S307で取得した注目画素の画素値と、S306で算出した注目画素の分散値に対応する平均画素値を比較し、注目画素の画素値が対応する平均画素値より小さいか否かを判定する。判定は、R,G,Bそれぞれについて行う。例えば、画像データの先頭から数えて10番目の画素のRの画素値が200であり、S303で算出した分散値がσr[10]=20、S306で算出したRの分散値毎の平均画素値がAver[20]=210であるとする。nをn番目の画素とし、n番目の画素のRの画素値をZr[n]と表現すると、Zr[10]<Aver[20]であるため、注目画素である10番目の画素は、画素値が平均画素値より小さいと判定する。小さい場合はS309に進み、そうでない場合はS310に進む。
S308で注目画素の画素値が、対応する平均画素値に対して、R,G,Bの全てが小さいと判定された場合、S309で、裏写り判定部102は、注目画素の画像データに紐づけて裏写りが発生しているか否かの情報を付与する。例えば、裏写り画素フラグの持つ値を1とする。なお、裏写りは明度が変化するケースが多いため、通常はR,G,B全てが対応する平均画素値より小さくなる。そのためR,G,Bの全てが小さいと判定された場合に裏写りと判定すれば問題ない。しかし、例えば画像読み取り時はRGBの信号を取得しつつ、最終的にGの信号だけを利用して画像を生成するというケースなども考えられる。そのため、例えばGの信号だけで裏写りであるか(G信号が平均値より小さいか)を判定するなど、スキャナの構成や画像処理手順の違いなどに基づいて、判定に用いるR,G,Bの信号の組合せを変えてもよい。その後、S311で、裏写り判定部102は、注目画素の画素値と対応する平均画素値の差の絶対値を算出し、記憶装置112に記録し保持し、S312に進む。差分の算出は数式5を用いる。
Dr[n]=abs(Zr[n]-Aver[σr[n]])
Dg[n]=abs(Zg[n]-Aveg[σg[n]])
Db[n]=abs(Zb[n]-Aveb[σb[n]]) ・・・数式5
ここで、DrはRの差の絶対値(abs())を表し、ZrはRの画素値を表す。また、nはn番目の画素を表す。同様にDgはG、DbはBの差の絶対値、ZgはG、ZbはBの画素値を表す。
一方、S308で注目画素の画素値が対応する平均画素値以上と判定された場合、S310で、裏写り判定部102は、注目画素に対応する裏写り画素フラグの持つ値を0とし、S312に進む。
S312で、裏写り判定部102は、S301で取得したRGB画像データの全ての画素を処理したかどうかを判定する。全ての画素を処理したかどうかの判定は、各画素に処理済みかどうかを表すフラグを付与して、全ての画素のフラグが処理済みとなったかを判定してもよいし、画像データ取得時に全画素数を保持しておき、全画素数分処理を繰り返したかを判定してもよい。全ての画素を処理していない場合は、S307に戻り、全ての画素を処理した場合は、処理を終了する。なお、本処理で生成した裏写り画素フラグは記憶装置112に記憶され、保持される。
<裏写り2色変換処理>
次に、図4を参照して、図2のS206の裏写り2色変換処理の詳細を説明する。なお、図4の各ステップの処理は、色変換部105(第1色変換手段)が行う。以下で説明する処理は、例えば画像処理装置100に接続された記憶装置112に格納されたプログラムをRAM113に読み出してCPU114が実行することで実現される。
まずS401において、色変換部105は、図2のS204で取得した画素の画素値を、図3のS311で記憶装置112に保持した差分値を用いて修正する。画素値の修正は以下の数式6を用いて行う。
M=Min(Dr[n],Dg[n],Db[n])
Xmr[n]=Zr[n]+M
Xmg[n]=Zg[n]+M
Xmb[n]=Zb[n]+M ・・・数式6
ここで、MはS311で保持したDr,Dg,Dbのうち、一番小さい値を持つ(Minは最小の値を出力する関数を表す)。XmrはRの修正後の画素値を表し、nはn番目の画素を表す。同様にXmgはG、XmbはBの修正後の画素値を表す。
次に、S402で、色変換部105は、S401で画素値を修正した画素の色空間を変換する。当該変換では、L*a*b*空間に一度変換され、更にLCH空間への変換が行われる。まず、L*a*b*空間に変換する方法について説明する。画素のL*a*b*値への変換は、記憶装置112に予め格納されているRGB空間からL*a*b*空間への変換テーブルを用いた補間演算により行われる。RGB空間からL*a*b*空間への変換テーブルは、RGB信号によって規定される3次元色空間の立方体を規定している。図8に示すように、RGBの各8ビットデータ(0~255)の値に応じて、3次元色空間の立方体801における座標を定めることができる。立方体の8つの頂点は、R、G、B、Y、M、C、K、Wを示す。また、RGB空間からL*a*b*空間への変換テーブルは、入力データのRGB値によって規定され、例えば9×9×9個の格子点を持ち、この格子点に対応するL*a*b*値をテーブルデータとして格納したものである。例えば図8の802では、RGB値(255,0,0)に対応するテーブルデータとしてL*a*b*値(44.01,61.37,39.68)が格納されている。
補間演算は演算用テーブルで定義されていない値が入力された場合に、入力された値に近い演算用テーブルで定義された値を用いて補間を行うものである。補間演算の方法に四面体補間と呼ばれるものがある。四面体補間は、入力された値に近い4つの演算テーブルで定義された値を用いて補間演算を行うものである。本処理においては、入力を画素のRGB値とし、演算用テーブルをRGB→L*a*b*変換テーブルとして四面体補間の演算を行うことで、各画素のL*a*b*値を取得する。なお、本実施形態では変換に四面体補間を用いたが、本発明を限定する意図はなく、演算式による変換など、RGB空間をL*a*b*空間に変換できればどのような方法を用いてもよい。
続いてL*a*b*空間に変換したRGB画像データをLCH空間に変換する。L*a*b*のL*とLCHのLは同じものであるため、そのまま用いる。C(彩度)の値は、以下の数式7により求める。
C=sqrt(a*^2+b*^2) ・・・数式7
ここで、sqrtは平方根の計算を表し、^は累乗の計算を表す。また、H(色相)の値は、以下の数式8により求める。
H=arctan(b*/a*)×(180/PI)
H=H (H>=0の場合)
H=H+360 (H<0の場合) ・・・数式8
ここで、arctanはアークタンジェントの計算を表し、PIは円周率のπを表す。またHは0°~360°の角度で表現される。
次に、S403で、色変換部105は、S402で色空間変換した画素のC(彩度)の値を用いて、画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、判定結果の情報を生成する。有彩色か無彩色かの判定は、記憶装置112に予め保持された閾値と、取得した画素のC(彩度)を比較することで行う。例えば閾値を20とした場合、C(彩度)が20未満であれば無彩色と判定し、20以上であれば有彩色と判定する。本実施形態では閾値を予め保持した値としたが、入力画像の構成に応じて動的に設定してもよいし、UIなどからユーザが選択できるようにしてもよい。また、本実施形態では判定結果をフラグの形式で記憶装置112に保持する。判定結果に応じて有彩無彩判定フラグを生成し、無彩色であれば有彩無彩判定フラグを0にし、有彩色であれば有彩無彩判定フラグを1にする。もちろん有彩色か無彩色かの情報を保持することができれば、どのような形式であってもよい。
続いてS404で、色変換部105は、S202で取得したUI設定値のうち、指定色の情報から色相範囲値を取得する。色相範囲値とは、指定色であるC,M,Y,R,G,Bのそれぞれの色の色相の範囲を表す値である。例えば、図7のように701から702の範囲の色相を持つ色はR、702から703の範囲の色相を持つ色はYというように表現される。色相範囲値はC,M,Y,R,G,Bのそれぞれに対応して、図9に示すようなテーブルの形式で下限値及び上限値として、記憶装置112に予め格納されている。
例えば図7のRであれば、色相範囲の下限値は701に相当する色相値(図9のRの下限値である10)であり、色相範囲の上限値は702に相当する色相値(図9のRの上限値である80)である。そのため、ユーザ指定色がRである場合、色相範囲値として、色相範囲下限値は10°、色相範囲上限値は80°を記憶装置112から取得する。ただし、色相は角度で表現されるため、図7のMのように、0°であるa*軸を含む色相範囲の場合は2つの範囲を用いる。色相の下限値を701(図9のMの下限値である10)、色相の上限値を706(図9のMの上限値である310)としつつ、色相範囲としては[0°]から色相の下限値701[10°]の間と、色相上限値706[310°]と[360°]の間となる。本実施形態に係る色相範囲値は予め保持された値としたが、画像処理装置の特性に応じて動的に設定してもよいし、UIなどからユーザが選択できるようにしてもよい。
次に、S405で、色変換部105は、S402で色空間変換した画素の画素値のうち、H(色相)の値と、S404で取得した色相範囲値を用いて、画素が所定の色相範囲内かを判定し、判定結果の情報を生成する。例えば、ユーザ指定色がRである場合、色相範囲下限値は10°、色相範囲上限値は80°であるため、H(色相)の値が10°以上、80°未満であれば、色相範囲内と判定し、そうでなければ色相範囲外と判定する。本実施形態では判定結果をフラグの形で記憶装置112に保持する。判定結果に応じて色相範囲内外判定フラグを生成し、色相範囲内であれば色相範囲内外判定フラグを1に、色相範囲外であれば色相範囲内外判定フラグを0にする。もちろん色相範囲内外の情報を保持することができれば、どのような形式でもよい。
続いてS406で、色変換部105は、画素をユーザ指定色に変換するか、無彩色に変換するかを判定する。画素をユーザ指定色に変換するか、無彩色に変換するかの判定は、S403及びS405で生成した情報(フラグ)の組合せで行う。図10は各フラグの値の組合せで、ユーザ指定色と無彩色のどちらの変換を行うかを示す。S403で生成し、記憶装置112に保持した有彩無彩判定フラグが1001に対応する。S405で生成し、記憶装置112に保持した色相範囲内外判定フラグが1002に対応する。各判定フラグの値を入力とし、図10の変換色1003を出力とするテーブル(判定結果出力テーブル)が記憶装置112に予め保持されている。変換色1003に関しては、例えば指定色を1、無彩色を0というように値を対応付けて、その値を出力値としてもよい。色変換部105は、記憶装置112から判定結果出力テーブルを取得し、当該テーブルを用いて、有彩無彩判定フラグ及び色相範囲内外判定フラグの値を入力として、指定色又は無彩色に相当する値(例えば1又は0)を出力する。
次に、S406の判定においてユーザ指定色に変換と判定された場合、S407で、色変換部105は、画素のRGB値(LCH空間に変換する前のRGB値)をユーザ指定色に変換し、処理を終了する。ユーザ指定色への変換の流れとして、色変換部105は、まず2色変換テーブル保持部104により記憶装置112に保持されたフルカラー用の色変換テーブルを用いて、画素のRGB値をCMYK値に変換する。続いて、色変換部105は、フルカラーのCMYK値に対して、演算式を用いてユーザ指定色を構成するCMYK値に変換する。まずフルカラー用の色変換テーブルを用いたCMYK値への変換は、S402のRGB空間からL*a*b*空間への変換と同様に、RGB空間からCMYK空間へのフルカラー用色変換テーブルを用いた四面体補間演算によって行う。
フルカラー用色変換テーブルはRGB信号によって規定される3次元色空間の立方体を規定しており、図8に示すように、RGBの各8ビットデータの値に応じて、3次元色空間の立方体における座標を定めることができる。立方体の8つの頂点は、R、G、B、Y、M、C、K、Wを示す。また、色変換テーブルは入力データのRGB値によって規定される例えば16×16×16個の格子点を持ち、この格子点に対応するCMYK値をテーブルデータとして格納したものである。例えば図8の803では、RGB値(255,0,0)に対応するテーブルデータとしてCMYK値(0,255,255,0)が格納されている。フルカラー用色変換テーブルを用いた四面体補間演算方法は、S402のRGB空間からL*a*b*空間への変換と同じであるため説明を省略する。
続いて、色変換部105は、フルカラー用色変換テーブルを用いた四面体補間演算により算出されたフルカラーのCMYK値を、演算式を用いてユーザ指定色を構成するCMYK値に変換する。演算は下記の行列式を用いた演算を行う。
数式9
Figure 0007204402000002
本実施形態では色変換テーブルと行列式の演算を用いてRGB値からユーザ指定色を構成するCMYK値への変換を行ったが、RGB値をユーザ指定色のCMYK値変換することができれば、どのような方法を用いてもよい。
次に、S406の判定において無彩色に変換と判定された場合、S408で、色変換部105は、画素のRGB値(LCH空間に変換する前のRGB値)を無彩色に変換し、処理を終了する。無彩色への変換の流れとして、色変換部105は、S407と同様に、まず2色変換テーブル保持部104により記憶装置112に保持されたフルカラー用の色変換テーブルを用いて、画素のRGB値をCMYK値に変換する。続いてフルカラーのCMYK値に対して、演算式を用いて無彩色を構成するCMYK値に変換する。フルカラー用の色変換テーブルを用いたCMYK値への変換は、S407と同様であるため説明を省略する。続いてフルカラー用色変換テーブルを用いた四面体補間演算により算出されたフルカラーのCMYK値を、演算式を用いてユーザ指定色を構成するCMYK値に変換する。演算は下記の行列式を用いた演算を行う。
数式15
Figure 0007204402000003

本実施形態では色変換テーブルと行列式の演算を用いてRGB値から無彩色を構成するCMYK値への変換を行ったが、RGB値を無彩色のCMYK値変換することができれば、どのような方法を用いてもよい。
<通常2色変換処理>
次に、図2のS207の通常2色変換について説明する。通常2色変換処理(第2色変換手段による処理)では、上記S206の裏写り2色変換の詳細処理である図4の処理のうち、S401を行わずにS402乃至S408の処理を行う。即ち、裏写りがないため、その度合いに応じた画素値の修正を行わず、色変換処理のみが行われる。これらの処理については、既に説明しているため省略する。
なお、本実施形態ではユーザ指定色又は無彩色の色変換の際に、フルカラー用の色変換テーブルと行列式を用いた。しかし、予めRGB値を直接ユーザ指定色と無彩色に変換するテーブルを作成し、ユーザ指定色と無彩色に変換する画素に対し、それぞれテーブルを切り替えながら色の変換を行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置は、読み取った原稿の画像データの画素ごとに裏写りが発生しているか否かを判定する。裏写りが発生していると判定された場合は、画素の裏写りを補正し、補正した画像データに対して、ユーザ指定色又は無彩色に変換する2色変換処理を実行する。一方、裏写りが発生していないと判定された場合は、当該画素の原稿から読み取った画像データに対して、2色変換処理を実行する。これにより、裏写りが発生する原稿を2色コピーした場合においても、ユーザ指定色か無彩色のどちらに変換するかの判定結果が、裏写りの有無に関わらず変化しないようになる。そのため、裏写り箇所においても裏写りが無い場合と同様に、ユーザ指定色に変換されるべき画素はユーザ指定色に変換され、無彩色に変換されるべき画素は無彩色に変換されうる。このように、本実施形態によれば、裏写りが発生するカラー原稿の2色コピーを行う際に、無彩色又はユーザ指定色への変換処理において裏写りの影響を好適に低減することができる。
<第2の実施形態>
以下では、本発明の第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、裏写り箇所に対しては、画素値(RGB値:輝度値)に基づいて裏写り画素の補正を行った上で2色変換を行った。裏写りが起きるケースの多くは明度の変化が起きるため上記第1の実施形態の方法で課題を解決することができる。しかし、裏の画像の色が濃い場合、特に原稿が薄い紙の場合、色味(色相や彩度)の変化も起こることがある。そこで本実施形態では、裏写りにより色味の変化も起きた場合に、より効果的に課題を解決する方法を説明する。
本実施形態に係る画像形成装置の構成は上記第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。図2の処理フローのうち、S203の裏写り画素判定とS206の裏写り2色変換が上記第1の実施形態と異なるため、本実施形態ではこの2つの処理について説明する。
<裏写り画素判定>
まず図11を用いて、本実施形態におけるS203の裏写り画素判定の詳細を説明する。第1の実施形態と同様、図11の各ステップの処理は全て裏写り判定部102が行う。以下で説明する処理は、例えば画像処理装置100に接続された記憶装置112に格納されたプログラムをRAM113に読み出してCPU114が実行することで実現される。S1101~S1110及びS1115の処理は、図3のS301~S310及びS312の処理と同様のため、説明を省略する。なお、S1108では、HSV値の全て、即ち、色相、彩度、明度の値の全てが各平均値よりも小さい場合に当該画素に裏写りが発生していると判定することが望ましい。
S1111で、裏写り判定部102は、S1107で取得した画素のRGB値をHSV値に変換する。HSVはHが色相、Sが彩度、Vが明度を表す。本実施形態ではHは0~360、S及びVは0~255の整数値である。RGBからHSVへの変換は、以下の数式16を用いて行う。
MAXrgb=Max(Zr[n],Zg[n],Zb[n])
MINrgb=Min(Zr[n],Zg[n],Zb[n])
H[n]=60×((Zg[n]-Zb[n])/(MAXrgb-MINrgb)) (MAXrgb=Zr[n])
H[n]=60×((Zb[n]-Zr[n])/(MAXrgb-MINrgb))+120 (MAXrgb=Zg[n])
H[n]=60×((Zg[n]-Zb[n])/(MAXrgb-MINrgb))+240 (MAXrgb=Zb[n])
H[n]=0 (Zr[n]=Zg[n]=Zb[n])
S[n]=(MAXrgb-MINrgb)/ MAXrgb
V[n]=MAXrgb ・・・数式16
ここで、MAXrgbはZr,Zg,Zbの内一番大きい値、MINrgbはZr,Zg,Zbの内一番小さい値である。上記第1の実施形態と同様Zr,Zg,ZbはR,G,Bの各画素値を表し、nはn番目を表す。
続いてS1112で、裏写り判定部102は、S1103で算出した分散値を元に、同じ分散値を持つS1111で算出したH,S,Vをそれぞれ加算していく。数式で表すと以下の数式17のようになる。
Th[σr[n]]=Th[σr[n]]+H[n]
Ts[σg[n]]=Ts[σg[n]]+S[n]
Tv[σb[n]]=Tv[σb[n]]+V[n] ・・・数式17
Thが分散値毎のHの画素値の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。同様にTsはS、TvはVの分散値毎の画素値の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。また、分散値及びH,S,V値毎に、該当する画素が何画素あるかをカウントする。数式で表すと以下の数式18のようになる。
Ch[σr[n]]=Ch[σr[n]]+1
Cs[σg[n]]=Cs[σg[n]]+1
Cv[σb[n]]=Cv[σb[n]]+1 ・・・数式18
ここで、Chが分散値毎のHの画素数の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。同様にCsはS、CvはVの分散値毎の画素数の総和を保持する配列を表し、初期値は0である。
次に、S1113で、裏写り判定部102は、S1112で算出した分散値毎のH,S,Vそれぞれの値の総和及び画素数の総和から、H,S,Vそれぞれの分散値毎の平均画素値を算出する。平均画素値の算出は数式19を用いて行う。
Aveh[σr[n]]=Th[σr[n]]/Ch[σr[n]]
Aves[σg[n]]=Ts[σg[n]]/Cs[σg[n]]
Avev[σb[n]]=Tv[σb[n]]/Cv[σb[n]] ・・・数式19
ここで、AvehがHの分散値毎の平均画素値、AvesがSの分散値毎の平均画素値、AvevがVの分散値毎の平均画素値を表す。
S1114で、裏写り判定部102は、注目画素のHSV値と対応する平均HSV値の差の絶対値を算出し、保持する。差分の算出は数式20を用いる。
Dh[n]=abs(H[n]-Aveh[σr[n]])
Ds[n]=abs(S[n]-Aves[σg[n]])
Dv[n]=abs(V[n]-Avev[σb[n]]) ・・・数式20
ここで、DhはHの差の絶対値を表す。また、nはn番目の画素を表す。同様にDsはS、DvはVの差の絶対値を表す。
<裏写り2色変換処理>
続いて図12を用いて、本実施形態におけるS206の裏写り2色変換処理の詳細を説明する。上記第1の実施形態と同様、図12の各ステップの処理は全て色変換部105が行う。以下で説明する処理は、例えば画像処理装置100に接続された記憶装置112に格納されたプログラムをRAM113に読み出してCPU114が実行することで実現される。
まずS1201で、色変換部105は、図11のS1111で算出した画素ごとのHSV値を、図11のS1114で保持した差分値を用いて修正する。HSV値の修正は以下の数式21を用いて行う。
Hm[n]=H[n]+Dh[n]
Sm[n]=S[n]+Ds[n]
Vm[n]=V[n]+Dv[n] ・・・数式21
ここで、HmはHの修正後の値を表し、nはn番目の画素を表す。同様にSmはS、VmはVの修正後の画素値を表す。
続いてS1202で、色変換部105は、S1201で修正したHSV値をRGB値に変換する。HSVからRGBへの変換は以下の数式22を用いて行う。
MAXhsv=Vm[n]
MINhsv=MAXhsv-((Sm[n]/255)×MAXhsv)

Rc[n]=MAXhsv
Gc[n]=(Hm[n]/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
Bc[n]=MINhsv
(0<Hm[n]<60)

Rc[n]=((120-Hm[n])/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
Gc[n]=MAXhsv
Bc[n]=MINhsv
(60<Hm[n]<120)

Rc[n]=MINhsv
Gc[n]=MAXhsv
Bc[n]=((Hm[n]-120)/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
(120<Hm[n]<180)

Rc[n]=MINhsv
Gc[n]=((240-Hm[n])/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
Bc[n]=MAXhsv
(180<Hm[n]<240)

Rc[n]=((Hm[n]-240)/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
Gc[n]=MINhsv
Bc[n]=MAXhsv
(240<Hm[n]<300)

Rc[n]=MAXhsv
Gc[n]=MINhsv
Bc[n]=((360-Hm[n])/60)×(MAXhsv-MINhsv)+MINhsv
(300<Hm[n]<360)
・・・数式22
ここで、RcはHSVから変換後のRの画素値、GcはHSVから変換後のGの画素値、BcはHSVから変換後のBの画素値を表す。また、nはn番目の画素を表す。
以降S1203からS1209までの処理は図4のS401からS408までの各処理と同じため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置は、読み取った原稿の画像データの画素ごとに裏写りが発生しているか否かを判定する。裏写りが発生していると判定された場合は、画素の裏写りを補正し、補正した画像データに対して、ユーザ指定色又は無彩色に変換する2色変換処理を実行する。一方、裏写りが発生していないと判定された場合は、当該画素の原稿から読み取った画像データに対して、2色変換処理を実行する。また、本実施形態では、裏写り判定において、読み取った全ての画素について、色相、彩度、明度の値を取得するとともに、注目画素とその周囲の画素の画素値のばらつき度合いを示す分散値を取得する。さらに、分散値が同じ値を示す画素の色相、彩度、明度の平均値をそれぞれ取得し、各画素の色相、彩度、明度の値と、当該画素に対して取得された分散値の色相、彩度、明度の平均値とを比較する。その後、各画素の色相、彩度、明度の値のそれぞれが当該画素に対して取得された分散値の色相、彩度、明度のそれぞれの平均値より小さい場合は裏写りが発生していると判定し、そうでない場合は裏写りが発生していないと判定する。これにより、裏写りにより色味の変化も起きた場合でも、裏写り箇所において裏写りが無い場合と同様に、ユーザ指定色に変換されるべき画素はユーザ指定色、無彩色に変換されるべき画素は無彩色に変換することができる。このように、本実施形態によれば、色味の変化が起こる場合であっても、裏写りが発生するカラー原稿の2色コピーを行う際に、無彩色又はユーザ指定色への変換処理において裏写りの影響を好適に低減することができる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:画像処理装置、101:画像データ取得部、102:裏写り判定部、103:2色変換テーブル生成部、104:2色変換テーブル保持部、105:色変換部、106:ガンマ補正部、107:画像形成部、108:プリントエンジン、109:コンピュータ、110:スキャナ、111:UI、112:記憶装置

Claims (11)

  1. 画像処理装置であって、
    有彩色を指定する指定手段と、
    原稿の画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段によって読み取られた画像の画素のうち裏写りが発生している画素を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された画素の色成分ごとの輝度値と、当該画素に対応する色成分ごとの平均輝度値の差の絶対値を算出し、当該絶対値のうち最小の絶対値分、当該画素に対応する色成分ごとの輝度値を増加させる処理手段と、
    前記処理手段によって増加された色成分ごとの輝度値に基づいて、前記特定手段によって特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が所定の色相範囲内であれば、当該画素を前記指定手段によって指定された前記有彩色に変換し、前記特定手段によって特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が前記所定の色相範囲内でなければ、当該画素を無彩色に変換する変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記読取手段によって読み取られた画像の画素について得られる分散値に基づいて、前記裏写りが発生している画素を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記分散値は前記読取手段によって読み取られた画像内の複数の画素の分散の度合いを示すことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記特定手段によって特定された画素が有彩色であるか無彩色であるかを、当該画素の彩度に基づいて判定する判定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記特定手段によって特定された画素の色相が前記所定の色相範囲内にあるか否かを判断する判断手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記色成分はRの成分、Gの成分、Bの成分であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記指定手段は、少なくとも赤、緑、青のうちから前記有彩色を指定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記指定手段は、少なくともシアン、マゼンタ、イエローのうちから前記有彩色を指定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記変換手段による変換後の前記画像を印刷する印刷手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 画像処理装置の制御方法であって、
    有彩色を指定する指定工程と、
    原稿の画像を読み取る読取工程と、
    前記読取工程で読み取られた画像の画素のうち裏写りが発生している画素を特定する特定工程と、
    前記特定工程で特定された画素の色成分ごとの輝度値と、当該画素に対応する色成分ごとの平均輝度値の差の絶対値を算出し、当該絶対値のうち最小の絶対値分、当該画素に対応する色成分ごとの輝度値を増加させる処理工程と、
    前記処理工程で増加された色成分ごとの輝度値に基づいて、前記特定工程によって特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が所定の色相範囲内であれば、当該画素、前記指定工程によって指定された前記有彩色に変換し、前記特定工程で特定された画素の色が有彩色であり、当該画素の色相が前記所定の色相範囲内でなければ、当該画素を無彩色に変換する変換工程とを含むことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載された画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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