本発明のポリエステル樹脂は、第1のジカルボン酸単位(A1)を少なくとも含むジカルボン酸単位(A)と、第1のジオール単位(B1)を少なくとも含むジオール単位(B)とを有している。
[第1のジカルボン酸単位(A1)]
ジカルボン酸単位(A)は、少なくとも下記式(A1)で表される第1のジカルボン酸単位(A1)を少なくとも含んでいる。
(式中、A1は同一又は異なって置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、A2は直接結合又は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、R1は同一又は異なって置換基、kは同一又は異なって0~4の整数を示す)。
前記式(A1)において、R1で表される置換基としては、炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基などが挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基などのC6-10アリール基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
これらの基R1のうち、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子が好ましく、なかでもアルキル基、特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基が好ましい。
基R1の置換数kは、例えば、0~3程度の整数、好ましくは0~2の整数、さらに好ましくは0又は1、特に0である。なお、2つのフルオレン環を構成する4つの異なるベンゼン環において、それぞれの置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。また、前記異なるベンゼン環に置換する基R1の種類は、互いに異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。kが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する2以上の基R1の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基R1の置換位置は、特に制限されず、例えば、フルオレン環の2位乃至7位、例えば、2位、3位、7位などであってもよい。
A1で表される2価の炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,2-ブタンジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-8アルキレン基が挙げられる。好ましい炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキレン基、さらに好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基、特に、エチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキレン基である。
基A1における炭化水素基の置換基としては、例えば、フェニル基などのアリール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基などが挙げられる。置換基を有する炭化水素基A1としては、例えば、1-フェニルエチレン基、1-フェニルプロパン-1,2-ジイル基などが挙げられる。
基A1は、通常、直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレン基、例えば、エチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルキレン基、特にエチレン基などである場合が多い。なお、2つの基A1の種類は、互いに異なっていてもよく、通常、同一である。
A2で表される2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基などの前記基A1で表される2価の炭化水素基として例示した直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アルキリデン基などが挙げられる。アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基(2,2-プロパンジイル基)などのC2-6アルキリデン基が挙げられる。好ましいアルキリデン基としてはエチリデン基などのC2-4アルキリデン基が挙げられる。
基A2における炭化水素基の置換基としては、例えば、フェニル基などのアリール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基などが挙げられる。置換基を有する炭化水素基A2としては、例えば、フェニルメチレン基などが挙げられる。
基A2は、通常、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であることが多く、なかでも、直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキレン基、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基、さらに好ましくはメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキレン基、特にメチレン基である場合が多い。
前記式(A1)で表されるジカルボン酸単位(A1)として、代表的には、A1が直鎖状又は分岐鎖状C2-6アルキレン基、A2が直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基である単位、具体的には、ビス[9-(2-カルボキシエチル)-フルオレン-9-イル]メタン、ビス[9-(2-カルボキシプロピル)-フルオレン-9-イル]メタン、1,2-ビス[9-(2-カルボキシエチル)-フルオレン-9-イル]エタンなどのビス[9-(カルボキシC2-6アルキル)-フルオレン-9-イル]C1-4アルカン;及びこれらのエステル形成性誘導体などの第1のジカルボン酸成分(A1)に由来する構成単位などが挙げられる。なかでも、ビス[9-(カルボキシC2-4アルキル)-フルオレン-9-イル]C1-3アルカン、及びこれらのエステル形成性誘導体などの第1のジカルボン酸成分(A1)に由来する構成単位が好ましい。
これらの第1のジカルボン酸単位(A1)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第1のジカルボン酸単位(A1)のうち、ビス[9-(2-カルボキシエチル)-フルオレン-9-イル]メタンなどのビス[9-(カルボキシC2-3アルキル)-フルオレン-9-イル]C1-2アルカン、及びこれらのエステル形成性誘導体などが特に好ましい。
なお、これらの第1のジカルボン酸成分(A1)は、特許文献3などに記載の慣用の方法、例えば、フルオレン及び金属アルコキシド(ナトリウムエトキシドなど)の混合物と、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド多量体;ホルマリンなど)とを反応させてビス(フルオレン-9-イル)メタンを調製する工程と;得られたビス(フルオレン-9-イル)メタンと、アクリル酸エステル(アクリル酸メチルなど)とを相間移動触媒(ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなど)の存在下で反応させる工程とを含む方法などにより調製してもよい。
このような第1のジカルボン酸単位(A1)を含むことにより、高い屈折率及び耐熱性を低下することなく、複屈折を有効に低減できる。第1のジカルボン酸単位(A1)の割合は、ジカルボン酸単位(A)全体に対して、例えば、1~100モル%程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、10~100モル%、20~99モル%、30~97モル%、40~95モル%、50~93モル%であり、さらに好ましくは60~90モル%、なかでも、70~85モル%、特に75~85モル%である。第1のジカルボン酸単位(A1)の割合が少なすぎると、耐熱性や屈折率が低下したり、複屈折やアッベ数を低減できないおそれがある。
[第1のジオール単位(B1)]
(式中、Zは同一又は異なってアレーン環、R2及びR3は同一又は異なって置換基、A3は同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、mは同一又は異なって0~4の整数、nは同一又は異なって0以上の整数、pは同一又は異なって1以上の整数を示す)。
前記式(B1)において、環Zで表されるアレーン環(芳香族炭化水素環)としては、例えば、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが挙げられ、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環(縮合多環式芳香族炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含まれる。
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン環、縮合三環式アレーン環などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。
縮合二環式アレーン環としては、例えば、ナフタレン環、インデン環などの縮合二環式C10-16アレーン環などが挙げられる。縮合三環式アレーン環としては、例えば、アントラセン環、フェナントレン環などが挙げられる。
好ましい環縮合多環式アレーン環としては、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式C10-16アレーン環、さらに好ましくは縮合多環式C10-14アレーン環が挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。
環集合アレーン環としては、ビアレーン環、テルアレーン環などが例示できる。
ビアレーン環としては、例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1-フェニルナフタレン環、2-フェニルナフタレン環など)などのビC6-12アレーン環などが挙げられる。テルアレーン環としては、例えば、テルフェニレン環などのテルC6-12アレーン環などが挙げられる。好ましい環集合アレーン環は、ビC6-10アレーン環などが挙げられ、特にビフェニル環が好ましい。
2つの環Zの種類は、互いに同一又は異なっていてもよく、通常、同一であることが多い。環Zのうち、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6-12アレーン環などが好ましく、なかでも、ベンゼン環、ナフタレン環などのC6-10アレーン環が好ましく、特に、成形性が高く、複屈折をより低減し易い点からはベンゼン環が好ましく、屈折率及びガラス転移温度をより向上できる点からはナフタレン環が好ましい。特に、高い屈折率、低い複屈折、高い耐熱性、高い成形性及び低いアッベ数などのバランスに優れる点からナフタレン環が最も好ましい。
なお、フルオレン環の9位に結合する環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Zがベンゼン環の場合、1~6位のいずれかの位置であってもよく、環Zがナフタレン環の場合、1位又は2位のいずれかの位置であってもよく、環Zがビフェニル環の場合、2位、3位、4位のいずれかの位置であってもよい。
基R2で表される置換基は、前記第1のジカルボン酸単位(A1)の項に例示した基R1と、基R2で表される置換基の置換数mは、前記第1のジカルボン酸単位(A1)の項に例示した基R1で表される置換基の置換数kと、それぞれ好ましい態様を含めて同様であってもよい。なお、フルオレン環を形成する2つのベンゼン環において、基R2の種類及び置換数mは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。また、mが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する基R2の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
基R3で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルキル基などが挙げられる。好ましいアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基であり、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基である。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5-10シクロアルキル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、アルキルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基などが挙げられる。アルキルフェニル基としては、例えば、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール-C1-4アルキル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルコキシ基などが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基などのC5-10シクロアルキルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基などのC6-10アリールオキシ基などが挙げられる。
アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基などのC6-10アリール-C1-4アルキルオキシ基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1-10アルキルチオ基などが挙げられる。
シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロヘキシルチオ基などのC5-10シクロアルキルチオ基などが挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、チオフェノキシ基などのC6-10アリールチオ基などが挙げられる。
アラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基などのC6-10アリール-C1-4アルキルチオ基などが挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基などのC1-6アシル基などが挙げられる。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基;ビス(アルキルカルボニル)アミノ基などが挙げられる。ジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基などのジC1-4アルキルアミノ基などが挙げられる。ビス(アルキルカルボニル)アミノ基としては、例えば、ジアセチルアミノ基などのビス(C1-4アルキル-カルボニル)アミノ基などが挙げられる。
これらの基R3のうち、代表的には、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭化水素基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。置換数nが1以上である場合、好ましい基R3としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基が好ましく、アリール基としては、フェニル基などのC6-12アリール基が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルコキシ基が好ましい。なかでも、アルキル基、アリール基が好ましく、より好ましくはメチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基、フェニル基などのC6-10アリール基であり、さらに好ましくはメチル基、フェニル基であり、特にフェニル基が好ましい。
基R3の置換数nは、環Zの種類に応じて適宜選択でき、例えば、0~8程度の整数であってもよく、好ましくは以下段階的に、0~4の整数、0~3の整数、0~2の整数であり、なかでも、0又は1、特に0である。なお、2つの異なる環Zにおいて、基R3の種類及び置換数nは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。また、置換数nが2以上である場合、同一の環Zに置換する2以上の基R3の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。基R3の置換位置は、特に制限されず、環Zと、基[-O-(A3O)p-]及びフルオレン環の9位との結合位置以外の位置に置換していればよい。
A3で表される直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(1,2-プロパンジイル基)、トリメチレン基、1,2-ブタンジイル基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2-6アルキレン基などが挙げられる。好ましいアルキレン基A3としては、直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレン基、さらに好ましくはエチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルキレン基、特に、エチレン基である。
オキシアルキレン基(OA3)の繰り返し数(付加モル数)pは、0以上の整数であればよく、例えば、0~15程度の整数から選択でき、好ましくは以下段階的に、0~10の整数、0~8の整数、0~6の整数であり、さらに好ましくは0~4の整数、なかでも0~2の整数、特に0又は1である。繰り返し数pが1以上である場合、pは、例えば、1~10程度の整数から選択してもよく、好ましくは1~6の整数、さらに好ましくは1~2の整数である。なかでも、重合反応性の観点から、pが1であるのが好ましい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「繰り返し数(付加モル数)p」は、平均値(算術平均値、相加平均値)又は平均付加モル数であってもよく、好ましい態様は、好ましい整数の範囲と同様であってもよい。繰り返し数pが大きすぎると、屈折率が低下するおそれがある。また、2つの繰り返し数pは、それぞれ同一又は異なっていてもよく、pが2以上の場合、2以上のオキシアルキレン基(OA3)の種類は、互いに異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。また、異なる環Zにエーテル結合(-O-)を介して結合するオキシアルキレン基(OA3)の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
基[-O-(A3O)p-]の置換位置は、環Zとフルオレン環との結合位置以外の位置であれば、特に限定されず、例えば、環Zがベンゼン環である場合、フルオレン環の9位に結合したフェニル基の2~6位のいずれかの位置であればよい。環Zがナフタレン環である場合、通常、フルオレン環の9位に対して、1位又は2位で結合するナフチル基の5~8位のいずれかの位置に置換している場合が多く、フルオレン環の9位に対して、ナフタレン環の1位又は2位が置換し(1-ナフチル又は2-ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5位、2,6位、特に、2,6位などの関係で置換しているのが好ましい。環Zがビフェニル環である場合、ビフェニル環の2~6位及び2’~6’位のいずれかの位置に置換していればよいが、例えば、ビフェニル環の3位又は4位がフルオレン環の9位に結合していてもよく、ビフェニル環の3位がフルオレンの9位に結合する場合、基[-O-(A3O)p-]の置換位置は、例えば、ビフェニル環の2位、4位、5位、6位、2’位、3’位、4’位のいずれの位置であってもよく、好ましくは6位、4’位のいずれかの位置、特に、6位などに置換していてもよい。ビフェニル環の4位がフルオレン環の9位に結合している場合、基[-O-(A3O)p-]の置換位置は、ビフェニル環の2位、3位、2’位、3’位、4’位のいずれの位置であってもよく、好ましくは2位、4’位のいずれかの位置、特に、2位などに置換していてもよい。
第1のジオール単位(B1)は、第1のジオール成分(B1)に由来(又は対応)する構成単位であり、代表的な第1のジオール成分(B1)としては、例えば、前記式(B1)において、pが1以上、具体的には、1~10程度、好ましくは1~6、さらに好ましくは1~3である単位に対応する9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール]フルオレン類などが挙げられる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、特に断りのない限り、「(ポリ)アルコキシ」とは、アルコキシ基及びポリアルコキシ基の双方を含む意味に用いる。
9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール]フルオレン類としては、例えば、(B1-1)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン;(B1-2)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ-アルキルフェニル]フルオレン;(B1-3)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ-アリールフェニル]フルオレン;(B1-4)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレンなどが挙げられる。
(B1-1)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレンとしては、例えば、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ-フェニル]フルオレンなどが挙げられる。
(B1-2)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ-アルキルフェニル]フルオレンとしては、例えば、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メチルフェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジメチルフェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ-(モノ又はジ)C1-4アルキル-フェニル]フルオレンなどが挙げられる。
(B1-3)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ-アリールフェニル]フルオレンとしては、例えば、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ-C6-10アリール-フェニル]フルオレンなどが挙げられる。
(B1-4)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレンとしては、例えば、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレン、9,9-ビス[5-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-ナフチル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ-ナフチル]フルオレンなどが挙げられる。
これらの第1のジオール単位(B1)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第1のジオール単位(B1)のうち、9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシC6-10アリール]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール]フルオレン類に由来する構成単位が好ましく;なかでも、(B1-1)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル]フルオレン、(B1-4)9,9-ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル]フルオレンが好ましく;さらに好ましくは9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至ヘキサ)C2-4アルコキシフェニル]フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至ヘキサ)C2-4アルコキシ-ナフチル]フルオレン;特に、屈折率及び耐熱性を向上し易い点から、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレンなどの9,9-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至トリ)C2-3アルコキシ-ナフチル]フルオレンに由来する単位が好ましい。
このような第1のジオール単位(B1)を含むことにより、ポリエステル樹脂の複屈折を大きく増加させることなく、屈折率及び耐熱性を向上し、アッベ数も低減できる。第1のジオール単位(B1)の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、10~100モル%程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、30~100モル%、50~100モル%、60~99モル%、70~98モル%、75~97モル%であり、さらに好ましくは80~95モル%、特に、85~95モル%である。第1のジオール単位(B1)の割合が少なすぎると、屈折率や耐熱性が低下するおそれがあるとともに、アッベ数を低減できないおそれがある。
本発明のポリエステル樹脂は、前記ジカルボン酸単位(A1)とジオール単位(B1)とを適切に組み合わせることにより、高い屈折率及び低い複屈折、並びに高い耐熱性及び高い成形性などの互いに相反する特性を、より一層高いレベルで充足できる。そのため、第1のジオール単位(B1)の割合は、第1のジカルボン酸単位(A1)1モルに対して、例えば、0.1~10モル程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、0.3~5モル、0.5~4モル、0.7~3モル、0.8~2モル、0.9~1.5モルであり、さらに好ましくは1~1.3モル、特に、1~1.2モルである。
本発明のポリエステル樹脂は、前記ジカルボン酸単位(A1)及びジオール単位(B1)のみで形成してもよいが、重合反応性や機械的特性をバランスよく向上(又は改善)する観点から、他の構成単位(又は重合成分)を含んでいてもよい。
[他の構成単位]
(第2のジカルボン酸単位(A2))
ジカルボン酸単位(A)は、下記式(A2)で表される第2のジカルボン酸単位(A2)をさらに含んでいてもよい。
(式中、Arはアレーン環、R4は置換基、qは0以上の整数を示す)。
前記式(A2)において、環Arで表されるアレーン環(芳香族炭化水素環)としては、前記第1のジオール単位(B1)における環Zに例示したアレーン環と同様のアレーン環が例示できる。好ましい環Arとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などのC6-14アレーン環が挙げられ、さらに好ましくはC6-12アレーン環、なかでも、ベンゼン環、ナフタレン環などのC6-10アレーン環、特に、ナフタレン環が挙げられる。
R4で表される置換基としては、例えば、前記第1のジオール単位(B1)の項に記載の基R3と好ましい態様を含めて同様の置換基などが挙げられる。
基R4の置換数qは、環Arの種類に応じて選択でき、例えば、0~6程度の整数から選択でき、好ましくは以下段階的に、0~4の整数、0~2の整数、さらに好ましくは0又は1、特に、0である。qが2以上である場合、2以上の基R4の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、基R4の置換位置は特に制限されず、2つのカルボニル基[-C(=O)-]と環Arとの結合位置以外の位置に置換していればよい。
2つのカルボニル基[-C(=O)-]の置換位置は特に制限されず、例えば、環Arがベンゼン環である場合、2つのカルボニル基[-C(=O)-]は、o-位、m-位又はp-位のいずれの位置関係で置換していてもよく、なかでも、m-位又はp-位、特に、p-位の位置関係で置換するのが好ましい。また、環Arがナフタレン環である場合、2つのカルボニル基[-C(=O)-]は、1~8位のいずれの位置に置換していてもよいが、通常、一方のカルボニル基が1又は2位に置換したナフチル基に対して、他方のカルボニル基が5~8位に置換する場合が多く、例えば、1,5位又は2,6位、特に、2,6位の位置関係で置換するのが好ましい。環Arがビフェニル環である場合、2つのカルボニル基[-C(=O)-]は、いずれの位置関係で置換していてもよいが、通常、異なるベンゼン環にそれぞれ置換する場合が多く、2,2’位、3,3’位又は4,4’位、特に、4,4’位の位置関係で置換するのが好ましい。
第2のジカルボン酸単位(A2)は第2のジカルボン酸成分(A2)に対応する構成単位であり、代表的な第2のジカルボン酸成分(A2)としては、例えば、前記式(A2)において、環Arがベンゼン環である単位に対応するベンゼンジカルボン酸類;環Arが多環式アレーン環である単位に対応する多環式アレーンジカルボン酸類;及びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
ベンゼンジカルボン酸類としては、例えば、ベンゼンジカルボン酸、アルキルベンゼンジカルボン酸などが挙げられる。ベンゼンジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。アルキルベンゼンジカルボン酸としては、例えば、5-メチルイソフタル酸などのC1-4アルキル-ベンゼンジカルボン酸などが挙げられる。
多環式アレーンジカルボン酸類としては、例えば、縮合多環式アレーンジカルボン酸、環集合アレーンジカルボン酸などが挙げられる。
縮合多環式アレーンジカルボン酸としては、例えば、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸;アントラセンジカルボン酸;フェナントレンジカルボン酸などの縮合多環式C10-24アレーン-ジカルボン酸などが挙げられる。好ましい縮合多環式アレーンジカルボン酸としては、縮合多環式C10-14アレーン-ジカルボン酸である。
環集合アレーンジカルボン酸としては、例えば、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、3,3’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸などのビC6-10アレーン-ジカルボン酸などが挙げられる。
これらの第2のジカルボン酸単位(A2)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの第2のジカルボン酸単位(A2)のうち、ベンゼンジカルボン酸類、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸などのベンゼンジカルボン酸;縮合多環式アレーンジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位が好ましい。なかでも、屈折率及び耐熱性を向上し易く、アッベ数を低減し易い点から、縮合多環式C10-14アレーン-ジカルボン酸、さらに好ましくはナフタレンジカルボン酸、特に、2,6-ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体に由来するジカルボン酸単位が好ましい。
第2のジカルボン酸単位(A2)を含むことにより、ポリエステル樹脂の屈折率及び耐熱性を向上し、かつアッベ数を低減し易くなる。第2のジカルボン酸単位(A2)を含む場合、第1のジカルボン酸単位(A1)と第2のジカルボン酸単位(A2)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=99.9/0.1~1/99程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、99/1~10/90、98/2~20/80、97/3~30/70、95/5~50/50、93/7~60/40であり、さらに好ましくは90/10~70/30、なかでも、85/15~75/25である。第2のジカルボン酸単位(A2)が多すぎると、複屈折が増加するおそれがある。
(第3のジカルボン酸単位(A3))
ジカルボン酸単位(A)は、下記式(A3-1)又は(A3-2)で表される第3のジカルボン酸単位(A3)をさらに含んでいてもよい。
(式中、R5は同一又は異なって置換基、r及びsはそれぞれ0~4の整数、A4及びA5はそれぞれ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を示す)。
前記式(A3-1)又は(A3-2)において、置換基R5は、前記第1のジカルボン酸単位(A1)の項に例示した基R1と、置換基R5の置換数rは、前記第1のジカルボン酸単位(A1)の項に例示した基R1の置換数kと、それぞれ好ましい態様を含めて同様であってもよい。なお、フルオレン環を形成する2つのベンゼン環において、基R5の種類及び置換数rは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。また、rが2以上である場合、同一のベンゼン環に置換する基R5の種類は、互いに同一又は異なっていてもよい。
基A4及びA5で表される置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、前記第1のジカルボン酸単位(A1)の項に例示した基A1と同様の基が挙げられる。基A4は直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキレン基、例えば、エチレン基、プロピレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルキレン基、特にエチレン基である場合が多く、A5は直鎖状又は分岐鎖状C1-3アルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基である場合が多い。置換基を有する炭化水素基A4及びA5は、例えば、1-フェニルエチレン基、1-フェニルプロパン-1,2-ジイル基などであってもよい。なお、2つの基A4の種類は、互いに異なっていてもよく、通常、同一である。
前記式(A3-2)において、メチレン基の繰り返し数sは、例えば、0~3程度の整数から選択でき、好ましくは0~2の整数、さらに好ましくは0又は1である。
前記式(A3-1)で表されるジカルボン酸単位(A3)として、代表的には、例えば、A4が直鎖状又は分岐鎖状C2-6アルキレン基である単位、具体的には、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC2-6アルキル)フルオレン;及びこれらのエステル形成性誘導体などの第3のジカルボン酸成分(A3)に由来する構成単位などが挙げられる。
前記式(A3-2)で表されるジカルボン酸単位(A3)として、代表的には、例えば、sが0であり、かつ基A5が直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキレン基である単位、具体的には、9-(1,2-ジカルボキシエチル)フルオレン;sが1であり、かつ基A5が直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキレン基である化合物、9-(2,3-ジカルボキシプロピル)フルオレンなどの9-(ジカルボキシC2-8アルキル)フルオレン;及びこれらのエステル形成性誘導体などの第3のジカルボン酸成分(A3)に由来するジカルボン酸単位などが挙げられる。
これらの第3のジカルボン酸単位(A3)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの第3のジカルボン酸単位(A3)のうち、複屈折を低減し易い点から、前記式(A3-1)で表されるジカルボン酸単位が好ましく、なかでも、9,9-ビス(カルボキシC2-6アルキル)フルオレン、さらに好ましくは9,9-ビス(カルボキシC2-4アルキル)フルオレン、特に、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC2-3アルキル)フルオレン、なかでも、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレン、及びこれらのエステル形成性誘導体に由来するジカルボン酸単位が好ましい。
第3のジカルボン酸単位(A3)を含むことにより、ポリエステル樹脂の複屈折を低減しつつ、重合反応性や成形性、機械的特性を向上し易くなる。また、第3のジカルボン酸単位(A3)を適切な割合で含むことにより、ガラス転移温度Tgの過度な上昇を抑制できるため、耐熱性と成形性とのバランスをより一層高いレベルで調整することもできる。第3のジカルボン酸単位(A3)を含む場合、第1のジカルボン酸単位(A1)と第3のジカルボン酸単位(A3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=99/1~5/95程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、95/5~10/90、90/10~20/80、85/15~30/70、80/20~40/60、75/25~50/50であり、さらに好ましくは70/30~55/45、特に、65/35~60/40である。第3のジカルボン酸単位(A3)が多すぎると、耐熱性や屈折率が低下するおそれがある。
また、第2のジカルボン酸単位(A2)及び第3のジカルボン酸単位(A3)の双方を含む場合、第2のジカルボン酸単位(A2)と第3のジカルボン酸単位(A3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=90/10~5/95程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、80/20~10/90、70/30~10/90、65/35~15/85、60/40~20/80、55/45~25/75であり、さらに好ましくは50/50~30/70、特に、45/55~35/65である。
(第4のジカルボン酸単位(A4))
なお、ジカルボン酸単位(A)は、本発明の効果を害しない範囲であれば、さらに他のジカルボン酸単位(第1~第3のジカルボン酸単位の範囲に属さない第4のジカルボン酸単位(A4))を含んでいてもよい。第4のジカルボン酸単位(A4)としては、例えば、芳香族ジカルボン酸(ただし、第1~第3のジカルボン酸成分を除く);脂環族ジカルボン酸;脂肪族ジカルボン酸;及びこれらのエステル形成性誘導体などの第4のジカルボン酸成分(A4)に由来するジカルボン酸単位などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸(ただし、第1~第3のジカルボン酸成分を除く)としては、例えば、ジアリールアルカンジカルボン酸、ジアリールケトンジカルボン酸などが挙げられる。ジアリールアルカンジカルボン酸としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジカルボン酸などのジC6-10アリールC1-6アルカン-ジカルボン酸などが挙げられる。ジアリールケトンジカルボン酸としては、例えば、4.4’-ジフェニルケトンジカルボン酸などのジ(C6-10アリール)ケトン-ジカルボン酸などが挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸、架橋環式シクロアルカンジカルボン酸、シクロアルケンジカルボン酸、架橋環式シクロアルケンジカルボン酸などが挙げられる。シクロアルカンジカルボン酸としては、例えば、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などのC5-10シクロアルカン-ジカルボン酸などが挙げられる。架橋環式シクロアルカンジカルボン酸としては、例えば、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などのジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸などが挙げられる。シクロアルケンジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキセンジカルボン酸などのC5-10シクロアルケン-ジカルボン酸などが挙げられる。架橋環式シクロアルケンジカルボン酸としては、例えば、ノルボルネンジカルボン酸などのジ又はトリシクロアルケンジカルボン酸などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アルカンジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。アルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などのC2-12アルカン-ジカルボン酸などが挙げられる。不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのC2-10アルケン-ジカルボン酸などが挙げられる。
これらの第4のジカルボン酸単位(A4)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。第4のジカルボン酸単位(A4)の割合は、ジカルボン酸単位(A)全体に対して、例えば、50モル%以下であってもよく、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、5モル%以下である。第4のジカルボン酸単位(A4)を含む場合、その割合は、ジカルボン酸単位(A)全体に対して、例えば、0.1~50モル%程度であってもよい。
(第2のジオール単位(B2))
ジオール単位(B)は、第1のジオール単位(B1)に加えて、下記式(B2)で表される第2のジオール単位(B2)を含んでいてもよい。
(式中、A6は直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、tは1以上の整数を示す)。
前記式(B2)において、アルキレン基A6は、前記第1のジオール単位(B1)に記載の基A3と好ましい態様を含めて同様であってもよい。
オキシアルキレン基(OA6)の繰り返し数tは、1以上、例えば、1~10程度の整数であればよく、好ましくは以下段階的に、1~5の整数、1~3の整数、1又は2であり、さらに好ましくは1である。繰り返し数tが大きすぎると、屈折率や耐熱性が低下するおそれがある。
第2のジオール単位(B2)として、具体的には、例えば、アルカンジオール、ポリアルキレングリコール(又はポリアルカンジオール)などの第2のジオール成分(B2)に由来する構成単位などが挙げられる。
アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4-ブタンジオール)、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-12アルカンジオールなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール(又はポリアルカンジオール)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリC2-6アルカンジオールなどが挙げられる。好ましいポリアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジ乃至テトラC2-4アルカンジオールなどが挙げられる。
これらの第2のジオール単位(B2)は、単独で又は2種以上組み合わせて利用することもできる。これらの第2のジオール単位(B2)のうち、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-6アルカンジオールであり、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルカンジオール、なかでも、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-3アルカンジオール、特に、エチレングリコールに由来する単位が好ましい。
このような第2のジオール単位(B2)を含むことにより、重合反応性を高めるとともに、ポリエステル樹脂の機械的特性(例えば、柔軟性)や成形性などの特性を向上できる。
第1のジオール単位(B1)及び第2のジオール単位(B2)の総量の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、10モル%以上、具体的には30~100モル%程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、50モル%以上、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上、なかでも、95モル%以上、特に、実質的に100モル%、すなわち、第1のジオール単位(B1)及び/又は第2のジオール単位(B2)のみであってもよい。
第1及び第2のジオール単位以外の単位を含む場合、第1のジオール単位(B1)及び第2のジオール単位(B2)の総量の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、60~99.9モル%程度の範囲から選択してもよく、好ましくは80~99モル%、さらに好ましくは90~95モル%である。なお、ジオール単位(B)が、後述する第3のジオール単位(B3)を含む場合には、第1のジオール単位(B1)及び第2のジオール単位(B2)の総量の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、30~90モル%程度の範囲から選択してもよく、好ましくは以下段階的に、40~80モル%、50~70モル%であり、さらに好ましくは55~60モル%である。
ジオール単位(B)が第2のジオール単位(B2)を含む場合、第1のジオール単位(B1)と、第2のジオール単位(B2)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=99.9/0.1~10/90程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、99/1~30/70、99/1~50/50、98/2~60/40、97/3~70/30、96/4~75/25であり、さらに好ましくは95/5~80/20、特に、95/5~85/15である。
(第3のジオール単位(B3))
ジオール単位(B)は、第1のジオール単位(B1)に加えて、下記式(B3)で表される第3のジオール単位(B3)を含んでいてもよい。
(式中、Xは直接結合又はアルキレン基、R6及びR7は同一又は異なって置換基、A7は同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、uは同一又は異なって0~4の整数、vは同一又は異なって0~2の整数、wは同一又は異なって0以上の整数を示す)。
前記式(B3)において、Xで表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブタンジイル基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基などが挙げられる。好ましいXとしては、例えば、高屈折率、低アッベ数、低複屈折などの光学特性の観点から、直接結合;メチレン基などのC1-2アルキレン基であり、特に、直接結合が好ましい。
置換基R6及びR7としては、例えば、前記式(B1)で例示した置換基R3と同様の置換基などが挙げられ、それぞれ好ましい態様も含めて同様である。
置換基R6の置換数uは、0~3程度の整数から選択でき、好ましくは0~2、さらに好ましくは0又は1、特に0である。置換基R7の置換数vは、例えば、0又は1、好ましくは0である。
なお、前記式(B3)を構成する2つの異なるナフタレン環において、置換数u及び置換数vは、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよく、基R6及びR7の種類は、置換数u及びvに応じて互いに同一又は異なっていてもよい。また、同一のナフタレン環に2以上の基R6及び/又は2つの基R7が置換する場合(すなわち、uが2以上及び/又はvが2である場合)、2以上の基R6の種類及び/又は2つの基R7の種類は、それぞれ互いに同一又は異なっていてもよい。
また、基R6の置換位置は特に制限されず、ナフタレン環の1,1’位に置換する連結基Xに対して、5位乃至8位(又は5’位乃至8’位)のうち、任意の位置に置換されていればよい。基R7の置換位置は、連結基X及びオキシアルキレン基(OA7)含有基の置換位置以外の位置である限り、特に制限されない。
オキシアルキレン基(OA7)を構成する基A7で表されるアルキレン基としては、例えば、前記式(B1)で例示したアルキレン基A3と好ましい態様も含めて同一である。
オキシアルキレン基(OA7)の繰り返し数wは、0以上の整数であればよく、例えば、0~15程度の範囲から選択でき、好ましい範囲としては以下段階的に、0~10、0~3、0~2であって、さらに好ましくは0又は1であり、重合反応性が高く、高屈折率、低アッベ数、低複屈折などの光学特性及び耐熱性にも優れ、さらに、着色も抑制できる点から、繰り返し数wが特に1であるのが好ましい。
ポリエステル樹脂の主鎖を形成するオキシアルキレン基(OA7)含有基の置換位置は、ナフタレン環の1,1’位に置換する連結基Xに対して、2位乃至4位(又は2’位乃至4’位)のいずれの位置であってもよいが、複屈折を低減できる点から、2位(又は2’位)が特に好ましい。
第3のジオール単位(B3)として、代表的には、Xが直接結合であるジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレン類などの第3のジオール成分に由来(又は対応)する単位などが挙げられる。ジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレン類としては、例えば、2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレンなどのジヒドロキシ-1,1’-ビナフタレン;ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ]-1,1’-ビナフタレンなどが挙げられる。
ビス[ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ]-1,1’-ビナフタレンとしては、例えば、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフタレン、2,2’-ビス(2-ヒドロキシプロポキシ)-1,1’-ビナフタレン、2,2’-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-1,1’-ビナフタレンなどの2,2’-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ]-1,1’-ビナフタレンなどが挙げられる。
これらの第3のジオール単位(B3)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。これらの第3のジオール単位(B3)のうち、重合反応性のみならず、高屈折率、低アッベ数、低複屈折などの光学特性及び耐熱性にも優れ、着色も抑制できる観点から、2,2’-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至デカ)C2-4アルコキシ]-1,1’-ビナフタレン、なかでも、2,2’-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至ヘキサ)C2-4アルコキシ]-1,1’-ビナフタレンに由来の単位が好ましく、特に、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフタレンなどの2,2’-ビス[ヒドロキシ(モノ乃至トリ)C2-3アルコキシ]-1,1’-ビナフタレンに由来の単位が好ましい。
第3のジオール単位(B3)を含むことにより、得られるポリカーボネート樹脂の光学的特性、特に、屈折率を向上し易くなる。
第3のジオール単位(B3)を含む場合、第1のジオール単位(B1)、第2のジオール単位(B2)及び第3のジオール単位(B3)の総量(又は第1~第3のジオール単位の総量)の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、10モル%以上、具体的には30~100モル%程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、50モル%以上、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上、なかでも、95モル%以上、特に、実質的に100モル%、すなわち、第1~第3のジオール単位のみである。第1~第3のジオール単位以外の単位、例えば、後述する第4のジオール単位(B4)を含む場合、第1~第3のジオール単位の総量の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、60~99.9モル%程度の範囲から選択してもよく、好ましくは80~99モル%、さらに好ましくは90~95モル%である。
ジオール単位(B)が第3のジオール単位(B3)を含む場合、第1のジオール単位(B1)と、第3のジオール単位(B3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=99/1~1/99程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、90/10~10/90、80/20~20/80、70/30~30/70であり、さらに好ましくは60/40~40/60であり、特に、55/45~45/55である。第3のジオール単位(B3)の割合が少なすぎると、屈折率が向上出来ないおそれがあり、多すぎると、耐熱性を向上できないおそれがある。
ジオール単位(B)が第2のジオール単位(B2)及び第3のジオール単位(B3)の双方を含む場合、第2のジオール単位(B2)と、第3のジオール単位(B3)との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=99/1~1/99程度の広い範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、90/10~10/90、85/15~30/70、80/20~50/50であり、さらに好ましくは75/25~55/45であり、特に、70/30~60/40である。
(第4のジオール単位(B4))
なお、ジオール単位(B)は、本発明の効果を害しない範囲であれば、さらに、他のジオール単位(第1~第3のジオール単位の範囲に属さない第4のジオール単位(B4))を含んでいてもよい。第4のジオール単位(B4)としては、例えば、脂環族ジオール、芳香族ジオール(ただし、第1及び第3のジオール単位は除く)、及びこれらのジオール成分のC2-4アルキレンオキシド(又はアルキレンカーボネート、ハロアルカノール)付加体などの第4のジオール成分(B4)に由来する単位などが挙げられる。
脂環族ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオールなどのシクロアルカンジオール;シクロヘキサンジメタノールなどのビス(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン;ビスフェノールAの水添物などの後述する芳香族ジオールの水添物などが挙げられる。
芳香族ジオール(ただし、第1及び第3のジオール単位は除く)としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノールなどのジヒドロキシアレーン;ベンゼンジメタノールなどの芳香脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールC、ビスフェノールG、ビスフェノールSなどのビスフェノール類;p,p’-ビフェノールなどのビフェノール類などが挙げられる。
前記ジオール成分のC2-4アルキレンオキシド(又はアルキレンカーボネート、ハロアルカノール)付加体としては、例えば、ビスフェノールAなど前記ジオール成分 1モルに対して、2~10モル程度のエチレンオキシドが付加した付加体などが挙げられる。
これらの第4のジオール単位(B4)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。第4のジオール単位(B4)の割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、50モル%以下であってもよく、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、特に、5モル%以下である。第4のジオール単位(B4)を含む場合、その割合は、ジオール単位(B)全体に対して、例えば、0.1~50モル%程度であってもよい。
[ポリエステル樹脂の製造方法]
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、第1のジカルボン酸成分(A1)を少なくとも含むジカルボン酸成分(A)と、第1のジオール成分(B1)を少なくとも含むジオール成分(B)とを反応させればよく、慣用の方法、例えば、エステル交換法、直接重合法などの溶融重合法、溶液重合法、界面重合法などで調製でき、溶融重合法が好ましい。なお、反応は、重合方法に応じて、溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよい。
ジカルボン酸成分(A)とジオール成分(B)との使用割合(又は仕込み割合)は、通常、前者/後者(モル比)=例えば、1/1.2~1/0.8、好ましくは1/1.1~1/0.9)である。なお、反応において、各ジカルボン酸成分(A)及びジオール成分(B)の使用量(使用割合)は、前記各ジカルボン酸単位及びジオール単位の割合と好ましい態様を含めて同様であってもよく、必要に応じて、各成分などを過剰に用いて反応させてもよい。例えば、反応系から留出可能なエチレングリコールなどの第2のジオール成分(B2)は、ポリエステル樹脂中に導入される割合(又は導入割合)よりも過剰に使用してもよい。
反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、慣用のエステル化触媒、例えば、金属触媒などが利用できる。金属触媒としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど);アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、コバルト、チタンなど);周期表第13族金属(アルミニウムなど);周期表第14族金属(ゲルマニウムなど);周期表第15族金属(アンチモンなど)などを含む金属化合物が用いられる。金属化合物としては、例えば、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などであってもよく、これらの水和物であってもよい。代表的な金属化合物としては、例えば、ゲルマニウム化合物(例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、シュウ酸ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウム-n-ブトキシドなど);アンチモン化合物(例えば、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモンエチレンリコレートなど);チタン化合物(例えば、テトラ-n-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリウムなど);マンガン化合物(酢酸マンガン・4水和物など);カルシウム化合物(酢酸カルシウム・1水和物など)などが例示できる。
これらの触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。複数の触媒を用いる場合、反応の進行に応じて、各触媒を添加することもできる。これらの触媒のうち、酢酸マンガン・4水和物、酢酸カルシウム・1水和物、二酸化ゲルマニウムなどが好ましい。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分(A)1モルに対して、0.01×10-4~100×10-4モル、好ましくは0.1×10-4~40×10-4モルである。
また、反応は、必要に応じて、熱安定剤(例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、亜リン酸、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどのリン化合物など)や酸化防止剤などの安定剤の存在下で行ってもよい。安定剤の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分(A)1モルに対して、0.01×10-4~100×10-4モル、好ましくは0.1×10-4~40×10-4モルである。
反応は、空気中で行ってもよく、通常、不活性ガス(例えば、窒素;ヘリウム、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気中で行ってもよい。また、反応は、減圧下(例えば、1×102~1×104Pa程度)で行うこともできる。反応温度は、重合方法に応じて選択でき、例えば、溶融重合法における反応温度は、150~300℃、好ましくは180~290℃、さらに好ましくは200~280℃である。
[ポリエステル樹脂の特性]
本発明のポリエステル樹脂は、前記第1のジカルボン酸単位(A1)及び第1のジオール単位(B1)を含むため、優れた光学的特性(高屈折率、低複屈折、低アッベ数)を有するとともに、耐熱性及び成形性をも両立でき、これらの特性を高度にバランスよく充足できる。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、例えば、100~250℃程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、120~230℃、130~220℃、140~210℃、150~200℃、160~190℃であり、さらに好ましくは165~185℃である。特に、車載用光学レンズなどの高温環境下における使用が想定される用途では、耐熱性と成形性とを高度に両立する点から、ガラス転移温度が160~180℃であるのが好ましく、より好ましくは165~180℃、さらに好ましくは168~178℃であり、特に、170~178℃であるのが好ましい。ガラス転移温度Tgが低すぎると、使用時に樹脂が変形したり、変色(又は着色)したりするおそれがあり、Tgが高すぎると、成形体(例えば、光学レンズなど)表面を平滑に形成できなくなるおそれがある。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などにより測定でき、ポリスチレン換算で、例えば、10000~200000程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、15000~100000、20000~80000、25000~60000、30000~40000である。通常、35000~50000、好ましくは40000~45000である場合が多い。
ポリエステル樹脂の屈折率は、温度20℃、波長589nmにおいて、例えば、1.63~1.7程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、1.635~1.69、1.65~1.68、1.66~1.678であり、さらに好ましくは1.665~1.675、特に、1.67~1.673である。
ポリエステル樹脂のアッベ数は、温度20℃において、例えば、30以下、好ましくは26以下、さらに好ましくは23以下である。ポリエステル樹脂のアッベ数は、温度20℃において、例えば、17~28程度の範囲から選択してもよく、好ましくは18~24、さらに好ましくは19~21である。
ポリエステル樹脂の複屈折は、ポリエステル単独で形成したフィルムを、延伸倍率3倍で一軸延伸した延伸フィルムの複屈折(3倍複屈折)により評価してもよい。延伸温度(ガラス転移温度Tg+10)℃、延伸速度25mm/分の延伸条件で調製した前記延伸フィルムの3倍複屈折の絶対値は、測定温度20℃、波長600nmにおいて、例えば、100×10-4以下の範囲から選択でき、好ましくは50×10-4以下、より好ましくは20×10-4以下、さらに好ましくは10×10-4以下、特に3×10-4以下である。また、前記3倍複屈折の絶対値は、測定温度20℃、波長600nmにおいて、例えば、0.001×10-4~75×10-4程度の範囲から選択してもよく、好ましくは0.005×10-4~30×10-4、より好ましくは0.01×10-4~15×10-4、さらに好ましくは0.05×10-4~5×10-4、特に0.1×10-4~2.5×10-4である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、ガラス転移温度Tg、重量平均分子量Mw、屈折率、アッベ数及び3倍複屈折は、後述する実施例に記載の方法などにより測定できる。
[成形体]
本発明の成形体は、前記ポリエステル樹脂を含み、優れた耐熱性及び光学的特性(高屈折率、低複屈折など)を有しているため、光学フィルム、光学レンズ、光学シートなどの光学用部材として利用できる。成形体の形状は、特に限定されず、例えば、一次元的構造(例えば、線状、糸状など)、二次元的構造(例えば、フィルム状、シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、凹又は凸レンズ状、棒状、中空状(管状)など)などが挙げられる。
本発明の成形体は、各種添加剤[例えば、充填材又は補強材、着色剤(例えば、染顔料など)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤、低応力化剤(例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末など)、炭素材など]を含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
成形体は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などを利用して製造することができる。
特に、本発明のポリエステル樹脂は、種々の光学的特性に優れているため、フィルム(特に光学フィルム)を形成するのに有用である。そのため、本発明には、前記ポリエステル樹脂で形成されたフィルム(光学フィルム又は光学シート)も含まれる。
このようなフィルムの厚み(平均厚み)は1~1000μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば1~200μm、好ましくは5~150μm、さらに好ましくは10~120μmである。
このようなフィルム(光学フィルム)は、前記ポリエステル樹脂を、慣用の成膜方法、キャスティング法(溶剤キャスト法)、溶融押出法、カレンダー法などを用いて成膜(又は成形)することにより製造できる。
フィルムは、延伸フィルムであってもよい。本発明のフィルムは、延伸フィルムであっても、低複屈折を維持できる。なお、このような延伸フィルムは、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。
延伸倍率は、一軸延伸又は二軸延伸において各方向にそれぞれ1.1~10倍、好ましくは1.2~8倍、さらに好ましくは1.5~6倍であり、通常1.1~2.5倍、好ましくは1.2~2.3倍、さらに好ましくは1.5~2.2倍である。なお、二軸延伸の場合、等延伸、例えば、縦横両方向に1.5~5倍延伸であってもよく、偏延伸、例えば、縦方向に1.1~4倍、横方向に2~6倍延伸であってもよい。また、一軸延伸の場合、縦延伸、例えば、縦方向に2.5~8倍延伸であってもよく、横延伸、例えば、横方向に1.2~5倍延伸であってもよい。
延伸フィルムの厚み(平均厚み)は、例えば1~150μm、好ましくは3~120μm、さらに好ましくは5~100μmである。
なお、このような延伸フィルムは、成膜後のフィルム(又は未延伸フィルム)に、延伸処理を施すことにより得ることができる。延伸方法は、特に制限が無く、一軸延伸の場合、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよく、二軸延伸の場合、テンター法(フラット法ともいわれる)であってもチューブ法であってもよいが、延伸厚みの均一性に優れるテンター法が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。評価方法及び原料を以下に示す。
[評価方法]
(ガラス転移温度Tg)
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製「DSC 6220」)を用い、アルミパンに試料を入れ、30~200℃の範囲でTgを測定した。
(分子量)
ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー(株)製、「HLC-8120GPC」)を用い、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、ポリスチレン換算で、重量平均分子量Mwを測定した。
(屈折率)
ポリエステル樹脂を200~240℃でプレス成形し、厚み200~300μmのフィルムを成形した。このフィルムを20~30mm×10mmの短冊状に切り出し、試験片を得た。得られた試験片について、多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR-M2/1410(循環式恒温水槽60-C3)」)を用い、測定温度20℃、光源波長589nmで測定した。
(アッベ数)
屈折率の測定に用いた試験片について、多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR-M2/1410(循環式恒温水槽60-C3)」)を用いて、測定温度20℃で、接触液にジヨードメタンを使用して、測定波長486nm(F線)、589nm(D線)、656nm(C線)の屈折率nF、nD、nCをそれぞれ測定し、以下の式によって算出した。
アッベ数=(nD-1)/(nF-nC)。
(複屈折(又は3倍複屈折))
ポリエステル樹脂を160~240℃でプレス成形し、厚み100~400μmのフィルムを成形した。このフィルムを15mm×50mmの短冊状に切り出し、Tg+10℃の温度条件下、25mm/分で延伸倍率が3倍となるように一軸延伸して試験片を得た。得られた試験片について、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子(株)製「RETS-100」)を用い、測定温度20℃、測定波長600nmの条件下、回転検光子法にてリタデーションを測定し、その絶対値を測定部位の厚みで除することで算出した。
[原料]
(ジカルボン酸成分)
MBF-DC:ビス[9-(2-メトキシカルボニルエチル)-フルオレン-9-イル]メタン(後述する合成例1によって合成)
DMN:2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル
DMT:テレフタル酸ジメチルエステル
FDP-m:9,9-ビス(2-メトキシカルボニルエチル)フルオレン[9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレン(又はフルオレン-9,9-ジプロピオン酸)のジメチルエステル]、特開2005-89422号公報の実施例1記載のアクリル酸t-ブチルをアクリル酸メチル[37.9g(0.44モル)]に変更したこと以外は同様にして合成したもの
(ジオール成分)
BPEF:9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BOPPEF:9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BNEF:9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製
BINOL-2EO:2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフタレン(後述する合成例2によって合成)
EG:エチレングリコール。
[合成例1]MBF-DCの合成
窒素雰囲気下、5Lのセパラブルフラスコにフルオレン470g(2.83mol)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)1.86Lを入れ、0℃でナトリウムエトキシド96.6g(1.42mol)を分割して添加した。次に、パラホルムアルデヒド33.9g(1.13mol)を添加し、10℃以下で5時間攪拌し、さらに室温で1時間攪拌した。得られた溶液に1N塩酸1.73Lを滴下し、得られた混合物をろ過して、ろ物をイオン交換水で洗浄した。さらに、イオン交換水1.34Lを入れ、室温で1時間攪拌してろ過することにより、黄色結晶902gを得た。この結晶をトルエン1.8Lに溶解させた後、ディーンスターク装置を用いて脱水を行った。これを終夜静置し、ろ過した後、ろ物を80℃で減圧乾燥することで、薄黄色結晶の形態でビス(フルオレン-9-イル)メタン(又はメチレンビスフルオレン)339gを得た。
10Lセパラブルフラスコに、前記メチレンビスフルオレン325g(944mmol)、アクリル酸メチル244g(2.83mol)、メチルイソブチルケトン(MIBK)751gを入れて60℃まで昇温した。この溶液を60℃で攪拌しながら、トリトンB(登録商標)[ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度40重量%メタノール溶液]39.5g(94.4mol)を3時間かけて滴下した。この溶液にアクリル酸メチル81.3g(944mmol)を滴下し、さらに60℃で1時間攪拌した後、MIBK 3000gを加えて室温でさらに30分攪拌した。この溶液にNaHCO3水溶液を加えて中和した後、イオン交換水で水洗した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル405gを加えて再結晶操作を行い、白色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチル、メタノールで順次洗浄することにより、白色結晶の形態でMBF-DC 175gを得た。
[合成例2]BINOL-2EOの合成
1Lのセパラブルフラスコに、BINOL 89g(0.31モル)、炭酸カリウム86g(0.62モル)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)295gを投入し、100℃まで加温した後、DMF 112gにエチレンカーボネート110gを溶解した溶液を徐々に添加して、100℃を維持しつつ2時間撹拌した。HPLCにてBINOLの転化率が99%以上であることを確認できた。得られた反応液に蒸留水800gと酢酸エチル900gとを添加して、蒸留水にて数回洗浄し、減圧濃縮後、酢酸エチル/エタノール混合溶媒にて再結晶を行った。析出物をろ過して乾燥したところ、67g(収率58%)の結晶を得た。得られた結晶を分析した結果、HPLCによる純度が94.8%であり、1H-NMR及びマススペクトルにより、目的化合物の2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフタレン(BINOL-2EO)であることを確認した。
[実施例1]
ジカルボン酸成分としてDMT 0.5モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBPEF 0.7モル及びEG 2.3モル、エステル交換触媒として酢酸マンガン・4水和物2×10-4モル及び酢酸カルシウム・1水和物8×10-4モルを加え攪拌しながら徐々に加熱溶融し、230℃まで昇温した後、トリメチルホスフェート14×10-4モル、酸化ゲルマニウム20×10-4モルを加え、250℃まで昇温した後、10kPaまで段階的に減圧を行った。270℃、0.13kPa以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらEGを除去した。所定の攪拌トルクに到達後、内容物を反応器から取り出し、ポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMT由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の70モル%がBPEF由来、30モル%がEG由来であった。
[実施例2]
ジカルボン酸成分としてDMT 0.75モル及びMBF-DC 0.25モル、ジオール成分としてBPEF 0.7モル及びEG 2.3モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の75モル%がDMT由来、25モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の70モル%がBPEF由来、30モル%がEG由来であった。
[比較例1]
ジカルボン酸成分としてDMT 1モル、ジオール成分としてBPEF 0.7モル及びEG 2.3モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の100モル%がDMT由来であり、導入されたジオール単位の70モル%がBPEF由来、30モル%がEG由来であった。
[比較例2]
ジカルボン酸成分としてDMT 0.5モル及びFDP-m 0.5モル、ジオール成分としてBPEF 0.7モル及びEG 2.3モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMT由来、50モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の70モル%がBPEF由来、30モル%がEG由来であった。
[実施例3]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.2モル及びMBF-DC 0.8モル、ジオール成分としてBNEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の20モル%がDMN由来、80モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBNEF由来、10モル%がEG由来であった。
[実施例4]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.2モル、FDP-m 0.3モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBNEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の20モル%がDMN由来、30モル%がFDP-m由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBNEF由来、10モル%がEG由来であった。
[比較例3]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.4モル及びFDP-m 0.6モル、ジオール成分としてBNEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の40モル%がDMN由来、60モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBNEF由来、10モル%がEG由来であった。
[比較例4]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.2モル及びFDP-m 0.8モル、ジオール成分としてBNEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の20モル%がDMN由来、80モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBNEF由来、10モル%がEG由来であった。
[実施例5]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBNEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBNEF由来、10モル%がEG由来であった。
[比較例5]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びFDP-m 0.5モル、ジオール成分としてBPEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBPEF由来、10モル%がEG由来であった。
[実施例6]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBPEF 0.9モル及びEG 2.1モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の90モル%がBPEF由来、10モル%がEG由来であった。
[比較例6]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びFDP-m 0.5モル、ジオール成分としてBOPPEF 0.8モル及びEG 2.2モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の80モル%がBOPPEF由来、20モル%がEG由来であった。
[実施例7]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBOPPEF 0.8モル及びEG 2.2モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の80モル%がBOPPEF由来、20モル%がEG由来であった。
[比較例7]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びFDP-m 0.5モル、ジオール成分としてBNEF 0.4モル、BINOL-2EO 0.4モル及びEG 2.2モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がFDP-m由来であり、導入されたジオール単位の40モル%がBNEF由来、40モル%がBINOL-2EO由来、20モル%がEG由来であった。
[実施例8]
ジカルボン酸成分としてDMN 0.5モル及びMBF-DC 0.5モル、ジオール成分としてBNEF 0.4モル、BINOL-2EO 0.4モル及びEG 2.2モルを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを、1H-NMRにより分析したところ、ポリエステル樹脂に導入されたジカルボン酸単位の50モル%がDMN由来、50モル%がMBF-DC由来であり、導入されたジオール単位の40モル%がBNEF由来、40モル%がBINOL-2EO由来、20モル%がEG由来であった。
実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例では、比較例に比べて、高い屈折率及び低い複屈折を両立できるのみならず、比較的高いガラス転移温度Tg及び低いアッベ数を有していた。
特に、実施例3では、1.67以上の非常に高い屈折率を有するにも拘らず、相反する特性である複屈折の絶対値も極めて低かった。さらに、成形性を維持しつつ高いTgを有しており、全ての特性のバランスが最も優れていた。