JP7290400B2 - 乗り物用レドーム - Google Patents

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Description

本発明は、特に自動車のフロントグリルの背後に配設されたレーダデバイス用の、優れた美的外観を示しながらレーダデバイスを保護するためのレドームに関する。
一般に、ミリ波レーダのような無線送受信機デバイスは、乗り物の衝突回避および適応的走行制御システム用のセンサとして用いられてきた。
自動車の正面にある障害物および自動車間の距離を測定するレーダシステムなどにおいて、アンテナは好適には、最大性能を得るために乗り物の正面中央に配置された。レーダアンテナは自動車のフロントグリル付近に設置されてもよかったが、アンテナはその非美的外観ゆえに目隠しされることが望ましく、また天候および風媒汚染物といった外的環境要因からアンテナを遮蔽することが望ましかった。
アンテナを保護し、レーダデバイスの無線干渉および信号損失を回避するために、レーダアンテナが設けられた場所に対応して、フロントグリルに、電波を透過させることができるレーダウィンドウを提供することが提案されてきた。これは、電波がウィンドウを内外へ通過することを可能にした。しかし、レーダウィンドウは、グリル構造要素のパターンの中断ゆえにフロントグリルの外観を損なうものであった。更に、レーダ送受信機のような不体裁な乗り物内部分がレーダウィンドウを通して見えた。
米国特許第6,328,358号明細書において、レーダウィンドウとフロントグリルボディとの統一性が提供された。米国特許第6,328,358号明細書に開示されるレーダウィンドウは、凹状および凸状によって形成された複数の樹脂層を積層することによって形成された。このコンポーネントは、樹脂層の間に凹状および凸状によって堆積された金属層により、フロントグリルのフィン部材が中断なしにレーダウィンドウにわたって伸長しているように見えるような印象をもたらした。
本願と同一出願人名義の国際公開第2012/066417号パンフレットは、電波透過性樹脂で作られた基板と、基板の基部に近い方の面に塗布された複数のメタロイドまたはメタロイド合金(Si、Ge)層を備える装飾層と、装飾層の上を覆う電波透過性樹脂であって、装飾インクの上塗りを含む、装飾層の上を覆う樹脂と、最後になるが、上を覆う電波透過性樹脂の上部の保護ハードコートとを備える、装飾レドームを開示する。
上を覆う電波透過性樹脂の上部に塗布された保護ハードコートの高光沢反射性の点で、制限が生じる。上を覆う電波透過性樹脂の境界面で、多くの場合、空気とのその境界面で、光周波数での反射が生じる。これは、国際公開第2012/066417号パンフレットにおいて説明される基板上に含まれる任意のパターン描画、ロゴ、または他の任意の画像デザインを明確に区別する妨げとなる。
反射防止コーティングは、以前からずっと知られている。最も単純な反射防止コーティングは、反射防止コーティングがその上にわたって堆積されようとしている材料層の屈折率の二乗の平方根と等しい屈折率を有する材料の、四分の一波長の厚い層を塗布する。この方法は性能の点で制限されるので、いくつかの層の連続的な堆積が、反射防止コーティングとして好適である。各々の層は、それ自身の屈折率および厚さを有し、それらを定義するために、上述した原理が適用できる。このように、帯域幅、および反射レベルの減少が改善され得る。
米国特許第3,185,020号明細書では、三層反射防止コーティングが説明される。四層反射防止コーティングは、米国特許第3,781,090号明細書において説明される。上記特許文献はどちらも、反射防止層の堆積のために蒸着法を使用する。米国特許第4,929,278号明細書では、ゾルゲルに基づいた異なる堆積方法が、太陽電池の効率を改善するために用いられる。しかし、米国特許第4,929,278号明細書における方法は、サンプルの貯蔵における時間が大幅な生産コストの増大につながるので、産業化されたインライン生産が要求される場合には許容できない硬化時間につながる。米国特許第5,476,717号明細書では、反射防止疎水性耐摩耗コーティングが説明される。これらの特性を達成するために、連続的な堆積が行われ、プロセスは複雑かつ高コストになる。
したがって、本発明の目的は、これらの制限を克服し、以下に開示される他の利点を提供することである。
本発明に係る乗り物用レドームは、請求項1に記載の特徴を備える。追加のオプションの特徴が、従属請求項に開示される。
乗り物用レドームは、基部に近い方の側および基部から遠い方の側を定義し、
基部に近い方の面および基部から遠い方の面を定義する、電波透過性樹脂で形成されたベース層と、
メタロイドまたはメタロイド合金を備える、ベース層の基部に近い方の面に塗布された装飾層と、
装飾層について基部に近い方に設けられた反射防止コーティングと
を備える。
レドームはまた、装飾層について基部に近い方に設けられた透明樹脂層、および装飾層について基部に近い方に設けられたコート層を備え得る。
反射防止コーティングは好適には、チタンまたはゲルマニウムの二酸化物の複数の層を備え、装飾層はまた、1または複数の酸化物を備え得る。
装飾層は、メタロイドまたはメタロイド合金のみから形成され得るか、またはそれのみからなることができ、それは1または複数の酸化物を含み得る、ということを指摘しなければならない。
好適には、上記酸化物(複数も可)は、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銀(Ag)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、またはアルミニウム(Al)から選択され、上記メタロイドまたはメタロイド合金は、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、および/またはテルルから選択される。
有利に、上記酸化物(複数も可)と化合させられたメタロイドまたはメタロイド合金は、任意の適切な物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)プロセスによって基部に近い方の面の表面上に堆積される。
更に、本発明に係る乗り物用レドームは、好適には装飾層の上を覆う光学的に透明な電波透過性樹脂層を更に含み、樹脂層は、装飾インクの上塗りを含み得るか、またはインク上塗り技法が適さないジオメトリでは、別の光学的に不透明な電波透過性樹脂のオーバーモールディングを含み得る。
液体ハードコート層が、機械的ストレス、化学ストレス、または放射応力から基板材料を保護するために、上を覆う電波透過性樹脂の上部に塗布される。このワニスは、乗り物の外側を向いている表面上に高光沢性シェードを付与し、それは、いくらかの光外乱を引き起こし、背後の金属装飾のクリアな観察を不可能にする。
ハードコート層によって導入される外乱を減じるために、対象物がどのような周囲条件の中にあろうとも、空気境界面での光反射を減少させ、下に含まれる全ての装飾ディテールの視覚認知を改善するために、反射防止層がハードコート層の上部に追加される。この層は、ハードコートとの優れた粘着性を有するように選ばれ、そうでなければ視覚的な改善の耐久性は、厳しく制約され得る。かくして、レドーム基板およびその装飾層をカバーするために選択された樹脂材料に依存して、ハードコートは後から選択され、それは反射防止層とともに最後になされる。
反射防止層は、ハードコートの上部にPVD電子ビームまたはマグネトロンスパッタリングによって塗布され、反射率を減じ、光学的領域における帯域幅を増加させるために、複数の層によって形成される。層の数は、3~7で構成される。各々の層の厚さは、上述したように光反射性の最小化を最適化するように選択される。反射防止層を実現するために選ばれる材料は、Al2O3、GeO2、SiO2、およびTiO2の組み合わせである。
本発明に係るレドームにより、反射防止層は、トップコートによって導入される高反射外乱を解消し、それは、レドームの美観を著しく改善する。
本発明に係るレドームの第1の実施形態の断面図である。 本発明に係るレドームの第2の実施形態の断面図である。 本発明に係るレドームの第3の実施形態の断面図である。 本発明に係るレドームの第4の実施形態の断面図である。
まず初めに、本明細書および添付の特許請求の範囲において、「メタロイド」という用語は、以下の化合物、すなわち、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、および/またはテルルのいずれかを意味する。
さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において、「酸化物」という用語は、以下の酸化物、すなわち、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Ir、Ni、Pt、Ag、In、Tl、Si、Ge、Ga、またはAl、すなわち、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銀(Ag)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、またはアルミニウム(Al)を備える酸化物のいずれかを意味する。
レドームは、雨、氷、風、および他の環境条件からアンテナを保護するためにマイクロ波アンテナをカバーし、また、アンテナフォームビューを隠すように提供される。最も重要な要求は、レドームがレーダ波または電波に対し透明であること、または最小限の信号減衰および/または歪みしか提供しないことである。
本発明に係るレドームは、レドーム装飾層として、高い電気抵抗の、酸化物と化合させられたゲルマニウムまたはケイ素を備える。
938.25℃というゲルマニウムの高い融解点(またはケイ素の1414℃)および2833℃というその沸点(ケイ素では3265℃)ゆえに、この元素は、インジウムの場合に適用されるような熱蒸着法を使用して堆積することができない。それにもかかわらず、これは利点を構成する。
本発明において、物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)は、基部に近い方の面の上の、ベース層を備える基板にわたるメタロイドおよび酸化物の層の堆積のために用いられる可能な方法である。これらの技法の堆積プロセスゆえに、装飾層の均一性が保証され得る。
本発明の自動の乗り物用途の装飾レドーム10は、樹脂で構成されたベース層1とベース層1の表面上の光輝性装飾層2とを有する成形レドームを備え、光輝性装飾層2は、1または複数の酸化物と化合させられ得る、ゲルマニウム、ホウ素、ケイ素、ヒ素、アンチモン、またはテルルといったメタロイド、および/またはメタロイド合金で構成される。
メタロイドおよび/またはメタロイド合金および酸化物の層を使用する場合、インジウム層または欧州特許出願公開第1560288号明細書において提案されたスズのような他の金属と比較すると、電波透過度が数倍改善され得る。
インジウムまたはスズのような金属の高い電気伝導率は、典型的に使用される堆積方法の厚さのばらつきと組み合わせられると、各々のレーダウィンドウが生産の最終段階中にレーダビーム透過率について試験されることを要求した。これは、レドームの製造コストを著しく増大させた。
本発明の酸化物と化合させられたメタロイドの層のより低い伝導率は、各々のレドームを試験する要求を回避することを可能にする。
酸化物と化合させられたメタロイドの層を使用する事実ゆえに、そのような層はレーダ波に対し誘電体のように機能するので、金属装飾が塗布されないエリアを作る必要がない。これは、日本特許出願公開第2003-252137号明細書において例示された方法と比較すると、本発明のレドームの製造におけるプロセスの複雑さを減じる。
更に、装飾層は、1つのメタロイドおよび/またはメタロイド合金と少なくとも1つの酸化物との交互の層、および別のメタロイドの層を備え得る。
本発明に係るレドーム10はまた、以下の実施例に開示される以下の要素を備え得る。
・透明樹脂層3、
・二酸化チタンおよび/または酸化ゲルマニウムの複数の層で作られた反射防止コーティング4、および
・ハードコート層5。
かくして、本発明のさまざまな態様、特徴、および考慮すべき事項を達成し、実際的な使用の条件を満たすのに十分に適した、自動車用途の装飾レドームが提供される、ということが理解される。
実施例:
図1に示す第1の実施例において、本発明に係るレドーム10は、レドームの基部から遠い方の側から基部に近い方の側への順序で示された、
1.電波透過性樹脂で作られたベース層であるベース層、
2.基部に近い方の面の上の、1または複数のメタロイド、または1または複数のメタロイドおよび1または複数の酸化物を備える光輝性装飾層、
3.装飾層に隣接する、電波透過性層で作られた透明樹脂層、
5.基部に近い方の面の上のハードコート、
4.基部に近い方の面の上の、二酸化チタンおよび二酸化ゲルマニウムの連続層を備える反射防止コーティングを備える。
図2に示す第2の実施例において、本発明に係るレドーム10は、レドームの基部から遠い方の側から基部に近い方の側への順序で示された、
1.電波透過性樹脂で作られたベース層、
2.基部に近い方の面の上の、1または複数のメタロイド、または1または複数のメタロイドおよび1または複数の酸化物を備える光輝性装飾層、
3.装飾層に隣接する、電波透過性層で作られた透明樹脂層、
5.基部に近い方の面の上のハードコート、
4.基部に近い方の面および基部から遠い方の面の上の、二酸化チタンおよび二酸化ゲルマニウムの連続層を備える反射防止コーティングを備える。
図3に示す第3の実施例において、本発明に係るレドーム10は、レドームの基部から遠い方の側から基部に近い方の側への順序で示された、
1.電波透過性樹脂で作られたベース層であるベース層、
2.基部に近い方の面の上の、1または複数のメタロイド、または1または複数のメタロイドおよび1または複数の酸化物を備える光輝性装飾層、
5.基部に近い方の面の上のハードコート、
4.基部に近い方の面の上の、二酸化チタンおよび二酸化ゲルマニウムの連続層を備える反射防止コーティングを備える。
図4に示す第4の実施例において、本発明に係るレドーム10は、レドームの基部から遠い方の側から基部に近い方の側への順序で示された、
1.電波透過性樹脂で作られたベース層、
2.基部に近い方の面の上の、1または複数のメタロイド、または1または複数のメタロイドおよび1または複数の酸化物を備える光輝性装飾層、
3.装飾層に隣接する、電波透過性層で作られた透明樹脂層、
5.基部に近い方の面の上のハードコート、
4.基部から遠い方の面の上の、二酸化チタンおよび二酸化ゲルマニウムの連続層を備える反射防止コーティングを備える。
本発明の精神から逸脱することなく、さまざまな可能な実施形態が本発明について生み出され、さまざまな変更が本明細書で示された例示的な実施形態においてなされ得るので、本明細書で説明されるかまたは添付図面において示された全ての主題は、限定的な意味ではなく例示的なものとして解釈されるべきである、ということが理解されるべきである。

Claims (7)

  1. 基部に近い方の側および基部から遠い方の側を定義する乗り物用レドーム(10)であって、
    基部に近い方の面および基部から遠い方の面を定義する、電波透過性樹脂で形成されたベース層(1)と、
    メタロイドまたはメタロイド合金を備える、前記ベース層(1)の前記基部に近い方の面に塗布された装飾層(2)と、
    前記装飾層(2)について基部に近い方に設けられた反射防止コーティング(4)と、を備え、
    前記レドームを構成するすべての層は連結されており、前記ベース層(1)の前記基部から遠い方の面が露出している、レドーム(10)。
  2. 前記レドーム(10)はまた、前記装飾層(2)について基部に近い方に設けられた透明樹脂層(3)を備える、請求項1に記載の乗り物用レドーム(10)。
  3. 前記レドーム(10)はまた、前記装飾層(2)について基部に近い方に設けられたコート層(5)を備える、請求項1に記載の乗り物用レドーム(10)。
  4. 前記透明樹脂層(3)の基部に近い方の側にコート層(5)が設けられる、請求項2に記載の乗り物用レドーム(10)。
  5. 前記透明樹脂層(3)の基部から遠い方の側に追加の反射防止コーティング(4)を備える、請求項2に記載の乗り物用レドーム(10)。
  6. 前記反射防止コーティング(4)は、チタンまたはゲルマニウムの二酸化物の複数の層を備える、請求項1~のいずれかに記載の乗り物用レドーム(10)。
  7. 前記装飾層(2)はまた、1または複数の酸化物を備える、請求項1に記載の乗り物用レドーム(10)。
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