図1から図6は、本発明の第1実施形態を示す。この実施形態のシリンダ装置は、出力ロッドを押し出すことでロック対象物Xをロックするタイプのシリンダ装置である。図1から図6によって第1実施形態のシリンダ装置の構成を説明する。
テーブル等の固定台Tにハウジング1が取り付けられる。ハウジング1に形成されたシリンダ孔2に軸方向に移動可能で保密状に第1ピストン3が挿入される(配置される)。第1ピストン3は、内部にピストン収容室4を有し、このピストン収容室4に第2ピストン5が軸方向に移動可能に挿入される(配置される)。第2ピストン5は、筒穴6aを有する筒状部6と、筒状部6よりも大径の鍔部7とで構成される。ピストン収容室4の底部中央から軸方向の先端側へ延びる柱状部11が上記筒穴6aに保密状に挿入される。なお、柱状部11は第1ピストン3の一部である。第2ピストン5から軸方向の先端側へ出力ロッド8が延びる。第2ピストン5と出力ロッド8とでピストンロッド9を構成する。
上記ピストン収容室4内には、第2ピストン5に加えて増力機構10が収容される。増力機構10は、第2ピストン5の外周側に配置され次のように構成される。
増力機構10は、第2ピストン5と同軸でその筒状部6に軸方向に移動可能で保密状に外嵌めされる環状の増力ピストン12を有する。増力ピストン12は、小径部13と大径部14とを有し、大径部14は第1ピストン3内に保密状に挿入される。小径部13には、すり鉢状の押圧面13aが形成される。第2ピストン5を構成する上記筒状部6の端部は受圧部6bであり、受圧部6bの端面は先細りの例えばテーパ形状とされる。この受圧部6bと上記押圧面13aとの間に伝動部材としての複数の伝動ボール15が配置される。上記増力ピストン12、受圧部6b、および伝動ボール15で増力機構10が構成される。なお、増力ピストン12の大径部14とピストン収容室4の底面との間には、付勢手段としての戻しバネ16が配置されている。
上記第1ピストン3の内部であって、ピストン収容室4よりも軸方向先端側には、第1ピストン3の半径方向に延びる複数の筒穴17、18が形成される。図6に示すように、複数の筒穴17および複数の筒穴18は、第1ピストン3の周方向において等間隔で且つ交互に配置される。本実施形態では、3つの筒穴17が、第1ピストン3まわりに120°間隔で配置され、これら隣り合う筒穴17間の周方向真ん中にそれぞれ筒穴18が配置されている。
上記各筒穴17に円柱状の第1爪部材19が保密状に挿入され、上記各筒穴18に円柱状の第2爪部材20が保密状に挿入される。筒穴17、18の上記配置により、複数の第1爪部材19および複数の第2爪部材20は、第1ピストン3の周方向において等間隔で且つ交互に配置されることとなる。
第1爪部材19の外面には軸方向に延びる爪部材側溝19aが形成され、筒穴17の内面には爪部材側溝19aに対面する筒穴側溝17aが形成される。この筒穴側溝17aは筒穴17の軸方向に延びる。爪部材側溝19aと筒穴側溝17aとの間にガイド部材としてのガイドボール21が配置される。これら爪部材側溝19a、筒穴側溝17a、およびガイドボール21により直進ガイド機構22が構成され、この直進ガイド機構22によって、第1爪部材19は回転することなく筒穴17内を軸方向に移動する(直進する)。
第2爪部材20についても同様である。第2爪部材20の外面には軸方向に延びる爪部材側溝20aが形成され、筒穴18の内面には爪部材側溝20aに対面する筒穴側溝18aが形成される。この筒穴側溝18aは筒穴18の軸方向に延びる。爪部材側溝20aと筒穴側溝18aとの間にガイド部材としてのガイドボール21が配置される。これら爪部材側溝20a、筒穴側溝18a、およびガイドボール21により直進ガイド機構23が構成され、この直進ガイド機構23によって、第2爪部材20は、回転することなく、筒穴18内を軸方向に移動する(直進する)。
上記第1爪部材19の先端部19b、および第2爪部材20の先端部20bが嵌り込み可能な係合部としてのラック24が、シリンダ孔2の内周面に形成される。ラック24は、第1ピストン3の軸方向に沿ってシリンダ孔2の内周面に連続的に設けられた複数の環状の凹凸である。
上記筒穴17と筒穴18とは、第1ピストン3の軸方向において、上記凹凸のピッチの0.5倍の距離だけずらされている。本実施形態では、第1爪部材19と第2爪部材20とは形状および寸法が同一であるので、筒穴17と筒穴18とが上記のとおりずらされていることにより、第1爪部材19の先端部19bと第2爪部材20の先端部20bとは、第1ピストン3の軸方向において、上記凹凸のピッチの0.5倍の距離だけずらされている。
第1ピストン3の出力ロッド8側の室がリリース室25であり、出力ロッド8とは反対側の室がロック室26である。リリース用の圧力流体としての圧縮空気が、リリースポート27を介してリリース室25に給排され、ロック用の圧力流体としての圧縮空気が、ロックポート28を介してロック室26に給排される。
上記構成のシリンダ装置は次のように動作する。
図1に示すリリース状態では、ロック室26の圧縮空気がロックポート28から排出されると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気が供給されている。
図1に示すリリース状態から図5に示すロック状態へ切り換えるときは、リリース室25の圧縮空気をリリースポート27から排出すると共にロックポート28からロック室26に圧縮空気を供給する(ロック駆動)。なお、図2から図4は、リリース状態からロック状態へ切り換わる途中状態を、順に示す図である。
ロック室26に圧縮空気が供給されると、図2に示すように、圧縮空気の圧力を受ける第1ピストン3によってピストンロッド9が上昇する(軸方向のロック側へ移動する)。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、前記柱状部11の内部に形成された通路11a、筒穴6a、筒状部6の側壁に形成された通路6c、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室29、および筒穴17・18の底部に連通する通路3aを経て、第1爪部材19および第2爪部材20に作用する。そのため、第1爪部材19および第2爪部材20は、図3に示すように、第1ピストン3の半径方向の外方へ、直進ガイド機構22・23にガイドされながら姿勢を変えることなく直進移動する。
そして、図4に示すように、第1爪部材19の先端部19bまたは第2爪部材20の先端部20b(図4では、第2爪部材20の先端部20b)がラック24に嵌り込む。第2爪部材20の先端部20bがラック24に嵌り込む際、ラック24を構成する一凹部の上側の傾斜面に沿って第2爪部材20が斜め下方に移動する。これにより、図4に示すように、ピストンロッド9、および第1ピストン3などは、僅かに下方に移動する。
第2爪部材20の先端部20bがラック24に完全に嵌り込むと、第1ピストン3を下方に押す力が第1ピストン3に作用しても、筒穴18の底部に供給されている圧縮空気の圧力および第2爪部材20とラック24との係合により、第1ピストン3が下降することはない。なお、第1爪部材19の先端部19bと第2爪部材20の先端部20bとが、第1ピストン3の軸方向において相互にずらされているため、第1爪部材19および第2爪部材20のいずれかの先端部が確実にラック24に嵌り込む。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室29に流れるので、この圧縮空気の圧力によって増力ピストン12は戻しバネ16の付勢力に抗して下方(基端側)へ移動する。その結果、増力ピストン12の小径部13に形成された押圧面13aが、伝動ボール15を斜め下方に向けて押し、伝動ボール15は第2ピストン5の筒状部6の端部に設けられた受圧部6bとピストン収容室4の底面(第1ピストン3の底壁)との間に押し込まれ、伝動ボール15が第2ピストン5を上方(軸方向のロック側)へ強力に付勢する。これにより、図5に示すように、ピストンロッド9が上昇すると共に、その出力ロッド8がロック対象物Xを強く下方から押す。このとき、第2爪部材20により、出力ロッド8からの反力が受け止められるので、増力機構10の増力性能が十分に発揮される。
図5に示すロック状態から図1に示すリリース状態へ切り換えるときは、ロック室26の圧縮空気をロックポート28から排出すると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気を供給する(リリース駆動)。
ロック室26の圧縮空気が排出されると共にリリース室25に圧縮空気が供給されると、筒穴17・18の底部および増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室29の圧縮空気が排出される。また、増力ピストン12の出力ロッド8とは反対側の作動室30に第1ピストン3の側壁に形成された通路31から圧縮空気が供給される。
リリース室25に圧縮空気が供給されることで、第1ピストン3およびピストンロッド9が下降し、第1ピストン3の下降にともないラック24を構成する一凹部の下側の傾斜面によって、第1爪部材19および第2爪部材20は、第1ピストン3の半径方向の内方へ移動する。
また、上記作動室30に供給された圧縮空気の圧力および戻しバネ16の付勢力によって、増力ピストン12はピストン収容室4内を上昇する。これにより、増力機構10が働かなくなり、第2ピストン5は、リリース室25に供給された圧縮空気の圧力によってピストン収容室4内を僅かに下降する。これらにより、図1に示すリリース状態に戻る。
図7から図12は、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態のシリンダ装置は、出力ロッドを押し出すことでロック対象物Xをロックするタイプのシリンダ装置ということで、第1実施形態のシリンダ装置と共通する。
第1実施形態のシリンダ装置の構成と第2実施形態のシリンダ装置の構成との相違点は次のとおりである。
第2実施形態では、第1ピストン3の内部であって、ピストン収容室4よりも軸方向の基端側に、第1ピストン3の半径方向に延びる複数の筒穴17、18が形成される。これら複数の筒穴17、18に、第1爪部材19、第2爪部材20が保密状に挿入される。
また、シリンダ孔2の底部中央から第1ピストン3の軸方向の先端側に延びる柱状部32が設けられる。この柱状部32の外周面に、上記第1爪部材19の先端部19b、および第2爪部材20の先端部20bが嵌り込み可能な係合部33が形成される。係合部33は、第1ピストン3の軸方向に沿って柱状部32の外周面に連続的に設けられた複数の環状の凹凸である。
また、第2実施形態では、第1ピストン3の外周面の先端部および基端部にそれぞれ設けられた封止部材34、封止部材35の間の室がロック室26である。なお、リリース室25は、第1実施形態の場合と同様、第1ピストン3の出力ロッド8側の室である。
第2実施形態のシリンダ装置は次のように動作する。
図7に示すリリース状態では、ロック室26の圧縮空気がロックポート28から排出されると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気が供給されている。
図7に示すリリース状態から図11に示すロック状態へ切り換えるときは、リリース室25の圧縮空気をリリースポート27から排出すると共にロックポート28からロック室26に圧縮空気を供給する(ロック駆動)。なお、図8から図10は、リリース状態からロック状態へ切り換わる途中状態を、順に示す図である。
ロック室26に圧縮空気が供給されると、図8に示すように、圧縮空気の圧力を受ける第1ピストン3によってピストンロッド9が上昇する(軸方向のロック側へ移動する)。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、筒穴17・18の底部に連通する第1ピストン3に形成された通路3bを経て、第1爪部材19および第2爪部材20に作用する。そのため、第1爪部材19および第2爪部材20は、図9に示すように、第1ピストン3の半径方向の内方へ、直進ガイド機構22・23にガイドされながら姿勢を変えることなく直進移動する。
そして、図10に示すように、第1爪部材19の先端部19bまたは第2爪部材20の先端部20b(図10では、第2爪部材20の先端部20b)が係合部33に嵌り込む。第2爪部材20の先端部20bが係合部33に嵌り込む際、係合部33を構成する一凹部の上側の傾斜面に沿って第2爪部材20が斜め下方に移動する。これにより、図10に示すように、ピストンロッド9、および第1ピストン3などは、僅かに下方に移動する。
第2爪部材20の先端部20bが係合部33に完全に嵌り込むと、第1ピストン3を下方に押す力が第1ピストン3に作用しても、筒穴18の底部に供給されている圧縮空気の圧力および第2爪部材20と係合部33との係合により、第1ピストン3が下降することはない。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、第1ピストン3の上記通路3bよりも上方に形成された通路3cを経て、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室29にも流れるので、この圧縮空気の圧力によって増力ピストン12は戻しバネ16の付勢力に抗して下方(基端側)へ移動する。その結果、増力ピストン12の小径部13に形成された押圧面13aが、伝動ボール15を斜め下方に向けて押し、伝動ボール15は第2ピストン5の筒状部6の端部に設けられた受圧部6bとピストン収容室4の底面との間に押し込まれ、伝動ボール15が第2ピストン5を上方(軸方向のロック側)へ強力に付勢する。これにより、図11に示すように、ピストンロッド9が上昇すると共に、その出力ロッド8がロック対象物Xを強く下方から押す。
図11に示すロック状態から図7に示すリリース状態へ切り換えるときは、ロック室26の圧縮空気をロックポート28から排出すると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気を供給する(リリース駆動)。
ロック室26の圧縮空気が排出されると共にリリース室25に圧縮空気が供給されると、筒穴17・18の底部および増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室29の圧縮空気が排出される。また、増力ピストン12の出力ロッド8とは反対側の作動室30に、第1ピストン3の先端側の壁に形成された通路3d、出力ロッド8の基端部に形成された通路8a、および筒穴6aを介して圧縮空気が供給される。
リリース室25に圧縮空気が供給されることで、第1ピストン3およびピストンロッド9が下降し、第1ピストン3の下降にともない係合部33を構成する一凹部の下側の傾斜面によって、第1爪部材19および第2爪部材20は、第1ピストン3の半径方向の外方へ移動する。
また、上記作動室30に供給された圧縮空気の圧力および戻しバネ16の付勢力によって、増力ピストン12はピストン収容室4内を上昇する。これにより、増力機構10が働かなくなり、第2ピストン5は、リリース室25に供給された圧縮空気の圧力によってピストン収容室4内を僅かに下降する。これらにより、図7に示すリリース状態に戻る。
図13から図17は、本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態のシリンダ装置は、出力ロッドを引き込むことでロック対象物Xをロックするタイプのシリンダ装置である。
第1実施形態のシリンダ装置の構成と第3実施形態のシリンダ装置の構成との相違点は次のとおりである。
第3実施形態における第2ピストン5は、円柱状のピストンであり、その外周面に、伝動ボール15が嵌り込む受圧部としての凹部5aが設けられる。出力ロッド8の先端部には、ロック対象物Xに係合する係合部8bが設けられる。
増力ピストン12に関し、すり鉢状の押圧面13aが形成された小径部13は、大径部14よりも出力ロッド8側、すなわち先端側に設けられる。なお、第1および第2実施形態では、出力ロッド8側(先端側)がロック側、その反対側(基端側)がリリース側であり、第3実施形態では、出力ロッド8側(先端側)がリリース側、その反対側(基端側)がロック側である。すなわち、すり鉢状の押圧面13aが形成された小径部13が大径部14よりもリリース側に設けられるということでは、第1実施形態と第3実施形態とは共通する。
また、第3実施形態では、第2実施形態の場合と同様に、第1ピストン3の内部であって、ピストン収容室4よりも軸方向の基端側に、第1ピストン3の半径方向に延びる複数の筒穴17、18が形成される。これら複数の筒穴17、18に、第1爪部材19、第2爪部材20が保密状に挿入される。
また、第2ピストン5の軸方向の端面は、当該軸方向に直交する平坦な面であり、リリース室25に直接、面している。このリリース室25は、第1ピストン3の出力ロッド8側とは反対側の室であり、ロック室26は、第1ピストン3の出力ロッド8側の室である。
第3実施形態のシリンダ装置は次のように動作する。
図13に示すリリース状態では、ロック室26の圧縮空気がロックポート28から排出されると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気が供給されている。
図13に示すリリース状態から図17に示すロック状態へ切り換えるときは、リリース室25の圧縮空気をリリースポート27から排出すると共にロックポート28からロック室26に圧縮空気を供給する(ロック駆動)。なお、図14から図16は、リリース状態からロック状態へ切り換わる途中状態を、順に示す図である。
ロック室26に圧縮空気が供給されると、図14に示すように、圧縮空気の圧力を受ける第1ピストン3によってピストンロッド9が下降する(軸方向のロック側へ移動する)。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、ピストンロッド9の内部に形成された通路9a、増力ピストン12の出力ロッド8側とは反対側の作動室29、および筒穴17・18の底部に連通する通路3aを経て、第1爪部材19および第2爪部材20に作用する。そのため、第1爪部材19および第2爪部材20は、図15に示すように、第1ピストン3の半径方向の外方へ、直進ガイド機構22・23にガイドされながら姿勢を変えることなく直進移動する。
そして、図16に示すように、第1爪部材19の先端部19bまたは第2爪部材20の先端部20b(図16では、第2爪部材20の先端部20b)がラック24に嵌り込む。第2爪部材20の先端部20bがラック24に嵌り込む際、ラック24を構成する一凹部の下側の傾斜面に沿って第2爪部材20が斜め上方に移動する。これにより、図16に示すように、ピストンロッド9、および第1ピストン3などは、僅かに上方に移動する。
第2爪部材20の先端部20bがラック24に完全に嵌り込むと、第1ピストン3を上方に押す力が第1ピストン3に作用しても、筒穴18の底部に供給されている圧縮空気の圧力および第2爪部材20とラック24との係合により、第1ピストン3が上昇することはない。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、増力ピストン12の出力ロッド8側とは反対側の作動室29に流れるので、この圧縮空気の圧力によって増力ピストン12は戻しバネ16の付勢力に抗して上方(先端側)へ移動する。その結果、増力ピストン12の小径部13に形成された押圧面13aが、伝動ボール15を斜め上方に向けて押し、伝動ボール15は第2ピストン5の外周面に設けられた凹部5aとピストン収容室4の天面(第1ピストン3の上壁)との間に押し込まれ、伝動ボール15が第2ピストン5を下方(軸方向のロック側)へ強力に付勢する。これにより、図17に示すように、ピストンロッド9が下降すると共に、その出力ロッド8の先端部に設けられた係合部8bがロック対象物Xを強く上方から押す。
図17に示すロック状態から図13に示すリリース状態へ切り換えるときは、ロック室26の圧縮空気をロックポート28から排出すると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気を供給する(リリース駆動)。
ロック室26の圧縮空気が排出されると共にリリース室25に圧縮空気が供給されると、筒穴17・18の底部および増力ピストン12の出力ロッド8側とは反対側の作動室29の圧縮空気が排出される。また、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室30に第1ピストン3の側壁に形成された通路31から圧縮空気が供給される。
リリース室25に圧縮空気が供給されることで、そのリリース室25の圧縮空気は、第1爪部材19および第2爪部材20を第1ピストン3の半径方向の内方へ移動させると共に、第1ピストン3およびピストンロッド9を上昇させる。
また、上記作動室30に供給された圧縮空気の圧力および戻しバネ16の付勢力によって、増力ピストン12はピストン収容室4内を下降する。これにより、増力機構10が働かなくなり、第2ピストン5は、リリース室25に供給された圧縮空気の圧力によってピストン収容室4内を僅かに上昇する。これらにより、図13に示すリリース状態に戻る。
図18から図22は、本発明の第4実施形態を示す。この第4実施形態のシリンダ装置は、第3実施形態のシリンダ装置と同じく、出力ロッドを引き込むことでロック対象物Xをロックするタイプのシリンダ装置である。
第3実施形態のシリンダ装置の構成と第4実施形態のシリンダ装置の構成との相違点は次のとおりである。
第3実施形態では、ロック駆動時、第1爪部材19および第2爪部材20は、第1ピストン3の半径方向の外方へ移動する。これに対して、第4実施形態では、ロック駆動時、第1爪部材19および第2爪部材20は、第1ピストン3の半径方向の内方へ移動する。
シリンダ孔2の底部中央から第1ピストン3の軸方向の先端側に延びる柱状部32が設けられる。この柱状部32の外周面に、上記第1爪部材19の先端部19b、および第2爪部材20の先端部20bが嵌り込み可能な係合部33が形成される。係合部33は、第1ピストン3の軸方向に沿って柱状部32の外周面に連続的に設けられた複数の環状の凹凸である。
上記柱状部32が入り込む筒穴36aを有する筒状部36が第1ピストン3の基端側軸心部に設けられると共に、上記柱状部32が入り込む筒穴5bが第2ピストン5に形成される。増力ピストン12は、上記筒状部36に軸方向に移動可能で保密状に外嵌めされる。
また、第2実施形態と同様、第4実施形態では、第1ピストン3の外周面の先端部および基端部にそれぞれ設けられた封止部材34、封止部材35の間の室がロック室26である。なお、リリース室25は、第3実施形態の場合と同様、第1ピストン3の出力ロッド8側とは反対側の室である。
第4実施形態のシリンダ装置は次のように動作する。
図18に示すリリース状態では、ロック室26の圧縮空気がロックポート28から排出されると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気が供給されている。
図18に示すリリース状態から図22に示すロック状態へ切り換えるときは、リリース室25の圧縮空気をリリースポート27から排出すると共にロックポート28からロック室26に圧縮空気を供給する(ロック駆動)。なお、図19から図21は、リリース状態からロック状態へ切り換わる途中状態を、順に示す図である。
ロック室26に圧縮空気が供給されると、図19に示すように、圧縮空気の圧力を受ける第1ピストン3によってピストンロッド9が下降する(軸方向のロック側へ移動する)。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、筒穴17・18の底部に連通する第1ピストン3に形成された通路3bを経て、第1爪部材19および第2爪部材20に作用する。そのため、第1爪部材19および第2爪部材20は、図20に示すように、第1ピストン3の半径方向の内方へ、直進ガイド機構22・23にガイドされながら姿勢を変えることなく直進移動する。
そして、図21に示すように、第1爪部材19の先端部19bまたは第2爪部材20の先端部20b(図21では、第1爪部材19の先端部19b)が係合部33に嵌り込む。第1爪部材19の先端部19bが係合部33に嵌り込む際、係合部33を構成する一凹部の下側の傾斜面に沿って第1爪部材19が斜め上方に移動する。これにより、図21に示すように、ピストンロッド9、および第1ピストン3などは、僅かに上方に移動する。
第1爪部材19の先端部19bが係合部33に完全に嵌り込むと、第1ピストン3を上方に押す力が第1ピストン3に作用しても、筒穴17の底部に供給されている圧縮空気の圧力および第1爪部材19と係合部33との係合により、第1ピストン3が上昇することはない。
ここで、ロック室26に供給された圧縮空気は、通路3b、通路3aを経て増力ピストン12の出力ロッド8側とは反対側の作動室29に流れるので、この圧縮空気の圧力によって増力ピストン12は戻しバネ16の付勢力に抗して上方(先端側)へ移動する。その結果、増力ピストン12の小径部13に形成された押圧面13aが、伝動ボール15を斜め上方に向けて押し、伝動ボール15は第2ピストン5の外周面に設けられた凹部5aとピストン収容室4の天面(第1ピストン3の上壁)との間に押し込まれ、伝動ボール15が第2ピストン5を下方(軸方向のロック側)へ強力に付勢する。これにより、図22に示すように、ピストンロッド9が下降すると共に、その出力ロッド8の先端部に設けられた係合部8bがロック対象物Xを強く上方から押してロックする。
図22に示すロック状態から図18に示すリリース状態へ切り換えるときは、ロック室26の圧縮空気をロックポート28から排出すると共にリリースポート27からリリース室25に圧縮空気を供給する(リリース駆動)。なお、リリースポート27からの圧縮空気は、第1ピストン3の先端側の壁に形成された通路3d、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室30、第2ピストン5と筒状部36との間の隙間37、および筒穴36aを経てリリース室25に供給される。
ロック室26の圧縮空気が排出されると共にリリース室25に圧縮空気が供給されると、筒穴17・18の底部および増力ピストン12の出力ロッド8側とは反対側の作動室29の圧縮空気が排出される。また、増力ピストン12の出力ロッド8側の作動室30に第1ピストン3の上壁に形成された通路3dから圧縮空気が供給される。
リリース室25に圧縮空気が供給されることで、そのリリース室25の圧縮空気は、第1爪部材19および第2爪部材20を第1ピストン3の半径方向の外方へ移動させると共に、第1ピストン3およびピストンロッド9を上昇させる。
また、上記作動室30に供給された圧縮空気の圧力および戻しバネ16の付勢力によって、増力ピストン12はピストン収容室4内を下降する。これにより、増力機構10が働かなくなり、第2ピストン5は、リリース室25に供給された圧縮空気の圧力によってピストン収容室4内を僅かに上昇する。これらにより、上記シリンダ装置は、図22のロック状態から図18に示すリリース状態に戻る。
上記の実施形態は次のように変更可能である。
上記の実施形態では、いずれの実施形態においても、第1爪部材19の先端部19bと第2爪部材20の先端部20bとは、第1ピストン3の軸方向において、ラック24または係合部33の凹凸のピッチの0.5倍の距離だけずらされている。第1爪部材19の先端部19bから第2爪部材20の先端部20bをずらす距離は、凹凸のピッチの小数倍とされればよい。さらには、第1爪部材19の先端部19bから第2爪部材20の先端部20bをずらす距離は、凹凸のピッチの自然数倍とされていてもよいし、先端部19bから先端部20bが第1ピストン3の軸方向においてずらされていなくてもよい。
上記の実施形態の第1爪部材19の先端部19bと第2爪部材20の先端部20bとはラック24または係合部33に向かうにつれて先細りする同じ形状となっているが、第1爪部材19の先端部19bと第2爪部材20の先端部20bとで異なる形状となってもよい。例えば、先細りする角度やピッチが異なっていてもよい。
第1爪部材19および第2爪部材20は、円柱状のものに代えて、矩形や六角形などの断面が多角形のものであってもよい。この場合、直進ガイド機構22、23が矩形や六角形の爪部材19、20の外側面および筒孔17、18の内周面によって形成されるようにしてもよい。
戻しバネ16は省略されてもよい。
第1ピストン3、増力機構10を動作させる流体は、圧縮空気(気体)に代えて圧油(液体)が用いられてもよい。
本発明のシリンダ装置は、例示した上下姿勢に配置することに代えて、上下逆の姿勢、水平姿勢、または斜め姿勢に配置されてもよい。また、ピストンロッド9は、軸方向に直進移動することに加えて軸まわりに回転するものであってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行うことは勿論可能である。