JP7326246B2 - 待機手術を受ける、重度のフォンヴィレブランド病を患う患者の、組換えvwfの投与による治療法 - Google Patents

待機手術を受ける、重度のフォンヴィレブランド病を患う患者の、組換えvwfの投与による治療法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月17日出願の米国仮特許出願第62/546,999号、及び2017年7月7日出願の米国仮特許出願第62/530,024号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
フォンヴィレブランド病(VWD)などの凝固系疾患は、一般に、凝固カスケードの欠損から生じる。フォンヴィレブランド病(VWD)は、フォンヴィレブランド因子の欠損により引き起こされる疾患の群を指す。フォンヴィレブランド因子は、血小板が一緒に凝集し、血管壁に張り付くのを助け、これは正常な血液凝固に必要なものである。
フォンヴィレブランド病(VWD)は、推定有病率が1%である最も一般的な出血性疾患(Veyradier A,et al.,Medicine(Baltimore).2016,95(11):e3038(非特許文献1))。しかしながら、より軽度の型の疾患を除き、実際に治療を必要とする患者は約10,000人に1人のみである。これらの凝固障害のための現在の治療には、正常な凝固因子を含む薬学的調製物を使用する補充療法が含まれる。
VWFは、サイズが約500~20,000kDの範囲である一連の多量体として血漿中を循環する糖タンパク質である。VWFのcDNAの全長がクローニングされており、プロポリペプチドは、全長プレプロVWFのアミノ酸残基23~764に対応する(Eikenboom et al(1995)Haemophilia 1,77 90(非特許文献2))。VWFの多量体形態は、ジスルフィド結合により一緒に連結した250kDのポリペプチドサブユニットで構成される。VWFは、損傷した血管壁の内皮下層への初期血小板粘着を媒介し、より大きい多量体は、増強した止血活性を呈する。多量体化されたVWFは、VWFのA1ドメインにおける相互作用をとおして血小板表面糖タンパク質Gp1bαに結合し、血小板粘着を促進する。VWF上の他の部位は、血管壁への結合を媒介する。こうして、VWFは、剪断応力が高い条件下での血小板粘着及び一次止血に不可欠である、血小板と血管壁との間の橋を形成する。通常、内皮細胞は、より大きい重合形態のVWFを分泌し、分子量がより低いVWFの形態は、タンパク質分解的切断から生じる。分子量がなみはずれて大きい多量体は、内皮細胞のバイベル・パラーデ小体内に貯蔵され、トロンビン及びヒスタミンなどのアゴニストにより刺激されると放出される。
VWDを患う患者には、特に大手術における長期の止血の必要性を考慮して、フォンヴィレブランド因子(VWF)補充による治療が推奨される(Mannucci PM and Franchini M.,Haemophilia,2017,23(2):182-187(非特許文献3);National Institutes of Health.National Heart,Lung,and Blood Institute.The Diagnosis,Evaluation,and Management of von Willebrand Disease NIH Publication No.08-5832;December,2007(非特許文献4))。血漿由来VWF治療薬は、第VIII因子(FVIII)を含有し、繰り返しの投薬によりFVIIIが蓄積する可能性がある。VONVENDI(フォンヴィレブランド因子[組換え]、Shire,Westlake Village,CA)は、最初であり唯一の組換えVWF(rVWF)濃縮物である(Turecek PL,et al.Hamostaseologie.2009;29(suppl 1):S32-38(非特許文献5)、Mannucci PM,et al.Blood,2013;122(5):648-657(非特許文献6)、Gill JC,et al.Blood,2015;126(17):2038-2046(非特許文献7))。
Veyradier A,et al.,Medicine(Baltimore).2016,95(11):e3038 Eikenboom et al(1995)Haemophilia 1,77 90 Mannucci PM and Franchini M.,Haemophilia,2017,23(2):182-187 National Institutes of Health.National Heart,Lung,and Blood Institute.The Diagnosis,Evaluation,and Management of von Willebrand Disease NIH Publication No.08-5832;December,2007 Turecek PL,et al.Hamostaseologie.2009;29(suppl 1):S32-38 Mannucci PM,et al.Blood,2013;122(5):648-657 Gill JC,et al.Blood,2015;126(17):2038-2046
本発明は、20~60IU/kgの組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)を、外科手術の12時間~24時間、例えば、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、12時間~24時間、14時間~24時間、16時間~24時間、18時間~24時間、または20時間~24時間前に、患者に投与すること、ならびに第VIII因子(FVIII)を外科手術の前にrVWFとともに投与しないことによる、重度のフォンヴィレブランド病を患う患者のための前処置の方法を提供する。いくつかの実施形態では、前処置の方法は、対象に、5~90IU/kgのrVWFを手術の1時間前に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、上記の前処置を伴ってまたは伴わずに、対象に70~200IUのrVWFが手術の後に投与される。いくつかの場合、外科手術は、大手術、小手術、または口腔手術からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、対象に、35~60IU/kgのrVWFが大外科手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、15~90IU/kgのrVWFが大外科手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、150~220IU/kgのrVWFが大外科手術の後に投与される。いくつかの例では、大外科手術を受ける対象に、220~320IU/kgの総用量が投与される。いくつかの例では、外科手術が大外科手術であるとき、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。「ほぼ等しい」とは、本明細書で使用される場合、濃度が互いの1~15%、2~14%、3~13%、4~12%、5~11%、6~10%、7~9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%以内である用量を指す。
いくつかの実施形態では、対象に、50~60IU/kgのrVWFが小外科手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、5~50IU/kgのrVWFが小手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、70~150IU/kgのrVWFが小外科手術の後に投与される。いくつかの例では、小外科手術を受ける対象に、100~220IU/kgの総用量が投与される。いくつかの例では、外科手術が小外科手術であるとき、前処置は、外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含み、第1の用量は、第2の用量より多い。
いくつかの実施形態では、対象に、20~40IU/kgのrVWFが口腔外科手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、20~50IU/kgのrVWFが口腔外科手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、10~50IU/kgのrVWFが口腔外科手術中に投与される。別の実施形態では、対象に、70~150IU/kgのrVWFが口腔外科手術の後に投与される。いくつかの例では、口腔外科手術を受ける対象に、70~190IU/kgの総用量が投与される。いくつかの例では、外科手術が口腔外科手術であるとき、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。
本発明の他の目的、利点、及び実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
試験患者における全体の止血有効性(主要評価項目)を示す。 試験患者における止血有効性(副次的な評価項目)を示す。 ベースライン人口統計及び臨床特性を示す。 VWF:RCoのPKパラメータ(n=11)を示す。 図5Aは、VWDを患う全患者(n=11)における、rVWF 50±5 IU rVWF:RCo/kgに応答した、平均のVWF:RCoレベル及び内因性FVIII:Cレベルを、PKデータを分析して示す。図5Bは、3型VWDを患う患者のサブセット(n=5)における、rVWF 50±5 IU rVWF:RCo/kgに応答した、平均のVWF:RCoレベル及び内因性FVIII:Cレベルを、PKデータを分析して示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。 VWF核酸及びアミノ酸配列を示す。
発明の詳細な説明
序論
本発明は、第VIII因子を外科手術の前にrVWFとともに投与することなく、組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)を患者に45~60IG/kgのrVWFで投与することによる、重度のフォンヴィレブランド病を患う患者の前処置を、手術の前に行うための方法を提供する。いくつかの場合、外科手術は、大手術、小手術、または口腔手術からなる群から選択される。
PCT出願公開第WO2012/171031号の開示は、すべての目的について、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「(その)the」は、文脈が別に指示しない限り複数の言及を含む。よって、例えば、「抗体(an antibody)」への言及は、複数のそのような抗体を含み、「宿主細胞(a host cell)」への言及は、当業者に既知である1つ以上の宿主細胞及びその同等物への言及などを含む。特許請求の範囲が任意の要素を除外するように起草されてもよいことにさらに留意されたい。したがって、本記載は、特許請求の範囲の要素の列挙に関して「単に」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用、または「否定的な」制限の使用のための先行する基準として役立つことが意図される。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。それは、言うまでもなく、そのような実施形態は変化し得るからである。本明細書に使用される専門用語は特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、限定するよう意図されないことも理解されたい。
「プレプロペプチドVWF」、「プレプロVWF」、または「プロVWF」は、約22個のアミノ酸残基のシグナルペプチド、約741個のアミノ酸残基のVWFプロペプチド、及び約2050個のアミノ酸残基の成熟VWFサブユニットを含む、非成熟VWFポリペプチドを指す。プロVWFサブユニットは、小胞体におけるそれらのカルボキシル末端付近のジスルフィド結合をとおして二量体化して、テイル-トゥ-テイル二量体を形成し、これがその後ゴルジに輸送される。ゴルジでは、追加のヘッド-トゥ-ヘッドジスルフィド結合がサブユニットのアミノ末端付近で形成され、その結果、多量体が形成される。プロセシングプロテアーゼフューリンを介してVWFプロペプチドのタンパク質分解的切断が生じることで、成熟VWF/VWF-PP複合体が産生される。「r」がVWF名の前に含まれる場合、これは組換え版を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、組換えVWF(rVWF)を対象とする。
「VWF複合体」または「成熟VWF/VWF-PP複合体」という用語は、成熟VWFサブユニット及びVWFプロペプチドを含む、共有結合によらずに連結したヘテロ二量体構造を指す。VWF複合体は、プレプロペプチドVWFのプロペプチド部分と成熟VWF部分との間のフューリン切断の産物として生成され得る。「r」がVWF名の前に含まれる場合、これは組換え版を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、組換えVWF(rVWF)を対象とする。本明細書で使用される場合、「rVWF」は、組換えVWFを指す。
本明細書で使用される場合、「rFVIII」は組換えFVIIIを指す。
「組換え」という用語は、例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターを参照して使用されるとき、その細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入、または天然核酸もしくはタンパク質の改変により修飾されていること、あるいはその細胞がそのように修飾された細胞に由来することを示す。このため、例えば、組換え細胞は、天然(非組換え)形態の細胞内に見られない遺伝子を発現するか、または異常に発現された、過少発現された、もしくは全く発現されない天然の遺伝子を発現する。
本明細書で使用される場合、「組換えVWF」には、組換えDNA技術により得られたVWFが含まれる。ある特定の実施形態では、本発明のVWFタンパク質は、構築物、例えば、組換えVWFの産生方法に関して参照により本明細書に組み込まれる、1986年10月23日に公開されたWO1986/06096、及び1990年7月23日に出願された米国特許出願第07/559,509号において行われているように調製されたものを含み得る。本発明中のVWFは、単量体形態及び多量体形態を含む、あらゆる可能性のある形態を含むことができる。本発明は、組み合わせて使用されるVWFの異なる形態を包含することも理解されたい。例えば、本発明のVWFは、異なる多量体、異なる誘導体、ならびに生物学的に活性な誘導体及び生物学的に活性でない誘導体の両方を含んでもよい。
本発明との関連において、組換えVWFは、例えば、霊長類、ヒト、サル、ウサギ、ブタ、齧歯類、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、イヌ、ネコなどの哺乳動物に由来する、VWFファミリーの任意のメンバー、及びそれらの生物学的に活性な誘導体を含む。活性を有する突然変異及び変異型VWFタンパク質も含まれ、VWFタンパク質の機能的断片及び融合タンパク質も同様である。さらに、本発明のVWFは、精製、検出、またはそれらの両方を促進する標識をさらに含んでもよい。本明細書に記載のVWFは、さらに、治療部分、またはインビトロもしくはインビボでの撮像に好適な部分により修飾されてもよい。
本明細書で使用される場合、「血漿由来VWF(pdVWF)」には、少なくとも1つのFVIII分子のインビボ安定化、例えば結合の特性を有する哺乳動物から得られる成熟VWFを含む、タンパク質のすべての形態が含まれる。
「極めて多量体であるVWF」または「高分子量VWF」は、少なくとも10サブユニット、または12、14、もしくは16サブユニットから、約20、22、24、26サブユニット、またはそれ以上を含むVWFを指す。「サブユニット」という用語は、VWFの単量体を指す。当該技術分野で知られているように、重合してより高次の多量体を形成するのは、通常、VWFの二量体である(ここに、全体が参照により、すべての目的について、特にVWFの多量体分析に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Turecek et al.,Semin.Thromb.Hemost.2010,36(5):510-521を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「第VIII因子」または「FVIII」は、患者にとって内因性であるか、血漿に由来するか、または組換えDNA技法の使用により産生されるかにかかわらず、第VIII因子のすべての修飾形態を含めて、血液凝固第VIII因子の典型的な特徴を有する任意の形態の第VIII因子分子を指す。第VIII因子(FVIII)は、単一遺伝子産物から生じるポリペプチドの不均一な分布として、天然に及び治療用調製物に存在する(例えば、Andersson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:2979-2983(1986)を参照されたい)。第VIII因子を含有する治療調製物の市販の例には、HEMOFIL M、ADVATE、及びRECOMBINATE(Baxter Healthcare Corporation,Deerfield,Ill.,U.S.A.から入手可能)の商品名で販売されているものが含まれる。
本明細書で使用される場合、「血漿FVIII活性」及び「インビボFVIII活性」は同義に使用される。標準的なアッセイを使用して測定されるインビボFVIII活性は、内因性FVIII活性であっても、治療用に投与されたFVIII(組換えまたは血漿由来)の活性であってもよく、あるいは内因性FVIII活性及び投与されたFVIII活性の両方であってもよい。同様に、「血漿FVIII」は、内因性FVIIIまたは投与された組換えもしくは血漿由来FVIIIを指す。
本明細書で使用される場合、「フォンヴィレブランド病」は、フォンヴィレブランド因子の欠損により引き起こされる疾患の群を指す。フォンヴィレブランド因子は、血小板が一緒に凝集し、血管壁に張り付くのを助け、これは正常な血液凝固に必要なものである。本明細書でさらに詳述されるように、フォンヴィレブランド病の型はいくつか存在し、これには、1型、2A型、2B型、2M型、及び3型が含まれる。
「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」という用語は、天然の状態で見られる場合に通常付随する成分を実質的または本質的に含まない材料を指す。純度及び均一性は、典型的には、ポリアクリルアミド電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技法を使用して決定される。VWFは、調製物に存在する優勢種であり、実質的に精製される。「精製された」という用語は、一部の実施形態では、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲル中で本質的に1つのバンドを生むことを示す。他の実施形態では、これは、核酸またはタンパク質が、少なくとも50%純粋より好ましくは、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上純粋であることを意味する。「精製する」または「精製」は、他の実施形態では、少なくとも1つの汚染物質を、精製される組成物から除去することを意味する。この意味では、精製は、精製された化合物が、均一、例えば100%純粋であることを必ずしも求めない。
本明細書で使用される場合、「投与」(及びすべての文法上の相当語)には、対象への、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、坐薬としての投与、局所接触、腹腔内、病巣内、もしくは鼻腔内投与、または徐放性デバイス、例えば小型浸透圧ポンプの埋め込みが含まれる。投与は、非経口経路及び経粘膜経路(例えば、口腔内経路、鼻腔内経路、膣内経路、直腸内経路、または経皮経路)を含む任意の経路によるものである。非経口投与には、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、脳室内投与、及び頭蓋内投与が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が含まれるが、これらに限定されない。
「治療有効量または用量」または「治療に十分な量または用量」または「有効なまたは十分な量または用量」という用語は、投与目的である治療効果を生む用量を指す。例えば、血友病の治療に有用な薬物の治療有効量は、血友病に伴う1つ以上の症状を予防または緩和することができる量であり得る。正確な用量は、治療目的に左右され、当業者により、既知の技法を使用して確認されることになる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992)、Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999)、Pickar,Dosage Calculations(1999)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「患者」及び「対象」という用語は、同義に使用され、疾患を有するかまたは疾患に罹患する可能性を有する哺乳動物(好ましくはヒト)を指す。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定された値の±10%のおよその範囲を示す。例えば、「約20%」という言葉は、18~22%の範囲を包含する。
本明細書で使用される場合、「半減期」という用語は、崩壊している物質の量(または試料または患者からのクリアランス)が半分に減少するまでにかかる期間を指す。
I.組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)
本発明は、外科手術、例えば非限定的に、大手術、小手術、または口腔手術を受ける、重度のVWDを患う対象の前処置のために、フォンヴィレブランド因子(rVWF)を含む組成物を利用する。
ある特定の実施形態では、本発明のVWFタンパク質は、構築物、例えば、組換えVWFの産生方法に関して参照により本明細書に組み込まれる、1986年10月23日に公開されたWO1986/06096、及び1990年7月23日に出願された米国特許出願第07/559,509号において行われているように調製されたものを含んでもよい。本発明に有用なVWFは、単量体及び多量体形態を含めて、あらゆる可能性のある形態を含む。1つの特に有用なVWFの形態は、少なくとも2つのVWFのホモ多量体である。VWFタンパク質は、生物学的に活性な誘導体であってもよく、あるいはFVIIIのための安定化剤としてのみ使用される場合、VWFは、生物学的に活性でない形態であってもよい。本発明は、組み合わせて使用されるVWFの異なる形態を包含することも理解されたい。例えば、本発明に有用な組成物は、異なる多量体、異なる誘導体、ならびに生物学的に活性な誘導体及び生物学的に活性でない誘導体の両方を含んでもよい。
一次止血において、VWFは、血小板と、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの特定の成分との間の橋として働く。このプロセスにおけるVWFの生物活性は、種々のインビトロアッセイによって測定することができる(Turecek et al.,Semin.Thromb.Hemost.28:149-160,2002)。リストセチン補因子アッセイは、VWFの存在下で抗生物質リストセチンにより誘導される新鮮なまたはホルマリン固定した血小板の凝集に基づく。
血小板凝集の程度は、VWF濃度に依存し、比濁法により、例えば、血小板凝集計の使用により測定することができる(Weiss et al.,J.Clin.Invest.52:2708-2716,1973、Macfarlane et al.,Thromb.Diath.Haemorrh.34:306-308,1975)。第2の方法は、ELISA技術に基づくコラーゲン結合アッセイである(Brown et Bosak,Thromb.Res.43:303-311,1986、Favaloro,Thromb.Haemost.83:127-135,2000)。マイクロタイタープレートをI型またはIII型コラーゲンでコーティングする。次に、VWFをコラーゲン表面に結合させ、続いて酵素標識したポリクローナル抗体を用いて検出する。最後のステップは基質反応であり、これは、ELISAリーダーを用いて測光法によりモニタリングできる。本明細書で提供されるように、本発明のVWFの特異的リストセチン補因子活性(VWF:RCo)は、概して、インビトロアッセイを使用して測定したVWFのmU/μgを単位として記載される。
pdVWFと比べた本発明のrVWF組成物の利点は、rVWFがpdVWFよりも高い比活性を呈することである。いくつかの実施形態では、本発明のrVWFは、比活性が、少なくとも約20、22.5、25、27.5、30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60、62.5、65、67.5、70、72.5、75、77.5、80、82.5、85、87.5、90、92.5、95、97.5、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150mU/μg、またはそれ以上である。
本発明のrVWFは、約10~約40のサブユニットを含んで、極めて多量体である。さらなる実施形態では、本発明の方法を使用して産生された多量体rVWFは、約10~30、12~28、14~26、16~24、18~22、20~21のサブユニットを含む。さらなる実施形態では、rVWFは、二量体から、40を超えるサブユニットの多量体(1000万ダルトン超)の多量体まで、様々なサイズの多量体で存在する。最も大きい多量体は、血小板受容体と傷害部の内皮下マトリックス部位との両方と相互作用することができる複数の結合部位を提供し、最も止血活性があるVWFの形態である。ADAMTS13の適用により、超大型のrVWF多量体は経時的に切断されるが、産生中(一般に細胞培養における発現による)、本発明のrVWF組成物は、概してADAMTS13に曝露せず、その極めて多量体である構造を保持する。
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWF組成物は、オリゴマーの95%が6サブユニット~20サブユニットを有することを特徴とするrVWFオリゴマーの分布を有する。他の実施形態では、rVWF組成物は、オリゴマーの95%が、すべての目的について全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2012/171031号の表2に見られる変種458~641から選択されるサブユニットの範囲を有することを特徴とする、rVWFオリゴマーの分布を有する。
一実施形態では、rVWF組成物は、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体で存在するrVWF分子の割合(%)に従って特徴付けることができる。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWF組成物中のrVWF分子の少なくとも20%が、少なくとも10サブユニットのオリゴマー複合体で存在する。別の実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWF組成物中のrVWF分子の少なくとも20%が、少なくとも12サブユニットのオリゴマー複合体で存在する。さらに他の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用されるrVWF組成物は、すべての目的について全体が参照により本明細書に組み込まれる表3~表5に見られる変種134~457のうちのいずれか1つに従い、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体(例えば、少なくともYサブユニットの多量体)で存在するrVWF分子を最低限の割合(%)で有する(例えば、少なくともX%を有する)。
上記に従って、対象に投与されるrVWF組成物(FVIIIの有無にかかわらず)は、一般に、高分子量(HMW)rVWF多量体をかなりの割合(%)で含む。さらなる実施形態では、HMW rVWF多量体組成物は、少なくとも10%~80%のrVWF十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態では、組成物は、約10~95%、20~90%、30~85%、40~80%、50~75%、60~70%の十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態では、HMW rVWF多量体組成物は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%の十量体またはより高次の多量体を含む。
rVWF多量体の数及び割合(%)の評定は、電気泳動を使用する方法、及びVWF多量体をサイズにより分離するサイズ排除クロマトグラフィー法が含まれるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の方法を使用して実施することができ、これは、例えばCummingらによって考察されているとおりである(全体が参照により、すべての目的について、特にVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、J Clin Pathol.1993 May;46(5):470-473)。そのような教示は、VWFに対する放射性標識された抗体を用いてゲルを免疫ブロットした後に化学発光を検出する免疫ブロット技法(ウエスタンブロットなど)をさらに含んでもよい(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Wen et al.,(1993),J.Clin.Lab.Anal.,7:317-323を参照されたい)。VWFのさらなるアッセイには、VWF:抗原(VWF:Ag)、VWF:リストセチン補因子(VWF:RCof)、及びVWF:コラーゲン結合活性アッセイ(VWF:CBA)が含まれ、これらはフォンヴィレブランド病の診断及び分類に使用されることが多い。(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWFのアッセイに関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Favaloro et al.,Pathology,1997,29(4):341-456を参照されたい)。
さらなる実施形態では、本発明のより高次のrVWF多量体は、投与から約1~約90時間の間、安定である。なおさらなる実施形態では、より高次のrVWF多量体は、投与から約5~80、10~70、15~60、20~50、25~40、30~35時間の間、安定である。またさらなる実施形態では、より高次のrVWF多量体は、投与から少なくとも3、6、12、18、24、36、48、72時間の間、安定である。ある特定の実施形態では、rVWF多量体の安定性は、インビトロで評定される。
一実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法で使用されるより高次のrVWF多量体は、半減期が投与から少なくとも12時間である。別の実施形態では、より高次のrVWF多量体は、半減期が投与から少なくとも24時間である。さらに他の実施形態では、より高次のrVWF多量体は、半減期が、すべての目的について全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2012/171031号の表6に見られる変種642~1045から選択される。
特定の態様において、本発明に従い使用されるrVWF(組換えまたは血漿由来)は、いずれのコンジュゲーション、翻訳後または共有結合修飾によっても修飾されない。特定の実施形態では、本発明のrVWFは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分などを非限定的に含む水溶性重合体によって修飾されない。
他の態様において、本発明に従い使用されるrVWF(組換えまたは血漿由来)は、NまたはC末端残基の修飾と、例えば、遊離スルフヒドリル基、一級アミン、及びヒドロキシル基での選択された側鎖の修飾とを含む、コンジュゲーション、翻訳後修飾、または共有結合修飾をとおして修飾される。一実施形態では、水溶性重合体は、リジン基または他の一級アミンによりタンパク質に(直接、またはリンカーを介して)連結する。一実施形態では、本発明のrVWFタンパク質は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分などを非限定的に含む水溶性重合体のコンジュゲーションによって修飾されてもよい。
rVWF及び/またはFVIIIの修飾に使用され得る水溶性重合体は、直線状または分岐構造が含まれる。コンジュゲートされた重合体は、本発明の凝固タンパク質に直接結合してもよく、あるいは代替的に連結部分をとおして結合してもよい。水溶性重合体とのタンパク質コンジュゲーションの非限定的な例は、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号、及び同第4,179,337号、ならびにAbuchowski and Davis”Enzymes as Drugs,”Holcenberg and Roberts,Eds.,pp.367 383,John Wiley and Sons,New York(1981)、及びHermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008に見ることができる。
タンパク質コンジュゲーションは、当該技術分野において周知のいくつかの技法により行われてもよく、例えば、Hermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008を参照されたい。例には、凝固タンパク質または水溶性重合体部分のいずれかの一方にあるカルボキシル基ともう一方のアミン基との間のペプチド結合、または一方のカルボキシル基ともう一方のヒドロキシル基との間のエステル連結をとおした連結が含まれる。本発明の凝固タンパク質が水溶性重合体化合物にコンジュゲートされ得る別の連結は、過ヨウ素酸酸化による重合体の非還元末端に形成されたアルデヒド基と反応する重合体部分上の遊離アミノ基間の、シッフ塩基を介したものである(Jennings and Lugowski,J.Immunol.1981;127:1011-8、Femandes and Gregonradis,Biochim Biophys Acta.1997;1341;26-34)。生成されたシッフ塩基を、NaCNBH3を用いた特異的還元により安定させて、二級アミンを形成することができる。代替的な手法は、先立つ酸化後にNH4Cllを用いて還元的アミノ化を行うことによる重合体上の末端遊離アミノ基の生成である。2つのアミノ基または2つのヒドロキシル基を連結させるために、二機能性試薬を使用することができる。例えば、アミノ基を含有する重合体をBS3(ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩/Pierce,Rockford,Ill.)のような試薬を用いて、凝固タンパク質のアミノ基にカップリングすることができる。加えて、Sulfo-EMCS(N-ε-マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル/Pierce)のようなヘテロ二機能性架橋試薬を使用して、例えば、アミン基及びチオール基を連結させることができる。他の実施形態では、アルデヒド反応基、例えば、PEGアルコキシドとブロモアセトアルデヒドのジエチルアセタール、PEGとDMSO及び無水酢酸、ならびにPE.G塩化物と4-ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化ジチオ炭酸PE.G、2,4,5-トリクロロフェニルクロロギ酸、及びP-ニトロフェニルクロロギ酸活性化PEGを、凝固タンパク質のコンジュゲーションに使用してもよい。
いくつかの態様において、本発明の方法で使用されるrVWFは、フューリンを用いてインビトロで成熟させたものである。さらなる実施形態では、フューリンは組換えフューリンである。
さらなる態様において、本発明の方法で使用されるrVWFは、当該技術分野で既知の方法を使用して、哺乳動物細胞培養物中の発現により産生される。特定の実施形態では、哺乳動物培養物はCHO細胞を含む。例示的な実施形態では、本発明のrVWFは、CHO細胞発現系から単離されたrVWFタンパク質を含む。さらなる実施形態では、プロペプチド除去は、プロVWFのフューリンへの曝露をとおしてインビトロで媒介され、なおさらなる実施形態では、プロペプチド除去に使用されるフューリンは組換えフューリンである。またさらなる実施形態では、完全グリコシル化/ABO血液型グリカンは存在しない。
またさらなる実施形態では、好適な真核生物宿主系中の発現による本発明の方法及び組成物で使用されるrVWF。真核生物細胞の例には、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、及びHepG2などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、例えば、SF9細胞、SF21細胞、S2細胞、及びHigh Five細胞、ならびに酵母細胞、例えば、サッカロマイセス(Saccharomyces)またはシゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)細胞が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、VWFは、酵母細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、哺乳動物細胞などにおいて発現させることができる。例えば、ヒト細胞株、ハムスター細胞株、またはマウス細胞株中である。ひとつの特定の実施形態では、細胞株は、CHO、BHK、またはHEK細胞株である。典型的には、哺乳動物細胞、例えば、連続細胞株由来のCHO細胞を使用して、本発明のVWFを発現させることができる。
ある特定の実施形態では、VWFをコードする配列を含む核酸配列は、ベクターであり得る。ベクターは、ウイルスによって送達され得るか、またはプラスミドであり得る。タンパク質をコードする核酸配列は、特定の遺伝子またはその生物学的に機能的な部分であり得る。一実施形態では、タンパク質は、少なくとも、VWFの生物学的に活性な部分である。多種多様なベクターをVWFの発現に使用することができ、これらは真核生物発現ベクターから選択され得る。真核生物発現のためのベクターの例としては、(i)酵母中の発現には、AOX1、GAP、GAL1、AUG1などといったプロモーターを使用する、pAO、pPIC、pYES、pMETなどのベクター、(ii)昆虫細胞中の発現には、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polhなどといったプロモーターを使用する、pMT、pAc5、pIB、pMIB、pBACなどといったベクター、ならびに(iii)哺乳動物細胞中の発現には、CMV、SV40、EF-1、UbC、RSV、ADV、BPV、及びβ-アクチンなどのプロモーターを使用する、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、pBPVなどといったベクター、及びワクシニアウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルスなどといったウイルス系に由来するベクターが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、核酸配列は、タンパク質の制御された発現に好適な他の配列、例えば、プロモーター配列、エンハンサー、TATAボックス、転写開始部位、ポリリンカー、制限部位、ポリA配列、タンパク質プロセシング配列、選択マーカー、及び当業者には一般に既知である同様のものをさらに含む。
ある特定の実施形態では、本発明の細胞培養方法には、微小担体の使用が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、実施形態の細胞培養は、高い細胞密度及びタンパク質発現を達成するための大量特化細胞表面積に好適な条件下、大型バイオリアクター中で行うことができる。そのような成長条件をもたらすためのひとつの手段は、撹拌槽型バイオリアクター中の細胞培養に微小担体を使用することである。微小担体上の細胞成長の概念は、van Wezelによって最初に説明され(van Wezel,A.L.,Nature 216:64-5(1967))、細胞が、成長培地中に懸濁した小型の固体粒子の表面に付着することを可能にするものである。これらの方法により、高い表面積対体積率が得られ、その結果、効率的な養分利用が可能となる。さらに、真核生物細胞株中の分泌タンパク質の発現に対しては、表面積対体積率の増加により、分泌レベルがより高くなり、その結果、培養物の上清中のタンパク質収率がより高くなる。最後に、これらの方法により、真核生物発現培養の大規模化が容易になる。
VWFを発現する細胞は、細胞培養物の成長中に、球形または多孔質微小担体に結合し得る。微小担体は、デキストラン、コラーゲン、プラスチック、ゼラチン、及びセルロースに基づく微小担体、ならびにButler(1988.In:Spier&Griffiths,Animal Cell Biotechnology 3:283-303)。細胞を球形微小担体上のバイオマスに成長させ、細胞が最終発酵槽バイオマスに達したとき、かつ多孔質微小担体上で発現するタンパク質の産生の前に、細胞を継代培養すること(逆もまた同様)も可能である。好適な球形微小担体には、滑面微小担体、例えば、Cytodex(商標)1、Cytodex(商標)2、及びCytode(商標)3(GE Healthcare)、ならびにマクロ多孔質微小担体、例えば、Cytopore(商標)1、Cytopore(商標)2、Cytoline(商標)1、及びCytoline(商標)2(GE Healthcare)が含まれ得る。
ある特定の実施形態では、rVWFは、高分子量rVWFを産生する細胞培地で培養された細胞中で発現される。「細胞培養溶液」、「細胞培地(単数または複数)」、及び「細胞培養上清」という用語は、当該技術分野で一般に周知である細胞培養プロセスの態様を指す。本発明との関連において、細胞培養溶液には、細胞培地及び細胞培養上清が含まれ得る。細胞培地は、任意選択でサプリメントと一緒に細胞培養溶液に外部から添加され、VWFを発現する細胞の培養のための養分及び他の成分を提供する。細胞培養上清は、細胞培地からの養分及び他の成分、ならびに培養中に細胞から放出、代謝、及び/または分泌された産物を含む、細胞培養溶液を指す。さらなる実施形態では、培地は、動物性タンパク質を含まず、化学的に定義されたものであり得る。動物性タンパク質を含まず、化学的に定義された培地を調製する方法は、当該技術分野、例えば、ともに、すべての目的について、特に細胞培地に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、米国第2008/0009040号及び米国第2007/0212770号において既知である。「タンパク質を含まない」及び関連用語は、成長中にタンパク質を自然に落とす、培養中の細胞に対して外来であるかまたは培養中の細胞以外の源に由来するタンパク質を指す。別の実施形態では、培地はポリペプチドを含まない。別の実施形態では、培地は血清を含まない。別の実施形態では、培地は動物性タンパク質を含まない。別の実施形態では、培地は動物性成分を含まない。別の実施形態では、培地は、タンパク質、例えば、ウシ胎仔血清などの血清由来の動物性タンパク質を含有する。別の実施形態では、培地には、組換えタンパク質が外から添加される。別の実施形態では、タンパク質は、認定されている病原体を含まない動物に由来する。「化学的に定義された」という用語は、本明細書で使用される場合、培地が、例えば、動物性成分、臓器、腺、植物、または酵母の抽出物などの定義されていない、いかなるサプリメントも含まないことを意味するものとする。したがって、化学的に定義された培地の各成分は、正確に定義される。好ましい実施形態では、培地は、動物性成分を含まず、かつタンパク質を含まない。
さらなる実施形態では、哺乳動物細胞培養からの精製の後で、rFVIIIは、投与前に再構成される。なおさらなる実施形態では、rVWFは、再構成の前または後にフューリンで処理される。さらなる実施形態では、フューリンは組換えフューリンである。なおさらなる実施形態では、本発明のrVWFは、ADAMTS13に曝露されず、その結果、超大型(即ち、10以上のサブユニットを含む)が本発明のrVWF組成物に存在するようになる。
特定の態様において、本発明の方法で使用されるrVWFは、緩衝液、糖、及び/または糖アルコール(トレハロース及びマンニトールを非限定的に含む)、安定化剤(グリシンなど)、及び界面活性剤(ポリソルベート80など)を含有する製剤に含まれる。さらなる実施形態では、rFVIIIを含有する製剤について、製剤は、ナトリウム、ヒスチジン、カルシウム、及びグルタチオンをさらに含んでもよい。
一態様において、rVWFを含む製剤は、投与前に凍結乾燥される。凍結乾燥は、当該技術分野で一般的な技法を使用して行われ、開発される組成物に対して最適化されるべきである(Tang et al.,Pharm Res.21:191-200.(2004)、及びChang et al.,Pharm Res.13:243-9(1996)]。
薬学的製剤を調製する方法には、次のステップのうちの1つ以上が含まれ得る:凍結乾燥の前に本明細書に記載の安定化剤を該混合物に添加するステップ、凍結乾燥の前に、各々本明細書に記載されている、増量剤、浸透圧調節剤、及び界面活性剤から選択される少なくとも1つの薬剤を該混合物に添加するステップ。凍結乾燥した製剤は、一態様では、少なくとも、緩衝液、増量剤、及び安定化剤のうちの1つ以上で構成される。この態様において、界面活性剤の利用は、凍結乾燥ステップ中または再構成中の凝集が問題となる場合に、評価及び選択される。適切な緩衝剤を含めて、凍結乾燥中、製剤をpHの安定領域に維持する。
凍結乾燥した物質の標準的な再構成の実施は、ある量の純水または注射用滅菌水(WFI)(典型的には、凍結乾燥中に除去した体積に等しい)を戻し入れることであるが、非経口投与用医薬品の製造には抗生物質の希釈溶液が使用される場合がある[Chen,Drug Development and Industrial Pharmacy,18:1311-1354(1992)]。したがって、本発明の凍結乾燥した組換えVWF組成物に希釈液を添加するステップを含む、再構成された組換えVWF組成物を調製するための方法が提供される。
凍結乾燥した物質は、水溶液として再構成されてもよい。様々な水性担体、例えば、注射用滅菌水、複数回投与用途のための保存剤を含む水、または適量の界面活性剤を含む水(例えば、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性化合物を含有する水性懸濁液)。様々な態様において、そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、非限定的に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、及びアカシアガムであり、分散または湿潤剤は、自然発生のホスファチド、例えば、非限定的に、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えば、非限定的に、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えば、非限定的に、ヘプタデカエチレン-オキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどの、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えば、非限定的に、ポリエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルである。様々な態様において、水性懸濁液は、1つ以上の保存剤、例えば、非限定的に、エチル、またはn-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸も含有する。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、シリンジまたは他の貯蔵容器の使用を伴う投与のための液体製剤である。さらなる実施形態では、これらの液体製剤は、水溶液として再構成される本明細書に記載の凍結乾燥した物質から製造される。
さらなる態様において、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体をさらに含む。「薬学的に」または「薬理学的に」許容されるという表現は、以下に記載のように、安定であり、凝集及び切断産物などタンパク質分解を阻害し、加えて、当該技術分野で周知の経路を使用して投与されるときにアレルギー反応または他の有害反応を生むことがない分子実体及び組成物を指す。「薬学的に許容される担体」には、上で開示された薬剤を含めて、ありとあらゆる臨床的に有用な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌薬剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。
II.組換えVWFの産生
本発明の遊離成熟組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)は、組換えによって産生させることができる。当業者には、組換えタンパク質を宿主細胞中で発現させるための有用な方法が認識される。いくつかの例では、本方法には、rVWFをコードする核酸配列をCHO細胞などの宿主細胞中で発現させること、及び得られた宿主細胞をある特定の条件下で培養して、rVWF、プレプロVWF、プロVWFなどを産生させることが含まれる。
ある特定の実施形態では、VWFをコードする配列を含む核酸配列は、発現ベクターであり得る。ベクターは、ウイルスによって送達され得るか、またはプラスミドであり得る。タンパク質をコードする核酸配列は、特定の遺伝子またはその生物学的に機能的な部分であり得る。一実施形態では、タンパク質は、少なくとも、VWFの生物学的に活性な部分である。核酸配列は、タンパク質の制御された発現に好適な他の配列、例えば、プロモーター配列、エンハンサー、TATAボックス、転写開始部位、ポリリンカー、制限部位、ポリA配列、タンパク質プロセシング配列、選択マーカー、及び当業者には一般に既知である同様のものをさらに含み得る。
多種多様なベクターをVWFの発現に使用することができ、これらは真核生物発現ベクターから選択され得る。真核生物発現のためのベクターの例としては、(i)酵母中の発現には、AOX1、GAP、GAL1、AUG1などといったプロモーターを使用する、pAO、pPIC、pYES、pMETなどのベクター、(ii)昆虫細胞中の発現には、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polhなどといったプロモーターを使用する、pMT、pAc5、pIB、pMIB、pBACなどといったベクター、ならびに(iii)哺乳動物細胞中の発現には、CMV、SV40、EF-1、UbC、RSV、ADV、BPV、及びβ-アクチンなどのプロモーターを使用する、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、pBPVなどといったベクター、及びワクシニアウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルスなどといったウイルス系に由来するベクターが挙げられる。
さらなる態様において、本発明の方法で使用されるrVWFは、当該技術分野で既知の方法を使用して、哺乳動物細胞培養物中の発現により産生される。特定の実施形態では、哺乳動物培養物はCHO細胞を含む。さらなる実施形態では、rVWFは、同じ培養中で組換え第VIII因子(rFVIII)と同時発現される。そのような実施形態では、rVWF及びrFVIIIは、当該技術分野で既知の方法を使用して、一緒に精製(同時精製)されるかまたは別々に精製される。他の実施形態では、rVWFは、rFVIIIを含有しない培養中で発現される。
いくつかの実施形態では、rVWFは、好適な真核生物宿主系から発現及び単離される。真核生物細胞の例には、CHO、COS、HEK 293、BHK、SK-Hep、及びHepG2などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、例えば、SF9細胞、SF21細胞、S2細胞、及びHigh Five細胞、ならびに酵母細胞、例えば、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセス細胞が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、VWFは、酵母細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、哺乳動物細胞などにおいて発現させることができる。例えば、ヒト細胞株、ハムスター細胞株、またはマウス細胞株中である。ひとつの特定の実施形態では、細胞株は、CHO、BHK、またはHEK細胞株である。典型的には、哺乳動物細胞、例えば、連続細胞株由来のCHO細胞を使用して、本発明のVWFを発現させることができる。ある特定の場合、VWFタンパク質は、CHO細胞発現系から発現及び単離される。
VWFは、細胞培養系中で、または当該技術分野で認識されている任意の細胞培養法に従って産生させることができる。いくつかの実施形態では、細胞培養は、高い細胞密度及びタンパク質発現を達成するための大量特化細胞表面積に好適な条件下、大型バイオリアクター中で行うことができる。そのような成長条件をもたらすためのひとつの手段は、撹拌槽型バイオリアクター中の細胞培養に微小担体を使用することである。微小担体上の細胞成長の概念は、van Wezelによって最初に説明され(van Wezel,A.L.,Nature,1967,216:64-5)、細胞が、成長培地中に懸濁した小型の固体粒子の表面に付着することを可能にするものである。これらの方法により、高い表面積対体積率が得られ、その結果、効率的な養分利用が可能となる。さらに、真核生物細胞株中の分泌タンパク質の発現に対しては、表面積対体積率の増加により、分泌レベルがより高くなり、その結果、培養物の上清中のタンパク質収率がより高くなる。最後に、これらの方法により、真核生物発現培養の大規模化が容易になる。
VWFを発現する細胞は、細胞培養物の成長中に、球形または多孔質微小担体に結合し得る。微小担体は、デキストラン、コラーゲン、プラスチック、ゼラチン、及びセルロースに基づく微小担体、ならびにButler(1988.In:Spier&Griffiths,Animal Cell Biotechnology 3:283-303)。細胞を球形微小担体上のバイオマスに成長させ、細胞が最終発酵槽バイオマスに達したとき、かつ多孔質微小担体上で発現するタンパク質の産生の前に、細胞を継代培養すること(逆もまた同様)も可能である。好適な球形微小担体には、滑面微小担体、例えば、Cytodex(商標)1、Cytodex(商標)2、及びCytode(商標)3(GE Healthcare)、ならびにマクロ多孔質微小担体、例えば、Cytopore(商標)1、Cytopore(商標)2、Cytoline(商標)1、及びCytoline(商標)2(GE Healthcare)が含まれ得る。
さらなる実施形態では、VWFプロペプチドは、プロVWFのフューリンへの曝露をとおしてインビトロで非成熟VWFから切断される。いくつかの実施形態では、プロペプチド切断に使用されるフューリンは、組換えフューリンである。
ある特定の実施形態では、rVWFは、高分子量rVWFを産生する細胞培地で培養された細胞中で発現される。「細胞培養溶液」、「細胞培地(単数または複数)」、及び「細胞培養上清」という用語は、当該技術分野で一般に周知である細胞培養プロセスの態様を指す。本発明との関連において、細胞培養溶液には、細胞培地及び細胞培養上清が含まれ得る。細胞培地は、任意選択でサプリメントと一緒に細胞培養溶液に外部から添加され、VWFを発現する細胞の培養のための養分及び他の成分を提供する。細胞培養上清は、細胞培地からの養分及び他の成分、ならびに培養中に細胞から放出、代謝、及び/または分泌された産物を含む、細胞培養溶液を指す。さらなる実施形態では、培地は、動物性タンパク質を含まず、化学的に定義されたものであり得る。動物性タンパク質を含まず、化学的に定義された培地を調製する方法は、当該技術分野、例えば、ともに、すべての目的について、特に細胞培地に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、米国第2006/0094104号、米国第2007/0212770号、及び米国第2008/0009040号において既知である。「タンパク質を含まない」及び関連用語は、成長中にタンパク質を自然に落とす、培養中の細胞に対して外来であるかまたは培養中の細胞以外の源に由来するタンパク質を指す。別の実施形態では、培地はポリペプチドを含まない。別の実施形態では、培地は血清を含まない。別の実施形態では、培地は動物性タンパク質を含まない。別の実施形態では、培地は動物性成分を含まない。別の実施形態では、培地は、タンパク質、例えば、ウシ胎仔血清などの血清由来の動物性タンパク質を含有する。別の実施形態では、培地には、組換えタンパク質が外から添加される。別の実施形態では、タンパク質は、認定されている病原体を含まない動物に由来する。「化学的に定義された」という用語は、本明細書で使用される場合、培地が、例えば、動物性成分、臓器、腺、植物、または酵母の抽出物などの定義されていない、いかなるサプリメントも含まないことを意味するものとする。したがって、化学的に定義された培地の各成分は、正確に定義される。好ましい実施形態では、培地は、動物性成分を含まず、かつタンパク質を含まない。
ある特定の実施形態では、VWFを発現する細胞の培養は、少なくとも約7日、もしくは少なくとも約14日、21日、28日、または少なくとも約5週、6週、7週、または少なくとも約2か月、もしくは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18か月、またはそれ以上の間、維持され得る。組換えVWFタンパク質の産生のために細胞培養が維持される細胞密度は、タンパク質発現に使用される培養条件及び培地に依存することになる。当業者であれば、VWFを産生する細胞培養のための最適な細胞密度を容易に決定することができるであろう。一実施形態では、培養は、約0.5×106~4×107細胞/mlの細胞密度で長期間維持される。他の実施形態では、細胞密度は、約1.0×106~約1.0×107細胞/mlの濃度で長期間維持される。他の実施形態では、細胞密度は、約1.0×106~約4.0×106細胞/mlの濃度で長期間維持される。他の実施形態では、細胞密度は、約1.0×106~約4.0×106細胞/mlの濃度で長期間維持される。さらに他の実施形態では、細胞密度は、約2.0×106~約4.0×106、または約1.0×106~約2.5×106、または約1.5×106~約3.5×106、または任意の他の類似した範囲の濃度で長期間維持されてもよい。細胞培養中で適切な時間が経過した後、rVWFは、当該技術分野で既知の方法を使用して発現系から単離され得る。
特定の実施形態では、rVWFを産生させるための連続細胞培養の細胞密度は、2.5×106細胞/mlを超えない濃度で長期間維持される。他の特定の実施形態では、細胞密度は、2.0×106細胞/ml、1.5×106細胞/ml、1.0×106細胞/ml、0.5×106細胞/ml、またはそれ以下を超えない濃度で維持される。一実施形態では、細胞密度は、1.5×106細胞/ml~2.5×106細胞/mlで維持される。
上記の細胞培養のひとつの実施形態では、細胞培養溶液は、銅を含む培地サプリメントを含む。そのような細胞培養溶液は、例えば、全体が参照により、すべての目的について、特に組換えVWFの産生のための細胞培養方法及び組成物に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、米国特許第8,852,888号、及び米国特許第9,409,971号に記載されている。
プレプロVWFのポリヌクレオチド及びアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1及び配列番号2に示され、それぞれGenBank受託番号NM_000552(ホモサピエンスフォンヴィレブランド因子(VWF)mRNA)及びNP_000543で入手可能である。成熟VWFタンパク質に対応するアミノ酸配列は、配列番号3(全長プレプロVWFアミノ酸配列のアミノ酸配列764~2813に対応する)に示される。いくつかの実施形態では、VWFは、配列番号3の配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも100%の同一性を呈する。いくつかの実施形態では、本発明のrVWFは、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の同一性を呈する。例えば、米国特許第8,597,910号、米国特許公開第2016/0129090号、及び図6を参照されたい。
有用なrVWFの一形態は、少なくとも1つの第VIII因子(FVIII)分子のインビボ安定化、例えば結合の特性を少なくとも有し、任意選択で薬理学的に許容されるグリコシル化パターンを有する。その特定の例には、A2ドメインを含まないためにタンパク質分解に耐性であるVWF(Lankhof et al.,Thromb.Haemost.77:1008-1013,1997)と、糖タンパク質lb結合ドメインならびにコラーゲン及びヘパリンのための結合部位を含む、Val449~Asn730由来のVWF断片(Pietu et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.164:1339-1347,1989)。VWFが少なくとも1つのFVIII分子を安定化する能力の決定は、一態様において、当該技術分野で既知の方法に従い、VWF欠損哺乳動物中で行われる。
本発明のrVWFは、当該技術分野で既知の任意の方法により産生させることができる。ひとつの特定の例は、組換えVWFの産生方法に関して参照により本明細書に組み込まれる、1986年10月23日に公開された国際公開第WO86/06096号、1990年7月23日に出願された米国特許出願第07/559,509号で開示されている。よって、(i)遺伝子操作による、例えば、RNAの逆転写及び/またはDNAの増幅を介した、組換えDNAの産生、(ii)トランスフェクションによる、例えば、電気穿孔またはマイクロインジェクションを介した、組換えDNAの原核生物または真核生物細胞への導入、(iii)例えば連続式またはバッチ式による、形質転換細胞の培養、(iv)例えば構成的なまたは誘導時のVWFの発現、ならびに(v)例えば培地からのまたは形質転換細胞の採取によるVWFの単離、その結果としての(vi)例えばアニオン交換クロマトグラフィーまたは親和性クロマトグラフィーを介した、生成されたrVWFの取得のための方法が、当該技術分野で知られている。組換えVWは、一態様において、当該技術分野で周知の組換えDNA技法を使用して、形質転換宿主細胞中で作製される。例えば、ポリペプチドをコードする配列は、好適な制限酵素を使用してDNAから切除され得る。代替的に、DNA分子は、別の態様において、ホスホロアミデート法などの化学合成技法を使用して合成される。また、なお別の態様では、これらの技法の組み合わせが使用される。
本発明はまた、適切な宿主において本発明のポリペプチドをコードするベクターを提供する。ベクターは、適切な発現制御配列に作動可能に連結したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチドがベクターに挿入される前または挿入された後のいずれかにこの作動可能な連結をもたらす方法は、よく知られている。発現制御配列には、プロモーター、アクチベーター、エンハンサー、オペレーター、リボソーム結合部位、開始シグナル、停止シグナル、キャップシグナル、ポリアデニル化シグナル、及び転写または翻訳の制御に関与する他のシグナルが含まれる。中にポリヌクレオチドを有する得られたベクターを使用して、適切な宿主の形質転換を行う。この形質転換は、当該技術分野で周知の方法を使用して実行されてもよい。
本発明の実施には、多数の利用可能な周知の宿主細胞のうちのいずれかが使用される。特定の宿主の選択は、いくつかの当該技術分野で認識されている要因により決定され、これらの要因には、例えば、選択された発現ベクターとの適合性、DNA分子によりコードされるペプチドの毒性、形質転換率、ペプチド回収の容易性、発現特性、生体安全性、及び費用が含まれる。必ずしもすべての宿主細胞が特定のDNA配列の発現に等しく有効であるわけではないという理解のもとに、これらの要因のバランスを取ることが必要である。これらの一般的なガイドライン内で、有用な微生物宿主細胞には、細菌、酵母及び他の菌類、昆虫、植物、哺乳動物(ヒトを含む)培養細胞、または当該技術分野で既知の他の宿主が挙げられるが、これらに限定されない。
形質転換宿主細胞は、所望の化合物が発現するように従来の発酵条件下で培養される。そのような発酵条件は当該技術分野で周知である。最後に、ポリペプチドは、当該技術分野で周知の方法により培地または宿主細胞自体から精製される。
本発明の化合物の発現に利用される宿主細胞に応じて、炭水化物(オリゴ糖)基が、タンパク質中のグリコシル化部位であることが分かっている部位に任意選択で結合する。一般に、配列Asn-X-Ser/Thr(式中、Xはプロリンを除く任意のアミノ酸であり得る)の一部である場合、O連結オリゴ糖はセリン(Ser)またはトレオニン(Thr)残基に結合する一方、N連結オリゴ糖はアスパラギン(Asn)残基に結合する。Xは、好ましくは、プロリンを数えずに19個の天然に存在するアミノ酸のうちの1つである。各種類に見られるN連結及びO連結オリゴ糖及び糖残基の構造は異なる。N連結オリゴ糖及びO連結オリゴ糖両方に共通して見られる糖のひとつの種類は、N-アセチルアセチルノイラミン酸(シアル酸として言及される)である。シアル酸は、通常、N連結オリゴ糖及びO連結オリゴ糖両方の末端残基であり、その負電荷を理由に、一態様において、酸性をグリコシル化化合物に付与する。そのような部位(複数可)は、本発明の化合物のリンカーに組み込まれてもよく、好ましくは、(例えば、CHO、BHK、COSなどの哺乳動物細胞中の)ポリペプチド化合物の組換え産生中に細胞によりグリコシル化される。他の態様において、そのような部位は、当該技術分野で既知の合成または半合成手順によりグリコシル化される。
いくつかの実施形態では、シアル化(シアリル化としても言及される)は、本明細書に記載の精製手順(アニオン交換、カチオン交換、サイズ排除、及び/または免疫親和性法を含む)の一環として、カラム上で行われ得る。いくつかの実施形態では、シアリル化により、rVWDの安定性が、シアリル化を受けていないrVWFと比較して増加する。いくつかの実施形態では、シアリル化により、血液循環中のrVWDの安定性が、シアリル化を受けていないrVWFと比較して(例えば、対象への投与後に)増加する。いくつかの実施形態では、唾液分泌されたrVWFの増加した安定性は、シアリル化を受けていないrVWFと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上の増加を生じる。いくつかの実施形態では、シアリル化により、rVWFの半減期が、シアリル化を受けていないrVWFと比較して増加する。いくつかの実施形態では、シアリル化により、血液循環中のrVWDの半減期が、シアリル化を受けていないrVWFと比較して(例えば、対象への投与後に)増加する。いくつかの実施形態では、シアリル化されたrVWFの増加した半減期は、シアリル化を受けていないrVWFと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上の増加を生じる。いくつかの実施形態では、シアリル化されたrVWFの増加した半減期により、シアリル化を受けていないrVWFと比較して(例えば、対象への投与後に)1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、12時間、24時間、またはそれ以上、血液循環中で安定であるrVWFが得られる。いくつかの実施形態では、シアリル化により、2,3シアリル化及び/または2,6シアリル化の数が増加する。いくつかの実施形態では、シアリル化は、追加の緩衝ステップとして2,3シアリルトランスフェラーゼ及び/または2,6シアリルトランスフェラーゼとCMP-NANA(シチジン-5′-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸ナトリウム塩)を添加することにより増大する。いくつかの実施形態では、シアリル化は、追加の緩衝ステップとして2,3シアリルトランスフェラーゼとCMP-NANA(シチジン-5′-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸ナトリウム塩)を添加することにより増大する。いくつかの実施形態では、2,3シアリル化は、追加の緩衝ステップとして2,3シアリルトランスフェラーゼとCMP-NANA(シチジン-5′-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸ナトリウム塩)を添加することにより増大する。
いくつかの実施形態では、2,6シアリル化は、追加の緩衝ステップとして2,6シアリルトランスフェラーゼとCMP-NANA(シチジン-5′-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸ナトリウム塩)を添加することにより増大する。いくつかの実施形態では、2,3シアリル化及び/または2,6シアリル化は、追加の緩衝ステップとして2,3シアリルトランスフェラーゼ及び/または2,6シアリルトランスフェラーゼとCMP-NANA(シチジン-5′-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸ナトリウム塩)を添加することにより増大する。いくつかの実施形態では、CMP-NANAは、修飾されたシアル酸を無電位位置に移動させるように、化学修飾または酵素修飾される。いくつかの実施形態では、シアリル化は、rVWFを樹脂上にロードすること、本明細書に記載の1つ以上の緩衝液で洗浄して、不要な不純物を枯渇させること、追加のシアリル化を可能にする濃度でシアリルトランスフェラーゼ及びCMP-NANAを含有する1つ以上の緩衝液を適用すること、ならびに1つ以上の緩衝液で洗浄して、過剰なシアリル化試薬を枯渇させること、ならびに増強したrVWF(例えば、シアリル化が増加したrVWF)を1つ以上の緩衝液で溶出することによって実行される。いくつかの実施形態では、シアリル化プロセスは、本明細書に記載のように、カチオン交換法、アニオン交換法、サイズ排除法、または免疫親和性精製法の一環として実行される。
代替的に、化合物は、例えば固相合成技法を使用する合成方法により作製される。好適な技法は当該技術分野で周知であり、これには、Merrifield(1973),Chem.Polypeptides,pp.335-61(Katsoyannis and Panayotis eds.)、Merrifield(1963),J.Am.Chem.Soc.85:2149、Davis et al.(1985),Biochem.Intl.10:394-414、Stewart and Young(1969)、Solid Phase Peptide Synthesis、米国特許第3,941,763号、Finn et al.(1976),The Proteins(3rd ed.)2:105-253、及びErickson et al.(1976),The Proteins(3rd ed.)2:257-527’に記載されているものが含まれる。固相合成は、費用効率の良い小ペプチド作製方法であるので、個々のペプチドを作製する好ましい技法である。
VWFの断片、変異型、及び類似体は、当該技術分野で周知の方法に従って産生させることができる。ポリペプチドの断片は、非限定的に、酵素切断(例えば、トリプシン、キモトリプシン)を使用して、また組換え手段を使用して、特定のアミノ酸配列を有するポリペプチド断片を生成することで調製することができる。多量体化ドメインまたは当該技術分野で既知の任意の他の同定可能なVWFドメインなど、特定の活性を有するタンパク質の領域を含むポリペプチド断片を作製してもよい。
ポリペプチド類似体の作製方法もよく知られている。ポリペプチドのアミノ酸配列類似体は、置換型、挿入型、付加型、または欠失型類似体であり得る。ポリペプチドの断片を含む欠失型類似体には、機能または免疫原性活性に不可欠でない天然タンパク質の1つ以上の残基が欠如している。挿入型類似体には、例えば、ポリペプチド中の非末端点でのアミノ酸(複数可)の付加が伴う。この類似体は、例えば、非限定的に、免疫反応性エピトープまたは単純に単個の残基の挿入を含んでもよい。ポリペプチドの断片を含む付加型類似体は、タンパク質の末端の片方または両方での1つ以上のアミノ酸の付加を含み、例えば、融合タンパク質を含む。前述の類似体の組み合わせも企図される。
置換型類似体は、典型的には、タンパク質内の1つ以上の部位において野生型の1つのアミノ酸を別のアミノ酸に交換し、ポリペプチドの1つ以上の特性を、他の機能または特性を完全に損失することなく修飾するよう設計されてもよい。一態様において、置換は保存的置換である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸配列を、側鎖または類似した化学特性を有するアミノ酸で置換することである。保存的置換を作製するための類似したアミノ酸には、酸性側鎖(グルタミン酸、アスパラギン酸)、塩基性側鎖(アルギニン、リジン、ヒスチジン)、極性アミン側鎖(グルタミン、アスパラギン)、疎水性脂肪族側鎖(ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン)、芳香族側鎖(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)、小側鎖(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、メチオニン)、または脂肪族ヒドロキシル側鎖(セリン、トレオニン)を有するものが含まれる。
一態様において、類似体は、それらが由来する組換えVWFと実質的に相同または実質的に同一である。類似体には、野生型ポリペプチドの生物活性のうちの少なくとも一部、例えば血液凝固活性を保持するものが含まれる。
企図されるポリペプチド変異型には、ユビキチン化、ポリシアル化(またはポリシアリル化)を含むグリコシル化、治療剤または診断剤へのコンジュゲーション、標識化、ペグ化(ポリエチレングリコールによる誘導体化)などの共有重合体結合、非加水分解性結合の導入、及びヒトタンパク質中で通常発生しないオルニチンなどのアミノ酸の化学合成による挿入または置換などの技法により化学修飾されたポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。変異型は、本発明の非修飾分子と同じまたは本質的に同じ結合特性を保持する。そのような化学修飾には、薬剤のVWFポリペプチドへの直接的または間接的な(例えば、リンカーを介した)結合が含まれてもよい。間接的結合の場合、リンカーが加水分解性であることも加水分解性でないことも企図される。
ペグ化ポリペプチド類似体の調製は、一態様では、(a)ポリペプチドを、結合構築物ポリペプチドが1つ以上のPEG基に結合した状態となる条件下で、ポリエチレングリコール(PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体など)と反応させるステップと、(b)反応産物(複数可)を得るステップとを含む。一般に、アシル化反応のための最適な反応条件は、既知のパラメータ及び所望の結果に基づいて決定される。例えば、PEG:タンパク質の比が大きいほど、ポリペグ化産物の割合(%)は高くなる。いくつかの実施形態では、結合構築物は、N末端に単個のPEG部分を有する。ポリエチレングリコール(PEG)を血液凝固因子に結合させて、例えば、インビボの半減期をより長くしてもよい。PEG基は、任意の簡便な分子量のものであってもよく、直線状または分岐である。PEGの平均分子量は、約2キロダルトン(「kD」)~約100kDa、約5kDa~約50kDa、または約5kDa~約10kDaの範囲である。ある特定の態様では、PEG基は、血液凝固因子上の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、またはエステル基)への、PEG部分上の天然のもしくは操作された反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、またはエステル基)をとおしたアシル化もしくは還元的アルキル化を介して、または当該技術分野で既知の任意の他の技法により、血液凝固因子に結合する。
ポリシアリル化ポリペプチドを調製するための方法は、米国特許公開第20060160948号、Fernandes et Gregoriadis;Biochim.Biophys.Acta 1341:26-34,1997、及びSaenko et al.,Haemophilia 12:42-51,2006に記載されている。簡潔に述べると、0.1MのNaIO4を含有するコロミン酸(CA)の溶液を室温の暗所で撹拌して、CAを酸化させる。活性化したCA溶液を、例えばpH7.2の0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝液に対して、暗所で透析し、この溶液をrVWF溶液に添加して、室温の暗所で18時間、緩徐に振盪しながらインキュベートする。遊離試薬を、任意選択で、例えば限外濾過/透析濾過によりrVWF-ポリシアル酸コンジュゲートから単離する。rVWFのポリシアル酸とのコンジュゲーションは、グルタルアルデヒドを架橋試薬として使用して達成する(Migneault et al.,Biotechniques 37:790-796,2004)。
別の態様では、プレプロVWF及びプロVWFポリペプチドが本発明の製剤中で治療的有用性を提供することも企図される。例えば、米国特許第7,005,502号は、インビトロでトロンビン生成を誘導する、相当量のプロVWFを含む薬学的調製物を記載している。組換えの天然に存在する成熟VWFの生物学的に活性な断片、変異型、または他の類似体に加えて、本発明は、プレプロVWF(配列番号2に示される)またはプロVWFポリペプチド(配列番号2のアミノ酸残基23~764)の組換えの生物学的に活性な断片、変異型、または類似体を、本明細書に記載の製剤において使用することを企図する。
断片、変異型、及び類似体をコードするポリヌクレオチドは、天然に存在する分子と同じまたは類似した生物活性を有する天然に存在する分子の生物学的に活性な断片、変異型、または類似体をコードするように、当業者によって容易に生成され得る。様々な態様において、これらのポリヌクレオチドは、PCR技法、DNAコード分子の消化/ライゲーションなどを使用して調製される。よって、当業者であれば、部位特異的変異生成を含むがこれに限定されない当該技術分野で既知の任意の方法を使用して、DNA鎖中に単一塩基変化を生成し、改変されたコドン及びミスセンス変異を生じさせることができる。本明細書で使用される場合、「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という表現は、例えば、50%のホルムアミド中、42℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1倍のSSC、0.1%のSDS中、60℃での洗浄を意味する。これらの条件は、ハイブリダイゼーションを受ける配列の長さ及びGCヌクレオチド塩基含有量に基づいて変動することが、当業者には理解される。当該技術分野で標準とされる処方が、正確なハイブリダイゼーション条件を決定するのに適切である。Sambrook et al.,9.47-9.51 in Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1989)を参照されたい。
A.VWF多量体
rVWF多量体の数及び割合(%)の評定は、電気泳動を使用する方法、及びVWF多量体をサイズにより分離するサイズ排除クロマトグラフィー法が含まれるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の方法を使用して実施することができ、これは、例えばCummingらによって考察されているとおりである(全体が参照により、すべての目的について、特にVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、J Clin Pathol.,1993 May;46(5):470-473)。そのような教示は、VWFに対する放射性標識された抗体を用いてゲルを免疫ブロットした後に化学発光を検出する免疫ブロット技法(ウエスタンブロットなど)をさらに含んでもよい(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Wen et al.,J.Clin.Lab.Anal.,1993,7:317-323を参照されたい)。VWFのさらなるアッセイには、VWF:抗原(VWF:Ag)、VWF:リストセチン補因子(VWF:RCof)、及びVWF:コラーゲン結合活性アッセイ(VWF:CBA)が含まれ、これらはフォンヴィレブランド病の診断及び分類に使用されることが多い(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWFのアッセイに関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Favaloro et al.,Pathology,1997,29(4):341-456、Sadler,JE,Annu Rev Biochem,1998,67:395-424、及びTurecek et al.,Semin Thromb Hemost,2010,36:510-521を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本方法を使用して得られるrVWFは、rVWFのローディング試料に存在する任意の多量体パターンを含む。いくつかの実施形態では、本方法を使用して得られるrVWFは、生理学的に生じる多量体パターン及び超大型VWF多量体パターンを含む。
b.VWFアッセイ
一次止血において、VWFは、血小板と、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの特定の成分との間の橋として働く。このプロセスにおけるVWFの生物活性は、種々のインビトロアッセイによって測定することができる(Turecek et al.,Semin Thromb Hemost,2010,36:510-521)。
VWF:リストセチン補因子(VWF:RCof)アッセイは、VWFの存在下で抗生物質リストセチンにより誘導される、新鮮なまたはホルマリン固定した血小板の凝集に基づく。血小板凝集の程度は、VWF濃度に依存し、比濁法により、例えば、血小板凝集計の使用により測定することができる(Weiss et al.,J.Clin.Invest.,1973,52:2708-2716、Macfarlane et al.,Thromb.Diath.Haemorrh.,1975,34:306-308)。本明細書で提供されるように、本発明のVWFの特異的リストセチン補因子活性(VWF:RCo)は、概して、インビトロアッセイを使用して測定したVWFのmU/μgを単位として記載される。
いくつかの実施形態では、本発明の方法に従い精製されたrVWFは、比活性が、少なくとも約20、22.5、25、27,5、30、32.5、35、37.5、40、42.5、45、47.5、50、52.5、55、57.5、60、62.5、65、67.5、70、72.5、75、77.5、80、82.5、85、87.5、90、92.5、95、97.5、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150mU/μg、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWFは、比活性が20mU/μg~150mU/μgである。いくつかの実施形態では、rVWFは、比活性が30mU/μg~120mU/μgである。いくつかの実施形態では、rVWFは、比活性が40mU/μg~90mU/μgである。いくつかの実施形態では、rVWFの比活性は、以下の表3に見られる変種1~133から選択される。
(表3)本明細書で提供される組成物中に見られ、本方法で使用されるrVWFの比活性の例示的な実施形態
Figure 0007326246000001
Figure 0007326246000002
Var.=変種
本発明のrVWFは、約10~約40のサブユニットを含んで、極めて多量体である。さらなる実施形態では、本発明の方法を使用して産生された多量体rVWFは、約10~30、12~28、14~26、16~24、18~22、20~21のサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、rVWFは、二量体から、40を超えるサブユニットの多量体(1000万ダルトン超)の多量体まで、様々なサイズの多量体で存在する。最も大きい多量体は、血小板受容体と傷害部の内皮下マトリックス部位との両方と相互作用することができる複数の結合部位を提供し、最も止血活性があるVWFの形態である。いくつかの実施形態では、本発明のrVWFは、超大型多量体(ULM)を含む。一般に、高多量体及び超大型多量体は、止血に関して最も有効であるとされている(例えば、Turecek,P.,Hamostaseologie,(Vol.37):Supplement 1,pages S15-S25(2017)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、rVWFは、500kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、いずれの所望の多量体パターンも、記載の方法を使用して得ることができる。いくつかの実施形態では、アニオン交換及び/またはカチオン交換方法を用いる場合、1つ以上の洗浄ステップ(複数可)中の緩衝液または勾配緩衝液のpH、伝導性、及び/または対イオン濃度を操作して、所望の多量体パターンを得ることができる。いくつかの実施形態では、次にサイズ排除クロマトグラフィー法を用い、収集基準を用いて、所望の多量体パターンを得ることができる。いくつかの実施形態では、記載の多量体パターンは、超大型多量体を含む。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、少なくとも10,000kDa、少なくとも11,000kDa、少なくとも12,000kDa、少なくとも13,000kDa、少なくとも14,000kDa、少なくとも15,000kDa、少なくとも16,000kDa、少なくとも17,000kDa、少なくとも18,000kDa、少なくとも19,000kDa、少なくとも20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約10,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約11,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約12,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約13,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約14,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約15,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約16,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約17,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約18,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、超大型多量体は、約19,000kDa~20,000kDaである。いくつかの実施形態では、本方法を使用して得られるrVWFは、rVWFのローディング試料に存在する任意の多量体パターンを含む。いくつかの実施形態では、本方法を使用して得られるrVWFは、生理学的に生じる多量体パターン及び超大型VWF多量体パターンを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製方法により調製されるrVWF組成物は、オリゴマーの95%が6サブユニット~20サブユニットを有することを特徴とするrVWFオリゴマーの分布を有する。いくつかの実施形態では、rVWF組成物は、オリゴマーの95%が、表4に見られる変種458~641から選択されるサブユニットの範囲を有することを特徴とする、rVWFオリゴマーの分布を有する。
(表4)本明細書で提供される組成物中に見られ、本方法で使用されるrVWFオリゴマーの分布の例示的な実施形態
Figure 0007326246000003
Figure 0007326246000004
Var.=変種
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法により調製されるrVWF組成物は、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体で存在するrVWF分子の割合(%)に従って特徴付けることができる。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWF組成物中のrVWF分子の少なくとも20%が、少なくとも10サブユニットのオリゴマー複合体で存在する。別の実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるrVWF組成物中のrVWF分子の少なくとも20%が、少なくとも12サブユニットのオリゴマー複合体で存在する。さらに他の実施形態では、さらに他の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用されるrVWF組成物は、表5~表7に見られる変種134~457のうちのいずれか1つに従い、特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体(例えば、少なくともYサブユニットの多量体)で存在するrVWF分子を最低限の割合(%)で有する(例えば、少なくともX%を有する)。
(表5)本明細書で提供される組成物中に見られ、本方法で使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体で存在するrVWF分子の割合(%)の例示的な実施形態
Figure 0007326246000005
Var.=変種
(表6)本明細書で提供される組成物中に見られ、本方法で使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体で存在するrVWF分子の割合(%)の例示的な実施形態
Figure 0007326246000006
Var.=変種
(表7)本明細書で提供される組成物中に見られ、本方法で使用される特定のより高次のrVWF多量体またはより大きい多量体で存在するrVWF分子の割合(%)の例示的な実施形態
Figure 0007326246000007
Var.=変種
上記に従って、rVWFは、高分子量(HMW)rVWF多量体をかなりの割合(%)で含む。さらなる実施形態では、HMW rVWF多量体組成物は、少なくとも10%~80%のrVWF十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態では、組成物は、約10~95%、20~90%、30~85%、40~80%、50~75%、60~70%の十量体またはより高次の多量体を含む。さらなる実施形態では、HMW rVWF多量体組成物は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%の十量体またはより高次の多量体を含む。
rVWF多量体の数及び割合(%)の評定は、電気泳動を使用する方法、及びrVWF多量体をサイズにより分離するサイズ排除クロマトグラフィー法が含まれるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の方法を使用して実施することができ、これは、例えばCummingらによって考察されているとおりである(全体が参照により、すべての目的について、特にrVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、J Clin Pathol.1993 May;46(5):470-473)。そのような教示は、VWFに対する放射性標識された抗体を用いてゲルを免疫ブロットした後に化学発光を検出する免疫ブロット技法(ウエスタンブロットなど)をさらに含んでもよい(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWF多量体の評定に関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Wen et al.,(1993),J.Clin.Lab.Anal.,7:317-323を参照されたい)。VWFのさらなるアッセイには、VWF:抗原(VWF:Ag)、VWF:リストセチン補因子(VWF:RCof)、及びVWF:コラーゲン結合活性アッセイ(VWF:CBA)が含まれ、これらはフォンヴィレブランド病の診断及び分類に使用されることが多い。(例えば、全体が参照により、すべての目的について、特にVWFのアッセイに関するすべての教示について本明細書に組み込まれる、Favaloro et al.,Pathology,1997,29(4):341-456を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本発明の方法に従って調製されたrVWFについてのrFVIII凝結促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比は、3:1~1:5である。さらなる実施形態では、この比は、2:1~1:4である。なおさらなる実施形態では、この比は、5:2~1:4である。さらなる実施形態では、この比は、3:2~1:3である。なおさらなる実施形態では、この比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、2:1、2:3、2:4、2:5、3:1、3:2、3:4、または3:5である。さらなる実施形態では、この比は、1:1~1:2である。またさらなる実施形態では、この比は、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、または2:1である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法に有用な組成物中のrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比は、表8に見られる変種1988~2140から選択される。
(表8)本明細書で提供される組成物中の及び本方法で使用されるrFVIII凝固促進活性(IU rFVIII:C)対rVWFリストセチン補因子活性(IU rVWF:RCo)の比についての例示的な実施形態
Figure 0007326246000008
Figure 0007326246000009
Var.=変種
さらなる実施形態では、本発明のより高次のrVWF多量体は、投与から約1~約90時間の間、安定である。なおさらなる実施形態では、より高次のrVWF多量体は、投与から約5~80、10~70、15~60、20~50、25~40、30~35時間の間、安定である。またさらなる実施形態では、より高次のrVWF多量体は、投与から少なくとも3、6、12、18、24、36、48、72時間の間、安定である。ある特定の実施形態では、rVWF多量体の安定性は、インビトロで評定される。
一実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法で使用されるより高次のrVWF多量体は、半減期が投与から少なくとも12時間である。別の実施形態では、より高次のrVWF多量体は、半減期が投与から少なくとも24時間である。さらに他の実施形態では、より高次のrVWF多量体は、半減期が、表9に見られる変種642~1045から選択される。
(表9)本明細書で提供される方法により調製される組成物に見られる、より高次のrVWF多量体の半減期の例示的な実施形態
Figure 0007326246000010
Figure 0007326246000011
Figure 0007326246000012
Var.=変種
いくつかの実施形態では、本発明に従って精製されたプロVWF及び/または精製rVWFは、いずれのコンジュゲーション、翻訳後または共有結合修飾によっても修飾されない。特定の実施形態では、本発明のプロVWF及び/または精製rVWFは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分などを非限定的に含む水溶性重合体を用いて修飾されない。
いくつかの実施形態では、本発明に従って精製されたプロVWF及び/または精製rVWFは、NまたはC末端残基の修飾と、例えば、遊離スルフヒドリル基、一級アミン、及びヒドロキシル基での選択された側鎖の修飾とを含む、コンジュゲーション、翻訳後修飾、または共有結合修飾をとおして修飾される。一実施形態では、水溶性重合体は、リジン基または他の一級アミンによりタンパク質に(直接、またはリンカーを介して)連結する。いくつかの実施形態では、本発明のプロVWF及び/または精製rVWFは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリシアル酸、ヒドロキシルエチルデンプン、ポリ炭水化物部分などを非限定的に含む水溶性重合体のコンジュゲーションにより修飾されてもよい。
プロVWF及び/または精製rVWFの修飾に使用されてもよい水溶性重合体は、直線的構造及び分岐構造を含む。コンジュゲートされた重合体は、本発明の凝固タンパク質に直接結合してもよく、あるいは代替的に連結部分をとおして結合してもよい。水溶性重合体とのタンパク質コンジュゲーションの非限定的な例は、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号、及び同第4,179,337号、ならびにAbuchowski and Davis“Enzymes as Drugs,”Holcenberg and Roberts,Eds.,pp.367 383,John Wiley and Sons,New York(1981)、及びHermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008に見ることができる。
タンパク質コンジュゲーションは、当該技術分野において周知のいくつかの技法により行われてもよく、例えば、Hermanson G.,Bioconjugate Techniques 2nd Ed.,Academic Press,Inc.2008を参照されたい。例には、凝固タンパク質または水溶性重合体部分のいずれかの一方にあるカルボキシル基ともう一方のアミン基との間のペプチド結合、または一方のカルボキシル基ともう一方のヒドロキシル基との間のエステル連結をとおした連結が含まれる。本発明の凝固タンパク質が水溶性重合体化合物にコンジュゲートされ得る別の連結は、過ヨウ素酸酸化による重合体の非還元末端に形成されたアルデヒド基と反応する重合体部分上の遊離アミノ基間の、シッフ塩基を介したものである(Jennings and Lugowski,J.Immunol.1981;127:1011-8、Femandes and Gregonradis,Biochim Biophys Acta.1997;1341;26-34)。生成されたシッフ塩基を、NaCNBH3を用いた特異的還元により安定させて、二級アミンを形成することができる。代替的な手法は、先立つ酸化後にNH4Cllを用いて還元的アミノ化を行うことによる重合体上の末端遊離アミノ基の生成である。2つのアミノ基または2つのヒドロキシル基を連結させるために、二機能性試薬を使用することができる。例えば、アミノ基を含有する重合体をBS3(ビス(スルホスクシンイミジル)スベリン酸塩/Pierce,Rockford,Ill.)のような試薬を用いて、凝固タンパク質のアミノ基にカップリングすることができる。加えて、Sulfo-EMCS(N-ε-マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル/Pierce)のようなヘテロ二機能性架橋試薬を使用して、例えば、アミン基及びチオール基を連結させることができる。他の実施形態では、アルデヒド反応基、例えば、PEGアルコキシドとブロモアセトアルデヒドのジエチルアセタール、PEGとDMSO及び無水酢酸、ならびにPE.G塩化物と4-ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化ジチオ炭酸PE.G、2,4,5-トリクロロフェニルクロロギ酸、及びP-ニトロフェニルクロロギ酸活性化PEGを、凝固タンパク質のコンジュゲーションに使用してもよい。
VWFの生物活性を測定するための別の方法は、ELISA技術に基づくコラーゲン結合アッセイである(Brown and Bosak,Thromb.Res.,1986,43:303-311、Favaloro,Thromb.Haemost.,2000,83 127-135)。マイクロタイタープレートをI型またはIII型コラーゲンでコーティングする。次に、VWFをコラーゲン表面に結合させ、続いて酵素標識したポリクローナル抗体を用いて検出する。最後のステップは基質反応であり、これは、ELISAリーダーを用いて測光法によりモニタリングできる。
フォンヴィレブランド因子(VWF:Ag)の免疫学的アッセイは、血漿中のVWFタンパク質の濃度を測定する免疫アッセイである。これらは、VWF機能に関する兆候は示さない。VWF:Agを測定するためのいくつかの方法が存在し、これらには、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)または自動ラテックス免疫アッセイ(LIA)の両方が含まれる。現在では多くの研究所が全自動ラテックス免疫アッセイを使用する。過去には、研究所は、Laurell電気免疫アッセイ「Laurell Rockets」を含む様々な技法を使用していたが、これらは、今日では大部分の研究所でほとんど使用されない。
III.キット
追加の態様として、本発明には、対象への投与を目的としたそれらの使用を促進する様式でパッケージされた1つ以上の凍結乾燥した組成物を含むキットが含まれる。一実施形態では、そのようなキットには、密封ボトルまたは容器などの入れ物の中にパッケージされた本明細書に記載の薬学的製剤(例えば、治療用タンパク質またはペプチドを含む組成物)が含まれ、本方法の実施における化合物または組成物の使用を説明するラベルが入れ物に貼付されているか、またはパッケージに含まれている。一実施形態では、薬学的製剤は、入れ物の上部空間の量(例えば、液体製剤と容器の上部との間の空気量)が極めて少なくなるように入れ物にパッケージされる。好ましくは、上部空間の量はごくわずかである(例えば、ないに等しい)。一実施形態では、キットには、治療用タンパク質またはペプチド組成物を含む第1の入れ物と、組成物のため生理学的に許容される再構成溶液を有する第2の入れ物とが含まれる。一態様において、薬学的製剤は、単位剤形でパッケージされる。キットには、特定の投与経路に従う薬学的製剤の投与に好適なデバイスがさらに含まれてもよい。好ましくは、キットには、薬学的製剤の使用を説明するラベルが含まれる。
IV.手術を受けるVWDを患う対象に前処置を行う方法のためのrVWF
手術の前処置を行うために重度のVWDを患う患者にrVWFを投与することの利点のひとつは、pdVWFと比較してより高いrVWFの比活性により、投与されるrVWFの量及び対象への再投与の回数において融通がきくようになることである。理解されるように、また本明細書でさらに詳細に考察されるように、同時投与されるFVIIIは、組換えであっても血漿由来であってもよい。
rVWFの単回または複数回投与が、治療にあたる医師により選択された用量レベル及びパターンで行われる。疾患の予防または治療に関して、適切な投薬量は、治療すべき疾患の種類(例えばフォンヴィレブランド病)、疾患の重症度及び経過、薬物が予防目的で投与されるか治療目的で投与されるか、以前の治療法、患者の病歴及び薬物への反応、ならびに主治医の裁量に依存することになる。
いくつかの態様において、rVWFは、20~60IU/kgの範囲、例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、20~60、35~70、20~40、35~60、45~60、45~55、45~50、50~60、55~60、または50~55IU/kgで、外科手術前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、rVWFは、外科手術の12時間~24時間、例えば、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、12時間~24時間、14時間~24時間、16~24時間、18時間~24時間、または20時間~24時間前に投与される。いくつかの態様において、第VIII因子(FVIII)は、外科手術の前にrVWFと共に投与されない。
いくつかの実施形態では、rVWFは、5~90IU/kgの範囲、例えば、5~90、5~50、10~90、15~90、20~90、30~90、40~90、50~90、60~90、70~90、80~90、5~80、10~70、20~60、30~50、35~60、5~50、5~40、5~30.5~20、10~90、10~50、または20~40IU/kgで手術の1時間前に対象に投与される。他の実施形態では、rVWFは、70~200IU/kg、例えば、70~200、80~200、90~200、100~200、110~200、120~200、130~200、130~200、140~200、150~200、160~200、170~200、180~200、190~200、70~170、80~180、60~160、50~150、40~140、30、130、20~120、10~110、70~100、または70~90IU/kgの用量で手術後に投与される。いくつかの場合、外科手術は、大手術、小手術、または口腔手術からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、対象に、35~60IU/kgのrVWFが大手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、15~90IU/kgのrVWFが大手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、150~220IU/kgのrVWFが大手術の後に投与される。いくつかの例では、大手術を受ける対象に、220~320IU/kgの総用量が投与される。
いくつかの実施形態では、対象に、50~60IU/kgのrVWFが小手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、5~50IU/kgのrVWFが小手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、70~150IU/kgのrVWFが小手術の後に投与される。いくつかの例では、小手術を受ける対象に、100~220IU/kgの総用量が投与される。
いくつかの実施形態では、対象に、20~40IU/kgのrVWFが口腔手術の12時間~24時間前に投与される。他の実施形態では、対象に、20~50IU/kgのrVWFが口腔手術の1時間前に投与される。別の実施形態では、対象に、10~50IU/kgのrVWFが口腔手術中に投与される。別の実施形態では、対象に、20~50IU/kgのrVWFが口腔手術の後に投与される。いくつかの例では、口腔手術を受ける対象に、70~190IU/kgの総用量が投与される。
rVWFの組成物は、本明細書に記載のように、薬学的製剤中に含めることができる。そのような製剤は、経口、局所、経皮、非経口、吸入スプレーにより、経腟、経直腸、または頭蓋内注射により投与することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、嚢内注射、または注入技法を含む。静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、肺内注射、及びまたは特定の部位での外科的移植による投与も企図される。一般に、組成物は、発熱物質、及びレシピエントに有害であり得る他の不純物を本質的に含まない。
一態様において、本発明の製剤は、薬物製品の治療的循環レベルを維持するために、最初はボーラスにより、続いて連続注入により投与される。別の例として、本発明の化合物は、一回限りの投薬として投与される。当業者であれば、良好な医療行為及び個々の患者の病態によって決定する有効な投薬量及び投与レジメンの最適化は容易であろう。投与経路は、静脈内、腹腔内、皮下、または筋肉内投与により得るが、これらに限定されない。投薬頻度は、薬剤の薬物動態パラメータ及び投与経路に依存する。最適な薬学的製剤は、投与経路及び所望の投薬量に応じて当業者により決定される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,1990,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.18042 pages 1435-1712を参照されたい。この開示は、その全体が、すべての目的、特に薬学的製品についての製剤、投与経路、及び投薬量に関するすべての教示について、参照により本明細書に組み込まれる。そのような製剤は、投与される薬剤の物理的状態、安定性、インビボ放出速度、及びインビボクリアランス速度に影響を及ぼす。投与経路に応じて、好適な用量は、体重、体表面積、または臓器サイズに従って計算される。適切な投薬量は、血中濃度投薬量を決定するための確立されているアッセイを、適切な用量応答データと組み合わせて使用することにより、確認され得る。最終投薬レジメンは、薬物の作用を変更する様々な要因、例えば、薬物の比活性、損傷の重症度及び患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別、及び食習慣、あらゆる感染の重症度、投与時間、ならびに他の臨床要因を考慮して、主治医により決定される。例として、本発明の組換えVWFの典型的な用量は約50IU/kgであり、これは500μg/kgに相当する。試験の実施につれて、様々な疾患及び状態のための適切な投薬レベル及び治療期間に関するさらなる情報が明らかになるであろう。
本発明の実施には、別段に示されていない限り、当該技術分野の技能の内である、有機化学、重合体技術、分子生物学(組換え技法を含む)、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来の技法及び記述が用いられ得る。そのような従来の技法には、重合体アレイ合成、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、及び標識を使用するハイブリダイゼーションの検出が含まれる。本明細書の以下の実施例を参照することで、好適な技法の具体的な例解を得ることができる。しかしながら、言うまでもなく、他の同等である従来の手順も使用することができる。そのような従来の技法及び記述は、標準的な実習手引書、例えば、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(Vols.I-IV),Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cells:A Laboratory Manual,PCR Primer:A Laboratory Manual、及びMolecular Cloning:A Laboratory Manual(すべてCold Spring Harbor Laboratory Pressから)、Stryer,L.(1995)Biochemistry(4th Ed.)Freeman,Highly stabilized York,Gait,”Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”1984,IRL Press,London,Nelson and Cox(2000),Lehninger,Principles of Biochemistry 3rd Ed.,W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.and Berg et al.(2002)Biochemistry,5th Ed.,W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.に見ることができ、これらのすべては、全目的について、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別に指示しない限り複数の言及を含むことに留意されたい。よって、例えば、「ポリメラーゼ(a polymerase)」は、1つの薬剤またはそのような薬剤の混合物を指し、「方法(the method)」への言及は、当業者に既知である同等のステップ及び方法への言及などを含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別に指示しない限り複数の言及を含むことに留意されたい。よって、例えば、「ポリメラーゼ(a polymerase)」は、1つの薬剤またはそのような薬剤の混合物を指し、「方法(the method)」への言及は、当業者に既知である同等のステップ及び方法への言及などを含む。
他に特段の定めのない限り、本明細書中で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で触れるすべての出版物は、これらの出版物に記載され、本明細書に記載の発明と関連して使用され得る、デバイス、組成物、製剤、及び方法を説明及び開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値から下限値の間の各介在値、ならびにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、それはまた、表示範囲内の任意の具体的な除外限度に従って、本発明内に包含される。記載範囲がその上限値及び下限値のうちの一方または両方を含む場合、それらの包含される上限値及び下限値のいずれか一方または両方を除外する範囲も本発明に包含される。
以上の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上を有さずに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴及び当業者に周知の手順は説明されていない。
本発明は主に特定の実施形態を参照して説明されるが、本開示を読むことで、当業者には他の実施形態が明らかとなることも想定され、そのような実施形態は本発明の方法に含まれることが意図される。
a.凍結乾燥したVWF製剤
本方法はまた、本明細書で提供される治療方法で使用するためのrVWFの製剤を提供する。いくつかの実施形態では、rVWF組成物は、薬学的組成物の製造のために使用される。いくつかの実施形態では、rVWFは、凍結乾燥した製剤に製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本発明のVWFポリペプチドを含む製剤は、精製後、かつ対象への投与前に凍結乾燥される。凍結乾燥は、当該技術分野で一般的な技法を使用して行われ、開発される組成物に対して最適化されるべきである(Tang et al.,Pharm Res.21:191-200,(2004)and Chang et al.,Pharm Res.13:243-9(1996))。
凍結乾燥サイクルは、一態様において、凍結、一次乾燥、及び二次乾燥の3つのステップで構成される(A.P.Mackenzie,Phil Trans R Soc London,Ser B,Biol 278:167(1977))。凍結ステップでは、溶液を冷却して、氷の形成を開始する。さらに、このステップには、増量剤の結晶化が含まれる。氷は、一次乾燥段階で昇華させ、この一次乾燥段階は、昇華を促進するために、真空を使用し、熱を導入して、チャンバ圧を、氷の蒸気圧を下回るように減少させることによって実施される。最後に、吸収されたまたは結合した水を、減少したチャンバ圧及び高い棚温度のもと、二次乾燥段階で除去する。このプロセスにより、凍結乾燥ケーキとして知られる物質が産生される。その後、ケーキを滅菌水または注射に好適な希釈液のいずれかにより再構成することができる。
凍結乾燥サイクルは、賦形剤の最終的な物理的状態を決定するだけでなく、再構成時間、外観、安定性、及び最終含水量などの他のパラメータにも影響を与える。凍結状態の組成物構造は、特定の温度で生じるいくつかの推移を受け(例えば、ガラス転移、湿潤、及び結晶化)、この構造を使用して、凍結乾燥プロセスを理解し最適化し得る。ガラス転移温度(Tg及び/またはTg’)は、溶質の物理的状態に関する情報を提供することができ、示差走査熱量測定(DSC)によって決定することができる。Tg及びTg’は、凍結乾燥サイクルを設計する際に考慮に入れる必要がある重要なパラメータである。例えば、Tg’は、一次乾燥に重要である。さらに、乾燥状態では、ガラス転移温度により、最終製品の貯蔵温度に関する情報が得られる。
b.薬学的製剤及び賦形剤一般
賦形剤は、薬物製品(例えば、タンパク質)の安定性及び送達を授けるまたは強化する添加物である。それらを含める理由にかかわらず、賦形剤は、製剤の不可欠な成分であり、したがって、安全であり、患者による忍容性が良好である必要がある。タンパク質薬物については、賦形剤の選択は、薬物の有効性及び免疫原性の両方に影響し得るため、特に重要である。よって、タンパク質製剤は、好適な安定性、安全性、及び市場性をもたらす賦形剤の適切な選択を伴って開発する必要がある。
凍結乾燥した製剤は、一態様では、少なくとも、緩衝液、増量剤、及び安定化剤のうちの1つ以上で構成される。この態様において、界面活性剤の利用は、凍結乾燥ステップ中または再構成中の凝集が問題となる場合に、評価及び選択される。適切な緩衝剤を含めて、凍結乾燥中、製剤をpHの安定領域に維持する。液体及び凍結乾燥タンパク質製剤について企図される賦形剤化合物の比較を表10に提供する。
(表1)凍結乾燥タンパク質製剤の賦形剤化合物
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タンパク質用製剤の開発における主な課題は、製品を、製造、輸送、及び貯蔵のストレスに対して安定させることである。製剤賦形剤の役割は、これらのストレスに対する安定化を提供することである。賦形剤は、高濃度タンパク質製剤の粘度を低下させることで、それらの輸送を可能にし、患者の利便性を向上させるためにも用いられる。一般に、賦形剤は、それらが様々な化学的及び物理的ストレスに対してタンパク質を安定させる機序に基づいて分類することができる。一部の賦形剤は、特定のストレスの影響を緩和するため、または特定のタンパク質の特別な感受性を調節するために使用される。他の賦形剤は、タンパク質の物理的安定性及び共有結合安定性に対するより一般的な影響を有する。本明細書に記載の賦形剤は、それらの化学型またはそれらの製剤における機能的役割のいずれかによって編成される。安定化手段の簡単な説明が、各賦形剤種の考察時に提供される。
本明細書で提供される教示及び指導を所与として、当業者であれば、バイオ医薬品(例えば、タンパク質)の安定性の保持を促進する本発明のバイオ医薬製剤を得るために任意の特定の製剤に含めることができる賦形剤の量または範囲を理解するであろう。例えば、本発明のバイオ医薬製剤に含めることができる塩の量及び種類は、最終溶液の所望の浸透圧(例えば、等張性、低張性、または高張性)、ならびに製剤に含める他の成分の量及び浸透圧に基づいて選択される。
例として、約5%のソルビトールを含めることで、等張性を得ることができる一方、約9%のスクロース賦形剤が、等張性を得るために必要とされる。本発明のバイオ医薬製剤内に含めることができる1つ以上の賦形剤の量及び濃度範囲の選択は、塩、ポリオール、及び糖類を参照して上で例示されている。しかしながら、当業者であれば、本明細書に記載され、特定の賦形剤を参照してさらに例示された考察は、例えば、塩、アミノ酸、他の等張化剤、界面活性剤、安定化剤、増量剤、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、酸化防止剤、金属イオン、キレート剤、及び/または保存剤を含む、すべての種類及び組み合わせの賦形剤に等しく適用可能であることを理解するであろう。
さらに、特定の賦形剤がモル濃度で報告される場合、当業者は、溶液の相当するパーセント(%)w/v(例えば、(溶液試料中の物質のグラム/溶液1mL)×100%)も企図されることを認識するであろう。
言うまでなく、当業者は、本明細書に記載の賦形剤の濃度が、特定の製剤中で相互依存性を共有することを理解するであろう。例として、例えばタンパク質濃度が高い場合、または例えば安定化剤濃度が高い場合には、増量剤の濃度を下げてもよい。加えて、増量剤を含まない特定の製剤の等張性を維持するために、安定化剤の濃度を適宜調整し得る(例えば、「等張化する」量の安定化剤を使用し得る)ことが、当業者には認識され得る。一般的な賦形剤は、当該技術分野で既知であり、Powell et al.,Compendium of Excipients fir Parenteral Formulations(1998),PDAJ.Pharm.Sci.Technology,52:238-311に見ることができる。
c.薬学的緩衝液及び緩衝剤
薬理学的に活性なタンパク質製剤の安定性は、通常、狭いpH範囲で最大となることが観察される。この最適な安定性のpH範囲は、製剤化前の試験中の早い時期に特定する必要がある。加速的安定性試験及び熱量測定スクリーニング試験などのいくつかのアプローチが、この試みに有用である(Remmele R.L.Jr.,et al.,Biochemistry,38(16):5241-7(1999))。一度製剤を仕上げると、タンパク質を製造し、その貯蔵寿命にわたって維持する必要がある。よって、製剤のpHを制御するために、ほぼ常に緩衝剤が用いられる。
緩衝種の緩衝能は、pKaに等しいpHで最大であり、pHがこの値から離れて上昇または低下するにつれて減少する。緩衝能の90パーセントは、そのpKaの1pH単位内に存在する。緩衝能はまた、緩衝剤濃度の上昇と比例して増加する。
緩衝剤の選択時、いくつかの要因を考慮する必要がある。まず初めに、緩衝種及びその濃度を、そのpKa及び所望の製剤pHに基づいて定義しなければならない。緩衝剤がタンパク質及び他の製剤賦形剤と適合し、いずれの分解反応にも触媒作用を及ぼさないことを確実にすることも等しく重要である。考慮すべき第3の重要な側面は、投与時に緩衝液が誘導し得る刺痛及び刺激感である。例えば、クエン酸塩は、注射の際に刺痛を生じさせることが知られている(Laursen T,et al.,Basic Clin Pharmacol Toxicol.,98(2):218-21(2006))。刺痛及び刺激の可能性は、投与時に製剤が血液中に急速に希釈されていくIV経路により投与される場合よりも比較的長い時間、薬物溶液がその部位に留まる皮下(SC)または筋肉内(IM)経路を介して投与される薬物について、より大きい。直接IV注入により投与される製剤については、緩衝剤(及び任意の他の製剤成分)の全量をモニタリングする必要がある。患者において心血管系への影響を引き起こし得るリン酸カリウム緩衝液の形態で投与されるカリウムイオンは、特に注意しなければならない(Hollander-Rodriguez JC,et al.,Am.Fam.Physician.,73(2):283-90(2006))。
凍結乾燥した製剤のための緩衝剤は、さらなる考慮を必要とする。リン酸ナトリウムなどの一部の緩衝剤は、凍結中にタンパク質非晶相から結晶化することで、pHが変化し得る。酢酸塩及びイミダゾールなどの他の一般的な緩衝剤は、凍結乾燥プロセス中に昇華または蒸発することにより、凍結乾燥中または再構成後に製剤のpHを変化させ得る。
組成物に存在する緩衝系は、生理学的に適合するように、また薬学的製剤の所望のpHを維持するように選択される。一実施形態では、溶液のpHは、pH2.0~pH12.0である。例えば、溶液のpHは、2.0、2.3、2.5、2.7、3.0、3.3、3.5、3.7、4.0、4.3、4.5、4.7、5.0、5.3、5.5、5.7、6.0、6.3、6.5、6.7、7.0、7.3、7.5、7.7、8.0、8.3、8.5、8.7、9.0、9.3、9.5、9.7、10.0、10.3、10.5、10.7、11.0、11.3、11.5、11.7、または12.0であってもよい。
pH緩衝化合物は、製剤のpHを所定のレベルに維持するのに好適な任意の量で存在してもよい。一実施形態では、pH緩衝濃度は、0.1mM~500mM(1M)である。例えば、pH緩衝剤は、少なくとも0.1、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200、または500mMであることが企図される。
本明細書に示される製剤の緩衝に使用される例示的なpH緩衝剤には、有機酸、グリシン、ヒスチジン、グルタミン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、トリス、HEPES、及びアミノ酸またはアミノ酸の混合物、例えば、非限定的に、ヒスチジン及びグリシンが含まれるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、緩衝剤はクエン酸塩である。
d.薬学的安定化剤及び増量剤
本薬学的製剤の一態様において、貯蔵により誘導される凝集及び化学分解を防止または低減するために、安定化剤(または安定化剤の組み合わせ)が添加される。再構成の際に溶液が霞んでいるまたは混濁している場合、タンパク質が沈殿または少なくとも凝集しているということである。「安定化剤」という用語は、水性状態で、凝集、または化学分解(例えば、自己分解、脱アミド化、酸化など)を含む物理的分解を防止することができる賦形剤を意味する。企図される安定化剤には、スクロース、トレハロース、マンノース、マルトース、ラクトース、グルコース、ラフィノース、セロビオース、ゲンチオビオース、イソマルトース、アラビノース、グルコサミン、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、グリシン、アルギニンHCL、ポリ-ヒドロキシ化合物、例えば、デキストラン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、シクロデキストリン、N-メチルピロリデン、セルロース、及びヒアルロン酸などの多糖類、塩化ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない(Carpenter et al.,Develop.Biol.Standard 74:225,(1991))。本製剤中、安定化剤は、約0.1、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、700、900、または1000mMの濃度で組み込まれる。本発明の一実施形態では、マンニトール及びトレハロースが安定化剤として使用される。
所望の場合、製剤には、適量の増量剤及び浸透圧調節剤も含まれる。増量剤には、例えば、非限定的に、マンニトール、グリシン、スクロース、重合体、例えば、デキストラン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ラクトース、ソルビトール、トレハロース、またはキシリトールが含まれる。一実施形態では、増量剤はマンニトールである。増量剤は、約0.1、0.5、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.7、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、500、700、900、または1000mMの濃度で組み込まれる。
e.薬学的界面活性剤
タンパク質は、表面と相互作用する傾向が強く、それにより、気液、ウイルス液体、液液(シリコーン油)界面で吸収及び変性が起きやすい。この分解経路は、タンパク質濃度に反比例して依存し、可溶性及び不溶性タンパク質凝集体の形成または表面への吸収による溶液からのタンパク質の喪失のいずれかを生じさせることが観察されている。容器表面吸収に加えて、表面誘起分解は、製品の配送及び処理中に受けるような物理的撹拌によって悪化する。
界面活性剤は、表面誘起分解を防止するために、タンパク質製剤中で一般に使用される。界面活性剤は、界面位置についてタンパク質に勝つ能力を有する両親媒性分子である。界面活性剤分子の疎水性部分は、界面位置(例えば、気/液)を占有する一方、分子の親水性部分は、バルク溶媒に向けて配向されたままである。十分な濃度(典型的には洗剤の臨界ミセル濃度あたり)で、界面活性剤分子の表面層は、タンパク質分子の界面での吸収を防止する働きをする。それにより、表面誘起分解が最小限に抑えられる。本明細書で企図される界面活性剤には、非限定的に、ソルビタンポリエトキシレートの脂肪酸エステル、例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80が含まれる。これら2つは、疎水性特性を分子に付与する脂肪族鎖の長さが異なるだけである(それぞれC-12及びC-18)。したがって、ポリソルベート80は、ポリソルベート20よりも、界面活性が高く、臨界ミセル濃度が低い。
界面活性剤はまた、タンパク質の熱力学的立体配座安定性にも影響し得る。ここでも再び、所与の界面活性賦形剤の影響は、タンパク質に固有となる。例えば、ポリソルベートは、一部のタンパク質の安定性を減少させ、他のタンパク質の安定性を増大させることが示されている。タンパク質の界面活性剤による不安定化は、部分的にまたは完全に折り畳まれていないタンパク質状態との特異的結合に関与し得る洗剤分子の疎水性尾部の観点から、理論的に説明することができる。これらの種類の相互作用により、配座平衡において、より展開したタンパク質状態に向かった変化が生じ得る(例えば、結合するポリソルベートを補完してタンパク質分子の疎水性部分の曝露を増加させる)。あるいは、タンパク質の天然状態がいくらかの疎水性表面を呈する場合、天然状態への界面活性剤の結合により、その配座が安定し得る。
ポリソルベートの別の側面は、それらが本質的に酸化的分解の影響を受けやすいことである。多くの場合、原材料として、これらは十分な量の過酸化物を含有し、タンパク質残基側鎖、特にメチオニンの酸化を引き起こす。安定化剤の添加に起因する酸化的損傷の可能性は、最小有効濃度の賦形剤を製剤中で使用するべきである点を強調する。界面活性剤については、所与のタンパク質の有効濃度は、安定化の機序に依存することになる。
界面活性剤は、凍結及び乾燥中の表面関連の凝集現象を防止するためにも、適量で添加される(Chang,B,J.Pharm.Sci.85:1325,(1996))。このため、例示的な界面活性剤には、非限定的に、天然に存在するアミノ酸に由来する界面活性剤を含む、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、及び両性界面活性剤が含まれる。アニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、及びジオクチルスルホン酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸、N-ラウロイルサルコシンナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、1-オクタンスルホン酸ナトリウム塩、コール酸ナトリウム水和物、デオキシコール酸ナトリウム、及びグリコデオキシコール酸ナトリウム塩が含まれるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤には、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム一水和物、及び臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。双性イオン性界面活性剤には、CHAPS、CHAPSO、SB3-10、及びSB3-12が含まれるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤には、ジギトニン、Triton X-100、Triton X-114、TWEEN-20、及びTWEEN-80が含まれるが、これらに限定されない。界面活性剤には、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、40、50、及び60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、60、65、及び80、大豆レシチン、ならびに他のリン脂質、例えば、ジオレオイルフォスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、及び(ジオレイルホスファチジルグリセロール)DOPG;スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースも含まれるが、これらに限定されない。したがって、これらの界面活性剤を含む組成物を、個々に、または異なる比での混合物としてのいずれかで含む組成物がさらに提供される。本発明の一実施形態では、界面活性剤はTWEEN-80である。本製剤中、界面活性剤は、約0.01~約0.5g/Lの濃度で組み込まれる。提供される製剤中、界面活性剤濃度は、0.005、0.01、0.02、0.03、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0g/Lである。
f.薬学的塩
多くの場合、タンパク質の可溶性、物理的安定性、及び等張性に重要であり得る、製剤のイオン強度を増加させるために、塩が添加される。塩は、様々な方法でタンパク質の物理的安定性に影響し得る。イオンは、タンパク質の表面上で荷電残基に結合することにより、タンパク質の天然状態を安定させることができる。代替的に、塩は、タンパク質骨格に沿ったペプチド基に結合することにより(-CONH-)、変性状態を安定させることができる。塩はまた、タンパク質分子内の残基間の反発静電相互作用を遮断することにより、タンパク質の天然配座を安定させることができる。タンパク質製剤中の塩はまた、タンパク質の凝集及び不溶性につながり得るタンパク質分子間の求引静電相互作用を遮断することができる。提供される製剤中、塩濃度は、0.1、1、10、20、30、40、50、80、100、120、150、200、300、及び500mMの間である。
g.他の一般的な賦形剤成分:薬学的アミノ酸
アミノ酸は、緩衝剤、増量剤、安定化剤、及び酸化防止剤としてタンパク質製剤中で多目的な使用が見い出されている。このため、一態様では、それぞれ、5.5~6.5及び4.0~5.5のpH範囲でタンパク質製剤を緩衝するために、ヒスチジン及びグルタミン酸が用いられる。ヒスチジンのイミダゾール基は、pKaが6.0であり、グルタミン酸側鎖のカルボキシル基は、pKaが4.3であるため、これらのアミノ酸は、対応するpH範囲における緩衝に好適となる。そのような場合、グルタミン酸が特に有用である。ヒスチジンは、市販のタンパク質製剤に一般的に見られ、このアミノ酸は、注射時に刺痛を伴うことが知られる緩衝剤であるクエン酸塩の代替となる。興味深いことに、ヒスチジンも、液体及び凍結乾燥両方の体裁で、高濃度で液体使用されると、凝集に関して安定化効果を有することが報告されている(Chen B,et al.,Pharm Res.,20(12):1952-60(2003))。ヒスチジンはまた、タンパク質濃度が高い製剤の粘度を低下させることが、他の者により観察された。しかしながら、同じ研究において、著者は、ステンレス鋼製容器中での抗体の凍結解凍研究中にヒスチジン含有製剤における凝集及び変色が増加したことを観察した。ヒスチジンの他の注意点は、ヒスチジンが金属イオンの存在下で光酸化を受けることである(Tomita M,et al.,Biochemistry,8(12):5149-60(1969))。メチオニンを製剤中で酸化防止剤として使用することは有望であるように見受けられ、いくつかの酸化ストレスに対して効果的であることが観察されている(Lam XM,et al.,J Pharm ScL,86(11):1250-5(1997))。
様々な態様において、アミノ酸のグリシン、プロリン、セリン、アルギニン、及びアラニンのうちの1つ以上を含む製剤が提供され、これらは、選択的な除外の機序によりタンパク質を安定させることが示されている。グリシンは、凍結乾燥製剤中で一般的に使用される増量剤でもある。アルギニンは、凝集の阻害に効果的であることが示されており、液体及び凍結乾燥両方の製剤に中で使用されている。
提供される製剤中、アミノ酸濃度は、0.1、1、10、20、30、40、50、80、100、120、150、200、300、及び500mMの間である。本発明の一実施形態では、このアミノ酸はグリシンである。
h.他の一般的な賦形剤成分:薬学的酸化防止剤
タンパク質残基の酸化は、いくつかの異なる発生源から生じる。特定の酸化防止剤を添加することの他に、酸化性のタンパク質損傷の防止には、製品の製造プロセス及び貯蔵にわたって、大気酸素、温度、光曝露、及び化学的汚染などのいくつかの要因を慎重に制御することが伴う。したがって、本発明は、還元剤、酸素/フリーラジカル捕捉剤、またはキレート剤を非限定的に含む、薬学的酸化防止剤の使用を企図する。治療用タンパク質製剤中の酸化防止剤は、一態様において、水溶性であり、製品貯蔵寿命にわたって活性なままである。還元剤及び酸素/フリーラジカル捕捉剤は、溶液中の活性酸素種を除去することによって作用する。EDTAなどのキレート剤は、フリーラジカル形成を促進する微量金属汚染物質と結合することにより有効となる。例えば、EDTAは、酸性線維芽細胞成長因子の液体製剤中で利用されて、金属イオンが触媒するシステイン残基の酸化を阻害した。
様々な賦形剤のタンパク質酸化を防止する有効性に加えて、酸化防止剤自体がタンパク質に対して他の共有結合的または物理的変化を誘導する可能性が懸念される。例えば、還元剤により、ジスルフィドシャフリングにつながり得る分子内ジスルフィド結合の分断が生じ得る。遷移金属イオンの存在下で、アスコルビン酸及びEDTAが、いくつかのタンパク質及びペプチド中でメチオニン酸化を促進することが示されている(Akers MJ,and Defelippis MR.Peptides and Proteins as Parenteral Solutions.In:Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins.Sven Frokjaer,Lars Hovgaard,editors.Pharmaceutical Science.Taylor and Francis,UK(1999))、Fransson J.R.,/.Pharm.Sci.86(9):4046-1050(1997)、Yin J,et al.,Pharm Res.,21(12):2377-83(2004))。チオ硫酸ナトリウムは、rhuMab HER2において光及び温度により誘導されるメチオニン酸化のレベルを低下させることが報告されているが、チオ硫酸-タンパク質付加物の形成もこの研究において報告された(Lam XM,Yang JY,et al.,J Pharm Sci.86(11):1250-5(1997))。タンパク質の特定のストレス及び感受性に従い、適切な酸化防止剤を選択する。ある特定の態様において企図される酸化防止剤には、還元剤及び酸素/フリーラジカル捕捉剤、EDTA、及びチオ硫酸ナトリウムが非限定的に含まれる。
i.他の一般的な賦形剤成分:薬学的金属イオン
一般に、遷移金属イオンは、タンパク質中で物理的及び化学的分解を触媒し得るので、タンパク質製剤においては望まれない。しかしながら、特定の金属イオンは、それらがタンパク質に対する補因子である製剤、及びそれらが配位錯体を形成するタンパク質の懸濁製剤(例えば、インスリンの亜鉛懸濁液)に含められる。近年では、アスパラギン酸のイソアスパラギン酸への異性化を阻害するために、マグネシウムイオン(10~120mM)の使用が提案されている(国際公開第WO2004039337号)。
金属イオンがタンパク質中で安定性または増大した活性を付与する2つの例は、ヒトデオキシリボヌクレアーゼ(rhDNase、Pulmozyme(登録商標))及び第VIII因子である。rhDNaseの場合、Ca+2イオン(最大100mM)により、特定の結合部位をとおして酵素の安定性が増加した(Chen B,et al.,/Pharm Sci.,88(4):477-82(1999))。実に、EGTAを用いて溶液からカルシウムイオンを除去することで、脱アミド化及び凝集の増大が生じた。しかしながら、この効果は、Ca+2イオンによってのみ観察され、他の二価カチオンであるMg+2、Mn+2、及びZn+2は、rhDNaseを不安定にしたことが観察された。類似の効果が第VIII因子でも観察された。Ca+2及びSr+2イオンはタンパク質を安定させたが、Mg+2、Mn+2、及びZn+2、Cu+2及びFe+2などの他のものは、酵素を不安定にした(Fatouros,A.,et al.,Int.J.Pharm.,155,121-131(1997)。第VIII因子を用いた別個の研究では、Al+3イオンの存在下で凝集率の著しい増加が観察された(Derrick TS,et al.,/.Pharm.Sci.,93(10):2549-57(2004))。著者は、緩衝塩のような他の賦形剤が、多くの場合にAl+3イオンで汚染されていることを注記しており、製剤化した製品中で適切な量の賦形剤を使用する必要性を示している。
j.他の一般的な賦形剤成分:薬学的保存剤
保存剤は、同じ容器から1回超取り出すことを伴う複数回使用の非経口製剤を開発する際に必要となる。これらの主な機能は、微生物増殖を阻害し、薬物製品の貯蔵寿命または使用期間にわたって製品の滅菌状態を確実にすることである。一般的に使用される保存剤には、ベンジルアルコール、フェノール、及びm-クレゾールが非限定的に含まれる。保存剤は長年使用されているものの、保存剤を含むタンパク質製剤の開発は困難であり得る。保存剤は、ほぼ必ずタンパク質に対して不安定化効果(凝集)を有し、このことが、それらの複数回投与タンパク質製剤中での使用を制限する主因となっている(Roy S,et al.,J Pharm ScL,94(2):382-96(2005))。
今日まで、ほとんどのタンパク質薬物は、単回使用のみのために製剤化されてきた。しかしながら、複数回投与製剤が可能であると、これらは、患者の便宜性、及び市場性の増大を可能にする追加の利点を有する。良い例は、保存剤入り製剤の開発によって、より簡便な複数回使用注射ペンの体裁が商用化された、ヒト成長ホルモン(hGH)の例である。hGHの保存剤入り製剤を含む少なくとも4つのそのようなペン型デバイスが、現在市販されている。Norditropin(登録商標)(液体、Novo Nordisk)、Nutropin AQ(登録商標)(液体、Genentech)、及びGenotropin(凍結乾燥-デュアルチャンバカートリッジ、Pharmacia&Upjohn)はフェノールを含む一方、Somatrope(登録商標)(Eli Lilly)はm-クレゾールと共に製剤化される。
保存剤入り剤形の製剤開発中には、いくつかの局面を検討する必要がある。薬物製品中の効果的な保存剤濃度を最適化しなければならない。これには、剤形中の所与の保存剤を、タンパク質安定性を障害することなく抗微生物有効性を付与する濃度範囲で試験することが必要となる。例えば、示差走査熱量測定(DSC)を使用して、インターロイキン-1受容体(I型)のための液体製剤の開発において、3つの保存剤がスクリーニングを通過した。保存剤は、市販製品で一般的に使用される濃度での安定性に与えるその影響に基づいて、順位決定された(Remmele RL Jr.,et al.,Pharm Res.,15(2):200-8(1998))。
保存剤を含有する液体製剤の開発は、凍結乾燥製剤よりも困難である。凍結乾燥製品は、保存剤なしで凍結乾燥させ、使用時に、希釈剤を含有する保存剤を用いて再構成することができる。これにより、保存剤がタンパク質と接触する時間が短縮され、関連する安定性リスクが大幅に最小化される。液体製剤では、保存剤の有効性及び安定性は、製品貯蔵寿命全体(約18~24か月)にかけて維持されなければならない。注記すべき重要な点は、保存剤の有効性が、活性薬物及びすべての賦形剤成分を含有する最終製剤中で示される必要があることである。
一部の保存剤は、注射部位反応を引き起こし得、これは保存剤の選択時に考慮が必要な別の要因である。ノルディトロピン中の保存剤及び緩衝液の評価に焦点を当てた臨床試験では、フェノール及びベンジルアルコールを含有する製剤において、m-クレゾールを含有する製剤と比較して低い疼痛知覚が観察された(Kappelgaard A.M.,Horm Res.62 Suppl 3:98-103(2004))。興味深いことに、一般的に使用される保存剤の中でも、ベンジルアルコールは麻酔特性を有する(Minogue SC,and Sun DA.,AnesthAnalg.,100(3):683-6(2005))。様々な態様において、保存剤の使用により、いずれの副作用にも勝る利益が得られる。
k.薬学的製剤の調製方法
本発明は、さらに、薬学的製剤の調製方法を企図する。
本方法には、次のステップのうちの1つ以上がさらに含まれる:凍結乾燥の前に本明細書に記載の安定化剤を該混合物に添加するステップ、凍結乾燥の前に、各々本明細書に記載されている、増量剤、浸透圧調節剤、及び界面活性剤から選択される少なくとも1つの薬剤を該混合物に添加するステップ。
凍結乾燥した物質の標準的な再構成の実施は、ある量の純水または注射用滅菌水(WFI)(典型的には、凍結乾燥中に除去した体積に等しい)を戻し入れることであるが、非経口投与用医薬品の製造には抗生物質の希釈溶液が使用される場合がある(Chen,Drug Development and Industrial Pharmacy,18:1311-1354(1992))。したがって、本発明の凍結乾燥したrVWF組成物に希釈液を添加するステップを含む、再構成されたrVWF組成物を調製するための方法が提供される。
凍結乾燥した物質は、水溶液として再構成されてもよい。様々な水性担体、例えば、注射用滅菌水、複数回投与用途のための保存剤を含む水、または適量の界面活性剤を含む水(例えば、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性化合物を含有する水性懸濁液)。様々な態様において、そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、非限定的に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、及びアカシアガムであり、分散または湿潤剤は、自然発生のホスファチド、例えば、非限定的に、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えば、非限定的に、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えば、非限定的に、ヘプタデカエチル-エンオキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどの、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えば、非限定的に、ポリエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルである。様々な態様において、水性懸濁液は、1つ以上の保存剤、例えば、非限定的に、エチル、またはn-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸も含有する。
l.投与のための例示的なrVWF製剤
いくつかの実施形態では、本方法は、治療の量を低減する(100IU/ml~10000IU/ml)ために、高い効力(高いrVWF濃度及び増強された長期安定性)を有する最終製品を可能にする増強された製剤を提供する。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約100IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約500IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約1000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約2000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約3000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約4000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約5000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約6000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約7000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約8000IU/ml~10000IU/mlである。いくつかの実施形態では、投与用の製剤中のrVWF濃度は、約9000IU/ml~10000IU/mlである。
いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、例えば、ヒスチジン、グリシン、アルギニンのようなアミノ酸を含む、1つ以上の双性イオン性化合物を含む。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、例えば、ポリソルベート80、オクチルピラノシド、ジペプチド、及び/または両親媒性ペプチドを含む、最低で1つの疎水性基と1つの親水性基とを有する両親媒性特性を持つ成分を含む。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、例えば、ソルビトール、マンニトール、スクロース、またはトレハロースを含む、非還元糖または糖アルコールまたは二糖類を含む。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、生理学的浸透圧をもたらす、例えば塩化ナトリウムを含む無毒性水溶性塩を含む。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、pHが、6.0~8.0の範囲である。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、pHが、約6.0、約6.5、約7、約7.5、または約8.0である。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、例えば、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、及び/またはそれらの組み合わせを含む、rVWFを安定させる1つ以上の二価カチオンを含む。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、投与の時点で生理学的浸透圧を有し、約7.0のpHで、約1mM~約50mMのグリシン、約1mM~約50mMのヒスチジン、約0~約300mMの塩化ナトリウム(例えば、300mM未満のナトリウム)、約0.01%~約0.05%のポリソルベート20(またはポリソルベート80)、及び約0.5%~約20%(w/w)のスクロースを含む。
いくつかの実施形態では、投与用の製剤は凍結乾燥することができる。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、安定であり、2℃~約8℃、及び約18℃~約25℃で、液体状態で貯蔵することができる。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、安定であり、約2℃~約8℃で、液体状態で貯蔵することができる。いくつかの実施形態では、投与用の製剤は、安定であり、約18℃~約25℃で、液体状態で貯蔵することができる。
m.投与/投薬
組成物をヒトまたは試験動物に投与するために、一態様において、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体を含む。「薬学的に」または「薬理学的に」許容されるという表現は、以下に記載のように、安定であり、凝集及び切断産物などタンパク質分解を阻害し、加えて、当該技術分野で周知の経路を使用して投与されるときにアレルギー反応または他の有害反応を生むことがない分子実体及び組成物を指す。「薬学的に許容される担体」には、上で開示された薬剤を含めて、ありとあらゆる臨床的に有用な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌薬剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。
薬学的製剤は、経口、局所、経皮、非経口、吸入スプレーにより、経腟、経直腸、または頭蓋内注射により投与することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、嚢内注射、または注入技法を含む。特定の部位での静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、及び/または肺内注射による投与も企図される。一般に、組成物は、発熱物質、及びレシピエントに有害であり得る他の不純物を本質的に含まない。
本発明に従い、rVWFは、第VIII因子(FVIII)の非存在下で投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、rVWFは、本明細書で考察されるように、外科手術の前に投与される。いくつかの実施形態では、rVWFは、外科手術の少なくとも12時間前、少なくとも13時間前、少なくとも14時間前、少なくとも15時間前、少なくとも16時間前、少なくとも17時間前、少なくとも18時間前、少なくとも19時間前、少なくとも20時間前、少なくとも21時間前、少なくとも22時間前、少なくとも23時間前、または少なくとも24時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、35~60IU/kgのrVWFが、外科手術の少なくとも12時間前、少なくとも13時間前、少なくとも14時間前、少なくとも15時間前、少なくとも16時間前、少なくとも17時間前、少なくとも18時間前、少なくとも19時間前、少なくとも20時間前、少なくとも21時間前、少なくとも22時間前、少なくとも23時間前、または少なくとも24時間に投与される。いくつかの実施形態では、50~60IU/kgのrVWFが、外科手術の少なくとも12時間前、少なくとも13時間前、少なくとも14時間前、少なくとも15時間前、少なくとも16時間前、少なくとも17時間前、少なくとも18時間前、少なくとも19時間前、少なくとも20時間前、少なくとも21時間前、少なくとも22時間前、少なくとも23時間前、または少なくとも24時間に投与される。いくつかの実施形態では、20~40IU/kgのrVWFが、外科手術の少なくとも12時間前、少なくとも13時間前、少なくとも14時間前、少なくとも15時間前、少なくとも16時間前、少なくとも17時間前、少なくとも18時間前、少なくとも19時間前、少なくとも20時間前、少なくとも21時間前、少なくとも22時間前、少なくとも23時間前、または少なくとも24時間に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、約50~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与される。いくつかの実施形態では、50~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、約55~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、約50~55IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、約50IU/kg、約52IU/kg、約54IU/kg、約56IU/kg、約58IU/kg、または約60IU/kgのrVWFが、外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、約35~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与される。いくつかの実施形態では、約35~55IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、約30~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、約40~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、約45~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、約50~60IU/kgのrVWFが外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、約35IU/kg、約40IU/kg、約45IU/kg、約50IU/kg、約55IU/kg、または約60IU/kgのrVWFが、外科手術の12時間~24時間前に投与され、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約20~40IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約20IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約25IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約30IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約35IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、該外科手術の12時間~24時間前の約40IU/kgのrVWF、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、本方法は、外科手術の1時間前にrVWFを投与する第2の治療前ステップを含む。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約5~50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約5IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約10IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約15IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約20IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約25IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約30IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約35IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約40IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約45IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約15~90IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約15IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約20IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約25IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約30IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約35IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約40IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約45IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約55IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約60IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約65IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約70IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約75IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約80IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約85IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約90IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約20~50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25~50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約30~50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25~40IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約40~50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約20IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約30IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約35IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約40IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約45IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約50IU/kgのrVWFが外科手術の1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、本方法は、外科手術中のrVWFの投与を含む。いくつかの実施形態では、約10~50IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約20~50IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約30~50IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約40~50IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約20~40IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約30~40IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、10IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約15IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約20IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約25IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約30IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約35IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約40IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約45IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、約50IU/kgのrVWFが該外科手術中に投与され、該外科手術は口腔外科手術である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、約70~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約90~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約110~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約120~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約140~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約150~200IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約160~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約180~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約180~200IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約180~190IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約190~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約190~210IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約200~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約210~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約80IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約90IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約100IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約110IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約120IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約130IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約140IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約160IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約170IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約180IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約190IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約200IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約210IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、約220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約70~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約80~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約90~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約100~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約110~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約120~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約130~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約100~140IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約90~140IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約140~150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約70IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約80IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約90IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約100IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約110IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約120IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約130IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約140IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、前処置は、外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含む。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、前処置は、外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含み、第1の用量は、第2の用量より多い。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約150~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約160~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約170~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約180~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約180~210IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約190~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約190~210IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約200~220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約150IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約160IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約170IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約180IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約190IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約200IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約210IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約220IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約20~50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25~50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約30~50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25~40IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約30~40IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約40~50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約45~50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約20IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約25IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約30IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約35IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約40IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約45IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約50IU/kgのrVWFが外科手術の後に投与される。いくつかの実施形態では、外科手術は口腔外科手術であり、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約100~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約110~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約120~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約130~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約140~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約150~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約160~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約170~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約180~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約190~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約180~210IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約190~210IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約200~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約210~220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約100IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約110IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約120IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約130IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約140IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約150IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約160IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約170IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約180IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約200IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約210IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、約220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約220~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約230~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約240~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約250~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約260~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約270~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約280~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約280~310IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約290~310IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約290~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約300~320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約300~310IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約220IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約230IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約240IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約250IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約260IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約270IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約280IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約290IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約300IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約310IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、約320IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約70~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約80~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約90~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約100~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約110~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約120~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約130~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約140~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約150~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約160~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約170~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約180~190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約70IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約80IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約90IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約100IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約110IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約120IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約130IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約140IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約150IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約160IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約170IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約180IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、外科手術が口腔外科手術であるとき、約190IU/kgの総用量のrVWFが投与される。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
いくつかの実施形態では、外科手術が大外科手術であるとき、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、上に列挙した投薬量である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、前処置は、外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含む。いくつかの実施形態では、外科手術が小外科手術であるとき、前処置は、外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含み、第1の用量は、第2の用量より多い。いくつかの実施形態では、投薬量は、上に列挙した投薬量である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。いくつかの実施形態では、外科手術は口腔外科手術であり、前処置は、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを外科手術の前に投与することを含む。いくつかの実施形態では、投薬量は、上に列挙した投薬量である。いくつかの実施形態では、FVIIIは投与されない。
一般に、1型VWDは、30IU/dL未満のVWF:RCo、30IU/dL未満のVWF:Ag、低いまたは正常なFVIII、及び0.5~0.7IU/dL超のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。2A型VWDは、30IU/dL未満のVWF:RCo、30~200IU/dL未満のVWF:Ag、低いまたは正常なFVIII、及び0.5~0.7IU/dL未満のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。2B型VWDは、30~200IU/dL未満のVWF:RCo、30IU/dL未満のVWF:Ag、低いまたは正常なFVIII、及び通常は0.5~0.7IU/dL未満のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。2M型VWDは、30IU/dL未満のVWF:RCo、30~200IU/dL未満のVWF:Ag、低いまたは正常なFVIII、及び0.5~0.7IU/dL未満のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。2N型VWDは、30~2000IU/dLのVWF:RCo、30~200IU/dLのVWF:Ag、非常に低いFVIII、及び0.5~0.7IU/dL超のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。3型VWDは、3IU/dL未満のVWF:RCo、3IU/dL未満のVWF:Ag、極度に低い(10IU/dL未満の)FVIIIによって表され、VWF:RCo/VWF:Ag比は適用されない。正常は、50~200IU/dLのVWF:RCo、50~200IU/dLのVWF:Ag、正常なFVIII、及び0.5~0.7IU/dL超のVWF:RCo/VWF:Ag比によって表される。いくつかの実施形態では、対象は3型VWDを有する。いくつかの実施形態では、対象は重度の1型VWDを有する。いくつかの実施形態では、対象は重度の2型VWDを有する。
V.外科手術
本発明の方法に従う外科手術は、大外科手術または小外科手術であり得る。
一般に、大手術には、より広範な切除、例えば、体腔への進入、臓器の除去、または通常の生体構造の改変が行われる、いずれかの侵襲的術式が含まれる。一般に、間充織バリア(例えば、胸腔、腹膜、髄膜)が開かれる場合、手術は大手術とみなされる。いくつかの実施形態では、大手術は、500mL超の血液の損失、大量の体液移行、及び典型的には少なくとも一晩の入院が見込まれるものである。例示的な大外科手術には、肥満手術/胃バイパス、中隔心筋切除術、膵切除術、胸部大動脈解離修復、食道切除術、膀胱摘出、冠動脈血行再建術、脊椎骨髄炎手術、外科的心室修復、頭蓋骨切除術、腹腔鏡手術(胆嚢摘出術及び卵管結紮術を除く)、器官の開腹切除、大関節置換術、再建を伴う乳房切除、ならびに/または脊椎、胸部、血管、及び/もしくは頭蓋内手術が含まれるが、これらに限定されない。大手術のさらなる例には、上顎もしくは下顎骨切り術、喉頭切除術、一晩の入院を要する大型の良性もしくは悪性塊の切除術及び/またはリンパ節郭清(再建手術の有無を問わず)、即時組織再建を伴う乳房切除(リンパ節生検または腋窩切開の有無を問わず)、腹腔鏡下もしくは回復修復術もしくは切除(例えば、胃、小腸、結腸、肝臓、膵臓、脾臓、副腎、または肝臓)、開腹胆嚢摘出術、大型の瘢痕、上腹部、もしくは腹壁ヘルニア修復術、子宮鏡下切除もしくはアブレーション、子宮摘出術及び/もしくは付属器手術、広範な子宮内膜症の腹腔鏡検査、腹部もしくは経膣の骨盤底手術、頭蓋内手術、脊椎椎弓切除述及び/もしくは固定術、膝関節置換術、股関節置換術、肩関節置換術、肘関節置換術、金属物除去または感染もしくは不具合のための補正、切断術、脊椎椎弓切除術及び/もしくは固定術、遊離皮弁再建(整形外科)、脂肪層切除、縦隔鏡検査、肺切除術、食道切除術、縦隔腫瘤切除術(胸腔鏡下または開腹)、裂孔ヘルニア修復(胸腔鏡下または開腹)、膀胱腫瘍切除術(経尿道的または開腹)、前立腺腫瘍(経尿道的または開腹)、腎臓切除の切除術(腹腔鏡下または開腹)、尿管切除術(腹腔鏡下または開腹)、精巣の切除術(経陰嚢的または腹部)、切断術、末梢動脈バイパス手術、大動脈瘤修復術(血管内または開腹)、ならびに/あるいは頸動脈内膜剥離術が含まれるが、これらに限定されない。
小手術は、皮膚または粘膜及び結合組織のみが切除される任意の侵襲的術式、例えば、カテーテル挿入のための血管切開、皮下組織へのポンプの埋め込みである。小外科手術には、典型的には、全身麻酔を使用せずにまたは呼吸補助を必要とせずに外来環境で安全に行うことができる任意の手順が含まれる。いくつかの実施形態では、小手術は、500mL未満の血液の損失、最小量の体液移行が見込まれ、典型的には外来で行われるものである(日帰り手術/同日退院)。そのような外来外科手術には、白内障手術、再建なしの乳房手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術及び卵管結紮、ならびにほとんどの皮膚手技、表面的手技、内視鏡下手技、及び関節鏡下手技が含まれ得るが、これらに限定されない。小手術のさらなる例には、抜歯、扁桃摘出術、アデノイド切除術、鼻中隔形成術、鼻甲介切除術、鼻形成術、咽頭生検、喉頭生検、レーザーもしくは他の手段による小規模な切除術、中耳手術、乳様突起削開術、蝸牛移植、内視鏡下副鼻腔手術、良性及び悪性塊の小規模な切除術(外来として行われるもの、すなわち、下顎隆起、上腕裂嚢胞、小型の舌癌)、甲状腺摘出術、乳腺腫瘤摘出術(リンパ節生検または腋窩切開の有無にかかわらず)、乳房切除(リンパ節生検または腋窩切開の有無にかかわらず)、鼠径ヘルニア修復術(腹腔鏡下または開腹アプローチ)、臍ヘルニア修復術(腹腔鏡下または開腹アプローチ)、腹腔鏡下胆嚢摘出術、痔核切除術、拡張術、掻爬術、診断用子宮鏡検査法、腹腔鏡検査、サーマルバルーンによる子宮内膜アブレーション、卵管結紮術、腹腔鏡検査-限られた子宮内膜症、経膣テープ挿入、椎間板切除術、白内障摘出術、大部分の眼科学的処置、関節鏡視下手術(ACL修復術を含む)、通常の金属物除去(感染のためではないもの)、腱手術、腱膜瘤切除術、椎間板切除術、手根管開放術、デュピュイトラン拘縮解放、腱大手術、腱小手術、小規模な回転皮弁及び皮膚移植、基底細胞切除術、脂肪腫切除、乳房縮小及び良性乳房疾患のための他の手術、美容乳房手術、気管支鏡検査法、膀胱鏡検査、尿管鏡検査、結石のためのレノスコピー(renoscopy)、狭窄のためのレノスコピー、生検のためのレノスコピー、睾丸瘤切除術、精索静脈瘤切除術、精管切除術、包皮環状切除術、ならびに/または静脈瘤切除術が含まれるが、これらに限定されない。
口腔外科手術には、例えば抜歯を含む様々な歯科手術及び口腔手術が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、外科手術は大外科手術である。いくつかの実施形態では、外科手術は小外科手術である。いくつかの実施形態では、外科手術は口腔外科手術である。
実施例1:RVWFの止血有効性及び安全性
この試験では、ADVATE(抗血友病因子[組換え])、Baxalta US Inc.,Westlake Village,CA(rFVIII)を用いる場合と用いない場合とで、待機手術を受ける重度のVWDを患う患者におけるrVWFの止血有効性及び安全性を評価した。
方法
待機手術を受ける予定である重度のVWDを有した18歳以上の患者における10か国14施設での第3相非盲検非対照非無作為化試験(NCT02283268)。患者を手術後14日間にわたってモニタリングした。
処置
手術の12~24時間前に、rVWF 40~60IU/kg rVWF:RCoを静脈内投与して、内因性FVIII:Cレベルを30IU/dL以上(小/口腔手術)または60IU/dL以上(大手術)に増加させた。FVIII:Cレベルを、手術開始前3時間以内に評定した。目標FVIII:Cレベルが達成された場合、手術の1時間前にrVWFを単独で投与して、表2に示すピークレベルを達成した。目標FVIII:Cレベルが達成された場合、手術の1時間前にrVWFを単独で投与して、表2に示すピークレベルを達成した。術中及び術後の投薬を、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)結果に従って目標トラフレベルを維持するように個別化し、止血チャレンジの強度及び期間も同様にした。
(表2)VWF:RCo及びFVIII:Cの目標レベル:
術中及び術後の過剰出血を防止するための推奨
Figure 0007326246000014
BW=体重、FVIII:C=第VIII因子活性、IR=段階的回収率、rVWF=組換えフォンヴィレブランド因子、VWF:RCo=フォンヴィレブランド因子リストセチン補因子活性。
*推奨されるFVIII:C目標ピーク血漿レベルを得るために、追加のrFVIIIが必要とされてもよい。
†手術前1時間以内に投与。
‡IRが入手可能でない場合、IU/kgあたり2.0IU/dLのIRと仮定する。
ΔVWF:RCo=目標ピーク血漿VWF:RCo-ベースライン血漿VWF:RCo。
評定
全体止血有効性(主要評価項目)を、最後の周術期注入から24時間の時点または試験完了時のいずれか早い方で、治験責任医師が評定した(表3)。術中止血有効性は、術中の実際の血液損失対予測血液損失とともに、執刀医が評定した(表3)。安全性評価には、有害事象(AE)、ならびにrVWF、rFVIII、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質、マウス免疫グロブリンG(IgG)、及びrフューリンに対する抗体が含まれた。
(表3)全体*及び術中†止血有効性格付けスケール
Figure 0007326246000015
rFVIII=組換え第VIII因子、rVWF=組換えフォンヴィレブランド因子。
*治験責任医師が評定する。
†執刀医が評定する。
統計
記述的分析には、Clopper Pearson検定を使用して「優良/良好」と格付けされた止血有効性を有する患者の数についての、点推定値及び90%CIが含まれた。PK/PD及び安全性は、記述統計を使用して要約した。
結果
患者
(表4)ベースライン人口統計及び臨床特性
Figure 0007326246000016
BMI=体格指数、FVIII:C=第VIII因子活性、VWD=フォンヴィレブランド病、VWF:RCo=フォンヴィレブランド因子リストセチン補因子活性。
全体止血有効性を、15人すべての患者について「優良」または「良好」として格付けした(90%CI:81.9~100.0)(図1)。
有効性
全体止血有効性を、15人すべての患者について「優良」または「良好」として格付けした(90%CI:81.9~100.0)(図1)。
術中止血有効性を、15人すべての患者について「優良」または「良好」として格付けした(90%CI:81.9~100.0)(図2)。3型VWDを患う8人の患者のなかで、全体及び術中止血有効性は、ともに、7人の患者について「優良」及び1人の患者について「良好」と格付けした。予測血液損失と比べた平均±SD術中実血液損失は、70%±45%であり、13人の患者について「優良」及び2人の患者について「良好」と格付けした。
曝露
手術出血を防止または治療するために、患者に合計104回のrVWF注入を行い、rVWFの全体手術用量中央値は220.4IU/kgであった(範囲、63.8~648.4IU/kg)(表4)。93回(89.4%)のrVWF単独の注入:15回(手術の12~24時間前)、12回(手術の1時間前)、及び66回(術後)。11回(10.6%)のrFVIIIを伴うrVWFの注入:3回(手術の1時間前)、1回(術中)、7回(術後)。5人の患者に、11回のrFVIIIを伴うrVWFの注入を行い、7回のrFVIIIを伴うrVWFの術後注入のうちの6回は1人の患者に行った。
大手術を受ける10人の患者のうち、7人(70%)にはrFVIII同時投与は必要とされなかった。
(表5)全rVWF曝露の中央値及び手術分類
Figure 0007326246000017
rVWF=組換えフォンヴィレブランド因子。
*術前準備注入、術前初期ローディング用量、術前補充ローディング用量、術中用量、及び術後用量の合計回数。
安全性
6人の患者が、12件の治療中に発生したAEを報告し、そのいずれも治療に関係があるとはみなされなかった。患者は重篤なAE(憩室炎及び深部静脈血栓[DVT]、各々1人の患者に生じた)を有し、いずれの事象も因子代置治療に関係があるとはみなされなかった。
重篤なDVTは術後8日目に生じた(最初、術後4日目に重篤でないDVTとして報告された)。この事象は、無症候性であり、慣例の複式スキャンの後に観察された。この事象は、rVWFに関係している可能性が低く、rFVIIIまたは試験手技とは関係がないと評定し、原因としては、患者の大手術(全人工股関節置換術)及び現行の肥満の病歴と因果関係があった。FVIII:Cの術後レベルは、150IU/dLを超過することは決してなかった。この事象を理由に大静脈フィルタを設置し、その後、事象は後遺症なく消散した。重篤なアレルギー反応なし;rFVIII、CHOタンパク質、マウスIgG、またはrフューリンに対する中和抗体。
人工膝関節置換術の大手術中に濃厚赤血球の術中輸血を受けたVWD3型を患う1人の患者が、術後7日目にVWFに対する結合性抗体について試験で陽性を示した。
PK分析を受けた患者(n=11)についてのVWF:RCoのPKパラメータを図4に示す。VWF:RCo、VWF:Ag、及びVWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)の濃度中央値は、30分までにピークレベルに達し、注入後72時間かけて徐々に減退した(図4)。
rVWF単独の投与により、注入から6~12時間後、内因性FVIII:Cレベルが大幅かつ急速に安定し、評定したすべての患者(n=11、図5A)にわたって、また3型VWDを患う患者のサブセット(n=5、図5B)において、24時間までにピークFVIII:Cレベルが達成された。全体としては、患者は、注入後6時間までに60IU/dL超の平均FVIII:Cを達成し(図5A)、ベースラインFVIII:Cがより高い患者(例えば、1型または2型VWDを患う患者)は、目標レベルをより迅速に達成することができた。ベースライン時に2IU/dL未満の平均FVIII:Cレベルを有したにもかかわらず、rVWF単独の投与で、3型VWDを患う患者は、目標のVWF:RCo及びFVIII:Cレベルを迅速に達成でき、注入から12時間後に60IU/dL超のFVIII:Cが達成された(図5B)。
結論
この手術試験では、15人すべての患者について、全体及び術中止血有効性を「優良」または「良好」と格付けした。大手術については、全体止血有効性は、7人の患者で「優良」、3人の患者で「良好」であり、術中有効性は、8人の患者で「優良」、2人の患者で「良好」であった。術中及び術後の止血を達成した注入のほぼ90%がrVWF単独によるものであり、大手術の70%がrVWF単独により管理された。rVWFは主要なVWD機能不全を標的にし、これにより、医師はFVIII蓄積を懸念することなく最適な有効性の達成に集中できるようになる。これらのデータにより、大手術及び小手術におけるrVWFの安全かつ効果的な使用が支持される。
実施例2:手術を受ける重度のフォンヴィレブランド病を患う対象における組換えフォンヴィレブランド因子
この実施例では、手術を受ける、フォンヴィレブランド病(VWD)を患う対象の治療を検査する試験からの試験結果を提供する。
評価基準:
主要評価基準:
治験責任医師(血友病医)が評定した全体止血有効性[タイムフレーム:最後の周術期注入から24時間後、または14日目(±2日)の来院終了時のいずれか早い方]。止血有効性を、優良-良好-中度-なしのスケールで格付けした。
・優良:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いて達成した術中及び術後の止血が、止血が正常な対象に行った外科手術の種類について予測されたものと同程度に良好またはそれよりも良好であった。
・良好:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いて達成した術中及び術後の止血が、止血が正常な対象に行った外科手術の種類について予測されたものとおおむね同程度に良好であった。
・中度:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いた術中及び術後の止血が、行った処置の種類について最適なものを明らかに下回ったが、rVWF濃度を変更する必要なく維持された。
・なし:適切な投薬にもかかわらず不十分な治療応答に起因した制御されない出血が参加者に認められ、rVWF濃度の変更が必要とされた。
副次的な評価基準:
#1:執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]。予測血液損失は、参加者と性別、年齢、身長、及び併存疾患が同じである、止血が正常な個人を基に、執刀医が術前に推定した。実血液損失は、麻酔医の記録に準じ、手術中のスワブ、タオル、及び吸引へのものを含め、予測血液損失からなった。
#2:予測血液損失と比べた術中の実血液損失[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]。予測血液損失と比べた実血液損失は、[実血液損失(mL)]を[予測血液損失(mL)]で割ったものに100を掛けて計算した。
#3:執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失スコア[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
・止血有効性を、優良-良好-中度-なしのスケールで格付けした。
・優良:術中血液損失は、止血が正常な対象に行った手術の種類について予測された最大血液損失以下であった(100%以下)。
・良好:術中血液損失は、止血が正常な対象に行った手術の種類についての最大予測血液損失より最大で50%大きかった(101~150%)。
・中度:術中血液損失は、止血が正常な対象に行った手術の種類についての最大予測血液損失より50%大きかった(150%超)。
・なし:凝固因子代替レジメンの変更が必要とされた、適切な投薬にもかかわらず不十分な治療応答に起因した制御されない出血。
#4:執刀医が評定した術中止血有効性スコア[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
・止血有効性を、優良-良好-中度-なしのスケールで格付けした。
・優良:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いて達成した術中の止血は、止血が正常な対象に行った外科手術の種類について予測されたものと同程度に良好またはそれよりも良好であった。
・良好:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いて達成した術中の止血は、止血が正常な対象に行った外科手術の種類について予測されたものとおおむね同程度に良好であった。
・中度:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFを用いた術中の止血は、行った処置の種類について最適なものを明らかに下回ったが、rVWF濃度を変更する必要なく維持された。
・なし:適切な投薬にもかかわらず不十分な治療応答に起因した制御されない出血が参加者に認められ、rVWF濃度の変更が必要とされた。
#5:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFの術中及び術後の重量調整日用量[タイムフレーム:毎日、手術日から術後14日目(±2日)まで]
#6:有害事象の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]。治療に関係がある有害事象(TEAE)及び治療に関係がある重篤な有害事象(TESAE)を評価した。
#7:血栓事象の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]。血栓事象について、治療に関係がある有害事象(TEAE)及び治療に関係がある重篤な有害事象(TESAE)を評価した。
#8:重篤なアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]。重篤なアレルギー反応について、治療に関係がある有害事象(TEAE)及び治療に関係がある重篤な有害事象(TESAE)を評価した。
#9:フォンヴィレブランド因子(VWF)に対する阻害性及び全結合性抗体、ならびに第VIII因子(FVIII)に対する阻害性抗体が生じた参加者の数[タイムフレーム:試験は、スクリーニング時、PK注入前、手術前、過剰な出血または説明のつかない出血の場合に手術後、術後7日目、及び試験終了来院時(すなわち、手術から14(±2)日後)にわたって行った]。ADVATEと併せたまたはADVATEと併せなかった組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)により、参加者を治療した。
#10:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質、マウス免疫グロブリンG(IgG)、または組換えフューリン(rフューリン)に対する抗体を生じた参加者の数[タイムフレーム:試験は、スクリーニング時、PK注入前、手術前、過剰な出血または説明のつかない出血の場合に手術後、術後7日目、及び試験終了来院時(すなわち、手術から14(±2)日後)にわたって行った。]ADVATEと併せたまたはADVATEと併せなかった組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)により、参加者を治療した。
#11:薬物動態:注入から0~72時間後の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC0~72時間/用量)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とした。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。注入から0~72時間後の血漿濃度/時間曲線下面積を、線形台形法則を使用して計算した。AUC(0~72h)の計算のため、72時間でのレベルを2つの最も近いサンプリング時点から線形内挿/外挿した。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)、FVIII凝固活性(FVIII:C)。
#12:薬物動態:時間0から無限大時間の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC0~∞/用量)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とした。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。時間0から無限大時間の血漿濃度/時間曲線下面積及び時間0から無限大時間の一次モーメント曲線下面積は、時間0から最後の定量化可能な濃度の時間までのAUCまたはAUMCに、それぞれCt/λz及びCt/λz(t+1/λz)として計算した尾部面積補正を足した合計として計算し、ここで、Ctは、最後の定量可能な濃度であり、tは、最後の定量可能な濃度の時間であり、λzは、終末相または動態速度定数であった。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)、FVIII凝固活性(FVIII:C)。
#13:薬物動態:平均滞留時間(MRT)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とした。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。平均滞留時間は、時間0から無限大時間の一次モーメント曲線下面積を時間0から無限大時間の曲線下面積で割り、T/2を引いたものとして計算し、ここで、Tは注入の期間であった。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)。
#14:薬物動態:クリアランス(CL)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とした。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。クリアランスは、用量(IU/kg)を時間0から無限大時間の曲線下面積で割ったものとして計算した。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)。
#15:薬物動態:段階的回収率(IR)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とした。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。段階的回収率は、(Cmax-C注入前)を用量(IU/kg)で割ったものとして計算し、kgは投薬時の体重を指し、Cmaxは注入前の値に対する補正前の観察された最大濃度であった。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)。
#16:薬物動態:排出相半減期(T1/2)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とする。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。終末相または動態半減期(T1/2)は、ln2/λzとして計算し、ここで、λzは、少なくとも3つの定量化可能な濃度を使用してWinNonlin NCAにおいて計算した終末相排出速度定数であった。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)。
#17:薬物動態:定常状態での分布容積(Vss)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]この評定は、大手術を受ける対象のみに必須とする。対象に、手術の42日前以内に50±5IU/kgのrVWF:RCoの用量でPK注入を施した。Vssは、クリアランスに平均滞留時間を掛けたものとして計算した。以下の分析物に対してPK分析を行った:VWFリストセチン補因子活性(VWF:RCo)、VWF抗原活性(VWF:Ag)、VWFコラーゲン結合活性(VWF:CB)、INNOVANCE VWF Acアッセイ測定VWF活性(VWF:Ac)。
適格性基準:
試験に適格とされる年齢:18歳以上、試験に適格とされる性別:すべて
組み入れ基準:
以下に列挙する重度のフォンヴィレブランド病(VWD)と診断されていること、及び待機外科手術が計画されていること:
・1.1型(フォンヴィレブランド因子:リストセチン補因子活性(VWF:RCo)が20IU/dL未満)、または
・2.2A型(多量体パターンにより確認)、2B型(表現型により診断)、2N型(FVIII:Cが10%未満であり、遺伝子学が過去に確認されている)、2M型、または
・3.3型(フォンヴィレブランド因子抗原(VWF:Ag)3IU/dL以下)
出血を制御するためにフォンヴィレブランド因子(VWF)濃縮物による代替療法を必要とした前歴があるVWD。
3型VWD(VWF抗原/VWF:Agが3IU/dL以下)の場合、参加者は、少なくとも20日のVWF/FVIII凝固因子濃縮物(寒冷沈降物または新鮮な凍結血漿を含む)への曝露の医療歴を有すること。
1型または2型VWDの場合、参加者は、5日の曝露、またはVWF/FVIII凝固因子濃縮物(寒冷沈降物または新鮮な凍結血漿を含む)を必要とする過去の大手術の医療歴を有すること。
参加者は、少なくとも18歳であったこと。
妊娠の可能性がある女性である場合、参加者は、陰性の妊娠検査を提示すること。
該当する場合、参加者は、試験期間中、適正な避妊方法の使用に同意すること。
参加者は、治験実施計画書の要件を遵守する意思があり、それが可能であること。
選択された除外基準:
偽性VWDまたは別の遺伝性もしくは後天性凝固障害(例えば、質的及び数的血小板障害または1.4超の上昇したプロトロンビン時間[PT]/国際標準比[INR])であると診断されている。
スクリーニング時にVWF阻害剤の前歴または存在がある。
力価が0.4BU以上(ナイメゲン変法ベセスダアッセイにより)または0.6BU以上(ベセスダアッセイによる)である第VIII因子(FVIII)阻害剤の前歴または存在がある。
マウスまたはハムスターのタンパク質などの、被験薬物の成分のいずれかに対する過感受性が分かっている。
季節性アレルギー性鼻炎/結膜炎、軽度の喘息、食物アレルギー、または動物アレルギーを除く免疫障害の病歴を有する。
血栓塞栓事象の病歴を有する。
CD4絶対数が200/mm3未満のHIV陽性である。
血小板数が100,000/mL未満である。
次のうちのいずれかから明らかな重大な肝臓疾患と診断されている参加者:正常な上限の5倍である血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、低アルブミン血症、門脈高血圧(例えば、他の理由では説明できない脾腫の存在、食道静脈瘤の前歴)、または小児BもしくはCと分類された肝硬変。
クレアチニンレベルが2.5mg/dL以上の腎臓疾患と診断されている。
インフォームドコンセントに署名する前30日以内に、局所治療(例えば、軟膏、鼻腔用スプレー)を除く免疫調節薬による治療を受けたことがある参加者。
インフォームドコンセント取得時に妊娠中または授乳中であった参加者。
登録前30日以内にADVATEと併せたもしくはADVATEと併せなかったrVWF以外の治験薬(IP)、または治験医療機器が関与する別の臨床試験に参加しているか、あるいは本試験の経過中にIPまたは治験デバイスが関与する別の臨床試験に参加する予定があった参加者。しかしながら、rVWF予防試験(071301)に参加している適格患者は登録してもよい。
進行性の致死的疾患を有する及び/または寿命が3か月未満である。
結果:
登録は、10か国(米国、オーストラリア、台湾、ドイツ、ロシア、スペイン、ウクライナ、英国、イタリア、トルコ)、14か所の施設で実施した。
(表6)報告群
Figure 0007326246000018
(表6)参加者:試験全体
Figure 0007326246000019
(表7)ベースライン測定
Figure 0007326246000020
主要評価項目:評価項目#1
(表8)評価基準
1.主要項目:治験責任医師(血友病医)が評定した全体止血有効性[タイムフレーム:最後の周術期注入の24時間後または14日目(±2日)の来院の終了時のいずれか早い方]。
(表9)主要評価項目#1
Figure 0007326246000021
集団説明評価項目#1
大手術、小手術、及び口腔手術を受ける参加者の数と、フォンヴィレブランド1型、2A型、2B型、2M型、及び3型を患う参加者の数とを合計すると、分析した参加者の全体数となる。治験薬を服用し、少なくとも1回の止血評定を受けるすべての参加者を含む完全分析データセットを分析に使用した。
(表10)報告群評価項目#1
Figure 0007326246000022
(表11)測定値評価項目#1
Figure 0007326246000023
副次的な評価項目:評価項目#2
2.副次項目:執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
(表12)主要評価項目#2
Figure 0007326246000024
集団説明評価項目#2
予測血液損失について、1人の参加者(大手術報告群に含まれた)の予測血液損失が収集されなかったため、分析した参加者の数は14人であった。治験薬を服用し、少なくとも1回の止血評定を受けたすべての参加者を含む完全分析データセットを分析に使用した。
(表13)報告群評価項目#2
Figure 0007326246000025
(表26)測定値評価項目#2
Figure 0007326246000026
[1] 1人の参加者しか分析しなかったため、標準偏差は有り得ない。
執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#3
3.副次項目:予測血液損失と比べた術中の実血液損失[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
(表14)評価項目#3
Figure 0007326246000027
集団説明評価項目#3
3人の参加者の実血液損失及び予測血液損失がゼロであり、1人の参加者の予測血液損失が収集されなかったため、分析した参加者の数は11人であった。したがって、「予測血液損失と比べた実血液損失」を計算することができなかった。この評価項目の分析には、完全分析データセットを使用した。
(表15)報告群評価項目#3
Figure 0007326246000028
(表16)測定値
Figure 0007326246000029
[1] 1人の参加者しか分析しなかったため、標準偏差は有り得ない。
予測血液損失と比べた術中の実血液損失に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#4
4.副次項目:執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失スコア[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
(表17)評価項目#4
Figure 0007326246000030
(表18)集団説明評価項目#4
Figure 0007326246000031
(表19)報告群評価項目#4
Figure 0007326246000032
(表20)測定値評価項目#4
Figure 0007326246000033
執刀医が評定した術中の実血液損失対予測血液損失スコアに関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#5
5.副次項目:執刀医が評定した術中止血有効性スコア[タイムフレーム:0日目(手術完了時)]
(表21)評価項目#5
Figure 0007326246000034
(表22)集団説明評価項目#5
Figure 0007326246000035
(表23)報告群評価項目#5
Figure 0007326246000036
(表24)測定値評価項目#5
Figure 0007326246000037
執刀医が評定した術中止血有効性スコアに関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#6
6.副次項目:ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFの術中及び術後の重量調整日用量[タイムフレーム:毎日、手術日から術後14日目(±2日)まで]
(表25)評価項目#6
Figure 0007326246000038
(表25)集団説明評価項目#6
Figure 0007326246000039
(表40)報告群評価項目#6
Figure 0007326246000040
(表26):測定値評価項目#6
Figure 0007326246000041
Figure 0007326246000042
Figure 0007326246000043
ADVATEと併せたrVWFまたはADVATEと併せなかったrVWFの術中及び術後の重量調整日用量に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#7
7.副次項目:有害事象の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]。
(表27)評価項目#7
Figure 0007326246000044
(表28)集団説明評価項目#7
Figure 0007326246000045
(表29)報告群評価項目#7
Figure 0007326246000046
(表30)測定値
Figure 0007326246000047
有害事象の発生に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#8
8.副次項目:血栓事象の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]
(表31)評価項目#8
Figure 0007326246000048
(表32)集団説明評価項目#8
Figure 0007326246000049
(表33)報告群
Figure 0007326246000050
(表34)測定値評価項目#8
Figure 0007326246000051
血栓事象の発生に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#9
9.副次項目:重篤なアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)の発生[タイムフレーム:治験薬の最初の注入から試験完了まで(すなわち、手術から14(±2)日後)まで]
(表35)評価項目#9
Figure 0007326246000052
(表36)集団説明評価項目#9
Figure 0007326246000053
(表37)報告群評価項目#9
Figure 0007326246000054
(表38)測定値評価項目#9
Figure 0007326246000055
重篤なアレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)の発生に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#10
10.副次項目:フォンヴィレブランド因子(VWF)に対する阻害性及び全結合性抗体、ならびに第VIII因子(FVIII)に対する阻害性抗体が生じた参加者の数[タイムフレーム:試験は、スクリーニング時、PK注入前、手術前、過剰な出血または説明のつかない出血の場合に手術後、術後7日目、及び試験終了来院時(すなわち、手術から14(±2)日後)にわたって行った。]
(表39)集団説明評価項目#10
Figure 0007326246000056
(表40)集団説明評価項目#10
Figure 0007326246000057
(表41)報告群評価項目#10
Figure 0007326246000058
(表55)測定値評価項目#10
Figure 0007326246000059
フォンヴィレブランド因子(VWF)に対する阻害性及び全結合性抗体、ならびに第VIII因子(FVIII)に対する阻害性抗体が生じた参加者の数に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#11
11.副次項目:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質、マウス免疫グロブリンG(IgG)、または組換えフューリン(rフューリン)に対する抗体を生じた参加者の数[タイムフレーム:試験は、スクリーニング時、PK注入前、手術前、過剰な出血または説明のつかない出血の場合に手術後、術後7日目、及び試験終了来院時(すなわち、手術から14(±2)日後)にわたって行った。]
(表42)評価項目#11
Figure 0007326246000060
(表43)集団説明評価項目#11
Figure 0007326246000061
(表44)報告群評価項目#11
Figure 0007326246000062
(表59)測定値評価項目#11
Figure 0007326246000063
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)タンパク質、マウス免疫グロブリンG(IgG)、または組換えフューリン(rフューリン)に対する抗体を生じた参加者の数に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#12
12.副次項目:薬物動態:注入から0~72時間後の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC0~72時間/用量)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表45)評価項目#12
Figure 0007326246000064
(表46)集団説明評価項目#12
Figure 0007326246000065
(表47)報告群評価項目#12
Figure 0007326246000066
(表48)測定値評価項目#12
Figure 0007326246000067
薬物動態:注入から0~72時間後の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC0~72時間/用量)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#13
13.副次項目:薬物動態:時間0から無限大時間の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC 0~∞/用量)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表49)評価項目#13
Figure 0007326246000068
(表50)集団説明評価項目#13
Figure 0007326246000069
(表51)報告群評価項目#13
Figure 0007326246000070
(表52)測定値
Figure 0007326246000071
薬物動態:時間0から無限大時間の血漿濃度対時間曲線下面積(AUC 0~∞/用量)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#14
14.副次項目:薬物動態:平均滞留時間(MRT)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表53)評価項目#14
Figure 0007326246000072
(表54)集団説明評価項目#14
Figure 0007326246000073
(表55)報告群評価項目#14
Figure 0007326246000074
(表56)測定値
Figure 0007326246000075
薬物動態:平均滞留時間(MRT)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#15
15.副次項目:薬物動態:クリアランス(CL)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表57)評価項目#15
Figure 0007326246000076
(表58)集団説明評価項目#15
Figure 0007326246000077
(表59)報告群評価項目#15
Figure 0007326246000078
(表60)測定値
Figure 0007326246000079
薬物動態:クリアランス(CL)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#16
16.副次項目:薬物動態:段階的回収率(IR)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表61)評価項目#16
Figure 0007326246000080
(表77)集団説明評価項目#16
Figure 0007326246000081
(表62)報告群評価項目#16
Figure 0007326246000082
(表63)測定値評価項目#16
Figure 0007326246000083
薬物動態:段階的回収率(IR)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#17
17.副次項目:薬物動態:排出相半減期(T1/2)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表64)評価項目#17
Figure 0007326246000084
(表65)集団説明評価項目#17
Figure 0007326246000085
(表66)報告群評価項目#17
Figure 0007326246000086
測定値
Figure 0007326246000087
薬物動態:排出相半減期(T1/2)に関する統計分析は提供せず。
副次的な評価項目:評価項目#18
18.副次項目:薬物動態:定常状態での分布容積(Vss)[タイムフレーム:PK測定は、注入の30分前以内、ならびに注入から30(±5)分後、60(±5)分後、6(±1)時間後、12(±1)時間後、24(±2)時間後、48(±2)時間後、及び72(±2)時間後に行った。]
(表67)評価項目#18
Figure 0007326246000088
(表68)集団説明評価項目#18
Figure 0007326246000089
(表69)報告群評価項目#18
Figure 0007326246000090
測定値評価項目#18
Figure 0007326246000091
薬物動態:定常状態での分布容積(Vss)に関する統計分析は提供せず。
上に示した実施例は、本発明の組成物、システム、及び方法の実施形態を作製及び使用する方法の完全な開示及び説明を当業者に付与するために提供されており、本発明者らが自身の発明とみなすものの範囲を限定することを意図しない。当業者には明らかである本発明を実行するための上記した様式の修正は、以下の特許請求の範囲の内であることが意図される。本明細書で言及するすべての特許及び刊行物は、本発明が属する分野の当業者のレベルを示す。本開示で引用されるすべての参考文献は、各参考文献全体が個別に参照により組み込まれているのと同程度に、参照により組み込まれる。
すべての見出し及び節の名称は、明確化及び参照目的のみで使用されるものであり、いかようにも限定するものとして解釈すべきでない。例えば、当業者であれば、本明細書に記載の発明の主旨及び範囲に従い、適宜、異なる見出し及び節からの様々な態様を組み合わせることの有用性を理解するであろう。
本明細書で引用されるすべての参考文献は、ここに、個々の刊行物または特許もしくは特許出願の各々が、すべての目的でそれらの全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されているのと同程度に、その全体が参照により、またすべての目的で、本明細書に組み込まれる。
当業者には明らかとなるように、本出願の多くの修正及び改変を、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことがきできる。本明細書に記載の具体的な実施形態及び実施例は、例として提供されるにすぎず、本出願は、添付の特許請求の範囲の条項、及び特許出願の範囲が権限を有する同等物の全範囲によってのみ制限される。

Claims (21)

  1. 外科手術前に、重度のフォンヴィレブランド病(VWD)を患う対象の前処置を行うための組成物であって、前記前処置が、組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)を前記外科手術の12時間~24時間前に前記対象に投与することを含み、第VIII因子(FVIII)が、前記外科手術前に前記VWFとともに投与されず、前記組成物が、20~60IU/kgの組換えフォンヴィレブランド因子(rVWF)を含み、かつ、前記rVWFが、少なくとも10サブユニットを含む極めて多量体であるrVWFを含む、前記組成物。
  2. 前記前処置が、5~90IU/kgのrVWFを前記外科手術の1時間前に前記対象に投与することをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. FVIIIが前記外科手術の後に投与されない、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記外科手術が、大手術、小手術、及び口腔手術からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記対象に、50~60IU/kgのrVWFが前記外科手術の12時間~24時間前に投与され、前記外科手術が小外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記対象に、35~60IU/kgのrVWFが前記外科手術の12時間~24時間前に投与され、前記外科手術が大外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記対象に、20~40IU/kgのrVWFが前記外科手術の12時間~24時間前に投与され、前記外科手術が口腔外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記対象に、5~50IU/kgのrVWFが前記外科手術の1時間前に投与され、前記外科手術が小外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記対象に、15~90IU/kgのrVWFが前記外科手術の1時間前に投与され、前記外科手術が大外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記対象に、20~50IU/kgのrVWFが前記外科手術の1時間前に投与され、前記外科手術が口腔外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記対象に、10~50IU/kgのrVWFが前記外科手術中に投与され、前記外科手術が口腔外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記対象に、70~220IU/kgのrVWFが前記外科手術の後に投与される、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記対象に、70~150IU/kgのrVWFが前記外科手術の後に投与され、前記外科手術が小外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記対象に、150~220IU/kgのrVWFが前記外科手術の後に投与され、前記外科手術が大外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記対象に、20~50IU/kgのrVWFが前記外科手術の後に投与され、前記外科手術が口腔外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記対象に、100~220IU/kgの総用量のrVWFが投与され、前記外科手術が小外科手術である、請求項1に記載の組成物
  17. 前記対象に、220~320IU/kgの総用量のrVWFが投与され、前記外科手術が大外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記対象に、70~190IU/kgの総用量のrVWFが投与され、前記外科手術が口腔外科手術である、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記外科手術が大外科手術であり、前記前処置が、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを前記外科手術の前に投与することを含む、請求項1に記載の組成物。
  20. 前記外科手術が小外科手術であり、前記前処置が、前記外科手術の前に少なくとも2用量のrVWFを投与することを含み、第1の用量が、第2の用量より多い、請求項1に記載の組成物。
  21. 前記外科手術が口腔外科手術であり、前記前処置が、ほぼ等しい少なくとも2用量のrVWFを前記外科手術の前に投与することを含む、請求項1に記載の組成物。
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