以下、実施形態に係る物品移動装置およびその制御装置について、図1から図11を参照して説明する。物品移動装置は、物品を集積領域から所望の領域に移動させる装置であり、例えば物流センタなどで稼働する物流システムを構成する装置の一つである。制御装置は、かかる物品移動装置において物品の移動制御を行う装置である。物品は、宅配物、小包、郵便物等を含む荷物、各種の部品や製品など、移動の対象となり得る有形物である。物品の形態(大きさ、形状、重量、梱包状態など)は、一律ではなく多種多様である場合を想定するが、一律であってもよい。
図1には、本実施形態の物品移動装置1を垂直方向の上方から模式的に示す。図1に示すように、物品移動装置1は、ロボットアーム2と、検出装置3と、搬送装置4と、制御装置5とを備えて構成されている。
ロボットアーム2は、集積領域60に集積された物品6をピッキングし、ピッキングした物品6を集積領域60から搬送装置4に移動させる。図1に示すように、ロボットアーム2は、基台部21と、アーム部22と、エンドエフェクタ23とを備えて構成されている。
基台部21は、例えば物流センタの建屋の床面に位置決め固定されている。ただし、基台部21は、このように位置決め固定されることなく、床面に対して移動可能となっていてもよい。例えば、床面に敷設したガイドレールなどに沿って基台部21をスライド可能に支持する構成としてもよい。これにより、ロボットアーム2を床面に対して移動させることが可能となる。
アーム部22は、基台部21との接続部位である基端から先端まで、複数の関節部で連結されて伸長している。アーム部22は、関節部によって複数に細分され、各部分が関節部において所定の軸まわりに回動可能とされている。これにより、アーム部22は、基台部21に対して所望の姿勢とされ、所定範囲内において自由に変位(動作)する。所定範囲(つまり、可動範囲)には、物品6の集積領域60および物品6の移動先である搬送装置4が含まれている。したがって、アーム部22の各部分を軸まわりに回動させることで、アーム部22を集積領域60や搬送装置4に対して変位させることが可能となる。なお、関節部および軸の数は、アーム部22に要求される動作精度や可動範囲などに応じて任意に設定すればよい。
エンドエフェクタ23は、アーム部22の先端に着脱自在に取り付けられており、物品6を解放可能に把持する把持機構を備えている。把持は、例えば吸着、挟持など、物品6の保持態様全般を包含する概念として規定される。本実施形態では一例として、エンドエフェクタ23は、エアによって物品6の吸着と解放を行う。したがって、把持機構は、ベース部、吸着部、真空発生器、コンプレッサ、電磁弁、圧力センサ(いずれも図示省略)などを含んで構成される。これにより、ロボットアーム2は、集積領域60に集積された物品6を把持機構の吸着部で吸着し、吸着した物品6を搬送装置4の上で解放することで、集積領域60から搬送装置4まで物品6を移動可能とされている。物品6の移動の詳細については、後述する。
検出装置3は、ロボットアーム2における物品6の把持状況と、把持されている物品6の形態を検出する。具体的には、エンドエフェクタ23に物品6が吸着されているか否かを検出するとともに、吸着されている場合、その物品6の大きさを検出する。物品6の大きさは、所定平面上で直交する2つの方向(以下、縦と横という)と、これらと直交する方向(以下、高さという)の3方向の長さである。検出にあたって、検出装置3は、エンドエフェクタ23に吸着された物品6の吸着面を所定平面とし、該吸着面の交わる2辺を縦と横、縦横の2辺の交点に連続する辺の長さを高さ(吸着面までの高さ)としてそれぞれ規定する。そして、検出装置3は、物品6の縦、横、高さの比率を検出するとともに、物品6の重心を検出する。
検出装置3による物品6の形態の検出について、図2に示す物品6a(六面体)を例にさらに説明する。物品6aにおいて、エンドエフェクタ23に吸着され得る吸着面は、第1面61s、第2面62s、第3面63s(それぞれ各面の反対側の面も含む)のいずれかである。いずれの面が吸着面となるかは、集積領域60における物品6aの積まれ方に応じて決まる。すなわち、集積領域60に積まれた状態で最も上方に位置付けられている面が吸着面となる。
図3には、エンドエフェクタ23が物品6aを吸着している状態を示す。図3(a)は第1面61s、同図(b)は第2面62s、同図(c)は第3面63sが吸着面となっている状態をそれぞれ示す。検出装置3は、現時点における物品6aの吸着状態(図3(a),(b),(c)のいずれか)について、物品6aの形態の検出を行う。
例えば、図3(a)に示す状態であれば、検出装置3は、物品6aの第1辺61dを縦、第2辺62dを横、第3辺63dを高さとして、各辺の長さとこれらの比率、および重心を検出する。同様に、図3(b)に示す状態であれば、第1辺61dを縦、第3辺63dを横、第2辺62dを高さとし、同図(c)に示す状態であれば、第3辺63dを縦、第2辺62dを横、第1辺61dを高さとして、検出装置3は各辺の長さとこれらの比率、および重心を検出する。
また、図1に示すように、検出装置3は、集積領域60における物品群6sの集積態様を検出する。物品群6sは、集積領域60に集積されている複数の物品6として規定するが、集積されている物品6が1つのみである場合も含む。集積領域60は、物品6が搬送装置4に移動される前に一旦集められた領域であり、例えば荷下ろしされた物品6や前工程が終了した物品6などが収容されているかごの収容領域、該物品6が積載されている台車の積載領域などである。物品群6sの集積態様は、例えば集積された各物品6の輪郭、大きさ、向き、重なり、境界などの態様である。検出装置3によって検出された物品群6sの集積態様に基づいて、エンドエフェクタ23が吸着する物品6とその吸着面が決定される。これらの決定は、制御装置5が行う。
加えて、検出装置3は、ロボットアーム2に把持(吸着)された物品6が解放され、搬送装置4から後述するメインコンベア7に搬送される(合流する)状況、換言すれば搬送装置4からの送り出し状況を検出する。検出装置3によって検出された物品6の送り出し状況に基づいて、制御装置5は、物品6が搬送装置4から送り出され、メインコンベア7を流れているか否かを判定する。
上述した各検出を行うため、検出装置3は、検出部としてカメラを含んでいる。例えば検出部を3Dカメラとした場合、物品6の形態を立体的に捉え、物品群6sの集積態様、物品6の把持状況、把持された物品6の形態、物品6の搬送装置4からの送り出し状況をそれぞれより正確に検出することが可能となる。3Dカメラは、各検出対象に合わせて複数台設置すればよい。ただし、検出部は、2Dカメラであっても構わない。この場合、複数の2Dカメラで集積領域の物品群6s、物品6の把持状況や形態、搬送装置4からの送り出し状況を異なる角度から捉えられるようにすればよい。なお、検出部は、カメラの他、各種の非接触センサを含んでいてもよい。
搬送装置4は、ロボットアーム2が解放した物品6をメインコンベア7に搬送する装置である。メインコンベア7は、物品移動装置1が組み込まれた物流システムが稼働する物流センタなどに設置された装置であり、物品移動装置1が移動させた物品6を仕分けや組み立てなどの次工程に送る。メインコンベア7における物品6の搬送路(第1の搬送部)70は、ループ状や直線状などに構成される。
図4には、搬送装置4の構成を模式的に示す。図4に示すように、搬送装置4は、搬送部(第2の搬送部)41と、物品転倒部42と、姿勢調整部43とを備えて構成されている。搬送部41は、メインコンベア7の搬送路(第1の搬送部)70につながる搬送路を有し、搬送路70へ物品6を搬送するコンベア(以下、サブコンベア41という)である。サブコンベア41の搬送路面は、水平面と平行な同一平面上でメインコンベア7の搬送路面に接続する。
サブコンベア41は、フレーム41aと、複数のローラ41bと、これらのローラ41bを回転させるアクチュエータ41cとを有している。フレーム41aは、4つのフレーム部を含んでいる。第1フレーム部411および第2フレーム部412は、サブコンベア41が物品6を搬送させる方向(図4において矢印SCで示す方向。以下、流れ方向SCという)に沿って、互いに平行に配置されている。第3フレーム部413および第4フレーム部414は、メインコンベア7が物品6を搬送させる方向(図4において矢印MCで示す方向。以下、流れ方向MCという)に沿って互いに平行に配置されている。
なお、流れ方向MCに流れ方向SCが合流する角度(図4に示すθ1)は、特に限定されない。角度θ1は、例えばサブコンベア41の流れ方向SCの長さ(搬送長)や物品移動装置1の設置スペースなどに応じて鋭角に設定すればよい。搬送装置4は、流れ方向SCが流れ方向MCに角度θ1で合流するように配置される。この状態において、搬送装置4は、第3フレーム部413をメインコンベア7からわずかに離して位置付けられる。
図4および図5に示すように、ローラ41bは、周面が物品6aと接触する搬送面に相当する円柱状をなし、軸芯41xを中心に回転可能な部材である。ローラ41bは、軸芯41xを流れ方向SCと直交させるように、4つのフレーム部411,412,413,414で囲まれたフレーム領域に複数配置されている。これらのローラ41bは、フレーム領域に所定間隔をあけて並列に架け渡されている。
アクチュエータ41cは、各ローラ41bを軸芯41xを中心にそれぞれ回転させる駆動機構である。サブコンベア41で物品6を搬送させる際、アクチュエータ41cは、制御装置5によって動作が制御され、各ローラ41bをそれぞれ同期して回転させる。
物品転倒部42は、物品6を倒してサブコンベア41に送る(進入させる)。
図6には、物品転倒部42の構成を模式的に示す。図6(a)に示すように、物品転倒部42は、サブコンベア41に向けて前傾(下降)する傾斜路42aを含んで構成されている。サブコンベア41に対して傾斜路42aが前傾する角度(図6(a)に示す角度θ2)は、特に限定されない。角度θ2は、例えばロボットアーム2の可動に支障のない範囲で、物品6の大きさなどに応じて任意に設定すればよい。傾斜路42aは、ロボットアーム2のエンドエフェクタ23から解放された物品6を受け止め、受け止めた物品6をサブコンベア41へ向けて滑らせる。物品6は、傾斜路42aに受け止められ、傾斜路42aを滑り落ちる際に転倒する(横倒しされる)。
図6(b)に示すように、傾斜路42aは、物品6の送り方向(図6(a),(b)において矢印SLで示す方向。以下、送り方向SLという)に沿った複数(一例として、3列)の送り部421を有する。送り部421の各列には、複数の回転体42bが軸芯42xを送り方向SLと直交させ、軸芯42x(図6(a))を中心に回転可能に配置されている。回転体42bは、直径に対して軸芯42x方向の寸法が短尺のローラである。3列の送り部421のうちの一列は、傾斜路42aの幅方向(送り方向SLと直交する方向)の中間に位置し、その両側に一列ずつ送り部421が等間隔で位置している。図4および図6(b)に示す一点鎖線L1は、物品転倒部42における傾斜路42aの幅方向の中間線である。
これにより、図6(c)に示すように、傾斜路42aで受け止められた物品6a(二点鎖線で示す状態)は、その自重によって傾斜路42aを滑り落ちる際、複数の回転体42bと接触してこれらを回転させる。そして、回転体42bが回転することで、物品6aは、転倒しつつ、サブコンベア41へ向けて送られる(図6(c)に実線で示す状態)。
なお、送り部421の数は、2列以下でも、4列以上であっても構わない。送り部421の回転体42bの数も特に限定されない。また、本実施形態において、傾斜路42aは送り部421を有しているが、傾斜路を滑り落ちる際に物品6を転倒させることが可能であれば、送り部421は省略してもよい。例えば傾斜路が前傾する角度θ2を調整することや傾斜路を滑面とすることなどにより、送り部421を省略することが可能である。
物品転倒部42は、送り方向SLが流れ方向MCおよび流れ方向SCのいずれに対しても傾いて合流するように、例えばサブコンベア41のフレーム41aに固定部材42cで固定されている。本実施形態では一例として、送り方向SLが流れ方向MCに合流する角度(図6(b)に示すθ3)は、流れ方向SCが流れ方向MCに合流する角度θ1よりも小さい。
姿勢調整部43は、サブコンベア41を搬送される(流れる)物品6の向きを変更する。この場合、姿勢調整部43は、メインコンベア7を搬送される(流れる)物品6の姿勢(以下、搬送姿勢という)が所望の姿勢となるように、サブコンベア41を流れる該物品6の姿勢(以下、合流姿勢という)を所望の姿勢に調整する。搬送姿勢の所望姿勢は、物品6の長手方向が流れ方向MCに沿った姿勢(以下、基準搬送姿勢という)である。合流姿勢の所望姿勢は、物品6の長手方向が流れ方向SCに沿った姿勢(以下、基準合流姿勢という)である。すなわち、物品6を基準合流姿勢でサブコンベア41からメインコンベア7へ合流させることで、合流した物品6は、基準搬送姿勢でメインコンベア7を流れる。
図7には、姿勢調整部43の構成を模式的に示す。図7に示すように、姿勢調整部43は、サブコンベア41を流れる物品6と干渉可能な干渉部材43aと、干渉部材43aを昇降させる昇降機構43bとを含んで構成されている。昇降機構43bは、サブコンベア41を流れる物品6と干渉する状態および干渉しない状態のいずれかに、干渉部材43aを変位させる変位機構である。図7(a)は、物品6と干渉しないように干渉部材43aが下降した状態、同図(b)は、物品6と干渉可能に干渉部材43aが上昇した状態をそれぞれ示す図である。
干渉部材43aは、サブコンベア41を流れる物品6を損傷させることなく干渉することが可能であれば、その形態は限定されない。本実施形態では一例として、干渉部材43aを丸棒体としている。干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間に配置され、これらのローラ41bの間から昇降する(図4参照)。したがって、干渉部材43aの直径は、隣り合うローラ41bの間の最短距離よりも小さい。干渉部材43aの配置は、所定の基準線に基づいて設定される。基準線は、傾斜路42aのサブコンベア41との交差線と、傾斜路42aの幅方向の中間線(図4に示す一点鎖線L1)との交点位置Pから流れ方向SCに沿って延長した境界線(図4に示す二点鎖線で示す直線L2)である。交差線は、傾斜路42aをサブコンベア41の搬送路面の法線方向(上方)から見た時に送り方向SLの終端側とサブコンベア41とが交差する線(図4に示す二点鎖線LC)である。本実施形態において、交差線(LC)は、傾斜路42aの送り方向SLの下端部の辺に相当する。図4に示すように、干渉部材43aは、境界線(L2)を挟んで区画されるサブコンベア41の2つの領域のうち、流れ方向MCのより下流側に位置する領域(以下、配置領域という)に配置される。干渉部材43aは、配置領域の任意の位置に配置すればよいが、配置領域においてメインコンベア7の近傍に位置付けられるように配置することが好ましい。
昇降機構43bは、干渉部材43aをサブコンベア41の搬送路面の法線方向(ただし向きは考慮しない)に昇降させる。本実施形態では、サブコンベア41の搬送路面を水平面と平行としているため、昇降機構43bは、干渉部材43aを垂直方向に沿って上下に昇降させる。これにより、干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間で、サブコンベア41の搬送路面に対して突き出た状態もしくは引っ込んだ状態のいずれかの状態に遷移する。
昇降機構43bは、干渉部材43aを昇降させることが可能であれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では一例として、昇降機構43bをエアシリンダとしている。この他、例えば油圧シリンダや電動アクチュエータなどを昇降機構としてもよい。
図7(a),(b)に示すように、昇降機構43bは、シリンダ本体部431と、エアポンプ432と、開閉弁433と、干渉部材支持部434とを含んで構成されている。
シリンダ本体部431には、例えば上昇チャンバと下降チャンバが内部に設けられ、これらのチャンバの間には、これらを仕切る可動体(ピストン)が介在している。可動体には、干渉部材43aが昇降可能に取り付けられている。エアポンプ432は、シリンダ本体部431に開閉弁433を介してエアを給排する。開閉弁433は、例えば干渉部材43aを上昇させる際に上昇チャンバに対して開き、下降させる際に下降チャンバに対して開く電磁弁である。エアポンプ432および開閉弁433は、いずれも制御装置5(図1)によって動作が制御される。これにより、昇降機構43bは、干渉部材43aを所定のタイミングで昇降させる(詳細は後述)。干渉部材支持部434は、干渉部材43aが挿通され、挿通された干渉部材43aを昇降可能に支持する部材(一例として、リニアブッシュ)である。干渉部材支持部434は、例えばサブコンベア41のフレーム41aなどに固定されている。
制御装置5は、ロボットアーム2、検出装置3、および搬送装置4の動作をそれぞれ制御する。制御装置5は、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含む演算処理部(図示省略)を備えている。演算処理部は、各種データを入出力回路により読み込み、記憶装置からメモリに読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいた制御(物品6の姿勢調整制御)を行う。本実施形態において、制御装置5は、ロボットアーム2、検出装置3、および搬送装置4と有線もしくは無線で接続され、これらとの間で各種データや演算結果などを送受信している。
これにより、制御装置5は、検出装置3を動作制御して検出させたデータ(検出結果)を入出力回路により読み込み、メモリから読み出したプログラムを用いてCPUで演算し、演算結果に基づいてロボットアーム2および搬送装置4(姿勢調整部43)の動作制御をそれぞれ行う。
このような構成をなす物品移動装置1の動作と作用について、ロボットアーム2、検出装置3、および搬送装置4に対する制御装置5の制御フローに従って説明する。図8には、本実施形態の物品移動装置1におけるロボットアーム2、検出装置3、および搬送装置4に対する制御装置5の制御フローをそれぞれ示す。なお、制御装置5は、例えば集積領域60に物品6が集積されている間(集積された物品6がなくなるまで)、物品6の姿勢調整制御を繰り返し行う。
制御装置5は、集積領域60の物品群6sの中から物品6を選択し、ロボットアーム2(エンドエフェクタ23)に把持させる(S101)。その際、制御装置5は、検出装置3によって検出された集積領域60における物品群6sの集積態様のデータ(例えば、画像データ)を解析し、解析した集積態様(輪郭、大きさ、向き、重なり、境界など)に基づいて、把持する物品6を選択する。
物品6が把持されると、制御装置5は、転倒条件を判定する(S102)。転倒条件は、把持された物品6を物品転倒部42で解放させるか否か、換言すれば傾斜路42aに落下させるか否かを判定するための条件である。制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の形態のデータ、具体的には縦、横、高さとこれらの比率に基づいて転倒条件を判定する。本実施形態では一例として、把持された物品6の縦もしくは横のうち、短辺の長さに対する高さの比率(以下、高さ比率という)が所定の閾値(以下、高さ基準値という)以上であれば、転倒条件は満たされる。高さ基準値は、任意に設定可能であり、例えば2以上などとすることができる。高さ基準値は、固定値であっても、物品6の形態によって変動する変動値であってもよい。高さ基準値は、例えば制御装置5の記憶装置に格納され、転倒条件の判定時にパラメータとして読み出される。
例えば、図3(a),(b),(c)に示す各状態において、高さ基準値を一例として2とした場合、転倒条件は次のように判定される。
図3(a)に示すように物品6aが把持されている場合、短辺は第1辺61d、高さは第3辺63dであり、高さ比率(L63/L61)は、2以上である。したがって、この場合は転倒条件を満たす。同様に、図3(b)に示す場合、短辺は第1辺61d、高さは第2辺62dであり、高さ比率(L62/L61)は、2以上である。したがって、この場合も転倒条件を満たす。
これに対し、図3(c)に示す場合、短辺は第3辺63d、高さは第1辺61dであり、高さ比率(L61/L63)は、2未満である。したがって、この場合は転倒条件を満たさない。
S102において転倒条件を満たす場合、つまり高さ比率が高さ基準値以上である場合、制御装置5は、物品6の移動先(解放先)を物品転倒部42に設定する(S103)。
次いで、制御装置5は、把持された物品6が所定の姿勢(以下、第1の解放姿勢という)となるように、ロボットアーム2を動作させる(S104)。第1の解放姿勢は、物品6の把持面(吸着面)の短辺方向が傾斜路42aの送り方向SLと平行となるとともに、物品6の重心が傾斜路42aの幅方向の中間線上(図6(b)に示す一点鎖線L1上)に位置付けられた姿勢である。制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の形態のデータ、具体的には吸着面の短辺方向と重心に基づいてロボットアーム2を動作させ、物品6を第1の解放姿勢に位置付けさせる。
例えば、図3(a),(b)に示すように物品6aが把持されている場合、把持面(吸着面)の短辺方向は、いずれも第1辺61dに沿った方向である。この場合、ロボットアーム2は、把持した物品6aの第1辺61dを送り方向SLと平行に、重心Cを傾斜路42aの幅方向の中間線上に位置付け、物品6aを第1の解放姿勢とする。
物品6を第1の解放姿勢に位置付けた状態で、制御装置5は、物品6の姿勢調整条件を判定する(S105)。姿勢調整条件は、物品6がサブコンベア41を流れる際、物品6の向きを姿勢調整部43で調整する必要があるか否かを判定するための条件である。すなわち、物品6の合流姿勢を基準合流姿勢に調整する必要があるか否かの判定条件である。
制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の形態のデータ、具体的には把持面(吸着面)の短辺と長辺の比率に基づいて姿勢調整条件を判定する。本実施形態では一例として、把持された物品6の短辺に対する長辺の長さ比率(以下、アスペクト比率という)が所定の閾値(以下、アスペクト基準値という)以上であれば、姿勢調整条件は満たされる。アスペクト基準値は、任意に設定可能であり、例えば3以上などとすることができる。アスペクト基準値は、固定値であっても、物品6の形態によって変動する変動値であってもよい。アスペクト基準値は、例えば制御装置5の記憶装置に格納され、姿勢調整条件の判定時にパラメータとして読み出される。
例えば、図3(a),(b)に示す各状態において、アスペクト基準値を一例として3とした場合、姿勢調整条件は次のように判定される。なお、図3(c)に示す状態は、転倒条件を満たし、姿勢調整条件の判定対象外としている。
図3(a)に示すように物品6aが把持されている場合、短辺は第1辺61d、長辺は第2辺62dであり、アスペクト比率(L62/L61)は、3以上である。したがって、この場合は姿勢調整条件を満たす。同様に、図3(b)に示す場合、短辺は第1辺61d、長辺は第3辺63dであり、アスペクト比率(L63/L61)は、3未満である。したがって、この場合は姿勢調整条件を満たさない。
S105において姿勢調整条件を満たす場合、つまりアスペクト比率がアスペクト基準値以上である場合、制御装置5は、姿勢調整部43を作動させる(S106)。この場合、制御装置5は、昇降機構43bを作動させて、干渉部材43aを上昇させる。これにより、干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間で、サブコンベア41の搬送路面に対して突き出た状態となる。この場合、制御装置5は、例えば干渉部材43aの上昇フラグをONとし、その値をメモリに保持する。保持した上昇フラグの値は、後述する姿勢調整終了条件の判定時(S111)にパラメータとして読み出される。上昇フラグの初期値は、OFFである。
これに対し、S105において姿勢調整条件を満たさない場合、つまりアスペクト比率がアスペクト基準値未満である場合、制御装置5は、姿勢調整部43を作動させない。したがってこの場合、干渉部材43aは、上昇せず、サブコンベア41の搬送路面に対して引っ込んだ状態のままとなる。
そして、制御装置5は、把持した物品6をロボットアーム2に解放させる(S107)。すなわち、ロボットアーム2は、物品6を第1の解放姿勢で物品転倒部42の上で解放する。これにより、解放された物品6は、第1の解放姿勢で傾斜路42aに落下する。
例えば、図3(a)に示すように把持された物品6aが第1の解放姿勢で傾斜路42aに落下すると、落下した物品6aは、傾斜路42aを滑り落ちる際に第3面63sを回転体42bに接触させるように転倒する(横倒しされる)(図4x(c)参照)。この時、物品6aは、短辺である第3辺63dが送り方向SLと平行で、長辺である第2辺62dが傾斜路42aの幅方向と平行となる。そして、このように転倒した物品6aは、サブコンベア41に送られる。
図3(a)に示す把持状態の場合、姿勢調整条件を満たすため、サブコンベア41の搬送路面に対して干渉部材43aが突き出た状態となっている(S106)。したがって、サブコンベア41に送られた物品6aは、干渉部材43aと干渉する。
図9には、物品6aと干渉部材43aとの干渉態様の一例を時系列に沿ってそれぞれ示す。物品6aが傾斜路42aで転倒してサブコンベア41に送られると(図9(a))、ローラ41bの回転力による流れ方向SCに対する推進力が作用されて物品6aが干渉部材43aと干渉(接触)する(図9(b))。そして、物品6aに作用さされる推進力の反力によって、物品6aが干渉部材43aまわりに回転する(図9(c))。これにより、サブコンベア41を流れる物品6aの合流姿勢が基準合流姿勢に調整される(図9(d))。この結果、物品6aは、基準合流姿勢でサブコンベア41からメインコンベア7に合流し、基準搬送姿勢でメインコンベア7を流れる。
一方、図3(b)に示すように把持された物品6aが第1の解放姿勢で傾斜路42aに落下すると、落下した物品6aは、傾斜路42aを滑り落ちる際に第3面63sを回転体42bに接触させるように転倒する。この時、物品6aは、図3(a)の場合と異なり、長辺である第2辺62dが送り方向SLと平行で、短辺である第3辺63dが傾斜路42aの幅方向と平行となる。図3(b)に示す状態の場合、姿勢調整条件を満たさないため、サブコンベア41の搬送路面に対して干渉部材43aが引っ込んだ状態となっている(S106)。したがって、物品6aは、サブコンベア41に送られる際、干渉部材43aと干渉することなく、ローラ41bの回転力による流れ方向SCに対する推進力を受けて基準合流姿勢となる。
図10には、第1の解放姿勢で傾斜路42aに落下した物品6aがサブコンベア41を流れる態様の一例を時系列に沿ってそれぞれ示す。物品6aが第1の解放姿勢で傾斜路42aに落下し転倒すると(図10(a))、物品6aは、自重およびローラ41bの回転力による流れ方向SCに対する推進力でサブコンベア41に引っ張られて向きを変える(図10(b))。そのままさらに引っ張られて傾斜路42aからサブコンベア41に送られると、物品6aは基準合流姿勢となり、そのままサブコンベア41を流れる(図10(c))。
また、S102において転倒条件を満たさない場合、つまり高さ比率が高さ基準値未満である場合、制御装置5は、物品6の移動先(解放先)をサブコンベア41に設定する(S108)。
次いで、制御装置5は、把持された物品6が所定の姿勢(以下、第2の解放姿勢という)となるように、ロボットアーム2を動作させる(S109)。第2の解放姿勢は、物品6の短辺方向が流れ方向SCと平行となるとともに、物品6の重心がサブコンベア41の幅方向(流れ方向SCと直交する方向)の中間線上に位置付けられた姿勢である。制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の形態のデータ、具体的には把持面(吸着面)の短辺方向と重心に基づいてロボットアーム2を動作させ、物品6を第2の解放姿勢に位置付けさせる。
例えば、図3(c)に示すように物品6aが把持されている場合、物品6aの短辺方向は、第3辺63dに沿った方向である。この場合、ロボットアーム2は、把持した物品6aの第3辺63dを流れ方向と平行に、重心Cをサブコンベア41の幅方向の中間線上に位置付け、物品6aを第2の解放姿勢とする。
そして、制御装置5は、把持した物品6をロボットアーム2に解放させる(S107)。すなわち、ロボットアーム2は、物品6を第2の解放姿勢でサブコンベア41の上で解放する。これにより、解放された物品6は、第2の解放姿勢でサブコンベア41に落下する。
例えば、図3(c)に示すように把持された物品6aが第2の解放姿勢でサブコンベア41に落下すると、落下した物品6aは、第3面63sをローラ41bに接触させるようにサブコンベア41を流れる。この時、物品6aは、長辺である第2辺62dが流れ方向SCと平行で、短辺である第3辺63dがサブコンベア41の幅方向と平行、つまり基準合流姿勢となる(図1に実線で示す物品6aの状態)。したがって、物品6aは、基準合流姿勢でサブコンベア41からメインコンベア7に合流し、基準搬送姿勢でメインコンベア7を流れる(図1に二点鎖線で示す物品6aの状態)。
把持した物品6が解放されると、制御装置5は、送り出し条件を判定する(S110)。送り出し条件は、解放された物品6が搬送装置4(サブコンベア41)からメインコンベア7へ合流したか否か、換言すればサブコンベア41から送り出されたか否かを判定するための条件である。制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の合流状況(送り出し状況)のデータ(例えば、画像データ)を解析し、送り出し条件の判定を行う。例えば、画像データにおいて、サブコンベア41上から物品6が存在しなくなれば、送り出し条件は満たされる。一方、サブコンベア41上に物品6が存在していれば、送り出し条件は満たされない。制御装置5は、送り出し条件が満たされるまで、送り出し条件の判定を繰り返す。
S110において、送り出し条件を満たす場合、制御装置5は、姿勢調整終了条件を判定する(S111)。姿勢調整終了条件は、物品6がサブコンベア41を流れる際、物品6の向きを姿勢調整部43で調整したか否かを判定するための条件である。本実施形態では、干渉部材43aが上昇しているか否か、一例として上昇フラグがONであるか否かが姿勢調整終了条件として判定される。上昇フラグは、例えばエアポンプ432のON/OFF、開閉弁433の開閉状況などに基づいて、初期値(OFF)からONに設定される。
S111において姿勢調整終了条件を満たす場合、つまり干渉部材43aが上昇している場合、制御装置5は、姿勢調整部43を再び作動させる(S112)。この場合、制御装置5は、昇降機構43bを作動させて、干渉部材43aを下降させる。これにより、干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間で、サブコンベア41の搬送路面に対して引っ込んだ状態となる。この場合、制御装置5は、上昇フラグをOFFにリセットする。
これに対し、S111において姿勢調整終了条件を満たさない場合、つまり干渉部材43aが下降したままである場合、制御装置5は、姿勢調整部43を作動させない。これにより、干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間で、サブコンベア41の搬送路面に対して引っ込んだ状態のまま維持される。この場合、制御装置5は、上昇フラグをOFFのまま維持する。
姿勢終了調整条件にかかわらず、干渉部材43aが下降している状態で、制御装置5は、物品6の姿勢調整制御を終了する。なお上述したとおり、制御装置5は、例えば集積領域60に物品6が集積されている間(集積された物品6がなくなるまで)、物品6の姿勢調整制御を繰り返し行えばよい。
このように、本実施形態の制御装置5を備えた物品移動装置1によれば、物品6の形態に基づいて転倒条件を判定し、その判定結果に応じて物品6の移動先(解放先)を搬送装置4および物品転倒部42(傾斜路42a)のいずれかに振り分けることができる。その際、物品6の高さ比率が高さ基準値以上である場合には、物品6を傾斜路42aによって転倒させてサブコンベア41に送ることができる。このため、サブコンベア41を流れる物品6の背を低くし、物品6を安定させることができる。
また、姿勢調整条件を判定し、その結果に応じて姿勢調整部43で物品6の合流姿勢を調整することができる。その際、物品6のアスペクト比率がアスペクト基準値以上である場合には、干渉部材43aを上昇させ、サブコンベア41の搬送路面に対して突き出た状態とすることができる。これにより、サブコンベア41を流れる物品6を干渉部材43aと干渉させ、その姿勢(合流姿勢)を基準合流姿勢に調整することができる。
そして、物品6の高さ比率が高さ基準値未満である場合、およびアスペクト比率がアスペクト基準値未満である場合には、ロボットアーム2の動作によって物品6の合流姿勢を基準合流姿勢とすることができる。
このため、例えば図3に示す各状態のように、物品6aが吸着され得る第1面61s、第2面62s、第3面63sのいずれが吸着面となった場合であっても、物品6の合流姿勢を基準合流姿勢とすることができる。すなわち、集積領域60における物品群6sの積まれ方にかかわらず、基準合流姿勢でサブコンベア41からメインコンベア7に物品6(6a)を合流させ、所望の姿勢(基準搬送姿勢)でメインコンベア7に流すことができる。したがって、ロボットアーム2の作業負荷を軽減し、その作業効率を低下させることなく、メインコンベア7における物品6の搬送姿勢をより簡易かつ精度よく基準搬送姿勢に整えることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態においては、姿勢調整部43(干渉部材43aおよび昇降機構43b)を固定式としているが、物品6の形態などに応じて位置を変えられる可動式としてもよい。例えば、干渉部材43aおよび昇降機構43bをサブコンベア41の幅方向にスライド移動させる移動機構(ガイドレールとスライダなど)を含んで、姿勢調整部を構成することができる。
また、本実施形態においては、姿勢調整部43(干渉部材43aおよび昇降機構43b)を1つとしているが、複数としてもよい。この場合、1つの昇降機構がすべての干渉部材を昇降させてもよいし、複数の昇降機構で複数の干渉部材を昇降させてもよい。図11には、2つの姿勢調整部43を備えた搬送装置4aの構成例を示す。各々の姿勢調整部43は、干渉部材および昇降部材をそれぞれ1つずつ含む。干渉部材43cは干渉部材43a、昇降機構43dは昇降機構43bといずれも同一である。干渉部材43cは、境界線(L2)を挟んで区画されるサブコンベア41の2つの領域のうち、干渉部材43aと同一の領域に配置され、干渉部材43aよりも境界線(L2)から離間して位置付けられている。なお、搬送装置4aの姿勢調整部43以外の構成は、搬送装置4(図4)と同一であり、図11において同一符号を付す。
複数の干渉部材を設ける場合、制御装置5は、検出装置3によって検出された物品6の形態に基づいて、選択条件を判定する。選択条件は、複数の姿勢調整部43のうちいずれを作動させるか否かを判定するための条件である。制御装置5は、選択条件の判定結果により選択した姿勢調整部43を作動させる。例えば、物品6がサブコンベア41のローラ41bと接触する接触面の長辺の長さに応じて、上昇させる干渉部材を決定すればよい。その際、制御装置5は、かかる長辺の長さを少なくとも1つの所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて上昇させる干渉部材を選択、決定する。これらの比較と決定のステップは、図8に示す制御フローのS105とS106の間に追加する。閾値の数は、干渉部材の数に応じて任意に設定すればよい。このように複数の干渉部材を設けることで、物品群6sに異なる大きさの物品6が混在していた場合であっても、物品6の大きさに応じてより精度よく、合流姿勢を基準合流姿勢とすることができる。
また、本実施形態においては、変位機構を昇降機構43bとし、干渉部材43aをサブコンベア41の搬送路面の法線方向(垂直方向)に沿って昇降させている。すなわち、干渉部材43aは、隣り合うローラ41bの間で、サブコンベア41の搬送路面に対して突き出た状態もしくは引っ込んだ状態のいずれかの状態に遷移する。これに代えて、例えば、搬送路面を覆うカバーやシェードのような被覆部材をサブコンベア41の上方に設け、サブコンベア41をトンネル状の空間を持った構造とする。そして、被覆部材の内面上部や内側面から干渉部材を変位機構で変位させてもよい。変位機構は、例えば物品6と干渉させる場合、干渉部材をトンネル状の空間内に倒し、物品6と干渉させない場合、干渉部材をトンネル状の空間内から引き上げる。