以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1実施形態]
図1は、電力系統の概略の一例を示す図である。一例において、電力系統400は、基幹送電系統402を含む。基幹送電系統402には、火力発電所412、水力発電所413、揚水発電所414、およびPPS(特定規模電気事業者)電源415等の各種発電設備が電気的に接続されてよい。基幹送電系統402に接続される発電設備は、図1に示されるものに限定されない。基幹送電系統402には、他の基幹送電系統との間で連系するための連系線403が接続されてよい。
基幹送電系統402には、複数の送電線10、20が電気的に接続されてよい。複数の送電線10、20は、送電系統とも呼ばれる。送電線10には、揚水発電所424、太陽光発電設備426、および風力発電設備428等の各種の発電設備が電気的に接続されてよい。
送電線10には、第1変圧設備12を介して第1配電系統13が電気的に接続されている。第1変圧設備12は、たとえば、配電用変電所である。第1配電系統13には、分散型電源30および負荷が電気的に接続されてよい。分散型電源30は、たとえば、太陽光発電設備または風力発電設備である。送電線20においても、送電線10と同様に、配電系統が接続されており、配電系統には、分散型電源が電気的に接続されてよい。
本例においては、中央給電指令装置502が基幹送電系統402に接続される各種発電設備を制御している。指令装置500は中央給電指令装置502からの制御指令を受信する。指令装置500は、系統制御所または系統制御装置とも呼ばれる。指令装置500は、送電線10に接続される揚水発電所424、太陽光発電設備426、および風力発電設備428等の各種発電設備に制御指令を送信する。指令装置500は、複数の送電線10、20内の各種発電設備を制御してよい。また、指令装置500は、第1配電系統13に接続される複数の分散型電源30に制御指令を送信して制御してよい。
配電自動化システム1は、第1配電系統13および他の配電系統に設けられた複数の開閉器を制御する。開閉器については後述する。一例において、配電自動化システム1は、停電が発生した場合において、停電区域を局所化して停電時間を短縮する。配電自動化システム1は、電気の安定供給のために設備を維持管理してよい。また、配電自動化システム1は、現場の安全を確保してよい。なお、配電自動化システム1は、開閉器を遠隔で制御するものであればよく、監視システムまたは制御システム等のように他の名称で呼ばれる場合がある。
本実施形態の配電自動化システム1は、上位システムである指令装置500から各発電設備に対して送信される制御情報を取得してよい。配電自動化システム1は、各送電線10、20における送電の混雑度の情報を指令装置500から取得してよい。配電自動化システム1は、指令装置500から取得した各種情報を用いて配電系統内の開閉器を制御する。
図2は、第1実施形態における配電制御装置100の制御内容の一例を示す図である。配電自動化システム1は、配電制御装置100および端末装置101を備える。配電制御装置100は、配電自動化サーバとも呼ばれる。端末装置101は、クライアント端末とも呼ばれる。配電自動化システム1は、複数の端末装置101を有してよい。配電制御装置100と端末装置101とは通信回線を介して通信可能に接続されている。
配電制御装置100は、たとえば、電力会社の統括営業所に設置され、端末装置101は、たとえば、各営業所に設置される。本明細書において、配電制御装置100は、配電系統において開閉器を遠隔で制御する装置であればよく、監視装置、制御装置、監視サーバ、または制御サーバ等のように他の名称で呼ばれる装置であってよい。
配電制御装置100は、指令装置500から、複数の送電線10、20のそれぞれの混雑度に関する情報(以下、混雑情報と称する)を取得する。そして、配電制御装置100は、第1送電線である送電線10および第2送電線である送電線20を含む複数の送電線のそれぞれの混雑度に基づいて開閉器32-1から32-4(開閉器32と総称する場合がある)を制御する。開閉器32-1から32-4は、分散型電源30-1、30-2が電気的に接続される接続先を送電線10および送電線20の間で切り替える。
図2においては、送電線10には、計測器11が設けられている。計測器11は、送電線10の混雑度を算出するために電気計測を実行する。送電線20には、計測器21が設けられている。計測器21は、送電線20の混雑度を算出するために電気計測を実行する。計測器11、21は、たとえば電力計である。計測器11、21による計測結果は、指令装置500によって混雑情報として取得される。
本実施形態において、送電線の混雑度は、各送電線10、20が送電可能な電力を示す送電容量に対する実際の潮流電力の割合(利用率)または、当該割合(利用率)に関連づけられた情報であってよい。一例において、送電線の混雑度は、送電線10、20に接続されている分散型電源30-1から30-4(分散型電源30と総称する場合がある)に対して発電電力を抑制させるための発電抑制指令に関する情報であってもよい。発電抑制の度合いが高くなることは、送電線の混雑度が高くなることに対応する。
指令装置500は、送電線の混雑度に基づいて、分散型電源30-1から30-4に対して発電電力を抑制させるための発電抑制指令を送信してよい。発電抑制情報は、この発電抑制指令の情報であってもよい。混雑度は、実際の混雑状況であってもよく、将来の混雑予測情報であってもよい。
送電線10には、第1変圧設備12を介して第1配電系統13が電気的に接続されている。第1配電系統13は、複数の配電線16-1から16-3を含む。配電線16-1から16-3は、それぞれ、第1変圧設備12を介して送電線10に電気的に接続されている。配電線16-1から16-3と、第1変圧設備12との間には、それぞれフィーダ遮断器(FCB)14-1から14-3が設けられている。フィーダ遮断器14-1から14-3は、配電制御装置100等からの指令を受けると、それぞれの配電線16-1から16-3を送電線10から電気的に遮断する。
送電線20には、第2変圧設備22を介して第2配電系統23が電気的に接続されている。第2配電系統23は、複数の配電線26-1から26-3を含む。配電線26-1から26-3は、それぞれ、第2変圧設備22を介して送電線20に電気的に接続されている。配電線26-1から26-3と、第2変圧設備22との間には、フィーダ遮断器(FCB)24-1から24-3が設けられている。フィーダ遮断器(FCB)24-1から24-3は、配電制御装置100等からの指令を受けると、それぞれの配電線26-1から26-3を送電線20から電気的に遮断する。
複数の分散型電源30-1から30-4は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2を含む。分散型電源30-1は、少なくとも一つの開閉器32-1を介して第1配電系統13に接続可能であるとともに、少なくとも一つの開閉器32-2を介して第2配電系統23にも接続可能である。同様に、分散型電源30-2は、少なくとも一つの開閉器32-3を介して第1配電系統13に接続可能であるとともに、少なくとも一つの開閉器32-4を介して第2配電系統23にも接続可能である。
開閉器32-1および開閉器32-3は、それぞれ第1開閉器の一例である。開閉器32-2および開閉器32-4は、それぞれ第2開閉器の一例である。なお、第1開閉器および第2開閉器は、本例と異なり、それぞれ複数の開閉器が直列に接続されて構成されてよい。
図3は、第1実施形態における配電制御装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照しつつ、配電制御装置100の概略構成を説明する。配電制御装置100は、混雑度取得部102および制御部104を備える。混雑度取得部102および制御部104は、CPU(中央演算処理装置)の一機能として実現されてよい。
混雑度取得部102は、送電線10および送電線20のそれぞれの混雑情報を取得する。制御部104は、送電線10および送電線20のいずれかに変圧設備を介して分散型電源30-1および30-2を電気的に接続可能な少なくとも一つの開閉器32-1から32-4を混雑度に基づいて制御する。本例では、制御部104は、開閉器32-1から32-4を混雑度に基づいてオン(閉)またはオフ(開)に制御することによって、制御分散型電源30-1および30-2が電気的に接続される送電線を切り替える。
図2において、送電線10の混雑度が送電線10の混雑度より高く、かつ、送電線10の混雑度が予め定められた第1閾値より高い場合には、制御部104は、送電線10に電気的に接続されている一または複数の分散型電源30-1、30-2、および30-3のうち少なくとも一部が他の送電線20に電気的に接続されるように開閉器32-1から32-4を制御する。第1閾値は、予め設定されており、記憶部106に記憶されてよい。制御部104は、開閉器32-1をオフに制御するとともに、開閉器32-2をオンに制御してよい。これにより、接続切替対象の分散型電源30-1が、混雑度が送電線10より低い送電線20に電気的に接続される。同様に、配電制御装置100は、開閉器32-3をオフに制御するとともに、開閉器32-4をオンに制御してよい。これにより、接続切替対象の分散型電源30-2が、混雑度が送電線10より低い送電線20に電気的に接続される。
制御部104は、送電線10の混雑度および送電線20の混雑度に基づいて、初期状態において送電線10に電気的に接続されている一または複数の分散型電源30-1、30-2のうち、送電線20に電気的に接続されるように切り替えられる分散型電源の数または種類を決定してよい。制御部104は、送電線10の混雑度および送電線20の混雑度に基づいて、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2のうち、いずれか一方のみを送電線10から送電線20に電気的に接続するように切り替えてよく、分散型電源30-1および30-2の双方を送電線10から送電線20に電気的に接続するように切り替えてよい。たとえば、送電線20の混雑度と送電線20の混雑度の差が大きくなるほど、送電線20に電気的に接続されるように切り替えられる分散型電源の数を多くしてよい。たとえば、送電線20の混雑度と送電線20の混雑度の差が大きくなるほど、送電線20に電気的に接続されるように切り替えられる分散型電源の種類を増やしてもよい。
図3において、配電制御装置100は、記憶部106、発電情報取得部108、算出部110、計測結果取得部112、発電抑制変更指示部114、および通信部116を備えてよい。記憶部106は、各種のデータおよびパラメータを記憶する。記憶部106は、送電線(10、20)、配電系統(13、23)、複数の開閉器32、および複数の分散型電源30等の配置、接続、定格等の仕様についての情報を含む設備情報を予め記憶してよい。
記憶部106は、算出部110が算出した算出結果を記憶してよい。発電情報取得部108は、分散型電源30-1から30-4の発電電力実測情報を取得する。発電電力実測情報は、発電電力実測値または発電電力実測値に関連づけられた値であってよい。たとえば、発電電力実測値は、太陽光発電設備による発電電力実測値である。計測結果取得部112は、配電線内での複数点での電気計測結果を取得する。
計測結果取得部112は、図2における配電線(フィーダ)16-1から16-3、および26-1から26-3のそれぞれにおいて、複数地点での電気計測結果を取得してよい。たとえば、各配電線の複数地点に設けられた計測器によって電圧、電流、および力率が測定される。計測器は、開閉器32-1から32-4に内蔵されていてもよく、別途に設けられていてもよい。計測結果取得部112は、配電線内での複数点での電気計測結果を計測器から受信してよい。
算出部110は、電気計測結果および発電電力実測情報から、各配電線内の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とを算出する。具体的には、算出部110は、それぞれの配電線16-1から16-3、26-1から26-3での分散型電源30の状態と、各配電線16-1から16-3、26-1から26-3の領域内における複数点での電流、電圧、および力率の計測結果とに基づいて、各配電線16-1から16-3、26-1から26-3内の複数区間における負荷と分散型電源の発電電力とを算出してよい。たとえば、算出部110は、配電線16-1内の複数区間における負荷および発電電力を算出する。同様に、算出部110は、配電線26-1内の複数区間における負荷および発電電力を算出する。
算出部110は、各配電線の複数区間における負荷および発電電力に基づいて潮流計算を実行してよい。制御部104は、算出部110による潮流計算の結果に基づいて、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続先の配電線を切り替えた場合に、予め定められた条件を満たすか否かを判断してもよい。
制御部104は、各配電線(フィーダ)16-1から16-3、26-1から26-3において電圧および電流が予め定められた範囲を超えないか否かを判断してよい。制御部104は、供給電力が配電線(フィーダ)16-1から16-3、26-1から26-3の限界を超えないかを判断してよい。配電制御装置100は、制御部104以外に判定部(シミュレータ)を有してもよい。この場合、判定部は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続先の配電線を切り替えた場合に、予め定められた条件を満たすか否かを判定してよい。制御部104は、算出部110による潮流計算の結果に基づいて、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続先の配電線を切り替える範囲を調整してよい。
図3において、通信部116は、開閉器32-1から32-4の開閉制御信号を送信する。発電抑制変更指示部114は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の少なくとも一つが電気的に接続される送電線10、20が切り替わった場合に、指令装置500に対して発電抑制変更を通知または指示してよい。送電線10の混雑度が送電線20の混雑度より高い場合、指令装置500は、送電線10に電気的に接続される各分散型電源30に対して発電抑制指令を送信している場合がある。本実施形態の配電制御装置100によれば、混雑度が軽減されるので、各分散型電源30に対する発電抑制が不要または軽減される。
分散型電源30の数、種類は、図3に示される場合に限定されない。また、第1配電系統13および第2配電系統23の接続形態、送電線10および送電線20の数も、図3に示される場合に限定されない。
図4および図5は、第1実施形態における分散型電源30の接続関係を切り替える処理の一例を示す図である。図4は、分散型電源30の接続関係を切り替える前の状態の一例を示し、図5は、分散型電源30の接続関係を切り替えた後の状態の一例を示す。なお、送電線10および送電線20は、変電所4を介して、図1に示される基幹送電系統402に電気的に接続されてよい。
図4および図5において、矢印の太さは、それぞれの地点における潮流電力の大きさを模式的に示している。図4および図5において、開閉器32において丸印は、開閉器32がオン(閉)になっていることを意味する。開閉器32において×印は、開閉器32がオフ(開)になっていることを意味する。
図4および図5に示される例において、分散型電源30-1から30-9は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2を含んでいる。接続切替対象の分散型電源30-1および30-2は、少なくとも一つの第1開閉器32-1を介して第1配電系統13に接続可能であるとともに、少なくとも一つの第2開閉器32-2を介して第2配電系統23にも接続可能である。
送電線10の混雑度が送電線20の混雑度より高く、かつ、送電線10の混雑度が予め定められた第1閾値より高い場合に、制御部104は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の少なくとも一部を第1配電系統13(図4、図5では、配電線16-1)から電気的に遮断するように開閉器32-1(第1開閉器)をオフに切り換えるとともに、第2配電系統23(図4、図5では、配電線26-1)に電気的に接続するように開閉器32-2(第2開閉器)をオンに切り換える。このような制御により、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2が、複数の配電系統に電気的に接続されてループ回路を構成する状態を可及的に防止することができる。なお、図4および図5に示される例においては、一組の第1開閉器32-1および第2開閉器32-2で、複数の分散型電源30-1および30-2の接続先の配電系統を切り替えることができる。
図6は、配電制御装置100の処理の一例を示すフローチャートである。混雑度取得部102は、各送電線10、20の混雑情報を取得する(ステップS101)。本例において、制御部104は、混雑度が第1閾値以上となっている一の送電線(第1送電線)があるか否かを判断する(ステップS102)。混雑度が第1閾値以上となっている送電線がある場合には(ステップS102:YES)、制御部104は、送電線10(第1送電線)に電気的に接続されている分散型電源30が、他の送電線に電気的に接続されるように、開閉器32を制御する(ステップS103)。発電抑制変更指示部114は、発電抑制可能な系統を指令装置500に通知してよい(ステップS104)。
図6に示される例では、指令装置500が、各送電線の混雑度に応じて分散型電源30の発電抑制を指示した後に、配電制御装置100が発電抑制指令の内容に基づいて接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続先の送電線を切り替える。但し、本実施形態の配電制御装置100は、この場合に限られない。指令装置500が各送電線の混雑度に応じて分散型電源30の発電抑制を実際に指示する前の段階で、配電制御装置100の混雑度取得部102は、各送電線の混雑度に関する情報を取得してよい。指令装置500が分散型電源30に対して発電抑制指令を送信する前に、制御部104が、各送電線の混雑度に応じて接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続先の送電線を切り替えてもよい。この場合、分散型電源30が実際に発電抑制されることを事前に防止することができる。
また、図6に示される例では、制御部104は、混雑度が第1閾値以上となっている送電線(第1送電線)があるか否かを判断する(ステップS102)。しかしながら、本実施形態の配電制御装置100は、この場合に限定されない。たとえば、制御部104は、混雑度を第1閾値と比較するのに代えて、第1送電線の混雑度が第2送電線の混雑度に比べて予め定められた値以上に高くなった場合、すなわち、第1送電線の混雑度と第2送電線の混雑度とが予め定められた程度を超えてアンバランスになった場合に、送電線10に電気的に接続されている分散型電源30のうち少なくとも一部が送電線20に電気的に接続されるように制御部104が開閉器32を制御してもよい。
図7は、配電制御装置100による開閉器の制御処理の一例を示すフローチャートである。図7は、図6のフローチャートのステップS103のサブルーチンであってよい。図4および図5を参照しつつ、図7に示される制御処理を説明する。
制御部104は、記憶部106に記憶された設備情報を読み出す。制御部104は、配電制御装置100の外部から設備情報を受信してもよい。制御部104は、設備情報に基いて、第1配電系統13に開閉器32-1(第1開閉器)を介して接続可能であるとともに他の配電系統(たとえば、第2配電系統23)に他の開閉器32-2(第2開閉器)を介して接続可能である、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の情報を取得する(ステップS10)。
制御部104は、接続切替対象の分散型電源30-1および30-2が電気的に接続可能な他の送電線を選択する(ステップS11)。図4および図5に示される例では、送電線20が選択される。混雑度取得部102は、選択された他の送電線の混雑度を取得する(ステップS12)。なお、図7に示される場合においては、混雑度取得部102は、選択された他の送電線の混雑度を順次に指令装置500から取得する。但し、本実施形態の配電制御装置100は、この場合に限られない。混雑度取得部102は、すべての送電線の混雑度を予め指令装置500から取得してもよい。
制御部104は、第1送電線である送電線10の混雑度と選択された他の送電線の混雑度を比較する(ステップS13)。第1送電線の混雑度が、選択された他の送電線の混雑度より高い場合には(ステップS13:YES)、制御部104は、選択された送電線を、着目している接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続変更先の候補の一つに決定する(ステップS14)。制御部104は、接続可能なすべての他の送電線の選択が完了するまで(ステップS15:YES)、ステップS11からステップS15の処理を繰り返してよい。
接続切替対象の分散型電源30-1および30-2の接続変更先の候補となる他の送電線が複数存在する場合もある。制御部104は、複数の接続先候補の送電線の混雑度と、接続切替対象の分散型電源30の電力予測値等とに基づいて、各分散型電源30が接続される接続先の送電線(第2送電線)を決定してよい(ステップS16)。また、制御部104は、送電線10の混雑度と他の送電線の混雑度とに基づいて、接続切替対象の分散型電源30の種類および数を決定してよい(ステップS16)。各分散型電源30-1および30-2が、別々の送電線に電気的に接続されるように、各分散型電源30の接続変更先の送電線が決定されてもよい。
制御部104は、接続切替対象の分散型電源30が、ステップS16で接続変更先として決定された送電線20に電気的に接続されるように、開閉器32を制御する(ステップS17)。具体的には、制御部104は、通信部116から開閉制御信号を対応する開閉器32に送信する。
図8は、配電制御装置100による分散型電源の接続関係を元に戻す処理の一例を示すフローチャートである。混雑度取得部102は、各送電線10、20の混雑度に関する情報を取得する(ステップS111)。制御部104は、第1開閉器(図4、図5における開閉器32-1等)の少なくとも一つをオフに切り換えるとともに第2開閉器(図4、図5における開閉器32-2等)をオンに切り換えた後に(図6のステップS103)、送電線10の混雑度が、第1閾値以下の値に予め定められた第2閾値以下となった場合には(ステップS112:YES)、制御部104は、送電線20に電気的に接続されている分散型電源30-1および30-2が元の送電線10に電気的に接続されるように、開閉器32を制御してよい。制御部104は、第1開閉器(図4、図5における開閉器32-1等)をオンに切り換えるとともに、第2配電系統に電気的に接続するように第2開閉器(図4、図5における開閉器32-2等)の少なくとも一つをオフに切り換える。
以上のように、本実施形態の配電制御装置100によれば、上位システムである指令装置500との連係を図ることにより送電容量不足を解消することができる。特に、配電制御装置100によれば、配電自動化システム1において、送電容量確保に寄与するように配電系統を組み替えることができる。配電制御装置100は、混雑した送電系統配下の配電系統に対して逆潮流電圧の大きな分散型電源30を接続切替(シフト)しない。配電制御装置100は、混雑していない送電線に電気的に接続されるように分散型電源30を接続切替することで、発電抑制を防止または軽減することができる。したがって、分散型電源30の発電電力を抑制することによる逸失利益を低減することができる。
図9は、第1実施形態の変形例における配電制御装置の制御内容の一例を示す図である。本例において、第2配電系統23は、一または複数の第2配電線26-1および26-2を含む。特に、第2配電線26-1における接続状態は、上述した図5において、第1開閉器の少なくとも一つである開閉器32-1がオフに切り換えられるとともに、第2開閉器である開閉器32-2がオンに切り換えられた状態に対応している。
図9に示される例では、第2配電線26-1および第2配電線26-2が第2変圧設備22を介して送電線20に接続してよい。第2配電線26-1と第2変圧設備22との間には、フィーダ遮断器24-1が設けられている。第2配電線26-2と第2変圧設備22との間には、フィーダ遮断器24-2が設けられている。
第2配電線26-1内の複数点には計測器28-1、28-2、28-3、および28-4が設けられている。第2配電線26-1は、第1区間、第2区間、および第3区間を含む複数区間に区分されている。計測器28-1と28-2の間の第1区間には、分散型電源30-1と負荷36-1とが接続されている。計測器28-2と28-3の間の第2区間には、分散型電源30-2と負荷36-2とが接続されている。計測器28-3と28-4の間の第3区間には、分散型電源30-3と負荷36-3とが接続されている。計測器28-1、28-2、28-3、および28-4は、第2配電線26-1内の複数点における電流、電圧、および力率を計測する。
同様に、第2配電線26-2内の複数点には計測器28-5、28-6、28-7、および28-8が設けられている。計測器28-5と28-6の間の第1区間には、分散型電源30-4と負荷36-4とが接続されている。計測器28-6と28-7の間の第2区間には、分散型電源30-5と負荷36-5とが接続されている。計測器28-7と28-8の間の第3区間には、分散型電源30-6と負荷36-6とが接続されている。計測器28-5、28-6、28-7、および28-8は、第2配電線26-2内の複数点における電流、電圧、および力率を計測する。なお、図9においては、第2配電系統23が示されているが、第1配電系統13においても、図9に示される構成が設けられてよい。
図10は、第1実施形態の変形例における配電制御装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。配電制御装置100は、図3に示される構成に加えて、制御情報取得部113および判定部117を備える。図4および図5に示されるように送電線10の混雑度および第2送電線の混雑度に応じて、開閉器32-1(第1開閉器の少なくとも一つ)がオフに切り換えられるとともに、開閉器32-2(第2開閉器)がオンに切り換えられた状態において、後述するように、算出部110は、各第1配電線16内の複数点での電気計測結果に基づいて、第1配電線16内の複数区間におけるそれぞれの負荷と分散型電源30の発電電力とを算出する。同様に、開閉器32-1がオフに切り換えられるとともに、開閉器32-2がオンに切り換えられた状態において、算出部110は、後述するように、各第2配電線26内の複数点での電気計測結果に基づいて、第2配電線26内の複数区間におけるそれぞれの負荷と分散型電源30の発電電力とを算出する。
制御情報取得部113は、指令装置500から制御情報を取得する。制御情報は、各第1配電線16-1、16-2または各第2配電線26-1、26-2に接続されている分散型電源30の出力制限に用いられる情報である。算出部110は、制御情報と、電気計測結果とに基づいて、各第1配電線内の複数区間および各第2配電線内の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とを算出してよい。特に、算出部110は、電気計測結果、発電電力実測情報、および制御情報から、各配電線内の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とを算出する。さらに、算出部110は、各配電線の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とに基づいて潮流計算を実行してよい。
図10において、判定部117は、算出部110によって算出された負荷と分散型電源30の発電電力とに基づいて、一の配電線と他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する。たとえば、判定部117は、図9において、第2配電線26-2(一の配電線)と第2配電線26-1(他の配電線)との間が接続可能か否かについて判定する。判定部117は、一の配電線および他の配電線のそれぞれの複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とに基づいて潮流計算を実行してよい。判定部117は、潮流計算によって、一の配電線と他の配電線との間を接続した場合に、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。予め定められた条件には、電圧が適正範囲に維持されるか否か、配電線の供給電力が予め定められた上限を超えないか、および一の配電線から他の配電線に送電された場合に他の配電線内の自動電圧調整器が誤作動しないか等の条件の少なくとも一つが含まれてよい。
一の配電線(たとえば、図9における配電線26-1)の一部において故障が発生する場合、配電制御装置100からの指令を受けたフィーダ遮断器24-1は、配電線26-1を送電線20から遮断する。また、配電制御装置100は、一の配電線26-1における分散型電源30-1、30-2、および30-3を一の配電線26-1から遮断するように制御する。そして、判定部117が、一の配電線26-1と他の配電線26-2との間が接続可能であると判定した場合には、制御部104は、一の配電線26-1と他の配電線26-2とを連結する開閉器32-6をオン(閉)にする。これにより故障が発生してフィーダ遮断器24-1によって送電線20との間の電気的接続が遮断した配電線(たとえば、第2配電線26-1)の少なくとも一部に対して他の配電線(たとえば、第2配電線26-2)から電力を融通することができる。
図11は、第1実施形態の変形例における複数の配電線間を接続する処理の一例を示すフローチャートである。算出部110は、一の配電線において故障が発生した場合(ステップS201:YES)、一の配電線内および他の配電線内の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とを算出する(ステップS202)。判定部117は、故障が発生した一の配電線に対して開閉器32を介して接続される他の配電線を選択する(ステップS203)。一の配電線において故障が発生した場合において、判定部117は、故障が発生した一の配電線と他の配電線とが接続可能か否かを判定する(ステップS204)。一の配電線と他の配電線とが接続可能でない場合(ステップS204:NO)、判定部117は、別の配電線を選択する(ステップS203)。一の配電線と他の配電線とが接続可能であると判定された場合(ステップS204:YES)、制御部104は、一の配電線と他の配電線とを接続する開閉器32をオン(閉)に制御して、一の配電線と他の配線線とを電気的に接続する(ステップS205)。但し、配電制御装置100の処理は、図11に示される場合に限られない。
図12は、第1実施形態の変形例における複数の配電線間を接続する処理の他例を示すフローチャートである。算出部110は、一の配電線において故障が発生したか否かによらず、一の配電線内の複数区間および他の配電線内の複数区間における負荷と分散型電源30の発電電力とを算出してよい(ステップS301)。発電電力および負荷の算出結果は、記憶部106に記憶される(ステップS302)。そして、判定部117は、一の配電線において故障が発生した場合に(ステップS303:YES)、記憶部106に記憶された算出結果に基づいて、一の配電線と他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する(ステップS304およびステップS305)。制御部104は、一の配電線と他の配電線とを接続する開閉器32をオン(閉)に制御して、一の配電線と他の配線線とを電気的に接続する(ステップS306).図12において、他の処理内容は、図11における処理と同様である。したがって、繰り返しの説明を省略する。
図13は、第1実施形態の変形例における電力および負荷の算出処理の一例を示すフローチャートである。図13は、図11のステップS202または図12のステップS301における処理のサブルーチンであってよい。
計測結果取得部112は、各配電線内の複数の地点における電流、電圧、および力率等の計測結果を取得する(ステップS21)。特に、図9に示されるとおり、各配電線(図9における第2配電線26-1、26-2)に配置された複数の計測器28-1から28-8による計測結果を計測結果取得部112が受信してよい。発電情報取得部108は、各分散型電源30からの発電電力実測情報を取得する(ステップS22)。たとえば、発電電力実測情報は、太陽光発電設備による発電電力実測値である。図9に示されるように、算出部110は、各配電線(図9における第2配電線26-1、26-2)内の複数区間(図9における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を算出する(ステップS23)。
制御情報取得部113は、指令装置500から制御情報を取得する(ステップS24)。制御情報は、各第1配電線16-1、16-2または各第2配電線26-1、26-2に接続されている分散型電源30の出力制限に用いられる情報である。算出部110は、制御情報を用いて、各配電線(たとえば、図9における第2配電線26-1、26-2)内の複数区間(図9における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)する(ステップS25)。なお、ステップS21、ステップS22、およびステップS24の処理順序は一例にすぎず、配電制御装置100は、制御情報と、電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷および分散型電源の発電電力を算出するものであればよい。また、配電制御装置100は、発電電力実測情報と、電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷および分散型電源の発電電力を算出するものであってもよい。
ステップS24における制御情報は、いずれかの送電線(たとえば、送電線10または送電線20)における故障情報であってよい。故障情報は、N-1電制情報(N-1電源制限情報)であってよい。N-1電制を採用する場合、いずれかの送電線において故障が発生すると、リレー装置506は、故障が発生した送電線に電気的に接続されている分散型電源30を送電線から遮断(解列)する。この場合、算出部110は、発電情報取得部108によって取得された発電電力実測情報によらず、それぞれの分散型電源30からの電力をゼロとして、各配電線(図9における配電線26-1、26-2)内の複数区間(図9における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)してよい(ステップS25)。これによって、分散型電源30の遮断を反映して正確な発電電力推定および負荷推定を実行することができる。
制御情報は、分散型電源30に対して発電電力を抑制させる発電抑制情報であってよい。指令装置500から各分散型電源30に対して発電抑制指令が送信される場合、分散型電源30から配電線に供給される電力が抑制される。分散型電源30で発生された残りの電力は蓄電池等に蓄えられる場合がある。この場合、算出部110は、発電情報取得部108によって取得された発電電力実測情報によらず、それぞれの分散型電源30からの電力に対して抑制指令に応じた係数を乗じた上で、各配電線(図9における配電線26-1、26-2)内の複数区間(図9における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)してよい。これによって、発電抑制指令の内容を分散型電源出力に反映して正確な発電電力推定および負荷推定を実行することができる。
なお、一の配電線と接続可能な他の配電線が複数存在する場合がある。この場合、判定部117は、一の配電線に距離が近い順に他の配電線を選択してもよい。また、仮想的に一の配電線と電気的に接続した場合における送電線の混雑度が低くなる順に、他の配電線を選択してもよい。また、以下に説明するように、故障が発生していない送電線に電気的に接続された配線線が先的に他の配電線として選択されてもよい。
図14は、第1実施形態の変形例において一の配電線が接続される他の配電線を選択する処理の一例を示すフローチャートである。図14の処理は、図11に示されるステップS203または図12に示されるステップS304の処理の一例である。制御情報は、送電線の故障情報を含んでいてよい。送電線に故障が発生した場合(ステップS31)、制御情報取得部113は、送電線の故障情報を取得する。判定部117は、送電線の故障情報に基づいて、複数の配電線の中から、一の配電線が接続される他の配電線が選択される(ステップS32)。
図15は、第1実施形態の変形例における一の配電線が接続される他の配電線を選択する処理の一例を示す図である。図15には、一の配電線として第2配電線26-2が示されている。図15には、第2配電線26-2において故障が発生した場合が示されている。他の配電線として、第2配電線26-1と第2配電線26-3が候補になっている。配電線26-3が電気的に接続されている送電線20cには故障が発生していない。一方、配電線26-1が電気的に接続されている送電線20aには故障が発生している。この場合、判定部117は、各送電線20a、20b、20cについての故障情報に基づいて、故障が発生した送電線20aに電気的に接続された配電線26-1を避けて、故障が発生していない送電線20cに電気的に接続された配電線26-3を他の配電線として選択してよい。
以上のとおり、第1実施形態の変形例における配電制御装置によれば、送電線の混雑度に基づいて複数の分散型電源30-1および30-2が接続される接続先の配電系統が切り替えられている状態において、さらに、配電系統の一の配電線に故障が発生した場合においても、他の配電線にから電力を融通することが可能となる。
[第2実施形態]
図16は、第2実施形態における配電制御装置200の制御内容の一例を示す図である。第1実施形態における配電制御装置100は、送電線の混雑度に基づいて、分散型電源の接続先を変更する構成を有していたが、本発明は、この場合に限られない。
第2実施形態における配電自動化システム5は、上位システムである指令装置500から各発電設備に対して送信される制御情報を取得してよい。配電自動化システム5は、指令装置500から取得した各種情報を用いて配線線内の開閉器を制御する。配電自動化システム5は、開閉器を遠隔で制御するものであればよく、監視システムまたは制御システム等のように他の名称で呼ばれる場合がある。
配電自動化システム5は、配電制御装置200および端末装置201を備える。配電制御装置200は、配電自動化サーバとも呼ばれる。端末装置201は、クライアント端末とも呼ばれる。配電自動化システム5は、複数の端末装置201を有してよい。配電制御装置200と端末装置201とは通信回線を介して通信可能に接続されている。配電自動化サーバは、たとえば、電力会社の統括営業所に設置され、端末装置201は、たとえば、各営業所に設置される。本明細書において、配電制御装置200は、配電系統において開閉器を遠隔で制御する装置であればよく、監視装置、制御装置、監視サーバ、または制御サーバ等のように他の名称で呼ばれる装置であってよい。
送電線40a-1、40b-1には、変圧設備42-1を介して配電線46-1が電気的に接続される。送電線40a-2、40b-2には、変圧設備42-2を介して配電線46-2が電気的に接続される。なお、配電線46-1および配電線46-2を総称して配電線46と称する場合がある。電力系統の信頼性の観点から、1回線分の送電線40a-1が故障した場合でも、送電可能な送電容量を確保するために、もう1回戦分の送電線40b-1が設けられている。
したがって、送電線40a-1、40b-1は、2回線分の送電容量を確保している。同様に、送電線40a-2、40b-2は、2回線分の送電容量を確保している。なお、配電線46-1と配電線46-2は、図16に示されるように、互いに別の送電線に電気的に接続されていてよい。図16に示される場合と異なり、配電線46-1と配電線46-2は、同じ送電線に電気的に接続されていてもよい。
配電線46-1と、変圧設備42-1との間には、フィーダ遮断器(FCB)44-1が設けられている。フィーダ遮断器(FCB)44-1は、配電制御装置200等からの指令を受けると、配電線46-1を送電線40a-1、40b-1から電気的に遮断する。同様に、配電線46-2と、変圧設備42-2との間には、フィーダ遮断器44-2が設けられている。フィーダ遮断器44-2は、配電制御装置200等からの指令を受けると、配電線46-2を送電線40a-2、40b-2から電気的に遮断する。
送電線40a-1、40b-1には、複数のフィーダ遮断器を介して複数の配電線が設けられてよい。複数の配電線は、配電系統を構成してよい。同様に、送電線40a-2、40b-2にも、複数のフィーダ遮断器を介して複数の配電線が設けられてよい。
各配電線46-1、46-2には、分散型電源50-1から50-6(分散型電源50と総称する場合がある)が電気的に接続されてよい。分散型電源50は、たとえば、太陽光発電設備または風力発電設備である。また、各配電線には、負荷56-1から56-6(負荷56と総称する場合がある)が設けられている。
配電線46-1内の複数点には計測器48-1、48-2、48-3、および48-4が設けられている。計測器48-1と48-2の間の第1区間には、分散型電源50-1と負荷56-1とが接続されている。計測器48-2と48-3の間の第2区間には、分散型電源50-2と負荷56-2とが接続されている。計測器48-3と48-4の間の第3区間には、分散型電源50-3と負荷56-3とが接続されている。計測器48-1、48-2、48-3、および48-4は、配電線46-1内の複数点における電流、電圧、および力率を計測する。
同様に、他の配電線46-2内の複数点には計測器48-5、48-6、48-7、および48-8が設けられている。計測器48-5と48-6の間の第1区間には、分散型電源50-4と負荷56-4とが接続されている。計測器48-6と48-7の間の第2区間には、分散型電源50-5と負荷56-5とが接続されている。計測器48-7と48-8の間の第3区間には、分散型電源50-6と負荷56-6とが接続されている。計測器28-5、28-6、28-7、および28-8は、他の配電線46-2内の複数点における電流、電圧、および力率を計測する。
リレー装置506は、送電線40a-1、40b-1の1回線に故障(N-1故障と呼ばれる)が発生すると、送電線40a-1、40b-1に電気的に接続されている各分散型電源50-1から50-3を配電線46-1(配電系統)から遮断(解列)する。このように送電線40a-1、40b-1の1回線に故障が生じた場合に瞬時に電源抑制(電源制限)を実行することを前提として運用容量を拡大する。このような処理は「N-1電制」と呼ばれる。なお、他の送電線40a-2、40b-2にも、リレー装置が設けられて、同様の処理を実行してよい。指令装置500は、リレー装置506から、送電線40a-1、40b-1の1回線の故障の発生についての情報を故障情報として取得する。
図17は、N-1電制の処理内容の一例を示す図である。通常運用時は、送電線40a-1、40b-1は、2回線分の送電容量上限以下において、1回線分の送電容量上限を超えて送電を許容する。一方、送電線40a-1、40b-1のうちの1回線に故障が生じた場合に瞬時に電源抑制(電源電力制限)を実行する。このような故障時の処理をN-1電制(N-1電源制限)と称する。たとえば、N-1電制を採用する場合、いずれかの送電線において故障が発生すると、リレー装置506は、故障が発生した送電線に電気的に接続されている分散型電源50を送電線から遮断(解列)する。
図18は、第2実施形態における配電制御装置200の概略構成の一例を示すブロック図である。一例において、配電制御装置200は、制御情報取得部202、計測結果取得部204、発電情報取得部206、算出部208、判定部210、記憶部212、制御部213、および通信部214を備える。
制御情報取得部202は、一または複数の配電線46-1、46-2(配電線46と総称する場合がある)に接続される分散型電源50の出力制限に用いられる制御情報を取得する。配電線46は、各送電線40a-1、40b-1、40a-2、40b-2(送電線40a、40bと総称する場合がある)に変圧設備42-1および変圧設備42-2(変圧設備42と総称する場合がある)を介して接続されている。制御情報取得部202は、指令装置500から通信回線を介して制御情報を取得してよい。本例では、制御情報は、いずれかの送電線40-1、40-2等における故障情報(N-1電制情報)を含む。
計測結果取得部204は、配電線46内での複数点での電気計測結果を取得する。計測結果取得部204は、図16に示される各計測器48-1から48-8から、配電線46内の複数点における電流、電圧、および力率の計測結果を取得してよい。発電情報取得部206は、分散型電源50-1から50-8の発電電力実測情報を取得する。たとえば、発電電力実測情報は、太陽光発電設備による発電電力実測値である。
算出部208は、制御情報と、電気計測結果とに基づいて、各配電線内の複数区間における負荷と分散型電源の発電電力とを算出する。具体的には、算出部208は、配電線での分散型電源50の状態と、配電線の領域内の複数点での電流、電圧、および力率の計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷と分散型電源の発電電力とを算出してよい。
配電線での分散型電源50の状態は、制御情報から得られる。算出部208は、故障情報(N-1電制情報)と、電気計測結果と、発電電力実測値とに基づいて、各配電線内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出する。算出部208は、配電線46-1内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出する。同様に、算出部208は、配電線46-2内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出する。
図19は、電源制限前の電力および負荷の一例である。図20は、電源制限後の電力および負荷の一例である。図19および図20において、第1区間、第2区間、および3区間は、図16における配電線46-1における複数区間である第1区間、第2区間、および第3区間を意味してよい。
図19および図20に示される例では、N-1電制前において、第1区間において配電線46-1へ出力される電力が10KW、第2区間において配電線46-1へ出力される電力が30KW、および第3区間において配電線46-1へ出力される電力が20KWである。一方、N-1電制後においては、分散型電源50-1、50-2、および50-3が配電線46-1から遮断(解列)されるため、第1区間において配電線46-1へ出力される電力が0KW、第2区間において配電線46-1へ出力される電力が0KW、および第3区間において配電線46-1へ出力される電力が0KWである。図19および図20に示されるとおり、本例では、N-1電制前とN-1電制後で負荷は変化しない。
図18において、判定部210は、算出部110によって算出された負荷と分散型電源50の発電電力とに基づいて、一の配電線と他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する。たとえば、上述した図16において、判定部210は、配電線46-1(一の配電線)と配電線46-2(他の配電線)との間が接続可能か否かについて判定する。判定部210は、一の配電線および他の配電線のそれぞれの複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とに基づいて潮流計算を実行してよい。判定部210は、潮流計算によって、一の配電線と他の配電線との間を接続した場合に、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。予め定められた条件には、電圧が適正範囲に維持されるか否か、配電線の供給電力が予め定められた上限を超えないか、および一の配電線から他の配電線に送電された場合に他の配電線内の自動電圧調整器が誤作動しないか等の条件の少なくとも一つが含まれてよい。
一の配電線(たとえば、図16における配電線46-1)の一部において故障が発生する場合、配電制御装置200からの指令を受けたフィーダ遮断器44-1は、配電線46-1を送電線40a-1、40b-1から遮断する。また、配電制御装置100は、一の配電線における分散型電源50-1、50-2、および50-3を一の配電線から遮断するように制御する。そして、判定部210が、一の配電線と他の配電線との間が接続可能であると判定した場合には、判定部210は、通信部214を介して一の配電線と他の配電線とを連結する開閉器52-1をオン(閉)にする。これにより故障が発生してフィーダ遮断器44-1によって送電線40a-1、40b-1との間の電気的接続が遮断した配電線(たとえば、配電線46-1)の少なくとも一部に対して他の配電線(たとえば、配電線46-2)から電力を供給、すなわち融通することができる。
算出部208は、発電情報取得部206によって取得された発電電力実測情報によらず、それぞれの分散型電源50からの電力をゼロとして(図20参照)、各配電線(図16における配電線46-1、46-2)内の複数区間(図16における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)してよい。これによって、N-1電制による分散型電源50の遮断を反映して正確な発電電力推定および負荷推定を実行することができる。
図21は、比較例による配電制御装置200bの制御内容の一例を示す図である。図21に示される配電制御装置200bは、分散型電源50-1から50-8の発電電力実測情報を取得する。配電制御装置200bは、各計測器48-1から48-8から、配電線内の複数点における電流、電圧、および力率の計測結果を取得する。しかし、図16および図18に示される配電制御装置200と異なり、上位システムである指令装置500から送電線40a-1、40b-1の1回線の故障の発生についての故障情報を取得しない。比較例では、発電電力実測情報と電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出する。したがって、配電制御装置200bは、N-1電制によって分散型電源50-1、50-2、および50-3が配電線から遮断されることに起因して分散型電源50-1、50-2、および50-3の配電線への出力電力がゼロとなっていること(図20参照)を考慮しない。したがって、比較例の配電制御装置200bでは正確な発電電力推定および負荷推定を実行することが困難である。
図22は、第2実施形態における配電制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。計測結果取得部204は、各配電線内の複数の地点における電流、電圧、および力率等の計測結果を取得する(ステップS41)。特に、図16に示されるとおり、各配電線46-1、46-2に配置された複数の計測器48-1から48-8による計測結果を計測結果取得部204が受信してよい。発電情報取得部206は、各分散型電源50からの発電電力実測情報を取得する(ステップS42)。たとえば、発電電力実測情報は、太陽光発電設備による発電電力実測値である。図16に示されるように、算出部208は、各配電線(図16における配電線46-1、46-2)内の複数区間(図16における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を算出する(ステップS43)。
制御情報取得部202は、指令装置500から制御情報を取得する(ステップS44)。制御情報は、各配電線46-1または配電線46-2に接続されている分散型電源50の出力制限に用いられる情報である。算出部208は、制御情報を用いて、各配電線(たとえば、図16における配電線46-1、46-2)内の複数区間(図16における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)する(ステップS45)。なお、ステップS41、ステップS42、およびステップS44の処理順序は一例にすぎず、配電制御装置200は、制御情報と、電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷および分散型電源の発電電力を算出するものであればよい。
ステップS44における制御情報は、いずれかの送電線(たとえば、送電線40a-1および40b-1または送電線40a-2および40b-2)における故障情報であってよい。故障情報は、N-1電制に関する情報(N-1電制情報)であってよい。N-1電制を採用する場合、指令装置500は、いずれかの送電線において故障が発生すると、配電制御装置200は、故障が発生した送電線に電気的に接続されている分散型電源50を送電線から遮断(解列)する。この場合、算出部208は、発電情報取得部206によって取得された発電電力実測情報によらず、それぞれの分散型電源50からの電力をゼロとして、各配電線(図16における配電線46-1、46-2)内の複数区間(図16における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)してよい(ステップS45)。これによって、分散型電源50の遮断を反映して正確な発電電力推定および負荷推定を実行することができる。
図23は、第2実施形態における複数の配電線間を接続する処理の一例を示すフローチャートである。算出部208は、一の配電線において故障が発生した場合(ステップS401:YES)、一の配電線内および他の配電線内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出する(ステップS402)。ステップS402の処理内容は、図22に示される処理であってよい。判定部210は、故障が発生した一の配電線に対して開閉器52を介して接続される他の配電線を選択する(ステップS403)。一の配電線において故障が発生した場合において、判定部210は、故障が発生した一の配電線と他の配電線とが接続可能か否かを判定する(ステップS404)。一の配電線と他の配電線とが接続可能でない場合(ステップS404:NO)、判定部210は、別の配電線を選択する(ステップS403)。一の配電線と他の配電線とが接続可能であると判定された場合(ステップS404:YES)、制御部213は、一の配電線と他の配電線とを接続する開閉器52をオン(閉)に制御して、一の配電線と他の配線線とを電気的に接続する(ステップS405)。但し、配電制御装置200の処理は、図23に示される場合に限られない。
図24は、第2実施形態における複数の配電線間を接続する処理の他例を示すフローチャートである。算出部208は、一の配電線において故障が発生したか否かによらず、一の配電線内の複数区間および他の配電線内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出してよい(ステップS501)。ステップS501の処理は、図22に示される処理であってよい。発電電力および負荷の算出結果は、記憶部212に記憶される(ステップS502)。そして、判定部210は、一の配電線において故障が発生した場合に(ステップS503:YES)、記憶部212に記憶された算出結果に基づいて、一の配電線と他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する(ステップS504およびステップS505)。制御部213は、一の配電線と他の配電線とを接続する開閉器52をオン(閉)に制御して、一の配電線と他の配線線とを電気的に接続する(ステップS506).図24において、他の処理内容は、図23における処理と同様である。したがって、繰り返しの説明を省略する。
図25は、第2実施形態において一の配電線が接続される他の配電線を選択する処理の一例を示すフローチャートである。図25の処理は、図23に示されるステップS403または図24に示されるステップS504の処理の一例である。制御情報は、送電線の故障情報を含んでいてよい。送電線に故障が発生した場合(ステップS51)、制御情報取得部113は、送電線の故障情報を取得する。判定部210は、送電線の故障情報に基づいて、複数の配電線の中から、一の配電線が接続される他の配電線が選択される(ステップS32)。
図26は、第2実施形態における一の配電線が接続される他の配電線を選択する処理の一例を示す図である。図26には、一の配電線として配電線46-2が示されている。図26には、配電線46-2において故障が発生した場合が示されている。電力の供給を受けるための接続先である他の配電線として、配電線46-1と配電線46-3が候補になっている。配電線46-3が電気的に接続されている送電線40a-3、40b-3には故障が発生していない。一方、配電線46-1が電気的に接続されている送電線40a-1、40b-1には故障が発生している。この場合、判定部210は、各送電線40a-1、40b-1、40a-2、40b-2、および40a-3、40b-3についての故障情報に基づいて、故障が発生した送電線40a-1、40b-1に電気的に接続された配電線46-1を避けて、故障が発生していない送電線40a-3、40b-3に電気的に接続された配電線46-3を他の配電線として選択してよい。
以上のとおり、第2実施形態の配電制御装置200によれば、配電系統の一の配電線に故障が発生した場合であっても、他の配電線に接続することで、電力を融通することが可能となる。
図27は、第2実施形態の変形例における配電制御装置の制御内容の一例を示す図である。本変形例における配電自動化システム5は、上位システムである指令装置500から各発電設備に対して送信される制御情報を取得してよい。図27において、送電線40a-1、40b-1には、計測器507が設けられている。計測器507は、送電線40a-1、40b-1の混雑度を算出するために電気計測を実行する。計測器507による計測結果は、指令装置500によって送電線混雑情報として取得される。他の送電線40a-2、40b-2にも、同様に計測器が設けられてよい。
本変形例において、送電線の混雑度は、送電線が送電可能な電力を示す送電容量に対する実際の潮流電力の割合(利用率)または、当該割合(利用率)に関連づけられた情報であってよい。指令装置500は、送電線の混雑度に基づいて、分散型電源50-1から50-3に対して発電電力を抑制させるための発電抑制指令を送信する。
図28は、発電抑制内容の一例を示す図である。指令装置500が分散型電源50-1から50-3に対して発電抑制指令を送信することで、通常運用時に比べて、送電線における送電電力を抑制することができる。なお、変形例において、配電制御装置200が指令装置500から取得する発電抑制情報は、発電抑制指令自体であってもよく、発電抑制指令の内容に関連づけられた情報であってもよい。
指令装置500から各分散型電源50-1から50-3に対して発電抑制指令が送信される場合、分散型電源50-1から50-3から配電線に供給される電力が抑制される。分散型電源50-1から50-3で発生された残りの電力は蓄電池等に蓄えられる場合がある。発電抑制情報は、定格電力に対して最大出力できる電力の割合、定格電力に対して抑制すべき電力の割合、最大出力できる電力の値、抑制すべき電力の値、現在の発電電力実測値に対して最大出力できる電力の割合、または現在の発電電力実測値に対して抑制すべき電力の割合などについての情報であってよい。
本変形例における配電制御装置200の概略構成は、制御情報取得部が指令装置500から取得する制御情報の内容を除いて、図18に示される第2実施形態の配電制御装置200の概略構成と同様である。制御情報取得部202は、送電線40a、40bに変圧設備42を介して接続される一または複数の配電線46に接続される分散型電源50の出力制限に用いられる制御情報を取得する。制御情報取得部202は、指令装置500から通信回線を介して制御情報を取得してよい。通信回線は、インターネットであってもよい。本例では、制御情報は、分散型電源50-1から50-3に対して発電電力を抑制させる発電抑制情報を含む。
計測結果取得部204は、配電線46内での複数点での電気計測結果を取得する。測結果取得部204は、図27に示される各計測器48-1から48-8によって計測された配電線内の複数点における電流、電圧、および力率の計測結果を取得してよい。また、発電情報取得部206は、分散型電源50-1から50-8の発電電力実測情報を取得する。発電電力実測情報は、発電電力実測値または発電電力実測値に関連づけられた値であってよい。たとえば、発電電力実測値は、太陽光発電設備による発電電力実測値である。
算出部208は、制御情報と、電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷と複数区間における分散型電源の発電電力とを算出する。具体的には、算出部208は、配電線での分散型電源50の状態と、配電線の領域内の複数点における電流、電圧、および力率の計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷と分散型電源の発電電力とを算出してよい。配電線での分散型電源50の状態は、制御情報から得られてよい。本実施形態においては、算出部208は、発電抑制情報と、電気計測結果と、発電電力実測情報とに基づいて、各配電線内の複数区間における負荷と分散型電源50-1から50-3の発電電力とを算出する。算出部208は、発電抑制情報に基づいて算出した抑制係数を、抑制前の発電電力実測値に乗算して、各配電線内の複数区間における発電電力および負荷を算出してよい。算出部208は、記憶部212に記憶されている各分散型電源の50の定格電力に対して、発電抑制情報に基づいて算出した抑制係数を乗算してもよい。算出部208は、配電線46-1内の複数区間における負荷と発電電力とを算出する。同様に、算出部208は、配電線46-2内の複数区間における負荷と分散型電源50の発電電力とを算出してよい。
図29は、発電抑制後の電力および負荷の一例である。なお、発電抑制前の電力および負荷の一例は、図19に示される値と同様である。図19および図29において、第1区間、第2区間、および3区間は、図27における配電線46-1における複数区間である第1区間、第2区間、および第3区間を意味してよい。
図19および図29に示される例では、発電抑制前において、第1区間において配電線46-1へ出力される電力が10KW、第2区間において配電線46-1へ出力される電力が30KW、および第3区間において配電線46-1へ出力される電力が20KWである。一方、図29に示される例では、発電抑制情報に基づいて抑制係数が0.7と計算される。したがって、図29に示される例では、抑制前の発電電力実測値に対して抑制係数0.7を乗じた値が発電抑制後に配電線46-1へ出力される電力として計算される。
発電抑制後においては、分散型電源50-1、50-2、および50-3から配電線46-1へ出力される電力が抑制されるため、図29に示される例では、第1区間において配電線46-1へ出力される電力が7KW、第2区間において配電線46-1へ出力される電力が21KW、および第3区間において配電線46-1へ出力される電力が14KWである。発電抑制後の電力は、発電抑制情報によって異なる。算出部208は、発電抑制情報に基づいて発電抑制後の電力値を計算してよい。図19および図29に示される例では、電力抑制前後で負荷は変化しない。
図30は、第2実施形態の変形例における配電制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS51からステップS53の処理は、図22におけるステップS41からステップS43の処理と同様である。したがって、繰り返しの説明を省略する。
制御情報取得部113は、指令装置500から制御情報を取得する(ステップS54)。制御情報は、各第1配電線16-1、16-2または各第2配電線26-1、26-2に接続されている分散型電源50の出力制限に用いられる情報である。本例においては、制御情報は、分散型電源50に対して発電電力を抑制させる発電抑制情報を含んでいる。
算出部208は、発電情報取得部206によって取得された発電電力実測情報から得られたそれぞれの分散型電源50の電力に対して発電抑制情報に応じて得られた抑制係数を乗じることによって、各配電線(図9における配電線46-1、26-2)内の複数区間(図9における第1区間、第2区間、および第3区間)における発電電力および負荷を再計算(補正計算)してよい(ステップS55)。
なお、第2実施形態の変更例における配電制御装置200は、図30に示した処理を用いて、図23および図24に示された複数の配電線間を接続する処理を実行してよい。また、配電制御装置200は、図25に示された他の配電線を選択する処理を実行してよい。
第2実施形態の変形例の配電制御装置200によれば、発電抑制指令を分散型電源出力に反映することによって正確な発電電力および負荷を推定することができる。したがって、配電系統の電圧および電流の想定精度を向上することができる。なお、第2実施形態においては、正確な発電電力の推定および負荷の推定によって、隣接する配電線間での接続の可否の判定を実行する場合を例示した。しかしながら、上位システムから制御情報を取得することによって、発電電力の推定および負荷の推定の精度を高くする処理は、潮流計算等を実行するすべての処理において精度を向上することができることは明らかである。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1]
複数の送電線のそれぞれの混雑度に関する情報を取得する混雑度取得部と、
前記複数の送電線のいずれかに変圧設備を介して分散型電源を電気的に接続可能な少なくとも一つの開閉器を前記混雑度に基づいて制御して、前記分散型電源が電気的に接続される送電線を切り替える制御部と、を備える、
配電制御装置。
[項目2]
前記混雑度取得部は、第1送電線の混雑度に関する情報および第2送電線の混雑度に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記第1送電線の混雑度が前記第2送電線の混雑度より高い場合に、前記第1送電線に電気的に接続されている一または複数の前記分散型電源のうち少なくとも一部が前記第2送電線に電気的に接続されるように前記開閉器を制御する、
項目1に記載の配電制御装置。
[項目3]
前記混雑度取得部は、第1送電線の混雑度に関する情報および第2送電線の混雑度に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記第1送電線の混雑度が前記第2送電線の混雑度より高く、かつ、前記第1送電線の混雑度が予め定められた第1閾値より高い場合に、前記第1送電線に電気的に接続されている一または複数の前記分散型電源のうち少なくとも一部が前記第2送電線に電気的に接続されるように前記開閉器を制御する、
項目1に記載の配電制御装置。
[項目4]
前記制御部は、前記第1送電線の混雑度および前記第2送電線の混雑度に基づいて、前記第1送電線に電気的に接続されている一または複数の前記分散型電源のうち、前記第2送電線に電気的に接続されるように切り替えられる分散型電源の数または種類を決定する、
項目2または3に記載の配電制御装置。
[項目5]
前記第1送電線には、第1の変圧設備を介して第1の配電系統が電気的に接続されており、
前記第2送電線には、第2の変圧設備を介して第2の配電系統が電気的に接続されており、
前記分散型電源は、少なくとも一つの第1開閉器を介して前記第1の配電系統に接続可能であるとともに、少なくとも一つの第2開閉器を介して前記第2の配電系統にも接続可能である接続切替対象の分散型電源を含んでおり、
前記制御部は、前記第1送電線の混雑度が第2送電線の混雑度より高く、かつ、第1送電線の混雑度が予め定められた第1閾値より高い場合に、前記接続切替対象の分散型電源の少なくとも一部を前記第1の配電系統から電気的に遮断するように前記第1開閉器の少なくとも一つをオフに切り換えるとともに、前記第2の配電系統に電気的に接続するように前記第2開閉器をオンに切り換える、
項目2から4の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目6]
前記制御部は、前記第1開閉器の少なくとも一つをオフに切り換えるとともに前記第2開閉器をオンに切り換えた後に、前記第1送電線の混雑度が、前記第1閾値以下の値に予め定められた第2閾値以下となった場合には、前記第1開閉器をオンに戻すとともに、前記第2開閉器の少なくとも一つをオフに戻す、項目5に記載の配電制御装置。
[項目7]
前記第1の配電系統は、前記第1の変圧設備に電気的に接続される一または複数の第1配電線を含んでおり、
前記第2の配電系統は、前記第2の変圧設備に電気的に接続される一または複数の第2配電線を含んでおり、
前記第1開閉器の少なくとも一つがオフに切り換えられるとともに、前記第2開閉器がオンに切り換えられた状態において、
第1配電線内の複数点での電気計測結果に基づいて、第1配電線内の複数区間における負荷および前記分散型電源の発電電力を算出し、かつ、第2配電線内の複数点での電気計測結果に基づいて、第2配電線内の複数区間における負荷および前記分散型電源の発電電力を算出する算出部をさらに備える、
項目5または6に記載の配電制御装置。
[項目8]
各第1配電線または各第2配電線に接続されている前記分散型電源の出力制限に用いられる制御情報を取得する制御情報取得部をさらに備えており、
前記算出部は、前記制御情報と、前記電気計測結果とに基づいて、各第1配電線内の前記複数区間および各第2配電線内の前記複数区間における前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力を算出する、
項目7に記載の配電制御装置。
[項目9]
前記送電線の混雑度は、前記送電線が送電可能な電力を示す送電容量に対する実際の潮流電力の割合、または前記送電線に接続されている前記分散型電源に対して発電電力を抑制させる発電抑制情報を含む、項目1から8の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目10]
項目1から9の何れか一項に記載の配電制御装置と、
前記配電制御装置と通信可能に接続されている端末装置と、を備える、
システム。
[項目11]
送電線に変圧設備を介して接続される少なくとも一つの配電線に接続される分散型電源の出力制限に用いられる制御情報を取得する制御情報取得部と、
前記配電線内での複数点での電気計測結果を取得する計測結果取得部と、
前記制御情報と、前記電気計測結果とに基づいて、配電線内の複数区間における負荷および前記分散型電源の発電電力を算出する算出部と、を備える配電制御装置。
[項目12]
前記制御情報は、前記送電線の故障情報を含む、項目11に記載の配電制御装置。
[項目13]
前記制御情報は、前記分散型電源に対して発電電力を抑制させる発電抑制情報を含む、項目11に記載の配電制御装置。
[項目14]
前記計測結果取得部は、前記配電線内の複数点における電流、電圧、および力率の計測結果を取得し、
前記算出部は、前記配電線の領域内での前記電流、前記電圧、および前記力率の前記計測結果と、前記制御情報から得られる前記配電線での前記分散型電源の状態とに基づいて、前記配電線内の前記複数区間における前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力を算出する、
項目11から13の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目15]
前記一または複数の配電線は、一の配電線と他の配電線を含んでおり、
前記計測結果取得部は、前記一の配電線内の複数点および前記他の配電線内の複数点での電気計測結果をそれぞれ取得し、
前記算出部は、前記制御情報と、前記電気計測結果とに基づいて、前記一の配電線内の複数区間および前記他の配電線内の複数区間における前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力を算出し、
前記配電制御装置は、前記算出部によって算出された前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力に基づいて、前記一の配電線と前記他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する判定部をさらに備える、
項目11から14の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目16]
前記算出部は、前記一の配電線において故障が発生した場合に、前記一の配電線内の複数区間および前記他の配電線内の複数区間における前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力を算出し、
前記判定部は、前記一の配電線において故障が発生した場合に、前記一の配電線と前記他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する、
項目15に記載の配電制御装置。
[項目17]
前記算出部が算出した算出結果を記憶する記憶部をさらに備えており、
前記算出部は、前記一の配電線において故障が発生したか否かによらず、前記一の配電線内の複数区間および前記他の配電線内の複数区間における前記負荷および前記分散型電源の前記発電電力を算出し、
前記判定部は、前記一の配電線において故障が発生した場合に、前記記憶部に記憶された前記算出結果に基づいて、前記一の配電線と前記他の配電線との間が接続可能か否かについて判定する、
項目15に記載の配電制御装置。
[項目18]
前記制御情報は、前記送電線の故障情報を含んでおり、
前記送電線の故障情報に基づいて、複数の配電線の中から、前記一の配電線が接続される前記他の配電線が選択される、
項目15から17の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目19]
前記制御情報取得部は、前記分散型電源に対して制御指令を送信する指令装置から通信回線を通じて前記制御情報を取得する、項目11から18の何れか一項に記載の配電制御装置。
[項目20]
項目1から9の何れか一項に記載の配電制御装置と、
前記配電制御装置と通信可能に接続されている端末装置と、を備える、
システム。