JP7367877B2 - 音計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光による音計測技術に関する。
光を用いた音計測方法の1つとして、音響光学効果と呼ばれる音による媒質の屈折率変化を利用する方法がある。音響光学効果によると、空気中の音による光位相変調量φsは、次式により表される。
Figure 0007367877000001

ただし、kは光の波数、n0は定常状態の空気屈折率、p0は定常状態の大気圧、γは空気の比熱比、pは音圧である。また、式(1)の積分は光の伝搬経路に沿った線積分である。
つまり、式(1)で与えられる音による光位相変調量φsを観測することによって、非接触に音を計測することができる。
音響光学効果を利用した音計測方法の多くで、光干渉計を利用する。光干渉計として、マイケルソン型、マッハツェンダ型、フィゾー型など任意の光干渉計を用いることができる。図1は、マイケルソン干渉計を用いた音計測装置を示す。図1の音計測装置は、マイケルソン干渉計と、音測定部と、光検出器を含む。また、マイケルソン干渉計は、ビームスプリッタと2つの鏡を含む。音測定部が、音を用いて光の位相を変調する構成部である。なお、光源にはレーザを用いることができる。図1中のBS, M, PDはそれぞれビームスプリッタ、鏡、光検出器を表す。また、矢印は、光が分岐、伝搬する様子を表す。
以下、図1の音計測装置の動作について説明する。光源から射出された光をビームスプリッタで2つの光に分割する。そして、2つの光は干渉計内の異なる経路を伝搬し、少なくとも1つの光は音測定部を通過する。その後、2つの光はビームスプリッタで合波される。合波された光、すなわち、干渉光を光検出器で検出することによって、2つの光の位相差を電気信号として取り出す。ここで、光検出器の出力である電気信号(出力信号)の電流iは、次式により表される。
Figure 0007367877000002

ただし、ηは光検出器の量子効率、Iは干渉光の光量、IDCは干渉光の光量の直流成分(平均光強度)、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量である。
式(2)からわかるように、出力信号の電流iは、音による光の位相変調量φsに依存して変化する。このことを利用して、非接触な音計測が実現される(非特許文献1参照)。
P. Yuldashev, M. Karzova, V. Khokhlova, S. Ollivier, and P. Blanc-Benon, "Mach-Zehnder interferometry method for acoustic shock wave measurements in air and broadband calibration of microphones," The Journal of the Acoustical Society of America, 137(6), pp.3314-3324, 2015.
図1の音計測装置の出力信号の電流iは、平均光強度IDCに、音による光位相変調量φsを含む干渉の影響を示す強度IAcos(φs0)を加算した結果から得られる。一般に、音による光位相変調量φsは微小であり、平均光強度IDCに対して非常に小さい。また、平均光強度IDCには光源の強度揺らぎなどに起因する雑音が含まれている。この雑音は、平均光強度IDCに対しては微小であっても、音による光位相変調量φsに対しては無視することができない。そのため、音計測装置で検出可能な最小の光位相変調量が決定されることがしばしばある。したがって、音計測装置における雑音を低減し、SN比を向上させるためには、平均光強度IDCに含まれる雑音の低減が重要な課題となる。
そこで本発明では、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることがない、音による光位相変調量の計測技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、前記干渉光生成器が、光源から射出された光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、前記第1の光とは異なる、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得る干渉光生成ステップと、前記第1の光検出器が、前記第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、を含み、前記第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と前記第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係にあり、前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測される。
本発明の一態様は、ビームスプリッタと、干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、前記ビームスプリッタが、光源から射出された光から、2つの光(以下、第1の光、第2の光という)を得る光分岐ステップと、前記干渉光生成器が、前記第1の光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第3の光という)を得る干渉光生成ステップと、前記第1の光検出器が、前記第3の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、を含み、前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測される。
本発明の一態様は、干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器と、光位相変調量調整器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、前記干渉光生成器が、光源から射出された光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、前記第1の光とは異なる、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得る干渉光生成ステップと、前記第1の光検出器が、前記第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、前記光位相変調量調整器が、前記差動信号を誤差信号として、干渉縞の位相がミッドフリンジにあるように前記干渉計を固定することで、音以外の要素による光位相変調量φ0を調整する光位相変調量調整ステップと、を含み、前記第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と前記第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係にあり、前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAsin(φs)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測される。
本発明によれば、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量を計測することが可能となる。
従来の音計測装置の構成の一例を示す図である。 本願の音計測装置の構成の一例を示す図である。 ビームスプリッタにおける入射光と出射光の様子を示す図である。 光量調整器を含む構成の一例を示す図である。 本願の音計測装置の構成の一例を示す図である。 本願の音計測装置の構成の一例を示す図である。 ウォラトンプリズムを用いた構成の一例を示す図である。 本願の音計測装置の構成の一例を示す図である。 光位相変調量調整器の構成の一例を示す図である。 干渉縞の位相と干渉光の強度の関係を示す図である。 干渉光のパワースペクトル密度の様子を示す図である。 マルチパスミラーを用いた構成の一例を示す図である。 音計測装置100の構成を示すブロック図である。 音計測装置100の動作を示すフローチャートである。 干渉光生成器110の構成を示すブロック図である。 干渉光生成器110の構成を示すブロック図である。 干渉光生成器110の構成を示すブロック図である。 音計測装置200の構成を示すブロック図である。 音計測装置200の動作を示すフローチャートである。 音計測装置300の構成を示すブロック図である。 音計測装置300の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
各実施形態の説明に先立って、この明細書における表記方法について説明する。
^(キャレット)は上付き添字を表す。例えば、xy^zはyzがxに対する上付き添字であり、xy^zはyzがxに対する下付き添字であることを表す。また、_(アンダースコア)は下付き添字を表す。例えば、xy_zはyzがxに対する上付き添字であり、xy_zはyzがxに対する下付き添字であることを表す。
ある文字xに対する^xや~xのような上付き添え字の”^”や”~”は、本来”x”の真上に記載されるべきであるが、明細書の記載表記の制約上、^xや~xと記載しているものである。
<技術的背景>
本発明の実施形態では、音響光学効果を用いた光による音計測において、干渉光を差動検出する。これにより、平均光強度を相殺し、平均光強度に含まれる雑音を除去することができる。したがって、従来の音計測装置における主要な雑音である、光源の光強度雑音を除去することによって、SN比を大幅に向上させることができる。また、同程度のSN比を実現しようとする場合における光源の強度安定性に対する要求を大幅に低下させることができ、コスト削減が可能となる。
以下、本発明の実施形態における音計測装置の構成例をいくつか示す。
(構成例1)
図2は、音計測装置の構成の一例を示す図である。図2の音計測装置は、マイケルソン干渉計による構成例であり、ビームスプリッタと、干渉計と、音測定部と、2つの光検出器と、差動検出部を含む。また、干渉計は、ビームスプリッタと2つの鏡を含む。図2中のBS, M, PDはそれぞれビームスプリッタ、鏡、光検出器を表す。〇に十字の記号は、差動検出部を表す。また、矢印は光が分岐、伝搬する様子を表す。
なお、光源にはレーザを用いることができる。また、干渉計には、マイケルソン干渉計の代わりに、マッハツェンダ型、フィゾー型など任意の干渉計を用いることができる。
以下、図2の音計測装置の動作について説明する。光源から射出された光は干渉計のビームスプリッタによって2つの光に分割される。そのうち少なくとも1つの光は音測定部を1回以上通過する。2つの光はそれぞれ鏡により反射され、干渉計のビームスプリッタに入射し結合される。ビームスプリッタの2つポート(図3の出射ポート1と出射ポート2)から射出された光はそれぞれ光検出器によって検出され、電気信号に変換される。2つの電気信号の差分である差動信号が出力信号として得られる。
ここで、図3に示すように干渉計のビームスプリッタにおける入射光と出射光の関係について考える。出射ポート1に出射される光は、入射ポート1から入射した光のうちビームスプリッタを透過した成分と入射ポート2から入射した光のうちビームスプリッタで反射した成分の和である。また、出射ポート2に出射される光は、入射ポート1から入射した光のうちビームスプリッタで反射した成分と入射ポート2から入射した光のうちビームスプリッタを透過した成分の和である。ここで、屈折率の異なる媒質間での光の反射の法則により、入射ポート1から入射した光のうちビームスプリッタで反射した成分と入射ポート2から入射した光のうちビームスプリッタで反射した成分のどちらか一方は、反射時に位相が反転する。ただし、どちらの成分の位相が反転するかは、ビームスプリッタの構造や向きに依存する。ここでは、入射ポート1から入射した光のうちビームスプリッタで反射した成分の位相が反転したものとする。ここで、EIN1を入射ポート1から入射した光、EIN2を入射ポート2から入射した光とすると、出射ポート1に出射される光E1、出射ポート2に出射される光E2は、それぞれ以下の式で表すことができる。
Figure 0007367877000003

Figure 0007367877000004

I1を光EIN1の強度(光量)、I2を光EIN2の強度(光量)とすると、2つの光検出器PD1, PD2から出力される電気信号の電流i1, i2は、それぞれ以下の式で表すことができる。
Figure 0007367877000005

Figure 0007367877000006

したがって、差動検出部の出力信号である差動信号の電流Δiは、以下の式で表される。
Figure 0007367877000007

式(7)からわかるように、差動信号の電流Δiには平均光強度IDCを含む項が含まれていない。したがって、平均光強度に含まれる光源の強度の揺らぎなどに起因する雑音に影響されない低雑音な音、つまり、音による光位相変調量φsを計測することができる。
なお、図4に示すように、音計測装置は、2つの光検出器に入射する光量を独立して調整するための光量調整器(図4中のP)を備えるものであってもよい。ここで、光量調整器として、直線偏光子を用いることができる。構成例1では、2つの光の偏光状態は等しい。例えば、2つの光が直線偏光であるとすれば、直線偏光子を回転することで光検出器に入射する光量を調整することができる。このように、図2の音計測装置が光量調整器を備えることで、光学系による入射光量の差や光検出器の感度の不一致により2つの光検出器から出力される電気信号が完全に同じ振幅にならないという問題を解決することができる。
(構成例2)
図5は、音計測装置の構成の一例を示す図である。図5の音計測装置は、構成例1と同様、マイケルソン干渉計による構成例であり、ビームスプリッタと、干渉計と、音測定部と、2つの光検出器と、差動検出部を含む。ただし、光源の近くに位置するビームスプリッタの向きが、図2と図5では反転している。そのため、光検出器PD2で検出される光は、干渉計を通過したものではなく、光検出器PD2で検出される光の光量は直流成分のみとなる。
2つの光検出器PD1, PD2から出力される電気信号の電流i1, i2は、それぞれ以下の式で表すことができる。
Figure 0007367877000008

Figure 0007367877000009

ここで、光検出器PD2で検出される平均光強度はIDCの2倍(つまり、2IDC)となる。この強度を光学的もしくは電気的に調整したうえで差動検出部に入力することにより、差動検出部の出力信号である差動信号の電流Δiは、以下の式で表される。
Figure 0007367877000010

なお、図5には、この差動検出部の入力信号の強度を調整する機構については、図示していない。
式(10)からわかるように、構成例2においても、差動信号の電流Δiには平均光強度IDCを含む項が含まれていない。したがって、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量φsを計測することができる。
(構成例3)
図6は、音計測装置の構成の一例を示す図である。図6の音計測装置は、偏光素子を用いた干渉計による構成例であり、干渉計と、音測定部(図示しない)と、2つの光検出器と、差動検出部を含む。干渉計は、2つの偏光ビームスプリッタと2つの1/2波長板と2つの1/4波長板と2つの鏡(図示しない)を含む。図6中のPBS, H, Qはそれぞれ偏光ビームスプリッタ、1/2波長板、1/4波長板を表す。
以下、図6の音計測装置の動作について説明する。ここでは、光源から射出された光は直線偏光であるものとする。光源から射出された直線偏光は1/2波長板(光源に近い位置にある1/2波長板)によって45°に傾いた直線偏光に変換される。この変換された直線偏光は偏光ビームスプリッタによって直交する直線偏光に分岐される。2つの直線偏光はそれぞれ2回1/4波長板を透過することによって、その向きが90°回転し、再び偏光ビームスプリッタへ戻り、2つの直線偏光が入射したポートとは異なるポート(図6中の左方向に射出するポート)から光が出力される。この光は直交する2つの直線偏光の重ね合わせである。次に、1/2波長板によって2つの直線偏光の向きを45°回転させる。これを別の偏光ビームスプリッタで分岐し、2つの光検出器PD1, PD2で検出する。このとき、2つの光検出器PD1, PD2から出力される電気信号の電流は、定数項を除いて式(5)、式(6)の電流i1, i2と等しい。したがって、差動検出部の出力信号である差動信号の電流Δiは、式(7)で表される。
(変形例)
なお、図7に示すように、音計測装置は、ウォラストンプリズム(図7中のWP)を用いて構成することができる。図7は、図6の光検出器の近くに位置する偏光ビームスプリッタをウォラストンプリズムで置き換えた音計測装置の構成例を示すものである。ウォラストンプリズムによって2つの直線偏光は同じ面から異なる方向に分離される。したがって、ウォラストンプリズムを用いることにより、追加の光学素子を用いることなく、同一平面に配置された2つの光検出器で検出することが可能となる。
(構成例4)
図8は、音計測装置の構成の一例を示す図である。図8の音計測装置は、出力信号である差動信号によるフィードバック制御を行う干渉計を含むものであり、当該フィードバック制御のためにフィードバック制御器とピエゾ素子(図8中のPZT)をさらに含む点において、図2の音計測装置と異なる。ここで、フィードバック制御器とピエゾ素子とを含む構成部を光位相変調量調整器という。一般に、光位相変調量調整器は、図9に示すように、フィードバック制御器と光位相制御器を含む。光位相変調量調整器は、差動信号を誤差信号として、干渉縞の位相がミッドフリンジにあるように干渉計を固定することで、音以外の要素による光位相変調量φ0を調整する。図8の音計測装置では、光位相制御器であるピエゾ素子が参照光路の鏡の位置を制御することにより、光位相変調量φ0を調整する。ここで、参照光路とは、干渉計内を、ビームスプリッタを通過し、鏡で反射され、ビームスプリッタを通過する光路のことである。また、干渉計内を、ビームスプリッタ、音測定部の順に通過し、鏡で反射され、音測定部、ビームスプリッタの順に通過する光路のことを測定光路という。なお、光位相変調量の調整は、計測対象となる音の周波数よりも低い周波数帯域で行う。
以下、光位相変調量調整器の動作について説明する。まず、その動作原理となるミッドフリンジロックについて説明する。図10は、干渉縞の位相と干渉光の強度(光量)の関係を示す。図10に示すように、干渉光の強度が最小、最大となる点をそれぞれダークフリンジ、ブライトフリンジという。また、ダークフリンジとブライトフリンジの中間点をミッドフリンジという。ミッドフリンジにおいて、位相変化に対する光強度変化、すなわち、干渉計の感度が最大となる。したがって、計測対象となる音が存在しない場合に干渉縞の位相が常にミッドフリンジにあるように干渉計を固定することで、干渉計の感度を最大化することができる。このように干渉計を制御する方法をミッドフリンジロックという。つまり、光位相変調量調整器は干渉計をミッドフリンジロックする構成部である。
ここで、干渉光の光量I=IDC+IAcos(φs0)に含まれる2つの光位相変調量φs, φ0について考える。音による光位相変調量φsは、その変動量・周波数が計測対象となる音に依存する。一方、音以外の要素による光位相変調量φ0は、光学系の配置によって決まる定常項と空気揺らぎや地面振動などによって生じる緩やかな変動を含む。図11からわかるように、光位相変調量φ0は、低周波成分ほどパワーが大きく、主に100Hz以下の成分が支配的である。したがって、計測対象となる音の周波数よりも低い周波数帯域でフィードバック制御を行うことによって、光位相変調量φ0の変動量をゼロとする(つまり、光位相変調量φ0をある定数に固定する)一方で、光位相変調量φsの変動についてはそのまま残すことができる。
干渉縞の位相がミッドフリンジにあるとき、光位相変調量φ0はφ0=π/2+Nπ(ただし、Nは整数)と表すことができる。そこで、例えば、φ0=-π/2となるようにミッドフリンジロックする場合、干渉光の光量はI=IDC+IAsin(φs)となる。このとき、差動検出部の出力信号である差動信号の電流Δiは、以下の式で表される。
Figure 0007367877000011

ここで、一般的な音に対してはφs<<1が成り立つので、差動信号の電流Δiは以下の式により近似することができる。
Figure 0007367877000012

したがって、計測対象となる音よりも低い周波数帯域でミッドフリンジロックが達成されれば、差動信号の電流Δiと音による光位相変調量φsは比例関係となり、差動信号そのものが低雑音な音信号となる。
なお、一般にφ0=π/2+Nπとなるようにミッドフリンジロックする場合、Nの値によっては電流Δiの符号が反転することもあるが、この場合は単に差動信号の符号を反転すればよい。
以下、ミッドフリンジロックを達成するための光位相変調量調整器の動作について説明する(図9参照)。まず、差動信号を誤差信号としてフィードバック制御器に入力する。フィードバック制御器は、この誤差信号に対して、音以外の要素による光位相変調量φ0の変動を相殺する(音以外の要素による光位相変調量φ0の変動量がゼロとなる)ような制御信号を生成する。これは上述の通り制御帯域を音の周波数よりも低くすることで実現できる。また、フィードバック制御器には、例えば、単一あるいは複数の増幅器および積分器からなる電気回路、PID制御器、デジタル回路など、音を含まない帯域において誤差信号がゼロになるように光位相制御器の駆動信号を生成する働きをするあらゆるシステムを用いることができる。次に、フィードバック制御器の出力信号である制御信号を用いて光位相制御器を駆動する。光位相制御器は、参照光路の鏡または測定光路の鏡の位置を制御するか、参照光路または測定光路の途中に挿入した光位相変調器によって参照光路を伝搬する光(参照光)または測定光路を伝搬する光(測定光)の位相を制御する。鏡の位置を制御する方法では、例えば鏡に取りつけたピエゾ素子を制御信号で駆動し、参照光路あるいは測定光路を伸縮させることによって、2つの光の位相差を制御し、干渉縞をミッドフリンジに固定する(図8参照)。一方、参照光または測定光の位相を制御する方法では、参照光路または測定光路の途中に挿入した光位相変調器を制御信号で駆動し、参照光または測定光の位相を制御することによって、2つの光の位相差を制御し、干渉縞をミッドフリンジに固定する。動作中、干渉計には計測対象となる音と音以外の要因(外乱)が入力されているので、外乱のみを相殺する(光位相変調量φ0の変動量がゼロとなる)ように上記フィードバック制御を続ける。これによって、音による光位相変調量φsのみが干渉計から出力される。したがって、光位相変調量φsに比例する低雑音な差動信号が得られることになる。
以上説明した通り、差動信号を誤差信号としてフィードバック制御を行うことによって、ミッドフリンジロックを実現することができる。制御帯域を計測対象となる音の周波数よりも低く設定することで、ミッドフリンジ近傍の感度最大点で音を計測することが可能となる。さらに計測対象となる音の振幅が小さい場合、光位相変調量φsと差動信号の電流Δiが比例関係となり、差動信号を後処理することなく、低雑音な音信号として取り出すことが可能となる。
(構成例5)
図12は、音計測装置の構成例1~4における音測定部の光路を多重化することにより、音による光位相変化量を高感度に計測する構成の一例を示す図である。図12の構成では、光が音測定部を複数回通過するようにマルチパスミラーを配置する。これにより、音による光位相変化量φsが増大する。具体的には、光の往復回数をM回とすると、音による光位相変化量φsはM倍になる。
<第1実施形態>
音計測装置100は、光源から射出された光を入力とし、音による光位相変調量φsを計測する。
以下、図13~図14を参照して音計測装置100を説明する。図13は、音計測装置100の構成を示すブロック図である。図14は、音計測装置100の動作を示すフローチャートである。図13に示すように音計測装置100は、干渉光生成器110と、2つの光検出器120(以下、第1の光検出器120-1、第2の光検出器120-2という。)と、差動信号生成器130とを含む。また、干渉光生成器110は、干渉計111/112/113と、音を用いて光の位相を変調する音測定部114とを含む。
図14に従い音計測装置100の動作について説明する。
S110において、干渉光生成器110は、光源910から射出された光を入力とし、光源から射出された光から、音測定部114により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、第1の光とは異なる、音測定部114により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得、出力する。第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係となる。
S120-1において、第1の光検出器120-1は、S110で出力した第1の光を入力とし、第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得、出力する。
S120-2において、第2の光検出器120-2は、S110で出力した第2の光を入力とし、第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得、出力する。
なお、第1の電気信号と第2の電気信号の振幅が同一となるように、音計測装置100は、第1の光の光量を調整する第1の光量調整器(図示しない)と第2の光の光量を調整する第2の光量調整器(図示しない)とを含むものであってもよい。
S130において、差動信号生成器130は、S120-1で出力した第1の電気信号とS120-2で出力した第2の電気信号とを入力とし、第1の電気信号と第2の電気信号からその差分である差動信号を得、出力する。
音による光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される差動信号の電流Δiとして計測される。
以下、干渉光生成器110の構成例について説明する。
(構成例1)
図15に示すように干渉光生成器110は、干渉計111(図示しない)と、音測定部114とを含む。干渉計111は、ビームスプリッタ1111と、2つの鏡1112(以下、第1の鏡1112-1、第2の鏡1112-2という)とを含む。干渉計111を含む音計測装置100は、<技術的背景>で説明した(構成例1)に相当する。音計測装置100は、図2にあるように、第2の光検出器120-2の近くにビームスプリッタ(図示しない)を含む構成であってもよい。
干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光を、ビームスプリッタ1111、音測定部114の順に通過し、第1の鏡1112-1で反射され、音測定部114、ビームスプリッタ1111の順に通過する光、干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を、ビームスプリッタ1111を通過し、第2の鏡1112-2で反射され、ビームスプリッタ1111を通過する光とすると、第1の光と第2の光は、ビームスプリッタ1111において干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である。
(構成例2)
図16に示すように干渉光生成器110は、干渉計112(図示しない)と、音測定部114とを含む。干渉光計112は、2つの偏光ビームスプリッタ1121(以下、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第2の偏光ビームスプリッタ1121-2という)と、2つの1/2波長板1122(以下、第1の1/2波長板1122-1、第2の1/2波長板1122-2という)と、2つの1/4波長板1123(以下、第1の1/4波長板1123-1、第2の1/4波長板1123-2という)と、2つの鏡1124(以下、第1の鏡1124-1、第2の鏡1124-2という)とを含む。干渉計112を含む音計測装置100は、<技術的背景>で説明した(構成例3)に相当する。
干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光を、第1の1/2波長板1122-1、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第1の1/4波長板1123-1、音測定部114の順に通過し、第1の鏡1124-1で反射され、音測定部114、第1の1/4波長板1123-1、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第2の1/2波長板1122-2、第2の偏光ビームスプリッタ1121-2の順に通過する光、干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を、第1の1/2波長板1122-1、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第2の1/4波長板1123-2の順に通過し、第2の鏡1124-2で反射され、第2の1/4波長板1123-2、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第2の1/2波長板1122-2、第2の偏光ビームスプリッタ1121-2の順に通過する光とすると、第1の光と第2の光は、第2の偏光ビームスプリッタ1121-2において干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である。
なお、図16では、第1の1/4波長板1123-1と音測定部114の位置関係を、第1の1/4波長板1123-1が左、音測定部114が右となる位置関係としたが、逆であってもよい。この場合、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光は、第1の1/2波長板1122-1、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、音測定部114、第1の1/4波長板1123-1の順に通過し、第1の鏡1124-1で反射され、第1の1/4波長板1123-1、音測定部114、第1の偏光ビームスプリッタ1121-1、第2の1/2波長板1122-2、第2の偏光ビームスプリッタ1121-2の順に通過する光となる。
(構成例3)
図17に示すように干渉光生成器110は、干渉計113(図示しない)と、音測定部114とを含む。干渉計113は、偏光ビームスプリッタ1131と、ウォラストンプリズム1132と、2つの1/2波長板1133(以下、第1の1/2波長板1133-1、第2の1/2波長板1133-2という)と、2つの1/4波長板1134(以下、第1の1/4波長板1134-1、第2の1/4波長板1134-2という)と、2つの鏡1135(以下、第1の鏡1135-1、第2の鏡1135-2という)とを含む。干渉計113を含む音計測装置100は、<技術的背景>で説明した(構成例3)の(変形例)に相当する。
干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光を、第1の1/2波長板1133-1、偏光ビームスプリッタ1131、第1の1/4波長板1134-1、音測定部114の順に通過し、第1の鏡1135-1で反射され、音測定部114、第1の1/4波長板1134-1、偏光ビームスプリッタ1131、第2の1/2波長板1133-2、ウォラストンプリズム1132の順に通過する光、干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を、第1の1/2波長板1133-1、偏光ビームスプリッタ1131、第2の1/4波長板1134-2の順に通過し、第2の鏡1135-2で反射され、第2の1/4波長板1134-2、偏光ビームスプリッタ1131、第2の1/2波長板1133-2、ウォラストンプリズム1132の順に通過する光とすると、第1の光と第2の光は、ウォラストンプリズム1132において干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である。
なお、図17では、第1の1/4波長板1134-1と音測定部114の位置関係を、第1の1/4波長板1134-1が左、音測定部114が右となる位置関係としたが、逆であってもよい。この場合、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光は、第1の1/2波長板1133-1、偏光ビームスプリッタ1131、音測定部114、第1の1/4波長板1134-1の順に通過し、第1の鏡1135-1で反射され、第1の1/4波長板1134-1、音測定部114、偏光ビームスプリッタ1131、第2の1/2波長板1133-2、ウォラストンプリズム1132の順に通過する光となる。
本発明の実施形態によれば、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量を計測することが可能となる。
<第2実施形態>
音計測装置200は、光源から射出された光を入力とし、音による光位相変調量φsを計測する。
以下、図18~図19を参照して音計測装置200を説明する。図18は、音計測装置200の構成を示すブロック図である。図19は、音計測装置200の動作を示すフローチャートである。図18に示すように音計測装置200は、ビームスプリッタ210と、干渉光生成器110と、2つの光検出器120(以下、第1の光検出器120-1、第2の光検出器120-2という。)と、差動信号生成器130とを含む。また、干渉光生成器110は、干渉計111と、音を用いて光の位相を変調する音測定部114とを含む。
図19に従い音計測装置200の動作について説明する。
S210において、ビームスプリッタ210は、光源910から射出された光を入力とし、光源から射出された光を分岐することにより、2つの光(以下、第1の光、第2の光という)を得、出力する。
S110において、干渉光生成器110は、S210で出力した第1の光を入力とし、第1の光から、音測定部114により光位相変調した光を含む光(以下、第3の光という)を得、出力する。
S120-1において、第1の光検出器120-1は、S110で出力した第3の光を入力とし、第3の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得、出力する。
S120-2において、第2の光検出器120-2は、S210で出力した第2の光を入力とし、第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得、出力する。
なお、第1の電気信号と第2の電気信号の振幅が同一となるように、音計測装置200は、第2の光の光量を調整する光量調整器(図示しない)、第2の電気信号の電流を調整する電流調整器(図示しない)のいずれかを含む。
S130において、差動信号生成器130は、S120-1で出力した第1の電気信号とS120-2で出力した第2の電気信号とを入力とし、第1の電気信号と第2の電気信号からその差分である差動信号を得、出力する。
音による光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される差動信号の電流Δiとして計測される。
なお、干渉光生成器110の構成は、第1実施形態で説明した干渉光生成器110の(構成例1)と同一でよい。したがって、第3の光は、ビームスプリッタ1111において干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である。
本発明の実施形態によれば、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量を計測することが可能となる。
<第3実施形態>
音計測装置300は、光源から射出された光を入力とし、音による光位相変調量φsを計測する。
以下、図20~図21を参照して音計測装置300を説明する。図20は、音計測装置300の構成を示すブロック図である。図21は、音計測装置300の動作を示すフローチャートである。図20に示すように音計測装置300は、干渉光生成器110と、2つの光検出器120(以下、第1の光検出器120-1、第2の光検出器120-2という。)と、差動信号生成器130と、光位相変調量調整器340とを含む。また、干渉光生成器110は、干渉計111と、音を用いて光の位相を変調する音測定部114とを含む。
図21に従い音計測装置300の動作について説明する。
S110において、干渉光生成器110は、光源910から射出された光を入力とし、光源から射出された光から、音測定部114により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、第1の光とは異なる、音測定部114により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得、出力する。第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係となる。
S120-1において、第1の光検出器120-1は、S110で出力した第1の光を入力とし、第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得、出力する。
S120-2において、第2の光検出器120-2は、S110で出力した第2の光を入力とし、第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得、出力する。
なお、第1の電気信号と第2の電気信号の振幅が同一となるように、音計測装置300は、第1の光の光量を調整する第1の光量調整器(図示しない)と第2の光の光量を調整する第2の光量調整器(図示しない)とを含むものであってもよい。
S130において、差動信号生成器130は、S120-1で出力した第1の電気信号とS120-2で出力した第2の電気信号とを入力とし、第1の電気信号と第2の電気信号からその差分である差動信号を得、出力する。
S340において、光位相変調量調整器340は、S130で出力した差動信号を入力とし、差動信号を誤差信号として、干渉縞の位相がミッドフリンジにあるように干渉計111を固定することで、音以外の要素による光位相変調量φ0を調整する。
音による光位相変調量φsは、式Δi=βIAsin(φs)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅)により表される差動信号の電流Δiとして計測される。なお、φs<<1が成り立つ場合、音による光位相変調量φsは、式Δi=βIAφs(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅)により表される差動信号の電流Δiとして計測される。
なお、干渉光生成器110の構成は、第1実施形態で説明した干渉光生成器110の(構成例1)と同一でよい。この場合、光位相変調量調整器340は、差動信号を用いて、計測対象となる音の周波数よりも低い周波数帯域で、音以外の要素による光位相変調量φ0の変動量がゼロとなる(つまり、音以外の要素による光位相変調量φ0の値がある定数となる)ように制御する制御信号を生成し、制御信号を用いて干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光との位相差を制御することにより、音以外の要素による光位相変調量φ0を調整し、干渉縞の位相がミッドフリンジにあるように干渉計111を固定する。
ここで、光位相変調量調整器340は、制御信号を用いて第1の鏡1112-1に取り付けたピエゾ素子を駆動し、干渉光生成器110内の第1の光路を伸縮させることにより、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光との位相差を制御するようにしてもよいし、光位相変調量調整器340は、制御信号を用いて第2の鏡1112-2に取り付けたピエゾ素子を駆動し、干渉光生成器110内の第2の光路を伸縮させることにより、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光との位相差を制御するようにしてもよい。また、光位相変調量調整器340は、制御信号を用いて、干渉光生成器110内の第1の光路のビームスプリッタ1111と第1の鏡1112-1の間に挿入した光位相変調器を駆動し、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光の位相を制御することにより、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光との位相差を制御するようにしてもよいし、光位相変調量調整器340は、制御信号を用いて、干渉光生成器110内の第2の光路のビームスプリッタ1111と第2の鏡1112-2の間に挿入した光位相変調器を駆動し、干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光の位相を制御することにより、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光と干渉光生成器110内の第2の光路を伝搬する光との位相差を制御するようにしてもよい。
本発明の実施形態によれば、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量を計測することが可能となる。
<第4実施形態>
音計測装置100/200/300に含まれる干渉光生成器110は、<技術的背景>で説明した(構成例5)のように、マルチパスミラーを含むものであってもよい。
したがって、干渉光生成器110は、更にマルチパスミラーを含むものであり、干渉光生成器110内の第1の光路を伝搬する光は、マルチパスミラーによる反射により、音による光位相変調量φsが増大した光となる。
本発明の実施形態によれば、平均光強度に含まれる雑音の影響を受けることなく、音による光位相変調量を計測することが可能となる。
<補記>
上述の本発明の実施形態の記載は、例証と記載の目的で提示されたものである。網羅的であるという意思はなく、開示された厳密な形式に発明を限定する意思もない。変形やバリエーションは上述の教示から可能である。実施形態は、本発明の原理の最も良い例証を提供するために、そして、この分野の当業者が、熟考された実際の使用に適するように本発明を色々な実施形態で、また、色々な変形を付加して利用できるようにするために、選ばれて表現されたものである。すべてのそのような変形やバリエーションは、公正に合法的に公平に与えられる幅にしたがって解釈された添付の請求項によって定められた本発明のスコープ内である。

Claims (7)

  1. 干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、
    前記干渉光生成器が、光源から射出された光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、前記第1の光とは異なる、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得る干渉光生成ステップと、
    前記第1の光検出器が、前記第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、
    前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、
    前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、
    を含み、
    前記第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と前記第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係にあり、
    前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測される
    音計測方法。
  2. 請求項1に記載の音計測方法であって、
    前記干渉計は、ビームスプリッタと、2つの鏡(以下、第1の鏡、第2の鏡という)とを含み、
    前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタ、前記音測定部の順に通過し、前記第1の鏡で反射され、前記音測定部、前記ビームスプリッタの順に通過する光であり、
    前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタを通過し、前記第2の鏡で反射され、前記ビームスプリッタを通過する光であり、
    前記第1の光と前記第2の光は、前記ビームスプリッタにおいて前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光と前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である
    ことを特徴とする音計測方法。
  3. 請求項1に記載の音計測方法であって、
    前記干渉計は、2つの偏光ビームスプリッタ(以下、第1の偏光ビームスプリッタ、第2の偏光ビームスプリッタという)と、2つの1/2波長板(以下、第1の1/2波長板、第2の1/2波長板という)と、2つの1/4波長板(以下、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板という)と、2つの鏡(以下、第1の鏡、第2の鏡という)とを含み、
    前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、前記第1の1/2波長板、前記第1の偏光ビームスプリッタ、前記第1の1/4波長板、前記音測定部の順に通過し、前記第1の鏡で反射され、前記音測定部、前記第1の1/4波長板、前記第1の偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/2波長板、前記第2の偏光ビームスプリッタの順に通過する光であり、
    前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光は、前記第1の1/2波長板、前記第1の偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/4波長板の順に通過し、前記第2の鏡で反射され、前記第2の1/4波長板、前記第1の偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/2波長板、前記第2の偏光ビームスプリッタの順に通過する光であり、
    前記第1の光と前記第2の光は、前記第2の偏光ビームスプリッタにおいて前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光と前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である
    ことを特徴とする音計測方法。
  4. 請求項1に記載の音計測方法であって、
    前記干渉計は、偏光ビームスプリッタと、ウォラストンプリズムと、2つの1/2波長板(以下、第1の1/2波長板、第2の1/2波長板という)と、2つの1/4波長板(以下、第1の1/4波長板、第2の1/4波長板という)と、2つの鏡(以下、第1の鏡、第2の鏡という)とを含み、
    前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、前記第1の1/2波長板、前記偏光ビームスプリッタ、前記第1の1/4波長板、前記音測定部の順に通過し、前記第1の鏡で反射され、前記音測定部、前記第1の1/4波長板、前記偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/2波長板、前記ウォラストンプリズムの順に通過する光であり、
    前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光は、前記第1の1/2波長板、前記偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/4波長板の順に通過し、前記第2の鏡で反射され、前記第2の1/4波長板、前記偏光ビームスプリッタ、前記第2の1/2波長板、前記ウォラストンプリズムの順に通過する光であり、
    前記第1の光と前記第2の光は、前記ウォラストンプリズムにおいて前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光と前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である
    ことを特徴とする音計測方法。
  5. ビームスプリッタと、干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、
    前記ビームスプリッタが、光源から射出された光から、2つの光(以下、第1の光、第2の光という)を得る光分岐ステップと、
    前記干渉光生成器が、前記第1の光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第3の光という)を得る干渉光生成ステップと、
    前記第1の光検出器が、前記第3の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、
    前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、
    前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、
    を含み、
    前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAcos(φs0)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅、φ0は音以外の要素による光位相変調量)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測され、
    前記干渉計は、ビームスプリッタと、2つの鏡(以下、第1の鏡、第2の鏡という)とを含み、
    前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタ、前記音測定部の順に通過し、前記第1の鏡で反射され、前記音測定部、前記ビームスプリッタの順に通過する光であり、
    前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタを通過し、前記第2の鏡で反射され、前記ビームスプリッタを通過する光であり、
    前記第3の光は、前記ビームスプリッタにおいて前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光と前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光であり、
    前記干渉光生成器は、更にマルチパスミラーを含むものであり、前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、マルチパスミラーによる反射により音による光位相変調量φ s が増大した光となる
    音計測方法。
  6. 干渉計と音を用いて光の位相を変調する音測定部とを含む干渉光生成器と、2つの光検出器(以下、第1の光検出器、第2の光検出器という)と、差動信号生成器と、光位相変調量調整器とを含む音計測装置が、音による光位相変調量φsを計測する音計測方法であって、
    前記干渉光生成器が、光源から射出された光から、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第1の光という)と、前記第1の光とは異なる、前記音測定部により光位相変調した光を含む光(以下、第2の光という)とを得る干渉光生成ステップと、
    前記第1の光検出器が、前記第1の光から電気信号(以下、第1の電気信号という)を得る第1光検出ステップと、
    前記第2の光検出器が、前記第2の光から電気信号(以下、第2の電気信号という)を得る第2光検出ステップと、
    前記差動信号生成器が、前記第1の電気信号と前記第2の電気信号からその差分である差動信号を得る差動信号生成ステップと、
    前記光位相変調量調整器が、前記差動信号を誤差信号として、干渉縞の位相がミッドフリンジにあるように前記干渉計を固定することで、音以外の要素による光位相変調量φ0を調整する光位相変調量調整ステップと、
    を含み、
    前記第1の光に含まれる光位相変調した光の位相と前記第2の光に含まれる光位相変調した光の位相は、反転した関係にあり、
    前記光位相変調量φsは、式Δi=βIAsin(φs)(ただし、βは所定の定数、IAは干渉縞の振幅)により表される前記差動信号の電流Δiとして計測される
    音計測方法。
  7. 請求項に記載の音計測方法であって、
    干渉計は、ビームスプリッタと、2つの鏡(以下、第1の鏡、第2の鏡という)とを含み、
    前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタ、前記音測定部の順に通過し、前記第1の鏡で反射され、前記音測定部、前記ビームスプリッタの順に通過する光であり、
    前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光は、前記ビームスプリッタを通過し、前記第2の鏡で反射され、前記ビームスプリッタを通過する光であり、
    前記第1の光と前記第2の光は、前記ビームスプリッタにおいて前記干渉光生成器内の第1の光路を伝搬する光と前記干渉光生成器内の第2の光路を伝搬する光を分岐することにより、得られる光である
    ことを特徴とする音計測方法。
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