JP7373321B2 - トナー - Google Patents
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Description
具体的な高画質化対応策としては、ドット再現性を高めるため、小粒径のトナーが求められている。そこで、特許文献1では、ドット再現性を高めるため、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが提案されている。さらに、特許文献2では、粒度分布にばらつきがあるトナーに対して、帯電性能や歩留まりを良くするため、ケイ酸微粒子の被覆率をその粒径範囲ごとに調整したトナーが提案されている。
また、具体的な省エネルギー対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い定着温度で定着できるトナーが求められている。そこで、特許文献3では、低温定着を達成するために、定着阻害因子となる無機微粒子の添加量を規定したトナーが提案されている。
結着樹脂を含有するトナー粒子の表面にシリカ微粒子Aを有するトナーであって、
前記トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)が3.0μm以上6.0μm以下であり、
前記シリカ微粒子Aは、前記トナーの走査型電子顕微鏡観察により確認できる、個数基準におけるメジアン径が80nm以上500nm以下の粒子であり、
前記トナー中の小粒径側粒子群の走査型電子顕微鏡の画像解析により求められる前記シリカ微粒子Aの平均被覆率をSs(面積%)、前記トナー中の大粒径側粒子群の走査型電子顕微鏡の画像解析により求められる前記シリカ微粒子Aの平均被覆率をSl(面積%)としたとき、
前記平均被覆率Ssが20面積%以上70面積%以下であり、
前記平均被覆率SlとSsとが下記式(1)を満たし、
Sl/Ss≦0.80 (1)
前記小粒径側粒子群の遠心法付着力測定装置により求められるメジアン付着力指数をI s 、前記大粒径側粒子群の遠心法付着力測定装置により求められるメジアン付着力指数をI l としたとき、
前記メジアン付着力指数I s が3.0mN/m以上6.0mN/m以下であり、前記メジアン付着力指数I s とI l とが下記式(3)を満たすことを特徴とするトナー、に関する。
0.30≦I s /I l ≦0.65 (3)
Sl/Ss≦0.80 (1)
平均被覆率Ssが前記範囲である場合、現像性の低下の主要因である微粉の非静電付着力を低く抑えることができるため、優れた現像性が得られる。また、平均被覆率Ssと平均被覆率Slとが式(1)を満たしている場合、低温定着性の低下の主要因である粗粉において、定着阻害の原因となりやすい、シリカ微粒子Aの被覆率が相対的に低いため、優れた低温定着性が得られる。一方、平均被覆率Ssが20面積%未満である場合、平均被覆率が低すぎるため、非静電付着力を下げることができないため、優れた現像性及びカブリの抑制効果は得られない。また、平均被覆率Ssが70面積%より大きい場合、過度にシリカ微粒子Aが多いため、低温定着性の主要因ではない微粉ではあるものの定着阻害を招き、優れた低温定着性が得られない。さらに、シリカ微粒子Aの遊離が発生しやすくなる。また、平均被覆率Ssと平均被覆率Slとが前記式(1)を満たさない場合、微粉側と粗粉側の平均被覆率の差がないため、低温定着性と現像性とについてトレードオフ関係を脱却することができず、優れた両立効果は得られない。
0.30≦Sl/Ss≦0.70 (2)
小粒径側粒子群のメジアン付着力指数をIs(mN/m)、大粒径側粒子群のメジアン付着力指数をIl(mN/m)としたとき、
Isが3.0mN/m以上6.0mN/m以下であり、
IsとIlとが、下記式(3)
0.30≦I s /I l ≦0.65 (3)
を満たすことが好ましい。
メジアン付着力指数が上記の規定を満たす場合、低温定着性と現像性の両立がより良好となる。
メジアン付着力指数Isが前記範囲である場合、現像性の低下の主要因である微粉の非静電付着力が小さいことを意味しているため、優れた現像性が得られるようになる。
0.30≦Is/Il≦0.60 (4)
を満たすことがより好ましい。
0.25≦Bs (5)
0.20≦(Ss-Bs)+(Sl-Bl)≦0.35 (6)
一方で、(Ss-Bs)+(Sl-Bl)の値を0.35以下とすることでトナー粒子から離脱するシリカ微粒子Aの量を抑えることができ部材汚染抑制効果を良好に保つことができる。
スパン値=(D90-D10)/D50 (7)
本発明におけるトナー粒子は、結着樹脂として、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ-p-クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。その中でも、ポリエステルを主成分としていることが、低温定着性の観点から好ましい。
式(B)で示されるジオール類;
が挙げられる。
これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
トナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
トナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
トナーは、必要に応じてシリカ微粒子A以外の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粒子が好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることもできる。
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されないが、離型剤やポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の分散性の観点から粉砕法が好ましい。その理由は、水系媒体中でトナー粒子を製造すると、疎水性の高い離型剤やポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体はトナー粒子の内部に局在化する傾向にある。そのため、上述した熱処理装置によるコアシェル構造を形成しにくくなるためである。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
<トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)、平均被覆率Ss及び平均被覆率Sl、シリカ微粒子Aの個数基準におけるメジアン径の測定>
トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)、平均被覆率Ss及び平均被覆率Sl、シリカ微粒子Aの個数基準におけるメジアン径は走査型電子顕微鏡による二次電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=50000
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
d1={(4×ja1×0.3088)/3.14}0.5
s=(ma1/ja1)×100
また、シリカ微粒子Aの1粒に由来する部分の大きさna1を求めた。得られたna1を用いて、下記式から投影面積円相当径r1を求めた。
r1={(4×na1×0.0003088)/3.14}0.5
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。
トナーの付着力を測定する方法は、トナーの付着している物体からトナーを分離するために必要な力を見積もる方法が一般的である。トナーを分離させる方法としては、遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法が知られている。この内、遠心力を利用した方法は定量化が容易で、かつ測定精度が高い。このため、本発明ではトナーの付着力を測定する方法として、遠心力を利用した遠心法を用いた。以下、遠心法によるトナー付着力測定方法について説明する。
Fr=m×r×(2πfr/60)2
m=(π/6)×ρ×d3
Fr=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2
本発明では、固着されているシリカ微粒子を次の様に測定しかつ定義する。イオン交換水20g、界面活性剤であるコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)0.4gを30ccのガラスバイアル(例えば、日電理化硝子株式会社製、VCV-30、外径:35mm、高さ:70mm)に入れて十分混合し、分散液を作製する。このバイアルにトナー1.0gを添加し、トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液を作製する。この分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で5分間振とうした場合でも剥がれないシリカ微粒子を固着されているとする。シリカ微粒子が残存したトナーと脱離したシリカ微粒子の分離は遠心分離機を用いて行う。遠心分離工程は3700rpmで30min行った。シリカ微粒子が残存したトナーを採取し、乾燥させ分離後のトナーを得た。
小粒径側粒子群の平均被覆率Bs(%)、大粒径側粒子群の平均被覆率Bl(%)は、下記式から求められる。
Bs=Sst/Ss×100
Bl=Slt/Sl×100
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:73.8質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:12.5質量部(0.08モル;多価カルボン酸総モル数に対して48.0mol%)
・アジピン酸:7.8質量部(0.05モル;多価カルボン酸総モル数に対して34.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させた。ASTM D36-86に従って測定した軟化点が120℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶性樹脂1を得た(第2反応工程)。得られた非晶性樹脂1は、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm110℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):10.0質量部(0.02モル;構成モノマーの総モル数に対して2.4mol%)
・キシレン:25.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:
68.0質量部(0.65モル;構成モノマーの総モル数に対して76.4mol%)
・メタクリル酸シクロヘキシル:
5.0質量部(0.03モル;構成モノマーの総モル数に対して3.5mol%)
・アクリル酸ブチル:
12.0質量部(0.09モル;構成モノマーの総モル数に対して11.0mol%)
・メタクリル酸:
5.0質量部(0.06モル;構成モノマーの総モル数に対して6.8mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、ポリオレフィンを幹、スチレンアクリル系ポリマーを枝とするグラフト重合体を得た。得られた重合体は、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃、ガラス転移温度Tg68℃であった。
・非晶性樹脂1 100部
・ポリオレフィンを幹、スチレンアクリル系ポリマーを枝とするグラフト重合体 4部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4部
・カーボンブラック 10部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)を用い、ローター回転数10000rpmにて微粉砕した。さらにファカルティ(F-300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を6000rpm、分散ローター回転数を7200rpmとした。
・シリカ微粒子A:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
(個数基準におけるメジアン径(D50)が120nm) 8部
・小粒径無機微粒子:イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子
(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm) 1部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数1900rpm、回転時間15minで混合し、Fトナー(小粒径側トナー)を得た。
・シリカ微粒子A:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
(個数基準におけるメジアン径(D50)が120nm) 4部
・小粒径無機微粒子:イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子
(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm) 1部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数1900rpm、回転時間5minで混合し、Mトナー(大粒径側トナー)を得た。
トナー1の製造例において、ポリオレフィンを幹、スチレンアクリル系ポリマーを枝とするグラフト重合体の使用の有無、機械式粉砕機の運転条件、ファカルティF-300の運転条件、表面処理装置を表1に記載のように変更し、外添処方/条件を表2-1、表2-2に記載のように変更した以外は同様の操作を行い、トナー2~37を得た。トナー2~37の物性を表3-1、3-2に示す。
尚、表2-1、2-2において、シリカ微粒子Aはいずれもヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ微粒子である。また、小粒径無機微粒子として使用したシリカ微粒子は、ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカであり、大粒径無機微粒子として使用した酸化チタン微粒子は、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタンである。
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7部
MnCO3 29.5部
Mg(OH)2 6.8部
SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393である。
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレート 26.8部
メチルメタクリレート 0.2部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3部
メチルエチルケトン 31.3部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリル2.0部を添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラックRegal330(キャボット製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記材料を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過し、被覆樹脂溶液1を得た。
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、磁性コア粒子1及び被覆樹脂溶液1を投入した(被覆樹脂溶液の投入量は、100部の磁性コア粒子1に対して樹脂成分として2.5部になる量)。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
92.0部の上記磁性キャリア1と8.0部の上記トナー1をV型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1の製造例において、トナー1をトナー2~37に変更した以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2~37を得た。
上記二成分系現像剤1を用いて、以下の評価を行った。
画像形成装置として、imageRUNNER ADVANCE C5560(キヤノン(株)製)の改造機を用い、ブラック位置の現像器に二成分系現像剤1を入れた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及び、レーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、FFh画像のトナーの載り量が所望になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
[耐久試験]
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:00h画像
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
定着温度:160℃
プロセススピード:377mm/sec
上記評価画像を600000枚出力し、耐久試験を行った。
紙:CS-680(68.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:全面に00h画像
Vback:150V
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
リフレクトメータ(REFLECTOMETER MODEL TC-6DS:東京電色製)を用い、通紙前の評価紙の平均反射率Ds(%)を測定する。次に、通紙後の評価紙の平均反射率Dr(%)を測定する。そして、下記式を用いてカブリの値を算出した。得られたカブリの値を下記の評価基準に従って評価した。
カブリ(%)=Dr(%)-Ds(%)
(評価基準)
A:カブリ0.3%未満 (非常に優れている)
B:カブリ0.3%以上、0.5%未満 (優れている)
C:カブリ0.5%以上、0.8%未満 (良好である)
D:カブリ0.8%以上、1.2%未満 (問題ないレベルである)
E:カブリ1.2%以上 (許容できない)
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
Vcontrast:350V
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:紙の中心に2cm×5cmのFFh画像を配置
試験環境:常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH(以下「N/N」)
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、中心部の画像濃度を測定する。得られた画像濃度の値を下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
A:画像濃度の値が1.35以上 (非常に優れている)
B:画像濃度の値が1.30以上、1.35未満 (優れている)
C:画像濃度の値が1.25以上、1.30未満 (良好である)
D:画像濃度の値が1.20以上、1.25未満 (問題ないレベルである)
E:画像濃度の値が1.20未満 (許容できない)
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
紙上のトナーの載り量:0.30mg/cm2
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
定着温度:150℃
プロセススピード:377mm/sec
X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。そして、下記式を用いて摺擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率を下記の評価基準に従って評価した。
画像濃度の低下率(%)=
(摺擦前の画像濃度-摺擦後の画像濃度)/摺擦前の画像濃度×100
(評価基準)
A:画像濃度の低下率5.0%未満 (非常に優れている)
B:画像濃度の低下率5.0%以上、8.0%未満 (優れている)
C:画像濃度の低下率8.0%以上、10.0%未満 (良好である)
D:画像濃度の低下率10.0%以上、13.0%未満 (問題ないレベルである)
E:画像濃度の低下率13.0%以上 (許容できない)
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
Vcontrast:300V
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像:1ドット、1スペースの縦線画像を配置
試験環境:常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH(以下「N/N」)
定着温度:170℃
プロセススピード:377mm/sec
パーソナルIAS(イメージ・アナリシス・システム)(QEA社製)を用いてBlurの値(ISO13660で定義されたラインのぼやけ方を表す数値)を測定した。得られたBlurの値を下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
A:Blurの値35μm未満 (非常に優れている)
B:Blurの値35μm以上38μm未満 (優れている)
C:Blurの値38μm以上41μm未満 (良好である)
D:Blurの値41μm以上44μm未満 (問題ないレベルである)
E:Blurの値44μm以上 (許容できない)
トナーの流動性評価として凝集度を用い、下記の基準にて評価を行った。測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン(株)製)を用い、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、温度23℃、相対湿度60%の環境下で、以下の様にして行った。
(1)振動台の振動幅を0.5mmに調整した。
(2)予め温度23℃、相対湿度60%の環境下において24時間静置したトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を30秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
(評価基準)
A:凝集度が20%未満 (非常に優れている)
B:凝集度が20%以上30未満 (優れている)
C:凝集度が30%以上35%未満 (良好である)
D:凝集度が35%以上45%未満 (問題ないレベルである)
E:凝集度が45%以上 (許容できない)
先ず、画像評価用マシンにて、低温低湿(L/L)環境下、A3紙全面に80hのベタ画像を出力し、その出力画像の決められた位置の9点(紙面の上端側3点、下端側3点、中間位置3点)の平均画像濃度dsを求めた。また、この際の現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワー、転写電流を確認し、記録しておく。
次いで、耐久評価用マシンにて、高温高湿(H/H)環境下において、ベタ画像(FFh 印字率50%横帯)を1000枚出力する耐久試験を行った。
上記耐久試験を行った後、帯電ローラを画像評価用マシンに移し、L/L環境下、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワー、転写電流を耐久試験前の画像出力条件と同じ設定として、画像を出力した。得られた画像について、上記した位置の9点の平均画像濃度deを求める。
得られたde、dsを用いて下記式より濃度差を求め、以下の基準によって判断した。
濃度差=|ds-de|
<評価基準>
A:濃度差が0.10未満 (非常に優れている)
B:濃度差が0.10以上、0.15未満 (優れている)
C:濃度差が0.15以上、0.25未満 (良好である)
D:濃度差が0.25以上、0.30未満 (問題ないレベルである)
E:濃度差が0.30以上 (許容できない)
二成分系現像剤2~37を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表4に示す。
なお、二成分系現像剤2~28を用いた場合は実施例2~11、参考例12、実施例13及び14、参考例15~28に対応し、二成分系現像剤29~37を用いた場合は比較例1~9に対応する。
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段出口
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口
Claims (7)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子の表面にシリカ微粒子Aを有するトナーであって、
前記トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)が3.0μm以上6.0μm以下であり、
前記シリカ微粒子Aは、前記トナーの走査型電子顕微鏡により確認できる、個数基準におけるメジアン径が80nm以上500nm以下の粒子であり、
前記トナー中の小粒径側粒子群の走査型電子顕微鏡の画像解析により求められる前記シリカ微粒子Aの平均被覆率をSs(面積%)、前記トナー中の大粒径側粒子群の走査型電子顕微鏡の画像解析により求められる前記シリカ微粒子Aの平均被覆率をSl(面積%)としたとき、
前記平均被覆率Ssが20面積%以上70面積%以下であり、
前記平均被覆率SlとSsとが下記式(1)を満たし、
Sl/Ss≦0.80 (1)
前記小粒径側粒子群の遠心法付着力測定装置により求められるメジアン付着力指数をI s 、前記大粒径側粒子群の遠心法付着力測定装置により求められるメジアン付着力指数をI l としたとき、
前記メジアン付着力指数I s が3.0mN/m以上6.0mN/m以下であり、前記メジアン付着力指数I s とI l とが下記式(3)を満たすことを特徴とするトナー。
0.30≦I s /I l ≦0.65 (3) - 前記平均被覆率SsとSlとが下記式(2)を満たす請求項1に記載のトナー。
0.30≦Sl/Ss≦0.70 (2) - 前記トナーは、前記トナー粒子100質量部に対して前記シリカ微粒子Aを4.0質量部以上7.0質量部以下有する請求項1または2に記載のトナー。
- 前記メジアン付着力指数IsとIlとが下記式(4)を満たす請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
0.30≦Is/Il≦0.60 (4) - 前記小粒径側粒子群におけるトナー表面に固着しているシリカ微粒子Aによる平均被覆率をBs(面積%)、前記大粒径側粒子群におけるトナー表面に固着しているシリカ微粒子Aによる平均被覆率をBl(面積%)としたとき、
前記平均被覆率SlとSsと、前記平均被覆率BsとBlとが下記式(5)および(6)を満たす請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
25≦Bs (5)
20≦(Ss-Bs)+(Sl-Bl)≦35 (6) - 前記シリカ微粒子Aがヒュームドシリカである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーの個数基準による累積90%粒径をD90、個数基準による累積10%粒径をD10としたとき、下記式(7)で得られるスパン値が0.2以上0.7以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナー。
スパン値=(D90-D10)/D50 (7)
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