図1~図8を参照して、本発明に係る樹脂成形金型の一例である樹脂成形金型を含む樹脂封止装置の構造を説明する。
樹脂封止装置Sは、本発明に係る樹脂成形金型の一例である樹脂成形金型Mを備えている(図1参照)。この樹脂成形金型Mは、一対の上金型1及び下金型2を有している。樹脂封止装置Sは、上金型1と下金型2を型締めして、リードフレーム等の基材に載置された半導体素子(図示省略)を樹脂封止する装置である。
また、下金型2は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、タブレット状に形成された常温の樹脂を溶融する筒状のポット部224(図2(b)参照)と、ポット部224で溶融した樹脂を、樹脂の供給経路の一部であるカル部に向けて押し出すプランジャー(図示省略)を有している。カル部に注入された樹脂は、樹脂の成形部である製品部に供給され、半導体素子は製品部で樹脂封止される。即ち、樹脂封止装置Sは、トランスファー成形を行う装置である。
なお、以下の説明においては、図1を基準に、上金型1に対する下金型2の位置を「下」又は「下方」と呼び、下金型2に対する上金型1の位置を「上」又は「上方」と呼ぶこととする。また、図1を基準に、同図の紙面における左方を「左」又は「左方」と呼び、同図の紙面における右方を「右」又は「右方」と呼ぶこととする。また、図1を基準に、上カルブロック120に対する上キャビティブロック121の位置を「外」又は「外方」と呼び、上キャビティブロック121に対する上カルブロック120の位置を「内」又は「内方」と呼ぶこととする。さらに、図2(a)を基準に、同図の紙面における下方を「前」又は「前方」と呼び、同図の紙面における上方を「後」又は「後方」と呼ぶこととする。また、図2(a)を基準に、前方から後方に向かう方向を「金型本体の挿入方向」と呼ぶこととする。なお、「金型本体の挿入方向」は、本願請求項における「金型本体を支持するダイセット部に金型本体が挿入される方向」に該当する。
また、説明の便宜上、図2(a)及び図8(a)は、上金型1における下金型2と対向する面が見える構図を示しており、図2(b)及び図8(b)は、下金型2における上金型1と対向する面が見える構図を示している。また、図2(c)及び図8(c)は、上金型1における下金型2と対向する面が、紙面の上方にある構図を示しており、図2(d)及び図8(d)は、下金型2における上金型1と対向する面が、紙面の上方にある構図を示している。
ここで、上金型1は、上型ダイセット11及び上型チェス12で構成されている(図1及び図2(c)参照)。また、下金型2は、下型ダイセット21及び下型チェス22で構成されている(図1及び図2(d)参照)。
また、上型ダイセット11は、図示しないサポートピラーを介して上型チェス12を支持する枠体である。サポートピラーは、上型ダイセット11及び上型チェス12に接続され、上型チェス12を支持する支持部材である。
また、上型チェス12は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、下型チェス22と共に、樹脂の供給経路の一部であるカル部(図示省略)及び樹脂の成形部である製品部(図示省略)を形成する部材である。
なお、カル部は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、後述する上カルブロック120におけるカル窪み部124(図2(a)参照)と、下カルブロック220(図1及び図2(d)参照)により形成される空間である。また、カル部は、本願請求項における第2の空間に該当し、カル窪み部124は、本願請求項における第2の窪み部に該当する。
また、製品部は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、後述する上キャビティブロック121における上製品窪み部150(図2(a)参照)と、下キャビティブロック221における下製品窪み部151(図2(b)参照)により形成される空間である。また、製品部は、本願請求項における第1の空間に該当し、上製品窪み部150及び下製品窪み部151は、本願請求項における第1の窪み部に該当する。
また、下型ダイセット21は、図示しないサポートピラーを介して下型チェス22を支持する枠体である。サポートピラーは、下型ダイセット21及び下型チェス22に接続され、下型チェス22を支持する支持部材である。
なお、上型チェス12は、本願請求項における第1の金型に該当し、下型チェス22は、本願請求項における第2の金型に該当する。
また、上型チェス12及び下型チェス22は、本願請求項における金型本体に該当する。この金型本体を構成する上型チェス12及び下型チェス22は、それぞれ上型ダイセット11及び下型ダイセット21に対して、前方から後方に向けて挿入され、後方から前方に向けて抜き取り可能に構成されている。また、金型本体を構成する上型チェス12及び下型チェス22は、それぞれ上型ダイセット11及び下型ダイセット21に対して、着脱可能に構成されている。
また、上型チェス12は、上カルブロック120と、上キャビティブロック121と、第1の上ホルダーベース122と、第2の上ホルダーベース123を有している(図1及び図2(c)参照)。
また、上カルブロック120は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、後述する下カルブロック220と共にカル部を形成する部材である。また、上キャビティブロック121は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、後述する下キャビティブロック221と共に、製品部を形成する部材である。
また、第1の上ホルダーベース122及び第2の上ホルダーベース123は、図示しないサポートピラーで支持される部材である。サポートピラーは、上型ダイセット11と、第1の上ホルダーベース122及び第2の上ホルダーベース123に接続され、上型チェス12を支持する支持部材である。
また、上カルブロック120には、図1及び図2(c)に示すように、第1の上ホルダーベース122と第2の上ホルダーベース123の間、かつ、上カルブロック120の上部に、上カル部ヒーター140が設けられている。
また、上カルブロック120には、1つのカル窪み部124に対応する上カル部センサー160(図2(a)及び図4(a)参照)が、それぞれ設けられている。
ここで、上カル部センサー160は、上カルブロック120における、対応するカル窪み部124における予め定められた部分の温度と、時間の変化に伴う温度変化の情報を測定する温度測定手段である。なお、予め定められた部分とは、上カルブロック120において、カル窪み部124の温度を間接的に測定できる部分を示す。
また、上カル部ヒーター140は、上カルブロック120を加温する加温手段である。上カル部ヒーター140は、出力の調整、加温する時間の調整、及び、加温を始めるタイミングの調整を行うことにより、上カルブロック120の温度を調整することができる。
なお、上カル部ヒーター140における出力の調整には、ヒーターのON/OFFの切り替えが含まれている。
また、図2(a)には、上型チェス12における上カル部センサー160と、上カル部ヒーター140の配置を示している。上カル部センサー160は、上型チェス12の左方の端部又は右方の端部から、左右方向の中央に設けられた各カル窪み部124に向けて、1つのカル窪み部124における予め定められた部分に、1つの上カル部センサー160が配置されるように設けられている。
また、上カル部センサー160は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられている。
また、上カル部ヒーター140は、上型チェス12の左右方向の中央部分に、3つ並べて配置されている(図2(a)参照)。また、上カル部ヒーター140は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と平行な向きに設けられている。
ここで、必ずしも、上カル部ヒーター140が3つ設けられる必要はなく、その数は特に限定されるものではない。また、上カル部ヒーター140の配置も、上カルブロック120において適宜変更することができる。また、上カル部ヒーター140とは別に、上キャビティブロック121に、上キャビティブロック121を加温する上キャビティヒーターが設けられてもよい。
[カル領域について]
ここで、図4から図7を参照しながら、本発明を適用した金型において設定されるカル領域について説明する。
図4(a)に示すように、樹脂成形金型Mでは、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA1が設定されている。
また、カルエリアA1は、複数のカル窪み部124(カル部)を含むエリアである。また、カルエリアA1には、上製品窪み部150(製品部)は含まれない。製品エリアBは、複数の上製品窪み部150を含むエリアである。また、製品エリアBには、カル窪み部124は含まれない。
また、カルエリアA1は、8つのカル領域C1で構成されている。1つのカル領域C1には、1つのカル窪み部124が含まれている。また、1つのカル窪み部124における予め定められた部分に、1つの上カル部センサー160が設けられている。
即ち、カルエリアA1を構成する8つのカル領域C1には、それぞれ、1つのカル窪み部124と、1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。即ち、上型チェス12では、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)において、カルエリアA1を挟むように、製品エリアBが設けられている。
このようなカルエリアA1の構造から、上カルブロック120では、各カル領域C1において、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、カルエリアA1における温度変動を、1つのカル部単位ごとに、詳細に把握することができる。
ここで、本発明におけるカルエリアとは、複数のカル領域を含んで設定されるものであり、カルエリアを構成するカル領域の数は8つに限定されず、適宜設定を変更することが可能である。
また、カルエリアは、必ずしも、上カルブロック120に設定される必要はなく、下カルブロック220に設定される構造や、上カルブロック120及び下カルブロック220の両方に設定される構造であってもよい。
また、本発明におけるカル領域とは、少なくとも1つのカル窪み部124(カル部)を含んで設定されるものであり、1つのカル領域に2つ以上のカル窪み部124が含まれていてもよい。
また、本発明におけるカル領域とは、カル領域における任意の位置で、温度と、時間の変化に伴う温度変化の情報を測定するセンサー(温度測定手段)が配置されている。
ここで、必ずしも、1つのカル領域において、カル窪み部124における予め定められた部分に上カル部センサー160が設けられる必要はない。但し、カル領域の中でも、成形中に樹脂が溜まるカル窪み部124における予め定められた部分が、上カルブロック120の温度が下がりやすい部分となるため、カル窪み部124における予め定められた部分に上カル部センサー160が設けられることが好ましい。
また、必ずしも、上型チェス12で、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)において、カルエリアAを挟むように、製品エリアBが設けられる必要はない。但し、1つのカルエリアAに対して、1つの製品エリアを設ける構造に比べて、1回の成形から得られる成形品の取り数が多くなることから、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)において、カルエリアAを挟むように、製品エリアBが設けられることが好ましい。
また、図4(a)では、樹脂成形金型Mにおけるカル領域C1を例に、カル領域の説明を行ったが、本発明を適用した金型におけるカル領域には、以下のような構造のカル領域も採用しうる。
図4(b)に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA2が設定されている。カルエリアA2では、金型本体の挿入方向において、前方、中央及び後方に、カル領域C2、カル領域C3及びカル領域C4が並べて設定されている。
また、カル領域C2及びカル領域C4には、2つのカル窪み部124が含まれている。また、カル領域C3には、4つのカル窪み部124が含まれている。
また、カル領域C2及びカル領域C4には、1つの上カル部センサー160が設けられている。また、カル領域C3には、2つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA2の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向において、前方、中央及び後方のそれぞれの範囲で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、金型本体の挿入方向において、上カルブロック120における、前方と後方での温度の違い、前方又は後方と中央での温度の違いを把握することができる。
図5(a)に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA3が設定されている。カルエリアA3では、金型本体の挿入方向において、前方及び後方に、カル領域C5及びカル領域C6が並べて設定されている。
また、2つのカル領域C5には、それぞれ4つのカル窪み部124が含まれている。また、2つのカル領域C5には、それぞれ1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA3の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向において、前方及び後方の範囲で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、金型本体の挿入方向において、上カルブロック120における、前方と後方での温度の違いを把握することができる。
また、各カル領域に含まれるカル窪み部124(カル部)の数が同じであることから、カル部の数の違いが、温度測定に及ぼす影響を減らすことができる。これにより、カルエリアA3における、各カル領域の温度の違いを、より正確に確認しやすくなる。
図5(b)に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA4が設定されている。カルエリアA4では、金型本体の挿入方向において、前方から後方に向けて、4つのカル領域C6が並べて設定されている。
また、カル領域C6には、2つのカル窪み部124が含まれている。カル領域C6では、2つのカル窪み部124が、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)に並べて配置されている。また、カル領域C6には、1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA4の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向に沿って並べた、各カル領域の範囲で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、金型本体の挿入方向に沿った、上カルブロック120における温度の変動の傾向を把握することができる。
図6(a)に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA5が設定されている。カルエリアA5では、金型本体の挿入方向において、前方及び後方に分け、かつ、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)において、左方及び右方に分けた4つのカル領域カル領域C7が設定されている。
また、カル領域C7には、2つのカル窪み部124が含まれている。カル領域C7では、2つのカル窪み部124が、金型本体の挿入方向に並べて配置されている。また、カル領域C7には、1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA5の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向における前方及び後方と、金型本体の挿入方向と直交する方向における左方及び右方で分割した各カル領域で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、金型本体の挿入方向又はこれと直交する方向において、上カルブロック120における、前方と後方での温度の違いと、左方及び右方での温度の違いを把握することができる。
図6(b)に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA6が設定されている。カルエリアA6では、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)において、左方及び右方に分けた、2つのカル領域カル領域C8が設定されている。
また、カル領域C8には、4つのカル窪み部124が含まれている。カル領域C8では、4つのカル窪み部124が、金型本体の挿入方向に並べて配置されている。また、カル領域C8には、1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA6の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)における左方及び右方で分割した各カル領域で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、上カルブロック120における、左方及び右方での温度の違いを把握することができる。
図7に示すように、上型チェス12の上カルブロック120に、カルエリアA7が設定されている。カルエリアA7では、金型本体の挿入方向において、前方、前方寄り中央、後方寄り中央及び後方に、カル領域C9、カル領域C10、カル領域C11及びカル領域C12が並べて設定されている。
また、カル領域C9及びカル領域C12には、それぞれ2つのカル窪み部124が含まれている。また、カル領域C10及びカル領域C11には、それぞれ4つのカル窪み部124が含まれている。
また、カル領域C9、カル領域C10、カル領域C11及びカル領域C12には、それぞれ1つの上カル部センサー160が設けられている。
また、上型チェス12の左右の上キャビティブロック121には、それぞれ、製品エリアBが設定されている。
このようなカルエリアA7の構造から、上カルブロック120では、上金型1及び下金型2を型締めして製品部で成形を行う際に、金型本体の挿入方向において、前方、前方中央、後方中央及び後方のそれぞれの範囲で、各カル窪み部124における予め定められた部分の温度を測定することができる。これにより、金型本体の挿入方向において、上カルブロック120における、前方と後方での温度の違い、前方又は後方と、前方中央又は後方中央での温度の違い、前方中央と後方中央での温度の違いを把握することができる。
このように、本発明を適用した樹脂成形金型では、カル領域の設定として、複数の態様が考えらえる。いずれのカルエリアにおいても、カル領域の少なくとも1か所で、上カルブロック120の温度を測定し、カルエリアに複数のカル領域を設けたことで、より細かい範囲で上カルブロック120の温度変動を把握可能となる。
以下、再び、樹脂成形金型Mの構造について説明する。
図2(a)及び図4(a)に示すように、左右の上キャビティブロック121には、複数の上製品窪み部150が設けられている。
また、図1及び図2(c)に示すように、左右の上キャビティブロック121には、1つの上製品窪み部150に対応する上製品部センサー131が、それぞれ設けられている。
また、上製品窪み部150は、上金型1及び下金型1を型締めした状態で、下キャビティブロック221に形成された下製品窪み部151(図2(b)参照)と共に、製品部を形成する窪みである。
また、上製品部センサー131は、左右の上キャビティブロック121における、対応する上製品窪み部150における予め定められた部分の温度と、時間の変化に伴う温度変化の情報を測定する温度測定手段である。なお、予め定められた部分とは、上キャビティブロック121において、上製品窪み部150の温度を間接的に測定できる部分を示す。
また、図2(a)には、上型チェス12における上製品部センサー131の配置を示している。上製品部センサー131は、上型チェス12の左方の端部又は右方の端部から、左右の上キャビティブロック121に設けられた各上製品窪み部150に向けて、1つの上製品窪み部150における予め定められた部分に、1つの上製品部センサー131が配置されるように設けられている。
また、上製品部センサー131は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられている。
ここで、必ずしも、左右の上キャビティブロック121において、1つの上製品窪み部150に対応する上製品部センサー131が、それぞれ設けられる必要はない。但し、各製品部における上製品窪み部150における予め定められた部分の温度と、温度変化の情報が取得でき、温度変化に起因する成形品の品質が評価しやすくなる点から、左右の上キャビティブロック121において、1つの上製品窪み部150に対応する上製品部センサー131が、それぞれ設けられることが好ましい。
続いて、下型チェス22は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、上型チェス12と共にカル部及び製品部を形成する部材である。
また、下型チェス22は、下カルブロック220と、下キャビティブロック221と、第1の下ホルダーベース222と、第2の下ホルダーベース223を有している(図1及び図2(d)参照)。
また、下カルブロック220は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、上カルブロック120と共にカル部を形成する部材である。また、下キャビティブロック221は、上金型1及び下金型2を型締めした際に、上キャビティブロック121と共に、製品部を形成する部材である。
また、第1の下ホルダーベース222及び第2の下ホルダーベース223は、図示しないサポートピラーで支持される部材である。サポートピラーは、下型ダイセット21と、第1の下ホルダーベース222及び第2の下ホルダーベース223に接続され、下型チェス22を支持する支持部材である。
また、下カルブロック220には、下カル部センサー230が設けられている(図1及び図2(d)参照)。また、第1の下ホルダーベース222と第2の下ホルダーベース223の間、かつ、下カルブロック220の下部には、下カル部ヒーター240が設けられている。
また、下カル部センサー230は、下カルブロック220の温度と、時間の変化に伴う温度変化の情報を測定する温度測定手段である。
また、下カル部ヒーター240は、下カルブロック220を加温する加温手段である。下カル部ヒーター240は、出力の調整、加温する時間の調整、及び、加温を始めるタイミングの調整を行うことにより、下カルブロック220の温度を調整することができる。
なお、下カル部ヒーター240における出力の調整には、ヒーターのON/OFFの切り替えが含まれている。
また、図2(b)には、下型チェス22における下カル部センサー230と、下カル部ヒーター240の配置を示している。下カル部センサー230は、下型チェス22の金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)における中央部分に、金型本体の挿入方向に沿って3つ設けられている。
また、下カル部ヒーター240は、左右方向における、下型チェス22の中央部分に1つ配置されている(図2(b)参照)。また、下カル部ヒーター240は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と平行な向きに設けられている。
ここで、必ずしも、下カル部センサー230が3つ設けられる必要はなく、その数は特に限定されるものではない。また、下カル部センサー230の配置も、下カルブロック220において適宜変更することができる。
また、必ずしも、下カル部ヒーター240が1つ設けられる必要はなく、その数は特に限定されるものではない。また、下カル部ヒーター240の配置も、下カルブロック220において適宜変更することができる。また、下カル部ヒーター240とは別に、下キャビティブロック221に、下キャビティブロック221を加温する下キャビティヒーターが設けられてもよい。
図2(b)に示すように、左右の下キャビティブロック221には、複数の下製品窪み部151が設けられている。
また、図1及び図2(d)に示すように、左右の下キャビティブロック221には、1つの下製品窪み部151に対応する下製品部センサー231が、それぞれ設けられている。
また、下製品窪み部151は、上金型1及び下金型1を型締めした状態で、上キャビティブロック121に形成された上製品窪み部150と共に、製品部を形成する窪みである。
また、下製品部センサー231は、左右の下キャビティブロック221における、対応する下製品窪み部151における予め定められた部分の温度と、時間の変化に伴う温度変化の情報を測定する温度測定手段である。なお、予め定められた部分とは、下キャビティブロック221において、下製品窪み部151の温度を間接的に測定できる部分を示す。
また、図2(b)には、下型チェス22における下製品部センサー231の配置を示している。下製品部センサー231は、下型チェス22の左方の端部又は右方の端部から、左右の下キャビティブロック221に設けられた各下製品窪み部151に向けて、1つの下製品窪み部151における予め定められた部分に、1つの下製品部センサー231が配置されるように設けられている。
また、下製品部センサー231は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられている。
ここで、必ずしも、左右の下キャビティブロック221において、1つの下製品窪み部151に対応する下製品部センサー231が、それぞれ設けられる必要はない。但し、各製品部における下製品窪み部151における予め定められた部分の温度と、温度変化の情報が取得でき、温度変化に起因する成形品の品質が評価しやすくなる点から、左右の下キャビティブロック221において、1つの下製品窪み部151に対応する下製品部センサー231が、それぞれ設けられることが好ましい。
図1及び図3(a)に示すように、上型ダイセット11には、上型チェス12を加温する上ダイセットヒーター111と、上ダイセットセンサー110が設けられている。また、図1及び図3(b)に示すように、下型ダイセット21には、下型チェス22を加温する下ダイセットヒーター211と、下ダイセットセンサー210が設けられている。
また、上ダイセットセンサー110は、上型ダイセット11の温度を測定する温度測定手段である。また、下ダイセットセンサー210は、下型ダイセット21の温度を測定する温度測定手段である。
図8を用いて、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231の配線の構造について説明する。
図8(a)及び図8(c)に示すように、上型チェス12では、上カル部センサー160及び上製品部センサー131の配線300は、上型チェス12の左方の端面(側面)、又は、右方の端面(側面)で、金型本体の挿入方向に沿って、金型本体の挿入される方向と反対の方向に引き出されて、コネクタ301に接続されている。コネクタ301は、図示しない制御部に配線300を脱着可能に接続する部材である。
また、上述したように、上カル部センサー160及び上製品部センサー131は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられている。
また、図8(b)及び図8(d)に示すように、下型チェス22では、下製品部センサー231の配線302は、下型チェス22の左方の端面(側面)、又は、右方の端面(側面)で、金型本体の挿入方向に沿って、金型本体の挿入される方向と反対の方向に引き出されて、コネクタ303に接続されている。コネクタ303は、図示しない制御部に配線302を脱着可能に接続する部材である。
また、上述したように、下製品部センサー231は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられている。
ここで、必ずしも、上カル部センサー160及び上製品部センサー131の配線300が、上型チェス12の左方の端面(側面)、又は、右方の端面(側面)で、金型本体の挿入方向に沿って、金型本体の挿入される方向と反対の方向に引き出される必要はない。また、必ずしも、下製品部センサー231の配線302が、下型チェス22の左方の端面(側面)、又は、右方の端面(側面)で、金型本体の挿入方向に沿って、金型本体の挿入される方向と反対の方向に引き出される必要はない。さらに、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231は、その長手方向が、金型本体の挿入方向と直交する向きに設けられる必要はない。但し、上カル部センサー160及び上製品部センサー131の配線300、又は、下製品部センサー231の配線302が、金型本体の挿入される方向と反対の方向に引き出されることで、配線300及び配線302が、ダイセット部に対して挿脱される金型本体の動きに干渉することを抑止できる。これにより、金型本体から、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231を取り外すことなく、上ダイセット部11及び下ダイセット部12から金型本体を引き出すことが可能となる。
また、例えば、上カル部センサー160を複数設けて、その長手方向を金型本体の挿入方向と平行な向きにした場合には、それぞれの上カル部センサー160を配置する際に、上下方向、又は、金型本体の挿入方向と直交する方向(左右方向)に、それぞれの上カル部センサー160の配置をずらす配置上の制約が生じる。ここで、上カル部センサー160の長手方向を、金型本体の挿入方向と直交する向きにすることで、前述した配置上の制約が回避でき、上カルブロック120における、上カル部センサー160の配置に関して、設計の自由度を高めることができる。この点は、上カル部センサー160だけでなく、上製品部センサー131及び下製品部センサー231についても同様である。
また、図示しないが、樹脂封止装置Sは制御部を備えており、制御部内には温度を制御する温度制御部を有している。
また、樹脂成形金型Mには温度調整領域が設定されている。この温度調整領域にはセンサー及びヒーターが設けられている。なお、ここでいうセンサーとは、上述した上ダイセットセンサー110、上カル部センサー160、上製品部センサー131、下ダイセットセンサー210、下カル部センサー230、下製品部センサー231のいずれかが該当する。また、ここでいうヒーターとは、上述した上ダイセットヒーター111、上カル部ヒーター140、下ダイセットヒーター211、下カル部ヒーター240のいずれかが該当する。
この温度調整領域に設けられているセンサー及びヒーターは、温度制御部に接続されている。温度制御部は、樹脂封止装置Sが半導体素子を樹脂封止する成形動作の際に、温度調整領域に設けられたセンサーから温度調整領域における温度変化の情報を取得する。
また、制御部は、温度制御部を介して、温度調整領域に設けられたセンサーから温度調整領域における温度変化の情報を取得する。
そして、制御部は、成形動作によってセンサーが取得した、温度調整領域における温度変化の情報から、次の成形動作を行う際の、その温度調整領域における温度変化を予測して、各種パラメーターの算出を行う。この各種パラメーターとは、温度調整領域が、所望の温度となるように、ヒーターによる加温を調整するための各種情報である。
なお、ここでいう所望の温度とは、樹脂成形金型の種類、基材の種類及び樹脂の種類等によって、良好な樹脂成形を行うために、適宜設定される温度を意味する。また、ヒーターによる加温に関する各種パラメーターとは、例えば、ヒーターのON/OFF制御を行う情報である。
具体的には、成形動作の開始時からヒーターをONにするまでの時間である「ヒーターON前ディレー」、ヒーターをONにして、最終的にOFFにするまでの時間である「ヒーターON時間」の情報がある。また、ヒーターをONにして、最終的にOFFにするまでの間に、ヒーターのONとOFFを切り替える場合での、1回のヒーターのONの時間の情報がある。
さらに、1回のヒーターのOFFの時間、ヒーターのONとOFFを切り替える回数の情報も各種パラメーターの情報となる。なお、ここで述べた各種パラメーターの種類はあくまで一例であり、ヒーターのON/OFF制御に関わるパラメーターの内容はこれに限定されるものではない。
また、制御部は、算出した各種パラメーターの数値を温度制御部に指示する。温度制御部は、制御部から指示された各種パラメーターに基づきヒーターを制御する。
ここで、制御部において、温度制御部が設定される数は1つに限定されるものではなく、複数の温度制御部を設定することができる。
また、樹脂封止装置Sの制御部は、監視部と駆動制御部を有している。
また、監視部は、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231のそれぞれについて設定した温度範囲の条件に対して、各センサーで測定した温度が条件を満たすか否かを監視する部分である。また、温度範囲の条件は、それぞれのセンサーごとに個別に設定することが可能である。
なお、「上カル部センサー160について設定した温度範囲の条件」は、本願請求項における「第2の窪み部における予め定められた部分の温度の設定した温度範囲の条件」に該当する。また、「上製品部センサー131及び下製品部センサー231について設定した温度範囲の条件」は、本願請求項における「第1の窪み部における予め定められた部分の温度の設定した温度範囲の条件」に該当する。
また、駆動制御部は、監視部と連動しており、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231のそれぞれにつき、各センサーが測定した温度が、それぞれについて設定した温度範囲の条件を満たす場合に、上金型1及び下金型2の型締めを行う部分である。言い換えれば、各センサーが測定した温度が、それぞれについて設定した温度範囲の条件を満たさない場合には、駆動制御部は、上金型1及び下金型2の型締めを行わず、上金型1及び下金型2の型締めの動作が規制される。
ここで、必ずしも、監視部により、上カル部センサー160について設定した温度範囲の条件に対して、上カル部センサー160で測定した温度が条件を満たすか否かを監視して、上カル部センサー160が測定した温度が、設定した温度範囲の条件を満たす場合に、駆動制御部が、上金型1及び下金型2の型締めを行うように構成される必要はない。但し、カル窪み部124における予め定められた部分の温度が、樹脂を良好に融解させることが可能な適切な温度範囲に収まった状態で、上金型1及び下金型2の型締めを行うことができ、より確実に、カル窪み部124における予め定められた部分の温度が低下した状態で上金型1及び下金型2の型締めを行うことを抑止できる点から、監視部による監視と、駆動制御部による上金型1及び下金型2の型締めの制御を行うことが好ましい。
また、必ずしも、監視部により、上製品部センサー131及び下製品部センサー231のそれぞれについて設定した温度範囲の条件に対して、各センサーで測定した温度が、それぞれについて設定した温度範囲の条件を満たすか否かを監視して、各センサーで測定した温度が、それぞれについて設定した温度範囲の条件を満たす場合に、駆動制御部が、上金型1及び下金型2の型締めを行うように構成される必要はない。但し、上製品窪み部150における予め定められた部分の温度及び下製品窪み部151における予め定められた部分の温度が、樹脂を良好に融解させることが可能な適切な温度範囲に収まった状態で、上金型1及び下金型2の型締めを行うことができ、より確実に、上製品窪み部150における予め定められた部分の温度及び下製品窪み部151における予め定められた部分の温度が低下した状態で上金型1及び下金型2の型締めを行うことを抑止できる点から、監視部による監視と、駆動制御部による上金型1及び下金型2の型締めの制御を行うことが好ましい。
また、監視部が監視するセンサーの対象は、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231に限定されるものではない。例えば、上ダイセットセンサー110、下ダイセットセンサー210及び下カル部センサー230を監視部が監視するセンサーとすることも可能である。また、これに伴い、上ダイセットセンサー110、下ダイセットセンサー210及び下カル部センサー230のそれぞれについて温度範囲の条件を設定して、各センサーが測定した温度が、それぞれについて設定した温度範囲の条件を満たす場合に、駆動制御部が上金型1及び下金型2の型締めを行うように構成することも可能である。
また、監視部が監視するセンサーの対象は、上カル部センサー160、上製品部センサー131及び下製品部センサー231となる必要はなく、上カル部センサー160のみを監視部が監視するセンサーとすることも可能である。
続いて、上述した樹脂封止装置Sを用いて行う樹脂封止方法について説明する。
樹脂封止装置Sを用いた樹脂封止方法では、事前成形方法により、制御部が次の成形動作のための各種パラメーターを算出する。以下、上カル部ヒーター140を例に説明する。この事前成形方法では、樹脂封止装置Sに樹脂封止の対象となる基材及び樹脂を供給して、半導体素子を樹脂封止する通常成形を行う。また、この通常成形では、上カル部ヒーター140を任意の時間ONにして、成形動作を行う。
次に、上述した通常成形の結果から、制御部が、次の成形動作を行う際の、上カルブロック120が所望の温度となるような上カル部ヒーター140の加温に関する各種パラメーターを算出する。即ち、通常成形の際に、上カル部センサー160が取得した上カルブロック120の温度変化の情報から、次の成形動作を行う際の、上カルブロック120における温度変化を予測して、各種パラメーターの算出を行う。
このように、樹脂封止装置Sで通常成形を行って、その成形動作の際に取得した上カルブロック120の温度変化の情報に基づき、次の成形動作を行う際の上カル部ヒーター140のON/OFF制御を行う各種パラメーターを、制御部で自動的に算出することができる。
続いて、樹脂成形金型の温度制御を行う方法の一例について説明する。
樹脂封止装置Sについて、制御部に複数の温度制御部を設定して、樹脂成形金型の温度制御を行う方法を説明する。本方法では、上金型1における上カルブロック120及び左右の上キャビティブロック121に複数の温度調整領域を設定する。
また、それぞれの温度調整領域には、センサー(上カル部センサー160、上製品部センサー131又は下製品部センサー231の少なくとも1つ)が配置されている。
また、制御部には複数の温度制御部が設定されている。また、1つの温度制御部は、1つの温度調整領域に設けられたセンサー及びヒーターに接続され、温度制御部は、制御部から指示され各種パラメーターの情報に基づき、接続されたヒーターをコントロールする。
本方法では、上述した事前成形方法と同様に、樹脂封止装置Sで、半導体素子を樹脂封止する通常成形を行う。そして、それぞれの温度調整領域について、センサーで、その温度変化の情報を取得する。また、制御部は温度制御部を介して、その温度変化の情報を取得し、各種パラメーターを算出する。
そして、通常成形から算出されたそれぞれの温度調整領域における各種パラメーター情報に基づき、それぞれの温度調整領域において、個別に予測制御を行う成形動作(1回目)を実行して、それぞれの温度調整領域の温度変化の情報を取得する。
続いて、先の成形動作で取得された各々の温度調整領域の温度変化の情報に基づき、制御部が各々の各種パラメーターの内容を算出する。そして、先の成形動作で予測制御に用いた各種パラメーターの内容を、制御部が算出した内容へと変更し、各々の温度制御部に指示する。これにより、各々の温度調整領域における温度について、更なる安定化を図る。
次に、制御部が算出した各種パラメーターの内容に基づき、制御部の指示を受けた各々の温度制御部が、接続されたヒーターをコントロールして、それぞれの温度調整領域において予測制御を行う成形動作(2回目以降)を実行する。
成形動作が継続する場合には、各種パラメーターの算出と、この算出に基づく温度制御部による各ヒーターのコントロールが繰り返し行われる。
このように、成形動作を連続的に行う際に、前の成形動作で得られたそれぞれの温度調整領域の温度変化の情報に基づき、次の成形動作の予測制御に用いる各種パラメーターの内容を修正することで、それぞれの温度調整領域が、所望の温度に近づくように、高い精度で温度の制御を行うことができる。
続いて、樹脂封止装置Sについて、制御部に1つの温度制御部を設定して、樹脂成形金型の温度制御を行う方法を説明する。
本方法では、上金型1における上カルブロック120及び左右の上キャビティブロック121に複数の温度調整領域を設定する。また、それぞれの温度調整領域には、センサー(上カル部センサー160、上製品部センサー131又は下製品部センサー231の少なくとも1つ)が配置されている。
また、制御部には1つの温度制御部が設定されている。また、温度制御部に接続されていない温度調整領域に設けられたセンサー及びヒーターは、制御部に接続され、制御部によって各ヒーターの出力の割合を変更可能に構成されている。
本方法でも、上述した事前成形方法と同様に、樹脂封止装置Sで、半導体素子を樹脂封止する通常成形を行う。
そして、通常成形から算出された温度制御部に接続された温度調整領域における各種パラメーター情報に基づき、それぞれの温度調整領域において、予測制御を行う成形動作(1回目)を実行する。この成形動作では、温度制御部に接続されていない温度調整領域のヒーターの出力を、温度制御部に接続された温度調整領域のヒーターと同じ出力にして、ヒーターによる加温を行う。
この成形動作の際に、温度制御部に接続された温度調整領域について、センサーで、その温度変化の情報と各種パラメーターの情報を取得する。また、温度制御部に接続されていない温度調整領域について、センサーで、その温度変化の情報を取得する。
続いて、先の成形動作で取得された温度制御部に接続された温度調整領域の温度変化の情報に基づき、制御部が各種パラメーターの内容を算出する。そして、算出した内容で各種パラメーターを変化させ、温度制御部に指示する。これにより、温度制御部に接続された温度調整領域における温度について、更なる安定化を図る。
また、先の成形動作で取得された、それぞれの温度調整領域の温度変化の情報に基づき、制御部が、温度制御部に接続された温度調整領域の温度と、温度制御部に接続されていない温度調整領域の温度について、それぞれの温度差を算出する。そして、この温度差の情報と、制御部が温度制御部に指示したヒーターの出力の情報に基づき、制御部が温度制御部に接続されていない温度調整領域の各ヒーターの出力の割合を変化させる。
これにより、次の成形動作において、温度制御部に接続された温度調整領域の温度と、温度制御部に接続されていない温度調整領域との温度差を少なくして、それぞれの温度調整領域の温度の安定化を図る。
次に、設定した各ヒーターの出力の割合を用いて、それぞれの温度調整領域において、予測制御を行う成形動作(2回目以降)を実行する。
成形動作が継続する場合には、温度制御部に接続された温度調整領域に対しては、各種パラメーターの算出と、この算出に基づく温度制御部によるヒーターのコントロールが繰り返し行われる。また温度制御部に接続されていない温度調整領域に対しては、各表面と温度制御部に接続された温度調整領域との温度差に基づく、各ヒーターにおける出力の割合の変更と、この変更に基づく制御部による各ヒーターのコントロールが繰り返し行われる。
このように、本方法では、成形動作を連続的に行う際に、前の成形動作で得られたそれぞれの温度調整領域の温度変化の情報に基づき、温度制御部に接続されていない温度調整領域の各ヒーターの出力の割合を補正することで、所望の温度に近づくように、高い精度で温度の制御を行うことができる。
以上のように、本発明に係る樹脂成形金型は、成形品を成形する際に、良好な樹脂成形を行うための充分な温度補償を図ることが可能なものとなっている。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、成形品を成形する際に、良好な樹脂成形を行うための充分な温度補償を図ることが可能な方法となっている。
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴及びその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。