以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、ダイシングユニット302(切削装置)と検査ユニット2をインラインで構成したダイシングシステム301について示す斜視図である。図2は、検査ユニット2の構成について示す斜視図である。
まず、本願発明において検査対象となる被加工物としてのウェーハ等の構成について図3を用いて説明する。
図3は、ウェーハ13をテープ19に貼着してなるウェーハユニット11を示す斜視図であり、ダイシングユニット302(図1)によって加工された後の状態を示すものである。ウェーハ13は、例えばシリコン等の材料を用いて円盤状に形成され、表面13a及び裏面13bを備える。ウェーハ13の表面13a側には、IC(IntegratedCircuit)、LSI(LargeScaleIntegration)、LED(LightEmittingDiode)等でなる複数のデバイス15が形成されている。
また、ウェーハ13は互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)17に沿って切削加工なされた状態となっている。複数のデバイス15はそれぞれ、分割予定ライン17によって区画された各領域の表面13a側に形成されている。
なお、ウェーハ13の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばウェーハ13は、シリコン以外の半導体(SiC、GaAs、InP、GaN等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料によって形成された基板であってもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
ウェーハ13の裏面13b側には、円形のテープ19が貼着される。例えばテープ19は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる基材上にゴム系やアクリル系の粘着層(糊層)が形成された、柔軟なフィルムによって構成される。なお、テープ19の径はウェーハ13の径よりも大きく、ウェーハ13はテープ19の中央部に貼着される。
また、テープ19の外周部には、金属等でなり中央部に円形の開口21aを備える環状フレーム21が貼着される。これにより、ウェーハ13は、開口21aの内部に配置された状態で、テープ19を介して環状フレーム21によって支持される。
ウェーハ13は、分割予定ライン17に沿って切断され、デバイス15をそれぞれ備える複数のチップ23に分割されている。ウェーハ13の分割には、例えば、後述するダイシングユニット302(図1)が用いられる。切削ブレードを回転させ、分割予定ライン17に沿ってウェーハ13に切り込ませることにより、ウェーハ13が切削されて複数のチップ23に分割される。なお、ウェーハの分割方法に制限はない。
複数のチップ23はそれぞれ、後の工程でテープ19から剥離される。そのため、テープ19は、所定の処理を施すことにより接着力が低下する性質を備えることが好ましい。テープ19としては、例えば紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型のテープを用いることができる。また、テープ19として、紫外線の照射により膨張するマイクロカプセルや、紫外線の照射により発泡する発泡剤などを粘着層に含有させたテープを用いてもよい。このようなテープ19に対して紫外線を照射すると、チップ23に対するテープ19の接着力が低下する。
以上のように、ウェーハユニット11上において分割された複数のチップ23は、後に説明するピックアップ機構70(図2)によってピックアップされる。
図1に示すように、ダイシングユニット302は、被加工物であるウェーハ13(図3)をダイシングするものである。ダイシングユニット302は、各構成要素を支持する基台304を備えている。
基台304の前方の角部には、図示せぬ昇降機構によって昇降するカセット支持台306が設けられている。カセット支持台306の上面には、複数のウェーハ13(図3)を収容するカセット308が載せられる。
カセット支持台306の側方には、X軸方向(左右方向、加工送り方向)に長い開口304bが形成されている。開口304bが形成される部位には、保持テーブル318を備える移動テーブル316や、移動テーブル316をX軸方向に移動させるボールネジ式のX軸移動機構(不図示)が設けられ、保持テーブル318がX軸方向に移動される構成とされる(加工送り)。開口304bの開口部分は、移動テーブル316や蛇腹式のテーブルカバー312によって覆われる。
保持テーブル318は、ウェーハ13(図3)を吸引、保持するためのものであり、その保持面が上側に露出して設けられている。この保持テーブル318は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸軸(鉛直軸)を回転軸として回転する。
保持テーブル318の上面は、ウェーハ13(図3)を下側から吸引、保持する保持面318aになっている。保持面318aは、X軸方向及びY軸方向(前後方向、割り出し送り方向)に対して概ね平行に形成されており、保持テーブル318の内部に設けられた図示せぬ吸引路等を介してエジェクタ等の吸引源に接続されている。
保持テーブル318の周囲には、ウェーハ13(図3)を支持する環状フレーム21(図3)を四方から固定するための4個のクランプ320が設けられている。
開口304bに隣接する領域には、上述したウェーハ13(図3)を保持テーブル318等へと搬送する図示せぬ搬送ユニットが配置されている。搬送ユニットでカセット308から搬出されたウェーハ13(図3)は、例えば、表面側が上方に露出する態様で保持テーブル318に載せられる。
基台304の上面には、2組の切削ユニット324を支持するための門型のコラム326が、開口304bを跨ぐように配置されている。コラム326の前面上部には、各切削ユニット324をY軸方向及びZ軸方向に移動させる2組の切削ユニット移動機構328が設けられている。
各切削ユニット移動機構328のY軸移動プレート332は、コラム326の前面にY軸方向に平行に設けられた長い一対のY軸ガイドレール330に対し、スライド可能に取り付けられ、これにより、各切削ユニット移動機構328が全体としてY軸方向に移動可能に構成される。
各Y軸移動プレート332の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレール330に対して概ね平行なY軸ボールネジ334がそれぞれ螺合されている。各Y軸ボールネジ334の一端部には、Y軸パルスモータ336が連結されている。Y軸パルスモータ336でY軸ボールネジ334を回転させると、Y軸移動プレート332は、Y軸ガイドレール330に沿ってY軸方向に移動する。
各Y軸移動プレート332の表面(前面)には、Z軸方向に長い一対のZ軸ガイドレール338が設けられている。すなわち、Z軸ガイドレール338は、その長手方向がZ軸方向に対して平行になるように配置されている。また、Z軸ガイドレール338には、Z軸移動プレート340がスライド可能に取り付けられている。
各Z軸移動プレート340の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール338に対して概ね平行なZ軸ボールネジ342がそれぞれ螺合されている。各Z軸ボールネジ342の一端部には、Z軸パルスモータ344が連結されている。Z軸パルスモータ344でZ軸ボールネジ342を回転させると、Z軸移動プレート340は、Z軸ガイドレール338に沿ってZ軸方向に移動する。
各Z軸移動プレート340の下部には、切削ユニット324が設けられている。一方の切削ユニット324に隣接する位置には、保持テーブル318によって吸引、保持されたウェーハ等を撮像するためのカメラ333(撮像ユニット)が設けられている。
各切削ユニット移動機構328でY軸移動プレート332をY軸方向に移動させれば、切削ユニット324、カメラ、及びレーザー変位計は、Y軸方向に移動する(割り出し送り)。また、各切削ユニット移動機構328でZ軸移動プレート340をZ軸方向に移動させれば、切削ユニット324、カメラ333は、Z軸方向に移動する(切り込み送り)。
開口304bを挟んでカセット支持台306と反対側の位置には、開口304cが形成されている。開口304c内には、切削ユニット324で切削加工(切削)された後のウェーハ等を洗浄するための洗浄ユニット350が配置されている。
また、カセット支持台306を昇降させる昇降機構、X軸移動機構、保持テーブル318、搬送ユニット、切削ユニット324、切削ユニット移動機構328、カメラ333、洗浄ユニット350等の構成要素は、図示せぬ制御ユニットに接続されて制御される。
上述した各構成要素は、ダイシングユニット302の外観を構成する外装カバー(不図示)によって覆われている。このカバー(不図示)の外側には、ユーザーインターフェースとなるタッチパネル式のモニター352が設けられ、モニター352は上述した制御ユニットと接続される。
また、ダイシングユニット302は、切削ユニット324を備える切削装置の構成とする他、レーザー発振器と、レーザー発振器から出射されたレーザー光線を被加工物に集光して照射する集光レンズとを備え、被加工物にレーザーダイシングを実施するレーザー加工装置に構成されるものであってもよい。
次に図1、及び、図2に示す検査ユニット2について説明する。
検査ユニット2は、検査ユニット2を構成する各構要素を支持する基台4を備える。基台4の前方側(図1、図2における右上方向側)の一端側には仮置台4aが設けられており、受け渡し搬送装置5(図1)によって、ダイシングユニット302の洗浄ユニット350による洗浄を終えたウェーハユニット11(図3)が、仮置台4aへと搬送される。
図1に示す受け渡し搬送装置5は、X軸方向、及び、Y軸方向に移動可能に構成されており、下端に設けた保持部によってウェーハユニット11(図3)の環状フレームを保持し、洗浄ユニット350から仮置台4aへのウェーハユニットの搬送を可能とするものである。
図1に示す仮置台4aの前方側(図1、図2における左下方向側)には、ウェーハユニットを二段で仮置き可能な仮置き機構10が設けられている。仮置き機構10は、互いに平行に配置された一対のガイドレール12を備える。一対のガイドレール12はそれぞれ、二段の棚を形成すべく構成され、X軸方向(第1水平方向、左右方向)及びY軸方向(第2水平方向、前後方向)と概ね平行な第1支持面12a及び第2支持面12bを備える。
図1に示すように、第1支持面12aはそれぞれ、第2支持面12bの上方で第2支持面12bと重なるように配置されている。そして、一対の第1支持面12aと一対の第2支持面12bとはそれぞれ、ウェーハユニットの端部(環状フレーム21(図3))の下面側を支持する。例えば、一対の第1支持面12aは仮置台4aから搬送されたウェーハユニットを支持し、一対の第2支持面12bは後述のフレーム固定機構14から搬送されたウェーハユニットを支持する。
図1に示すように、仮置き機構10の後方には、ウェーハユニットの環状フレーム21(図3)を固定するフレーム固定機構14が設けられている。フレーム固定機構14は、環状フレーム(図3)の下面側を支持するフレーム支持部16と、フレーム支持部16の上方に配置され環状フレーム21(図3)の上面側と接触するフレーム押さえ部18とを備える。フレーム支持部16とフレーム押さえ部18とはそれぞれ、環状フレーム(図3)の形状に対応して環状に形成され、互いに重なるように配置されている。
図1に示すフレーム支持部16は、Z軸方向(鉛直方向、上下方向)に沿って移動可能に構成されている。環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16によって支持されるようにウェーハユニットを配置した状態で、フレーム支持部16を上方に移動させると、環状フレーム(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18とによって挟まれて固定される。
なお、環状フレーム21(図3)がフレーム固定機構14によって適切に固定されているか否かは、例えば、フレーム支持部16とフレーム押さえ部18とが環状フレーム(図3)を介して導通しているか否かを検出することによって確認される。
また、図1に示すように、仮置き機構10及びフレーム支持部16の上方には、仮置台4aとフレーム固定機構14との間でウェーハユニット11(図3)を搬送する搬送機構(搬送手段)20が設けられている。搬送機構20は、Y軸方向及びZ軸方向に沿って移動可能に構成されており、ウェーハユニット11の環状フレーム21(図3)を上下から把持する第1把持部22a及び第2把持部22bを備える。なお、第1把持部22aは搬送機構20の仮置台4a側に設けられており、第2把持部22bは搬送機構20のフレーム固定機構14側に設けられている。
図1に示すように、仮置台4aからウェーハユニット11(図3)を搬出する際は、仮置台4aに収容されたウェーハユニット11(図3)の端部を第1把持部22aで把持した状態で、搬送機構20をY軸方向に沿って仮置き機構10側に移動させる。これにより、ウェーハユニット11(図3)が仮置台4aから引き出され、仮置き機構10が備える一対の第1支持面12a上(上段)に配置される。その後、第1把持部22aによる把持を解除する。
次に、ウェーハユニット11(図3)の仮置台4a側の端部を搬送機構20の第2把持部22bで把持した状態で、搬送機構20をY軸方向に沿ってフレーム固定機構14側に移動させる。これにより、ウェーハユニット11(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18との間に搬送され、環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16によって支持される。
なお、図1及び図2に示すように、フレーム押さえ部18の仮置き機構10側には、フレーム押さえ部18が切り欠かれて形成された切り欠き部18aが設けられている。この切り欠き部18aは、搬送機構20が通過可能な大きさで構成されている。これにより、ウェーハユニット11(図3)がフレーム固定機構14に搬送される際に、搬送機構20がフレーム押さえ部18と接触することを防止できる。
その後、図1に示すように、第2把持部22bによる把持を解除し、フレーム支持部16を上方に移動させる。これにより、環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18とによって挟まれて固定される。
図1及び図2に示すように、フレーム固定機構14は、フレーム固定機構14の位置を制御する位置付け機構30に支持されている。位置付け機構30は、フレーム固定機構14をX軸方向に沿って移動させるX軸移動機構32と、フレーム固定機構14をY軸方向に沿って移動させるY軸移動機構42とを備える。X軸移動機構32及びY軸移動機構42により、フレーム固定機構14の水平方向における位置が制御される。
X軸移動機構32は、基台4上にX軸方向に沿って配置された一対のガイドレール34を備える。一対のガイドレール34の間には、一対のガイドレール34と概ね平行に配置されたボールねじ36が設けられている。また、ボールねじ36の一端部には、ボールねじ36を回転させるパルスモータ38が連結されている。
一対のガイドレール34上には、移動ブロック40がスライド可能に配置されている。移動ブロック40の下面側(裏面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ36に螺合されている。パルスモータ38によってボールねじ36を回転させると、移動ブロック40が一対のガイドレール34に沿ってX軸方向に移動する。
Y軸移動機構42は、移動ブロック40上にY軸方向に沿って配置された一対のガイドレール44を備える。一対のガイドレール44の間には、一対のガイドレール44と概ね平行に配置されたボールネジ46が設けられている。また、ボールネジ46の一端部には、ボールネジ46を回転させるパルスモータ48が連結されている。
図1に示すように、一対のガイドレール44上には、フレーム固定機構14がスライド可能に配置されている。フレーム固定機構14の支持部14fにはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールネジ46に螺合されている。パルスモータ48によってボールネジ46を回転させると、フレーム固定機構14が一対のガイドレール44に沿ってY軸方向に移動する。
図1及び図2に示すように、移動ブロック40は、板状にて構成されており、フレーム固定機構14の下方の位置において、上下方向に貫通する開口部41が形成される。この開口部41を通じて後述する突き上げ機構50による下方からの突き上げが可能となる。
基台4において一対のガイドレール36によって挟まれた領域には、矩形状の開口4bが設けられている。この開口4bの内部には、ウェーハユニット11のウェーハ13に含まれるチップ23(図3)を下面側から上方に向かって突き上げる円筒状の突き上げ機構(突き上げ手段)50が設けられている。突き上げ機構50は、エアシリンダ等で構成される昇降機構(不図示)と接続されており、Z軸方向に沿って昇降する。
ウェーハユニット11(図3)の環状フレーム21をフレーム固定機構14によって固定した状態で、位置付け機構30によってフレーム固定機構14をX軸方向に沿って移動させると、ウェーハユニット11が開口4b上に位置付けられる。そして、ウェーハ13に含まれる所定のチップ23(図3)が、突き上げ機構50によって上方に突き上げられる。
図4(A)は、突き上げ機構50の上方に配置されたウェーハユニット11を示す断面図である。突き上げ機構50は、中空の円柱状に形成された外層部52と、外層部52の内部に配置された四角柱状の突き上げ部54とを備える。
図4(B)は、突き上げ機構50の一部を拡大して示す断面図である。外層部52の上面52a側には、外層部52の周方向に沿って同心円状に形成された複数の吸引溝52bが形成されている。吸引溝52bはそれぞれ、突き上げ機構50の内部に形成された吸引路(不図示)及びバルブ56(図4(A))を介して、エジェクタ等でなる吸引源58に接続されている。
また、突き上げ部54は、四角柱状に形成された第1突き上げピン54aと、中空の四角柱状に形成され第1突き上げピン54aを囲繞する第2突き上げピン54bと、中空の四角柱状に形成され第2突き上げピン54bを囲繞する第3突き上げピン54cと、中空の四角柱状に形成され第3突き上げピン54cを囲繞する第4突き上げピン54dとを備える。第1突き上げピン54a、第2突き上げピン54b、第3突き上げピン54c、第4突き上げピン54dはそれぞれ、モータ等で構成される昇降機構(不図示)と接続されており、Z軸方向に沿って昇降する。
ウェーハユニット11が突き上げ機構50の上方に位置付けられた状態で、突き上げ機構50を上昇させると、突き上げ機構50と重なる位置に配置されたチップ23が突き上げられる。なお、突き上げ機構50の寸法は、チップ23のサイズに応じて適宜調整される。
チップ23と突き上げ機構50との位置合わせは、フレーム固定機構14の位置を位置付け機構30(図1、図2参照)で調整することによって行われる。この位置合わせには、突き上げ機構50の上方に配置されたウェーハ撮像カメラ60(図1、図2参照)が用いられる。
ウェーハ撮像カメラ60は、開口4b上に配置されたウェーハ13(図3参照)の全体を撮像可能な位置に配置されている。ウェーハ撮像カメラ60によって取得されたウェーハ13の画像に基づき、所定のチップ23が突き上げ機構50と重なるようにフレーム固定機構14の位置が調整される。
なお、突き上げ機構50の近傍には、ウェーハ13に向かって光を照射するライトを設けることが好ましい。ウェーハ撮像カメラ60でウェーハ13を撮影する際、ウェーハ13に光を照射することにより、鮮明な画像を取得することができる。なお、ライトが設けられる位置に制限はない。例えば、ライトは開口4bの底部に突き上げ機構50と隣接するように設けられる。また、突き上げ機構50を透明な部材によって形成するとともに、ライトを突き上げ機構50の内部に設けてもよい。
図2に示すように、突き上げ機構50によって突き上げられたチップ23は、ピックアップ機構70によってピックアップされる。ピックアップ機構70は、突き上げ機構50によって突き上げられたチップ23をピックアップするコレット76を備えるとともに、コレット76の位置を制御するコレット移動機構(コレット移動手段)80に接続されている。
図5は、ピックアップ機構70を示す斜視図である。ピックアップ機構70は、コレット移動機構80に接続される移動基台72と、移動基台72からコレット移動機構80とは反対側に向かってX軸方向に沿うように配置され、コレット76とコレット移動機構80とを接続する柱状のアーム74とを備える。アーム74は、移動基台72を介してコレット移動機構80と接続された柱状の第1支持部74aと、第1支持部74aの先端部から下方に向かって突出する第2支持部74bとを備える。
なお、第1支持部74aと第2支持部74bとは、互いに結合及び分離可能に構成されている。例えば、第1支持部74a及び第2支持部74bは、ツールチェンジャー等によって互いに着脱自在に構成される。また、第1支持部74aはX軸方向移動機構74cによりX軸方向に移動するように構成されており、これにより、第2支持部74bがX軸方向に移動可能に構成される。これにより、後述するチップトレイ501内への収容に際し、X軸方向の収容位置が選択可能となる。
図5に示すように、第2支持部74bの下端側には、チップ23(図3)を保持するコレット76が固定されている。コレット76の下面は、チップ23を吸引保持する吸引面76aを構成する。吸引面76aは、コレット76の内部に形成された吸引路(不図示)を介して吸引源(不図示)と接続されている。コレット76の吸引面76aにチップ23を接触させた状態で、吸引面76aに吸引源の負圧を作用させることにより、チップ23がコレット76によって吸引保持される。
図2に示すように、ピックアップ機構70は、コレット移動機構80に接続されている。コレット移動機構80は、ピックアップ機構70をY軸方向に沿って移動させるY軸移動機構82と、ピックアップ機構70をZ軸方向に沿って移動させるZ軸移動機構92とを備える。Y軸移動機構82及びZ軸移動機構92により、コレット76のY軸方向及びZ軸方向における位置が制御される。
Y軸移動機構82は、Y軸方向に沿って配置された一対のガイドレール84を備える。一対のガイドレール84の間には、一対のガイドレール84と概ね平行に配置されたボールねじ86が設けられている。また、ボールねじ86の一端部には、ボールねじ86を回転させるパルスモータ88が連結されている。
一対のガイドレール84には、移動ブロック90がスライド可能に装着されている。また、移動ブロック90にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ86に螺合されている。パルスモータ88によってボールねじ86を回転させると、移動ブロック90が一対のガイドレール84に沿ってY軸方向に移動する。
図2及び図5に示すように、Z軸移動機構92は、移動ブロック90の側面にZ軸方向に沿って配置された一対のガイドレール94を備える。一対のガイドレール94の間には、一対のガイドレール94と概ね平行に配置されたボールねじ96が設けられている。また、ボールねじ96の一端部には、ボールねじ96を回転させるパルスモータ98が連結されている。
図5に示すように、一対のガイドレール94には、ピックアップ機構70の移動基台72がスライド可能に装着されている。また、移動基台72にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ96に螺合されている。パルスモータ98によってボールねじ96を回転させると、移動基台72が一対のガイドレール94に沿ってZ軸方向に移動する。
以上のように構成されたピックアップ機構70により、突き上げ機構50によって突き上げたチップ23(図3)をピックアップする。以下、ウェーハ13から所定のチップ23をピックアップする際の突き上げ機構50及びコレット76の動作例について説明する。
図4(A)に示すように、まず、フレーム固定機構14によって固定されたウェーハユニット11を位置付け機構30によって移動させ、突き上げ機構50の上方に配置する。次いで、ウェーハ撮像カメラ60によって取得された画像に基づいて、ピックアップされる所定のチップ23と突き上げ機構50とが重なるように、フレーム固定機構14の位置を調整する。なお、このときピックアップ機構70のコレット76は、突き上げ機構50の上面50aと対向する位置(重なる位置)に配置される(図6(A)参照)。
次に、図6(A)に示すように、突き上げ機構50を上方に移動させ、突き上げ機構50の上面50aをチップ23の裏面側に貼着されたテープ19に接触させる。この状態で、バルブ56を開き、吸引溝52b(図4(B)参照)を介して外層部52の上面52aに吸引源58の負圧を作用させる。これにより、テープ19の突き上げ機構50と接触する領域が吸引される。図6(A)は、突き上げ機構50によってテープ19が吸引された状態のウェーハユニット11を示す断面図である。
次に、図6(B)に示すように、突き上げ機構50の突き上げ部54を上方に移動させ、テープ19を介してチップ23の下面側を上方に向かって突き上げる。このとき、突き上げ部54を構成する第1突き上げピン54a、第2突き上げピン54b、第3突き上げピン54c、第4突き上げピン54d(図4(B)参照)はそれぞれ、上端が突き上げ機構50の中心に近いほど上方に配置されるように移動する。突き上げ機構50によって突き上げられたチップ23は、他のチップ23よりも上方に配置された状態となる。
次に、図6(C)に示すように、ピックアップ機構70を下方に移動させ、突き上げられたチップ23と重なるように配置されたコレット76の吸引面76aを、突き上げ機構50によって突き上げられたチップ23の上面側に接触させる。そして、コレット76の吸引面76aとチップ23とが接触した状態で、吸引面76aに負圧を作用させる。これにより、チップ23がコレット76によって吸引保持される。この状態でピックアップ機構70を上方に移動させると、チップ23がテープ19から剥離され、コレット76によってピックアップされる。
なお、テープ19が紫外線の照射によって接着力が低下する性質を有する場合、突き上げ機構50の上面50a側(図4)には紫外線を照射する光源が備えられていてもよい。この場合、突き上げ機構50をテープ19と接触させる際に(図6(A)参照)、テープ19のうちピックアップされるチップ23の下側に位置する領域のみに紫外線を照射し、テープ19の接着力を部分的に弱めることができる。これにより、所定のチップ23のピックアップが容易になるとともに、テープ19の紫外線が照射されていない領域の接着力によって他のチップ23の配置が維持される。
また、突き上げ機構50の上面50a側、又はコレット76の吸引面76a側には、チップ23にかかる荷重を測定するためのロードセルが設けられていてもよい。この場合、チップ23をピックアップする際にチップ23にかかる荷重をロードセルによって測定できる。そして、ロードセルによって測定された荷重に基づき、例えば、チップ23がピックアップ時に破損したか否かを確認したり、ピックアップの条件(チップ23をピックアップする際のコレット76の高さ等)を適切に変更したりすることが可能となる。
なお、チップ23がピックアップされた後のウェーハユニット11は、再度仮置台4aに収容されてもよい。この場合は、まず、フレーム固定機構14を仮置き機構10の後方に移動させ、フレーム固定機構14による環状フレーム21の固定を解除する。
その後、搬送機構20の第2把持部22b(図1参照)でウェーハユニット11の端部を把持し、ウェーハユニット11を仮置き機構10が備える一対の第2支持面12b上に搬送する。そして、搬送機構20の第1把持部22aでウェーハユニット11の端部を把持し、ウェーハユニット11を仮置台4aに収容する。
コレット76によってピックアップされたチップ23は、コレット移動機構80によって前方に搬送される。そして、図1に示すように、突き上げ機構50の前方には、コレット76によってピックアップされたチップ23の分割面(切断面)を観察して分割面の粗さを検出するための検出機構100が設けられている。
図2及び図7(A)に示すように、検出機構100は、チップ23の分割面の粗さを検出する検出ユニット116と、チップ支持台114と、を有して構成される。
図7(A)に示すように、コレット76によってピックアップされたチップ23は、チップ支持台114の支持面114aの上面に搬送される。
図7(A)に示すように、検出ユニット116は、チップ支持台114の支持面114aに載置されたチップ23の分割面の粗さを検出するものであり、共焦点顕微鏡や白色干渉計を採用することができる。検出ユニット116は、検出時においてチップ23に対する距離を所定ピッチで近接させる、あるいは、離反させることで、分割面の粗さを検出するように構成される。チップ23に対する距離の変更は、図示せぬ移動手段により検出ユニット116全体を移動させる構成、あるいは、検出ユニット116の内部に設けた検出部を移動させる構成を採用することができる。
図7(A)に示すように、チップ支持台114は、軸方向Rを中心として回転可能に構成されており、例えば、90度間隔で回転することで、チップ23の各分割面を検出ユニット116に対向させることができるようになっている。なお、図2に示すように、検査ユニット2の基台4には、コレット76の移動経路と重なる領域にチップ支持台114が設けられているため、コレット76によってチップ23をチップ支持台114上に配置できる。
そして、図7(A)に示すように、チップ支持台114によって支持されたチップ23の一つ目の分割面の粗さが検出ユニット116によって検出される。ここで観察されるチップ23の一つの目の分割面は四つの分割面のうちの一つの分割面23aであり、この分割面23aが検出ユニット116と対向することで、一つ目の分割面23aの粗さが検出される。なお、分割面23aが傾き、検出ユニット116の焦点が合わせ難い場合には、チップ支持台114の角度調整により補正が行えることとしてもよい。
その後、チップ支持台114を順次90度回転させつつ、他の分割面23b,23cが順次観察される。このようにして、チップ23の分割面(例えば、チップ23の4辺の分割面)が観察され、分割面の表面の粗さが検出される。
以上のようにして、検出機構100により分割面が観察され、表面の粗さが検出されたチップ23は、再びコレット76にピックアップされ、図2に示すように、検査ユニット2の基台上のチップ支持台114の近傍に設けられたチップトレイ501の所定の置き場に搬送される。
なお、上述した図7(A)で示す構成の他に、図7(B)に示すように、コレット76を軸方向Rを中心として回転させる構成とし、コレット76でチップ23を保持したまま、チップ23の分割面23a,23b,23c(全部で4つの分割面)を順次検出ユニット116に対向させる構成としてもよい。この構成によれば、チップ支持台114が省略可能となるとともに、装置全体のスループットを向上させることができる。また、この場合、チップ23をチップ支持台114(図7(A)参照)で支持することなくチップ23の側面を観察できるため、チップ23をチップ支持台114上に配置することによってチップ23の下面側が傷つくことを防止できる。
次に、検出したチップの分割面の表面の粗さに基づいて装置の異常判断を行うことについて説明する。
図8は、異常判断を行うための装置構成例について示す機能ブロック図であり、図9は異常判断の一例について示すフローチャートである。
図8及び図9に示すように、コントローラ601は、検出ユニット116により一つ目の分割面の粗さを検出し(S101)、表面の粗さを随時記憶部602に保存する。
次いで、異常判断部603により異常判断を行うプログラムを実行し、予め記憶された表面の粗さの基準値Aと、1つ目の分割面の表面の粗さの実測値Bの比較が行われる(S102)。
異常判断部603は、実測値Bが、基準値Aに許容値Cを加えた数値よりも大きい場合、つまり、表面の粗さが基準と比較して許容範囲外であると判定された場合には、異常が生じているものと判定し、その結果をコントローラ601に出力する(S103)。
異常判定を受信したコントローラ601は、ダイシングユニット302(図1)のモニター352に、ダイシングユニット302に異常発生の警告を表示する(S104)。これに加え、検査ユニット2の外装カバー(不図示)に設けたモニター353(図1)に異常発生の警告を表示することとしてもよい。あるいは、検査ユニット2に設けたモニター353にのみ警告表示をすることや、図示せぬ他の警報発信ユニット(スピーカー、表示灯等)から警報が発せられることとしてもよい。
異常判断部603は、実測値Bが、基準値Aに許容値Cを加えた数値未満である場合、つまり、表面の粗さが基準と比較して許容範囲内であると判定された場合には、異常は生じていないものと判定し、その結果をコントローラ601に出力する。コントローラ601は、当該チップについて4つの全ての分割面について異常判断が完了したか否かを判定し(S105)、完了していない場合には、次の分割面について検出を行うために、チップ支持台114、又は、コレット76を制御してチップを回転させる(S106)。
コントローラ601は、チップの4つの全ての分割面について異常判断が完了したと判定した場合には(S105)、異常は生じていないものとして正常判定を行い、次のチップについて分割面の表面粗さの検出を行い、異常判断を行う。
なお、一つのチップについて4つの全ての分割面について異常判断を行うのではなく、1つの分割面や2つの分割面についてのみ表面粗さを検出することで、異常判断を行うこととしてもよい。
また、異常判断部603において、即時停止値を設定することとし、実測値Bが即時停止値を超えた場合には、コントローラ601に対し、装置を停止させるための指令を出力することとしてもよい。
また、コントローラ601は、モニター353(図1)に実測値Bを表示することで、分割面の表面の粗さをリアルタイムでモニタリングすることが可能となる。なお、検出ユニット116が分割面を撮像するカメラを備える構成としてもよく、その場合には、実測値Bとともに、検出ユニット116で撮像した画像も合わせて表示させてもよい。
以上のようにして、チップの分割面の表面の粗さに基づく異常判断を実施することが可能となる。なお、分割面の表面の粗さのパラメータの定義については、特に限定されるものではなく、上述したような検出ユニット116(顕微鏡の焦点深度を利用して粗さを検出するもの)で検出される値を利用する他、表面の粗さの大/小を判別できる方法であれば、特に方法を限定するものではない。
以上のようにして本発明を実現することができる。
即ち、図1乃至3に示すように、
保持テーブル318で保持された被加工物(チップ23(図3))をダイシングするダイシングユニット302の診断方法であって、
該被加工物を該保持テーブル318で保持する保持ステップと、
該保持ステップで保持された該被加工物を該切ダイシングユニット302でダイシングして個片化するダイシングステップと、
該ダイシングステップで個片化された該被加工物の分割面23a(図7(B))の表面の粗さを検出する検出ステップと、
該検出ステップを実施した後、該分割面の表面の粗さが所定の許容範囲外のときに該ダイシングユニットは異常であると判定する異常判断ステップと、
を含むダイシングユニットの診断方法とするものである。
また、図1、及び、図8に示すように、
保持テーブル301で保持された該被加工物をダイシングするダイシングユニット302と、
該ダイシングユニット302で個片化された被加工物(チップ23(図3))の分割面(図7(B))の表面の粗さを検出する検出ユニット2と、
該検出ユニットとを制御するコントローラ601(図8)と、
を備えるダイシングシステム301であって、
該コントローラ601は、
該検出ユニットで検出された該分割面の表面の粗さと、予め設定された粗さの許容範囲と、を比較して該粗さが所定の許容範囲外のときに該ダイシングユニット302は異常であると判定する異常判断部603を含む、ダイシングシステムとするものである。
以上のようにして、チップの分割面の表面の粗さが許容範囲外となったときには、異常と判定され、強度の低いチップが形成されることを防止し、ひいては、不良デバイスを生産し続けてしまうことを防止することが可能となる。