JP7500911B2 - キャリア基板へ有用層を移転するためのプロセス - Google Patents

キャリア基板へ有用層を移転するためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、マイクロエレクトロニクスの分野に関する。詳細には、本発明は、キャリア基板へ有用層を移転するためのプロセスに関する。
図1に示した、キャリア基板4へ有用層3を移転するためのプロセスが先行技術から知られており、特に、国際公開第2005043615号及び国際公開第2005043616号という文書に記載されそして「スマートカット(Smart Cut)(商標)」プロセスと呼ばれているこのプロセスは、下記のステップ:
埋め込み弱化平面とドナー基板の表面との間に有用層3を形成するようにドナー基板1へと軽元素種を注入することにより埋め込み弱化平面2を形成するステップと、
次に、キャリア基板4にドナー基板1を接合して、貼り合わせ構造体5を形成するステップと、
次いで、埋め込み弱化平面を弱くするために貼り合わせ構造体5に熱処理を適用するステップと、
そして最後に、埋め込み弱化平面2に沿ってドナー基板1内の分割波の自己維持型の伝播をともなう分割波を惹起するステップと
を含む。
このプロセスでは、埋め込み弱化平面2のレベルのところに注入された元素種は、マイクロキャビティの発達を惹起する。弱化用の熱処理は、これらのマイクロキャビティの成長及び加圧を促進する効果を有する。熱処理の後に付加的な外力(エネルギーパルス)を加えることによって、分割波が埋め込み弱化層2に惹起され、前記波は自己維持型の方式で伝播し、有用層3が埋め込み弱化平面2のレベルでの分離を通して移転されるという結果になる。このようなプロセスは、特に移転の後の表面の粗さを小さくすることを可能にする。
このプロセスは、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板を製造するために使用されることがある。このケースでは、ドナー基板1及びキャリア基板4は、各々シリコンウェハから形成され、基板の標準直径は、典型的には200mm、300mm又は後の世代にとっては450mmである。ドナー基板1及びキャリア基板4のうちのいずれか一方又は両方が表面酸化される。
SOI基板は、非常に厳格な仕様に準拠しなければならない。これは特に、有用層3の平均厚さ及び厚さの均一性に関して当てはまる。これらの仕様に準拠することは、正しく動作するためにこの有用層3内に及び上に形成されるだろう半導体デバイスにとって必要である。
いくつかのケースでは、これらの半導体デバイスのアーキテクチャは、例えば、50nmよりも小さい有用層3の非常に小さな平均厚さを示し、そして有用層3の非常に高い均一性を示すSOI基板を配置することを要求する。厚さの期待される均一性は、大きくとも約5%であることがあり、有用層3の全表面にわたり典型的に+/-0.3nm~+/-1nmのバラツキに対応する。エッチ又は表面平滑化熱処理などの追加の仕上げステップが、有用層3がキャリア基板4へ移転された後で行われる場合でさえ、最終仕様が満足されることを確実にするために移転の後で可能な限り好ましいことが、形態学的な表面特性(特に、厚さの均一性及び表面粗さ)にとって重要である。
分割波が、埋め込み弱化平面2にエネルギーパルスを与えることによって雰囲気温度での熱処理後に惹起されるときに、いくつかの有用層3が、移転後に、厚さの局所的なバラツキに起因する大理石模様のような異常なパターン含むことがあり、そのパターンの大きさはほぼ1ナノメートル又は0.5ナノメートルであることを、出願人は観察している。この大理石模様は、有用層3の全体にわたって、又はその一部分だけにわたって分散されることがある。このことが、有用層3の不均一性の一因になっている。
有用層3の厚さのこのタイプの不均一性は、典型的な仕上げ技術(エッチング、犠牲酸化、平滑化熱処理、等)を使用して除去することが非常に困難であり、その理由は、これらの技術が、この大きさの異常なパターンを消し去るためには有効でないためである。
本発明は、キャリア基板へ有用層を移転するためのプロセスに関し、そして詳細には、移転した有用層の厚さの均一性を向上させることを目的とする。
本発明は、キャリア基板へ有用層を移転するためのプロセスに関し、下記のステップ:
a)埋め込み弱化平面を含んでいるドナー基板を用意するステップであって、前記有用層が前記ドナー基板の前面と前記埋め込み弱化平面とにより範囲を定められている、ドナー基板を用意するステップと、
b)キャリア基板を用意するステップと、
c)貼り合わせ構造体を形成するためにボンディング界面に沿って前記キャリア基板に、前記ドナー基板の前面で、前記ドナー基板を接合するステップと、
d)前記貼り合わせ構造体に弱化サーマルバジェットを加えるため及び定められた弱化のレベルまで前記埋め込み弱化平面を持っていくために前記貼り合わせ構造体をアニールするステップであって、前記アニールが最高保持温度に達する、前記貼り合わせ構造体をアニールするステップと、
e)前記貼り合わせ構造体に圧力を加えることにより前記埋め込み弱化平面内に分割波を惹起するステップであって、前記有用層が前記キャリア基板へ移転されるという結果をもたらすために、前記分割波が前記埋め込み弱化平面に沿って自己維持型の方式で伝播する、分割波を惹起するステップと
を含む。
前記移転プロセスは、前記貼り合わせ構造体が、前記貼り合わせ構造体のホット領域及びクール領域を定めている熱勾配を経験しているときに、ステップe)の前記惹起が生じ、前記圧力が前記クール領域に局所的に加えられ、前記ホット領域が最高保持温度よりも低い温度を経験していることに注目すべきである。
本発明の他の有利で非限定的な特徴によれは、単独で又はいずれかの技術的に実行できる組合せで用いると、
前記熱勾配が、20℃と100℃との間、好ましくは60℃と90℃との間、より好ましくは約80℃であるように選択され、
前記最高保持温度が、300℃と600℃との間であり、
アニールするステップd)が、熱処理装置で行われ、ステップe)の前記惹起は、前記貼り合わせ構造体が前記熱処理装置を出るときに生じ、
前記熱処理装置が、複数の貼り合わせ構造体をバッチ処理するために適した横型又は縦型に構成された炉であり、
ステップe)の前記惹起は、前記貼り合わせ構造体の前記ホット領域が150℃と250℃との間の温度に達するときに生じ、
前記弱化サーマルバジェットが、分割サーマルバジェットの40%と95%との間であり、前記分割サーマルバジェットが、前記アニール中に前記埋め込み弱化平面内に前記分割波の自発的な惹起をもたらし、
前記圧力が、前記貼り合わせ構造体の、それぞれ前記ドナー基板及び前記キャリア基板の面取りした端部同士の間の前記貼り合わせ構造体の前記ボンディング界面のところにくさびを挿入することによって前記貼り合わせ構造体の周辺部のところに加えられ、
前記ドナー基板及び前記キャリア基板が単結晶シリコン製であり、前記埋め込み弱化平面が前記ドナー基板への軽元素種のイオン注入によって形成され、前記軽元素種が、水素及びヘリウム、又は水素とヘリウムとの組合せから選択される。
発明の他の特徴及び利点は、発明の下記の詳細な説明から明らかになるだろう、この説明は、添付の図を参照して与えられる。
先行技術による薄い層を移転するためのプロセスの図である。 発明による移転プロセスの図である。 移転後に厚さの不均一性を含んでいる有用層の表面におけるヘイズマップである。 移転後に厚さの不均一性を含んでいる有用層の表面におけるヘイズマップである。 本発明による移転プロセスを使用して移転した有用層の表面におけるヘイズマップである。 本発明による移転プロセスのステップを示す図である。 本発明による移転プロセス中のステップにおける貼り合わせ構造体で見られる温度及び熱勾配のバラツキを示しているグラフである。 本発明による移転プロセスにおけるステップを示す図である。
この説明では、図中の同じ参照符号は、同じタイプの要素に対して使用されるだろう。図は、読みやすさのために、正確な縮尺ではない模式的な表示である。特に、z軸に沿った層の厚さは、x軸及びy軸に沿った横方向寸法に対して正確な縮尺ではなく、そして互いに対しての層の相対的な厚さは、図において必ずしも尊重される必要はない。図1の座標系(x,y,z)が、図2にも当てはまることに留意すべきである。
発明は、キャリア基板4へ有用層3を移転するためのプロセスに関する。有用層3は、マイクロエレクトロニクス又はマイクロシステムズの分野での構成要素の製造における使用を意図されるという理由でそういうものとして名付けられた。有用層及びキャリア基板は、目的とする構成要素のタイプ及び目的とする用途に応じて本質的に変わることがある。シリコンが現在最も一般的に使用される半導体材料であるので、有用層及びキャリア基板は、特に単結晶シリコン製であってもよいが、当然のことながらこの材料に限定されない。
発明による移転プロセスは、ドナー基板1を用意するステップa)を最初に含み、前記ドナー基板から有用層3が取られるだろう。ドナー基板1は、埋め込み弱化平面2を含む(図2-a))。埋め込み弱化平面は、定められた深さのところのドナー基板1へと軽元素種をイオン注入することにより有利には形成される。軽元素種は、水素及びヘリウム、又は水素とヘリウムの組合せから好ましくは選択される、その理由はこれらの元素種が定められた注入深さの付近のマイクロキャビティの形成を促進し、埋め込み弱化平面2をもたらすためである。
有用層3は、ドナー基板1の前面1aと埋め込み弱化平面2とにより範囲を定められる。
ドナー基板1は、シリコン、ゲルマニウム、炭化ケイ素、IV-IV、III-V又はII-VI半導体化合物及びピエゾ材料(例えば、LiNbO、LiTaO、等)から選択される少なくとも1つの材料から形成されることがある。ドナー基板は、その前面1a及び/又は裏面1bに配置された1つ又は複数の表面層をさらに含むことができ、表面層はどんな性質のもの、例えば、誘電体であってもよい。
移転プロセスは、キャリア基板4を用意するステップb)も含む(図2-b))。
キャリア基板は、例えば、シリコン、炭化ケイ素、ガラス、サファイア、窒化アルミニウム又は基板の形態でおそらく入手可能であり得るいずれかの他の材料から選択される少なくとも1つの材料から形成されてもよい。キャリア基板は、任意の性質の1つ又は複数の表面層、例えば誘電体もまた含むことができる。
上に述べたように、発明による移転プロセスの1つの有利な用途は、SOI基板の製造である。この特定のケースでは、ドナー基板1及びキャリア基板4は、単結晶シリコン製であり、前記基板のいずれか一方又は両方が、基板の前面に酸化シリコン6の表面層を含む。
移転プロセスは、貼り合わせ構造体5を形成するようにボンディング界面7に沿って、ドナー基板1をその前面1aを用いてキャリア基板4に接合するステップc)を次に含む(図2-c))。
接合操作は、いずれかの知られた方法、特に分子接着による直接ボンディングにより、熱圧着により、静電ボンディングにより、等を使用して行われることがある。これらの良く知られた先行技術は、ここでは詳細には説明しないだろう。しかしながら、接合するステップに先立って、ドナー基板1及びキャリア基板4は、欠陥及びボンディングエネルギーに関するボンディング界面7の品質を確保するために表面活性化及び/又はクリーニングシーケンスを受けるだろう。
本発明による移転プロセスでは、貼り合わせ構造体5をアニールするステップd)が次いで、前記構造体5に弱化サーマルバジェットを与えるため、そして定められた弱化のレベルまで埋め込み弱化平面を持っていくために行われる(図2-d))。アニール中に加えられる時間/温度対が、貼り合わせ構造体5が受けるサーマルバジェットを決定する。
アニールが埋め込み平面2を弱化するこの操作のために行われることがある温度の範囲は、主に貼り合わせ構造体5のタイプ(ホモ構造又はヘテロ構造)に及びドナー基板1の性質に依存する。
例として、ドナー基板1及びキャリア基板4がシリコン製であるケースでは、ステップd)のアニールでは、典型的には200℃と600℃との間、有利には300℃と500℃との間、またさらに有利には350℃と450℃との間である最高保持温度に達する。より一般的に、最高保持温度は、シリコン以外のドナー基板1及び/又はキャリア基板4に対して使用されている材料に関して、典型的には200℃と800℃との間であるだろう。
アニールは、温度ランプアップ(典型的には200℃と最高保持温度との間)及び最高温度での保持を含むことができる。一般に、このようなアニールの継続期間は、アニールの最高保持温度に応じて、数10分と数時間との間だろう。
埋め込み弱化平面2の弱化のレベルは、埋め込み弱化平面2内に存在するマイクロキャビティにより占有される面積により定められる。シリコン製のドナー基板1のケースでは、マイクロキャビティにより占有されたこの面積は、赤外線顕微法により特徴付けられることがある。
弱化のレベルは、アニール中に貼り合わせ構造体5に加えられたサーマルバジェットに応じて、低レベル(<1%、特性評価機器の検出しきい値よりも下)から80%よりも高くに至るまでの範囲にわたることがある。
弱化サーマルバジェットは、埋め込み弱化平面2における分割波の自発的な惹起がアニール中に得られる分割サーマルバジェットよりも下に常に保たれる。弱化サーマルは、分割サーマルバジェットの40%と95%との間であることが好ましい。
ステップd)のアニールが実行される熱処理装置20は、複数の貼り合わせ構造体5をバッチ処理するために適した好ましくは横型又は縦型に構成された炉であることに留意すべきである。
本発明による移転プロセスでは、埋め込み弱化平面2に沿って分割波を惹起するステップe)が、貼り合わせ構造体5に圧力を加えることによって次に行われる(図2-e))。惹起の後で、分割波は、自己維持型の方式で伝播し、埋め込み弱化平面2のところでの貼り合わせ構造体5の分離という結果をもたらす。自己維持型の伝播は、一旦惹起されると、分割波が、埋め込み弱化平面2の全体の範囲にわたって、外部圧力を加えずにそれ自体により伝播し、そのため有用層3が、ドナー基板1から完全に切り離されそしてキャリア基板4へ移転されることを意味する。移転された組み立て品5a及びドナー基板1の残部5bがこのようにして得られる(図2-f))。
圧力が、局所的であり、そして貼り合わせ構造体5の周辺部のところに加えられることが有利である。圧力は、機械的に又は例えばレーザを用いた局所加熱若しくは超音波を用いたエネルギー伝達などの任意の他の手段によって引き起こされることがある。
局所的な機械的荷重は、前記貼り合わせ構造体5の、それぞれドナー基板1及びキャリア基板4の面取りした端部同士の間の、貼り合わせ構造体5のボンディング界面7のところにくさびを挿入することによって加えられることがあることが好ましい。このことが、埋め込み弱化平面2内に発生される引張り歪を結果としてもたらす。
雰囲気温度で分割波を機械的に惹起することから構成される序論で述べた先行技術の移転プロセスを適用することによって、出願人が移転後の有用層3の厚さの均一性に悪影響を及ぼす大理石模様のような異常なパターンを観察していることが思い出される。これらの異常なパターンが[貼り合わせ構造体5/埋め込み弱化層2]系に蓄えられた不十分なエネルギーに起因する分割波の伝播の不安定性に関係することを、出願人は特定している。
これらの問題を克服するためそして移転後の有用層3の厚さの均一性を改善するために、本発明による移転プロセスは、ステップe)において、貼り合わせ構造体5が、前記貼り合わせ構造体5のホット領域及びクール領域を定めている熱勾配を経験しているときに埋め込み弱化平面2に外部圧力を加えることによって、分割波が惹起されることを想定している。本発明によれば、外部圧力は、貼り合わせ構造体5のクール領域に局所的に加えられる。ホット領域により経験される最高温度は、アニールの最高保持温度よりも常に低い。
貼り合わせ構造体5が20℃よりも大きくそして100℃よりも小さい、特に60℃と90℃との間の、好ましくは約80℃の熱勾配を経験しているときに、ステップe)の惹起が行われるように選択されることが有利である。
この特定の構成は、約1ナノメートル又は0.5ナノメートルの大きさを有する標準的なパターン又は異常なパターンの形成で現れることがある有用層3の厚さのバラツキを制限することを可能にしている。
具体的に、分割波の伝播により引き起こされる厚さの不均一性が、2つの別個の起源:第1は、伝播の開始のところで解放される過剰なエネルギー(約1cmのピッチを有する標準的なパターンを作り出すこと);第2は、分割の不安定性を生じさせる伝播の終わりに解放されるエネルギーの欠如(異常なパターンを結果としてもたらす)を有することがあることを、出願人は特定している。ここで、分割することにより解放されるエネルギーは、分割が伝播している材料の温度に正比例する。したがって、分割が貼り合わせ構造体5のホット領域で惹起される場合には、分割は、(標準的なパターンの点からは不利である)大量のエネルギーを初期に解放するだろう、そして次いで、伝播の終わりに(異常なパターンの点からは不利である)少ないエネルギーしか解放しないだろう。貼り合わせ構造体5のクール領域において惹起することにより、分割は、(標準的なパターンの点からは有利である)ほとんどエネルギーを初期には解放せず、次いで、伝播の終わりに、(異常なパターンの点からは有利である)より多くのエネルギーを解放する。
例として、図3a及び図3bは、それぞれ、アニーリング中に生じる自発的な分割及び弱化アニールの後で雰囲気温度において惹起される機械的分割の後の、有用層3のヘイズマップを示している。前述の機械的分割操作が貼り合わせ構造体5に局所的な機械的荷重を加えることによりそして埋め込み弱化平面2内に歪を発生させることにより惹起されたことに留意すべきである。各々のケースで、移転後に有用層3の厚さの均一性に悪影響を及ぼす(大きさで0.5nmと1.5nmとの間の)(標準的な又は異常な)パターンが観察される。これらのパターンは、KLA-TencorによるSurfscan(商標)検査機器を使用して、有用層3の表面によって散乱された光の強度に対応するヘイズの測定によって明らかにされてきている。図3a(自発的な分割)では、約2cmの波長を有する標準的で、周期的なパターンが、4%のヘイズ信号の局所的な不均一性を引き起こす。図3b(雰囲気温度での機械的分割)では、異常なパターンが、12%よりも大きなヘイズ信号の局所的な不均一性を引き起こす。
図4は、本発明による移転プロセスを使用して移転した有用層3の表面におけるヘイズマップを示しており:この事例では、貼り合わせ構造体5のクール領域に局所的な機械的荷重を加えることにより約80℃の熱勾配を貼り合わせ構造体5が経験しているときに、分割が惹起された後で、埋め込み弱化平面2内に歪を発生させる。標準的であるか、異常で大理石模様のようなものであるかに拘わらず、パターンは存在せず、そしてヘイズ信号の局所的な不均一性は2%を超えない。有用層3の厚さの均一性が、したがって実質的に改善される。
一般的に言って、貼り合わせ構造体5のクール領域で惹起された分割波は、前記構造体5を横切る20℃よりも大きく100℃よりも小さい熱勾配があるときに、移転後の有用層3に関する高度な厚さの均一性をもたらす。
本発明の1つの有利な実施形態によれば、ステップd)のアニールが実行された熱処理装置20を貼り合わせ構造体5が出るときに、分割波が惹起され:貼り合わせ構造体5が前記装置を出るときに貼り合わせ構造体5を横切る熱勾配が一般にある(図5及び図6)。この勾配は、炉20の幾何学的形状及び熱散逸に影響を及ぼしている貼り合わせ構造体5を保持するためのシステムの存在に一般に起因する。例えば、貼り合わせ構造体5が、チャージショベル21により運ばれるカセット22に縦に置かれる横型に構成された炉20のケースでは、貼り合わせ構造体5の下側領域B(クール領域)(すなわち、カセット22及びチャージショベル21により形成される保持システムに最も近い領域)が、貼り合わせ構造体5の上側領域Hよりも冷たいことが観察されている。局所的な機械的荷重は、本発明によれば、そのときには貼り合わせ構造体5の下側領域B(クール領域)に加えられる。
貼り合わせ構造体5のホット領域が150℃と250℃との間の温度、好ましくは約200℃の温度であるときに、ステップe)の惹起が熱処理装置20の出口のところで生じることが好ましい。分割波が前述の温度範囲内で惹起されるときは、系(貼り合わせ構造体5+埋め込み弱化平面2)に蓄えられたエネルギー、そして特にマイクロキャビティ内の加圧されたガス状の元素種の存在に起因する埋め込み弱化平面2に蓄えられたエネルギーは、効果的な自己維持型の伝播にとって好適であり、移転後の有用層3の表面状態をさらに改善する。
例示的な応用例
発明による移転プロセスは、SOI基板の製造に使用されることがあり、その有用層3は非常に薄く、特に数nmと50nmとの間である。使用した例は、そのドナー基板1及びキャリア基板4が単結晶シリコン製のものであり、各々が直径300mmウェハの形態を取っている。ドナー基板は、50nmの厚さを有する酸化シリコン6の層で覆われている。埋め込み弱化平面2が、下記の条件下で水素イオン及びヘリウムイオンの共注入によりドナー基板1内に形成されている:
H:注入エネルギー38keV、ドーズ1E16 H/cm
He:注入エネルギー25keV、ドーズ1E16 He/cm
埋め込み弱化層2は、ドナー基板1の表面1aから約290nmの深さのところに位置している。埋め込み弱化層は、酸化物層6とともに、約240nmの有用層3の範囲を定める。
ドナー基板1は、分子接着による直接ボンディングによってキャリア基板4に接合されて、貼り合わせ構造体5を形成する。接合することの前に、ドナー基板1及びキャリア基板4は、欠陥及びボンディングエネルギーの点でボンディング界面7の品質を確保するために知られている表面活性化及び/又はクリーニングシーケンスを受けるだろう。
横型に構成された炉20が、上に記載したような複数の貼り合わせ構造体5のバッチアニーリングを実行するために使用されている。このタイプの熱処理装置20は、貼り合わせ構造体5が設置されたカセット22を運ぶチャージショベル21を備えている(図7)。チャージショベル21は、貼り合わせ構造体5が炉20の内側である挿入位置と、貼り合わせ構造体5が炉20の外である退出位置との間を移動する。
くさび10のシステムは、各々のカセット22上で、貼り合わせ構造体5の下に設置されることがある。チャージショベル21は、実行しようとするアニールに関する挿入した位置まで移動する。アニールは、200℃から380℃への温度ランプアップ、380℃で2分間の保持、及び225℃への温度ランプダウンを含む。アニールの終了で、チャージショベル21は、それ自体の退出した位置まで移動する。
図6に図示したように、各々の貼り合わせ構造体5が炉20を出ると直ぐに、各々の貼り合わせ構造体が経験する温度は低下し、熱勾配が生じる。貼り合わせ構造体5のクール領域は、底部領域Bに、すなわち、カセット21及びチャージショベル22の近くに位置する。各々の貼り合わせ構造体5は、貼り合わせ構造体5が好ましくは60℃と90℃との間、特に約80℃+/-10℃、又はそれどころか80℃+/-5℃である熱勾配を経験するだろう出口ゾーン23まで移動するだろう。この出口ゾーン23では、貼り合わせ構造体5の上方に設置された押圧装置11は、各々の貼り合わせ構造体5に次々と押圧力を働かせるだろう、そのため(クール領域内の)貼り合わせ構造体5の下のくさび10が、貼り合わせ構造体5の接合した基板の面取りした端部同士の間のボンディング界面7のところに挿入されるだろう(図7)。くさび10の挿入は、埋め込み弱化平面2のサイトのところに局所的な引張り歪を発生させ、貼り合わせ構造体5が下方の押圧装置11を通過するにつれて次々と、分離波が各々の貼り合わせ構造体5のクール領域に惹起されることを可能にする。
当然のことながら、くさび10及び押圧装置11の系により形成される組み立て品以外のツールが、本発明にしたがって貼り合わせ構造体5に分割波を惹起するために実装されてもよい。
分割波は、貼り合わせ構造体が約80℃(図6の例では約70℃)の熱勾配を経験しているときに貼り合わせ構造体のクール領域(底部領域B)内で各々の貼り合わせ構造体についてこのように惹起される。
図6の例では、分離波の惹起が生じる出口ゾーン23は、各々の貼り合わせ構造体5がそのクール領域(底部領域B)において約130℃の温度にさらされ、その中央領域Cが約180℃の中間の温度を経験し、そしてその上部領域Hが約200℃の温度を経験しているゾーンに対応する。
分割波の自己維持型の伝播に続いて、得られたものは、移転の後で、SOI基板(移転した組み立て品5a)及びドナー基板の残部5bである。非常に高度な厚さの均一性が、(図4の結果と同様に)移転した有用層3に関して得られている。
移転した組み立て品5aに適用される仕上げステップは、化学的洗浄操作及び少なくとも1回の高温平滑化熱処理を含んでいる。これらのステップの完了で、SOI基板は、50nmの厚さ、約0.45nmである最終的な厚さの不均一性を有する有用層3を含んでいる。比較では、有用層3が分割した後に標準的なパターン又は異常なパターンを含んでいるSOI基板が、0.7nm以上である最終的な厚さの不均一性を示すことがあることに留意すべきである。
当然のことながら、発明は、記載した実装形態及び実施例に限定されず、変形の実施形態が、特許請求の範囲により規定されるような発明の範囲から逸脱せずに本明細書へと導入されることがある。

Claims (9)

  1. キャリア基板(4)へ有用層(3)を移転するためのプロセスであって、
    a)埋め込み弱化平面(2)を含んでいるドナー基板(1)を用意するステップであり、前記有用層(3)が前記ドナー基板(1)の前面(1a)と前記埋め込み弱化平面(2)とにより範囲を定められている、ドナー基板(1)を用意するステップと、
    b)キャリア基板(4)を用意するステップと、
    c)貼り合わせ構造体(5)を形成するためにボンディング界面(7)に沿って前記キャリア基板(4)に、前記ドナー基板(1)の前面(1a)で、前記ドナー基板(1)を接合するステップと、
    d)前記貼り合わせ構造体(5)に弱化サーマルバジェットを加えるため及び定められた弱化のレベルまで前記埋め込み弱化平面(2)を持っていくために前記貼り合わせ構造体(5)をアニールするステップであり、前記アニールが最高保持温度に達する、前記貼り合わせ構造体(5)をアニールするステップと、
    e)前記貼り合わせ構造体(5)に圧力を加えることにより前記埋め込み弱化平面(2)内に分割波を惹起するステップであり、前記有用層(3)が前記キャリア基板(4)へ移転されるという結果をもたらすために、前記分割波が前記埋め込み弱化平面(2)に沿って自己維持型の方式で伝播する、分割波を惹起するステップと、
    を含む、移転するためのプロセスにおいて、
    前記移転プロセスは、前記貼り合わせ構造体(5)が、前記貼り合わせ構造体(5)のホット領域及びクール領域を定めている熱勾配を経験しているときに、ステップe)の惹起が生じ、前記圧力が前記クール領域に局所的に加えられ、前記ホット領域が最高保持温度よりも低い温度を経験していることを特徴とする、移転するためのプロセス。
  2. 前記熱勾配が、20℃と100℃との間であるように選択される、請求項1に記載の移転するためのプロセス。
  3. 前記最高保持温度が、300℃と600℃との間である、請求項1又は2に記載の移転するためのプロセス。
  4. アニールするステップd)が、熱処理装置(20)で行われ、ステップe)の前記惹起は、前記貼り合わせ構造体(5)が前記熱処理装置(20)を出るときに生じる、請求項1~3のいずれか一項に記載の移転するためのプロセス。
  5. 前記熱処理装置(20)が、複数の貼り合わせ構造体(5)をバッチ処理するために適した横型又は縦型に構成された炉である、請求項4に記載の移転するためのプロセス。
  6. ステップe)の前記惹起は、前記貼り合わせ構造体(5)の前記ホット領域が150℃と250℃との間の温度に達するときに生じる、請求項1~5のいずれか一項に記載の移転するためのプロセス。
  7. 前記弱化サーマルバジェットが、分割サーマルバジェットの40%と95%との間であり、前記分割サーマルバジェットが、前記アニール中に前記埋め込み弱化平面(2)内に前記分割波の自発的な惹起をもたらす、請求項1~6のいずれか一項に記載の移転するためのプロセス。
  8. 前記圧力が、前記貼り合わせ構造体(5)の、それぞれ前記ドナー基板(1)及び前記キャリア基板(4)の面取りした端部同士の間の前記貼り合わせ構造体(5)の前記ボンディング界面(7)のところにくさび(10)を挿入することによって前記貼り合わせ構造体(5)の周辺部のところに加えられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の移転するためのプロセス。
  9. 前記ドナー基板(1)及び前記キャリア基板(4)が単結晶シリコン製であり、前記埋め込み弱化平面(2)が前記ドナー基板(1)への軽元素種のイオン注入によって形成され、前記軽元素種が、水素及びヘリウム、又は水素とヘリウムとの組合せから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の移転するためのプロセス。
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