JP7501838B2 - エステル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エステル化合物の製造方法に関する。
エステル化合物は、溶剤、香料、乳化剤、保湿剤、医薬品などの中間原料などとして用いられている。最近、エステル化合物である乳酸エステルは、レジストおよび塗料の溶剤、洗浄剤として注目されている。
特許文献1には、ヒドロキシル基の供給源および、(a)第VIIIB族の金属もしくはその化合物、および(b)特定の二座ホスフィンを組み合わせた触媒系の存在下で、酢酸ビニルを一酸化炭素と反応させる酢酸ビニルのカルボニル化の方法が開示されている。
特許文献2には、周期律表第8族金属化合物、リン配位子及び高分子スルホン酸化合物の存在下に、置換ビニル化合物と、アルコール化合物及び一酸化炭素を反応させるプロピオン酸エステル誘導体の製造方法が開示されている。
特許文献3には、オレフィン性不飽和化合物と、アルコール類及び一酸化炭素とを、10族金属化合物、中性助触媒の少なくとも一種の存在下に反応させるプロピオン酸エステル誘導体の製造方法が開示されている。
特許文献4には、(a)エノ-ルエステルを、パラジウム触媒および溶媒の存在下で、一酸化炭素およびヒドロキシル化合物と反応させてカルボニル化エステルを得る工程と、(b)カルボニル化エステルを酸触媒により加水分解して2-ヒドロキシカルボン酸を得る工程を含む2-ヒドロキシカルボン酸の製造方法が記載されている。特許文献4には、エノ-ルエステルとして酢酸ビニル、パラジウム触媒としてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(PdCl(PPh)、ヒドロキシル化合物としてメタノール、2-ヒドロキシカルボン酸として乳酸が記載されている。
特許文献5には、(1)エノ-ルアシレートを、一酸化炭素およびヒドロキシル化合物と反応させてアシルオキシエステルまたはヒドロキシエステルまたはその両方を製造する工程と、(2)(1)の生成物を加水分解して2-ヒドロキシ酸を製造する工程とからなる2-ヒドロキシ酸の製造法が記載されている。
また、非特許文献1には、ピリジン誘導体のような塩基性助触媒の存在下、パラジウム錯体触媒を用いてオレフィン化合物(エノールエステル)をアルコール(メタノール)及び一酸化炭素と反応させる方法が開示されている。
非特許文献2には、パラジウム触媒とトリフェニルホスフィンのような単座配位子を用いた酢酸ビニルのメトキシカルボニル化反応が開示されている。
特表2006-508162号公報 特開2005-247703号公報 特開2006-225282号公報 米国特許出願公開第2005/0143600号明細書 特開昭60-149544号公報
Bulletin of the Chemical Society of Japan、1996年、69巻、1337-1345頁 ARKIVOC、2012年、(iii)66-75頁
しかしながら、従来のエステル化合物の製造方法は、エステル化合物の収率および選択率が不十分であった。このため、高収率および高選択率でエステル化合物を製造できる製造方法が求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高収率および高選択率でエステル化合物を製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、カルボン酸ビニルとアルコールと一酸化炭素とを反応させてエステル化合物を製造する際に使用する触媒に着目し、鋭意検討した。
その結果、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物と、ビフェニル基を有する特定の有機ホスフィン配位子とを含む触媒を用いればよいことを見出した。
さらに、本発明者は、上記の触媒の存在下で、特定のカルボン酸ビニルと特定のアルコールと一酸化炭素とを反応させることにより、高収率および高選択率でエステル化合物を製造できることを確認し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] 一般式(1)で示されるエステル化合物の製造方法であって、
一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、一般式(3)で示される1級または2級アルコールと、一酸化炭素とを、触媒の存在下で反応させる反応工程を有し、
前記触媒が、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物と、下記一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子とを含むことを特徴とする、エステル化合物の製造方法。
Figure 0007501838000001
(式(1)において、Rは、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1~10の炭化水素基であり、一部または全部に脂環または芳香環を有していてもよい炭化水素基を表す。)
(式(2)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
(式(3)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
(式(4)において、R、Rは、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~9のシクロアルキル基、炭素原子数6~9のアリール基であり、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R~Rは、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数2~8のジアルキルアミノ基であり、全て同一であってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。)
[2] 一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルが、酢酸ビニルである[1]に記載のエステル化合物の製造方法。
[3] 一般式(3)で示される1級または2級アルコールが、メタノール、エタノール、1-ブタノールから選ばれるいずれかである[1]または[2]に記載のエステル化合物の製造方法。
[4] 一般式(3)で示される1級または2級アルコールが、エタノールである[3]に記載のエステル化合物の製造方法。
[5] 前記周期律表第9族元素がCo、Rh、Irから選ばれる少なくとも1種であり、前記周期律表第10族元素がNi、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種である[1]~[4]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
[6] 前記周期律表第10族元素がPdである[5]に記載のエステル化合物の製造方法。
[7] 一般式(4)において、RおよびRがシクロヘキシル基であり、RおよびRがメトキシ基であり、R~Rが水素原子である、[1]~[6]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
[8] 前記触媒が、酸性化合物を含む[1]~[7]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
[9] 前記酸性化合物が、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のアンモニウム塩、アルキルスルホン酸のピリジニウム塩、アリールスルホン酸、アリールスルホン酸のアンモニウム塩、アリールスルホン酸のピリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種である[8]に記載のエステル化合物の製造方法。
[10] 前記触媒が、窒素原子含有複素環化合物を含む[1]~[9]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
[11] 前記窒素原子含有複素環化合物が、ピリジンとピコリンから選ばれる少なくとも1種である[10]に記載のエステル化合物の製造方法。
[12] 前記一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、前記一般式(3)で示される1級または2級アルコールと、前記触媒と、溶媒とを仕込んで、一酸化炭素ガス雰囲気とされた反応容器内で、前記反応工程における反応を行う、[1]~[11]のいずれかに記載のエステル化合物の製造方法。
本発明のエステル化合物の製造方法では、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、一般式(3)で示される1級または2級アルコールと、一酸化炭素とを、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物と、一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子とを含む触媒の存在下で反応させる。このため、高収率および高選択率でエステル化合物を製造できる。
以下、本発明のエステル化合物の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。
「エステル化合物」
本実施形態のエステル化合物の製造方法は、下記一般式(1)で示されるエステル化合物の製造方法である。
Figure 0007501838000002
(式(1)において、Rは、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1~10の炭化水素基であり、一部または全部に脂環または芳香環を有していてもよい炭化水素基を表す。)
一般式(1)で示されるエステル化合物におけるRは、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。Rは、より高収率およびより高選択率で製造できるため、メチル基であることが好ましい。また、式(1)におけるRがメチル基であるエステル化合物は、ビニルエステルとして工業的に入手容易である酢酸ビニルから合成し得る乳酸エステルの前駆体原料として有用であり、好ましい。
一般式(1)で示されるエステル化合物におけるRは、炭素原子数1~10の炭化水素基であり、一部または全部に脂環または芳香環を有していてもよい炭化水素基を表す。Rは、より高収率およびより高選択率で製造できるため、メチル基、エチル基、n-ブチル基から選ばれるいずれかであることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
本実施形態のエステル化合物の製造方法は、カルボン酸ビニルと、1級または2級アルコールと、一酸化炭素とを、触媒の存在下で反応させる反応工程を有する。
本実施形態のエステル化合物の製造方法では、カルボン酸ビニルと、1級または2級アルコールと、触媒と、溶媒とを仕込んで、一酸化炭素ガス雰囲気とされた反応容器内で、反応工程における反応(アルコキシカルボニル化反応)を行うことが好ましい。
「カルボン酸ビニル」
本実施形態では、カルボン酸ビニルとして、下記一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルを用いる。
Figure 0007501838000003
(式(2)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルにおけるRは、式(1)におけるRと同じである。具体的には、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。本実施形態のエステル化合物の製造方法を用いて、Rがメチル基である一般式(1)で示されるエステル化合物を製造する場合、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルとして、Rがメチル基である酢酸ビニルを用いる。酢酸ビニルは、工業的に安価に入手でき、好ましい。
「1級または2級アルコール」
本実施形態では、1級または2級アルコールとして、下記一般式(3)で示される1級または2級アルコールを用いる。
OH(3)
(式(3)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
一般式(3)で示される1級または2級アルコールにおけるRは、式(1)におけるRと同じである。具体的には、一般式(3)で示される1級または2級アルコールとして、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
本実施形態のエステル化合物の製造方法を用いて、Rがメチル基、エチル基、n-ブチル基から選ばれるいずれかである一般式(1)で示されるエステル化合物を製造する場合、一般式(3)で示される1級または2級アルコールとして、Rがメチル基であるメタノール、Rがエチル基であるエタノール、Rがn-ブチル基である1-ブタノールから選ばれるいずれかを用いる。一般式(3)で示される1級または2級アルコールとしては、メタノールまたはエタノールを用いることが好ましく、エタノールを用いることがより好ましい。メタノール、エタノールまたは1-ブタノールは、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルとの反応性が高いため、好ましい。
本実施形態のエステル化合物の製造方法において、カルボン酸ビニルの使用量(仕込み量)に対する1級または2級アルコールの使用量(仕込み量)は、エステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、モル比(カルボン酸ビニル:1級または2級アルコール)で1:0.5~1:100であることが好ましく、1:1~1:10であることが好ましく、1:1.2~1:5であることがさらに好ましい。
「一酸化炭素」
本実施形態では、一酸化炭素として、一酸化炭素を含むガスを用いることが好ましい。一酸化炭素を含むガスは、一酸化炭素のみを含むガスであってもよいし、一酸化炭素の他に、窒素、アルゴンなどの不活性ガス、水素ガスなど含むガスであってもよい。一酸化炭素を含むガスは、空気、酸素などの酸化性ガスを含まないことが好ましい。
反応時における一酸化炭素の使用量は、例えば、カルボン酸ビニルと1級または2級アルコールとを含む反応溶液を仕込んで、一酸化炭素を含むガス雰囲気とされた反応容器内の分圧が、0.05~50MPaとなる範囲内であることが好ましく、0.1~30MPaとなる範囲内であることが好ましく、1~6MPaとなる範囲内であることがさらに好ましい。反応時における上記反応容器内の一酸化炭素の分圧は、1~6MPaの範囲内で維持されるように、反応により消費された一酸化炭素を補いながら行うことが特に好ましい。反応時における上記反応容器内の一酸化炭素の分圧が0.05MPa以上であると、反応がスムーズに進行する。反応時における上記反応容器内の一酸化炭素の分圧は、反応を促進させるために、高いことが好ましい。しかし、反応時の一酸化炭素の分圧を50MPa超とするには、高価な装置を使用する必要がある。反応時の一酸化炭素の分圧を50MPa以下とすることにより、工業的に適した装置および方法を用いてエステル化合物を製造できる。
「触媒」
本実施形態のエステル化合物の製造方法において使用する触媒は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物と、下記一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子とを含む。一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物の有する元素に配位する。
Figure 0007501838000004
(式(4)において、R、Rは、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~9のシクロアルキル基、炭素原子数6~9のアリール基であり、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R~Rは、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数2~8のジアルキルアミノ基であり、全て同一であってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。)
周期律表第9族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物としては、例えば、Co、Rh、Irから選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が挙げられ、特にロジウムを含む化合物を用いることが好ましい。ロジウムを含む化合物としては、例えば、塩化ロジウム(III)および/または硝酸ロジウム(III)を用いることが好ましい。
周期律表第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物としては、例えば、Ni、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が挙げられ、特にパラジウムを含む化合物を用いることが好ましい。パラジウムを含む化合物としては、例えば、塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)(Pd(acac))、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、及び、ジパラジウム(0)トリス(ジベンジリデンアセトン)クロロホルム(Pd(dba)・CHCl)から選ばれる少なくとも1種類の0価または2価のパラジウム化合物が挙げられる。
これらの周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物の中でも、反応速度と選択性の点でパラジウムを含む化合物を用いることが好ましく、特に、塩化パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)(Pd(acac))を用いることが好ましい。
触媒中に含まれる周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物の使用量は、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニル1モル部に対して、0.00001~0.2モル部であることが好ましく、0.0001~0.1モル部であることがより好ましく、0.001~0.05モル部であることがさらに好ましい。周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物の使用量が、一般式(2)で表されるカルボン酸ビニル1モル部に対して0.00001モル部以上であると、触媒の反応活性種(ヒドリド錯体等)の濃度を確保できる。このため、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応が効果的に促進される。また、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物の使用量が、0.2モル部以下であると、経済的に好ましい。
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子におけるR、Rは、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~9のシクロアルキル基、炭素原子数6~9のアリール基である。R、Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R、Rは、エステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、シクロヘキシル基であることが好ましく、特に、RとRの両方が、シクロヘキシル基であることが好ましい。
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子におけるR~Rは、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数2~8のジアルキルアミノ基である。R~Rは、全て同一であってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。特に、エステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、RおよびRがメトキシ基であり、R~Rが水素原子であることが好ましい。
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子としては、具体的には、下記式(4-1)~(4-6)で示される有機ホスフィン配位子を用いることができる。
Figure 0007501838000005
(式(4-1)において、Cyはシクロヘキシル基であり、Meはメチル基である。)
Figure 0007501838000006
(式(4-2)において、Cyはシクロヘキシル基である。)
Figure 0007501838000007
(式(4-3)において、Cyはシクロヘキシル基であり、Meはメチル基である。)
Figure 0007501838000008
(式(4-4)において、Cyはシクロヘキシル基であり、iPrはイソプロピル基である。)
Figure 0007501838000009
(式(4-5)において、Cyはシクロヘキシル基である。)
Figure 0007501838000010
(式(4-6)において、Cyはシクロヘキシル基であり、iPrはイソプロピル基である。)
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子としては、式(4-1)~(4-6)で示される有機ホスフィン配位子の中でも特に、エステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、一般式(4)におけるRおよびRがシクロヘキシル基であり、RおよびRがメトキシ基であり、R~Rが水素原子である式(4-1)で示される有機ホスフィン配位子を用いることが好ましい。
触媒中に含まれる一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子の使用量は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して0.5~5モル部であることが好ましく、1~4モル部であることがより好ましく、1.5~3モル部であることがさらに好ましい。一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子の使用量が、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して0.5モル部以上であると、有機ホスフィンが有効に配位した触媒の反応活性種が効率的に生成する。その結果、アルコキシカルボニル化反応が促進され、一般式(1)で示されるエステル化合物がより高選択率で生成する。
一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子の使用量が、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して5モル部以下であると、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させる反応を効果的に促進できる。これは、一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子が多すぎることによって、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応において、一酸化炭素が配位しにくくなり、アルコキシカルボニル化反応の反応速度が遅くなることを防止できるためである。
本実施形態のエステル化合物の製造方法において使用する触媒は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物と、一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子だけでなく、酸性化合物を含むことが好ましい。本明細書において「酸性化合物」とは、ブレンステッド酸、ブレンステッド酸の塩、またはルイス酸を意味する。好ましくは、ブレンステッド酸またはブレンステッド酸の塩である。
また、本実施形態において使用する触媒は、窒素原子含有複素環化合物を含むことがより好ましい。
本実施形態において、触媒として使用する酸性化合物が、窒素原子含有複素環を有する化合物である場合には、酸性化合物が、窒素原子含有複素環化合物を兼ねることができる。窒素原子含有複素環化合物を兼ねる酸性化合物としては、例えば、ピコリン酸が挙げられる。
触媒が酸性化合物を含むことにより、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応が促進される。触媒として用いる酸性化合物は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素に対するヒドリド化剤として機能する。このことにより、アルコキシカルボニル化反応を促進させるものと推定される。
酸性化合物としては、塩酸、硝酸、硫酸、炭素原子数2~12のアルカン酸、メタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、m-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、t-ブチルスルホン酸および2-ヒドロキシプロパンスルホン酸などのスルホン酸およびこれらの塩、スルホン化イオン交換樹脂、過塩素酸などの過ハロゲン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの過フルオロ化カルボン酸、オルトリン酸、ベンゼンホスホン酸などのホスホン酸、硫酸ジメチル、メタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル等のスルホン酸のエステル等が挙げられる。
これらの中でも酸性度が適正であるため、酸性化合物は、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のアンモニウム塩、アルキルスルホン酸のピリジニウム塩、アリールスルホン酸、アリールスルホン酸のアンモニウム塩、アリールスルホン酸のピリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特に、p-トルエンスルホン酸であることが好ましい。
触媒の酸強度が強すぎると、原料である一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、一般式(3)で示される1級または2級アルコールとの副反応が生じやすくなる。また、触媒の酸強度が弱すぎると、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応の反応速度を早くする効果が不十分となる場合がある。
触媒中に含まれる酸性化合物は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
酸性化合物の使用量は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して、酸性化合物の持つ酸点(プロトン)が0.05~4モル部となる範囲であることが好ましく、0.1~2モル部であることがより好ましく、0.2~1モル部であることがさらに好ましい。周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して酸性化合物の持つ酸点が0.05モル部以上であると、触媒の反応活性種(ヒドリド錯体等)が効率よく生成するため、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応が効果的に促進される。また、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して酸性化合物の持つ酸点が4モル部以下であると、アルコキシカルボニル化反応における副反応等を効果的に抑制できる。
本実施形態のエステル化合物の製造方法において、触媒が酸性化合物とともに窒素原子含有複素環化合物を含む場合、触媒活性が向上し、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応がより一層促進される。これは、以下に示す理由によるものであると推定される。窒素原子含有複素環化合物は、窒素原子含有複素環を有している。このため、窒素原子含有複素環化合物が、酸性化合物とともに触媒中に含まれていると、触媒の酸性度が、アルコキシカルボニル化反応の促進される範囲内に調製されやすくなる。また、例えば、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物として、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の塩化物(塩化パラジウム等)を用い、窒素原子含有複素環化合物として塩基性のものを用いる場合、塩化物(塩化パラジウム等)の分解が抑制されるとともに、塩化物が分解することによって発生する塩酸が中和され、副反応が抑制される。その結果、触媒が活性化されて、アルコキシカルボニル化反応が促進されるものと推定される。
窒素原子含有複素環化合物としては、ピリジン、ピコリン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾールなどが挙げられる。これらの中でも一般式(1)で示されるエステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、窒素原子含有複素環化合物は、ピリジンとピコリンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ピリジンであることがより好ましい。
触媒中に含まれる窒素原子含有複素環化合物は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
窒素原子含有複素環化合物の使用量は、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対して0.1~50モル部であることが好ましく、1~30モル部であることがより好ましく、3~20モル部であることがさらに好ましい。周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対する窒素原子含有複素環化合物の使用量が0.1モル部以上であると、触媒の酸性度が、アルコキシカルボニル化反応の促進される範囲内になりやすく、一般式(1)で示されるエステル化合物が高い選択率で生成されやすい。また、周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物1モル部に対する使用量が50モル部以下であると、副反応が抑えられるため、好ましい。
「溶媒」
本実施形態のエステル化合物の製造方法において使用する溶媒としては、カルボン酸ビニルと、1級または2級アルコールと、一酸化炭素との反応に関与しない化学種を用いることが好ましい。このような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸-n-ブチル、n-へプタン、アセトニトリル、トルエン、キシレン、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
これらの溶媒の中でも特に、一般式(1)で示されるエステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できるため、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、キシレンから選ばれるいずれか1種または2種以上を用いることが好ましく、触媒の溶解性および生成物との分離の容易性から、特にトルエンを用いることが好ましい。
溶媒の使用量は、一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルの反応液中の濃度が、0.05~20モル/リットルとなる範囲であることが好ましく、0.1~10モル/リットルとなる範囲であることがより好ましく、0.5~5モル/リットルとなる範囲であることがさらに好ましい。一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルの反応液中の濃度が、0.05モル/リットル以上であると、反応液中のカルボン酸ビニルの濃度が、アルコキシカルボニル化反応の促進される範囲内になりやすい。一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルの反応液中の濃度が、20モル/リットル以下であると、反応をスムーズに進行できる基質濃度が確保されやすく、好ましい。
本実施形態のエステル化合物の製造方法において、一般式(3)で示される1級または2級アルコールとして、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル反応の反応温度において液体であって、アルコキシカルボニル反応により生成した一般式(1)で示されるエステル化合物を溶解可能である溶媒を兼ねるものを用いる場合には、溶媒を使用しなくてもよい。このような1級または2級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブタノール、1-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
本実施形態のエステル化合物の製造方法において、反応工程の反応条件は、カルボン酸ビニルと、1級または2級アルコールと、一酸化炭素ガスとのアルコキシカルボニル化反応が進行する範囲内で、製造する一般式(1)で示されるエステル化合物の種類などに応じて適宜決定できる。
反応条件は、例えば、以下に示す(a)反応圧力、(b)反応温度、(c)反応時間のうち、いずれか1つ以上の条件を満たすことが好ましい。
(a)反応圧力
反応工程は、例えば、反応容器内の一酸化炭素の分圧を0.05~50MPaとして行うことが好ましく、0.1~30MPaとして行うことがより好ましく、1~6MPaとして行うことがさらに好ましい。反応容器内の一酸化炭素の分圧を0.05~50MPaとすることにより、一般式(1)で示されるエステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できる。
(b)反応温度
反応工程は、例えば、反応容器内の温度を60~140℃として行うことが好ましく、80~120℃とすることがより好ましい。反応容器内の温度が60℃以上であると、一般式(1)で示されるエステル化合物を生成させるアルコキシカルボニル化反応がより一層促進される。反応容器内の温度が140℃以下であると、アルコキシカルボニル化反応における副反応を抑制できるため、好ましい。
(c)反応時間
反応工程は、例えば、1~40時間行うことが好ましく、10~20時間行うことがより好ましい。反応工程における反応時間が1時間以上であると、一般式(1)で示されるエステル化合物をより高収率およびより高選択率で製造できる。反応工程における反応時間が40時間以下であると、一般式(1)で示されるエステル化合物の生成に伴う副反応を抑制できる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1~実施例8)
ステンレス鋼からなる容量40mLの反応容器内に、撹拌子と、触媒である周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物としてのPdCl(塩化パラジウム;添川理化学株式会社製;3.0mg、17.01μmol)と、触媒である式(4-1)~(4-6)で示される有機ホスフィン配位子(いずれもアルドリッチ社製;14.0mg、34.02μmol)と、触媒である酸性化合物としてのPTSA(p-トルエンスルホン酸・1水和物:東京化成工業株式会社製;1.3mg、6.723μmol)とを、表1に示す割合で入れた。
Figure 0007501838000011
表1に示す化合物としては、以下に示すものを用いた。
MeOH(メタノール;富士フイルム和光純薬株式会社製)
EtOH(エタノール;富士フイルム和光純薬株式会社製)
PPh(トリフェニルホスフィン;東京化成工業株式会社製)
これらの触媒が仕込まれた反応容器内に、窒素気流下で、カルボン酸ビニルとしての酢酸ビニル(富士フイルム和光純薬株式会社製;0.75mL、8.1mmol)と、表1に示す1級または2級アルコール(0.81mL、20mmol)と、溶媒としてのトルエン(富士フイルム和光純薬株式会社製;6.75mL)と、触媒である窒素原子含有複素環化合物としてのピリジン(富士フイルム和光純薬株式会社製;0.0275mL、340.2μmol)とを、表1に示す割合で入れ、反応溶液を得た。
実施例1~実施例8における塩化パラジウムの使用量は、酢酸ビニル1モル部に対して、0.002モル部である。有機ホスフィン配位子の使用量は、塩化パラジウム1モル部に対して、2モル部である。PTSA(p-トルエンスルホン酸・1水和物)の使用量は、塩化パラジウム1モル部に対して、PTSAの持つ酸点が0.395モル部である。ピリジンの使用量は、塩化パラジウム1モル部に対して、20モル部である。
また、トルエンの使用量は、1級または2級アルコール1モル部に対して0.83リットル(反応液中の酢酸ビニルの濃度が1.2モル/リットルとなる量)である。
次いで、一酸化炭素ガスを用いて、大気圧から1MPaの間で反応容器内の加圧-脱圧を3回繰り返し、反応容器内の気体を一酸化炭素ガスで置換した。その後、一酸化炭素ガスを用いて反応容器内を表2に示す圧力とし、反応溶液を攪拌しながら、表2に示す反応温度で表2に示す反応時間反応させて、エステル化合物を生成させた。
Figure 0007501838000012
(比較例1)
ステンレス鋼からなる容量40mLの反応容器内に、撹拌子と、触媒である周期律表第9族元素および第10族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物としてのPdCl(塩化パラジウム;添川理化学株式会社製;0.80mg、4.455μmol)と、触媒である有機ホスフィン配位子としての下記式(5)で示される1,2-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノメチル)ベンゼン(シグマアルドリッチジャパン合同会社製;3.21mg、8.91μmol)と、触媒である酸性化合物としてのメタンスルホン酸(富士フイルム和光純薬株式会社製;0.86mg、8.91μmol)とを、表1に示す割合で入れた。
Figure 0007501838000013
(式(5)において、tBuはtert-ブチル基である。)
これらの触媒が仕込まれた反応容器内に、窒素気流下で、カルボン酸ビニルとしての酢酸ビニル(富士フイルム和光純薬株式会社製;0.75mL、8.1mmol)と、表1に示す1級または2級アルコール(4.5mL、111mmol)と、触媒である窒素原子含有複素環化合物としてのピリジン(富士フイルム和光純薬株式会社製;0.0275mL、340.2μmol)とを、表1に示す割合で入れ、反応溶液を得た。
次いで、一酸化炭素ガスを用いて、実施例1と同様にして、反応容器内の気体を一酸化炭素ガスで置換した。その後、一酸化炭素ガスを用いて反応容器内を表2に示す圧力とし、反応溶液を攪拌しながら、表2に示す反応温度で表2に示す反応時間反応させて、エステル化合物を生成させた。
(比較例2)
有機ホスフィン配位子として、式(4-1)で示される有機ホスフィン配位子の代わりに、PPh(トリフェニルホスフィン)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエステル化合物を生成させた。
実施例1~実施例8、比較例1~比較例2それぞれについて、反応後の反応液をガスクロマトグラフィー(装置名:6850GC、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて分析した。原料、目的物であるエステル化合物および副反応物の定量分析は、内部標準物質としてジエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)を用いて、検量線を作成して行った。
その結果、1級または2級アルコールとしてメタノールを使用した実施例1~実施例6、比較例1~比較例2では、目的物として式(1)におけるRおよびRがメチル基であるエステル化合物が生成したことが確認できた。また、1級または2級アルコールとしてエタノールを使用した実施例7および実施例8では、目的物として式(1)におけるRがメチル基でありRがエチル基であるエステル化合物が生成したことが確認できた。酢酸ビニルの転化率、目的物の収率、これらの数値から算出した選択率を表2に示す。
表2に示すように、実施例1~実施例8では、35%以上の高い収率、かつ60%以上の高い選択率で目的物を製造できた。
特に、有機ホスフィン配位子として式(4-1)で示される有機ホスフィン配位子を用いた実施例1および実施例7では、収率および選択率が高かった。
また、実施例7よりも反応時間が長い実施例8では、収率が高かった。
一方、有機ホスフィン配位子として式(5)で示される化合物を用いた比較例1では、目的物の選択率が実施例1~実施例7と比較して低かった。
また、有機ホスフィン配位子としてPPh(トリフェニルホスフィン)を用いた比較例2では、目的物の異性体(ノルマル体)である副反応物量が多く、目的物の収率が低かった。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で示されるエステル化合物の製造方法であって、
    一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、一般式(3)で示される1級または2級アルコールと、一酸化炭素とを、触媒の存在下で反応させる反応工程を有し、
    前記触媒が、Pdを有する化合物と、下記一般式(4)で示される有機ホスフィン配位子とを含むことを特徴とする、エステル化合物の製造方法。
    Figure 0007501838000014
    (式(1)において、Rは、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基を表す。Rは、炭素原子数1~10の炭化水素基であり、一部または全部に脂環または芳香環を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    (式(2)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
    (式(3)において、Rは式(1)におけるRと同じである。)
    (式(4)において、R、Rは、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~9のシクロアルキル基、炭素原子数6~9のアリール基であり、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R~Rは、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数2~8のジアルキルアミノ基であり、全て同一であってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。)
  2. 一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルが、酢酸ビニルである請求項1に記載のエステル化合物の製造方法。
  3. 一般式(3)で示される1級または2級アルコールが、メタノール、エタノール、1-ブタノールから選ばれるいずれかである請求項1または請求項2に記載のエステル化合物の製造方法。
  4. 一般式(3)で示される1級または2級アルコールが、エタノールである請求項3に記載のエステル化合物の製造方法。
  5. 一般式(4)において、RおよびRがシクロヘキシル基であり、RおよびRがメトキシ基であり、R~Rが水素原子である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
  6. 前記触媒が、酸性化合物を含む請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
  7. 前記酸性化合物が、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のアンモニウム塩、アルキルスルホン酸のピリジニウム塩、アリールスルホン酸、アリールスルホン酸のアンモニウム塩、アリールスルホン酸のピリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載のエステル化合物の製造方法。
  8. 前記触媒が、窒素原子含有複素環化合物を含む請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
  9. 前記窒素原子含有複素環化合物が、ピリジンとピコリンから選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載のエステル化合物の製造方法。
  10. 前記一般式(2)で示されるカルボン酸ビニルと、前記一般式(3)で示される1級または2級アルコールと、前記触媒と、溶媒とを仕込んで、一酸化炭素ガス雰囲気とされた反応容器内で、前記反応工程における反応を行う、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のエステル化合物の製造方法。
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