JP7519528B1 - 水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法及び加工方法 - Google Patents

水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法及び加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、未粉砕の茶葉を用いた、成分抽出効率に優れる水出し用茶葉製品を提供することである。【解決手段】本発明は、水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法であって、前記製造方法が、未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸漬させる、浸漬工程と、前記浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程と、を含む、製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法及び加工方法に関する。
茶飲料は、茶葉から水(HO)等を用いて得られる抽出液である。
抽出に用いられる水は、通常、熱水(例えば、80℃以上の水)や温水(例えば、50~70℃の水)が用いられるが、近年、より低い温度の水での抽出も普及している。このような低い温度の水を用いた抽出は、「水出し」等として知られる。
他方で、水出しでは、茶葉からの成分抽出効率が低く、抽出に長時間を要する(例えば、数時間以上)。
そのため、短時間での水出しを実現するための茶葉製品が各種提案されている。このような茶葉製品として、茶葉の粉砕物を成形し、水を注ぐだけで水出し茶飲料が得られるもの等が挙げられる(例えば、特許文献1及び2)。
特開平06-217695号公報 特開平01-108939号公報
ここで、上記のような従来の水出し用茶葉製品は、茶葉粉砕物の成形物に水を注ぎ、それをそのまま茶飲料として喫するものである。つまり、従来の水出し用茶葉製品は、茶葉に含まれる全成分を摂取させようとするものである。
しかし、本発明者らは、茶葉には雑味や渋味等を呈する成分も含まれるため、従来の水出し用茶葉製品から得られる茶飲料は、嗜好性に劣る可能性があることを見出した。
そこで、本発明者らは、茶葉を粉砕しなくても、茶葉からの成分抽出効率に優れる、水出し用茶葉製品の開発を目指した。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、未粉砕の茶葉を用いた、成分抽出効率に優れる水出し用茶葉製品の提供を目的とする。
本発明者らが検討した結果、水出し用茶葉製品の製造方法において、所定の乾燥茶葉を水へ浸漬した後に凍結乾燥することによって上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1) 水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法であって、
前記製造方法が、
未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸漬させる、浸漬工程と、
前記浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程と、を含む、
製造方法。
(2) 前記浸漬工程における前記乾燥茶葉の浸漬時間が、20分以下である、(1)に記載の製造方法。
(3) 前記浸漬工程における前記水の温度が、20℃以下である、(1)に記載の製造方法。
(4) 水出し茶飲料のための茶葉製品の加工方法であって、
前記加工方法が、
未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸漬させる、浸漬工程と、
前記浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程と、を含む、
加工方法。
本発明によれば、未粉砕の茶葉を用いた、成分抽出効率に優れる水出し用茶葉製品が提供される。
実施例の茶葉製品からの溶出成分の分析結果を示す図である。 比較例の茶葉製品からの溶出成分の分析結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法>
本発明に係る水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、その一態様において以下の工程を全て含む。
・未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸漬させる、浸漬工程。
・浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程。
茶飲料は、茶葉に含まれる種々の成分を水(HO)等によって抽出した、茶葉抽出液である。
ここで、抽出に用いる水に関し、その温度に応じて茶葉から抽出される成分が異なることが知られる。
一般的に、水の温度が高温であるほど、茶葉に含まれる成分を短時間で効率的に抽出できる。例えば、高い温度の水で抽出を行うと、カフェインや、渋味成分であるエピガロカテキンガレートが溶出し、渋味の強い茶飲料が得られる。
他方で、より低い温度(例えば、25℃以下)の水で抽出(水出し)を行った場合、カフェインやエピガロカテキンガレートの溶出を抑制しつつ、テアニンやエピガロカテキンが溶出した、旨味を強く感じる茶飲料が得られる。
しかし、低い温度の水を用いて茶飲料を得るには、長時間(例えば、数時間以上)の抽出を要し、成分抽出効率が著しく低かった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、上記の工程によって茶葉を加工することで、低い温度の水を用いた抽出であっても、茶葉からの成分抽出効率が極めて良好な茶葉製品を得られることがわかった。
以下、本発明の製造方法について詳述する。
(1)定義
本発明において使用される用語は、以下の意味を包含する。
本発明において、「(茶葉の)水出し」とは、熱水(例えば、80℃以上の水)や温水(例えば、50~70℃の水)よりも低い温度の水で抽出することを包含する。
例えば、水出しに使用される水の温度は、好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以上20℃以下、さらに好ましくは4℃以上10℃以下である。以下、該温度範囲にある水を、熱水や温水と区別するために、「水出し用水」ということがある。
本発明において、「水出し茶飲料のための茶葉製品」又は「水出し用茶葉製品」とは、水出しに供される任意の形態の茶葉製品を包含する。本発明の一態様において、該茶葉製品の形態は、凍結乾燥品(フリーズドライ製品)である。
本発明において、「水出し茶飲料」とは、水出し用茶葉製品に、水出し用水を注ぐことで得られる茶葉抽出液である。
ただし、本発明は、本発明の製造方法から得られる茶葉製品を、水出し用水ではなく、熱水や温水を用いて抽出する使用態様を排除しない。
本発明において、「成分抽出効率」とは、水等を用いた茶葉からの抽出において、抽出条件が同一である場合の、茶葉から溶出する特定成分(例えば、テアニンやエピガロカテキン)の量の多寡等によって表され得る。
異なる茶葉製品を同一の抽出条件で抽出した場合、茶葉から溶出する特定成分の量が多いほど、その成分について成分抽出効率が高いといえる。
本発明において、「(茶葉からの)成分抽出効率に優れる」とは、例えば、抽出条件が同一である場合に、より短時間で、より多量の特定成分が茶葉から溶出することを包含する。
(2)浸漬工程
浸漬工程では、未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸透させる。
(2-1)未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉
本発明の製造方法において、未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉は、水出し茶飲料を得るための茶葉製品の原料となるものである。
乾燥茶葉は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(2-1-1)乾燥茶葉
本発明において、「乾燥茶葉」とは、茶飲料の原料となる任意の植物の部位(葉や茎)を乾燥させたものを包含する。
乾燥茶葉の水分含有量は特に限定されないが、乾燥茶葉に対して、好ましくは12質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
乾燥茶葉が由来する植物の種類は特に限定されず、例えば、Camellia sinensis、Camellia taliensis、Camellia irrawadiensis等が挙げられる。
茶葉の乾燥方法としては、特に限定されず、得ようとする茶飲料の種類等に応じて適宜選択される。例えば、煎茶の製造方法(粗揉、揉捻、中揉、精揉等を含む)、釜炒り茶の製造方法(揉捻、水乾、締め炒り等を含む)、並びに、白茶、青茶(烏龍茶、包種等)、及び紅茶の製造方法(萎凋等を含む)において採用される任意の乾燥方法が挙げられる。
乾燥茶葉の種類は特に限定されず、例えば、不発酵茶、微発酵茶、半発酵茶、発酵茶、後発酵茶等のいずれでもよい。
不発酵茶としては、緑茶(煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、碾茶、抹茶、ほうじ茶等)等が挙げられる。
微発酵茶としては、白毫銀針、白牡丹等が挙げられる。
半発酵茶としては、包種茶、烏龍茶等が挙げられる。
発酵茶としては、紅茶等が挙げられる。
後発酵茶としては、プーアール茶等が挙げられる。
乾燥茶葉としては、茶葉製品の製造者自身が乾燥させた茶葉だけではなく、市販の乾燥茶葉であってもよい。
本発明の一態様において、乾燥茶葉は、好ましくは不発酵茶であり、より好ましくは緑茶である。
(2-1-2)未粉砕の乾燥茶葉
本発明において、「未粉砕の乾燥茶葉」とは、乾燥茶葉に対して粉末化処理や粉砕処理等を行っていない乾燥茶葉を包含する。
したがって、未粉砕の乾燥茶葉としては、粉末茶(乾燥茶葉を挽いて粉末にしたもの)は除かれる。ただし、本発明において、乾燥茶葉に、本発明の効果を阻害しない範囲で、茶葉の粉状物(例えば、粉茶(煎茶の製造過程で生じる粉状物)等)が混入している態様は除外されない。
未粉砕の乾燥茶葉としては、葉の形状を維持したものだけではなく、裁断されたものや、CTC製法で得られたものも包含する。なお、「CTC製法」とは、「Crush(押しつぶす)」、「Tear(引き裂く)」、及び「Curl(粒状に丸める)」の各処理を乾燥茶葉に施す製法を包含する。
これらの乾燥茶葉は、後述する浸漬を効率的に行える観点から好ましい。
裁断された乾燥茶葉や、CTC製法で得られた乾燥茶葉の長さは特に限定されないが、通常、0.5mm以上である。
乾燥茶葉が未粉砕の乾燥茶葉であるかどうかは、例えば、ふるいを用いることで判断できる。例えば、ASTM E11に規定されるメッシュが、好ましくは35以上(目開き500μm以下)、より好ましくは40以上(目開き425μm以下)の乾燥茶葉を、未粉砕の乾燥茶葉として好ましく利用できる。
(2-1-3)未抽出の乾燥茶葉
本発明において、「未抽出の乾燥茶葉」とは、水等による抽出工程を経ていない乾燥茶葉を包含する。
したがって、未抽出の乾燥茶葉としては、茶殻(茶葉からの抽出後に生じた残りかす)は除かれる。
(2-2)水への浸漬
浸漬工程において、未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉は、水へ浸漬される。
本発明者らは、この浸漬を行った後に、茶葉を凍結乾燥(後述)することで、低い温度の水であっても、茶葉に含まれる成分を抽出しやすい茶葉製品が得られるという意外な知見を見出した。
乾燥茶葉を水へ浸漬する諸条件は、乾燥茶葉全体を水に充分浸すことができれば特に限定されない。ただし、長時間の浸漬は、乾燥茶葉中の成分を過度に流出させてしまうため、避けることが好ましい。
浸漬工程は、その全体において、連続していてもよく、断続していてもよい。浸漬工程における浸漬条件(温度等)は一定でもよく、途中で変化してもよい。
乾燥茶葉に浸漬する水は、水を含む液体であれば特に限定されず、水(HO)のみからなる液体であってもよく、水(HO)とともに水以外の成分を含む液体であってもよい。
後者の場合、水以外の成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、茶飲料に配合され得る成分及び量を適宜選択できる。このような成分として、抗酸化性物質(アスコルビン酸等)等が挙げられる。
乾燥茶葉に浸漬する水の量は、乾燥茶葉全体が浸れば特に限定されない。
乾燥茶葉に浸漬する水の量の上限は、成分の過度な流出を防ぎやすいという観点から、乾燥茶葉の乾燥質量に対して、好ましくは8倍量以下、より好ましくは6倍量以下、さらに好ましくは5倍以下である。
乾燥茶葉に浸漬する水の量の下限は、充分な浸漬を行いやすいという観点から、乾燥茶葉の乾燥質量に対して、好ましくは1倍量以上、より好ましくは2倍量以上である。
乾燥茶葉に浸漬する水の温度は、乾燥茶葉からの成分流出を抑制する観点から、高すぎないことが好ましい。
乾燥茶葉に浸漬する水の温度の上限は、成分の過度な流出を防ぎやすいという観点から、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下、さらにより好ましくは5℃以下である。
乾燥茶葉に浸漬する水の温度の下限は、充分な吸水を行いやすいという観点から、好ましくは-4℃以上、より好ましくは1℃以上、さらに好ましくは4℃以上である。
乾燥茶葉の水への浸漬時間の上限は特に限定されないが、成分の過度な流出を防ぎやすいという観点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは1時間以下、さらに好ましくは20分以下、さらにより好ましくは15分以下である。
乾燥茶葉の水への浸漬時間の下限は特に限定されないが、充分な浸漬を行いやすいという観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは10分以上である。
乾燥茶葉を水に浸漬させる手段は、乾燥茶葉と水とが接触できれば特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。いずれの方法も、低温環境下(例えば、冷蔵庫内等の4℃以下の環境下)で行うことが好ましい。
・乾燥茶葉を水とともに任意の容器(樹脂製容器等)に入れ、静置吸収や振とう(振動)吸収を行う。
・減圧機又は加圧機等を用いて乾燥茶葉を水に浸漬させる。
・コーティングマシン等で水を乾燥茶葉に噴霧する。
(3)凍結乾燥工程
凍結乾燥工程では、浸漬が完了した茶葉を凍結乾燥(フリーズドライ)する。
凍結乾燥工程では、飲食品の凍結乾燥において採用され得る任意の条件を採用でき、通常、以下の工程を含む。
・浸漬が完了した茶葉を凍結させる。
・凍結した茶葉を、凍結した状態を維持した状態で乾燥させる。
上記工程について、浸漬工程と、茶葉の凍結とは連続していること(両工程の間に別の工程が含まれないこと)が好ましい。また、得られる茶葉製品の品質低下を抑制しやすいという観点から、浸漬工程完了後、速やかに(例えば、1時間以内に)凍結を実施することが好ましい。
ただし、いったん凍結させた茶葉は、凍結後そのまま乾燥に供してもよく、乾燥に供するまで冷凍庫等に保管してもよい。
浸漬が完了した茶葉の凍結条件は、特に限定されない。
凍結温度は、通常、-30℃以上-1℃以下である。
凍結した茶葉の乾燥条件は、茶葉の質量や真空度に応じて適宜設定でき、特に限定されない。
トラップ冷却温度は、通常、-45℃以下である。
到達真空度は、通常、10Pa以下である。
凍結乾燥工程においては、凍結乾燥機として知られる任意の装置(フラスコ型、ドライチャンバー型等)を利用できる。
(4)茶葉製品
凍結乾燥工程後に得られた凍結乾燥茶葉は、本発明における水出し茶飲料のための茶葉製品に相当する。
得られた茶葉製品は、そのまま抽出等に供して茶飲料を調製してもよく、適宜包装して保管してもよい。
得られた茶葉製品は適宜加工して、例えば、下記の形態に調製してもよい。
・容器に入れたリーフ茶葉製品
・ティーバッグ製品
・茶葉製品がフィルター等とともに内部に固定されたコップ製品
・給茶機用茶葉製品
(5)茶飲料の調製例
本発明の製造方法から得られた茶葉製品からは、茶飲料の製造方法として知られる任意の抽出方法で茶飲料を調製できる。
ただし、本発明の製造方法から得られた茶葉製品は、水出し茶飲料の調製において特に好適であるため、以下に好ましい調製例を説明する。
茶葉製品から茶飲料を調製する方法は特に限定されず、茶葉製品と水とを接触させる任意の方法を採用できる。
ただし、水出し茶飲料を得るために、茶葉製品と接触させる水は、水出し用水(上述)を使用することが好ましい。
本発明によれば、上述のとおり成分抽出効率に優れるため、短時間で水出し茶飲料が得られる。例えば、本発明によれば、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下、さらに好ましくは10分以下、さらにより好ましくは5分以下の抽出時間で、水出し茶飲料が得られる。
従来の茶葉製品を用いた場合、水出し茶飲料を得るためには何時間もの抽出時間を要した(例えば、後述する比較例を参照。)。
したがって、本発明は、水出しの抽出時間を著しく短縮し、成分抽出効率を高めた点に重要な技術的意義がある。
上記のように、低い温度の水を用いて、短い時間で抽出を行うことで、カフェインやエピガロカテキンガレートの溶出を抑制しつつ、テアニンやエピガロカテキンが溶出した、旨味を強く感じる水出し茶飲料が得られる。
<水出し茶飲料のための茶葉製品の加工方法>
上述のとおり、本発明によれば、成分抽出効率に優れる水出し用茶葉製品が得られる。
したがって、本発明は、その一態様において下記工程を含む、水出し茶飲料のための茶葉製品の加工方法も包含する。
・未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水を浸漬させる、浸漬工程。
・浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<茶葉製品の製造>
下記の方法で、茶葉の加工を行い、茶葉製品を作製した。
(1)乾燥茶葉の準備
乾燥茶葉として、チャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉(新芽)から製造された市販の煎茶を使用した。
この茶葉は、いわゆる緑茶(不発酵茶)であり、「未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉」に相当する。
(2)浸漬工程
乾燥茶葉を、その全体が浸るように、直方体容器に入れた水に浸漬させた。水は、乾燥茶葉の5倍量の水(約4℃)を使用した。
次いで、容器ごと乾燥茶葉を冷蔵庫(約4℃)に入れ、15分程度静置し、茶葉を充分に吸水させた。
(3)凍結乾燥工程
浸漬工程の完了後、速やかに容器を冷蔵庫から出し、冷凍庫(約-20℃)で凍結後、凍結乾燥機(フラスコ型)に入れ、真空条件下で乾燥させた。
凍結乾燥の条件は、トラップ冷却温度-50℃以下、真空度30Pa以下、24時間に設定した。
(4)茶葉製品の取得
凍結乾燥工程の完了後、茶葉製品(凍結乾燥品)を得た。これを、下記の抽出試験に供した。
<抽出試験>
得られた茶葉製品を、以下の試験に供し、成分抽出効率を評価した。
(1)試料の準備
・実施例:上記「<茶葉製品の製造>」で得られた茶葉製品(凍結乾燥品)
・比較例:上記「<茶葉製品の製造>」の「(1)乾燥茶葉の準備」で得られた乾燥茶葉(通常の緑茶に相当する)
(2)抽出処理
各試料を、その全体が浸るように、容器に入れた水(約10℃)に投入した。
次いで、容器ごと冷蔵庫(約4℃)に入れ、投入3分後から24時間後の各時点で、茶葉を避けて溶液試料(水出し茶飲料)を回収した。
(3)成分分析
各溶液試料に含まれる、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、カフェイン、及びテアニンの各含有量(成分溶出率)を、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。分析条件の詳細は以下のとおりである。
(3-1)EGC、EGCG、及びカフェインの分析条件
・装置:「Shimadzu LC-20AD system」、株式会社島津製作所
・ガードカラム:「Security Guard Cartridge C18」(i.d.4*3mm)、Phenomenex
・カラム:「Wakopak Navi C18-5」(5μm、i.d.4.6*150mm)、富士フイルム和光純薬株式会社
・溶離液:
(移動相A)DW:アセトニトリル:リン酸を体積比で400:10:1
(移動相B)メタノール:移動相Aを体積比で1:2
・検出器:「SPD-40V」(242nm,EGC;272nm,EGCG,カフェイン)、株式会社島津製作所
・流速:1mL/min
・カラム温度:40℃
・注入量:20μL
・グラジェント:下記表を参照。
Figure 0007519528000002
(3-2)テアニンの分析条件
・装置:「Shimadzu LC-20AD、SIL-40Csystem」(株式会社島津製作所)によるo-フタルアルデヒド自動プレカラム誘導体化法
・ガードカラム:「Security Guard Cartridge C18」(i.d.4*3mm)、Phenomenex
・カラム:「Inertsil ODS-4 C18」(3μm、i.d.4.6*150mm)、ジーエルサイエンス株式会社
・溶離液:
(移動相A)20mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.4)
(移動相B)DW:アセトニトリル:メタノールを体積比で15:45:40
・検出器:「RF-20Axs」(励起波長350nm、蛍光波長450nm)、株式会社島津製作所
・流速:0.8mL/min
・カラム温度:40℃
・注入量:1μL
・内標準物質:グリシルグリシン
・グラジェント:下記表を参照。
Figure 0007519528000003
(3-3)結果
分析結果を図1に示す。
図1は、実施例の茶葉製品からの溶出成分の分析結果である。図2は、比較例の乾燥茶葉からの溶出成分の分析結果である。
各結果は、溶出時間(試料投入時点からの経過時間)と、各成分の溶出率との関係として表した。また、成分溶出率は、「比較例」の茶葉を80℃の湯で2分間抽出した際の成分量を「100%」とした場合の相対値として示した。
図1に示されるとおり、本発明の製造方法から得られる茶葉製品によれば、冷蔵庫内での抽出であっても、5分以下という短時間で、エピガロカテキンやテアニンが充分溶出された抽出物(茶飲料)が得られた。
この結果は、本発明の製造方法から得られる茶葉製品においては、茶葉からの成分抽出効率が極めて優れることを示す。
これに対し、図2(A)に示されるとおり、比較例の乾燥茶葉(通常の緑茶)では、冷蔵庫内での抽出における成分溶出に時間が非常にかかり、本発明の製造方法から得られる茶葉製品と同等レベルの溶出率に達するまで、半日近くかかった。
なお、比較例の乾燥茶葉について、冷蔵庫内の代わりに、室温(約26℃)での抽出も行ったが(図2(B))、依然として成分の溶出に時間がかかり、本発明の製造方法から得られる茶葉製品と同等レベルの溶出率に達するまで、1時間近くかかった。
以上から、本発明の製造方法から得られる茶葉製品によれば、水(約4℃)による抽出であっても、顕著に抽出時間を短縮でき、効率的な成分抽出を実現できることがわかった。

Claims (4)

  1. 水出し茶飲料のための茶葉製品の製造方法であって、
    前記製造方法が、
    未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水(ただし、ヒイロタケ産生酵素含有水溶液を除く。)を浸漬させる、浸漬工程と、
    前記浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程と、を含む、
    製造方法。
  2. 前記浸漬工程における前記乾燥茶葉の浸漬時間が、20分以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記浸漬工程における前記水の温度が、20℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
  4. 水出し茶飲料のための茶葉製品の加工方法であって、
    前記加工方法が、
    未粉砕かつ未抽出の乾燥茶葉へ水(ただし、ヒイロタケ産生酵素含有水溶液を除く。)を浸漬させる、浸漬工程と、
    前記浸漬工程後の茶葉を凍結乾燥させる、凍結乾燥工程と、を含む、
    加工方法。
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