図面を参照して、本発明の実施形態、変形例、実施例等を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。更に、本発明に係る反応制限袋及び本発明を構成する部材は対称形であるものが多く、「正面」及び「背面」等の表記は説明の便宜上のものであり、使用形態や使用方法を限定するものではないことにも留意すべきである。また、「上端」等の表記についても、本発明に係る反応制限袋及び本発明を構成する部材の説明の便宜上のものであり、使用形態や使用方法を限定するものではないことにも留意すべきである。
又、以下に示す本発明の実施形態、変形例、実施例等は、本発明の技術的思想を具体化するための物品や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、物品の構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る反応制限袋1aは、図4等に例示したように、扁平な外袋11aと、この外袋11aに収納される扁平な内袋21aを備えた、可撓性を有する携帯可能な袋である。そして、内袋21aの内部に、酸化反応により発熱が律速される酸化律速発熱体100を使用の形態で収納する。一般に、商品としての酸化律速発熱体100は、「使い捨てカイロ」として知られている携帯用温熱具等が代表例であり、空気を透過しない素材からなる包装袋に収納された形態の商品が市場に広く出回っている。商品の使用に際しては、包装袋を取り除き、発熱主体である酸化律速発熱粒子を内包した通気性包材を露出させる必要がある。本明細書では、商品の包装袋を取り除き、通気性包材を露出させた形態を、「使用の形態」と称する。外袋11aと内袋21aの二重袋構造によって酸化律速発熱体100への酸素供給のコンダクタンスを制限し、酸化律速発熱体100の酸化反応を抑制する。第1実施形態に係る反応制限袋1aの外袋11aは、図1に示すように、上端に開口部を有する。図1に隠れ線で示したように、内袋21aも外袋11aと同様に、上端に開口部を有する。図1に示すように、外袋11aの表裏の両面、すなわち、外袋11aの正面シート及び正面シートに対向する背面シートには複数の酸素供給孔31aがそれぞれ貫通して設けられている。即ち、複数の酸素供給孔31aは、正面シートの厚み方向に沿って正面シートを貫通している。なお、外袋11aの背面シートの複数の酸素供給孔は図示を省略しているが、同様に、背面シートの厚み方向に沿って背面シートを貫通している。また同様に図示は省略するが、内袋21aの表裏の両面、すなわち、内袋21aの正面シート及び正面シートに対向する背面シートにも複数の酸素供給孔が貫通して設けられており、内袋21aの正面シート及び背面シートのそれぞれの厚み方向に沿って、複数の酸素供給孔は内袋21aの正面シート及び背面シートを貫通している。
本明細書においては、便宜的に、外袋11aの開口部は「第1開口部」とし、内袋21aの開口部は「第2開口部」と定義する。また同様に、外袋11aの正面シートは「第1正面シート」、外袋11aの背面シートは「第1背面シート」、内袋21aの正面シートは「第2正面シート」、内袋21aの背面シートは「第2背面シート」と定義する。なお、図1の斜視図においては、それぞれ、紙面手前側に第1及び第2正面シートが配置され、紙面奥側に第1及び第2背面シートが配置されている。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様に、外袋の開口部はすべて「第1開口部」、内袋の開口部はすべて「第2開口部」とする。また、以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様に、外袋の正面シートは「第1正面シート」、外袋の背面シートは「第1背面シート」、内袋の正面シートは「第2正面シート」、内袋の背面シートは「第2背面シート」とする。
第1実施形態に係る反応制限袋1aを構成する外袋11aは、図1及び図4等に示すように、第1正面シート及び第1背面シートを主部材として、上端に第1開口部を有する「第1の袋状」の可撓性構造をなす。一方、図1及び図4等に示すように、外袋11aに収納される内袋21aは、第2正面シート及び第2背面シートを主部材として、上端に第2開口部を有する「第2の袋状」の可撓性構造をなす。図1においては、第1正面シート及び第1背面シートは共に矩形であり、同一形状であるため、外袋11aは扁平な矩形の袋状となる。第1正面シート及び第1背面シートは、それぞれの4辺のうち上辺以外の3辺どうしが互いに接続され、上辺どうしは接続されず、第1開口部として機能している。内袋21aにおいても同様である。
図1に示すように、第1正面シート及び第1背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第1接合部(15a1、15a2)が設けられている。第1接合部(15a1、15a2)は、第1正面シート側に接続された矩形の第1正面接合片15a1及び第1背面シート側に接続された矩形の第1背面接合片15a2から構成される。図1、図4~6においては、第1正面接合片15a1は第1正面シートの外側のみに固定されているように図示されているが、図1、図4~6の図示は一例であって、第1正面シートを挟むようにして固定されていてもよいし、第1正面シートの内側のみに固定されていても、その他であってもよい。また、第1正面接合片15a1の形状は図1等においては矩形の薄片で図示しているが、矩形以外の多角形、円形、楕円形等、どのような形状であっても構わない。固定様式や形状については、第1背面接合片15a2についても同様である。第1接合部(15a1、15a2)は、外袋11aを閉状態から開状態にしやすくするための部材であり、第1正面シート及び第1背面シートとそれぞれ一体となった構造でもよいし、そもそも外袋11aには必ずしも有さなくともよい。
外袋11aには、図1に示すように、第1開口部付近、すなわち、第1正面シート及び第1背面シートのそれぞれの上辺からわずかに下方に、第1開閉具13aが設けられている。図1においては、第1正面シート側の図示しかされていないが、第1背面シート側においても同様の位置に第1開閉具13aが設けられている。本明細書において「第1開口部」とは、外袋11aにおいて、第1正面シート及び第1背面シートのそれぞれの上辺から第1開閉具13aまでの部位と定義する。第1正面シート及び第1背面シートのそれぞれの上辺に第1開閉具13aが配置される場合は、第1開口部は第1正面シート及び第1背面シートのそれぞれの上辺であって、第1開閉具13aを意味することになる。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。すなわち、第1開閉具13aは第1開口部を開閉自在な開閉具である。第1開閉具13aとしては、ジッパー、スライダー付きジッパー等、開閉自在であり、かつ、閉状態の時に第1開口部の密閉ができるのであれば種類は問わない。ジッパーは、一方の凸型レール(雄部材)と他方の凹型レール(雌部材)とを手の指等で嵌め合わせることで擬封止(準封止)状態にすることができるものである。スライダー付きジッパーは、スライダーを横方向の一方へ移動させることで、凸型レールと凹型レールとを嵌め合わせることができるものである。いずれも、閉状態から開状態に移行させるには、凸型レールと凹型レールとの嵌め合わせを解除すればよい。なお、第1開閉具13aが閉状態の時の第1開口部の「擬封止(準封止)」状態とは、あくまで第1開口部に着目した際に、酸素の流出入のコンダクタンスを制限する「擬封止」状態であればよいのであって、外袋11a自体の「封止(密閉)」を指すのではない。外袋11aには、貫通して設けられた複数の酸素供給孔31a等の複数の酸素供給孔があるために、第1開閉具13aでは外袋11a自体を完全な密閉状態にすることは不可能である。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。
本明細書においては、第1開閉具13aの「開状態」とは、第1開閉具13aの一部又は全部が開放されている状態、すなわち、第1開口部の擬封止状態が解除されている状態を指す。一方、第1開閉具13aの「閉状態」とは、第1開閉具13aの全部が閉じられている状態、すなわち、第1開口部が擬封止状態になっている状態を指す。本明細書においては、第1開閉具13aが開状態であることを、第1開口部が開状態である、又は、外袋11aが開状態である、等と言い換えて表現する場合があるが、いずれも同様に開状態であることを指すものとする。「閉状態」の考え方についても同様である。「開状態」及び「閉状態」の考え方については、以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。
図1に示す外袋11aの第1正面シートに設けられる複数の酸素供給孔31aの個数は、例えば外袋11aにおいて、第1正面シートの横幅16cm、底辺から第1開閉具13aまでの高さ19.5cmの場合、50~100個程度が好ましく、70~90個がより好ましい。複数の酸素供給孔31aの形状は、多角形でも円形でもどのようなものでもよいが、円形の場合は0.1~3mmの直径の孔が好ましく、1.6~3.0mmがより好ましい。以下の本明細書の説明では、0.1~3mmの直径の円の面積に等しい2次元図形の最大対角長等の特徴寸法を「等価直径Φeff0.1~3mm」と呼ぶ。同様に、1.6~3.0mmの直径の円の面積に等しい面積を与える2次元図形の特徴寸法を「等価直径Φeff1.6~3.0mm」と呼ぶものする。例えば、正方形や長方形の場合、2本の対角線長は等しいので最大対角線長であるが、等価直径Φeffの円の面積に等しい最大対角線長を特徴寸法に選ぶことができる。正五角形の場合、5本の対角線長は等しいので、等価直径Φeffの円の面積に等しい最大対角線長は、いずれも特徴寸法に選ばれる。正六角形の場合は最大対角線長が3本、最大対角線長よりも短い対角線長が6本定義されるので、特徴寸法としては最大対角線長を選択する。正七角形の場合は最大対角線長が8本、最大対角線長よりも短い対角線長が6本定義されるので、特徴寸法は最大対角線長を選択する。楕円の場合は(長半径)×(短半径)=(等価直径/2)2で与えられる等価直径を、特徴寸法に選択し、楕円にも拡張するものとする。
複数の酸素供給孔31aの等価直径Φeffが3.0mmを大きく超えると、その孔における酸素の流出入量が大きくなり過ぎる。本明細書では、図1における第1正面シートの底辺から第1開閉具13aまでの高さまでの部分を「孔設置可能領域」と定義し、孔設置可能領域の全体の面積を「孔設置可能面積」と定義する。そして、第1正面シートの孔設置可能面積をA1、複数の酸素供給孔31aの総面積をΣS1とし、「第1正面シートの臨界開孔面積率η1」を、
η1=ΣS1/A1 ……(1)
と、定義する。空気中の酸素濃度20.95%の条件(地表付近)では、式(1)で定義される第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.02~2.5%程度が好ましく、第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.1~1.0%程度がより好ましい。更には、第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.11~0.83%が好ましい。第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、個数や形状、等価直径Φeff、臨界開孔面積率等の考え方は、第1正面シートの複数の酸素供給孔31aと同様である。第1正面シート及び第1背面シートにおける、等価直径Φeff、孔設置可能領域、孔設置可能面積、臨界開孔面積率等の定義は、他の実施形態、変形例、実施例等においても同様とする。
図1に示す複数の酸素供給孔31aについては、図1等に示すように一定間隔で整列していても整列していなくともよい。ただし、複数の酸素供給孔31aについては、特定箇所に集中して設けられるよりは、孔設置可能領域全体に満遍なく設けられていた方がよい。複数の酸素供給孔31aどうしの間隔は、式(1)で定義される酸素濃度20.95%に対する第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.02~2.5%程度の範囲内であれば、どの程度であってもよい。例えば外袋11aにおいて、第1正面シートの横幅16cm、底辺から第1開閉具13aまでの高さ19.5cm、複数の酸素供給孔31aがいずれも等価直径Φeff1.6mmの場合、複数の酸素供給孔31aどうしの間隔(ピッチ)は1.5~3.0cm程度、かつ、複数の酸素供給孔31aは25~90個程度が好ましい。第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、設けられるピッチ等の考え方は、複数の酸素供給孔31aと同様である。なお、第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔の位置は、第1正面シートの複数の酸素供給孔31aの位置と一致させる必要はない。
図1に示す第1正面シートの材質としては、空気中の酸素や水分を透過しない素材であればいずれでもよく、ポリエチレンフィルム(PEフィルム)やポリプロピレンフィルム(PPフィルム)、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム(EVAフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPフィルム)、PVDC樹脂コートOPPフィルム(KOPフィルム)、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPフィルム)、ナイロンフィルム(NYフィルム)、二軸延伸ハイガスバリアナイロンフィルム(バリアNYフィルム)、ポリエステルフィルム(PETフィルム)、透明蒸着ポリエステルフィルム(透明蒸着PETフィルム)、塩化ビニルフィルム等を使用することができる。また、上述した各種のフィルムをラミネート加工したラミネートフィルム、各種のフィルムにアルミニウムを蒸着加工したアルミ蒸着フィルム等を使用することができる。第1正面シートの厚さは0.01~0.1mm等、任意の厚さを採用することができる。材質と厚さについては、第1背面シートにおいても第1正面シートと同様である。
図1及び図4等に示す外袋11aが呈する第1の袋状の可撓性構造については、二方シール袋や三方シール袋、サイドシール袋、ボトムシール袋等のいずれであってもよい。図1に示すように、第1実施形態に係る外袋11aには、底にも側面にもマチは有さないが、底ガゼット袋や横ガゼット袋等のように、底や側面にマチを有するタイプであってもよい。外袋11aが底や側面にマチを有する場合、そのマチ部分にも、複数の酸素供給孔31aと同様に、複数の酸素供給孔を設けてもよい。
外袋11dの内側に収納される内袋21aは、図1及び図4等に示すように、第2正面シート及び第2背面シートを主部材とし、上端に第2開口部を有し、外袋11dと共に二重袋構造の第1実施形態に係る反応制限袋を構成している。図1に隠れ線で示したように、第2正面シート及び第2背面シートは共に矩形であり、同一形状であるため、内袋21aは扁平な矩形の第2の袋状となる。第2正面シート及び第2背面シートは、それぞれの4辺のうち上辺以外の3辺どうしが互いに接続され、上辺どうしは接続されず、第2開口部として機能している。
図1に示すように、第2正面シート及び第2背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第2接合部(25a1、25a2)が設けられている。第2接合部(25a1、25a2)は、第2正面シート側に接続された矩形の第2正面接合片25a1及び第2背面シート側に接続された矩形の第2背面接合片25a2から構成される。図1、図4~6においては、第2正面接合片25a1は第2正面シートの外側のみに固定されているように図示されているが、この図示は一例であって、第2正面シートを挟むようにして固定されていてもよいし、第2正面シートの内側のみに固定されていてもその他であってもよい。また、第2正面接合片25a1の形状は図1等においては矩形の薄片で図示しているが、矩形以外の多角形、円形、楕円形等、どのような形状であっても構わない。固定様式や形状については、第2背面接合片25a2についても同様である。第2接合部(25a1、25a2)は、内袋21aを閉状態から開状態にしやすくするための部材であり、第2正面シート及び第2背面シートとそれぞれ一体となった構造でもよいし、そもそも内袋21aには必ずしも有さなくともよい。
内袋21aには、図1に示すように、第2開口部付近、すなわち、第2正面シート及び第2背面シートのそれぞれの上辺からわずかに下方に、第2開閉具23aが設けられている。図1においては、第2正面シート側の図示しかされていないが、第2背面シート側においても同様の位置に第2開閉具23aが設けられている。本明細書において「第2開口部」とは、第1開口部の場合と同様に、内袋21aにおいて、第2正面シート及び第2背面シートのそれぞれの上辺から第2開閉具23aまでの部位と定義する。第2正面シート及び第2背面シートのそれぞれの上辺に第2開閉具23aが配置される場合は、第2開口部は第2正面シート及び第2背面シートのそれぞれの上辺であって、第2開閉具23aを意味することになる。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。すなわち、第2開閉具23aは第2開口部を開閉自在な開閉具である。第2開閉具23aとしては、第1開閉具13aと同様に、ジッパー、スライダー付きジッパー等、開閉自在であり、かつ、閉状態の時に第2開口部の擬封止(準封止)ができるのであれば種類は問わない。なお、第2開閉具23aが閉状態の時の「第2開口部の擬封止」状態とは、第1開口部の擬封止状態の場合と同様に、あくまで第2開口部に着目した際に、酸素の流出入のコンダクタンスを制限する「擬封止」状態であればよいのであって、内袋21a自体の「封止(密閉)」を指すのではない。内袋21aには、外袋11aと同様に、貫通して設けられた複数の酸素供給孔があるために、第2開閉具23aでは内袋21a自体を完全な密閉状態にすることは不可能である。なお、本明細書における第2開閉具23aの「開状態」及び「閉状態」の定義については、第1開閉具13aの場合と同様である。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。
図1では図示を省略しているが、内袋21aの第2正面シート及び第2背面シートにおいては、複数の酸素供給孔31aと同様の複数の酸素供給孔が貫通孔としてそれぞれ設けられている。即ち、酸素供給孔が第2正面シートの厚み方向に沿って第2正面シートを貫通し、第2背面シートの厚み方向に沿って第2背面シートを貫通している。孔設置可能面積A1の定義と同様に、本明細書では、図1に隠れ線で示された内袋21aの第2正面シートの底辺から第2開閉具23aまでの高さまでの部分を第2正面シートの「孔設置可能領域」と定義し、孔設置可能領域の全体の面積を第2正面シートの「孔設置可能面積」と定義する。例えば、内袋21aにおいて、第2正面シートの横幅11cm、底辺から第2開閉具23aまでの高さ19cmの場合、孔設置可能面積=20,900mm2であり、内袋21aの第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔の個数は、10~100個が好ましく、15~70個がより好ましい。そして、第2正面シートの孔設置可能面積をA2、第2正面シートの複数の酸素供給孔の総面積をΣS2とすると、「第2正面シートの臨界開孔面積率η2」は、
η2=ΣS2/A2 ……(2)
と、定義される。空気中の酸素濃度20.95%の条件(地表付近)では、式(2)で定義される第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.02~2.5%程度が好ましく、第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.1~1.2%程度がより好ましい。更には、第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.19~1.11%が好ましい。第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔の形状や、等価直径Φeff、総面積等の考え方は、複数の酸素供給孔31aと同様である。第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、個数や形状、等価直径Φeff、総面積等の考え方は、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔と同様である。なお、第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔の位置は、第2正面シートの複数の酸素供給孔の位置と一致させる必要はない。また、内袋21aに設けられた複数の酸素供給孔の位置は、外袋に設けられた複数の酸素供給孔31aと含む複数の酸素供給孔の位置とも一致させる必要はない。第2正面シート及び第2背面シートにおける、等価直径Φeff、孔設置可能領域、孔設置可能面積、臨界開孔面積率等の定義は、他の実施形態、変形例、実施例等においても同様とする。
第2正面シート及び第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔については、複数の酸素供給孔31aと同様に、一定ピッチで整列していても整列していなくともよいが、特定箇所に集中して設けられるよりは、孔設置可能領域全体に満遍なく設けられていた方がよい。第2正面シート及び第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔については、外袋11aに設けられた複数の酸素供給孔31aを含む複数の酸素供給孔の位置と、必ずしも一致する必要はない。第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔どうしのピッチは、式(2)で定義される第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.02~2.5%程度の範囲内であれば、どの程度であってもよい。複数の酸素供給孔31aと同様に、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔どうしのピッチは1.5~3.0cm程度が好ましい。第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、設けられるピッチ等の考え方は、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔と同様である。
図1に示す第2正面シート及び第2背面シートの材質や厚さは、第1正面シートと同様でもよいし、その他であってもよい。
第1実施形態に係る反応制限袋1aの第2の袋状の可撓性構造をなす内袋21aについては、二方シール袋や三方シール袋、サイドシール袋、ボトムシール袋等のいずれであってもよい。図1に示すように、第1実施形態に係る内袋21aには、底にも側面にもマチは有さないが、底ガゼット袋や横ガゼット袋等のように、底や側面にマチを有する扁平な可撓性構造であってもよい。内袋21aが底や側面にマチを有する場合、そのマチ部分にも、第2正面シートの複数の酸素供給孔と同様に、複数の酸素供給孔を設けてもよい。
図1に示すように、内袋21aは、外袋11aの内部に配置されている。図1においては、内袋21aの底部から第2接合部(25a1、25a2)までの全体が、外袋11aの内部に収納されている。ここで「外袋11aの内部」とは、外袋11aの第1開閉具13aから外袋11aの底部までの内部空間を指し、第1開閉具13aも含むものとする。以降の実施形態、変形例、実施例等においても同様である。内袋21aは、少なくとも第2開閉具23aが外袋11aの内部に収納されていればよい。
内袋21aは外袋11aの内部に固定されていた方が好ましい。少なくとも、内袋21aの第2正面シート又は第2背面シートのいずれかが、それぞれに相対する外袋11aの第1正面シート又は第1背面シートの内側に固定されていることが好ましい。内袋21aの第2開閉具23aと外袋11aの第1開閉具13aとは、外袋11aの深さ方向の距離において、0~2cm程度の離間距離であることが好ましい。内袋21aの第2正面シートが外袋11aの第1正面シートに固定されている場合、第2正面シートにおいて、第2開閉具23a付近または第2開閉具23aの直下付近が第1正面シートの内側に固定されていてもよいし、第2開閉具23aの上方付近かつ第2正面接合片25a1の下方付近が第1正面シートの内側に固定されていてもよい。また、内袋21aの第2正面シートが外袋11aの第1正面シートに固定されている場合、第2正面シートにおける底辺付近で固定されていてもよい。内袋21aの第2背面シートが外袋11aの第1背面シートに固定されている場合も同様である。内部に商品(酸化律速発熱体)を収納した際の安定度の観点では、内袋21aの第2正面シート及び第2背面シートの両方が、それぞれに相対する外袋11aの第1正面シート及び第1背面シートの内側に固定されていてもよい。また、内袋21aの第2正面シート及び第2背面シートの両方が、外袋11aの第1正面シート又は第1背面シートに固定されていてもよい。
外袋11a及び内袋21aが共にマチの無い袋状である場合、孔設置可能面積比A1:A2=3:1~1.4:1程度が好ましく、孔設置可能面積比A1:A2=1.8:1~1.4:1程度がより好ましい。図3に示すように、外袋11a及び内袋21aの垂直方向の中心軸を一致させるように内袋21aを固定する場合、距離d1と外袋11aの横幅との比は1:4~1:10程度が好ましく、距離d2と外袋11aの底辺から第1開閉具13aまでの距離との比は1:3~1:40程度が好ましく、距離d3と外袋11aの底辺から第1開閉具13aまでの距離との比は1:13~1:50程度が好ましい。距離d3については、外袋11aの底辺から第1開閉具13aまでの距離の如何にかかわらず、0~2cm程度が好ましい。
冒頭で説明したとおり、第1実施形態に係る反応制限袋1aは、図2~4等のように、内袋21aの内部に酸化律速発熱体100を収納する。まず、図6に示すように、外袋11a及び内袋21a共に開状態にし、内袋21aの空気層である内側蓄熱空間43aに酸化律速発熱体100を入れる。なお、図4~6においては、図示の簡便化の都合上、複数の酸素供給孔31aを含む複数の酸素供給孔の図示は省略している。また、図4~6においては、内袋21aが、第2開閉具23aのやや下方、即ち、内袋固定部51a及び51bで、外袋11aに固定されている例を示している。第1実施形態に係る反応制限袋1aに収納される酸化律速発熱体100は、空気中の酸素を介した酸化反応に依拠した酸化律速発熱体であれば、原材料等に制限はない。例えば、「使い捨てカイロ(携帯用温熱具)」等として周知の酸化律速発熱体は、酸化律速発熱粒子として、鉄粉、酸化鉄粉、食塩、高分子吸水剤、活性炭、バーミキュライト等を発熱組成物とするものが多い。それらの発熱組成物は不織布や紙等の通気性包材によって覆われているのが通常であるが、図4~6においてはその覆いの図示等は省略している。不織布等の通気性包材には、1~数十μmの等価直径Φeffの針孔が穿設される場合があるが、発熱の立ち上がり速度をより速めるために、3~5cmの幅で帯状に集中的に針孔を形成されているものもある。ガーレ通気度測定器による通気度の値が2~10秒/300ccになるように、通気性包材に穿孔される針孔の孔径や配列が決定されている。また、図4~6においては、酸化律速発熱体100の断面は2つの尖端部を有する縦長の楕円形で図示しているが、あくまで例示に過ぎず、図4~6に図示した酸化律速発熱体100の断面構造よりも扁平な形状等であってもよい。例えば、酸化律速発熱体100が携帯用温熱具の場合は、衣服等に貼るタイプ又は貼らないタイプのいずれも好適に用いることができる。貼るタイプの場合は、シール部分が露出するように台紙を剥がしてもよいし、剥がさずにそのまま内袋21aに入れてもよい。酸化律速発熱体100として携帯用温熱具を用いる場合は、非通気性包材の袋から取り出してすぐに内袋21aに入れてもよいし、非通気性包材の袋から取り出して手等で少し揉むようにしてから内袋21aに入れてもよい。酸化律速発熱体100の大きさは内袋21aに入る程度であれば制限はない。
次に、図5に示すように、第2開閉具23aを閉じ、内袋21aを閉状態にする。内側蓄熱空間43aは、内袋21aの複数の酸素供給孔以外においては、外部雰囲気との酸素の流出入が遮断された状態となる。図5においては外袋11aは開状態であるので、空気層である外側蓄熱空間41aについては、第1開口部を介して自由に酸素が流出入出来る状態となっている。第2開閉具23aを閉じる際は、第2接合部(25a1、25a2)をガイドとして用いた方が操作しやすい。第2開閉具23aを閉じる際には、内側蓄熱空間43aにあえて酸素等の空気を入れ込む必要はない。
次に、図4に示すように、第1開閉具13aを閉じ、外袋11aを閉状態にする。外側蓄熱空間41aは、外袋11aの複数の酸素供給孔以外においては、外部雰囲気との酸素の流出入が遮断された状態となる。第1開閉具13aを閉じる際は、第1接合部(15a1、15a2)をガイドとして用いた方が操作しやすい。第1開閉具13aを閉じる際には、外側蓄熱空間41aにあえて酸素等の空気を入れ込む必要はない。図4の状態となった第1実施形態に係る反応制限袋1aを、人体の所望の部位に直接的に、又は衣服等を介して間接的に接して用いる。
第1実施形態に係る反応制限袋1aによる酸化律速発熱体100の使用を終える場合は、酸化律速発熱体100の収納プロセスとは逆に、すなわち、図4から図6までの流れに沿って、使用済みの酸化律速発熱体100を取り出す作業を行う。図4の状態から、外袋11aのみが開状態となった図5を介して、内袋21aも開状態となった図6の状態にし、酸化律速発熱体100を取り出せばよい。この際、図4の状態において、やや強い力で勢いよく外袋11aを開状態とすると、内袋21aも同時に開状態とすることができ、図4の状態から図5を介さずに図6の状態へと移行させることも可能である。この場合、二度にわたり袋を開状態にするという手間が一部省けてよい。
第1実施形態に係る反応制限袋1aによれば、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、人体の肌に対しては、反応制限袋1aの表面温度約30~35℃で、発熱時間48時間以上、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、反応制限袋1aの表面温度約35~45℃であれば、発熱時間30~55時間程度、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、第1実施形態に係る反応制限袋1aの第1孔設置可能領域の面積が400cm2未満、複数の酸素供給孔の等価直径Φeffが1.6~3.0mm、第1正面シートの臨界開孔面積率η1が0.11~0.83%、第2正面シートの臨界開孔面積率η2が0.19~1.11%の場合、第1実施形態に係る反応制限袋1aの表面の最高温度は42℃を超えることはなく、使用後2~24時間の平均温度が40℃未満となり、発熱効果は36時間以上持続するため、第1実施形態に係る反応制限袋1aを人体の肌に直接接するように使用しても、低温火傷が起こる可能性は極めて低く、人体にとって安全で快適な使用感を得ることができる。
第1実施形態に係る反応制限袋1aによれば、内側蓄熱空間43a及び外側蓄熱空間41aの2層の蓄熱空間(空気層)により、より広い保温面積で酸化律速発熱体100を使用することができる。
第1実施形態に係る反応制限袋1aによれば、より高温にして用いたい時は、反応制限袋1aを少し揉む等、あるいは外袋11aのみを開状態にする等によって、酸化律速発熱体100をより多くの酸素に触れさせ、酸化律速発熱体100を意図的に昇温させることができる。特に、外袋11aの開状態の程度を微調整することで、急激な温度上昇を防ぎつつ、昇温の程度を微調整することが可能である。
(第1実施形態の第1変形例)
本発明の第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bは、図7に示すように、外袋11b及び内袋21bを有する扁平な可撓性構造をなす。外袋11bは、第1正面シート及び第1正面シートに対向する第1背面シートを主部材として、上端に第1開口部を有する第1の袋状をなし、第1開口部付近に第1開閉具13bを有する。内袋21bは、第2正面シート及び第2正面シートに対向する第2背面シートを主部材として、上端に第2開口部を有する第2の袋状をなし、第2開口部付近に第2開閉具23bを有し、外袋11bの内部に配置されている。第1正面シートを貫通する複数の酸素供給孔31b、及び、複数の酸素供給孔31bと同様に、第2正面シート並びに第1及び第2背面シートそれぞれに、それぞれを貫通する複数の酸素供給孔を有する。図7に示すように、第1正面シート及び第1背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第1接合部(15b1、15b2)が設けられている。第1接合部(15b1、15b2)は、第1正面シート側に接続された矩形の第1正面接合片15b1及び第1背面シート側に接続された矩形の第1背面接合片15b2から構成される。図7に示すように、第2正面シート及び第2背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第2接合部(25b1、25b2)が設けられている。第2接合部(25b1、25b2)は、第2正面シート側に接続された矩形の第2正面接合片25b1及び第2背面シート側に接続された矩形の第2背面接合片25b2から構成される。
第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bは、図7に示すように、第1実施形態に係る反応制限袋1aと比較し、保護部91a、91b、91c、91dを有する点のみが異なる。保護部91a、91b、91c、91dはそれぞれ外袋11bの四隅に固定された、外袋11bの四隅の角を保護する部位である。第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bは、第1実施形態に係る反応制限袋1aと同様に、携帯用温熱具等の酸化反応により発熱が律速される酸化律速発熱体を内部に収納し、人体の所望の部位に直接的に又は衣服等を介して間接的に接して用いる。第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bが保護部91a、91b、91c、91dを有することで、人体の所望の部位又は衣服等への反応制限袋1bの引っ掛かりを抑制することができる。保護部91a、91b、91c、91dはフェルト等の繊維製であることが好ましいが、材質は問わない。
第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bによれば、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)であれば、人体の肌に対しては、反応制限袋1bの表面温度約30~35℃で、発熱時間48時間以上、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、反応制限袋1bの表面温度約35~45℃であれば、発熱時間30~55時間程度、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bの第1孔設置可能領域の面積が400cm2未満、複数の酸素供給孔の等価直径Φeffが1.6~3.0mm、第1正面シートの臨界開孔面積率η1が0.11~0.83%、第2正面シートの臨界開孔面積率η2が0.19~1.11%の場合、第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bの表面の最高温度は42℃を超えることはなく、使用後2~24時間の平均温度が40℃未満となり、発熱効果は36時間以上持続するため、第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bを人体の肌に直接接するように使用しても、低温火傷が起こる可能性は極めて低く、人体にとって安全で快適な使用感を得ることができる。
第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bによれば、内側蓄熱空間及び外側蓄熱空間の2層の蓄熱空間(空気層)により、より広い保温面積で酸化律速発熱体を使用することができる。
第1実施形態の第1変形例に係る反応制限袋1bによれば、より高温にして用いたい時は、反応制限袋1bを少し揉む等、あるいは外袋11bのみを開状態にする等によって、酸化律速発熱体をより多くの酸素に触れさせ、酸化律速発熱体を意図的に昇温させることができる。特に、外袋11bの開状態の程度を微調整することで、酸化律速発熱体の急激な温度上昇を防ぎつつ、酸化律速発熱体の昇温の程度を微調整することが可能である。
(第1実施形態の第2変形例)
本発明の第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cは、図8に示すように、外袋11c及び内袋21cを有する扁平な可撓性構造をなす。外袋11cは、第1正面シート及び第1正面シートに対向する第1背面シートを主部材として、上端に第1開口部を有する第1の袋状をなし、第1開口部付近に第1開閉具13cを有する。隠れ線で示した内袋21cは、第2正面シート及び第2正面シートに対向する第2背面シートを主部材として、上端に第2開口部を有する第2の袋状をなし、第2開口部付近に第2開閉具23cを有し、外袋11cの内部に配置されている。第1正面シートを貫通する複数の酸素供給孔31c、及び、複数の酸素供給孔31cと同様に、第2正面シート並びに第1及び第2背面シートそれぞれに、それぞれを貫通する複数の酸素供給孔を有する。図7に示すように、第1正面シート及び第1背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第1接合部(15c1、15c2)が設けられている。第1接合部(15c1、15c2)は、第1正面シート側に接続された矩形の第1正面接合片15c1及び第1背面シート側に接続された矩形の第1背面接合片15c2から構成される。図7に示すように、第2正面シート及び第2背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第2接合部(25c1、25c2)が設けられている。第2接合部(25c1、25c2)は、第2正面シート側に接続された矩形の第2正面接合片25c1及び第2背面シート側に接続された矩形の第2背面接合片25c2から構成される。
第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cは、図8に示すように、第1実施形態に係る反応制限袋1aと比較し、保護部91e、91f、91gを有する点のみが異なる。保護部91e、91f、91gはそれぞれ外袋11cの第1開口部を含む上辺以外の3辺に固定された、外袋11cの外周を保護する部位である。第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cは、第1実施形態に係る反応制限袋1aと同様に、携帯用温熱具等の酸化律速発熱体を内部に収納し、人体の所望の部位に直接的に又は衣服等を介して間接的に接して用いる。第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cが保護部91e、91f、91gを有することで、人体の所望の部位又は衣服等への反応制限袋1cの引っ掛かりを抑制することができる。保護部91e、91f、91gはフェルト等の繊維製であることが好ましいが、材質は問わない。
第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cによれば、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)であれば、人体の肌に対しては、反応制限袋1cの表面温度約30~35℃で、発熱時間48時間以上、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、反応制限袋1cの表面温度約35~45℃であれば、発熱時間30~55時間程度、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cの第1孔設置可能領域の面積が400cm2未満、複数の酸素供給孔の等価直径Φeffが1.6~3.0mm、第1正面シートの臨界開孔面積率η1が0.11~0.83%、第2正面シートの臨界開孔面積率η2が0.19~1.11%の場合、第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cの表面の最高温度は42℃を超えることはなく、使用後2~24時間の平均温度が40℃未満となり、発熱効果は36時間以上持続するため、第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cを人体の肌に直接接するように使用しても、低温火傷が起こる可能性は極めて低く、人体にとって安全で快適な使用感を得ることができる。
第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cによれば、内側蓄熱空間及び外側蓄熱空間の2層の蓄熱空間(空気層)により、より広い保温面積で通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)を使用することができる。
第1実施形態の第2変形例に係る反応制限袋1cによれば、より高温にして通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)を用いたい時は、反応制限袋1cを少し揉む等、あるいは外袋11cのみを開状態にする等によって、通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)をより多くの酸素に触れさせ、通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)を意図的に昇温させることができる。特に、外袋11cの開状態の程度を微調整することで、通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)の急激な温度上昇を防ぎつつ、通常の携帯用温熱具(酸化律速発熱体)の昇温の程度を微調整することが可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る反応制限袋2は、図9に示すように、上端に第1開口部を有する外袋11d、及び、外袋11dと同様に上端に第2開口部を有する内袋21dの二重袋構造からなる扁平な可撓性構造をなす。図9に示すように、外袋11dの表裏の両面、すなわち、外袋11dの第1正面シート及び第1正面シートに対向する第1背面シートには複数の酸素供給孔31dが貫通して設けられている。なお、外袋11dの第1背面シートの複数の酸素供給孔は図示を省略している。また同様に図示は省略するが、内袋21dの表裏の両面、すなわち、内袋21dの第2正面シート及び第2正面シートに対向する第2背面シートにも複数の酸素供給孔が貫通して設けられている。
第2実施形態に係る反応制限袋2を構成する外袋11dは、図9に示すように、第1正面シート及び第1背面シートを主部材として、上端に第1開口部を有する第1の袋状をなす。図9においては、第1正面シート及び第1背面シートは共に矩形であり、同一形状であるため、外袋11dは扁平矩形の袋状の可撓性容器である。第1正面シート及び第1背面シートは、それぞれの4辺のうち上辺以外の3辺どうしが互いに接続され、上辺どうしは接続されず、第1開口部として機能している。
図9に示すように、第1正面シート及び第1背面シートそれぞれの上辺の中央付近には、第1接合部(15d1、15d2)が設けられている。第1接合部(15d1、15d2)は、第1正面シート側に接続された矩形の第1正面接合片15d1及び第1背面シート側に接続された矩形の第1背面接合片15d2から構成される。図9等においては、第1正面接合片15d1は第1正面シートの外側のみに固定されているように図示されているが、図9等の図示は一例であって、第1正面シートを挟むようにして固定されていてもよいし、第1正面シートの内側のみに固定されていても、その他であってもよい。また、第1正面接合片15d1の形状は図9等においては矩形の薄片で図示しているが、矩形以外の多角形、円形、楕円形等、どのような形状であっても構わない。固定様式や形状については、第1背面接合片15d2についても同様である。第1接合部(15d1、15d2)は、外袋11dを閉状態から開状態にしやすくするための部材であり、第1正面シート及び第1背面シートとそれぞれ一体となった構造でもよいし、そもそも外袋11dには必ずしも有さなくともよい。
外袋11dには、図9に示すように、第1開口部付近、すなわち、第1正面シート及び第1背面シートのそれぞれの上辺からわずかに下方に、第1開閉具13dが設けられている。図9においては、第1正面シート側の図示しかされていないが、第1背面シート側においても同様の位置に第1開閉具13dが設けられている。すなわち、第1開閉具13dは第1開口部を開閉自在な開閉具である。第1開閉具13dとしては、ジッパー、スライダー付きジッパー等、開閉自在であり、かつ、閉状態の時に第1開口部の擬封止状態が達成できるのであれば種類は問わない。ジッパーは、一方の凸型レール(雄部材)と他方の凹型レール(雌部材)とを手の指等で嵌め合わせることで擬封止状態とすることができるものである。スライダー付きジッパーは、スライダーを横方向の一方へ移動させることで、凸型レールと凹型レールとを嵌め合わせることができるものである。いずれも、閉状態から開状態に移行させるには、凸型レールと凹型レールとの嵌め合わせを解除すればよい。
図9に示す外袋11dの第1正面シートに設けられる複数の酸素供給孔31dの個数は、例えば外袋11dにおいて、第1正面シートの横幅16cm、底辺から第1開閉具13dまでの高さ19.5cmの場合、50~100個程度が好ましく、70~90個がより好ましい。複数の酸素供給孔31dの形状は、多角形でも円形でもどのようなものでもよいが、等価直径Φeff0.1~3mmの孔が好ましく、等価直径Φeff1.6~3.0mmの孔がより好ましい。複数の酸素供給孔31dが円形であると仮定した場合、等価直径Φeffが3.0mmを大きく超えると、その孔における酸素の流出入量が大きくなり過ぎる。第1正面シートの底辺から第1開閉具13dまでの高さまでの部分である「孔設置可能領域」においては、式(1)と同様に定義される酸素濃度20.95%での第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.02~2.5%程度が好ましく、第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.1~1.0%程度が更に好ましい。更には、第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.11~0.83%が好ましい。第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、個数や形状、等価直径Φeff、総面積等の考え方は、第1正面シートの複数の酸素供給孔31dと同様である。
図9に示す複数の酸素供給孔31dについては、図9等に示すように一定ピッチで整列していても整列していなくともよい。ただし、複数の酸素供給孔31dについては、特定箇所に集中して設けられるよりは、孔設置可能領域全体に満遍なく設けられていた方がよい。複数の酸素供給孔31dどうしのピッチは、第1正面シートの臨界開孔面積率η1=0.02~2.5%程度の範囲内であれば、どの程度であってもよい。例えば外袋11dにおいて、第1正面シートの横幅16cm、底辺から第1開閉具13dまでの高さ19.5cm、複数の酸素供給孔31dがいずれも等価直径Φeff1.6mmの場合、複数の酸素供給孔31dどうしのピッチは1.5~3.0cm程度、かつ、複数の酸素供給孔31dは25~90個程度が好ましい。第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、設けられるピッチ等の考え方は、複数の酸素供給孔31dと同様である。なお、第1背面シートに設けられる複数の酸素供給孔の位置は、第1正面シートの複数の酸素供給孔31dの位置と一致させる必要はない。
図9に示す第1正面シート及び第1背面シートの材質及び厚さについては、第1実施形態に係る第1正面シート及び第1背面シートと同様でよい。
図9に示す第2実施形態に係る外袋11dについては、第1正面シート及び第1背面シートの2つの主面を有するが、第1の袋状の可撓性構造については、二方シール袋や三方シール袋、サイドシール袋、ボトムシール袋等のいずれであってもよい。図9に示すように、第2実施形態に係る外袋11dには、底にも側面にもマチは有さないが、底ガゼット袋や横ガゼット袋等のように、底や側面にマチを有するタイプであってもよい。外袋11dが底や側面にマチを有する場合、そのマチ部分にも、複数の酸素供給孔31dと同様に、複数の酸素供給孔を設けてもよい。
第2実施形態に係る反応制限袋2の内袋21dは、図9、図12及び図13に示すように、第2正面シート及び第2背面シートを主部材として、上端に第2開口部を有する第2の袋状をなす。図9においては、第2正面シート及び第2背面シートは共に矩形であり、同一形状であるため、内袋21dは扁平矩形の袋状の可撓性容器である。第2正面シート及び第2背面シートは、それぞれの4辺のうち上辺以外の3辺どうしが互いに接続され、上辺どうしは接続されず、第2開口部として機能している。
内袋21dには、図12及び図13に示すように、第2開口部、すなわち、第2正面シート及び第2背面シートのそれぞれの上辺に第2開閉具を兼ねた第1開閉具13dが設けられている。図12及び図13に示すように、内袋21dの上端は第2開口部となり、第1開閉具13により、外袋11dの開閉に伴って開閉される仕組みである。
図9では図示を省略しているが、内袋21dの第2正面シート及び第2背面シートにおいては、複数の酸素供給孔31dと同様の複数の酸素供給孔が設けられている。例えば、内袋21dにおいて、第2正面シートの横幅11cm、底辺から第2開口部までの高さ19cmの場合、孔設置可能領域は20,900mm2であり、内袋21dの第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔31dの個数は、10~100個が好ましく、15~70個がより好ましい。空気中の酸素濃度20.95%の条件(地表付近)では、式(2)と同様に定義される第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.02~2.5%が好ましく、第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.1~1.2%が更に好ましい。更には、第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.19~1.11%が好ましい。第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔の形状や、等価直径Φeff、総面積等の考え方は、複数の酸素供給孔31dと同様である。第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、個数や形状、等価直径Φeff、総面積等の考え方は、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔と同様である。なお、第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔の位置は、第2正面シートの複数の酸素供給孔の位置と一致させる必要はない。また、内袋21dに設けられた複数の酸素供給孔の位置は、外袋11dに設けられた複数の酸素供給孔31dと含む複数の酸素供給孔の位置とも一致させる必要はない。
第2正面シート及び第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔については、複数の酸素供給孔31dと同様に、一定ピッチで整列していても整列していなくともよいが、特定箇所に集中して設けられるよりは、孔設置可能領域全体に満遍なく設けられていた方がよい。第2正面シート及び第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔については、外袋11dに設けられた複数の酸素供給孔31dを含む複数の酸素供給孔の位置と、必ずしも一致する必要はない。第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔どうしのピッチは、第2正面シートの臨界開孔面積率η2=0.02~2.5%の範囲内であれば、どの程度であってもよい。複数の酸素供給孔31dと同様に、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔どうしのピッチは1.5~3.0cm程度が好ましい。第2背面シートに設けられる複数の酸素供給孔についても、設けられるピッチ等の考え方は、第2正面シートに設けられる複数の酸素供給孔と同様である。
図9に示す第2正面シート及び第2背面シートの材質や厚さは。第1正面シートと同様でもよいし、その他であってもよい。
図9に示す第2実施形態に係る内袋21dについては、第2正面シート及び第2背面シートの2つの主面を有するが、第2の袋状の可撓性構造については、二方シール袋や三方シール袋、サイドシール袋、ボトムシール袋等のいずれであってもよい。図9に示すように、第2実施形態に係る内袋21dには、底にも側面にもマチは有さないが、底ガゼット袋や横ガゼット袋等のように、底や側面にマチを有するタイプであってもよい。内袋21dが底や側面にマチを有する場合、そのマチ部分にも、第2正面シートの複数の酸素供給孔と同様に、複数の酸素供給孔を設けてもよい。
図9に示すように、内袋21dは、外袋11dの内部に配置されている。図9においては、内袋21dの底部から第2開口部までの全体が、外袋11dの内部に収納されている。内袋21dは外袋11dの内部に固定されていた方が好ましい。内袋21dの第2正面シート又は第2背面シートのいずれかが、それぞれに相対する外袋11dの第1正面シート又は第1背面シートの内側に固定されていることが好ましい。また、内袋21dの第2正面シートが外袋11dの第1正面シートに固定されている場合、第2正面シートにおける底辺付近で固定されていてもよい。内部に商品(酸化律速発熱体)を収納した際の安定度の観点では、内袋21dの第2正面シート及び第2背面シートの両方が、それぞれに相対する外袋11dの第1正面シート及び第1背面シートの内側に固定されていてもよい。また、内袋21dの第2正面シート及び第2背面シートの両方が、外袋11dの第1正面シート又は第1背面シートに固定されていてもよい。
外袋11d及び内袋21dが共にマチの無い袋状である場合、孔設置可能面積比A1:A2=3:1~1.4:1程度が好ましく、孔設置可能面積比A1:A2=1.8:1~1.4:1程度がより好ましい。図11に示すように、外袋11d及び内袋21dの垂直方向の中心軸を一致させるように内袋21dを固定する場合、距離d4と外袋11dの横幅との比は1:4~1:10程度が好ましく、距離d5と外袋11dの底辺から第1開閉具13dまでの距離との比は1:3~1:40程度が好ましい。
第2実施形態に係る反応制限袋2は、図10~13等のように、第1実施形態に係る反応制限袋1aと同様に、内袋21dの内部に酸化律速発熱体100を収納して用いる。まず、図13に示すように、外袋11d及び内袋21dを共に開状態にし、内袋21dの空気層である内側蓄熱空間43dに酸化律速発熱体100を入れる。なお、図12及び図13においては、図示の簡便化の都合上、複数の酸素供給孔31dを含む複数の酸素供給孔の図示は省略している。酸化律速発熱体100には市販の携帯用温熱具が例示でき、第1実施形態において説明したものと同様の酸化律速発熱体100を想定している。
次に、図12に示すように、第2開閉具を兼ねた第1開閉具13dを閉じ、外袋11d及び内袋21dを共に閉状態にする。空気層である外側蓄熱空間41d及び内側蓄熱空間43dは、外袋11d及び内袋21dの複数の酸素供給孔以外においては、外部雰囲気との酸素の流出入が遮断された状態となる。第2開閉具を兼ねた第1開閉具13dを閉じる際は、第1接合部(15d1、15d2)をガイドとして用いた方が操作しやすい。第1開閉具13dを閉じる際には、外側蓄熱空間41d及び内側蓄熱空間43dにあえて酸素等の空気を入れ込む必要はない。図12の状態となった第2実施形態に係る反応制限袋2を、人体の所望の部位に直接的に又は衣服等を介して間接的に接して用いる。
第2実施形態に係る反応制限袋2をよる酸化律速発熱体100の使用を終える場合は、酸化律速発熱体100の収納プロセスとは逆に、すなわち、図12から図13までの流れに沿って、使用済みの酸化律速発熱体100を取り出す作業を行う。図12の状態から、外袋11d及び内袋21dが共に開状態となった図13の状態にし、酸化律速発熱体100を取り出せばよい。
第2実施形態に係る反応制限袋2によれば、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、人体の肌に対しては、反応制限袋2の表面温度約30~35℃で、発熱時間48時間以上、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、反応制限袋2の表面温度約35~45℃であれば、発熱時間30~55時間程度、酸化律速発熱体100を有効に用いることができる。また、酸化律速発熱体100が平均温度50~65℃、40℃以上の定格持続時間12~20時間の通常の携帯用温熱具であれば、第2実施形態に係る反応制限袋2の第1孔設置可能領域の面積が400cm2未満、複数の酸素供給孔の等価直径Φeffが1.6~3.0mm、第1正面シートの臨界開孔面積率η1が0.11~0.83%、第2正面シートの臨界開孔面積率η2が0.19~1.11%の場合、第2実施形態に係る反応制限袋2の表面の最高温度は42℃を超えることはなく、使用後2~24時間の平均温度が40℃未満となり、発熱効果は36時間以上持続するため、第2実施形態に係る反応制限袋2を人体の肌に直接接するように使用しても、低温火傷が起こる可能性は極めて低く、人体にとって安全で快適な使用感を得ることができる。
第2実施形態に係る反応制限袋2によれば、内側蓄熱空間43d及び外側蓄熱空間41dの2層の蓄熱空間により、より広い保温面積で酸化律速発熱体100を使用することができる。
第2実施形態に係る反応制限袋2によれば、より高温にして酸化律速発熱体100を用いたい時は、反応制限袋2を少し揉む等することで、酸化律速発熱体100をより多くの酸素に触れさせ、酸化律速発熱体100を意図的に昇温させることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る履物カバー6は、第1及び第2実施形態等で例示した各種の反応制限袋を、更に袋状のポケット(装着袋)に入れて足首を保温する被服である(以下の説明に係る第4実施形態、第4実施形態の変形例、その他の実施形態等においても、単に「各種の反応制限袋」ともいう。)。即ち、第3実施形態に係る履物カバー6は、図14(a)及び(b)に示すように、可撓性のシャフト(筒部分)61及びシャフト61に連続した足袋底65を有するハイシャフトブーツ(長靴)の形状をなしている。図14(a)及び(b)の鳥瞰図には、可撓性のシャフト61の外面が柔らかに波打って撓んでいる様子が表現されている。そして、足首を囲むシャフト61の内壁に、曲面をなすように各種の反応制限袋が収納された装着袋をセットし、履物カバー6の装着袋が足首の周辺を保温することが出来るように設計されている。図14(a)及び(b)には一足のうちの一方しか図示していないが、対称形状の他方の履物カバーと共に、対で使用する。第3実施形態に係る履物カバー6は、シャフト61の後方(かかと側)が開く構造である。一方、装着袋4としては、例えば図15に示すような扁平な構造を用いることができる。図15に示す装着袋4は、装着袋本体67と、その装着袋本体67の上部に接続した、それぞれの上端が環状構造をなす2本の懸架部67a及び67bから構成される。まず、装着袋4の装着袋本体67に携帯用温熱具(酸化律速発熱体)等の商品を収納した各種の反応制限袋を入れる。シャフト61の後方を開くと、可撓性のシャフト61の部分はほぼ水平方向に展開し、シャフト61の内壁が露出するので、ボタン状の装着袋留め具B8及びB9がシャフト61の上面に見えるようになる。このため、反応制限袋を収納した装着袋4を図14(b)に示すボタン状の装着袋留め具B8及びB9によってシャフト61の上部に懸架部67a及び67bを懸架する。そして、室内用のスリッパ等の履物を履いた足を、履物を履いたまま履物カバー6の中に入れ、ボタン状のシャフト留め具B1~B5等の留め具により、開いた後方側をふくらはぎの形状に沿わせるように閉じると、可撓性のシャフト61が立ち上がり、シャフト61が筒状に足首及び足全体を保護する。あるいは、履物を履いた足を入れた後のシャフト61の後方が開いた状態で、装着袋4を装着袋留め具B8及びB9によってシャフト61の上部に懸架してもよい。この場合は、装着袋4がシャフト61の上部に懸架した状態で、シャフト61の後方側をシャフト留め具B1~B5等の留め具により、開いた後方側をふくらはぎの形状に沿わせるように閉じると、可撓性のシャフト61が立ち上がり、シャフト61が筒状に足首及び足全体を保護する。装着袋4がシャフト61の上部から懸架され、各種の反応制限袋がシャフト61の内壁に沿って固定される。図15に示した装着袋4はあくまで例示の構造であり、他の構造の装着袋を使用してもよいことは勿論である。また、装着袋留め具B8及びB9の構造もあくまで例示であり、ボタン状でなくともよい。装着袋留め具B8及びB9の位置は図14(b)に図示した位置に限るものでもなく、シャフト61の内壁の任意の箇所に設置することが可能であり、各種の反応制限袋をシャフト61の内壁の任意の箇所に固定することが可能である。シャフト留め具B1~B5等のシャフト留め具についても、形状はボタン状に限らない。履物カバー6のシャフト61の素材については特に問わないが、保温性の高い繊維であることが好ましい。第3実施形態に係る履物カバー6は、第1実施形態等で例示した各種の反応制限袋と共に、人体の足を保温する被服を構成する。
第3実施形態に係る履物カバー6は、履物を履いた足を履物ごと入れて使用するように設計された被服であるので、室内用のスリッパ(上履き)を履いた足を、スリッパごと入れて室内で使用することができる。しかし、必ずしも履物を履いた状態でなく、履物を履いていない足で使用しても構わない。また、第3実施形態に係る履物カバー6の使用場所は、室内外を問わない。室内用の場合には、足袋底65は布製で構わない。屋外で使用する場合は、足袋底65の材料は地下足袋のような強度の強く4~6mmの厚さの布製若しくは革製が好ましい。あるいは通常の靴底のような、中底、中物、合底、表底等の種々の層からなる多層構造にして、表底を合成ゴム、ラバー(クレープラバー)やポリウレタン等で構成してもよい。
本発明の第3実施形態に係る履物カバー6によれば、携帯用温熱具(酸化律速発熱体)等の商品を収納した第1実施形態等で例示した各種の反応制限袋を固定して用いることで、足を効果的に保温することが可能である。本発明の第3実施形態に係る履物カバー6によれば、装着袋留め具B8及びB9により携帯用温熱具等の酸化律速発熱体の位置が固定されるので、履物カバー6を使用中に歩いて移動する等の運動をしていたとしても、携帯用温熱具等の酸化律速発熱体が履物カバー6の内部で動くことがなく、長時間快適に用いることが可能である。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る胴着7は、各種の反応制限袋を取り付けて用いる胴着であり、図16に示すように、少なくとも一部が袋状をなす後身頃71及び2本のベルト73a、73bを有する。ベルト73a、73bはそれぞれ後身頃71の上部と下部に両端部を接続され、使用の際には両腕(両肩)を通すことができるものであり、形状は問わない。後身頃71は、携帯用温熱具(酸化律速発熱体)等の商品を収納した各種の反応制限袋を入れることができるように、少なくともその一部が袋状をなす構造であり、各種の反応制限袋を入れるための開口部は任意で設けることができる。第4実施形態に係る胴着7は、第1実施形態等で例示した各種の反応制限袋と共に、人体保温用の被服を構成する。
第4実施形態に係る胴着7は、肌着等の被服の上から着用可能であり、また、第4実施形態に係る胴着7を着用した上に、他の被服を着用可能である。
第4実施形態に係る胴着7によれば、携帯用温熱具(酸化律速発熱体)等の商品を収納した各種の反応制限袋を固定して用いることで、上半身、特に背面(背中や腰)を効果的に保温することが可能である。第4実施形態に係る胴着7によれば、酸化律速発熱体を取付が困難な上半身の背面において、容易に酸化律速発熱体を固定することができる。
(第4実施形態の変形例)
本発明の第4実施形態の変形例に係る胴着8は、第4実施形態に係る胴着7と同様に、各種の反応制限袋を取り付けて用いる胴着であり、図17に示すように、少なくとも一部が袋状をなす後身頃81及び2本のベルト83a、83bを有する。ベルト83a、83bはそれぞれ後身頃81の上部と下部に両端部を接続され、使用の際には両腕(両肩)を通すことができるものであり、形状は問わない。後身頃81は、背面の襟ぐりが大きく開いた、全体的にU字型状で、少なくともその一部が袋状をなす。後身頃81は、商品(酸化律速発熱体)を収納した各種の反応制限袋を、少なくともその一部をなす袋状の箇所に入れることができる構造であり、各種の反応制限袋を入れるための開口部は、例えば図17の開口部85のように、任意で設けることができる。第4実施形態の変形例に係る胴着8は、各種の反応制限袋と共に、人体保温用の被服を構成する。
第4実施形態の変形例に係る胴着8は、肌着等の被服の上から着用可能であり、また、第4実施形態に係る胴着7を着用した上に、他の被服を着用可能である。更に、第4実施形態の変形例に係る胴着8は、図17に示す上部を上側としてそのまま着用することも可能であるが、図17に示す下部を上側にして着用することも可能である。
第4実施形態の変形例に係る胴着8によれば、商品(酸化律速発熱体)を収納した各種の反応制限袋を、少なくともその一部に固定して用いることで、上半身、特に背面(背中や腰)を効果的に保温することが可能である。第4実施形態の変形例に係る胴着8によれば、酸化律速発熱体の取付が困難な上半身の背面において、容易に酸化律速発熱体を固定することができる。
第1及び第2実施形態等で説明した各種の反応制限袋の具体的構造及び具体的特性、特に臨界開孔面積率η1及び臨界開孔面積率η2の決定方法について、実施例1~実施例8を用いて以下に説明する。しかし、本発明の趣旨はこれらの実施例1~実施例8の記載内容に限定されるものではない。
本発明の実施例1に係る反応制限袋について、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの4種類用意した(以下、実施例1~3において、便宜的に、Aタイプの反応制限袋を「袋A」、Bタイプの反応制限袋を「袋B」、Cタイプの反応制限袋を「袋C」、Dタイプの反応制限袋を「袋D」ともいう。)。実施例1に係る袋A~Dはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦195mm×横160mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦190mm×横110mmであり、外袋の第1開閉具が内袋の第2開閉具を兼ねた構造である。袋A~Dにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の径(等価直径Φ
eff)、ピッチ(間隔)、個数については、以下の表1の通りである。なお、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。なお、袋A~Dの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm
2)、孔設置可能面積(mm
2)及び臨界開孔面積率(%)は、図34(表2)の通りであった。
室温23.5℃において、携帯用温熱具(アイリスオーヤマ株式会社製、貼らないカイロレギュラーサイズ(125mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例1に係る袋A~Dに収納して横にして静置し、実施例1に係る袋A~Dの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したものを用意した。温度測定はデジタル温度計(株式会社タニタ製、TT-508N)を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例1に係る袋Aについては、図19に示すように、測定開始後3時間で室温から約34℃まで昇温し、その後36.1℃程度を維持しつつ(測定後24時間~36時間の平均温度)、約53時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例1に係る袋Aの最高温度は40.7℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は34.6℃であった。なお、図19は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例1に係る袋Aの表面温度の時間推移(図19における「A+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図19における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図19に示すように、最高温度約57℃まで約2時間で一気に昇温し、少なくとも12時間後までは発熱効果を保っていることが確認できたが、24時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。他方の対照例である「使用済みの携帯用温熱具」及び「使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したもの」については、測定開始から測定終了(約144時間後)まで室温程度を保持していたことが確認できた。
実施例1に係る袋Bについては、図20に示すように、測定開始後3時間で室温から約36.5℃まで昇温し、その後40.6℃程度を維持しつつ(測定後24時間~30時間の平均温度)、約36時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例1に係る袋Bの最高温度は44.5℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.7℃であった。なお、図20は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例1に係る袋Bの表面温度の時間推移(図20における「B+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図20における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例1に係る袋Cについては、図21に示すように、測定開始後3時間で室温から約28℃まで昇温し、その後31.0℃を維持しつつ(測定後24時間~89.5時間の平均温度)、約101時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例1に係る袋Cの最高温度は34.1℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は40.5℃であった。なお、図21は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例1に係る袋Cの表面温度の時間推移(図21における「C+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図21における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例1に係る袋Dについては、図22に示すように、測定開始後3時間で室温から約32℃まで昇温し、その後33.4℃程度を維持しつつ(測定後24時間~60時間の平均温度)、約70時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。なお、実施例1に係る袋Dの最高温度は40.5℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は33.2℃であった。図22は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例1に係る袋Dの表面温度の時間推移(図22における「D+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図22における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例2に係る反応制限袋について、実施例1と同様に、袋A~Dの4つの反応制限袋を用意した。実施例2に係る袋A~Dは、実施例1に係る袋A~Dと同一の形状、大きさ、酸素供給孔(細孔)の径(等価直径Φeff)・ピッチ・個数を有するものであった。
室温23.3℃において、携帯用温熱具(アイリスオーヤマ株式会社製、貼らないカイロレギュラーサイズ(125mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例2に係る袋A~Dを収納して横にして静置し、実施例2に係る袋A~Dの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したものを用意した。温度測定はデジタル温度計(株式会社タニタ製、TT-508N)を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例2に係る袋Aについては、図23に示すように、測定開始後3時間で室温から約38℃まで昇温し、その後37.6℃程度を維持しつつ(測定後約22時間~36.5時間の平均温度)、約55時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。なお、図23は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例2に係る袋Aの表面温度の時間推移(図23における「A+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図23における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図23に示すように、最高温度約57℃まで約3時間で一気に昇温し、少なくとも12時間後までは発熱効果を保っていることが確認できたが、24時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。他方の対照例である「使用済みの携帯用温熱具」及び「使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したもの」については、測定開始から測定終了(約66時間後)まで室温程度を保持していたことが確認できた。
実施例2に係る袋Bについては、図24に示すように、測定開始後3時間で室温から約40℃まで昇温し、その後41.5℃程度を維持しつつ(測定後約22時間~24時間の平均温度)、約38時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。なお、図24は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例2に係る袋Bの表面温度の時間推移(図24における「B+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図24における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例2に係る袋Cについては、図25に示すように、測定開始後3時間で室温から約29℃まで昇温し、その後30.5℃程度を維持しつつ(測定後約22時間~65.5時間の平均温度)、測定終了の約66時間後となっても、平均31℃程度を維持し続けており、発熱効果は消失していなかった。なお、図25は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例2に係る袋Cの表面温度の時間推移(図25における「C+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図25における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例2に係る袋Dについては、図26に示すように、測定開始後3時間で室温から約32℃まで昇温し、その後34℃程度を維持しつつ(測定後約22時間~58.5時間の平均温度)、約66時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温した。なお、図26は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例2に係る袋Dの表面温度の時間推移(図26における「D+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図26における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例3に係る反応制限袋について、実施例1と同様に、袋A~Dの4つの反応制限袋を用意した。実施例3に係る袋A~Dは、実施例1に係る袋A~Dと同一の形状、大きさ、酸素供給孔の径(等価直径Φeff)・ピッチ・個数を有するものであった。
室温23.4℃において、携帯用温熱具(アイリスオーヤマ株式会社製、貼らないカイロレギュラーサイズ(125mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例3に係る袋A~Dを収納して横にして静置し、実施例3に係る袋A~Dの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具、使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したものを用意した。温度測定はデジタル温度計(株式会社タニタ製、TT-508N)を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例3に係る袋Aについては、図27に示すように、測定開始後3時間で室温から約38℃まで昇温し、その後38.2℃程度を維持しつつ(測定後10時間~36時間の平均温度)、約47.5時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。なお、図27は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例3に係る袋Aの表面温度の時間推移(図27における「A+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図27における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図27に示すように、最高温度約56.5℃まで約3時間で一気に昇温し、少なくとも12時間後までは発熱効果を保っていることが確認できたが、22時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。他方の対照例である「使用済みの携帯用温熱具」及び「使用済みの携帯用温熱具を袋Aと同タイプの反応制限袋に収納したもの」については、測定開始から測定終了(約48時間後)まで室温程度を保持していたことが確認できた。
実施例3に係る袋Bについては、図28に示すように、測定開始後3時間で室温から約44℃まで昇温し、その後42.3℃程度を維持しつつ(測定後10時間~26時間の平均温度)、約32時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。なお、図28は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例3に係る袋Bの表面温度の時間推移(図28における「B+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図28における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例3に係る袋Cについては、図29に示すように、測定開始後3時間で室温から約30℃まで昇温し、その後30.2℃程度を維持しつつ(測定後10時間~48時間の平均温度)、測定終了の約48時間後となっても、平均30℃程度を維持し続けており、発熱効果は消失していなかった。なお、図29は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例3に係る袋Cの表面温度の時間推移(図29における「C+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図29における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例3に係る袋Dについては、図30に示すように、測定開始後3時間で室温から約32℃まで昇温し、その後33.0℃程度を維持しつつ(測定後10時間~48時間の平均温度)、測定終了の約48時間後となっても、平均33℃程度を維持し続けており、発熱効果は消失していなかった。なお、図30は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例3に係る袋Dの表面温度の時間推移(図30における「D+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図30における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例4に係る反応制限袋について、Eタイプ、Fタイプ、Gタイプ、Hタイプの4種類用意した(以下、実施例4において、便宜的に、Eタイプの反応制限袋を「袋E」、Fタイプの反応制限袋を「袋F」、Gタイプの反応制限袋を「袋G」、Hタイプの反応制限袋を「袋H」ともいう。)。実施例4に係る袋E~Hはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦200mm×横170mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦165mm×横120mmであり、外袋の第1開閉具と内袋の第2開閉具は独立別個に設けられており、内袋は、外袋の内部において、内袋の下部付近で外袋に固定されている。袋E~Hにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の等価直径Φeff、個数については図34(表2)の通りである。また、袋E~Hの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm2)、孔設置可能面積(mm2)及び臨界開孔面積率(%)についても、図34(表2)の通りであった。なお、袋E~Hのいずれにおいても、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。袋E~Hにおける外袋に設けられた細孔は、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eと同様に縦横等間隔で整列させ、細孔のピッチ(間隔)を示すd6及びd7は共に1.5cmであった。袋E~Hにおける内袋に設けられた細孔は、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eと同様に縦横等間隔で整列させ、細孔のピッチ(間隔)を示すd8及びd9は共に1.5cmであった。
室温22.5℃において、携帯用温熱具(アイリスオーヤマ株式会社製、貼らないカイロレギュラーサイズ(125mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例4に係る袋E~Hに収納して横にして静置し実施例4に係る袋E~Hの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具を用意した。温度測定は非接触型温度計を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例4に係る袋Eについては、図35に示すように、測定開始後4時間で室温から約34℃まで昇温し、その後32.9℃程度を維持しつつ(測定後4時間~35時間の平均温度)、約55時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例4に係る袋Eの最高温度は34.4℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は33.3℃であった。なお、図35は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例4に係る袋Eの表面温度の時間推移(図35における「E+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図35における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図35に示すように、最高温度約62℃まで約8時間で一気に昇温し、約21時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。
実施例4に係る袋Fについては、図36に示すように、測定開始後4時間で室温から約38.6℃まで昇温し、その後38.2℃程度を維持しつつ(測定後4時間~18時間の平均温度)、約42時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例4に係る袋Fの最高温度は39.7℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.3℃であった。なお、図36は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例4に係る袋Fの表面温度の時間推移(図36における「F+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図36における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例4に係る袋Gについては、図37に示すように、測定開始後4時間で室温から約38.6℃まで昇温し、その後38.0℃程度を維持しつつ(測定後4時間~20時間の平均温度)、約35時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例4に係る袋Gの最高温度は39.0℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.5℃であった。なお、図37は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例4に係る袋Gの表面温度の時間推移(図37における「G+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図37における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例4に係る袋Hについては、図38に示すように、測定開始後4時間で室温から約43.5℃まで昇温し、その後41.8℃程度を維持しつつ(測定後2時間~15時間の平均温度)、約33時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例4に係る袋Hの最高温度は43.5℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は39.7℃であった。なお、図38は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例4に係る袋Hの表面温度の時間推移(図38における「H+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図38における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例5に係る反応制限袋について、Iタイプ、Jタイプ、Kタイプ、Lタイプ、Mタイプの5種類用意した(以下、実施例5において、便宜的に、Iタイプの反応制限袋を「袋I」、Jタイプの反応制限袋を「袋J」、Kタイプの反応制限袋を「袋K」、Lタイプの反応制限袋を「袋L」、Mタイプの反応制限袋を「袋M」ともいう。)。実施例5に係る袋I~Mはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦200mm×横170mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦165mm×横120mmであり、外袋の第1開閉具と内袋の第2開閉具は独立別個に設けられており、内袋は、外袋の内部において、内袋の下部付近で外袋に固定されている。袋I~Mにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の等価直径Φeff、個数については図34(表2)の通りである。また、袋I~Mの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm2)、孔設置可能面積(mm2)及び臨界開孔面積率(%)についても、図34(表2)の通りであった。なお、袋I~Mのいずれにおいても、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。
袋Iにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は1.5cm、d7は1.0cmであった。袋Iにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は1.0cm、d9は1.0cmであった。袋Jにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は1.5cm、d7は2.0cmであった。袋Jにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は1.0cm、d9は2.0cmであった。袋Kにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は1.0cm、d7は3.0cmであった。袋Kにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は0.6cm、d9は3.0cmであった。袋Lにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は0.6cm、d7は4.0cmであった。袋Lにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は0.6cm、d9は4.0cmであった。袋Mにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は0.6cm、d7は5.0cmであった。袋Mにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は0.6cm、d9は5.0cmであった。
室温24.1℃において、携帯用温熱具(株式会社ロッテ製、貼るロッテホカロン(130mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例5に係る袋I~Mに収納して横にして静置し実施例5に係る袋I~Mの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具を用意した。温度測定は非接触型温度計を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例5に係る袋Iについては、図39に示すように、測定開始後4時間で室温から約36.2℃まで昇温し、その後37.2℃程度を維持しつつ(測定後2時間~30時間の平均温度)、約48時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例5に係る袋Iの最高温度は38.2℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.2℃であった。なお、図39は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例5に係る袋Iの表面温度の時間推移(図39における「I+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図39における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図39に示すように、最高温度約62℃まで約8時間で一気に昇温し、約21時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。
実施例5に係る袋Jについては、図40に示すように、測定開始後4時間で室温から約36.5℃まで昇温し、その後35.8℃程度を維持しつつ(測定後2時間~31時間の平均温度)、約48時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例5に係る袋Jの最高温度は37.1℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は36.1℃であった。なお、図40は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例5に係る袋Jの表面温度の時間推移(図40における「J+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図40における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例5に係る袋Kについては、図41に示すように、測定開始後4時間で室温から約35.6℃まで昇温し、その後35.7℃程度を維持しつつ(測定後2時間~31時間の平均温度)、約48時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例5に係る袋Kの最高温度は37.0℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は36.0℃であった。なお、図41は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例5に係る袋Kの表面温度の時間推移(図41における「K+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図41における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例5に係る袋Lについては、図42に示すように、測定開始後4時間で室温から約37.5℃まで昇温し、その後37.3℃程度を維持しつつ(測定後2時間~21時間の平均温度)、約48時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例5に係る袋Lの最高温度は38.6℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.0℃であった。なお、図42は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例5に係る袋Lの表面温度の時間推移(図42における「L+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図42における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例5に係る袋Mについては、図43に示すように、測定開始後4時間で室温から約37.4℃まで昇温し、その後37.1℃程度を維持しつつ(測定後2時間~28時間の平均温度)、約48時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例5に係る袋Mの最高温度は38.8℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は37.1℃であった。なお、図43は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例5に係る袋Mの表面温度の時間推移(図43における「M+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図43における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例6に係る反応制限袋について、Nタイプ、Oタイプ、Pタイプ、Qタイプの4種類用意した(以下、実施例6において、便宜的に、Nタイプの反応制限袋を「袋N」、Oタイプの反応制限袋を「袋O」、Pタイプの反応制限袋を「袋P」、Qタイプの反応制限袋を「袋Q」ともいう。)。実施例6に係る袋N~Qはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦200mm×横170mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦165mm×横120mmであり、外袋の第1開閉具と内袋の第2開閉具は独立別個に設けられており、内袋は、外袋の内部において、内袋の下部付近で外袋に固定されている。袋N~Qにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の等価直径Φeff、個数については図34(表2)の通りである。また、袋N~Qの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm2)、孔設置可能面積(mm2)及び臨界開孔面積率(%)についても、図34(表2)の通りであった。なお、袋N~Qのいずれにおいても、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。
袋Nにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は1.0cm、d7は1.0cmであった。袋Nにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は1.0cm、d9は1.0cmであった。袋Oにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は2.0cm、d7は2.0cmであった。袋Oにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は2.0cm、d9は2.0cmであった。袋Pにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は3.0cm、d7は3.0cmであった。袋Pにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は3.0cm、d9は3.0cmであった。袋Qにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は4.0cm、d7は4.0cmであった。袋Qにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は4.0cm、d9は4.0cmであった。
室温23.6℃において、携帯用温熱具(株式会社ロッテ製、貼るロッテホカロン(130mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例6に係る袋N~Qに収納して横にして静置し実施例6に係る袋N~Qの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具を用意した。温度測定は非接触型温度計を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例6に係る袋Nについては、図44に示すように、測定開始後4時間で室温から約42.6℃まで昇温し、その後42.4℃程度を維持しつつ(測定後4時間~11時間の平均温度)、約42時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例6に係る袋Nの最高温度は43.3℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は40.3℃であった。なお、図44は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例6に係る袋Nの表面温度の時間推移(図44における「N+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図44における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図44に示すように、最高温度約62℃まで約8時間で一気に昇温し、約21時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。
実施例6に係る袋Oについては、図45に示すように、測定開始後4時間で室温から約34.8℃まで昇温し、その後34.1℃程度を維持しつつ(測定後4時間~35時間の平均温度)、約59時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例6に係る袋Oの最高温度は35.3℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は34.4℃であった。なお、図45は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例6に係る袋Oの表面温度の時間推移(図45における「O+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図45における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例6に係る袋Pについては、図46に示すように、測定開始後4時間で室温から約29.1℃まで昇温し、その後29.0℃程度を維持しつつ(測定後4時間~81時間の平均温度)、約116時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例6に係る袋Pの最高温度は30.2℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は29.1℃であった。なお、図46は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例6に係る袋Pの表面温度の時間推移(図46における「P+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図46における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例6に係る袋Qについては、図47に示すように、測定開始後4時間で室温から約27.9℃まで昇温し、その後28.4℃程度を維持しつつ(測定後4時間~107時間の平均温度)、約155時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例6に係る袋Qの最高温度は29.9℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は28.1℃であった。なお、図47は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例6に係る袋Qの表面温度の時間推移(図47における「Q+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図47における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例7に係る反応制限袋について、Rタイプ、Sタイプの2種類用意した(以下、実施例7において、便宜的に、Rタイプの反応制限袋を「袋R」、Sタイプの反応制限袋を「袋S」ともいう。)。実施例7に係る袋R及び袋Sはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦200mm×横170mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦165mm×横120mmであり、外袋の第1開閉具と内袋の第2開閉具は独立別個に設けられており、内袋は、外袋の内部において、内袋の下部付近で外袋に固定されている。袋R及び袋Sにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の等価直径Φeff、個数については図34(表2)の通りである。また、袋R及び袋Sの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm2)、孔設置可能面積(mm2)及び臨界開孔面積率(%)についても、図34(表2)の通りであった。なお、袋R及び袋Sのいずれにおいても、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。
袋Rにおける外袋に設けられた細孔については、図32(a)に示すように、外袋11fの孔設置可能領域内の四隅に片寄るように設けた。外袋11fの孔設置可能領域内の四隅においてはそれぞれ、d10=d11となる二等辺三角形状の領域Aを設け、その領域A内に細孔を設けた。図32(a)における左上及び右下の領域Aにはそれぞれ、細孔を23個設け、図32(a)における左下及び右上の領域Aにはそれぞれ、細孔を22個設けた。二等辺三角形状の領域Aのd10、d11はそれぞれ5.0cmであった。袋Rにおける内袋に設けられた細孔については、図32(b)に示すように、内袋21fの孔設置可能領域内の四隅に片寄るように設けた。内袋21fの孔設置可能領域内の四隅においてはそれぞれ、d12=d13となる二等辺三角形状の領域Bを設け、その領域B内に細孔を設けた。図32(b)における左上及び右下の領域Bにはそれぞれ、細孔を18個設け、図32(b)における左下及び右上の領域Bにはそれぞれ、細孔を17個設けた。二等辺三角形状の領域Bのd12、d13はそれぞれ5.0cmであった。袋Sにおける外袋に設けられた細孔については、袋Rにおける外袋に設けられた細孔と同様に、図32(a)に示すように、外袋11fの孔設置可能領域内の四隅に片寄るように設けた。外袋11fの孔設置可能領域内の四隅においてはそれぞれ、d10=d11となる二等辺三角形状の領域Aを設け、その領域A内に細孔を設けた。図32(a)における左上及び右下の領域Aにはそれぞれ、細孔を23個設け、図32(a)における左下及び右上の領域Aにはそれぞれ、細孔を22個設けた。二等辺三角形状の領域Aのd10、d11はそれぞれ5.0cmであった。袋Sにおける内袋に設けられた細孔については、袋Fにおける内袋に設けられた細孔と同様に、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eと同様に縦横等間隔で整列させ、細孔のピッチ(間隔)を示すd8及びd9は共に1.5cmであった。
室温23.6℃において、携帯用温熱具(株式会社ロッテ製、貼るロッテホカロン(130mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例7に係る袋R及び袋Sに収納して横にして静置し実施例7に係る袋R及び袋Sの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具を用意した。温度測定は非接触型温度計を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例7に係る袋Rについては、図48に示すように、測定開始後4時間で室温から約30.3℃まで昇温し、その後30.1℃程度を維持しつつ(測定後4時間~83時間の平均温度)、約114時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例7に係る袋Rの最高温度は31.5℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は30.2℃であった。なお、図48は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例7に係る袋Rの表面温度の時間推移(図48における「R+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図48における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図48に示すように、最高温度約62℃まで約8時間で一気に昇温し、約21時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。
実施例7に係る袋Sについては、図49に示すように、測定開始後4時間で室温から約31.4℃まで昇温し、その後31.1℃程度を維持しつつ(測定後4時間~77時間の平均温度)、約114時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例7に係る袋Sの最高温度は32.3℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は31.6℃であった。なお、図49は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例7に係る袋Sの表面温度の時間推移(図49における「S+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図49における「カイロのみ」)を表すグラフである。
本発明の実施例8に係る反応制限袋について、Tタイプ、Uタイプ、Wタイプの3種類用意した(以下、実施例8において、便宜的に、Tタイプの反応制限袋を「袋T」、Uタイプの反応制限袋を「袋U」、Wタイプの反応制限袋を「袋W」ともいう。)。実施例8に係る袋T~Wはいずれも、外袋の第1正面シートの孔設置可能領域は縦200mm×横170mmであり、内袋の第2正面シートの孔設置可能領域は縦165mm×横120mmであり、外袋の第1開閉具と内袋の第2開閉具は独立別個に設けられており、内袋は、外袋の内部において、内袋の下部付近で外袋に固定されている。ただし、袋Tにおいては外袋のみであり、袋Uにおいては内袋のみを有するものであった。袋T~Wにおけるそれぞれの酸素供給孔を意味する「細孔」の等価直径Φeff、個数については図34(表2)の通りである。また、袋T~Wの外袋及び内袋の、細孔の総面積(mm2)、孔設置可能面積(mm2)及び臨界開孔面積率(%)についても、図34(表2)の通りであった。なお、袋T~Wのいずれにおいても、第1背面シートにも第1正面シートと同様に細孔を設け、第2背面シートにも第2正面シートと同様に細孔を設けた。
袋Tにおける外袋については、実施例4に係る袋Fと同様の外袋を用いた。また、袋Uにおける内袋については、実施例4に係る袋Fと同様の内袋を用いた。袋Wにおける外袋に設けられた細孔については、図31(a)に示す外袋11eの複数の細孔31eのピッチ(間隔)を示すd6は1.5cm、d7は0.7cmであり、図31(a)の紙面に向かって中心から左寄りに片寄るように設けられた。即ち、袋Wの外袋の左半分に細孔が集中し、右半分には細孔が設けられていない。袋Wにおける内袋に設けられた細孔については、図31(b)に示す内袋21eの複数の細孔32eのピッチ(間隔)を示すd8は1.5cm、d9は0.7cmであり、図31(b)の紙面に向かって中心から左寄りに片寄るように設けられた。即ち、袋Wの内袋の左半分に細孔が集中し、右半分には細孔が設けられていない。
室温22.5℃において、携帯用温熱具(アイリスオーヤマ株式会社製、貼らないカイロレギュラーサイズ(125mm×95mm))の封を開け、使用状態となった携帯用温熱具1枚をそれぞれ実施例8に係る袋T~Wに収納して横にして静置し、実施例8に係る袋T~Wの表面温度を測定した。対照例として、封を開けた携帯用温熱具を用意した。温度測定は非接触型温度計を用いて、サンプルを静置した後直ちに開始した。
実施例8に係る袋Tについては、図50に示すように、測定開始後4時間で室温から約43.6℃まで昇温し、その後43.0℃程度を維持しつつ(測定後4時間~15時間の平均温度)、約33時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例8に係る袋Tの最高温度は43.6℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は39.8℃であった。なお、図50は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例8に係る袋Tの表面温度の時間推移(図50における「T+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図50における「カイロのみ」)を表すグラフである。一方の対照例である「封を開けた携帯用温熱具」については、図50に示すように、最高温度約62℃まで約8時間で一気に昇温し、約21時間後には室温程度まで降温しており、その後昇温は確認できなかった。
実施例8に係る袋Uについては、図51に示すように、測定開始後4時間で室温から約47.7℃まで昇温し、その後47.1℃程度を維持しつつ(測定後4時間~15時間の平均温度)、約31時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例8に係る袋Uの最高温度は47.7℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は44.5℃であった。なお、図51は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例8に係る袋Uの表面温度の時間推移(図51における「U+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図51における「カイロのみ」)を表すグラフである。
実施例8に係る袋Wについては、図52に示すように、測定開始後4時間で室温から約31.9℃まで昇温し、その後31.0℃程度を維持しつつ(測定後4時間~26時間の平均温度)、約46時間後には発熱効果を消失し、室温程度まで降温し、その後昇温することはなかった。実施例8に係る袋Wの最高温度は32.5℃であり、測定後2時間~24時間の平均温度は31.2℃であった。なお、図52は、使用状態となった携帯用温熱具を収納した実施例8に係る袋Wの表面温度の時間推移(図52における「W+カイロ」)と、封を開けて使用状態となった携帯用温熱具自体の表面温度の時間推移(図52における「カイロのみ」)を表すグラフである。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、各種の反応制限袋は、商品(酸化律速発熱体)を収納した上で、図18に示すような胴当て9に入れて使用することも可能である。図18に示すように、胴当て9は、袋状のポーチ部93と、ポーチ部93の上部に連結したベルト95と、ベルト95の両端に固定されたボタン97a及び紐97bを有する。ポーチ部93には開口部があり、その開口部を介して商品(酸化律速発熱体)を収納した各種の反応制限袋を入れ、ベルト95を腰等の人体の任意の箇所に巻付け、紐97bをボタン97aにかけるようにして、胴当て9を人体に固定して用いる。各種の反応制限袋のみでは人体の任意の箇所への固定が難しいが、図18に示すような胴当て9を用いることで、長時間快適に各種の反応制限袋を人体に固定することができ、酸化律速発熱体の保温効果を得ることができる。
また、各種の反応制限袋の複数の酸素供給孔(細孔)の縁は、図33に示すように、外袋及び内袋に対して外側に凸である形状を採用することができる。複数の酸素供給孔の縁が外袋及び内袋に対して外側に凸であることで、人体に使用する際に、衣服に引っかかりやすくなり、各種の反応制限袋の脱落を防止し、快適な使用感を更に得ることが可能となる。複数の酸素供給孔の縁が外袋及び内袋に対して外側に凸である形状には、図33に示すような酸素供給孔の周縁すべてが外袋及び内袋に対して外側に凸である形状に限らず、縁の一部が外袋及び内袋に対して外側に凸である形状も含むものである。複数の酸素供給孔の縁の一部に切れ込みを有し、その切れ込み周辺の縁の一部が外袋及び内袋に対して外側に凸であってもよい。複数の酸素供給孔(細孔)の縁が外袋及び内袋に対して外側に凸である場合、その凸部分の高さは0.1~1.5mm程度が好ましく、0.1~0.5mm程度がより好ましい。外側に凸の縁を有する複数の酸素供給孔(細孔)の個数については、複数の酸素供給孔(細孔)全体に対しての割合は問わないが、全体の5~100%であることが好ましく、衣服へ引っかかりやすくするためには全体の30~100%であることが好ましい。外側に凸の縁を有する複数の酸素供給孔(細孔)は、外袋の第1正面シート又は第1背面シートのいずれかのみに設けられていてもよい。外側に凸の縁を有する複数の酸素供給孔(細孔)は、内袋には設けられていなくともよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。