JP7560311B2 - 発泡性複合樹脂粒子、発泡粒子 - Google Patents
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Description
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が50:50~5:95であり、
上記発泡性複合樹脂粒子中の上記発泡剤の含有量が3~10質量%であり、
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、角周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、発泡性複合樹脂粒子にある。
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が質量比で50:50~5:95であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、複合樹脂発泡粒子にある。
複合樹脂は、重合済みのエチレン系樹脂と重合済みのスチレン系樹脂とを溶融混練してなる混合樹脂とは異なる概念である。尚、本明細書では、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体を、スチレン系単量体と称する。スチレン系単量体としては、スチレンを単独で用いてもよいし、スチレンと共重合可能なモノマーとスチレンとを併用してもよい。スチレン系単量体については、後述する。
少量の添加でも優れた難燃性を成形体に付与しやすい観点から、臭素化ビスフェノール系難燃剤の中でも、2,3-ジブロモ-2-メチルプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤及び/又は2,3-ジブロモプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤を用いることが好ましく、2,2-ビス(4-(2、3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンを用いることがさらに好ましい。
臭素系難燃剤の50%分解温度は、示差熱重量同時測定装置(TG/DTA)により測定することができる。具体的には、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:40℃から500℃、窒素雰囲気下、サンプルパンの材質:Pt、サンプル質量:50mgという測定条件にて、示差熱減量曲線を測定し、該示差熱減量曲線において重量が50%減少したときの温度をもって50%分解温度とすることができる。
通常、成形体を燃焼させると、成形体の燃焼部付近は高温となるため、燃焼部付近の樹脂が溶融する。この際、複素せん断粘度が低すぎる場合には、溶融した樹脂の流動性が高いため、溶融した樹脂は、早期に成形体から脱落し、成形体の燃焼が継続しやすい。一方で、複素せん断粘度が上記範囲内である場合には、溶融した樹脂の流動性が比較的低いため、溶融した樹脂は、成形体の燃焼部付近に留まりやすくなる。これにより、燃焼部付近は、臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む溶融した樹脂により形成された被覆層によって、被覆された状態となりやすい。このような臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む被覆層が形成されると、燃焼部付近が火炎から遮られるため、燃焼部付近において、酸素が効果的に遮断されると共に、樹脂の熱分解が抑制され、可燃性ガスの発生量が低下するものと考えられる。その結果、複合樹脂に配合された臭素化ビスフェノール系難燃剤の効果と相まって成形体が燃えにくくなり、優れた難燃性を成形体に付与できるものと考えられる。
上記のように、複合樹脂が難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を含み、複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~5000Pa・sである場合には、発泡性粒子が優れた発泡性を維持しながら、成形体が自動車内装材用の燃焼試験規格であるFMVSS302に適合する程度の高い難燃性が安定して発現される。
また、難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を含まない場合、例えば、難燃剤として、特許文献1に記載されているような、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を核粒子に配合して用いた場合には、複素せん断粘度ηが上記範囲内であっても、発泡倍率や発泡剤組成等によっては、高い難燃性を安定して発現させることが困難となるおそれがある。また、所望とする難燃性を得るために、例えば難燃剤を多量に添加する必要が生じること等により、発泡粒子の型内成形性や成形体の曲げ物性が低下するおそれがある。難燃性を安定して高めることができるという観点から、臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは600Pa・s以上であることが好ましく、800Pa・s以上であることがより好ましく、900Pa・s以上であることがさらに好ましく、1000Pa・s以上であることが特に好ましい。また、発泡性粒子の発泡性や発泡粒子の型内成形性をより安定して高めることができるという観点から、上記複素せん断粘度ηは4000Pa・s以下であることが好ましく、3000Pa・s以下であることがより好ましく、2500Pa・s以下であることがさらに好ましく、2000Pa・s以下であることがさらに好ましく、1800Pa・s以下であることが特に好ましい。
難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは、発泡性粒子、発泡粒子あるいは発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体を用いて所定形状の測定サンプルを作製し、これに対して粘弾性測定装置による所定の分析を行うことで測定することができる。測定サンプルは、例えば、発泡剤を逸散させた発泡性粒子や、必要に応じて脱泡処理をした、発泡粒子あるいは型内成形体に対して、熱プレス成形を行うことで作製することができる。
なお、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体のいずれかを用いて測定サンプルを作製した場合、これら測定サンプル間では、同等の値の複素せん断粘度ηが測定される。
なお、難燃剤として、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を実質的に含まないことが好ましい。より具体的には、難燃剤中の、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体の含有割合が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。なお、難燃剤として、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を含まないことが特に好ましい。
なお、10時間半減期温度とは、有機過酸化物等のラジカル発生剤を不活性溶媒中に仕込み、ラジカル発生剤の仕込み量の50%が10時間で熱分解する温度と定義される。10時間半減期温度としては、有機過酸化物等のラジカル発生剤の製造会社が発行するカタログや技術資料に記載された10時間半減期温度の値を利用することができる。
また、同様の観点から、難燃助剤の配合量は、複合樹脂100質量部に対して0.1~1質量部であることが好ましく、0.2~0.5質量部であることがより好ましく、0.3~0.4質量部であることがさらに好ましい。
分散工程においては、エチレン系樹脂から構成された核粒子を、水性媒体中に分散させて分散液を得る。水性媒体中には、例えば懸濁剤、界面活性剤、水溶性重合禁止剤等を添加することができる。核粒子に用いるエチレン系樹脂としては、前述の通りである。
また、核粒子の粒子重量は0.5mg/個以下であることが好ましく、0.4mg/個以下であることがより好ましく、0.3mg/個以下であることがさらに好ましい。この場合には、核粒子へのスチレン系単量体の含浸量が多くなっても、核粒子の内部までスチレン系単量体が十分に含浸しやすくなると共に、粒子間で含浸にむらが生じにくくなり、所望とする発泡性粒子が安定して得られやすくなる。また、核粒子の粒子重量は好ましくは0.01mg/個以上であることが好ましく、0.05mg/個以上であることがより好ましく、0.1mg/個以上であることがさらに好ましい。この場合には、重合時の凝結を安定して抑制することができる。
スチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、上記した方法により測定することができる。
[核粒子の作製]
エチレン系樹脂として、メタロセン重合触媒を用いて重合してなる直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロンZ HF210K)を準備した。直鎖状低密度ポリエチレンのことを、以下適宜「LLDPE」という。このLLDPEの融点Tmは、103℃である。また、分散径拡大剤として、アクリロニトリル-スチレン共重合体(デンカ株式会社製AS-XGS、重量平均分子量:10.9万、アクリロニトリル成分量:28質量%、MFR(200℃、5kgf):2.8g/10min)を準備した。さらに、酸化防止剤のマスターバッチ(東邦株式会社製TMB113、直鎖状低密度ポリエチレン:90質量%、リン系安定剤:6.5質量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:3.5質量%)を準備した。さらに、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリル酸アマイド(花王株式会社製カオーワックス EB―FF)と、滑剤としての12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日東化成工業株式会社製ZS-6)の混合マスターバッチ(エチレンビスステアリル酸アマイド:10質量%、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛:3質量%、直鎖状低密度ポリエチレン:87質量%)を準備した。
そして、エチレン系樹脂87.7kgと、分散径拡大剤のアクリロニトリル-スチレン共重合体4.7kgと、酸化防止剤のマスターバッチ0.9kgと、気泡調整剤と滑剤の混合マスターバッチ6.7kgをヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製FM-75E)に投入し、5分間混合した。
次いで、バレル内径50mmの単軸押出機(IKG株式会社製PMS50-28)を用いて、上記の混合物をバレル温度220~250℃で溶融混練し、水中カット方式により粒子状に切断し、平均0.2mg/個の核粒子を得た。
撹拌装置の付いた内容積3Lのオートクレーブに、脱イオン水1000g、ピロリン酸ナトリウム6.0gを投入した。その後、硝酸マグネシウム・6水和物12.9gを加え、室温で30分間撹拌し、懸濁剤としてのピロリン酸マグネシウムスラリーを作製した。次に、オートクレーブ内に界面活性剤としてのアルキルスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製ラテムルPS10%水溶液)2g、水溶性重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.15g、及び核粒子75gを投入した。
撹拌装置の付いた内容積3Lのオートクレーブに、脱イオン水1030gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を1.03g、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム(花王株式会社製ペレックスSSH 1%水溶液)を1.03g、上記で製造した複合樹脂粒子を670g投入し、撹拌速度400rpmで撹拌した。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素にて置換した後、昇温を開始し、1時間かけてオートクレーブ内の温度を130℃まで昇温し、そのまま130℃で5時間保持した。この間、オートクレーブのベントラインを微開し、内圧を0.12MPa(ゲージ圧)に維持し、複合樹脂粒子に含まれるスチレン系単量体などの揮発性有機化合物(VOC)成分を、水蒸気蒸留により留出させた。5時間保持した後、オートクレーブ内の温度を90℃まで冷却した。90℃到達時に、ベントラインを閉止してオートクレーブを密閉し、発泡剤として、ペンタン(ノルマルペンタン約80質量%、イソペンタン約20質量%の混合物)10.0g、及びイソブタン65.0gを約20分かけオートクレーブ内に添加した(発泡剤含浸工程)。そのまま90℃で3時間保持し、さらに、105℃まで1時間かけて昇温し、そのまま105℃で5時間保持した後、30℃まで約2.5時間かけて冷却した。
T:10時間半減期温度
R-SM:発泡性粒子中に残存する未反応のスチレンモノマー量
BE:t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート
HZ:t-ヘキシルパーオキシベンゾエート
SR130:2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン
FCP-65CN:ビス[3,5-ジブロモ-4-(2,3-ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン
BC:2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン
E3000:臭素化スチレン-ブタジエン共重合体
発泡性粒子の平均粒子径(d63)は、乾式粒度分布測定装置(日機装社製ミリトラックJPA)を用いて、最小粒径からの重量累積粒径値が63%に達するときの粒径値(d63)を算出した。
発泡性粒子約1gをアルミ皿に入れ、乾燥機にて120℃で4時間加熱し、揮発分(水分と発泡剤を含む)を蒸発させた。加熱前後の重量差から発泡性粒子の揮発分量を求めた。
次に、発泡性粒子約0.3gを計量し、カールフィッシャー水分計を用いて発泡性粒子の水分量を求めた。
発泡性粒子の発泡剤含有量は、下記の式にて算出した。
発泡剤含有量(%)=揮発分量(%)-水分量(%)
150メッシュの金網袋中に発泡粒子0.5gを入れた。次いで、容量200mlの丸底フラスコに約95mlのキシレンを入れ、ソックスレー抽出管に上記金網袋をセットし、ソックスレー抽出を行った。抽出終了後、室温まで冷却させ、抽出管から金網を取り出し、約400mlのアセトンにより金網ごとキシレン不溶分を洗浄した。風乾後、温度120℃の乾燥機内でキシレン不溶分を4時間乾燥させた。発泡粒子0.5gに対するキシレン不溶分量(質量)の割合を百分率で表し、キシレン不溶分の含有量、すなわち、XYゲル量(質量%)とした。キシレン不溶分は、主に複合樹脂中の架橋されたエチレン系樹脂成分である。
発泡剤を逸散させた発泡性粒子を液体窒素で冷凍し、IKAジャパン株式会社製 分析ミルで粒子サイズが0.5mm以下になるように冷凍粉砕した。約35mgの粉砕物を採取し、10mLのメスフラスコに入れた。その後テトラヒドロフラン(THF)約10mLを加え24時間静置した。テトラヒドロフラン不溶分をメンブランフィルター(0.45μm)で除去し、THF可溶分を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定し、標準ポリスチレンで校正してMwを求めた。なお、複合樹脂中のTHF可溶分は、主にスチレン系樹脂成分である。測定条件は以下の通りとした。
GPC装置:東ソー株式会社製 HLC-8320GPC EcoSEC
検出器:示差屈折率計(RI)
カラム:東ソー株式会社製 TSKguardcolumn SuperH-H×1本、
TSK-GEL SuperHM-H×2本を直列に接続
カラム温度40℃、溶離液:THF、流量:0.6ml/分、試料濃度:0.1wt%
まず、発泡剤を逸散させた発泡性粒子を液体窒素で冷凍し、分析ミル(例えば、IKA社製A-11)により冷凍粉砕した。次に、容積100mLビーカーへ粉砕した発泡性粒子2.0gとメチルエチルケトン(MEK)30mLを入れ、室温で1日撹拌した。MEK溶液をろ過し、ろ液をメタノール100mLへ滴下し、得られた沈殿物を60℃で24時間乾燥を行い、MEK可溶分としてスチレン系樹脂成分を得た。得られたスチレン系樹脂成分2~4mgについて、JIS K7121(1987年)に準拠して、示差走査熱量測定を行い、昇温速度20℃/分の条件で限られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度を求め、これをスチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)とした。なお、示差走査熱量測定は、ティ・エイ・インスツルメント株式会社製の250型DSC測定器を用いた。
ヘッドスペース法ガスクロマトグラフ質量分析計にて発泡性粒子中の未反応スチレンの含有量を測定した。具体的には、DMF中のスチレン濃度が5質量ppm、50質量ppm、500質量ppmとなるように標準溶液を調製した。容積20mlのバイアル瓶に標準溶液0.2gを精秤し、DMF5mlを入れて密封した。気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定し、得られたクロマトグラムから検量線を作成した。次に、20mlのバイアル瓶に冷凍粉砕した発泡性粒子0.2gを精秤し、DMF5mlを入れて密封し、室温で1日保持した。気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定した。得られたクロマトグラムとあらかじめ作成した検量線から、発泡性粒子中の未反応のスチレンの含有量を求めた。
ガスクロマトグラフ質量分析計:株式会社島津製作所 GCMS-QP2020
ヘッドスペースサンプラー:株式会社島津製作所 HS-20
キャピラリーカラム:ジーエルサイエンス株式会社 Stabilwax、内径0.32mm、長さ30m
ヘッドスペースサンプラー保温条件:90℃、1時間
カラム温度:50℃×2分→(10℃/分)→90℃→(5℃/分)→120℃→(20℃/分)→230℃×2分
イオン源温度:200℃
キャリヤーガス:ヘリウム、カラム流量 2ml/分
スプリット比:1/10
発泡性粒子を温度23℃の開放状態で放置し、所定時間が経過する毎に、棚式発泡機(吹き込み蒸気圧力3KPa(ゲージ圧)、加熱時間270秒)により、発泡させた。得られた発泡粒子を室温で1日乾燥させた後、発泡粒子の嵩密度(kg/m3)を測定した。開放状態とした時点からの経過時間と、各経過時間において得られた発泡粒子の嵩密度との関係から嵩密度が33kg/m3に到達する時間(日数)をビーズライフとした。
また、製造直後の発泡性粒子を、常圧下で棚式発泡機(吹き込み蒸気圧力3KPa(ゲージ圧)、加熱時間270秒)により発泡させた。これにより、発泡粒子の棚式かさ密度を求めた。なお、棚式かさ密度の値が低いほど、発泡性に優れることを意味する。
棚式かさ密度が、30kg/m3以下であるとより発泡性に優れ、25kg/m3以下あるとさらに発泡性に優れる。
得られた発泡性粒子を常圧下、60℃で1日乾燥させた。乾燥後、縦150mm、横150mmの寸法の成形型を備える熱プレス機(株式会社神藤金属工業所製 HF-37)を用いて、乾燥により発泡剤を逸散させた発泡性粒子35gを200℃で熱プレスし、厚さ1.0~1.5mm程度の平板を作製した。平板をφ25mmにカットし測定サンプルとした。得られたサンプルに対して、JIS K 7244-10:2005に基づき、レオメータ(粘弾性測定装置)を用いて動的粘弾性分析を行うことにより、角周波数1rad/s、温度300℃における複素せん断粘度ηを求めた。
なお、動的粘弾性分析の測定開始後、600秒経過時点での複素せん断粘度ηを求めた。この測定を、異なる3つの試験サンプルに対して行い、測定された値の算術平均値を算出し、この値の一の位を四捨五入した値を、難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度とした。
レオメータ:ティ・エイ・インスツルメント株式会社製 DISCOVERY HR-2
ジオメトリ:φ25mmパラレルプレート
測定温度:300℃
角周波数:1rad/s
歪み:0.1%
ギャップ:0.8mm
測定雰囲気:窒素気流下
型内成形において、表面平滑性が目視で良好と判断でき、かつ内部融着率が80%以上の成形体を得るために最低限必要なスチームの圧力である。なお、成形体を破断させ、その破断面を観察し、材料破壊した発泡粒子数と、界面で剥離した発泡粒子数をそれぞれ計測した。材料破壊した発泡粒子と界面で剥離した発泡粒子の合計数に対する材料破壊した発泡粒子の割合を百分率で表した値を内部融着率(%)とした。
下限成形スチーム圧は0.10MPa以下であることが好ましく、0.08MPa以下であることがより好ましい。この場合、型内成形性に優れた発泡粒子となる。
成形体の見掛け密度(kg/m3)は、直方体状の成形体の質量を測定し、該質量をその成形体の体積で除し、単位換算することにより求めた。
直方体状の成形体から縦50mm、横50mm、厚み25mmの板状の試験片を切出し、JIS K 7220(2006年)に準じて圧縮試験を行った。圧縮歪みが50%の時の圧縮応力が50%圧縮応力(kPa)であり、試験条件が23℃の時の50%圧縮応力をσ23、80℃の時の50%圧縮応力をσ80とした。80℃雰囲気下における測定においては、あらかじめ温度80℃の乾燥機内に測定サンプルを24時間静置し、測定サンプルの状態調整を行った後、測定を実施した。
縦300mm×横75mm×厚さ25mmの成形体に対して、JIS K 7221-2:2006に準拠して、支点間距離200mm、加圧くさび10R及び支持台10R、加圧くさびの降下速度10mm/分の条件で、3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。測定により得られた応力(KPa)と歪み(%)から、応力-歪み曲線を得た。得られた応力-歪み曲線から、成形体が破断した点である破断点歪み及び、成形体が示す最大の応力となる点である最大曲げ応力を求めた。
箱型の成形体の底板から340mm×102mm×12.7mmの直方体の試験片を切り出した。FMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standards)No.302の燃焼試験に準じて燃焼速度(mm/min)を測定した。10個の試験片に対して燃焼速度を測定し、これらを相加平均した値を燃焼速度の平均値とした。なお、燃焼試験において、自己消火した試験片については、燃焼速度0mm/minと評価した。
また、10個の試験片のうち、燃焼速度80mm/min以下の割合を算出した。
燃焼速度の平均値は80mm/min以下であることが好ましく、60mm/min以下であることがより好ましく、30mm/min以下であることがさらに好ましく、0mm/minである(つまり、自己消火性を示す)ことが特に好ましい。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した第一モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから60gに、アクリル酸ブチルの使用量を5gから15gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0にし、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから2.71gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから3.8gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0.96gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから18gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンをビス[3,5-ジブロモ-4-(2,3-ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン(鈴裕化学社製FCP-65CN(50%分解温度:331℃))に変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから75g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから0gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した核粒子を75gから125gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから60g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから15gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから18gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから4.5gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから6.67gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において核粒子の作製時に使用したLLDPE87.7kgを、65.8kgにし、酢酸ビニル成分の含有率が15質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製ウルトラセン626)を21.9kg使用して核粒子とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1における複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから1.25g、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから1.25gに変更し、さらに第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから75g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから0gに変更した点を除いては実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0に変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから0gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子を作製した。なお、この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度が40kg/m3を超えており、発泡性の低いものであった。そのため、以降の成形体に関する評価は行わなかった。
本例においては、実施例1における核粒子の作製時に使用したLLDPE87.7kgを、65.8kgにし、酢酸ビニル成分の含有率が15質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製ウルトラセン626)を21.9kg使用して核粒子とし、さらに複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0gに、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから1.7gに変更し、臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから10gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子を作製した。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度が40kg/m3を超えており、発泡性の低いものであった。そのため、以降の成形体に関する評価は行わなかった。
本例においては、実施例1において使用した核粒子を、以下の手順で作製された核粒子に変更し、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.5gから2.58gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
[核粒子の作製]
エチレン系樹脂として、メタロセン重合触媒を用いて重合してなる直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロンZ HF210K)と酢酸ビニル成分の含有量が46質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井・ダウポリケミカル株式会社製 EV45LX)を準備した。分散径拡大剤として、アクリロニトリル-スチレン共重合体(デンカ株式会社製AS-XGS)を準備した。さらに難燃剤マスターバッチ(日弘ビックス株式会社製 臭素化スチレン-ブタジエン共重合体(ケムチュラ社製 エメラルド3000):70.03質量%、TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)(鈴裕化学社製 FCP-680):12.05質量%、ポリ(1,4-ジイソプロピルベンゼン)(ユナイテッドイニシエータ社製 CCPIB):3.50質量%、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製 エピクロンN-680):7.21質量%、酸化防止剤として(株式会社アデカ製 アデカスタブ PEP-36):0.41質量%と、(ソンウォン社製 Songnox4425):6.80質量%)を準備した。さらに潤滑剤として、ポリエチレンワックス(Baker Petrolite社製 PW1000)を準備した。
そして、エチレン系樹脂としてLLDPE66.05kgとEVA7.33kgと、分散径拡大剤のアクリロニトリル-スチレン共重合体3.62kgと、難燃剤のマスターバッチ18kgと、ポリエチレンワックス5kgをヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製FM-75E)に投入し、5分間混合した。
次いで、バレル内径30mmの単軸押出機(IKG株式会社製PMS30-28)を用いて、上記の混合物をバレル温度180℃で溶融混練し、ストランドカット方式により切断し、平均0.35mg/個の核粒子を得た。
比較例5として、実施例2における複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンを臭素化スチレン-ブタジエン共重合体に変更した点を除いては、実施例2と同様にして発泡性粒子を作製した。比較例5の発泡性粒子の重量平均分子量は51万、複素せん断粘度は2910Pa・sであった。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度は27kg/m3であり、実施例2に対して発泡性が低下した。また、作製した発泡粒子を用いて型内成形を行ったところ、下限成形スチーム圧が0.12MPaであり、実施例に対して型内成形性が低下した。
比較例6として、比較例5における複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素化スチレン-ブタジエン共重合体の使用量を3.8gから6.67gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を0.96gから1.67gに変更した点を除いては、比較例5と同様にして発泡性粒子を作製した。比較例6の発泡性粒子の重量平均分子量は47万、複素せん断粘度は3630Pa・sであった。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度は34kg/m3であり、実施例に対して発泡性が低下した。
Claims (11)
- エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む、発泡性複合樹脂粒子であって、
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が50:50~5:95であり、
上記発泡性複合樹脂粒子中の上記発泡剤の含有量が3~10質量%であり、
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、角周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、発泡性複合樹脂粒子。 - 上記発泡性複合樹脂粒子中の上記難燃剤の配合量が複合樹脂100質量部に対して
0.1~3質量部である、請求項1に記載の発泡性複合樹脂粒子。 - 上記発泡性複合樹脂粒子が上記基材樹脂中にさらに難燃助剤を含み、上記難燃助剤が10時間半減期温度150℃以上のラジカル発生剤である、請求項1又は2に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記難燃剤に対する上記難燃助剤の質量比が0.1~1である、請求項3に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が20:80~5:95である、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記複合樹脂中のメチルエチルケトン可溶分のガラス転移温度が105℃以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記エチレン系樹脂が、実質的に直鎖状低密度ポリエチレンからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記発泡剤がイソブタンを含み、上記発泡剤におけるイソブタンの含有割合が80質量%を超える、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- 上記発泡性複合樹脂粒子中のスチレン系単量体の含有量が50質量ppm以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
- エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む発泡性複合樹脂粒子を発泡させてなる複合樹脂発泡粒子であって、
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が質量比で50:50~5:95であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、複合樹脂発泡粒子。 - 上記複合樹脂発泡粒子のかさ密度が、15~50kg/m3である、請求項10に記載の複合樹脂発泡粒子。
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