JP7560311B2 - 発泡性複合樹脂粒子、発泡粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃剤を含有する発泡性複合樹脂粒子、複合樹脂発泡粒子に関する。
エチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂を基材樹脂とする発泡粒子の型内成形体(以下、発泡粒子成形体、成形体ともいう。)は、剛性、復元性、緩衝性等に優れるため、精密部品や重量の大きな製品の梱包材や、バンパー、フロアースペーサー等の自動車部材等として用いられている。
このような成形体は、例えば、次のように、発泡性複合樹脂粒子を用いて製造される。まず、ブタン、ペンタン等の有機系物理発泡剤を複合樹脂粒子に含浸させて発泡性複合樹脂粒子を作製する。次いで、スチーム等により発泡性複合樹脂粒子を加熱し、発泡性複合樹脂粒子を発泡させることにより発泡粒子を得る。次いで、型内成形により、成形型内で該発泡粒子を発泡させると共に、発泡粒子を相互に融着させる。このようにして、成形体を得ることができる。
一方で、上記のようにして得られる成形体は燃えやすいため、成形体に難燃性を付与する技術が開発されている。例えば、特許文献1では、難燃剤として、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を含有する発泡性複合樹脂粒子が提案されている。
特開2016-180038号公報
近年、発泡性複合樹脂粒子を用いて得られる発泡粒子成形体には、難燃性の更なる向上が望まれている。また、発泡性複合樹脂粒子には、上記のように難燃性に優れる成形体の製造を可能にしつつ、発泡剤の保持性、発泡性に優れることが望まれている。このような難燃性、発泡剤の保持性、発泡性をバランスよく高いレベルまで向上させるという点では、従来の発泡性複合樹脂粒子には未だ改良の余地があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、優れた難燃性が安定して発現する発泡粒子成形体を得ることができる複合樹脂発泡粒子、及び該複合樹脂発泡粒子を製造可能であり、発泡剤の保持性、発泡性に優れた発泡性複合樹脂粒子を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む、発泡性複合樹脂粒子であって、
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が50:50~5:95であり、
上記発泡性複合樹脂粒子中の上記発泡剤の含有量が3~10質量%であり、
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、角周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、発泡性複合樹脂粒子にある。
本発明の他の態様は、エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む発泡性複合樹脂粒子を発泡させてなる複合樹脂発泡粒子であって、
上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が質量比で50:50~5:95であり、
JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、複合樹脂発泡粒子にある。
上記複合樹脂発泡粒子によれば、優れた難燃性が安定して発現する成形体を得ることができる。また、上記発泡性複合樹脂粒子は、発泡剤の保持性、発泡性に優れる、また、上記発泡性複合樹脂粒子によれば、優れた難燃性が安定して発現する成形体を得ることできる複合樹脂発泡粒子の製造が可能になる。
次に、発泡性複合樹脂粒子、複合樹脂発泡粒子の好ましい実施形態について説明する。本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。また、質量部と重量部とは実質的に同じ意味であり、質量%と重量%とは実質的に同じ意味であり、質量ppmと重量ppmとは実質的に同じ意味である。
発泡性複合樹脂粒子(以下、適宜「発泡性粒子」という)は、エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とする。このような複合樹脂は、少なくともエチレン系樹脂に由来するエチレン系樹脂成分とスチレン系単量体に由来するスチレン系樹脂成分とを含有する。つまり、発泡性粒子は、エチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含有する複合樹脂を基材樹脂とし、この基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含有する。
複合樹脂発泡粒子(以下、適宜「発泡粒子」という)は、エチレン系樹脂にスチレン系単量体が含浸重合された複合樹脂を基材樹脂とし、この基材樹脂中に難燃剤を含有する粒子状の発泡体である。発泡粒子は、少なくともエチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含有する複合樹脂から構成されていると共に、多数の気泡を含む構造を有する。発泡粒子は、例えば上述の発泡性粒子を発泡させることにより得られる。
発泡粒子は、例えば、型内成形により、成形型内で発泡粒子を発泡させると共に、発泡粒子を相互に融着させることで得られる成形体を製造するために用いられる。このような成形体は、多数の発泡粒子が相互に融着することによって構成される。
発泡性粒子、発泡粒子が、上記のごとくエチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との複合樹脂を基材樹脂としているため、成形体は、エチレン系樹脂の特性と、スチレン系樹脂の特性とを兼ね備える。具体的には、発泡粒子を十分に融着させることにより成形体は優れた靱性と優れた剛性を兼ね備えることができる。
発泡性粒子、発泡粒子において、エチレン系樹脂に由来する成分とスチレン系単量体に由来する成分との質量割合は50:50~5:95である。そのため、エチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との比率が良好になる。その結果、発泡性粒子は、発泡剤の保持性に優れるため、発泡性粒子での輸送及び保管が可能になる。また、発泡性粒子は、発泡性に優れたものとなり、高倍率に発泡させることができる。さらに、成形体は、軽量で、優れた剛性及び靭性を示す。このような効果が向上するという観点から、エチレン系樹脂に由来する成分とスチレン系単量体に由来する成分との質量割合は、40:60~6:94であることが好ましく、30:70~8:92であることがより好ましく、20:80~10:90であることがさらに好ましく、18:82~10:90であることが特に好ましい。
エチレン系樹脂成分としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン-メタクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体や、これら2種以上の混合物を用いることができる。これらの中でも、エチレン系樹脂としては、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。この場合には、成形体は靭性により優れるものとなる。なお、直鎖状低密度ポリエチレンとは、エチレンと、1-ブテンや1-ヘキセン等のα-オレフィンとの共重合体であり、密度が概ね0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満のものを意味する。
エチレン系樹脂100質量%中の直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、成形体の靭性を向上させる観点から、50質量%以上であることが好ましい。上記観点から、直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、エチレン系樹脂は、実質的に直鎖状低密度ポリエチレンからなることがさらにより好ましい。なお、エチレン系樹脂が実質的に直鎖状低密度ポリエチレンからなるとは、直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が95質量%を超えることを意味する。また、曲げ変形に対する成形体の強度をより高めるという観点から、複合樹脂における酢酸ビニル成分の含有量は0.2質量%未満であることが好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの中でもメタロセン重合触媒を用いて重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。この場合には、成形体の靱性がさらに向上する。また、この場合には、発泡性粒子に含まれる低分子量成分の量がより少なくなり、成形体の発泡粒子間の融着強度をより高めることができるため、割れの発生しにくい成形体を製造することが可能になる。さらに、スチレン系樹脂の優れた剛性とエチレン系樹脂の優れた靭性とをより高いレベルで兼ね備えた成形体を得ることができる。
エチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR190℃、荷重2.16kg)は、発泡性の観点から、0.5~4.0g/10分が好ましく、1.0~3.0g/10分がより好ましい。エチレン系樹脂のMFR(190℃、荷重2.16kg)は、JIS K7210(1999年)に基づき、条件コードDで測定される値である。なお、測定装置としては、メルトインデクサー(例えば宝工業(株)製の型式L203など)を用いることができる。
また、エチレン系樹脂の融点(Tm)は、80℃~115℃であることが好ましい。この場合には、発泡性粒子の製造時に、エチレン系樹脂にスチレン系モノマーを充分に含浸させることができ、重合時に懸濁系が不安定化することを防止することができる。その結果、上記発泡性粒子を用いることにより、スチレン系樹脂の優れた剛性とエチレン系樹脂の優れた靭性とをより高いレベルで兼ね備えた成形体を得ることが可能になる。同様の観点から、エチレン系樹脂の融点(Tm)は85~110℃であることがより好ましい。なお、エチレン系樹脂の融点(Tm)は、JIS K7121(1987年)に基づいて、示差走査熱量測定(DSC)にて測定することができる。
複合樹脂は、上記の通り、エチレン系樹脂にスチレン系単量体が含浸重合された樹脂であり、エチレン系樹脂に由来する成分と、スチレン系単量体に由来する成分とを含有する樹脂である。なお、スチレン系単量体に由来する成分の主成分は、スチレン系単量体が重合してなるスチレン系樹脂である。
複合樹脂は、重合済みのエチレン系樹脂と重合済みのスチレン系樹脂とを溶融混練してなる混合樹脂とは異なる概念である。尚、本明細書では、スチレン及びスチレンと共重合可能な単量体を、スチレン系単量体と称する。スチレン系単量体としては、スチレンを単独で用いてもよいし、スチレンと共重合可能なモノマーとスチレンとを併用してもよい。スチレン系単量体については、後述する。
スチレン系樹脂成分としては、例えば、ポリスチレン、スチレン由来の構造単位を少なくとも含む共重合体がある。具体的には、例えば、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン樹脂、アクリロニトリル―スチレン樹脂、アクリロニトリル―エチレン―スチレン樹脂等や、これら2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ポリスチレン、スチレンとアクリル酸ブチル等のアクリル系モノマーとの共重合体が挙げられる。但し、共重合体は、スチレン由来の成分が50質量%以上であることが好ましい。
発泡性粒子、発泡粒子は、上記のごとく複合樹脂を基材樹脂とし、基材樹脂(つまり、複合樹脂)中に難燃剤を含む。難燃剤は、臭素化ビスフェノール系難燃剤である。臭素化ビスフェノール系難燃剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、又はこれらの誘導体の臭素化物が挙げられ、より具体的には、2,2-ビス(4-(2、3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、ビス[3,5-ジブロモ-4-(2,3-ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパン等が用いられる。これらの臭素系難燃剤は、1種又は2種以上が用いられる。
少量の添加でも優れた難燃性を成形体に付与しやすい観点から、臭素化ビスフェノール系難燃剤の中でも、2,3-ジブロモ-2-メチルプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤及び/又は2,3-ジブロモプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤を用いることが好ましく、2,2-ビス(4-(2、3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンを用いることがさらに好ましい。
臭素化ビスフェノール系難燃剤の50%分解温度は、280℃以上340℃以下であることが好ましく、285℃以上320℃以下であることがより好ましい。この場合には、複合樹脂の熱分解が進む温度範囲において、複合樹脂の複素せん断粘度が所望とする範囲に調整されやすい。これにより、発泡性粒子の発泡性や発泡剤の保持性を低下させることなく、より安定して優れた難燃性を成形体に付与することができる。
臭素系難燃剤の50%分解温度は、示差熱重量同時測定装置(TG/DTA)により測定することができる。具体的には、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:40℃から500℃、窒素雰囲気下、サンプルパンの材質:Pt、サンプル質量:50mgという測定条件にて、示差熱減量曲線を測定し、該示差熱減量曲線において重量が50%減少したときの温度をもって50%分解温度とすることができる。
臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは500~5000Pa・sである。難燃剤として臭素化ビスフェノールを含有する複合樹脂の複素せん断粘度ηがこの範囲であることにより、発泡性粒子の発泡性を低下させることなく、成形体の難燃性を高めることができる。臭素化ビスフェノール系難燃剤を用い、複素せん断粘度ηが上記範囲であることによる優れた難燃性は、次のようにして発現されると考えられる。
通常、成形体を燃焼させると、成形体の燃焼部付近は高温となるため、燃焼部付近の樹脂が溶融する。この際、複素せん断粘度が低すぎる場合には、溶融した樹脂の流動性が高いため、溶融した樹脂は、早期に成形体から脱落し、成形体の燃焼が継続しやすい。一方で、複素せん断粘度が上記範囲内である場合には、溶融した樹脂の流動性が比較的低いため、溶融した樹脂は、成形体の燃焼部付近に留まりやすくなる。これにより、燃焼部付近は、臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む溶融した樹脂により形成された被覆層によって、被覆された状態となりやすい。このような臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む被覆層が形成されると、燃焼部付近が火炎から遮られるため、燃焼部付近において、酸素が効果的に遮断されると共に、樹脂の熱分解が抑制され、可燃性ガスの発生量が低下するものと考えられる。その結果、複合樹脂に配合された臭素化ビスフェノール系難燃剤の効果と相まって成形体が燃えにくくなり、優れた難燃性を成形体に付与できるものと考えられる。
上記のように、複合樹脂が難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を含み、複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~5000Pa・sである場合には、発泡性粒子が優れた発泡性を維持しながら、成形体が自動車内装材用の燃焼試験規格であるFMVSS302に適合する程度の高い難燃性が安定して発現される。
複素せん断粘度ηが低すぎる場合には、成形体の燃焼時において、燃焼部付近の部位が溶融した樹脂により被覆されにくくなり、難燃性が低下する。一方、複素せん断粘度ηが高すぎる場合には、発泡性粒子の発泡性が悪くなり、例えば25倍以上という所望のかさ発泡倍率まで発泡させることができなくなる。
また、難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を含まない場合、例えば、難燃剤として、特許文献1に記載されているような、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を核粒子に配合して用いた場合には、複素せん断粘度ηが上記範囲内であっても、発泡倍率や発泡剤組成等によっては、高い難燃性を安定して発現させることが困難となるおそれがある。また、所望とする難燃性を得るために、例えば難燃剤を多量に添加する必要が生じること等により、発泡粒子の型内成形性や成形体の曲げ物性が低下するおそれがある。難燃性を安定して高めることができるという観点から、臭素化ビスフェノール系難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは600Pa・s以上であることが好ましく、800Pa・s以上であることがより好ましく、900Pa・s以上であることがさらに好ましく、1000Pa・s以上であることが特に好ましい。また、発泡性粒子の発泡性や発泡粒子の型内成形性をより安定して高めることができるという観点から、上記複素せん断粘度ηは4000Pa・s以下であることが好ましく、3000Pa・s以下であることがより好ましく、2500Pa・s以下であることがさらに好ましく、2000Pa・s以下であることがさらに好ましく、1800Pa・s以下であることが特に好ましい。
難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは、JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される。複合樹脂の複素せん断粘度ηは、角周波数1rad/s、温度300℃での値である。なお、複素せん断粘度ηは粘弾性測定装置により測定される値である。このような測定では、測定対象に加わる荷重が小さい状態で、高温下における測定対象の粘度を測定することができるため、複素せん断粘度ηを採用することで、燃焼時における複合樹脂の状態を好適に評価することができる。また、複素せん断粘度ηの測定温度である300℃は、複合樹脂が熱分解を開始する直前の温度である。この直前の温度(つまり、300℃)は、燃焼時における複合樹脂の状態を評価する上で好適な温度である。
難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηは、発泡性粒子、発泡粒子あるいは発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体を用いて所定形状の測定サンプルを作製し、これに対して粘弾性測定装置による所定の分析を行うことで測定することができる。測定サンプルは、例えば、発泡剤を逸散させた発泡性粒子や、必要に応じて脱泡処理をした、発泡粒子あるいは型内成形体に対して、熱プレス成形を行うことで作製することができる。
なお、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡粒子を型内成形してなる発泡粒子成形体のいずれかを用いて測定サンプルを作製した場合、これら測定サンプル間では、同等の値の複素せん断粘度ηが測定される。
複合樹脂の複素せん断粘度ηは、スチレン系樹脂成分の分子量(具体的には、重量平均分子量Mw)、複合樹脂中のキシレン不溶分(つまり、ゲル)量、複合樹脂中のエチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との質量比、難燃剤や難燃助剤の種類や含有量などを調整することにより、上記所望の範囲に調整される。例えば、複合樹脂中のエチレン系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との質量比に関しては、エチレン系樹脂成分の質量割合が高くなると、複素せん断粘度ηが上昇する傾向がある。例えば、難燃剤、難燃助剤の含有量を少なくすると、複素せん断粘度ηが上昇する傾向がある。また、複合樹脂中のキシレン不溶分(つまり、ゲル)量は、例えば、水素引き抜き能の異なる重合開始剤の組合せにより、調整することができる。また、相対的に水素引き抜き能の高い重合開始剤の使用量を増やすことにより、複素せん断粘度ηが上昇する傾向がある。
難燃剤の配合量は、複合樹脂100質量部に対して0.1~3質量部であることが好ましい。この場合には、発泡性粒子の発泡性や、発泡粒子の型内成形性を低下させることなく、成形体の難燃性を安定して高めることができる。成形体の難燃性を安定して高めることができるという観点から、難燃剤の配合量は、複合樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、0.6質量部以上であることがより好ましく、0.8質量部以上であることがさらに好ましく、1.0質量部以上であることが特に好ましい。また、成形体の曲げに対する強度をより高める観点から、難燃剤の配合量は、複合樹脂100質量部に対して2.8質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以下であることがより好ましく、2.0質量部以下であることがさらに好ましく、1.8質量部以下であることが特に好ましい。
なお、難燃剤として、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を実質的に含まないことが好ましい。より具体的には、難燃剤中の、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体の含有割合が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。なお、難燃剤として、臭素化-スチレン-ブタジエン共重合体を含まないことが特に好ましい。
複合樹脂は、難燃助剤として、10時間半減期温度が150℃以上のラジカル発生剤を含有することが好ましい。この場合には、成形体の靭性の低下を抑制しつつ、難燃性をより向上させることができる。また、後述のストリッピング処理により、発泡性粒子のVOC(揮発性有機化合物)量を低減させた場合であっても、難燃性に優れた成形体が得られる。このような難燃助剤としては、具体的には、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン、ポリ(1,4-ジイソプロピルベンゼン)、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。上記効果がより安定して得られる観点から、上記ラジカル発生剤として、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン、ポリ(1,4-ジイソプロピルベンゼン)を用いることが好ましく、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンを用いることがさらに好ましい。
なお、10時間半減期温度とは、有機過酸化物等のラジカル発生剤を不活性溶媒中に仕込み、ラジカル発生剤の仕込み量の50%が10時間で熱分解する温度と定義される。10時間半減期温度としては、有機過酸化物等のラジカル発生剤の製造会社が発行するカタログや技術資料に記載された10時間半減期温度の値を利用することができる。
発泡性粒子において、難燃剤に対する難燃助剤の質量比は0.1~1であることが好ましい。この場合には、成形体の曲げに対する強度と、成形体の難燃性とをバランスよく高めることができるという効果が得られる。この効果が向上するという観点から、難燃剤に対する難燃助剤の質量比は0.15~0.6であることがより好ましく、0.2~0.5であることがさらに好ましい。なお、発泡性粒子の難燃剤の配合量(ただし質量)をa、難燃助剤の配合量(ただし質量)をbとすると、難燃剤に対する難燃助剤の質量比はb/aで表される。
また、同様の観点から、難燃助剤の配合量は、複合樹脂100質量部に対して0.1~1質量部であることが好ましく、0.2~0.5質量部であることがより好ましく、0.3~0.4質量部であることがさらに好ましい。
複合樹脂中のメチルエチルケトン可溶分のガラス転移温度は、102℃以上であることが好ましく、103℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。この場合には、高温環境下における成形体の機械的物性が向上する。なお、複合樹脂中のメチルエチルケトン可溶分は、主にスチレン系樹脂成分である。
ガラス転移温度は、例えば次のようにして測定される。具体的には、まず、複合樹脂(発泡剤含浸前の複合樹脂粒子あるいは発泡剤を逸散させた発泡性粒子)を液体窒素で冷凍し、分析ミル(例えば、IKA社製A-11)により冷凍粉砕する。粉砕物をメチルエチルケトン中に温度23℃で所定時間浸漬した後、メチルエチルケトン可溶分を分取する。次いで、メチルエチルケトン可溶分をメタノールに滴下することで得られた白色沈殿物を採取し、十分に乾燥させる。得られたメタノール不溶分2~4mgについて、ティ・エイ・インスツルメント社製の示差走査熱量測定計(DSC) DSC250を用い、JIS K7121-1987に基づき熱流束示差走査熱量測定を行う。状態調節として、(3)一定の熱処理を行なった後、ガラス転移温度を測定する場合を採用し、加熱速度20℃/分の条件で得られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度として、メチルエチルケトン可溶分のガラス転移温度Tgを求めることができる。
複合樹脂中のソックスレー抽出によるキシレン不溶分(すなわち、主に架橋されたポリオレフィン系樹脂成分)の質量割合は、5質量%以上であることが好ましく、6質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましい。この場合には、優れた難燃性が安定して発現する成形体がより得られやすくなる。一方で、複合樹脂中のソックスレー抽出によるキシレン不溶分の質量割合は、20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、16質量%以下であることがさらに好ましい。この場合には、発泡性粒子の発泡性や発泡粒子の成形性を安定して高めることができる。
また、発泡性粒子において、スチレン系樹脂成分の重量平均分子量は、15万~40万であることが好ましく、18万~35万であることがより好ましく、20万~30万であることがさらに好ましい。この場合には、発泡粒子の収縮をより防止することができる。さらに、発泡粒子の型内成形時に、発泡粒子同士の融着性をより向上させることができる。
発泡性粒子は、発泡剤を含有する。発泡性粒子中の発泡剤の含有量は3~10質量%である。発泡剤の含有量をこの範囲とすることにより、発泡性粒子は、発泡剤の保持性、発泡性に優れたものとなる。この効果がより向上するという観点から、発泡性粒子中の発泡剤の含有量は4~9質量%であることが好ましく、5~8質量%であることがより好ましい。
発泡剤としては、有機系物理発泡剤を用いることが好ましく、例えば炭素数3~6の飽和炭化水素を用いることが好ましい。この場合には、発泡性粒子の発泡剤の保持性、発泡性に優れたものとなる。さらに、成形体における発泡粒子相互の融着性がより向上する。飽和炭化水素としては、例えばプロパン、n-ブタン、イソブタン、シクロブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンなどを用いることができる。これらの発泡剤は、単独で又は2種以上の混合物で用いることができる。
発泡剤は、イソブタンを含むことが好ましい。また、発泡剤中のイソブタンの含有割合は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%を超えることが特に好ましい。この場合には、発泡性粒子の発泡性と発泡剤の保持性を安定して高めることができると共に、発泡剤に起因する成形体の難燃性の低下を抑制することができる。また、本開示の発泡性粒子は、難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を含有し、さらに複合樹脂の複素せん断粘度ηが所定の範囲に調整されているため、発泡剤中のイソブタン比率を上記のごとく高めても、難燃性に優れた成形体が得られる。
発泡性粒子中に残存する未反応のスチレン系単量体の含有量は50質量ppm以下(0を含む)であることが好ましい。この場合には、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ないと共に、より難燃性に優れる成形体を得ることができ、車両用部材や建築用部材として好適に用いることができる成形体を得ることができる。発泡性粒子における未反応のスチレン系単量体の含有量は、30ppm未満(0を含む)であることがより好ましく、25ppm以下(0を含む)であることがさらに好ましい。発泡性粒子中のスチレン系単量体の含有量は、例えばストリッピング処理を行うことにより、上記範囲まで低下させることができる。ストリッピング処理については、後述するが、複合樹脂粒子を水性媒体中で加熱することにより、複合樹脂中のVOC成分(具体的には未反応のスチレン系単量体)を蒸発水と共に抽出、除去する操作である。
発泡性粒子は、例えば、分散工程と、改質工程と、含浸工程とを行うことにより製造される。分散工程では、エチレン系樹脂から構成される核粒子を水性媒体中に分散させる。改質工程では、水性媒体中に難燃剤を溶解させたスチレン系単量体を添加し、核粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて、複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に難燃剤を含む複合樹脂粒子を得る。含浸工程では、複合樹脂粒子の重合中および/または重合後に、複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。
改質工程におけるエチレン系樹脂100質量部に対するスチレン系単量体の配合量は例えば100質量部以上1900質量部以下であり、500質量部を超え、1000質量部以下であることが特に好ましい。
スチレン系単量体の重合は、重合開始剤の存在下で行うことができる。重合開始剤としては、t-ブトキシ基を有し、かつ10時間半減期温度が80~120℃の有機過酸化物Aと、t-ヘキシルオキシ基又はt-アミルオキシ基を有し、かつ10時間半減期温度が80~120℃の有機過酸化物Bとを用い、有機過酸化物Aと有機過酸化物Bとの合計配合量に対する有機過酸化物Aの配合量の比率を、例えば85質量%を超えるように調整する。さらに、難燃剤として臭素化ビスフェノール系難燃剤を用い、エチレン系樹脂とスチレン系単量体との合計100質量部に対する難燃剤の配合量を例えば0.1~3質量部に調整する。このようにして、JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、周波数:1rad/s、温度300℃での、難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度ηを500~5000Pa・sに調整することができる。上記のように10時間半減期温度が上記所定の範囲にある有機過酸化物Aと有機過酸化物Bとの合計配合量に対する有機過酸化物Aの配合量の比率を調整し、臭素化ビスフェノール系難燃剤の配合量を調整することにより、複合樹脂の複素せん断粘度ηを所望の範囲に調整することができる。
以下に各工程について詳細に説明する。
分散工程においては、エチレン系樹脂から構成された核粒子を、水性媒体中に分散させて分散液を得る。水性媒体中には、例えば懸濁剤、界面活性剤、水溶性重合禁止剤等を添加することができる。核粒子に用いるエチレン系樹脂としては、前述の通りである。
核粒子には、分散径拡大剤を配合することができる。分散径拡大剤の添加により、例えばスチレン系樹脂成分からなる相を大きくすることができる。分散径拡大剤としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、ゴム変性ポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂から選択される少なくとも1種を用いることができる。好ましくは、アクリロニトリル-スチレン共重合体がよい。また、アクリロニトリル-スチレン共重合体中のアクリロニトリル成分量は20~40質量%であることがよい。
核粒子は、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、前述の分散径拡大剤の他、気泡調整剤、顔料、スリップ剤、帯電防止剤、難燃剤等が例示される。核粒子は、エチレン系樹脂に、必要に応じて添加される添加剤を配合し、配合物を溶融混練してから造粒することにより製造できる。溶融混練は押出機により行うことができる。均一な混練を行うためには、予め樹脂成分を混合した後に押出を行うことが好ましい。樹脂成分の混合は、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー、レディーゲミキサーなどの混合機を用いて行うことができる。溶融混練は、ダルメージタイプ、マドックタイプ、ユニメルトタイプ等の高分散タイプのスクリュの単軸押出機や二軸押出機を用いて行うことが好ましい。
気泡調整剤の添加により発泡後の発泡粒子の気泡径を調整することができる。気泡調整剤としては、例えば、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸金属塩、PTFE等の有機物;タルク、シリカ、ホウ酸亜鉛、ミョウバン、PTFE等の無機物を用いることができる。有機物の気泡調整剤を使用する場合、その配合量は、核粒子100質量%に対して0.01~2質量%の範囲にすることが好ましい。また、無機物の気泡調整剤を用いる場合、その配合量は、核粒子100質量%に対して0.1~5質量部の範囲にすることが好ましい。気泡調整剤の配合量を前記範囲内で調整することにより、発泡粒子や成形体の気泡径が良好になり、型内成形時に気泡が破壊されにくくなり、成形体の外観がより良好になる。
核粒子の造粒は、例えばストランドカット方式、アンダーウォーターカット方式、ホットカット方式等によって行うことができる。所望の粒子径の核粒子が得られる方法であれば他の方法により行うこともできる。
核粒子の粒子径は、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。この場合には、スチレン系単量体の含浸、重合後に得られる複合樹脂粒子を、発泡剤を十分に保持できる程度に十分大きくすることができる。また、型内成形時の発泡粒子の金型への充填性が損なわれることを防止するという観点から、核粒子の粒子径は、3.0mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.2mm以下であることがさらに好ましい。
また、核粒子の粒子重量は0.5mg/個以下であることが好ましく、0.4mg/個以下であることがより好ましく、0.3mg/個以下であることがさらに好ましい。この場合には、核粒子へのスチレン系単量体の含浸量が多くなっても、核粒子の内部までスチレン系単量体が十分に含浸しやすくなると共に、粒子間で含浸にむらが生じにくくなり、所望とする発泡性粒子が安定して得られやすくなる。また、核粒子の粒子重量は好ましくは0.01mg/個以上であることが好ましく、0.05mg/個以上であることがより好ましく、0.1mg/個以上であることがさらに好ましい。この場合には、重合時の凝結を安定して抑制することができる。
核粒子の造粒に押出機を用いる場合には、例えば所望の粒子径の範囲内の口径を有する孔から樹脂を押出して切断する際の、樹脂の押出量や樹脂のカットスピードを調整することにより、核粒子の粒子径や粒子重量を調整することができる。また、核粒子の粒子径は、例えば次のようにして測定できる。即ち、核粒子を顕微鏡写真により観察し、200個以上の核粒子について各々の核粒子の最大径を測定し、最大径の算術平均値を核粒子の粒子径とする。
分散工程においては、核粒子を水性媒体中に分散させて、分散液を作製する。水性媒体中への核粒子の分散は、例えば撹拌機を備えた密閉容器内で行うことができる。密閉容器は例えば加圧容器である。水性媒体としては、例えば脱イオン水などの液体が挙げられる。
核粒子は、懸濁剤とともに水性媒体中に分散させることが好ましい。懸濁剤としては、例えばリン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化チタン、水酸化マグネシウム、リン酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、ベントナイト等の微粒子状の無機懸濁剤を用いることができる。また、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の有機懸濁剤を用いることもできる。好ましくは、リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムがよい。懸濁剤としては、1種類の物質を用いてもよいし、2種以上の物質を用いてもよい。
懸濁剤の使用量は、懸濁重合系の水性媒体(具体的には、反応生成物含有スラリーなどの水を含む系内の全ての水)100質量部に対して、固形分量で0.05~10質量部が好ましい。より好ましくは0.3~5質量部がよい。懸濁剤の量を前記範囲にすることで、スチレン系単量体を安定して懸濁させ、樹脂の塊状物の発生を防止することができると共に、発泡性粒子の粒子径分布が広がることを抑制することができる。
水性媒体には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、分散安定性の観点から、アニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
また、水性媒体には、必要に応じて、例えば塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の無機塩類からなる電解質を添加することができる。
水性媒体には水溶性重合禁止剤を添加することが好ましい。この場合、水性媒体中に存在する微小液滴状態のスチレン系単量体及び核粒子表面付近に存在するスチレン系単量体の重合が抑制される。その結果、型内成形性に優れる発泡粒子となると共に、靱性などの機械的強度に優れた成形体を得やすくなる。
水溶性重合禁止剤としては、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、L-アスコルビン酸、クエン酸等を用いることができる。水溶性重合禁止剤の添加量は、水性媒体(具体的には、反応生成物含有スラリーなどの水を含む系内の全ての水)100質量部に対して0.001~0.1質量部が好ましく、より好ましくは0.002~0.03質量部がよい。この場合には、発泡性粒子中の残存スチレン系単量体の量を減らすことができる。
改質工程においては、水性媒体中において、スチレン系単量体を核粒子に含浸させ、スチレン系単量体を重合させる。スチレン系単量体としては、例えばスチレンを用いることができる。また、スチレン系単量体としては、スチレンと共重合可能なモノマーと、スチレンとを併用することができる。スチレン系単量体は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
スチレンと共重合可能なモノマーとしては、例えば下記のスチレン誘導体、その他のビニルモノマー等がある。スチレン誘導体としては、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,4,6-トリブロモスチレン、ジビニルベンゼン、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
その他のビニルモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、水酸基を含有するビニル化合物、ニトリル基を含有するビニル化合物、有機酸ビニル化合物、オレフィン化合物、ジエン化合物、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、マレイミド化合物などが挙げられる。
発泡剤含浸後の発泡性を高めるという観点から、スチレン系樹脂成分としては、ポリスチレン、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等がある。中でも、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸ブチルが好ましい。複合樹脂中のアクリル酸ブチル成分の含有量は、複合樹脂全体に対して0.2~5質量%であることが好ましく、0.3~3質量%であることがより好ましく、0.5~2質量%であることがさらに好ましい。
スチレン系単量体の重合は、上記のように重合開始剤の存在下で行うことができる。この場合には、スチレン系単量体の重合と共に架橋が生じることがある。スチレン系単量体の重合においては重合開始剤を用いるが、必要に応じて架橋剤を併用することができる。重合開始剤、架橋剤を使用する際には、予めスチレン系単量体に重合開始剤、架橋剤を溶解しておくことが好ましい。
重合開始剤としては、スチレン系単量体の懸濁重合法に用いられるものを使用できる。例えば、スチレン系単量体等のビニルモノマーに可溶なものを用いることができる。また、重合開始剤としては、上記のように、t-ブトキシ基を有し、かつ10時間半減期温度が80~120℃の有機過酸化物Aと、t-ヘキシルオキシ基又はt-アミルオキシ基を有し、かつ10時間半減期温度が80~120℃の有機過酸化物Bとを用いることができる。有機過酸化物Aとしては、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等を用いることができる。有機過酸化物Bとしては、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド等を用いることができる。また、t-アミルオキシ基を有する有機過酸化物Bとしては、例えば、t-アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-アミルパーオキシベンゾエート、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t-アミルパーオキシアセテート等を用いることができる。重合開始剤としては、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。重合開始剤は、スチレン系単量体100質量部に対して例えば0.1~1.0質量部使用することができ、0.2~0.8質量部であることが好ましく、0.3~0.7質量部であることがより好ましく、0.4~0.6質量部であることが好ましい。この場合には、発泡性粒子中に残存する未反応のスチレン系単量体の量を少なくすることができる。また、発泡性粒子の発泡性や発泡粒子の成形性を維持しつつ、所定条件における複合樹脂の複素せん断粘度を高め、成形体の難燃性を高めることができる。
上記したように、所定条件における複合樹脂の複素せん断粘度を高めやすいという観点から、有機過酸化物Aと有機過酸化物Bとの合計配合量に対する有機過酸化物Aの配合量の割合は85質量%を超えることが好ましく、86質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。一方で、発泡性粒子の発泡性が良好であると共に、発泡粒子の型内成形性に優れ、曲げに対する強度により優れる成形体が得られるという観点から、有機過酸化物Aと有機過酸化物Bとの合計配合量に対する有機過酸化物Aの配合量の割合は、98質量%以下であることが好ましく、96質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることがさらに好ましい。
また、架橋剤としては、重合温度では分解せず、架橋温度で分解するものが用いられる。例えば、10時間半減期温度が重合温度よりも5℃~50℃高いものを用いることができる。具体的には、例えばジクミルパーオキサイド、2,5-t-ブチルパーベンゾエート、1,1-ビス-t-ブチルパーオキシシクロヘキサン等の過酸化物を用いることができる。架橋剤は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。架橋剤の配合量は、スチレン系単量体100質量部に対して0.1~5質量部であることが好ましい。なお、重合開始剤と架橋剤とは同じ化合物であってもよい。
スチレン系単量体には、気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、例えば脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、タルク、シリカ、ポリエチレンワックス、メチレンビスステアリン酸、メタクリル酸メチル系共重合体、シリコーンを用いることができる。脂肪酸モノアミドとしては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等を用いることができる。脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド等を用いることができる。
また、スチレン系単量体には、本発明の効果を損ねない範囲で、必要に応じて、可塑剤、油溶性重合禁止剤、難燃剤、染料等を添加することができる。
核粒子にスチレン系単量体を含浸させて重合させるにあたって、全量を一括して添加することもできるが、複数回に分けて添加することができる。複数回に分けて添加する場合には、スチレン系単量体を第1モノマー、第2モノマーなどの複数のモノマーに分けて、これらのモノマーを異なるタイミング、温度で水性媒体中に添加することができる。複数回に分けて添加することにより、改質工程において樹脂の塊状物が発生することを防止することができる。
改質工程において、重合温度は、使用する重合開始剤の種類によって異なるが、80℃~130℃であることが好ましい。
含浸工程では、発泡剤の含浸を行う。発泡剤の含浸は、スチレン系単量体の重合中または重合後の粒子に対して行うことができる。重合中の粒子及び重合後の粒子の両方に対して、発泡剤を含浸させてもよい。具体的には、重合中、重合後の粒子を収容する容器内に発泡剤を圧入し、粒子中に発泡剤を含浸させる。発泡剤については上述の通りである。
発泡剤の含浸温度は、スチレン系樹脂成分のガラス転移温度をTg(単位:℃)とすると、(Tg-10)℃~(Tg+40)℃の範囲内で行うことが好ましく、(Tg-5)℃~(Tg+25)℃の範囲内で行うことがより好ましい。
スチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、上記した方法により測定することができる。
発泡剤の含浸後には、発泡性粒子を脱水乾燥し、必要に応じて表面被覆剤を発泡性粒子に被覆させることができる。表面被覆剤としては、例えばジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油などがある。表面被覆剤の添加量は、発泡性粒子100質量部に対して0.01~2質量部であることが好ましい。
発泡性粒子を加熱媒体により加熱して発泡させることにより、発泡粒子を得ることができる。具体的には、発泡性粒子を供給した予備発泡機にスチーム等の加熱媒体を導入し、発泡性粒子を予備発泡させることにより発泡粒子を得ることができる。
発泡粒子のかさ密度は、15~50kg/m3であることが好ましい。この場合には、軽量で、かつ靭性、剛性などの機械的物性の成形体が得られる。また、上記範囲のように低いかさ密度まで発泡性粒子を発泡させても、発泡粒子、成形体は、優れた難燃性を発現できる。このような効果が向上するという観点から、発泡粒子のかさ密度は、16~40kg/m3であることがより好ましく、18~35kg/m3であることがさらに好ましく、20~30kg/m3であることが特に好ましい。発泡粒子のかさ密度(kg/m)は、1Lのメスシリンダーを用意し、空のメスシリンダー中に発泡粒子を1Lの標線まで充填し、1Lあたりの発泡粒子の質量(g)を測定し、単位換算することにより求められる。
発泡粒子を型内成形することにより、成形体を得ることができる。具体的には、多数の発泡粒子を成形型内に供給し、さらにスチーム等の加熱媒体を導入することにより、発泡粒子を相互融着させることができる。このようにして、成形体を得ることができる。上述の発泡粒子のかさ密度と同様の観点から、成形体の見掛け密度は20~50kg/m3であることが好ましく、25~45kg/m3であることがより好ましく、30~50kg/m3であることがさらに好ましい。
(実施例1)
[核粒子の作製]
エチレン系樹脂として、メタロセン重合触媒を用いて重合してなる直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロンZ HF210K)を準備した。直鎖状低密度ポリエチレンのことを、以下適宜「LLDPE」という。このLLDPEの融点Tmは、103℃である。また、分散径拡大剤として、アクリロニトリル-スチレン共重合体(デンカ株式会社製AS-XGS、重量平均分子量:10.9万、アクリロニトリル成分量:28質量%、MFR(200℃、5kgf):2.8g/10min)を準備した。さらに、酸化防止剤のマスターバッチ(東邦株式会社製TMB113、直鎖状低密度ポリエチレン:90質量%、リン系安定剤:6.5質量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:3.5質量%)を準備した。さらに、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリル酸アマイド(花王株式会社製カオーワックス EB―FF)と、滑剤としての12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日東化成工業株式会社製ZS-6)の混合マスターバッチ(エチレンビスステアリル酸アマイド:10質量%、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛:3質量%、直鎖状低密度ポリエチレン:87質量%)を準備した。
そして、エチレン系樹脂87.7kgと、分散径拡大剤のアクリロニトリル-スチレン共重合体4.7kgと、酸化防止剤のマスターバッチ0.9kgと、気泡調整剤と滑剤の混合マスターバッチ6.7kgをヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製FM-75E)に投入し、5分間混合した。
次いで、バレル内径50mmの単軸押出機(IKG株式会社製PMS50-28)を用いて、上記の混合物をバレル温度220~250℃で溶融混練し、水中カット方式により粒子状に切断し、平均0.2mg/個の核粒子を得た。
[複合樹脂粒子の作製]
撹拌装置の付いた内容積3Lのオートクレーブに、脱イオン水1000g、ピロリン酸ナトリウム6.0gを投入した。その後、硝酸マグネシウム・6水和物12.9gを加え、室温で30分間撹拌し、懸濁剤としてのピロリン酸マグネシウムスラリーを作製した。次に、オートクレーブ内に界面活性剤としてのアルキルスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製ラテムルPS10%水溶液)2g、水溶性重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.15g、及び核粒子75gを投入した。
次いで、重合開始剤としてのt-ヘキシルパーオキシベンゾエート0.21g(日油株式会社製パーヘキシルZ)、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート2.50g(日油株式会社製パーブチルE)、臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパン(第一工業製薬株式会社製SR130(50%分解温度:294℃))6.67g、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン(日油株式会社製ノフマーBC-90(10時間半減期温度:210℃))1.67gを第1モノマー(スチレン系単量体)に溶解させた。そして、この溶解物を撹拌速度500rpmで撹拌しながらオートクレーブ内に投入した。なお、第1モノマーとしてはスチレン70g、アクリル酸ブチル5gの混合モノマーを用いた。
次いで、オートクレーブ内の空気を窒素にて置換した後、昇温を開始し、1.5時間かけてオートクレーブ内の温度を100℃まで昇温させた。さらに100℃で1時間保持した。その後撹拌速度を450rpmに下げ、100℃で7.5時間保持した。100℃に到達してから1時間経過時に、第2モノマー(具体的にはスチレン系単量体)として、スチレン350gを5時間かけてオートクレーブ内に添加した。
次いで、オートクレーブ内の温度を125℃まで2時間かけて昇温させ、そのまま125℃で5時間保持した。その後、オートクレーブ内を1時間かけて冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。次いで、硝酸を添加して複合樹脂粒子の表面に付着したピロリン酸マグネシウムを溶解させた。その後、遠心分離機により脱水及び洗浄を行い、気流乾燥装置で表面に付着した水分を除去した。
[ストリッピング及び発泡剤の含浸]
撹拌装置の付いた内容積3Lのオートクレーブに、脱イオン水1030gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を1.03g、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム(花王株式会社製ペレックスSSH 1%水溶液)を1.03g、上記で製造した複合樹脂粒子を670g投入し、撹拌速度400rpmで撹拌した。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素にて置換した後、昇温を開始し、1時間かけてオートクレーブ内の温度を130℃まで昇温し、そのまま130℃で5時間保持した。この間、オートクレーブのベントラインを微開し、内圧を0.12MPa(ゲージ圧)に維持し、複合樹脂粒子に含まれるスチレン系単量体などの揮発性有機化合物(VOC)成分を、水蒸気蒸留により留出させた。5時間保持した後、オートクレーブ内の温度を90℃まで冷却した。90℃到達時に、ベントラインを閉止してオートクレーブを密閉し、発泡剤として、ペンタン(ノルマルペンタン約80質量%、イソペンタン約20質量%の混合物)10.0g、及びイソブタン65.0gを約20分かけオートクレーブ内に添加した(発泡剤含浸工程)。そのまま90℃で3時間保持し、さらに、105℃まで1時間かけて昇温し、そのまま105℃で5時間保持した後、30℃まで約2.5時間かけて冷却した。
その後、オートクレーブ内から、複合樹脂粒子を取り出し、硝酸を添加して複合樹脂粒子の表面に付着した第三リン酸カルシウムを溶解させた。遠心分離機により水洗及び脱水を行い、気流乾燥装置で表面に付着した水分を除去し、発泡性粒子を得た。なお、製造時に用いたスチレン系単量体とエチレン系樹脂との質量比を、複合樹脂中のスチレン系単量体に由来する成分とエチレン系樹脂に由来する成分との質量比とした。
次に得られた発泡性粒子を容積30Lの常圧バッチ発泡機内に投入し、発泡機下部よりスチームを供給し発泡させ、嵩密度が約33kg/mの発泡粒子を得た。なお、嵩密度は、得られた発泡粒子を室温で1日乾燥させ、1Lのメスシリンダーに発泡粒子を1Lの標線まで充填し、1Lあたりの発泡粒子の質量(g)を測定して求めた。
次いで、型物成形機(DABO株式会社製 DSM-0705VS)を用いて、発泡後、室温で一日間乾燥させた発泡粒子を300mm×75mm×25mmの直方体状の成形体と、340mm×270mm×150mmの寸法を有する、肉厚25mmの箱型の成形体に成形した。得られた成形体を40℃で1日乾燥させた後、さらに室温で1日以上養生させた後、各種評価に用いた。
上記のようにして得られた発泡性粒子、発泡粒子、および、成形体について、平均粒子径(d63)、発泡剤含有量、キシレン不溶分の含有量(XYゲル量)、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量Mw、スチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)、複合樹脂粒子中に残存スチレン系単量体の含有量R-SM、棚式かさ密度、ビーズライフ、300℃における複素粘度η、下限成形スチーム圧MPa(ゲージ圧)、見掛け密度、温度23℃での50%圧縮応力σ23、温度80℃での50%圧縮応力σ80、破断点歪み、最大曲げ応力、燃焼速度を以下のようにして測定した。その結果を表1~表4に示す。なお、表中の記号などは下記の通りの意味である。
T:10時間半減期温度
R-SM:発泡性粒子中に残存する未反応のスチレンモノマー量
BE:t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート
HZ:t-ヘキシルパーオキシベンゾエート
SR130:2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン
FCP-65CN:ビス[3,5-ジブロモ-4-(2,3-ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン
BC:2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン
E3000:臭素化スチレン-ブタジエン共重合体
・平均粒子径(d63)
発泡性粒子の平均粒子径(d63)は、乾式粒度分布測定装置(日機装社製ミリトラックJPA)を用いて、最小粒径からの重量累積粒径値が63%に達するときの粒径値(d63)を算出した。
・発泡剤含有量
発泡性粒子約1gをアルミ皿に入れ、乾燥機にて120℃で4時間加熱し、揮発分(水分と発泡剤を含む)を蒸発させた。加熱前後の重量差から発泡性粒子の揮発分量を求めた。
次に、発泡性粒子約0.3gを計量し、カールフィッシャー水分計を用いて発泡性粒子の水分量を求めた。
発泡性粒子の発泡剤含有量は、下記の式にて算出した。
発泡剤含有量(%)=揮発分量(%)-水分量(%)
・キシレン不溶分の含有量(XYゲル量)
150メッシュの金網袋中に発泡粒子0.5gを入れた。次いで、容量200mlの丸底フラスコに約95mlのキシレンを入れ、ソックスレー抽出管に上記金網袋をセットし、ソックスレー抽出を行った。抽出終了後、室温まで冷却させ、抽出管から金網を取り出し、約400mlのアセトンにより金網ごとキシレン不溶分を洗浄した。風乾後、温度120℃の乾燥機内でキシレン不溶分を4時間乾燥させた。発泡粒子0.5gに対するキシレン不溶分量(質量)の割合を百分率で表し、キシレン不溶分の含有量、すなわち、XYゲル量(質量%)とした。キシレン不溶分は、主に複合樹脂中の架橋されたエチレン系樹脂成分である。
・テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)
発泡剤を逸散させた発泡性粒子を液体窒素で冷凍し、IKAジャパン株式会社製 分析ミルで粒子サイズが0.5mm以下になるように冷凍粉砕した。約35mgの粉砕物を採取し、10mLのメスフラスコに入れた。その後テトラヒドロフラン(THF)約10mLを加え24時間静置した。テトラヒドロフラン不溶分をメンブランフィルター(0.45μm)で除去し、THF可溶分を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定し、標準ポリスチレンで校正してMwを求めた。なお、複合樹脂中のTHF可溶分は、主にスチレン系樹脂成分である。測定条件は以下の通りとした。
GPC装置:東ソー株式会社製 HLC-8320GPC EcoSEC
検出器:示差屈折率計(RI)
カラム:東ソー株式会社製 TSKguardcolumn SuperH-H×1本、
TSK-GEL SuperHM-H×2本を直列に接続
カラム温度40℃、溶離液:THF、流量:0.6ml/分、試料濃度:0.1wt%
・スチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)
まず、発泡剤を逸散させた発泡性粒子を液体窒素で冷凍し、分析ミル(例えば、IKA社製A-11)により冷凍粉砕した。次に、容積100mLビーカーへ粉砕した発泡性粒子2.0gとメチルエチルケトン(MEK)30mLを入れ、室温で1日撹拌した。MEK溶液をろ過し、ろ液をメタノール100mLへ滴下し、得られた沈殿物を60℃で24時間乾燥を行い、MEK可溶分としてスチレン系樹脂成分を得た。得られたスチレン系樹脂成分2~4mgについて、JIS K7121(1987年)に準拠して、示差走査熱量測定を行い、昇温速度20℃/分の条件で限られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度を求め、これをスチレン系樹脂成分のガラス転移温度(Tg)とした。なお、示差走査熱量測定は、ティ・エイ・インスツルメント株式会社製の250型DSC測定器を用いた。
・発泡性粒子中の未反応のスチレンの含有量(R-SM)
ヘッドスペース法ガスクロマトグラフ質量分析計にて発泡性粒子中の未反応スチレンの含有量を測定した。具体的には、DMF中のスチレン濃度が5質量ppm、50質量ppm、500質量ppmとなるように標準溶液を調製した。容積20mlのバイアル瓶に標準溶液0.2gを精秤し、DMF5mlを入れて密封した。気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定し、得られたクロマトグラムから検量線を作成した。次に、20mlのバイアル瓶に冷凍粉砕した発泡性粒子0.2gを精秤し、DMF5mlを入れて密封し、室温で1日保持した。気相部をガスクロマトグラフ質量分析計により測定した。得られたクロマトグラムとあらかじめ作成した検量線から、発泡性粒子中の未反応のスチレンの含有量を求めた。
ガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は以下の通りとした。
ガスクロマトグラフ質量分析計:株式会社島津製作所 GCMS-QP2020
ヘッドスペースサンプラー:株式会社島津製作所 HS-20
キャピラリーカラム:ジーエルサイエンス株式会社 Stabilwax、内径0.32mm、長さ30m
ヘッドスペースサンプラー保温条件:90℃、1時間
カラム温度:50℃×2分→(10℃/分)→90℃→(5℃/分)→120℃→(20℃/分)→230℃×2分
イオン源温度:200℃
キャリヤーガス:ヘリウム、カラム流量 2ml/分
スプリット比:1/10
・ビーズライフ、棚式かさ密度
発泡性粒子を温度23℃の開放状態で放置し、所定時間が経過する毎に、棚式発泡機(吹き込み蒸気圧力3KPa(ゲージ圧)、加熱時間270秒)により、発泡させた。得られた発泡粒子を室温で1日乾燥させた後、発泡粒子の嵩密度(kg/m)を測定した。開放状態とした時点からの経過時間と、各経過時間において得られた発泡粒子の嵩密度との関係から嵩密度が33kg/mに到達する時間(日数)をビーズライフとした。
また、製造直後の発泡性粒子を、常圧下で棚式発泡機(吹き込み蒸気圧力3KPa(ゲージ圧)、加熱時間270秒)により発泡させた。これにより、発泡粒子の棚式かさ密度を求めた。なお、棚式かさ密度の値が低いほど、発泡性に優れることを意味する。
棚式かさ密度が、30kg/m以下であるとより発泡性に優れ、25kg/m以下あるとさらに発泡性に優れる。
・複素せん断粘度(η)
得られた発泡性粒子を常圧下、60℃で1日乾燥させた。乾燥後、縦150mm、横150mmの寸法の成形型を備える熱プレス機(株式会社神藤金属工業所製 HF-37)を用いて、乾燥により発泡剤を逸散させた発泡性粒子35gを200℃で熱プレスし、厚さ1.0~1.5mm程度の平板を作製した。平板をφ25mmにカットし測定サンプルとした。得られたサンプルに対して、JIS K 7244-10:2005に基づき、レオメータ(粘弾性測定装置)を用いて動的粘弾性分析を行うことにより、角周波数1rad/s、温度300℃における複素せん断粘度ηを求めた。
なお、動的粘弾性分析の測定開始後、600秒経過時点での複素せん断粘度ηを求めた。この測定を、異なる3つの試験サンプルに対して行い、測定された値の算術平均値を算出し、この値の一の位を四捨五入した値を、難燃剤を含む複合樹脂の複素せん断粘度とした。
複素せん断粘度ηの測定条件は以下の通りである。
レオメータ:ティ・エイ・インスツルメント株式会社製 DISCOVERY HR-2
ジオメトリ:φ25mmパラレルプレート
測定温度:300℃
角周波数:1rad/s
歪み:0.1%
ギャップ:0.8mm
測定雰囲気:窒素気流下
・下限成形スチーム圧(MPa(ゲージ圧))
型内成形において、表面平滑性が目視で良好と判断でき、かつ内部融着率が80%以上の成形体を得るために最低限必要なスチームの圧力である。なお、成形体を破断させ、その破断面を観察し、材料破壊した発泡粒子数と、界面で剥離した発泡粒子数をそれぞれ計測した。材料破壊した発泡粒子と界面で剥離した発泡粒子の合計数に対する材料破壊した発泡粒子の割合を百分率で表した値を内部融着率(%)とした。
下限成形スチーム圧は0.10MPa以下であることが好ましく、0.08MPa以下であることがより好ましい。この場合、型内成形性に優れた発泡粒子となる。
・見掛け密度
成形体の見掛け密度(kg/m)は、直方体状の成形体の質量を測定し、該質量をその成形体の体積で除し、単位換算することにより求めた。
・50%圧縮応力
直方体状の成形体から縦50mm、横50mm、厚み25mmの板状の試験片を切出し、JIS K 7220(2006年)に準じて圧縮試験を行った。圧縮歪みが50%の時の圧縮応力が50%圧縮応力(kPa)であり、試験条件が23℃の時の50%圧縮応力をσ23、80℃の時の50%圧縮応力をσ80とした。80℃雰囲気下における測定においては、あらかじめ温度80℃の乾燥機内に測定サンプルを24時間静置し、測定サンプルの状態調整を行った後、測定を実施した。
・破断点歪み、最大曲げ応力
縦300mm×横75mm×厚さ25mmの成形体に対して、JIS K 7221-2:2006に準拠して、支点間距離200mm、加圧くさび10R及び支持台10R、加圧くさびの降下速度10mm/分の条件で、3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。測定により得られた応力(KPa)と歪み(%)から、応力-歪み曲線を得た。得られた応力-歪み曲線から、成形体が破断した点である破断点歪み及び、成形体が示す最大の応力となる点である最大曲げ応力を求めた。
・燃焼速度、燃焼速度80mm/minの割合
箱型の成形体の底板から340mm×102mm×12.7mmの直方体の試験片を切り出した。FMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standards)No.302の燃焼試験に準じて燃焼速度(mm/min)を測定した。10個の試験片に対して燃焼速度を測定し、これらを相加平均した値を燃焼速度の平均値とした。なお、燃焼試験において、自己消火した試験片については、燃焼速度0mm/minと評価した。
また、10個の試験片のうち、燃焼速度80mm/min以下の割合を算出した。
燃焼速度の平均値は80mm/min以下であることが好ましく、60mm/min以下であることがより好ましく、30mm/min以下であることがさらに好ましく、0mm/minである(つまり、自己消火性を示す)ことが特に好ましい。
(実施例2)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した第一モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから60gに、アクリル酸ブチルの使用量を5gから15gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0にし、さらにt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから2.71gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから3.8gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0.96gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例3)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから18gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例4)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例5)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンをビス[3,5-ジブロモ-4-(2,3-ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン(鈴裕化学社製FCP-65CN(50%分解温度:331℃))に変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例6)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから75g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから0gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例7)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した核粒子を75gから125gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0.42gに変更し、さらに第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから60g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから15gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例8)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから18gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから4.5gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例9)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用した難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから6.67gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(実施例10)
本例においては、実施例1において核粒子の作製時に使用したLLDPE87.7kgを、65.8kgにし、酢酸ビニル成分の含有率が15質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製ウルトラセン626)を21.9kg使用して核粒子とした点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(比較例1)
本例においては、実施例1における複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから1.25g、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから1.25gに変更し、さらに第1モノマーとしてのスチレンの使用量を70gから75g、アクリル酸ブチルの使用量を5gから0gに変更した点を除いては実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
(比較例2)
本例においては、実施例1において複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0に変更し、さらに臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから0gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子を作製した。なお、この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度が40kg/mを超えており、発泡性の低いものであった。そのため、以降の成形体に関する評価は行わなかった。
(比較例3)
本例においては、実施例1における核粒子の作製時に使用したLLDPE87.7kgを、65.8kgにし、酢酸ビニル成分の含有率が15質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製ウルトラセン626)を21.9kg使用して核粒子とし、さらに複合樹脂粒子の作製時に使用したt-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0gに、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.50gから1.7gに変更し、臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンの使用量を6.67gから10gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子を作製した。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度が40kg/mを超えており、発泡性の低いものであった。そのため、以降の成形体に関する評価は行わなかった。
(比較例4)
本例においては、実施例1において使用した核粒子を、以下の手順で作製された核粒子に変更し、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートの使用量を2.5gから2.58gに変更し、t-ヘキシルパーオキシベンゾエートの使用量を0.21gから0gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を1.67gから0gに変更した点を除いては、実施例1と同様にして発泡性粒子、発泡粒子、成形体を作製した。
[核粒子の作製]
エチレン系樹脂として、メタロセン重合触媒を用いて重合してなる直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロンZ HF210K)と酢酸ビニル成分の含有量が46質量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)(三井・ダウポリケミカル株式会社製 EV45LX)を準備した。分散径拡大剤として、アクリロニトリル-スチレン共重合体(デンカ株式会社製AS-XGS)を準備した。さらに難燃剤マスターバッチ(日弘ビックス株式会社製 臭素化スチレン-ブタジエン共重合体(ケムチュラ社製 エメラルド3000):70.03質量%、TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)(鈴裕化学社製 FCP-680):12.05質量%、ポリ(1,4-ジイソプロピルベンゼン)(ユナイテッドイニシエータ社製 CCPIB):3.50質量%、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製 エピクロンN-680):7.21質量%、酸化防止剤として(株式会社アデカ製 アデカスタブ PEP-36):0.41質量%と、(ソンウォン社製 Songnox4425):6.80質量%)を準備した。さらに潤滑剤として、ポリエチレンワックス(Baker Petrolite社製 PW1000)を準備した。
そして、エチレン系樹脂としてLLDPE66.05kgとEVA7.33kgと、分散径拡大剤のアクリロニトリル-スチレン共重合体3.62kgと、難燃剤のマスターバッチ18kgと、ポリエチレンワックス5kgをヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製FM-75E)に投入し、5分間混合した。
次いで、バレル内径30mmの単軸押出機(IKG株式会社製PMS30-28)を用いて、上記の混合物をバレル温度180℃で溶融混練し、ストランドカット方式により切断し、平均0.35mg/個の核粒子を得た。
Figure 0007560311000001
Figure 0007560311000002
Figure 0007560311000003
Figure 0007560311000004
表1~表4から理解されるように、実施例1~10の発泡性粒子は、ビーズライフが0.5日(12時間)以上と長く、発泡剤の保持性に優れると共に、棚式かさ密度が40kg/m以下と高く、発泡性に優れていることがわかる。また、実施例1~10の発泡性粒子により得られる成形体は、燃焼速度が小さいあるいは自己消火性を示すと共に、そのような優れた難燃性を安定して発現することがわかる。
また、比較例5、比較例6として、臭素化スチレン-ブタジエン共重合体を難燃剤として含有する発泡性粒子、発泡粒子、成形体を以下の通り作製した。
(比較例5)
比較例5として、実施例2における複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素系難燃剤としての2,2-ビス(4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンを臭素化スチレン-ブタジエン共重合体に変更した点を除いては、実施例2と同様にして発泡性粒子を作製した。比較例5の発泡性粒子の重量平均分子量は51万、複素せん断粘度は2910Pa・sであった。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度は27kg/mであり、実施例2に対して発泡性が低下した。また、作製した発泡粒子を用いて型内成形を行ったところ、下限成形スチーム圧が0.12MPaであり、実施例に対して型内成形性が低下した。
(比較例6)
比較例6として、比較例5における複合樹脂粒子の作製時に使用した臭素化スチレン-ブタジエン共重合体の使用量を3.8gから6.67gに変更し、難燃助剤としての2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンの使用量を0.96gから1.67gに変更した点を除いては、比較例5と同様にして発泡性粒子を作製した。比較例6の発泡性粒子の重量平均分子量は47万、複素せん断粘度は3630Pa・sであった。この発泡性粒子に対して棚式かさ密度の測定を行ったところ、棚式かさ密度は34kg/mであり、実施例に対して発泡性が低下した。

Claims (11)

  1. エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む、発泡性複合樹脂粒子であって、
    上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が50:50~5:95であり、
    上記発泡性複合樹脂粒子中の上記発泡剤の含有量が3~10質量%であり、
    上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
    JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、角周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、発泡性複合樹脂粒子。
  2. 上記発泡性複合樹脂粒子中の上記難燃剤の配合量が複合樹脂100質量部に対して
    0.1~3質量部である、請求項1に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  3. 上記発泡性複合樹脂粒子が上記基材樹脂中にさらに難燃助剤を含み、上記難燃助剤が10時間半減期温度150℃以上のラジカル発生剤である、請求項1又は2に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  4. 上記難燃剤に対する上記難燃助剤の質量比が0.1~1である、請求項3に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  5. 上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が20:80~5:95である、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  6. 上記複合樹脂中のメチルエチルケトン可溶分のガラス転移温度が105℃以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  7. 上記エチレン系樹脂が、実質的に直鎖状低密度ポリエチレンからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  8. 上記発泡剤がイソブタンを含み、上記発泡剤におけるイソブタンの含有割合が80質量%を超える、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  9. 上記発泡性複合樹脂粒子中のスチレン系単量体の含有量が50質量ppm以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性複合樹脂粒子。
  10. エチレン系樹脂にスチレン系単量体を含浸重合してなる複合樹脂を基材樹脂とし、該基材樹脂中に発泡剤と難燃剤とを含む発泡性複合樹脂粒子を発泡させてなる複合樹脂発泡粒子であって、
    上記難燃剤が臭素化ビスフェノール系難燃剤であり、
    上記エチレン系樹脂に由来する成分と上記スチレン系単量体に由来する成分との質量割合が質量比で50:50~5:95であり、
    JIS K 7244-10:2005に基づいて測定される、周波数1rad/s、温度300℃での、上記難燃剤を含む上記複合樹脂の複素せん断粘度ηが500~2000Pa・sである、複合樹脂発泡粒子。
  11. 上記複合樹脂発泡粒子のかさ密度が、15~50kg/m3である、請求項10に記載の複合樹脂発泡粒子。
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