JP7564015B2 - 軸ずれ推定装置 - Google Patents

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Description

本開示は、レーダ装置の軸ずれを推定する技術に関する。
従来、車載のレーダ装置では、何らの原因で設置状態等が変化することで、レーダビームの中心軸がずれる事態、所謂軸ずれが生じることがある。このような軸ずれが発生すると、レーダ装置の検出対象である物体の検出精度が低下する。
この対策として、例えば下記特許文献1に記載のように、所定の推定ロジックを用いて、レーダ装置の軸ずれを推定する技術が提案されている。
特許第6321448号公報
ところで、本発明者によって、複数の推定ロジックを用いて総合的に軸ずれを推定することが研究されているが、その場合に、下記の課題が見いだされた。
具体的には、各推定ロジックにおける軸ずれ推定の精度が、レーダ波の送信方向、即ち、レーダビームの中心軸に沿った方向であるビーム方向によって異なるので、各推定ロジックにて推定した軸ずれ角から総合的に軸ずれを推定した場合でも、軸ずれ角の推定精度が向上しない恐れがある。
本開示の1つの局面は、軸ずれ角の推定精度を向上させることができる技術を提供することにある。
本開示の一態様は、移動体に搭載されたレーダ装置(3)の軸ずれ角を推定する軸ずれ推定装置(7)に関するものである。この軸ずれ推定装置は、情報取得部(31、S100)と軸ずれ角推定部(33、S110、S120、S130)と信頼度算出部(35、S140)と信頼度補正部(37、S150)と統合軸ずれ角算出部(39、S160)とを備えている。
情報取得部は、前記レーダ装置により検出された物体の反射点のそれぞれについて、少なくとも前記レーダ装置と前記反射点との相対速度と、前記反射点についての方位角であってレーダビームの中心軸に沿った方向であるビーム方向を基準として求められた前記方位角(例えば垂直角度)と、を含む反射点情報を、繰り返して取得するように構成されている。
軸ずれ角推定部は、前記情報取得部によって取得された前記反射点情報に基づいて、前記レーダ装置の前記軸ずれ角を複数の推定手法によってそれぞれ推定するように構成されている。
信頼度算出部は、前記軸ずれ角推定部によって推定された前記それぞれの軸ずれ角に対して、信頼性の程度を示す信頼度をそれぞれ算出するように構成されている。
信頼度補正部は、前記信頼度算出部によって算出された前記それぞれの信頼度を、当該
それぞれの信頼度毎に、当該それぞれの信頼度に対応した前記軸ずれ角推定部によって推定された前記それぞれの軸ずれ角に基づいて補正するように構成されている。
統合軸ずれ角算出部は、前記軸ずれ角推定部によって推定された前記それぞれの軸ずれ角に対して、前記信頼度補正部によって補正された前記それぞれの信頼度を用いて重み付けした値に基づいて、統合軸ずれ角を算出するように構成されている。
このような構成により、本開示では、レーダ装置のビーム方向によって、レーダ装置の軸ずれ角の推定精度に影響がある場合でもあっても、そのビーム方向による影響を低減して、軸ずれ角の推定精度を向上させることができる。
つまり、本開示では、各推定手法(即ち、推定するための構成)によって推定された各軸ずれ角に対して、各推定手法における各信頼度を補正した信頼度(例えば、補正信頼度)を用いて重み付けした値に基づいて、例えば、各軸ずれ角を各推定手法に対応した各補正信頼度で重み付けした重み付け平均(即ち、加重平均)をとることによって、統合軸ずれ角を算出する。
この統合軸ずれ角は、各推定手法においてビーム方向による影響を考慮して補正した信頼度を加味して得られた軸ずれ角であるので、ビーム方向を考慮しない場合に比べて、軸ずれ角の推定精度を高めることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の軸ずれ推定装置を備えた車両制御システムの全体構成を示すブロック図である。 レーダ波の垂直方向における照射範囲を説明する説明図である。 レーダ波の水平方向における照射範囲を説明する説明図である。 レーダ装置において軸ずれが無い状態を示す説明図である。 反射点の方位角等を説明する説明図である。 レーダ装置において軸ずれが無い状態を示す説明図である。 軸ずれ推定装置の構成を機能的に示すブロック図である。 第1実施形態にて実施されるメイン処理を示すフローチャートである。 信頼度補正処理を示すフローチャートである。 軸ずれ角に対応した信頼度補正項算出マップを示す説明図である。 軸ずれの状態と反射点との関係を示す説明図である。 比較例において総合軸ずれ角や軸ずれ角の分散を示すグラフである。 比較例において静止物反射点を用いた場合の軸ずれ角や軸ずれ角の分散を示すグラフである。 比較例において路面反射点を用いた場合の軸ずれ角や軸ずれ角の分散を示すグラフである。 比較例において先行車反射点を用いた場合の軸ずれ角や軸ずれ角の分散を示すグラフである。 第1実施形態において総合軸ずれ角や軸ずれ角の分散を示すグラフである。
以下に、本開示の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、以下でいう「垂直」とは、厳密な意味での「垂直」に限るものではなく、同様の効果を奏するのであれば厳密に「垂直」でなくてもよい。以下でいう「水平」、「一致」についても同様である。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
まず、本第1実施形態における軸ずれ推定装置を含む車両制御システムの全体構成について説明する。
図1に示す車両制御システム1は、車両に搭載されるシステムである。車両制御システム1は、レーダ装置3と、車載センサ群5と、信号処理部7と、支援実行部9と、軸ずれ通知装置11と、搭載角調整装置13と、を備える。
なお、信号処理部7で行われる処理のうち、軸ずれ推定の処理を行う構成が軸ずれ推定装置に該当する。
以下では、車両制御システム1を搭載する車両を自車VHともいい、自車VHの周囲の車両を他車ともいい、他車のうち自車VHより前方の車両を先行車ともいう。また、自車VHの車高方向を垂直方向、車高方向と垂直な方向を水平方向ともいう。
レーダ装置3は、レーダ波を繰り返し送受信して自車VHの周辺を監視する、周知の電磁波を用いた探知装置である。このレーダ装置3は、レーダ波としてミリ波帯の電磁波を使用するいわゆるミリ波レーダであってもよい。また、レーダ波としてレーザー光を用いるレーザレーダ、レーダ波として音波を用いるソナーであってもよい。
いずれにしても、レーダ波を送受信するアンテナ部は、水平方向及び垂直方向のいずれについても反射波の到来方向を検出できるように構成されている。本第1実施形態では、アンテナ部は、垂直方向及び水平方向に並ぶ複数のアンテナを備える、アレイアンテナである。
レーダ装置3は、図2及び図3に示すように、自車VHの前側に搭載される。レーダ装置3は、自車VH前方の所定の角度範囲である照射範囲にレーダ波を照射する。具体的には、レーダ装置3は、垂直方向における照射範囲Rv及び水平方向における照射範囲Rhに、レーダ波を照射する。レーダ装置3は、照射したレーダ波の反射波を受信することで、レーダ波を反射した反射点に関する反射点情報を生成する。
レーダ装置3は、図4に示すように、照射するレーダ波(即ち、レーダビーム)の中心軸の方向に沿った方向であるビーム方向(即ち、基準方向A)が、自車VHの前後方向(即ち、進行方向B)と一致するように取り付けられる。このレーダ装置3は、自車VHの前方に存在する各種物標を検出するために用いられる。なお、図4は、レーダ装置3に軸ずれが無い状態を示している。
レーダ装置3の基準方向Aとは、基準として設計上定められたレーダ装置3の方向である。つまり、レーダ波の照射範囲の中心軸(即ち、レーダビームの中心軸)の方向(即ち、ビーム方向)がレーダ装置3の基準方向Aとして設定される。また、車両VHには、車両VHの基準方向が設定されている。この車両VHの基準方向とは、基準として設計上定められた車両VHの方向であり、自車VHの進行方向Bが車両VHの基準方向として設定されている。
また、レーダ装置3が生成する反射点情報には、レーダ装置3と反射点との相対速度、反射点の方位角(即ち、方位角度)が少なくとも含まれ、さらに、レーダ装置3と反射点
との距離が含まれていてもよい。
反射点の方位角とは、図5に示すように、レーダ装置3の基準方向Aを基準として求められた反射点の角度のうち、垂直方向の角度(以下、垂直角度)Ver及び水平方向の角度(以下、水平角度)Horの少なくとも一方である。ここでは、垂直角度Ver及び水平角度Horの両方が反射点の方位角を表す情報として反射点情報に含まれる。なお、図5は、後述するように、レーダ装置3に軸ずれが発生した状態、即ち、基準方向Aと進行方向Bとがずれた状態を示している。
垂直角度Verは、自車VHを右側面から見た場合において、レーダ装置3の基準方向Aを基準として、例えば、レーダ装置3の基準方向Aから右回りをプラス、左回りをマイナスとする角度で表すことができる。また、水平角度Horは、自車VHを上空から見た場合において、レーダ装置3の基準方向Aを基準として、例えば、レーダ装置3の基準方向Aから右回りをプラス、左回りをマイナスとする角度で表すことができる。
そして、レーダ装置3の基準方向Aと自車VHの進行方向Bとが一致するように、レーダ装置3が自車VHに搭載されると、検出された反射点の方位角と、自車VHの進行方向Bに対する反射点の角度と、が一致する。換言すれば、図5に示すように、レーダ装置3の基準方向Aと自車VHの進行方向Bとの間にずれが生じると、自車VHの進行方向Bに対する反射点の角度を表す情報が正しく得られないことになる。
ここで、レーダ装置3の軸ずれについて詳細に説明する。
図5及び図6は、レーダ装置3に、垂直方向における軸ずれ、すなわち垂直面であるx-z平面内における軸ずれが生じている様子を示している。軸ずれとは、レーダ装置3のビーム方向(即ち、基準方向A)が、車両VHの基準方向(即ち、進行方向B)とずれている状態をいう。また、軸ずれ角(即ち、軸ずれ角度)とは、レーダ装置3の基準方向Aと車両VHの進行方向Bとのずれの大きさを示す角度をいう。
本第1実施形態では、初期設定では、前記図4に示すように、レーダ装置3の基準方向Aと自車VHの進行方向Bとが一致するように設定されている。つまり、レーダ装置3に軸ずれが無い場合には、レーダ装置3の基準方向Aは、自車VHを側面から見た場合、水平方向に一致する。なお、軸ずれが発生していない場合には、レーダ装置3の基準方向Aの垂直方向おける軸ずれ角(即ち、垂直軸ずれ角)は0°である。
一方、図6に示すように、垂直方向に軸ずれが発生している場合、例えばレーダ装置3の基準方向(即ち、ビーム方向)Aが、進行方向Bより上向きに(即ち、上方に)ずれている場合には、垂直軸ずれ角はαvuであり、その符号としてプラスを採用できる。また、例えばレーダ装置3の基準方向Aが、進行方向Bより下向きに(即ち、下方に)ずれている場合には、垂直軸ずれ角はαvdであり、その符号としてマイナスを採用できる。なお、垂直軸ずれ角αvu、αvdを垂直軸ずれ角αvと総称することがある。
なお、以下では、軸ずれとして垂直方向の軸ずれを例に挙げて説明するので、垂直であることを省略して、単に軸ずれや軸ずれ角と称することがある。
また、本第1実施形態では、レーダ装置3は、公知のFMCW方式を採用しており、上り変調区間のレーダ波と下り変調区間のレーダ波をあらかじめ設定された変調周期で交互に送信し、反射したレーダ波を受信する。FMCWは、Frequency Modulated Continuous
Waveの略である。
これにより、レーダ装置3は、変調周期ごとに、上述のように反射点との相対速度と、反射点の方位角度である垂直角度Ver及び水平角度Horと、を反射点情報として検出
する。なお、レーダ装置3は、反射点までの距離と、受信したレーダ波の受信電力と、を更に反射点情報として検出し得る。
図1に戻り、車載センサ群5は、自車VHの状態等を検出するために自車VHに搭載された各種センサである。ここでは、車載センサ群5を構成するセンサとして、車輪の回転に基づいて車速を検出する車速センサが少なくとも含まれている。
支援実行部9は、信号処理部7が実行する各種の処理結果に基づき、各種車載機器を制御して、所定の運転支援を実行する。制御対象となる車載機器には、各種画像を表示するモニタ、警報音や案内音声を出力する音響機器が含まれる他、自車VHの内燃機関、パワートレイン機構、ブレーキ機構等を制御する制御装置が含まれていてもよい。
軸ずれ通知装置11は、車室内に設置された音声出力装置である。軸ずれ通知装置11は、信号処理部7から出力される情報に基づき、自車VHの乗員に対して、警告音を出力する。
搭載角調整装置13は、モータと、レーダ装置3に取り付けられた歯車とを備える。搭載角調整装置13は、信号処理部7から出力される駆動信号に従ってモータを回転させる。これにより、モータの回転力が歯車に伝達され、垂直方向に沿った軸及び水平方向に沿った軸を中心にレーダ装置3を回転させることができる。
信号処理部7は、CPU21と、ROM23、RAM25、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ27)と、を有するマイクロコンピュータ(以下、マイコン)を中心に構成される。
信号処理部7の各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ27が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、メモリ27には、例えば、レーダ装置3によって得られた各種の測定データや演算結果等が記憶される。
信号処理部7を構成するマイコンの数は1つでも複数でもよい。また、信号処理部7が有する各種機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
信号処理部7は、レーダ装置3の軸ずれ角(即ち、垂直軸ずれ角)を推定する処理を行う装置(即ち、軸ずれ推定装置)を構成するものである。この信号処理部7は、後に詳述するように、複数の推定手法によって推定された各軸ずれ角に対して、各推定手法における信頼度(即ち、ビーム方向に応じて補正された信頼度)を用いて重み付けして、重み付け平均をとることにより、統合軸ずれ角を算出し、その統合軸ずれ角に基づいて軸ずれの判定等を行う。
この信号処理部7は、図7に機能的に示すように、情報取得部31と軸ずれ角推定部33と信頼度算出部35と信頼度補正部37と統合軸ずれ角算出部39とを備えている。
情報取得部31は、レーダ装置3により検出された物体の反射点のそれぞれについて、少なくともレーダ装置3と反射点との相対速度と、反射点についての方位角であってレーダビームの中心軸に沿った方向であるビーム方向を基準として求められた水平角度及び垂
直角度の少なくとも一方である方位角と、を含む反射点情報を、繰り返して取得するように構成されている。
軸ずれ角推定部33は、情報取得部31によって取得された反射点情報に基づいて、レーダ装置3の軸ずれ角を複数の推定手法によってそれぞれ推定するように構成されている。なお、推定手法とは、軸ずれ角を推定するために用いられるアルゴリズム等の構成である。
信頼度算出部35は、軸ずれ角推定部33によって推定されたそれぞれの軸ずれ角に対して、信頼性の程度を示す信頼度をそれぞれ算出するように構成されている。
信頼度補正部37は、信頼度算出部35によって算出されたそれぞれの信頼度を、当該それぞれの信頼度毎に、当該それぞれの信頼度に対応した軸ずれ角推定部33によって推定されたそれぞれの軸ずれ角に基づいて補正するように構成されている。
例えば、第1軸ずれ角の第1信頼度を、第1信頼度に対応した第1軸ずれ角に基づいて補正して、第1信頼度の補正後の値である第1補正信頼度を求めるように構成されている。
統合軸ずれ角算出部39は、軸ずれ角推定部33によって推定されたそれぞれの軸ずれ角に対して、信頼度補正部37によって補正されたそれぞれの信頼度(例えば、各補正信頼度)を用いて重み付けして、重み付け平均をとることによって、統合軸ずれ角を算出するように構成されている。
[1-2.処理]
次に、信号処理部7にて実施される各種の処理について、図8、図9のフローチャート等を用いて説明する。本処理は、イグニッションスイッチ(即ち、IG)がオンである間に実施される。
なお、以下では、垂直方向における軸ずれ角(即ち、垂直軸ずれ角αv)を推定する例を説明する。
<メイン処理>
まず、信号処理部7が実行する全体の処理(即ち、メイン処理)の処理について、図8のフローチャート等を用いて説明する。
信号処理部7は、本処理が起動すると、ステップ(以下、S)100で、物標情報取得処理を行う。
この物標情報取得処理とは、レーダ装置3を用いて、自車VHの周囲(例えば、前方)の物標(即ち、物体)を検出して、その物標に関する情報を取得する処理である。ここで物標とは、レーダ波の反射点に対応したものであり、本第1実施形態では、後述するように、路側物等の静止物における反射点、路面における反射点、先行車における反射点が含まれる。
この物標情報取得処理については、例えば特許6321448号等に記載のように周知の処理であるので、詳しい説明は省略する。
具体的には、レーダ装置3から各反射点の情報(即ち、反射点情報)を取得する。この反射点情報には、自車VHと反射点との相対速度と、反射点の方位角としての垂直角度Ver及び水平角度Horと、レーダ装置3から反射点までの距離とが含まれる。
続くS110では、第1軸ずれ角推定処理を行う。この第1軸ずれ角推定処理とは、所定の推定手法(即ち、第1の推定手法)によって、軸ずれ角(即ち、第1軸ずれ角m1)
を推定する処理である。なお、第1軸ずれ角推定処理は、物標を検知する測定サイクル毎に実施される。
この第1の推定手法としては、周知のように(例えば、特開2018-54315号公報参照)、レーダ装置3によって得られる多くの反射点から静止物に由来する静止物反射点を抽出し、その静止物反射点に基づいて、相対速度(即ち、自車VHと静止物反射点との相対速度)と観測速度(即ち、自車VHの速度)とから、軸ずれを推定する手法である。例えば、静止物であれば、静止物との相対速度は自車速度と同じであるので(但し、向きは逆)、この速度の条件から静止物と判定することができる。
この静止物としては、道路に沿って配置されたガードレール等の路側物が挙げられる。なお、静止物には路面も含まれるが、路面を除いた静止物を採用してもよい。例えば、道路の側方の所定の範囲(例えば、所定の横位置や縦位置の範囲)に存在する静止物を、路側物として採用してもよい。
続くS120では、第2軸ずれ角推定処理を行う。この第2軸ずれ角推定処理とは、第1の推定手法とは異なる第2の推定手法によって、軸ずれ角(即ち、第2軸ずれ角m2)を推定する処理である。なお、第2軸ずれ角推定処理は、物標を検知する測定サイクル毎に実施される。
この第2の推定手法としては、周知のように(例えば、特許第6321448号公報参照)、レーダ装置3によって得られる多くの反射点から路面における反射点(即ち、路面反射点)を抽出し、その路面反射点に基づいて軸ずれを推定する手法である。
なお、この第2の推定手法としては、本願出願人が出願した特願2020-47820号に記載の手法を採用できる。具体的には、反射点との距離、反射点の方位、反射点による電力、反射点との相対速度、自車の走行状態、カメラ画像等を考慮して、多くの反射点から、路面の反射点である可能性の高い反射点を抽出する手法である。
続くS130では、第3軸ずれ角推定処理を行う。この第3軸ずれ角推定処理とは、第1、第2の推定手法とは異なる第3の推定手法によって、軸ずれ角(即ち、第3軸ずれ角m3)を推定する処理である。なお、第3軸ずれ角推定処理は、物標を検知する測定サイクル毎に実施される。
この第3の推定手法としては、周知のように(例えば、特開2004-45229号公報参照)、レーダ装置3によって得られる多くの反射点から先行車おける反射点(即ち、先行車反射点)を抽出し、その先行車反射点に基づいて軸ずれを推定する手法である。
この第3の推定手法では、レーダ波の反射波の到来方位等の条件から、先行車の反射点を抽出することが可能である。また、反射点が先行車の反射点である場合には、反射点が移動しているので、自車VHと反射点との相対速度から、反射点が移動物体(例えば、先行車)であると推定することも可能である。
なお、前記第1~第3軸ずれ角推定処理で推定された第1~第3軸ずれ角m1~m3は、メモリ27に記憶される。
続くS140では、推定信頼度算出処理を行う。この推定信頼度算出処理とは、前記第1~第3軸ずれ角推定処理で得られた所定回数分の第1~第3軸ずれ角m1~m3から、各第1~第3軸ずれ角m1~m3についてそれぞれ分散w1~w3を求め、各分散w1~w3をそれぞれ第1~第3軸ずれ角m1~m3の信頼度として採用する処理である。
例えば、第1軸ずれ角推定処理は、各測定サイクル毎に実施されるので、各測定サイクル毎にそれぞれ第1軸ずれ角m1が得られる。よって、複数の測定サイクルにて得られた所定回数(例えば100サイクル分)の第1軸ずれ角m1の分散w1を、第1軸ずれ角m1の信頼性の程度を示す指標である信頼度として求める。なお、第2、第3軸ずれ角m2、m3についても同様である。
なお、前記推定信頼度算出処理で算出された、第1軸ずれ角m1の分散w1、第2軸ずれ角m2の分散w2、第3軸ずれ角m3の分散w3は、メモリ27に記憶される。
続くS150では、信頼度補正処理を行う。この信頼度補正処理とは、前記推定信頼度算出処理にて算出された第1~第3軸ずれ角m1~m3の各信頼度の補正を行って、補正信頼度を求める処理である。なお、この処理については後に詳述する。
続くS160では、統合軸ずれ角算出処理を行う。この統合軸ずれ角算出処理とは、信頼度補正処理で求めた第1~第3軸ずれ角m1~m3に対応する各補正信頼度を用いて、第1~第3軸ずれ角m1~m3を重み付けして、総合的な軸ずれ角を算出する処理である。なお、本処理については、後に詳述する。
そして、この統合軸ずれ角が、軸ずれが発生したと判断する判定値以上である場合には、軸ずれの発生に対応した所定の処理を行う。例えば、軸ずれ通知装置11を駆動して、軸ずれが発生したことの通知を行うことができる。また、軸ずれ角が修正可能な範囲であるときには、搭載角調整装置13を駆動して軸ずれ角の修正を行うことができる。
続くS170では、本処理を終了するか否かの終了判定を行う。
具体的には、イグニッションスイッチがオフか否かを判定し、ここで肯定判断されると一旦本処理を終了し、一方否定判断されるとS100に戻る。
<信頼度補正処理>
次に、前記S150にて実施される信頼度補正処理について、図9のフローチャート等に基づいて説明する。
まず、図9のS200にて、メモリ27から、第1~第3の軸ずれ角推定処理によって得られた、第1軸ずれ角m1、第2軸ずれ角m2、第3軸ずれ角m3を取得する。なお、各軸ずれ角は、各測定サイクル毎に得られるので、この第1~第3軸ずれ角m1~m3としては、例えば所定期間(即ち、所定サイクル数)における平均値を用いる。
続くS210では、メモリ27から、第1軸ずれ角m1の信頼度w1、第2軸ずれ角m2の信頼度w2、第3軸ずれ角m3の信頼度w3を取得する。
続くS220では、メモリ27に記憶されている信頼度補正項算出マップを検索し、各信頼度w1、w2、w3の補正項wk1、wk2、wk3をそれぞれ求める。
なお、第1軸ずれ角m1の信頼度w1の補正項がwk1であり、第2軸ずれ角m2の信頼度w2の補正項がwk2であり、第3軸ずれ角m3の信頼度w3の補正項がwk3である。
図10にレーダ装置3の軸ずれ角(即ち、垂直軸ずれ角)に対応した信頼度補正項算出マップを示す。この信頼度補正項算出マップは、3種の反射点のいずれかを用いた場合の軸ずれ角と、反射点の種類とから補正項wk1~wk3の数値を求めるためのマップである。
つまり、図10では、第1の推定手法で用いる静止物反射点と、第2の推定手法で用い
る路面反射点と、第3の推定手法で用いる先行車反射点とについて、それぞれ軸ずれの程度(即ち、軸ずれ角)に応じた補正項を記載してある。なお、図10の軸ずれ角とは、各推定手法によって推定した各軸ずれ角である。
このマップは、本発明者の研究の結果に基づいて作成されたものである。つまり、3種の反射点のいずれかを用いる場合において、軸ずれの程度に応じて実際にどのように軸ずれ角の信頼度が変化するかを調べ、例えば、実際に信頼度が低くなる場合には、実際に合せて信頼度を低下させるように補正項を設定したものである。
前記マップでは、それぞれの反射点を用いた場合において、それぞれの軸ずれ角の程度を、例えば、-10°、-5°、0°、+5°、+10°の5つのレベルに区分しており、レベルの数値の絶対値が大きいほど軸ずれ角が大きいことを示している。
軸ずれ角については、軸ずれが無い場合のビーム方向の角度が0°であり、-が進行方向Bに対して下方への軸ずれを示し、+が進行方向Bに対して上方への軸ずれを示している。
また、軸ずれの程度が、例えば、-12.5°以上-7.5°未満をレベル「-10°」、-7.5°以上-2.5°未満をレベル「-5°」、-2.5°以上+2.5°未満をレベル「0°」、+2.5°以上+7.5°未満をレベル「+5°」、+7.5°以上+12.5°未満をレベル「+10°」としている。
ここでは、-12.5°以下や+12.5°以上をレベル分けしていないが、そのような大きな軸ずれの場合は、例えば警報を発したり、再度軸ずれの検出を行う等の対策をとることができる。
また、本第1実施形態では、図10から明らかように、静止物反射点を用いる第1の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向(即ち、進行方向B)に対して上向きの角度の場合(例えば、+5°、+10°の場合)には、軸ずれ角が進行方向Bに対して下向きの角度の場合(例えば、-5°、-10°の場合)より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。
つまり、ビーム方向(即ち、基準方向A)が進行方向Bに対して上向きにずれている場合には、ビーム方向が進行方向Bに対して下向きにずれている場合に比べて、高い信頼度となるように補正する。
これは、図11の上図に示すように、実際のビーム方向(即ち、基準方向A)が進行方向Bより上方に軸ずれしている場合には、路面より上方に突出するガードレール等の路側物を検出する精度(例えば、測角精度)が高いと考えられるからである。
つまり、路面から突出している路側物は、路面よりも反射点の検出精度が高いと考えられるので、そのような路側物を検出する可能性が高い場合には、高い信頼度に補正するように設定されている。言い換えれば、ビーム方向が下方にずれている場合には、ビーム方向から遠い広角側にて路側物を検出することになるので、そのような場合は信頼度を低く補正する。
また、路面反射点を用いる第2の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向(即ち、進行方向B)に対して下向きの角度の場合(例えば、-5°、-10°の場合)には、軸ずれ角が進行方向
Bに対して上向きの角度の場合(例えば、+5°、+10°の場合)より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。
つまり、ビーム方向が進行方向Bに対して下向きにずれている場合には、ビーム方向が進行方向Bに対して上向きにずれている場合に比べて、高い信頼度となるように補正する。
これは、図11の中図に示すように、実際のビーム方向が進行方向Bより下方に軸ずれしている場合には、路面反射点を検出する精度が高いと考えられるからである。つまり、検出精度が高いと考えられる場合には、高い信頼度に補正するように設定されている。言い換えれば、ビーム方向が上方にずれている場合には、広角側にて路面を検出することになるので、そのような場合は信頼度を低く補正する。
さらに、先行車反射点を用いる第3の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角の絶対値が所定の範囲の値(例えば、-5°、0°、+5°)より小さい場合には、軸ずれ角の絶対値が前記所定の範囲の値より大きい場合(例えば、-10°、+10°)より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。
これは、図11の下図に示すように、先行車は進行方向Bに存在していると考えられるので、軸ずれ角が小さい場合(即ち、ビーム方向が進行方向Bに近い場合)には、先行車反射点を検出する精度が高いと考えられるからである。つまり、検出精度が高いと考えられる場合には、高い信頼度に補正するように設定されている。言い換えれば、ビーム方向が上方又は下方に大きくずれている場合には、広角側にて先行車を検出することになるので、そのような場合は信頼度を低く補正する。
続くS230では、前記S210で取得した各信頼度w1、w2、w3と、前記S220で取得した各補正項wk1、wk2、wk3と、を用いて、下記式(1)~(3)によって、各補正信頼度hw1、hw2、hw3を算出する。つまり、各信頼度w1、w2、w3を補正し、一旦本処理を終了する。
なお、各式の左辺が補正後の信頼度(即ち、補正信頼度)hw1、hw2、hw3である。つまり、第1軸ずれ角m1の補正信頼度がhw1であり、第2軸ずれ角m2の補正信頼度がhw2であり、第3軸ずれ角m3の補正信頼度がhw3である。
hw1=w1*wk1・・・・(1)
hw2=w2*wk2・・・・(2)
hw3=w3*wk3・・・・(3)
<統合軸ずれ角算出処理>
次に、前記S160にて実施される統合軸ずれ角算出処理について説明する。
本第1実施形態では、下記式(4)を用いて、統合軸ずれ角TGを算出する。
なお、式(4)におけるwkiは、前記式(1)~(3)におけるwk1、wk2、wk3に対応する値である。
つまり、式(4)に示すように、第1~第3の推定手法によって推定された第1~第3軸ずれ角m1~m3に対し、図10のマップの補正項によって補正された信頼度(即ち、信頼度と補正項の積である補正信頼度)w1*wk1(即ち、hw1)、w2*wk2(即ち、hw2)、w3*wk3(即ち、hw3)を用いて重み付けして、重み付け平均をとることによって、統合軸ずれ角TGを算出する。
[1-3.実験例]
ここでは、比較例の技術で軸ずれを推定した結果と、本第1実施形態によって軸ずれを推定した結果とを示す。なお、実験対象として、軸ずれ角が-14°の軸ずれを有するレーダ装置3を使用した。
比較例では、前記式(4)とは異なる下記式(5)を用いて、統合軸ずれ角TGを算出した。
この式(5)では、補正しない信頼度w1~w3を用いて統合軸ずれ角TGを算出した。
その結果を図12に示すが、比較例では、実際の軸ずれ角と推定された軸ずれ角との誤差は2.7°であった。
図12では、縦軸に軸ずれ角(m)と信頼度を示す分散(σ)のフィルタ値を示し、横軸に時間を示している。なお、軸ずれ角はdegで示しており、分散の値は軸ずれ角の数値を利用して示している。以下、他の図面でも同様である。
なお、軸ずれ角や分散のフィルタ値は、周知の測定値をフィルタリングする手法によって得ることができる。例えば、軸ずれ角については、瞬時推定値(即ち、軸ずれ角の瞬時値)の平均値を時系列に沿って求める手法採用できる。また、分散については、時系列に沿って更新する手法を採用できる。
或いは、軸ずれ角については、下記式(6)に示すように、一定サイクルで推定した推定値(今回値m_c)を、それ以前までの推定値(前回推定値M_pre)と忘却係数(α)をかけて平滑化して、今回推定値を算出する方法を採用できる。
M=α*M_pre+(1-α)*m_c ・・・(6)
また、図13~図15に、静止物反射点、路面反射点、先行車反射点を用いた場合において、軸ずれ角や信頼度(分散)のデータを示す。なお、図13~図15において、時系列に沿って上限に細かく変動するグラフG1は軸ずれ角の各測定サイクルの瞬間値を示す。
図13から、この実験の比較例においては、静止物反射点を用いた場合は、軸ずれ角の推定の誤差は4°であったことが分かる。また、図14から、路面反射点を用いた場合は
、軸ずれ角の推定の誤差は1°であったことが分かる。さらに、図15から、先行車反射点を用いた場合は、軸ずれ角の推定の誤差は2°であったことが分かる。
なお、周囲の環境等の実験条件によって実験結果が異なるので、どの反射点を用いるのがいいのは一概に言えないが、複数の種類の反射点を組み合わせて用いることにより、軸ずれ角の推定精度の低下を安定して抑制できると考えられる。
一方、本第1実施形態では、前記式(4)に基づいて、信頼度w1~w3を補正した補正信頼度w1*wk1~w3*wk3用いて統合軸ずれ角TGを算出した。
その結果を図16に示すが、本第1実施形態では、軸ずれ角の誤差は1.3°とわずかであった。
[1-4.効果]
本第1実施形態では、以下の作用効果を得ることができる。
(1a)本第1実施形態では、車載のレーダ装置3の軸ずれ推定装置7は、情報取得部31と軸ずれ角推定部33と信頼度算出部35と信頼度補正部37と統合軸ずれ角算出部39とを備えている。そして、軸ずれ角推定部33によって推定されたそれぞれの軸ずれ角m1~m3に対して、信頼度補正部37によってそれぞれの軸ずれ角m1~m3に基づいて補正されたそれぞれの信頼度(即ち、補正信頼度)hw1~hw3を用いて重み付けして、重み付け平均をとることによって、統合軸ずれ角TGを算出するように構成されている。
このような構成により、本第1実施形態では、レーダ装置3のビーム方向によって、レーダ装置3の軸ずれ角の推定精度に影響がある場合でも、そのビーム方向による影響を低減して、軸ずれ角の推定精度を向上させることができる。
つまり、各推定手法によって推定された各軸ずれ角m1~m3に対して、各推定手法に対応した補正信頼度hw1~hw3を用いて重み付けして、重み付け平均をとることにより、統合軸ずれ角TGを算出することができる。
この統合軸ずれ角は、各推定手法においてビーム方向による影響を考慮して補正した信頼度を加味して得られた軸ずれ角であるので、ビーム方向を考慮しない場合に比べて、軸ずれ角の推定精度を高めることができる。
(1b)本第1実施形態では、信頼度補正部37は、予め、それぞれの軸ずれ角m1~m3に対応したそれぞれの信頼度w1~w3を補正する補正量(即ち、補正項)を備えるように構成されている。
具体的には、この補正項を規定する軸ずれ角に対応した信頼度補正項算出マップを備えているので、このマップを用いることによって、適切に信頼度w1~w3の補正を行うことができる。
(1c)本第1実施形態では、静止物反射点を用いる第1の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向(即ち、進行方向B)に対して上向きの場合には、軸ずれ角が進行方向Bに対して下向きの場合より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。これにより、信頼度が高いと予測されるデータ(即ち、各推定手法に対応した軸ずれ角)の信頼度が向上するので、結果として、最終的に求める軸ずれ角(即ち、総合軸ずれ角)の推定精度を向上できる。
(1d)本第1実施形態では、路面反射点を用いる第2の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向(即ち、進行方向B)に対して下向きの場合には、軸ずれ角が進行方向Bに対して上向きの場合より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。これにより、信頼度が高いと予測されるデータの信頼度が向上するので、結果として、最終的に求める軸ずれ角の推定精度を向上できる。
(1e)本第1実施形態では、先行車反射点を用いる第3の推定手法にて軸ずれ角の推定を行う場合において、信頼度を補正する際に、軸ずれ角の絶対値が所定の範囲の値より小さい場合には、軸ずれ角の絶対値が前記所定の範囲の値より大きい場合より高い信頼度に補正するように補正項が設定されている。これにより、信頼度が高いと予測されるデータの信頼度が向上するので、結果として、最終的に求める軸ずれ角の推定精度を向上できる。
[1-5.文言の対応関係]
本第1実施形態と本開示との関係において、レーダ装置がレーダ装置3に対応し、軸ずれ推定装置が軸ずれ推定装置(即ち、信号処理部)7に対応し、情報取得部が情報取得部31、S100に対応し、軸ずれ角推定部が軸ずれ角推定部33、S110、S120、S130に対応し、信頼度算出部が信頼度算出部35、S140に対応し、信頼度補正部が信頼度補正部37、S150に対応し、統合軸ずれ角算出部が統合軸ずれ角算出部39、S160に対応する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第2実施形態では、信頼度補正部37は、過去に算出された統合軸ずれ角に基づいて、各推定手法によって推定される軸ずれ角の信頼度を補正するように構成されている。
例えば、過去に算出された統合軸ずれ角が所定値より大きい場合には、各推定手法によって算出された軸ずれ角の信頼度が小さいことが考えられるので、そのような場合には、信頼度を小さくするように補正してもよい。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。また、本第2実施形態により、第1実施形態よりも軸ずれの推定精度を向上することができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(3a)本開示では、軸ずれ角を推定する推定手法として、第1~第3の推定手法を例に挙げたが、その他の推定手法を採用できる。また、推定手法の数は複数であればよく、2種又は4種以上であってもよい。
(3b)上記実施形態では、垂直方向の軸ずれ角を推定する例を挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。つまり、垂直方向の軸ずれ角及び水平方向の軸ずれ角のいずれか一方を推定するように構成されてもよい。
例えば、水平方向の軸ずれを推定する場合には、路側物と路面と先行車との反射点を利用することが考えられる。具体的には、路側物は、車両の進行方向に対して、路面や先行車よりも左右方向(即ち、外側)にあると考えられるので、水平方向の軸ずれ角が進行方
向に対して所定値以上ずれている場合には、路側物の信頼度を路面や先行車の信頼度より高めるように補正してもよい。
(3c)上記実施形態では、レーダ装置がレーダ波を車両の前方に向けて送信する形態を示したが、レーダ波の送信方向は車両の前方に限定されるものではない。例えば、レーダ装置は、車両の前方、右前方、左前方、後方、右後方、左後方、右側方及び左側方の少なくとも一方に向けてレーダ波を送信するように構成されてもよい。
つまり、照射するレーダ波(即ち、レーダビーム)のビーム方向は、車両の進行方向に一致していなくともよく、任意の方向に設定可能である。
(3d)上記実施形態では、レーダ装置がFMCW方式を採用している例を示したが、レーダ装置のレーダ方式は、FMCWに限定されるものではなく、例えば、2周波CW、FCM又はパルスを採用するように構成されてもよい。FCMは、Fast-Chirp Modulationの略である。
(3e)上記実施形態では、信号処理部が軸ずれ角の推定や軸ずれ角の調整の処理を実行する例を示したが、レーダ装置が軸ずれ角の推定や軸ずれ角の調整の処理を実行するように構成されてもよい。
(3f)本開示に記載の軸ずれ推定装置およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
あるいは、本開示に記載の軸ずれ推定装置およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
もしくは、本開示に記載の軸ずれ推定装置およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
(3g)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
(3h)上述した軸ずれ推定装置の他、当該軸ずれ推定装置を構成要素とするシステム、当該軸ずれ推定装置のコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移有形記録媒体、制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
3:レーダ装置、7:軸ずれ推定装置、31:情報取得部、33:軸ずれ角推定部、35:信頼度算出部、37信頼度補正部、39:統合軸ずれ角算出部

Claims (6)

  1. 車両に搭載されたレーダ装置(3)の軸ずれ角を推定する軸ずれ推定装置(7)であって、
    前記レーダ装置により検出された、当該レーダ装置を搭載した前記車両の周囲の物体の反射点のそれぞれについて、少なくとも前記レーダ装置と前記反射点との相対速度と、前記反射点についての方位角であってレーダビームの中心軸に沿った方向であるビーム方向を基準として求められた前記方位角と、を含む反射点情報を、繰り返して取得するように構成された情報取得部(31、S100)と
    前記情報取得部によって取得された前記反射点情報に基づいて、前記レーダ装置の前記軸ずれ角を複数の推定手法によってそれぞれ推定するように構成された軸ずれ角推定部(33、S110、S120、S130)と、
    前記軸ずれ角推定部にて前記複数の推定手法によってそれぞれ推定された前記それぞれの軸ずれ角に対して、信頼性の程度を示す信頼度をそれぞれ算出するように構成された信頼度算出部(35、S140)と、
    前記信頼度算出部によって前記それぞれの軸ずれ角に対してそれぞれ算出された前記それぞれの信頼度を、当該それぞれの信頼度毎に、当該それぞれの信頼度に対応した前記軸ずれ角推定部によって推定された前記それぞれの軸ずれ角に基づいて補正するように構成された信頼度補正部(37、S150)と、
    前記軸ずれ角推定部によって推定された前記それぞれの軸ずれ角に対して、前記信頼度補正部によって補正された前記それぞれの信頼度を用いて重み付けした値に基づいて、統合軸ずれ角を算出するように構成された統合軸ずれ角算出部(39、S160)と、
    を備えた、軸ずれ推定装置。
  2. 請求項1に記載の軸ずれ推定装置であって、
    前記信頼度補正部は、予め、前記それぞれの軸ずれ角に対応した前記それぞれの信頼度を補正する補正量を備えるように構成された、
    軸ずれ推定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の軸ずれ推定装置であって、
    前記軸ずれ角推定部は、前記物体のうち静止物について、当該静止物の前記反射点情報から前記軸ずれ角を推定する第1の前記推定手法を備えており、
    前記第1の推定手法にて前記軸ずれ角の推定を行う場合であって、前記信頼度補正部にて前記信頼度を補正する際に、前記軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向に対して上向きの場合には、前記軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向に対して下向きの場合より高い前記信頼度に補正するように構成された、
    軸ずれ推定装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の軸ずれ推定装置であって、
    前記軸ずれ角推定部は、前記物体のうち路面について、当該路面の前記反射点情報から前記軸ずれ角を推定する第2の前記推定手法を備えており、
    前記第2の推定手法にて前記軸ずれ角の推定を行う場合であって、前記信頼度補正部にて前記信頼度を補正する際に、前記軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向に対して下向きの場合には、前記軸ずれ角が軸ずれの無い基準となる方向に対して上向きの場合より高い前記信頼度に補正するように構成された、
    軸ずれ推定装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の軸ずれ推定装置であって、
    前記軸ずれ角推定部は、前記物体のうち自車の前を走行する先行車について、当該先行車の前記反射点情報から前記軸ずれ角を推定する第3の前記推定手法を備えており、
    前記第3の推定手法にて前記軸ずれ角の推定を行う場合であって、前記信頼度補正部に
    て前記信頼度を補正する際に、前記軸ずれ角の絶対値が所定の値より小さい場合には、前記軸ずれ角の絶対値が前記所定の値より大きい場合より高い前記信頼度に補正するように構成された、
    軸ずれ推定装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の軸ずれ推定装置であって、
    前記信頼度補正部は、過去に算出された前記統合軸ずれ角に基づいて、前記軸ずれ角の信頼度を補正するように構成された、
    軸ずれ推定装置。
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