(実施形態1)
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本実施形態において使用可能なウェーハの構成例について説明する。図1(A)はウェーハ11を示す斜視図であり、図1(B)はウェーハ11を示す断面図である。
例えばウェーハ11は、円盤状に形成されたシリコンウェーハであり、表面(第1面)11aと、表面11aとは反対側の裏面(第2面)11bとを備える。表面11aと裏面11bとは、互いに概ね平行に形成されている。
ウェーハ11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)13によって、複数の矩形状の領域に区画されている。そして、ウェーハ11の表面11a側のストリート13によって区画された複数の領域にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の半導体デバイス15が形成されている。
なお、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばウェーハ11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等からなるウェーハであってもよい。また、半導体デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
図1(C)は、半導体デバイス15を示す斜視図である。例えば半導体デバイス15は、半導体デバイス15の表面で露出し、他の配線、電極、半導体デバイス等に接続される複数の電極17を備える。なお、電極17の表面には、バンプ等の接続電極が形成されていてもよい。
また、ウェーハ11のストリート13によって区画された複数の領域の内部にはそれぞれ、複数の電極(ビア電極、貫通電極)19が埋め込まれている。電極19は、ウェーハ11の厚さ方向に沿って柱状に形成され、半導体デバイス15の電極17に接続されている。なお、電極19の材質に制限はなく、例えば、銅、タングステン、アルミニウム等の金属が用いられる。
電極19はそれぞれ、半導体デバイス15からウェーハ11の裏面11b側に向かって形成されており、電極19の長さ(高さ)はウェーハ11の厚さ未満である。そのため、電極19はウェーハ11の裏面11b側で露出しておらず、ウェーハ11の内部に埋没した状態となっている。また、ウェーハ11と電極19との間には、ウェーハ11と電極19とを絶縁する絶縁層(不図示)が設けられている。
ウェーハ11の裏面11b側に対して研削加工やエッチング処理等を施してウェーハ11を薄化すると、電極19がウェーハ11の裏面11b側で露出する。そして、電極19が裏面11b側で露出した状態のウェーハ11を複数枚積層すると、互いに重なるように積層された複数の半導体デバイス15を備える積層ウェーハが得られる。積層された半導体デバイス15同士は、電極19を介して接続される。
積層ウェーハは、切削加工、レーザー加工等によって、ストリート13に沿って分割される。その結果、積層された複数の半導体デバイス15を備えるデバイスチップ(積層デバイスチップ)が製造される。
なお、ウェーハ11には、半導体デバイス15の不良品(不良デバイス)が含まれることがある。図1(A)及び図1(B)には、ウェーハ11に不良デバイス15aが含まれている例を示している。例えば不良デバイス15aは、予め定められた所定の電気的特性の基準を満たしていない半導体デバイス15に相当する。
不良デバイス15aを含むウェーハ11を積層することによって積層ウェーハを形成し、この積層ウェーハを分割すると、不良デバイス15aを含む積層デバイスチップが製造される。そして、積層デバイスチップに含まれる一部の半導体デバイス15が不良デバイス15aであると、他の半導体デバイス15が良品であったとしても、積層デバイスチップ全体としては不良品(不良チップ)と判別されてしまう。
そこで、本実施形態に係るウェーハの製造方法では、ウェーハ11から不良デバイス15aを除去する。そして、不良デバイス15aの除去によってウェーハ11に形成された除去領域(隙間)に、良品の半導体デバイス15を嵌め込む。これにより、不良デバイス15aを含まないウェーハ11が製造される。以下、本実施形態に係るウェーハの製造方法の具体例を説明する。
まず、互いに交差する複数のストリート13によって区画された複数の領域にそれぞれ半導体デバイス15が形成されたウェーハ11(図1(A)及び図1(B)参照)を準備する(ウェーハ準備ステップ)。なお、後の工程で複数のウェーハを積層することによって積層ウェーハを形成するため、ウェーハ準備ステップでは少なくとも2枚以上のウェーハを準備することが好ましい。
次に、ウェーハ11を研削して薄化する(研削ステップ)。ウェーハ11の研削には、例えば研削装置が用いられる。図2は、研削装置2を示す正面図である。研削装置2は、ウェーハ11を保持するチャックテーブル4と、ウェーハ11を研削する研削ユニット6を備える。
チャックテーブル4の上面は、ウェーハ11を保持する平坦な保持面4aを構成している。保持面4aは、チャックテーブル4の内部に形成された流路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。また、チャックテーブル4には、チャックテーブル4を水平方向に沿って移動させる移動機構(不図示)が連結されている。移動機構としては、ボールねじ式の移動機構や、チャックテーブル4を支持して回転するターンテーブル等が用いられる。さらに、チャックテーブル4には、チャックテーブル4を鉛直方向(上下方向)と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
チャックテーブル4の上方には、研削ユニット6が配置されている。研削ユニット6は、鉛直方向に沿って配置された円筒状のスピンドル8を備える。スピンドル8の先端部(下端部)には、金属等からなる円盤状のマウント10が固定されている。また、スピンドル8の基端部(上端部)には、スピンドル8を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が接続されている。
マウント10の下面側には、ウェーハ11を研削する研削ホイール12が装着される。研削ホイール12は、ステンレス、アルミニウム等の金属からなりマウント10と概ね同径に形成された環状の基台14を備える。基台14の下面側には、複数の研削砥石16が固定されている。例えば、複数の研削砥石16は直方体状に形成され、基台14の外周に沿って概ね等間隔に配列されている。
研削ホイール12は、回転駆動源からスピンドル8及びマウント10を介して伝達される動力により、鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。また、研削ユニット6には、研削ユニット6を鉛直方向に沿って昇降させるボールねじ式の移動機構(不図示)が連結されている。さらに、研削ユニット6の近傍には、チャックテーブル4によって保持されたウェーハ11と複数の研削砥石16とに純水等の研削液20を供給するノズル18が設けられている。
研削装置2によって、例えばウェーハ11の裏面11b側が研削される。この場合には、まず、半導体デバイス15が形成されているウェーハ11の表面11a側に、保護部材21が貼着される。これにより、半導体デバイス15が保護部材21によって覆われて保護される。
保護部材21としては、フィルム状の基材と、基材上の接着層(糊層)とを含む円形のテープ(保護テープ)等を用いることができる。例えば、基材はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂からなり、接着層はエポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤からなる。また、接着層として、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂を用いてもよい。
そして、ウェーハ11がチャックテーブル4によって保持される。具体的には、ウェーハ11は、表面11a側(保護部材21側)が保持面4aに対面し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル4上に配置される。この状態で、保持面4aに吸引源の負圧を作用させると、ウェーハ11の表面11a側が保護部材21を介してチャックテーブル4によって吸引保持される。
次に、チャックテーブル4を研削ユニット6の下方に移動させる。そして、チャックテーブル4と研削ホイール12とをそれぞれ所定の方向に所定の回転数で回転させながら、研削ホイール12をチャックテーブル4に向かって下降させる。このときの研削ホイール12の下降速度は、研削砥石16が適切な力でウェーハ11に押し当てられるように調節される。
研削砥石16がウェーハ11の裏面11b側に接触すると、ウェーハ11の裏面11b側が削り取られる。これにより、ウェーハ11の裏面11b側が研削され、ウェーハ11が薄化される。そして、ウェーハ11が所定の厚さまで薄化されると、研削が停止される。その後、ウェーハ11から保護部材21が剥離され、除去される。
なお、研削ステップの前又は後には、ウェーハ11に含まれる半導体デバイス15のそれぞれに対して、半導体デバイス15が良品であるか不良品であるかを判別する検査が実施される。半導体デバイス15の検査では、例えば、半導体デバイス15の表面で露出する電極17に金属探針(プローブ)を当てて、半導体デバイス15の電気的特性を測定する(プロービング)。そして、測定された電気的特性が所定の基準を満たすか否かに基づいて、半導体デバイス15が良品であるか不良品であるかが判別される。
ウェーハ11に半導体デバイス15の不良品(不良デバイス15a)が含まれていると、その半導体デバイス15は検査によって不良品であると判別される。そして、不良品であると判別された半導体デバイス15の位置が記録される。
次に、ウェーハ11に形成された複数の半導体デバイス15のうち不良品であると判別された半導体デバイス15(不良デバイス15a)を含む不良デバイス領域を、ウェーハ11から除去する(除去ステップ)。図3(A)は、除去ステップにおけるウェーハ11を示す断面図である。
例えば除去ステップでは、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってウェーハ11を除去する。これにより、不良デバイス15aを含む直方体状の不良デバイス領域11cが、ウェーハ11からくり抜かれて分離される。そして、ウェーハ11の不良デバイス領域11cが存在していた場所には、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る直方体状の貫通孔(除去領域)11dが形成される。
図3(B)は、貫通孔11dが形成されたウェーハ11を示す斜視図である。不良デバイス領域11cを除去することにより、不良デバイス15aを含まないウェーハ11が得られる。なお、除去ステップの実施前に、前述の研削ステップ(図2参照)を実施しておくと、ウェーハ11が薄化され、不良デバイス領域11cをウェーハ11から除去しやすくなる。ただし、不良デバイス領域11cの除去に支障がない場合には、研削ステップを省略してもよい。
不良デバイス領域11cの除去には、様々な手法を用いることができる。例えば、不良デバイス15aを囲むストリート13に沿ってレーザービームを照射することにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する。以下、除去ステップにおいてウェーハ11にレーザー加工が施される例について説明する。
図4(A)は、レーザービーム32Aが照射されるウェーハ11を示す断面図である。除去ステップでは、まず、ウェーハ11の表面11a側が、ウェーハ11を支持するサポート基板23に固定される。例えば、サポート基板23はシリコン、ガラス、セラミックス等からなる板状の部材であり、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。これにより、ウェーハ11は、裏面11b側が露出した状態でサポート基板23によって支持される。
接着層25の材質に制限はなく、ウェーハ11及びサポート基板23の材質に応じて適宜選択される。例えば接着層25として、加熱によって硬化する熱硬化性樹脂からなる接着剤、加熱によって軟化する熱可塑性樹脂からなる接着剤、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化性樹脂からなる接着剤等を用いることができる。
また、接着層25は、加熱及び加圧によってウェーハ11及びサポート基板23に固定可能なシート(熱圧着シート)であってもよい。例えば接着層25は、ウェーハ11及びサポート基板23よりも融点が低い熱可塑性樹脂からなる柔軟なシートであり、接着剤(糊層)を含まない。熱圧着シートを加熱しつつ、熱圧着シートを介してウェーハ11をサポート基板23に押圧すると、熱圧着シートがウェーハ11及びサポート基板23に密着する。これにより、ウェーハ11がサポート基板23に固定される。シートの具体例としては、ポリオレフィン(PO)系シート、ポリエステル(PE)系シートが挙げられる。
ポリオレフィン系シートは、アルケンをモノマーとして合成されるポリマーからなるシートである。ポリオレフィン系シートの例としては、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリスチレンシート等が挙げられる。また、プロピレンとエチレンとのコポリマーからなるシートや、オレフィン系エラストマーからなるシートを用いることもできる。
ポリエステル系シートは、ジカルボン酸(2つのカルボキシル基を有する化合物)と、ジオール(2つのヒドロキシル基を有する化合物)と、をモノマーとして合成されるポリマーからなるシートである。ポリエステル系シートの例としては、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリエチレンナフタレートシート等が挙げられる。また、ポリトリメチレンテレフタレートシート、ポリブチレンテレフタレートシート、又はポリブチレンナフタレートを用いることもできる。
なお、接着層25を介してウェーハ11をサポート基板23に固定する際は、接着層25をウェーハ11及びサポート基板23に強固に接着させず、ウェーハ11がサポート基板23に仮固定された状態とすることが好ましい。これにより、後の工程でウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する際(図8(B)参照)、不良デバイス領域11cが接着層25から剥離されやすくなる。
例えば、接着層25が熱硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、熱硬化性樹脂をウェーハ11及びサポート基板23に完全に固着させる場合よりも低温又は短時間の加熱処理を行い、ウェーハ11をサポート基板23に固定する。また、接着層25が熱可塑性樹脂からなる接着剤である場合には、熱可塑性樹脂を所定の温度で加熱して軟化させた状態で、ウェーハ11をサポート基板23に固定する。
接着層25が紫外線硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、紫外線硬化性樹脂に加熱処理を行うことなくウェーハ11をサポート基板23に固定する。また、接着層25が熱圧着シートである場合には、熱圧着シートをウェーハ11及びサポート基板23に完全に固着させる場合よりも低温又は短時間の加熱処理を行い、ウェーハ11をサポート基板23に固定する。
また、サポート基板23の代わりに、樹脂等からなるテープをウェーハ11の表面11a側に貼着してもよい。テープの構造及び材質の例は、保護部材21(図2参照)と同様である。
次に、ウェーハ11にレーザー加工を施す。ウェーハ11のレーザー加工には、レーザー加工装置が用いられる。レーザー加工装置は、ウェーハ11を保持するチャックテーブル(不図示)と、ウェーハ11にレーザービーム32Aを照射するレーザー照射ユニット30Aとを備える。レーザー照射ユニット30Aは、所定の波長のレーザーを発振するレーザー発振器と、レーザー発振器から出射したレーザービームを集光させる集光器(集光レンズ)とを備える。
レーザービーム32Aの照射条件は、ウェーハ11のレーザービーム32Aが照射された領域が多光子吸収によって改質(変質)されるように設定される。具体的には、レーザービーム32Aの波長は、少なくともレーザービーム32Aの一部がウェーハ11を透過するように設定される。すなわち、レーザー照射ユニット30Aは、ウェーハ11に対して透過性を有する波長のレーザービーム32Aを照射する。また、レーザービーム32Aの他の照射条件(出力、パルス幅、スポット径、繰り返し周波数等)も、ウェーハ11が適切に改質されるように設定される。
そして、レーザービーム32Aの集光点をウェーハ11の内部に位置付けた状態で、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってレーザービーム32Aを照射する。なお、レーザービーム32Aは不良デバイス15aを囲むように照射されればよく、レーザービーム32Aの具体的な走査経路は適宜設定される。
図5(A)~図5(C)に、レーザービーム32Aの走査経路の例を示す。図5(A)は角丸四角形状の経路34Aを示す平面図であり、図5(B)は矩形状の経路34Bを示す平面図であり、図5(C)は複数の直線状の経路34Cを示す平面図である。経路34A、経路34B、複数の経路34Cはそれぞれ、ストリート13と重なるように設定される。
例えばレーザービーム32Aは、四隅が円弧状に形成された略矩形状の経路34Aに沿って、不良デバイス15aを囲むように走査される。また、レーザービーム32Aは、不良デバイス15aを囲む矩形状の経路34Bに沿って走査されてもよい。なお、レーザービーム32Aが経路34A又は経路34Bに沿って走査される場合、ウェーハ11にはレーザービーム32Aが不良デバイス15aを囲むように連続的に照射される(一筆書き)。
また、レーザービーム32Aは、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿う4本の直線状の経路34Cに沿って走査されてもよい。なお、経路34C同士は連結されておらず、レーザービーム32Aは不良デバイス15aを囲むように断続的に照射される。
図4(B)は、改質層(変質層)27が形成されたウェーハ11を示す断面図である。不良デバイス15aを囲むストリート13に沿ってレーザービーム32Aが照射されると、ウェーハ11が多光子吸収によって改質され、ウェーハ11の内部に改質層27がストリート13に沿って形成される。そして、改質層27が形成された領域は、ウェーハ11の他の領域よりも脆くなる。そのため、例えばウェーハ11に外力を付与すると、ウェーハ11が改質層27に沿って破断する。すなわち、改質層27は不良デバイス領域11cの分離の起点(きっかけ)として機能する。
特に、図5(A)に示す経路34A又は図5(C)に示す経路34Cに沿ってレーザービーム32Aを照射すると、経路34A,34Cの四隅(コーナー部)における意図しない不規則な亀裂(クラック)の発生が効果的に抑制されることが確認されている。この場合、経路34A,34Cの四隅に形成された改質層27が分割の起点として正しく機能し、不良デバイス領域11cが正確に分離されやすくなる。
なお、改質層27は、レーザービーム32Aの集光点の高さ位置を変えつつレーザービーム32Aを各ストリート13に沿って複数回ずつ照射することによって形成してもよい。この場合、改質層27は、ウェーハ11の厚さ方向に沿って複数段形成された改質領域によって構成される。
図4(C)は、複数の改質領域(変質領域)27aを含む改質層27を示す断面図である。例えば、ウェーハ11の内部には、各ストリート13に沿って複数段の改質領域27aが、ウェーハ11の厚さ方向において異なる深さ位置に形成される。
なお、複数の改質領域27aは、平面視で重ならないように形成されてもよい。具体的には、図4(C)に示すように、複数の改質領域27aは、ウェーハ11の裏面11b側に形成された改質領域27aほど、水平方向(ウェーハ11の厚さ方向と垂直な方向)において不良デバイス15aから離れた位置に形成される。この場合、ウェーハ11の厚さ方向に対して傾斜した改質層27が形成され(図4(B)参照)、後の工程でウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離しやすくなる(図8(B)参照)。ただし、改質層27の形状に制限はなく、改質層27はウェーハ11の厚さ方向と平行に形成されてもよい。
次に、ウェーハ11の裏面11b側を研削することにより、レーザービーム32Aの照射によって加工された被加工領域(改質層27)、又は、被加工領域(改質層27)から進展した亀裂(クラック)をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。ウェーハ11の研削には、例えば図2に示す研削装置2が用いられる。
チャックテーブル4によって保持されたウェーハ11の裏面11b側に研削砥石16を接触させることにより、ウェーハ11の裏面11b側が研削される。そして、例えばウェーハ11は、改質層27がウェーハ11の裏面11b側で露出するまで研削、薄化される。
図6は、研削後のウェーハ11を示す断面図である。研削砥石16(図2参照)をウェーハ11に押し付けてウェーハ11を研削すると、ウェーハ11に外力(圧力)が付与され、ウェーハ11が改質層27に沿って破断する。また、改質層27で発生した亀裂(クラック)29が進展し、ウェーハ11の表面11aに到達する。その結果、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分断される。
なお、改質層27からウェーハ11の表面11aに進展する亀裂29は、レーザービーム32Aの照射によって改質層27が形成された際(図4(A)及び図4(B)参照)に発生することもある。具体的には、レーザービーム32Aの照射条件や改質層27が形成される位置を適切に設定することにより、改質層27の形成と同時に発生する亀裂29をウェーハ11の表面11aに到達させることができる。
また、ウェーハ11の研削後には、ウェーハ11に対してエッチング処理を施すことが好ましい。例えば、ウェーハ11に対してプラズマエッチングが施される。プラズマエッチングには、プラズマ処理装置が用いられる。プラズマ処理装置は、ウェーハ11を保持する保持面を有するチャックテーブルと、チャックテーブルを収容するチャンバー(処理室)とを備える。
図7(A)は、プラズマエッチングが施されるウェーハ11を示す断面図である。プラズマエッチングを実施する際は、ウェーハ11がチャックテーブルによって保持された状態で、チャンバーが密閉され、チャンバー内にエッチング用のガス(エッチングガス)36が供給される。そして、プラズマ処理装置は、チャンバー内のガス36を高周波電圧によってイオンやラジカルを含むプラズマ状態にする。これにより、プラズマ化したガス36がウェーハ11に供給される。
例えば、ウェーハ11がシリコンウェーハである場合には、ガス36として、CF4、SF6等のフッ素系のガスが用いられる。ただし、ガス36の成分はウェーハ11の材質に応じて適宜選択される。そして、プラズマ状態のガス36がウェーハ11に作用し、ウェーハ11にプラズマエッチングが施される。
図7(B)は、プラズマエッチング後のウェーハ11を示す断面図である。プラズマ化したガス36がウェーハ11の裏面11b側に供給されると、ガス36が改質層27及び亀裂29に入り込み、改質層27及び亀裂29の内部にエッチングが施される。その結果、ウェーハ11と不良デバイス領域11cとの隙間が拡張され、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが確実に分断される。
ただし、ガス36は、チャンバーの外部でプラズマ化された後、金属製の供給管を介してチャンバー内に供給されてもよい。この場合、プラズマ化したガス36が供給管を通過する際、ガスに含まれるイオンが供給管の内壁に吸着し、チャンバー内に到達しにくくなる。その結果、ラジカルの比率が高いガス36がチャンバー内に導入され、ウェーハ11に供給される。ラジカルの比率が高いガス36は、ウェーハ11内の狭い領域に入り込みやすいため、ガス36によって改質層27及び亀裂29の内部にエッチング処理が施されやすくなる。
また、エッチング処理の種類はプラズマエッチングに限定されない。例えば、ウェーハ11の裏面11b側にエッチング液を供給することにより、ウェーハ11にウェットエッチングを施してもよい。具体的には、ウェーハ11がシリコンウェーハである場合には、水酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等を含むエッチング液がウェーハ11に供給される。そして、エッチング液が改質層27及び亀裂29に入り込むことにより、改質層27及び亀裂29の内部にエッチングが施され、改質層27及び亀裂29が拡張される。
なお、レーザービーム32Aの照射によって形成された改質層27(図4(B)参照)が、電極19よりもウェーハ11の裏面11b側に存在する場合には、改質層27が全て除去されるまでウェーハ11を研削、薄化することが好ましい。この場合、改質層27を含まず、改質層27から進展した亀裂29のみが残存するウェーハ11が得られる。このようにウェーハ11から改質層27を除去しておくと、最終的にウェーハ11を分割することによって得られるデバイスチップの抗折強度(曲げ強度)の低下が防止される。
上記のようにウェーハ11から改質層27が除去される場合には、研削によってウェーハ11の裏面11b側で亀裂29が露出し、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分断される。そして、亀裂29の内部にプラズマ化したガス36やエッチング液が供給され、亀裂29が拡張される。
また、レーザービーム32Aの照射によって改質層27が形成された際(図4(A)及び図4(B)参照)、又は、ウェーハ11の裏面11b側が研削された際(図6参照)に、改質層27からウェーハ11の裏面11b側に向かって進展する亀裂(クラック)が発生することがある。この場合には、ウェーハ11の研削によって該亀裂をウェーハ11の裏面11bで露出させると、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分断される。
次に、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを除去する。具体的には、不良デバイス領域11cを接着層25から剥離してピックアップすることにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する。
ウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する際には、まず、接着層25の粘着力を部分的に低下させる処理(事前処理)を施すことが好ましい。例えば、改質層27及び亀裂29を介して接着層25に薬液を供給することにより、接着層25の粘着力を部分的に低下させ、又は、接着層25を部分的に除去する。
また、接着層25が所定のエネルギーの付与(加熱、電磁波の照射等)によって粘着力が低下する材質からなる場合には、接着層25にエネルギーを付与することによって、接着層25の粘着力を低下させてもよい。例えば、接着層25が熱可塑性樹脂からなる接着剤である場合には、接着層25を加熱することによって接着層25の粘着力を低下させることができる。また、接着層25が紫外線硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、接着層25に紫外線を照射することによって接着層25の粘着力を低下させることができる。
また、接着層25として、フィルム状の基材と、基材の一方の面側に設けられた熱発泡層と、基材の他方の面側に設けられた粘着層とを備えるテープを用いることもできる。このテープの熱発泡層は、加熱によって膨張する膨張材を粘着剤に含有させることによって形成される。
熱発泡層の粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を用いることができる。また、熱発泡層の膨張材としては、加熱によって膨張する微小球(熱膨張性微小球)や、加熱によって発泡する発泡材などを用いることができる。
熱膨張性微小球は、弾性を有するマイクロカプセルに、加熱によって膨張する物質を内包させることによって構成される。加熱によって膨張する物質としては、例えば、プロパン、プロピレン、ブテンなどを用いることができる。熱膨張性微小球を含むテープの市販品の例としては、日東電工株式会社製のリバアルファ(登録商標)が挙げられる。また、加熱によって発泡する発泡材としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、アジド類等の無機系発泡剤や、各種の有機系発泡剤を用いることができる。
上記のテープは、熱発泡層側がウェーハ11に接触し粘着層側がサポート基板23に接触するように、ウェーハ11及びサポート基板23に貼着される。そして、テープを加熱すると、テープの加熱された領域で熱発泡層に含まれる膨張材が膨張して凹凸が形成され、テープのウェーハ11に対する粘着力が低下する。
図8(A)は、接着層25に事前処理が施される際のウェーハ11を示す断面図である。例えば、サポート基板23のウェーハ11が固定されている面(上面)とは反対側の面(下面)側に、マスク38が固定される。なお、マスク38は、マスク38を上下に貫通する開口38aを備えており、開口38aが不良デバイス領域11cと重なるように固定される。
また、サポート基板23の下方に、接着層25にエネルギーを付与するエネルギー付与ユニット40が配置される。エネルギー付与ユニット40は、マスク38の開口38aを介して接着層25にエネルギーを付与する。なお、エネルギー付与ユニット40から接着層25に付与されるエネルギーの種類は、接着層25の性質に応じて選択される。
例えば、接着層25が熱可塑性樹脂からなる接着剤や熱発泡層を含むテープである場合には、エネルギー付与ユニット40としてヒーターが用いられる。また、マスク38として断熱部材が用いられる。そして、エネルギー付与ユニット40からサポート基板23のうちマスク38の開口38aと重なる領域に熱が付与され、サポート基板23の熱が接着層25に伝導する。これにより、接着層25のうちマスク38の開口38aと重なる領域が部分的に加熱される。
また、接着層25が紫外線硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、エネルギー付与ユニット40として紫外線を照射する光源(ランプ)が用いられる。また、サポート基板23として紫外線に対して透過性を有する部材が用いられ、マスク38として紫外線に対して遮光性を有する部材が用いられる。そして、エネルギー付与ユニット40から、マスク38の開口38a及びサポート基板23を介して、接着層25に紫外線が照射される。これにより、接着層25のうちマスク38の開口38aと重なる領域に紫外線が部分的に照射される。
エネルギー付与ユニット40から接着層25にエネルギーが付与されると、接着層25のうち不良デバイス領域11cと重なる領域の粘着力が部分的に低下する。これにより、不良デバイス領域11cを接着層25から剥離しやすくなる。
図8(B)は、不良デバイス領域11cが分離される際のウェーハ11を示す断面図である。必要に応じてウェーハ11に事前処理を施した後、不良デバイス領域11cを保持してウェーハ11から離隔させる。これにより、不良デバイス領域11cが接着層25から剥離され、ウェーハ11からくり抜かれる。
なお、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する際、ウェーハ11又はサポート基板23に超音波を照射することにより、不良デバイス領域11cの分離をアシストしてもよい。図9は、超音波照射ユニット42を示す断面図である。
超音波照射ユニット42は、直方体状に形成された箱型の容器44を備える。容器44内には、純水等の液体46が貯留される。また、容器44内には、超音波を発する超音波発信器48が設けられている。
改質層27及び亀裂29が形成されたウェーハ11は、液体46に浸かるように容器44に収容される。このときウェーハ11は、例えばサポート基板23が超音波発信器48に対面するように配置される。この状態で、超音波発信器48に超音波を発信させると、超音波が液体46を媒体として伝播してサポート基板23に到達し、サポート基板23に超音波振動が付与される。
仮に、ウェーハ11が改質層27及び亀裂29に沿って十分に破断していない状態であっても、サポート基板23に超音波振動を付与すると、サポート基板23の振動によってウェーハ11の破断が促進される。また、サポート基板23の振動によって、不良デバイス領域11cと接着層25との接合が弱まる。その結果、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分離されやすくなる。なお、超音波は、サポート基板23のうち不良デバイス領域11cと重なる領域に部分的に照射されてもよい。
このようにして、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離される。そして、ウェーハ11の不良デバイス領域11cが存在していた場所には、ウェーハ11を厚さ方向に貫通する貫通孔11dが形成される(図8(B)参照)。
なお、上記では一例として、レーザービーム32Aの照射によって形成された改質層27及び亀裂29に沿ってウェーハ11を破断させる方法について説明した。ただし、ウェーハ11に施されるレーザー加工の内容は、改質層27及び亀裂29の形成に限られない。例えば、除去ステップでは、ウェーハ11にアブレーション加工を施すことにより、不良デバイス領域11cをウェーハ11から分離することもできる。
図10(A)は、レーザービーム32Bが照射されるウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11にアブレーション加工を施す場合には、ウェーハ11にレーザービーム32Bを照射するレーザー照射ユニット30Bが用いられる。なお、レーザー照射ユニット30Bの構成は、レーザー照射ユニット30A(図4(A)参照)と同様である。
ただし、レーザービーム32Bの照射条件は、ウェーハ11のレーザービーム32Bが照射された領域がアブレーション加工によって除去されるように設定される。具体的には、レーザービーム32Bの波長は、少なくともレーザービーム32Bの一部がウェーハ11に吸収されるように設定される。すなわち、レーザー照射ユニット30Bは、ウェーハ11に対して吸収性を有する波長のレーザービーム32Bを照射する。また、レーザービーム32Bの他の照射条件も、ウェーハ11にアブレーション加工が適切に施されるように設定される。
例えばレーザービーム32Bは、ウェーハ11の表面11a側に照射される。具体的には、ウェーハ11は、表面11a側が露出するように、レーザー加工装置のチャックテーブル(不図示)によって保持される。そして、レーザービーム32Bの集光点をウェーハ11のストリート13に位置付けた状態で、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってレーザービーム32Bを照射する。なお、レーザービーム32Bの走査経路に制限はない。例えば、図5(A)及び図5(B)に示す経路34A又は経路34Bに沿って、レーザービーム32Bが走査される。
図10(B)は、溝31が形成されたウェーハ11を示す断面図である。不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってレーザービーム32Bが照射されると、ウェーハ11の表面11a側のうちストリート13に沿う領域がアブレーション加工によって除去される。その結果、ウェーハ11の表面11a側には、平面視で矩形状の溝31がストリート13に沿って形成される。
なお、溝31の形状に制限はない。例えば溝31は、ウェーハ11の厚さ方向において幅が一定になるように形成されてもよいし、図10(B)に示すようにウェーハ11の裏面11b側ほど幅が広くなるように形成されてもよい。
また、溝31を形成する際には、ウェーハ11の表面11a側を保護膜で覆い、保護膜を介してウェーハ11にレーザービーム32Bを照射してもよい。例えば保護膜としては、樹脂製のテープや、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)等の水溶性の樹脂でなる膜を用いることができる。ウェーハ11の表面11a側に保護膜が形成されていると、アブレーション加工の際に発生した加工屑(デブリ)がウェーハ11の表面11aに付着することを防止でき、ウェーハ11及び半導体デバイス15の汚染が回避される。
また、レーザービーム32Bの照射によって加工された被加工領域(溝31)に、プラズマ化したガス又はエッチング液を供給することにより、ウェーハ11にエッチング処理を施してもよい。これにより、溝31が拡張されるとともに、アブレーション加工によって溝31の内壁に形成された微細な凹凸が除去される。
ウェーハ11にエッチング処理を施す際には、ウェーハ11の表面11a側を覆うマスクが形成されることが好ましい。このマスクには、ウェーハ11のうち溝31が形成された領域を露出させる開口が設けられる。そして、プラズマ化したガス又はエッチング液が、マスクを介してウェーハ11に供給される。これにより、ウェーハ11の表面11a側に形成されている半導体デバイス15が保護される。
なお、エッチング処理に用いられるマスクの材質に制限はない。例えば、マスクとして感光性の樹脂でなるレジストが用いられる。また、マスクとして、レーザービーム32Bの照射の際にウェーハ11の表面11a側に形成された前述の保護膜(PVA、PEG等)を用いることもできる。
次に、ウェーハ11の裏面11b側を研削することにより、レーザービーム32Bの照射によって加工された被加工領域(溝31)をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。ウェーハ11を研削する際は、まず、ウェーハ11をサポート基板に固定する。図11(A)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11の裏面11b側を研削する場合には、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
次に、研削装置2(図2参照)によってウェーハ11を研削する。具体的には、研削砥石16をウェーハ11の裏面11b側に接触させることにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削する。そして、ウェーハ11は、溝31がウェーハ11の裏面11b側で露出するまで研削、薄化される。
図11(B)は、研削後のウェーハ11を示す断面図である。溝31がウェーハ11の裏面11b側に露出すると、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分断される。その後、前述の通りウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される(図8(A)、図8(B)、図9参照)。
また、除去ステップでは、レーザービームの照射によってウェーハ11を切断してもよい。具体的には、アブレーション加工によって、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至るカーフ(切り口)をストリート13に沿って形成する。
図12(A)は、レーザービーム32Cが照射されるウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11の切断には、ウェーハ11にレーザービーム32Cを照射するレーザー照射ユニット30Cが用いられる。なお、レーザー照射ユニット30Cの構成は、レーザー照射ユニット30A(図4(A)参照)と同様である。
ただし、レーザービーム32Cの照射条件は、アブレーション加工によってウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る領域が除去されるように設定される。具体的には、レーザービーム32Cの波長は、少なくともレーザービーム32Cの一部がウェーハ11に吸収されるように設定される。すなわち、レーザー照射ユニット30Cは、ウェーハ11に対して吸収性を有する波長のレーザービーム32Cを照射する。また、レーザービーム32Cの他の照射条件も、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る領域が除去されるように設定される。
ウェーハ11にレーザービーム32Cを照射する際は、まず、ウェーハ11にテープ等の保護部材33が貼着される。例えば、ウェーハ11の表面11a側にレーザービーム32Cを照射する場合には、ウェーハ11の裏面11b側に保護部材33としてテープが貼着される。
次に、レーザービーム32Cをウェーハ11の表面11a側に照射する。具体的には、レーザービーム32Cの集光点をウェーハ11のストリート13に位置付けた状態で、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってレーザービーム32Cを照射する。なお、レーザービーム32Cの走査経路に制限はない。例えば、図5(A)及び図5(B)に示す経路34A又は経路34Bに沿って、レーザービーム32Cが走査される。
不良デバイス15aを囲むストリート13に沿ってレーザービーム32Cが照射されると、ウェーハ11がストリート13に沿って除去される。その結果、ウェーハ11には、表面11aから裏面11bに至るカーフ(切り口)35がストリート13に沿って形成される。その結果、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。
なお、レーザービーム32Cをストリート13に沿って1回走査するだけではウェーハ11の裏面11bに至るカーフ35を形成することが困難な場合には、各ストリート13に沿ってレーザービーム32Cを複数回ずつ走査してもよい。その後、前述の通りウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される(図8(A)、図8(B)、図9参照)。
ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離された後、ウェーハ11はサポート基板23に固定される。図12(B)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11にカーフ35が形成されて不良デバイス領域11cが分離された後、ウェーハ11の表面11a側にサポート基板23が接着層25を介して固定される。その後、ウェーハ11の裏面11b側から保護部材33が剥離され、除去される。
また、除去ステップでは、液体を介して照射されるレーザービーム(アクアレーザー)によってウェーハ11を加工することもできる。図13(A)は、液柱50を介してレーザービーム32Cが照射されるウェーハ11を示す断面図である。
レーザー照射ユニット30Cは、ウェーハ11に向かって液体を噴射する噴射ユニット(ノズル)を内蔵していてもよい。この場合、噴射ユニットからウェーハ11に液体が連続的に供給されることにより、レーザー照射ユニット30Cからウェーハ11に至る液柱50が形成される。液柱50は、流動する液体によって構成される柱であり、レーザービーム32Cを伝播させるための導光路として機能する。例えば、噴射ユニットから水が噴射され、水柱が形成される。
ウェーハ11は、保持テーブル52によって保持される。保持テーブル52の上面は、ウェーハ11を保持する平坦な保持面52aを構成している。また、保持テーブル52には、保持テーブル52を上下に貫通する開口52bが設けられている。開口52bは、半導体デバイス15を囲む4本のストリート13に対応して平面視で矩形状に形成されている。ウェーハ11は、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13がそれぞれ開口52bと重なるように、保持テーブル52上に配置される。
そして、レーザー照射ユニット30Cから液体が噴射されて液柱50が形成されるとともに、レーザー照射ユニット30Cからレーザービーム32Cが照射される。このとき、レーザービーム32Cの集光点は、液柱50の内部に位置付けられる。そして、レーザービーム32Cは液柱50を介してウェーハ11に照射される。
上記のように、レーザービーム32Cを液柱50に照射すると、レーザービーム32Cの集光点の高さ位置を厳密に制御しなくても、レーザービーム32Cをウェーハ11のストリート13に導くことができる。また、レーザー加工によって生じた加工屑(デブリ)が、液体によって洗い流される。
そして、レーザービーム32Cが液柱50とともにストリート13に沿って走査される。これにより、ウェーハ11にカーフ35がストリート13に沿って形成され、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。なお、レーザー照射ユニット30Cから噴射された液体は、保持テーブル52に設けられた開口52bを介して排出される。
その後、ウェーハ11がサポート基板に固定される。図13(B)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11にカーフ35が形成されて不良デバイス領域11cが分離された後、ウェーハ11の表面11a側にサポート基板23が接着層25を介して固定される。
なお、レーザービーム32Cの照射によって加工された被加工領域(カーフ35)に、プラズマ化したガス又はエッチング液を供給することにより、エッチング処理を施してもよい。これにより、カーフ35が拡張されるとともに、アブレーション加工によってカーフ35の内壁に形成された微細な凹凸が除去される。
また、上記ではレーザー加工によってウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離する方法について説明したが、不良デバイス領域11cの分離にはレーザー加工以外の方法を用いることもできる。例えば、プラズマエッチングによってウェーハ11を切断する、所謂プラズマダイシングを用いることもできる。
プラズマダイシングを実施する場合には、まず、ウェーハ11の表面11a側にサポート基板23を固定する(図4(A)参照)。その後、ウェーハ11の裏面11b側にプラズマエッチング用のマスクを形成する。
図14(A)は、マスク層37が形成されたウェーハ11を示す断面図である。マスク層37は、プラズマエッチングのマスクとして機能する材質からなり、ウェーハ11の裏面11bの全体を被覆するように形成される。例えばマスク層37として、感光性の樹脂でなるレジストや、PVA、PEG等の水溶性の樹脂を用いることができる。
次に、マスク層37のうち、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13と重なる領域を除去する。例えば、レーザー照射ユニット54からマスク層37にレーザービーム56を照射することにより、マスク層37がストリート13に沿って除去される。なお、レーザービーム56の照射条件は、マスク層37にレーザービーム56が照射された際に、アブレーション加工によってマスク層37が除去されるように設定される。
レーザービーム56を、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿ってマスク層37に照射すると、マスク層37には4本のストリート13を露出させる矩形状の開口が形成される。これにより、マスク層37がパターニングされ、プラズマエッチング用のマスク39(図14(B)参照)が形成される。
次に、マスク39を用いてウェーハ11にプラズマエッチングを施す。ウェーハ11のプラズマエッチングには、例えば前述のプラズマ処理装置が用いられる。
図14(B)は、プラズマエッチングが施されるウェーハ11を示す断面図である。プラズマエッチングを実施すると、プラズマ化したエッチング用のガス(エッチングガス)58が、マスク39の開口を介してウェーハ11に供給される。これにより、ウェーハ11のうち不良デバイス15aを囲むストリート13に沿う領域にエッチングが施され、ウェーハ11の裏面11b側に溝が形成される。
図14(C)は、プラズマエッチング後のウェーハ11を示す断面図である。エッチングが進行してウェーハ11の裏面11b側に形成された溝が表面11aに到達すると、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至るカーフ35がストリート13に沿って形成され、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。その後、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分離され、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される(図8(A)、図8(B)、図9参照)。
なお、プラズマエッチングは、プラズマ化したガス58をウェーハ11の表面11a側に供給することによって実施してもよい。この場合には、ウェーハ11をサポート基板23に固定する前に、ウェーハ11の表面11a側にマスク39が形成される。そして、マスク39を介してガス58がウェーハ11に供給され、ウェーハ11の表面11a側に溝が形成される。この溝が裏面11bに到達すると、カーフ35が形成され、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。その後、ウェーハ11の表面11a側にサポート基板23が固定される。
以上のような工程を経て、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される。その結果、図3(B)に示すように、不良デバイス15aを含まないウェーハ11が得られる。
次に、不良品であると判別された半導体デバイス15(不良デバイス15a)と同種で良品の半導体デバイス15を備え、貫通孔11dに嵌め込むことが可能なサイズのデバイスチップを準備する。デバイスチップの製造には、例えば、ウェーハ11と同一の構造を有するウェーハが用いられる。図15(A)は、デバイスチップの準備用のウェーハ51を示す斜視図である。
ウェーハ51は、ウェーハ11と同一の材質でなり、表面(第1面)51a及び裏面(第2面)51bを備える。また、ウェーハ51は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)53によって、複数の領域に区画されている。そして、ウェーハ51の表面51a側のストリート53によって区画された複数の領域にはそれぞれ、半導体デバイス55が形成されている。
半導体デバイス55は、図1(A)等に示す半導体デバイス15と同一の機能を有する。また、半導体デバイス55の構造は、半導体デバイス15と同様であり、半導体デバイス55には電極(ビア電極、貫通電極)57(図17(A)参照)が接続されている。電極57の構造及び材質は、図1(B)等に示す電極19と同様である。
ウェーハ51をストリート53に沿って分割することにより、半導体デバイス55をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。ウェーハ51の分割は、例えば前述のレーザー加工又はプラズマエッチングによって実施される。
また、ウェーハ51の分割には切削装置を用いることもできる。切削装置は、ウェーハ51を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルによって保持されたウェーハ51を切削する切削ユニットとを備える。切削ユニットには、環状の切削ブレードが装着される。切削ブレードを回転させてウェーハ51に切り込ませることにより、ウェーハ51がストリート53に沿って分割される。その結果、半導体デバイス55をそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。
図15(B)は、複数のデバイスチップ59に分割されたウェーハ51を示す斜視図である。なお、ウェーハ11の分割の前又は後には、ウェーハ51に形成された複数の半導体デバイス55の検査が実施され、半導体デバイス55がそれぞれ良品であるか不良品であるかが判別される。そして、ウェーハ51の分割によって得られた複数のデバイスチップ59から、不良品であると判別された半導体デバイス55を含むデバイスチップ59が除外される。
これにより、ウェーハ11に形成された良品の半導体デバイス15(図1(A)等参照)と同一の半導体デバイス55を備えたデバイスチップ59が得られる。すなわち、デバイスチップ59は、不良デバイス15a(図1(A)等参照)と同一の機能を有する良品の半導体デバイス55(不良デバイス15aが本来有すべき機能を備えた半導体デバイス55)を備える。
なお、デバイスチップ59を準備するタイミングに制限はない。例えば、ウェーハ51の準備及び半導体デバイス55の検査が、ウェーハ11の準備及び半導体デバイス15の検査と同じタイミングで実施された後、ウェーハ51の分割によってデバイスチップ59が製造される。
次に、デバイスチップ59をウェーハ11の貫通孔11dに嵌め込む(嵌め込みステップ)。図16は、嵌め込みステップにおけるウェーハ11を示す斜視図である。
ウェーハ11の表面11a側(半導体デバイス15側)がサポート基板23に固定されている場合には、デバイスチップ59は、半導体デバイス55が形成されている面側(表面側)がサポート基板23と対面するように位置付けられる。そして、デバイスチップ59がウェーハ11の貫通孔11dに嵌め込まれる。
図17(A)は、デバイスチップ59が嵌め込まれたウェーハ11を示す断面図である。デバイスチップ59は、貫通孔11d内で露出する接着層25に接触するように、貫通孔11dに嵌め込まれる。これにより、デバイスチップ59が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
なお、ウェーハ11が接着層25によってサポート基板23に仮固定された状態であり、ウェーハ11とサポート基板23との接合が弱い場合には、貫通孔11dにデバイスチップ59が嵌め込まれた後、ウェーハ11をサポート基板23に強固に固定する処理(本固定処理)を行う。これにより、ウェーハ11及びデバイスチップ59が接着層25を介してサポート基板23に強固に固定される。
例えば、接着層25が熱硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、仮固定の際よりも高温又は長期間の加熱処理を行って熱硬化性樹脂を硬化させることにより、ウェーハ11とサポート基板23との接合を強化する。また、接着層25が紫外線硬化性樹脂からなる接着剤である場合には、紫外線硬化性樹脂に加熱処理を行うことにより、ウェーハ11とサポート基板23との接合を強化する。さらに、接着層25が熱圧着シートである場合には、仮固定の際よりも高温又は長期間の加熱処理を行いつつウェーハ11及びサポート基板23を熱圧着シートに押し付け、ウェーハ11とサポート基板23との接合を強化する。
また、除去ステップにおいて、粘着力が弱い接着層25を用いてウェーハ11をサポート基板23に仮固定した場合には、嵌め込みステップの前に一旦ウェーハ11とサポート基板23とを分離し、接着層25よりも粘着力が高い他の接着層を用いてウェーハ11をサポート基板23に固定し直してもよい。
図17(B)は、貫通孔11dを示す平面図である。前述の除去ステップにおいて、貫通孔11dは、デバイスチップ59よりも大きく形成されている。具体的には、貫通孔11dの第1の方向(紙面左右方向)における長さLA1は、デバイスチップ59の第1の方向における長さLB1よりも大きい。また、貫通孔11dの第2の方向(第1の方向と垂直な方向、紙面上下方向)における長さLA2は、デバイスチップ59の第2の方向における長さLB2よりも大きい。そのため、貫通孔11dにデバイスチップ59が嵌め込まれると、ウェーハ11とデバイスチップ59との間には、隙間61がデバイスチップ59を囲むように形成される。
なお、後の工程(後述の樹脂充填ステップ)において、隙間61には樹脂が充填される。そのため、隙間61の幅(貫通孔11dの内壁とデバイスチップ59の側面との距離)が一定以上確保されることが好ましい。例えば、隙間61の幅が2μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上となるように、貫通孔11d又はデバイスチップ59のサイズが調節される。
貫通孔11dの具体的な寸法は、半導体デバイス15,55の位置等を考慮して適宜設定できる。例えば、ウェーハ11の表面11a側において、貫通孔11dの端部(内壁)と半導体デバイス15の端部との距離は、2μm以上、好ましくは5μm以上に設定される。また、ウェーハ11の表面11a側において、貫通孔11dの端部はストリート13の幅方向における中央よりも半導体デバイス15側に配置されてもよい。また、図17(A)に示すように貫通孔11dの内壁がウェーハ11の厚さ方向に対して傾斜している場合、貫通孔11dのうちウェーハ11の裏面11b側の領域の一部は、ウェーハ11に形成されている半導体デバイス15の一部と重なっていてもよい。
デバイスチップ59の具体的な寸法も、デバイスチップ59を貫通孔11dに嵌め込むことが可能であれば制限はない。例えば、デバイスチップ59の表面側において、半導体デバイス55の端部とデバイスチップ59の端部との距離は、ウェーハ11に設定されたストリート13の幅の1/2以下に設定される。
なお、嵌め込みステップでは、デバイスチップ59を接着層25に固着させる代わりに、接着層が付着したデバイスチップ59を貫通孔11dに嵌め込んでもよい。具体的には、貫通孔11dの内部で露出する接着層25をプラズマエッチングやウェットエッチング(薬液処理)等の処理によって除去した後、接着層が付着したデバイスチップ59を、接着層を介してサポート基板23に固定してもよい。
図18(A)は、接着層25にプラズマエッチングが施される際のウェーハ11を示す断面図である。例えば、ウェーハ11の裏面11b側にプラズマ化したガス(エッチングガス)60を供給することにより、接着層25のうち貫通孔11dと重畳する領域が除去される。
図18(B)は、接着層25の一部が除去された状態のウェーハ11を示す断面図である。接着層25のうち貫通孔11dと重畳する領域が除去されると、サポート基板23の上面のうち貫通孔11dと重畳する領域が露出する。なお、ウェーハ11にプラズマエッチングを施す際には、ウェーハ11の裏面11b側に貫通孔11dを露出させるマスクを形成してもよい。
次に、接着層が付着したデバイスチップ59が、貫通孔11dに嵌め込まれる。図18(C)は、接着層63が付着したデバイスチップ59が嵌め込まれたウェーハ11を示す断面図である。デバイスチップ59の表面側(半導体デバイス55側)には、接着層63が設けられている。なお、接着層63の材質の例は、接着層25と同様である。デバイスチップ59は、接着層63を介して、貫通孔11dの内側で露出するサポート基板23の上面に固定される。
そして、貫通孔11dにデバイスチップ59が填め込まれた後、必要に応じて接着層25,63に対して本固定処理を行う。これにより、ウェーハ11及びデバイスチップ59が接着層25,63を介してサポート基板23に強固に固定される。
次に、ウェーハ11とデバイスチップ59との隙間61に樹脂を充填する(樹脂充填ステップ)。図19(A)は、樹脂充填ステップにおけるウェーハ11を示す断面図である。
樹脂充填ステップでは、ウェーハ11の裏面11b側に樹脂65が形成される。樹脂65は、例えば、エポキシ樹脂等の液状樹脂をウェーハ11の裏面11b側に塗布して硬化させることによって形成される。ただし、樹脂65の材料に制限はない。
ウェーハ11の裏面11b側に液状樹脂を塗布すると、液状樹脂の一部がウェーハ11とデバイスチップ59との隙間61(図17(A)、図17(B)等参照)に流入し、隙間61に充填される。この状態で液状樹脂を硬化させると、ウェーハ11とデバイスチップ59とが樹脂65を介して結合され、デバイスチップ59がウェーハ11に固定される。
次に、隙間61の外側に形成された樹脂65を研削する(樹脂研削ステップ)。樹脂研削ステップでは、ウェーハ11の裏面11b側に形成されている樹脂65が、研削加工によって除去される。樹脂65の研削には、例えば研削装置2(図2参照)が用いられる。
図19(B)は、樹脂研削ステップおけるウェーハ11を示す断面図である。例えば樹脂研削ステップでは、隙間61の外側に形成されている樹脂65が研削によって除去されるとともに、ウェーハ11の裏面11b側が研削される。そして、ウェーハ11の裏面11b側で電極19,57が露出するまで、ウェーハ11が薄化される。
ただし、電極19,57を露出させる方法に制限はない。例えば、樹脂研削ステップにおいてウェーハ11の裏面11b側が露出するまで樹脂65を研削した後、ウェーハ11の裏面11b側にプラズマエッチング、ウェットエッチング等のエッチング処理を施すことにより、電極19,57を露出させてもよい。この場合、研削砥石16(図2参照)が電極19,57に接触して電極19,57に含まれる金属が飛散することを防止できる。
以上の工程を経て、裏面11b側で露出する電極19,57を備えたウェーハ11が得られる。これにより、半導体デバイス15,55と、ウェーハ11の裏面11b側に積層される他のウェーハに含まれる半導体デバイス(不図示)とを、電極19,57を介して接続することが可能となる。すなわち、本実施形態に係るウェーハの製造方法によって、積層ウェーハの形成に用いることが可能なウェーハ11が製造される。
次に、上記のウェーハ11を用いて、積層された複数の半導体デバイスを備えるデバイスチップ(積層デバイスチップ)を製造する方法の具体例を説明する。積層デバイスチップを製造する際は、まず、積層された複数のウェーハを有する積層ウェーハを形成する(ウェーハ積層ステップ)。図20は、積層ウェーハ79を示す断面図である。
ウェーハ積層ステップでは、樹脂研削ステップ後のウェーハ11(第1ウェーハ)と、前述のウェーハ準備ステップで準備された他のウェーハ71(第2ウェーハ)とが用いられる。なお、ウェーハ71の構成は、ウェーハ11と同様である。
具体的には、ウェーハ71は、ウェーハ11と同一の材質でなり、表面(第1面)71a及び裏面(第2面)71bを備える。また、ウェーハ71は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)73によって、複数の矩形状の領域に区画されている。ウェーハ71の表面71a側のストリート73によって区画された複数の領域にはそれぞれ、半導体デバイス75が形成されている。
半導体デバイス75の構造は、半導体デバイス15と同様である。また、半導体デバイス75には、電極(ビア電極、貫通電極)77が接続されている。電極77の構造及び材質は、電極19と同一である。
ウェーハ71は、ウェーハ11上に積層される。例えばウェーハ71は、表面71a側がウェーハ11の裏面11b側と対面するように、ウェーハ11に貼り合わされる。なお、ウェーハ11とウェーハ71とを貼り合わせる方法に制限はない。例えば、ウェーハ11とウェーハ71とは、直接接合によって貼り合わされる。具体的には、ウェーハ11の裏面11b側とウェーハ71の表面71a側とが、表面活性化接合によって接合される。
ただし、ウェーハ11とウェーハ71とは間接接合によって貼り合わされてもよい。例えば、ウェーハ11上に永久接着剤を介してウェーハ71を積層することにより、ウェーハ11とウェーハ71とを貼り合わせることもできる。
なお、ウェーハ71に形成された複数の半導体デバイス75に不良デバイスが含まれている場合には、ウェーハ71がウェーハ11上に積層される前又は後に、ウェーハ71に対して研削ステップ、除去ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップが実施される。その結果、ウェーハ71から不良デバイスが除去されるとともに、ウェーハ71に良品の半導体デバイス55を含むデバイスチップ59が嵌め込まれる。
ウェーハ11とウェーハ71とは、ストリート13とストリート73とが重畳し、且つ、ウェーハ11に含まれる半導体デバイス15,55とウェーハ71に含まれる半導体デバイス75,55とが重畳するように貼り合わされる。その結果、ウェーハ11に含まれる半導体デバイス15,55と、ウェーハ71に含まれる半導体デバイス75,55とが、電極19,57を介して接続される。
このようにして、互いに積層されたウェーハ11とウェーハ71とを備える積層ウェーハ79が形成される。なお、ウェーハ積層ステップでは、ウェーハ11上に複数のウェーハ71を積層してもよい。例えば、ウェーハ11上に積層されたウェーハ71上に、更に他のウェーハ71を積層してもよい。この場合、ウェーハ11上に積層される複数のウェーハ71のそれぞれに対して、研削ステップ、除去ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップが実施される。これにより、3層以上のウェーハを備える積層ウェーハ79が得られる。
次に、積層ウェーハ79をストリート13,73に沿って分割することにより、積層された複数の半導体デバイスを備える積層デバイスチップを形成する(分割ステップ)。図21(A)は、分割ステップにおける積層ウェーハ79を示す断面図である。
分割ステップでは、例えば切削装置で積層ウェーハ79を切削する。切削装置は、積層ウェーハ79を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルによって保持された積層ウェーハ79を切削する切削ユニットとを備える。切削ユニットは、モータ等の回転駆動源によって回転する円筒状のスピンドルを備える。そして、スピンドルの先端部に、積層ウェーハ79を切削するための環状の切削ブレード62が装着される。
切削ブレード62としては、例えばハブタイプの切削ブレード(ハブブレード)が用いられる。ハブブレードは、金属等でなる環状の基台と、基台の外周縁に沿って形成された環状の切刃とが一体となって構成される。ハブブレードの切刃は、ダイヤモンド等でなる砥粒がニッケルめっき等の結合材によって固定された電鋳砥石によって構成される。
また、切削ブレード62として、ワッシャータイプの切削ブレード(ワッシャーブレード)を用いることもできる。ワッシャーブレードは、砥粒が金属、セラミックス、樹脂等でなる結合材によって固定された環状の切刃によって構成される。
切削ブレード62を回転させて積層ウェーハ79に切り込ませることにより、積層ウェーハ79が分割される。具体的には、切削ブレード62の下端をウェーハ11の表面11a(接着層25の上面)よりも下方に位置付けた状態で、切削ブレード62を回転させつつ切削ブレード62と積層ウェーハ79とを水平方向に沿って相対的に移動させることにより、切削ブレード62をストリート13,73に沿って積層ウェーハ79に切り込ませる。そして、全てのストリート13,73に沿って積層ウェーハ79を切削すると、積層ウェーハ79が複数の積層デバイスチップに分割される。
図21(B)は、複数の積層デバイスチップ81に分割された積層ウェーハ79を示す断面図である。積層デバイスチップ81はそれぞれ、ウェーハ11に含まれる1つの半導体デバイス15又は半導体デバイス55(第1半導体デバイス)と、ウェーハ71に含まれる1つの半導体デバイス75又は半導体デバイス55(第2半導体デバイス)とを備える。そして、第1半導体デバイスと第2半導体デバイスとは、互いに積層されており、電極19又は電極57を介して接続されている。
以上の通り、本実施形態に係るウェーハの製造方法では、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去され、不良デバイス領域11cの除去によって形成された空間(除去領域)に良品の半導体デバイス15を備えるデバイスチップ59が嵌め込まれる。これにより、不良デバイス15aを含まないウェーハ11を製造することができる。また、不良デバイス15aを含まないウェーハ11を積層して積層ウェーハ79を形成し、積層ウェーハ79を分割することにより、不良デバイス15aを含まない積層デバイスチップ81を製造できる。その結果、積層デバイスチップ81の歩留まりの低下が抑制される。
(実施形態2)
実施形態1では、除去ステップおいて不良デバイス領域11cがレーザービームの照射によって分離される例について説明したが、不良デバイス領域11cの分離には他の方法を用いてもよい。本実施形態では、ウェーハ準備ステップ及び研削ステップ(図2参照)の実施後、除去ステップおいて、ウェーハ11を破砕する破砕加工によって不良デバイス領域11cを分離する方法について説明する。
本実施形態において用いられる破砕加工は、ウェーハ11の加工が可能であれば制限はない。ウェーハ11の加工に用いることが可能な破砕加工の例としては、サンドブラスト加工、ウォータージェット加工、ドリル加工等が挙げられる。
図22(A)は、サンドブラスト加工によって溝93が形成されるウェーハ11を示す断面図である。サンドブラスト加工には、研磨材74を噴射するサンドブラストユニット72が用いられる。例えばサンドブラストユニット72は、エアー等の気体を圧縮して送り出すコンプレッサーと、圧縮された気体とともに研磨材74を噴射するブラストガンとを備える。サンドブラストユニット72から噴射された研磨材74がウェーハ11に衝突することにより、ウェーハ11が加工される。
破砕加工を実施する際は、まず、ウェーハ11に保護層91が形成される。例えば、ウェーハ11の表面11a側を加工する場合には、ウェーハ11の表面11a側が保護層91によって覆われ、半導体デバイス15が保護される。なお、保護層91の材質に制限はなく、例えばPVA、PEG等の水溶性の樹脂を用いることができる。また、破砕加工による半導体デバイス15の損傷が生じにくい場合には、保護層91の形成を省略してもよい。
次に、ウェーハ11が保持テーブル70によって保持される。保持テーブル70の上面は、ウェーハ11を保持する平坦な保持面70aを構成している。例えばウェーハ11は、表面11a側が上方に露出し、裏面11b側が保持面70aと対面するように、保持テーブル70上に配置される。
そして、サンドブラストユニット72から研磨材74が、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って噴射される。その結果、ウェーハ11の表面11a側に、帯状の溝93がストリート13に沿って形成される。この溝93は、不良デバイス15aを囲むように平面視で矩形状に形成される。
図22(B)は、ウォータージェット加工によって溝93が形成されるウェーハ11を示す断面図である。ウォータージェット加工には、水等の液体78を噴射するウォータージェットユニット76が用いられる。ウォータージェットユニット76は、ポンプによって加圧された液体78を噴射するノズルを備える。なお、液体78には砥粒が含まれていてもよい。ウォータージェットユニット76から噴射された液体78がウェーハ11に衝突することにより、ウェーハ11が加工される。
具体的には、ウォータージェットユニット76から噴射された液体78が、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って噴射される。その結果、ウェーハ11の表面11a側に、帯状の溝93がストリート13に沿って形成される。この溝93は、不良デバイス15aを囲むように平面視で矩形状に形成される。
図22(C)は、ドリル加工によって溝93が形成されるウェーハ11を示す断面図である。ドリル加工には、棒状のドリルビット82が装着されるドリルユニット80が用いられる。ドリルユニット80は、ドリルユニット80に装着されたドリルビット82を回転させるモータ等の回転駆動源を備える。ドリルビット82を回転させつつドリルビット82の先端部をウェーハ11に接触させることにより、ウェーハ11が加工される。
具体的には、まず、回転するドリルビット82をウェーハ11のストリート13と重畳する領域に接触させ、ウェーハ11に円柱状の溝を形成する。次に、保持テーブル70又はドリルビット82をストリート13に沿って移動させる。なお、このときの移動量は、ウェーハ11に形成された円柱状の溝の直径未満に設定する。その後、ドリルビット82でウェーハ11に新たな溝を形成する。その結果、既にウェーハ11に形成されている溝と新たに形成された溝とが連結される。
上記の手順を繰り返し、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って複数の溝を形成する。その結果、ウェーハ11の表面11a側に、帯状の溝93がストリート13に沿って形成される。この溝93は、互いに連結するように形成された複数の円柱状の溝によって構成される。
上記のように、不良デバイス15aを囲むストリート13に沿って破砕加工を施すことにより、ウェーハ11に溝93が形成される。その後、ウェーハ11の裏面11b側を研削することにより、破砕加工よって加工された被加工領域(溝93)をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。
ウェーハ11を研削する際は、まず、ウェーハ11をサポート基板23に固定する。図23(A)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11の裏面11b側を研削する場合には、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
次に、研削装置2(図2参照)によってウェーハ11を研削する。具体的には、研削砥石16をウェーハ11の裏面11b側に接触させることにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削する。そして、ウェーハ11は、溝93がウェーハ11の裏面11b側で露出するまで研削、薄化される。
図23(B)は、研削後のウェーハ11を示す断面図である。溝93がウェーハ11の裏面11b側に露出すると、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分断される。その後、実施形態1と同様に手順により、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される(図8(A)、図8(B)、図9参照)。
なお、除去ステップでは、破砕加工によってウェーハ11を貫通する貫通孔を形成することにより、不良デバイス領域11cを分離してもよい。具体的には、破砕加工によって、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る貫通孔をストリート13に沿って形成する。
図24(A)は、サンドブラスト加工によって貫通孔95が形成されるウェーハ11を示す断面図である。破砕加工によって貫通孔95を形成する場合、保持テーブル70には、保持テーブル70を上下に貫通する開口70bが設けられる。開口70bは、半導体デバイス15を囲む4本のストリート13に対応して平面視で矩形状に形成されている。そして、ウェーハ11は、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13がそれぞれ開口70bと重なるように、保持テーブル70上に配置される。
次に、サンドブラストユニット72から研磨材74が、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って噴射される。なお、研磨材74の噴射条件は、ウェーハ11の研磨材74が衝突した領域に、ウェーハ11を表面11aから裏面11bまで貫通する孔が形成されるように設定される。
そのため、研磨材74がストリート13に沿って噴射されると、ウェーハ11には表面11aから裏面11bに至る帯状の貫通孔95が、ストリート13に沿って形成される。この貫通孔95は、不良デバイス15aを囲むように平面視で矩形状に形成される。その結果、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。
図24(B)は、ウォータージェット加工によって貫通孔95が形成されるウェーハ11を示す断面図である。ウォータージェット加工によって貫通孔95を形成する場合には、ウォータージェットユニット76から噴射された液体78が、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って噴射される。なお、液体78の噴射条件は、ウェーハ11の液体78が衝突した領域に、ウェーハ11を表面11aから裏面11bまで貫通する孔が形成されるように設定される。
そのため、液体78がストリート13に沿って噴射されると、ウェーハ11には表面11aから裏面11bに至る帯状の貫通孔95が、ストリート13に沿って形成される。この貫通孔95は、不良デバイス15aを囲むように平面視で矩形状に形成される。その結果、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。
図24(C)は、ドリル加工によって貫通孔95が形成されるウェーハ11を示す断面図である。ドリル加工によって貫通孔95を形成する場合には、まず、ドリルビット82を回転させつつウェーハ11に接触させ、ウェーハ11を表面11aから裏面11bまで貫通する円柱状の孔を形成する。
その後、同様の手順を繰り返し、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13に沿って複数の孔を形成する。なお、複数の孔はそれぞれ、既にウェーハ11に形成されている孔と連結されるように形成される。その結果、ウェーハ11には表面11aから裏面11bに至る帯状の貫通孔95が、ストリート13に沿って形成され、不良デバイス領域11cがウェーハ11から分断される。
サンドブラスト加工(図24(A)参照)の実施時、ウェーハ11の貫通孔95を通過した研磨材74は、保持テーブル70の開口70bを介して排出される。同様に、ウォータージェット加工(図24(B)参照)の実施時、ウェーハ11の貫通孔95を通過した液体78は、保持テーブル70の開口70bを介して排出される。そのため、研磨材74や液体78が保持テーブル70の保持面70aに衝突して保持テーブル70が損傷することを防止できる。
また、サンドブラスト加工(図24(C)参照)の実施時、ドリルビット82の先端部は、保持テーブル70の開口70bに挿入される。そのため、ドリルビット82が保持テーブル70と接触して保持テーブル70が損傷することを防止できる。
なお、図24(A)、図24(B)、図24(C)では、ウェーハ11が表面11a側から加工される様子を示しているが、ウェーハ11は裏面11b側から加工されてもよい。すなわち、研磨材74や液体78をウェーハ11の裏面11b側に衝突させてもよいし、ドリルビット82をウェーハ11の裏面11b側に接触させてもよい。
次に、ウェーハ11から保護層91から除去されるとともに、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離される。その後、ウェーハ11がサポート基板23に固定される。図25は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。例えば、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
なお、破砕加工によって貫通孔11dが形成されたウェーハ11には、エッチング処理が施されてもよい。例えば、ウェーハ11の貫通孔11dにプラズマ状態のガスを供給することにより、貫通孔11dの内部にプラズマエッチングが施される。また、ウェーハ11の貫通孔11dにエッチング液を供給することにより、貫通孔11dの内部にウェットエッチングが施される。
図26は、プラズマエッチングが施されるウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11にプラズマ化したエッチング用のガス(エッチングガス)84を供給すると、貫通孔11dの内壁にプラズマエッチングが施される。これにより、貫通孔11dのサイズが増大する。また、破砕加工によって貫通孔11dの内壁に形成された微細な凹凸が、プラズマエッチングによって除去される。
なお、ウェーハ11の破砕加工が施される領域は、所望のサイズの貫通孔11dが形成されるように適宜設定される。図27(A)は、サンドブラスト加工又はウォータージェット加工によって加工される領域(被加工領域)97Aを示す平面図である。また、図27(B)は、ドリル加工によって加工される領域(被加工領域)97Bを示す平面図である。図27(A)及び図27(B)において、領域97A,97Bには模様を付している。
サンドブラスト加工によってウェーハ11を加工する場合には、例えば研磨材74は、不良デバイス15aの外周縁に沿う領域97Aに噴射される。同様に、ウォータージェット加工によってウェーハ11を加工する場合には、例えば液体78は、不良デバイス15aの外周縁に沿う領域97Aに噴射される。これにより、不良デバイス15aを囲むように溝93(図22(A)及び図22(B)参照)又は貫通孔95(図24(A)及び図24(B)参照)が形成される。なお、研磨材74及び液体78は、不良デバイス15aの一部に衝突するように噴射されてもよいし、不良デバイス15aに衝突しないようにストリート13上のみに噴射されてもよい。
ドリル加工によってウェーハ11を加工する場合には、例えばドリルビット82は、不良デバイス15aの外周縁に沿う複数の領域97Bを順次加工する。なお、複数の領域97Bはそれぞれ、隣接する他の領域97の一部と重なるように設定される。これにより、不良デバイス15aを囲むように溝93(図22(C)参照)又は貫通孔95(図24(C)参照)が形成される。なお、ドリルビット82は、不良デバイス15aの一部に接触してもよいし、不良デバイス15aに接触しないようにストリート13上のみに接触してもよい。
また、ドリル加工によってウェーハ11を加工する場合には、ドリルビット82がウェーハ11の内部に入り込んだ状態で(図22(C)及び図24(C)参照)、ドリルビット82を回転させつつストリート13に沿って水平方向に移動させることにより、溝93又は貫通孔95を形成してもよい。この場合、ドリルビット82をストリート13上で多数回昇降させる作業が不要となる。
その後、ウェーハ11にエッチング処理(プラズマエッチング等、図26参照)を施すことにより、貫通孔11dの内壁がエッチングされる。その結果、破砕加工が施された領域97A,97Bに残存する微細な凹凸が除去されるとともに、貫通孔11dの幅が大きくなり、図27(A)及び図27(B)に示すように拡大された貫通孔11dが形成される。
以上の通り、除去ステップでは、破砕加工によってウェーハ11から不良デバイス領域11cを分離することもできる。なお、除去ステップに含まれる各工程のうち本実施形態において説明を省略している工程は、実施形態1と同様である。また、本実施形態において、除去ステップ以外の工程(ウェーハ準備ステップ、研削ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップ、ウェーハ積層ステップ、分割ステップ等)は、実施形態1と同様に実施できる。さらに、本実施形態は他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
(実施形態3)
実施形態1,2では、除去ステップおいてウェーハ11をストリート13に沿って加工することにより、不良デバイス領域11cをウェーハ11から分離する例について説明した。ただし、不良デバイス領域11cをウェーハ11から除去する方法に制限はない。本実施形態では、ウェーハ準備ステップ及び研削ステップ(図2参照)の実施後、除去ステップおいて、レーザービームの照射によって不良デバイス領域11cを破壊して除去する方法について説明する。
図28(A)は、レーザービーム32Dが照射されるウェーハ11を示す断面図である。レーザービームの照射によって不良デバイス領域11cを破壊する場合には、ウェーハ11にレーザービーム32Dを照射するレーザー照射ユニット30Dが用いられる。なお、レーザー照射ユニット30Dの構成は、レーザー照射ユニット30A(図4(A)参照)と同様である。
ただし、レーザービーム32Dの照射条件は、ウェーハ11のレーザービーム32Dが照射された領域がアブレーション加工によって除去されるように設定される。具体的には、レーザービーム32Dの波長は、少なくともレーザービーム32Dの一部がウェーハ11に吸収されるように設定される。すなわち、レーザー照射ユニット30Dは、ウェーハ11に対して吸収性を有する波長のレーザービーム32Dを照射する。また、レーザービーム32Dの他の照射条件も、ウェーハ11にアブレーション加工が適切に施されるように設定される。
例えばレーザービーム32Dは、ウェーハ11の表面11a側に照射される。具体的には、レーザービーム32Dの集光点を、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13の内側に位置付けた状態で、レーザービーム32Dを照射する。これにより、不良デバイス領域11cにアブレーション加工が施され、不良デバイス領域11cが破壊される。その結果、ウェーハ11の表面11a側には溝(凹部)が形成される。
図28(B)は、溝(除去領域)101が形成されたウェーハ11を示す断面図である。例えばレーザービーム32Dは、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13の内側に位置する平面視で矩形状の領域の全体に渡って照射されるように走査される。その結果、ウェーハ11の表面11a側にはアブレーション加工によって直方体状の溝101が形成される。なお、溝101の深さは、溝101の底面が電極19の下端よりも下方に形成されるように調節される。その結果、不良デバイス15a及び電極19が除去される。
図29は、レーザービーム32Dが走査される経路34Dを示す平面図である。例えば、不良デバイス領域11cの一端側から他端側に向かう複数の経路34Dが設定される。そして、レーザービーム32Dは、不良デバイス領域11cの一端と他端との間を往復するように、経路34Dに沿って走査される。これにより、不良デバイス領域11cの全域にレーザービーム32Dが照射され、不良デバイス領域11cが除去される。ただし、不良デバイス領域11cを除去可能であれば、レーザービーム32Dの走査経路に制限はない。
なお、溝101を形成する際には、ウェーハ11の表面11a側を保護膜で覆い、保護膜を介してウェーハ11にレーザービーム32Dを照射してもよい。例えば保護膜としては、樹脂製のテープや、PVA、PEG等の水溶性の樹脂でなる膜を用いることができる。ウェーハ11の表面11a側に保護膜が形成されていると、アブレーション加工の際に発生した加工屑(デブリ)がウェーハ11の表面11aに付着することを防止でき、ウェーハ11及び半導体デバイス15の汚染が回避される。
次に、ウェーハ11の裏面11b側を研削することにより、レーザービーム32Dの照射によって加工された被加工領域(溝101)をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。ウェーハ11を研削する際は、まず、ウェーハ11をサポート基板に固定する。図30(A)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11の裏面11b側を研削する場合には、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
次に、研削装置2(図2参照)によってウェーハ11を研削する。具体的には、研削砥石16をウェーハ11の裏面11b側に接触させることにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削する。そして、ウェーハ11は、溝101がウェーハ11の裏面11b側で露出するまで研削、薄化される。
図30(B)は、研削後のウェーハ11を示す断面図である。溝101がウェーハ11の裏面11b側に露出すると、ウェーハ11には、表面11aから裏面11bに至る貫通孔11dが形成される。
なお、除去ステップでは、レーザービーム32Dの照射によって直接貫通孔11dを形成してもよい。具体的には、アブレーション加工によって、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る貫通孔11dを形成する。
図31(A)は、レーザービーム32Dが照射されるウェーハ11を示す断面図である。まず、ウェーハ11にテープ等の保護部材103が貼着される。例えば、ウェーハ11の表面11a側にレーザービーム32Dを照射する場合には、ウェーハ11の裏面11b側に保護部材103が貼着される。なお、保護部材103の材質の例は、保護部材21(図2参照)と同様である。
そして、レーザービーム32Dの集光点を不良デバイス15aを囲む4本のストリート13の内側に位置付けた状態で、レーザービーム32Dを照射する。なお、レーザービーム32Dの走査経路に制限はない。例えば、図29に示す経路34Dに沿って、レーザービーム32Dが走査される。
レーザービーム32Dの照射条件は、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る領域がアブレーション加工によって除去されるように設定される。そのため、ウェーハ11へのレーザービーム32Dの照射が完了すると、ウェーハ11を表面11aから裏面11bまで貫通する貫通孔11dが形成される。
その後、ウェーハ11がサポート基板に固定される。図31(B)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11に貫通孔11dが形成された後、ウェーハ11の表面11a側にサポート基板23が接着層25を介して固定される。その後、ウェーハ11の表面11a側から保護部材103が剥離される。
なお、貫通孔11dの形成には、液体を介して照射されるレーザービーム(アクアレーザー)を用いることもできる。この場合には、レーザー照射ユニット30Dに液体を噴射する噴射ユニットが設けられる。そして、レーザー照射ユニット30Dから液体が噴射されて液柱50(図13(A)参照)が形成されるとともに、レーザー照射ユニット30Dからレーザービーム32Dが照射される。このとき、レーザービーム32Dの集光点は、液柱50の内部に位置付けられる。そして、レーザービーム32Dは液柱50を介して不良デバイス領域11cに照射される。これにより、不良デバイス領域11cが除去される。
また、不良デバイス領域11cの破壊によって貫通孔11dが形成されたウェーハ11(図30(B)及び図31(A)参照)には、エッチング処理が施されてもよい。例えば、ウェーハ11の貫通孔11dにプラズマ状態のガスを供給することにより、貫通孔11dの内部にプラズマエッチングが施される。また、ウェーハ11の貫通孔11dにエッチング液を供給することにより、貫通孔11dの内部にウェットエッチングが施される。
以上の通り、除去ステップでは、レーザービームの照射によって不良デバイス領域11cを破壊することにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを除去することもできる。なお、除去ステップに含まれる各工程のうち本実施形態において説明を省略している工程は、実施形態1と同様である。また、本実施形態において、除去ステップ以外の工程(ウェーハ準備ステップ、研削ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップ、ウェーハ積層ステップ、分割ステップ等)は、実施形態1と同様に実施できる。さらに、本実施形態は他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
(実施形態4)
実施形態3では、除去ステップおいて不良デバイス領域11cがレーザービームの照射によって破壊される例について説明したが、不良デバイス領域11cを破壊する方法に制限はない。本実施形態では、ウェーハ準備ステップ及び研削ステップ(図2参照)の実施後、除去ステップおいて、破砕加工によって不良デバイス領域11cを破壊して除去する方法について説明する。
本実施形態において用いられる破砕加工は、ウェーハ11の加工が可能であれば制限はない。以下では破砕加工の具体例として、サンドブラストユニット72(図22(A)等参照)を用いたサンドブラスト加工、ウォータージェットユニット76(図22(B)等参照)を用いたウォータージェット加工、ドリルユニット80(図22(C)等参照)を用いたドリル加工について説明する。
図32は、保持テーブル70によって保持されたウェーハ11を示す断面図である。破砕加工を実施する際は、まず、ウェーハ11に保護層91が形成される。例えば、ウェーハ11の表面11a側から加工する場合には、ウェーハ11の表面11a側が保護層91によって覆われ、半導体デバイス15が保護される。なお、破砕加工による半導体デバイス15の損傷が生じにくい場合には、保護層91の形成を省略してもよい。
次に、ウェーハ11が保持テーブル70によって保持される。例えばウェーハ11は、表面11a側が上方に露出し、裏面11b側が保持面70aと対面するように、保持テーブル70上に配置される。そして、保持テーブル70によって保持されたウェーハ11に対して、破砕加工が施される。
図33(A)は、サンドブラスト加工によって不良デバイス領域11cが除去されるウェーハ11を示す断面図である。サンドブラスト加工を実施する場合には、サンドブラストユニット72から研磨材74が、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側に噴射される。その結果、ウェーハ11の研磨材74が衝突した領域が破壊され、ウェーハ11の表面11a側に直方体状の溝(除去領域)105が形成される。
図33(B)は、ウォータージェット加工によって不良デバイス領域11cが除去されるウェーハ11を示す断面図である。ウォータージェット加工を実施する場合には、ウォータージェットユニット76から加圧された液体78が、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側に噴射される。その結果、ウェーハ11の液体78が衝突した領域が破壊され、ウェーハ11の表面11a側に直方体状の溝105が形成される。
なお、溝105は、少なくとも不良デバイス15aが形成されている領域の全体に渡って形成される。また、溝105の深さは、溝105の底面が電極19の下端よりも下方に形成されるように調節される。その結果、不良デバイス15a及び電極19が除去される。
図33(C)は、ドリル加工によって不良デバイス領域11cが除去されるウェーハ11を示す断面図である。ドリル加工を実施する場合には、回転するドリルビット82を、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側に接触させ、ウェーハ11に複数の柱状の溝を形成する。なお、複数の溝は、不良デバイス15aが形成されている領域の全体に渡って、互いに連結されるように形成される。また、複数の溝の深さは、溝105の底面が電極19の下端よりも下方に形成されるように調節される。その結果、連結された複数の溝によって構成される溝105がウェーハ11の表面11a側に形成され、不良デバイス15a及び電極19が除去される。
上記のように、不良デバイス15aを囲むストリート13の内側に破砕加工を施すことにより、不良デバイス15aが破壊される。これにより、ウェーハ11から不良デバイス15aが除去される。
次に、ウェーハ11の裏面11b側を研削することにより、破砕加工よって加工された被加工領域(溝105)をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。ウェーハ11を研削する際は、まず、ウェーハ11をサポート基板23に固定する。図34(A)は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ11の裏面11b側を研削する場合には、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
次に、研削装置2(図2参照)によってウェーハ11を研削する。具体的には、研削砥石16をウェーハ11の裏面11b側に接触させることにより、ウェーハ11の裏面11b側を研削する。そして、ウェーハ11は、溝105がウェーハ11の裏面11b側で露出するまで研削、薄化される。
図34(B)は、研削後のウェーハ11を示す断面図である。溝105がウェーハ11の裏面11b側に露出すると、ウェーハ11には表面11aから裏面11bに至る直方体状の貫通孔11dが形成される。
なお、除去ステップでは、破砕加工によって直接貫通孔11dを形成してもよい。具体的には、破砕加工によって、ウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る貫通孔11dが形成する。
図35(A)は、サンドブラスト加工によって貫通孔11dが形成されるウェーハ11を示す断面図である。破砕加工によってウェーハ11に貫通孔11dを形成する場合には、保持テーブル70に、保持テーブル70を上下に貫通する開口70cが設けられる。そして、ウェーハ11は、不良デバイス15aを囲む4本のストリート13の内側の領域が開口70cと重なるように、保持テーブル70上に配置される。
次に、サンドブラストユニット72から研磨材74が、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側の領域の全体に渡って噴射される。なお、研磨材74の噴射条件は、ウェーハ11の研磨材74が衝突した領域が表面11aから裏面11bまで除去されるように設定される。その結果、不良デバイス領域11cが除去されるとともに、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される。
図35(B)は、ウォータージェット加工によって貫通孔11dが形成されるウェーハ11を示す断面図である。ウォータージェット加工を実施する場合には、ウォータージェットユニット76から噴射された液体78が、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側の領域の全体に渡って噴射される。なお、液体78の噴射条件は、ウェーハ11の液体78が衝突した領域が表面11aから裏面11bまで除去されるように設定される。その結果、不良デバイス領域11cが除去されるとともに、ウェーハ11に貫通孔11dが形成される。
図35(C)は、ドリル加工によって貫通孔11dが形成されるウェーハ11を示す断面図である。ドリル加工を実施する場合には、回転するドリルビット82を、不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側に接触させ、ウェーハ11に複数の柱状の溝を形成する。
ドリルビット82は、ドリルビット82の下端がウェーハ11の裏面11bに達するまでウェーハ11を加工する。その結果、複数の溝はそれぞれウェーハ11を表面11aから裏面11bに貫通するように形成される。また、複数の溝は、少なくとも不良デバイス15aが形成されている領域の全体に渡って、互いに連結されるように形成される。その結果、連結された複数の溝によって構成される貫通孔11dが形成される。
なお、サンドブラスト加工(図35(A)参照)の実施時、ウェーハ11の貫通孔11dを通過した研磨材74は、保持テーブル70の開口70cを介して排出される。同様に、ウォータージェット加工(図35(B)参照)の実施時、ウェーハ11の貫通孔11dを通過した液体78は、保持テーブル70の開口70cを介して排出される。そのため、研磨材74や液体78が保持テーブル70の保持面70aに衝突して保持テーブル70が損傷することを防止できる。
また、サンドブラスト加工(図35(C)参照)の実施時、ドリルビット82の先端部は、保持テーブル70の開口70cに挿入される。そのため、ドリルビット82が保持テーブル70と接触して保持テーブル70が損傷することを防止できる。
なお、図35(A)、図35(B)、図35(C)では、ウェーハ11が表面11a側から加工される様子を示しているが、ウェーハ11は裏面11b側から加工されてもよい。すなわち、研磨材74や液体78はウェーハ11の裏面11b側に衝突させてもよいし、ドリルビット82はウェーハ11の裏面11b側に接触させてもよい。
その後、不良デバイス領域11cが除去され貫通孔11dが形成されたウェーハ11が、サポート基板23に固定される。図36は、サポート基板23に固定されたウェーハ11を示す断面図である。例えば、ウェーハ11の表面11a側が接着層25を介してサポート基板23に固定される。
なお、破砕加工によって貫通孔11dが形成されたウェーハ11には、エッチング処理が施されてもよい。例えば、ウェーハ11の貫通孔11dにプラズマ状態のガスを供給することにより、貫通孔11dの内部にプラズマエッチングが施される(図26参照)。また、ウェーハ11の貫通孔11dにエッチング液を供給することにより、貫通孔11dの内部にウェットエッチングが施される。ウェーハ11にエッチング処理を施すことにより、貫通孔11dのサイズが増大するとともに、破砕加工によって貫通孔11dの内壁に形成された微細な凹凸が除去される。
ウェーハ11の破砕加工が施される領域は、少なくとも不良デバイス15a(図32参照)を囲む4本のストリート13の内側に貫通孔11dが形成されるように、適宜設定される。図37(A)は、サンドブラスト加工又はウォータージェット加工によって加工される領域(被加工領域)97Cを示す平面図である。また、図37(B)は、ドリル加工によって加工される領域(被加工領域)97Dを示す平面図である。図37(A)及び図37(B)において、領域97C,97Dには模様を付している。
サンドブラスト加工によってウェーハ11を加工する場合には、研磨材74が、不良デバイス15aの全体を含む領域97Cに噴射される。同様に、ウォータージェット加工によってウェーハ11を加工する場合には、例えば液体78は、不良デバイス15aの全体を含む領域97Cに噴射される。これにより、不良デバイス15aが除去されるように溝105(図33(A)及び図33(B)参照)又は貫通孔11d(図35(A)及び図35(B)参照)が形成される。なお、研磨材74及び液体78は、不良デバイス15aを囲むストリート13の一部に衝突するように噴射されてもよい。
ドリル加工によってウェーハ11を加工する場合には、ドリルビット82が、不良デバイス15aと重畳する複数の領域97Dを順次加工する。なお、複数の領域97Dはそれぞれ、隣接する他の領域97Dの一部と重なるように設定される。これにより、不良デバイス15aが除去されるように溝105(図33(C)参照)又は貫通孔11d(図35(C)参照)が形成される。なお、ドリルビット82は、不良デバイス15aを囲むストリート13の一部に接触してもよい。
また、ドリル加工によってウェーハ11を加工する場合には、ドリルビット82がウェーハ11の内部に入り込んだ状態で(図33(C)及び図35(C)参照)、ドリルビット82を回転させつつ水平方向に移動させることにより、溝105又は貫通孔11dを形成してもよい。この場合、ドリルビット82を多数回昇降させる作業が不要となる。
その後、ウェーハ11にエッチング処理(プラズマエッチング等、図26参照)を施すことにより、貫通孔11dの内壁がエッチングされる。その結果、破砕加工が施された領域97C,97Dに残存する微細な凹凸が除去されるとともに、貫通孔11dの幅が大きくなり、図37(A)及び図37(B)に示すように拡大された貫通孔11dが形成される。
以上の通り、除去ステップでは、破砕加工によって不良デバイス領域11cを破壊することにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを除去することもできる。なお、除去ステップに含まれる各工程のうち本実施形態において説明を省略している工程は、実施形態1と同様である。また、本実施形態において、除去ステップ以外の工程(ウェーハ準備ステップ、研削ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップ、ウェーハ積層ステップ、分割ステップ等)は、実施形態1と同様に実施できる。さらに、本実施形態は他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
(実施形態5)
本実施形態では、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを除去する工程(除去ステップ)と、ウェーハ11をサポート基板23に固定する工程(サポート基板固定ステップ)との関係について説明する。具体的には、本実施形態では、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去された後に、ウェーハ11がサポート基板23に固定されるプロセスについて詳述する。
まず、準備ステップにおいて準備されたウェーハ11に対し、必要に応じて研削加工(図2参照)が施される(研削ステップ)。そして、ウェーハ11にレーザー加工、破砕加工等の加工が施されることにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去される(除去ステップ)。その後、不良デバイス領域11cが除去されて貫通孔11dが形成されたウェーハ11が、サポート基板23に固定される(サポート基板固定ステップ)。
不良デバイス領域11cの除去には、レーザー加工を用いることができる。例えば、レーザー加工によってウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され(図12(A)、図13(A)等参照)、その後、ウェーハ11がサポート基板23に固定される(図12(B)、図13(B)等参照)。また、例えば、レーザー加工によって不良デバイス領域11cが破壊され(図31(A)等参照)、その後、ウェーハ11がサポート基板23に固定される(図31(B)等参照)。
また、不良デバイス領域11cの除去には、破砕加工を用いることもできる。例えば、破砕加工によってウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離され(図24(A)、図24(B)、図24(C)等参照)、その後、ウェーハ11がサポート基板23に固定される(図25等参照)。また、例えば、破砕加工によって不良デバイス領域11cが破壊され(図35(A)、図35(B)、図35(C)等参照)、その後、ウェーハ11がサポート基板23に固定される(図36等参照)。
そして、サポート基板23に固定されたウェーハ11の貫通孔11dに、デバイスチップ59が嵌め込まれる(嵌め込みステップ、図16~図18(C)等参照)。これにより、不良デバイス15aを含まないウェーハ11が製造される。
上記のように、除去ステップの実施後にサポート基板固定ステップを実施する場合には、ウェーハ11がサポート基板23に固定された時点で、既にウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去されている。そのため、ウェーハ11をサポート基板23に固定した後に、不良デバイス領域11cを除去するための加工を実施する必要がない。これにより、ウェーハ11の加工によって生じる屑(加工屑)がサポート基板23に付着することを回避でき、サポート基板23に付着した加工屑によってデバイスチップ59の貫通孔11dへの嵌め込みが妨げられることを防止できる。
なお、ウェーハ11をサポート基板23に固定する方法に制限はない。例えばウェーハ11は、接着層25を介してウェーハ11に固定される。前述の通り、接着層25としては、例えば熱硬化性樹脂からなる接着剤、熱可塑性樹脂からなる接着剤、紫外線硬化性樹脂からなる接着剤、加熱及び加圧によってウェーハ11及びサポート基板23に固定可能であり接着剤を含まないシート(熱圧着シート)、熱発泡層を備えるテープ等を用いることができる。
その後、樹脂充填ステップ(図19(A)参照)、樹脂研削ステップ(図19(B)参照)、ウェーハ積層ステップ(図20参照)、分割ステップ(図21(A)参照)が順に実施される。これにより、積層された複数の半導体デバイスを備える積層デバイスチップ81が製造される(図21(B)参照)。
以上の通り、除去ステップの実施後にサポート基板固定ステップを実施することにより、サポート基板23への加工屑の付着を防止し、ウェーハ11にデバイスチップ59を嵌め込む作業を円滑に実施できる。なお、除去ステップ及びサポート基板固定ステップに含まれる各工程のうち本実施形態において説明を省略している工程は、実施形態1と同様である。また、本実施形態において、除去ステップ及びサポート基板固定ステップ以外の工程(ウェーハ準備ステップ、研削ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップ、ウェーハ積層ステップ、分割ステップ等)は、実施形態1と同様に実施できる。さらに、本実施形態は他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
(実施形態6)
本実施形態では、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを除去する工程(除去ステップ)と、ウェーハ11をサポート基板23に固定する工程(サポート基板固定ステップ)との関係について説明する。具体的には、本実施形態では、ウェーハ11がサポート基板23に固定された後に、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去されるプロセスについて詳述する。
まず、準備ステップにおいて準備されたウェーハ11に対し、必要に応じて研削加工(図2参照)が施される(研削ステップ)。そして、ウェーハ11がサポート基板23に固定される(サポート基板固定ステップ)。その後、ウェーハ11にレーザー加工、破砕加工等の加工が施されることにより、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去される(除去ステップ)。
不良デバイス領域11cの除去には、レーザー加工を用いることができる。例えば、サポート基板23に固定されたウェーハ11に対してレーザー加工が施され(図4(A)等参照)、その後、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが分離される(図8(B)等参照)。また、例えば、サポート基板23に固定されたウェーハ11に対してプラズマエッチングが施され(図14(B)等参照)、その後、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去される(図8(B)等参照)。
また、例えば、レーザー加工や破砕加工等によって溝が形成されたウェーハ11が、サポート基板23に固定される(図11(A)、図23(A)、等参照)。その後、ウェーハ11が研削されることにより(図11(B)、図23(B)等参照)、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去される。
なお、ウェーハ11をサポート基板23に固定する方法に制限はない。例えばウェーハ11は、接着層25を介してウェーハ11に固定される。前述の通り、接着層25としては、例えば熱硬化性樹脂からなる接着剤、熱可塑性樹脂からなる接着剤、紫外線硬化性樹脂からなる接着剤、加熱及び加圧によってウェーハ11及びサポート基板23に固定可能であり接着剤を含まないシート(熱圧着シート)、熱発泡層を備えるテープ等を用いることができる。
そして、サポート基板23に固定されたウェーハ11の貫通孔11dに、デバイスチップ59が嵌め込まれる(嵌め込みステップ、図16~図18(C)参照)。これにより、不良デバイス15aを含まないウェーハ11が製造される。
上記のように、サポート基板固定ステップの実施後に除去ステップを実施する場合には、ウェーハ11から不良デバイス領域11cが除去された段階で、ウェーハ11がサポート基板23に支持されている状態となる。そのため、その後に嵌め込みステップを連続して実施でき、デバイスチップ59の嵌め込みを円滑に実施できる。
また、サポート基板固定ステップの実施後に除去ステップを実施する場合、ウェーハ11から不良デバイス領域11cを分断するための研削加工(図11(B)、図23(B)等参照)が、ウェーハ11をサポート基板23に固定する作業の後に実施される。そのため、薄化されて変形しやすい状態のウェーハ11を搬送してサポート基板23に貼り合わせる作業が不要となり、作業効率を向上させるとともにウェーハの破損を防止することが可能となる。
その後、樹脂充填ステップ(図19(A)参照)、樹脂研削ステップ(図19(B)参照)、ウェーハ積層ステップ(図20参照)、分割ステップ(図21(A)参照)が順に実施される。これにより、積層された複数の半導体デバイスを備える積層デバイスチップ81が製造される(図21(B)参照)。
以上の通り、サポート基板固定ステップの実施後に除去ステップを実施することにより、その後に実施される嵌め込みステップに円滑に移行できる。なお、サポート基板固定ステップ及び除去ステップに含まれる各工程のうち本実施形態において説明を省略している工程は、実施形態1と同様である。また、本実施形態において、サポート基板固定ステップ及び除去ステップ以外の工程(ウェーハ準備ステップ、研削ステップ、嵌め込みステップ、樹脂充填ステップ、樹脂研削ステップ、ウェーハ積層ステップ、分割ステップ等)は、実施形態1と同様に実施できる。さらに、本実施形態は他の実施形態と適宜組み合わせることができる。
なお、上記の各実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。