JP7620619B2 - 異方性光拡散フィルムおよび表示装置 - Google Patents
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Description
光の入射角により、(入射した光の直線方向の透過光量)/(入射した光の光量)である、直線透過率が変化する異方性光拡散フィルムであって、
前記異方性光拡散フィルムは、マトリックス領域と、当該マトリックス領域とは屈折率の異なる複数の柱状領域とを有し、
更に、前記異方性光拡散フィルムは、1つの散乱中心軸を有し、
前記散乱中心軸の傾斜方位において、
入射角60°のときの直線透過率が、10%以下であり、
入射角0°の光の、極角60°方向への拡散透過率が0.001%以上であることを特徴とする、異方性光拡散フィルムである。
本発明(2)は、
前記異方性光拡散フィルム表面法線方向と、前記散乱中心軸方向とがなす極角を散乱中心軸角度とすると、
前記異方性光拡散フィルムの散乱中心軸角度が、20°~60°であることを特徴とする、前記発明(1)に記載の異方性光拡散フィルムである。
本発明(3)は、
前記異方性光拡散フィルムのヘイズ値が、75%以上であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)に記載の異方性光拡散フィルムである。
本発明(4)は、
前記異方性光拡散フィルムの厚みが、15μm~100μmであることを特徴とする、前記発明(1)~(3)のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムである。
本発明(5)は、
前記異方性光拡散フィルムの複数の柱状領域は、
前記異方性光拡散フィルムの一方の表面から他方の表面にかけて配向、かつ、延在して構成され、
前記異方性光拡散フィルムの前記柱状領域の柱軸に垂直な断面における、前記柱状領域の平均長径/平均短径、である前記柱状領域のアスペクト比が、2未満であることを特徴とする、前記発明(1)~(4)のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムである。
本発明(6)は、
液晶層よりも視認側に、前記発明(1)~(5)のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムが、積層されていることを特徴とする、液晶表示装置である。
本発明(7)は、
発光層よりも視認側に、前記発明(1)~(5)のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムが、積層されていることを特徴とする、有機EL表示装置である。
異方性光拡散フィルムは、光の入射角により、直線透過率[(入射した光の直線方向の透過光量)/(入射した光の光量)]が変化する、光学異方性を有するフィルムである。即ち、異方性光拡散フィルムに対する入射光について、所定の角度範囲の入射光は直線性を維持して透過し、その他の角度範囲の入射光は、拡散性を示す。
本発明における異方性光拡散フィルムは、マトリックス領域と、マトリックス領域とは屈折率の異なる複数の柱状領域とを有する。異方性光拡散フィルムに含まれる複数の柱状領域は、通常、異方性光拡散フィルムの一方の表面から他方の表面にかけて配向、かつ、延在して構成されている(図3等参照)。
柱状領域の長さは、特に限定されず、異方性光拡散フィルムの一方の表面から他方の表面に貫通したものでもよく、一方の表面から他方の表面に届かない長さでも良い。
異方性光拡散フィルムは、柱状領域の短径の平均値(平均短径)が、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることがさらに好ましい。一方、柱状領域の平均短径は、5.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることがさらに好ましい。これら柱状領域の短径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
異方性光拡散フィルムは、柱状領域の長径の平均値(平均長径)が、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることがさらに好ましい。一方、柱状領域の平均長径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。柱状領域の平均長径は、柱状領域の長さよりも短いことが好ましい。このようにすることで、異方性光拡散フィルムの光の直線透過性を高くすることが可能である。これら柱状領域の長径の下限値及び上限値は、適宜組み合わせることができる。
異方性光拡散フィルムは、散乱中心軸を有する。散乱中心軸と柱状領域の配向方向(延在方向)とは、通常、平行な関係にある。なお、散乱中心軸と柱状領域の配向方向とが平行であるとは、屈折率の法則(Snellの法則)を満たすものであればよく、厳密に平行である必要はない。
図5に示すように、異方性光拡散フィルムは、入射光角度によって直線透過率が変化する光拡散性の入射光角度依存性を有するものである。ここで、図5のように光拡散性の入射光角度依存性を示す曲線を以下、「光学プロファイル」と称する。
図5に示すように、直線透過率が最大となる入射角で異方性光拡散フィルムに入射した光の直線透過率を、最大直線透過率と称する。
異方性光拡散フィルムの一方の面の法線方向(入射角=0°)に光源を配置し、他方の面に検出器を配置する。検出器側の法線方向を極角θ=0°とし、検出器の極角を変角させながら輝度を測定した。拡散透過率は、異方性光拡散フィルムを用いないときの法線方向(極角θ=0°)における輝度を100%とする相対値とした。
異方性光拡散フィルムのヘイズ値(全ヘイズ)は、異方性光拡散フィルムの拡散性を示す指標である。ヘイズ値が大きくなると、異方性光拡散フィルムの拡散性が高くなる。
異方性光拡散フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは15μm~100μmであり、より好ましくは30μm~60μmである。このような範囲とすることで、材料費やUV照射に要する費用等の製造コストを低減させつつ、視覚依存性改善効果を十分なものとすることができる。
<<原料>>
異方性光拡散フィルムの原料について、(1)光重合性化合物、(2)光開始剤、(3)配合量、その他任意成分の順に説明する。
光重合性化合物は、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するマクロモノマー、ポリマー、オリゴマー、モノマーから選択される光重合性化合物と光開始剤とから構成され、紫外線及び/又は可視光線を照射することにより重合・硬化する材料である。
ラジカル重合性化合物を重合させることのできる光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)フェニル]チタニウム、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。又、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
光開始剤は、通常粉体を光重合性化合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することもできる。このような溶剤としては光重合性であることがさらに好ましく、具体的には炭酸プロピレン、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。又、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。
次に、異方性光拡散フィルムの製造プロセスについて説明する。
(1)工程1-1:未硬化樹脂組成物層を基体上に設ける工程
(2)工程1-2:光源から平行光線を得る工程
(3)任意工程1-3:指向性をもった光線を得る工程
(4)工程1-4:未硬化樹脂組成物層を硬化させる工程
光硬化樹脂組成物を、基体上に、シート状に、未硬化樹脂組成物層として設ける手法は、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に組成物をキャストすることもできる。
光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。このとき、所望の散乱中心軸と平行な光線を得る必要があるが、このような平行光線は、例えば点光源を配置して、この点光源と未硬化樹脂組成物層の間に平行光線を照射するためのフレネルレンズ等の光学レンズを配置する他、光源の背後に反射鏡を配置して、所定の方向に点光源として光が出射するようにすること等で、得ることができる。
任意工程1-3は、平行光線を指向性拡散素子に入射させ、指向性をもった光線を得る工程である。図7は、任意工程1-3を含む本発明に係る異方性光拡散フィルムの製造方法を示す模式図である。
未硬化樹脂組成物層に照射して、未硬化樹脂組成物層を硬化させる光線は、光重合性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。この波長帯を使って異方性光拡散フィルムを作製する場合、照度としては0.01mW/cm2~100mW/cm2の範囲が好ましく、0.1mW/cm2~20mW/cm2 がより好ましい。照度が0.01mW/cm2未満であると、硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cm2を超えると、光重合性化合物の硬化が速すぎて構造形成を生じず、目的の光学特性を発現できなくなるからである。
異方性光拡散フィルムは、視角依存性改善効果に優れることから、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等のあらゆる表示装置に適用することができる。異方性光拡散フィルムは、視角依存性の問題が生じ易いTN方式の液晶においても特に好ましく使用することができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300)の縁部全周に、ディスペンサーを使い、硬化性樹脂で高さ40~60μmの隔壁を形成した。この中に下記の紫外線硬化樹脂組成物を滴下し、別のPETフィルムでカバーした。
(RAHN社製、商品名:00-225/TM18)
・ネオペンチルグリコールジアクリレート(屈折率:1.450) 30重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名Ebecryl145)
・ビスフェノールAのEО付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 15重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名Ebecryl150)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率1.518) 40重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPО-A)
・2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
実施例で得られた異方性光拡散フィルムに対し、ミクロトームを用いて断面を形成した後、この断面を光学顕微鏡で観察して10箇所における厚さを測定し、それら測定値の平均値を、異方性光拡散フィルムの厚みとした。
図6に示すような、光源の投光角、検出器の受光角を任意に可変できる変角光度計ゴニオフォトメータ(ジェネシア社製)を用いて、表1に示す実施例の異方性光拡散フィルムの直線透過率の測定を行った(入射角60°のときの直線透過率を含む)。光源からの直進光を受ける位置に検出器を固定し、その間のサンプルホルダーに実施例で得られた異方性光拡散フィルムをセットした。図6に示すように回転軸(V)としてサンプルを回転させてそれぞれの入射光角度に対応する直線透過率を測定した。この評価方法によって、どの角度の範囲で入射される光が拡散するかを評価することができる。この回転軸(V)は、散乱中心軸の傾斜方位に垂直な異方性光拡散フィルム上の線である。直線透過光率の測定は、視感度フィルターを用いて可視光領域の波長において測定した。以上のような測定の結果得られた光学プロファイルに基づき、直線透過率の最大値(最大直線透過率)及び最小値(最小直線透過率)と、該光学プロファイルにおける最小値に挟まれた略中央部(拡散領域の中央部)より散乱中心軸の角度とを求め、表1にまとめた。
変角光度計ゴニオフォトメータ(ジェネシア社製)を用いて、表1に示す実施例の異方性光拡散フィルムの入射角0°の光の、散乱中心軸の傾斜方位における極角60°方向への拡散透過率を測定した。具体的には、サンプルホルダーに実施例で得られた異方性光学フィルムをセットし、異方性光拡散フィルムの一方の面の法線方向(入射角=0°)に光源を配置し、他方の面に検出器を配置する。検出器側の法線方向を極角θ=0°とし、検出器の極角を変角させながら輝度を測定した。拡散透過率は、異方性光拡散フィルムを用いないときの法線方向(極角θ=0°)における輝度を100%とする相対値とした。得られた拡散透過率を表1に示した。
実施例で得られた異方性光拡散フィルムの柱軸に垂直な断面(紫外線照射時の照射光側)を光学顕微鏡で観察し、柱状領域における柱状構造体の長径LA及び短径SAを測定した。平均長径LA及び平均短径SAの算出には、任意の20の構造のうちの平均値とした。また、求めた平均長径LA及び平均短径SAに対し、平均長径LA/平均短径SAをアスペクト比として算出し、表1にまとめた。
ヘイズメーターNDH-2000(日本電色工業製)を用いて、実施例で得られた異方性光拡散フィルムのヘイズの測定を行い、表1にまとめた。
上記の実施例1~5および比較例1~5で作製した異方性光拡散フィルムに関し、以下の様にして評価を行った。
異方性光拡散フィルムを、TNモードの液晶ディスプレイ表面に、液晶ディスプレイの階調反転が生じる方位と異方性光拡散フィルムaの散乱中心軸の傾斜方位となす角が0°となるように貼合した。
続いて、視野角測定装置Conometer80(Westboro社製)を用いて、ディスプレイに白から黒までを11階調に分けたグレースケールをそれぞれ表示したときの、ディスプレイの法線方向に対する極角0~80°範囲における輝度分布を測定した。
液晶ディスプレイ単体において階調反転が生じる方位の極角80°における「白輝度/黒輝度」を算出し、コントラストとした。また、液晶ディスプレイ単体において階調反転が生じる方位において、測定した11階調が本来の階調と逆転する最小の極角を階調反転角度とした。これを表2にまとめた。
ここで、異方性光拡散フィルムを貼り付けていない、ディスプレイのみの評価では、コントラストは8.0で、階調反転角度は28°であった。
階調反転角度が65°以上を◎、52°以上65°未満を○、52°未満を×とした。
コントラスト11以上を◎、9以上11未満を○、9未満を×とした。
実施例1~5に示されるとおり、所定の異方性光拡散フィルムを用いた本発明の階調反転改善効果や80°でのコントラストは、比較例1~5と比較して優れている。
比較例1および3は、入射角60°のときの直線透過率が高く、また、入射角0°の光の、散乱中心軸の傾斜方位における極角60°方向への拡散透過率も低いため、階調反転した光が出射される60°方向の光を拡散することができないと共に、正しい階調の0°方向の光も極角が大きい角度へ拡散することもできていない。比較例2は、当該拡散透過率は十分であるものの、当該直線透過率が不十分であり、逆に比較例4および5は、当該直線透過率は十分だが、当該拡散透過率が不十分であるために、いずれも階調反転角度が小さい。
Claims (6)
- 光の入射角により、(入射した光の直線方向の透過光量)/(入射した光の光量)である、直線透過率が変化する異方性光拡散フィルムであって、
前記異方性光拡散フィルムは、マトリックス領域と、当該マトリックス領域とは屈折率の異なる複数の柱状領域とを有し、
更に、前記異方性光拡散フィルムは、1つの散乱中心軸を有し、
前記散乱中心軸の傾斜方位において、
入射角60°のときの直線透過率が、10%以下であり、
入射角0°の光の、極角60°方向への拡散透過率が0.001%以上であり、
前記異方性光拡散フィルムのヘイズ値が、75%以上であることを特徴とする、異方性光拡散フィルム。 - 前記異方性光拡散フィルム表面法線方向と、前記散乱中心軸方向とがなす極角を散乱中心軸角度とすると、
前記異方性光拡散フィルムの散乱中心軸角度が、20°~60°であることを特徴とする、請求項1に記載の異方性光拡散フィルム。 - 前記異方性光拡散フィルムの厚みが、15μm~100μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
- 前記異方性光拡散フィルムの複数の柱状領域は、
前記異方性光拡散フィルムの一方の表面から他方の表面にかけて配向、かつ、延在して構成され、
前記異方性光拡散フィルムの前記柱状領域の柱軸に垂直な断面における、前記柱状領域の平均長径/平均短径、である前記柱状領域のアスペクト比が、2未満であることを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載の異方性光拡散フィルム。 - 液晶層よりも視認側に、請求項1~4いずれか1項に記載の異方性光拡散フィルムが、積層されていることを特徴とする、液晶表示装置。
- 発光層よりも視認側に、請求項1~4いずれか1項に記載の異方性光拡散フィルムが、積層されていることを特徴とする、有機EL表示装置。
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