JP7636736B2 - シリコーン組成物及びシリコーン組成物の製造方法 - Google Patents

シリコーン組成物及びシリコーン組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーン組成物及びシリコーン組成物の製造方法に関する。
コンピュータ、自動車部品、携帯電話等の電子機器では、半導体素子や機械部品等の発熱体から生じる熱を放熱するためにヒートシンクなどの冷却部品が一般的に用いられる。冷却部品への熱の伝熱効率を高める目的で、発熱体と放熱体の間には、熱伝導性フィラーを配合した熱伝導性シートが配置されることが知られている。
熱伝導性シートは、電子機器内部に配置させるとき圧縮して用いられることが一般的であり、高い柔軟性が求められる。高い柔軟性を有し、かつ熱伝導性フィラーを高充填可能であるため、熱伝導性シートのマトリックス樹脂としては、シリコーンゴムが好適に用いられている。
シリコーンゴムは、架橋構造が形成されたものである場合などは特に再利用(リサイクル)が難しく、製品の再利用だけでなく、製造上発生する製品外のバリなどを再利用することも困難である。
シリコーンゴムを再利用する方法として、シリコーンゴムを分解する方法、溶剤を用いて各成分を分離する方法などが考えられるが、これらは相応の工数やコストを要するため実用上適用するのが難しい。あるいは、シリコーンゴムを火力発電における燃料として使用する方法も考えられるが、熱伝導性フィラーなどの充填材を含む場合は、その分有機物割合が少なくなるため、燃料としての効率が悪くなる。特に、充填材が水酸化物であれば吸熱作用が働くため、燃料としての使用に適さない。
上記のように、一旦製造したシリコーンゴムを再利用することは難しく、特に熱伝導性フィラー等の充填材を配合したシリコーンゴムが再利用可能であれば、その技術的価値は高い。
特許文献1では、シリコーンゴム(シリコーン樹脂硬化物)を粉砕して、これを放熱部材の一成分として利用する技術が記載されている。具体的には、熱伝導性フィラーを含有するシリコーン樹脂硬化物の粉砕物と、熱伝導性フィラーを含有するか又は含有しない未硬化シリコーン樹脂との混合物を、成形・硬化させてなることを特徴とする放熱部材に関する発明が記載されている。
特開2004-363272号公報
しかしながら、特許文献1のようにシリコーンゴム(シリコーン樹脂硬化物)の粉砕物をそのまま未硬化シリコーン樹脂と混練して製造した放熱部材は、マトリックス樹脂中のシリコーンゴム粉砕物の分散性が悪く、そのため機械的強度などの物性が悪くなる場合があった。
以上より、本発明の課題は、マトリックス樹脂中にシリコーンゴム粉砕物(シリコーンゴム塊状体)が分散性よく分散した硬化体を製造できるシリコーン組成物、及び該シリコーン組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、(A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含むシリコーン組成物によって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[11]を提供する。
[1](A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物と、を含むシリコーン組成物。
[2]前記(A)液状シリコーン化合物が付加反応型のオルガノポリシロキサンである、上記[1]に記載のシリコーン組成物。
[3]前記(C)液状化合物が、アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族溶媒、シリコーンオイル、及びシラザン類からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載のシリコーン組成物。
[4]前記(C)液状化合物が、ケイ素原子に結合した炭素数4以上のアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のシリコーン組成物。
[5]前記(B)シリコーンゴム塊状体が、熱伝導性フィラー及び導電性フィラーから選択される少なくとも1種の充填材を含有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載のシリコーン組成物。
[6]前記(B)シリコーンゴム塊状体が、前記(C)液状化合物により膨潤されて含まれる、上記[1]~[5]のいずれかに記載のシリコーン組成物。
[7]さらに(D)熱伝導性フィラー及び導電性フィラーから選択される少なくとも1種の充填材を含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載のシリコーン組成物。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載のシリコーン組成物の硬化体。
[9](A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含むシリコーン組成物の製造方法であって、前記(B)シリコーンゴム塊状体を前記(C)液状化合物により膨潤させる工程(1)を備える、シリコーン組成物の製造方法。
[10]前記(B)シリコーンゴム塊状体を前記(C)液状化合物により膨潤させる工程(1)と、膨潤したシリコーンゴム塊状体と、前記(A)液状シリコーン化合物とを混合する工程(2)とを備える、上記[9]に記載のシリコーン組成物の製造方法。
[11]上記[9]又は[10]の方法によりシリコーン組成物を製造し、次いで該シリコーン組成物を硬化させる、シリコーン組成物の硬化体の製造方法。
本発明によれば、マトリックス樹脂中にシリコーンゴム塊状体(シリコーンゴム粉砕物)の分散状態の良い硬化体を製造できるシリコーン組成物、その硬化体、及びその製造方法を提供することができる。
熱伝導率を測定する測定機を説明する図である。 実施例1で作製した硬化体の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で作製した硬化体の走査型電子顕微鏡写真である。
[シリコーン組成物]
本発明のシリコーン組成物は、(A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含む。
本発明のシリコーン組成物は、上記(A)液状シリコーン化合物を硬化させることにより形成されるマトリックス樹脂中に、(B)シリコーンゴム塊状体を分散性よく分散させることができる。
この理由は定かではないが、(C)液状化合物が、(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させることで、(C)液状化合物と(B)シリコーンゴム塊状体を混練したときに該塊状体の内部(例えば、分子鎖が架橋した網目構造の内部)に(A)液状シリコーン化合物が入り込みやすくなり、良好な混合状態を形成させることができるものと思われる。この状態で、(A)液状シリコーン化合物を硬化させることにより、マトリックス樹脂中に、シリコーンゴム塊状体が微細化された状態で良好に分散するものと推定される。
<(A)液状シリコーン化合物>
本発明のシリコーン組成物は、(A)液状シリコーン化合物を含有する。(A)液状シリコーン化合物は、硬化してマトリックス樹脂を形成しうる化合物である。
(A)液状シリコーン化合物としては、例えば、縮合反応型のオルガノポリシロキサン、付加反応型のオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、後述する(D)熱伝導性フィラーを高充填しやすく、また触媒等により硬化温度を容易に調整できることから付加反応型のオルガノポリシロキサンが好ましい。付加反応型のオルガノポリシロキサンは、熱伝導性フィラーを高充填し易いという観点から、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを含むことが好ましい。なお、本明細書において液状とは、23℃、1気圧下で液体のものをいう。
(A)液状シリコーン化合物は、硬化後の硬度が、E硬度で90以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましい。E硬度は、JIS K6253のタイプE硬度計によって測定される値である。
(A)液状シリコーン化合物の含有量は、特に制限されないが、シリコーン組成物全量基準で、例えば1~50体積%であり、より好ましくは3~30体積%である。
<(B)シリコーンゴム塊状体>
本発明のシリコーン組成物は、(B)シリコーンゴム塊状体を含有する。シリコーン組成物中において、シリコーンゴム塊状体は、後述する液状化合物により膨潤されて含まれ、その結果、シリコーン組成物の硬化体における分散性が良好になる。
(B)シリコーンゴム塊状体は、公知の方法で製造されたシリコーンゴムの粉砕物である。シリコーンゴムとしては、主鎖としてシロキサン結合(-Si-O-)を有する有機ケイ素ポリマーであれば、特に制限されない。シリコーンゴムとしては、好ましくは、縮合反応型のオルガノポリシロキサンの硬化体、付加反応型のオルガノポリシロキサンの硬化体などが挙げられる。したがって、シリコーンゴム塊状体は、好ましくは縮合反応型のオルガノポリシロキサンの硬化体の粉砕物又は付加反応型のオルガノポリシロキサンの硬化体の粉砕物であり、より好ましくは付加反応型のオルガノポリシロキサンの硬化体の粉砕物である。
シリコーンゴム塊状体の大きさは、特に限定されないが、硬化体となった状態で平均粒径が好ましくは50μm以下、より好ましくは5~20μmで分散している。平均粒径は、シリコーンゴム塊状体を含むシリコーンゴム組成物の硬化体を、走査型電子顕微鏡観察(SEM観察)により200倍程度の倍率で観察したときに、塊状となっている粒状物50個の長径を測定して、その相加平均として算出することができる。
このように、本発明のシリコーン組成物は、シリコーンゴム塊状体として、一旦製造されたシリコーンゴムの粉砕物を使用するため、シリコーンゴムを有効に再利用することが可能となる。
(B)シリコーンゴム塊状体は、熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの少なくとも1種の充填材を含有することが好ましい。充填材を含有するシリコーンゴム塊状体は、充填材を含有するシリコーンゴムを粉砕して製造されるが、充填材を含むため、粉砕しやすくなる。
熱伝導性フィラーを含有するシリコーンゴム塊状体は、熱伝導性シリコーンゴムを原料として作製されるため、熱伝導性シリコーンゴムからなるシートや、該シート製造時に生じるバリなどを、本発明におけるシリコーンゴム塊状体として有効に再利用することができる。
(B)シリコーンゴム塊状体に含まれる熱伝導性フィラーの種類としては、一般の放熱シートなどに使用される熱伝導性フィラーであれば特に制限されないが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などが挙げられる。熱伝導性フィラーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱伝導性フィラーを含有する(B)シリコーンゴム塊状体を含む本発明のシリコーン組成物の硬化体は、熱伝導性を有するため、熱伝導性シートなどとして使用できる。また、上記したように、本発明においては、シリコーンゴム塊状体のマトリックス樹脂中の分散性が良好となるため、熱伝導性のバラつきが少ない硬化体が得られる。
導電性フィラーを含有する(B)シリコーンゴム塊状体は、導電性シリコーンゴムを原料として作製されるため、導電性シリコーンゴムからなるシートや、該シート製造時に生じるバリなどを、本発明におけるシリコーンゴム塊状体として有効に再利用することができる。
(B)シリコーン塊状体に含まれる導電性フィラーの種類としては、一般の導電性シートなどに使用される導電性フィラーであれば特に制限されない。導電性フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属、ファーネスブラック、チャネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、グラフェンなどを挙げることができる。導電性フィラーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性フィラーを含有するシリコーンゴム塊状体を含む本発明のシリコーン組成物の硬化体は、導電性を有するため、導電性シートなどとして使用できる。また、上記したように、本発明においては、シリコーンゴム塊状体のマトリックス樹脂中の分散性が良好となるため、導電性のバラつきが少ない硬化体が得られる。
前記した熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの形状は限定されないが、例えば球状、破砕状、繊維状、鱗片状のものを用いることができる。これらの形状の中でも、充填性を高める観点からは、球状の各フィラーを用いることが好ましい。
(B)シリコーンゴム塊状体における充填材の含有量は、特に限定されないが、シリコーンゴムを粉砕してシリコーンゴム塊状体を製造する際の粉砕のし易さや、マトリックス樹脂中の分散性などの観点から、好ましくは30~90体積%、より好ましくは50~80体積%である。
(B)シリコーンゴム塊状体の硬度は、E硬度で90以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましい。硬度が前記範囲のシリコーンゴム塊状体は、マトリックス樹脂中の分散性が良好になりやすい。E硬度は、JIS K6253のタイプE硬度計によって測定される値である。特にE硬度で40以下とすることで、液状化合物により大きく膨潤しやすくなるため、(B)シリコーンゴム塊状体の分散性が大きく向上し、硬化体の場所による機械的強度などの物性のバラつきが極めて小さいものが得られるようになる。
(B)シリコーンゴム塊状体のE硬度と、上記した(A)液状シリコーン化合物の硬化後のE硬度との差は小さい方が好ましく、両者のE硬度の差の絶対値が50以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。両者のE硬度の差が小さいことで、(B)シリコーンゴム塊状体の分散性が向上し、硬化体の場所による機械的強度などの物性のバラつきが低減される。
シリコーン組成物中のシリコーンゴム塊状体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは50~90体積%であり、より好ましくは70~85体積%である。
<(C)液状化合物>
本発明のシリコーン組成物は、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物を含有する。(C)液状化合物は、前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させることが可能な化合物であれば特に制限されない。ここで、膨潤させるとが可能な化合物とは、(B)シリコーンゴム塊状体に添加することで、(B)シリコーンゴム塊状体の内部に取り込まれ、これにより(B)シリコーンゴム塊状体の体積を増加させ得る化合物を意味する。
(C)液状化合物としては、アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族溶媒、シリコーンオイル、及びシラザン類からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、(B)シリコーンゴム塊状体との親和性が良好であり、(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させやすいため、アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物、シリコーンオイル、及びシラザン類から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、特にアルコキシシラン化合物が好ましい。
(C)液状化合物として、アルコキシシラン化合物を用いると、(B)シリコーンゴム塊状体の分散性が特に優れ、硬化体の曲げ強度などの機械的物性が向上する。さらに、(B)シリコーンゴム塊状体が熱伝導性フィラーを含有する場合において、(C)液状化合物として、アルコキシシラン化合物を用いると、硬化体の熱伝導率が向上しやすくなる。(C)液状化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
なお、液状とは、23℃、1気圧下で液体のものをいう。
(C)液状化合物として使用されるアルコキシシラン化合物は、ケイ素原子(Si)が持つ4個の結合のうち、1~3個がアルコキシ基と結合し、残余の結合が有機置換基と結合した構造を有する化合物である。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、及びヘキサトキシ基が挙げられる。アルコキシシラン化合物は、シリコーン組成物中に二量体として含有されていてもよい。
アルコキシシラン化合物の中でも、入手容易性の観点から、メトキシ基又はエトキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基の数は、上記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させやすいため、3であることが好ましい。アルコキシシラン化合物は、トリメトキシシラン化合物及びトリエトキシシラン化合物から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
アルコキシシラン化合物の有する有機置換基に含まれる官能基としては、例えば、アクリロイル基、アルキル基、カルボキシル基、ビニル基、メタクリル基、芳香族基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、及びメルカプト基が挙げられる。ここで、(A)液状シリコーン化合物として、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、オルガノポリシロキサンの硬化反応に影響を与え難いアルコキシシラン化合物を選択して用いることが好ましい。具体的には、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、アルコキシシラン化合物の有機置換基は、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ヒドロキシル基、又はメルカプト基を含まないことが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、(B)シリコーンゴム塊状体の分散性を高める観点から、ケイ素原子に結合したアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物、すなわち、有機置換基としてアルキル基を有するアルコキシシラン化合物(アルキル基含有アルコキシシラン化合物)を含むことが好ましい。ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましい。また、ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、アルコキシシラン化合物自体の粘度が比較的低く、シリコーン組成物の粘度を低く抑えるという観点から、16以下であることが好ましい。
アルキル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、及びn-デシルトリメトキシシランが挙げられる。アルキル基含有アルコキシシラン化合物の中でも、(B)シリコーンゴム塊状体の分散性を良好にする観点から、n-デシルトリメトキシシランが特に好ましい。
(C)液状化合物として使用されるアルコキシシロキサン化合物は、二つ以上のシロキサン結合を有し、少なくとも一つのケイ素原子にアルコキシ基が結合した構造を有する。また、アルコキシシロキサン化合物は、シロキサン結合を構成するケイ素原子のうち、少なくとも一つのケイ素原子に有機置換基が結合した構造を有する。
アルコキシシロキサン化合物の有するアルコキシ基及び有機置換基としては、上記アルコキシシラン化合物の説明で例示したものを挙げることができる。アルコキシシロキサン化合物は、アルコキシシラン化合物と同様にアルコキシ基を有するため、(B)シリコーンゴム塊状物の分散性を高めることができる。
アルコキシシロキサン化合物は、一種類又は二種類以上を使用することができる。アルコキシシロキサン化合物としては、例えば、メチルメトキシシロキサンオリゴマー、メチルフェニルメトキシシロキサンオリゴマー、メチルエポキシメトキシシロキサンオリゴマー、メチルメルカプトメトキシシロキサンオリゴマー、及びメチルアクリロイルメトキシシロキサンオリゴマーが挙げられる。
(C)液状化合物として使用される脂肪族炭化水素系溶媒としては、炭素数12~19の脂肪族炭化水素系溶媒、または流動パラフィンが好ましい。
炭素数12~19の脂肪族炭化水素系溶媒としては、炭素数12~19の直鎖状、又は分岐鎖状の飽和炭化水素系溶媒が好ましく、例えば、n-ドデカン、イソドデカン、n-トリデカン、イソトリデカン、n-テトラデカン、イソテトラデカン、n-ペンタデカン、イソペンタデカン、n-ヘキサデカン、イソヘキサデカン、n-ヘプタデカン、イソヘプタデカン、n-オクタデカン、イソオクタデカン、n-ノナデカン、イソノナデカンなどが挙げられる。これらの中でも、n-テトラデカン、n-ペンタデカン、n-ヘキサデカンなどが好ましい。
(C)液状化合物として使用される芳香族溶媒としては、好ましくは炭素数6~10の芳香族炭化水素系溶媒であり、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、t-ブチルベンゼンなどが挙げられ、好ましくはトルエン、キシレンなどである。
(C)液状化合物として使用されるシリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、及びフェニル変性シリコーンオイルが挙げられる。
(C)液状化合物として使用されるシリコーンオイルの中でも、(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させて、マトリックス樹脂への分散性を向上させる観点から、ストレートシリコーンオイルが好ましく、中でも、ジメチルシリコーンオイルが好ましい。
(C)液状化合物として使用されるシラザン類としては、ヘキサメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザンなどが挙げられる。これらの中でも、(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させて、マトリックス樹脂への分散性を向上させる観点から、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
上記(C)液状化合物の中でも、溶解性パラメータ(SP値)が7~10である液状化合物が好ましい。
シリコーン組成物中の(C)液状化合物の含有量は、特に限定されないが、(B)シリコーンゴム塊状体100質量部に対して、例えば1~50質量部であり、好ましくは2~30質量部であり、より好ましくは5~15質量部である。
(C)液状化合物と(B)シリコーンゴム塊状体を混練するときに、前記した含有量であることが好ましいが、混練した後に一部を揮発させても良い。
本発明のシリコーン組成物は、(D)熱伝導性フィラー及び導電性フィラーから選択される少なくとも1種の充填材を含有してもよい。ここで、該(D)充填材は、上記した(B)シリコーンゴム塊状体に含まれる充填材とは異なり、(B)シリコーンゴム塊状体とは別にシリコーン組成物に配合されるものである。
シリコーン組成物が(D)充填材として、熱伝導性フィラーを含有することで、硬化体の熱伝導性が高まり、硬化体を熱伝導性シートなどとして使用できる。また、シリコーン組成物が、(D)充填材として、導電性フィラーを含有することで、硬化体の導電性が高まり、硬化体を導電性シートなどとして使用できる。
(D)充填材における熱伝導性フィラー及び導電性フィラーの種類は、上記した(B)シリコーンゴム塊状体に含まれる熱伝導性フィラー及び導電性フィラーとして説明したものと同様である。
シリコーン組成物における、(D)充填材の含有量は、特に限定されないが、例えば、(A)液状シリコーン化合物100体積部に対して、好ましくは20~80体積部であり、より好ましくは50~70体積部である。
<添加剤>
シリコーン組成物には、必要に応じて、添加剤をさらに含有させることもできる。添加剤としては、例えば、補強材、着色剤、耐熱向上剤、界面活性剤、分散剤、難燃剤、触媒、硬化遅延剤、劣化防止剤、及び可塑剤が挙げられる。
<シリコーン組成物の製造方法>
(A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含む本発明のシリコーン組成物の製造方法は特に限定されないが、(B)シリコーンゴム塊状体を前記(C)液状化合物により膨潤させる工程(1)を備える製造方法であることが好ましい。工程(1)を備える方法によりシリコーン組成物を製造することにより、シリコーン組成物の硬化体中における(B)シリコーンゴム塊状体の分散性が良好になる。
(B)シリコーンゴム塊状体は、公知の方法で製造されたシリコーンゴムを粉砕することにより得ることができる。粉砕する方法としては、特に限定されず、公知の粉砕機や撹拌機など使用すればよい。例えば、ジョークラシャ-、ハンマークラシャ-、ロールクラシャー、スクリーンミル、ジェット粉砕機、コロイドミル、ローラーミル、振動ミル等を使用することができる。
得られた(B)シリコーンゴム塊状体を(C)液状化合物により膨潤させる工程においては、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)液状化合物とを混合するとよい。混合させる際の両者の配合量は、(B)シリコーンゴム塊状体100質量部に対して、(C)液状化合物が、例えば1~50質量部であり、好ましくは2~30質量部であり、より好ましくは5~15質量部である。また、混合させる際の温度は20~40℃とすることが好ましい。また、(B)シリコーンゴム塊状体の膨潤を進行させる観点から、両者を混合した後、一定時間静置させることが好ましい。静置時間は、好ましくは0.5~24時間である。
上記した、(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる工程(1)により、膨潤したシリコーンゴム塊状体が得られる。
工程(1)を行った後に、膨潤したシリコーンゴム塊状体と(A)液状シリコーン化合物とを混合する工程(2)を行うことが好ましい。また、前記混合は、振動撹拌機などにより攪拌することにより行うことが好ましい。工程(2)により、膨潤したシリコーンゴム塊状体の内部(例えば、分子鎖が架橋した網目構造の内部)に(A)液状シリコーン化合物が入り込み、さらに攪拌することで、膨潤したシリコーン塊状体の一部が切断されるなどして、微細化され、結果として、硬化体中の分散性が向上するものと考えられる。
工程(2)における配合量は、シリコーン組成物中のシリコーンゴム塊状体の含有量が、好ましくは50~90体積%であり、より好ましくは70~85体積%である。
(A)液状シリコーン化合物が、2液を混合して硬化する組成である場合は、膨潤したシリコーンゴム塊状体に対して、(A)液状シリコーン化合物を複数回(例えば2回)に分割して添加し、混合することが好ましい。例えば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンを含む付加反応型のオルガノポリシロキサンの場合は、工程(2)において、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びハイドロジェンオルガノポリシロキサンを2回以上に分けて添加することが好ましく、例えばアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを含む液剤を添加して、次いでハイドロジェンオルガノポリシロキサンを含む液剤を添加するとよい。
また、本発明のシリコーン組成物の製造方法は上記工程(1)及び工程(2)を備える方法に限定されない。例えば、(A)液状シリコーン化合物が、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンを含む付加反応型のオルガノポリシロキサンの場合は、上記した膨潤させる工程(1)を、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びハイドロジェンオルガノポリシロキサンの少なくとも一方の存在下で行い、その後アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及びハイドロジェンオルガノポリシロキサンの他方を配合する方法でもよい。
また、熱伝導性フィラー、導電性フィラー、及び添加剤などを含むシリコーン組成物を製造する場合は、これらを工程(1)において添加してもよいし、工程(2)において添加してもよいし、工程(1)及び工程(2)以外の工程を設けて添加してもよい。
(シリコーン組成物の硬化体)
本発明のシリコーン組成物の硬化体は、上記のとおり製造したシリコーン組成物を硬化させることで製造され、具体的には、上記したシリコーン組成物を加熱して、液状シリコーン化合物を架橋させることで得ることができる。加熱は、例えば50~150℃程度の温度で行うとよい。また、加熱時間は、例えば10分~20時間程度である。
シリコーン組成物の硬化体の用途は特に限定されないが、例えば、電気部品、半導体材料の保護膜や、あるいは例えば熱伝導性フィラーを含む場合は、熱伝導性シートとして使用でき、電子機器中の発熱体と放熱体の間に配置して使用することができる。発熱体としては、例えば、電子素子などが挙げられ、放熱体としては、例えば、ヒートシンク、ヒートパイプなどが挙げられる。また、シリコーン組成物の硬化体が、導電性フィラーを含有する場合は、導電性シート、配線などの導電性部材などとして使用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
本実施例では、以下の方法により評価した。
[熱伝導率]
シリコーン組成物の硬化体の熱伝導率を、熱抵抗測定機を用いてASTM D5470-06に準拠した方法で測定した。
(測定機)
図1に示すように、熱抵抗測定機は、側面が断熱材21で覆われた第1の銅製ブロック22及び第2の銅製ブロック23を備えている。第1の銅製ブロック22は、熱抵抗測定機の下部に配置され、第2の銅製ブロック23は、第1の銅製ブロック22の上方に配置されている。第1の銅製ブロック22の上面は、シリコーン組成物の硬化体(試料)S2が載置される載置面Q1であり、この載置面Q1の寸法は、25.4mm×25.4mmである。熱抵抗測定機は、第1の銅製ブロック22の下面を加熱するヒーター24と、第2の銅製ブロック23の上面を冷却するファン付きヒートシンク25とをさらに備えている。熱抵抗測定機は、第2の銅製ブロック23に接続されたシリンダ26をさらに備えている。第2の銅製ブロック23は、第1の銅製ブロック22の載置面Q1に載置された試料S2をシリンダ26の押圧動作によって圧縮するように構成されている。
(測定)
熱伝導率の測定は、まず、試料S2を第1の銅製ブロック22の載置面Q1に塗布し、続いて第2の銅製ブロック23で圧縮して、試料S2の厚みが1.5mmとなるように圧縮した。次に、はみ出した試料を拭き取り、第1の銅製ブロック22の載置面Q1の温度が80℃となるようにヒーター24を発熱させた。第1の銅製ブロック22の載置面Q1の温度(温度θj1)が80℃の定常状態となるように15分間放置した後、第2の銅製ブロック23の下面Q2(試料S2に接触している接触面)の温度(温度θj0)を測定した。さらに、このときのヒーター24の発熱量(発熱量Q)、及び試料S2の正確な厚み(厚みT)を測定した。
さらに試料の厚みを1.0mm、0.5mmとなるように調整して、同様の測定を行い、下記式(2)から算出した各試料S2の熱抵抗の値を、縦軸が熱抵抗、横軸が厚みとなるグラフにプロットして、その傾きから熱伝導率を求めた。
熱抵抗=(θj1-θj0)/Q・・・(2)
[走査型電子顕微鏡観察(SEM観察)]
シリコーン組成物の硬化体の断面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「SU3500」)により観察し、シリコーンゴム塊状体の分散状態を確認した。
条件:加速電圧15kV、倍率200倍
走査型電子顕微鏡観察(SEM観察)の結果、シリコーンゴム塊状体の分散性が優れている場合を「A」、Aよりも劣るが、分散性が良好であるものを「B」、凝集物が多く確認されるなど分散性に劣る場合を「C」として、評価した。
[曲げ試験]
各実施例、比較例で得られたシリコーン組成物の硬化体(厚さ2mm、幅5mm、長さ50mm)について、180°曲げ試験を行い、湾曲部(凸部)に亀裂が生じるか否かを目視により確認した。
A:亀裂が確認されなかった。
B:微細な亀裂が確認されたが、使用上の問題は生じなかった。
C:大きな亀裂が確認され、硬化体が割れた。
[各成分]
<シリコーンゴム塊状体の原料(シリコーンゴム)>
シリコーンゴム塊状体の原料として、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを硬化させた、下記シリコーンゴム1及び2を用いた。
シリコーンゴム1:熱伝導率1.3W/mK、E硬度5、オルガノポリシロキサン硬化物を42体積%、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウム(破砕状、平均粒径50μm)を29体積%、水酸化アルミニウム(破砕状、平均粒径10μm)を29体積%含有。
シリコーンゴム2:熱伝導率1.3W/mK、E硬度70、オルガノポリシロキサン硬化物を42体積%、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウム(破砕状、平均粒径50μm)を29体積%含有、水酸化アルミニウム(破砕状、平均粒径10μm)を29体積%。
<シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物>
・n-デシルトリメトキシシラン
・ジメチルシリコーンオイル
<液状シリコーン化合物>
硬化後の硬さがE硬度で5になる付加反応型ジメチルポリシロキサン(2液型:A剤とB剤により構成され、これらを混合することにより、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとの反応が生じる)
<熱伝導性フィラー>
水酸化アルミニウム(破砕状、平均粒径10μm)
(実施例1)
シリコーンゴム1を、株式会社MOA STORE社製「ブレンダーセット MIH-MX201-WH」のチョッパーユニットに投入し、速度「1」で5分間粉砕して、シリコーンゴム塊状体を得た。
上記シリコーンゴム塊状体と液状化合物(n―デシルトリメトキシシラン)とをプラスチック容器に入れて混合した後、1時間放置して膨潤したシリコーンゴム塊状体を得た。
上記膨潤したシリコーンゴム塊状体と液状シリコーン化合物のA剤をプラスチック容器に入れ、株式会社MOA STORE社製「ブレンダーセット MIH-MX201-WH」のブレンダーユニットを用いて、速度「1」で5分間攪拌して混合することにより、液状混合物(中間体)を得た。次いで、液状該混合物(中間体)と液状シリコーン化合物のB剤とを振動撹拌機で4分間攪拌し、シリコーン組成物を得た。なお、シリコーンゴム塊状体、液状化合物、及び液状シリコーン化合物は、それぞれの配合比が表1のとおりとなるように調整した。
得られたシリコーン組成物を剥離シートに厚さが2mmとなるように塗布し、80℃で15時間加熱して、シート状のシリコーン組成物の硬化体を得た。
(実施例2)
液状化合物として、n-デシルトリメトキシシランの代わりにジメチルシリコーンオイルを用いた以外は実施例1と同様にして、シート状のシリコーン組成物の硬化体を得た。
(実施例3)
シリコーンゴム1の代わりに、シリコーンゴム2を用いた以外は、実施例2と同様にして、シリコーン組成物の硬化体を得た。
(実施例4)
液状シリコーン化合物の配合量を変更し、さらに熱伝導性フィラーを添加した以外は、実施例1と同様にして、シリコーン組成物の硬化体を得た。
(比較例1)
シリコーンゴム1を、株式会社MOA STORE社製「ブレンダーセット MIH-MX201-WH」のチョッパーユニットに投入し、速度「1」で5分間粉砕して、シリコーンゴム塊状体を得た。
上記シリコーンゴム塊状体と液状シリコーン化合物のA剤をプラスチック容器に入れ、株式会社MOA STORE社製「ブレンダーセット MIH-MX201-WH」のブレンダーユニットを用いて、速度「1」で5分間攪拌して混合することにより、液状混合物(中間体)を得た。次いで、該液状混合物(中間体)と液状シリコーン化合物のB剤とを振動撹拌機で4分間攪拌し、シリコーン組成物を得た。なお、シリコーンゴム塊状体、及び液状シリコーン化合物は、それぞれの配合比が表1のとおりとなるように調整した。
得られたシリコーン組成物を剥離シートに厚さが2mmとなるように塗布し、80℃で15時間加熱して、シート状のシリコーン組成物の硬化体を得た。
Figure 0007636736000001
実施例1にて得られた硬化体の断面の走査型電子顕微鏡観察の写真を図2に示した。また、比較例1にて得られた硬化体の断面の走査型電子顕微鏡観察の写真を図3に示した。図3(比較例1の硬化体断面写真)を見ると、凸部分と平坦部分とが明瞭に区分されており全体として不均一であり、局所的にシリコーンゴム塊状体に含まれる熱伝導性フィラーの凝集物が確認された。これに対して、図2(実施例1の硬化体断面写真)を見ると、図3のような平坦部分が確認されず、シリコーンゴム塊状体が、マトリックス樹脂中に分散性よく分散していることが分かった。なお、実施例2及び3のシリコーンゴム塊状体の分散性は、実施例1よりは劣ったものの、比較例1よりは良好に分散していた。また、実施例4のシリコーンゴム塊状体の分散性は、実施例1と同等であった。
また、実施例1~4における曲げ試験の結果は、比較例1と比較して良好であった。これは、実施例1~4の硬化体中のシリコーンゴム塊状体の分散性が、比較例1よりも良好であることに起因すると推察される。また、液状化合物としてn-デシルトリメトキシシランを用いて作製した実施例1及び4の硬化体は、シリコーン塊状体の分散性が非常に優れており、そのため曲げ試験の結果が最も良く、さらに熱伝導率も良好であった。また、実施例4の硬化体は、実施例1の硬化体と比較してさらに(D)熱伝導性フィラーを含むものであり、実施例1よりもさらに熱伝導率が高い結果となった。
21 断熱材
22 第1の銅製ブロック
23 第2の銅製ブロック
24 ヒーター
25 ヒートシンク
26 シリンダ
Q1 載置面
Q2 第2の銅製ブロックの下面
S2 試験片

Claims (9)

  1. (A)液状シリコーン化合物と、
    (B)シリコーンゴム塊状体と、
    (C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含み、
    前記(A)液状シリコーン化合物が付加反応型のオルガノポリシロキサンであり、
    前記(C)液状化合物がアルキル基含有アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族溶媒、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、及びシラザン類からなる群から選択される少なくとも1種である、シリコーン組成物(有機過酸化物を含むものを除く)
  2. 前記(C)液状化合物が、ケイ素原子に結合した炭素数4以上のアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物である、請求項1記載のシリコーン組成物。
  3. 前記(B)シリコーンゴム塊状体が、熱伝導性フィラー及び導電性フィラーから選択される少なくとも1種の充填材を含有する、請求項1又は2に記載のシリコーン組成物。
  4. 前記(B)シリコーンゴム塊状体が、前記(C)液状化合物により膨潤されて含まれる、請求項1~のいずれかに記載のシリコーン組成物。
  5. さらに(D)熱伝導性フィラー及び導電性フィラーから選択される少なくとも1種の充填材を含有する、請求項1~のいずれかに記載のシリコーン組成物。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のシリコーン組成物の硬化体。
  7. (A)液状シリコーン化合物と、(B)シリコーンゴム塊状体と、(C)前記(B)シリコーンゴム塊状体を膨潤させる液状化合物とを含むシリコーン組成物の製造方法であって、前記(B)シリコーンゴム塊状体を前記(C)液状化合物により膨潤させる工程(1)を備え
    前記(A)液状シリコーン化合物が付加反応型のオルガノポリシロキサンであり、
    前記(C)液状化合物がアルキル基含有アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族溶媒、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、及びシラザン類からなる群から選択される少なくとも1種である、シリコーン組成物の製造方法(有機過酸化物を含むものを除く)
  8. 前記(B)シリコーンゴム塊状体を前記(C)液状化合物により膨潤させる工程(1)と、
    膨潤したシリコーンゴム塊状体と、前記(A)液状シリコーン化合物とを混合する工程(2)とを備える、請求項に記載のシリコーン組成物の製造方法。
  9. 請求項又はの方法によりシリコーン組成物を製造し、次いで該シリコーン組成物を硬化させる、シリコーン組成物の硬化体の製造方法。
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