以下図面を参照して、電力用半導体素子のゲート駆動装置及び電力変換装置について説明する。各図面において、同様の部材には同様の参照符号が付けられている。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。図示される形態は実施をするための1つの例であり、これらの形態に限定されるものではない。
本開示の各実施形態によるゲート駆動装置は、複数個直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動する。電力用半導体素子の例としては、MOSFET、IGBT、サイリスタ、GTO、トランジスタなどがある。MOSFETはその端子としてゲート端子、ドレイン端子及びソース端子を有する。IGBTはその端子としてゲート端子、エミッタ端子及びコレクタ端子を有する。トランジスタはその端子としてベース端子、エミッタ端子及びコレクタ端子を有する。サイリスタ及びGTOはその端子としてゲート端子、アノード端子及びカソード端子を有する。以下、一例として、電力用半導体素子がMOSFETで構成される場合について説明するが、IGBT、サイリスタ、GTO、あるいはトランジスタであっても本開示の各実施形態は適用可能である。また電力用半導体素子をIGBTで構成する場合は、「ドレイン」は「コレクタ」に、「ソース」は「エミッタ」にそれぞれ読み替えられて本開示の各実施形態が適用される。また電力用半導体素子をトランジスタで構成する場合は、「ゲート」は「ベース」に、「ドレイン」は「コレクタ」に、「ソース」は「エミッタ」にそれぞれ読み替えられて本開示の各実施形態が適用される。また。電力用半導体素子をサイリスタあるいはGTOで構成する場合は、「ゲート」は「ベース」に、「ドレイン」は「アノード」に、「ソース」は「カソード」にそれぞれ読み替えられて本開示の各実施形態が適用される。また、「電力用半導体素子の出力端子」は、MOSFETの「ソース端子」、IGBT及びトランジスタの「エミッタ端子」、サイリスタ及びGTOの「カソード端子」がそれぞれ対応する。
図1は、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置を示す回路図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。
本開示の一実施形態によるゲート駆動装置1は、複数個直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動するものであるが、ここでは、一例として、2個直列に接続された電力用半導体素子QA及びQBをオンオフ駆動する例について説明する。
電力用半導体素子QAにはダイオードDAが逆並列に接続される。同様に、電力用半導体素子QBにはダイオードDBが逆並列に接続される。
ゲート駆動装置1は、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bと、ゲート線12-A及び12-Bと、磁気結合部13とを備える。
ゲート駆動電圧可変部11-Aは電力用半導体素子QAに対応して設けられ、ゲート駆動電圧可変部11-Bは電力用半導体素子QBに対応して設けられる。ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bのうちの一方または両方は、電力用半導体素子間の電気的特性の差、特にゲート閾値電圧の差に応じて、可変のゲート駆動電圧を出力する。ゲート駆動電圧可変部11-A及びゲート駆動電圧可変部11-Bの詳細については後述する。
ゲート線12-Aは、ゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されたゲート駆動電圧を、対応する電力用半導体素子QAのゲート端子に供給する。ゲート線12-Bは、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されたゲート駆動電圧を、対応する電力用半導体素子QBのゲート端子に供給する。
磁気結合部13は、ゲート線12-Aとゲート線12-Bとを磁気結合する。図3は、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置における磁気結合部を例示する図である。磁気結合部13は、磁性体30を有する。磁性体30には、ゲート線12-A及び12-Bが巻き付けられる。例えば、図3に示すようにゲート電流Ig1が流れると、磁性体30に磁束Φ1が発生してゲート線12-Bを横切る。同様に、ゲート電流Ig2が流れると磁性体30に磁束Φ2が発生してゲート線12-Aを横切る。これによってゲート線12-Aとゲート線12-Bが磁気結合される。磁性体30へのゲート線12-Aの巻数N1と磁性体30へのゲート線12-Bの巻数N2を同じとして、ゲート電流Ig1とゲート電流Ig2のが等しいときに|Φ1|=|Φ2|となるようにし、ゲート電流Ig1とゲート電流Ig2とが逆極性のときにΦ1とΦ2とが逆極性となるようにする。
例えば電力用半導体素子QAと電力用半導体素子QBとのオフ動作のタイミングが揃わず電力用半導体素子QAが電力用半導体素子QBよりも先にオフ動作をした場合、ゲート電流Ig1がゲート電流Ig2よりも先に流れ出したときに磁束Φ1と磁束Φ2とは等しくはならないため、磁性体30には|Φ1-Φ2|の磁束が発生し、磁気結合する。このときゲート線12-AにはインダクタンスL1が発生しゲート線12-BにはインダクタンスL2が発生し、これらインダクタンスL1及びL2は|Φ1-Φ2|に比例する。ゲート電流Ig1とゲート電流Ig2とのアンバランス分が大きいほど、インダクタンスL1と及びL2も大きくなる。また、インダクタンスL1及びL2が増加するほど、ゲート線12-A及び12-Bのインピーダンスが増加するため、ゲート電流Ig1及びIg2が流れにくくなる。これにより、ゲート電流Ig1とゲート電流Ig2とのアンバランス分に応じてゲート線12-A及び12-Bのインピーダンスが変化し、ゲート電流Ig1とゲート電流Ig2とが一致するように動作させることができる。
続いて、ゲート駆動電圧可変部11-A及びゲート駆動電圧可変部11-Bの詳細について説明する。
ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bのうちの一方または両方は、可変のゲート駆動電圧を出力する。
ゲート駆動電圧可変部11-Aは、ゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力する正側電位出力部21P-Aと、正側電位出力部21P-Aに直列に接続され、ゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する負側電位出力部21N-Aと、正側スイッチ23P-Aと、負側スイッチ23N-Aと、を有する。また、ゲート駆動電圧可変部11-Bは、ゲート駆動電圧の正側電位VPBを出力する正側電位出力部21P-Bと、正側電位出力部21P-Bに直列に接続され、ゲート駆動電圧の負側電位VNBを出力する負側電位出力部21N-Bと、正側スイッチ23P-Bと、負側スイッチ23N-Bと、を有する。
ゲート駆動電圧可変部11-A内の正側スイッチ23P-Aとゲート駆動電圧可変部11-B内の正側スイッチ23P-Bとは、同期してオン動作及びオフ動作を行い、すなわちこれら正側スイッチ23P-A及び23P-Bの間でオンオフのタイミングは一致する。同様に、ゲート駆動電圧可変部11-A内の負側スイッチ23N-Aとゲート駆動電圧可変部11-B内の負側スイッチ23N-Bとは、同期してオン動作及びオフ動作を行い、すなわちこれら負側スイッチ23N-A及び23N-Bの間でオンオフのタイミングは同一である。本開示の一実施形態では、ゲート駆動電圧可変部11-A及びゲート駆動電圧可変部11-Bは、以下で説明するように可変のゲート駆動電圧をそれぞれ生成し、そのうえで正側スイッチ23P-A及び23P-B並びに負側スイッチ23N-A及び23N-Bをオン動作及びオフ動作させることで、電力用半導体素子QA及びQBのゲート端子への印加電圧を制御する。
ゲート駆動電圧可変部11-Aにおいて、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VPA-VNA」が一定となるように制御しつつ、正側電位出力部21P-Aと負側電位出力部21N-Aとの間の接続点である中間端子22-Aにおける電位VRAと、ゲート駆動電圧可変部11-Aに対応する電力用半導体素子QAの出力端子であるソース端子における電位VQAと、が同電位となるように制御する。例えば、中間端子22-Aと電力用半導体素子QAのソース端子とを結線することによりVRA=VQAを実現したうえで、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VPA-VNA」が一定となるようにしつつ、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位VRAとの電位差「VPA-VRA」及び中間端子22-Aにおける電位VRAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」の一方または両方を可変にする。
ゲート駆動電圧可変部11-Bにおいて、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VPB-VNB」が一定となるように制御しつつ、正側電位出力部21P-Bと負側電位出力部21N-Bとの間の接続点である中間端子22-Bにおける電位VRBと、ゲート駆動電圧可変部11-Bに対応する電力用半導体素子QBの出力端子であるソース端子における電位VQBと、が同電位となるように制御する。例えば、中間端子22-Bと電力用半導体素子QBのソース端子とを結線することによりVRB=VQBを実現したうえで、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VPB-VNB」が一定となるようにしつつ、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」及び中間端子22-Bにおける電位VRBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」の一方または両方を可変にする。
また、例えば、電力用半導体素子QAが第1のゲート閾値電圧VthAを有し、電力用半導体素子QBが第1のゲート閾値電圧よりも高い第2のゲート閾値電圧VthBを有する場合(すなわちVthA<VthBである場合)は、第1のゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNAの各々は、第2のゲート駆動電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも低くなるようにする。
より詳しくは、VthA<VthBである場合、例えば、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも低いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも、低いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位との電位差「VPA-VRA」よりも大きくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも小さくなるようにする。
また、例えば、電力用半導体素子QAが第1のゲート閾値電圧VthAを有し、電力用半導体素子QBが第1のゲート閾値電圧よりも低い第3のゲート閾値電圧VthBを有する場合(すなわちVthA>VthBである場合)は、第1のゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNAの各々は、第3のゲート駆動電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも高くなるようにする。
すなわち、VthA>VthBである場合、例えば、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも高いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも高いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位VRAとの電位差「VPA-VRA」よりも小さくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも大きくなるようにする。
このように、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bのうちの一方または両方は可変のゲート駆動電圧を出力する。なお、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bの両方が可変のゲート駆動電圧を出力する場合は、変更する電圧幅を小さくすることができ、電力用半導体素子のゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位の絶対値が小さくなるため、電力用半導体素子に対する負担を小さくすることができる利点がある。
図2は、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置におけるゲート駆動電圧可変部の変形例を示す回路図である。図2において、電力用半導体素子QA及びQBについては図示を省略している。
ゲート駆動電圧可変部11-Aは、複数個直列に接続された直流電源21-Aと、切替えスイッチ26-Aとを有する。各直流電源間には中間タップがそれぞれ設けられ、切替えスイッチ26-Aが、中間タップのうちのいずれかと接続されることで、正側電位VPAと切替えスイッチ26-Aの電位VRA(図1の中間端子22-Aにおける電位VRAに相当)との電位差「VPA-VRA」、及び切替えスイッチ26-Aの電位VRAと負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」が変化する。
同様に、ゲート駆動電圧可変部11-Bは、複数個直列に接続された直流電源21-Bと、切替えスイッチ26-Bとを有する。各直流電源間には中間タップがそれぞれ設けられ、切替えスイッチ26-Bが、中間タップのうちのいずれかと接続されることで、正側電位VPBと切替えスイッチ26-Bの電位VRB(図1の中間端子22-Bにおける電位VRBに相当)との電位差「VPB-VRB」、及び切替えスイッチ26-Bの電位VRBと負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」が変化する。
このように、図2に示すゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bによっても、図1と同様の電位VPA、VRB、VNA、VPB、VRB及びVNBを出力することができる。各ゲート閾値電圧VthA及びVthBと電位差「VPA-VRA」、「VRA-VNA」、「VPB-VRB」及び「VRB-VNB」との関係、各電力用半導体素子QA及びQBのソース端子における電位VQA及びVQBと電位VRA及びVRBとの関係については、図1を参照して説明したものと同様のものが成り立つ。
上述のゲート駆動装置1は、複数個直列に接続された電力用半導体素子が設けられたアームが複数個直列に接続されて構成される電力変換装置においても、電力用半導体素子をオンオフ駆動することができる。
図4は、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置を備える電力変換装置を示す図である。また、図5は、図4に示す電力変換装置内に設けられるアームを示す回路図である。ここでは、一例として、2個直列接続された電力用半導体素子QA及びQBにてアーム50を構成する例について説明する。
本開示の一実施形態による電力変換装置100は、上述のゲート駆動装置1と、複数個直列に接続された電力用半導体素子が設けられたアーム50を有し、電力用半導体素子のオンオフ動作に応じて電力変換動作を行う電力変換回路部2と、電力変換回路部2の電力変換動作を制御する電力変換制御部3と、を備える。
図5に示すように、アーム50は、例えば2個直列接続された電力用半導体素子QA及びQBで構成される。電力用半導体素子QAのドレイン端子からは端子P1が引き出され、電力用半導体素子QBのソース端子からは端子P2が引き出されている。電力変換回路部2は、あるアーム50の端子P2が他のアーム50の端子P1に接続され、その接続点は負荷の一方の端子に接続されている。図4に示す例では、2個のアーム50が直列に接続されて1つのレグ60を構成し、2つのレグ60で電力変換回路部2が構成される。
直列に接続されたアーム50で構成されるレグ60には、直流電源200が接続される。また、レグ60内の直列に接続されたアーム50の間にある端子T1ともう一方のレグ60内の直列に接続されたアーム50の間にある端子T2との間には、負荷300が接続される。
アーム50に対応して、ゲート駆動装置1が設けられる。各アーム50内の電力用半導体素子QAと電力用半導体素子QBは、対応するゲート駆動装置1によってオンオフ駆動される。すなわち、ゲート駆動電圧可変部11-A及びゲート駆動電圧可変部11-Bは、上述したように可変のゲート駆動電圧をそれぞれ生成し、そのうえで各正側スイッチ23P-A及び23P-B並びに各負側スイッチ23N-A及び23N-Bをオン動作及びオフ動作させることで、電力用半導体素子QA及びQBのゲート端子への印加電圧を制御する。
電力変換制御部3は、各ゲート駆動装置1内の各正側スイッチ23P-A及び23P-B並びに各負側スイッチ23N-A及び23N-Bのオン動作及びオフ動作を制御する。すなわち、電力変換制御部3は、各ゲート駆動装置1内の各正側スイッチ23P-A及び23P-B並びに各負側スイッチ23N-A及び23N-Bのオン動作及びオフ動作を制御することで、電力用半導体素子QA及びQBのゲート端子への印加電圧を制御し、これにより電力用半導体素子QA及びQBはオン動作及びオフ動作を行う。これにより、電力変換回路部2は、直流電源200から供給される直流電力を所望の電力に変換して負荷300へ供給する電力変換動作を行うことになる。電力変換制御部3は、例えば正側端子T1から負荷300へ流れる電流の検出値iと制御目標値である電流指令i*との偏差がなくなるように、各ゲート駆動装置1内の各正側スイッチ23P-A及び23P-B並びに各負側スイッチ23N-A及び23N-Bのオン動作及びオフ動作を制御するためのゲート指令信号を生成する。
電力変換装置100内には演算処理装置(プロセッサ)が設けられる。この演算処理装置は、電力変換制御部3を有する。演算処理装置が有する電力変換制御部3は、例えば、プロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。例えば、電力変換制御部3をコンピュータプログラム形式で構築する場合は、演算処理装置をこのコンピュータプログラムに従って動作させることで、当該機能を実現することができる。電力変換制御部3の処理を実行するためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体といった、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。またあるいは、電力変換制御部3を、当該機能を実現するコンピュータプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。
続いて、2つの電力用半導体素子QA及びQBの特性が異なる場合におけるオン動作時及びオフ動作時のゲート電圧の不均衡度について説明する。
図6は、2つの電力用半導体素子の特性が異なる場合におけるゲート電圧の不均衡度の定義を説明する図であって、(A)はオフ動作時のゲート電圧の不均衡度の定義を示し、(B)はオン動作時のゲート電圧の不均衡度の定義を示す。一例として、電力用半導体素子QAが第1のゲート閾値電圧VthAを有し、電力用半導体素子QBが第1のゲート閾値電圧よりも高い第2のゲート閾値電圧VthBを有する場合(すなわちVthA<VthBである場合)について説明する。
図6(A)に示すように、電力用半導体素子QA及びQBのオフ時における現象として、電力用半導体素子QAのゲート電位を正のある電位から負のある電位にしたときに電力用半導体素子QAのドレイン-ソース間電圧が0[V]からVdsA[V]になり、電力用半導体素子QBのゲート電位を正のある電位から負のある電位にしたときに電力用半導体素子QBのドレイン-ソース間電圧が0[V]からVdsB[V]になったとする。このとき、オフ動作時のゲート電圧の不均衡度をΔVdsoff[%]を式1のように定義する。
また、図6(B)に示すように、電力用半導体素子QA及びQBのゲート電位の負のある電位のときの電力用半導体素子QA及びQBがオフ状態のドレイン-ソース間電圧の平均値をVdsave[V]とし、電力用半導体素子QA及びQBのゲート電位を負のある電位から正のある電位にして電力用半導体素子QA及びQBのオンした時に発生するいずれか一方の電力用半導体素子のドレイン-ソース間電圧の跳ね上がりである最大上昇電圧とVdsave[V]との差をVp[V]としたとき、オン動作時のゲート電圧の不均衡度をΔVdson[%]を式2のように定義する。
図7は、電力用半導体素子の特性にばらつきがある場合において、特許文献1(特許第4396036号公報)におけるゲート線の磁気結合がある場合及び無い場合の不均衡度についてのシミュレーション結果を例示する図である。
図7に示すように、特許文献1に記載された発明によれば、電力用半導体素子QA及びQBの特性が異なると(VthA<VthB)、ゲート線の磁気結合がある場合及び無い場合のいずれにおいても不均衡度が高くなり、ゲート線の磁気結合があったとしても電力用半導体素子QAと電力用半導体素子QBとでオン動作のタイミング及びオフ動作のタイミングを揃える効果は小さい。
図8は、電力用半導体素子の特性にばらつきがある場合において、本開示の一実施形態における不均衡度についてのシミュレーション結果を例示する図である。
特性が異なる3.3kV耐圧のSiC-MOSFET電力用半導体素子QA及びQB(VthA<VthB)を直列に接続した場合に3.6kVの電圧を印加したとき750Aの電流が流れたとし、各ゲート信号の遅延は無いものとしてシミュレーションを行った。また、このシミュレーションでは、ゲート駆動電圧可変部11-Aから出力される正側電位VPAと負側電位VNAとの差「VPA-VNA」を28V一定とし、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力される正側電位VPBと負側電位VNBとの差「VPB-VNB」を28V一定とし、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力される正側電位VPBを17V一定とし、負側電位VNBを-11V一定としている。このような条件の下で、ゲート駆動電圧可変部11-Aにおける正側電位VPA/負側電位VNAを「17V/-11V」、「16.75V/-11.25V」、「16.5V/-11.5V」、「16.25V/-11.75V」といったように変化させるシミュレーションを行うと、図8に示すようなオン時及びオフ時の不均衡度が得られた。図8より、電力用半導体素子QAの正側電圧VPA/負側電圧VNAを16.5V/-11.5Vと16.25V/-11.75Vとの間に設定すれば、オン時及びオフ時の不均衡度を低くすることができることが分かる。
以上の通り、2個直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動する例について説明したが、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置1は、3個以上直列に接続された電力用半導体素子であってもオンオフ駆動することができる。
図9は、本開示の一実施形態による3個直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動するゲート駆動装置を示す回路図である。一例として、3個直列に接続された電力用半導体素子QA、QB及びQCをオンオフ駆動する例について説明する。
電力用半導体素子QAにはダイオードDAが逆並列に接続される。同様に、電力用半導体素子QBにはダイオードDBが逆並列に接続され、電力用半導体素子QCにはダイオードDCが逆並列に接続される。
ゲート駆動装置1は、ゲート駆動電圧可変部11-A、11-B及び11-Cと、ゲート線12-A、12-B及び12-Cと、磁気結合部13とを備える。
ゲート駆動電圧可変部11-Aは電力用半導体素子QAに対応して設けられ、ゲート駆動電圧可変部11-Bは電力用半導体素子QBに対応して設けられ、ゲート駆動電圧可変部11-Cは電力用半導体素子QCに対応して設けられる。ゲート駆動電圧可変部11-A、11-B及び11-Cのうちのいくつかまたは全ては、可変のゲート駆動電圧をそれぞれ出力する。
ゲート駆動電圧可変部11-Aは、ゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力する正側電位出力部21P-Aと、正側電位出力部21P-Aに直列に接続され、ゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する負側電位出力部21N-Aと、正側スイッチ23P-Aと、負側スイッチ23N-Aと、を有する。また、ゲート駆動電圧可変部11-Bは、ゲート駆動電圧の正側電位VPBを出力する正側電位出力部21P-Bと、正側電位出力部21P-Bに直列に接続され、ゲート駆動電圧の負側電位VNBを出力する負側電位出力部21N-Bと、正側スイッチ23P-Bと、負側スイッチ23N-Bと、を有する。また、ゲート駆動電圧可変部11-Cは、ゲート駆動電圧の正側電位VPCを出力する正側電位出力部21P-Cと、正側電位出力部21P-Cに直列に接続され、ゲート駆動電圧の負側電位VNCを出力する負側電位出力部21N-Cと、正側スイッチ23P-Cと、負側スイッチ23N-Cと、を有する。
ゲート駆動電圧可変部11-A内の正側スイッチ23P-Aとゲート駆動電圧可変部11-B内の正側スイッチ23P-Bとゲート駆動電圧可変部11-C内の正側スイッチ23P-Cとは、同期してオン動作及びオフ動作を行い、すなわちこれら正側スイッチ23P-A、23P-B及び23P-Cの間でオンオフのタイミングは一致する。同様に、ゲート駆動電圧可変部11-A内の負側スイッチ23N-Aとゲート駆動電圧可変部11-B内の負側スイッチ23N-Bとゲート駆動電圧可変部11-C内の負側スイッチ23N-Cとは、同期してオン動作及びオフ動作を行い、すなわちこれら負側スイッチ23N-A、23N-B及び23N-Cの間でオンオフのタイミングは同一である。本開示の一実施形態では、ゲート駆動電圧可変部11-A、ゲート駆動電圧可変部11-B及びゲート駆動電圧可変部11-Cは、以下で説明するように可変のゲート駆動電圧をそれぞれ生成し、そのうえで正側スイッチ23P-A、23P-B及び23P-C並びに負側スイッチ23N-A、23N-B及び23N-Cをオン動作及びオフ動作させることで、電力用半導体素子QA、QB及びQCのゲート端子への印加電圧を制御する。
ゲート駆動電圧可変部11-Aにおいて、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VPA-VNA」が一定となるように制御しつつ、正側電位出力部21P-Aと負側電位出力部21N-Aとの間の接続点である中間端子22-Aにおける電位VRAと、ゲート駆動電圧可変部11-Aに対応する電力用半導体素子QAの出力端子であるソース端子における電位VQAと、が同電位となるように制御する。例えば、中間端子22-Aと電力用半導体素子QAのソース端子とを結線することによりVRA=VQAを実現したうえで、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VPA-VNA」が一定となるようにしつつ、正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位VRAとの電位差「VPA-VRA」及び中間端子22-Aにおける電位VRAと負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」の一方または両方を可変にする。
ゲート駆動電圧可変部11-Bにおいて、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VPB-VNB」が一定となるように制御しつつ、正側電位出力部21P-Bと負側電位出力部21N-Bとの間の接続点である中間端子22-Bにおける電位VRBと、ゲート駆動電圧可変部11-Bに対応する電力用半導体素子QBの出力端子であるソース端子における電位VQBと、が同電位となるように制御する。例えば、中間端子22-Bと電力用半導体素子QBのソース端子とを結線することによりVRB=VQBを実現したうえで、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VPB-VNB」が一定となるようにしつつ、正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」及び中間端子22-Bにおける電位VRBと負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」の一方または両方を可変にする。
ゲート駆動電圧可変部11-Cにおいて、正側電位出力部21P-Cが出力する正側電位VPCと負側電位出力部21N-Cが出力する負側電位VNCとの電位差「VPC-VNC」が一定となるように制御しつつ、正側電位出力部21P-Cと負側電位出力部21N-Cとの間の接続点である中間端子22-Cにおける電位VRCと、ゲート駆動電圧可変部11-Cに対応する電力用半導体素子QCの出力端子であるソース端子における電位VQCと、が同電位となるように制御する。例えば、中間端子22-Cと電力用半導体素子QCのソース端子とを結線することによりVRC=VQCを実現したうえで、正側電位出力部21P-Cが出力する正側電位VPCと負側電位出力部21N-Cが出力する負側電位VNCとの電位差「VPC-VNC」が一定となるようにしつつ、正側電位出力部21P-Cが出力する正側電位VPCと中間端子22-Cにおける電位VRCとの電位差「VPC-VRC」及び中間端子22-Cにおける電位VRCと負側電位出力部21N-Cが出力する負側電位VNCとの電位差「VRC-VNC」の一方または両方を可変にする。
また、例えば、電力用半導体素子QAのゲート閾値電圧VthA、電力用半導体素子QBのゲート閾値電圧VthB、及び電力用半導体素子QCのゲート閾値電圧VthCがVthA<VthB<VthCの大小関係を有する場合は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNAの各々は、ゲート駆動電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも低くなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々は、ゲート駆動電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPC及び負側電位VNCの各々よりも低くなるようにする。
より詳しくは、VthA<VthB<VthCである場合、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも低いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも低いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位との電位差「VPA-VRA」よりも大きくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも小さくなるようにする。
同様に、VthA<VthB<VthCである場合、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの正側電位出力部21P-Cが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPCよりも低いゲート駆動電圧の正側電位VPBを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの負側電位出力部21N-Cが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNCよりも、低いゲート駆動電圧の負側電位VNBを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの正側電位出力部21P-Cが出力する正側電位VPCと中間端子22-Cにおける電位VRCとの電位差「VPC-VRC」は、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位との電位差「VPB-VRB」よりも大きくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの中間端子22-Cにおける電位VRCとゲート駆動電圧可変部11-Cの負側電位出力部21N-Cが出力する負側電位VNCとの電位差「VRC-VNC」は、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」よりも小さくなるようにする。
また、例えば、電力用半導体素子QAのゲート閾値電圧VthA、電力用半導体素子QBのゲート閾値電圧VthB、及び電力用半導体素子QCのゲート閾値電圧VthCがVthA>VthB>VthCの大小関係を有する場合は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNAの各々は、ゲート駆動電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも高くなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々は、ゲート駆動電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPC及び負側電位VNCの各々よりも高くなるようにする。
すなわち、VthA>VthB>VthCである場合、例えば、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも高いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも高いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位VRAとの電位差「VPA-VRA」よりも小さくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、ゲート閾値電圧VthAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも大きくなるようにする。
同様に、VthA>VthB>VthCである場合、例えば、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの正側電位出力部21P-Cが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPCよりも高いゲート駆動電圧の正側電位VPBを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの負側電位出力部21N-Cが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNCよりも高いゲート駆動電圧の負側電位VNCを出力する。ここで、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの正側電位出力部21P-Cが出力する正側電位VPCと中間端子22-Cにおける電位VRCとの電位差「VPC-VRC」は、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」よりも小さくなるようにする。さらに/あるいは、ゲート閾値電圧VthCを有する電力用半導体素子QCに対応するゲート駆動電圧可変部11-Cの中間端子22-Cにおける電位VRCとゲート駆動電圧可変部11-Cの負側電位出力部21N-Cが出力する負側電位VNCとの電位差「VRC-VNC」は、ゲート閾値電圧VthBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」よりも大きくなるようにする。
ゲート線12-Aは、ゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されたゲート駆動電圧を、対応する電力用半導体素子QAのゲート端子に供給する。ゲート線12-Bは、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されたゲート駆動電圧を、対応する電力用半導体素子QBのゲート端子に供給する。ゲート線12-Cは、ゲート駆動電圧可変部11-Cから出力されたゲート駆動電圧を、対応する電力用半導体素子QCのゲート端子に供給する。
磁気結合部13は、ゲート線12-Aとゲート線12-Bとを磁気結合し、ゲート線12-Bとゲート線12-Cとを磁気結合する。
このように、本開示の一実施形態によるゲート駆動装置1は、複数個直列に接続された電力用半導体素子の個数と同じ個数のゲート駆動電圧可変部及びゲート線を設け、磁気結合部にてゲート線の各々について互いに磁気結合させる構成を有する。本開示の一実施形態によれば、電力用半導体素子についてゲート信号の伝達時間や電力用半導体素子の特性にバラツキがあっても、電力用半導体素子の各々のオン動作及びオフ動作についてのスイッチングタイミングを揃え、電力用半導体素子に印加される電圧の不均衡を抑制することができる。
続いて、本開示の一実施形態の第1の変形例について説明する。
図10は、本開示の一実施形態の第1の変形例によるゲート駆動装置を示す回路図である。一例として、2個直列に接続された電力用半導体素子QA及びQBをオンオフ駆動する例について説明するが、3個以上直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動する場合であっても第1の変形例は適用可能である。また、一例として、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bが図2に示した構成を有する場合について説明するが、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bが図1に示した構成を有する場合であっても第1の変形例は適用可能である。
図4及び図5を参照して説明したように複数個直列に接続された電力用半導体素子を有するアーム50により構成される電力変換回路部2について、ゲート駆動装置1は、アーム50内の電力用半導体素子をオンオフ駆動させることができる。電力用半導体素子の特性は、ドレイン-ソース間に流れる電流の大きさにより変化することから、第1の変形例によるゲート駆動装置1では、ドレイン-ソース間に流れる電流に応じてゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位を変化させ、ドレイン-ソース間に流れる電流の大きさにより電力用半導体素子の各々の特性に変化が生じても、電力用半導体素子の各々のオン動作及びオフ動作についてのスイッチングタイミングを揃え、電力用半導体素子に印加される電圧の不均衡を抑制する。
電力変換制御部3は、電流に関する情報として、電力変換回路部2から出力される電流の値iまたは電力変換制御部3が電力変換回路部2の電力変換動作を制御するために生成する電流指令の値i*を保持している。ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bの各々は、電力変換回路部2から出力される電流の値iまたは電力変換制御部3が電力変換回路部2の電力変換動作を制御するために生成する電流指令の値i*に応じて、ゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位を変化させる。このため、図10に示すように、ゲート駆動電圧可変部11-Aはセレクター回路24-Aをさらに有し、ゲート駆動電圧可変部11-Bはセレクター回路24-Bをさらに有する。
複数個直列に接続された直流電源21-Aの各々の間には中間タップが設けられ、各中間タップは、MOSFETで構成されたスイッチ部を介して中間端子22-Aに接続されている。各スイッチ部のMOSFETのオンオフは、セレクター回路24-Aによって制御される。セレクター回路24-Aは、電力変換回路部2から出力される電流の値iまたは電力変換制御部3が電力変換回路部2の電力変換動作を制御するために生成する電流指令の値i*に応じて、複数のMOSFETのうちの1つをオンすることで、正側電位VPAと中間端子22-Aの電位VRAとの電位差「VPA-VRA」、及び中間端子22-Aの電位VRAと負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」を変化させる。
同様に、複数個直列に接続された直流電源21-Bの各々の間には中間タップが設けられ、各中間タップは、MOSFETで構成されたスイッチ部を介して中間端子22-Bに接続されている。各スイッチ部のMOSFETのオンオフは、セレクター回路24-Bによって制御される。セレクター回路24-Bは、電力変換回路部2から出力される電流の値iまたは電力変換制御部3が電力変換回路部2の電力変換動作を制御するために生成する電流指令の値i*に応じて、複数のMOSFETのうちの1つをオンすることで、正側電位VPBと中間端子22-Bの電位VRBとの電位差「VPB-VRB」、及び中間端子22-Bの電位VRBと負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」を変化させる。
図11は、電力用半導体素子の特性にばらつきがある場合において、本開示の一実施形態の第1の変形例における不均衡度についてのシミュレーション結果を例示する図である。
特性が異なる3.3kV耐圧のSiC-MOSFET電力用半導体素子QA及びQB(VthA<VthB)を直列に接続した場合に3.6kVの電圧を印加したときにおいて、ドレイン-ソース間を流れる電流を、750A、500A、50Aに設定してシミュレーションを行った。また、このシミュレーションでは、各ゲート信号の遅延は無いものとし、ゲート駆動電圧可変部11-Aから出力される正側電位VPAと負側電位VNAとの差「VPA-VNA」を28V一定とし、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力される正側電位VPBと負側電位VNBとの差「VPB-VNB」を28V一定とし、ゲート駆動電圧可変部11-Bから出力される正側電位VPBを17V一定とし、負側電位VNBを-11V一定としている。このような条件の下で、ドレイン-ソース間を流れる電流750A、500A、50Aのそれぞれについて、ゲート駆動電圧可変部11-Aから出力される正側電位VPA/負側電位VNAを「17V/-11V」、「16.75V/-11.25V」、「16.5V/-11.5V」、「16.25V/-11.75V」といったように変化させるシミュレーションを行うと、図11に示すようなオン時及びオフ時の不均衡度が得られた。図11より、ドレイン-ソース間を流れる電流が750Aの場合は正側電位VPA/負側電位VNAが「16.5V/-11.5Vと16.25V/-11.25Vとの間」のとき、ドレイン-ソース間を流れる電流が300Aの場合は正側電位VPA/負側電位VNAが「16.5V/-11.5V」のとき、ドレイン-ソース間を流れる電流が50Aの場合は正側電位VPA/負側電位VNAが「17V/-11V」のとき、それぞれオフ時の不均衡度ΔVdsoffを小さくできることがわかる。
続いて、本開示の一実施形態の第2の変形例について説明する。
図12は、電力用半導体素子の温度とゲート-ソース間電圧とドレイン電流との関係を例示する図である。
電力用半導体素子は、オンオフ動作時における自己発熱により温度が上昇する。よって、例えば設計上の制約や電力用半導体素子の配置位置によって、電力変換装置において電力用半導体素子ごとに温度差が生じる場合がある。図12では、一例として、SiC-MOSFETからなる電力用半導体素子の温度が25℃と175℃の場合のゲート-ソース間電圧Vgs[V]とドレイン電流Id[A]との関係を示している。図12から、電力用半導体素子の温度が上昇するとゲート閾値電圧が低下することが分かる。このように、電力用半導体素子の温度差によってゲート閾値電圧にバラツキが生じることから、オン動作時及びオフ動作時における印加電圧の不均衡度が大きくなる。そこで、本開示の一実施形態の第2の実施例では、電力用半導体素子の温度に応じてゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位を変化させ、電力用半導体素子の各々の発熱により特性に変化が生じても、電力用半導体素子の各々のオン動作及びオフ動作についてのスイッチングタイミングを揃え、電力用半導体素子に印加される電圧の不均衡を抑制する。
図13は、本開示の一実施形態の第2の変形例によるゲート駆動装置を示す回路図である。一例として、2個直列に接続された電力用半導体素子QA及びQBをオンオフ駆動する例について説明するが、3個以上直列に接続された電力用半導体素子をオンオフ駆動する場合であっても第2の変形例は適用可能である。また、一例として、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bが図2に示した構成を有する場合について説明するが、ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bが図1に示した構成を有する場合であっても第2の変形例は適用可能である。
ゲート駆動装置1は、電力用半導体素子QA及びQBの各々に対応して設けられる温度センサ25-A及び25-Bをさらに備える。温度センサ25-A及び25-Bの各々は、電力用半導体素子QA及びQBの各々について最も発熱する部位に設置されるのが好ましい。ゲート駆動電圧可変部11-A及び11-Bの各々は、対応する温度センサ25-A及び25-Bにより検出された電力用半導体素子の温度に応じて、ゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位を変化させる。このため、図13に示すように、ゲート駆動電圧可変部11-Aはセレクター回路24-Aをさらに有し、ゲート駆動電圧可変部11-Bはセレクター回路24-Bをさらに有する。
複数個直列に接続された直流電源21-Aの各々の間には中間タップが設けられ、各中間タップは、MOSFETが設けられた導線を介して中間端子22-Aに接続されている。各導線上のMOSFETのオンオフは、セレクター回路24-Aによって制御される。セレクター回路24-Aは、温度センサ25-Aにより検出された電力用半導体素子QAの温度に応じて、複数のMOSFETのうちの1つをオンすることで、正側電位VPAと中間端子22-Aの電位VRAとの電位差「VPA-VRA」、及び中間端子22-Aの電位VRAと負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」を変化させる。
同様に、複数個直列に接続された直流電源21-Bの各々の間には中間タップが設けられ、各中間タップは、MOSFETが設けられた導線を介して中間端子22-Bに接続されている。各導線上のMOSFETのオンオフは、セレクター回路24-Bによって制御される。セレクター回路24-Bは、温度センサ25-Bにより検出された電力用半導体素子QBの温度に応じて、複数のMOSFETのうちの1つをオンすることで、正側電位VPBと中間端子22-Bの電位VRBとの電位差「VPB-VRB」、及び中間端子22-Bの電位VRBと負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」を変化させる。
例えば、温度センサ25-Aが検出した電力用半導体素子QAが第1の温度TempAであり、温度センサ25-Bが検出した電力用半導体素子QBが第1の温度TempAより低い第2の温度TempBである場合(すなわちTempA>TempBである場合)は、第1の温度TempAを検出した温度センサ25-Aに対応する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNBの各々は、第2の温度TempBを検出した温度センサ25-Bに対応する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも低くなるようにする。
より詳しくは、TempA>TempBである場合、例えば、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも低いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも、低いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位との電位差「VPA-VRA」よりも大きくなるようにする。さらに/あるいは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも小さくなるようにする。
また、例えば、温度センサ25-Aが検出した電力用半導体素子QAが第1の温度TempAであり、温度センサ25-Bが検出した電力用半導体素子QBが第1の温度TempAより高い第3の温度TempBである場合(すなわちTempA<TempBである場合)は、第1の温度TempAを検出した温度センサ25-Aに対応する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPA及び負側電位VNAの各々は、第3の温度TempBを検出した温度センサ25-Bに対応する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bから出力されるゲート駆動電圧の正側電位VPB及び負側電位VNBの各々よりも高くなるようにする。
より詳しくは、TempA<TempBである場合、例えば、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力するゲート駆動電圧の正側電位VPBよりも高いゲート駆動電圧の正側電位VPAを出力し、かつ、ゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力するゲート駆動電圧の負側電位VNBよりも、高いゲート駆動電圧の負側電位VNAを出力する。ここで、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの正側電位出力部21P-Bが出力する正側電位VPBと中間端子22-Bにおける電位VRBとの電位差「VPB-VRB」は、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの正側電位出力部21P-Aが出力する正側電位VPAと中間端子22-Aにおける電位との電位差「VPA-VRA」よりも小さくなるようにする。さらに/あるいは、温度TempBを有する電力用半導体素子QBに対応するゲート駆動電圧可変部11-Bの中間端子22-Bにおける電位VRBとゲート駆動電圧可変部11-Bの負側電位出力部21N-Bが出力する負側電位VNBとの電位差「VRB-VNB」は、温度TempAを有する電力用半導体素子QAに対応するゲート駆動電圧可変部11-Aの中間端子22-Aにおける電位VRAとゲート駆動電圧可変部11-Aの負側電位出力部21N-Aが出力する負側電位VNAとの電位差「VRA-VNA」よりも大きくなるようにする。
なお、上述した第1の変形例及び第2の変形例は組み合わせて実施してもよく、この場合は、電力変換回路部2から出力される電流の値もしくは電力変換制御部3が電力変換回路部2の電力変換動作を制御するために生成する電流指令の値と、温度センサにより検出された電力用半導体素子の温度と、に応じて、ゲート駆動電圧の正側電位及び負側電位を変化させる。
以上説明したように、本開示の一実施形態及び各変形例によれば、ゲート線におけるゲート信号の伝達時間や電力用半導体素子の特性にバラツキがあったとしても、電力用半導体素子の各々のオン動作及びオフ動作についてのスイッチングタイミングを揃えることができ、電力用半導体素子に印加される電圧の不均衡を抑制することができる。