当然のことではあるが、本技術の実質的な理解を提供するために、本技術の特定の態様、様式、実施形態、変法および特徴がさまざまな詳細レベルで以下に説明される。
本方法の実施では、分子生物学、タンパク質生化学、細胞生物学、免疫学、微生物学および組換えDNAにおける多数の従来技術が使用される。例えば、Sambrook and Russell eds. (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition; the series Ausubel et al. eds. (2007) Current Protocols in Molecular Biology; the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.); MacPherson et al. (1991) PCR 1: A Practical Approach (IRL Press at Oxford University Press); MacPherson et al. (1995) PCR 2: A Practical Approach; Harlow and Lane eds. (1999) Antibodies, A Laboratory Manual; Freshney (2005) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 5th edition; Gait ed. (1984) Oligonucleotide Synthesis; U.S. Patent No. 4,683,195; Hames and Higgins eds. (1984) Nucleic Acid Hybridization; Anderson (1999) Nucleic Acid Hybridization; Hames and Higgins eds. (1984) Transcription and Translation; Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press (1986)); Perbal (1984) A Practical Guide to Molecular Cloning; Miller and Calos eds. (1987) Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Cold Spring Harbor Laboratory); Makrides ed. (2003) Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells; Mayer and Walker eds. (1987) Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Academic Press, London); and Herzenberg et al. eds (1996) Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照のこと。ポリペプチド遺伝子発現産物(すなわち、遺伝子翻訳レベル)のレベルを検出および測定する方法は、本技術分野において周知であり、抗体検出および定量化技術などのポリペプチド検出法の使用を含む。(Strachan & Read, Human Molecular Genetics, Second Edition. (John Wiley and Sons, Inc., NY, 1999)も参照のこと)
DLL3は、SCLCやLCNECを含む高悪性度肺神経内分泌腫瘍に選択的に発現している。DLL3の発現増加は、SCLCおよびLCNECの患者由来の異種移植腫瘍で観察され、原発性腫瘍でも確認された。Saunders et al., Sci Translational Medicine 7(302): 302ra136 (2015)を参照のこと。また、前立腺神経内分泌癌を含む肺外神経内分泌細胞癌においても、DLL3の発現増加が観察されている(Puca et al.,Sci Transl Med 11(484): pii: eaav0891 (2019))。DLL3は、そのような腫瘍細胞の表面に発現しているが、正常組織では発現していない。本開示は、腫瘍細胞上のDLL3への結合時に内部移行し、したがって、これらの腫瘍細胞に毒性ペイロードを送達するのに有用である免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗体またはその抗原結合断片)を提供する。本技術の免疫グロブリン関連組成物は、それを必要とする対象においてDLL3関連癌を検出または処置する方法において有用である。したがって、本方法の種々の態様は、抗DLL3抗体の調製、特性決定および操作に関する。本技術の免疫グロブリン関連組成物は、単独で、または癌を処置するためのさらなる治療薬と組み合わせて有用である。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、ヒト化抗体、キメラ抗体または二重特異性抗体である。
定義
本明細書中で使用される特定の用語の定義を以下に示す。別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般に、本技術が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明らかに別のものを指示しない限り、複数の言及を含む。例えば、「細胞」への言及は、2つ以上の細胞の組合せなどを含む。一般に、本明細書において使用される命名法、ならびに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、分析化学、および核酸化学における実験手順および以下に記載されるハイブリダイゼーションは、周知であり、当技術分野で一般に使用されている。
本明細書において、数に関連して用語「約」は、一般に、別に記載されない限りまたは文脈から明らかでない限り、数のいずれかの方向(より多いまたはより少ない)で1%、5%または10%の範囲内に入る数を含むように解釈される(このような数が、あり得る値の0%より少ないまたは100%を超える場合を除く)。
本明細書において、対象への薬剤または薬物の「投与」は、その意図される機能を発揮するために対象へ化合物を導入または送達する任意の経路を含む。投与は、経口で、鼻腔内に、非経口的に(静脈内に、筋肉内に、腹膜内にまたは皮下に)、直腸性に、くも膜下腔内に、腫瘍内に、または局所的に含む任意の適した経路によって実施され得る。投与は、自己投与および別のものによる投与を含む。
「アジュバント」とは、免疫系の刺激を引き起こす1つまたは複数の物質を指す。これに関連して、アジュバントは、1つまたは複数のワクチン抗原または抗体に対する免疫応答を増強するために使用される。アジュバントは、対象に、ワクチンの投与の前、それと組み合わせて、またはその後に投与され得る。アジュバントとして使用される化学化合物の例として、アルミニウム化合物、オイル、ブロックポリマー、免疫刺激複合体、ビタミンおよびミネラル(例えば、ビタミンE、ビタミンA、セレンおよびビタミンB12)、Quil A(サポニン)、細菌および真菌細胞壁構成成分(例えば、リポ多糖、リポタンパク質および糖タンパク質)、ホルモン、サイトカインおよび同時刺激因子が挙げられる。
本明細書において、用語「アミノ酸」とは、少なくとも1つのアミノ基と少なくとも1つのカルボキシル基を含有する任意の有機分子を指すために使用される。通常、少なくとも1つのアミノ基は、カルボキシル基に対してα位にある。用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸や合成アミノ酸のほか、天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能するアミノ酸類似体やアミノ酸模倣物も含まれる。天然に存在するアミノ酸とは、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸と、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、O-ホスホセリンなどの後に修飾されるアミノ酸である。アミノ酸類似体とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造、すなわち水素と結合したα炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基を有する化合物を指し、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムなどが挙げられる。このような類似体は、R基が修飾されていたり(例えばノルロイシン)、ペプチド骨格が修飾されていたりするが、基本的な化学構造は天然に存在するアミノ酸と同じである。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能する化学的化合物を指す。アミノ酸は、一般的に公知の3文字の記号、またはIUPAC-IUB生化学命名委員会が推奨する1文字の記号のいずれかによって、本明細書で言及することができる。
本明細書において、用語「抗体」とは、例として、制限するものではないが、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、それらの組合せおよび任意の脊椎動物、例えば、ヒト、ヤギ、ウサギおよびマウスなどの哺乳動物において、ならびにサメ免疫グロブリンなどの非哺乳動物種において免疫応答の際に産生される同様の分子を含む免疫グロブリンまたは免疫グロブリン様分子をまとめて指す。本明細書において、「抗体」(無傷の免疫グロブリンを含む)および「抗原結合断片」は、その他の分子との結合を実質的に排除するほど、対象の分子(または対象の高度に同様の分子の群)と特異的に結合する(例えば、生物学的サンプル中のその他の分子に対する結合定数よりも、少なくとも103M-1より大きい、少なくとも104M-1より大きいまたは少なくとも105M-1より大きい、対象の分子に対する結合定数を有する抗体および抗体断片)。用語「抗体」とはまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異性抗体)などの遺伝子操作された形態も含む。Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford, Ill.); Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997Pierce Catalog and Handbook、1994-1995 (Pierce Chemical Co.、Rockford、Ill.);Kuby, J., Immunology,3rd Ed.、W.H. Freeman & Co.、New York、1997.も参照のこと。
より詳しくは、抗体は、少なくとも軽鎖免疫グロブリン可変領域または重鎖免疫グロブリン可変領域を含み、抗原のエピトープを特異的に認識し、結合するポリペプチドリガンドを指す。抗体は重鎖および軽鎖から構成され、その各々が重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域と呼ばれる可変領域を有する。まとめて、VH領域およびVL領域は、抗体によって認識される抗原に結合することに関与している。通常、免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)の2つの種類がある。抗体分子の機能活性を決定する5種の主な重鎖クラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEがある。各重鎖および軽鎖は、定常領域および可変領域を含有する(領域はまた、「ドメイン」としても知られる)。組合せでは、重鎖および軽鎖可変領域は、抗原と特異的に結合する。軽鎖および重鎖可変領域は、3つの超可変領域によって中断された「フレームワーク」領域を含有し、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる。フレームワーク領域およびCDRの程度は、定義されている(参照により本明細書に組み込まれるKabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Health and Human Services, 1991を参照のこと)。Kabatデータベースは、現在オンラインで維持されている。種々の軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。成分軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である抗体のフレームワーク領域は、主にβシートコンホメーションを採用し、CDRは、βシート構造と接続する、いくつかの場合には、βシート構造の一部を形成するループを形成する。したがって、フレームワーク領域は、鎖間、非共有結合相互作用によって正しい配向にCDRを位置させるようにするスキャフォールドを形成するよう働く。
CDRは、主に、抗原のエピトープとの結合に関与する。各鎖のCDRは、通常、N末端から出発して逐次番号づけられたCDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれ、また通常、個々のCDRが位置している鎖によって同定される。したがって、VH CDR3は、それが見られる抗体の重鎖の可変ドメインに位置し、VL CDR1は、それが見られる抗体の軽鎖の可変ドメインに由来するCDR1である。DLL3タンパク質と結合する抗体は、特定のVH領域およびVL領域配列、したがって、特定のCDR配列を有する。異なる特異性(すなわち、異なる抗原のための異なる組合せ部位)を有する抗体は、異なるCDRを有する。抗体毎に異なるCDRであるが、CDR内の制限された数のアミノ酸位置のみが抗原結合に直接関与する。CDR内のこれらの位置は、特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。「免疫グロブリン関連組成物」とは、本明細書において、抗体(モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、組換え抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体などを含む)ならびに抗体断片を指す。抗体またはその抗原結合断片は、抗原と特異的に結合する。
本明細書において、用語「抗体関連ポリペプチド」とは、可変領域を単独で、または以下のポリペプチド要素:抗体分子のヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインのすべてもしくは一部と組み合わせて含み得る一本鎖抗体を含む、抗原結合性抗体断片を意味する。また、可変領域ならびにヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインの任意の組合せも本技術に含まれる。本方法において有用な抗体関連分子として、例えば、それだけには限らないが、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合されたFv(sdFv)およびVLまたはVHドメインのいずれかを含む断片。例として、(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片、(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al., Nature 341: 544-546, 1989)および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。そのようなものとして、「抗体断片」または「抗原結合断片」は、全長抗体の一部、一般に、その抗原結合性または可変領域を含み得る。抗体断片または抗原結合断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片、ダイアボディー、線形抗体、一本鎖抗体分子および抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
「二重特異性抗体」または「BsAb」は、本明細書において、別個の構造を有する2種の標的、例えば、2種の異なる標的抗原、同一標的抗原上の2種の異なるエピトープと同時に結合し得る抗体を指す。さまざまな異なる二重特異性抗体構造が、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体中の各抗原結合部分は、VHおよび/またはVL領域を含み、いくつかのこのような実施形態では、VHおよび/またはVL領域は、特定のモノクローナル抗体において見られるものである。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの抗原結合部分を含有し、各々、異なるモノクローナル抗体に由来するVHおよび/またはVL領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの抗原結合部分を含有し、2つの抗原結合部分のうち一方は、第1のモノクローナル抗体に由来するCDRを含有するVHおよび/またはVL領域を有する免疫グロブリン分子を含み、もう一方の抗原結合部分は、第2のモノクローナル抗体に由来するCDRを含有するVHおよび/またはVL領域を有する抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)、F(ab’)2、Fd、Fv、dAB、scFvなど)を含む。
本明細書において、用語「コンジュゲートされた」は、当業者に公知の任意の方法による2つの分子の関連を指す。関連の適した種類として、化学的結合および物理的結合が挙げられる。化学的結合として、例えば、共有結合および配位結合が挙げられる。物理的結合として、例えば、水素結合、双極性相互作用、ファンデルワールス力、静電相互作用、疎水性相互作用および芳香族スタッキングが挙げられる。
本明細書において、用語「ダイアボディー」とは、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指し、断片は、同一ポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)含む(VHVL)。同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインは、別の鎖の相補性ドメインと対形成させられ、2つの抗原結合部位が生成する。ダイアボディーは、例えば、EP404,097、WO93/11161およびHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
本明細書において、用語「一本鎖抗体」または「一本鎖Fv(scFv)」とは、Fv断片、VLおよびVHの2つのドメインの抗体融合分子を指す。一本鎖抗体分子は、いくつかの個々の分子を有するポリマー、例えば、二量体、三量体またはその他のポリマーを含み得る。さらに、Fv断片、VLおよびVHの2つのドメインは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらは、VLおよびVH領域が対形成して一価分子(一本鎖Fv(scFv)として知られる)を形成する単一タンパク質鎖として作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え方法を使用してつなげられ得る。Bird et al. (1988) Science 242:423-426およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad Sci. USA 85:5879-5883。このような一本鎖抗体は、組換え技術または無傷の抗体の酵素的もしくは化学的切断によって調製され得る。
上記の抗体断片のいずれも、当業者に公知の従来技術を使用して得られ、断片は、無傷の抗体と同一方法で結合特異性および中和活性についてスクリーニングされる。
本明細書において、「抗原」とは、抗体(またはその抗原結合断片)が選択的に結合し得る分子を指す。標的抗原は、タンパク質、炭水化物、核酸、脂質、ハプテンまたはその他の天然に存在するもしくは合成化合物であり得る。いくつかの実施形態では、標的抗原は、ポリペプチド(例えば、DLL3細胞外ドメインを含むDLL3ポリペプチド)であり得る。抗原は、動物において免疫応答を生成するために動物に投与され得る。
用語「抗原結合断片」とは、抗原との結合に関与しているポリペプチドの一部を有する全免疫グロブリン構造の断片を指す。本技術において有用な抗原結合断片の例として、scFv、(scFv)2、scFv-Fc、Fab、Fab’およびF(ab’)2が挙げられるが、それらに限定されない。
「結合親和性」は、分子(例えば、抗体)およびその結合パートナー(例えば、抗原または抗原性ペプチド)の単一結合部位間の総合非共有結合相互作用の強度を意味する。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(KD)によって表され得る。親和性は、本明細書において記載されるものを含む当技術分野で公知の標準方法によって測定され得る。低親和性複合体は、一般に抗原から容易に解離する傾向がある抗体を含有するのに対し、高親和性複合体は、一般に抗原と長期間結合したままである傾向がある抗体を含有する。
本明細書において、用語「生物学的サンプル」とは、生存細胞に由来するサンプル材料を意味する。生物学的サンプルは、対象から単離された、組織、細胞、細胞のタンパク質または膜抽出物および生物学的流体(例えば、腹水または脳脊髄液(CSF))ならびに対象内に存在する組織、細胞および流体を含み得る。本技術の生物学的サンプルとして、それだけには限らないが、乳房組織、腎組織、子宮頸部、子宮内膜、頭部または頸部、胆嚢、耳下腺組織、前立腺、脳、下垂体腺、腎臓組織、筋肉、食道、胃、小腸、結腸、肝臓、脾臓、膵臓、甲状腺組織、心組織、肺組織、膀胱、脂肪組織、リンパ節組織、子宮、卵巣組織、副腎組織、精巣組織、扁桃腺、胸腺、血液、毛髪、頬側、皮膚、血清、血漿、CSF、精液、前立腺液、精液、尿、糞便、汗、唾液、痰、粘液、骨髄、リンパおよび涙から採取されたサンプルが挙げられる。生物学的サンプルはまた、内臓の、または癌からの生検から得ることができる。生物学的サンプルは、診断もしくは研究のために対象から得ることができ、または対照として、もしくは基礎研究のために非罹患個体から得ることができる。サンプルは、例えば、静脈穿刺および外科的生検を含む標準方法によって得ることができる。特定の実施形態では、生物学的サンプルは、痰サンプル、またはニードル生検もしくは外科的生検によって得られた組織サンプルである。
本明細書において、用語「CDRグラフト抗体」とは、「アクセプター」抗体の少なくとも1つのCDRが、望ましい抗原特異性を有する「ドナー」抗体に由来するCDR「グラフト」によって置き換えられている抗体を意味する。
本明細書において、用語「キメラ抗体」とは、ある種に由来するモノクローナル抗体のFc定常領域(例えば、マウスFc定常領域)が、組換えDNA技術を使用して、別の種の抗体に由来する Fc定常領域(例えば、ヒトFc定常領域)と置き換えられている抗体を意味する。全般的に、Robinson et al.、PCT/US86/02269; Akira et al.、欧州特許出願第184,187号; Taniguchi、欧州特許出願第171,496号; Morrison et al.、欧州特許出願第173,494号; Neuberger et al.、WO86/01533; Cabilly et al.米国特許第4,816,567号;Cabilly et al.、欧州特許出願第0125,023号; Better et al., Science 240: 1041-1043, 1988; Liu et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 3439-3443, 1987; Liu et al., J. Immunol 139: 3521-3526, 1987; Sun et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 214-218, 1987; Nishimura et al., Cancer Res 47: 999-1005, 1987; Wood et al.、Nature 314: 446-449, 1885;およびShaw et al., J. Natl. Cancer Inst. 80: 1553-1559, 1988を参照のこと。
本明細書において、用語「コンセンサスFR」とは、コンセンサス免疫グロブリン配列中のフレームワーク(FR)抗体領域を意味する。抗体のFR領域は、抗原と接触しない。
本明細書において、「対照」は、比較目的で実験において使用される代替サンプルである。対照は、「陽性」または「陰性」であり得る。例えば、実験の目的が、特定の種類の疾患の処置のための治療薬の有効性の相関を判定することである場合には、陽性対照(所望の治療効果を示すとわかっている化合物または組成物)および陰性対照(療法を受け取らない、またはプラセボを受け取る対象またはサンプル)が通常使用される。
本明細書において、用語「有効量」とは、所望の治療効果および/または予防効果を達成するのに十分な量、例えば、本明細書に記載される疾患もしくは状態または本明細書に記載される疾患もしくは状態と関連する1つもしくは複数の兆候もしくは症状の防止または減少をもたらす量を指す。治療または予防適用に関連して、対象に投与される組成物の量は、組成物、疾患の程度、種類および重症度ならびに個体の特徴、例えば、全身の健康状態、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性に応じて変わる。当業者ならば、これらおよびその他の因子に応じて適当な投与量を決定できる。組成物はまた、1つまたは複数のさらなる治療用化合物と組み合わせて投与され得る。本明細書に記載される方法では、治療用組成物は、本明細書に記載される疾患または状態の1つまたは複数の兆候または症状を有する対象に投与され得る。本明細書において、組成物の「治療上有効な量」とは、疾患または状態の生理学的効果が寛解または排除される組成物レベルを指す。治療上有効な量は、1回または複数回の投与で与えられ得る。
「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはペプチドは、薬剤が由来する細胞もしくは組織源からの細胞物質もしくは他の汚染ポリペプチドを実質的に含まず、または化学的に合成された場合には化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。例えば、本技術の単離された抗DLL3抗体または抗原結合断片は、薬剤の診断または治療的使用を妨害する物質を含まないであろう。そのような妨害物質には、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性および非タンパク質性の溶質が含まれる場合がある。
本明細書において、用語「エピトープ」とは、抗体と特異的結合可能なタンパク質決定基を意味する。エピトープは、普通、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、普通、特異的三次元構造特徴ならびに特異的電荷特徴を有する。コンホメーションおよび非コンホメーションエピトープは、変性溶媒の存在下で前者との結合は失われるが、後者との結合は失われない点で区別される。いくつかの実施形態では、DLL3タンパク質の「エピトープ」とは、本技術の抗DLL3抗体が特異的に結合するタンパク質の領域である。いくつかの実施形態では、エピトープは、コンホメーションエピトープまたは非コンホメーションエピトープである。エピトープと結合する抗DLL3抗体をスクリーニングするために、Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow and David Lane (1988)に記載されるものなどの通常のクロスブロッキングアッセイを実施してもよい。このアッセイを使用して、抗DLL3抗体が本技術の抗DLL3抗体と同一の部位またはエピトープと結合するか否かを決定できる。あるいは、またはさらに、当技術分野で公知の方法によってエピトープマッピングを実施してもよい。例えば、接触残基を同定するために、抗体配列をアラニンスキャニングなどによって突然変異させてもよい。異なる方法では、試験抗体を用いる、または試験抗体および特性決定されたまたは公知のエピトープを有する抗体を用いる競合アッセイにおいて、DLL3タンパク質の異なる領域に対応するペプチドを使用してもよい。
本明細書において、「発現」は、適切な発現および機能のために必要な場合には以下のうち1つまたは複数を含む:遺伝子の前駆体mRNAへの転写、成熟mRNAを生成するための前駆体mRNAのスプライシングおよびその他のプロセシング、mRNA安定性;成熟mRNAのタンパク質への翻訳(コドン使用およびtRNA利用能を含む)ならびに翻訳産物のグリコシル化および/またはその他の修飾。
本明細書において、用語「遺伝子」とは、プロモーター、エキソン、イントロンおよび発現を制御するその他の非翻訳領域を含む、RNA産物の調節された生合成についてのすべての情報を含有するDNAのセグメントを意味する。
本明細書において、用語「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較目的でアラインされ得る各配列中の位置を比較することによって決定され得る。比較された配列中の位置が、同一塩基またはアミノ酸によって占められる場合には、その位置で分子は相同である。配列間の相同性の程度は、配列によって共有されるマッチするまたは相同な位置の数の関数である。ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドまたはポリペプチド領域)は、2つの配列の比較においてアラインされた場合に、塩基(またはアミノ酸)のそのパーセンテージが同一であることを意味する、別の配列に対する「配列同一性」の特定のパーセンテージ(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)を有する。このアラインメントおよびパーセント相同性または配列同一性は、当技術分野で公知のソフトウェアプログラムを使用して決定できる。いくつかの実施形態では、アラインメントのためにデフォルトパラメータを使用する。1つのアラインメントプログラムとして、デフォルトパラメータを使用するBLASTがある。特に、プログラムとして、以下のデフォルトパラメータを使用するBLASTNおよびBLASTPがある:遺伝暗号=標準、フィルター=なし、鎖=両方、カットオフ=60、予測=10、Matrix=BLOSUM62、記載=50シーケンス、ソートされるもの=HIGH SCORE、データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、アメリカ国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)で見ることができる。生物学的に等価のポリヌクレオチドは、指定の相同性パーセントを有し、同一または類似の生物活性を有するポリペプチドをコードするものである。2つの配列は、互いに40%未満の同一性または25%未満の同一性しか共有しない場合に「無関係」または「非相同」と思われる。
本明細書において、非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)由来の超可変領域残基によって置き換えられているヒト免疫グロブリンである。いくつかの実施形態では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられている。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体では、またはドナー抗体では見られない残基を含み得る。これらの修飾は、結合親和性などの抗体性能をさらに改善するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、通常、2つの可変ドメイン(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2またはFv)の実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサスFR配列のものであるが、FR領域は、結合親和性を改善する1つまたは複数のアミノ酸置換を含み得る。FR中のこれらのアミノ酸置換の数は、通常、H鎖において6以下であり、L鎖において3以下である。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常、ヒト免疫グロブリンのものを含んでもよい。さらなる詳細については、Jones et al., Nature 321:522-525 (1986); Riechmann et al., Nature 332: 323-327 (1988);およびPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。例えば、Ahmed & Cheung, FEBS Letters 588(2):288-297(2014); Saxena & Wu, Frontiers in immunology 7:580 (2016)を参照のこと。
本明細書において、用語「超可変領域」とは、抗原結合に関与している抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸残基(例えば、VL中のおよそ残基24~34(L1)、50~56(L2)および89~97(L3)ならびにVH中のおよそ31~35B(H1)、50~65(H2)および95~102(H3)(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))ならびに/または「超可変ループ」由来のそれらの残基(例えば、VL中の残基26~32(L1)、50~52(L2)および91~96(L3)ならびにVH中の26~32(H1)、52A~55(H2)および96~101(H3)(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))を含む。
本明細書において、用語「同一」または「同一性」パーセントは、2個以上の核酸またはポリペプチド配列に関連して使用される場合、以下に記載されるデフォルトパラメータを用いてBLASTもしくはBLAST2.0配列比較アルゴリズムを使用して、または手作業によるアラインメントおよび目視検査(例えば、NCBIウェブサイト)によって測定されるような比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって最大対応を求めて比較され、アラインされた場合に、同一であるか、または同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの指定のパーセンテージ(指定の領域(例えば、本明細書において記載される抗体をコードするヌクレオチド配列または本明細書において記載される抗体のアミノ酸配列)にわたって、すなわち、約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはより高い同一性)を有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。このような配列は、次いで、「実質的に同一」であるといわれる。この用語はまた、試験配列の相補体を指す、またはそれに当てはまり得る。用語はまた、欠失および/または付加を有する配列ならびに置換を有するものを含む。いくつかの実施形態では、同一性は、少なくとも約25個のアミノ酸もしくはヌクレオチド長または50~100個のアミノ酸もしくはヌクレオチド長を有する領域にわたって存在する。
本明細書において、用語「無傷の抗体」または「無傷の免疫グロブリン」とは、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖ポリペプチドおよび2つの軽(L)鎖ポリペプチドを有する抗体を意味する。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてHCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLから構成される。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれ、より保存されたフレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域が散剤する超可変性の領域にさらに細分できる。各VHおよびVLは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシル末端に配列された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な相補系の第1の構成成分(Clq)を含む、免疫グロブリンの宿主組織または因子との結合を媒介し得る。
本明細書において、用語「個体」、「患者」または「対象」は、個体生物、脊椎動物、哺乳動物またはヒトであり得る。いくつかの実施形態では、個体、患者または対象は、ヒトである。
本明細書において用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得るあり得る天然に存在する突然変異を除いて同一である。例えば、モノクローナル抗体は、任意の真核細胞の、原核生物の、またはファージクローンを含む単一クローンに由来する抗体であり得るのであって、それが製造される方法に由来しない。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性部位に対するものである。さらに、通常、種々の決定基(エピトープ)に対する種々の抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。修飾語句「モノクローナル」は、実質的に均一な集団から得られているような抗体の特徴を示し、任意の特定の方法に織る抗体の製造を必要とすると解釈されてはならない。モノクローナル抗体は、例えば、それだけには限らないが、ハイブリドーマ、組換えおよびファージディスプレイ技術を含む当技術分野で公知のさまざまな技術を使用して調製され得る。例えば、本方法に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohler et al., Nature 256:495 (1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製され得る、または組換えDNA方法によって作製され得る(例えば、米国特許第4,816,567号)を参照のこと。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clackson et al., Nature 352:624-628 (1991)およびMarks et al., J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991)に記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離されてもよい。
本明細書において、用語「医薬上許容される担体」は、医薬的投与と適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬化合物、等張性および吸収遅延化合物などを含むように意図される。医薬上許容される担体およびその製剤化は、当業者に公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (20th edition, ed. A. Gennaro, 2000, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA.)に記載されている。
本明細書において、用語「ポリクローナル抗体」は、少なくとも2種(2)の異なる抗体産生細胞株に由来する抗体の調製物を意味する。この用語の使用は、抗原の異なるエピトープまたは領域と特異的に結合する抗体を含有する少なくとも2種(2)の抗体の調製物を含む。
本明細書において、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意のRNAまたはDNAを意味し、非修飾または修飾RNAまたはDNAであり得る。ポリヌクレオチドとして、制限するものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNAならびに一本鎖またはより通常は、二本鎖または一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられる。さらに、ポリヌクレオチドとは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。用語ポリヌクレオチドはまた、1つまたは複数の修飾された塩基を含有するDNAまたはRNAおよび安定性のためにまたはその他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも含む。
本明細書において、用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書において同義的に使用されて、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合、すなわち、ペプチドアイソスターによって互いにつながれた2個以上のアミノ酸を含むポリマーを意味する。ポリペプチドとは、一般に、ペプチド、グリコペプチドまたはオリゴマーと呼ばれる短い鎖および一般に、タンパク質と呼ばれる長い鎖の両方を指す。ポリペプチドは、20種の遺伝子によってコードされるアミノ酸以外のアミノ酸を含有し得る。ポリペプチドは、翻訳後プロセシングなどの天然プロセスによって、または当技術分野で周知である化学的修飾技術によって修飾されたアミノ酸配列を含む。
本明細書において、障害または状態の「防止」または「防止すること」は、統計的サンプルにおいて、未処置の対照サンプルに比べて、処置したサンプルにおける障害もしくは状態の発生を低減する、または未処置の対照サンプルに比べて、障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅らせるもしくは重症度を軽減させる化合物を指す。
本明細書において、用語「組換え体」は、例えば、細胞または核酸、タンパク質またはベクターに関連して使用される場合、細胞、核酸、タンパク質またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入または天然核酸もしくはタンパク質の変更によって修飾されていること、または材料がそのように修飾された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)形態内で見られない遺伝子を発現する、またはそうでなければ異常に発現される、発現不足である、または全く発現されない天然遺伝子を発現する。
本明細書において、治療的使用を用語「分離する」とは、異なる経路による同時のまたは実質的に同時の少なくとも2種の有効成分の投与を指す。
本明細書において、用語「逐次」治療的使用とは、異なる時間での少なくとも2種の有効成分の投与を指し、投与経路は、同一であるか、または異なっている。より詳しくは、逐次使用とは、有効成分のうち1種の、別のもの(単数または複数)の投与開始の前の全投与を指す。したがって、有効成分のうち1種を数分、数時間または数日かけて投与し、その後、その他の有効成分(単数または複数)を投与することすることが可能である。この場合には、同時処置はない。
本明細書において、用語「同時の」治療的使用とは、同時のまたは実質的に同時の同一経路による少なくとも2種の有効成分の投与を指す。
本明細書において、「特異的に結合する」とは、別の分子(例えば、抗原)を認識し、結合するが、その他の分子を実質的に認識および結合しない分子(例えば、抗体またはその抗原結合断片)を指す。本明細書において使用される、用語「特異的結合」、特定の分子(例えば、ポリペプチドまたはポリペプチド上のエピトープ)と「特異的に結合する」または「にとって特異的である」とは、例えば、約10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11Mまたは10-12Mの結合する分子に対するKDを有する分子によって示され得る。用語「特異的に結合する」はまた、任意のその他のポリペプチドまたはポリペプチド上のエピトープと実質的に結合せずに、分子(例えば、抗体またはその抗原結合断片)が特定のポリペプチド(例えば、DLL3ポリペプチド)または特定のポリペプチド上のエピトープと結合する結合を指す場合もある。
本明細書において、用語「治療薬」は、有効量で存在する場合に、それを必要とする対象に所望の治療効果をもたらす化合物を意味するように意図される。
「処置すること」または「処置」は、本明細書において、ヒトなどの対象における本明細書において記載される疾患または障害の処置を対象とし、(i)疾患もしくは障害を阻害すること、すなわち、その発生を停止すること、(ii)疾患もしくは障害を軽減すること、すなわち、障害の退縮を引き起こすこと、(iii)障害の進行を減速することおよび/または(iv)疾患もしくは障害の1つもしくは複数の症状の進行を阻害、軽減もしくは減速することを含む。いくつかの実施形態では、処置は、疾患と関連する症状が、例えば、緩和される、低減される、治癒されるまたは緩解の状態に置かれることを意味する。
本明細書において記載されるような障害の処置の種々の様式は、完全な処置だけでなく、完全未満の処置も含み、いくつかの生物学的にまたは医学的に関連する結果が達成される「実質的」なものを意味するように意図されることも理解されたい。処置は、慢性疾患のための連続する長期の処置または急性状態の処置のための単回のもしくは2、3回の投与であり得る。
本明細書に記載される抗DLL3抗体のアミノ酸配列修飾(複数可)が考慮される。例えば、抗体の結合親和性および/またはその他の生物学的特性を改善することが、望ましい場合がある。抗DLL3抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体核酸中に適当なヌクレオチド変化を導入することによって、またはペプチド合成によって調製される。このような修飾として、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失および/またはそれへの挿入および/またはその置換が挙げられる。得られた抗体が所望の特性を有する限り、対象の抗体を得るために欠失、挿入および置換の任意の組合せが行われる。修飾はまた、タンパク質のグリコシル化のパターンの変化も含む。置換的突然変異誘発のための最大の対象の部位として、超可変領域が挙げられるが、FR変更も考慮される。「保存的置換」は以下の表に示される。
置換的バリアントのうち1種類は、親抗体の1つまたは複数の超可変領域残基を置換することを含む。このような置換的バリアントを作製するための好都合な方法は、ファージディスプレイを使用する親和性成熟を含む。具体的には、各部位ですべての可能性あるアミノ酸置換を作製するためにいくつかの超可変領域部位(例えば、6~7部位)が突然変異される。このように作製された抗体バリアントは、各粒子内でパッケージングされたM13の遺伝子III産物への融合物として繊維状ファージ粒子から一価様式で提示される。ファージに提示されたバリアントは、次いで、本明細書において開示されるようなその生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾のための候補超可変領域部位を同定するために、アラニンスキャニング突然変異誘発を実施して抗原結合に大きく寄与する超可変領域残基を同定してもよい。あるいはまたはさらに、抗原-抗体複合体の結晶構造を解析して、抗体および抗原間の接触点を同定することが有益であり得る。このような接触残基および隣接残基は、本明細書において詳述される技術に従う置換の候補である。ひとたびこのようなバリアントを作製すれば、バリアントのパネルを本明細書において記載されるようなスクリーニングに付し、さらなる開発のために、1つまたは複数の関連アッセイにおいて同様のまたは優れた特性を有する抗体を選択してもよい。
デルタ様3(DLL3)
ショウジョウバエ(Drosophila)では、Notchシグナル伝達は主にNotch受容体によって媒介される。デルタは、隣接する細胞でシグナル伝達を活性化するショウジョウバエのNotchのリガンドの1つである。ヒトには、4つの既知のNotch受容体(NOTCH1~NOTCH4)と、デルタの3つの相同体(デルタ様リガンド、DLL1、DLL3、およびDLL4と呼ばれる)がある。DLL1とDLL4とは異なり、DLL3はNotchシグナル伝達を活性化するのではなく、阻害することが報告されている。
DLL3(デルタ様3またはSCDO1としても知られる)は、Notch DSLリガンドのデルタ様ファミリーのメンバーである。代表的なDLL3タンパク質のオルソログとしては、それだけには限らないが、ヒト(受入番号NP_058637(配列番号50)およびNP_982353(配列番号51))、チンパンジー(受入番号XP_003316395(配列番号52))、マウス(受入番号NP_031892(配列番号53))、およびラット(受入番号NP_446118(配列番号 54))が挙げられる。ヒトでは、DLL3遺伝子は19q13番染色体に位置する9.5kBpに及ぶ8つのエクソンからなる。最後のエクソンでの交互スプライシングにより、2389bpの転写物(受入番号NM_016941(配列番号55))と2052bpの転写物(受入番号NM_203486(配列番号56))が生じる。前者の転写物は618アミノ酸長であるタンパク質をコードし(受入番号NP_058637(配列番号50))、後者の転写物は587アミノ酸長であるタンパク質をコードする(受入番号NP_982353(配列番号51))。図8A~8Bを参照のこと。DLL3のこれらの2つのタンパク質アイソフォームは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間で全体的に100%の同一性を共有しており、長い方のアイソフォームがタンパク質のカルボキシ末端に追加の32残基を含有する延長された細胞質テールを含むという点でのみ異なる。
どちらのアイソフォームも腫瘍細胞で検出され得る。実際、異常なDLL3の発現(遺伝子型および/または表現型)は、癌幹細胞や腫瘍開始細胞などの種々の腫瘍性細胞の亜集団と関連している。したがって、本開示は、そのような細胞(例えば、癌幹細胞、腫瘍開始細胞、および癌、例えば、小細胞肺癌、大細胞神経内分泌癌、肺神経内分泌細胞癌、肺外神経内分泌細胞癌、および黒色腫)をターゲッティングするために特に有用であり得るDLL3抗体を提供し、それによって、新生物性障害の処置、管理、または防止を促進することができる。
本技術の免疫グロブリン関連組成物
本技術は、抗DLL3免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗DLL3抗体またはその抗原結合断片)を作製および使用するための方法および組成物を記載する。本開示の抗DLL3免疫グロブリン関連組成物は、DLL3関連癌(例えば、小細胞肺癌、大細胞神経内分泌癌、肺神経内分泌細胞癌、肺外神経内分泌細胞癌、および黒色腫)の診断、または処置に有用であり得る。本技術の範囲内の抗DLL3免疫グロブリン関連組成物として、例えば、それだけには限らないが、標的ポリペプチドと特異的に結合するモノクローナル、キメラ、ヒト化、二重特異性抗体およびダイアボディー、その相同体、誘導体または断片が挙げられる。本開示はまた、本明細書において開示される抗DLL3抗体のいずれかの抗原結合断片を提供し、抗原結合断片は、Fab、F(ab)’2、Fab’、scFvおよびFvからなる群から選択される。
本技術は、DLL3-抗体複合体の内部移行を促進することができる抗DLL3抗体が開示されており、したがって、腫瘍細胞に毒性ペイロードを送達するのに有用である。
図3~6は、V
HおよびV
Lのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列、ならびに本明細書で開示される抗体のCDR配列を提供する(配列番号1~40)。また、下の表は、V
HおよびV
Lのアミノ酸配列、ならびに本明細書で開示される抗体のCDR配列を提供する。
一態様では、本開示は、重鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VH)および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VL)を含む抗体またはその抗原結合断片であって、(a)VHは、(i)それぞれ、配列番号3、配列番号4、および配列番号5;(ii)それぞれ、配列番号13、配列番号14、および配列番号15;(iii)それぞれ、配列番号23、配列番号24、および配列番号25;および(iv)それぞれ、配列番号33、配列番号34、および配列番号35からなる群から選択されるVH-CDR1配列、VH-CDR2配列、およびVH-CDR3配列を含み、ならびに/または(b)VLは、(i)それぞれ、配列番号8、配列番号9、および配列番号10;(ii)それぞれ、配列番号18、配列番号19、および配列番号20;(iii)それぞれ、配列番号28、配列番号29、および配列番号30;および(iv)それぞれ、配列番号38、配列番号39、および配列番号40からなる群から選択されるVL-CDR1配列、VL-CDR2配列、およびVL-CDR3配列を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、抗体は、任意のアイソタイプ、例えば、それだけには限らないが、IgG(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)、IgA(IgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgEまたはIgMおよびIgYのFcドメインをさらに含む。定常領域配列の限定されない例として、以下が挙げられる:
ヒトIgD定常領域、Uniprot:P01880(配列番号41)
APTKAPDVFPIISGCRHPKDNSPVVLACLITGYHPTSVTVTWYMGTQSQPQRTFPEIQRRDSYYMTSSQLSTPLQQWRQGEYKCVVQHTASKSKKEIFRWPESPKAQASSVPTAQPQAEGSLAKATTAPATTRNTGRGGEEKKKEKEKEEQEERETKTPECPSHTQPLGVYLLTPAVQDLWLRDKATFTCFVVGSDLKDAHLTWEVAGKVPTGGVEEGLLERHSNGSQSQHSRLTLPRSLWNAGTSVTCTLNHPSLPPQRLMALREPAAQAPVKLSLNLLASSDPPEAASWLLCEVSGFSPPNILLMWLEDQREVNTSGFAPARPPPQPGSTTFWAWSVLRVPAPPSPQPATYTCVVSHEDSRTLLNASRSLEVSYVTDHGPMK
ヒトIgG1定常領域、Uniprot:P01857(配列番号42)
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒトIgG2定常領域、Uniprot:P01859(配列番号43)
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDISVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ヒトIgG3定常領域、Uniprot:P01860(配列番号44)
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYTCNVNHKPSNTKVDKRVELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFKWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
ヒトIgM定常領域、Uniprot:P01871(配列番号45)
GSASAPTLFPLVSCENSPSDTSSVAVGCLAQDFLPDSITLSWKYKNNSDISSTRGFPSVLRGGKYAATSQVLLPSKDVMQGTDEHVVCKVQHPNGNKEKNVPLPVIAELPPKVSVFVPPRDGFFGNPRKSKLICQATGFSPRQIQVSWLREGKQVGSGVTTDQVQAEAKESGPTTYKVTSTLTIKESDWLGQSMFTCRVDHRGLTFQQNASSMCVPDQDTAIRVFAIPPSFASIFLTKSTKLTCLVTDLTTYDSVTISWTRQNGEAVKTHTNISESHPNATFSAVGEASICEDDWNSGERFTCTVTHTDLPSPLKQTISRPKGVALHRPDVYLLPPAREQLNLRESATITCLVTGFSPADVFVQWMQRGQPLSPEKYVTSAPMPEPQAPGRYFAHSILTVSEEEWNTGETYTCVAHEALPNRVTERTVDKSTGKPTLYNVSLVMSDTAGTCY
ヒトIgG4定常領域、Uniprot:P01861(配列番号46)
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPSCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
ヒトIgA1定常領域、Uniprot:P01876(配列番号47)
ASPTSPKVFPLSLCSTQPDGNVVIACLVQGFFPQEPLSVTWSESGQGVTARNFPPSQDASGDLYTTSSQLTLPATQCLAGKSVTCHVKHYTNPSQDVTVPCPVPSTPPTPSPSTPPTPSPSCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGVTFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAEPWNHGKTFTCTAAYPESKTPLTATLSKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTFAVTSILRVAAEDWKKGDTFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRLAGKPTHVNVSVVMAEVDGTCY
ヒトIgA2定常領域、Uniprot:P01877(配列番号48)
ASPTSPKVFPLSLDSTPQDGNVVVACLVQGFFPQEPLSVTWSESGQNVTARNFPPSQDASGDLYTTSSQLTLPATQCPDGKSVTCHVKHYTNPSQDVTVPCPVPPPPPCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGATFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAQPWNHGETFTCTAAHPELKTPLTANITKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTFAVTSILRVAAEDWKKGDTFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRMAGKPTHVNVSVVMAEVDGTCY
ヒトIgカッパ定常領域、Uniprot:P01834(配列番号49)
TVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、配列番号41~48に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一である重鎖定常領域を含む。さらにまたはあるいは、いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、配列番号49に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一である軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、DLL3の細胞外ドメインと結合する。いくつかの実施形態では、エピトープはコンホメーションエピトープである。
別の態様では、本開示は、配列番号2、配列番号12、配列番号22、配列番号32、または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントを含む重鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VH)アミノ酸配列を含む、単離された免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗体またはその抗原結合断片)を提供する。
さらにまたはあるいは、いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、配列番号7、配列番号17、配列番号27、配列番号37、または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントを含む軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VL)アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、それぞれ、配列番号2および配列番号7(7-I1-B)、配列番号12および配列番号17(2-C8-A)、配列番号22および配列番号27(10-O18-A)、ならびに配列番号32および配列番号37(6-G23-F)からなる群から選択される重鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VH)アミノ酸配列と、軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン(VL)アミノ酸配列とを含む。
免疫グロブリン関連組成物の上記の実施形態のいずれかでは、HCおよびLC免疫グロブリン可変ドメイン配列は、DLL3の細胞外ドメインと結合する抗原結合部位を形成する。免疫グロブリン関連組成物の上記の実施形態のいずれかでは、HCおよびLC免疫グロブリン可変ドメイン配列は、DLL3と結合する抗原結合部位を形成し、免疫グロブリン関連組成物の内部移行を促進する。いくつかの実施形態では、エピトープはコンホメーションエピトープである。
いくつかの実施形態では、HCおよびLC免疫グロブリン可変ドメイン配列は、同一ポリペプチド鎖の構成成分である。その他の実施形態では、HCおよびLC免疫グロブリン可変ドメイン配列は、異なるポリペプチド鎖の構成成分である。特定の実施形態では、抗体は、全長抗体である。
いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、少なくとも1種のDLL3ポリペプチドと特異的に結合する。いくつかの実施形態では、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、約10-3M、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11Mまたは10-12Mの解離定数(KD)で少なくとも1種のDLL3ポリペプチドと結合する。特定の実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体または二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体フレームワーク領域を含む。
特定の実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含む:(a)配列番号7、17、27もしくは37のうちいずれか1つ中に存在する軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または(b)配列番号2、12、22もしくは32のうちいずれか1つ中に存在する重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である重鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列。別の態様では、本明細書において提供される免疫グロブリン関連組成物中の1つまたは複数のアミノ酸残基は、別のアミノ酸と置換される。置換は、本明細書において定義されるような「保存的置換」であり得る。
特定の実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、N297AおよびK322Aからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むIgG1定常領域を含有する。さらにまたはあるいは、いくつかの実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、S228P突然変異を含むIgG4定常領域を含有する。
いくつかの態様では、本明細書に記載される抗DLL3免疫グロブリン関連組成物は、迅速な結合および細胞取り込みおよび/または遅い放出を促進するために構造修飾を含有する。いくつかの態様では、本技術の抗DLL3免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗体)は、迅速な結合および細胞取り込みおよび/または遅い放出を促進するために、CH2定常重鎖領域中に欠失を含有し得る。いくつかの態様では、迅速な結合および細胞取り込みおよび/または持続放出を促進するために、Fab断片が使用される。いくつかの態様では、迅速な結合および細胞取り込みおよび/または持続放出を促進するために、F(ab)’2断片が使用される。
一態様では、本技術は、本明細書に記載される免疫グロブリン関連組成物のいずれかをコードする核酸配列を提供する。また、本明細書に記載される抗体のいずれかをコードする組換え核酸配列が本明細書において開示される。いくつかの実施形態では、核酸配列は、配列番号1、6、11、16、21、26、31および36からなる群から選択される。
別の態様では、本技術は、本明細書に記載される免疫グロブリン関連組成物のいずれかをコードする任意の核酸配列を発現する宿主細胞または発現ベクターを提供する。
本技術の免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗DLL3抗体)は、単一特異性、二重特異性、三重特異性またはそれより多い多重特異性であり得る。多重特異性抗体は、1種または複数のDLL3ポリペプチドの異なるエピトープに対して特異的であり得る、またはDLL3ポリペプチドならびに異種組成物、例えば、異種ポリペプチドまたは固相支持体材料の両方に対して特異的であり得る。例えば、WO93/17715、WO92/08802、WO91/00360、WO92/05793、Tutt et al., J. Immunol. 147: 60-69 (1991)、米国特許第5,573,920号、同4,474,893号、同5,601,819号、同4,714,681号、同4,925,648号、同6,106,835号、Kostelny et al., J. Immunol. 148: 1547-1553 (1992)を参照のこと。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、キメラである。特定の実施形態では、免疫グロブリン関連組成物は、ヒト化されている。
本技術の免疫グロブリン関連組成物は、さらに、N末端またはC末端で異種ポリペプチドに組換えによって融合されてもよく、またはポリペプチドもしくはその他の組成物に化学的にコンジュゲートされてもよい(共有結合によるおよび非共有結合によるコンジュゲーションを含む)。例えば、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、検出アッセイにおいて標識として有用である分子およびエフェクター分子、例えば、異種ポリペプチド、薬物または毒素に組換えによって融合されても、コンジュゲートされてもよい。例えば、WO92/08495、WO91/14438、WO89/12624、米国特許第5,314,995号およびEP0396387を参照のこと。
本技術の免疫グロブリン関連組成物の上記の実施形態のいずれかでは、抗体または抗原結合断片は、同位元素、色素、クロマジェン、造影剤、薬物、毒素、サイトカイン、酵素、酵素阻害剤、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、増殖因子、放射性核種、金属、リポソーム、ナノ粒子、RNA、DNAまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される物質にコンジュゲートされていてもよい。いくつかの実施形態では、本技術の抗体または抗原結合断片は、医薬上許容される担体と組み合わせてもよい。化学的結合または物理的結合については、免疫グロブリン関連組成物上の官能基は、通常、物質上の官能基と会合する。あるいは、物質上の官能基は、免疫グロブリン関連組成物上の官能基と会合する。
物質および免疫グロブリン関連組成物上の官能基は、直接会合し得る。例えば、物質上の官能基(例えば、スルフヒドリル基)は、免疫グロブリン関連組成物上の官能基(例えば、スルフヒドリル基)と会合して、ジスルフィドを形成し得る。あるいは、官能基は、架橋剤(すなわち、リンカー)を介して会合することもある。架橋剤のいくつかの例が以下に記載されている。架橋剤は、物質または免疫グロブリン関連組成物のいずれかに付着され得る。コンジュゲート中の物質または免疫グロブリン関連組成物の数はまた、他方上に存在する官能基の数によって制限される。例えば、コンジュゲートと会合される物質の最大数は、免疫グロブリン関連組成物上に存在する官能基の数に応じて変わる。あるいは、物質と会合される免疫グロブリン関連組成物の最大数は、物質上に存在する官能基の数に応じて変わる。
さらに別の実施形態では、コンジュゲートは、1つの物質に会合された1つの免疫グロブリン関連組成物を含む。一実施形態では、コンジュゲートは、少なくとも1つの免疫グロブリン関連組成物に化学的に結合された(例えば、コンジュゲートされた)少なくとも1つの物質を含む。物質は、当業者に公知の任意の方法によって免疫グロブリン関連組成物に化学的に結合され得る。例えば、物質上の官能基は、免疫グロブリン関連組成物上の官能基に直接付着され得る。適した官能基のいくつかの例として、例えば、アミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、マレイミド、イソシアネート、イソチオシアネートおよびヒドロキシルが挙げられる。
物質はまた、架橋剤、例えば、ジアルデヒド、カルボジイミド、ジマレイミドなどによって免疫グロブリン関連組成物に化学的に結合され得る。架橋剤は、例えば、Pierce Biotechnology、Inc.、イリノイ州、ロックフォードから得ることができる。Pierce Biotechnology、Inc.ウェブサイトは、助けとなり得る。さらなる架橋剤として、Kreatech Biotechnology、B.V.、オランダ、アムステルダムの米国特許第5,580,990号、同5,985,566号および同6,133,038号に記載された白金架橋剤が挙げられる。
あるいは、物質および免疫グロブリン関連組成物上の官能基は、同一であり得る。ホモ二機能性架橋剤は、通常、同一官能基を架橋するために使用される。ホモ二機能性架橋剤の例として、EGS(すなわちエチレングリコールビス[スクシンイミジルスクシネート])、DSS(すなわち、ジスクシンイミジルスベレート)、DMA(すなわち、ジメチルアジピミデート.2HCl)、DTSSP(すなわち、3,3’-ジチオビス[スルホスクシンイミジルプロピオネート]))、DPDPB(すなわち、1,4-ジ-[3’-(2’-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ブタン)およびBMH(すなわち、ビス-マレイミドヘキサン)が挙げられる。このようなホモ二機能性架橋剤はまた、Pierce Biotechnology、Inc.から入手可能である。
その他の場合には、物質を免疫グロブリン関連組成物から切断することが有益であり得る。上記のPierce Biotechnology、Inc.のウェブサイトはまた、例えば、細胞中で酵素によって切断され得る適した架橋剤の選択において当業者の助けとなり得る。したがって、物質は免疫グロブリン関連組成物から分離され得る。切断可能なリンカーの例として、SMPT(すなわち、4-スクシンイミジルオキシカルボニル-メチル-a-[2-ピリジルジチオ]トルエン)、スルホ-LC-SPDP(すなわち、スルホスクシンイミジル6-(3-[2-ピリジルジチオ]-プロピオンアミド)ヘキサノエート)、LC-SPDP(すなわち、スクシンイミジル6-(3-[2-ピリジルジチオ]-プロピオンアミド)ヘキサノエート)、スルホ-LC-SPDP(すなわち、スルホスクシンイミジル6-(3-[2-ピリジルジチオ]-プロピオンアミド)ヘキサノエート)、SPDP(すなわち、N-スクシンイミジル3-[2-ピリジルジチオ]-プロピオンアミドヘキサノエート)およびAEDP(すなわち、3-[(2-アミノエチル)ジチオ]プロピオン酸HCl)が挙げられる。
別の実施形態では、コンジュゲートは、少なくとも1つの免疫グロブリン関連組成物と物理的に結合される少なくとも1つの物質を含む。物質を免疫グロブリン関連組成物と物理的に結合するために、当業者に公知の任意の方法が使用され得る。例えば、当業者に公知の任意の方法によって、免疫グロブリン関連組成物および物質が一緒に混合され得る。混合の順序は重要ではない。例えば、当業者に公知の任意の方法によって、物質は免疫グロブリン関連組成物と物理的に混合され得る。例えば、免疫グロブリン関連組成物および物質は、容器中に入れられ、例えば、容器を振盪することによって撹拌されて、免疫グロブリン関連組成物および物質が混合され得る。
免疫グロブリン関連組成物を、当業者に公知の任意の方法によって修飾することができる。例えば、免疫グロブリン関連組成物を、上記のように、架橋剤または官能基によって修飾してもよい。
A.本技術の抗DLL3抗体を調製する方法
一般的な概要。最初に、本技術の抗体が作製され得る標的ポリペプチドが選択される。例えば、全長DLL3タンパク質、またはDLL3タンパク質の細胞外ドメインの一部に対して、抗体が作製され得る。このような標的ポリペプチドに対する抗体を作製するための技術は、当業者に周知である。このような技術の例として、例えば、それだけには限らないが、ディスプレイライブラリー、異種またはヒトマウス、ハイブリドーマなどを含むものが挙げられる。本技術の範囲内の標的ポリペプチドとして、免疫応答を誘発することができる細胞外ドメインを含むDLL3タンパク質に由来する任意のポリペプチドが挙げられる。
DLL3タンパク質およびその断片に向けられた、組換えによって遺伝子操作された抗体および抗体断片、例えば、抗体関連ポリペプチドは、本開示に従って使用するのに適しているということは理解されなくてはならない。
本明細書において示される技術に付され得る抗DLL3抗体として、モノクローナルおよびポリクローナル抗体および抗体断片、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、scFv、ダイアボディー、抗体軽鎖、抗体重鎖および/または抗体断片が挙げられる。抗体Fv含有ポリペプチド、例えば、Fab’およびF(ab’)2抗体断片の高収率製造にとって有用な方法は、記載されている。米国特許第5,648,237を参照のこと。
一般に、抗体は、元来の種から得られる。より詳しくは、標的ポリペプチド抗原に対して特異性を有する元来の種の抗体の軽鎖、重鎖または両方の可変部分の核酸またはアミノ酸配列が得られる。元来の種は、本技術の抗体または抗体のライブラリーを作製するのに有用であった任意の種、例えば、ラット、マウス、ウサギ、ニワトリ、サル、ヒトなどである。
ファージまたはファージミドディスプレイ技術は、本技術の抗体を導くための有用な技術である。モノクローナル抗体を作製し、クローニングするための技術は、当業者に周知である。本技術の抗体をコードする配列の発現は、大腸菌(E.coli)で実施され得る。
配列をコードする核酸の縮重のために、本技術の実施において、天然に存在するタンパク質のものと実質的に同一のアミノ酸配列をコードするその他の配列が使用されてもよい。これらとして、それだけには限らないが、配列内で機能的に同等のアミノ酸残基をコードする異なるコドンの置換によって変更され、したがって、サイレント変化をもたらす、上記のポリペプチドをコードする核酸配列のすべてまたは一部を含む核酸配列が挙げられる。本技術の免疫グロブリンのヌクレオチド配列は、このようなバリアントがDLL3タンパク質を認識する作動抗体を形成する限り、標準方法(“Current Methods in Sequence Comparison and Analysis,” Macromolecule Sequencing and Synthesis, Selected Methods and Applications, pp. 127-149, 1998, Alan R. Liss, Inc.)によって算出されるような最大25%の配列相同性変動を許容することは理解される。例えば、ポリペプチド配列内の1つまたは複数のアミノ酸残基が、機能的等価物として働く同様の極性の別のアミノ酸によって置換されてもよく、その結果、サイレント変化が得られる。配列内のアミノ酸の置換は、アミノ酸が属するクラスのその他のメンバーから選択され得る。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸として、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられる。極性天然アミノ酸として、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられる。正電荷を有する(塩基性)アミノ酸として、アルギニン、リシンおよびヒスチジンが挙げられる。負電荷を有する(酸性)アミノ酸として、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。例えば、グリコシル化、タンパク質分解による切断、抗体分子またはその他の細胞性リガンドとの連結などによって、翻訳の間または翻訳後に異なって修飾されるタンパク質またはその断片または誘導体も本技術の範囲内に含まれる。さらに、免疫グロブリンをコードする核酸配列は、翻訳、開始および/または終止配列を作出および/または破壊して、コーディング領域の変動を作出する、および/または新規制限エンドヌクレアーゼ部位を形成する、または既存のものを破壊するために、in vitro修飾をさらに促進するために、in vitroまたはin vivoで突然変異され得る。それだけには限らないが、in vitro部位特異的突然変異誘発、J. Biol. Chem. 253:6551、use of Tab linkers (Pharmacia)などを含む、当技術分野で公知の突然変異誘発のための任意の技術が使用されてもよい。
ポリクローナル抗血清および免疫原の調製。本技術の抗体または抗体断片を作製する方法は、通常、対象(一般に、マウスまたはウサギなどの非ヒト対象)を、精製DLL3タンパク質またはその断片を用いて、またはDLL3タンパク質またはその断片を発現する細胞を用いて免疫処置することを含む。適当な免疫原性調製物は、例えば、組換え発現されたDLL3タンパク質または化学合成されたDLL3ペプチドを含有し得る。DLL3タンパク質の細胞外ドメイン、またはその一部もしくは断片は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調整物の標準的な技術を用いて、DLL3タンパク質、またはその一部もしくは断片と結合する抗DLL3抗体を作製するための免疫原として使用され得る。
全長のDLL3タンパク質またはその断片は、免疫原としての断片として有用である。いくつかの実施形態では、DLL3断片は、ペプチドに対して作製された抗体が、DLL3タンパク質と特異的な免疫複合体を形成するように、DLL3の細胞外ドメインを含む。
DLL3の細胞外ドメインは466アミノ酸長であり、DLL3タンパク質全長のアミノ酸27~492に及んでいる。いくつかの実施形態では、抗原DLL3ペプチドは、少なくとも5、8、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400または450個のアミノ酸残基を含む。長い抗原ペプチドは、用途に応じて、また当業者に周知の方法に従って、短い抗原ペプチドよりも望ましい場合がある。所与のエピトープの多量体は、単量体よりも効果的な場合がある。
必要に応じて、DLL3タンパク質(またはその断片)の免疫原性は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)またはオボアルブミン(OVA)などのキャリアタンパク質との融合またはコンジュゲーションによって増大させ得る。多数のこのようなキャリアタンパク質は、当技術分野で公知である。ポリペプチドに対する対象の免疫反応を増大させるために、DLL3タンパク質を、従来のアジュバント、例えば、フロイントの完全または不完全アジュバントと組み合わせてもよい。免疫学的反応を増大させるために使用される種々のアジュバントとして、それだけには限らないが、フロイントのもの(完全および不完全)、無機ゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、表面活性物質(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチドまたはオイルエマルジョン、ジニトロフェノールなど)、ヒトアジュバント、例えば、カルメット・ゲラン桿菌およびコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)または同様の免疫賦活性化合物が挙げられる。これらの技術は、当技術分野で標準である。
本技術の説明において、免疫応答は、「一次」または「二次」免疫応答として記載され得る。一次免疫応答は、「防御的」免疫応答とも記載され、特定の抗原、例えば、DLL3タンパク質に対するいくつかの最初の曝露(例えば、最初の「免疫処置」)の結果として個体において生じた免疫応答を指す。いくつかの実施形態では、免疫処置は、抗原を含有するワクチンを用いる個体のワクチン接種の結果として生じ得る。例えば、ワクチンは、1種または複数のDLL3タンパク質由来の抗原を含むDLL3ワクチンであり得る。一次免疫応答は、継時的に減弱または弱毒化になり得る、さらに消失し得る、または少なくとも検出され得ないように弱毒化になり得る。したがって、本技術はまた、本明細書において「記憶免疫応答」とも記載される「二次」免疫応答に関する。用語二次免疫応答は、一次免疫応答がすでに生成された後に個体において誘発される免疫応答を指す。
したがって、減弱または弱毒化になった既存の免疫応答を増強するために、または消失してしまった、またはもはや検出され得ないこれまでの免疫応答を再構築するために、二次免疫応答が誘発され得る。二次または記憶免疫応答は、体液性(抗体)応答または細胞性応答のいずれかであり得る。二次または記憶体液性応答は、抗原の最初の提示で生じた記憶B細胞の刺激の際に生じる。遅延型過敏症(DTH)応答は、CD4+T細胞によって媒介される細胞性二次または記憶免疫応答の種類である。抗原に対する最初の曝露は、免疫系を抗原刺激し、さらなる曝露は、DTHをもたらす。
適当な免疫処置後、抗DLL3抗体は、対象の血清から調製され得る。必要に応じて、DLL3タンパク質に向けられた抗体分子は、IgG画分を得るために周知の技術、例えば、ポリペプチドAクロマトグラフィーによって、哺乳動物から(例えば、血液から)単離され、さらに精製され得る。
モノクローナル抗体。本技術の一実施形態では、抗体は、抗DLL3モノクローナル抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、抗DLL3モノクローナル抗体は、ヒトまたはマウス抗DLL3モノクローナル抗体であり得る。DLL3タンパク質またはその誘導体、断片、類似体または相同体に対するモノクローナル抗体の調製のために、連続細胞株培養による抗体分子の製造を提供する任意の技術が利用され得る。このような技術として、それだけには限らないが、ハイブリドーマ技術(例えば、Kohler & Milstein, 1975. Nature 256: 495-497を参照のこと)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(例えば、Kozbor, et al., 1983. Immunol. Today 4: 72を参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を作製するためのEBVハイブリドーマ技術(例えば、Cole, et al., 1985. In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)が挙げられる。本技術の実施では、ヒトモノクローナル抗体が利用されてもよく、ヒトハイブリドーマを使用することによって(例えば、Cote, et al., 1983. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 2026-2030を参照のこと)またはin vitroでEpstein Barrウイルスを用いてヒトB細胞を形質転換することによって(例えば、Cole, et al., 1985. In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照のこと)製造されてもよい。例えば、抗体の領域をコードする核酸の集団が単離され得る。集団に由来する抗体の一部をコードする配列を増幅するために、抗体の保存された領域をコードする配列に由来するプライマーを利用するPCRが使用され、次いで、抗体またはその断片、例えば、可変ドメインをコードするDNAが、増幅された配列から再構築される。このような増幅された配列はまた、ファージまたは細菌での融合ポリペプチドの発現およびディスプレイのために、その他のタンパク質、例えば、バクテリオファージコートまたは細菌細胞表面タンパク質をコードするDNAと融合され得る。次いで、増幅された配列は発現され、例えば、DLL3タンパク質上に存在する抗原またはエピトープに対する発現された抗体またはその断片の親和性に基づいて、さらに選択され得るまたは単離され得る。あるいは、抗DLL3モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマは、対象を免疫処置し、次いで、日常的な方法を使用して対象の脾臓からハイブリドーマを単離することによって調製され得る。例えば、Milstein et al., (Galfre and Milstein, Methods Enzymol (1981) 73: 3-46)を参照のこと。標準方法を使用してハイブリドーマをスクリーニングすることは、変動する特異性(すなわち、種々のエピトープに対する)および親和性のモノクローナル抗体をもたらす。所望の特性、例えば、DLL3結合を有する選択されたモノクローナル抗体は、ハイブリドーマによって発現されたように使用されてもよく、その特性を変更するためにポリエチレングリコール(PEG)などの分子に結合されてもよく、またはそれをコードするcDNAは、種々の方法で単離されてもよく、シーケンシングされてもよく、操作されてもよい。DLL3タンパク質の免疫原性を高めるために、反応性アミノ酸の側鎖、例えばリジンに合成デンドロメリックツリーを加えることができる。また、DLL3タンパク質の免疫原性を高めるために、CPGジヌクレオチド技術を用いることができる。その他の操作として、貯蔵の際または対象への投与後に抗体の不安定性に寄与する特定のアミノアシル残基を置換または欠失することおよびDLL3タンパク質の抗体の親和性を改善するための親和性成熟技術が挙げられる。
ハイブリドーマ技術。いくつかの実施形態では、本技術の抗体は、不死化細胞に融合された、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマによって生成される抗DLL3モノクローナル抗体である。ハイブリドーマ技術は、当技術分野で公知の、Harlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 349 (1988); Hammerling et al., Monoclonal Antibodies And T-Cell Hybridomas, 563-681 (1981)において教示されたものを含む。ハイブリドーマおよびモノクローナル抗体を製造するためのその他の方法は、当業者には周知である。
ファージディスプレイ技術。上記で記載したように、本技術の抗体は、組換えDNAおよびファージディスプレイ技術の適用によって製造され得る。例えば、抗DLL3抗体は、当技術分野で公知の種々のファージディスプレイ方法を使用して調製され得る。ファージディスプレイ方法では、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保持するファージ粒子の表面にディスプレイされる。所望の結合特性を有するファージは、抗原、通常、固体表面またはビーズに結合または捕捉された抗原を用いて直接的に選択することによって、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から選択される。これらの方法において使用されるファージは、通常、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換えによって融合されたFab、Fvまたはジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するfdおよびM13を含む繊維状ファージである。さらに、DLL3ポリペプチド、例えばポリペプチドまたはその誘導体、断片、類似体または相同体に対して所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速な有効な同定を可能にするために、方法が、Fab発現ライブラリーの構築のために適用され得る(例えば、Huse, et al., Science 246: 1275-1281, 1989を参照のこと)。本技術の抗体を作製するために使用され得るファージディスプレイ方法のその他の例として、Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A., 85: 5879-5883, 1988; Chaudhary et al., Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A., 87: 1066-1070, 1990; Brinkman et al., J. Immunol. Methods 182: 41-50, 1995; Ames et al., J. Immunol. Methods 184: 177-186, 1995; Kettleborough et al., Eur. J. Immunol. 24: 952-958, 1994; Persic et al., Gene 187: 9-18, 1997; Burton et al., Advances in Immunology 57: 191-280, 1994、PCT/GB91/01134、WO90/02809、WO91/10737、WO92/01047、WO92/18619、WO93/11236、WO95/15982、WO95/20401、WO96/06213、WO92/01047(Medical Research Council et al.)、WO97/08320(Morphosys)、WO92/01047(CAT/MRC)、WO91/17271(Affymax)および米国特許第5,698,426号、同5,223,409号、同5,403,484号、同5,580,717号、同5,427,908号、同5,750,753号、同5,821,047号、同5,571,698号、同5,427,908号、同5,516,637号、同5,780,225号、同5,658,727号および同5,733,743号に開示されるものが挙げられる。ジスルフィド結合によってポリペプチドを引きつけることによるバクテリオファージ粒子の表面上にポリペプチドをディスプレイするのに有用な方法は、Lohning、米国特許第6,753,136号によって記載されている。上記の参考文献に記載されるように、ファージ選択後、ファージから得た抗体コーディング領域は、単離され、ヒト抗体を含む全抗体または任意のその他の所望の抗原結合断片を作製するために使用され、任意の哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む所望の宿主において発現され得る。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組換え製造するための技術もまた、WO92/22324; Mullinax et al., BioTechniques 12: 864-869, 1992;およびSawai et al., AJRI 34: 26-34, 1995; およびBetter et al., Science 240: 1041-1043, 1988に開示されるものなどの当技術分野で公知の方法を使用して使用され得る。
一般に、ディスプレイベクター中にクローニングされたハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片は、抗体または抗体断片は、ファージまたはファージミド粒子の表面に存在するからであるので、良好な結合活性を維持するバリアントを同定するために適当な抗原に対して選択され得る。例えば、Barbas III et al., Phage Display, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 2001)を参照のこと。しかし、選択および/またはスクリーニングのために、抗体断片ライブラリーの溶解性ファージベクターへのクローニングなどのその他のベクターフォーマットが、このプロセスに使用され得る(修飾されたT7またはラムダZap系)。
組換え抗DLL3抗体の発現。上記で記載されたように、本技術の抗体は、組換えDNA技術の適用によって製造され得る。本技術の抗DLL3抗体をコードする組換えポリヌクレオチド構築物は、通常、天然において付随するまたは異種のプロモーター領域を含む、抗DLL3抗体鎖のコード配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む。そのようなものとして、本技術の別の態様は、本技術の抗DLL3抗体をコードする1つまたは複数の核酸配列を含有するベクターを含む。本技術の1つまたは複数のポリペプチドの組換え発現のために、抗DLL3抗体をコードするヌクレオチド配列のすべてまたは一部を含有する核酸は、当技術分野で周知の、以下に詳述されるような組換えDNA技術によって、適当なクローニングベクターまたは発現ベクター(すなわち、挿入されたポリペプチドコード配列の転写および翻訳のために必要なエレメントを含有するベクター)に挿入される。ベクターの多様な集団を製造する方法は、Lerner et al.,米国特許第6,291,160号および同6,680,192号によって記載されている。
一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターがプラスミドの形態であることが多い。本開示では、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドがベクターの最も一般的な形態であるので同義的に使用され得る。しかし、本技術は、同等の機能を果たす技術的にプラスミドではない発現ベクターのこのようなその他の形態、例えば、ウイルスベクター(例えば、複製欠損のレトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)を含むように意図される。このようなウイルスベクターは、対象の感染およびその対象における構築物の発現を可能にする。いくつかの実施形態では、発現制御配列は、真核細胞の宿主細胞を形質転換またはトランスフェクト可能なベクターにおける真核細胞プロモーター系である。ベクターが適当な宿主に組み込まれると、宿主は、抗DLL3抗体をコードするヌクレオチド配列の高レベル発現ならびに抗DLL3抗体、例えば、交差反応性抗DLL3抗体の収集および精製に適した条件下で維持される。全般的に、米国特許出願公開第2002/0199213号を参照のこと。これらの発現ベクターは、通常、エピソームとして、または宿主染色体DNAの不可欠な部分としてのいずれかで宿主生物において複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列を用いて形質転換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、アンピシリン耐性またはハイグロマイシン耐性を含有する。ベクターはまた、細胞外抗体断片の分泌に向けるのに有用なシグナルペプチド、例えば、ペクチン酸リアーゼをコードしてもよい。米国特許第5,576,195号を参照のこと。
本技術の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適した形態で、DLL3結合特性を有するタンパク質をコードする核酸を含み、これは、組換え発現ベクターが、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結されている発現に使用されるべき宿主細胞に基づいて選択された1つまたは複数の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクター内に、「作動可能に連結された」とは、ヌクレオチド配列の発現を可能にする方法で(例えば、in vitro転写/翻訳系における、またはベクターが宿主細胞に導入される場合宿主細胞において)、対象のヌクレオチド配列が、調節配列に連結されていることを意味することを意図される。用語「調節配列」とは、プロモーター、エンハンサーおよびその他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むように意図される。このような調節配列は、例えば、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)に記載されている。調節配列は、多くの種類の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指示するものおよび特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配列の発現を指示するもの(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計は、形質転換されるべき宿主細胞の選択、所望のポリペプチドの発現のレベルなどのような因子に応じて変わり得るということは当業者によって理解されよう。組換えポリペプチド発現(例えば、抗DLL3抗体)のプロモーターとして有用である通常の調節配列として、例えば、それだけには限らないが、3-ホスホグリセリン酸キナーゼおよびその他の解糖酵素のプロモーターが挙げられる。誘導性酵母プロモーターとして、中でも、アルコールデヒドロゲナーゼ、イソチトクロームCならびにマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素に由来するプロモーターが挙げられる。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体をコードするポリヌクレオチドは、ara Bプロモーターに作動可能に連結され、宿主細胞において発現可能である。米国特許第5,028,530号を参照のこと。本技術の発現ベクターは、宿主細胞に導入され、それによって、本明細書において記載されるような核酸によってコードされる融合ポリペプチドを含むポリペプチドまたはペプチド(例えば、抗DLL3抗体など)を産生できる。
本技術の別の態様は、1つまたは複数の抗DLL3抗体をコードする核酸を含有する、抗DLL3抗体を発現する宿主細胞に関する。本技術の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞における抗DLL3抗体の発現のために設計され得る。例えば、抗DLL3抗体は、大腸菌(Escherichia coli)、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用する)、真菌細胞、例えば、酵母、酵母細胞または哺乳動物細胞などの細菌細胞において発現され得る。適した宿主細胞は、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)においてさらに論じられる。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを使用して転写され、翻訳され得る。確率論的に作製されるポリヌクレオチド配列の発現による、所定の特性を有するポリペプチド、例えば、抗DLL3抗体の調製およびスクリーニングにとって有用な方法は、これまでに記載されている。米国特許第5,763,192号、同5,723,323号、同5,814,476号、同5,817,483号、同5,824,514号、同5,976,862号、同6,492,107号、同6,569,641号を参照のこと。
原核生物におけるポリペプチドの発現は、大腸菌で融合または非融合ポリペプチドいずれかの発現を指示する構成的または誘導プロモーターを含有するベクターを用いて実施されることが最も多い。融合ベクターは、いくつかのアミノ酸を、本明細書においてコードされるポリペプチドに普通、組換えポリペプチドのアミノ末端に付加する。このような融合ベクターは、通常、3つの目的:(i)組換えポリペプチドの発現を増大させるため、(ii)組換えポリペプチドの溶解度を増大させるため、および(iii)アフィニティー精製においてリガンドとして作用することによって組換えポリペプチドの精製を補助するためを果たす。融合発現ベクターでは、融合ポリペプチドの精製後に融合部分からの組換えポリペプチドの分離を可能にするために、融合部分と組換えポリペプチドの接合部にタンパク質分解による切断部位が導入されることが多い。このような酵素およびその同族認識配列として、第X因子、トロンビンおよびエンテロキナーゼが挙げられる。通常の融合発現ベクターとして、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合ポリペプチドまたはポリペプチドAをそれぞれ標的組換えポリペプチドに融合する、pGEX(Pharmacia Biotech Inc; Smith and Johnson, 1988. Gene 67: 31-40)、pMAL(New England Biolabs、マサチューセッツ州、ビバリー)およびpRIT5(Pharmacia、ニュージャージー州、ピスカタウェイ)が挙げられる。
適した誘導性非融合大腸菌発現ベクターの例として、pTrc(Amrann et al., (1988) Gene 69: 301-315)およびpET 11d(Studier et al., GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego、Calif. (1990) 60-89)が挙げられる。ポリペプチド融合によって多機能ポリペプチドを得るための、別個の活性ペプチドまたはタンパク質ドメインの標的化されたアセンブリーの方法は、Pack et al.,米国特許第6,294,353号、同6,692,935号によって記載されている。大腸菌における組換えポリペプチド発現、例えば、抗DLL3抗体を最大化するための1つの戦略は、組換えポリペプチドをタンパク質分解性に切断する能力が損なわれた宿主細菌においてポリペプチドを発現することである。例えば、Gottesman, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 119-128を参照のこと。別の戦略は、各アミノ酸の個々のコドンが、発現宿主、例えば、大腸菌において優先的に利用されるものであるように、発現ベクター中に挿入されるべき核酸の核酸配列を変更することである(例えば、Wada, et al., 1992. Nucl. Acids Res. 20: 2111-2118を参照のこと)。本技術の核酸配列のこのような変更は、標準DNA合成技術によって実施され得る。
別の実施形態では、抗DLL3抗体発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)における発現のためのベクターの例として、pYepSec1(Baldari, et al., 1987. EMBO J. 6: 229-234)、pMFa(Kurjan and Herskowitz、Cell 30: 933-943, 1982)、pJRY88(Schultz et al., Gene 54: 113-123, 1987)、pYES2(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州、サンディエゴ)およびpicZ(Invitrogen Corp、カリフォルニア州、サンディエゴ)が挙げられる。あるいは、抗DLL3抗体は、バキュロウイルス発現ベクターを使用して昆虫細胞において発現されてもよい。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)における、ポリペプチド、例えば、抗DLL3抗体の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターとして、pAcシリーズ(Smith, et al., Mol. Cell. Biol. 3: 2156-2165, 1983)およびpVLシリーズ(Lucklow and Summers, 1989. Virology 170: 31-39)が挙げられる。
さらに別の実施形態では、本技術の抗DLL3抗体をコードする核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物発現ベクターの例として、例えば、それだけには限らないが、pCDM8(Seed, Nature 329: 840, 1987)およびpMT2PC(Kaufman, et al., EMBO J. 6: 187-195, 1987)が挙げられる。哺乳動物細胞において使用される場合には、発現ベクターの制御機能は、ウイルス調節エレメントによって提供されることが多い。例えば、よく使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスおよびサルウイルス40に由来する。本技術の抗DLL3抗体の発現に適している原核細胞および真核細胞両方のためのその他の適した発現系については、例えば、Sambrook, et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989のChapter 16および17を参照のこと。
別の実施形態では、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞種において核酸の発現を指示可能である(例えば、組織特異的調節エレメント)。組織特異的調節エレメントは、当技術分野で公知である。適した組織特異的プロモーターの限定されない例として、アルブミンプロモーター(肝臓特異的; Pinkert, et al., Genes Dev. 1: 268-277, 1987)、リンパ球特異的プロモーター(Calame and Eaton, Adv. Immunol. 43: 235-275, 1988)、T細胞受容体のプロモーター(Winoto and Baltimore, EMBO J. 8: 729-733, 1989)および免疫グロブリン(Banerji, et al., 1983. Cell 33: 729-740;Queen and Baltimore, Cell 33: 741-748, 1983.)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、神経フィラメントプロモーター; Byrne and Ruddle, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5473-5477, 1989)、膵臓特異的プロモーター(Edlund, et al., 1985. Science 230: 912-916)および乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州特許出願公開第264,166号)が挙げられる。発達によって調節されるプロモーターも包含される、例えば、マウスhoxプロモーター(Kessel and Gruss, Science 249: 374-379, 1990)およびα-胎児タンパク質プロモーター(Campes and Tilghman, Genes Dev. 3: 537-546, 1989)。
本方法の別の態様は、本技術の組換え発現ベクターが導入されている宿主細胞に関する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書において同義的に使用される。このような用語は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の後代または潜在的な後代も指すことは理解される。特定の修飾は突然変異または環境影響いずれかのために続く世代において生じ得るので、このような後代は、親細胞と実際同一ではない場合もあるが、本明細書における用語の範囲内に依然として含まれる。
宿主細胞は、任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、抗DLL3抗体は、大腸菌、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞などの細菌細胞において発現され得る。哺乳動物細胞は、免疫グロブリンまたはその断片をコードするヌクレオチドセグメントを発現するための適した宿主である。Winnacker, From Genes To Clones(VCH Publishers, NY, 1987)を参照のこと。無傷の異種タンパク質を分泌可能ないくつかの適した宿主細胞株が当技術分野で開発されており、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、種々のCOS細胞株、HeLa細胞、L細胞および骨髄腫細胞株が挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞は、非ヒトである。これらの細胞の発現ベクターは、発現制御配列、例えば、複製起点、プロモーター、エンハンサーおよび必要なプロセシング情報部位、例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライシング部位、ポリアデニル化部位および転写ターミネーター配列を含み得る。Queen et al., Immunol. Rev. 89: 49, 1986。例示的発現制御配列は、内因性遺伝子、サイトメガロウイルス、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルスなどに由来するプロモーターである。Co et al., J Immunol. 148: 1149, 1992。その他の適した宿主細胞は、当業者に公知である。
ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術によって原核細胞または真核細胞中に導入され得る。本明細書において、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、微粒子銃またはウイルスベーストランスフェクションを含む、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための種々の技術分野で認識された技術を指すように意図される。哺乳動物細胞を形質転換するために使用されるその他の方法として、ポリブレンの使用、プロトプラスト融合、リポソーム、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションが挙げられる(全般的には、Sambrook et al.,Molecular Cloningを参照のこと)。宿主細胞に形質導入するまたはトランスフェクトするための適した方法は、Sambrook, et al. (MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)およびその他の実験室マニュアルに見出すことができる。対象のDNAセグメントを含有するベクターは、細胞宿主の種類に応じて周知の方法によって宿主細胞中に移行され得る。
哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションのために、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に応じて、細胞の小画分のみが外来DNAをそのゲノム中に組み込み得るということがわかっている。これらの組み込み体を同定および選択するために、一般に、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、対象の遺伝子とともに宿主細胞中に導入される。種々の選択マーカーとして、G418、ハイグロマイシンおよびメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与するものが挙げられる。選択マーカーをコードする核酸は、抗DLL3抗体をコードするものと同一ベクターで宿主細胞中に導入され得る、または別個のベクターで導入され得る。導入される核酸を用いて安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選択によって同定され得る(例えば、選択マーカー遺伝子を組み込んだ細胞は生存し、その他の細胞は死滅する)。
培養中の原核細胞または真核細胞の宿主細胞などの本技術の抗DLL3抗体を含む宿主細胞は、組換え抗DLL3抗体を製造(すなわち、発現)するために使用され得る。一実施形態では、方法は、宿主細胞(抗DLL3抗体をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を、抗DLL3抗体が産生されるような適した培地中で培養することを含む。別の実施形態では、方法は、抗DLL3抗体を、培地または宿主細胞から単離するステップをさらに含む。ひとたび発現されると、抗DLL3抗体、例えば、抗DLL3抗体または抗DLL3抗体関連ポリペプチドの収集物は、培養培地および宿主細胞から精製される。抗DLL3抗体は、HPLC精製、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含む当技術分野の標準手順に従って精製され得る。一実施形態では、抗DLL3抗体は、Boss et al.米国特許第4,816,397号の方法によって宿主生物において産生される。普通、抗DLL3抗体鎖は、シグナル配列とともに発現され、したがって、培養培地中に放出される。しかし、抗DLL3抗体鎖が、宿主細胞によって自然に分泌されない場合には、抗DLL3抗体鎖は、穏やかな洗浄剤を用いる処置によって放出され得る。組換えポリペプチドの精製は、当技術分野で周知であり、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティークロマトグラフィー精製技術、カラムクロマトグラフィー、イオン交換精製技術、ゲル電気泳動などが挙げられる(全般的には、Scopes, Protein Purification (Springer-Verlag、N.Y.、1982)を参照のこと。
抗DLL3抗体をコードするポリヌクレオチド、例えば、抗DLL3抗体コード配列は、トランスジェニック動物のゲノムへの導入およびトランスジェニック動物の乳におけるその後の発現のために導入遺伝子に組み込まれ得る。例えば、米国特許第5,741,957号、同5,304,489号および同5,849,992号を参照のこと。適した導入遺伝子は、乳腺特異的遺伝子、例えば、カゼインまたはβ-ラクトグロブリン由来のプロモーターおよびエンハンサーと作動可能な連結にある軽鎖および/または重鎖のコード配列を含む。トランスジェニック動物の製造のためには、導入遺伝子は、受精した卵母細胞中にマイクロインジェクションされてもよい、または胚幹細胞のゲノム中に組み込まれてもよく、このような細胞の核は、除核された卵母細胞に移される。
一本鎖抗体。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、一本鎖抗DLL3抗体である。本技術によれば、技術は、DLL3タンパク質に特異的な一本鎖抗体の製造のために採用され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)。一本鎖Fvおよび本技術の抗体を製造するために使用され得る技術の例として、米国特許第4,946,778号および同5,258,498号; Huston et al., Methods in Enzymology, 203: 46-88, 1991; Shu, L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 7995-7999, 1993;およびSkerra et al., Science 240: 1038-1040, 1988に記載されるものが挙げられる。
キメラおよびヒト化抗体。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、キメラ抗DLL3抗体である。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、ヒト化抗DLL3抗体である。本技術の一実施形態では、ドナーおよびアクセプター抗体は、異なる種に由来するモノクローナル抗体である。例えば、アクセプター抗体は、ヒト抗体であり(ヒトにおけるその抗原性を最小化するために)、その場合には、得られたCDR移植抗体は、「ヒト化」抗体と呼ばれる。
組換え抗DLL3抗体、例えば、ヒトおよび非ヒト部分両方を含む、キメラおよびヒト化モノクローナル抗体は、標準組換えDNA技術を使用して作製され得、本技術の範囲内である。ヒトにおける本技術の抗DLL3抗体のin vivo使用ならびにin vitro検出アッセイにおけるこれらの物質の使用を含むいくつかの使用のために、キメラまたはヒト化抗DLL3抗体を使用することがあり得る。このようなキメラおよびヒト化モノクローナル抗体は、当技術分野で公知の組換えDNA技術によって製造され得る。このような有用な方法として、例えば、それだけには限らないが、国際出願番号PCT/US86/02269、米国特許第5,225,539号、欧州特許第184187号、欧州特許第171496号、欧州特許第173494号、PCT国際公開番号WO86/01533、米国特許第4,816,567号、同5,225,539号、欧州特許第125023号、Better, et al., 1988. Science 240: 1041-1043; Liu, et al., 1987. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 3439-3443; Liu, et al., 1987. J. Immunol. 139: 3521-3526; Sun, et al., 1987. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 214-218; Nishimura, et al., 1987. Cancer Res. 47: 999-1005; Wood, et al., 1985. Nature 314: 446-449; Shaw, et al., 1988. J. Natl. Cancer Inst. 80: 1553-1559; Morrison (1985) Science 229: 1202-1207; Oi, et al. (1986) BioTechniques 4: 214; Jones, et al., 1986. Nature 321: 552-525; Verhoeyan, et al., 1988に記載される方法が挙げられる。例えば、抗体は、CDR移植(EP0239400、WO91/09967、米国特許第5,530,101号、同5,585,089号、同5,859,205号、同6,248,516号、EP460167)、ベニアリング(veneering)またはリサーフェシング(resurfacing)(EP0592106、EP0519596、Padlan E. A., Molecular Immunology、28: 489-498, 1991; Studnicka et al., Protein Engineering 7: 805-814, 1994; Roguska et al., PNAS 91: 969-973, 1994)およびチェーンシャッフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号)を含む種々の技術を使用してヒト化され得る。一実施形態では、マウス抗DLL3モノクローナル抗体をコードするcDNAは、Fc定常領域をコードする配列を除去するように特別に選択された制限酵素を用いて消化され、ヒトFc定常領域をコードするcDNAの同等部分が置換される(Robinson et al.、PCT/US86/02269;Akira et al.、欧州特許出願第184,187号; Taniguchi、欧州特許出願第171,496号; Morrison et al.、欧州特許出願第173,494号; Neuberger et al.、WO86/01533; Cabilly et al.、米国特許第4,816,567号; Cabilly et al.、欧州特許出願第125,023号; Better et al. (1988) Science 240: 1041-1043; Liu et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 3439-3443; Liu et al. (1987) J Immunol 139: 3521-3526; Sun et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 214-218; Nishimura et al. (1987) Cancer Res 47: 999-1005; Wood et al. (1985) Nature 314: 446-449;およびShaw et al. (1988) J. Natl. Cancer Inst. 80: 1553-1559;米国特許第6,180,370号;米国特許第6,300,064号;同6,696,248号;同6,706,484号;同6,828,422号。
一実施形態では、本技術は、ヒト抗マウス抗体(本明細書において以下、「HAMA」と呼ばれる)応答を誘導する可能性が低く、一方で、有効な抗体エフェクター機能は依然として有するヒト化抗DLL3抗体の構築を提供する。本明細書において、抗体に関連して、用語「ヒト」および「ヒト化」は、ヒト対象において治療上許容される弱い免疫原性応答を誘発するように予測される任意の抗体に関する。一実施形態では、本技術は、ヒト化抗DLL3抗体、重鎖および軽鎖免疫グロブリンを提供する。
CDR抗体。いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、抗DLL3 CDR抗体である。全般的に、抗DLL3 CDR抗体を作製するために使用されるドナーおよびアクセプター抗体は、異なる種に由来するモノクローナル抗体であり、通常、アクセプター抗体は、ヒト抗体であり(ヒトにおける抗原性を最小化するために)、その場合には、得られたCDR移植抗体は、「ヒト化」抗体と呼ばれる。移植は、アクセプター抗体の単一VHまたはVL内の単一CDR(またはさらに単一CDRの一部)のものであり得る、またはVHおよびVLの一方または両方内の複数のCDR(またはその一部)のものであり得る。得られたCDR移植抗体のDLL3タンパク質との適切な結合を可能にするのに必要な数だけを置き換えることを必要とするが、アクセプター抗体のすべての可変ドメインの3つのCDRすべてが対応するドナーCDRで置き換えられることが多い。CDR移植およびヒト化抗体を作製する方法は、Queen et al.米国特許第5,585,089号;米国特許第5,693,761号;米国特許第5,693,762号;およびWinter米国特許第5,225,539号;およびEP0682040によって教示される。VHおよびVLポリペプチドを調製するのに有用な方法は、Winter et al.米国特許第4,816,397号;同6,291,158号;同6,291,159号;同6,291,161号;同6,545,142号;EP0368684;EP0451216;およびEP0120694によって教示される。
同一ファミリーおよび/または同一ファミリーメンバーから適したフレームワーク領域候補を選択した後、元の種からハイブリッドフレームワーク領域中にCDRを移植することによって、重鎖および軽鎖可変領域のいずれかまたは両方が製造される。上記の態様のいずれかに関して、当業者に公知の従来の方法を使用して、ハイブリッド可変鎖領域を有するハイブリッド抗体またはハイブリッド抗体断片のアセンブリーが達成され得る。例えば、本明細書において記載されるハイブリッド可変ドメイン(すなわち、標的種および元の種に由来するCDRをベースとするフレームワーク)をコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成および/またはPCRによって製造され得る。CDR領域をコードする核酸はまた、適した制限酵素を使用して元の種の抗体から単離され、適したライゲーション酵素を用いてライゲーションすることによって標的種フレームワーク中にライゲーションされ得る。あるいは、元の種の抗体の可変鎖のフレームワーク領域は、部位特異的突然変異誘発によって変更され得る。
各フレームワーク領域に対応する複数の候補の中から選択してハイブリッドが構築されるので、本明細書において記載される原理に従う構築を受け入れる配列の多数の組合せが存在する。したがって、個々のフレームワーク領域の異なる組合せを有するメンバーを有するハイブリッドのライブラリーがアセンブルされ得る。このようなライブラリーは、ハイブリッドの、配列の電子データベース収集物または物理的収集物であり得る。
このプロセスは、通常、移植CDRをフランキングするアクセプター抗体のFRを変更しない。しかし、当業者ならば、時には、ドナー抗体の対応するFRにより同様のFRを作製するために、所与のFRの特定の残基を置き換えることによって、得られた抗DLL3 CDR移植抗体の抗原結合親和性を改善できる。置換の適した位置は、CDRに隣接する、またはCDRと相互作用可能なアミノ酸残基を含む(例えば、US5,585,089、特に列12~16を参照のこと)。または当業者ならば、ドナーFRを用いて開始し、アクセプターFRまたはヒトコンセンサスFRとより同様であるように修飾できる。これらの修飾を行う技術は、当技術分野で公知である。特に、得られたFRが、その位置のヒトコンセンサスFRと適合する、またはこのようなコンセンサスFRに対して少なくとも90%またはそれ以上同一である場合には、そのようにすることは、得られた修飾された抗DLL3 CDR移植抗体の抗原性を、完全ヒトFRを有する同一抗体と比較して有意に増大させない可能性がある。
二重特異性抗体(BsAb)。二重特異性抗体は、別個の構造を有する2種の標的、例えば、2種の異なる標的抗原、同一標的抗原上の2種の異なるエピトープと同時に結合し得る抗体である。BsAbは、例えば、同一または異なる抗原の異なるエピトープを認識する重鎖および/または軽鎖を組み合わせることによって作製され得る。いくつかの実施形態では、二重特異性結合剤は、分子機能によって、2つの結合アームのうち一方(一方のVH/VL対)上の1種の抗原(またはエピトープ)と結合し、その第2のアーム(異なるVH/VL対)上の異なる抗原(またはエピトープ)と結合する。この定義によって、二重特異性結合剤は、2つの別個の抗原結合アーム(特異性およびCDR配列の両方において)を有し、結合する各抗原に対して一価である。
本技術の二重特異性抗体(BsAb)および二重特異性抗体断片(BsFab)は、例えば、DLL3と特異的に結合する少なくとも1つのアームおよび第2の標的抗原と特異的に結合する少なくとも1つのその他のアームを有する。特定の実施形態では、BsAbは、細胞表面上にDLL3抗原を発現する腫瘍細胞と結合可能である。
さまざまな二重特異性融合タンパク質が、分子工学を使用して製造され得る。例えば、完全免疫グロブリンフレームワーク(例えば、IgG)、一本鎖可変断片(scFv)またはそれらの組合せのいずれかを利用するBsAbが構築されている。いくつかの実施形態では、二重特異性融合タンパク質は、例えば、1種の抗原に対する単一結合部位を有するscFvおよび第2の抗原に対する単一結合部位を有するFab断片を含む二価である。いくつかの実施形態では、二重特異性融合タンパク質は、例えば、1種の抗原に対する単一結合部位を有するscFvおよび第2の抗原に対する単一結合部位を有する別のscFv断片を含む二価である。その他の実施形態では、二重特異性融合タンパク質は、四価であり、例えば、1種の抗原に対する2つの結合部位および第2の抗原に対する2つの同一のscFvを有する免疫グロブリン(例えば、IgG)を含む。タンデムで2つのscFv単位から構成されるBsAbは、臨床的に成功した二重特異性抗体形式であるとわかっている。いくつかの実施形態では、BsAbは、腫瘍抗原(例えば、DLL3)と結合するscFvが、異なる標的抗原に結合するscFvと連結されるように設計されている、2つの一本鎖可変断片(scFv)をタンデムで含む。
BsAbを製造するための最近の方法として、より一般的な免疫グロブリンアイソタイプよりも強力に架橋する、さらなるシステイン残基を有する操作された組換えモノクローナル抗体が挙げられる。例えば、FitzGerald et al., Protein Eng. 10(10):1221-1225 (1997)を参照のこと。別のアプローチとして、必要とされる二重特異性を有する2つ以上の異なる一本鎖抗体または抗体断片セグメントを連結して組換え融合タンパク質を操作により作製することがある。例えば、Coloma et al., Nature Biotech. 15:159-163(1997)を参照のこと。分子工学を使用して、さまざまな二重特異性融合タンパク質が製造され得る。
2つ以上の異なる一本鎖抗体または抗体断片を連結する二重特異性融合タンパク質は同様の方法で製造される。さまざまな融合タンパク質を製造するために組換え法が使用され得る。いくつかの特定の実施形態では、本技術によるBsAbは、重鎖および軽鎖およびscFvを含む免疫グロブリンを含む。いくつかの特定の実施形態では、scFvは、本明細書において開示される任意のDLL3免疫グロブリンの重鎖のC末端に連結される。いくつかの特定の実施形態では、scFvは、本明細書において開示される任意のDLL3免疫グロブリンの軽鎖のC末端に連結される。種々の実施形態では、scFvは、リンカー配列を介して重鎖または軽鎖に連結される。重鎖FdのscFvへのインフレーム接続に必要な適当なリンカー配列が、PCR反応によってVLおよびVkappaドメイン中に導入される。次いで、scFvをコードするDNA断片が、CH1ドメインをコードするDNA配列を含有するステージング(staging)ベクターにライゲーションされる。得られたscFv-CH1構築物が切り出され、DLL3抗体のVH領域をコードするDNA配列を含有するベクターにライゲーションされる。得られたベクターは、二重特異性融合タンパク質の発現のために適当な宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞をトランスフェクトするために使用され得る。
いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個またはそれより長いアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、頑強な三次元構造をとらず、むしろポリペプチド(例えば、第1のおよび/または第2の抗原結合部位)に対して可動性を提供するという点を特徴とする。いくつかの実施形態では、リンカーは、BsAbに与えられる特定の特性、例えば、安定性の増大などに基づいて、本明細書に記載されるBsAbにおいて使用される。いくつかの実施形態では、本技術のBsAbは、G4Sリンカーを含む。いくつかの特定の実施形態では、本技術のBsAbは、(G4S)nリンカーを含み、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれより多い。
Fc修飾。いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、バリアントFc領域を含み、前記バリアントFc領域は、Sondermann et al., Nature, 406:267-273(2000)によって開示されるものなどのFc-Fc受容体相互作用の結晶学的および構造解析に基づいて、前記バリアントFc領域が、Fc受容体と直接接触させる位置に置換を有さないという条件で、前記分子が、Fc受容体(例えば、FcγR)に対して変更された親和性を有するように、野生型Fc領域(または親のFc領域)に対して少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。Fc受容体、例えば、FcγRと直接接触させるFc領域内の位置の例として、アミノ酸234~239(ヒンジ領域)、アミノ酸265~269(B/Cループ)、アミノ酸297~299(C7Eループ)およびアミノ酸327~332(F/G)ループが挙げられる。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸修飾を有するバリアントFc領域を有する本技術の抗DLL3抗体は、活性化および/または抑制性受容体に対して変更された親和性を有し、前記の1つまたは複数のアミノ酸修飾は、アラニンでのN297置換またはアラニンでのK322置換である。
グリコシル化修飾。いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、親のFc領域と比較してバリアントグリコシル化を有するFc領域を有する。いくつかの実施形態では、バリアントグリコシル化は、フコースの不在を含み、いくつかの実施形態では、バリアントグリコシル化は、GnT1欠損CHO細胞における発現に起因する。
いくつかの実施形態では、本技術の抗体は、抗体の機能性、例えば、抗原に対する結合活性を変更することなく、対象の抗原(例えば、DLL3)と結合する適当な参照抗体に対して修飾されたグリコシル化部位を有し得る。本明細書において、「グリコシル化部位」は、オリゴ糖(すなわち、互いに連結された2個またはそれより多い単糖を含有する炭水化物)が、特異的に、共有結合によって付着する抗体中に任意の特定のアミノ酸配列を含む。
オリゴ糖側鎖は、通常、N-またはO-連結のいずれかによって抗体の骨格に連結される。N結合型グリコシル化とは、オリゴ糖部分のアスパラギン残基の側鎖への付着を指す。O結合型グリコシル化とは、オリゴ糖部分の、ヒドロキシアミノ酸、例えば、セリン、トレオニンへの付着を指す。例えば、フコースおよび末端N-アセチルグルコサミンを含む特定のオリゴ糖を欠くFc-グリコフォーム(hDLL3-IgGln)は、特定のCHO細胞において製造され、増強されたADCCエフェクター機能を示し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される免疫グロブリン関連組成物の炭水化物内容は、グリコシル化部位を付加または欠失することによって修飾される。抗体の炭水化物内容を修飾する方法は、当技術分野で周知であり、本技術内に含まれる、例えば、すべて、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,218,149号、EP0359096B1、米国特許公開第US2002/0028486号、国際特許出願公開WO03/035835、米国特許公開第2003/0115614号、米国特許第6,218,149号、米国特許第6,472,511号を参照のこと。いくつかの実施形態では、抗体の1つまたは複数の内因性炭水化物部分を欠失することによって、抗体(またはその関連部分もしくは構成成分)の炭水化物内容が修飾される。いくつかの特定の実施形態では、本技術は、位置297をアスパラギンからアラニンに修飾することによって、抗体のFc領域のグリコシル化部位を欠失することを含む。
操作されたグリコフォームは、それだけには限らないが、エフェクター機能を増強または低減することを含むさまざまな目的のために有用であり得る。操作されたグリコフォームは、当業者に公知の任意の方法、例えば、操作された、もしくはバリアント発現株を使用することによって、1種もしくは複数の酵素、例えば、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)との同時発現によって、種々の生物もしくは種々の生物に由来する細胞株においてFc領域を含む分子を発現させることによって、またはFc領域を含む分子が発現された後に炭水化物(複数可)を修飾することによって作製され得る。操作されたグリコフォームを作製する方法は、当技術分野で公知であり、それだけには限らないが、Umana et al., 1999, Nat. Biotechnol. 17: 176-180; Davies et al., 2001, Biotechnol. Bioeng. 74:288-294; Shields et al., 2002, J. Biol. Chem. 277:26733-26740; Shinkawa et al., 2003, J. Biol. Chem. 278:3466-3473、米国特許第6,602,684号、米国特許出願番号第10/277,370号、米国特許出願番号第10/113,929号、国際特許出願公開WO00/61739A1、WO01/292246A1、WO02/311140A1、WO02/30954A1、POTILLEGENT(商標)技術(Biowa、Inc.ニュージャージー州、プリンストン)、GLYCOMAB(商標)グリコシル化エンジニアリング技術(GLYCART biotechnology AG、スイス、チューリッヒ)に記載されるものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。例えば、国際特許出願公開WO00/061739、米国特許出願公開第2003/0115614号、Okazaki et al., 2004, JMB, 336: 1239-49を参照のこと。
融合タンパク質。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、融合タンパク質である。本技術の抗DLL3抗体は、第2のタンパク質に融合された場合、抗原性タグとして使用され得る。ポリペプチドに融合され得るドメインの例として、異種シグナル配列だけでなく、その他の異種機能性領域も挙げられる。融合は必ずしも直接である必要はなく、リンカー配列を介して起こる場合もある。さらに、本技術の融合タンパク質はまた、抗DLL3抗体の特徴を改善するように遺伝子操作され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に、荷電アミノ酸の領域は、宿主細胞からの精製またはその後の取り扱いおよび貯蔵の間の安定性および持続性を改善するために、抗DLL3抗体のN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を促進するために抗DLL3抗体に付加され得る。このような領域は、抗DLL3抗体の最終調製に先立って除去され得る。ポリペプチドの取り扱いを促進するためのペプチド部分の付加は、当技術分野ではよく知られており、日常的な技術である。本技術の抗DLL3抗体は、ペプチドなどのマーカー配列に融合されてもよく、これは、融合されたポリペプチドの精製を促進する。選択実施形態では、マーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチド、例えば、中でも、その多くが市販されているpQEベクター(QIAGEN、Inc.、カリフォルニア州、チャッツワース)において提供されるタグである。Gentz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 821-824, 1989に記載されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の好都合な精製を提供する。精製に有用な別のペプチドタグ、「HA」タグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する。Wilson et al., Cell 37: 767, 1984。
したがって、これらの上記の融合タンパク質のいずれも、本技術のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを使用して遺伝子操作され得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書において記載される融合タンパク質は、in vivoで半減期の増大を示す。
ジスルフィド結合された二量体構造(IgGによる)を有する融合タンパク質は、単量体で分泌されるタンパク質またはタンパク質断片単独と比較して、その他の分子に結合および中和することにおいてより有効であり得る。Fountoulakis et al., J. Biochem. 270: 3958-3964, 1995。
同様に、EP-A-O 464533(カナダ対応物2045869)には、免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質が、別のヒトタンパク質またはその断片と一緒に開示されている。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は、療法および診断において有益であり、したがって、例えば、薬物動態特性の改善をもたらし得る。EP-A0232262を参照のこと。あるいは、融合タンパク質が発現され、検出され、精製された後にFc部分を欠失または修飾することが望まれることもある。例えば、融合タンパク質が免疫処置の抗原として使用される場合には、Fc部分が、療法および診断を妨げることもある。創薬では、例えば、hIL-5などのヒトタンパク質が、hIL-5のアンタゴニストを同定するためのハイスループットスクリーニングアッセイを目的としてFc部分と融合されている。Bennett et al., J. Molecular Recognition 8: 52-58, 1995; Johanson et al., J. Biol. Chem., 270: 9459-9471, 1995。
標識された抗DLL3抗体。一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、標識部分、すなわち、検出可能な基とカップリングされている。抗DLL3抗体にコンジュゲートされた特定の標識または検出可能な基は、本技術の抗DLL3抗体のDLL3タンパク質との特異的結合を大幅に干渉しない限り、技術の重大な態様ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する任意の材料であり得る。このような検出可能な標識は、イムノアッセイおよびイメージングの分野では十分に開発されている。一般に、このような方法において有用なほとんどあらゆる標識が、本技術に適用され得る。したがって、標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段によって検出可能な任意の組成物である。本技術の実施において有用な標識として、磁性ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミンなど)、放射標識(例えば、3H、14C、35S、125I、121I、131I、112In、99mTc)、マイクロバブルなどのその他の造影剤(超音波イメージングのための)、18F、11C、15O、89Zr(陽電子放射型断層撮影のための)、99mTc、111In(単一光子放出型コンピュータ断層撮影のための)、酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAにおいて一般に使用されるその他のもの)およびコロイド金などの熱量測定標識または着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズが挙げられる。このような標識の使用を記載する特許として、米国特許第3,817,837号、同3,850,752号、同3,939,350号、同3,996,345号、同4,277,437号、同4,275,149号および同4,366,241号が挙げられ、各々、すべての目的でその全文が参照により本明細書に組み込まれる。またHandbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (6th Ed., Molecular Probes, Inc., Eugene OR.)も参照のこと。
標識は、当技術分野で周知の方法に従って、アッセイの所望の成分に直接的にまたは間接的にカップリングされている。上記で示されたように、広範な標識が使用されてもよく、標識の選択は、必要な感受性、化合物とのコンジュゲーションの容易さ、安定性必要条件、入手可能な計測手段および廃棄規定などの因子に応じて変わる。
非放射性標識は、間接的な手段によって付着されることが多い。一般に、リガンド分子(例えば、ビオチン)は、分子に共有結合によって結合される。次いで、リガンドは、本質的に検出可能であるか、または検出可能な酵素、蛍光化合物もしくは化学発光化合物などのシグナル系に共有結合によって結合された抗リガンド(例えば、ストレプトアビジン)分子と結合する。いくつかのリガンドおよび抗リガンドが使用され得る。リガンドが、中性抗リガンド、例えば、ビオチン、チロキシンおよびコルチゾールを有する場合には、標識された天然に存在する抗リガンドとともに使用され得る。あるいは、任意のハプテン性または抗原性化合物が、抗体、例えば、抗DLL3抗体と組み合わせて使用され得る。
分子はまた、シグナル生成化合物に直接的に、例えば、酵素またはフルオロフォアとのコンジュゲーションによってコンジュゲートされ得る。標識として対象の酵素は、主に、ヒドロラーゼ、特に、ホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼまたは酸化還元酵素、特に、ペルオキシダーゼとなる。標識部分として有用である蛍光化合物として、それだけには限らないが、例えば、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。標識部分として有用である化学発光化合物として、それだけには限らないが、例えば、ルシフェリンおよび2,3-ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールが挙げられる。使用され得る、種々の標識またはシグナル生成系の概要については、米国特許第4,391,904を参照のこと。
標識を検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、標識が放射性標識である場合には、検出のための手段として、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーにおけるような写真フィルムが挙げられる。標識が蛍光標識である場合には、光の適当な波長を用いて蛍光色素を励起することおよび得られた蛍光を検出することによって検出され得る。蛍光は、写真フィルムによって、電荷結合素子(CCD)または光電子増倍管などのような電子検出器を使用することによって視覚的に検出され得る。同様に、酵素的標識は、酵素に適当な物質を提供することおよび得られた反応生成物を検出することによって検出され得る。最後に、簡単な比色標識は、標識と関連する色を観察することによって簡単に検出され得る。したがって、種々の尿試験紙アッセイにおいて、コンジュゲートされた金はピンク色に見え、一方で、種々のコンジュゲートされたビーズは、ビーズの色に見える。
いくつかのアッセイ形式は、標識された構成成分の使用を必要としない。例えば、凝集アッセイは、標識抗体、例えば、抗DLL3抗体の存在を検出するために使用され得る。この場合には、抗原によってコーティングされた粒子が、標的抗体を含むサンプルによって凝集される。この形式では、標識されることを必要とする構成成分はなく、標識抗体の存在は、簡単な目視検査によって検出される。
B.本技術の抗DLL3抗体の同定および特性決定
本技術の抗DLL3抗体を同定および/またはスクリーニングする方法。DLL3タンパク質に対して所望の特異性を有するもの(例えば、DLL3の細胞外ドメインと結合するもの)について、DLL3ポリペプチドに対する抗体を同定およびスクリーニングするために有用な方法は、当技術分野で公知の任意の免疫学的に媒介される技術を含む。免疫応答の構成成分は、当業者に周知である種々の方法によってin vitroで検出され得る。例えば、(1)細胞傷害性Tリンパ球は、放射活性標識された標的細胞とともにインキュベートされ、これらの標的細胞の溶解は、放射活性の放出によって検出され得る、(2)ヘルパーTリンパ球は、抗原および抗原提示細胞とともにインキュベートされ、サイトカインの合成および分泌は、標準方法によって測定され得る(Windhagen A et al., Immunity, 2: 373-80, 1995)、(3)抗原提示細胞は、全タンパク質抗原とともにインキュベートされ、MHC上のその抗原の提示は、Tリンパ球活性化アッセイまたは生物物理学的方法のいずれかによって検出され得る(Harding et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 86: 4230-4, 1989)、(4)肥満細胞は、そのFc-イプシロン受容体と架橋結合する試薬とともにインキュベートされ、ヒスタミン放出は、酵素イムノアッセイによって測定され得る(Siraganian et al., TIPS, 4: 432-437, 1983)および(5)酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)。
同様に、モデル生物(例えば、マウス)またはヒト対象いずれかにおける免疫応答の生成物はまた、当業者に周知である種々の方法によって検出され得る。例えば、(1)ワクチン接種に応じた抗体の製造は、臨床検査室において現在使用される標準方法、例えば、ELISAによって容易に検出され得る、(2)免疫細胞の炎症の部位への遊走は、皮膚の表面を引っ掻くことおよび引っ掻き部位にわたって遊走細胞を捕捉するために滅菌容器を置くことによって検出され得る(Peters et al., Blood, 72: 1310-5, 1988)、(3)マイトジェンまたは混合リンパ球反応物に応じた末梢血単核細胞(PBMC)の増殖は、3H-チミジンを使用して測定され得る、(4)PBMC中の顆粒球、マクロファージおよびその他の貪食細胞の食作用は、PBMCを標識された粒子と一緒にウェル中に入れることによって測定され得る(Peters et al., Blood, 72: 1310-5, 1988)および(5)免疫系細胞の分化は、PBMCをCD4およびCD8などのCD分子に対する抗体を用いて標識することおよびこれらのマーカーを発現するPBMCの画分を測定することによって測定され得る。
一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、複製可能な遺伝子パッケージの表面でのDLL3ペプチドのディスプレイを使用して選択される。例えば、米国特許第5,514,548号、同5,837,500号、同5,871,907号、同5,885,793号、同5,969,108号、同6,225,447号、同6,291,650号、同6,492,160号、EP585287、EP605522、EP616640、EP1024191、EP589877、EP774511、EP844306を参照のこと。所望の特異性を有する結合分子をコードするファージミドゲノムを含有する繊維状バクテリオファージ粒子を製造/選択するのに有用な方法は、記載されている。例えば、EP774511、US5871907、US5969108、US6225447、US6291650、US6492160を参照のこと。
いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、酵母宿主細胞の表面上のDLL3ペプチドのディスプレイを使用して選択される。酵母表面ディスプレイによるFvポリペプチドの単離に有用な方法は、Kieke et al., Protein Eng. 1997 Nov; 10(11): 1303-10によって記載されている。
いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、リボソームディスプレイを使用して選択される。リボソームディスプレイを使用してペプチドライブラリー中でリガンドを同定するのに有用な方法は、Mattheakis et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 9022-26, 1994およびHanes et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 4937-42, 1997によって記載されている。
特定の実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、DLL3ペプチドのtRNAディスプレイを使用して選択される。tRNAディスプレイを使用してリガンドをin vitro選択するのに有用な方法は、Merryman et al., Chem. Biol., 9: 741-46, 2002によって記載されている。
一実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、RNAディスプレイを使用して選択される。RNAディスプレイライブラリーを使用してペプチドおよびタンパク質を選択するのに有用な方法は、Roberts et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94: 12297-302, 1997、およびNemoto et al., FEBS Lett., 414: 405-8, 1997によって記載されている。非天然RNAディスプレイライブラリーを使用してペプチドおよびタンパク質を選択するのに有用な方法は、Frankel et al., Curr. Opin. Struct. Biol., 13: 506-12, 2003によって記載されている。
いくつかの実施形態では、本技術の抗DLL3抗体は、グラム陰性細菌のペリプラズムで発現され、標識されたDLL3タンパク質と混合される。WO02/34886を参照のこと。DLL3タンパク質に親和性のある組換えポリペプチドを発現するクローンでは、抗DLL3抗体と結合した標識DLL3タンパク質の濃度が高まり、Harvey et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 22: 9193-98 2004および米国特許公開第2004/0058403号に記載されているように、ライブラリーの残りの部分から細胞を単離することができる。
所望の抗DLL3抗体の選択後、当業者に公知の任意の技術、例えば、原核細胞または真核細胞発現などによって前記抗体が大容量で製造され得ることが考慮される。例えば、それだけには限らないが、抗DLL3ハイブリッド抗体または断片である抗DLL3抗体は、抗体重鎖をコードする発現ベクターを構築するための従来技術を使用して製造されてもよく、CDRおよび必要に応じて、元の種の抗体結合特異性を保持するために必要である可変領域フレームワークの最小部分(本明細書において記載される技術に従って遺伝子操作されるので)が、元の種の抗体に由来し、抗体の残部が、本明細書において記載されるように操作される標的種免疫グロブリンに由来し、それによって、ハイブリッド抗体重鎖の発現のためのベクターが生成する。
DLL3結合の測定。いくつかの実施形態では、DLL3結合アッセイとは、DLL3タンパク質および抗DLL3抗体が、DLL3タンパク質と抗DLL3抗体間の結合に適した条件下で混合され、DLL3タンパク質と抗DLL3抗体間の結合の量を評価するアッセイ形式を指す。結合の量は、DLL3タンパク質の非存在下での結合の量、非特異的免疫グロブリン組成物の存在下での結合の量または両方であり得る適した対照と比較される。結合の量は、任意の適した方法によって評価され得る。結合アッセイ法として、例えば、ELISA、ラジオイムノアッセイ、シンチレーション近接アッセイ、蛍光エネルギー移動アッセイ、液体クロマトグラフィー、膜濾過アッセイなどが挙げられる。抗DLL3抗体とのDLL3タンパク質結合の直接測定のための生物物理学的アッセイとして、例えば、核磁気共鳴、蛍光、蛍光偏光、表面プラズモン共鳴(BIACOREチップ)、バイオレイヤー干渉法などがある。特異的結合は、当技術分野で公知の標準アッセイ、例えば、放射性リガンド結合アッセイ、ELISA、FRET、免疫沈降、SPR、NMR(2D-NMR)、質量分析などによって決定される。候補抗DLL3抗体の特異的結合が、候補抗DLL3抗体の非存在下で観察される結合よりも少なくとも1パーセント多い場合には、候補抗DLL3抗体は、本技術の抗DLL3抗体として有用である。
本技術の抗DLL3抗体の使用
全般。本技術の抗体は、DLL3ポリペプチドの局在性および/または定量化に関する当技術分野で公知の方法において有用である(例えば、適当な生理学的サンプル内のDLL3タンパク質のレベルの測定において使用するため、診断法において使用するため、ポリペプチドのイメージングにおいて使用するためなど)。本技術の抗DLL3抗体は、アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降などの標準技術によってDLL3ポリペプチドを単離するために有用である。本技術の抗DLL3抗体は、生物学的サンプル、例えば、哺乳動物血清または細胞からの天然の免疫反応性DLL3タンパク質の精製、ならびに宿主系において発現された組換えによって製造された免疫反応性DLL3タンパク質の精製を促進し得る。さらに、本技術の抗DLL3抗体は、免疫反応性DLL3タンパク質(例えば、血漿、細胞溶解物または細胞上清において)を検出して、免疫反応性ポリペプチドの発現の量およびパターンを評価するために使用され得る。本技術の抗DLL3抗体は、臨床試験手順の一部として組織における免疫反応性DLL3タンパク質レベルをモニタリングするために、例えば、所与の治療計画の有効性を判定するために診断的に使用され得る。上記で記載されるように、検出は、本技術の抗DLL3抗体を、検出可能な物質にカップリングすること(すなわち、物理的に連結すること)によって促進され得る。
DLL3タンパク質の検出。生物学的サンプル中の免疫反応性DLL3タンパク質の有無を検出するための例示的方法は、試験対象から生物学的サンプルを得ることおよび生物学的サンプルを、免疫反応性DLL3タンパク質を検出可能な本技術の抗DLL3抗体と接触させ、その結果、生物学的サンプルにおいて免疫反応性DLL3タンパク質の存在が検出されることを含む。検出は、抗体に付着された検出可能な標識によって達成され得る。
用語「標識された」は、抗DLL3抗体に関して、検出可能な物質を、抗体にカップリングすること(すなわち、物理的に連結すること)による抗体の直接標識ならびに二次抗体などの直接標識される別の化合物との反応性による抗体の間接標識を包含するように意図される。間接標識の例として、蛍光標識二次抗体を使用する一次抗体の検出および蛍光標識ストレプトアビジンを用いて検出され得るようなビオチンを用いるDNAプローブの末端標識が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される抗DLL3抗体は、1つまたは複数の検出可能な標識にコンジュゲートされる。このような使用のために、抗DLL3抗体は、発色性、酵素的、放射性同位元素性、同位元素的、蛍光性、毒性、化学発光性、核磁気共鳴造影剤またはその他の標識の共有結合または非共有結合による付着によって検出可能に標識され得る。
適した発色性標識の例として、ジアミノベンジジンおよび4-ヒドロキシアゾ-ベンゼン-2-カルボン酸が挙げられる。適した酵素標識の例として、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌のヌクレアーゼ、Δ-5-ステロイドイソメラーゼ、酵母-アルコールデヒドロゲナーゼ、α-グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース-6リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。
適した放射性同位元素標識の例として、3H、111In、125I、131I、32P、35S、14C、51Cr、57To、58Co、59Fe、75Se、152Eu、90Y、67Cu、217Ci、211At、212Pb、47Sc、109Pdなどが挙げられる。111Inは、肝臓による125Iまたは131I標識化DLL3結合性抗体の脱ハロゲン化の問題を避けるので、in vivoイメージングが使用される場合には、例示的同位元素である。さらに、この同位元素は、イメージングのためのより好都合なガンマ放射エネルギーを有する(Perkins et al, Eur. J. Nucl. Med. 70:296-301 (1985); Carasquillo et al., J. Nucl. Med. 25:281-287 (1987))。例えば、1-(P-イソチオシアナトベンジル)-DPTAを用いてモノクローナル抗体にカップリングされた111Inは、非腫瘍性組織、特に、肝臓にはほとんど取り込まれないことを示し、腫瘍局在性の特異性を増強する(Esteban et al., J. Nucl. Med. 28:861-870(1987))。適した非放射性同位元素標識の例として、157Gd、55Mn、162Dy、52Trおよび56Feが挙げられる。
適した蛍光標識の例として、152Eu標識、フルオレセイン標識、イソチオシアネート標識、ローダミン標識、フィコエリトリン標識、フィコシアニン標識、アロフィコシアニン標識、緑色蛍光タンパク質(GFP)標識、o-フタルデヒド(phthaldehyde)標識およびフルオレサミン標識が挙げられる。適した毒素標識の例として、ジフテリア毒素、リシンおよびコレラ毒素が挙げられる。
化学発光標識の例として、ルミノール標識、イソルミノール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム塩標識、オキサレートエステル標識、ルシフェリン標識、ルシフェラーゼ標識およびエクオリン標識が挙げられる。核磁気共鳴造影剤の例として、重金属核、例えば、Gd、Mnおよび鉄が挙げられる。
本技術の検出方法は、生物学的サンプルにおいてin vitroならびにin vivoで免疫反応性DLL3タンパク質を検出するために使用され得る。免疫反応性DLL3タンパク質を検出するためのin vitro技術として、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降、ラジオイムノアッセイおよび免疫蛍光が挙げられる。さらに、免疫反応性DLL3タンパク質の検出のためのin vivo技術は、標識された抗DLL3抗体を対象へ導入することを含む。例えば、抗DLL3抗体は、標準イメージング技術によって対象におけるその存在および位置が検出され得る放射活性マーカーを用いて標識されてもよい。一実施形態では、生物学的サンプルは、試験対象から得たDLL3タンパク質分子を含有する。
イムノアッセイおよびイメージング。本技術の抗DLL3抗体は、抗体ベース技術を使用して生物学的サンプル(例えば、ヒト血漿)において免疫反応性DLL3タンパク質レベルをアッセイするために使用され得る。例えば、組織におけるタンパク質発現が、古典的免疫組織学的方法を用いて研究され得る。Jalkanen, M. et al., J. Cell. Biol. 101: 976-985, 1985; Jalkanen, M. et al., J. Cell. Biol. 105: 3087-3096, 1987。タンパク質遺伝子発現を検出するのに有用なその他の抗体ベースの方法として、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)などのイムノアッセイが挙げられる。適した抗体アッセイ標識は、当技術分野で公知であり、グルコースオキシダーゼなどの酵素標識および放射性同位元素またはその他の放射活性物質、例えば、ヨウ素(125I、121I、131I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(111In)およびテクネチウム(99mTc)ならびに蛍光標識、例えば、フルオレセイン、ローダミンおよび緑色蛍光タンパク質(GFP)ならびにビオチンが挙げられる。
生物学的サンプルにおいて免疫反応性DLL3タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、本技術の抗DLL3抗体は、DLL3のin vivoイメージングに使用され得る。この方法にとって有用な抗体として、X-X線撮影、NMRまたはESRによって検出可能なものが挙げられる。X-X線撮影のために、適した標識として、検出可能な放射線を発するが、対象にとって明白に有害ではないバリウムまたはセシウムなどの放射性同位元素が挙げられる。NMRおよびESRにとって適したマーカーとして、重水素などの検出可能な特徴的なスピンを有するものが挙げられ、これは、関連scFv クローンの栄養分を標識することによって、抗DLL3抗体中に組み込まれ得る。
適当な検出可能なイメージング部分、例えば、放射性同位元素(例えば、131I、111In、99mTc、18F、89Zr)、放射性不透過性物質または核磁気共鳴によって検出可能な材料を用いて標識されている本技術の抗DLL3抗体が、対象中に導入される(例えば、非経口的に、皮下にまたは腹膜内に)。対象の大きさおよび使用されるイメージングシステムが、診断画像を作成するのに必要なイメージング部分の量を左右するということは、当技術分野では理解されよう。放射性同位元素部分の場合には、ヒト対象のためには、注入される放射能の量は、普通、約5~20ミリキュリーの99mTcの範囲となる。標識された抗DLL3抗体は次いで、特異的標的ポリペプチドを含有する細胞の位置に蓄積する。例えば、標識された本技術の抗DLL3抗体は、DLL3タンパク質が局在した細胞および組織において対象内に蓄積する。
したがって、本技術は、医学的状態の診断方法であって、(a)個体の細胞または体液において本技術の抗DLL3抗体の結合を測定することによって、免疫反応性DLL3タンパク質の発現をアッセイすることと、(b)サンプル中に存在する免疫反応性DLL3タンパク質の量を、標準参照と比較することとを含み、標準と比較した免疫反応性DLL3タンパク質レベルの増大または減少が、医学的状態を示す方法を提供する。
アフィニティー精製。本技術の抗DLL3抗体は、免疫反応性DLL3タンパク質をサンプルから精製するために使用され得る。いくつかの実施形態では、抗体は、固相支持体上に固定化されている。このような固相支持体の例として、ポリカーボネートなどのプラスチック、アガロースおよびセファロースなどの複合糖質、ポリアクリルアミドおよびラテックスビーズなどのアクリル樹脂が挙げられる。抗体をこのような固相支持体にカップリングする技術は、当技術分野で周知である(Weir et al., “Handbook of Experimental Immunology” 4th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, England, Chapter 10 (1986); Jacoby et al., Meth. Enzym. 34 Academic Press, N.Y. (1974))。
抗原を抗体-支持体マトリックスに結合させる最も簡単な方法は、カラム中にビーズを集め、抗原溶液をカラムに流すことである。この方法の効率は、固定化抗体と抗原の間の接触時間に応じて変わり、これは低流速を使用することによって延長され得る。固定化抗体は、抗原を、それが流れ過ぎるときに捕捉する。あるいは、抗原は、抗原溶液を支持体(例えば、ビーズ)と混合することおよびスラリーを回転または振盪することによって抗体-支持体マトリックスと接触されてもよく、これによって、抗原と固定化抗体の間の最大接触が可能となる。結合反応が完了した後、ビーズの回収のために、スラリーはカラムに通される。適した洗浄バッファーを使用してビーズが洗浄され、次いで、純粋なまたは実質的に純粋な抗原が溶出される。
対象の抗体またはポリペプチドは、ビーズなどの固相支持体にコンジュゲートされ得る。さらに、第1のビーズなどの固相支持体はまた、必要に応じて、ポリペプチドの支持体とのコンジュゲーションのための本明細書において開示されるものを含む任意の適した手段によって、第2のビーズまたはその他の支持体であり得る第2の固相支持体にコンジュゲートされてもよい。したがって、ポリペプチドの固相支持体とのコンジュゲーションに関して本明細書において開示されるコンジュゲーション方法および手段のいずれも、第1の支持体の第2の支持体とのコンジュゲーションに適用されてもよく、第1および第2の固相支持体は、同一である場合も異なっている場合もある。
ポリペプチドを固相支持体とコンジュゲートさせるために使用するための架橋結合剤であり得る適当なリンカーとして、支持体の表面上に存在する官能基と、またはポリペプチドとまたは両方と反応し得る種々の物質が挙げられる。架橋結合物質として有用である試薬として、ホモ二機能性、特に、ヘテロ二機能性試薬が挙げられる。有用な二機能性架橋結合物質として、それだけには限らないが、N-SIAB、ジマレイミド、DTNB、N-SATA、N-SPDP、SMCCおよび6-HYNICが挙げられる。架橋結合物質は、ポリペプチドと固相支持体の間の選択的に切断可能な結合を提供するように選択され得る。例えば、感光性架橋剤、例えば、3-アミノ-(2-ニトロフェニル)プロピオン酸が、固相支持体からポリペプチドを切断するための手段として使用され得る(Brown et al., Mol. Divers, pp, 4-12 (1995); Rothschild et al., Nucl. Acids Res., 24:351-66 (1996)および米国特許第5,643,722号)。その他の架橋結合試薬は当技術分野で周知である(例えば、Wong (1991)、前掲;およびHermanson (1996)、前掲を参照のこと)。
抗体またはポリペプチドは、ビーズなどの固相支持体上に、カルボキシル基官能基付与されたビーズと、ポリペプチドのアミノ末端の間で形成された共有結合アミド結合によって、または逆に、アミノ基官能基付与されたビーズと、ポリペプチドのカルボキシル末端の間で形成された共有結合アミド結合によって固定化され得る。さらに、二機能性トリチルリンカーは、支持体、例えば、Wang樹脂などの樹脂上の4-ニトロフェニル活性エステルに、アミノ樹脂による樹脂上のアミノ基またはカルボキシル基によって付着され得る。二機能性トリチルアプローチを使用すると、固相支持体は、ポリペプチドが切断され、除去され得ることを確実にするために、ギ酸またはトリフルオロ酢酸などの揮発性酸を用いる処置を必要とし得る。このような場合には、ポリペプチドは、固相支持体のウェルの底に、または固相支持体の平坦な表面上にビーズのないパッチとして堆積されてもよい。マトリックス溶液を加えた後、ポリペプチドはMS中に放出され得る。
ポリペプチドからアミノ連結されたトリチル基を切断するために、揮発性酸または適当なマトリックス溶液、例えば、3-HPAを含有するマトリックス溶液を使用することによって、酸不安定性リンカーとして疎水性トリチルリンカーも利用され得る。酸不安定性はまた、変更され得る。例えば、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチルまたはトリメトキシトリチルは、ポリペプチドの適当なp-置換された、またはより酸不安定性のトリチルアミン誘導体に変更されてもよい、すなわち、トリチルエーテルおよびトリチルアミン結合がポリペプチドに行われる。したがって、ポリペプチドは、例えば、疎水性引力を破壊することによって、または必要に応じて、3-HPAなどのマトリックスが酸として作用する通常のMS条件下を含む酸性条件下でトリチルエーテルもしくはトリチルアミン結合を切断することによって、疎水性リンカーから除去され得る。
直交性に切断可能なリンカーもまた、第1の固相支持体、例えば、ビーズの第2の固相支持体への結合にとって、または対象のポリペプチドの固相支持体への結合にとって有用であり得る。このようなリンカーを使用すると、第1の固相支持体、例えば、ビーズが第2の固相支持体から、ポリペプチドを支持体から切断することなく選択的に切断され得、次いで、後の時間にポリペプチドがビーズから切断され得る。例えば、DTTなどの還元剤を使用して切断され得るジスルフィドリンカーが、ビーズを第2の固相支持体に結合するために使用されてもよく、ポリペプチドを支持体に固定化するために酸切断可能な二機能性トリチル基が使用されてもよい。必要に応じて、例えば、第1および第2の支持体間の連結は無傷なままで、ポリペプチドの固相支持体との連結が、最初に切断され得る。トリチルリンカーは、共有結合または疎水性コンジュゲーションを提供し得るが、コンジュゲーションの性質に関わらず、トリチル基は、酸性条件において容易に切断される。
例えば、ビーズは、ビーズの固相支持体との高密度結合、またはポリペプチドのビーズとの高密度結合が促進されるような、長さおよび科学的性質を有するように選択され得る連結基によって第2の支持体に結合され得る。このような連結基は、例えば、「ツリー状」構造を有し、それによって、固相支持体上の付着部位あたりに多様な官能基を提供し得る。このような連結基の例として、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ペンタエリスロールおよびトリス-ヒドロキシ-アミノメタンが挙げられる。
非共有結合関連。非共有結合相互作用によって、抗体またはポリペプチドは、固相支持体にコンジュゲートされ得る、または第1の固相支持体はまた、第2の固相支持体にコンジュゲートされ得る。例えば、磁化されることが可能である強磁性材料で作製された磁性ビーズは、磁性固相支持体に引き寄せられ得る、また磁場の除去によって支持体から放出され得る。あるいは、固相支持体は、イオン性または疎水性部分を提供されてもよく、これは、それぞれ、イオン性または疎水性部分の、ポリペプチド、例えば、付着されたトリチル基を含有するポリペプチドとの、または疎水性を有する第2の固相支持体との相互作用を可能にし得る。
固相支持体はまた、特異的結合対のメンバーを提供されてもよく、したがって、相補性結合部分を含有するポリペプチドまたは第2の固相支持体にコンジュゲートされ得る。例えば、アビジンでまたはストレプトアビジンでコーティングされたビーズは、ビオチン部分が組み込まれたポリペプチドに、またはビオチンもしくはビオチンの誘導体、例えば、イミノビオチンでコーティングされた第2の固相支持体に結合され得る。
本明細書において開示される、そうでなければ当技術分野で公知の結合メンバーのいずれも逆転されてもよいということは理解されなくてはならない。したがって、ビオチンは、例えば、ポリペプチドまたは固相支持体のいずれかに組み込まれてもよく、逆に、アビジンまたはその他のビオチン結合部分がそれぞれ支持体またはポリペプチドに組み込まれる。本明細書において使用するために考慮されるその他の特異的結合対として、それだけには限らないが、ホルモンおよびその受容体、酵素およびその基質、ヌクレオチド配列およびその相補性配列、抗体および特異的に相互作用する抗原および当業者に公知のその他のこのような対が挙げられる。
A.本技術の抗DLL3抗体の診断的使用
全般。本技術の抗DLL3抗体は、診断方法において有用である。そのようなものとして、本技術は、対象におけるDLL3活性の診断において抗体を使用する方法を提供する。本技術の抗DLL3抗体は、任意のレベルのエピトープ結合特異性およびDLL3ポリペプチドに対する極めて高い結合親和性を有するように選択され得る。一般に、イムノアッセイでは標的ポリペプチドを除去することなく非特異的に結合した材料を除去するために、抗体の結合親和性が高いほど、よりストリンジェントな洗浄条件が実施され得る。したがって、診断アッセイにおいて有用な本技術の抗DLL3抗体は、普通、約108M-1、109M-1、1010M-1、1011M-1または1012M-1の結合親和性を有する。さらに、診断試薬として使用される抗DLL3抗体は、少なくとも12時間、少なくとも5(5)時間または少なくとも1(1)時間で標準条件下で平衡に達するための十分な動力学的結合速度(on-rate)を有することが望ましい。
抗DLL3抗体は、種々の標準アッセイ形式で免疫反応性DLL3タンパク質を検出するために使用され得る。このような形式として、免疫沈降、ウエスタンブロッティング、ELISA、ラジオイムノアッセイおよび免疫測定アッセイが挙げられる。Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Publications, New York, 1988)、米国特許第3,791,932号、同3,839,153号、同3,850,752号、同3,879,262号、同4,034,074号、同3,791,932号、同3,817,837号、同3,839,153号、同3,850,752号、同3,850,578号、同3,853,987号、同3,867,517号、同3,879,262号、同3,901,654号、同3,935,074号、同3,984,533号、同3,996,345号、同4,034,074号および同4,098,876号を参照のこと。生物学的サンプルは、対象の任意の組織または体液から得ることができる。特定の実施形態では、対象は、前記癌の初期ステージである。一実施形態では、癌の初期ステージは、対象から得られたサンプルにおけるDLL3タンパク質のレベルまたは発現パターンによって決定される。特定の実施形態では、サンプルは、尿、血液、血清、血漿、唾液、羊水、脳脊髄液(CSF)および生検された身体組織からなる群から選択される。
免疫測定またはサンドイッチアッセイは、本技術の診断方法のための1つの形式である。米国特許第4,376,110号、同4,486,530号、同5,914,241号および同5,965,375号を参照のこと。このようなアッセイは、1種の抗体、例えば、抗DLL3抗体または固相に固定化された抗DLL3抗体の集団および別の抗DLL3抗体または溶液中の抗DLL3抗体の集団を使用する。通常、溶液抗DLL3抗体または抗DLL3抗体の集団は標識される。抗体集団が使用される場合には、集団は、標的ポリペプチド内の異なるエピトープ特異性と結合する抗体を含有し得る。したがって、固相および溶液抗体の両方に同一集団が使用され得る。抗DLL3モノクローナル抗体が使用される場合には、固体および溶液相に対して、異なる結合特異性を有する第1および第2のDLL3モノクローナル抗体が使用される。固相(「捕捉」とも呼ばれる)および溶液(「検出」とも呼ばれる)抗体は標的抗原と、いずれかの順序でまたは同時に接触され得る。固相抗体が第1に接触される場合には、アッセイは、フォワードアッセイであると呼ばれる。逆に、溶液抗体が第1に接触される場合には、アッセイは、リバースアッセイであると呼ばれる。標的が両抗体に同時に接触される場合には、アッセイは、同時アッセイと呼ばれる。DLL3タンパク質を、抗DLL3抗体と接触させた後、サンプルは、普通、約10分~約24時間で変わる期間、普通、約1時間である期間の間インキュベートされる。次いで、洗浄ステップが実施されて、診断試薬として使用されている抗DLL3抗体に特異的に結合していないサンプルの構成成分が除去される。固相および溶液抗体が別個のステップで結合される場合には、洗浄は、いずれかまたは両方の結合ステップの後に実施されてもよい。洗浄後、結合は、通常、標識された溶液抗体の結合によって固相に連結された標識を検出することによって定量化される。普通、抗体または抗体の集団の所与の対および所与の反応条件について、既知濃度の標的抗原を含有するサンプルから較正曲線が準備される。試験されているサンプル中の免疫反応性DLL3タンパク質の濃度が次いで、較正曲線(すなわち、標準曲線)からの補間から読み取られる。解析物は、平衡で結合した標識された溶液抗体の量から、または平衡が到達される前の一連の時点での結合した標識された溶液抗体の動力学的測定によって測定され得る。このような曲線の傾斜は、サンプル中のDLL3タンパク質の濃度の尺度である。
上記の方法において使用するための適した支持体として、例えば、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレンおよび誘導体化ナイロンメンブレンならびにまたアガロースなどの粒子、デキストランベースゲル、尿試験紙、微粒子、ミクロスフェア、磁性粒子、試験管、マイクロタイターウェル、SEPHADEX(商標)(Amersham Pharmacia Biotech、ニュージャージー州、ピスカタウェイ)などが挙げられる。固定化は、吸収によってでも、共有結合的付着によってでもよい。抗DLL3抗体が、アビジンなどの表面に結合されたリンカーへの付着のためにビオチンなどのリンカー分子につながれてもよい。
いくつかの実施形態では、本開示は、診断薬にコンジュゲートされた本技術の抗DLL3抗体を提供する。診断薬は、放射性または非放射性標識、造影剤(例えば、磁気共鳴イメージング、コンピュータ断層撮影法または超音波のため)を含む場合があり、放射性標識は、ガンマ-、ベータ-、アルファ-、オージェ電子-、または陽電子-放射性同位元素であり得る。診断薬は、抗体部分、すなわち、抗体または抗体断片または部分断片にコンジュゲートされて投与される分子であり、抗原を含有する細胞の位置を決定することによって疾患の診断または検出において有用である。
有用な診断薬として、それだけには限らないが、放射性同位元素、色素(例えば、ビオチン-ストレプトアビジン複合体を用いる)、造影剤、蛍光化合物または分子および磁気共鳴イメージング(MRI)のための増強剤(例えば、常磁性イオン)が挙げられる。米国特許第6,331,175号には、MRI技術およびMRI増強剤にコンジュゲートされた抗体の調製が記載されており、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、診断薬は、放射性同位元素、磁気共鳴イメージングにおいて使用するための増強剤および蛍光化合物からなる群から選択される。抗体成分に放射性金属または常磁性イオンをロードするために、それを、イオンを結合するために複数のキレート基が付着される長いテールを有する試薬と反応させることが必要である場合がある。このようなテールは、ポリリジン、多糖またはキレート基、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ポルフィリン、ポリアミン、クラウンエーテル、ビスーチオセミカルバゾン、ポリオキシムおよびこの目的のために有用であることがわかっている同様の基などが結合され得るペンダント基を有する、その他の誘導体化されたもしくは誘導体化可能な鎖などのポリマーであり得る。キレートは、標準化学を使用して本技術の抗体にカップリングされ得る。キレートは、普通、免疫反応性の最小の喪失および最小の凝集および/または内部架橋で分子との結合の形成を可能にする基によって抗体に連結される。キレートを抗体とコンジュゲートするためのその他の方法および試薬は、米国特許第4,824,659号に開示されている。特に有用な金属-キレートの組合せは、放射性イメージングのために診断用同位元素とともに使用される、2-ベンジル-DTPAおよびそのモノメチルおよびシクロヘキシル類似体を含む。同一キレートは、マンガン、鉄およびガドリニウムなどの非放射性金属と複合体形成されると、本技術の抗DLL3抗体とともに使用される場合にMRIにとって有用である。
B.本技術の抗DLL3抗体の治療的使用
本技術の免疫グロブリン関連組成物(例えば、抗体またはその抗原結合断片)は、DLL3関連癌の処置にとって有用である。このような処置は、病的に高レベルのDLL3を有すると同定された患者(例えば、本明細書において記載される方法によって診断されたもの)において、またはこのような病的レベルと関連するとわかっている疾患を有すると診断された患者において使用され得る。一態様では、本開示は、それを必要とする対象においてDLL3関連癌を処置する方法であって、対象に、本技術の抗体(またはその抗原結合断片)の有効量を投与することを含む方法を提供する。本技術の抗体によって処置され得る癌の例として、それだけには限らないが、小細胞肺癌(SCLC)、大細胞神経内分泌癌(LCNEC)、肺神経内分泌細胞癌、肺外神経内分泌細胞癌、および黒色腫が挙げられる。
本技術の免疫グロブリン関連組成物は、DLL3関連癌の処置において有用なその他の治療薬とともに使用され得る。例えば、本技術の抗体は、少なくとも1種のさらなる治療薬と、別個に、逐次もしくは同時に投与され得るか、または少なくとも1種のさらなる治療薬にコンジュゲートされてもよく、少なくとも1種のさらなる治療薬は、海洋由来の化合物(例えば、ドラスタチン10、アウリスタチン、タシドチン、ドラスタチン15またはそのバリアント、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF))(Newman & Cragg, Mar Drugs.2017 Apr; 15(4): 99を参照のこと)、ビンカ剤、抗エストロゲン薬、アロマターゼ阻害剤、卵巣抑制剤、VEGF/VEGFR阻害剤、PARP阻害剤、細胞分裂停止性アルカロイド、細胞傷害性抗生物質、代謝拮抗剤、内分泌/ホルモン剤、ビスホスホネート療法剤、ターゲッティングされる生物学的療法剤(例えば、US6306832、WO2012007137、WO2005000889、WO2010096603などに記載される治療用ペプチド)、アルキル化剤、アルキルスルホン酸塩、アマニチン、アジリジン、エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine)、アセトジェニン、カンプトテシン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065、クリプトフィシン、ドラスタチン、デュオカルマイシン、エリュテロビン、パンクラティスタチン(pancratistatin)、サルコジクチン(sarcodictyin)、スポンギスタチン(spongistatin)、ナイトロジェンマスタード、抗生物質、エンジイン抗生物質、ジネミシン、ビスホスホネート、エスペラミシン、クロモプロテインエンジイン抗生物質(antiobiotic)クロモフォア、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス(ubenimex)、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン;代謝拮抗剤、葉酸類似体、プリン類似体、アンドロゲン、抗副腎ステロイド(anti-adrenal)、フロリニック酸(flolinic acid)のような葉酸補充剤(replenisher)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside)、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル(bestrabucil)、ビサントレン、エダトラキセート(edatraxate)、デフォファミン(defo famine)、デメコルチン、ジアジコン(diaziquone)、エフロルニチン(elfornithine)、酢酸エリプチニウルム(eliptinurm)、エポチロン、エトグルシド(etoglucid)、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン(lentinan)、ロニダミン(lonidainine)、メイタンシノイド、ミトグアゾン(mitoguazone)、ミトキサントロン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラクリン(nitraerine)、ペントスタチン、フェナメット(phenamet)、ピラルビシン、ロソキサントロン(losoxantrone)、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK(登録商標)ポリサッカライド複合体(JHS natural products、Eugene、OR)、ラゾキサン;リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecene)(特に、T-2トキシン、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジン(roridin)Aおよびアンギジン);ウレタン;ビンデシン;ベムラフェニブ;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、クロランブシル(chloranbucil);GEMZAR(登録商標)ゲンシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似体、ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ(xeloda);イバンドロネート(ibandronate);イリノテカン(Camptosar、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン;レチノイド;カペシタビン(capecitabine);コンブレタスタチン;ロイコボリン;オキサリプラチン;細胞増殖を低減するPKCアルファ、Raf、H-Ras、EGFRおよびVEGF-Aの阻害剤、および上記のいずれかの医薬上許容される塩、溶媒和物、酸または誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のさらなる治療薬は、化学療法薬である。特定の化学療法薬として、それだけには限らないが、シクロホスファミド、フルオロウラシル(または5-フルオロウラシルもしくは5-FU)、メトトレキサート、エダトレキサート(10-エチル-10-デアザ-アミノプテリン)、チオテパ、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン、パクリタキセル、タンパク質が結合されたパクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、ゲムシタビン、イリノテカン、イクサベピロン、テモゾルミド(temozolmide)、トポテカン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エリブリン、ムタマイシン(mutamycin)、カペシタビン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、リュープロリド、アバレリックス、ブセルリン(buserlin)、ゴセレリン、酢酸メゲストロール、リセドロネート、パミドロネート、イバンドロネート、アレンドロネート、デノスマブ、ゾレドロネート、トラスツズマブ、タイケルブ、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシンおよびドキソルビシン)、ベバシズマブ、オキサリプラチン、メルファラン、エトポシド、メクロレタミン、ブレオマイシン、微小管毒、バンレイシ科のアセトゲニン、アウリスタチン、メイタンシノイド、チュブリシン、カリチアマイシン、デュオカルマイシン、ベンゾジアゼピン、カンプトテシンまたはそれらの組合せが挙げられる。
他の適合する抗癌剤は、商業的または臨床的に利用可能な化合物を含み、例えばエルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Sanofi-Aventis)、5-FU(フルオロウラシル(fiuorouracil)、5-フルオロウラシル、CAS番号51-21-8)、PD-0325901(CAS番号391210-10-9、Pfizer)、シスプラチン(cis-ジアミンジクロロプラチナム(II)、CAS番号15663-27-1)、カルボプラチン(CAS番号41575-94-4)、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、テモゾロミド(4-メチル-5-オキソ 2,3,4,6,8-ペンタアザビシクロ [4.3.0]ノナ-2,7,9-トリエン-9-カルボキサミド、CAS番号85622-93-1、TEMODAR(登録商標)、TEMODAL(登録商標)、Schering Plough)、タモキシフェン((Z)-2-[4-(l,2-ジフェニルブタ-l-エニル)フェノキシ]-N,N-ジメチルエタンアミン、NOLVADEX(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標))、およびドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標))が挙げられる。さらなる商業的または臨床的に利用可能な抗癌剤は、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、スーテント(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、イマチニブメシル酸塩(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、XL-518(Mek阻害剤、Exelixis、WO2007/044515)、ARRY-886(Mek阻害剤、AZD6244、Array BioPharma、Astra Zeneca)、SF-1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ- 235(PI3K阻害剤、Novartis)、XL-147(PI3K阻害剤、Exelixis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、ロイコボリン(フォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SARAS AR(商標)、SCH 66336、Schering Plough)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、BAY43- 9006、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、CPT-11、Pfizer)、ティピファルニブ(ZARNESTRA(商標)、Johnson & Johnson)、ABRAXANE(商標)(クレモフォールフリー)、パクリタキセルのアルブミン操作したナノ粒子形成(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg、II)、バンデタニブ(rINN、ZD6474、ZACTIMA(登録商標)、AstraZeneca)、クロランブシル、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、Wyeth)、パゾパニブ(GlaxoSmithKline)、カンフォスファミド(TELCYTA(登録商標)、Telik)、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標)、NEOSAR(登録商標));ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));カペシタビン(XELODA(登録商標)、Roche)、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);タモキシフェンクエン酸塩、FARESTON(登録商標)(トレミフェン(toremifme)クエン酸塩)MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン; Pfizer)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール、AstraZeneca);ダブラフミブ(TAFINLAR(登録商標)、GlaxoSmithKline);ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);トラメチニブ(MEKINIST(登録商標)、GlaxoSmithKline);ニロチニブ(TASIGNA(登録商標)、Novartis)、トロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、VEGF発現阻害剤やHER2発現阻害剤などのリボザイム;ワクチン、PROLEUKIN(登録商標)rIL-2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ビノレルビンおよびエスペラマイシン、ならびに上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体を含む。
本技術の組成物は、単回ボーラスとしてそれを必要とする対象に投与されてもよい。あるいは、投薬計画は、腫瘍の出現後種々の時間で実施される複数回投与を含んでもよい。
投与は、経口で、鼻腔内に、非経口的に(静脈内に、筋肉内に、腹膜内にまたは皮下に)、直腸性に、頭蓋内に、腫瘍内に、くも膜下腔内に、または局所的にを含む任意の適した経路で実施され得る。投与は、自己投与および別のものによる投与を含む。記載されるような医学的状態の処置の種々の様式は、完全な処置だけでなく、完全未満の処置も含み、いくつかの生物学的にまたは医学的に関連する結果が達成される「実質的」なものを意味するものとすることも理解されたい。
いくつかの実施形態では、本技術の抗体は、1回または複数回用量でそれを必要とする対象に投与され得る医薬製剤を含む。投与計画は、所望の応答(例えば、治療的応答)を提供するように調整され得る。
通常、治療効果を達成するのに十分な本技術の抗体組成物の有効量は、約 0.000001mg/体重1キログラム/日~約10,000mg/体重1キログラム/日の範囲である。通常、投与量範囲は、約0.0001mg/体重1キログラム/日~約100mg/体重1キログラム/日である。抗DLL3抗体の投与については、投与量は、対象の体重の約0.0001~100mg/kg、より普通は、0.01~5mg/kg毎週、2週毎または3週毎の範囲である。例えば、投与量は、1mg/体重1kgまたは10mg/体重1kg毎週、2週毎もしくは3週毎または1~10mg/kg毎週、2週毎もしくは3週毎の範囲内であり得る。一実施形態では、抗体の単回投与量は、0.1~10,000マイクログラム/体重1kgの範囲である。一実施形態では、担体中の抗体濃度は、送達されるミリリットルあたり0.2~2000マイクログラムの範囲である。例示的処置投与計画は、2週に1回または1カ月に1回または3~6カ月毎に1回の投与を伴う。抗DLL3抗体は、複数回投与され得る。単回投与量の間の間隔は、毎時、毎日、毎週、毎月または毎年であり得る。間隔は、対象における抗体の血液レベルを測定することによって示されるので、不定期である場合もある。いくつかの方法では、投与量は、約75μg/mL~約125μg/mL、100μg/mL~約150μg/mL、約125μg/mL~約175μg/mLまたは約150μg/mL~約200μg/mLの対象における血清抗体濃度を達成するように調整される。あるいは、抗DLL3抗体は、徐放製剤として投与されることがあり、この場合には、あまり頻繁ではない投与が必要とされる。投与量および頻度は、対象における抗体の半減期に応じて変わる。投与の投与量および頻度は、処置が予防的であるか治療的であるかに応じて変わる。予防的適用では、比較的低い投与量が、比較的頻繁ではない間隔で長期間にわたって投与される。治療的適用では、疾患の進行が低減もしくは終結されるまで、または対象が、疾患の症状の部分的もしくは完全寛解を示すまで、比較的短い間隔での比較的高い投与量が時には必要とされる。その後、患者は、予防的投与計画を投与され得る。
別の態様では、本開示は、in vivoで対象において腫瘍を検出する方法であって、(a)対象に本技術の抗体(またはその抗原結合断片)の有効量を投与する工程であって、抗体は、DLL3を発現する腫瘍に局在するように構成されており、放射性同位元素を用いて標識されている工程と、(b)参照値よりも高い抗体によって放射された放射性レベルを検出することによって、対象における腫瘍の存在を検出する工程とを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、参照値は、1グラムあたりの注入された用量(%ID/g)として表される。参照値は、非腫瘍(正常)組織中に存在する放射性レベルを測定することおよび非腫瘍(正常)組織中に存在する平均放射性レベル±標準偏差をコンピュータによって計算することによって算出され得る。いくつかの実施形態では、腫瘍および正常組織間の放射性レベルの比は、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1または100:1である。
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有すると診断されている、または癌を有すると疑われている。抗体によって放射される放射性レベルは、陽電子放射型断層撮影または単一光子放出型コンピュータ断層撮影を使用して検出され得る。
さらにまたはあるいは、いくつかの実施形態では、方法は、対象に、放射性核種にコンジュゲートされた本技術の抗体を含むイムノコンジュゲートの有効量を投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、放射性核種は、アルファ粒子放射性同位元素、ベータ粒子放射性同位元素、オージェ放射体またはそれらの任意の組合せである。ベータ粒子放射性同位元素の例として、86Y、90Y、89Sr、165Dy、186Re、188Re、177Luおよび67Cuが挙げられる。アルファ粒子放射性同位元素の例として、213Bi、211At、225Ac、152Dy、212Bi、223Ra、219Rn、215Po、211Bi、221Fr、217Atおよび255Fmが挙げられる。オージェ放射体の例として、111In、67Ga、51Cr、58Co、99mTc、103mRh、195mPt、119Sb、161Ho、189mOs、192Ir、201Tlおよび203Pbが挙げられる。方法のいくつかの実施形態では、正常組織における非特異的FcR依存性結合が排除または低減される(例えば、非グリコシル化をもたらすFc領域におけるN297A突然変異によって)。このようなイムノコンジュゲートの治療有効性は、曲線下面積(AUC)腫瘍:AUC正常組織比をコンピュータによって計算することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1または100:1のAUC腫瘍:AUC正常組織比を有する。
毒性。最適には、本明細書において記載される抗DLL3抗体の有効量(例えば、用量)は、対象に実質的な毒性を引き起こすことなく治療的利益を提供する。本明細書において記載される抗DLL3抗体の毒性は、細胞培養または実験動物における標準製薬手順によって、例えば、LD50(集団の50%に対する致死用量)またはLD100(集団の100%に対する致死用量)を決定することによって決定され得る。毒性および治療効果の間の用量比が治療係数である。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータが、ヒトにおいて使用するための毒性ではない投与量範囲の策定において使用され得る。本明細書において記載される抗DLL3抗体の投与量は、毒性がほとんどまたは全くない有効用量を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、使用される投与形および利用される投与経路に従ってこの範囲内で変わり得る。正確な処方、投与経路、および投与量は、対象の状態を鑑みて個々の医師によって選択され得る。例えば、Fingl et al., In: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ch. 1 (1975)を参照のこと。
医薬組成物の製剤化。本技術の方法に従って、抗DLL3抗体は、投与に適した医薬組成物に組み込まれ得る。医薬組成物は、一般に、組換えまたは実質的に精製された抗体および医薬上許容される担体を、対象への投与に適した形態で含む。医薬上許容される担体は、投与される個々の組成物の一部において、ならびに組成物を投与するために使用される個々の方法によって決定される。したがって、抗体組成物を投与するための医薬組成物のさまざまな適した製剤化がある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA 18th ed., 1990を参照のこと)。医薬組成物は、一般に、無菌で、実質的に等張性として、米国食品医薬品局のすべての適正製造基準(GMP)規制に完全準拠して製剤化される。
用語「医薬上許容される」、「生理学的に許容される」およびそれらの文法的変形は、それらが、組成物、担体、希釈剤および試薬を指す場合、同義的に使用され、材料が組成物の投与を妨げる程度に、望ましくない生理学的効果をもたらすことなく、対象に投与可能であることを表す。例えば、「医薬上許容される賦形剤」とは、一般に、安全な、非毒性の、望ましい医薬組成物の調製において有用である賦形剤を意味し、獣医学的使用に、ならびにヒト医薬的使用に許容される賦形剤を含む。このような賦形剤は、固体、液体、半固体、またはエアゾール組成物の場合には気体であり得る。「医薬上許容される塩およびエステル」とは、医薬上許容される、所望の薬理学的特性を有する塩およびエステルを意味する。このような塩として、組成物中に存在する酸性プロトンが、無機または有機塩基と反応可能である場合に形成され得る塩が挙げられる。適した無機塩として、アルカリ金属、例えば、ナトリウムおよびカリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアルミニウムと形成されたものが挙げられる。適した有機塩として、アミン塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどといった有機塩基と形成されたものが挙げられる。このような塩としてまた、無機酸(例えば、塩酸および臭化水素酸)および有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸およびアルカン-およびアレン-スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸)と形成された酸付加塩が挙げられる。医薬上許容されるエステルとして、抗DLL3抗体中に存在するカルボキシ、スルホニルオキシおよびホスホンオキシ基から形成されたエステル、例えば、C1-6 アルキルエステルが挙げられる。2つの酸性基が存在する場合には、医薬上許容される塩またはエステルは、モノ-酸-モノ-塩またはエステルまたはジ-塩またはエステルである場合があり、同様に、2つ以上の酸性基が存在する場合には、このような基のうちいくつかまたはすべてが塩化またはエステル化され得る。この技術において名付けられた抗DLL3抗体は、非塩化もしくは非エステル化形態で、または塩化および/もしくはエステル化形態で存在する可能性があり、このような抗DLL3抗体の命名は、元の(非塩化および非エステル化)化合物およびその医薬上許容される塩およびエステルの両方を含むように意図される。また、本技術の特定の実施形態は、2つ以上の立体異性形で存在する可能性があり、このような抗DLL3抗体の命名は、このような立体異性体のすべての単一立体異性体およびすべての混合物(ラセミか否かに関わらず)を含むように意図される。当業者ならば、特定の薬物および本技術の組成物の投与の適当なタイミング、順序および投与量を決定するのに困難はないであろう。
このような担体または希釈剤の例として、それだけには限らないが、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソームおよび硬化油などの非水性ビヒクルも使用され得る。医薬上活性な物質のためのこのような媒体および化合物の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来媒体または化合物が、抗DLL3抗体不適合である場合を除いて、組成物におけるその使用が考慮される。補足的活性化合物も組成物中に組み込まれる。
本技術の医薬組成物は、その意図される投与経路と適合するように製剤化される。本技術の抗DLL3抗体組成物は、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、くも膜下腔内、腹腔内、鼻腔内または筋肉内経路によって、または吸入剤として投与され得る。抗DLL3抗体は、種々のDLL3関連癌の処置において少なくとも部分的に有効であるその他の物質と組み合わせて投与されてもよい。
非経口、皮内または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液として、以下の構成成分を挙げることができる:注射水、生理食塩水溶液、硬化油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌化合物、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化物質、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート化化合物、酢酸、クエン酸またはリン酸などのバッファーおよび塩化ナトリウムまたはデキストロースなおの張力の調整のための化合物。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を用いて調整され得る。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジまたは複数可用量バイアルに封入され得る。
注射用使用に適した医薬組成物として、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散物および滅菌注射用溶液または分散物の即時調製のための滅菌散剤が挙げられる。静脈内投与のために、適した担体として、生理食塩水、静菌性水、Cremophor EL(商標)(BASF、ニュージャージー州、パーシッパニー)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。すべての場合において、組成物は、無菌でなくてはならず、容易な注射性(syringeability)が存在する程度に流動性でなくてはならない。製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適した混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散物の場合には必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌薬および抗真菌薬化合物、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張性化合物、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを含むことが望ましい。注射用組成物の吸収延長は、組成物中に吸収を遅延する化合物、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによってもたらされ得る。
滅菌注射用溶液は、本技術の抗DLL3抗体を、必要に応じて、上記で列挙された成分のうち1種または組合せとともに、適当な溶媒中に必要な量で組み込むことと、それに続く、濾過滅菌によって調製され得る。一般に、分散物は、抗DLL3抗体を、基本分散媒および上記で列挙されたものから必要なその他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌散剤の場合には、調製する方法は、事前に滅菌濾過されたその溶液から、有効成分および任意のさらなる所望の成分の散剤が得られる真空乾燥および凍結乾燥である。本技術の抗体は、有効成分の持続性または拍動性放出を可能にするような方法で製剤化され得る、デポー注射液または留置調製物の形態で投与され得る。
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。それらは、ゼラチンカプセル中に封入されてもよく、錠剤に打錠されてもよい。経口治療的投与目的で、抗DLL3抗体は、賦形剤とともに組み込まれ、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用されてもよい。経口組成物はまた、マウスウォッシュとして使用するために流体担体を使用して調製されてもよく、流体担体中の化合物は経口的に適用され、素早く動かされ(swish)、吐出されるか飲み込まれる。医薬上適合する結合化合物および/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または同様の性質の化合物のうちいずれも含有し得る:微晶質セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤、デンプンまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogelまたはコーンスターチなどの崩壊化合物、ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの滑沢剤、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤、スクロースまたはサッカリンなどの甘味化合物またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバーなどの矯味化合物。
吸入による投与のために、抗DLL3抗体は、適した噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含有する加圧容器もしくはディスペンサーまたは噴霧器からエアゾールスプレーの形態で送達される。
全身投与は、経粘膜または経皮手段によるものであり得る。経粘膜または経皮投与のために、製剤中で浸透されるべき障壁に適当な浸透剤が使用される。このような浸透剤は、一般に、当技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与のための、洗浄剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻腔スプレーまたは坐剤の使用によって達成され得る。経皮投与のためには、抗DLL3抗体は、当技術分野で一般に知られるような、軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルまたはクリーム中に製剤化される。
抗DLL3抗体はまた、坐剤(例えば、ココアバターおよびその他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて)または直腸送達のための保留浣腸の形態で医薬組成物として調製され得る。
一実施形態では、抗DLL3抗体は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む放出制御製剤などの抗DLL3抗体を身体からの迅速な排出から保護する担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかとなろう。材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals、Incから商業的に得ることができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)も、医薬上許容される担体として使用され得る。これらは、当業者に公知の、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような方法に従って調製され得る。
C.キット
本技術は、DLL3関連癌の検出および/または処置のためのキットであって、本技術の少なくとも1種の免疫グロブリン関連組成物(例えば、本明細書に記載される任意の抗体または抗原結合断片)またはその機能的バリアント(例えば、置換バリアント)を含むキットを提供する。本技術のキットの上記の構成成分は、DLL3関連癌の診断および/または処置のために、適した容器に詰められ、ラベルが付けられてもよい。上記の構成成分は、水性の、好ましくは、無菌の溶液として、または復元のための凍結乾燥された、好ましくは、無菌の製剤として、単位または複数回用量容器、例えば、密閉されたアンプル、バイアル、ボトル、シリンジおよび試験管中で貯蔵され得る。キットは、医薬組成物をより大きな容量にするために希釈するのに適した希釈剤を保持する第2の容器をさらに含み得る。適した希釈剤として、それだけには限らないが、医薬組成物の医薬上許容される賦形剤および生理食塩水溶液が挙げられる。さらに、キットは、医薬組成物を希釈するための説明書および/または希釈されるか否かに関わらず、医薬組成物を投与するための説明書を含み得る。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成されてもよく、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺され得るストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。キットは、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液などの医薬上許容されるバッファーを含むより多くの容器をさらに含み得る。その他のバッファー、希釈剤、フィルター、ニードル、シリンジ、適した宿主のうち1種または複数のための培養培地を含む、商業的およびユーザー観点から望ましいその他の材料をさらに含み得る。キットは、治療薬または診断薬の市販のパッケージ中に習慣的に含まれる説明書を含んでもよく、これは、このような治療薬または診断薬の、例えば、適応症、用法、投与量、製造、投与、禁忌症に関する情報および/または使用に関わる警告を含有する。
キットは、生物学的サンプル、例えば、それだけには限らないが、例えば、血清、血漿、リンパ、嚢胞液、尿、便、脳脊髄液、腹水または血液を含む、および身体組織の生検サンプルを含む任意の体液における免疫反応性DLL3の存在を検出するのに有用である。例えば、キットは、生物学的サンプル中のDLL3と結合可能な1種または複数の本技術のヒト化、キメラまたは二重特異性抗DLL3抗体(またはその抗原結合断片)、サンプル中のDLL3の量を決定する手段およびサンプル中の免疫反応性DLL3の量を標準と比較する手段を含み得る。抗DLL3抗体の1種または複数は標識され得る。キット構成成分(例えば、試薬)は、適した容器中に詰められ得る。キットは、免疫反応性DLL3を検出するためのキットを使用するための説明書をさらに含み得る。
抗体ベースのキットについては、キットは、例えば、1)第1の抗体、例えば、DLL3ポリペプチドと結合する、固相支持体に付着された、本技術のヒト化、キメラ、または二重特異性抗DLL3抗体(またはその抗原結合断片)と、任意に、2)DLL3ポリペプチドまたは第1の抗体のいずれかと結合し、検出可能な標識にコンジュゲートされている第2の異なる抗体とを含み得る。
キットはまた、例えば、緩衝剤、防腐剤またはタンパク質安定化剤を含み得る。キットは、検出可能な標識を検出するのに必要な構成成分、例えば、酵素または基質をさらに含み得る。キットはまた、アッセイされ、試験サンプルと比較され得る、対照サンプルまたは一連の対照サンプルを含有し得る。キットの各成分は、個々の容器内に封入されてもよく、種々の容器のすべては、キットを使用して実施されるアッセイの結果を解釈するための説明書とともに単一パッケージ内にあり得る。本技術のキットは、キット容器上または中に書面の製品を含有し得る。書面の製品には、それを必要とする対象におけるDLL3関連癌の処置のための、例えば、in vitroまたはin vivoでDLL3ポリペプチドの検出のための、キット中に含有される試薬の使用方法が記載されている。特定の実施形態では、試薬の使用は、本技術の方法に従い得る。
本技術は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これは決して制限と解釈されてはならない。以下の実施例は、本技術の例示的抗DLL3抗体の調製、特性決定および使用を実証する。
(実施例1)
モノクローナル抗体の作製
全長のDLL3を安定的に発現しているHEK293T細胞で産生された、C末端6×Hisタグを有する、アミノ酸Ala27-Ala479に対応するDLL3の細胞外ドメイン(ECD)(GenBank受入番号Q9NY J7-1)を免疫原として使用した。ヒト免疫グロブリンのレパートリーを有するAblexis AlivaMAb Kappaマウス(Ablexis、San Diego、CA)に、標準的な免疫技術に従って、可溶性DLL3-ECDまたは安定した細胞のいずれかを用いて3週間にわたって免疫した。DLL3に特異的な高い血清力価を持つマウスの脾臓細胞および流入領域リンパ節細胞を採取し、マウスの骨髄腫細胞と融合させ、電気融合法を使用してハイブリドーマを作製した。次いで、これらのハイブリドーマをスクリーニングし、ELISAによって可溶性DLL3-ECDに特異的に結合する抗体の存在を確認し、フローサイトメトリーによって安定的に発現している293細胞上の全長のDLL3タンパク質を親の293細胞と比較して確認した。ハイブリドーマを、以下に記載するように、4℃/37℃染色とともに293 DLL3トランスフェクタント上の染色強度をフローサイトメトリーでランク付けすることにより、さらなる調査のために選択した。
(実施例2)
モノクローナル抗体6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、10-O18-Aを用いた4/37内部移行アッセイ
4種類のモノクローナル抗体(6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、10-O18-A)について、4℃での染色と37℃での染色を比較し、DLL3を内部移行させる能力を比較した。DLL3を介して内部移行し、ADC活性を有することが知られており、文献でも以前に報告されている参照モノクローナル抗体SC16を内部移行の陽性対照として使用した。指数関数的に増殖しているNCI-H82細胞をトリプシン/EDTAで採取し、10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMIで1回洗浄した後、10%FCSを添加したDMEMに2×107細胞/mlで再懸濁した。100μl(2×106細胞)をU底96ウェルプレートに添加した。試験用モノクローナル抗体(6-G23-F、2-C8-A、7-I1-Bまたは10-O18-A)または参照モノクローナル抗体を、最終濃度が10μg/mlになるように別々のウェルに添加し、2枚のプレートに入れた。両プレートを4℃で30分間保持した後、10%FCSを添加した冷却したRPMIで2回洗浄し、10%FCSを添加したRPMIで再懸濁した。一方のプレートを4℃で保持し(対照プレート)、もう一方のプレートをCO2インキュベーター内で、37℃でインキュベートした(実験プレート)。実験プレートはCO2インキュベーター内で37℃、対照プレートは4℃で4時間インキュベートした後、細胞を冷却した洗浄緩衝液(0.5%BSAを含むPBS)で、4℃で3回洗浄した。次いで、サンプルを冷却した洗浄緩衝液+R-Phycoerythrin-AffiniPure F(ab’)2 Fragment Goat Anti-Mouse IgG (Jackson 115-116-071)に、洗浄緩衝液中7μg/mlの最終濃度で再懸濁した。4℃で30分インキュベートした後、細胞を冷却した洗浄緩衝液で3回洗浄し、いずれかをPBS中の0.5%パラホルムアルデヒドで固定し、48時間以内にフローサイトメトリーで分析した。対照プレート(4℃で抗体とインキュベートしたもの)から得られたMFIを、実験プレート(37℃で抗体とインキュベートしたもの)から得られた対応するMFIで除して算出した平均蛍光強度(MFI)比を、内部移行の相対的な尺度とした。値が高いほど、内部移行が進んでいることを示す。下記の表に示すように、すべてのモノクローナル抗体(6-G23-F、2-C8-A、7-I1-Bおよび10-O18-A)は、DLL3を結合すると内部移行することができたが、参照モノクローナル抗体の程度には及ばなかった。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物がDLL3への結合を介して内部移行を受けることを実証している。したがって、本明細書において開示される免疫グロブリン関連組成物は、治療薬をDLL3陽性の癌細胞に送達するのに有用である。
(実施例3)
モノクローナル抗体6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、10-O18-Aのためのクエンチング内部移行アッセイ(Quenching Internalization Assay)
内部移行に関してモノクローナル抗体をランク付けするために、クエンチング内部移行アッセイを使用した。この方法は、内部移行とエンドソーム/リソソーム経路への進入を反映する。ヤギ抗マウスIgG1 F(ab)(Jackson Immunoresearch 115-007-185)を、Dy light Dy650 NHSエステル(Thermofisher 02206)とLICOR IRDye QC1 NHSエステル(LICOR 929-7030)で二重標識した(この二重標識抗体を本明細書では「F(ab) Dy650-QC1」と呼ぶ)。このアッセイの原理は以下の通りである。F(ab) Dy650-QC1は、IRDye QC1によってDy lightDy650の蛍光が消光されるため、蛍光を発しない。しかし、内部移行すると、F(ab)Dy650-QC1はエンドソーム/リソソーム経路で分解され、その結果、IRDye QC1が放出されてDy light Dy650の蛍光が観察できるようになる。したがって、Dy light Dy650の蛍光シグナルを、リソソームを経由した内部移行の尺度とした。簡単に述べると、指数関数的に増殖しているNCI-H82細胞をトリプシン/EDTAで採取し、10%FCSをを添加した増殖培地RPMIで1回洗浄し、増殖培地に再懸濁し、1.25×10
6細胞(80μl)を1ウェルあたり添加した。200μg/mlの濃度のモノクローナルDLL3抗体を、200μg/mlのヤギ抗マウスIgG1 Dy650 QC1と室温で20分間混合し、その混合液20μlを細胞に添加した。4℃で30分インキュベートした後、細胞を増殖培地で2回洗浄し、増殖培地に再懸濁し、37℃のCO
2インキュベーターに4時間移して内部移行させた。その後、細胞を0.5%BSAを含む氷冷したPBSで2回洗浄し、フローサイトメトリーで分析し、平均蛍光強度を求めた。対照の参照モノクローナルの平均蛍光強度を100%の内部移行に設定した。下記の表に示すように、4つのモノクローナル抗体はすべて内部移行し、エンドソーム/リソソーム経路に進入することが実証された。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物がDLL3への結合を介して内部移行を受け、細胞のファゴソーム/リソソームコンパートメントに進入することを実証している。したがって、本明細書において開示される免疫グロブリン関連組成物は、治療薬をDLL3陽性の癌細胞に送達するのに有用である。
(実施例4)
抗DLL3モノクローナル抗体のパネルに対するFab ZAPアッセイ
内部移行を測定する別の方法として、Fab ZAPアッセイを使用した。Fab ZAPアッセイは、抗DLL3モノクローナル抗体の内部移行を介した細胞への毒素の送達を測定する。Fab ZAPアッセイでは、サポリン毒素をコンジュゲートさせたF(ab)抗マウス重鎖および軽鎖を使用して、モノクローナル抗体に毒素をタグ付けする。Advanced Targeting Systemsのキットを使用し、Fab ZAPアッセイのプロトコルに従って、抗DLL3モノクローナル抗体のパネルの特性決定をした。簡単に述べると、指数関数的に増殖しているNCI-H82細胞をトリプシン/EDTAで採取し、10%FCSを添加したRMPIで1回洗浄し、10%FCSを添加した100μlのRPMIで96ウェルの白色固体プレートに5000細胞/ウェルでプレーティングした。翌日、25μlの精製モノクローナル抗体(G23-F、2-C8-A、7-I1-Bまたは10-O18-A)または参照モノクローナル抗体を、10μg/mlの開始濃度で添加し、連続した3倍希釈を行った。サポニンをコンジュゲートさせたF(ab)抗マウスIg HL(Fab ZAP)を25μlに添加し、最終濃度を4.4nMとした。3~4日後に同量のCell Titre Glow(Promega G7571)をプレートに加え、オービタルシェーカーで2分間振とうし、さらに室温で10分後にプレートリーダーを使用して発光を読み取った。プロゾーン効果を否定するために、すべてのモノクローナル抗体を全用量滴定して試験した。図1および下記の表に示すように、すべてのモノクローナル抗体は、参照モノクローナル抗体と同等の細胞傷害活性を示した。また、これらのモノクローナル抗体を用いた他の実験では、マウスIgG1対照モノクローナル抗体は細胞傷害活性を示さなかった。したがって、これらの結果は、細胞傷害活性がFcRを介してではなく、DLL3の認識を介して媒介されることを実証している。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物が、細胞表面にDLL3を発現している腫瘍に治療薬を送達できることを実証している。したがって、本明細書において開示される免疫グロブリン関連組成物は、治療薬をDLL3陽性の癌細胞に送達するのに有用である。
(実施例5)
抗DLL3モノクローナル抗体のパネルのエピトープビンニング
精製した抗DLL3モノクローナル抗体のパネルと参照モノクローナル抗体を、Carterra(登録商標)アレイ表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイプラットフォーム( Carterra(登録商標)Inc.、Salt Lake City UT)上でペアワイズエピトープビンニングに付し、各モノクローナル抗体のヒスチジンタグ付きDLL3抗原(DLL3-His)の捕捉について、また、パネル内の他のすべての抗体とのDLL3-Hisへの結合についての競合について試験した。抗体は、プリントアレイ法により、標準的なアミンカップリング技術を用いてHC200Mチップ(リガンド)に固定化された。次いで、各サイクルにおいて、アレイ全体に抗原を注入し、続いて単一の抗体(分析物)を注入した。各サイクルの終わりに、表面を再生して抗原と分析物を除去した後、新しいサイクルを開始した。下記の表に示すように、このパネルでは3つの異なるビンが確認され、7-I1-Bと2-C8-Aはビン2に、6-G23-Fはビン3に、10-O18-Aはビン1にマッピングされた。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物がDLL3タンパク質に存在する3つの別個のエピトープに結合することを実証している。したがって、本明細書において開示される免疫グロブリン関連組成物は、DLL3を発現している腫瘍細胞に複数の治療薬を送達するために、互いに組み合わせて使用され得る。
(実施例6)
親和性測定
4種類のモノクローナル抗体(6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、および10-O18-A)の結合親和性を、Octet HTX装置を使用して、結合緩衝液として0.1% BSA、0.02% Tween20のPBS、再生緩衝液として10mM Glycine、pH1.7を使用して、25℃でバイオレイヤー干渉法(BLI)により求めた。精製した4種類のモノクローナル抗体(各5μg/mL)を抗マウスFcセンサーにロードした。ロードしたセンサーを、200nMの開始濃度のRecombinant Human DLL3 Protein(アミノ酸Ala27-Ala479、カタログ番号9749-DL、R&D Systems)の連続希釈液に浸し、1:3の希釈を7回繰り返した。図2A~2Dに示すように、結合は濃度依存的であった。解離定数(KD)は、一価(1:1)の結合モデルを使用して算出した。図2Eに示すように、すべてのモノクローナル抗体は、サブナノモルの範囲の親和性を有していた。図7は、6-G23-F、10-O18-A、および2-C8-Aのモノクローナル抗体(mAb)が、DLL1またはDLL4ではなく、DLL3と選択的に結合することを示す図である。7-I1-B mAbは、DLL3とDLL4の両方に結合するが、DLL1には結合しない。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物が高い親和性でDLL3と特異的に結合することを実証している。したがって、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、生物学的サンプル中のDLL3タンパク質を検出する方法に有用である。
(実施例7)
モノクローナル抗体のトランスフェクション細胞および初代細胞への結合
4種類のモノクローナル抗体(6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、および10-O18-A)について、フローサイトメトリーにより、マウスおよびカニクイザルのDLL3、ならびに内因性のヒトDLL3に結合する能力を調べた。この目的のために、HEK293細胞に、全長のヒト、マウスまたはカニクイザルDLL3をコードするプラスミドDNAをトランスフェクトし、実験に使用した。簡単に述べると、106個のトランスフェクトされたHEK293細胞またはNCI-H82初代細胞を、FACS緩衝液0.5%BSAのPBSで96ウェルU底プレートのウェルに添加し、精製モノクローナルを10μg/mlになるように添加した。4℃で30分インキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で3回洗浄し、PEで標識したF(ab)2抗マウスIgG HおよびL第2ステージとインキュベートした。さらに4℃で30分インキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で3回洗浄し、フローサイトメーターで分析した。データは、モノクローナルの平均蛍光強度を第2ステージのバックグラウンド染色で除した比率で示す。下記の表に示すように、すべてのモノクローナル抗体はカニクイザルのDLL3と交差反応し、NCI H82細胞上の内因性DLL3を検出したが、6-G23-Fと7-I1-BのみがマウスのDLL3と結合した。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物は、生物学的サンプル中のDLL3タンパク質を検出する方法に有用であることを実証している。
(実施例8)
配列決定
7-I1-B、 6-G23-F、2-C8-A、10-O18-Aの対応するハイブリドーマから、4種類のモノクローナル抗体の可変重鎖と可変軽鎖をRACE(Rapid amplification of cDNA ends)により単離した。RNAEasyキット(Qiagen)を用いて、溶解したハイブリドーマからRNAを作製した。このmRNAをcDNA合成のために単離し、RACEキットを用いてPCR産物を生成した。次いでPCR産物をTOPOベクターにクローニングし、PCR増幅した後、ゲル分離して塩基配列を決定した。重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、下記の表および図3A~3D(7-I1-B)、図4A~4D(2-C8-A)、図5A~5D(10-O18-A)および図6A~6D(6-G23-F)に示す。
(実施例9)
NCI-H209異種移植の処置
この研究には、8週齢の雌の胸腺欠損ヌードマウスを使用する。NCI-H209腫瘍細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMIで中期対数期まで増殖させる。細胞を、組織培養フラスコを用いて、5%のCO2と95%の空気雰囲気中37℃の加湿インキュベーター内で培養する。マウスの右脇腹に、50%マトリゲル中に5×106個のNCI-H209腫瘍細胞を、全容量0.2mlで皮下に移植する。接種から8日後、腫瘍の平均腫瘍体積が約150mm3に達した時点で、マウスを無作為にグループ分けする。8日目、12日目、および15日目に、陰性対照としてヒトIgG1(1または10mg/kg;n=5~15マウス)、または6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、10-O18-Aの1つもしくは複数の抗体-薬物コンジュゲート(1または10mg/kg;n=5~15マウス)のいずれかを腹腔内注射を介してマウスに注射する。腫瘍の成長を測定する。
6-G23-F、2-C8-A、7-I1-Bおよび10-O18-Aの抗体-薬物コンジュゲートを、文献で公知の方法を使用して調製する。いくつかの方法は、本明細書の実施例3~4に開示されている。1つまたは複数のタンパク質毒素(例えば、サポリン毒素、シュードモナス外毒素、ジフテリア毒素)、放射性核種、アントラサイクリン、微小管阻害剤、有糸分裂阻害剤、DNA損傷剤、ヌクレオチド類似体、アミノ酸類似体、ビタミン類似体を、6-G23-F、2-C8-A、7-I1-B、10-O18-Aとコンジュゲートさせて、それぞれ6-G23-F-ADC、2-C8-A-ADC、7-I1-B-ADC、10-O18-A-ADCを作製する。この研究には、8週齢の雌の胸腺欠損ヌードマウスを使用する。NCI-H209腫瘍細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMIで中期対数期まで増殖させる。細胞を、組織培養フラスコを用いて、5%のCO2と95%の空気雰囲気中37℃の加湿インキュベーター内で培養する。マウスの右脇腹に、50%マトリゲル中に5×106個のNCI-H209腫瘍細胞を、全容量0.2mlで皮下に移植する。接種から8日後、腫瘍の平均腫瘍体積が約150mm3に達した時点で、マウスを無作為にグループ分けする。8日目、12日目、15日目に、陰性対照としてヒトIgG1-ADC(0.11または1mg/kg;n=5~15マウス)、または1つまたは複数の6-G23-F-ADC、2-C8-A-ADC、7-I1-B-ADC、または10-O18-A-ADC(0.1または1mg/kg;n=5~15マウス)のいずれかを腹腔内注射を介してマウスに注射する。腫瘍の成長を測定する。
これらの結果は、本技術の免疫グロブリン関連組成物が、DLL3関連癌(例えば、小細胞肺癌、大細胞神経内分泌癌、肺神経内分泌細胞癌、肺外神経内分泌細胞癌、または黒色腫)に罹患している対象を処置する方法において有用であることを実証するだろう。
均等物
本技術は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるべきではなく、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される。当業者には明らかなように、本技術の多くの改変および変法は、その趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本技術の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような改変および変法は、本技術の範囲内にあることが意図される。この本技術は、特定の方法、試薬、化合物組成または生物学的システムに限定されず、これらはもちろん変わり得ることは理解されなければならない。また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明することを目的としており、限定されることを意図するものではないことも理解されるべきである。
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループの観点から説明される場合、当業者は、開示がまた、マーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点から説明されることを認識するであろう。
当業者によって理解されるように、特に書面による説明を提供するという観点から、ありとあらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲は、ありとあらゆるあり得る部分範囲およびその部分範囲の組合せも包含する。列挙された範囲は、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解して十分に説明し、有効にするものとして簡単に認識できる。限定されない例として、本明細書で論じられる各範囲は、下位3分の1、中3分の1、および上位3分の1などに容易に分解できる。また、当業者によって理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などのすべての言語は、列挙された数を含み、上記で論じたような部分範囲にその後分解され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個のセルを有するグループは、1個、2個、または3個のセルを持つグループを指す。同様に、1~5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5個のセルを有するグループなどを指す。
本明細書で参照されるまたは引用されるすべての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、本明細書の明示的な教示と矛盾しない範囲で、すべての図および表を含む、全文が参照により組み込まれる。