JP7664152B2 - 原子力発電プラント - Google Patents
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Description
従来、原子力発電プラントは、定格熱出力一定運転を行うことで、ほぼ一定量の電気を安定して供給する役割を担っていた。
しかし、今後、天候に大きく左右されるために発電量が不安定な、再生可能エネルギーの量の増加に伴い、電力需要や再生可能エネルギーの変動等に起因する系統からの電力要求(系統要求)に対応して、電気出力を柔軟に変化させる負荷追従運転への対応ニーズが高まることが予想される。
このような系統要求に対しては、発電用タービンに流れ込む蒸気量を瞬間的に増加させることで、発電量を向上させる方法が必要となる。具体的には、復水器で凝縮された後の低温の給水を加温するために給水ライン上に設置される給水加熱器への抽気蒸気量を一時的に絞り、タービンへの流入蒸気量を増加させる。このような運転方法を、抽気絞り運転(CT)と呼ぶ。
しかしながら、CTで制御可能な出力上昇範囲は、給水加熱器への抽気蒸気量分のみであり、これ以上の負荷変更要求に対する出力上昇手段がなかった。
そして、本発明の原子力発電プラントは、発電機の出力が一定で運転される第1運転モード、発電機の出力が負荷に追従するように調整されて運転される第2運転モード、発電機の出力が一定で運転される第3運転モード、の3つの運転モードを持ち、3つの運転モードからいずれか1つの運転モードが選択されて、運転が実行される。
また、本発明の原子力発電プラントは、第2運転モードでは、抽気弁の弁開度が第1運転モードにおける抽気弁の弁開度よりも小さく、制御部の制御により、発電機の出力が負荷に追従するように、抽気弁の弁開度が調整され、第3運転モードでは、制御部の制御により、第1運転モードと比較して、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされる。
第3運転モードでは、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされるので、第3運転モードから第2運転モードに移行させれば、第1運転モードから移行させる場合と比較して、抽気弁の弁開度の制御幅を大きくできる。
これにより、需要側からの負荷追従指令(出力上昇)に対して、給水加熱器を加熱するための抽気蒸気を瞬間的に減少させてタービン仕事量(発電機出力)を増加させる抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。
即ち、本発明の原子力発電プラントは、抽気ラインの流量を調整する抽気弁の弁開度を制御することにより、抽気絞り運転(CT)を実行することが可能となる構成である。
また、本発明の原子力発電プラントは、第2運転モードでは、制御部の制御により、発電機の出力が負荷に追従するように、抽気弁の弁開度が調整され、第3運転モードでは、制御部の制御により、第1運転モードと比較して、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされる。
即ち、本発明の原子力発電プラントは、従来の抽気絞り運転(CT)を実行する原子力発電プラントで実行される運転モードと同様の、第1及び第2運転モードに加えて、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされる、第3運転モードが追加されている。
第3運転モードでは、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされるので、第3運転モードから第2運転モードに移行させれば、第1運転モードから移行させる場合と比較して、抽気弁の弁開度の制御幅を大きくできる。
これにより、需要側からの負荷追従指令(出力上昇)に対して、給水加熱器を加熱するための抽気蒸気を瞬間的に減少させてタービン仕事量(発電機出力)を増加させる抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。
即ち、この構成の場合には、熱バランス変更装置によって、発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、抽気弁の弁開度を増減させると共に、第1運転モードと第3運転モードとの一方から他方に変更する。これにより、発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、具体的に抽気弁の弁開度を変化させて、第1運転モードと第3との間で運転モードを切り替えることができる。
これにより、複数の抽気弁の弁開度を定数倍する制御を行って複数の抽気弁の弁開度を調整するので、比較的簡便な構成及び方法で、抽気量を調整して発電機の出力を調整することができる。
これにより、第1運転モード及び第3運転モードにおける第1抽気弁の弁開度と、第1運転モードと第3運転モードとの間の第2抽気弁の弁開度の変化とを、合わせた量まで、抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。従って、第1抽気弁のみ、もしくは、第2抽気弁のみで可能な出力制御幅よりも、出力制御幅を拡大することが可能になる。
即ち、この構成の場合には、熱バランス変更装置によって、発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、第2抽気弁の弁開度を増減させると共に、第1運転モードと第3運転モードとの一方から他方に変更する。これにより、発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、具体的に第2抽気弁の弁開度を変化させて、第1運転モードと第3運転モードとの間で運転モードを切り替えることができる。
また、この構成の場合には、第1抽気弁は、第1運転モード及び第3運転モードのときに、共に全開状態であり、第2抽気弁は、第1運転モードと第3運転モードとの間で変更するときに、全閉状態及び全開状態の一方から他方まで弁開度が変化する。
これにより、第1運転モードと第3運転モードとの間で変更する際の第1抽気弁及び第2抽気弁の弁開度の制御を簡素化することができる。
また、第2抽気弁は、全閉状態及び全開状態の一方から他方まで弁開度が変化するので、第1運転モードと第3運転モードとの間での弁開度の変化を大きくすることができることから、給水加熱器の熱交換器の設計熱交換容量を増やさずにすむ。これにより、第2抽気弁を設けない場合と比較して、給水加熱器のコストを低減することができる。
そして、第1抽気弁及び第2抽気弁の弁開度の制御を簡素化できることと、給水加熱器のコストを低減することができることとから、原子力発電プラントの設備構成を合理化することができる。
これにより、第2抽気弁の開閉による抽気蒸気のエネルギーの変化量を大きくすることができるので、給水加熱器の熱交換器の設計熱交換容量をより低減することが可能になる。
第3運転モードでは、第1運転モードと比較して、少なくとも一部の抽気弁の弁開度が大きい状態とされているので、第3運転モードから第2運転モードに移行すれば、第1運転モードから移行する場合よりも、抽気弁の弁開度の調整幅を拡大できる。
第2運転モードに移行する前に、抽気弁の弁開度の調整幅を拡大するときには、第1運転モードから第3運転モードに変更される。しかし、予定の変更等により、第2運転モードに移行する予定がしばらくなくなった場合には、第3運転モードから第1運転モードへ戻すことが望ましい。第3運転モードでは、第1運転モードと比較して、抽気弁の弁開度を大きくしているので、抽気蒸気の量が多くなり、その分タービンに向かう蒸気が減って、原子炉の出力に対する発電量の効率が下がることから、長時間の運転には適していないからである。
図1は、本発明の原子力発電プラントの第1の実施の形態のシステム系統図である。
また、原子炉圧力容器1は、主蒸気ライン3を介して、高圧タービン4、湿分分離器5、低圧タービン6に接続されている。
低圧タービン6の下流側には、復水器7が設置されている。復水器7は、給水ライン15によって原子炉圧力容器1に接続されている。給水ライン15上には、復水ポンプ9、複数台の給水加熱器(第1段給水加熱器11、第2段給水加熱器12、第3段給水加熱器13、第4段給水加熱器14)、給水ポンプ10が設置されている。
高圧タービン4及び低圧タービン6は、発電機8に接続される。なお、図1では、高圧タービン4と発電機8との接続の図示を省略している。
主蒸気ライン3は、高圧タービン4と湿分分離器5の間で分岐し、分岐したラインが、第4段給水加熱器への抽気ライン24及び第4段給水加熱器への抽気弁25を介して、第4段給水加熱器14の熱交換器の胴側に接続されている。
また、低圧タービン6から、3本のラインが分岐している。左から1本目のラインは、第3段給水加熱器への抽気ライン22及び第3段給水加熱器への抽気弁23を介して、第3段給水加熱器13の胴側に接続されている。左から2本目のラインは、第2段給水加熱器への抽気ライン20及び第2段給水加熱器への抽気弁21を介して、第2段給水加熱器12の胴側に接続されている。左から3本目のラインは、第1段給水加熱器への抽気ライン18及び第1段給水加熱器への抽気弁19を介して、第1段給水加熱器11の熱交換器の胴側に胴側に接続されている。そして、これらの給水加熱器13,12,11の熱交換器の胴側は、ドレンライン16を介して復水器7に接続されている。
入出力接続機構43内に設けられた、抽気弁制御装置34、熱バランス変更装置35、通常運転状態記録装置36、及び運転モード記録装置38は、本発明の原子力発電プラントにおける、抽気弁の弁開度を制御するための前述した制御部を構成する。
原子炉圧力容器1に戻された給水の一部が、炉心2で蒸気となり、再度、タービン4,6に送られることで、図1に示すシステム系統図は、蒸気及び給水に係る閉ループを形成している。
本実施の形態では、高圧タービン4を通過した後の蒸気を、第4段給水加熱器への抽気ライン24及び第4段給水加熱器への抽気弁25を介して第4段給水加熱器14の熱交換器の胴側に供給している。
同様に、低圧タービン6からの3本の抽気蒸気を、第3段給水加熱器への抽気ライン22及び第3段給水加熱器への抽気弁23を介して第3段給水加熱器13に、第2段給水加熱器への抽気ライン20及び第2段給水加熱器への抽気弁21を介して第2段給水加熱器12に、第1段給水加熱器への抽気ライン18及び第1段給水加熱器への抽気弁19を介して第1段給水加熱器11の熱交換器の胴側に供給している。
熱交換器で低温の給水と熱交換することで凝縮した蒸気(凝縮水)は、ドレンライン16を介して復水器7に送られ、給水の一部となる。
これに対して、本実施の形態の原子力発電プラントでは、以下の3つの運転モードを採用し、これらの運転モードを切り替えて運転を行う。
運転モード1は、通常運転時であって、発電機の出力が一定の運転モードである。
運転モード2は、負荷に追従させるために発電機の出力を調整する運転モードである。
運転モード3は、通常運転時であって、発電機の出力が一定の運転モードであるが、運転モード1と比較して、抽気弁19,21,23,25の弁開度が大きい運転モードである。
ステップS11では、運転モード41の入力がないか判断して、入力がある場合(No)は、ステップS12に進み、入力がない場合(Yes)は、ステップS13に進む。
ステップS13では、運転モード41が存在しない場合の初期値である運転モード1にセットして、ステップS12に進む。
ステップS12では、運転モード2ではないかどうか判断して、運転モード2ではない場合(Yes)は、運転モード記録器38Aに進む。なお、運転モード2である場合(No)は、何も実行しない。
運転モード記録器38Aでは、運転モード(運転モード1あるいは運転モード3)の状態を、記録値41sとして記録して、その状態の記録値41sを運転モード記録装置38から外部に出力する。
なお、運転モード41は、詳細は後述するが、図4に示す熱バランス変更装置35、もしくは、図5に示す抽気弁制御装置34によって上書きされる。そして、運転モード41が上書きされる度に、図2に示す運転モード記録装置38によって、運転状態の記録値41sが変更される。
ステップS21では、運転モード2ではないかどうか判断して、運転モード2ではない場合(Yes)は、通常運転状態記録器36Aに進む。なお、運転モード2である場合(No)は、何も実行しない。
通常運転状態記録器36Aでは、4つの抽気弁19,21,23,25の弁開度及び発電機出力42を、記録値19s,21s,23s,25s,42sとして記録して、記録した記録値を通常運転状態記録装置36から外部に出力する。
ステップS31では、運転モードを判断して、運転モード1の場合はステップS32及びステップS33に進み、運転モード3の場合はステップS34及びステップS35に進む。
ステップS32では、抽気弁19,21,23,25の弁開度を、全開に変更して、変更した弁開度を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS33では、運転モードを運転モード3に変更して、変更した運転モード41を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS34では、抽気弁19,21,23,25の弁開度を、運転モード1(通常運転時)の弁開度に変更して、変更した弁開度を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS35では、運転モードを運転モード1に変更して、変更した運転モード41を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS41では、入力された運転モードの記録値41sから、運転モードが判別され、運転モード1の場合はステップS42に進み、運転モード3の場合はステップS43に進む。
ステップS42では、先に計算された差分をグラフの横軸として、当該差分とグラフにおいて対応する抽気弁開度倍率を求める。求めた抽気弁開度倍率は、抽気弁ごとの個別の演算器において、それぞれ各抽気弁の通常運転時の弁開度の記録値19s,21s,23s,25sと乗算されて、変更後の弁開度が計算される。計算された弁開度は、それぞれ抽気弁制御装置34の外部に出力する。
ステップS43では、先に計算された差分をグラフの横軸として、当該差分とグラフにおいて対応する抽気弁開度倍率を求める。求めた抽気弁開度倍率は、抽気弁ごとの個別の演算器において、それぞれ各抽気弁の通常運転時の弁開度の記録値19s,21s,23s,25sと乗算されて、変更後の弁開度が計算される。計算された弁開度は、それぞれ抽気弁制御装置34の外部に出力する。なお、ステップS43は、ステップS42と同様の操作であるが、差分と抽気弁開度倍率の関係のグラフが異なっている。
ステップS44では、発電機出力調整指令39の入力があるか判断され、入力がある場合(Yes)にはステップS45に進む。入力がない場合(No)には何も実行しない。
ステップS45では、運転モードを運転モード2に変更して、変更した運転モード41を抽気弁制御装置34の外部に出力する。
まず、通常の抽気絞り運転(CT)時の動作を説明し、その後、本実施の形態の出力制御幅を拡大したCTの動作原理を説明する。
通常のCTでは、通常運転時の運転モード41s=1(運転モード1)であり、図5のステップS42に差分信号が伝播する。ステップS42では、差分信号を入力として、グラフに基づいて、抽気弁の弁開度に乗じる開度倍率を計算する。ステップS42のグラフ中のaは、通常のCTで制御可能な最大の発電機出力上昇幅を表す。
差分がaのときは、開度倍率が0になる。差分がマイナス及び0のときは、開度倍率が1.0になる。0<差分<aのときは、グラフの直線に対応した開度倍率になる。
最大の発電機出力上昇幅は、4つの抽気弁19,21,23,25を、通常運転時の弁開度19s,21s,23s,25sから全閉状態にすることで得られる、最大の発電機出力上昇幅として評価できる。差分から計算される抽気弁開度倍率を、通常運転状態記録装置36に記録されている通常運転時の抽気弁の弁開度19s,21s,23s,25sに乗じることで、抽気弁の弁開度を絞り、発電機出力調整指令39に相当する発電量増加を実現する。これにより、発電機出力を「定格出力+a」に増加できる。
CTの出力上昇幅を拡大するために、本実施形態の原子力発電プラントでは、図1及び図4に示した熱バランス変更装置35を備える。
運転モードの記録値41s=1(運転モード1)の時に、熱バランス変更装置35に発電機出力調整幅変更指令40を入力すると、図4のステップS31からステップS32及びステップS33に指令信号が伝播する。これにより、ステップS32において、運転モード1のときに必要な抽気蒸気量となるように、弁開度が制御されていた4つの抽気弁19,21,23,25の弁開度が全開状態となると共に、ステップS33において、運転モード1から運転モード3に切り替わる。
4つの抽気弁19,21,23,25が全開となることで、発電機の出力を一定で運転する運転モード(通常運転時)のときのシステムの定常状態(タービンへの流入蒸気量、給水加熱器への抽気蒸気量、給水加熱器での給水の加熱量等)が変化するが、原子力発電プラントの制御系の働きにより、原子力発電プラントが新たな定常状態(定常状態2)に整定される。
即ち、熱バランス変更装置35は、発電機出力調整幅変更指令40をトリガとして、運転モード1と運転モード3を切り替える機能を有する。
運転モード3の状態では、4つの抽気弁19,21,23,25の弁開度が通常状態よりも大きくなっているので、抽気弁を全閉にすることで得られる最大の発電機出力上昇幅が、aからa+bに増加する。
即ち、図1のシステム系統図に示すように、4つの装置(抽気弁制御装置34、熱バランス変更装置35、通常運転状態記録装置36、及び運転モード記録装置38)を用いることで、CT時の発電機出力上昇幅を、aからa+bに増加させることが可能となる。
これにより、需要側からの負荷追従指令(出力上昇)に対して、抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。
図6は、本発明の原子力発電プラントの第2の実施の形態のシステム系統図である。
また、図6の原子力発電プラントの通常運転状態記録装置36の概略構成図を図7に示し、図6の原子力発電プラントの抽気弁制御装置34の概略構成図を図9に示す。
以下、この第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の抽気ライン18,20,22,24を第1抽気ラインとし、追加された抽気ライン26,28,30,32を第2抽気ラインとする。
ステップS51では、運転モード2ではないかどうか判断して、運転モード2ではない場合(Yes)は、通常運転状態記録器36Aに進む。なお、運転モード2である場合(No)は、何も実行しない。
通常運転状態記録器36Aでは、8つの抽気弁19,21,23,25,27,29,31,33の弁開度及び発電機出力42を、記録値19s,21s,23s,25s,27s,29s,31s,33s,42sとして記録して、記録した記録値を通常運転状態記録装置36から外部に出力する。
ステップS61では、運転モードを判断して、運転モード1の場合はステップS62及びステップS63に進み、運転モード3の場合はステップS64及びステップS65に進む。
ステップS62では、第2抽気弁27,29,31,33の弁開度を、全開に変更して、変更した弁開度を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS63では、運転モードを運転モード3に変更して、変更した運転モード41を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS64では、第2抽気弁27,29,31,33の弁開度を、全閉に変更して、変更した弁開度を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS65では、運転モードを運転モード1に変更して、変更した運転モード41を熱バランス変更装置35の外部に出力する。
ステップS71では、先に計算された差分をグラフの横軸として、当該差分とグラフにおいて対応する抽気弁開度倍率を求める。求めた抽気弁開度倍率は、抽気弁ごとの個別の演算器において、それぞれ各第1抽気弁の弁開度の記録値19s,21s,23s,25sと乗算されて、変更後の弁開度が計算される。計算された弁開度は、それぞれ抽気弁制御装置34の外部に出力する。
ステップS72では、先に計算された差分をグラフの横軸として、当該差分とグラフにおいて対応する抽気弁開度倍率を求める。求めた抽気弁開度倍率は、抽気弁ごとの個別の演算器において、それぞれ各第2抽気弁の通常運転時の弁開度の記録値27s,29s,31s,33sと乗算されて、変更後の弁開度が計算される。計算された弁開度は、それぞれ抽気弁制御装置34の外部に出力する。なお、ステップS72は、ステップS71と比較して、差分と抽気弁開度倍率の関係のグラフが異なっている。
ステップS73では、発電機出力調整指令39の入力があるか判断され、入力がある場合(Yes)にはステップS74に進む。入力がない場合(No)には何も実行しない。
ステップS74では、運転モードを運転モード2に変更して、変更した運転モード41を抽気弁制御装置34の外部に出力する。
しかしながら、この出力上昇幅拡大方法を採る場合は、4つの第1抽気弁19,21,23,25が全開状態においても、完全凝縮させた蒸気(凝縮水)は、ドレンライン16を介して復水器7に送る必要があるため、4つの給水加熱器11,12,13,14における設計熱交換容量を、4つの第1抽気弁が全開状態になる可能性を想定して大きめに設計しておく必要がある。そのため、発電機出力一定運転モード(通常運転時)時、即ち4つの第1抽気弁19,21,23,25の弁開度が中間開度状態にある時には、4つの給水加熱器11,12,13,14の熱交換量は、設計仕様(設計熱交換容量)未満となり、熱出力一定運転(定常運転)時の給水加熱器が過剰スペックとなる欠点が生じる。
なお、運転モード記録装置38は、第1の実施の形態に同じく、図2に示した構成の運転モード記録装置38で実現できるため、動作説明を省略する。
4つの第2抽気弁27,29,31,33が全開となることで、発電機の出力を一定で運転する運転モード(通常運転時)のときのシステムの定常状態(タービンへの流入蒸気量、給水加熱器への抽気蒸気量、給水加熱器での給水の加熱量等)が変化するが、第1の実施の形態と同様に、原子力発電プラントの制御系の働きにより、原子力発電プラントは新たな定常状態(定常状態2’)に移行する。
本実施の形態では、定常状態2’に移行するにあたり、第1抽気弁19,21,23,25の弁開度(蒸気流量)を調整する代わりに、第2抽気弁27,29,31,33を全閉から全開に変更することで、高温蒸気を追加している。本実施の形態では、この点が第1の実施の形態と異なっている。
一般に、熱交換器の熱交換量は、胴側の流体の温度(蒸気温度)と管側の流体の温度(給水温度)の差分に比例するため、本実施の形態では、第1の実施の形態に示すような、大きな熱交換容量の給水加熱器を用いずとも、給水加熱器における熱交換量を増加させることができる。
以上の効果により、本実施の形態では、給水加熱器の設備コストを抑制することが可能となる。
即ち、熱バランス変更装置35は、発電機出力調整幅変更指令40をトリガとして、運転モード1と運転モード3を切り替える機能を有する。
図4と図8とを比較すると、図4では、運転モード3の分岐(ステップS34)において、4つの抽気弁を中間開度状態に制御する必要があるのに対して、図8では、4つの第2抽気弁を全閉状態に制御するだけでよい。従って、本実施の形態では、運転モード切替時の弁制御を簡素化できる利点がある。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、抽気弁制御装置34において運転モードに係る分岐はなく、代わりに、第1抽気弁の制御(図9の上側の4つの弁制御)と第2抽気弁の制御(図9の下側の4つの弁制御)が同時に行われる。
そして、発電機出力調整指令39と発電機出力42sとの差分信号の値がaよりも大きい場合に限り、第1抽気弁に加えて、CT時の出力上昇幅を増加させる場合に全閉状態を全開状態に変更する第2抽気弁27,29,31,33の弁開度も制御される。図9において、第2抽気弁の弁開度を全開から全閉状態にすることで得られる発電機出力上昇幅をcと表記した。
第1抽気弁と第2抽気弁を共に、発電機出力上昇幅(差分)に応じた抽気弁開度倍率を計算し、通常運転状態記録装置36に記録された定常状態の抽気弁の弁開度19s,21s,23s,25s,27s,29s,31s,33sに乗じることで、負荷追従運転時の抽気弁開度を計算し、8つの抽気弁の弁開度を調整する。これにより、発電機出力を「定格出力+a+c」まで増加させることが可能となる。
これにより、需要側からの負荷追従指令(出力上昇)に対して、抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。
上述した各実施の形態では、給水加熱器を4段として、それぞれの給水加熱器11,12,13,14に、第1の実施の形態では1本の抽気ラインを接続し、第2の実施の形態では2本の抽気ラインを接続していた。
本発明の原子力発電プラントでは、給水加熱器の段数や、各給水加熱器に接続される抽気ラインの本数は、各実施の形態の個数には限定されず、他の個数としてもよい。
給水加熱器が1個以上、抽気ラインが1本以上、それぞれ設けられていれば、本発明を適用して、第1運転モード~第3運転モードの3つの運転モードで運転することが可能である。
これに対して、各抽気ラインの抽気蒸気の温度の違い等を考慮して、複数個の抽気弁の各抽気弁に係数を付与して重み付けをして乗算することも可能である。
また、複数個の抽気弁の弁開度を変更する際に、抽気弁を開閉するタイミングは、全ての抽気弁を一斉に開閉するようにしても、高温側あるいは低温側の抽気弁から順次開閉していくようにしても、どちらでも可能である。
第1運転モードと第3運転モードとのそれぞれにおける、第1抽気弁及び第3抽気弁の弁開度の状態は、その他の構成とすることも可能である。
例えば、前述したように、第1抽気弁を、第1運転モード及び第3運転モードにおいて同じ弁開度にして、第2抽気弁を、第3運転モードでは、第1運転モードと比較して、弁開度が大きい状態とする場合が考えられる。この場合、第1運転モード及び第3運転モードにおける第1抽気弁の弁開度と、第1運転モードと第3運転モードとの間の第2抽気弁の弁開度の変化とを、合わせた量まで、抽気絞り運転(CT)の出力制御幅を拡大できる。従って、第1抽気弁のみ、もしくは、第2抽気弁のみで可能な出力制御幅よりも、出力制御幅を拡大することが可能になる。
また例えば、第1抽気弁を、第2の実施の形態と同様に、第1運転モード及び第3運転モードで共に全開状態として、第2抽気弁を、第2の実施の形態とは異なる弁開度とする場合が考えられる。この場合、第1運転モードにおいて全開状態の第1抽気弁によって抽気蒸気の量を多く確保できるので、給水加熱器の設計熱交換容量の増加が不要となって、給水加熱器コストを低減できる。
また例えば、第1抽気弁を、第1抽気弁を、第1運転モード及び第3運転モードにおいて同じ弁開度にして、第2抽気弁を、第2の実施の形態と同様の弁開度とする場合が考えられる。この場合、第1抽気弁は弁開度が同じであって、第2抽気弁は全閉状態と全開状態とで変化するので、第1抽気弁及び第2抽気弁の制御方法を簡素化することが可能となる。
Claims (6)
- 原子炉と、
前記原子炉で発生した蒸気により駆動されるタービンと、
前記タービンにより駆動されて電力を発生する発電機と、
前記タービンの排気蒸気を凝縮させる復水器と、
前記復水器で凝縮された凝縮水を抽気蒸気で加熱する給水加熱器と、
前記原子炉と前記復水器との間に設置され、前記原子炉で発生した蒸気の一部を前記抽気蒸気として前記給水加熱器に供給する抽気ラインと、
前記抽気ラインの流量を調整する抽気弁と、
前記抽気弁の弁開度を制御する制御部と、
を備えた原子力発電プラントであって、
前記原子力発電プラントは、前記発電機の出力が一定で運転される第1運転モード、前記発電機の出力が負荷に追従するように調整されて運転される第2運転モード、前記発電機の出力が一定で運転される第3運転モード、の3つの運転モードを持ち、前記3つの運転モードからいずれか1つの運転モードが選択されて、運転が実行され、
前記第2運転モードでは、前記抽気弁の弁開度が前記第1運転モードにおける前記抽気弁の弁開度よりも小さく、前記制御部の制御により、前記発電機の出力が負荷に追従するように、前記抽気弁の弁開度が調整され、
前記第3運転モードでは、前記制御部の制御により、前記第1運転モードと比較して、少なくとも一部の前記抽気弁の弁開度が大きい状態とされる
ことを特徴とする原子力発電プラント。 - 前記制御部は、前記運転モードの状態を保持するための運転モード記録装置と、前記第1運転モード及び前記第3運転モードのいずれかで運転されているときに、前記発電機の出力及び前記抽気弁の弁開度を記録する通常運転状態記録装置と、前記第1運転モードのときに、前記発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、前記抽気弁の弁開度を増加させると共に前記第3運転モードに変更する機能と、前記第3運転モードのときに、前記発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、前記抽気弁の弁開度を前記第1運転モードの時の状態に戻すと共に前記第1運転モードに変更する機能とを有する熱バランス変更装置と、前記第2運転モードで運転されているときに、前記発電機の出力を調整する指令が入力された際に、複数の前記抽気弁の弁開度を調整するための抽気弁制御装置とを、有する請求項1に記載の原子力発電プラント。
- 前記抽気弁制御装置が、前記発電機の出力を調整する指令に対して複数の前記抽気弁の弁開度を調整する際に、複数の前記抽気弁の弁開度を定数倍する制御を行う、請求項2に記載の原子力発電プラント。
- 前記抽気弁は、第1抽気弁と第2抽気弁の2種類から構成され、
前記第1抽気弁は、前記第1運転モード及び前記第3運転モードにおいて同じ弁開度とされ、
前記第2抽気弁は、前記第3運転モードでは、前記第1運転モードと比較して、弁開度が大きい状態とされる請求項1に記載の原子力発電プラント。 - 前記第1運転モード及び前記第3運転モードのときに、前記第1抽気弁は全開状態とされ、
前記第1運転モードのときに、前記第2抽気弁は全閉状態とされ、
前記制御部は、前記第1運転モードのときに、前記発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、前記第2抽気弁を全開状態にすると共に前記第3運転モードに変更する機能と、前記第3運転モードのときに、前記発電機の出力の調整幅を変更する指令が入力された際に、前記第2抽気弁を全閉状態にすると共に前記第1運転モードに変更する機能とを有する熱バランス変更装置と、前記第2運転モードで運転されているときに、前記発電機の出力を調整する指令が入力された際に、複数の前記抽気弁の弁開度を調整するための抽気弁制御装置とを、有する請求項4に記載の原子力発電プラント。 - 1つの前記給水加熱器に前記抽気蒸気を供給する前記抽気ラインが2本接続され、2本の前記抽気ラインのうち、供給する蒸気の温度の高い方の前記抽気ラインに前記第2抽気弁が設けられ、供給する蒸気の温度の低い方の前記抽気ラインに前記第1抽気弁が設けられている、請求項4に記載の原子力発電プラント。
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