JP7664918B2 - 異常変調原因特定装置、異常変調原因特定方法及び異常変調原因特定プログラム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係るシステムの一例を表す図である。システム100は、異常変調原因特定装置1と、制御ステーション2と、プラント3とを含む。システム100は、例えば分散型制御システム(DCS:Distributed Control System)であり、複数の制御ステーション2を含む。すなわち、プラント3の制御系は複数の区画に分割され、各制御区画が制御ステーション2によって分散制御される。制御ステーション2は、DCSにおける既存の設備であり、プラント3が備えるセンサ等から出力される状態信号を受信したり、プラント3に対して制御信号を出力する。そして、制御信号に基づいて、プラント3が備えるバルブ等のアクチュエータやその他の機器が制御される。
図3は、バッチ工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。図3の左側の列は、図2に示したバッチ工程31のプロセスの一部を示す。具体的には、プロセスは、シュレッダー301と、サイクロン302と、前処理303と、予冷機304と、反応機305とを含む。また、これらのプロセスは、前処理工程、予冷工程、反応工程に分類されている。図3の右側の列は、各プロセスにおいて取得されるプロセスデータの一例を示す。前処理工程においては、タグが001及び002であるセンサから時系列のデータが取得される。予冷工程においては、タグが003及び004であるセンサから時系列のデータが取得される。反応工程においては、タグが005、006及び007であるセンサから時系列のデータが取得される。また、バッチ工程においては、製造番号(「製番」、「バッチナンバー」、「管理番号」とも呼ぶ)と対応付けられた処理対象を、断続的に処理する。すなわち、製造番号は、バッチ工程においてまとめて処理される処理対象を識別するための識別情報である。図3に示すように、時間の経過と共に、後続の製造番号と対応付けられた処理対象に関する時系列のデータが得られる。本実施形態では、制御ステーション2が、製造番号や、バッチ工程を構成する細分化された工程における処理の段階を示すステップを管理するものとする。なお、ステップを、制御ステーション2と接続されたプラント3内のPLC(Programmable Logic Controller,シーケンサ)によってリセットする場合には、制御ステーション2とプラント3との通信のタイミングに応じて適宜(例えばPLCにおいてステップが切り替わった後、設定時間経過後に)制御ステーション2から出力されるプロセスデータの製造番号を採用するようにしてもよい。また、設定時間は、製造ラインごと、細分化された工程ごとに設定できるようにしてもよい。
図6は、連続工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。図6の左側の列は、図2に示した連続工程32のプロセスの一部を示す。具体的には、プロセスは、タンク311と、ポンプ312とを含む。図6の右側の列は、各プロセスにおいて取得されるプロセスデータの一例を示す。連続工程32においては、タグと対応付けられ、製造番号とは対応付けられていない時系列のデータが、センサから継続して取得される。連続工程においては、タグが102及び103である各センサから時系列のデータが取得される。連続工程においては、機器が連続的に処理対象を受け入れ、継続して処理を行う。
上述の演算は、例えば次のような手法を含むものであってもよい。また、異常変調原因特定装置1は、これらの演算結果を表示するようにしてもよい。
例えば1つのセンサから得られる複数のプロセスデータが所定の確率密度関数に従うと仮定し、プロセスデータを用いて算出される標本平均及び標本標準偏差から、母集団の平均及び標準偏差を推定する。所定の確率密度関数は、例えば正規分布である。そして、母集団の平均から検証対象のプロセスデータまでの距離に基づいて異常度を求める。例えばマハラノビス距離の2乗に基づいて異常度が決定される。なお、プロセスデータそのものの瞬時値を用いてもよいし、所定期間におけるプロセスデータの最大値、最小値、積分値、標準偏差、又は微分係数(傾き)等を用いてホテリング理論に基づく異常度を算出するようにしてもよい。ホテリング法によれば、所定の基準からの外れ値を検知することができる。
例えば1以上のセンサから得られる時系列のプロセスデータをベクトル化又は行列化し、データ同士の距離を算出する。距離は、ユークリッド距離でもよいし、マハラノビス距離やマンハッタン距離であってもよい。そして、検証対象のデータからk番目に近いデータとの距離に応じて異常度を判定する。k近傍法においては他のデータとの関係に基づいて判断する。したがって、例えば正常値が複数のクラスターに分類できるような場合においては、複数のクラスターのいずれからも遠い外れ値を検知することができる。
異なるバッチ処理におけるプロセスデータのような複数の時系列データに基づいて、平均的な時系列データを算出することができる。例えば、バッチ処理における対応する区間の、異なる製造番号のプロセスデータについて、それぞれ上記平均的な時系列データとの距離を算出することができる。図11は、プロセスデータの同期処理を説明するための図である。製造番号が異なるバッチ処理の時系列データに含まれる要素である個々の値について、異なる時系列データに含まれる値同士の最短距離を総当たり的に求め、最短距離の積算値が最も小さくなるように、時間軸方向に時系列データをスライドさせて位置合わせを行う。すなわち、時系列データの類似度に基づいて、複数の時系列データを同期させる。このようにすれば、プラント3において実施される工程におけるステップが時系列上で対応するように、複数のプロセスデータを重ねて表示できるようになる。そして、同期させた時系列データ同士の距離の積算値に基づき、k近傍法やホテリング理論により異常度を演算する。DTW Barycenter Averagingによれば、時系列データ間の類否の程度に基づいて異常を検知することができる。
符号決定式=(μ-x)/|μ-x|
なお、μは、訓練データの平均値(基準値)、xは検証対象のプロセスデータである。このように、符号決定式によれば、時系列データの所定の時点における基準値と、対応する時点における検証対象のプロセスデータとの大小関係に応じて、上記の時点における基準との乖離の方向を表す符号を決定することができる。また、基準からの乖離の程度を示す、符号付きの値を用いることで、図13のような異常度を求めることができ、誤検知を抑えることができる。また、時系列データにおける特徴的な点として、極大値のほか、極小値や、ある時点のプロセスデータと別の時点のプロセスデータとの差等を用いてもよい。
図14は、オートエンコーダを用いた異常検知を説明するための図である。本手法では、複数のセンサからのプロセスデータの関係の特徴に基づいて異常判定を行う。具体的には、ニューラルネットワークを用いて、例えば入力データである連続処理やバッチ処理のプロセスデータそのものを教師値とし、入力データの圧縮(エンコード)及び復元(デコード)を行うことができるモデルを作成する。ニューラルネットワークは、例えば、入力層及び出力層のノード数がセンサの数に対応し、中間層のノード数はセンサの数よりも少ない。入力層に入力された情報は、中間層において圧縮され、出力層において復元される。なお、中間層は複数存在してもよく、層間の接続構造は全結合には限定されない。そして、正常時のプロセスデータを訓練データとして学習処理を行い、入力層の値と出力層の値との差が小さくなるようにパラメータを調整したモデルが作成される。また、異常判定処理においては、検証対象のプロセスデータを入力し、入力層の値と出力層の値との差に応じた異常度を演算する。すなわち、異常のあるプロセスデータが入力された場合、中間層において圧縮された情報を出力層において適切に復元することができず、入力層と出力層の値の差が大きくなるため、この差に基づいて異常検知を行うことができる。オートエンコーダによれば、複数のセンサ間の出力値の関係の特徴に基づいて異常を検知することができる。
例えば連続処理やバッチ処理における複数のセンサからのプロセスデータの共分散行列に基づいて変数間の依存関係を数値化し、基準となる疎なグラフとして表す。正常時においては、変数間の依存関係は、基準から大きく崩れないものと判断できる。そして、異常判定処理においては、検証対象のプロセスデータを用いて、変数間の依存関係を求め、上述した基準との差異の大きさに応じた異常度を演算する。グラフィカルラッソによれば、プロセスデータ間の相関関係を数値化することができ、関係の崩れに基づいて異常度を検知することができる。
図15は、異常変調原因特定装置1の構成の一例を示すブロック図である。異常変調原因特定装置1は、一般的なコンピュータであり、通信インターフェース(I/F)11と、記憶装置12と、入出力装置13と、プロセッサ14とを備えている。通信I/F11は、例えばネットワークカードや通信モジュールであってもよく、所定のプロトコルに基づき、他のコンピュータと通信を行う。記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、及びHDD(Hard-Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)であってもよい。主記憶装置は、プロセッサ14が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ14の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ14が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置13は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置、モニタ等の出力装置、タッチパネルのような入出力装置等のユーザインターフェースである。プロセッサ14は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。図15の例では、プロセッサ14内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ14は、所定のプログラムを実行することにより、プロセスデータ取得部141、前処理部142、学習処理部143、異常判定部144、原因診断部145及び出力制御部146として機能する。
図16は、異常変調原因特定装置1が実行する学習処理の一例を示す処理フロー図である。異常変調原因特定装置1のプロセッサ14は、所定のプログラムを実行することにより、図16に示すような処理を実行する。学習処理は、プラント3の過去の運転によって得られたプロセスデータを用いて任意のタイミングで実行される。また、学習処理は、主として前処理(図16:S1)、モデル構築処理(S2)、及び検証処理(S3)を含む。すなわち、プロセスデータの一部を訓練データとし、その他をテストデータとし、交差検証を行うようにしてもよい。なお、上述のテーブル等がユーザによって作成され、予め記憶装置12に記憶されているものとする。便宜上、図16に示す1つの処理フローに前処理、学習処理、及び検証処理を記載しているが、例えば前処理や検証処理等、少なくとも一部を異なる装置に分散させて実行するようにしてもよい。
図18は、異常変調原因特定装置1が実行する異常検知処理の一例を示す処理フロー図である。異常変調原因特定装置1のプロセッサ14は、所定のプログラムを実行することにより、図18に示すような処理を実行する。異常検知処理は、プラント3の運転によって得られたプロセスデータを用いて、ほぼリアルタイムに実行される。異常検知処理は、主として前処理(図18:S10)、モデル読出処理(S20)、及び異常判定処理(S30)を含む。図18には、図16に示した学習処理と対応する工程に同一の符号を付し、以下では学習処理との相違点を中心に説明する。便宜上、学習処理を行う装置と同一の装置による処理として説明するが、異常検知処理を行う装置は、学習処理を行う装置とは異なるものであってもよい。また、学習処理において作成された異常検知モデルや閾値、知識ベース等のテーブルが、予め記憶装置12に記憶されているものとする。
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
11: 通信I/F
12: 記憶装置
13: 入出力装置
14: プロセッサ
141: プロセスデータ取得部
142: 前処理部
143: 学習処理部
144: 異常判定部
145: 原因診断部
146: 出力制御部
2: 制御ステーション
3: プラント
Claims (9)
- 生産設備が備える複数のセンサによって継続的に出力されるプロセスデータを記憶する記憶装置から、前記プロセスデータを読み出すプロセスデータ取得部と、
前記プロセスデータ取得部が読み出したプロセスデータの変調の程度を表す異常度を算出する異常判定部と、
原因と、当該原因から生じる影響として現れる前記複数のセンサが出力するプロセスデータの変調との因果関係の組合せを、時系列に沿った階層状に定義する因果関係情報を用いて、前記複数のセンサが出力するプロセスデータについて、前記異常判定部が算出した異常度が所定の基準を満たすか判断する原因診断部と、
を備え、
前記因果関係情報は、前記生産設備が行う生産工程のうち上流側の工程における変調から下流側の工程における変調まで階層状に定義され、
継続的に出力される前記プロセスデータのうち前記異常度の算出に用いるプロセスデータは、前記生産工程におけるタイミング、期間、又は間隔によって定義される
異常変調原因特定装置。 - 前記異常判定部は、所定の基準に対する乖離の方向が正又は負のいずれであるかに応じた異常度を算出する
請求項1に記載の異常変調原因特定装置。 - 前記異常判定部は、前記プロセスデータの極大値及び極小値の少なくとも一部について、所定の基準に対する乖離の方向が正又は負のいずれであるかに応じた異常度を算出する
請求項2に記載の異常変調原因特定装置。 - 前記異常判定部は、前記プロセスデータ取得部が読み出したプロセスデータのうち、前記因果関係情報が定義するタイミング、期間、又は間隔に基づいて抽出された値を用いて異常度の算出を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載の異常変調原因特定装置。 - 前記異常判定部は、予め定められた組合せに含まれる複数のセンサが出力するプロセスデータの値を圧縮及び復元するニューラルネットワークモデルを用いて、当該ニューラル
ネットワークモデルの入出力の差に応じた異常度を算出する
請求項1から4のいずれか一項に記載の異常変調原因特定装置。 - 前記プロセスデータ取得部が読み出したプロセスデータについて、所定期間の平均値、最大値、最小値、傾き又は標準偏差を算出する前処理部をさらに備え、
前記異常判定部は、前記前処理部が算出した値を用いて前記異常度を算出する
請求項1から5のいずれか一項に記載の異常変調原因特定装置。 - 前記因果関係情報は、前記原因と前記変調との前記因果関係を、HAZOP(Hazard and Operability Study)、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)、FTA(Fault Tree Analysis)、若しくはETA(Event Tree Analysis)、又はこれらのいずれかに基づく分析手法により分析して作成される
請求項1から6のいずれか一項に記載の異常変調原因特定装置。 - 生産設備が備える複数のセンサによって継続的に出力されるプロセスデータを記憶する記憶装置から、前記プロセスデータを読み出し、
読み出されたプロセスデータの変調の程度を表す異常度を算出し、
原因と、当該原因から生じる影響として現れる前記複数のセンサが出力するプロセスデータの変調との因果関係の組合せを、時系列に沿った階層状に定義する因果関係情報を用いて、前記複数のセンサが出力するプロセスデータについて、算出された異常度が所定の基準を満たすか判断する
処理をコンピュータが実行し、
前記因果関係情報は、前記生産設備が行う生産工程のうち上流側の工程における変調から下流側の工程における変調まで階層状に定義され、
継続的に出力される前記プロセスデータのうち前記異常度の算出に用いるプロセスデータは、前記生産工程におけるタイミング、期間、又は間隔によって定義される
異常変調原因特定方法。 - 生産設備が備える複数のセンサによって継続的に出力されるプロセスデータを記憶する記憶装置から、前記プロセスデータを読み出し、
読み出されたプロセスデータの変調の程度を表す異常度を算出し、
原因と、当該原因から生じる影響として現れる前記複数のセンサが出力するプロセスデータの変調との因果関係の組合せを、時系列に沿った階層状に定義する因果関係情報を用いて、前記複数のセンサが出力するプロセスデータについて、算出された異常度が所定の基準を満たすか判断する
処理をコンピュータに実行させ、
前記因果関係情報は、前記生産設備が行う生産工程のうち上流側の工程における変調から下流側の工程における変調まで階層状に定義され、
継続的に出力される前記プロセスデータのうち前記異常度の算出に用いるプロセスデータは、前記生産工程におけるタイミング、期間、又は間隔によって定義される
異常変調原因特定プログラム。
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