JP7683264B2 - コンポジット推進薬 - Google Patents
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Description
末端水酸基ポリブタジエンを主成分とするバインダ及び過塩素酸アンモニウムを含む酸化剤を含有するコンポジット推進薬において、
前記バインダは、鎖延長剤としてポリテトラメチレンエーテルグリコールと、結合剤としてトリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド及びN-メチルジエタノールアミンと、硬化剤としてイソフォロンジイソシアネートと、を含有し、
前記バインダに占める前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの割合が10~20質量%であることを特徴とする、コンポジット推進薬。
[2]
前記バインダに占める前記トリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシドの割合が0.3~0.8質量%であり、前記N-メチルジエタノールアミンの割合が0.1~0.5質量%である、[1]に記載のコンポジット推進薬。
[3]
前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの数平均分子量が900~2100である、[1]又は[2]に記載のコンポジット推進薬。
[4]
前記コンポジット推進薬全量に占める前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの含有量が1~3質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載のコンポジット推進薬。
また、本発明のコンポジット推進薬は、製造性に関して、優れた流動性を有する。流動性が優れることにより、容易に注型することが可能となる。
また、本発明のコンポジット推進薬の最大荷重時伸率は、特に制限されないが、例えば、30%以上である。好ましくは35%以上であり、より好ましくは40%以上であり、更に好ましくは45%以上である。上限値は、例えば、60%以下である。
なお、最大抗張力及び最大荷重時伸率の測定方法は、実施例に記載するプラスチック引張試験方法「ASTM D638-84」に従い、測定する。
コンポジット推進薬を製造する場合、酸化剤としては、過塩素酸アンモニウム(AP)、シクロテトラメチレンテトラニトラミン(HMX)、シクロトリメチレンテトラニトラミン(RDX)及び硝酸アンモニウム等が用いられる。本発明の酸化剤は過塩素酸アンモニウムであるが、必ずしも単独である必要はなく、上述した酸化剤を複数含んでいてもよい。酸化剤は、コンポジット推進薬全量に対して少なくとも50重量%を含むことが必要であり、60重量%以上含むことが好ましい。一方、上限値は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。
本発明のコンポジット推進薬は、燃焼結合剤と、結合剤と、鎖延長剤と、硬化剤を基本組成とするバインダを備える。バインダは、酸化剤、助燃剤、その他の成分を結合するための成分である。コンポジット推進薬全量に対するバインダの含有量は、通常、7~25質量%である。下限値として、好ましくは10質量%以上である。上限値として、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは16質量%以下である。以下に、バインダ中の各成分について説明する。
本発明のコンポジット推進薬は、バインダ中の燃料結合剤として、末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)を含有する。また、その他の燃料結合剤として、アジドメチル基を有する末端水酸基ポリエーテル、例えばグリシジルアジドポリマー(GAP)、3,3-ビスアジドメチルメチルオキセタン/テトラヒドロフラン共重合体(BAMO/THF共重合体)等を含有してもよい。
また、コンポジット推進薬全量に対する末端水酸基ポリブタジエンの含有量は、通常、7~13質量%、好ましくは8~12質量%である。
結合剤は、酸化剤粒子との接着性を付与する目的で配合する。本発明のコンポジット推進薬は、バインダ中の結合剤として、トリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド(MAPO)、N-メチルジエタノールアミン(MDA)を含有する。また、その他の結合剤として、例えば、ビスイソフタロイル1-(2-メチル)アジリジン(HX-752)等のアジリジン系、N-エチルジエタノールアミン(EDA)、テトラエチレンペンタミンとアクリロニトリルの反応生成物(TEPAN又はHX-879)、テトラエチレンペンタミンとアクリロニトリルとグリシドールとの反応生成物(TEPANOL又はHX-878)等のアミン系、ジヒドロキシエチル-5,5-ジメチルヒダントイン(DHE)等のヒダントイン系及びシランカップリング剤(A-1100)等を含有してもよい。
バインダ全量に対するN-メチルジエタノールアミンの含有量は、好ましくは0.1~0.5質量%であり、より好ましくは0.2~0.4質量%である。バインダ全量に対するN-メチルジエタノールアミンの含有量が0.1質量%以上では、コンポジット推進薬の物理的特性において伸び率が向上し、0.5質量%以下の場合には、コンポジット推進薬の物理的特性において抗張力が向上する。
コンポジット推進薬全量に対するN-メチルジエタノールアミンの含有量は、0.01~0.07質量%であり、好ましくは0.02~0.06質量%である。
鎖延長剤は、末端水酸基ポリブタジエンの架橋点間平均分子量を増大する目的で配合される。本発明のコンポジット推進薬は、バインダ中の鎖延長剤として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)を含有する。また、その他の鎖延長剤として、末端に水酸基を有するジオールからなる化合物、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、両末端水酸基水素化ポリブタジエン、アジピン酸系ポリエステル樹脂などを含有してもよい。
本発明のコンポジット推進薬は、硬化剤としてイソフォロンジイソシアネート(IPDI)を含有する。また、その他の硬化剤として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジシクロヘキシルメタン―4,4―ジイソシアネ-ト(水添MDI)等のジイソシアネート化合物などを含有してもよい。
助燃剤としては、アルミニウム、ボロン、マグネシウム等の金属粉体が挙げられる。その中でも、本発明においてはアルミニウムを使用するのが好ましい。
その他、コンポジット推進薬に求められる燃焼特性、物理的特性、製造性に応じ、添加剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DOS)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、イソデシルペラゴネート等のエステル類の他、1,2,4-ブタントリオールトリナイトレート(BTTN)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)等のニトロ可塑剤等が使用される。その中でも、本発明においてはジオクチルアジペート(DOA)を使用するのが好ましい。
R-45HT:末端水酸基ポリブタジエン
PTG:ポリテトラメチレンエーテルグリコール
MAPO:トリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド
MDA:N-メチルジエタノールアミン
N-8:N-メチルジエタノールアミンとセバシン酸との反応生成物
HX-878:テトラエチレンペンタミンとアクリロニトリルの反応生成物
BIDE:2,2’-(n-ブチルイミノ)ジエタノール
IPDI:イソフォロンジイソシアネート
DOA:ジオクチルアジペート
実施例1~7のコンポジット推進薬のそれぞれの成分の配合組成を後述する表1に示す。また、そのコンポジット推進薬を用いて以下に示す方法で製造性及び物理的特性を測定した。その結果を表1に併記する。
<流動性>
所定の注型用鋳型の底板に外径40mmの円筒状の中子を取り付け、注型用鋳型内面に外径84mm、内径80mm、長さ140mmのABS樹脂を施工し、そこに各実施例及び比較例のコンポジット推進薬のスラリーを注型し、鋳型に注型する場合の注型しやすさに関し、下記の評価基準にて評価を行った。
◎:推進薬スラリーの流動性が高く、極めて容易に注型することができた。
〇:推進薬スラリーの流動性があり、容易に注型することができた。
△:推進薬スラリーの流動性が乏しく、注型に時間を要した。
RE80型粘度計を用いて、60℃、スピンドルの回転数5rpmの条件で規定時間ごとに粘度を測定し、硬化剤を投入してから粘度が60℃で10kPに達するまでの時間をポットライフとして求めた。ポットライフは、打ち上げ能力の異なる各種ロケットモータの製造において、どのサイズのロケットモータの注型性も担保することができるものとして、500分以上700分未満であることが好ましい。ポットライフが500分未満では、ポットライフが短く注型が困難となり、700分以上であると、ポットライフが長く、所定の硬化時間では硬化が終了しなく、後硬化により物理的特性が変化するので好ましくない。
前記コンポジット推進薬から、プラスチック引張試験方法「ASTM D638-84」に従い引張試験片を作製し、引張速度50mm/min、試験温度20℃にて引張試験を行い、最大抗張力(N/cm2)、最大荷重時伸率(%)を求めた。
なお、引張試験片は、全長が125mmで両端部は幅25mmであり、両端部間に長さ50mm、幅10mmの中央直線部がある厚さ10mmの試験片である。
末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)(末端水酸基の数:平均2.4個、平均分子量:2700)9.55質量部(バインダ中の含有量として68.2質量%。以下同様。)、鎖延長剤であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG、数平均分子量:1500)1.90質量部(13.6質量%)、可塑剤であるジオクチルアジペート(DOA)1.39質量部(9.9質量%)を添加して混合した。それに、助燃剤であるアルミニウム粉末を所定量添加して混合し、さらに結合剤であるトリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド(MAPO)0.07質量部(0.5質量%)及びN-メチルジエタノールアミン(MDA)0.03質量部(0.2質量%)を添加して混合した。
実施例1において、鎖延長剤であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)の数平均分子量を1000とした場合(実施例2)と2000とした場合(実施例3)について、実施例1と同様の方法でコンポジット推進薬を製造した。
実施例1と同様の方法でバインダ組成を変化させ、鎖延長剤であるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)及び結合剤であるトリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド(MAPO)、N-メチルジエタノールアミン(MDA)の重量割合を変化させてコンポジット推進薬を製造し、実施例1と同様に物理的特性及び製造性を測定した。
前記実施例1~7と同様にして、表2に示した推進薬配合組成でコンポジット推進薬を製造した。また、そのコンポジット推進薬を用いて製造性及び物理的特性を測定し、その結果を表2に示した。
また、実施例2、比較例2、6、7を対比すると、MAPO、MDAを含有するコンポジット推進薬においては、PTGの含有量が10~20質量%の場合に、最大抗張力及び最大荷重時伸率が極めて高い結果となった。一方で、PTGの含有量が20質量%を超えると(比較例7)、最大抗張力及び最大荷重時伸率が低下する傾向が認められた。すなわち、MAPO、MDAを含有するコンポジット推進薬においては、PTGの含有量が10~20質量%であることに臨界的意義が認められた。
Claims (4)
- 分子の末端に水酸基を平均2~2.8個有し、数平均分子量が2000~4000である末端水酸基ポリブタジエンを主成分とするバインダ及び過塩素酸アンモニウムを含む酸化剤を含有するコンポジット推進薬において、
前記バインダは、鎖延長剤としてポリテトラメチレンエーテルグリコールと、結合剤としてトリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシド及びN-メチルジエタノールアミンと、硬化剤としてイソフォロンジイソシアネートと、を含有し、
前記バインダに占める前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの割合が10~20質量%であることを特徴とする、コンポジット推進薬。 - 前記バインダに占める前記トリス〔1-(2-メチル)-アジリジニル〕フォスフィンオキシドの割合が0.3~0.8質量%であり、前記N-メチルジエタノールアミンの割合が0.1~0.5質量%である、請求項1に記載のコンポジット推進薬。
- 前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの数平均分子量が900~2100である、請求項1又は2に記載のコンポジット推進薬。
- 前記コンポジット推進薬全量に占める前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールの含有量が1~3質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンポジット推進薬。
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