JP7708604B2 - 沈降珪酸を用いた表面改質シリカ粉末及びその製造方法 - Google Patents
沈降珪酸を用いた表面改質シリカ粉末及びその製造方法Info
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1. a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nm2である沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m2/g、
(4)炭素含有量:1.0~8.0重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
であることを特徴とする表面改質沈降珪酸粉末。
2. トナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値と添加前のエネルギー値で除した値が0.35以下である、前記項1に記載の表面処理沈降珪酸粉末。
3. アミノ基を有する有機ケイ素化合物がアミノシラン及びアミノ基変性シリコーンオイルの少なくとも1種である、前記項1に記載の表面改質沈降珪酸粉末。
4. 前記項1~3のいずれかに記載の表面改質沈降珪酸粉末を含むトナー用又は粉体塗料用の外添剤。
5. 前記項4に記載の外添剤と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物。
6. 表面改質沈降珪酸粉末を製造する方法であって、
(a)沈降珪酸粉末、アミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程、
(b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程
を含むことを特徴とする、表面改質沈降珪酸粉末の製造方法。
7. 上記(a)及び(b)の工程を攪拌下にて実施する、前記項6に記載の製造方法。
本発明の表面改質沈降珪酸粉末(本発明粉末)は、a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nm2である沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m2/g、
(4)炭素含有量:1.0~8重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
であることを特徴とする。
本発明粉末を構成する粒子は、沈降珪酸粒子と、その粒子表面に形成された被覆層とを含む。すなわち、沈降珪酸粒子をコア粒子(原体)とし、その表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された構造を基本構成とするものである。
本発明の粉末は、下記の特性:
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m2/g、
(4)炭素含有量:1.0~8.0重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
をすべて満たす。
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の嵩密度は、40~150g/Lである。嵩密度が40g/L未満の場合は、その粉末をトナー表面に分散した時、適正な凝集粒子径で分散することができず、十分なスペーサー効果を発現することができない。また、嵩密度が150g/Lを超えると、トナーとの混合時の際に大量の装置体積を必要とし、工業的利用に問題がある。
水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量は、通常は3~6重量%である。水分吸着量は、帯電特性に大きく影響するところ、上記範囲内に設定することにより適度な帯電性を付与することができる。水分吸着量が3重量%未満では、正帯電性が強くなりすぎてしまう。また、水分吸着量が6重量%を超えると、十分な帯電特性を発現することができなくなる。
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸のBET比表面積は、通常は50~200m2/gである。BET比表面積が50m2/g未満の場合は、凝集粒子径が大きすぎるためにトナーに分散した時の分散性が不十分となる。BET比表面積が200m2/gを上回る場合は、トナーに分散した時に、適正な凝集径が維持されず、十分なスペーサー効果が発現できない。
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の炭素含有量は、通常は1.0~8.0重量%である。特に、表面処理剤(疎水化処理剤)がHMDSの場合は1.0~3.0重量%程度、PDMS又はOH-PDMSの場合は1.0~8.0重量%程度、アルキルアルコキシシランの場合は1.0~8.0重量%程度とすることが好ましい。炭素含有量は、表面処理剤である有機ケイ素化合物で沈降珪酸粉末への固定化の度合い(固定量)を示す指標となるものである。炭素含有量が低すぎると、十分な表面改質が行われず、帯電特性、分散性等が不十分となる。一方、炭素含有量が多すぎると、有機物の含有量が多すぎて粒子の凝集が生じ、十分な流動性、分散性が得られず、この粉末をトナーに応用しても十分なスペーサー効果を発現することができない。
乾燥減量は、通常は0.1~3.0%である。乾燥減量は、帯電特性に大きく影響するところ、上記範囲内に設定することにより適度な帯電性を付与することができる。乾燥減量が3重量%を超えると、ゾルゲル法によるシリカに近い保有・吸着水分量となるため、十分な帯電特性を発現することができなくなる。
有機ケイ素化合物で表面修飾された沈降珪酸の摩擦帯電量は、通常は+10~+450μC/gである。摩擦帯電量が+10μC/gより帯電量がゼロ側に近づくと、負帯電と同様にその粉末をトナーに添加した際、トナーに強い帯電特性を発現することが困難となり、トナーを所定の帯電量範囲に制御することが困難となる。一方、摩擦帯電量が+450μC/gよりさらに正帯電側になると、その強い摩擦帯電量によりそれを添加したトナーの帯電特性を制御することが困難となる。
本発明粉末の平均粒径は、特に限定されないが、スペーサーとしての機能を効果的に発揮させるという点では、粒度分布測定装置で測定された粒度分布が0.1~1μm程度であり、好ましくは0.2~0.8μmであることが望ましい。なお、本発明における平均粒径は、粒度分布測定装置(レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製))において算出された値(算術平均径(体積標準))をいう。
本発明粉末において、トナー等に対して流動性を付与できる性能の指標として、パウダーレオメータによるエネルギー値に基づく比率がある。すなわち、本発明粉末をトナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値を添加前のエネルギー値で除した値であり、その値が本発明では0.35以下であることが望ましい。前記値を0.35以下とすることによって、本発明粉末が外添されたトナー製品によりいっそう高い流動性を与えることができる。
本発明粉末の製造方法は、上記のような構成・特性を有する粉末が得られる限り、特に制約されないが、例えば(a)沈降珪酸粉末及びアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程(混合物調製工程)、(b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程(熱処理工程)を含む方法によって好適に製造することができる。
混合物調製工程では、沈降珪酸粉末を構成する各粒子の表面を有機ケイ素化合物を含む被覆層でコートできる方法であれば限定されず、例えば攪拌下で沈降珪酸粉末と気化した有機ケイ素化合物とを混合する方法、攪拌下で沈降珪酸粉末に有機ケイ素化合物を噴霧する方法等を好適に採用することができる。
熱処理工程における熱処理温度は、限定的ではないが、通常は120~360℃(特に150~300℃)とすることが好ましい。熱処理温度が360℃を超える場合は、有機ケイ素化合物の一部分解が生じる場合がある。また、120℃未満の場合は、有機ケイ素化合物の十分な表面改質が行われず、所望の帯電性が得られない。
本発明粉末は、前記「1.表面改質沈降珪酸粉末」で示した特性(1)~(6)を全て備えているので、沈降珪酸粉末の優れた特性に加え、良好なスペーサー効果と適度な帯電特性とをともに発揮することができる。それゆえに、本発明粉末は、例えばトナー、粉末塗料等の添加剤(特にトナー用外添剤)として好適に用いることができる。従って、本発明は、本発明粉末と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物(以下、両者をまとめて「本発明組成物」ともいう。)も包含する。
(A)シリカ原料
(A1)沈降珪酸
サンプルA~サンプルE:特許文献2に記載の製法に従って調製された沈降珪酸
(A2)ゾルゲルシリカ
公知のゾルゲル法で製造された試料
(A3)フュームドシリカ
市販品a: 製品名「AEROSIL OX50」(登録商標)日本アエロジル株式会社製)
市販品b: 製品名「AEROSIL 200」(登録商標)日本アエロジル株式会社製)
(B)表面処理剤
(B1)HMDS:ヘキサメチルジシラザン(製品名「Dynasilane HMDS」(登録商標)Evonik社製)
(B2)PDMS:ポリジメチルシロキサン(製品名「KF96-100cs」信越化学工業社製)
(B3)OH-PDMS:ポリジメチルシロキサンの両末端に水酸基を有するシリコーンオイル(製品名「PMX-0930」東レ・ダウ・コーニング社製)
(B4)アミノシラン(製品名「KBE-903」(登録商標)信越化学工業社製)(表1中「正帯電性付与剤」として表記されている成分)
(B5)アミノ変性シリコーンオイル(製品名「X22-161A」(登録商標)信越化学工業社製)(表1中「正帯電性付与剤」として表記されている成分)
沈降珪酸粉末としてサンプルA(メジアン径d50=155nm,d90=540nm、シラノール基密度:3.5 OH/nm2)(100重量部)を反応器に入れ、窒素雰囲気下の攪拌下において、表面処理剤としてOH-PDMS(10重量部)及びKBE903(3重量部)の混合液を添加し、攪拌を継続した状態で300℃にて20分間熱処理した。このようにして、表面改質シリカ粉末を得た。
表1に示す条件に代えたほかは、実施例1と同様にして表面改質シリカ粉末を得た。
表1に示す条件に代えたほかは、実施例1と同様にして表面改質シリカ粉末を得た。
各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末について、下記の各物性について測定した。その結果を表1に併せて示す。
メスシリンダーを上皿天秤に載せ、風袋を消去し、メスシリンダーに試料を入れて質量を量り(質量A)、2分間静置後の容積(容積B)を読み取る。次式を用いて嵩密度を計算する。
嵩密度(g/L)=(質量A/容積B)×1000
表面改質シリカ粉末を真空下150℃で2時間以上加熱し、十分に乾燥した後、高精度ガス吸着量測定装置(製品名「BELSORP-max」マイクロトラック・ベル株式会社製)にて排気時間15分、圧力上昇許容量5.000E-1 Pa/分の条件にて測定する。吸着等温線を解析し、水蒸気相対圧が0.8~0.95の範囲内での値を水分吸着量とした。
BET{表面積(m2/g)}は、全自動比表面積測定装置(製品名「Macsorb」マウンテック製)を用い、試料を100℃で10分間の前処理後、BET1点法により吸脱着した窒素量から試料の表面積を求め、その重量で除して比表面積を求めた。
炭素含有量は、炭素分析装置(製品名「SUMIGRAPH NC-22」住化分析センター製)を用いて測定した。
表面改質シリカ粉末を約1g秤量瓶にサンプリングした後に、105℃で2時間乾燥して重量を測定し、乾燥前後の重量減少量の割合(%)を算出して吸着水分量とした。
キャリア(還元鉄粉)100重量部に対して表面改質シリカ粉末0.2重量部を含む試料をターブラーミキサーにて一定時間混合して摩擦帯電させた後、温度20℃及び湿度45%RHの条件下でブローオフ粉体帯電量測定装置にて帯電量を測定した。
ヘンシェルミキサーを用いてトナー(ポリエステルトナー母体(結着性樹脂),平均粒径6μm)99gに対して各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末1gを外添した後、得られた混合粉末についてパウダーレオメータでトナーサンプルの通気試験を行った。1サンプルにつき全13回のトータルエネルギー値の測定を行い、1回目は通気せずに、2回目以降は線速度0.04mm/sで通気しながら測定した。そして、13回目のトータルエネルギー値E1(mJ)を計測した。
表面改質シリカ粉末を外添しないほかは、上記と同様にしてトナー単体のトータルエネルギー値E0を計測した。
次いで、上記で得られた値E1及びE0に基づいて、[E1/E0]を求めた。[E1/E0]の値が小さいほど、高い流動性を付与できる性能があることを示す。
各実施例及び比較例で得られた表面改質シリカ粉末と、重合法により製造されたポリエステルトナー母体(結着性樹脂)粉末とを重量比で[結着性樹脂粉末:表面改質シリカ粉末=99:1]で混合し、ヘンシェル型ミキサーで600rpm×1分間予備混合を行った後、3000rpm×30分間混合させることによって、分散性評価用のトナーサンプルを調製した。
次いで、得られたトナーサンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察を行い、トナーサンプル粒子表面1μm2当たりに付着している粒径0.1μm以上の表面改質シリカ粒子の数を計測した。その結果も表1に示す。
測定は、SEMの視野内で任意に1つのトナー母体(トナー粒子)を選定し、図1のように、視野S内がトナー粒子10表面で満たされるように、かつ、なるべく多くの表面改質シリカ粒子11が含まれるように設定した後、その視野S内にある表面改質シリカ粒子11の全て個数を計測した後、その個数を前記視野面積で割ることにより単位面積当たり(1μm2当たり)の表面改質シリカ粒子の個数を算出した。この場合、視野Sから少しでもはみ出ている表面改質シリカ粒子はカウントしないものとする。単位面積当たりの表面改質シリカ粒子の個数が多いほど、表面改質シリカ粉末がより均一に分散していることを示す。
Claims (7)
- a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nm2である沈降珪酸粒子の表面にアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む被覆層が形成された粒子からなる粉末であって、
(1)嵩密度:40~150g/L、
(2)水蒸気相対圧0.8~0.95における水分吸着量:3~6%
(3)BET比表面積:50~200m2/g、
(4)炭素含有量:2.4~8.0重量%、
(5)乾燥減量:0.1~3.0%及び
(6)摩擦帯電量:+10~+450μC/g
であることを特徴とする表面改質沈降珪酸粉末。 - トナーに添加した時の乾式流動性評価法による流動性のエネルギー値を添加前のエネルギー値で除した値が0.35以下である、請求項1に記載の表面処理沈降珪酸粉末。
- アミノ基を有する有機ケイ素化合物がアミノシラン及びアミノ基変性シリコーンオイルの少なくとも1種である、請求項1に記載の表面改質沈降珪酸粉末。
- 請求項1~3のいずれかに記載の表面改質沈降珪酸粉末を含むトナー用又は粉体塗料用の外添剤。
- 請求項4に記載の外添剤と結着性樹脂粒子とを含む電子写真用トナー組成物又は粉体塗料組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載の表面改質沈降珪酸粉末を製造する方法であって、
(a)a)体積基準による粒度分布において、d50:150~1000nm及びd90:500~7000nmであり、b)シラノール基密度が2.5~8 OH/nm 2 である沈降珪酸粉末、アミノ基を有する有機ケイ素化合物を含む混合物を調製する工程、
(b)前記混合物を120~360℃の温度で熱処理する工程
を含むことを特徴とする、表面改質沈降珪酸粉末の製造方法。 - 上記(a)及び(b)の工程を攪拌下にて実施する、請求項6に記載の製造方法。
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