JP7711042B2 - 切断物の製造方法 - Google Patents
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Description
一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写部材を用いて任意の基板上に設けた感光性組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
特開2010-228023号公報には、連続的に走行されるフィルムを、互いの刃先の一側面を摺接させるようにして回転する上刃と下刃との間に挿入し、走行方向に沿ってかつ幅方向に分割するように裁断するフィルムの裁断方法であって、上記上刃として、上記下刃に摺接する刃先角が80~90°であるものを用い、上記下刃として、上記上刃に摺接する刃先角が80~90°であるものを用いる、ことを特徴とするフィルムの裁断方法が記載されている。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、へこみ故障の少ない積層体を提供することである。
<1> 感光性層を有する積層体を上刃及び下刃により挟み込んで切断する工程を含み、上記上刃の刃先と上記下刃の刃先とのクリアランスが、5μm以下である切断物の製造方法。
<2> 上記上刃の上記積層体の送り方向に垂直な断面において、上記上刃の刃先における上記下刃側の傾斜角度である面取り角度θ1が、3°以下である<1>に記載の切断物の製造方法。
<3> 上記上刃の上記積層体の送り方向に垂直な断面において、上記上刃の刃先角度θ2が、33°以下である<1>又は<2>に記載の切断物の製造方法。
<4> 上記積層体全体の厚さが、50μm以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の切断物の製造方法。
<5> 上記感光性層の厚さが、1μm~20μmである<1>~<4>のいずれか1つに記載の切断物の製造方法。
<6> 上記積層体が、支持体、上記感光性層、及び、カバーフィルムを有する積層体である<1>~<5>のいずれか1つに記載の切断物の製造方法。
<7> 上記支持体及び上記カバーフィルムの厚さがそれぞれ独立に、10μm~20μmである<6>に記載の切断物の製造方法。
<8> 上記支持体の上記感光性層側の面の算術平均粗さRa値が、0.05μm以下である<6>又は<7>に記載の切断物の製造方法。
<9> 上記カバーフィルムの上記感光性層側の面の算術平均粗さRa値が、0.1μm以下である<6>~<8>のいずれか1つに記載の切断物の製造方法。
<10> 上記切断する工程の後、得られた上記積層体の切断物の少なくとも一部を巻き取る工程を含む<1>~<9>のいずれか1つに記載の切断物の製造方法。
<11> 感光性層を有する積層体であって、上記積層体が、少なくとも切断されてなる切断面を有し、上記切断面幅50μmの切断面部分10箇所あたりのクラック数が、3個以下である積層体。
<12> 感光性層を有する積層体であって、上記積層体が、少なくとも切断されてなる切断面を有し、上記積層体におけるへこみ故障の数が、60個/m2以下である積層体。
また、本発明の他の実施形態によれば、へこみ故障の少ない積層体を提供することができる。
また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本明細書において、特段の断りがない限り、金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析装置を用いて測定した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、屈折率は、波長550nmでエリプソメーターを用いて測定した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、色相は、色差計(CR-221、ミノルタ(株)製)を用いて測定した値である。
本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、液温が22℃である炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
本明細書において「水溶性」とは、液温が22℃であるpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。したがって、例えば、水溶性樹脂とは、上述の溶解度条件を満たす樹脂を意図する。
本明細書において、組成物の「固形分」とは、組成物を用いて作製する層を形成する成分を意味し、組成物が溶剤(有機溶剤、水等)を含む場合、溶剤を除いたすべての成分を意味する。また、上記層を形成する成分であれば、液体状の成分も固形分とみなす。
本明細書において、感光性転写部材が備える各層の層厚は、感光性転写部材の主面に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、得られた観察画像に基づいて各層の厚みを任意の5点以上計測し、その平均値を算出することにより、測定される。
本開示に係る切断物の製造方法は、感光性層を有する積層体を上刃及び下刃により挟み込んで切断する工程を含み、上記上刃と上記下刃とのクリアランスが、5μm以下である。
詳細な上記効果の発現機構は不明であるが、上記上刃の刃先と前記下刃の刃先とのクリアランスが、5μm以下であることにより、感光性層を有する積層体の切断時において、切りくずの発生を抑制することができ、切りくずが上記積層体に付着して生じるへこみ故障を抑制することができると推定している。
本開示に用いられる感光性転写部材は、ネガ型感光性転写部材であることが好ましい。
上記感光性層を有する積層体の好ましい態様については、後述する。
本開示に係る切断物の製造方法は、感光性層を有する積層体を上刃及び下刃により挟み込んで切断する工程を含み、上記上刃の刃先と上記下刃の刃先とのクリアランスが、5μm以下である。
本開示に用いられる上刃及び下刃を有する切断手段としては、特に制限はなく、例えば、裁断機、スリッター等が挙げられる。連続的に切断可能であり、また、ロール状に巻き取り可能である点から、切断手段は、回転式スリッターであることが好ましく、円盤状回転式スリッターであることがより好ましい。
上刃102は、面取り角度θ1、及び、刃先角度θ2を有する刃であり、面取り長さR1を有している。
下刃104は、面取り角度θ3を有する刃であり、面取り長さR2を有している。
また、図1に示す上刃102の刃先102aと下刃104の刃先104aとのクリアランスCLは、R1+R2の値となる。
更に、切断時には、下刃104に対する上刃102の侵入深さTに応じて、感光性層を有する積層体(不図示)を上刃102及び下刃104により挟み込むことにより、感光性層を有する積層体が切断される。図1においては、上刃102及び下刃104により挟み込まれ、感光性層を有する積層体が左右に分離するように切断される。
また、上記積層体の送り方向に垂直な面での下刃104の断面において、下刃104の面取り長さR2は、へこみ欠陥抑制の観点から、0.5μm以上3μm以下であることが好ましく、1.0μm以上2.5μm以下であることがより好ましく、1.5μm以上2.5μm以下であることが特に好ましい。
また、面取り角度θ1は、へこみ欠陥抑制の観点から、0°を超える角度であることが好ましい。
また、刃先角度θ2は、へこみ欠陥抑制の観点から、面取り角度θ1の2倍以上の角度であることが好ましく、面取り角度θ1の5倍以上の角度であることがより好ましく、面取り角度θ1の10倍以上の角度であることが特に好ましい。
また、上記切断する工程において、上刃102は、下刃104よりも重力方向上部に位置することが好ましい。
また、回転式スリッターにおいては、上記切断する工程における上刃102と下刃104とは、少なくとも一部において、摺接していることが好ましい。
また、上記上刃及び上記下刃の材質及び大きさについても、上記積層体及び得られる切断物に応じ、適宜選択することができる。
また、上記切断する工程においては、上記積層体を厚さ方向に切断することが好ましい。
本開示に係る切断物の製造方法は、上記切断する工程の後、得られた上記積層体の切断物の少なくとも一部を巻き取る工程を含むことが好ましい。
上記切断物を巻き取る場合、切りくずの付着に由来するへこみ欠陥が生じやすいため、本開示に係る効果をより発揮することができる。
巻き取り方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、上記巻き取る工程においては、上記切断物をロール状に巻き取ることが好ましい。
本開示に係る切断物の製造方法は、上述した工程以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。その他の工程としては、公知の工程が挙げられる。
好ましい切断装置としては、例えば、円盤状回転式スリッターを備える切断装置であって、上刃の回転軸及び下刃の回転軸として、互いに平行に配置された回転軸を有しており、各回転軸に、円形状をなした上刃及び下刃がそれぞれ固設されている。切断時においては、上刃及び下刃の互いの刃先の一側面同士が摺接しつつ上記積層体を切断する。また、各回転軸は、駆動機構で所定方向に回転するように構成され、上刃及び下刃がそれぞれ回転するようになっている。
本開示に用いられる感光性層を有する積層体としては、感光性層を有する2層以上の積層体であれば、特に制限はないが、支持体及び感光性層を少なくとも有する積層体であることが好ましく、支持体、感光性層、及び、カバーフィルムを有する積層体であることがより好ましい。
また、上記感光性層を有する積層体は、感光性転写部材であることが好ましい。
感光性転写部材は、支持体と感光性層とが他の層を介さずに直接積層されていてもよいし、他の層を介して積層されていてもよい。また、感光性層の支持体に対向する面とは反対側の面に他の層が積層していてもよい。
支持体及び感光性層以外の他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、屈折率調整層及びカバーフィルムが挙げられる。
また、各層は、単層であっても、2層以上の複層であってもよい。
(1)「支持体/感光性層/屈折率調整層/カバーフィルム」
(2)「支持体/感光性層/カバーフィルム」
(3)「支持体/中間層/感光性層/カバーフィルム」
(4)「支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性層/カバーフィルム」
なお、上記各構成において、感光性層は、ネガ型感光性層であることが好ましい。また、感光性層が着色樹脂層であることも好ましい。本開示に用いられる感光性層を有する積層体は、後述するように配線保護膜用感光性転写材部材として使用されてもよいし、エッチングレジスト用感光性転写部材として使用されてもよい。
配線保護膜用感光性転写部材とする場合、上記積層体の構成としては、例えば、上述した(1)又は(2)の構成であることが好ましい。
また、エッチングレジスト用感光性転写部材とする場合、上記積層体の構成としては、例えば、上述した(2)~(4)の構成であることが好ましい。
本開示に用いられる感光性層を有する積層体のうねりの最大幅は、以下の手順により測定される値である。
まず、上記積層体を縦20cm×横20cmのサイズとなるように主面に垂直な方向に裁断し、試験サンプルを作製する。なお、上記積層体がカバーフィルムを有する場合には、カバーフィルムを剥離する。次いで、表面が平滑で且つ水平なステージ上に、上記試験サンプルを支持体の表面がステージに対向するように静置する。静置後、試験サンプルの中心10cm角の範囲について、試験サンプルの表面をレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK-9700SP)で走査して3次元表面画像を取得し、得られた3次元表面画像で観察される最大凸高さから最低凹高さを引き算する。上記操作を10個の試験サンプルについて行い、その算術平均値を「感光性転写部材のうねり最大幅」とする。
以下において、実施形態Aの積層体について、説明する。
本開示に用いられる上記積層体は、支持体を有することが好ましい。
本開示に用いられる感光性転写部材は、支持体を有する。
支持体は、感光性層又は感光性層を含む積層体を支持し、且つ、剥離可能な支持体である。
支持体は、感光性層の露光感度向上の観点から、パターン露光に使用する波長(より好ましくは波長365nm)の光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
なお、感光性転写部材が備える層の透過率とは、層の主面に垂直な方向(厚さ方向)に光を入射させたときの、入射光の強度に対する層を通過して出射した出射光の強度の比率であり、大塚電子(株)製MCPD Seriesを用いて測定される。
支持体を構成する材料としては、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム及び紙が挙げられ、強度、可撓性及び光透過性の観点から、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。中でも、PETフィルムが好ましく、2軸延伸PETフィルムがより好ましい。
支持体の厚さは、5μm~100μmの範囲が好ましく、取扱い易さ及び汎用性の点から、10μm~50μmの範囲がより好ましく、10μm~20μmの範囲が更に好ましく、10μm~16μmの範囲が特に好ましい。
また、支持体の平均厚さは、支持体を介して露光する場合における解像度及び直線性の観点から、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、支持体の透明性の観点から、支持体に含まれる微粒子、異物、欠陥、析出物などの数は少ない方が好ましい。直径1μm以上の微粒子や異物や欠陥の数は、50個/10mm2以下であることが好ましく、10個/10mm2以下であることがより好ましく、3個/10mm2以下であることが更に好ましく、0個/10mm2であることが特に好ましい。
支持体の感光性層に接する面のRa値の下限は特に制限されないが、0.001μm以上が好ましい。
3次元光学プロファイラー(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて支持体又はカバーフィルムの表面を測定し、光学フィルムの表面プロファイルを得る。
測定・解析ソフトとしては、MetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いる。次に、上記解析ソフトにてSurface Map画面を表示し、Surface Map画面中でヒストグラムデータを得る。得られたヒストグラムデータから、算術平均粗さを算出し、支持体又はカバーフィルムの表面のRa値を得る。
支持体又はカバーフィルムが感光性層等に貼り合わされている場合は、感光性層から支持体又はカバーフィルムを剥離して、剥離した側の表面のRa値を測定すればよい。
また、滑剤層の厚みは、0.05μm~1.0μmが好ましい。
本開示に用いられる上記積層体は、感光性層を有する。
本開示に用いられる感光性転写部材は、感光性層を有する。
以下、各成分を順に説明する。
感光性層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
バインダーポリマーとしては、特に制限はなく、例えば、エッチングレジストに用いられる公知のバインダーポリマーが好適に挙げられる。
また、バインダーポリマーとしては、アルカリ可溶性高分子が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子としては、酸基を有するアルカリ可溶性高分子であることが好ましい。
中でも、バインダーポリマーとしては、後述する重合体Aが好ましい。
バインダーポリマーとしては、重合体Aを含むことが好ましい。
重合体Aは、アルカリ可溶性高分子であることが好ましい。アルカリ可溶性高分子は、アルカリ物質に溶け易い高分子を包含する。
重合体Aの酸価の下限は特に制限されないが、現像性がより優れる点から、60mgKOH/g以上が好ましく、120mgKOH/g以上がより好ましく、150mgKOH/g以上が更に好ましく、170mgKOH/g以上が特に好ましい。
本明細書においては、単位をmgKOH/gと記載する。酸価は、例えば、化合物中における酸基の平均含有量から算出できる。
重合体Aの酸価は、重合体Aを構成する構成単位の種類及び酸基を含有する構成単位の含有量により調整すればよい。
重合体Aにおける第一の単量体由来の構成単位の含有割合は、重合体Aの全質量を基準として、5質量%~50質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましく、15質量%~30質量%であることが更に好ましい。
重合体Aにおける第二の単量体由来の構成単位の含有割合は、重合体Aの全質量を基準として、5質量%~60質量%であることが好ましく、15質量%~50質量%であることがより好ましく、20質量%~45質量%であることが更に好ましい。
一態様において、重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する構成単位を25質量%~40質量%、第一の単量体由来の構成単位を20質量%~35質量%、及び、第二の単量体由来の構成単位を30質量%~45質量%含む重合体であることが好ましい。また、別の態様において、芳香族炭化水素基を有する構成単位を70質量%~90質量%、及び、第一の単量体由来の構成単位を10質量%~25質量%含む重合体であることが好ましい。
側鎖に分岐構造を有する基を含むモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸i-アミル、(メタ)アクリル酸t-アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2-オクチル、(メタ)アクリル酸3-オクチル、及び(メタ)アクリル酸t-オクチル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、又はメタクリル酸t-ブチルが好ましく、メタクリル酸i-プロピル又はメタクリル酸t-ブチルがより好ましい。
側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーの具体例としては、単環の脂肪族炭化水素基を有するモノマー、及び、多環の脂肪族炭化水素基を有するモノマーが挙げられる。また、炭素数(炭素原子数)5個~20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。より具体的な例としては、(メタ)アクリル酸(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2)、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-5-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5,8-トリエチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-8-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-5-イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-1-イルメチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、(メタ)アクリル酸-3,7,7-トリメチル-4-ヒドロキシ-ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-2,2,5-トリメチルシクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンがより好ましい。
重合体A以外の樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン-アクリル共重合体(但し、スチレン含有率が40質量%以下であるもの)、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、及び、ポリアルキレングリコールが挙げられる。
また更に、上記バインダーポリマーの酸価は、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点からは、100mgKOH/g~200mgKOH/gであることが好ましい。
バインダーポリマーの、感光性層の全質量に対する割合は、好ましくは10質量%~90質量%の範囲であり、より好ましくは30質量%~70質量%であり、更に好ましくは40質量%~60質量%である。感光性層に対するバインダーポリマーの割合を90質量%以下にすることは、現像時間を制御する観点から好ましい。一方で、感光性層に対するバインダーポリマーの割合を10質量%以上にすることは、耐エッジフューズ性を向上させる観点から好ましい。
感光性層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本明細書において「重合性化合物」とは、後述する重合開始剤の作用を受けて重合する化合物であって、上述したバインダーポリマーとは異なる化合物を意味する。
エチレン性不飽和化合物は、ネガ型感光性層の感光性(すなわち、光硬化性)及び硬化膜の強度に寄与する成分である。
また、エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
感光性層は、エチレン性不飽和化合物として、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
ここで、2官能以上のエチレン性不飽和化合物とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
重合性化合物が有する重合性基としては、重合反応に関与する基であれば特に制限されず、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基及びマレイミド基等のエチレン性不飽和基を有する基;並びに、エポキシ基及びオキセタン基等のカチオン性重合性基を有する基が挙げられる。
重合性基としては、エチレン性不飽和基を有する基が好ましく、アクリロイル基又はメタアクリロイル基がより好ましい。
また、解像性及び剥離性により優れる点で、エチレン性不飽和化合物が一分子中に有するエチレン性不飽和基の数は、6つ以下が好ましく、3つ以下がより好ましく、2つ以下が更に好ましい。
感光性層における、重合性化合物の含有量に対する2官能エチレン性不飽和化合物の含有量は、剥離性に優れる点から、60質量%以上が好ましく、70質量%超がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されず、100質量%であってもよい。即ち、感光性層に含まれる重合性化合物が全て2官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
また、エチレン性不飽和化合物としては、重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
感光性層は、芳香環及び2つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物B1を含有することが好ましい。重合性化合物B1は、上述した重合性化合物のうち、一分子中に1つ以上の芳香環を有する2官能エチレン性不飽和化合物である。
重合性化合物B1は、芳香環を1つのみ有してもよく、2つ以上の芳香環を有してもよい。
ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)に由来するビスフェノールA構造、ビスフェノールF(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン)に由来するビスフェノールF構造、及び、ビスフェノールB(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン)に由来するビスフェノールB構造が挙げられ、ビスフェノールA構造が好ましい。
ビスフェノール構造の両端と2つの重合性基とは、直接結合してもよく、1つ以上のアルキレンオキシ基を介して結合してもよい。ビスフェノール構造の両端に付加するアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。ビスフェノール構造に付加するアルキレンオキシ基の付加数は特に制限されないが、1分子あたり4~16個が好ましく、6~14個がより好ましい。
ビスフェノール構造を有する重合性化合物B1については、特開2016-224162号公報の段落0072~0080に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。
2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(FA-324M、日立化成(株)製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-500、新中村化学工業(株)製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシドデカエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン(FA-3200MY、日立化成(株)製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-1300、新中村化学工業(株)製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-200、新中村化学工業(株)製)、及び、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート(NKエステルA-BPE-10、新中村化学工業(株)製)が挙げられる。
で表される化合物を使用することができる。
一態様において、n1+n2+n3+n4は、2~20が好ましく、2~16がより好ましく、4~12が更に好ましい。また、n2+n4は、0~10が好ましく、0~4がより好ましく、0~2が更に好ましく、0が特に好ましい。
感光性層における、重合性化合物B1の含有量は、解像性がより優れる点から、感光性層の総質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、転写性及びエッジフュージョン(転写部材の端部から感光性層中の成分、特にバインダーポリマー等が滲み出す現象)の点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
重合性化合物B1以外の重合性化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。例えば、一分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(単官能エチレン性不飽和化合物)、芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物、及び、3官能以上のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業(株)製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業(株)製)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(A-NOD-N、新中村化学工業(株)製)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N、新中村化学工業(株)製)、エチレングリコールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、及び、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、及び、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、プロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。の市販品としては、例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル(株)製)、UA-32P(新中村化学工業(株)製)、及び、UA-1100H(新中村化学工業(株)製)が挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念であり、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。一態様において、感光性層は、上述した重合性化合物B1及び3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましい。この場合、重合性化合物B1と3官能以上のエチレン性不飽和化合物の質量比は、(重合性化合物B1の合計質量):(3官能以上のエチレン性不飽和化合物の合計質量)=1:1~5:1が好ましく、1.2:1~4:1がより好ましく、1.5:1~3:1が更に好ましい。
また、一態様において、感光性層は、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
また、感光性層における重合性化合物は、硬化性、及び、得られるエッチングパターンの解像度の観点から、(メタ)アクリル化合物を含むことが好ましい。
更に、感光性層における重合性化合物は、硬化性、並びに、得られるエッチングパターンの解像度、及び、現像時の残渣抑制性の観点から、(メタ)アクリル化合物を含み、かつ感光性層に含まれる上記(メタ)アクリル化合物の全質量に対するアクリル化合物の含有量が、60質量%以下であることがより好ましい。
感光性層における重合性化合物の含有量は、感光性層の全質量に対し、10質量%~70質量%が好ましく、20質量%~60質量%がより好ましく、20質量%~50質量%が更に好ましい。
感光性層は、バインダーポリマー及び重合性化合物以外の成分を含有してもよい。
感光性層は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、紫外線、可視光線及びX線等の活性光線を受けて、重合性化合物の重合を開始する化合物である。光重合開始剤としては、特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が挙げられ、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体の誘導体としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、及び、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、-10.0以上が好ましい。
イオン性光カチオン重合開始剤として、例えば、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、並びに、第4級アンモニウム塩類が挙げられる。
イオン性光カチオン重合開始剤としては、特開2014-85643号公報の段落0114~0133に記載のイオン性光カチオン重合開始剤を用いてもよい。
感光性層における光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、感光性層の全質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、感光性層の全質量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
感光性層は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び、解像性の観点から、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、かつ、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(単に「色素N」ともいう。)を含有することが好ましい。色素Nを含有すると、詳細なメカニズムは不明であるが、隣接する層(例えば支持体及び中間層)との密着性が向上し、解像性により優れる。
具体的には、色素Nは、露光により消色状態から変化して発色する化合物であってもよいし、露光により発色状態から変化して消色する化合物であってもよい。この場合、露光により酸、塩基又はラジカルが感光性層内において発生し作用することにより、発色又は消色の状態が変化する色素でもよく、酸、塩基又はラジカルにより感光性層内の状態(例えばpH)が変化することで発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。また、露光を介さずに、酸、塩基又はラジカルを刺激として直接受けて発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。
感光性層は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Nとしてラジカルにより最大吸収波長が変化する色素、及び、光ラジカル重合開始剤の両者を含有することが好ましい。
また、露光部及び非露光部の視認性の観点から、色素Nは、酸、塩基、又はラジカルにより発色する色素であることが好ましい。
また、色素Nは、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける極大吸収波長を1つのみ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。色素Nが発色時の波長範囲400nm~780nmにおける極大吸収波長を2つ以上有する場合は、2つ以上の極大吸収波長のうち吸光度が最も高い極大吸収波長が450nm以上であればよい。
露光により消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物、ジアリールメタン系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフトキノン系色素、アゾメチン系色素及びアントラキノン系色素が挙げられる。
色素Nとしては、露光部及び非露光部の視認性の観点から、ロイコ化合物が好ましい。
中でも、トリアリールメタン系色素又はフルオラン系色素が好ましく、トリフェニルメタン骨格を有するロイコ化合物(トリフェニルメタン系色素)又はフルオラン系色素がより好ましい。
色素Nのうち染料の具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α-ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルー-ナフタレンスルホン酸塩、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業(株)製)、オイルブルー#603(オリヱント化学工業(株)製)、オイルピンク#312(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッド5B(オリヱント化学工業(株)製)、オイルスカーレット#308(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッドOG(オリヱント化学工業(株)製)、オイルレッドRR(オリヱント化学工業(株)製)、オイルグリーン#502(オリヱント化学工業(株)製)、スピロンレッドBEHスペシャル(保土谷化学工業(株)製)、m-クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシアニリノ-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシステアリルアミノ-4-p-N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノ-フェニルイミノナフトキノン、1-フェニル-3-メチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン、及び、1-β-ナフチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロンが挙げられる。
色素Nとしては、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットラクトン、ブリリアントグリーン、又は、ビクトリアピュアブルー-ナフタレンスルホン酸塩が好ましい。
色素Nの含有量は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び、解像性の観点から、感光性層の全質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.1質量%~10質量%がより好ましく、0.1質量%~5質量%が更に好ましく、0.1質量%~1質量%が特に好ましい。
メチルエチルケトン100mLに、色素0.001g及び0.01gを溶かした2種類の溶液を調製する。得られた各溶液に、光ラジカル重合開始剤Irgacure OXE01(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、全ての色素を発色状態にする。その後、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、(株)島津製作所製)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。
次に、色素に代えて感光性層3gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法で、色素を全て発色させた溶液の吸光度を測定する。得られた感光性層を含有する溶液の吸光度から、検量線に基づいて感光性層に含まれる色素の含有量を算出する。
感光性層は、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、熱架橋性化合物を含むことが好ましい。なお、本明細書においては、後述する重合性基を有する熱架橋性化合物は、重合性化合物としては扱わず、熱架橋性化合物として扱うものとする。
熱架橋性化合物としては、メチロール化合物、及びブロックイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、ヒドロキシ基及びカルボキシ基と反応するため、例えば、バインダーポリマー及び/又は重合性化合物等が、ヒドロキシ基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有する場合には、形成される膜の親水性が下がり、感光性層を硬化した膜を保護膜として使用する場合の機能が強化される傾向がある。
なお、ブロックイソシアネート化合物とは、「イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(いわゆる、マスク)した構造を有する化合物」を指す。
ブロックイソシアネートの解離温度とは、「示差走査熱量計を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合における、ブロックイソシアネートの脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度」を意味する。
示差走査熱量計としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量計(型式:DSC6200)を好適に使用できる。但し、示差走査熱量計は、これに限定されない。
これらの中でも、解離温度が100℃~160℃であるブロック剤としては、例えば、保存安定性の観点から、オキシム化合物を含むことが好ましい。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート化して保護することにより得られる。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物の中でも、オキシム化合物をブロック剤として用いたオキシム構造を有する化合物が、オキシム構造を有さない化合物よりも解離温度を好ましい範囲にしやすく、且つ、現像残渣を少なくしやすいという観点から好ましい。
重合性基としては、特に制限はなく、公知の重合性基を用いることができ、ラジカル重合性基が好ましい。
重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基等のエチレン性不飽和基、並びに、グリシジル基等のエポキシ基を有する基が挙げられる。
中でも、重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましく、アクリロキシ基が更に好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、カレンズ(登録商標) AOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BP等(以上、昭和電工(株)製)、ブロック型のデュラネートシリーズ(例えば、デュラネート(登録商標) TPA-B80E、デュラネート(登録商標) WT32-B75P等、旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
また、ブロックイソシアネート化合物として、下記の構造の化合物を用いることもできる。
感光性層が熱架橋性化合物を含む場合、熱架橋性化合物の含有量は、感光性層の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましい。
感光性層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられ、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
感光性層は、解像性がより優れる点から、フッ素系ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。感光性層がフッ素系ノニオン性界面活性剤を含有することにより、エッチング液の感光性層への浸透を抑制してサイドエッチングを低減するためと考えられる。
フッ素系ノニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF-551-A、F-552及びF-554(いずれもDIC(株)製)が挙げられる。
また、界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好ましい。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファック(商品名)DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファック(商品名)DS-21が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、ブロックポリマーを用いることもできる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。メガファック(商品名)RS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤として、例えば、炭素数が7以上の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物が使用されてもよい。ただし、環境適性向上の観点から、フッ素系界面活性剤として、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)又はペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の代替材料が使用されることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、DOWSIL(商品名)8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)並びに、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越化学工業(株)製)、F-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、感光性層の全質量に対し、0.001質量%~10質量%が好ましく、0.01質量%~3質量%がより好ましい。
感光性層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、ラジカル重合禁止剤、増感剤、可塑剤、ヘテロ環状化合物、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類、重合体A以外の樹脂、及び、溶剤が挙げられる。感光性層は、各添加剤を1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載された熱重合防止剤が挙げられる。中でも、フェノチアジン、フェノキサジン又は4-メトキシフェノールが好ましい。その他のラジカル重合禁止剤としては、ナフチルアミン、塩化第一銅、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。感光性層の感度を損なわないために、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩をラジカル重合禁止剤として使用することが好ましい。
増感剤は、特に制限されず、公知の増感剤、染料及び顔料を用いることができる。増感剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、アクリドン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4-トリアゾール)、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、及び、アミノアクリジン化合物が挙げられる。
感光性層が増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、及び、重合速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、感光性層の全質量に対して、0.01質量%~5質量%が好ましく、0.05質量%~1質量%がより好ましい。
可塑剤及びヘテロ環状化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落0097~0103及び0111~0118に記載された化合物が挙げられる。
感光性層に含有される添加剤については特開2014-85643号公報の段落0165~0184に記載されており、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
感光性層の厚さ(層厚)は、0.1μm~300μmが好ましく、0.2μm~100μmがより好ましく、0.5μm~50μmが更に好ましく、0.5μm~30μmがより更に好ましく、1μm~20μmが特に好ましく、2μm~10μmが最も好ましい。これにより、感光性層の現像性が向上し、解像性を向上させることができる。
感光性転写部材が備える各層の層厚は、上記積層体又は感光性転写部材の主面に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察し、得られた観察画像に基づいて各層の厚さを10点以上計測し、その平均値を算出することにより、測定される。
感光性層は、所定量の不純物を含んでいてもよい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、ハロゲン及びこれらのイオンが挙げられる。中でも、ハロゲン化物イオン、ナトリウムイオン、及び、カリウムイオンは不純物として混入し易いため、下記の含有量にすることが好ましい。
選択すること、及び、感光性層の形成時に不純物の混入を防ぐこと、洗浄して除去することが挙げ
られる。このような方法により、不純物量を上記範囲内とすることができる。
オンクロマトグラフィー法等の公知の方法で定量できる。
感光性層は、上述したバインダーポリマーの各構成単位に対応する残存モノマーを含む場合がある。
残存モノマーの含有量は、パターニング性、及び、信頼性の点から、バインダーポリマーの全質量に対して、5,000質量ppm以下が好ましく、2,000質量ppm以下がより好ましく、500質量ppm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、1質量ppm以上が好ましく、10質量ppm以上がより好ましい。
バインダーポリマーの各構成単位の残存モノマーは、パターニング性、及び、信頼性の点から、感光性層の全質量に対して、3,000質量ppm以下が好ましく、600質量ppm以下がより好ましく、100質量ppm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、0.1質量ppm以上が好ましく、1質量ppm以上がより好ましい。
残存モノマーの量は、液体クロマトグラフィー、及び、ガスクロマトグラフィー等の公知の方法で測定できる。
感光性層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
感光性層の形成方法としては、例えば、バインダーポリマー、重合性化合物及び溶剤を含有する感光性組成物を調製し、支持体等の表面に感光性組成物を塗布し、感光性組成物の塗膜を乾燥することにより形成する方法が挙げられる。
感光性組成物は、感光性組成物の粘度を調節し、感光性層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。
感光性組成物に含有される溶剤としては、バインダーポリマー、重合性化合物及び上記の任意成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、公知の溶剤を使用できる。
溶剤としては、例えば、アルキレングリコールエーテル溶剤、アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤、アルコール溶剤(メタノール及びエタノール等)、ケトン溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン等)、非プロトン性極性溶剤(N,N-ジメチルホルムアミド等)、環状エーテル溶剤(テトラヒドロフラン等)、エステル溶剤、アミド溶剤、ラクトン溶剤、並びにこれらの2種以上を含む混合溶剤が挙げられる。
支持体、熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性層を備える感光性転写部材を作製する場合、感光性組成物は、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。中でも、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、ケトン溶剤及び環状エーテル溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種とを含む混合溶剤がより好ましく、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種、ケトン溶剤、並びに環状エーテル溶剤の3種を少なくとも含む混合溶剤が更に好ましい。
アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられる。
溶剤としては、国際公開第2018/179640号の段落0092~0094に記載された溶剤、及び、特開2018-177889公報の段落0014に記載された溶剤を用いてもよく、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
感光性組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、感光性組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部~1,900質量部が好ましく、100質量部~900質量部がより好ましい。
感光性組成物は、感光性層を形成する前に、孔径0.2μm~30μmのフィルターを用いてろ過することが好ましい。
また、感光性層は、感光性組成物を後述するカバーフィルム上に塗布し、乾燥することにより形成してもよい。
上記積層体は、熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
感光性転写部材は、熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
感光性転写部材は、支持体と感光性層との間に熱可塑性樹脂層を備えることが好ましい。感光性転写部材が支持体と感光性層との間に熱可塑性樹脂層を備えることにより、基板との貼り合わせ時における基板への追従性が向上して、基板と感光性転写部材との間の気泡の混入が抑制され、隣接する層(例えば支持体)との密着性が向上するためである。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂を含有する。
なお、本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びポリアルキレングリコールが挙げられる。
ここで、アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位、及び、(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構成単位を有する樹脂を意味する。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位、及び、(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位の合計含有量が、アクリル樹脂の全質量に対して50質量%以上であることが好ましい。
中でも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計含有量が、アクリル樹脂の全質量に対して30質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。
酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホン酸基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、現像性の観点から、酸価60mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂がより好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価の上限は、特に制限されないが、200mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましい。
例えば、特開2011-95716号公報の段落0025に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であるアルカリ可溶性樹脂、特開2010-237589号公報の段落0033~0052に記載のポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂、及び、特開2016-224162号公報の段落0053~0068に記載のバインダーポリマーのうちの酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が挙げられる。
上記カルボキシ基含有アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位の共重合比は、アクリル樹脂の全質量に対して、5質量%~50質量%が好ましく、10質量%~40質量%がより好ましく、12質量%~30質量%が更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有するアクリル樹脂が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、10質量%~99質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~80質量%が更に好ましく、50質量%~70質量%が特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(単に「色素B」ともいう。)を含有することが好ましい。
色素Bの好ましい態様は、後述する点以外は、色素Nの好ましい態様と同様である。
熱可塑性樹脂層は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Bとしての酸により最大吸収波長が変化する色素、及び、後述する光により酸を発生する化合物の両者を含有することが好ましい。
色素Bの含有量は、露光部及び非露光部の視認性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.2質量%以上が好ましく、0.2質量%~6質量%がより好ましく、0.2質量%~5質量%が更に好ましく、0.25質量%~3.0質量%が特に好ましい。
メチルエチルケトン100mLに、色素0.001g及び0.01gを溶かした溶液を調製する。得られた各溶液に、光ラジカル重合開始剤Irgacure OXE01(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、全ての色素を発色状態にする。その後、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、(株)島津製作所製)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。
次に、色素に代えて熱可塑性樹脂層0.1gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法で、色素を全て発色させた溶液の吸光度を測定する。得られた熱可塑性樹脂層を含有する溶液の吸光度から、検量線に基づいて熱可塑性樹脂層に含まれる色素の量を算出する。
熱可塑性樹脂層は、光により酸、塩基又はラジカルを発生する化合物(単に「化合物C」ともいう。)を含有してもよい。
化合物Cとしては、紫外線及び可視光線等の活性光線を受けて、酸、塩基、又はラジカルを発生する化合物が好ましい。
化合物Cとしては、公知の、光酸発生剤、光塩基発生剤、及び、光ラジカル重合開始剤(光ラジカル発生剤)を用いることができる。中でも、光酸発生剤が好ましい。
熱可塑性樹脂層は、解像性の観点から、光酸発生剤を含有することが好ましい。
光酸発生剤としては、上述した感光性層が含有してもよい光カチオン重合開始剤が挙げられ、後述する点以外は好ましい態様も同じである。
また、光酸発生剤としては、以下の構造を有する光酸発生剤も好ましい。
熱可塑性樹脂層は、光ラジカル重合開始剤(光ラジカル重合開始剤)を含有してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、上述した感光性層が含有してもよい光ラジカル重合開始剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
熱可塑性樹脂層は、光塩基発生剤を含有してもよい。
光塩基発生剤としては、公知の光塩基発生剤であれば特に制限されず、例えば、2-ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、トリフェニルメタノール、O-カルバモイルヒドロキシルアミド、O-カルバモイルオキシム、[[(2,6-ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6-ジアミン、4-(メチルチオベンゾイル)-1-メチル-1-モルホリノエタン、(4-モルホリノベンゾイル)-1-ベンジル-1-ジメチルアミノプロパン、N-(2-ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン、及び、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2,4-ジニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジンが挙げられる。
化合物Cの含有量は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%が好ましく、0.5質量%~5質量%がより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤は、アルカリ可溶性樹脂よりも分子量(オリゴマー又はポリマーである場合は重量平均分子量(Mw))が小さいことが好ましい。可塑剤の分子量(重量平均分子量(Mw))は、200~2,000が好ましい。
可塑剤は、アルカリ可溶性樹脂と相溶して可塑性を発現する化合物であれば特に制限されないが、可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましく、ポリアルキレングリコール化合物がより好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は、ポリエチレンオキシ構造又はポリプロピレンオキシ構造を有することがより好ましい。
可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、上述した感光性層に含有される重合性化合物として記載した(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
感光性転写部材において、熱可塑性樹脂層と感光性層とが直接接触して積層される場合、熱可塑性樹脂層及び感光性層がいずれも同じ(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。同じ(メタ)アクリレート化合物を熱可塑性樹脂層及び感光性層がそれぞれ含有することで、層間の成分拡散が抑制され、保存安定性が向上するためである。
また、可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、一分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
更に、可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、又は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物も好ましい。
可塑剤の含有量は、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、1質量%~70質量%が好ましく、10質量%~60質量%がより好ましく、20質量%~50質量%が特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、上述した感光性層が含有してもよい界面活性剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
界面活性剤の含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、0.001質量%~10質量%が好ましく、0.01質量%~3質量%がより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、増感剤を含有してもよい。
増感剤としては、特に制限されず、上述した感光性層が含有してもよい増感剤が挙げられる。
増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、及び、露光部及び非露光部の視認性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%~5質量%の範囲が好ましく、0.05質量%~1質量%の範囲がより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。
また、熱可塑性樹脂層については、特開2014-85643号公報の段落0189~0193に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。
熱可塑性樹脂層の層厚は、特に制限されないが、隣接する層との密着性の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、現像性及び解像性の観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。
熱可塑性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
熱可塑性樹脂層の形成方法としては、例えば、上記の成分と溶剤とを含有する熱可塑性樹脂組成物を調製し、支持体等の表面に熱可塑性樹脂組成物を塗布し、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥することにより形成する方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物の粘度を調節し、熱可塑性樹脂層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤としては、熱可塑性樹脂層に含有される上記成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されない。
熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤としては、上述した感光性組成物が含有してもよい溶剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
熱可塑性樹脂組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部~1,900質量部が好ましく、100質量部~900質量部がより好ましい。
例えば、熱可塑性樹脂層に含有される各成分を上記溶剤に溶解させた溶液を予め調製し、得られた溶液を所定の割合で混合することにより、熱可塑性樹脂組成物が調製した後、
得られた熱可塑性樹脂組成物を支持体の表面に塗布し、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥させることにより、熱可塑性樹脂層が形成される。
また、後述するカバーフィルム上に、感光性層及び中間層を形成した後、中間層の表面に熱可塑性樹脂層を形成してもよい。
上記積層体は、熱可塑性樹脂層と感光性層との間に、中間層を有していてもよい
感光性転写部材は、熱可塑性樹脂層と感光性層との間に、中間層を有することが好ましい。中間層を有することにより、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制できる。
中間層は、現像性、並びに、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制する観点から、水溶性の層であることが好ましい。
なお、本明細書において「水溶性」とは、液温が22℃であるpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
中間層として用いられる酸素遮断層は、上記公報等に記載された公知の層から適宜選択すればよい。中でも、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液(22℃の炭酸ナトリウムの1質量%水溶液)に分散又は溶解する酸素遮断層が好ましい。
中間層に含有される樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及び、これらの共重合体等の樹脂が挙げられる。
中間層に含有される樹脂としては、水溶性樹脂が好ましい。
また、中間層に含有される樹脂は、複数層間の成分の混合を抑制する観点から、感光性層に含有される重合体A、及び、熱可塑性樹脂層に含有され熱可塑性樹脂(アルカリ可溶性樹脂)のいずれとも異なる樹脂であることが好ましい。
中間層における樹脂の含有量は、特に制限されないが、酸素遮断性、並びに、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制する観点から、中間層の全質量に対し、50質量%~100質量%が好ましく、70質量%~100質量%がより好ましく、80質量%~100質量%が更に好ましく、90質量%~100質量%が特に好ましい。
また、中間層は、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。
中間層の厚みが上記の範囲内であると、酸素遮断性を低下させることがなく、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制でき、また、現像時の中間層除去時間の増大を抑制できるためである。
中間層組成物は、中間層組成物の粘度を調節し、中間層の形成を容易にするため、溶剤を含有することが好ましい。
水混和性の有機溶剤としては、例えば、炭素数1~3のアルコール、アセトン、エチレングリコール及びグリセリンが挙げられ、炭素数1~3のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。
上記積層体は、感光性層の支持体に対向していない面に接するカバーフィルムを有することが好ましい。
感光性転写部材は、感光性層の支持体に対向していない面に接するカバーフィルムを有することが好ましい。
以下、本明細書において、感光性層の支持体に対向する面を「第1面」ともいい、第1面とは反対側の面を「第2面」ともいう。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、及び、ポリカーボネートフィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、又は、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、カバーフィルムの感光性層に接する面(以下単に「カバーフィルムの表面」ともいう)の算術平均粗さRa値は、解像性により優れる点から、0.3μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましく、0.05μm以下であることが特に好ましい。カバーフィルムの表面のRa値が上記範囲であることにより、感光性層及び形成される樹脂パターンの層厚の均一性が向上するためと考えられる。
カバーフィルムの表面のRa値の下限は特に制限されないが、0.001μm以上が好ましい。
コントラストエンハンスメント層については、国際公開第2018/179640号の段落0134に記載されている。また、その他の層については特開2014-85643号公報の段落0194~0196に記載されている。これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。
また、感光性転写部材における感光性層、中間層及び熱可塑性樹脂層の総厚さは、本開示における効果をより発揮する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましく、2μm以上8μm以下であることが特に好ましい。
本開示に用いられる感光性層を有する積層体は、
感光性層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上であり、
支持体の感光性層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、
カバーフィルムの感光性層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下であることが好ましい。
X×Y<1,500 式(R1)
ここで、上記式(R1)中、Xは、感光性層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びの値(%)を表し、Yは、支持体の感光性層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
X×Yは、750以下がより好ましい。
破断伸びは、厚み20μmの感光性層を超高圧水銀ランプにより120mJ/cm2で露光して硬化した後、高圧水銀ランプで400mJ/cm2で更に追加露光し、145℃で30分間加熱した後の硬化膜を用い、引っ張り試験によって測定する。
Y≦Z 式(R2)
ここで、上記式(R2)中、Yは、支持体の感光性層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表し、Zは、カバーフィルムの感光性層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
本開示に用いられる感光性転写部材(感光性層を有する積層体)の製造方法は、特に制限されず、公知の製造方法、例えば、公知の各層の形成方法を用いることができる。
以下、図2を参照しながら、本開示に用いられる感光性転写部材の製造方法について説明する。但し、本開示に用いられる感光性転写部材は、図2に示す構成を有するものに制限されない。
図2は、本開示に用いられる感光性転写部材の構成の一例を示す概略図である。図2に示す感光性転写部材100は、支持体10と、熱可塑性樹脂層12と、中間層14と、感光性層16と、カバーフィルム18とがこの順に積層された構成を有する。
上記の製造方法において、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する熱可塑性樹脂組成物と、水及び水混和性の有機溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する中間層組成物と、バインダーポリマー、重合性化合物、並びに、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する感光性組成物とを使用することが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂層12の表面への中間層組成物の塗布、及び/又は、中間層組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、熱可塑性樹脂層12に含有される成分と中間層14に含有される成分との混合を抑制でき、なお且つ、中間層14の表面への感光性組成物の塗布、及び/又は、感光性組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、中間層14に含有される成分と感光性層16に含有される成分との混合を抑制できる。
本開示に用いられる感光性転写部材の製造方法としては、感光性層16の第2面に接するようにカバーフィルム18を設ける工程を含むことにより、支持体10、熱可塑性樹脂層12、中間層14、感光性層16及びカバーフィルム18を備える感光性転写部材100を製造することが好ましい。
上記の製造方法により感光性転写部材100を製造した後、感光性転写部材100を巻き取ることにより、ロール形態の感光性転写部材を作製及び保管してもよい。ロール形態の感光性転写部材は、ロールツーロール方式での基板との貼り合わせにそのままの形態で提供できる。
着色樹脂層の用途としては、上述した以外に、例えば、液晶表示装置(LCD)、並びに、固体撮像素子〔例えば、CCD(charge-coupled device)及びCMOS(complementary metal oxide semiconductor)〕に用いられるカラーフィルタ等の着色画素又はブラックマトリクスを形成する用途に好適である。
近年の電子機器が有する液晶表示窓には、液晶表示窓を保護するために、透明なガラス基板等の裏面周縁部に黒色の枠状遮光層が形成されたカバーガラスが取り付けられている場合がある。このような遮光層を形成するために着色樹脂層が使用し得る。
着色樹脂層における顔料以外の態様については、上述した態様と同様である。
着色樹脂層に用いられる顔料としては、所望とする色相に合わせて適宜選択すればよく、黒色顔料、白色顔料、黒色及び白色以外の有彩色の顔料の中から選択できる。中でも、黒色系のパターンを形成する場合には、顔料として黒色顔料が好適に選択される。
ここで、粒径とは、電子顕微鏡で撮影した顔料粒子の写真像から顔料粒子の面積を求め、顔料粒子の面積と同面積の円を考えた場合の円の直径を指し、数平均粒径は、任意の100個の粒子について上記の粒径を求め、求められた100個の粒径を平均して得られる平均値である。
また、酸化チタンの表面は、シリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、又は有機物処理が施されていてもよく、二つ以上の処理が施されてもよい。これにより、酸化チタンの触媒活性が抑制され、耐熱性及び褪光性等が改善される。
加熱後の感光性層の厚みを薄くする観点から、酸化チタンの表面への表面処理としては、アルミナ処理及びジルコニア処理の少なくとも一方が好ましく、アルミナ処理及びジルコニア処理の両方が特に好ましい。
有彩色の顔料としては、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(Color Index(以下C.I.)42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、及びC.I.ピグメント・バイオレット23等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメント・レッド177が好ましい。
分散液は、黒色顔料と顔料分散剤とをあらかじめ混合して得られる混合物を、有機溶剤(又はビヒクル)に加えて分散機で分散させることによって調製されるものでもよい。顔料分散剤は、顔料及び溶剤に応じて選択すればよく、例えば市販の分散剤を使用することができる。なお、ビヒクルとは、顔料分散液とした場合に顔料を分散させている媒質の部分を指し、液状であり、黒色顔料を分散状態で保持するバインダー成分と、バインダー成分を溶解及び希釈する溶剤成分(有機溶剤)と、を含む。
以下において、実施形態Bの積層体について、一例を挙げて説明する。
以下において、実施形態Bの積層体を構成する各要素について説明する。
実施形態Bの積層体に用いられる支持体及びカバーフィルムは、実施形態Aの積層体における支持体及びカバーフィルムと同様であり、好ましい態様も同様である。
感光性転写部材は、感光性層を有する。
感光性層を被転写体上に転写した後、露光及び現像を行うことにより、被転写体上にパターンを形成できる。
以下、感光性層に含まれ得る成分について詳述する。
感光性層は、バインダーポリマーを含むことが好ましい。
バインダーポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、及び、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物との反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂が挙げられる。
また、バインダーポリマーは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル化合物に由来する構成単位を有する樹脂を意味する。(メタ)アクリル化合物に由来する構成単位の含有量は、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル化合物に由来する構成単位のみで構成されていてもよく、(メタ)アクリル化合物以外の重合性単量体に由来する構成単位を有していてもよい。すなわち、(メタ)アクリル化合物に由来する構成単位の含有量の上限は、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、100質量%以下である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートが挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミドが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸エチルがより好ましい。
上記構成単位を形成する重合性単量体としては、(メタ)アクリル化合物と共重合可能な(メタ)アクリル化合物以外の化合物であれば特に制限されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、及び、α-メチルスチレン等のα位又は芳香族環に置換基を有してもよいスチレン化合物、アクリロニトリル及びビニル-n-ブチルエーテル等のビニルアルコールエステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、及び、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマル酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、並びに、クロトン酸が挙げられる。
これらの重合性単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、(メタ)アクリル樹脂は、カルボキシ基を有する構成単位を有することがより好ましく、上記の(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有することが更に好ましい。
(メタ)アクリル樹脂における(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の含有量は、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、50質量%~90質量%が好ましく、60質量%~90質量%がより好ましく、65質量%~90質量%が更に好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂としては、メタクリル酸に由来する構成単位、メタクリル酸メチルに由来する構成単位、及び、アクリル酸エチルに由来する構成単位を有するアクリル樹脂も好ましい。
(メタ)アクリル樹脂におけるメタクリル酸に由来する構成単位及びメタクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の合計含有量は、解像性の観点から、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されず、100質量%以下であってもよく、80質量%以下が好ましい。
解像性の観点から、メタクリル酸に由来する構成単位及びメタクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の合計含有量は、アクリル酸に由来する構成単位及びアクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の合計含有量に対して、質量比で60/40~80/20が好ましい。
なお、(メタ)アクリル樹脂の末端部は、合成に用いた重合開始剤に由来する部位により構成される。末端にエステル基を有する(メタ)アクリル樹脂は、エステル基を有するラジカルを発生する重合開始剤を用いることにより合成できる。
また、バインダーポリマーは、例えば、加熱により架橋成分と熱架橋し、強固な膜を形成しやすいという点から、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基を有する樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有樹脂)であることがより好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂)であることが更に好ましい。
バインダーポリマーがカルボキシ基を有する樹脂であると、例えば、ブロックイソシアネート化合物等の熱架橋性化合物を添加して熱架橋することで、3次元架橋密度を高めることができる。また、カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基が無水化され、疎水化すると、湿熱耐性が改善し得る。
例えば、特開2011-095716号公報の段落0025に記載のポリマーのうち、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂、特開2010-237589号公報の段落0033~0052に記載のポリマーのうち、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂等を好ましく使用できる。
また、スチレン化合物に由来する構成単位の含有量は、上記共重合体の全構成単位に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、5質量%~80質量%が更に好ましい。
また、上記(メタ)アクリル化合物に由来する構成単位の含有量は、上記共重合体の全構成単位に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%~95質量%が更に好ましい。
芳香環構造を有する構成単位を形成するモノマーとしては、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、及び、α-メチルスチレン等のスチレン化合物、並びに、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、スチレン化合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
また、バインダーポリマーは、得られる硬化膜の透湿度及び強度の観点から、下記式(S)で表される構成単位(スチレンに由来する構成単位)を有することがより好ましい。
また、バインダーポリマーにおける芳香環構造を有する構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度及び強度の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~60モル%がより好ましく、20モル%~60モル%が更に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位の含有量は、得られる硬化膜の透湿度及び強度の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~60モル%がより好ましく、20モル%~60モル%が更に好ましく、20モル%~50モル%が特に好ましい。
なお、本明細書において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、上記「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本明細書において、上記「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
中でも、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環が好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環)がより好ましい。
脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を形成するモノマーとしては、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及び、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、バインダーポリマーは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、下記式(Cy)で表される構成単位を有することがより好ましく、上記式(S)で表される構成単位、及び、下記式(Cy)で表される構成単位を有することがより好ましい。
式(Cy)におけるRCyは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、炭素数5~20の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることが好ましく、炭素数6~16の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることがより好ましく、炭素数8~14の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることが更に好ましい。
式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、単環構造であっても、多環構造であってもよい。
また、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、シクロペンタン環構造、シクロヘキサン環構造、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造、ノルボルナン環構造、又は、イソボロン環構造であることが好ましく、シクロヘキサン環構造、又は、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることがより好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることが更に好ましい。
更に、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造であることが好ましく、2~4環の脂肪族炭化水素環が縮環した環であることがより好ましい。
更に、式(Cy)におけるRCyは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、式(Cy)における-C(=O)O-の酸素原子と脂肪族炭化水素環構造とが直接結合する基、すなわち、脂肪族炭化水素環基であることが好ましく、シクロヘキシル基、又は、ジシクロペンタニル基であることがより好ましく、ジシクロペンタニル基であることが更に好ましい。
バインダーポリマーが脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を有する場合、脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位の含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5質量%~90質量%が好ましく、10質量%~80質量%がより好ましく、20質量%~70質量%が更に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位の含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~60モル%がより好ましく、20モル%~50モル%が更に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(Cy)で表される構成単位の含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~60モル%がより好ましく、20モル%~50モル%が更に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける芳香環構造を有する構成単位及び脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位の総含有量は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、10モル%~80モル%が好ましく、20モル%~70モル%がより好ましく、40モル%~60モル%が更に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位及び上記式(Cy)で表される構成単位の総含有量は、本現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、10モル%~80モル%が好ましく、20モル%~70モル%がより好ましく、40モル%~60モル%が更に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける上記式(S)で表される構成単位のモル量nSと上記式(Cy)で表される構成単位のモル量nCyは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、下記式(SCy)に示す関係を満たすことが好ましく、下記式(SCy-1)を満たすことがより好ましく、下記式(SCy-2)を満たすことが更に好ましい。
0.2≦nS/(nS+nCy)≦0.8 式(SCy)
0.30≦nS/(nS+nCy)≦0.75 式(SCy-1)
0.40≦nS/(nS+nCy)≦0.70 式(SCy-2)
上記酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基、及び、リン酸基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
上記酸基を有する構成単位としては、下記に示す、(メタ)アクリル酸由来の構成単位が好ましく、メタクリル酸由来の構成単位がより好ましい。
バインダーポリマーが酸基を有する構成単位を有する場合、酸基を有する構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5質量%~50質量%が好ましく、5質量%~40質量%がより好ましく、10質量%~30質量%が更に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける酸基を有する構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~50モル%がより好ましく、20モル%~40モル%が更に好ましい。
更に、バインダーポリマーにおける(メタ)アクリル酸由来の構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~50モル%がより好ましく、20モル%~40モル%が更に好ましい。
反応性基としては、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、バインダーポリマーがエチレン性不飽和基を有している場合、バインダーポリマーは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。
本明細書において、「主鎖」とは、樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは、主鎖から枝分かれしている原子団を表す。
エチレン性不飽和基としては、アリル基又は(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
反応性基を有する構成単位の一例としては、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
バインダーポリマーが反応性基を有する構成単位を有する場合、反応性基を有する構成単位の含有量は、硬化性、及び、得られる硬化膜の強度の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5質量%~70質量%が好ましく、10質量%~50質量%がより好ましく、20質量%~40質量%が更に好ましい。
また、バインダーポリマーにおける反応性基を有する構成単位の含有量は、硬化性、及び、得られる硬化膜の強度の観点から、バインダーポリマーの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~60モル%がより好ましく、20モル%~50モル%が更に好ましい。
反応性基をバインダーポリマーに導入する手段の好ましい例としては、カルボキシ基を有するポリマーを重合反応により合成した後、高分子反応により、得られた樹脂のカルボキシ基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させて、(メタ)アクリロキシ基をポリマーに導入する手段が挙げられる。この手段により、側鎖に(メタ)アクリロキシ基を有するバインダーポリマーを得ることができる。
上記重合反応は、70℃~100℃の温度条件で行うことが好ましく、80℃~90℃の温度条件で行うことがより好ましい。上記重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、例えば、富士フイルム和光純薬(株)製のV-601(商品名)又はV-65(商品名)がより好ましい。上記高分子反応は、80℃~110℃の温度条件で行うことが好ましい。上記高分子反応においては、アンモニウム塩等の触媒を用いることが好ましい。
カルボン酸無水物構造は、鎖状カルボン酸無水物構造、及び、環状カルボン酸無水物構造のいずれであってもよいが、環状カルボン酸無水物構造であることが好ましい。
環状カルボン酸無水物構造の環としては、5員環~7員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましく、5員環が更に好ましい。
Z1aとしては、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、炭素数2のアルキレン基が更に好ましい。
n1aは、0以上の整数を表す。Z1aが炭素数2~4のアルキレン基を表す場合、n1aは、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
n1aが2以上の整数を表す場合、複数存在するRA1aは、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在するRA1aは、互いに結合して環を形成してもよいが、互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
感光性層が重合体Xを含む場合、解像性及び現像性の観点から、重合体Xの含有量は、感光性層の全質量に対して、0.1質量%~30質量%が好ましく、0.2質量%~20質量%がより好ましく、0.5質量%~20質量%が更に好ましく、1質量%~20質量%が更に好ましい。
なお、バインダーポリマーの酸価は、JIS K0070:1992に記載の方法に従って、測定される値である。
バインダーポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、現像性の観点から、1.0~6.0が好ましく、1.0~5.0がより好ましく、1.0~4.0が更に好ましく、1.0~3.0が特に好ましい。
バインダーポリマーの含有量は、感光性、解像性及び現像性の観点から、感光性層の全質量に対して、10質量%~90質量%が好ましく、20質量%~80質量%がより好ましく、30質量%~70質量%が更に好ましい。
感光性層は、重合性化合物を含んでいてもよい。
重合性化合物は、重合性基を有する化合物である。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基が挙げられ、ラジカル重合性基が好ましい。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロキシ基が好ましい。
なお、本明細書におけるエチレン性不飽和化合物は、上記バインダーポリマー以外の化合物であり、分子量5,000未満であることが好ましい。
また、第2の実施形態に用いられるエチレン性不飽和化合物の好ましい態様としては、上述した第1の実施形態に用いられるエチレン性不飽和化合物の好ましい態様が挙げられる。
Q2-R1-Q1 式(M)
式(M)中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、R1は鎖状構造を有する二価の連結基を表す。
また、式(M)におけるQ1及びQ2は、反応性の点から、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
式(M)におけるR1としては、現像残渣抑制性、防錆性、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、アルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(-L1-O-L1-)、又は、ポリアルキレンオキシアルキレン基(-(L1-O)p-L1-)が好ましく、炭素数2~20の炭化水素基、又は、ポリアルキレンオキシアルキレン基がより好ましく、炭素数4~20のアルキレン基が更に好ましく、炭素数6~18の直鎖アルキレン基が特に好ましい。
上記炭化水素基は、少なくとも一部に鎖状構造を有していればよく、上記鎖状構造以外の部分としては、特に制限はなく、例えば、分岐鎖状、環状、又は、炭素数1~5の直鎖状アルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、及び、それらの組み合わせのいずれであってもよく、アルキレン基、又は、2以上のアルキレン基と1以上のアリーレン基とを組み合わせた基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、直鎖アルキレン基が更に好ましい。
なお、上記L1はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、エチレン基、プロピレン基、又は、ブチレン基が好ましく、エチレン基又は1,2-プロピレン基がより好ましい。
pは2以上の整数を表し、2~10の整数であることが好ましい。
本明細書において、「Q1とQ2の間を連結する最短の連結鎖の原子数」とは、Q1に連結するR1における原子からQ2に連結するR1における原子までを連結する最短の原子数である。
上記化合物の中でも、現像残渣抑制性、防錆性、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましく、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることがより好ましく、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが更に好ましい。
本明細書において、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和化合物におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
上記化合物M以外の2官能のエチレン性不飽和化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及び、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、及び、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、プロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。官能基数の下限としては、6官能以上がより好ましく、8官能以上が更に好ましい。なお、官能基数の上限としては、20官能以下が好ましい。3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル(株)製)、UA-32P(新中村化学工業(株)製)、U-15HA(新中村化学工業(株)製)、UA-1100H(新中村化学工業(株)製)、共栄社化学(株)製のAH-600(商品名)、並びに、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、及びUX-5000(いずれも日本化薬(株)製)等が挙げられる。
酸基としては、リン酸基、スルホ基、及び、カルボキシ基が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、酸基を有する3官能~4官能のエチレン性不飽和化合物〔ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート(PETA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価:80mgKOH/g~120mgKOH/g)〕、酸基を有する5官能~6官能のエチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(DPHA)骨格にカルボキシ基を導入したもの〔酸価:25mgKOH/g~70mgKOH/g)〕等が挙げられる。
これら酸基を有する3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、必要に応じ、酸基を有する2官能のエチレン性不飽和化合物と併用してもよい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物が、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物及びそのカルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であると、現像性及び膜強度がより高まる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成(株)製)、アロニックス(登録商標)M-520(東亞合成(株)製)、アロニックス(登録商標)M-510(東亞合成(株)製)が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
中でも、テトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物が好ましく、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又は、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレートがより好ましい。
エステル結合を含むエチレン性不飽和化合物としては、分子内にエステル結合を含むものであれば特に制限されないが、硬化性及び現像性に優れる観点から、テトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物が好ましく、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又は、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレートがより好ましい。
信頼性付与の点からは、エチレン性不飽和化合物としては、炭素数6~20の脂肪族基を有するエチレン性不飽和化合物と、上記のテトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物と、を含むことが好ましい。
炭素数6以上の脂肪族構造を有するエチレン性不飽和化合物としては、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物としては、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造(好ましくは、トリシクロデカン構造及びトリシクロデセン構造よりなる群から選択される構造)を有するエチレン性不飽和化合物が好ましく、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物がより好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが更に好ましい。
上記脂肪族炭化水素環構造としては、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性、並びに、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、トリシクロデカン構造、トリシクロデセン構造、ノルボルナン構造、又は、イソボロン構造が好ましい。
感光性層に含まれるエチレン性不飽和化合物のうち、分子量300以下のエチレン性不飽和化合物の含有量の割合は、感光性層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の含有量に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物と、3官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量の質量比は10:90~90:10が好ましく、30:70~70:30がより好ましい。
全てのエチレン性不飽和化合物の合計量に対する、2官能のエチレン性不飽和化合物の含有量は、20質量%~80質量%が好ましく、30質量%~70質量%がより好ましい。
感光性層における2官能のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性層の全質量に対し、10質量%~60質量%が好ましく、15質量%~40質量%がより好ましい。
また、感光性層の好適態様の一つとして、感光性層は、基板密着性、現像残渣抑制性、及び、防錆性の点から、化合物M、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、3官能以上のエチレン性不飽和化合物、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、3官能以上のエチレン性不飽和化合物、酸基を有するエチレン性不飽和化合物、及び、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
また、感光性層の好適態様の一つとして、感光性層は、感光性層は、基板密着性、現像残渣抑制性、及び、防錆性の点から、1,9-ノナンジオールジアクリレート、及び、カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及び、カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物、及び、ウレタンアクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物における2官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の総含有量に対し、60質量%~100質量%が好ましく、80質量%~100質量%がより好ましく、90質量%~100質量%が更に好ましい。
感光性層におけるエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性層の全質量に対して、1質量%~70質量%が好ましく、5質量%~70質量%がより好ましく、5質量%~60質量%が更に好ましく、5質量%~50質量%が特に好ましい。
感光性層は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
実施形態Bに用いられる重合開始剤の好ましい態様としては、上述した実施形態Aに用いられる重合開始剤の好ましい態様が挙げられる。
重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
重合開始剤の含有量は、感光性層の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。また、その上限値としては、感光性層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることより好ましい。
感光性層は、複素環化合物を含んでいてもよい。
複素環化合物が有する複素環は、単環及び多環のいずれの複素環でもよい。
複素環化合物が有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。複素環化合物は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有することが好ましく、窒素原子を有することがより好ましい。
上記の中でも、複素環化合物としては、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、トリアジン化合物、ローダニン化合物、チアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、及び、ベンゾオキサゾール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、及び、ベンゾオキサゾール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましい。
感光性層が複素環化合物を含む場合、複素環化合物の含有量は、感光性層の全質量に対して、0.01質量%~20.0質量%が好ましく、0.10質量%~10.0質量%がより好ましく、0.30質量%~8.0質量%が更に好ましく、0.50質量%~5.0質量%が特に好ましい。
感光性層は、脂肪族チオール化合物を含んでいてもよい。
感光性層が脂肪族チオール化合物を含むことで、脂肪族チオール化合物がエチレン性不飽和化合物との間でエン-チオール反応することで、形成される膜の硬化収縮が抑えられ、応力が緩和される。
上記の中でも、脂肪族チオール化合物としては、形成されるパターンの密着性(特に、露光後における密着性)の点から、多官能の脂肪族チオール化合物がより好ましい。
本明細書において、「多官能の脂肪族チオール化合物」とは、チオール基(「メルカプト基」ともいう。)を分子内に2個以上有する脂肪族化合物を意味する。
感光性層が脂肪族チオール化合物を含む場合、脂肪族チオール化合物の含有量は、感光性層の全質量に対して、5質量%以上が好ましく、5質量%~50質量%がより好ましく、5質量%~30質量%が更に好ましく、8質量%~20質量%が特に好ましい。
感光性層は、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の点から、熱架橋性化合物を含むことが好ましい。
実施形態Bの感光性層に用いられる熱架橋性化合物としては、実施形態Aの感光性層において上述した熱架橋性化合物が好適に用いられる。
熱架橋性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性層が熱架橋性化合物を含む場合、熱架橋性化合物の含有量は、感光性層の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましい。
感光性層は、界面活性剤を含んでいてもよい。
実施形態Bの感光性層に用いられる界面活性剤としては、実施形態Aの感光性層において上述した界面活性剤が好適に用いられる。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性層が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、感光性層の全質量に対して、0.01質量%~3.0質量%が好ましく、0.01質量%~1.0質量%がより好ましく、0.05質量%~0.80質量%が更に好ましい。
感光性層は、ラジカル重合禁止剤を含んでいてもよい。
実施形態Bの感光性層に用いられるラジカル重合禁止剤としては、実施形態Aの感光性層において上述したラジカル重合禁止剤が好適に用いられる。
ラジカル重合禁止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性層がラジカル重合禁止剤を含む場合、ラジカル重合禁止剤の含有量は、感光性層の全質量に対して、0.01質量%~3質量%が好ましく、0.05質量%~1質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上の場合、感光性層の保存安定性がより優れる。一方、含有量が3質量%以下である場合、感度の維持及び染料の脱色を抑制がより優れる。
感光性層は、水素供与性化合物を含んでいてもよい。
水素供与性化合物は、光重合開始剤の活性光線に対する感度を一層向上させる、及び、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
水素供与性化合物としては、例えば、アミン類、及び、アミノ酸化合物が挙げられる。
中でも、感度、硬化速度、及び、硬化性の観点から、アミン類としては、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)メタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
中でも、感度、硬化速度、及び、硬化性の観点から、アミノ酸化合物としては、N-フェニルグリシンが好ましい。
感光性層が水素供与性化合物を含む場合、水素供与性化合物の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスとによる硬化速度の向上の点から、感光性層の全質量に対して、0.01質量%~10.0質量%が好ましく、0.01質量%~8.0質量%がより好ましく、0.03質量%~5.0質量%が更に好ましい。
感光性層は、所定量の不純物を含んでいてもよい。
実施形態Bの感光性層における不純物については、実施形態Aの感光性層において上述した不純物の好ましい態様と同様である。
感光性層は、上述したバインダーポリマーの各構成単位に対応する残存モノマーを含む場合がある。
実施形態Bの感光性層におけるバインダーポリマーの各構成単位に対応する残存モノマーについては、実施形態Aの感光性層において上述したバインダーポリマーの各構成単位に対応する残存モノマーの好ましい態様と同様である。
感光性層は、既述の成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、及び、粒子(例えば、金属酸化物粒子)が挙げられる。また、他の成分としては、特開2000-310706号公報の段落0058~0071に記載のその他の添加剤も挙げられる。
粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、及び、Te等の半金属も含まれる。
粒子の平均一次粒子径は、例えば、硬化膜の透明性の点から、1nm~200nmが好ましく、3nm~80nmがより好ましい。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
感光性層は、粒子を含まないか、あるいは、感光性層が粒子を含む場合には、粒子の含有量が感光性層の全質量に対して、0質量%超35質量%以下が好ましく、粒子を含まないか、あるいは、粒子の含有量が感光性層の全質量に対して、0質量%超10質量%以下がより好ましく、粒子を含まないか、あるいは、粒子の含有量が感光性層の全質量に対して0質量%超5質量%以下が更に好ましく、粒子を含まないか、あるいは、粒子の含有量が感光性層の全質量に対して0質量%超1質量%以下が更に好ましく、粒子を含まないことが特に好ましい。
感光性層は、着色剤(顔料、染料等)を含んでいてもよいが、例えば、透明性の点からは、着色剤を実質的に含まないことが好ましい。
感光性層が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、感光性層の全質量に対して、1質量%未満が好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、1-フェニル-3-ピラゾリドン(別名:フェニドン)、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、及び、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン等の3-ピラゾリドン類;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、及び、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類;パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、及び、パラフェニレンジアミンが挙げられる。
中でも、保存安定性、及び、硬化性の観点から、酸化防止剤としては、3-ピラゾリドン類が好ましく、1-フェニル-3-ピラゾリドンがより好ましい。
感光性層の厚み(層厚)は、特に制限されないが、現像性及び解像性の観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましく、10μm以下が特に好ましく、5.0μm以下が最も好ましい。下限としては、感光性層を硬化して得られる膜の強度が優れる点で、0.60μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。
感光性層の屈折率は、1.47~1.56が好ましく、1.49~1.54がより好ましい。
感光性層は無彩色であることが好ましい。具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、L*値は10~90であることが好ましく、a*値は-1.0~1.0であることが好ましく、b*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、パターンのL*値は10~90であることが好ましく、パターンのa*値は-1.0~1.0であることが好ましく、パターンのb*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
感光性層を硬化して得られるパターン(感光性層の硬化膜)の層厚40μmでの透湿度は、防錆性の観点から、500g/(m2・24hr)以下であることが好ましく、300g/(m2・24hr)以下であることがより好ましく、100g/(m2・24hr)以下であることが更に好ましい。
なお、透湿度は、感光性層を、i線によって露光量300mJ/cm2にて露光した後、145℃、30分間のポストベークを行うことにより、感光性層を硬化させた硬化膜で測定する。
上記積層体は、屈折率調整層を有していることが好ましい。
屈折率調整層としては、公知の屈折率調整層を適用できる。屈折率調整層に含まれる材料としては、例えば、バインダーポリマー、重合性化合物、金属塩、及び、粒子が挙げられる。
屈折率調整層の屈折率を制御する方法は、特に制限されず、例えば、所定の屈折率の樹脂を単独で用いる方法、樹脂と粒子とを用いる方法、及び、金属塩と樹脂との複合体を用いる方法が挙げられる。
金属酸化物粒子の種類は特に制限はなく、公知の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、及び、Te等の半金属も含まれる。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
これらの中でも、金属酸化物粒子としては、例えば、屈折率を調整しやすいという点から、酸化ジルコニウム粒子及び酸化チタン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
屈折率調整層における粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対し、1質量%~95質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~85質量%が更に好ましい。
金属酸化物粒子として酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対して、1質量%~95質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~85質量%が更に好ましい。
屈折率調整層の屈折率は、1.50以上が好ましく、1.55以上がより好ましく、1.60以上が更に好ましく、1.65以上が特に好ましい。屈折率調整層の屈折率の上限は、2.10以下が好ましく、1.85以下がより好ましく、1.78以下が特に好ましい。
実施形態Bにおいても、実施形態Aで記載した、支持体、感光性層及びカバーフィルムの関係を満たすことが好ましい。
実施形態Bの感光性転写部材(感光性層を有する積層体)の製造方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。
実施形態Bにおける感光性組成物及び感光性層の形成方法については、実施形態Aにおいて上述した感光性組成物及び感光性層の形成方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
また、支持体及びカバーフィルムについても、実施形態Aにおける製造方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
屈折率調整層形成用組成物としては、上述した屈折率調整層を形成する各種成分と溶剤とを含むことが好ましい。なお、屈折率調整層形成用組成物において、組成物の全固形分に対する各成分の含有量の好適範囲は、上述した屈折率調整層の全質量に対する各成分の含有量の好適範囲と同じである。
溶剤としては、屈折率調整層に含まれる成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、水及び水混和性の有機溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、水又は水と水混和性の有機溶剤との混合溶剤がより好ましい。
水混和性の有機溶剤としては、例えば、炭素数1~3のアルコール、アセトン、エチレングリコール、及びグリセリンが挙げられ、炭素数1~3のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。
溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
溶剤の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、50質量部~2,500質量部が好ましく、50質量部~1,900質量部がより好ましく、100質量部~900質量部が更に好ましい。
カバーフィルムを屈折率調整層に貼り合わせる方法は、特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
カバーフィルムを屈折率調整層に貼り合わせる装置としては、真空ラミネーター、及び、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターが挙げられる。
ラミネーターはゴムローラー等の任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
本開示に係る積層体の第一の実施態様は、感光性層を有する積層体であって、上記積層体が、少なくとも切断されてなる切断面を有し、上記切断面幅50μmの切断面部分10箇所あたりのクラック数が、3個以下である。
本開示に係る積層体の第二の実施態様は、感光性層を有する積層体であって、上記積層体が、少なくとも切断されてなる切断面を有し、上記積層体におけるへこみ故障の数が、60個/m2以下である。
本開示に係る積層体の第二の実施態様において、上記切断面幅50μmの切断面部分10箇所あたりのクラック数は、欠陥抑制の観点から、3個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましく、1個以下であることが更に好ましく、0.5個以下であることが特に好ましく、0.1個以下であることが最も好ましい。
図3は、支持体10、感光性層16及びカバーフィルム18を有する積層体を切断した切断面の端部における拡大図であり、図3の切断面では、支持体10の一部のクラックCRが確認できる。
切断された積層体の切断面の任意の10箇所を採取し、その裁断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により切断面幅50μmの切断面部分を観察する。条件は加速電圧3kV、観察倍率は1,700倍とした。10箇所のうち、支持体、感光性層、カバーフィルムのいずれかの層で、また数に関わらずクラックが入っているものを1つとカウントし、切断面幅50μmの切断面部分10箇所中のクラック発生数(クラック数)で評価する。
本開示に係る積層体の第一の実施態様において、上記積層体におけるへこみ故障の数は、欠陥抑制の観点から、60個/m2以下であることが好ましく、45個/m2以下であることがより好ましく、30個/m2以下であることが更に好ましく、10個/m2以下であることが特に好ましい。
積層体の表面を目視により6m2以上観察して、デント(へこみ)の個数を測定し、1m2あたりのへこみ故障の数を算出する。
<感光性転写部材の作製>
-感光性層の形成-
支持体として表2に記載の厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。
支持体の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、且つ、乾燥後の層厚が表2に記載の厚さとなるように表1に記載の感光性組成物A-1を塗布した。感光性組成物A-1の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性層を形成した。
BPE-500:エトキシ化(10モル当量)ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
SR-502:エトキシ化(9モル当量)トリメチロールプロパントリアクリレート(アルケマ社製)
A-9300-CL1:ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業(株)製)
B-CIM:2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビスイミダゾール(重合開始剤、黒金化成(株)製)
SB-PI 701:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(増感剤、三洋貿易(株)製)
CBT-1:カルボキシベンゾトリアゾール(防錆剤、城北化学工業(株)製)
形成された感光性層の表面に、カバーフィルムとして表2に記載の厚さのPETフィルム又はポリプロピレン(PP)フィルムを圧着し、各実施例の感光性転写部材Aを作製した。
得られた感光性転写部材Aを巻き取って、幅1,580mm、巻き尺4,000mのロール形態の感光性転写部材Aを作製した。
感光性転写部材Aの大ロールの切断は、図1及び表2に示す断面の上刃102及び下刃104を有する円盤状の回転式のスリッターを使用して行った。使用した上刃102の各パラメータは、表2に記載のR1、面取り角度θ1、及び、刃先角度θ2であり、また、使用した下刃104の各パラメータは、R2は2μm、刃先角度θ3は90°で固定した。更に、切断時における下刃104に対する上刃102の侵入深さTは、0.5mmであった。更にまた、円盤状の上刃102及び下刃104の半径はそれぞれ、約100mmであり、切断速度は、100m/minであった。切断された感光性転写部材Aは、小ロールに巻きなおした。
上記回転式スリッターにより、幅1,580mm、巻き尺4,000mの感光性転写部材Aの大ロールから幅500mm、長さ100mの感光性転写部材Aの小ロールに切断した。切断された感光性転写部材Aの小ロールから2m引き出して、目視でデント(へこみ)の個数を調査した。
上記評価に使用した小ロールは、上記大ロールから切断された小ロールのうち、上記大ロールの幅手方向から小ロールを3本、上記大ロールの長手方向から小ロールを2本の合計6本分であり、これらを調査し、その最大数で以下の評価基準により評価した。
A:へこみの発生数が0個~10個
B:へこみの発生数が11個~30個
C:へこみの発生数が31個~60個
D:へこみの発生数が61個以上
回転式スリッターにより、幅1,580mm、巻き尺4,000mの感光性転写部材Aの大ロールから幅500mm、長さ100mの感光性転写部材Aの小ロールに切断した。切断された感光性転写部材Aの小ロールから2m引き出して、両サイド任意の5箇所、計10箇所を採取し、その裁断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察した。条件は加速電圧3kV、観察倍率は1,700倍とした。10箇所のうち、支持体、感光性層、カバーフィルムのいずれかの層で、また数に関わらずクラックが入っているものを1つとカウントし、10箇所中のクラック発生数で評価した。
PETフィルム(厚さ16μm):東レ(株)製ルミラー16QS62
PETフィルム(厚さ20μm):国際公開第2017/208849号の段落0119~0127の記載に従い、厚み20μmのPETフィルムを作製した。
PETフィルム(厚さ14μm):国際公開第2017/208849号の段落0119~0127の記載に従い、厚み14μmのPETフィルムを作製した。
PPフィルム(厚さ12μm):東レ(株)製トレファン12KW37
<感光性組成物の調製>
以下の表3に示す組成となるように感光性組成物AA-1~AA-10をそれぞれ調製した。なお、表3の各成分欄の数値は、質量部を表す。
化合物B及び化合物C:以下の化合物
下記の構造を有する重合体P-1の固形分36.3質量%溶液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いた。P-1において、各構成単位の右下の数値は、各構成単位の含有比率(モル%)を示す。
P-1の固形分36.3質量%溶液は、下記に示す重合工程及び付加工程により準備した。
2,000mLのフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三和化学産業製、商品名PGM-Ac)(60g)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(三和化学産業(株)製、商品名PGM)(240g)を導入した。得られた液体を、撹拌速度250rpm(revolutions per minute)で撹拌しつつ90℃に昇温した。
滴下液(1)の調製として、メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリエステルM)107.1g、メタクリル酸メチル(三菱ガス化学(株)製、商品名MMA)(5.46g)、及び、シクロヘキシルメタクリレート(三菱ガス化学(株)製、商品名CHMA)(231.42g)を混合し、PGM-Ac(60g)で希釈することにより、滴下液(1)を得た。
滴下液(2)の調製として、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(富士フイルム和光純薬(株)製、商品名V-601)(9.637g)をPGM-Ac(136.56g)で溶解させることにより、滴下液(2)を得た。
滴下液(1)と滴下液(2)とを同時に3時間かけて、上述した2,000mLのフラスコ(詳細には、90℃に昇温された液体が入った2,000mLのフラスコ)に滴下した。
次に、滴下液(1)の容器をPGM-Ac(12g)で洗浄し、洗浄液を上記2,000mLのフラスコに滴下した。次に、滴下液(2)の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を上記2000mLのフラスコに滴下した。これらの滴下中、上記2,000mLのフラスコ内の反応液を90℃に保ち、撹拌速度250rpmで撹拌した。更に、後反応として、90℃で1時間撹拌した。
後反応後の反応液に、開始剤の追加添加1回目として、V-601(2.401g)を添加した。更に、V-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後、90℃で1時間撹拌した。
次に、開始剤の追加添加2回目として、V-601(2.401g)を反応液に添加した。更にV-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後90℃で1時間撹拌した。
次に、開始剤の追加添加3回目として、V-601(2.401g)を反応液に添加した。更に、V-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後90℃で3時間撹拌した。
90℃で3時間撹拌後、PGM-Ac(178.66g)を反応液へ導入した。次に、テトラエチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬(株)製)(1.8g)とハイドロキノンモノメチルエーテル(富士フイルム和光純薬(株)製)(0.8g)とを反応液に添加した。更にそれぞれの容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液へ導入した。その後、反応液の温度を100℃まで昇温させた。
次に、グリシジルメタクリレート(日油(株)製、商品名ブレンマーG)(76.03g)を1時間かけて反応液に滴下した。ブレンマーGの容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。この後、付加反応として、100℃で6時間撹拌した。
次に、反応液を冷却し、ゴミ取り用のメッシュフィルター(100メッシュ)でろ過し、重合体Dの溶液(1,158g)を得た(固形分濃度36.3質量%)。得られた重合体P-1の重量平均分子量は27,000、数平均分子量は15,000、酸価は95mgKOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル82.4gをフラスコに仕込み窒素気流下90℃に加熱した。この液にスチレン38.4g、ジシクロペンタニルメタクリレート30.1g、メタクリル酸34.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル20gに溶解させた溶液、及び、重合開始剤V-601(富士フイルム和光純薬(株)製)5.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43.6gに溶解させた溶液を同時に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間おきに3回V-601を0.75g添加した。その後更に3時間反応させた。その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート58.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.7gで希釈した。空気気流下、反応液を100℃に昇温し、テトラエチルアンモニウムブロミド0.53g、p-メトキシフェノール0.26gを添加した。これにグリシジルメタクリレート(日油社製ブレンマーGH)25.5gを20分かけて滴下した。これを100℃で7時間反応させ、重合体P-2の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は36.5%であった。GPCにおける標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は17,000、分散度は2.4、ポリマーの酸価は94.5mgKOH/gであった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した残存モノマー量はいずれのモノマーにおいてもポリマー固形分に対し0.1質量%未満であった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル113.5gをフラスコに仕込み窒素気流下90℃に加熱した。この液にスチレン172g、メタクリル酸メチル4.7g、メタクリル酸112.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解させた溶液、及び、重合開始剤V-601(富士フイルム和光純薬(株)製)27.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテル57.7gに溶解させた溶液を同時に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間おきに3回V-601を2.5g添加した。その後更に3時間反応させた。その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテル233.3gで希釈した。空気気流下、反応液を100℃に昇温し、テトラエチルアンモニウムブロミド1.8g、p-メトキシフェノール0.86gを添加した。これにグリシジルメタクリレート(日油(株)製ブレンマーG)71.9gを20分かけて滴下した。これを100℃で7時間反応させ、樹脂P-3の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は36.2%であった。GPCにおける標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は18,000、分散度は2.3、ポリマーの酸価は124mgKOH/gであった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した残存モノマー量はいずれのモノマーにおいてもポリマー固形分に対し0.1質量%未満であった。
P-3の合成において、モノマーの種類と量を変更することにより、P-4の固形分36.2質量%溶液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を準備した。得られた重合体P-4の重量平均分子量は18,000、分散度は2.3、酸価は114mgKOH/gであった。
次に、以下の表4に記載の組成で、屈折率調整層形成用組成物B-1~B-4を調製した。表4中の数値は、「質量部」を表す。
1Lの三口フラスコに1-メトキシプロパノール(東京化成工業(株)製)(270.0g)を導入し、撹拌しつつ窒素気流下で70℃に昇温させた。一方、アリルメタクリレート(45.6g)(富士フイルム和光純薬(株)製)、及び、メタクリル酸(14.4g)(富士フイルム和光純薬(株)製)を1-メトキシプロパノール(東京化成工業(株)製)(270.0g)に溶解させ、更にV-65(富士フイルム和光純薬(株)製)を3.94g溶解させることで滴下液を作製し、フラスコ中へ2.5時間かけて滴下液の滴下を行った。そのまま2.0時間、撹拌状態を保持し反応を行った。
その後、温度を室温まで戻し、撹拌状態のイオン交換水(2.7L)へ滴下し、再沈殿を実施し、懸濁液を得た。ろ紙を引いたヌッチェにて研濁液を導入することでろ過を行い、濾過物を更にイオン交換水で洗浄し、湿潤状態の粉体を得た。45℃の送風乾燥にかけ、恒量になったことを確認し、粉体として収率70%でポリマーAを得た。
得られたポリマーAのメタクリル酸/メタクリル酸アリルの比率は76/24質量%であった。重量平均分子量Mwは38,000であった。
厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー16KS40、東レ(株)製)の仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、塗布量を、乾燥後の膜厚が表5の厚みになる塗布量に調整し、表5に記載の感光性組成物材料AA-1~AA-10のいずれか1種を塗布し、感光性層を形成した。
100℃の乾燥ゾーンで溶剤を揮発させた後、スリット状ノズルを用いて、表3の組み合わせにて、表5に記載の屈折率調整層形成用の材料B-1~B-4のうちの少なくとも1種を用いて、塗布量を、乾燥後の膜厚が表5に記載の膜厚になる量に調整して感光性層層の上に塗布した後、80℃の乾燥温度で乾燥させ、屈折率調整層を形成した。屈折率調整層の上に保護フィルム(ルミラー16KS40、東レ(株)製)を圧着し、転写フィルム1~16を作製した。
転写フィルム1~16に対しても同様にへこみの発生数とクラック数を評価した。評価結果を下記表6に示す。
Claims (10)
- 感光性層を有する積層体を上刃及び下刃により挟み込んで切断する工程を含み、
前記上刃の刃先と前記下刃の刃先とのクリアランスが、5μm以下であり、
前記上刃の前記下刃側と、前記下刃の前記上刃側は面取りされており、
前記上刃及び前記下刃の前記積層体の送り方向に垂直な断面において、前記上刃の面取り部分における、前記積層体の積層方向に直交する方向の長さを上刃の面取り長さR1とし、前記下刃の面取り部分における、前記積層体の積層方向に直交する方向の長さを下刃の面取り長さR2とした場合に、
前記クリアランスは、前記上刃の面取り長さR1と、前記下刃の面取り長さR2との合計値である、
切断物の製造方法。 - 前記上刃の前記積層体の送り方向に垂直な断面において、前記上刃の刃先における前記下刃側の傾斜角度である面取り角度θ1が、3°以下である請求項1に記載の切断物の製造方法。
- 前記上刃の前記積層体の送り方向に垂直な断面において、前記上刃の刃先角度θ2が、33°以下である請求項1又は請求項2に記載の切断物の製造方法。
- 前記積層体全体の厚さが、50μm以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の切断物の製造方法。
- 前記感光性層の厚さが、1μm~20μmである請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の切断物の製造方法。
- 前記積層体が、支持体、前記感光性層、及び、カバーフィルムを有する積層体である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の切断物の製造方法。
- 前記支持体及び前記カバーフィルムの厚さがそれぞれ独立に、10μm~20μmである請求項6に記載の切断物の製造方法。
- 前記支持体の前記感光性層側の面の算術平均粗さRa値が、0.05μm以下である請求項6又は請求項7に記載の切断物の製造方法。
- 前記カバーフィルムの前記感光性層側の面の算術平均粗さRa値が、0.1μm以下である請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の切断物の製造方法。
- 前記切断する工程の後、得られた前記積層体の切断物の少なくとも一部を巻き取る工程を含む請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の切断物の製造方法。
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