JP7714330B2 - 偽陽性の抑制により特異性を改善した検査キット - Google Patents

偽陽性の抑制により特異性を改善した検査キット

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Description

本発明は、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、咽頭ぬぐい検体、唾液検体、便検体、血清検体、血漿検体、尿検体等の体液に由来する検体からウイルス・細菌、検出対象とするタンパク質等の被検出物質を抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した検出試薬で検出するにあたり、検体抽出液および検出反応より前の工程や検出反応と同時の工程で検体と接触する部材等に特定の化学構造をもつ化合物を使用することで、従来の方法では抑制しきれなかった偽陽性反応を強く抑制できる技術に関する。
近年、抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した、ウイルスや細菌等の病原体感染の有無、妊娠の有無などを検出する様々な検査試薬やキットが次々と開発されている。いずれの検査試薬も患者から検体を採取した後、検出反応に適した条件を作り出すための前処理工程が含まれており、この工程は正確な結果を得るために重要である。特に簡易検査試薬の多くは、特別な設備を必要とせず操作も簡単で安価であるという特徴を有し、大病院や医療検査センター以外にも一般の病院や診療所で広く使用されており、検査の専門家以外のユーザーが使用することも多い。そのため、試薬の検査精度が高いことが非常に重要となっている。現在市場にある簡易検査試薬の例としては、病原体の感染を検査する簡易検査試薬や妊娠診断のための簡易検査試薬が挙げられる。これらの検査試薬は患者が最初に訪れる医療機関で実施される場合が多く、患者から採取した検体についてその場で感染の有無や妊娠の有無が判別でき、早い段階で治療措置等を施すことができるため、簡易検査試薬の医療における重要性は益々高まっている。そして簡易検査試薬の利用増に伴い、ユーザーからは試薬の性能として、より再現性の高い検査結果や検査精度が求められている。
現在、簡易検査方法の代表的な試薬として、抗原抗体反応を利用した免疫測定法、特にイムノクロマト法が一般に知られている。イムノクロマト法は被検出物質に特異的に結合する捕捉体(捕捉物質)、および被検出物質に特異的に結合する標識体の複合体をメンブラン上に形成させて、標識を検出/定量することで、被検出物質の検出(測定あるいは定量)を行う。イムノクロマト法は測定装置が簡単で、またコストの点でも優れているため多種多様の被検出物質の検出に広く用いられている。
イムノクロマト法の一つの形態においては、ニトロセルロース等のメンブランストリップ上に被検出物質に特異的に結合する抗体を捕捉物質として固相化した検出部、おおび被検出物質に特異的に結合する標識体を含む標識体部を備えた検査デバイスに、被検出物質を含む検体試料を滴下して、被検出物質-標識体の複合体を形成させながら展開して検出部でこの複合体を捕捉することで標識を検出あるいは定量する。
近年、イムノクロマト法を含む臨床診断薬に関しては、診断結果がより信頼性の高いものとなることが臨床現場から望まれており、試薬の信頼性のさらなる向上が課題となっている。信頼性の高い検査試薬とは、感度と特異性が高く、誤判定を引き起こしにくい検査試薬である。特に特異性に関しては、患者それぞれのバックグラウンドの違いに由来する検体成分の多様性に、いかに試薬設計で対応することができるかという技術的課題が常に存在しており、より効果的な非特異反応の解消は簡易検査法において極めて重要な課題である。これらの課題を解決するためにアルギニンやリジンなどの塩基性アミノ酸や、無機塩類、グリシンエチルエステル、界面活性剤、動物由来免疫グロブリンなどを検体に接触させることで、特異性の改善に一定の効果が見られることが報告されているが(特許文献1、2および3を参照)、いずれも効果が限定的であり、抑制できない非特異反応が未だ存在する。そのためより強く特異性を改善し、感度も低下させない技術が望まれている。
特開2003-279577号公報 特開2005-24323号公報 特開2004-301684号公報
鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、咽頭ぬぐい検体、唾液検体、便検体、血清検体、血漿検体、尿検体等の体液に由来する検体からウイルス、細菌、検出対象とするタンパク質等の被検出物質を抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した検出試薬で検出するにあたり、従来の方法では抑制しきれなかった偽陽性反応や偽陰性反応がいまだに存在し、正確な診断を妨げる一因となっている。本発明では、感度を低下させることなく、偽陽性反応を強く抑制できる成分を含む検体抽出液や検体抽出方法を使用した検査試薬を提供する。
本発明者らは、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、咽頭ぬぐい検体、唾液検体、便検体、血清検体、血漿検体、尿検体等の体液に由来する検体を試験試料とした際に発生する非特異反応をより強く抑制する方法を鋭意探索した結果、従来の方法よりも顕著に偽陽性反応を抑制しうる成分を見出し、さらにこれを検体抽出液や検出反応より前の工程や検出反応と同時の工程で検体と接触する部材等に添加することによって、従来法で検出されていた偽陽性反応を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1] 抗原抗体反応または相互作用を有する物質同士の結合反応を利用して検体中の被検出物質を検出する検査キットであって、フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含有する検体抽出液を含む検査試薬。
[2] イムノクロマト用検査試薬であり、イムノクロマト用検査デバイスフェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含有する検体抽出液を含む、[1]の検査試薬。
[3] フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含有する検体抽出液を含浸した部位を含むイムノクロマト用検査デバイスである、[1]または[2]の検査試薬。
[4] 検体抽出液が0.1~10(w/v)%の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む、[1]~[3]のいずれかの検査試薬。
[5]以下の一般式(I)~(V)のいずれかで表される化合物もしくはトリプトファンである、[1]~[4]のいずれかの検査試薬:
[一般式(I)中、R1はH、OH、=O、NH2、COOH、NH-CO-CNH2-C-COOHまたはCH3であり、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、nは0または1であり、mは0、1、2、3または4である。]
[一般式(II)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R3はCOOH、COOLi、COONa、COOK、COORb、COOCs、COOFr、COOCH3、COOC2H5、OCOHまたはCH3であり、R3とCOOR2はベンゼン環のオルト、メタまたはパラに位置する。]
[一般式(III)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R4はHまたはCH3であり、nは0または1である。]
[一般式(IV)中、R5はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジンまたはヒスチジンの側鎖である。]
[一般式(V)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R6はNHまたはOであり、nは0、1、2、3または4である。]。
[6] フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物が、アスパルテーム、フェニルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル、マンデル酸、2‐フェニルプロピオン酸、3‐フェニルプロピオン酸、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニル乳酸、フェニルピルビン酸、安息香酸、フタル酸、アセチルサリチル酸、馬尿酸、N-トルオイルグリシン、N-カルボベンジルオキシアミノ酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、トリプトファン、およびそれらの化合物の金属塩、ならびにそれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体、立体異性体および位置異性体からなる群より選択される化合物である、[1]~[5]のいずれかの検査試薬。
[7] 検体抽出液に、さらに、アルギニン、リジン、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、グリシンエチルエステルおよびグリシンメチルエステル、ならびにこれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体および立体異性体からなる群より選択されるアミノ酸またはアミノ酸誘導体が含まれる、[1]~[6]のいずれかの検査試薬。
[8] 検体抽出液に、さらに、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムからなる群より選択されるハロゲン化物が含まれる、[1]~[7]のいずれかの検査試薬。
[9] 咽頭ぬぐい検体、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、咽頭洗浄検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、唾液検体、血清検体、血漿検体、全血検体、便検体、便懸濁液検体および尿検体からなる群から選択される検体中のウイルス抗原、細菌抗原、およびタンパク質抗原からなる群から選択される被検出物質を、検体抽出液中に含まれる抗原抗体反応または相互作用を有する物質同士の反応を利用して検出する方法において、検体を予めフェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させることによって、偽陽性反応を抑制して検出する方法。
[10] 被検出物質を検出する方法が、イムノクロマト法であり、フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液に検体を入れ、該検体抽出液をイムノクロマト用検査デバイスに添加する、[9]の方法。
[11] 被検出物質を検出する方法が、イムノクロマト法であり、検体をフェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含浸した部位を含むイムノクロマト用検査デバイスに添加する、[9]の方法。
[12] 検体抽出液が0.1~10(w/v)%の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む、[9]~[11]のいずれかの方法。
[13] フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物が、以下の一般式(I)~(V)のいずれかで表される化合物もしくはトリプトファンである、[9]~[12]のいずれかの方法:
[一般式(I)中、R1はH、OH、=O、NH2、COOH、NH-CO-CNH2-C-COOHまたはCH3であり、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、nは0または1であり、mは0、1、2、3または4である。]
[一般式(II)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R3はCOOH、COOLi、COONa、COOK、COORb、COOCs、COOFr、COOCH3、COOC2H5、OCOHまたはCH3であり、R3とCOOR2はベンゼン環のオルト、メタまたはパラに位置する。]
[一般式(III)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R4はHまたはCH3であり、nは0または1である。]
[一般式(IV)中、R5はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジンまたはヒスチジンの側鎖である。]
[一般式(V)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R6はNHまたはOであり、nは0、1、2、3または4である。]。
[14] フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物が、アスパルテーム、フェニルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル、マンデル酸、2‐フェニルプロピオン酸、3‐フェニルプロピオン酸、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニル乳酸、フェニルピルビン酸、安息香酸、フタル酸、アセチルサリチル酸、馬尿酸、N-トルオイルグリシン、N-カルボベンジルオキシアミノ酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、トリプトファン、およびそれらの化合物の金属塩、ならびにそれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体、立体異性体および位置異性体からなる群より選択される化合物である、[9]~[13]のいずれかの方法。
[15] 検体抽出液に、さらに、アルギニン、リジン、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、グリシンエチルエステルおよびグリシンメチルエステル、ならびにこれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体および立体異性体からなる群より選択されるアミノ酸またはアミノ酸誘導体が含まれる、[9]~[14]のいずれかの方法。
[16] 検体抽出液に、さらに、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムからなる群より選択されるハロゲン化物が含まれる、[9]~[15]のいずれかの方法。
本発明によれば、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、咽頭ぬぐい検体、唾液検体、便検体、血清検体、血漿検体、尿検体等の体液に由来する検体などから抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用して特定のウイルス、細菌、タンパク質、低分子化合物等を検出する検出試薬において、検体の混入により発生する偽陽性反応をより強く抑制し、再現性が高く検査精度の高い検査試薬を提供できる。また非特異反応による誤った臨床診断をより防ぐことができ、患者およびユーザーである医師・検査技師・看護師の双方にとって有益である。
本発明で用いる検査デバイスの構造を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、検体中の被検出物質を抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した検出試薬で検出するにあたり、化合物と検体を接触させることにより、偽陽性反応を抑制し、シグナルの低下、すなわち感度の低下を防止する方法である。
本発明において、抗体は抗体の抗原結合性断片も含む。
(検体)
用いる検体は限定されない。例えば、検体として、咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭洗浄液、鼻腔洗浄液、鼻かみ鼻汁液、唾液、血清、血漿、全血、便懸濁液、尿、培養液等が挙げられる。これらを咽頭ぬぐい検体、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、咽頭洗浄検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、唾液検体、血清検体、血漿検体、全血検体、便懸濁液検体、尿検体、培養液検体等と呼ぶ。緩衝液で希釈して用いることもでき、希釈せずにそのまま用いることもできる。
(検出対象物質)
被検出物質も何ら限定されず、検出しようとするいかなる物質であってもよい。具体例として、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RS(respiratory syncytial)ウイルス、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、A型肝炎ウイルス(HAV)B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ノロウイルス、SARS-CoVやMERS-CoVやSARS-CoV2などのコロナウイルス等のウイルス抗原;メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、A群溶連菌、B群溶連菌、レジオネラ属菌等の細菌抗原;細菌等が産生する毒素;マイコプラズマ抗原;クラミジア・トラコマティス等のクラミジア抗原;原生動物の抗原;真菌の抗原;ヒト絨毛性ゴナドトロピン等のホルモン;C反応性タンパク質、ミオグロビン、心筋トロポニン、プロカルシトニン等のタンパク質;各種腫瘍マーカー;農薬、環境ホルモン等の抗原を挙げることができ、さらに、上記細菌、ウイルス等に対する抗体を挙げることができる。
(検体の採取)
検体の採取方法も何ら限定されないが、咽頭ぬぐい検体、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、咽頭洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体、唾液検体、血清検体、血漿検体、全血検体、便検体、便懸濁液検体、尿検体、培養液検体等の体液、排泄物に由来する検体を、綿棒等の検体採取器具を用いて採取する方法、吸引器による吸引等を利用して採取する方法、採血管等を利用して採取する方法等が挙げられる。
(偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と採取した検体の接触)
本発明の方法においては、検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とを接触させる。ここで、検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させることにより、検体を測定した場合に、偽陽性を抑制することができる。なお、検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させるときに、被検出物質と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分が接触するので、本発明の方法においては、被検出物質と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とを接触させるともいう。また、検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させることを、検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分で処理するということもある。
また、検体抽出液は、検体中の被検出物質を浮遊させ測定しやすくする液体をいうが、例えば、細胞等から特定の被検出物質を溶解等により抽出する必要はなく、単に検体処理液、検体希釈液、検体浮遊液等ということもできる。
本発明において、検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とを試験に供する前に予め接触する必要がある。ここで、試験に供する前とは、検体中の被検出物質とそれに対する抗体または抗原と反応する前、または検体中の被検出物質が相互作用を有する物質を反応する前をさす。抗体または抗原との反応は、抗体または抗原との結合をいい、検体中の被検出物質と相互作用を有する物質との反応は、相互作用を有する物質との結合をいう。
本発明の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と検体との接触方法として、検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む溶液に入れて混合して接触させる方法、および測定に用いる検査デバイスに偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含ませておき、検体を検査に用いる検査デバイスに添加することにより検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させる方法が挙げられる。
検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む溶液と混合して接触させる方法の具体例として、採取した検体を浮遊、分散させる検体抽出液に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含ませておき、検体を検体抽出液に添加し混合するときに検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とを接触させる方法が挙げられる。例えば偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含有した検体抽出液を使用する場合、検体が鼻腔ぬぐい液の場合、綿棒を使用して鼻腔ぬぐい液を採取し、採取した検体を浸み込ませた綿棒を前記検体抽出液に入れて検体を浮遊、分散させ抽出することにより、検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とを接触させることができる。
測定に用いる検査デバイスに偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含ませておき、検体を検査デバイスに添加することにより検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させる方法の具体例として、検査デバイスが有する不織布、織物、スポンジなどからなるパッドやろ過フィルターなどの繊維状または多孔性基材に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含侵、塗布等により含ませておき、採取した検体を検査デバイスに添加したときに、検体を繊維状または多孔性基材に含ませておいた偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させる方法が挙げられる。このように検査デバイスとして、後述のイムノクロマト法用デバイスが挙げられる。
検査デバイスの多孔性基材の材質は、何ら限定されるものではないが、パルプ、綿、羊毛、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリルガラス繊維、ニトロセルロース等が挙げられる。測定に用いる検査デバイスに偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含ませておき、検体を検査デバイスに添加することにより検体を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させる場合は、例えば、偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を多孔性基材に含浸させ乾燥させておき、検査デバイス上で被検出物質を検出するための反応が起こる前の工程または同時の工程で検体と該多孔性基材と接触させればよい。例えば、検査デバイスに検体を添加した場合、検体は検査デバイス上を展開し、デバイス上の反応が起こる部位に達して抗体抗原反応等の反応が起こる。検査デバイス上の反応が起こる部位より前の部位に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含ませた多孔性基材を設けておくことにより、検体は反応前に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触する。例えば、多孔性基材としてろ過フィルターを用い、検体を添加する部位に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含むろ過フィルターを設ければよい。この場合においては、検体として鼻腔ぬぐい液を用いる場合、綿棒を使用して鼻腔ぬぐい液を採取し、採取した検体を浸み込ませた綿棒を偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含まない任意の組成の検体抽出液に入れて検体を分散、溶解させた後、検査デバイスの構成部材である、偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含ませたろ過フィルターに上述の検体抽出液を含浸させておくことにより検体と偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を接触させることができる。
(偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と濃度)
本発明の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分とは、フェニル基、ベンジル基、トリル基またはキシリル基を有し、さらに、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基またはエトキシカルボキシル基を有し、さらにヒドロキシル基を有していてもよい、水溶性を有する、分子量が6000Da以下の化合物を指す。また、これらの化合物の金属塩を含む、光学異性体、幾何異性体、構造異性体、立体異性体および位置異性体も含まれる。
これらの化合物は以下の一般式(I)~(V)のいずれかで表される化合物またはトリプトファンである。
[一般式(I)中、R1はH、OH、=O、NH2、COOH、NH-CO-CNH2-C-COOHまたはCH3であり、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、nは0または1であり、mは0、1、2、3または4である。]
[一般式(II)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R3はCOOH、COOLi、COONa、COOK、COORb、COOCs、COOFr、COOCH3、COOC2H5、OCOHまたはCH3であり、R3とCOOR2はベンゼン環のオルト、メタまたはパラに位置する。]
[一般式(III)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R4はHまたはCH3であり、nは0または1である。]
[一般式(IV)中、R5はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジンまたはヒスチジンの側鎖である。]
[一般式(V)中、R2はH、CH3、C2H5、Li、Na、K、Rb、CsまたはFrであり、R6はNHまたはOであり、nは0、1、2、3または4である。]
限定されるものではないが、例えば、アスパルテーム、フェニルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル(塩酸塩を含む)、マンデル酸、2‐フェニルプロピオン酸、3‐フェニルプロピオン酸、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニル乳酸、フェニルピルビン酸、安息香酸、フタル酸、アセチルサリチル酸、馬尿酸、N-トルオイルグリシン、N-カルボベンジルオキシアミノ酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、トリプトファン、およびこれらの金属塩を含む、光学異性体、幾何異性体、構造異性体、立体異性体および位置異性体からなる群より選ばれる化合物が挙げられる。本発明において、アスパルテーム、フェニルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル(塩酸塩を含む)、マンデル酸、2‐フェニルプロピオン酸、3‐フェニルプロピオン酸、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニル乳酸、フェニルピルビン酸、安息香酸、フタル酸、アセチルサリチル酸、馬尿酸、N-トルオイルグリシン、N-カルボベンジルオキシアミノ酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、トリプトファンという場合、それらの金属塩が含まれ、さらに光学異性体、幾何異性体、構造異性体、立体異性体および位置異性体も含まれる。金属塩として、例えば、Li塩、Na塩、K塩、Rb塩、Cs塩、Fr塩等が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物として、アスパルテーム、フェニルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル、マンデル酸、2‐フェニルプロピオン酸、3‐フェニルプロピオン酸、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニル乳酸、フェニルピルビン酸および安息香酸が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物として、フタル酸およびアセチルサリチル酸が挙げられる。
一般式(III)で表される化合物として、馬尿酸、N-トルオイルグリシンが挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物としてN-カルボベンジルオキシアミノ酸が挙げられる。
一般式(V)で表される化合物としてN-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸が挙げられる。
これらの偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分は、検体抽出液や検出反応より前の工程で検体と接触するろ過フィルター等の部材等に含有される。濃度は0.001(w/v)%以上が好ましく、0.1(w/v)%以上がさらに好ましく、1(w/v)%以上が最も好ましい。またこれらの非特異反応抑制成分を同時に複数種類使用することもでき、その場合の濃度も0.001(w/v)%以上が好ましく、0.1(w/v)%以上がさらに好ましく、1(w/v)%以上が最も好ましい。濃度の上限は定める必要はないが、例えば、10(w/v)%以下、または5(w/v)%以下である。なお、ろ過フィルター等の多孔性基材に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含ませる場合も上記の濃度の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を多孔性基材に含ませればよい。
(偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分以外のその他の成分)
本発明における検体抽出液や検出反応より前の工程で検体と接触する多孔性基材等の部材等に含侵させる溶液には、偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分以外に、非特異反応を軽減できる既知の物質や、界面活性剤、pH緩衝性の成分、各種タンパク質、塩類、糖類を含んでもよい。例えば、非特異反応を軽減できる成分として、アルギニン、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、グリシンエチルエステル、グリシンメチルエステル、リジンおよび上述の化合物の各種異性体等が挙げられる。また界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコールモノ‐p-イソオクチルフェニルエーテルやモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの非イオン性界面活性剤、CHAPSやラウリルアミドスルホベタインなどの両イオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤が挙げられる。検体抽出液中の界面活性剤の濃度は0.5~5(w/v)%が好ましく、1~3(w/v)%がさらに好ましく、1.5~2.5(w/v)%がさらに好ましい。
緩衝性成分としてはリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液などが挙げられる。タンパク質成分としては、BSA(ウシ血清アルブミン)、カゼイン、ゼラチン、IgG等が挙げられる。塩類としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。
(検出方法)
本発明の方法においては、抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した方法により検出する。相互作用を有する物質同士の組合せとしては、リガンドとレセプターの組合せ、受容体とレセプターの組合せ、ビオチンとアビジン若しくはストレプトアビジンの組合せ等が挙げられる。
抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士を利用した検出方法であれば特に限定されないが、イムノクロマト法、ラテックス凝集法、免疫比濁法、免疫比ろう法、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、酵素免疫測定法(EIA)酵素免疫測定吸着法(ELISA)等が挙げられる。イムノクロマト法が特に好ましい。これらの多くは免疫学的手法であり、抗原抗体反応を利用するが、抗原抗体反応の代わりに相互作用を有する物質同士の反応を利用することもできる。これらの方法の中でも、サンドイッチ法が好ましい。典型的なサンドイッチ法においては、被検出物質と結合する第1の物質を特定の担体に被検出物質捕捉物質として固相化しておき該物質に被検出物質を結合させ、さらに被検出物質に結合する第2の物質であって、標識した物質を被検出物質に結合させ、「被検出物質と結合する第1の物質-被検出物質-被検出物質と結合する第2の物質であって標識した物質」(「-」は結合を示す)の複合体を形成させ、標識物質から発せられるシグナルを測定することにより、被検出物質を測定する。被検出物質と結合する第1の物質と被検出物質と結合する第2の物質は同じ物質でもよい。被検出物質と被検出物質と結合する物質は抗原と抗体または抗体と抗原であってもよいし、互いに相互作用を有する物質であってもよい。被検出物質と結合する第1の物質が固定化される固相としては、タンパク質等の物質を公知技術により固定可能なものは全て用いることができ、例えば、毛細管作用を有する多孔性薄膜(メンブレン)、粒子状物質、試験管、樹脂平板など公知のものを任意に選択できる。また、被検出物質と結合する第2の物質を標識する物質としては、酵素、放射性同位体、蛍光物質、発光物質、有色粒子、コロイド粒子などを用いることができる。
サンドイッチ法の中でも臨床検査の簡便性と迅速性の観点から、メンブレンを用いたラテラルフロー式の免疫測定法であるイムノクロマト法が特に好ましい。
以下に、抗原抗体反応を利用した一般的なイムノクロマト法について説明する。イムノクロマト法用検査デバイスを図1に示す。
図1の上が上面図、下が切断断面図である。検査デバイスは、プラスチック板(ヘ)上に積層されたニトロセルロースメンブラン(イ)上に種々の部位が積層されている。図の具体例では、プラスチック板(ヘ)上に、抗体等の被検出物質捕捉物質等で2個の検出部(ハ)が形成されたニトロセルロースメンブラン(イ)、濾紙で形成された吸収パッド部(ホ)、標識体部(ロ)、及びガラス繊維フィルターで形成された試料添加部(ニ)がそれぞれ積層されている。
そして、図のように、吸収パッド部(ホ)の一方の端部領域と、ニトロセルロースメンブラン(イ)の一方の端部領域、ニトロセルロースメンブラン(イ)の他方の端部領域と標識体部(ロ)の一方の端部領域、標識体部(ロ)の他方の端部領域と試料添加部(ニ)の一方の端部領域がそれぞれ重ね合わされており、これにより、連続したラテラルフローの流路が形成されている。
標識体部(ロ)には、抗体等の被検出物質捕捉物質に標識物質が化学的または物理的に結合した標識体が含まれている。標識物質としては、金コロイド粒子、白金コロイド粒子、カラーラテックス粒子、磁性粒子、酵素、量子ドット、蛍光色素や蛍光体などが挙げられる。標識体部は、上記標識体を含む多孔性基材から成り、基材の材質は一般的に用いられているガラス繊維(グラスファイバー)や不織布等を用いることができる。前記標識体を含浸させ乾燥させた多孔性基材を安定化乾燥標識体パッドとも呼ぶ。すなわち、標識体部は、被検出物質と抗原抗体反応により結合する抗体であって着色ラテックス粒子で標識した抗体を含む、上記の安定化乾燥標識体パッドを含む部位である。
また、検出部(ハ)は、被検出物質と抗原抗体反応により結合する抗体を捕捉物質としてライン状に固相化された部位である。
被検出物質の検出反応より前の工程や検出反応と同時の工程で検体と接触する部材等の例として、上記の(イ)(ロ)(ニ)などが挙げられるが、被検出物質の検出反応より前の工程や検出反応と同時の工程で検体と接触する部材であればこれに限定されるものではない。検体を試料添加部(ニ)に添加すると、検体は試料添加部(ニ)から吸収パッド部(ホ)に向かって流れる。試料添加部(ニ)から吸収パッド部(ホ)への流れを上流から下流への流れと表現した場合、被検出物質の検出反応より前の工程や検出反応と同時の工程で検体と接触する部材は、検出反応が起こる部位よりも上流に存在するということができる。
次にこの検査デバイスを用いた免疫測定法について説明する。先ず、検体を検体抽出液に浮遊し、被検出物質を抽出させた検体試料を調製する。次いで、検査デバイスの試料添加部(ニ)に前記検体試料を滴下する。被検出物質を含む検体試料は、メンブラン上を水平方向に移動しながら標識体部(ロ)に含浸されて標識体を溶解させ、展開する。検体試料中に被検出物質が存在すれば、被検出物質-標識体の複合体を形成する。該複合体が検出部(ハ)に到達するとそのライン上に、捕捉抗体-被検出物質-標識体の複合体が形成される。この複合体中の標識物質から発せられるシグナルにより、複合体の存在を検出することにより検体中の被検出物質の有無を判定することができる。反応に関与しなかった他の成分等は、吸収パッド部(ホ)に吸収される。なお、図1に示す例では、検出部(ハ)が2個存在するが、これは、例えばA型インフルエンザウイルスとB型インフルエンザウイルスのような2種類の被検出物質をそれぞれ捕捉するためのものである。このような検出部(ハ)を複数設けることにより、複数種類の被検出物質を同時に免疫測定することが可能である。
上記のイムノクロマト法において、検体と混合し被検出物質を抽出するための検体抽出液に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含ませておいてもよいし、イムノクロマト法用検査デバイスのニトロセルロースメンブラン(イ)、標識体部(ロ)、および/または試料添加部(ニ)に偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含ませておいてもよい。
本発明は、抗原抗体反応や相互作用を有する物質同士の結合反応を利用した検査試薬を含む。該検査試薬は検査デバイス自体をいうこともあり、検査デバイスとその他の試薬を含む検査キットをいうこともある。本発明の検査試薬は、例えば、イムノクロマト法検査デバイスと偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含む検査キットを含む。また、本発明の検査試薬は偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む検体抽出液を含む部位を備えたイムノクロマト法検査デバイスを含む。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例では、本発明の検体抽出液を用いた場合に、インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、マイコプラズマを検出するイムノクロマト法キットにおいて検体での非特異反応が抑制された実施例について説明する。
イムノクロマト法によるインフルエンザウイルス抗原の検出
1.抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体の作製
(1)抗A型インフルエンザウイルスNP(各タンパク質)抗体
A型インフルエンザウイルス抗原をBALB/cマウスに免疫し、一定期間飼育したマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol, 256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、37℃インキュベーター中で維持し、A型インフルエンザウイルスNP抗原を固相したプレートを用いたELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞2株をそれぞれプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からプロティンAカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、それぞれIgGを精製し、2種類の精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
(2)抗B型インフルエンザウイルスNP抗体
B型インフルエンザウイルス抗原を用い、(1)と同様の方法で、2種類の精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体を得た。
2.標識体パッドの作製
精製抗A型インフルエンザウイルスNP抗体及び精製抗B型インフルエンザウイルスNP抗体のうちそれぞれ1種類ずつを使用した。赤色ラテックス粒子に抗A型インフルエンザウイルス抗体を共有結合させ、浮遊液に懸濁し、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させた抗A型ラテックス浮遊液を調製した。また、同様に青色ラテックス粒子に抗B型インフルエンザウイルス抗体を共有結合させた抗B型ラテックス浮遊液を調製した。抗A型ラテックス浮遊液と抗B型ラテックス浮遊液とを混合し、大きさが20cm×1cmのガラス繊維に塗布し、温風下で良く乾燥させて、乾燥混合物を形成した標識体パッドを作製した。
3.試料添加パッドの作製
大きさが2.0cm×20cmのガラス繊維を使用した。
4.検査デバイスの作製
検査デバイスは、図1に示すものと同様の構成のものを用いた。ニトロセルロースメンブランを2cm×20cmの大きさに裁断し接着剤がついたプラスチック板でバッキングした、下端から0.8cmと1.0cmの位置に約1mm幅になる量の抗A型インフルエンザウイルス抗体(上記と別の抗体)液、並びに抗B型インフルエンザウイルス抗体(上記と別の抗体)液を各々20cm塗布し、温風下で良く乾燥させて抗体を固相化した(検出部)。次に、3cm×20cmの大きさの濾紙をニトロセルロースメンブランの上端に5mm重ねて吸収パッド部を設けた。更に、標識体パッドをニトロセルロースメンブランの下端に2mm重ねて標識体部を設け、更に、試料添加パッドを標識体パッドの上端から7mm離れた位置に合わせて重ね、試料添加部を設けた。次いで、カッターで幅5mmの短冊に裁断して一体化された検査デバイスを作製した。
イムノクロマト法によるRSウイルス、アデノウイルス、肺炎マイコプラズマ抗原の検出
1.抗RSウイルス、抗アデノウイルス、抗肺炎マイコプラズマモノクローナル抗体の作製
RSウイルス抗原、またはアデノウイルス抗原、または肺炎マイコプラズマ抗原をそれぞれ独立にBALB/cマウスに免疫し、一定期間飼育したマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol, 256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、37℃インキュベーター中で維持し、上記の各抗原を固相したプレートを用いたELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞2株をそれぞれプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からプロティンAカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、それぞれIgGを精製し、各免疫原につき2種類ずつの精製抗免疫原抗体を得た。
2.標識体パッドの作製
赤色ラテックス粒子に各精製抗免疫原抗体を共有結合させ、浮遊液に懸濁し、ソニケーションを行って充分に分散浮遊させた抗RSウイルスラテックス浮遊液、抗アデノウイルスラテックス浮遊液、抗肺炎マイコプラズマラテックス浮遊液を調製した。これらのラテックス浮遊液を大きさが20cm×1cmのガラス繊維にそれぞれ塗布し、温風下で良く乾燥させて、乾燥混合物を形成した標識体パッドを作製した。
3.試料添加パッドの作製
大きさが2.0cm×20cmのガラス繊維を使用した。
4.検査デバイスの作製
検査デバイスは、図1に示すものと同様の構成のものを用いた。ニトロセルロースメンブランを2cm×20cmの大きさに裁断し接着剤がついたプラスチック板でバッキングした、下端から0.8cmと1.0cmの位置に約1mm幅になる量の抗RSウイルス抗体(上記と別の抗体)液、または抗アデノウイルス抗体(上記とは別の抗体)、または抗肺炎マイコプラズマ抗体を20cm塗布し、温風下で良く乾燥させて抗体を固相化した(検出部)。次に、3cm×20cmの大きさの濾紙をニトロセルロースメンブランの上端に5mm重ねて吸収パッド部を設けた。更に、標識体パッドをニトロセルロースメンブランの下端に2mm重ねて標識体部を設け、更に、試料添加パッドを標識体パッドの上端から7mm離れた位置に合わせて重ね、試料添加部を設けた。次いで、カッターで幅5mmの短冊に裁断して一体化された検査デバイスを作製した。
5.検体抽出液の作製
以下のそれぞれの試験例に記載する。
試験例1
インフルエンザウイルスのイムノクロマト法での検出におけるL-フェニルアラニン(L-Phe)入り検体抽出液の偽陽性抑制効果
1-1.検体抽出液の調製
50mM トリス緩衝液(pH8.0), 2(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 5(w/v)% L-アルギニンを含む混合液を作製し、対照1の検体抽出液とした。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0), 1.25(w/v)%ポリオキシエチレンアルキルエーテル, 0.75(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 4(w/v)%グリシンエチルエステル, 1.5(w/v)% L‐Phe, 400mM 臭化ナトリウムを含む混合液を作製し、試験用1の検体抽出液とした。
1-2.試験方法
対照の検体抽出液で偽陽性反応が観察された、凍結保存したインフルエンザウイルス陰性の鼻腔吸引液を融解し、綿棒で検体を採取した。これらの検体を対照および試験用1の検体抽出液に浮遊、分散させて本試験のサンプルとした。次に、これらのサンプルを上記で作製した検査デバイスに滴下し、5分後に検出部の発色強度を測定した。発色強度の測定は、赤および青それぞれにおいて、10段階の発色強度に点数を付けた色見本を使用して行った。
1-3.発色強度試験結果
結果を表1に示す。なお発色強度の数値は0、1+、2+・・・・10+の順に強くなり、0は発色が見られなかったことを示しており、数値が高いほどシグナルが強く出ていることを示している。結果の表記は“インフルエンザA型の発色強度/インフルエンザB型の発色強度”で表示している。
対照の検体抽出液では偽陽性反応が観察されたが、L-フェニルアラニン入りの試験用1の検体抽出液ではすべての検体において偽陽性反応が抑制されていた。
試験例2
L-Phe単体での偽陽性抑制効果の検証
2-1.検体抽出液の調製
50mM トリス緩衝液(pH8.0), 1.25(w/v)%ポリオキシエチレンアルキルエーテル, 0.75(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 4(w/v)% グリシンエチルエーテル, 400mM臭化ナトリウムを含む混合液を作製し、対照2の検体抽出液とした。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0), 1.25(w/v)%ポリオキシエチレンアルキルエーテル, 0.75(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 4(w/v)% グリシンエチルエーテル, 400mM臭化ナトリウム, 1.5% L‐Pheを含む混合液を作製し、試験用2の検体抽出液とした。
2-2.試験方法
対照1の検体抽出液で偽陽性反応が観察された、凍結保存したインフルエンザウイルス陰性の鼻腔吸引液を融解し、綿棒で検体を採取した。これらの検体を対照1および試験用2の検体抽出液に浮遊、分散させて本試験のサンプルとした。次に、これらのサンプルを上記で作製した検査デバイスに滴下し、5分後に検出部の発色強度を測定した。発色強度の測定は、赤および青それぞれにおいて、10段階の発色強度に点数を付けた色見本を使用して行った。
2-3.発色強度試験結果
結果を表2に示す。なお発色強度の数値は0、1+、2+・・・・10+の順に強くなり、0は発色が見られなかったことを示しており、数値が高いほどシグナルが強く出ていることを示している。結果の表記は“A型の発色強度/B型の発色強度”で表示している。
対照2の検体抽出液で偽陽性反応が観察された検体でも、試験用2のL-フェニルアラニン入りの検体抽出液では偽陽性反応が抑制されていた。
試験例3
L-Phe入り検体抽出液と従来検体抽出液の感度比較
3-1.検体抽出液の調製
50mM トリス緩衝液(pH8.0), 2(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 5(w/v)% L-アルギニンを含む混合液を作製し、対照1の検体抽出液とした。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0), 1.25(w/v)%ポリオキシエチレンアルキルエーテル, 0.75(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 4(w/v)%グリシンエチルエステル, 1.5(w/v)% L-Phe, 150mM 臭化ナトリウムを含む混合液を作製し、試験用1の検体抽出液とした。
3-2.試験方法
対照1および試験用1の検体抽出液に、最終濃度が6.8 x 102PFU/mL、3.4 x 102 PFU/mL、1.7x102 PFU/mLの不活化インフルエンザウイルスA型をそれぞれ添加したサンプルを作製した。また同様に不活化インフルエンザウイルスB型についても、最終濃度が4.0 x 102 PFU/mL、2.0 x 102PFU/mL、1.0 x 102 PFU/mLとなるようなサンプルを作製した。次に、これらのサンプルを上記で作製した検査デバイスに50μL滴下し、5分後に検出部の発色強度を測定した。発色強度の測定は、赤および青それぞれにおいて、10段階の発色強度に点数を付けた色見本を使用して行った。
3-3.発色強度試験結果
結果を表3に示す
なお発色強度の数値は0、0.5+、1+、2+・・・・10+の順に強くなり、0は発色が見られなかったことを示しており、数値が高いほどシグナルが強く出ていることを示している。結果の表記は“A型の発色強度/B型の発色強度”で表示している。
対照1の検体抽出液と試験用1の検体抽出液で、感度は同等だった。シグナル強度に関しては試験用1のほうが高かった。以上から、本発明を用いて作製した検体抽出液を使用すれば、感度も低下させずに特異性を向上させることができる。
試験例4
L-Phe類似物質入り検体抽出の偽陽性抑制効果
4-1.検体抽出液の調製
50mM トリス緩衝液(pH8.0), 2(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 2(w/v)% L-アルギニンを含む混合液を作製し、対照(添加剤なし)の検体抽出液とした。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0), 2(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 2(w/v)% L-アルギニンを含み、これらの組成に加えて表4の化合物(括弧内は終濃度)を1種類含む検体抽出液を作製し、試験用の検体抽出液とした。
4-2.試験方法
対照の検体浮遊液で偽陽性反応が観察された、凍結保存したインフルエンザウイルス陰性の鼻腔吸引液を融解し、綿棒で検体を採取した。これらの検体を対照および、それぞれの試験用の検体抽出液に浮遊、分散させて本試験のサンプルとした。次に、これらのサンプルを上記で作製した検査デバイスに滴下し、5分後に検出部の発色強度を測定した。発色強度の測定は、赤および青それぞれにおいて、10段階の発色強度に点数を付けた色見本を使用して行った。
4-3.発色強度試験結果
結果を表5、表6および表7に示す。結果の表記は“A型/B型”で表示し、偽陽性の抑制効果があった添加剤を”〇”、抑制効果のなかった添加剤を”×”で記載している。
検体によって結果が異なるが、L-アルギニンで抑えきれない偽陽性反応を表4に記載の添加剤で抑制することができた。
試験例5
RSウイルス、アデノウイルス、肺炎マイコプラズマのイムノクロマト法での検出におけるL-Phe入り検体抽出液の偽陽性抑制効果
5-1.検体抽出液の調製
50mM トリス緩衝液(pH8.0), 2(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 5(w/v)% L-アルギニンを含む混合液を作製し、対照1の検体抽出液とした。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0), 1.25(w/v)%ポリオキシエチレンアルキルエーテル, 0.75(w/v)%ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル, 4(w/v)%グリシンエチルエステル, 1.5(w/v)% L-Phe, 150mM臭化ナトリウムを含む混合液を作製し、試験用4の検体抽出液とした。
5-2.試験方法
対照の検体抽出液で偽陽性反応が観察された、凍結保存したRSウイルス陰性、アデノウイルス陰性、肺炎マイコプラズマ陰性の鼻腔吸引液を融解し、綿棒で検体を採取した。これらの検体を対照および試験用4の検体抽出液に浮遊、分散させて本試験のサンプルとした。次に、これらのサンプルを上記で作製した検査デバイスに滴下し、RSウイルスとアデノウイルスは5分後、肺炎マイコプラズマは15分後に検出部の発色強度を測定した。発色強度の測定は、赤および青それぞれにおいて、10段階の発色強度に点数を付けた色見本を使用して行った。
5-3.発色強度試験結果
RSウイルスの結果を表8、アデノウイルスの結果を表9、肺炎マイコプラズマの結果を表10に示す。なお発色強度の数値は0、1+、2+・・・・10+の順に強くなり、0は発色が見られなかったことを示しており、数値が高いほどシグナルが強く出ていることを示している。
いずれの結果においても、対照の検体抽出液では偽陽性反応が観察されたが、L-フェニルアラニン入りの試験用4の検体抽出液ではすべての検体において偽陽性反応が抑制されていた。
本発明の方法は、種々の物質の正確な検出に利用することができる。
イ ニトロセルロースメンブラン
ロ 標識体部
ハ 検出部
ニ 試料添加部
ホ 吸収パッド部

Claims (9)

  1. 抗原抗体反応または相互作用を有する物質同士の結合反応を利用して咽頭ぬぐい検体、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体及び唾液検体からなる群から選択される検体中のインフルエンザウイルス抗原;アデノウイルス抗原;RS(respiratory syncytial)ウイルス抗原;ヒトメタニューモウイルス(hMPV)抗原;SARS-CoV、MERS-Cov又はSARS-CoV2を含むコロナウイルス抗原;A群溶連菌;B群溶連菌及びマイコプラズマ抗原からなる群から選択される被検出物質を検出する検査試薬であって、L-フェニルアラニン、D-フェニルアラニン、アスパルテーム、馬尿酸、マンデル酸、L-フェニルアラニンメチルエステル、N-フェニルグリシン、DL-2-フェニルグリシン、安息香酸ナトリウム、3-フェニルプロピオン酸、N-(m-トルオイル)グリシン、アセチルサリチル酸及びL-トリプトファンからなる群から選択される化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含有する検体抽出液を含む検査試薬。
  2. 検体抽出液が0.1~10(w/v)%の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む、請求項1に記載の検査試薬。
  3. 検体抽出液に、さらに、アルギニン、リジン、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、グリシンエチルエステルおよびグリシンメチルエステル、ならびにこれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体および立体異性体からなる群より選択されるアミノ酸またはアミノ酸誘導体が含まれる、請求項1又は2に記載の検査試薬。
  4. 検体抽出液に、さらに、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムからなる群より選択されるハロゲン化物が含まれる、請求項1~のいずれか1項に記載の検査試薬。
  5. 咽頭ぬぐい検体、鼻腔ぬぐい検体、鼻腔吸引検体、鼻腔洗浄検体、鼻かみ鼻汁検体及び唾液検体からなる群から選択される検体中のインフルエンザウイルス抗原;アデノウイルス抗原;RS(respiratory syncytial)ウイルス抗原;ヒトメタニューモウイルス(hMPV)抗原;SARS-CoV、MERS-Cov又はSARS-CoV2を含むコロナウイルス抗原;A群溶連菌;B群溶連菌及びマイコプラズマ抗原からなる群から選択される被検出物質を、検体抽出液中に含まれる抗原抗体反応または相互作用を有する物質同士の反応を利用して検出する方法において、検体を予めL-フェニルアラニン、D-フェニルアラニン、アスパルテーム、馬尿酸、マンデル酸、L-フェニルアラニンメチルエステル、N-フェニルグリシン、DL-2-フェニルグリシン、安息香酸ナトリウム、3-フェニルプロピオン酸、N-(m-トルオイル)グリシン、アセチルサリチル酸及びL-トリプトファンからなる群から選択される化合物である偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分と接触させることによって、偽陽性反応を抑制して検出する方法。
  6. 被検出物質を検出する方法が、イムノクロマト法である、請求項記載の方法。
  7. 検体抽出液が0.1~10(w/v)%の偽陽性を抑制する非特異反応抑制成分を含む、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 検体抽出液に、さらに、アルギニン、リジン、アルギニンエチルエステル、アルギニンメチルエステル、グリシンエチルエステルおよびグリシンメチルエステル、ならびにこれらの化合物の光学異性体、幾何異性体、構造異性体および立体異性体からなる群より選択されるアミノ酸またはアミノ酸誘導体が含まれる、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 検体抽出液に、さらに、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムからなる群より選択されるハロゲン化物が含まれる、請求項のいずれか1項に記載の方法。
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