以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧ショベル1(建設機械)の側面図を示す。
油圧ショベル1は、地面G(走行面)上を走行可能な下部走行体10および下部走行体10に旋回可能に支持される上部旋回体12(上部本体)と、上部旋回体12に搭載される作業アタッチメント20とを備える。下部走行体10および上部旋回体12は、本発明の機体を構成する。
下部走行体10は、地面G上を走行可能である。下部走行体10は、クローラ式の走行部を含む。
上部旋回体12は、前記下部走行体10に支持される旋回フレーム121と、当該旋回フレーム121上に搭載されるキャブ13とを有する。キャブ13は、作業者が搭乗することを許容するものであり、油圧ショベル1を操作するための各種の装置が配置されている。
作業アタッチメント20は、上部旋回体12に対して相対移動可能なように上部旋回体12に装着され、地面に対する所定の作業を行う。作業アタッチメント20は、旋回フレーム121の前端部に水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能に連結されるブーム21と、当該ブーム21の先端部に水平な回転中心軸回りに回動可能に連結されるアーム22と、当該アーム22の先端部に水平な回転中心軸回りに回動可能に連結されるバケット23とを含む。本実施形態では、ブーム21、アーム22およびバケット23の回転中心軸は互いに平行に設定されている。ブーム21およびアーム22は、本発明の起伏体を構成する。また。作業アタッチメント20は、ブーム21を起伏(回動)させるように伸縮するブームシリンダ21S(起伏体シリンダ)と、アーム22を回動させるように伸縮するアームシリンダ22S(起伏体シリンダ)と、バケット23を回動させるように伸縮するバケットシリンダ23Sとを更に有する。これらのシリンダの各々は油圧式シリンダから構成される。
キャブ13は、旋回フレーム121の前部であって当該旋回フレーム121の幅方向について前記ブーム21と隣接する部位(図1、図2に示される例ではブーム21の左側)に搭載され、油圧ショベル1の操縦を行うための運転室を構成する。すなわち、当該キャブ13内において、作業者は、下部走行体10の走行、上部旋回体12の旋回、及び作業アタッチメント20の作動のための操作を行う。
図2は、本実施形態に係る油圧ショベル1のブロック図である。油圧ショベル1は、更に、操作部51と、入力部52と、ロードセル61(駆動負荷情報取得部)と、シリンダストロークセンサ62(シリンダ長さ検出部)と、本体位置情報取得部63(位置情報取得部)と、土面情報取得部64と、IMU(慣性計測装置:inertial measurement unit)65(機体傾き検出部)と、駆動部71と、表示部72と、送信部73とを備える。
操作部51は、キャブ13内に配置され、作業者によって操作される。すなわち、操作部51は、油圧ショベル1を操作するための操作を受け付ける。当該操作には、下部走行体10の走行、上部旋回体12の旋回、作業アタッチメント20(ブーム21、アーム22、バケット23)の駆動などが含まれる。
入力部52は、キャブ13内に配置され、各種の情報の入力を受け付ける。一例として、入力部52は、各種の入力ボタン、スイッチや後記の表示部72に含まれるタッチパネルなどを有する。特に、入力部52は、後記の土質情報取得動作において参照される情報の入力を受け付けることが可能とされている。
ロードセル61は、バケット23に設けられた2つのロードセルを含み、バケット23の基端部に係る負荷を検出する。ロードセル61が検出した負荷は、後記の機械負荷演算部503によって参照され、機械負荷の演算に使用される(図3参照)。換言すれば、ロードセル61は、バケット23が地面を掘削することに伴って駆動部71が受ける負荷に関する情報である駆動負荷情報を取得する。ロードセル61の検出結果に基づいて駆動部71が受ける負荷を演算することで前記駆動負荷情報が取得される。
シリンダストロークセンサ62は、前述のブームシリンダ21S、アームシリンダ22Sおよびバケットシリンダ23Sにそれぞれ装着される3つのセンサを含み、各シリンダのストローク(伸長量、長さ)を検出する。シリンダストロークセンサ62によって検出された各シリンダのストロークは、後記のバケット位置演算部502、機械負荷演算部503および土圧負荷演算部504によって、バケット23の位置や姿勢を演算するために使用される。
本体位置情報取得部63は、作業現場における油圧ショベル1(機体)の位置情報を取得する。一例として、本体位置情報取得部63は、予め上部旋回体12に設けられた本体基準点の作業現場における絶対座標に関する情報である本体座標情報を取得することが可能である。本体基準点を構成する本体位置情報取得部63は、キャブ13の上面部に配置されており、GNSS移動局として機能する。一方、上記の本体座標情報を取得するために、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)基準局が設けられている(不図示)。GNSS基準局は、作業現場に配置された、または、作業現場に最も近い位置に配置された基準局である。なお、GNSSとして、公知のGPS(Global Positioning System)に加え、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)等の衛星測位システムが採用されてもよい。
土面情報取得部64は、キャブ13の上面部の前端に配置されている。一例として、土面情報取得部64は、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサから構成される。土面情報取得部64は、キャブ13の前方の土面の形状などに関する情報(土面情報)を取得する。本実施形態では、LiDARが検出する3次元距離データに基づいて、前記土面の形状が検出される。土面情報取得部64は、TOF(Time Of Flight)センサやステレオカメラなどでもよい。また、他の実施形態において、油圧ショベル1の周囲の土面は水平とみなしてもよい。
IMU65は、油圧ショベル1の機体(上部旋回体12)の水平面に対する角度(機体角度)を検出する。なお、前記機体の水平面に対する角度の検出については、IMUだけでなく傾斜センサによって検出してもよい。前記傾斜センサとしては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したものや、液体封入式等様々な方式を利用したものを採用することができる。
駆動部71は、油圧ショベル1の各種構造体を駆動するものであり、操作部51によって操作される下部走行体10、上部旋回体12、作業アタッチメント20などを駆動する。特に、駆動部71は、バケット23が地面を掘削するように作業アタッチメント20を駆動することが可能である。この際、駆動部71は、所定の指令信号を受け入れ当該指令信号に応じた出力特性に基づいて作業アタッチメント20を駆動することが可能である。駆動部71は、油圧ポンプ、油圧モータなどの油圧回路を含む。
表示部72は、キャブ13内に配置され、所定の表示指令信号を受け入れ、当該表示指令信号に応じて、作業者に報知する各種の情報を表示する。当該情報には、後記の土質情報、油圧ショベル1の位置情報などが含まれる。詳しくは、表示部72は、作業現場におけるマップ情報を表示することが可能であり、当該マップ情報上に土質推定部505によって推定された土質と本体位置情報取得部63によって取得された油圧ショベル1の位置情報とを互いに関連付けて表示する。
送信部73は、本体位置情報取得部63によって取得された油圧ショベル1の位置情報と土質推定部505によって推定される作業現場の土質情報とを、作業現場から離れた場所に配置されたデータセンターや遠隔管理センターなどに送信する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部50には、図2に示すように、操作部51、入力部52、ロードセル61、シリンダストロークセンサ62、本体位置情報取得部63、土面情報取得部64、IMU65、駆動部71、表示部72および送信部73がそれぞれ接続されている。
制御部50は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部501、バケット位置演算部502(姿勢情報取得部)、機械負荷演算部503、土圧負荷演算部504、土質推定部505、出力特性設定部506および記憶部507を備えるように機能する。これらの機能部は、実体を有するものではなく、前記プログラムによって実行される機能の単位に相当する。すなわち、これらの機能部が実行する制御は、実質的に制御部50が統括的に実行するということができる。なお、各機能部は、複数の制御部に分かれて配置されるものでもよい。
駆動制御部501は、操作部51が受ける操作の内容に応じて、駆動部71に駆動指令信号を入力する。この結果、下部走行体10、上部旋回体12および作業アタッチメント20などの動作が制御される。
バケット位置演算部502は、シリンダストロークセンサ62が検出する各シリンダのストローク量(シリンダ長さ)、IMU65が検出する機体角度や油圧ショベル1の機械諸元などに基づいて、現在の作業アタッチメント20の姿勢、特に、バケット23の位置(座標)および姿勢を演算し、姿勢情報として取得する。換言すれば、バケット位置演算部502は、作業アタッチメント20の地面に対する相対的な姿勢に関する情報である姿勢情報を取得する。
機械負荷演算部503は、バケット23が地面を掘削することに伴って、ロードセル61が検出する負荷(駆動負荷情報)、バケット位置演算部502が演算するバケット23の位置および姿勢(姿勢情報)などに基づいて、バケット23が土砂から受ける負荷である後記の掘削抵抗値PA(機械負荷)を演算する。
土圧負荷演算部504は、シリンダストロークセンサ62が検出する各シリンダのストローク量、IMU65が検出する機体角度、土面情報取得部64が検出する土面情報、記憶部507に格納されているバケット23の形状、油圧ショベル1の機械諸元などに基づいて、後記の掘削抵抗値PBを演算する。より詳しくは、土圧負荷演算部504は、バケット23が地面を掘削することに伴って、バケット23によって堰き止められた土によって構成される土塊の形状、バケット位置演算部502によって取得された前記姿勢情報、バケット23の形状、土の密度(γt)、土とバケット23との壁面摩擦角δから、前記土塊がバケット23に付与する負荷である土圧負荷を土圧論に基づいて演算する。
土質推定部505は、機械負荷演算部503が演算した掘削抵抗値PA(機械負荷)および土圧負荷演算部504が演算した掘削抵抗値PB(土圧負荷)に基づいて、油圧ショベル1の周囲の土質情報(作業現場における土の土質)を推定する。そして、土質推定部505は、推定した前記土質に対応する表示指令信号を表示部72に入力して、前記土質に対応する情報を表示させる。更に、土質推定部505は、推定した前記土質と本体位置情報取得部63によって取得された位置情報とを互いに関連付けた表示指令信号を表示部72に入力する。
特に、本実施形態では、土質推定部505は、バケット23に掛かる前記機械負荷と前記土圧負荷とが互いに一致すると仮定して、作業現場における土の内部摩擦角φおよび土の粘着力cを前記土質としてそれぞれ推定する。なお、粘着力cがゼロの場合には、図8に示すように、内部摩擦角φは、バケット23が土塊を押圧することで前記土塊が所定のすべり面に沿って移動する際の当該すべり面に作用するすべり面荷重の方向と前記すべり面の法線との角度に相当する。
出力特性設定部506は、土質推定部505が推定した土質情報に基づいて、駆動部71の出力特性を設定(調整)し、当該特性に応じた指令信号を駆動部71に入力する。
記憶部507は、油圧ショベル1の作動や、土質情報取得処理において参照される各種の閾値、パラメータなどを予め格納(記憶)している。
次に、本実施形態に係る油圧ショベル1が実行する土質情報取得処理の詳細について説明する。図3は、本実施形態に係る油圧ショベル1において実行される土質情報取得処理を説明するための模式図である。油圧ショベル1は、作業現場における任意の掘削作業中に、周囲の地盤の土質に関する情報である土質情報を算出しながら推定することができる。この際、機械負荷演算部503は、バケット23が機械的に受ける負荷(機械負荷、掘削抵抗値PA)を演算する(図3の演算1)一方、土圧負荷演算部504はバケット23が掘削した土によってバケット23に作用する負荷(土圧負荷、掘削抵抗値PB)を土圧論に基づいて演算する(図3の演算2)。そして、土質推定部505は上記の2つの負荷が互いに等しいと仮定することで、掘削抵抗値PBに含まれる土質情報を演算する(図3の演算3)。
図3に示すように、演算1には、ロードセル61が検出する負荷と、シリンダストロークセンサ62が検出するシリンダストロークと、IMU65が検出する機体角度とが使用される。また、演算2には、シリンダストロークセンサ62が検出するシリンダストローク、IMU65が検出する機体角度、土面情報取得部64が検出する土面情報、予め記憶部507に記憶されているバケット23の形状(バケット形状)および各種の機械諸元(リンク長さなど)などが、主に使用される。
また、演算3では、本発明に係る土質情報取得処理の出力情報として、粘着力cと、内部摩擦角φとがそれぞれ演算、推定される。なお、演算3によって求められた粘着力cおよび内部摩擦角φは、演算2において探索用粘着力cおよび探索用内部摩擦角φとしてフィードバックして使用される。
以下に、上記の土質情報取得処理の流れと詳細な演算方法について更に説明する。図4は、本実施形態に係る油圧ショベル1において実行される土質情報取得処理のフローチャートである。
油圧ショベル1のキャブ13内に配置される入力部52を通じて、作業者が所定の開始スイッチを押すと、土質情報取得処理が開始される。なお、作業者は、この後、操作部51を操作することで、地面の掘削作業を並行して行うことができる。
土質情報取得処理が開始すると、ロードセル61、シリンダストロークセンサ62、土面情報取得部64およびIMU65が、それぞれバケット23基端部が受ける負荷、シリンダストローク、土面情報および機体角度を取得する(ステップS1)。次に、演算1において、掘削抵抗値PAが演算される(ステップS2)。
図5は、本実施形態に係る油圧ショベル1のバケット23に係る機械負荷を示す模式図である。演算1では、まず、バケット位置演算部502がバケット23の位置、姿勢を演算する。シリンダストロークセンサ62がブームシリンダ21S、アームシリンダ22S、バケットシリンダ23Sのシリンダストローク(シリンダの伸長量)を取得することで、バケット位置演算部502が、図1において、作業アタッチメント20がどのような姿勢になっているかを演算することができる。この結果、バケット位置演算部502は、図5におけるバケット23の位置、姿勢に関する情報を取得することができる。なお、ブーム21、アーム22およびバケット23の長さ、形状などは予め記憶部507に格納されている。また、バケット23の位置および姿勢の演算には、IMU65が検出する機体角度を基準として、起伏体(ブーム21およびアーム22)およびバケット23の角度がそれぞれ算出される。
ロードセル61は、図5に示す第1ロードセル611および第2ロードセル612(いずれも負荷センサ)を有する。第1ロードセル611は、バケット23の回動中心軸であって、アーム22とバケット23との接続部分CB1に配置されている。一方、第2ロードセル612は、バケットシリンダ23Sの先端部に配置されたリンクとバケット23との接続部CB2に配置されている。機械負荷演算部503は、図5に示すように、第1ロードセル611が検出する負荷F2と、第2ロードセル612が検出する負荷F1との合力として、掘削抵抗値PA(図5の合力F)を演算することができる。この際、バケット位置演算部502が演算したバケット23の姿勢に基づいて、負荷F1、負荷F2が作用する方向(ベクトル)が演算される。このように、演算1では、ロードセル61(第1ロードセル611、第2ロードセル612)が検出する負荷に基づいて、掘削中にバケット23が受ける掘削抵抗値PAを算出することができる。
図4のステップS2において掘削抵抗値PAがこのように演算されると、土圧負荷演算部504が、粘着力cおよび内部摩擦角φを所定の値に仮定する(ステップS3)。この際、土圧負荷演算部504は、前回行われた演算2の結果から上記の値を仮定してもよいし、予め記憶部507に記憶されている演算用初期値から上記の値を仮定しても良い。
次に、土圧負荷演算部504が、演算2を実行して、掘削抵抗値PBを演算する(ステップS4)。図6は、本実施形態に係る油圧ショベル1において実行される演算2(土圧負荷演算処理)の概要を説明するための模式図である。図6に示すように、演算2における掘削抵抗値PBの演算には、予め記憶部507に記憶されている機械諸元(リンク長さなど)、シリンダストロークセンサ62が検出する各シリンダのストローク、土面情報取得部64が検出する土面情報、IMU65が検出する機体角度、予め記憶部507に記憶されているバケット23の形状、土の密度γt、壁面摩擦角δ、ステップS3で仮定した内部摩擦角φおよび粘着力cがそれぞれ使用される。
また、演算2では、上記の各パラメータを用いて、バケット23の位置および姿勢(壁面角度α)が随時演算され(図6のバケット姿勢演算)、更に、この結果に基づいて、地盤高さHが算出される(図6の地盤高さ算出)。そして、これらの演算から導出された壁面角度αおよび地盤高さHを用いて、掘削抵抗値PBが演算される(図4のステップS4)。なお、この場合も、バケット23の位置および姿勢の演算には、IMU65が検出する機体角度を基準として、起伏体(ブーム21およびアーム22)およびバケット23の角度がそれぞれ算出される。
図4を参照して、次に、土質推定部505が、ステップS1で算出された掘削抵抗値PAと、ステップS4で算出された掘削抵抗値PBとをそれぞれ演算3に入力し、土質を推定する準備を行う(ステップS5)。更に、土質推定部505は、2つの掘削抵抗値PA、PBの残差Δを計算する(ステップS6)。そして、土質推定部505は、ステップS6で計算した残差Δが予め設定された閾値εより小さい場合(ステップS7でYES)には、得られた粘着力cおよび内部摩擦角φを出力して(ステップS8)、土質情報取得処理を終了する。ステップS8において出力された土質情報は、本体位置情報取得部63が取得した油圧ショベル1の現在位置とともに表示部72に表示される。また、前記情報は送信部73を通じて前記センターに送信されてもよい。
一方、土質推定部505が算出した土質情報に応じて、出力特性設定部506(図2)が駆動部71に所定の特性指令信号を入力してもよい。たとえば、粘着力cが大きい場合や内部摩擦角φが大きい場合には、駆動部71に含まれる油圧ポンプの回転数を上げるなどして、駆動部71の出力を上げてもよい。
また、土質推定部505が算出した土質情報(粘着力cおよび内部摩擦角φ)は、図3に示すように、以後の演算2に探索用パラメータとしてフィードバックされ、演算2の精度を高めることが望ましい。なお、ステップS7において、残差Δが予め設定された閾値ε以上の場合(ステップS7でNO)には、ステップS3以降が繰り返される。
なお、図4に示されるフローでは、単一のPAを再現することが可能な粘着力cおよび内部摩擦角φを探索する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。実際の作業現場では土質のばらつきが存在するため、既に取得している複数のPAに対する残差(一例として残差の二乗和)が最小になるような粘着力cおよび内部摩擦角φを探索する態様でもよい。
次に、上記のステップS4における演算2について、更に詳述する。図7は、擁壁の移動によって土塊が塑性崩壊する様子を示す模式図である。図8は、土質力学に基づく受働土圧を説明するための模式図である。一般的に、土質力学では、土と接した構造物が受ける圧力または土中で発生する圧力を土圧という。特に、土と接する構造物に移動や傾きなどが発生した場合に、構造物が土から受ける力のち、構造物(図7の擁壁)が土の方に移動して発生する土圧のことを受働土圧という。この際、構造物が受ける力は、土塊がすべり面(塑性崩壊面)に沿って動く際に発生する力の吊りあいから算出される。上記のすべり面の塑性崩壊条件として、図8および式1に示されるMohr-Coulomb(モール・クーロン)の破壊規準が用いられる。
式1において、τはせん断強度であり、φは内部摩擦角であり、cは粘着力であり、σは拘束圧である。図8の受働土圧Qp(土が構造物から受ける力)の算出には、図8の以下のパラメータが重要となる。Wは土の重量であり、Rはすべり面の荷重であり、ωは壁体角度であり、βは地表面傾斜角である。また、Hは地盤高さであり、δは壁面摩擦角であり土と壁との間の摩擦係数に相当する。また、θはすべり面角度である。図8に示すように、受働土圧Qpは、土の自重Wとすべり面荷重Rとのベクトル和によって求めることができる。ここで、QpとWとがなす角度はπ-ω+δに相当し、WとRとがなす角度はθ+φに相当する。
本発明の発明者は、上記の土質力学(土質論)の考え方を油圧ショベル1のバケット23に適用している。図9は、バケット23に作用する掘削抵抗値PBを説明するための模式図である。図9において、土塊が受ける力Pの反力が、バケット23が土塊から受ける力、すなわち、掘削抵抗値PBに相当する。また、図9において、Wは土塊重量であり、Tはすべり面でのせん断力であり、Nはすべり面での垂直抗力である。すべり面荷重Rの二乗は、せん断力Tの二乗と垂直抗力Nの二乗の和に等しい。また、先と同様に、Hは地盤高さであり、θはすべり面角度である。図10は、すべり面角度θと掘削抵抗値P(PB)との関係を示す模式的なグラフである。本実施形態では、dQp/dθ(受働土圧Qp(P)をすべり面角度θで微分したもの)=0となるように、θを求める。また、δは壁面摩擦角(バケット23と土との摩擦係数)であり、αは壁面角度(鉛直面に対するバケット23の底板面の角度)である。
ここで、図9の奥行き方向(バケット23の幅方向)の単位幅あたりについて、塑性崩壊する土塊に対する力のつり合いを考えると、以下の式2、式3が成立する。
また、前述のモール・クーロンの破壊規準より、以下の式4が成立する。
また、塑性崩壊する土塊の幾何条件から、以下の式5が成立する。
上記の式2乃至式5を連立方程式として解くことによって、以下の式6が得られる。式6では、一例として、C=0の場合に対応している。
すなわち、上記のP=PBとして、土塊が壁面から受ける力、換言すれば、バケットの壁面が土塊から受ける力が算出される。なお、式5、式6において、壁面角度αおよび地盤高さHは計測および演算から得ることができる。また、土の単位体積重量(密度)γt、壁面摩擦角δ(バケット23と土との摩擦係数)は既知の値として、予め記憶部507に格納されている。また、前述のとおり、すべり面角度θは、図10に示すように、dP/dθ=0、すなわち、Pが正で極小となるときの角度とする。
次に、図4のステップS7における演算3について、更に詳述する。
ステップS2で算出される掘削抵抗値PAは数値として得られる一方、ステップS6で算出される掘削抵抗値PBには、式5、式6のように、粘着力cおよび内部摩擦角φが変数として含まれている。なお、式6に、粘着力cに関する補正項が含まれてもよい。したがって、土質推定部505は、入力される掘削抵抗値PAおよびPBの値を比較して、その差分が最小となるような内部摩擦角φおよび粘着力cを公知の数理計画法の手法等を用いて算出する。なお、前述のように、推定開始時には、予め内部摩擦角φおよび粘着力cの初期値がそれぞれ記憶部507に記憶されていることが望ましい。また、掘削抵抗値PAおよびPBは油圧ショベル1が掘削作業中に変化するため、時間軸上での変化も考慮して計算を行うことが望ましい。
ここで、内部摩擦角φおよび粘着力cの探索方法として、以下のような手法が例としてあげられる。なお、内部摩擦角φおよび粘着力cは、それぞれ、予め設定された0≦φ<φ_UPPER(φの上限値)、0≦c<c_UPPER(cの上限値)のような範囲をそれぞれ有している。
第1の探索方法として、列挙法を用いることができる。当該手法では、土質推定部505は、内部摩擦角φおよび粘着力cについて、すべての解の組み合わせを列挙し、その中で所定の目的関数を最適にする組み合わせを選択する。
また、第2の探索方法として、分枝限定法を用いることができる。図11は、本実施形態に係る土質推定部505が実行する分枝限定法を説明するための模式図である。当該手法では、土質推定部505は、解全体をいくつかの部分問題に分解し、それらの部分問題のすべてを解くことで等価的に原問題を解く。部分問題を解くにあたっては、その部分問題が最適解をもっているかどうかや、その最適解が原問題の最適解になり得るかについてのテストを前もって行うことで、すべての部分問題を解くことを回避することができる。例えば、図11のφ=50の場合のように内部摩擦角φを代入した際の掘削抵抗値が機械諸元の掘削力を超えた場合や、2つの入力値の差分が一定値以上になった場合に、その解の組み合わせは計算しないようにすることができる。
更に、第3の探索方法として、内部摩擦角φおよび粘着力cを変数とする公知のニュートンラフソン法を用いてもよい。
以上のように、本実施形態は、掘削作業中にバケット23が実際に受ける機械的な負荷とバケット23によって形成された土塊がバケット23に付与する土圧負荷とから、当該土圧負荷に関連する土質を推定するという技術思想に基づくものである。機械負荷演算部503がバケット23による掘削中に機械負荷を演算する一方、土圧負荷演算部504が前記掘削中に土圧負荷を演算し、土質推定部505が前記機械負荷および前記土圧負荷に基づいて、作業現場における土の土質を推定する。このため、作業現場において掘削作業を行いながら地盤の土質情報を取得することが可能となる。
特に、本実施形態では、バケット23に作用する機械負荷と土圧負荷とが一致するという技術思想に基づいて、土質としての内部摩擦角φおよび土の粘着力cを推定することができる。この際、さまざまなバケット23の形状に対しても、その情報が予め記憶部507に記憶されていることで、バケット23がせき止める土塊の量や分布(形状)に関わらず、土質を安定して推定することができる。なお、本発明は、土質情報を取得するために、バケット23に作用する機械負荷と土圧負荷とが必ずしも一致すると仮定することに限定されるものではない。バケット23の強度や作業現場環境に応じて、バケット23に作用する機械負荷に所定の定数を乗じたもの(または足したもの)と土圧負荷とが一致すると仮定してもよい。
また、本実施形態では、シリンダストロークセンサ62が検出する各シリンダの長さに基づいて作業アタッチメント20(バケット23)の姿勢を演算し、機械負荷および土圧負荷を精度良く演算することができる。
また、本実施形態では、ロードセル61がバケット23の基端部の負荷を検出することで、駆動負荷情報を容易に取得することができる。
特に、本実施形態では、アーム22の先端部に配置される第1ロードセル611、第2ロードセル612(負荷センサ)によってバケット23に作用する負荷を検出することで、駆動負荷情報を容易に取得することができる。
また、本実施形態では、表示部72を通じて、地盤の強度などの情報を作業者に伝えることで、作業者は前記情報を油圧ショベル1の出力特性の設定(エンジン回転数や、出力モードの設定)の目安とすることができる。また、非熟練者が操作する場合や遠隔で操作する場合でも、出力特性の調整量を定量的に調整することができる。
また、本実施形態では、機体の位置情報と土質情報とを組み合わせることで、作業者は地盤の強度が低い部分を把握することができる。この結果、地盤強度不足による油圧ショベル1の転倒リスクを予見することができる。
また、本実施形態では、作業者は表示部72に表示されるマップ情報に基づいて、地盤の強度を視覚的に容易に把握することができる。
また、本実施形態では、出力特性設定部506が周囲の地盤の強度などに応じて油圧ショベル1の出力を調整することができるため、作業者が感じる掘削作業の作業性を向上することができる。特に、作業者が現場環境にあわせて油圧ショベル1の出力特性を設定する場合と比較して、非熟練者が操作する場合や遠隔で操作する場合でも、出力特性を自動で調整することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る油圧ショベル1について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
上記の実施形態では、シリンダストロークセンサ62が検出する各シリンダの長さに応じて、作業アタッチメント20(バケット23)の位置および姿勢が演算される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上部旋回体12に対するブーム21およびアーム22(起伏体)の相対角度および前記起伏体に対するバケット23の相対角度をそれぞれ検出することが可能な角度検出部(アングルセンサ)を更に備えるものでもよい。この場合、バケット位置演算部502(姿勢情報取得部)は、前記角度検出部によって検出された前記起伏体の相対角度および前記バケット23の相対角度に基づいて作業アタッチメント20の姿勢を演算することで、作業アタッチメント20(バケット23)の姿勢情報を取得すればよい。なお、この際もIMU65が検出する機体角度を基準として、上部旋回体12に対するブーム21およびアーム22(起伏体)の相対角度および前記起伏体に対するバケット23の相対角度が算出されればよい。
このような構成によれば、起伏体およびバケット23の角度に基づいて作業アタッチメント20の姿勢を演算し、機械負荷および土圧負荷を精度よく演算することができる。特に、IMU65の検出結果を用いることで、機体が水平面に対して傾いている場合であっても、作業アタッチメント20の姿勢を精度良く演算し、取得することができる。
また、上記の実施形態では、ロードセル61を用いてバケット23の基端部の負荷を検出し、その結果に基づいて、掘削抵抗値PAが算出される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図2において、ロードセル61の変わるに不図示のシリンダ圧力センサ(シリンダ圧検出部)が設けられてもよい。当該シリンダ圧力センサは、ブームシリンダ21S、アームシリンダ22S、バケットシリンダ23Sのそれぞれのヘッド圧およびロッド圧を検出することが可能である。一方、機械負荷演算部503は、上記の圧力検出結果からそれぞれのアクチュエータの推力(駆動負荷情報)を求めるとともに、その結果とアタッチメントの寸法諸元および姿勢とからバケット23が受ける掘削反力(掘削抵抗値PA)を算出することができる。
<第1変形実施形態>
前述のように、上記の実施形態では、出力特性設定部506(図2)は、土質推定部505が推定した土質情報に基づいて、駆動部71の出力特性を設定(調整)し、当該特性に応じた指令信号を駆動部71に入力することができる。以下に、この出力特性設定部506が実行する出力制御処理について、複数の変形実施形態を示す。図12は、本発明の第1変形実施形態に係る油圧ショベル1において実行される出力制御処理のフローチャートである。なお、以後の各変形実施形態では、先の実施形態との相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
本変形実施形態では、油圧ショベル1において、上記の出力制御処理が実行されると、出力特性設定部506は、土質推定部505によって推定された土質情報が記憶部507に入力されているか否かを判定する(ステップS11)。ここで、土質推定部505が推定した土質情報が記憶部507に入力されていると(ステップS11でYES)、出力特性設定部506は、記憶部507から最新の土質情報Iを取得する(ステップS12)。たとえば、当該土質情報Iには、前述の粘着力cおよび内部摩擦角φが含まれている。
次に、出力特性設定部506は、前回出力特性を調整した際に参照した土質情報I0と今回取得した土質情報Iとが一致しているか否かを判定する(ステップS13)。ここで、I≠I0(ステップS13でNO)の場合、出力特性設定部506は、最新の土質情報Iに対応した出力特性を記憶部507から取得することで、油圧ショベル1の出力特性を変更する(ステップS14)。そして、当該変更した出力特性に対応する出力特性信号(指令信号)を駆動部71に入力する(ステップS15)。
ステップS11において土質情報の入力がない場合(ステップS11でNO)、ステップS13においてI=I0の場合(ステップS13でYES)には、出力特性設定部506は前回の出力特性を使用し(ステップS16)、当該出力特性に応じた出力特性信号をステップS15において駆動部71に入力すればよい。
なお、一般的に、乾いた礫や砂では粘着力c≒0となり、内部摩擦角φが支配的となる。また、粘土質では、粘着力cが強度上支配的になると言われている。このため、本実施形態では、一例として、粘着力cについて予め設定された閾値ca、内部摩擦角φについて予め設定された閾値φaが記憶部507に記憶されている。
上記の各閾値を用いて、第1範囲(φ<φa、c<ca)、第2範囲(φ≧φa、c<ca)、第3範囲(φ<φa、c≧ca)、第4範囲(φ≧φa、c≧ca)の4つの範囲が設定されており、土質情報I(φ、c)が上記の4つの範囲のいずれに含まれるかを、図16のステップS14において出力特性設定部506が判定する。そして、出力特性設定部506は、予め各範囲に対応して設定され記憶部507に格納されている出力特性を記憶部507から取得する。出力特性設定部506は例えば、φが大きいほど、出力を大きく設定する。また、出力特性設定部506は、cが大きいほど、出力を大きく設定する。
なお、土質情報Iに基づいて、前述の式1からせん断強度τが演算されてもよい。この場合、予め設定された閾値τa、τbを基準として、第1範囲(τ≦τa)、第2範囲(τa<τ≦τb)、第3範囲(τb<τ)の3つの範囲が設定され、各範囲に対応して出力特性が決定されてもよい。この場合、出力特性設定部506は、τが大きいほど、出力を大きく設定する。
このように、本変形実施形態によれば、土質情報を考慮しながら、作業場所に応じて油圧ショベル1の出力特性を変更することができるため、作業者の作業性を高め、作業効率を向上することができる。また、地盤の軟らかさや硬さに応じて、油圧ショベル1の出力特性を適切に設定するため、無駄な燃料消費を抑制することができる。
なお、上記の説明では、図12のステップS14において、事前に取得された土質情報Iに応じて出力特性が設定される態様にて説明したが、土質情報Iが予め設定された土質ランクに分類され、当該土質ランクに応じて出力特性が設定されてもよい。
<第2変形実施形態>
図13は、本発明の第2変形実施形態に係る油圧ショベル1において実行される出力制御処理のフローチャートである。図14は、本変形実施形態に係る油圧ショベル1およびサーバー90の模式図である。サーバー90は、作業現場から離れた場所に設置されたデータセンターや遠隔管理センターなどに配置されている。
図14を参照して、サーバー90は、サーバー側受信部901と、サーバー側出力特性設定部902と、サーバー側記憶部903と、サーバー側送信部904とを有する。
図13を参照して、本変形実施形態では、ステップS21からステップS25までの処理(ステップS24Aを含む)は、図12のステップS11からステップS15(ステップS16を含む)までの処理と同様である。一方、ステップS25において、出力特性設定部506が出力特性信号を駆動部71に入力すると、本体位置情報取得部63(図2)が最新の油圧ショベル1の位置情報を取得する(ステップS26)。なお、この位置情報の取得タイミングは、ステップS26のタイミングに限定されるものではない。
次に、送信部73(図2)が、油圧ショベル1の位置情報と土質推定部505が推定した土質情報とを互いに関連付けてサーバー90に送信する(ステップS27)。サーバー90でサーバー側受信部901が当該情報を受信すると(ステップS28)、サーバー側記憶部903が、これらの情報を互いに関連付けて記憶する(ステップS29)。
このように、本実施形態では、油圧ショベル1が取得した作業現場における位置情報および土質情報をサーバー90が取得、蓄積することができる。このため、図14に示すように、油圧ショベル1A(一の建設機械)が取得した情報を、サーバー90を介して油圧ショベル1B(他の建設機械)が受信部74で受信し、受信した土質情報Iに応じてその出力特性を変更することができる。
また、このようにサーバー90のサーバー側記憶部903を用いることで、油圧ショベル1の記憶部507よりも大容量の記憶部によって、複数の作業現場、地盤の情報を蓄積することができる。
図15は、本変形実施形態に係る油圧ショベル1において実行される他の出力制御処理のフローチャートである。上記の第1変形実施形態では、油圧ショベル1の出力特性設定部506が出力特性を設定する態様にて説明したが、本変形実施形態では、サーバー90内のサーバー側出力特性設定部902が、油圧ショベル1の出力特性を設定する。
すなわち、図15のステップS31において、土質推定部505が取得した土質情報が記憶部507に入力されている場合(ステップS31でYES)、本体位置情報取得部63が油圧ショベル1の位置情報を取得する(ステップS32)。次に、送信部73が、油圧ショベル1の位置情報および土質推定部505が推定した土質情報をサーバー90に送信する(ステップS33)。次に、サーバー側出力特性設定部902は、ステップS34において受信した位置情報および土質情報に基づいて、サーバー側記憶部903に予め格納された情報を参照して、油圧ショベル1の出力特性情報を選択する(ステップS35)。そして、サーバー側送信部904が、選択された出力特性情報を油圧ショベル1に送信する(ステップS36)。
油圧ショベル1では、上記の出力特性情報を受信するとともに、キャブ13内の表示部72(図2)に出力特性の変更内容を表示し、オペレータの承認を問う(ステップS37)。オペレータが不図示の承認ボタンを通じて出力特性の変更を承認すると(ステップS37でYES)、出力特性設定部506は、変更する出力特性に対応する出力特性信号(指令信号)を駆動部71に入力する(ステップS39)。
一方、ステップS31において土質情報の入力がない場合(ステップS31でNO)、ステップS37においてオペレータの承認が得られない場合(ステップS37でNO)には、出力特性設定部506は前回の出力特性を使用し(ステップS38A)、当該出力特性に応じた出力特性信号をステップS39において駆動部71に入力すればよい。
また、本変形実施形態では、図15のステップS33において、土質情報および位置情報がサーバー90に送信される態様にて説明したが、油圧ショベル1の位置情報のみがサーバー90に送信されてもよい。この場合、図13で説明したように、予めサーバー90に蓄積された土質情報および位置情報に基づいて、現在の油圧ショベル1周辺の土質情報Iが取得されるとともに、当該土質情報に応じた出力特性をサーバー側出力特性設定部902が設定すればよい。
また、図15のステップS31において、事前に土質推定部505が推定した土質情報が記憶部507に入力されていない場合、ステップS38Aにおいて前回の出力特性を使用することなく、油圧ショベル1の位置情報をサーバー90に送信することで、サーバー90から出力特性情報を受け取ってもよい。
<第3変形実施形態>
図16は、本発明の第3変形実施形態に係る建設機械において実行される土質情報取得処理のフローチャートである。図17は、本変形実施形態に係る建設機械において実行される土質情報取得処理における表示部の様子を示す図である。
本変形実施形態は、作業現場の作業中に土質情報取得処理が実行されるための条件に特徴を有する。図16を参照して、オペレータは図1に示す状態から作業アタッチメント20を倒伏させて、地面Gの近傍でバケット23の姿勢を調整する(ステップS41)。この際、バケット23が地面Gの土を安定して掘削することを目的として、バケット23の角度が予め設定された推定用角度(角度範囲)に含まれるよう、土質推定部505がオペレータに対してバケット23の角度調整を要求する。
図17は、キャブ13(図1)内の表示部72(図2)に表示される画面の一例である。図中左側のバケット角度の枠内において、Under(図17では30度)は上記の推定用角度の下限を意味し、Over(図17では120度)は同上限を意味する。また、両者の間に図示される角度(図17では80度)は、現在のバケット角度ψを示す。バケット角度ψは、図5のアーム22とバケット23との接続部分CB1(支点)と、バケット23の先端部とを結ぶ直線が水平面に対してなす角度である。また、図17に示すように、「バケット角度」欄には、現在のバケット23の角度(姿勢)が視覚的に図示されている。更に、現在のバケット角度ψのOver、Underに対する相対位置を視覚的に確認可能な「目盛り」が配置されている。当該目盛り中の白三角は現在のバケット角度ψの値を意味する。また、目盛り中の最大値(図17では180度)は、上記のOver(図17では120度)よりも大きな値に設定され、同最小値(図17では0度)は、Under(図17では30度)よりも小さな値に設定されている。この結果、オペレータがバケット角度ψを適切な範囲に収まるように調整するにあたって、上限(Over)および下限(Under)よりも広い範囲から現在のバケット角度ψを認識することが可能になり、角度調整操作を容易に行うことが可能になる。
本変形実施形態では、このように表示部72(バケット角度表示部)が、前記推定用角度および現在のバケット23の角度ψを表示することが可能であるため、オペレータは、表示部72を見ながら、バケット23の角度を容易に調整することができる。
オペレータは、バケット23の角度ψが下限値から上限値までの間に含まれることを確認すると(図16のステップS42でYES)、作業アタッチメント20を僅かに下げて、バケット23の先端部を地面Gに接地させる(ステップS43)。
次に、オペレータは、キャブ13内の不図示のアーム引きレバーの握り部に配置された、不図示のオプション用ボタンを押圧する。このオプション用ボタンは、バケット角度維持制御の起動スイッチとして機能する。当該バケット角度維持制御が作動していると、オペレータの操作によってアーム引き動作が行われる際に、駆動制御部501(図2)がブーム21およびアーム22の角度を自動で調整することで、バケット23の角度ψを一定に維持する。したがって、バケット23の地面Gに対する相対角度が一定に保持されながら、掘削作業を行うことができる。そして、オペレータが上記のオプション用ボタンを押圧すると、土質推定部505が土質推定処理を開始する(ステップS45)。この際、前回の土質情報取得処理において記憶部507(図2)に格納された各データはリセットされる。
オペレータの操作によってバケット23が上部旋回体12に近づきながら、地面Gを掘削すると、やがて、オペレータが再び前記オプション用ボタンを押圧する。この結果、バケット角度維持制御がオフされ、土質推定部505による土質推定処理(演算)が終了する(ステップS46)。なお、土質推定部505が土質を推定している間は、図17の画面表示の右側の土質推定の領域において、「推定中」のランプが点灯する。
ここで、本変形実施形態では、上記の土質情報取得処理の精度が期待できるものであるか否かを土質推定部505が判定する(ステップS47)。具体的に、土質推定部505は、土圧負荷演算部504によって演算される土量V(m3)が、予め設定された土量閾値Vmin以上であるか否かを判定する。土量Vは、上記の掘削作業においてバケット23内に含まれる土の量である。本変形実施形態では、土圧負荷演算部504が、バケット23の形状と土塊の形状によって、土量Vを演算する。バケット23の形状は既知であり、記憶部507に格納されている。また、土塊の形状は、土面情報取得部64(図1)によって取得される。土量Vが土量閾値Vminよりも小さい場合、土塊からバケット23に対して十分な大きさの土圧負荷が作用しないため、推定される土質の精度が低下する可能性がある。本変形実施形態では、このような観点で、土量Vの大きさが判定される。
更に、図16のステップS47において、土質推定部505は、ステップS44からステップS46までの間に取得されたデータ数Mが、所定の閾値Mmin以上か否かを判定する。本変形実施形態では、バケット23の掘削中に刻々と変化する各パラメータを用いて、土質推定部505が所定の時間間隔(一例として1secに10回)で土質を順次推定する。データ数Mは、この過程で取得される土質のデータ数に相当する。閾値Mminは例えば50に設定されている。オペレータがオプション用ボタンを短い時間間隔で押圧した場合のように、データ数Mが閾値Mminよりも小さい場合には、推定される土質の精度が低下する可能性がある。本変形実施形態では、このような観点で、データ数Mが判定される。なお、データ数Mは、土質情報取得処理に用いられるその他のパラメータの数でもよい。
図16のステップS47において、上記の条件が満たされている場合(ステップS47でYES)、図17の画面表示の右側の土質推定の領域において、「成功」のランプが点灯する。土質推定部505は、最終的に推定した土質の情報を表示部72(図2)に表示する。具体的に、図17の土質推定の領域において、「今回値」で示される部分に推定された土質に関する情報が表示される。当該情報は、数値でもよいし、特性でもよいし、メッセージでもよい。なお、本変形実施形態では、「今回値」(最新の土質)の下に「前回値」として、前回推定された土質情報(過去の土質)が表示されている。このため、オペレータは作業現場における土質の変化を容易に把握することができる。なお、「今回値」、「前回値」の表示は、グラフなどの履歴情報でもよい。
また、図16のステップS47において、上記の条件が満たされていない場合(ステップS47でNO)、図17の画面表示の右側の土質推定の領域において、「失敗」のランプが点灯する。オペレータは、この表示をもって再計測の必要性を認識する(ステップS49)。この場合、オペレータは次の掘削作業において、図16のステップS41以降のステップを繰り返せばよい。
以上のように、本変形実施形態では、土質推定部505は、バケット23内の土量Vに基づいて土質の推定の可否を判定する。このような構成によれば、ある程度の土量がバケット23内にある場合に限って最終的な土質を表示することで、推定精度を上げることができる。なお、上記の土圧の推定とは、表示部72に表示するための最終的な土質を推定することを意味する。土質の推定が不可と判定された場合は、土質の表示に至るまでの何れかの処理が中止されればよい。
また、本変形実施形態では、土質推定部505は、土塊の形状およびバケット23の形状に基づいて前記土量を演算するため、バケット23内の土量Vを容易に推定することができる。
なお、他の実施形態において、土質推定部505は、土圧負荷の大きさに関連する他の特性値に基づいて、土質の推定の可否を判定するものでもよい。一例として、前記特性値は、図9の地盤高さHでもよい。このような場合であっても、得られる土圧負荷がある程度大きい場合に限って土圧推定処理を実行することで、推定精度を上げることができる。これらの特徴は、前記土圧負荷の大きさが、バケット23の先端の地面Gに対する深さに関連することに着目している。
また、本変形実施形態では、土質推定部505は、バケット23の角度ψが予め設定された推定用角度に含まれていることを条件として、土質を判定する。このような構成によれば、バケット23の角度を所定の推定用角度に設定した上で土質推定処理を実行することで、推定精度を上げることができる。
なお、図16に示すフローが実行されるにあたって、図2の入力部52は、有効状態と無効状態とを切換えるための指令を受け付けるものでもよい。この場合、前記有効状態は土質推定部505による土質の推定が許容された状態であり、前記無効状態は土質推定部505による土質の推定が禁止された状態である。上記の指令は、オペレータによって入力されるものでもよいし、土質推定部505を含む制御部50が所定の条件に基づいて自動で入力するものでもよい。このような構成によれば、必要な場合に限って土質推定処理を実行することが可能となり、無駄な演算処理を防止することができる。
また、表示部72(図2)(状態表示部)は、前記有効状態および前記無効状態を表示可能であってもよい。このような構成によれば、現在の土質の推定可能状態を作業者に報知することができる。
更に、入力部52に入力される前記指令によって前記有効状態と前記無効状態とが切り換わると、前回推定された土質に関する情報を記憶部507(土質記憶部)が記憶してもよい。このような構成によれば、状態の切換時に、必要な土質の情報を確実に保存することができる。上記のような入力部52、表示部72、記憶部507の機能は、他の実施形態にも適用可能である。
なお、本変形実施形態では、図16のステップS41、S42においてオペレータがバケット23の姿勢を調整した後に、ステップS44以降において土質の推定処理が実行される態様にて説明したが、ステップS42の角度条件が満たされない限り、土質の推定処理が許容されない態様でもよい。一例として、土質推定部505(状態切換部)は、バケット23の角度が予め設定された推定用角度に含まれていることを条件として、入力部52に前記有効状態に対応する指令を入力するものでもよい。このような構成によれば、バケット23の角度を所定の推定用角度に設定した上で土質推定処理を実行することで、推定精度を上げることができる。また、高い精度で土質を推定したい場合において、推定用角度外でオペレータが土質推定処理を開始してしまい、所望の精度の土質を得ることができないような結果を回避することができる。
また、土質の推定を実行するための条件として、図17の左側に示すような角度設定をオペレータに対して積極的に要求する機能を土質推定部505(角度要求部)が備えていても良い。このような構成によれば、土質推定部505がバケット23の角度調整を要求することで、精度の高い土質推定処理を確実に実行することができる。
また、本変形実施形態では、土質推定部505は、所定の推定開始信号(オプション用ボタンの押圧)を受けて、所定の時間間隔で土質を繰り返し推定することで複数の土質を取得し、当該複数の土質に基づいて最終的な土質を推定する。一方、前記推定開始信号の入力後、前記複数の土質の数(M)が予め設定された閾値(Mmin)未満の場合、土質推定部505は、前記最終的な土質の推定を実行しない(図16のステップS47)。このような構成によれば、推定に必要なデータ数が得られていない場合に、誤った推定結果を出力することを防止することができる。
また、本変形実施形態では、図17の右側に示すように、表示部72(完了表示部)が、土質推定部505による土質の推定が完了したか否かに関する情報を表示する(成功ランプ、失敗ランプ)。このような構成によれば、作業者は、表示部72を確認することで、土質推定処理の完了、未了を容易に確認することができる。
<第4変形実施形態>
図18は、本発明の第4変形実施形態に係る建設機械において土質推定部が実行する演算処理の模式図である。先の実施形態では、図3に示すように、機械負荷演算部503が、バケット23が機械的に受ける負荷(機械負荷、掘削抵抗値PA)を演算する(図3の演算1)一方、土圧負荷演算部504が、バケット23が掘削した土によってバケット23に作用する負荷(土圧負荷、掘削抵抗値PB)を土圧論に基づいて演算し(図3の演算2)、土質推定部505が上記の2つの負荷が互いに等しいと仮定することで、掘削抵抗値PBに含まれる土質情報を演算する(図3の演算3)という態様にて説明した。そして、前記演算3の手法として、3つの探索方法について詳述した。本変形実施形態では、上記と同様に、機械負荷演算部503が、バケット23が機械的に受ける負荷(機械負荷、掘削抵抗値PA)を演算する(図3、図18の演算1)。
一方、土圧負荷演算部504が、バケット23が掘削した土によってバケット23に作用する負荷(土圧負荷、掘削抵抗値PB)を土圧論に基づいて演算するにあたって、予め準備された3つの土質候補(土質1、土質2、土質3)を用いて、演算2を実行する。それぞれの土質候補を参照した演算を、演算2-1、2-2、2-3と称し、得られた掘削抵抗値をPB1、PB2、PB3と称する。先の実施形態における演算2において説明したように、一例として、土質情報には、内部摩擦角φおよび粘着力cが含まれる。このため、土質1、土質2、土質3のそれぞれの情報には、内部摩擦角φおよび粘着力cの大きさが異なる値が準備されている。ここで、土質推定部505は、演算1において算出されたPAと、各PBとの偏差の絶対値を求め、その値が最も小さいもの、換言すれば、PAに最も近いPBを出力する土質を、土質1、土質2、土質3の中から選択し、最終的な推定土質Xとして決定する。
なお、先の第3変形実施形態のように、バケット23が掘削を行う間に所定の時間間隔でデータが取得される場合には、図18のPB1、PB2、PB3のそれぞれについても複数の演算結果を得ることができる。この場合、土質推定部505は、複数の|PA-PB1|を積分したもの、複数の|PA-PB2|を積分したもの、複数の|PA-PB3|を積分したものの中から、最小となる土質を、土質1、土質2、土質3の中から選択し、最終的な推定土質Xとして決定してもよい。この際、時間的な積分範囲(積分区間)は、図16のバケット角度維持制御が実行されている時間に対応して設定されてもよいし、各センサ(検出部)の検出結果とそれに対応して設定された閾値との大小関係に基づいて設定されてもよい。
以上のように、本変形実施形態では、土質推定部505は、予め準備された複数の土質候補(土質1、土質2、土質3)を参照し、機械負荷演算部503によって演算された前記機械負荷と、土圧負荷演算部504によって演算された前記土圧負荷とに基づいて、前記複数の土質候補のうちの一の土質候補を作業現場における前記土質として決定する。このような構成によれば、解となる土質を複数の土質候補に限定することで、演算負荷を低減することができる。
特に、本変形実施形態では、土圧負荷演算部504は、前記複数の土質候補をそれぞれ用いて複数の前記土圧負荷を演算し、土質推定部505は、前記複数の土圧負荷の中から機械負荷演算部503によって演算される前記機械負荷に最も近い土圧負荷に対応する前記土質候補を、作業現場における前記土質として決定する。このような構成によれば、複数の土質候補の中から最適な土質を精度良く決定することができる。
<第5変形実施形態>
図19は、本発明の第5変形実施形態に係る建設機械において土圧負荷演算部が実行する演算処理の模式図である。図20は、本変形実施形態に係る建設機械において実行される土質情報取得処理の一部のフローチャートである。図21は、本変形実施形態に係る建設機械が土質情報取得処理を実行する際の側面図である。図22は、本変形実施形態に係る建設機械において実行される土質情報取得処理における地盤高さを説明するための模式図である。
本変形実施形態は、演算2で参照される地盤高さH(バケット23の爪先と土面との間の鉛直方向における距離:図9参照)の算出方法に特徴を有する。具体的に、油圧ショベル1の機体が図21のように水平面に対して傾いている場合であっても、精度良く地盤高さHを算出することができる。
演算2の実行にあたって、土圧負荷演算部504は、図4のステップS1と同様に、各シリンダストローク、機体角度、土面情報などを取得する(図20のステップS51)。この際、取得される土面情報は、機体角度に依存せず、土面を基準とするものとする。図22では、LIDARからなる土面情報取得部64(図1)が取得する土面の情報が複数の測定点Dgで図示されている。
次に、バケット位置演算部502が、バケット23の爪先位置(バケット爪先位置)、アーム22の先端位置(アーム先端位置:図22の接続部分CB1)をそれぞれ算出する(ステップS52)。更に、バケット位置演算部502は、アーム22の先端位置を中心として、バケット23の爪先を通る円弧RCを描く(円弧の式を算出する)(ステップS53)。そして、バケット位置演算部502は、前記円弧RCと土面(複数のDg)との交点Piの位置を算出する(ステップS54)。更に、バケット位置演算部502は、バケット23の爪先を通る水平線と交点Piとの距離を、地盤高さHとして算出する(ステップS55)。
以上のように、本変形実施形態では、油圧ショベル1の機体が水平面に対して傾いている場合であっても、土面情報とバケット23との相対的な位置関係を、円弧RCによって関連付けることで、地盤高さHを精度良く取得することができる。
<その他の変形実施形態>
なお、上記の各実施形態において、土質推定部505が土質情報を何らかの事情により一時的に推定、取得できない場合には、作業現場において予め貫入試験機などで計測した地盤硬さに関する情報を用いて、油圧ショベル1の出力特性を設定してもよい。この場合、上記の地盤硬さに関する情報が記憶部507に記憶され、出力特性設定部506がこの情報を参照すればよい。このような構成によれば、作業現場において予め実施している地盤検査結果などを活用して、油圧ショベル1の出力特性を適切に設定することができる。
更に、記憶部507が予め複数の地盤材料を記憶しており、当該複数の地盤材料に関する情報が表示部72に表示され、オペレータが現在の作業現場に対応する地盤材料を選択すると、出力特性設定部506が選択された地盤材料に関連付けられた油圧ショベル1の出力特性を選択、設定してもよい。このような構成によれば、原材料の採掘現場のように、地盤調査を行うことなく、掘削作業を開始するような現場における、出力特性の設定を容易に行うことができる。なお、前記地盤材料としては、例えば、砂、砂質土、レキ、粘性土などがあげられる。
また、土面情報取得部64(図2)がカメラを含む場合には、当該カメラが撮影した画像などを基に、出力特性設定部506が周辺の地盤材料を認識し、当該地盤材料に関連付けられた油圧ショベル1の出力特性を選択、設定してもよい。この場合、前記画像に含まれる土粒子の大きさや土の色から推定される水分量などに応じて、地盤材料や土質が推定されてもよいし、予め記憶部507に格納されている比較画像との類似性から地盤材料や土質が推定されてもよい。このような構成によれば、オペレータが地盤材料を選択する手間を省くことができるとともに、誤選択による出力特性の誤設定を防止することができる。また、油圧ショベル1の自動運転などのように、オペレータが不在の作業現場でも、油圧ショベル1の出力特性を適切に設定することができる。
なお、上記の各実施形態のように、油圧ショベル1の記憶部507またはサーバー90のサーバー側記憶部903に土質情報が記憶されている場合に、当該情報を用いて油圧ショベル1の出力特性を設定してもよいし、当該土質情報が時間的に古い情報であった場合には、土質推定部505が最新の土質情報を推定してもよい。また、各記憶部に記憶されている位置情報および土質情報の関係(マップ情報)に含まれていない位置において作業を行う場合には、最新の土質情報を取得する(マップ情報を追加する)ことで、適切な出力特性を設定することができる。
また、サーバー90のサーバー側記憶部903には、同じ土質情報でも油圧ショベル1の機種や特性に応じて異なる出力特性情報が格納されていてもよい。この場合、図14の油圧ショベル1Aが取得した土質情報がサーバー90に送信されると、サーバー90では当該土質情報に対応しつつ、油圧ショベル1Bに好適な出力特性を選択し、油圧ショベル1Bに送信することができる。したがって、同じ作業現場において、異なる機種の複数の油圧ショベル1が作業を行う場合でも、土質情報を共有しながら、それぞれの油圧ショベル1に適切な出力特性を設定することができる。
なお、上記のような油圧ショベル1およびサーバー90は、本発明の建設機械管理システムを構成する。ここで、建設機械管理システムは、以下のような態様を備えることができる。
第1に、建設機械管理システムは、上記に記載の油圧ショベル1と、油圧ショベル1から離れた位置に配置され、油圧ショベル1との間で前記土質の情報を送受信することが可能なサーバー90とを備える、
このような構成によれば、油圧ショベル1が取得した土質の情報をサーバー90が管理することで、他の油圧ショベルと前記土質の情報を共有することができる。この際、他の油圧ショベルが油圧ショベル1のように土質推定部505を有していない場合でも、前記土質の情報を利用して効率的な作業を行うことができる。
また、第2に、上記の建設機械管理システムにおいて、油圧ショベル1は、作業現場における機体の位置情報を取得する本体位置情報取得部63と、前記位置情報および前記土質の情報をサーバー90に送信することが可能な送信部73(機体側送信部)とを更に備える。また、サーバー90は、送信部73が送信した前記位置情報および前記土質の情報を受信することが可能なサーバー側受信部901と、前記位置情報および前記土質の情報を互いに関連付けて記憶するサーバー側記憶部903とを有する。
このような構成によれば、油圧ショベル1が取得した土質の情報および位置情報を互いに関連付けてサーバー90が管理することで、他の油圧ショベルが前記土質の情報および位置情報を共有することができる。
また、第3に、上記の建設機械管理システムにおいて、駆動部71は、所定の指令信号を受け入れ当該指令信号に応じた出力特性に基づいて作業アタッチメント20を駆動することが可能である。また、油圧ショベル1は、作業現場における機体の位置情報を取得する本体位置情報取得部63と、前記位置情報をサーバー90に送信することが可能な送信部73と、サーバー90から送信された情報を受信することが可能な受信部74(機体側受信部)とを更に備える。また、サーバー90は、前記位置情報、前記土質の情報および前記出力特性の情報を互いに関連付けて記憶するサーバー側記憶部903と、送信部73が送信した前記位置情報を受信することが可能なサーバー側受信部901と、前記サーバー側受信部901が受信した前記位置情報に応じてサーバー側記憶部903から所定の出力特性を設定するサーバー側出力特性設定部902と、前記設定された出力特性に対応する前記指令信号を油圧ショベル1に送信するサーバー側送信部904と、を有する。
このような構成によれば、油圧ショベル1が作業中に位置情報および土質の情報を取得すると、当該情報に応じてサーバー90が好適な出力特性を設定し、油圧ショベル1に指令信号を送信することができる。このため、油圧ショベル1は、作業現場での作業を行いながら、周囲の土質の情報に応じて適切な出力特性に調整される。
また、第4に、上記の建設機械管理システムにおいて、駆動部71は、所定の指令信号を受け入れ当該指令信号に応じた出力特性に基づいて作業アタッチメント20を駆動することが可能である。また、油圧ショベル1は、前記土質の情報をサーバー90に送信することが可能な送信部73と、サーバー90から送信された情報を受信することが可能な受信部74と、を更に備える。また、サーバー90は、前記土質の情報および前記出力特性の情報を互いに関連付けて記憶するサーバー側記憶部903と、前記送信部73が送信した前記土質の情報を受信することが可能なサーバー側受信部901と、前記サーバー側受信部901が受信した前記土質の情報に応じてサーバー側記憶部903から所定の出力特性を設定するサーバー側出力特性設定部902と、前記設定された出力特性に対応する前記指令信号を油圧ショベル1に送信するサーバー側送信部904と、を有する。
このような構成によれば、油圧ショベル1が作業中に土質の情報を取得すると、当該情報に応じてサーバー90が好適な出力特性を設定し、油圧ショベル1に指令信号を送信することができる。このため、油圧ショベル1は、作業現場での作業を行いながら、周囲の土質の情報に応じて適切な出力特性に調整される。
なお、上記の各実施形態における説明において、一の実施形態で示された構造、機能は、他の実施形態にも適用可能である。