JP7717424B2 - 大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法、食品の製造方法、及び水中油型乳化物 - Google Patents

大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法、食品の製造方法、及び水中油型乳化物

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Description

本発明は、コラーゲンペプチドによる大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法、該粘度上昇抑制方法を使用した食品の製造方法、並びに、大豆蛋白素材及びコラーゲンペプチドを含有する水中油型乳化物に関する。
高齢者は食が細くなりやすくエネルギー不足に陥りやすいため、病院や高齢者施設等では、少量で必要なエネルギーが確保できるメニューを取り入れて、効率よく栄養を補給する試みがされている。提供する食事に何らかの工夫をする他、油脂や蛋白を高含有にしたエネルギー密度の高い加工食品が開発されており、たんぱく質源として入手性のよい大豆由来の蛋白素材が汎用されている。
しかし、大豆由来の蛋白素材は、水溶液とした場合に粘度上昇が著しく、水溶液の流動性が悪くなるため、食品製造工程において、通常の撹拌で均質な溶液が調製できない(他の原料が溶かせない等)などの問題や、油脂を添加するとさらに粘度が上昇し、均質な乳化物ができない等の問題があった。また、均質な溶液を得るために、過度な撹拌や乳化を行うと、含泡して流動性が失われたり、脱気処理が必要になり、製造が煩雑になる問題もあった。
上記の問題を解決するために蛋白を低分子化する方法が提案されているが、原料コストが高くなる問題や、低分子蛋白由来の苦味が強くなる問題があった。
また、乳蛋白質濃縮物を高濃度で含有する液体栄養組成物の高粘度化を抑制する方法として、重量平均分子量が19000以上のカゼイン分解物を特定量含有させる方法が報告されているが、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇を抑制する方法については、報告されていなかった。
特開2018-50600号公報
本発明は、上記の問題を鑑み、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法、該粘度上昇抑制方法を使用した食品の製造方法、並びに、大豆蛋白素材及びコラーゲンペプチドを含有する水中油型乳化物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、大豆蛋白素材を含有する水溶液に対して、特定量のコラーゲンペプチドを含有させることで、該水溶液の粘度が著しく低下することを見出し、本発明を完成した。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1)大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法であって、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを30~300質量部含有させる、粘度上昇抑制方法。
(2)大豆蛋白素材及びコラーゲンペプチドを含有する食品の製造方法であって、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンを30~300質量部含有する水溶液を調製する工程を含む、食品の製造方法。
(3)油脂を10~60質量%、大豆蛋白素材を1~10質量%、及びコラーゲンペプチドを含有し、該大豆蛋白素材100質量部に対して該コラーゲンペプチドを30~300質量部含有する水中油型乳化物。
本発明によれば、大豆蛋白素材含有水溶液に特定量のコラーゲンペプチドを含有させることにより、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇を抑えることができるため、食品製造工程において、過度な撹拌や乳化処理、脱気処理等を行わなくとも、均質な溶液や乳化物が得られやすい。
また、本発明によれば、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇を抑えることにより、食品製造時の送液、殺菌等の生産適性も改善することが出来る。
〔粘度上昇抑制方法〕
本発明の大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法(以下、本発明の粘度上昇抑制方法ともいう。)は、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを30~300質量部含有となるように、該大豆蛋白素材含有水溶液に含有させる方法である。ここで、本発明において「粘度上昇抑制方法」とは、前記大豆蛋白素材含有水溶液において、コラーゲンペプチドを含有するときに、コラーゲンペプチドを含有しない大豆蛋白素材含有水溶液と比較して、粘度値の減少率が50%よりも大きくなることを指す。前記粘度は、B型粘度計を用い、測定上限値に留意して、適切なローターと回転速度を選択し、20℃に調整した検体の測定値を取得し、使用したローターと回転数に応じた換算乗数を測定値に乗算することで、20℃における粘度値を測定することができる。
本発明における大豆蛋白素材含有水溶液は、大豆蛋白素材を好ましくは1~10質量%、より好ましくは1.2~8質量%、さらにより好ましくは1.5~6.5質量%、最も好ましくは1.5~6質量%含有する。大豆蛋白素材の含有量が前記の範囲にあると、本発明の効果を奏しやすい。
本発明の粘度上昇抑制方法は、大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを好ましくは60~250質量部、より好ましくは80~220質量部、さらにより好ましくは100~200質量部、最も好ましくは120~170質量部含有する。コラーゲンペプチドの含有量が上記の範囲にあると、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇の抑制効果がより得られる。
本発明の粘度上昇抑制方法は、大豆蛋白素材含有水溶液に所望の量のコラーゲンペプチドが含有している態様であれば、本発明の効果が得られる。したがって、大豆蛋白素材とコラーゲンペプチドとを同時に水に含有させる方法、大豆蛋白素材含有水溶液にコラーゲンペプチドを含有させる方法、及び、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させる方法のいずれであってもよく、これらの方法を組み合わせてもよい。また、本発明の粘度上昇抑制方法は、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させる方法が好ましい。
〔大豆蛋白素材〕
本発明における大豆蛋白素材は、具体的には、脱脂大豆、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、抽出大豆蛋白、大豆粉等である。これらの大豆蛋白素材は、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、前記脱脂大豆、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、抽出大豆蛋白、及び大豆粉は、市販品を使用することができる。脱脂大豆の市販品としては、例えば、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ソーヤフラワーA」が挙げられ、分離大豆蛋白の市販品としては、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ソルピー4000H」、「ソルピー6000H」が挙げられ、濃縮大豆蛋白の市販品としては、例えば、ADM社販売の商品「アーコンF」が挙げられ、大豆粉の市販品としては、日清オイリオグループ(株)販売の商品「アルファプラスHS-600」、「ソーヤフラワーNSA」が挙げられる。本発明における大豆蛋白素材は、好ましくは分離大豆蛋白である。
本発明における大豆蛋白素材は、蛋白質の含有量が好ましくは70質量%以上、より好ましくは70~100質量%、さらにより好ましくは80~98質量%、最も好ましくは85~95質量%である。蛋白質の含有量はケルダール法により求めることができる。なお、市販の大豆蛋白素材を使用する場合は、原料メーカーの製品情報に基づいて蛋白質含有量を判断することができる。
〔コラーゲンペプチド〕
本発明におけるコラーゲンペプチドは、牛、豚、魚等に由来し、平均分子量が10000以下となるように分解処理されたコラーゲンペプチドである。前記コラーゲンペプチドは、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、前記コラーゲンペプチドは、市販品を使用することができる。例えば、(株)ニッピ製「FCP」、「GELITA SOL NPS」、ルスロ社製「F5000HD」、「P5000HD」「F2000HD」、「P2000HD」等が挙げられる。
本発明におけるコラーゲンペプチドの平均分子量は、重量平均分子量(Mw)であり、好ましくは1000~10000、より好ましくは1500~7000、最も好ましくは2000~5000である。平均分子量が上記の範囲にあると、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇の抑制効果がより得られる。
なお、重量平均分子量は、日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合の写真用ゼラチン試験法(PAGI法)第10版「20-2 平均分子量」に記載されている方法に従って算出することができる。PAGI法は、高速液体クロマトグラフィーを用いたゲル濾過法によってコラーゲンペプチドのクロマトグラムを求め、その分子量分布を推定する方法である。なお、市販のコラーゲンペプチドを使用する場合は、原料メーカーの製品情報に基づいて重量平均分子量(Mw)を判断することができる。
本発明におけるコラーゲンペプチドは、蛋白質の含有量が好ましくは70質量%以上、より好ましくは70~100質量%、さらにより好ましくは80~98質量%、最も好ましくは85~95質量%である。蛋白質の含有量はケルダール法により求めることができる。なお、市販のコラーゲンペプチドを使用する場合は、原料メーカーの製品情報に基づいて蛋白質含有量を判断することができる。
〔食品の製造方法〕
本発明の食品の製造方法は、上記大豆蛋白素材及び上記コラーゲンペプチドを含有し、かつ、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンを30~300質量部含有する水溶液を調製する工程を含む。前記大豆蛋白素材100質量部に対するコラーゲンペプチドの含有量は好ましくは60~250質量部、より好ましくは80~220質量部、さらにより好ましくは100~200質量部、最も好ましくは120~170質量部含有する。コラーゲンペプチドの含有量が上記の範囲にあると、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇の抑制効果がより得られる。
また、前記工程は、大豆蛋白素材とコラーゲンペプチドとを同時に水に含有させて水溶液を調製する工程、大豆蛋白素材含有水溶液にコラーゲンペプチドを含有させて水溶液を調製する工程、及び、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させて水溶液を調製する工程のいずれであってもよく、これらの工程を組み合わせてもよい。また、本発明の食品の製造方法は、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させて水溶液を調製する工程を含むことが好ましい。
本発明の食品の製造方法は、好ましくは水中油型乳化物の態様の食品である。前記食品は、具体的には、濃厚流動食、エネルギー補助食品、術後食、介護食、治療食、嚥下調整食等の少量摂取で高エネルギーを補給するための食品に好適に使用できる。また、本発明の水中油型乳化物は、液状、ゾル状、半固形状、及びゲル状のいずれの態様でもよい。
本発明の食品の製造方法は、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇が抑えられるため、油脂を多く含む水中油型乳化物を、ホモジナイザー等の乳化機を使用して製造する際にも、せん断力にムラが発生しにくく、過度な乳化処理、脱気処理等を行わなくても均質なエマルションが得られる。
本発明の食品の製造方法における水溶液中の大豆蛋白素材の含有量は、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1.2~8質量%、さらにより好ましくは1.5~6.5質量%、最も好ましくは1.5~6質量%である。大豆蛋白素材の含有量が上記の範囲にあると、本発明の効果を奏しやすい。
本発明の食品の製造方法における水溶液の水の含有量は、好ましくは30~95質量%、より好ましくは35~80質量%、さらにより好ましくは40~70質量%、最も好ましくは45~60質量%である。
また、本発明の食品の製造方法における食品が油脂を含む場合、食品全体中の油脂含量が好ましくは10~60質量%、より好ましくは15~55質量%、さらにより好ましくは20~50質量%、最も好ましくは30~45質量%である。
本発明の食品の製造方法における食品は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の原料を含有してもよい。例えば、大豆蛋白及びコラーゲンペプチド以外の蛋白素材、糖類、乳化剤、ゲル化剤、酸味料、ビタミン類、アミノ酸、ミネラル、果汁、香料、色素、風味原料等が挙げられる。
本発明の食品の製造方法における食品全体中の蛋白質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは3~20質量%、さらにより好ましくは5~15質量%、最も好ましくは7~12質量%である。前記蛋白質の含有量は、ケルダール法により求めることができる。なお、各種原料メーカーの製品情報に基づいて含有量を算出することもできる。
本発明の食品の製造方法における食品中の大豆蛋白素材及びコラーゲンペプチドの好ましい態様は、上記「本発明の粘度上昇抑制方法」に記載した態様と同様である。
〔水中油型乳化物〕
本発明の水中油型乳化物は、油脂を10~60質量%、大豆蛋白素材を1~10質量%、及びコラーゲンペプチドを含有し、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを30~300質量部含有する。本発明の水中油型乳化物は、具体的には、濃厚流動食、エネルギー補助食品、術後食、介護食、治療食、嚥下調整食等の少量摂取で高エネルギーを補給するための食品に好適に使用できる。また、本発明の水中油型乳化物は、液状、ゾル状、半固形状、及びゲル状のいずれの態様でもよい。
本発明の水中油型乳化物は、エネルギーが100g当たり100kcal以上であることが好ましい。また、少量の摂取で十分なエネルギーを摂取する観点から、100g当たり200kcal以上であることがより好ましい。エネルギーの上限は特に規定されないが、食べやすさの面から、100g当たり600kcal以下であることが好ましく、500kcal以下であることがより好ましい。なお、エネルギーは、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の修正アトウォーター法に準じて算出される。
本発明の水中油型乳化物中の油脂の含有量は、好ましくは15~55質量%、より好ましくは20~50質量%、最も好ましくは30~45質量%である。油脂の含有量が上記の範囲にあると、高カロリーかつ均質な水中油型乳化物がより得られやすい。
前記油脂は、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、かぼちゃ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、魚油、及びこれらの分別油脂、エステル交換油脂、並びにこれらの混合油脂が挙げられる。また、前記油脂は好ましくは20℃で液状の油脂である。
本発明の水中油型乳化物中の大豆蛋白素材の含有量は、好ましくは1.2~8質量%、より好ましくは1.5~6.5質量%、最も好ましくは1.5~6質量%である。大豆蛋白素材の含有量が上記の範囲にあると、本発明の効果を奏しやすい。
なお、前記大豆蛋白素材の好ましい態様、蛋白含量等は上記の「本発明の粘度上昇抑制方法」に記載した態様と同様である。
本発明の水中油型乳化物中のコラーゲンペプチドの含有量は、大豆蛋白素材100質量部に対して所望の範囲の含有量となれば特に限定されないが、好ましくは0.3~20質量%、より好ましくは0.5~16質量%、さらにより好ましくは1~12質量%、最も好ましくは2~8質量%である。コラーゲンペプチドの含有量が上記の範囲にあると、大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇が抑えられるため、油脂を多く含む水中油型乳化物を、ホモジナイザー等の乳化機を使用して製造する際にも、せん断力にムラが発生しにくく、過度な乳化処理、脱気処理等を行わなくても均質なエマルションが得られる。
なお、前記コラーゲンペプチドの好ましい態様、蛋白含量等は上記「本発明の粘度上昇抑制方法」に記載のものと同様である。
本発明の食品の製造方法における食品全体中の蛋白質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは3~20質量%、さらにより好ましくは5~15質量%、最も好ましくは7~12質量%である。前記蛋白質の含有量は、ケルダール法により求めることができる。なお、各種原料メーカーの製品情報に基づいて含有量を算出することもできる。
本発明の水中油型乳化物中の水の含有量は、好ましくは30~95質量%、より好ましくは35~80質量%、さらにより好ましくは40~70質量%、最も好ましくは45~60質量%である。前記水は特に限定されないが、水道水、井戸水、精製水、イオン交換水等を用いることができる。
本発明の水中油型乳化物は、本発明の効果を損なわない範囲において、目的に応じて、大豆蛋白及びコラーゲンペプチド以外の蛋白素材、糖質、ビタミン、ミネラル等の各種栄養成分、乳化剤、安定剤、香料、風味原料、ゲル化剤等の食品添加物を含んでもよい。本発明の水中油型乳化物が乳化剤を含む場合は、該乳化剤の含有量は、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.2~2質量%、最も好ましくは0.3~1質量%である。また、本発明の水中油型乳化物がゲル化剤を含む場合は、該ゲル化剤の含有量は、好ましくは0.4~5質量%、より好ましくは0.8~3質量%、最も好ましくは1~2質量%である。
〔水中油型乳化物の製造方法〕
本発明の水中油型乳化物の製造方法は、大豆蛋白素材を1~10質量%、及びコラーゲンペプチドを含有し、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを30~300質量部含有する水溶液を調製する工程を含む。前記工程は、大豆蛋白素材とコラーゲンペプチドとを同時に水に含有させて水溶液を調製する工程、大豆蛋白素材含有水溶液にコラーゲンペプチドを含有させて水溶液を調製する工程、及び、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させて水溶液を調製する工程のいずれであってもよく、これらの工程を組み合わせてもよい。また、前記工程は、コラーゲンペプチド含有水溶液に大豆蛋白素材を含有させて水溶液を調製する工程を含むことが好ましい。
さらに、本発明の水中油型乳化物の製造方法は、上記の工程を含む水相を調製する工程、油相を調製する工程、及び、該水相と該油相とを乳化する工程を含む。乳化する工程は、均質な水中油型乳化物が得られる乳化方法であれば特に限定されず、例えば、水相と油相を合わせてホモミキサーで予備乳化し、さらにホモジナイザーで均質化(10~20Mpa)する方法が挙げられる。
なお、前記大豆蛋白素材、コラーゲンペプチド、油脂等の好ましい態様、含量等は上記「本発明の水中油型乳化物」に記載のものと同様である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に何ら限定されるものではない。
〔コラーゲンペプチドによる大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制効果の検討〕
表1~4に記載の配合に従って、各種の大豆蛋白素材含有水溶液を製造し、コラーゲンペプチドを含有させることによる、粘度上昇抑制効果を確認した。具体的には常温の水にコラーゲンペプチド以外の原料を撹拌混合して均一に溶解・分散した後、コラーゲンペプチドを添加し、撹拌混合して溶解した水溶液を調製した(実施例1~9、比較例1及び2)。
なお、表1~4中の各種原料は以下のものを使用した。
〈大豆蛋白素材〉商品名:ソルピー6000H、日清オイリオグループ(株)製、分離大豆蛋白、蛋白含量87質量%
〈乳蛋白〉商品名:Solmiko MPC80、大石化成(株)製、濃縮乳蛋白、蛋白含量80質量%
〈コラーゲンペプチド-1〉商品名:GELITA SOL NPS、(株)ニッピ製、蛋白含量90質量%、平均分子量4787
〈コラーゲンペプチド-2〉商品名:ROUSSELOT PEPTAN P2000HD、ルスロ社製、蛋白含量92質量%、平均分子量約2000
〈コラーゲンペプチド-3〉商品名:ROUSSELOT PEPTAN P5000HD、ルスロ社製、蛋白含量92質量%、平均分子量約5000
〈コラーゲンペプチド-4〉商品名:ROUSSELOT PEPTAN F2000HD、ルスロ社製、、蛋白含量92質量%、平均分子量約2000
〈コラーゲンペプチド-5〉商品名:ROUSSELOT PEPTAN F5000HD、ルスロ社製、蛋白含量92質量%、平均分子量約5000
〔粘度測定と粘度上昇抑制効果の評価〕
上記で調製した各種水溶液(20℃)について、B型粘度計(東京計器社製)用いて、表中に示したローター番号と回転数で粘度を測定した。粘度(mPa・s)を表1~4に示す。また、対照例(大豆蛋白のみを含む水溶液)の粘度に対して、減少した粘度の割合(%)を求め、以下の評価基準に従い粘度上昇抑制効果を評価した。評価結果を表1~4に示す。
(評価基準)
◎:70%より大きい
○:50%より大きく、70%以下
×:50%以下、又は対照例の粘度以上
表中の「蛋白含量」は溶液全体中の蛋白含量(質量%)を指す。また、前記蛋白含量は、各原料仕様書に記載の数値から算出して求めた。




表1~4の結果より、大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを33~67質量部含有させた水溶液(実施例6及び7)は、優れた粘度上昇抑制効果が認められ、大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを100~150質量部含有させた水溶液(実施例1~5、8及び9)は、さらに優れた粘度上昇抑制効果が認められた。
また、コラーゲンペプチドを含有しない大豆蛋白素材含有水溶液は、エネルギー密度を高めるために他の原料を追加する場合、粘度がさらに上昇して均一な溶液を調製することが困難になることが予想された。
〔油脂、大豆蛋白素材、及びコラーゲンペプチドを含有する水中油型乳化物の製造〕
表5に記載の配合に従って、大豆蛋白素材及び油脂を含有する水中油型乳化物について、コラーゲンペプチドを含有させることによる、粘度上昇抑制効果と乳化物の状態を確認した。具体的には常温の水に菜種油以外の原料を撹拌混合して均一に溶解・分散した後、菜種油を投入してホモディスパーを使用し乳化して水中油型乳化物を製造した(実施例10、比較例3)。なお、ホモディスパーでの乳化は、実施例10及び比較例3で同じ条件(回転数、時間)で行った。
なお、表5中の各種原料は表1及び2に記載の原料と同様の原料を用い、乳化剤と菜種油は以下のものを使用した。
〈乳化剤〉商品名:リョートーシュガーエステル P-1570、三菱ケミカルフーズ(株)製
〈菜種油〉商品名:日清キャノーラ油、日清オイリオグループ(株)製
〔水中油型乳化物の外観の評価〕
上記で調製した水中油型乳化物(20℃)について、B型粘度計(東京計器社製)用いて、表中に示したローター番号と回転数で粘度を測定した。粘度(mPa・s)を表5に示す。また、水中油型乳化物の外観を目視観察し、以下の基準で評価した。評価結果を表5に示す。
(評価基準)
○:均質な乳化物
×:含泡した不均質な乳化物
表中の「蛋白含量」は水中油型乳化物全体中の蛋白含量(質量%)を指す。また、前記蛋白含量は、各原料仕様書に記載の数値から算出して求めた。表中の「エネルギー」は水中油型乳化物全体のエネルギー(Kcal)を指す。また、前記エネルギーは、修正アトウォーター法に準じて算出して求めた。

表5の結果より、大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを150質量部含有させた水溶液(実施例10)は、大豆蛋白素材に由来する粘度上昇が抑制されたため、その後、菜種油を添加して乳化することで均質な水中油型乳化物を得ることができた。他方、コラーゲンペプチドを含有しない水溶液(比較例3)は、大豆蛋白素材含有水溶液(水相)の粘度が上昇し、含泡が起こり、乳化機のせん断力にムラが発生して不均質な乳化物が得られた。

Claims (3)

  1. 大豆蛋白素材含有水溶液の粘度上昇抑制方法であって、該大豆蛋白素材が脱脂大豆、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、抽出大豆蛋白、大豆粉のいずれか1種又は2種以上であり、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンペプチドを80~220質量部含有させる、粘度上昇抑制方法。
  2. 大豆蛋白素材及びコラーゲンペプチドを含有する食品の製造方法であって、該大豆蛋白素材が脱脂大豆、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、抽出大豆蛋白、大豆粉のいずれか1種又は2種以上であり、該大豆蛋白素材100質量部に対してコラーゲンを80~220質量部含有する水溶液を調製する工程を含む、食品の製造方法。
  3. 油脂を10~60質量%、大豆蛋白素材を1~10質量%、及びコラーゲンペプチドを含有し、該大豆蛋白素材100質量部に対して該コラーゲンペプチドを80~220質量部含有する水中油型乳化物。
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Citations (6)

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