以下、本発明に係る塵芥収集車の一実施形態について、図1~図9を参照しつつ説明する。
塵芥収集車1は、ごみ等の塵芥を収集して処分施設まで運搬するものであって、塵芥収集車1への塵芥の積込作業を行うための積込装置5と、積込装置5に対して作業者等が作業を行う作業エリアを撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像に基づいて制御する制御部と、を備える。本実施形態の撮像手段は、塵芥収集車1の後方を撮像可能なカメラ61である。
塵芥収集車1は、運転室21を有する車台2と、車台2上において運転室21の後方に配置される塵芥収容箱3と、塵芥収容箱3の後部に連接される塵芥投入箱4と、塵芥投入箱4内に配置される積込装置5と、カメラ61を有し且つ塵芥投入箱4に取り付けられる撮像部6と、積込装置5を制御可能な制御部7と、を備える。
塵芥収容箱3は、塵芥を収容する箱状の部位であり、後方に向けて開口する開口部31を有する。
塵芥投入箱4は、後端部において後方に向けて開口する投入開口部(投入部)41を有し、該投入開口部41から塵芥を投入される。この塵芥投入箱4の内部において、底部45は、車幅方向から見て下方に凸となる円弧状の曲面形状を有する。また、塵芥投入箱4は、上下方向にスライドすることによって投入開口部41を開閉する蓋42も有する。この塵芥投入箱4は、上部に設けられ且つ車幅方向に延びる回動軸43を介して塵芥収容箱3に接続されている。塵芥投入箱4は、該回動軸43周りに回動可能であり、この回動によって塵芥収容箱3の開口部31を開閉する。例えば、塵芥投入箱4は、図放置1の実線で示す位置では塵芥収容箱3の開口部31を閉鎖し、図1の二点鎖線で示す位置のように上方に回動した位置では、塵芥収容箱3の開口部31を開放して塵芥収容箱3に収容された塵芥を外部に排出できる状態である。
積込装置5は、投入開口部41から投入された塵芥を塵芥収容箱3に押し込む押込板(押込部材)53を有し、塵芥投入箱4内に配置される。この積込装置5は、制御部7に接続され、該制御部7によって制御される。具体的に、積込装置5は、塵芥投入箱4の両側壁に沿い且つ傾斜方向に延びる一対のガイドレール51と、各ガイドレール51に沿ってスライド可能な(案内される)一対のスライダ52と、一対のスライダ52間に配置される上述の押込板53と、各スライダ52と押込板53とを接続するピン54と、を有する。このピン54は、車幅方向に延び、該ピン54周りに押込板53が回動自在となるように該押込板53を各スライダ52に接続している。この押込板53は、塵芥投入箱4内に投入された塵芥を圧縮すると共に、塵芥収容箱3に押し込む部材であり、押込板53の先端53aは、車幅方向に真っ直ぐに延びている。
また、積込装置5は、押込板53を駆動する一対のプッシュシリンダ(圧縮駆動手段)55及び一対のプレスシリンダ(押込駆動手段)56を有し、これら一対のプッシュシリンダ55及び一対のプレスシリンダ56のそれぞれは、シリンダ55c、56cと、該シリンダ55c、56cに対して進退するピストン55p、56pと、を有する。一対のプッシュシリンダ55のそれぞれは、塵芥投入箱4内の両側壁に沿って配置され、一対のプレスシリンダ56のそれぞれも、塵芥投入箱4内の両側壁に沿って配置されている。
各プッシュシリンダ55において、シリンダ55c側の端部がピン551を介して塵芥投入箱4の側壁に接続され、ピストン55p側の端部がピン552を介してスライダ52(車幅方向において対応する側のスライダ52)の上端部に接続されている。このプッシュシリンダ55が、伸長動作することで、該プッシュシリンダ55が接続されているスライダ52がガイドレール51に沿って斜め上方に移動し、収縮動作することで、該プッシュシリンダ55が接続されているスライダ52がガイドレール51に沿って斜め下方に移動する。
また、各プレスシリンダ56において、シリンダ56c側端部がピン561を介して押込板53に接続され、ピストン56p側端部が、プッシュシリンダ55のピストン55p側端部と共にピン552を介してスライダ52の上端部に接続されている。一対のプッシュシリンダ55が長さを維持した状態、即ち、シリンダ55cに対してピストン55pが進退しない状態で、これら一対のプレスシリンダ56が、互いに同期した状態で伸長動作することで、押込板53がピン54周りに回動(図1における時計回りの方向に回動)し、互いに同期した状態で収縮動作することで、押込板53がピン54周りに回動(図1における反時計回りの方向に回動)する。
また、積込装置5は、塵芥を投入開口部41から塵芥投入箱4に投入する作業者等が該積込装置5を操作するための動作入力部としての操作部57を有する。この操作部57は、積込装置5のON・OFFボタンやスイッチ等の各種の入力を行うための入力部、積込装置5の緊急停止ボタン、リセットボタン等が配置されている。また、この操作部57には、積込装置5の制御についての設定や該設定の変更等のスイッチ、ボタン、ダイヤル等の各種の入力部も配置されている。
なお、本実施形態の積込装置5は、モーメンタリ式(自動復帰型)で動作する。例えば、この積込装置5は、前記入力部がON操作されるとこれをトリガーとしてシーケンス動作が始動し、一連のシーケンス動作が終了すると自動的に停止する。なお、積込装置5は、入力部がON操作されるとOFF操作されるまで動作が継続するオルタネイト式(保持型)で動作するものであってもよい。
操作部57は、塵芥の投入開口部41への投入作業中に作業者等が操作できるよう、塵芥投入箱4の後端部、詳しくは、車幅方向における投入開口部41の両側に配置されている。本実施形態の塵芥収集車1では、後方から見て投入開口部41の左側に配置された操作部57には、ボタン等の操作に必要な構成が複数配置され、投入開口部41の右側に配置された操作部57には、緊急停止ボタンのみが配置されている。
以上のように構成される積込装置5の塵芥の積込動作の詳細について、図4(a)~図4(d)も参照しつつ、以下において説明する。ここで、図4(a)~図4(d)は、押込板53、プッシュシリンダ55、及びプレスシリンダ56のみを抜き出した動作説明図である。なお、図面を見易くするために各図においてプッシュシリンダ55の位置をずらしている。
先ず、各構成53、55、56が初期状態(図4(a)に示す状態)のときに、各プレスシリンダ56が収縮動作することによって、押込板53の先端53aが塵芥収容箱3から離れる方向(図4(a)における反時計回りの方向)に押込板53がピン54周りに回動して(即ち、「反転」の行程が行われ)、図4(b)に示す状態となる。
この状態から、各プッシュシリンダ55が収縮動作することによって、押込板53が、ピン54周りの回動方向における姿勢を維持しつつ、ガイドレール51の延びる方向に沿って斜め下方に移動し(即ち、「一次圧縮」の行程が行われ)、図4(d)に示す状態となる。即ち、押込板53が投入開口部41に接近する。
続いて、各プレスシリンダ56が伸長動作することによって、押込板53の先端53aが塵芥収容箱3に近づく方向(図4(d)における時計回りの方向)に押込板53がピン54周りに回動して(即ち、「二次圧縮」の行程が行われ)、図4(c)に示す状態となる。この押込板53がピン54周りに回動することで、押込板53の先端53aは、塵芥投入箱4内の底部45に沿って移動する。即ち、塵芥投入箱4内の底部45は、二次圧縮行程において回動する押込板53の先端53aの軌跡に沿った曲面形状である。
その後、各プッシュシリンダ55が伸長動作することによって、押込板53が、ピン54周りの回動方向における姿勢を維持しつつ、ガイドレール51の延びる方向に沿って斜め上方に移動し(即ち、「押込」の行程が行われ)、図4(a)に示す状態に戻る。即ち、押込板53は、一次圧縮及び二次圧縮された後の塵芥を開口部31から塵芥収容箱3内に押し込む。
以上のようにして各プッシュシリンダ55及び各プレスシリンダ56が交互に伸縮動作することによって、押込板53は、1サイクルの行程動作(反転、一次圧縮、二次圧縮、押込)を行う。これにより、投入開口部41から塵芥投入箱4内に投入された塵芥が、塵芥収容箱3に収容される(積み込まれる)。この1サイクルの行程動作において、押込板53の先端53aの車幅方向から見た動作軌跡は、4点を結ぶ閉じた形状となる(図4(a)~図4(d)における二点鎖線参照)。
撮像部6は、図5にも示すように、作業者等が塵芥投入箱4内の積込装置5に対して投入開口部41から塵芥の投入作業が行われる作業エリアを撮像可能なカメラ61と、カメラ61を支持する支持部62と、を有する。また、本実施形態の撮像部6は、カメラ61での撮像内容に基づいて作業者等に報知可能な報知部(報知手段)63を有する。
カメラ61は、レンズ611と、該レンズ611を通じて作業エリアを撮像する撮像素子612と、を有する。本実施形態のカメラ61は、動画の撮像を行い、作業エリアを撮影する際に十分な範囲(広い範囲)を撮像できるような広角レンズ611を有している。また、カメラ61が撮像した画像は、例えば、危険エリアAr1を上方から撮像した画像である。
この撮像素子612は、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等であり、撮像された画像(本実施形態の例では、動画像)の画像データを出力する。また、カメラ61は、制御部7に接続されており、該制御部7に画像データを出力する。また、カメラ61は、運転室21内に配置されたバックモニタM(図1参照)にも接続されており、該バックモニタMにも画像データを出力する。
支持部62は、投入開口部41の上方にカメラ61が位置するように該カメラ61を支持(保持)する。この支持部62は、塵芥投入箱4における投入開口部41の上側に固定される基部621と、基部621にカメラ61を接続するブラケット622と、基部621の周囲に取り付けられるカバー板624と、を有する。
基部621は、長尺な板部材、パイプ等が組み合わされることによって構成されたフレーム状の部位であり、塵芥投入箱4における投入開口部41の上方部位から後方側(詳しくは、斜め上方)に向けて延びている。
ブラケット622は、基部621の先端と、該先端の下方に配置されるカメラ61とを接続する。このブラケットの基端部(基部621側の端部)622aは、車幅方向に延びる軸部材623を介して基部621の先端に接続され、先端部(基端部と反対側の端部)622bは、カメラ61に接続されている。該ブラケット622は、軸部材623周りに回動可能である。この回動により、カメラ61の撮像可能な範囲を変更することができる。
カバー板624は、塵芥収集車1の走行中等に飛んでくるゴミ等からカメラ61を保護等するために基部621の周囲に配置されている板状の部材である。
報知部63は、投入開口部41から塵芥投入箱4内への塵芥の投入作業を行っている作業者等やその周囲の人に対し、作業者等の安全についての報知を行う。本実施形態の報知部63は、視覚による報知を行う手段である。具体的に報知部63は、発光したときの色が異なる複数のランプ63a、63b、63c、63d、63eを有し、発光するランプによって作業者等の安全についての報知を行う。このうち第一のランプ63a~第三のランプ63cは、図5に示すように投入開口部41の上方に位置する撮像部6に設けられている。一方、第四のランプ63dは、図1および図3に示すように投入開口部41の内部(ただし、投入開口部41の外部から視認可能な位置)に設けられている。第四のランプ63dは、作業エリアにいる作業者に対して視覚による報知を行うものである。そして、第五のランプ63eは、投入開口部41の周縁部(開口した空間を取り巻く部分)に設けられている。第五のランプ63eは、より好ましくは、投入開口部41の上縁41a、側縁41b、下縁41cからなる周縁部のうち側縁41bの下方(上下方向の中間部よりも下の部分)や下縁41cのみに設ければよい。一方、第四のランプ63dは投入開口部41の内部に設けられているため、図2に示すように投入開口部41を蓋42で覆った際には、第四のランプ63dは蓋42により塵芥収集車1の後方から視認できないようになっている。また、投入開口部41の周縁部に設けた第五のランプ63eも同様に投入開口部41の内部の周縁に設け、蓋42を閉鎖した際には第五のランプ63eが覆われるように構成してもよい。
この報知部63により、作業者が視覚的な情報をもとに報知に係る各種情報の認識をすることができる。例えば、報知部63では、作業者が作業エリアにおける安全エリア(積込装置5等への巻き込み事故が発生し難いエリア)で作業しているときには、第一のランプ63aが緑色に発光し、危険エリア(積込装置5等への巻き込み事故が発生する可能性の高いエリア)Ar1に接近したときには、第二のランプ63bが黄色に発光し、危険エリアAr1に進入したときには、第三のランプ63cが赤色に発光する。発光態様は、連続発光であってもよいし、点滅であってもよい。
第四のランプ63dは、少なくとも積込作業の実施時で正常時には青色に発光しており、積込装置5の作動中にもかかわらずカメラ61が撮像した画像Im1の最大範囲内で人物像Im2が検出できない場合に発光態様が変化し、赤色に発光する。また、第一のランプ63a~第三のランプ63cと同様、第四のランプ63d、第五のランプ63eについても、作業者が危険エリアAr1に接近したとき、危険エリアAr1に進入したときのそれぞれの場面で、所定の発光色で発光させることもできる。また、第四のランプ63dは蓋42により投入開口部41を覆うことができる。これにより走行中に第四のランプ63dを隠すことができるため、目立たせなくできる。
第四のランプ63dは、投入開口部41に正対して左右対称に一対設けることができる。第四のランプ63d、第五のランプ63eとしては、例えば列状に並んだ複数のLEDを用いることができる。また、第四のランプ63d、第五のランプ63eは複数の発光色で発光でき、点灯・点滅態様も、報知内容に合わせて変化させられる。これにより、複数種類の情報を報知できる。
なお、報知部63はランプ63a~63eに加え、または代えて、音(ブザー又は音声)により報知してもよい。つまり、報知部63は聴覚による報知を行う手段であってもよい。この場合は、報知部63により、作業者が聴覚的な情報をもとに報知に係る各種情報の認識をすることができる。またこの場合、発音に係る音色、音階、発音パターン(連続発音、断続発音)等を変化させることで、複数種類の情報を報知できる。また、聴覚的な情報は、発音そのものには意味のない音(ブザー音やチャイム等)であってもよいし、発音そのものに意味のある音声言語であってもよい。
ここで、特開2018-154463号公報には、投入部近傍の危険なエリアに人物がいた場合に積込装置を停止させるとともに、塵芥収集車の運転席に設けられたモニタに結果を表示することが記載されている。しかし、この構成では、結果を確認するために運転席まで行かないとならず、投入部近傍にいる作業者にとって不便であった。これに対して本実施形態によると、報知部63(具体的には第四のランプ63d、第五のランプ63e)による報知内容が、作業に伴い投入開口部41を向いた作業者の視界に自然に入ることになるため、作業者が危険な状態にある、または、あったことを確実に認識させられる点で、前記公報記載の技術よりも有利といえる。
また、本実施形態の報知部63は複数のランプ63a、63b、63c、63d、63eを有しているが、このように、報知部63が複数の発光手段を有する場合、これら複数の発光手段は、異なる点灯状態とできる複数のグループに分かれていてもよい。この構成によると、報知部63が複数種類の情報を作業者に報知させられる。
制御部7は、カメラ61が撮像した画像Im1に基づいて積込装置5を制御可能である。この制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、このCPUによって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶するROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、このCPUのいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路等を備えたマイクロコンピュータによって構成される。
このように構成される制御部7では、図6に示すように、当該制御部7がプログラムを実行することによって、機能的に、人特定手段71と、境界設定手段72と、越境判断手段73と、指示手段74と、試運転制御手段75と、が構成される。
人特定手段71は、図7及び図8にも示すように、カメラ61が撮像した画像(動画像)Im1の被撮像物から人物を人物像Im2として検出し、検出された人物像Im2を幾何学形状の枠Frで囲んで特定する。この人特定手段71は、枠Frで囲まれた人物像Im2が画像Im1内を移動すると、この人物像Im2の移動に伴って枠Frを移動させる。また、人物像Im2の姿勢の変化、作業エリアにおける位置等によって画像Im1に占める人物像Im2の領域(大きさ、形等)が変化するが、人特定手段71は、この変化に応じて枠Frの大きさを変化させる。なお、人物像Im2の変化に応じて枠Frの形状を変更してもよい。また、人特定手段71は、カメラ61からの画像Im1に複数の人物像Im2が含まれているときには、人物像Im2毎に枠Frで囲む。本実施形態の人特定手段71は、人物像Im2を四角の枠Frで囲む。なお、カメラ61が撮像した画像(動画像)Im1の被撮像物から人物像Im2を幾何学形状の枠Frで囲んで特定することは、カメラ61が撮像した画像(動画像)Im1の被撮像物のうち人物像Im2に幾何学形状を当てはめて、その幾何学形状の端縁を枠Frとすることや、人物像Im2と背景との境界(人物像の輪郭)に沿って不定形状に取り囲みその不定形状の端縁を枠Frとすることも含む。
境界設定手段72は、カメラ61からの画像Im1内での所定のライン(境界ライン)Lの設定を行う。例えば、境界設定手段72は、カメラ61からの画像Im1に対してラインLを付加する。また、境界設定手段72は、カメラ61からの画像Im1内でのラインLの位置(境界位置)及び線形状の少なくとも一方を設定可能である。この境界設定手段72は、機能的に、境界付加手段721と、境界位置設定手段722と、境界曲率設定手段723と、を有する。なお、境界設定手段72はカメラ61からの画像Im1に対して、モニタ上に映した状態でラインLを設定するものであってもよいし、データ上でラインLを設定するものであってもよい。
境界付加手段721は、カメラ61からの画像Im1(画像データ上)にラインLを付加する。このラインLは、作業エリアにおける塵芥投入箱4の投入開口部(積込装置5)近傍で、作業員等に危険の及ぶ可能性がある危険エリアAr1の境界又は該境界に沿った境界領域を示す線状のラインである。即ち、ラインLは、投入開口部41(積込装置5)の縁又はその近傍に設定され、積込装置5に起因する危険が作業者等に及ぶ可能性がある危険エリアAr1と他のエリア(危険エリアAr1以外のエリア)Ar2との境界又は境界領域を示す(図1参照)。
本実施形態の境界付加手段721は、カメラ61からの画像Im1(画像データ上)に、危険ライン(停止境界ライン)L1と警告ラインL2との二種類のラインを付加する。即ち、ラインLは、危険エリアAr1の境界を示す境界ラインである危険ラインL1と、警告ラインL2と、を含む。この危険ラインL1は、制御部7が積込装置5の作業実行を停止するよう制御するためのラインである。また、警告ラインL2は、作業者等が危険エリアAr1(危険ラインL1)に接近していることを報知部63が報知するよう制御するためのラインであり、投入開口部41からの距離が危険ラインL1より大きくなる位置に設定されたラインである。本実施形態の警告ラインL2は、画像Im1において危険ラインL1の上側(危険ラインL1の積込装置5よりも遠い側)に設定されている。
これら各ラインL1、L2は、図7及び図8に示す画像Im1における全領域にて、左右方向に延びる直線、または、左右方向に延びる曲線である。このため、本実施形態では、画像Im1における一部領域を限定してではなく、全領域(最大範囲)内で、制御部7が積込装置5の作業実行を停止するよう制御できる。
ここで、例えば特許文献1に記載の発明では、特定のエリアである人物検出用エリアに限って人物検出を行っていた。このため、人物検出用エリア外では人物が映っていたとしても検出はなされない。これに対して本実施形態では、画像Im1中の特定のエリア(領域)ではなく全領域で人物像Im2を検出する。よって、画像Im1に人物像Im2が映っていれば必ず検出がなされる。従って、画像Im1に人物像Im2が映っていなければならないのにかかわらず、報知部63による報知がなされていなければ、すなわち前記検出がなされていないということであるから、カメラ61に撮像上の不具合が生じている可能性があるということがわかる。また、カメラ61の画角内に人が侵入し、画像Im1に人物が映り込んでいる場合であれば人特定手段71が人物像Im2を検出する処理を実行しているが、人特定手段71が画像Im1内の物体を人物以外のものと認識している場合には人物像Im2は検出されず、報知もなされない。従って、画像Im1に人物像Im2が映り込んでいるのにかかわらず、報知部63による報知がなされていなければ、人特定手段71に人物像Im2の特定上の不具合が生じている可能性があるということがわかる。
本実施形態の各ラインL1、L2は、カメラ61が有するレンズ611の歪曲収差に基づいて設定された曲線である。具体的には、各ラインL1、L2は、地面等に引かれた車幅方向と平行な直線をカメラ61が撮像したときに、撮像された画像Im1における前記直線(即ち、レンズ611の歪曲収差によって湾曲した状態の前記直線)に即した形状の曲線である。カメラ61は塵芥収集車1の後部に設けられその後方を撮像しているため、車幅方向と平行な直線はレンズ611による歪みが発生しない場合には水平方向に延びる直線として画像Imに撮像される。しかしながらレンズ611は広角レンズを用いているため、本実施形態の危険ラインL1及び警告ラインL2では、画像Im1におけるレンズ611の光軸(詳しくは、レンズ611の光軸に相当する位置(以下、「光軸相当位置」とも称する。))からの距離に基づいてラインL1、L2の各部位の曲率が設定されている。仮に、危険ラインを撮像された画像Imに鉛直方向の線(車両前後方向と平行な直線)に基づいて危険ラインL1や警告ラインL2を設定する場合も光軸に相当する位置からの距離に基づいてラインL1、L2の各部位の曲率が設定される。
境界位置設定手段722は、カメラ61からの画像Im1内での各ラインL1、L2の位置を設定(変更)する。また、境界位置設定手段722は、各ラインL1、L2の形状を変えることなく、画像Im1に対する上下方向及び左右方向の少なくとも一方における相対位置を変更する。
詳しくは、操作部57がカメラ61からの画像Im1内でのラインL1、L2の位置(境界位置)を入力することができる境界位置入力部(境界位置入力手段)571を有し、境界位置設定手段722は、操作部57の境界位置入力部571からの入力に基づいて、画像Im1における各ラインL1、L2の位置(本実施形態の例では、上下方向の位置)を変更する。本実施形態の境界位置設定手段722は、画像Im1内での各ラインL1、L2の位置を上下方向(積込装置5の遠近方向)に変更できる。この境界位置設定手段722は、画像Im1内における各ラインL1、L2の位置を個別に変更する構成でもよく、両ラインL1、L2を一緒に(同時に)変更する構成でもよい。
境界曲率設定手段723は、カメラ61からの画像Im1内での各ラインL1、L2の曲率を設定(変更)する。また、境界曲率設定手段723は、各ラインL1、L2の任意の一点(例えば、各ラインL1、L2の延伸方向における中央の一点)の画像Im1に対する上下方向及び左右方向における相対位置を保持したまま、各ラインL1、L2の曲率を変更する。
詳しくは、境界位置設定手段722によって設定された(位置を変更された)各ラインL1、L2の画像Im1内における光軸相当位置からの距離(レンズ611の光軸からの距離に対応)に基づき、各ラインL1、L2の画像Im1内での曲率(詳しくは、各ラインL1、L2の各部位の曲率)を設定(変更)する。これにより、カメラ61からの画像Im1内におけるラインL1、L2の位置が境界位置設定手段722によって変更されたときに、この位置の変更に応じて(画像Im1における光軸相当位置からの距離の変化に応じて)ラインL1、L2の形状(各部位の曲率)が変化する。即ち、境界曲率設定手段723は、画像Im1内での位置が変更された各ラインL1、L2を、例えばレンズ611の歪曲収差に応じて変形させることができる。
なお、前記「光軸からの距離」とは、光軸中心を基準とした径方向距離である。レンズ611の歪曲収差により、光軸中心からの径方向距離が小さい(近い)被写体に比べ、径方向距離が大きい(遠い)被写体の方が画像上での湾曲が大きくなる。具体的には、図7に示すように、画像Im1上で、塵芥投入箱4の投入開口部(投入部)41が大きく湾曲して映る。
また、境界曲率設定手段723は、境界位置設定手段722による画像Im1内での各ラインL1、L2の位置の設定の有無にかかわらず、各ラインL1、L2の曲率を設定(変更)できる。具体的には、操作部57がカメラ61からの画像Im1内での各ラインL1、L2の曲率を入力することができる境界曲率入力部(境界曲率入力手段)572を有し、境界曲率設定手段723は、操作部57の境界曲率入力部572からの入力に基づいて、各ラインL1、L2の画像Im1内での曲率を設定(変更)する。
越境判断手段73は、カメラ61からの画像Im1において人物像Im2が各ラインL1、L2を危険エリアAr1側に越えたか否かを判断し、越えたと判断したときに指示信号を出力する。本実施形態の越境判断手段73は、人特定手段71が特定した枠Frの少なくとも一部が危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えたか否かと、人特定手段71が特定した枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側(危険ラインL1側)に越えたか否かのそれぞれを判断する。この越境判断手段73は、枠Frが越えたと判断したラインL1、L2によって、指示信号の出力先が異なる。
指示手段74は、越境判断手段73の判断に基づいて、積込装置5及び報知部(報知手段)63の少なくとも一方に指示する。この指示手段74は、機能的に、停止指示手段741と警告指示手段742とを有する。
また、停止指示手段741は、カメラ61からの画像Im1において枠Frの少なくとも一部が危険ラインL1を危険エリアAr1側(積込装置5側)に越えたと越境判断手段73が判断したときに、積込装置5に該積込装置5の動作(作業実行)を停止するように指示する。即ち、停止指示手段741は、越境判断手段73からの指示信号を受信したときに、積込装置5の動作を停止させる(緊急停止)。このとき、停止指示手段741は、報知部63の報知態様を変化させる。具体的には、第三のランプ63cが発光するように報知部63にも指示する。報知部63がランプを有する場合の報知態様の変化は、ランプの消灯から点灯への変化、点灯から消灯への変化、点滅への変化、点灯に係る色彩(発光色)の変化が例示できる(下記第二のランプ63bについても同様である)。またこの際、停止指示手段741は、投入開口部41に設けられた第四のランプ63dの発光態様を変化させる(例えばLEDの発光色を変化させる)ように指示してもよい。
警告指示手段742は、カメラ61からの画像Im1において枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側(積込装置5側)に越えたと越境判断手段73が判断したときに、報知部63に警告を発するように指示する。即ち、警告指示手段742は、越境判断手段73からの指示信号を受信したときに、報知部63に報知させる。本実施形態の警告指示手段742は、枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えたときに、報知部63の報知態様を変化させる。具体的には、第二のランプ63bが発光するように報知部63に指示する。またこの際、停止指示手段741は、投入開口部41に設けられた第四のランプ63dの発光態様を変化させるように指示してもよい。
なお、警告指示手段742は、試運転制御手段75が機能(作動)している間、即ち、制御部7の試運転が行われている間は、枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えると、報知部63には指示を出力する。また、停止指示手段741は、制御部7の試運転が行われている間は、枠Frの少なくとも一部が危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えても、積込装置5に指示を出さない。
また、警告指示手段742は、積込装置5の作動中にもかかわらず画像Im1の最大範囲内で人物像Im2に対応する枠Frが検出できない場合には報知部63(具体的には第四のランプ63d)に報知を行わせる。積込装置5の作動中は、投入部に塵芥を投入するため、作業者が積込装置5の近傍にいる。このため、作業者が画像Im1に人物像Im2として映り込むはずである(図7、図8参照)。ところが、画像Im1の最大範囲内で人物像Im2に対応する枠Frが検出できない場合は、カメラ61のレンズが曇ったり汚れたりして、人特定手段71が人物像Im2の特定をできない程度の、撮像上の不具合が生じていることが考えられる。このため警告指示手段742は、報知部63に報知を行わせることにより、カメラ61に撮像上の不具合が生じている可能性があることを作業者に認識させられる。
また、撮像上の不具合が生じていない正常な場合であったとしても、被写体側に何らかの問題がある等により、人特定手段71が人物像Im2の特定をできない特定上の不具合が生じていることも想定される。この場合であっても、警告指示手段742は、報知部63に報知を行わせることにより、制御部7に特定状の不具合が生じている可能性があることを作業者に認識させられる。
操作部57は、警告解除手段574を備える。警告解除手段574は、作業者が操作できるボタンやスイッチ等である。制御部7(詳しくは警告指示手段742)は、報知部63の作動中に警告解除手段574が操作された場合に、報知部63を停止させる。この構成によれば、作業者が危険な状態にあったことを認識した後、不要になった報知を、警告解除手段574により速やかに停止できる。この警告解除手段574は、特に、報知部63が作業者に対して聴覚による報知(ブザー等)を行うものの場合、不要な報知の継続は作業者にとって不快であることから有効である。なお、報知部63が作業者に対して視覚による報知を行うものの場合であっても、警告解除手段574で報知部63を停止させることができる。
試運転制御手段75は、制御部7の試運転を実行する。詳しくは、操作部57が制御部7を試運転状態(設定モード)に切り替える試運転スイッチ(試運転入力手段)573を有し、試運転制御手段75は、操作部57の試運転スイッチ573からの入力に基づいて、制御部7の試運転を実行する。この試運転制御手段75は、機能的に、停止維持手段751と、報知指示手段752と、を有する。
停止維持手段751は、積込装置5を停止維持させる。具体的に、停止維持手段751は、操作部57の試運転スイッチ573からの入力によって制御部7の試運転が実行されている間、積込装置5の停止状態を維持する。即ち、停止維持手段751は、制御部7の試運転が実行されている間は、作業者が操作部57を操作して積込装置5を作動させようとしても積込装置5を作動させない。つまり、試運転制御手段75は、試運転実行中の操作部57からの動作入力を無視する。
報知指示手段752は、停止維持手段751が積込装置5を停止維持させた状態で(即ち、制御部7の試運転が実行されている間)枠Frが各ラインL1、L2を危険エリアAr1側に越えたと越境判断手段73が判断したときに、報知部63に報知を指示する。具体的に、報知指示手段752は、カメラ61からの画像Im1において枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えたときに、報知部63において対応するランプ63bを発光させるように指示し、さらに、画像Im1において枠Frの少なくとも一部が危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えたときは、報知部63において対応するランプ63cを発光させるように指示する。
以上のように構成される塵芥収集車1では、作業者等が投入開口部41から塵芥投入箱4内(積込装置5)への塵芥の投入作業を行っているときに、作業者や作業中の塵芥収集車1の近くにいる人(作業員等)が、危険エリアAr1に接近又は入ったことを的確に捉え、報知や積込装置5の停止(緊急停止)によって、巻き込み事故等の積込装置5に起因する事故を防ぐことができる。具体的には、以下の通りである(図9参照)。
操作部57が操作されることで積込装置5が作動し、投入開口部41からの塵芥の投入作業が開始されると、撮像部6のカメラ61による撮像が開始され(ステップS1)、撮像された画像(動画像データ)Im1が制御部7に出力される。
制御部7がカメラ61からの画像Im1を受信すると、境界付加手段721が該画像(画像データ)Im1にラインL(危険ラインL1及び警告ラインL2)を付加する(ステップS2)。
また、人特定手段71がカメラ61からの画像Im1において人物像Im2を枠Frで囲むことにより特定する(ステップS3)。特定が成功すれば(ステップS4:Yes)、人特定手段71は、特定した人物像Im2の動き(作業エリアでの作業者等の移動、姿勢の変化等)に追従して枠Frの位置や形大きさ、縦横の寸法等を変化させる。
続いて、越境判断手段73が、危険ラインL1と警告ラインL2とが付加された画像Im1において、枠Frの少なくとも一部がいずれかのラインL1、L2を危険エリアAr1側に越えたか否かの判断を行う。なお、画像Im1中に複数の枠Frが設定されている(即ち、複数の人物像Im2が在る)場合には、越境判断手段73は、ラインL1、L2を危険エリアAr1側に越えたか否かの判断を複数の人物像Im2の枠Fr毎に行う。
詳しくは、越境判断手段73は、カメラ61からの画像Im1において、枠Frが危険エリアAr1に接近して枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側(図7及び図8における下側)に越えたと判断したときは(ステップS5:Yes)、警告指示手段742に指示信号を出力する。この指示信号を受信した警告指示手段742は、報知部63に報知をさせる(ステップS6)。本実施形態の警告指示手段742は、報知部63に第二のランプ63bを発光させ、作業員等に警告ラインL2を越えたことを報知する。このとき、積込装置5は作動し続けている。
また、カメラ61からの画像Im1において、枠Frが警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えていない間は(ステップS5:No)、越境判断手段73は、枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えるか否かの判断(監視)を続ける。
また、報知部63の報知によって作業員等が危険エリアAr1から離れる、即ち、カメラ61からの画像Im1において警告ラインL2を越えたと判断された枠Frが越境状態(枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えた状態)を解消したと越境判断手段73が判断すると(ステップS7:Yes)、該越境判断手段73は、警告指示手段742への指示信号の出力を停止する。これにより、警告指示手段742は、報知部63に報知を停止させ(ステップS10)、越境判断手段73は、枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えるか否かの判断(監視)を再開する。
一方、報知部63による報知があったにもかかわらず、作業員等が危険エリアAr1から離れずにさらに接近し、即ち、カメラ61からの画像Im1において、枠Frが危険エリアAr1から離れずに(ステップS7:No)さらに接近し、越境判断手段73が枠Frの少なくとも一部が危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えたと判断したときは(ステップS8:Yes)、該越境判断手段73は、停止指示手段741に指示信号を出力するとともに警告指示手段742に指示信号を出力(第三のランプ63cを発光)する。この指示信号を受信した停止指示手段741は、積込装置5の動作を停止させる(即ち、緊急停止させる:ステップS9)。これにより、作業員等が危険エリアAr1に接近し過ぎ又は危険エリアAr1に進入したことによる巻き込み等の積込装置5に起因する事故が防がれる。なお、緊急停止した積込装置5は、作業員等が危険エリアAr1から離れた状態で、操作部57のリセットボタンが押されることで、再始動可能となる。停止指示手段741が積込装置5の動作を停止(緊急停止)させた(ステップS9)後に、報知部63の報知態様を変化させることもできる。
また、カメラ61からの画像Im1において、枠Frが警告ラインL2を危険エリアAr1側に越え且つ危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えていない状態(ステップS8:No)、即ち、枠Frにおける最も危険エリアAr1側に位置する部位が警告ラインL2と危険ラインL1との間に位置している状態では、越境判断手段73は、枠Frが警告ラインL2を越えた状態(越境状態)が解消されたか否か、及び、危険ラインL1を危険エリアAr1側に越えたか否かの判断(監視)を続ける。
また、人特定手段71がカメラ61からの画像Im1において人物像Im2の特定が成功しなかった場合(ステップS4:No)、警告指示手段742に指示信号を出力する。この指示信号を受信した警告指示手段742は、報知部63に報知をさせる(ステップS11)。本実施形態の警告指示手段742は、報知部63に第四のランプ63dを発光させ、作業員等に報知する。この報知は、カメラ61に撮像上の不具合もしくは制御部7における特定上の不具合が生じている可能性があることを意味している。このため、前記不具合を作業員等に認識させられる。なおこのとき、積込装置5は作動し続けている。
また、本実施形態の塵芥収集車1では、画像Im1内での危険ラインL1及び警告ラインL2の位置及び曲率の設定(変更)が可能である。この設定(変更)の際に、操作部57の試運転スイッチ573が押下される、即ち、制御部7が試運転状態(設定モード)になることで、積込装置5を作動させずに、作業員等が投入開口部41又は投入開口部41内の積込装置5に対してどの位置まで接近したときに報知部63が警告ラインL2を越えた旨の報知を行い、及び積込装置5の緊急停止が行われるかを、作業員等が実際に投入開口部41又は積込装置5に接近して試すことができる。具体的には、以下の通りである。
操作部57の試運転スイッチ573が押下されると、制御部7の試運転が実行され(設定モードに切り替わり)、撮像部6のカメラ61による撮像が開始される。このとき、積込装置5は作動しないが、制御部7において、境界設定手段72、越境判断手段73、及び試運転制御手段75が、機能(作動)している。このように、制御部7の試運転が実行されている間は、試運転制御手段75(詳しくは、停止維持手段751)が機能しているため、操作部57に配置された積込装置5のON・OFFボタンが操作されて積込装置5がON(運転状態)になっても、停止維持手段751によって積込装置5の停止状態が維持される、即ち、積込装置5が作動しない。なお、積込装置5が作動中であれば停止することで停止状態に移行し維持させる。
続いて、操作部57の境界位置入力部571からの入力によって、画像Im1内での各ラインL1、L2の位置が設定(変更)され、又は、操作部57の境界曲率入力部572によって、画像Im1内での各ラインL1、L2の曲率が設定(変更)される。なお、本実施形態の塵芥収集車1では、制御部7の試運転を実行することなく、境界位置入力部571又は境界曲率入力部572からの入力によって、各ラインL1、L2の画像Im1内での位置及び曲率の変更が可能である。
ここで、境界位置入力部571からの入力によって画像Im1内での各ラインL1、L2の位置が移動すると、境界曲率入力部572からの入力がなくても、境界曲率設定手段723が画像Im1における光軸相当位置からの距離(即ち、レンズ611の歪曲収差)に応じて、各ラインL1、L2の曲率を自動的に設定(調整)する。ここで、光軸相当位置を画像Im1の中心と合致している場合において、該中心より下方に配置された水平方向に延びるラインLを例に説明する。このラインLを上方(光軸に接近する側)に移動させると曲率を小さくし(曲率半径を大きくし)、逆に下方(光軸から遠ざかる側)に移動させると曲率を大きくする(曲率半径を小さくする)。なお、曲率は1本のラインLにおいてひとつの曲率(真円に近似)としてもよく、複数の曲率の曲線の組み合わせであってもよい。複数の曲線の組み合わせの場合は、そのすべてもしくは1の曲線に対し曲率を設定(調整)する。また、境界曲率入力部572の指示により境界曲率設定手段723が位置変更前のラインLの曲率を設定している場合は、その設定済みの曲線に対しさらに曲率を設定(調整)する。
このように位置、曲率が設定(変更)された状態で、作業者等が、例えば、投入開口部41への塵芥の投入作業の再現等を行って投入開口部41へ接近する。このとき、カメラ61からの画像Im1において枠Frの少なくとも一部が新たに設定された警告ライン(画像Im1中の位置や曲率が設定(変更)された警告ライン)L2を越えると、試運転制御手段75の報知指示手段752が、報知部63に、対応するランプ63bを発光させるように指示する。また、カメラ61からの画像Im1において枠Frの少なくとも一部が新たに設定された危険ライン(画像Im1中の位置や曲率が設定(変更)された危険ライン)L1を越えると、試運転制御手段75の報知指示手段752が、報知部63に、対応するランプ63cを発光させるように指示する。
このようにして、本実施形態の塵芥収集車1では、積込装置5が停止した状態(巻き込み事故等の積込装置5に起因する事故が発生しない状態)で、画像Im1中の各ラインL1、L2の位置及び曲率の設定を行うことが可能である。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態の指示手段74は、機能的に、停止指示手段741と警告指示手段742とを有するものであった。しかし、停止指示手段741、警告指示手段742の一方のみを有するものであってもよい。また、前記実施形態の指示手段74は、停止指示手段741と警告指示手段742とを有する不可分のひとつの手段であった。しかし、停止指示手段741と警告指示手段742が独立した別個の手段であってもよい。
また、画像Im1内に更に、危険エリアを設定しないエリアである無視エリアを画定することもできる。無視エリアを画定する端部ラインは直線状で、画像Im1内で少なくとも左右いずれかの端部に設定される。ライン(境界ライン)Lは端部ラインに交わるように設定される。端部ラインは、例えば、図7等に示す画像Im1の左右いずれかの辺に平行な直線とできる。このようにして無視エリアを画定することにより、無視エリアに位置する操作部57を操作する作業者の人物像に対して危険判断はされない。このため、作業者が操作部57を操作するたびに警告がされることを防止できる。
また、前記実施形態では、停止維持手段751の停止維持は積込装置5に対して直接的になされていたが、指示手段74を介してなされることもできる。停止維持は、例えば、操作部57への電源供給を遮断して操作部57そのものを無力化してもよい。また、操作部57の信号を受けても無視するように構成してもよい。また、作業装置の可動部分(塵芥収集車1ではスライダ52や押込板53)と、固定部分(塵芥収集車1では塵芥投入箱4)との間に、ストッパを嵌めることにより、機械的に作動不能としてもよい。
また、前記実施形態では、報知指示手段752の報知指示は、報知部63に対して直接的になされていたが、指示手段74を介してなされることもできる。
また、前記実施形態では、図9のステップS6~S10のように、報知部63の報知は、越境判断手段73が、カメラ61からの画像Im1において、枠Frが危険エリアAr1に接近して枠Frの少なくとも一部が警告ラインL2を危険エリアAr1側に越えたと判断したときから、その状態が解消するまでの間になされる。このため、作業者が例えば塵芥集積場と投入開口部41との間を往復すると、その都度、報知がオン、オフする場合があるため、報知部63がランプである場合は明滅し、ブザーである場合は断続音が出る。このような報知態様を好まない事業者に対しては、前記ステップS6で報知部63の報知を開始した後は、前記ステップS7、S10を行わず、例えばタイマーにより一定時間報知を継続させたり、積込装置5が停止するまで報知を継続させたりすることもできる。
また、試運転時において報知指示手段752が報知を指示する対象は報知部63に限られず、報知部63とは別に塵芥収集車1に設けられた手段であってもよい。例えば運転台に設けられたディスプレイに対し、報知指示手段752が報知を指示してもよい。
また、報知部63における第一のランプ63a~第三のランプ63cは、図5に示すように投入開口部41の上方に位置する撮像部6に設けられていたが、第四のランプ63d、第五のランプ63eと同じく投入開口部41に設けることもできる。さらに、報知部63として第四のランプ63dまたは第五のランプ63eのみを設け、前記第一のランプ63a~第三のランプ63cの機能を第四のランプ63d、第五のランプ63eが発揮するものとしてもよい。
また、前記実施形態の報知部63は5個のランプ63a~63eを有するものとしたがランプの個数はこれに限られない。例えば、3個のランプ63a~63cを有するものとし、3個のランプ63a~63cのうち少なくとも1個につき発光態様(点滅状態、発光色等)を変えて発光させたり、3個のランプ63a~63cのうち2個以上を同時に発光させたりすることで、前記実施形態の第四のランプ63d(第五のランプ63e)が担っていた報知を行わせることもできる。また、既設のランプを報知部63を構成する一部または全部のランプとして転用したり、兼用したりすることもできる。
また、前記実施形態の第四のランプ63dは、ランプ63dそのものの発光態様により報知するものとしたが、例えばスポットライトのように投入開口部41内の底面に光線を照射して、当該底面や投入開口部41に投入した塵芥の反射により報知するようにしてもよい。
また、視覚による報知は、ランプによる発光によるものに限定されず、例えば小型ディスプレイを使用した画像による報知であってもよい。