JP7724707B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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Description

本発明は吸収性物品に関する。
吸収性物品の装着状態において、着用者の動作に起因して吸収性物品に加わる力を吸収・分散させる技術が知られている。
例えば特許文献1には、吸収性物品における吸収体の側縁よりも横方向の外側に括れ部を設けるとともに、吸収体自体にも括れ部を設けることで、着用者の動作に起因して吸収性物品に生じるねじれの力を吸収して、吸収性物品を着用者の身体の動きに追従させる技術が記載されている。
特許文献2には、吸収性コアの排泄部対向領域に、合成繊維を含む繊維塊を配し、吸収性コアに高い変形-回復特性を付与することで、着用者の体圧によって圧縮された吸収性コアの回復性を高める技術が記載されている。
国際公開第2019/26176号 特開2020-96779号公報
特許文献1に記載の技術は、着用者の動作に起因して吸収性物品に生じるねじれの力に起因する吸収性物品の変形を抑制するものではあるものの、着用者が立ち歩き動作をしている場合に、吸収性物品を着用者の身体へ密着させづらく、また、装着状態の違和感、例えば動作のしづらさが生じやすい。また同文献に記載の技術では、着用者の体圧による吸収性物品の圧縮変形を抑制することはできない。
特許文献2に記載の技術によれば、着用者の体圧によって圧縮された吸収性コアの回復性が高まり、また吸収性物品がねじれた場合にも元の状態に回復しやすい。しかし、例えば着用者が長時間の立ち歩き動作をしている場面における吸収性物品の身体への密着性の向上や、装着状態での動作のしやすさについては更なる向上が望まれている。
したがって本発明の課題は、着用者の身体への密着性に優れるとともに、違和感なく着用者の動作に追従し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、体液を吸収保持可能な吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品である。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記吸収体の外縁から外方に延出し、前記吸収性物品の輪郭を形成するフラップ部を備え、該フラップ部は、該吸収体の前記横方向の最外方端を通って前記縦方向に延びる一対の仮想直線よりも前記横方向の外方に位置する一対のサイドフラップ部を備えている。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記サイドフラップ部の外縁は、前記縦方向の前方に位置する前方括れ部と、該縦方向の後方に位置する後方括れ部とを有している。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記吸収性物品は、前記前方括れ部の後端よりも前記縦方向の前方に位置する前方領域と、前記後方括れ部の前端よりも該縦方向の後方に位置する後方領域と、該前方括れ部と該後方括れ部とによって画定される中間領域と、を備えている。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記中間領域は、着用時に着用者の排泄部と対向する排泄部対向領域を含んでいる。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記中間領域は、圧縮回復材を含む圧縮回復領域を有している。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記後方括れ部と前記吸収性物品の縦方向後端との間に位置し且つ該後方括れ部よりも該横方向の外方に張り出した後方凸部とを有している。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記フラップ部における前記後方凸部よりも前記縦方向の後方に位置する部分は、該フラップ部の縦方向後端に向かって前記横方向の長さが漸減する先細り形状をなしている。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
本発明によれば、着用者の身体への密着性に優れるとともに、違和感なく着用者の動作に追従し得る吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側の模式的な平面図である。 図2は、図1のI-I線に沿う断面(生理用ナプキンの厚み方向且つ横方向に沿う断面)の模式的な断面図である。 図3は、図1に示す生理用ナプキンの非肌対向面側の模式的な平面図である。 図4は、図1に示す生理用ナプキンの要部拡大図である。 図5は、図1に示す生理用ナプキンの要部拡大図である。 図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、ねじれトルク値の測定方法の説明図である。 図7は、本発明の別の実施形態を示す生理用ナプキンの肌対向面側の模式的な平面図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
図1~図3には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、着用者の前後方向に対応し、着用者の前側(腹側)から股間部を介して後側(背側)に延びる縦方向Xと、縦方向Xに直交する横方向Yとを有している。
本発明において「縦方向前方」とは、基準となる位置よりも縦方向において前側(着用者の腹側)の位置を指し、「縦方向後方」とは、基準となる位置よりも縦方向において後側(着用者の背側)に位置を指す。
本実施形態ではナプキン1は、図1及び図3に示すように、縦方向Xに長い形状をなしており、その長手方向は縦方向Xに一致している。
また、本実施形態ではナプキン1は、横中心線CLyを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。横中心線CLyは、図1及び図3に示す如き展開状態のナプキン1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線である。
ナプキン1は、体液(経血、尿、便、汗等)を吸収保持可能な吸収体4を備える。これに加えて、ナプキン1は、着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、防漏性の裏面シート3とを更に備えることが好ましい。この場合、吸収体4は、図2に示すように、表面シート2と裏面シート3との間に配される。ナプキン1では、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆している。両シート2,3としては、それぞれ、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。表面シート2としては、液透過性を有する各種のシートを用いることができ、例えば、不織布、織布、紙が挙げられる。裏面シート3としては、防漏性を有するシート、具体的には液不透過性(液を全く通さない性質)又は液難透過性(液不透過性とまでは言えないものの、液を通しにくい性質)を有するシートを用いることができ、例えば、透湿性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと不織布との積層体が挙げられる。
本実施形態では、図1に示すように、ナプキン1の肌対向面(表面シート2の肌対向面)における縦方向Xに沿う両側部に一対のサイドシート5,5が配されている。一対のサイドシート5,5は、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う両側部に重なるように縦方向Xの略全長にわたって配されている。サイドシート5は、図2に示すように、サイドシート5の縦方向Xに沿う両側部のうち、横方向Yの外方側に位置する外側縁を含む外側部が、他の部材(図示の形態では裏面シート3)に固定されて固定縁部とされ、横方向Yの内方側に位置する内側縁を含む内側部が、他の部材に固定されていない自由縁部とされている。そしてナプキン1の着用時には、サイドシート5の前記自由縁部が着用者の肌側に向かって起立し、これにより経血等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止される。サイドシート5としては、裏面シート3と同様の防漏性を有するシートを用いることができる。
本発明において「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側を指す。また「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側に向けられる面を指す。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
ナプキン1においては、後述するサイドフラップ部6Sの外縁(図1参照)が、前方括れ部61と、後方括れ部62とを有する。前方括れ部61は、ナプキン1における縦方向Xの前方に位置する。後方括れ部62は、ナプキン1における縦方向Xの後方に位置する。
また、ナプキン1は、前方領域Fと、後方領域Rと、中間領域Cとを有する。前方領域Fは、前方括れ部61の後端よりも縦方向Xの前方に位置する。後方領域Rは、後方括れ部62の前端よりも縦方向Xの後方に位置する。中間領域Cは、前方括れ部61の後端と後方括れ部62の前端とによって画定される領域である。中間領域Cは、後述する排泄部対向領域Mを含む領域である。本明細書において、「前方括れ部の後端」とは、中間領域Cに位置するサイドフラップ部6Sの外縁が描く、ナプキン1の外方に向けた凸形の曲線と、前方括れ部61における、ナプキン1の内方に向けた凸形の曲線との変曲点である。「後方括れ部の前端」とは、中間領域Cに位置するサイドフラップ部6Sの外縁が描く、ナプキン1の外方に向けた凸形の曲線と、後方括れ部62における、ナプキン1の内方に向けた凸型の湾曲形状の曲線との変曲点である。
排泄部対向領域Mは、中間領域Cの縦方向Xの中央域及び横方向Yの中央域を含んでいる。排泄部対向領域Mは、中間領域Cと同一の領域であるか、又は中間領域Cの一部の領域である。
なお、本明細書において、前方括れ部61の縦方向後端及び後方括れ部62の縦方向前端で区画される範囲を、「前方括れ部61の後端と後方括れ部62の前端とによって画定」とも言う。前方括れ部61及び後方括れ部62については後述する。
本発明において「排泄部対向領域」は、吸収性物品の吸収体配置領域(吸収体と平面視で重なる領域)における、排泄部に対向配置される排泄部対向部を含む領域を指す。前記「排泄部」は、吸収性物品の着用者の体液(経血、尿、便、汗等)が排泄される部位を指し、典型的には、膣口、ペニス又は肛門であり、吸収性物品の用途等によって異なる。前記「排泄部対向部」とは、吸収性物品における、着用時に前記排泄部と平面視で重なる領域を指す。前記排泄部対向領域は、例えば、吸収性物品の吸収体配置領域における、前記排泄部対向部と縦方向において同位置にある領域の全部(前記排泄部対向部を横方向に投影した場合の投影像と重なる領域)であり得る。吸収性物品がナプキン1のような女性用吸収性物品の場合、その排泄部対向領域は、典型的には、着用時に膣口のみに対向配置され、肛門には対向配置されないが、膣口に加えて更に肛門に対向配置されるようになされていてもよい。本実施形態では、排泄部対向領域Mは吸収体4の配置領域であり、且つナプキン1の着用時に着用者である女性の膣口(排泄部)に対向配置され、肛門には対向配置されない。
吸収体4は、吸収性コア40を少なくとも含む。本実施形態では吸収性コア40は、平面視において縦方向Xに長い形状をなしており、その長手方向はナプキン1の縦方向Xと一致している。
吸収性コア40は、吸収体4の主体をなすもので、吸水性材料を含むことで体液を吸収保持可能になされている。前記吸水性材料としては、例えば、吸水性繊維及び吸水性ポリマーが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記吸水性繊維としては、例えば、木材パルプ等の天然繊維、親水性合成繊維等の親水性繊維を用いることができる。前記吸水性ポリマーとしては、この種の吸収体で従来使用されているものを特に制限なく用いることができ、例えば、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物が挙げられる。
吸収性コア40は、積繊タイプでもよく、シートタイプでもよい。前記積繊タイプの吸収性コアは、典型的には、吸水性繊維等の繊維材料の集合体を主体とし、該集合体に必要に応じ吸水性ポリマー粒子を担持させた構成を有する。前記積繊タイプの吸収性コアは、回転ドラムを備えた公知の積繊装置を用いて常法に従って製造することができる。一方、前記シートタイプの吸収性コアは、典型的には、繊維シートの内部又は表面に吸水性ポリマー粒子が固定された構成を有し、吸収性シートなどとも呼ばれる。前記繊維シートとしては、例えば、紙、不織布等を用いることができる。前記シートタイプの吸収性コアは、前記積繊タイプの吸収性コアに比べて厚みが薄く柔軟である。前記シートタイプの吸収性コアは、例えば、相対向する2枚の繊維シートの間に吸水性ポリマー粒子が介在配置された構成を有するものであり得る。
本実施形態では吸収体4は、図2に示すように、吸収性コア40に加えて更に、吸収性コア40の外面(肌対向面及び非肌対向面)を被覆する液透過性のコアラップシート41を含む。コアラップシート41は、吸収性コア40の保形性向上、吸水性ポリマー粒子等の吸収性コア40の形成材料の脱落防止等を目的として使用されるもので、典型的には、紙、透水性の不織布等から構成される。コアラップシート41は、1枚のシートのみから構成されてもよく、複数枚のシートを含んで構成されていてもよい。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の接着剤により接合されていてもよい。
本実施形態では吸収体4は、図2に示すように、中間領域Cは圧縮回復材を含む圧縮回復領域Lを備えており、好ましくは、中間領域Cのうち、少なくとも排泄部対向領域Mに、圧縮回復材を含む圧縮回復領域Lを有している。圧縮回復領域Lは、非吸水性繊維を含む繊維塊11である圧縮回復材を主体とする繊維塊層42を備える。ここでいう「繊維塊を主体とする」とは、繊維塊層42を構成する全繊維のうち繊維塊11が90質量%以上であることを意味し、好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。繊維塊層42は、吸収性コア40とともにコアラップシート41で覆われている。また本実施形態では、繊維塊層42は排泄部対向領域Mの全域に配されている。したがって本実施形態では、圧縮回復領域Lは排泄部対向領域Mと同じ領域である。繊維塊層42は、排泄部対向領域Mの一方の側縁から他方の側縁までの全域に延在している。尤も、繊維塊層42を排泄部対向領域Mの一部の領域にのみ配することも可能である。この場合には、圧縮回復領域Lは、排泄部対向領域Mの一部をなしている。
吸収体4における繊維塊層42の非配置領域は、吸収性コア40は備えるが繊維塊層42は備えていない。したがって繊維塊層42の配置領域、すなわち排泄部対向領域Mは、繊維塊層42の非配置領域に比べて厚みが大きく嵩高である。斯かる繊維塊層42の有無に起因する吸収体4の厚み差に起因して、繊維塊層42の配置領域である排泄部対向領域Mは、繊維塊層42の非配置領域である前方領域F及び後方領域Rに比べて肌対向面側が隆起しており、いわゆる中高部を形成している。つまり、吸収体の厚み4は、排泄部対向領域Mの横方向Yの中央域に比べて、前方領域F及び後方領域Rの方が薄くなっている。これによって、ナプキン1の装着感が良好になるとともに、ナプキン1が着用者の身体に密着しやすくなり、液漏れが効果的に防止される。
繊維塊11は、複数の非吸水性繊維が塊状に集積されて一体化された繊維集合体であり、その形態を保持した状態で吸収体4(繊維塊層42)中に存在する。繊維塊11は、その繊維集合体の形態に起因して、主として、吸収体4の柔軟性、クッション性、圧縮回復性、保形性の向上に寄与する。
繊維塊11を構成する非吸水性繊維としては、吸収性コア40において吸水性材料として用いられるセルロース系繊維等の吸水性繊維に比べて親水度の低い繊維(疎水性繊維)が好ましく、具体例として、熱可塑性樹脂を主体とする合成繊維が挙げられる。繊維塊11が非吸水性繊維を含んで構成されることで、繊維塊11が体液と接触した場合でも、繊維塊11の柔軟性等の特性が十分に発現し得るようになる。
繊維塊11の形状は特に制限されず、不定形状でもよいが、例えば、合成繊維シートを一定の寸法となるように切断して得られたシート片のような、定形のものを用いることもできる。このような定形の繊維塊としては、例えば、特開2019-063469号公報、特開2019-098157号公報、特開2020-188918号公報に記載の繊維塊、具体的には、2つの対向する基本面と、該2つの基本面を連結する骨格面とを備えた繊維塊を好適に用いることができる。
繊維塊層42は、好ましくは繊維塊11が吸収体4の横方向Yの全長にわたって存在する領域である。繊維塊層42は、繊維塊11のみを含んで構成されていてもよいが、繊維塊11に加えて更に吸水性材料を含んでいてもよい。吸水性材料を含む繊維塊層42は、体液の吸収保持が可能となり、吸収体4の吸収性能が向上し得る。繊維塊層42に用いる吸水性材料としては、吸収性コア40に使用可能なものを特に制限なく用いることができる。
本実施形態では繊維塊層42は、図2に示すように、繊維塊11を含む。繊維塊層42においては、繊維塊11どうしが交絡しており、前述した「2つの基本面と骨格面」を備える繊維塊11どうしでは、基本面及び骨格面同士で交絡して三次元的な交絡状態を形成している。繊維塊層42がこのように構成されていることで、繊維塊層42の保形性が向上し、繊維塊層42を備える吸収体4は、着用時に様々な方向から受ける外力に対して追従性よく適切に変形し得るものとなり、更には柔軟性、クッション性、圧縮回復性に優れたものとなる。繊維塊層42と吸収性コア40との境界面では、繊維塊11と吸水性繊維12とが交絡していることが、上述した効果を一層高める観点から好ましい。そして、このような吸収体4を備えるナプキン1は、外力に対して容易に変形・回復し、ヨレにくく、着用者の身体に対するフィット性に優れたものとなる。前記「交絡」とは、(i)交絡する物体どうし(繊維塊どうし又は繊維塊と吸水性繊維)が互いに融着しておらず、繊維塊の構成繊維どうしの絡み合いによってその結合状態が維持されている形態と、(ii)吸収性物品(吸収体)の自然状態(外力が加わっていない状態)では、繊維塊どうし又は繊維塊と吸水性繊維とは結合していないが、吸収性物品(吸収体)に外力が加わった状態で、繊維塊どうし又は繊維塊と吸水性繊維とが、構成繊維どうしの絡み合いによって結合し得る形態との双方を包含する。
本実施形態では、図2に示すように、圧縮回復領域Lにおける吸収体4の肌対向面側は、吸水性繊維12及び吸水性ポリマー粒子13を主体とする吸収性コア40からなり、繊維塊11を実質的に含有していないのに対し、吸収体4の非肌対向面側は、繊維塊11を主体とする繊維塊層42からなる。
より具体的には、本実施形態では、吸収体4における圧縮回復領域Lでは、繊維塊と吸水性繊維の合計含有質量に対する繊維塊の含有質量の比率(以下、「繊維塊含有比率」とも言う。)は、非肌対向面側に比べて肌対向面側の方が低い。つまり本実施形態では、圧縮回復領域Lにおいて、吸収体4の肌対向面側は、吸水性繊維12が偏在し、繊維塊11の含有量はゼロであり得るのに対し、吸収体4の非肌対向面側は、繊維塊11が偏在し、吸水性繊維12の含有量はゼロであり得る。このように、吸収体4における圧縮回復領域Lでは、繊維塊含有比率について前記の大小関係「吸収体4の肌対向面側<吸収体4の非肌対向面側」が成立することで、吸収体4の肌対向面側に偏在する吸水性繊維12の作用により、吸収体4の体液の引き込み力(毛管力)が向上して吸液性が向上するとともに、吸収体4の非肌対向面側に偏在する繊維塊11の作用により、吸収体4のクッション性等が向上し得る。
吸収体4の圧縮回復領域Lの肌対向面側の繊維塊含有比率は、吸収体4の非肌対向面側のそれに比べて低いことを前提として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、繊維塊11を全く含まなくても良い。吸収体4の圧縮回復領域Lの非肌対向面側の繊維塊含有比率は、吸収体4の肌対向面側のそれに比べて高いことを前提として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であっても良い。なお、ここで言う「吸収体の肌対向面側」とは、吸収体4を厚み方向に二等分した場合の肌対向面を含む側(着用者の肌から相対的に近い側)を指し、「吸収体の非肌対向面側」とは、その反対側(着用者の肌から相対的に遠い側)を指す。
ナプキン1は、図1及び図3に示すように、吸収体4の外縁(周縁)から外方に延出し、ナプキン1の輪郭を形成するフラップ部6を備える。フラップ部6は吸収体4の非配置領域である。
本実施形態では、フラップ部6は、吸収体4の外縁を内外に跨ぐように配置された部材によって構成され、図示の形態では、表面シート2、裏面シート3及びサイドシート5のうちの1種又は2種以上から構成されている。フラップ部6を構成する複数の部材どうしは、接着剤、熱又は超音波による融着等の接合手段によって互いに接合されている。本実施形態では、フラップ部6の外縁部(フラップ部6の外縁及びその近傍)が全周にわたって融着されたエンドシール部60が形成されている。
フラップ部6は、吸収体4の横方向Yの最外方端を通って縦方向Xに延びる一対の仮想直線VL,VLを基準として、該基準よりも横方向Yの外方に位置する一対のサイドフラップ部6S,6Sと、該基準よりも横方向Yの内方で且つ前方領域Fに位置する前方フラップ部6Fと、該基準よりも横方向Yの内方で且つ後方領域Rに位置する後方フラップ部6Rとからなる。前記の「吸収体の横方向の最外方端」は、吸収体4の横方向Yの一方側及び他方側それぞれにおいて最も横方向Yの外方に位置する部分であり、本実施形態では、吸収体4の縦方向に沿う一対の側縁4S,4Sである。
なお、ナプキン1においては、図1及び図3に示すように、サイドフラップ部6Sの外縁の一部(後述する曲線部63)が、横方向Yの外方に凸の曲線部を有し周辺部よりも横方向Yの外方に延出しているが、サイドフラップ部6Sは、ウイング部のように、ナプキン1を着衣に止着する際に手指を用いた人為的な操作によって着衣の非肌対向面側に折り返されるものではなく、ウイング部とは明確に区別される。
ナプキン1では、サイドフラップ部6Sの外縁(縦方向Xに沿う側縁)と吸収体4との横方向Yの間隔G1(図1参照)は、縦方向Xにおいて一定ではなく、典型的には、最大で35mm程度である。これに対し、ウイング部を備えた吸収性物品においては、ウイング部の手指を用いた人為的な折り曲げ操作を容易にする観点から、ウイング部の横方向の長さ、すなわちウイング部の先端(横方向の最外方端)と吸収体との間隔は通常、前記間隔G1の典型的な最大値35mmを大幅に超える。
ナプキン1の主たる特徴の1つはその外形形状にあり、特に、ナプキン1の縦方向Xに沿う輪郭を形成する、サイドフラップ部6Sの外形形状にある。すなわち、サイドフラップ部6Sの外縁、より具体的にはサイドフラップ部6Sの縦方向Xに沿う側縁は、図1及び図3に示すように、前方領域Fに位置する前方括れ部61と、後方領域Rに位置する後方括れ部62とを有し、且つ両括れ部61,62に挟まれた部分は、横方向Yの外方に凸の曲線部63を有する。
詳細には、図1及び図3に示すように、サイドフラップ部6S、前方フラップ部6F及び後方フラップ部6Rから構成されるフラップ部6の外縁が、前方括れ部61よりも縦方向Xの前方に位置して前方括れ部61に連接され、吸収体4から離れる方向に突出する前方凸部64と、後方括れ部62よりも縦方向Xの後方に位置して後方括れ部62に連接され、吸収体4から離れる方向に突出する後方凸部65とを有している。
ナプキン1は、上述のとおり、前方括れ部61と後方括れ部62とによって画定される中間領域Cと、中間領域Cよりも前方領域F側に位置する前方領域Fと、中間領域Cよりも後方領域R側に位置する後方領域Rと、に区分される。排泄部対向領域Mは、中間領域Cに含まれる領域である。排泄部対向領域Mは、上述のとおり、中間領域Cの縦方向Xの中央域及び横方向Yの中央域を含む領域となっている。上述の曲線部63において、中間領域Cにおける横方向Yの最外方に位置する場所(すなわち、両曲線部63,63間の横方向Yの間隔がもっとも長い場所)は、曲線部63の縦方向Xの長さを二等分する部分よりも縦方向Xの前方に位置する。
ナプキン1を平面視したときに、前方括れ部61の最も横方向Yの内側の位置は、後方括れ部62の最も横方向Yの内側の位置と横方向Yの位置が同じであるか、又は後方括れ部62の最も横方向Yの内側の位置よりも横方向Yの内方に位置する。前方括れ部61と後方括れ部62との横方向Yにおける位置関係がこのようになっていることは、歩行動作などの体の動きに対してサイドフラップ部6Sがしなやかに変形しやすくなり、装着状態での違和感を解消できる点から有利である。
本実施形態では、両括れ部61,62及び曲線部63は、横中心線CLyを基準として横方向Yの両側に一対配されている。曲線部63は、排泄部対向領域Mの縦方向Xの全長にわたって延在しており、横方向Yの外方に向けて凸状の曲線を描いている。サイドフラップ部6Sの外縁における両括れ部61,62に挟まれた部分には変曲点は存在していない。両括れ部61,62ともに、横方向Yの内方に向けて凸状の曲線を描いている。本発明では、両括れ部61,62のいずれか一方又は両方は、横方向Yの内方に向けて屈曲し、直線で構成されていてもよい。
排泄部対向領域Mに位置する曲線部63が横方向Yの外方に凸の曲線を描いていることとは対照的に、図1及び図3に示すように、排泄部対向領域Mに位置する吸収体4は、その縦方向Xに沿う側縁が、縦方向Xに平行な直線であり、一定の幅をもって縦方向Xに沿って延びている。このことは、着用状態の動きに起因して発生するサイドフラップ部6Sのヨレを抑制して横モレを防ぐことができる点、また圧縮回復材の特性が優位に発揮できる点、更に吸収体4を成形加工する点から有利である。
ナプキン1における両括れ部61,62に挟まれた領域は、排泄部対向領域Mを含み、ナプキン1のフィット性、着用感が特に重視される領域であるので、斯かる領域に柔軟性等に優れる繊維塊層42が配されることで、その重視される特性を一層向上させることが可能となる。液漏れのない安心な装着感や着用時に動きやすい装着感に関する作用効果を十分に奏させる観点から、繊維塊層42は、排泄部対向領域Mを含む中間領域C全体に存在してもよい。あるいは、中間領域Cの全体に加えて、前方領域F及び後方領域Rの少なくとも一方に繊維塊層42が存在してもよい。尤も、中間領域Cのみに繊維塊層42が存在することが良好なフィット性の観点から好ましい。フィット性を一層向上させる観点から、特に、排泄部対向領域Mにのみ繊維塊層42が存在することが好ましい。
ナプキン1は、図1及び3に示すように、前方領域Fにおいて、縦方向前端1Fに向かってナプキン1の横方向の長さが漸減する先細り形状を有している。前方領域Fでは、前端1Fにおけるナプキン1の幅が最小となっている。
またナプキン1は、後方領域Rにおいて、縦方向後端1Rに向かってナプキン1の横方向の長さが漸減する先細り形状を有している。後方領域Rでは、後端1Rにおけるナプキン1の幅が最小となっている。
ナプキン1の後方領域Rと同様に、吸収体4は、図3に示すように、後方括れ部62よりも縦方向Xの後方に、吸収体4の縦方向後端4Rに向かって吸収体4の横方向Yの長さ(幅)が漸減する後方先細り部45を有している。
また、ナプキン1の前方領域Fと同様に、吸収体4は図3に示すように、前方括れ部61よりも縦方向Xの前方に、吸収体4の縦方向前端4Fに向かって吸収体4の横方向Yの長さ(幅)が漸減する前方先細り部46を有している。
図3に示すように、ナプキン1の非肌対向面には、ナプキン1を着用者の着衣に止着する止着部7が配されている。止着部7としては、この種の吸収性物品をショーツ等の着衣に固定する手段として従来使用されているものを特に制限なく用いることができ、例えば、粘着剤、感圧性接着剤等を用いることができる。
本実施形態のナプキン1は、サイドフラップ部6Sが特徴的な外形形状(すなわち前方括れ部61及び後方括れ部62)を有していることから、ナプキン1の着用中におけるヨレ等の着用違和感の原因となるような変形が効果的に防止される。また、着用者の動作への追従性が高まる。ナプキン1の典型的な止着対象であるショーツは一般に、股下部から前後に向かって横方向の長さ(幅)が広くなるよう設計されており、特に、クロッチ部と前身頃との境界付近から後身頃にかけてレッグホールの曲率が大きくなる設計となっているところ、ナプキン1をクロッチ部の適正位置に止着することで、サイドフラップ部6Sの外縁の両括れ部61,62がこのショーツのレッグホールに沿って配され、ショーツの前身頃及び後身頃での着用者動作によるサイドフラップ部6Sのヨレを緩衝し得る。
特に、図1及び図3に示すように、サイドフラップ部6Sの外縁と吸収体4との横方向Yの間隔が、前方領域Fでは前方括れ部61で最短となっており、後方領域Rでは後方括れ部62で最短となっていると、着用時に歩行動作などの動きによってナプキン1に外力が加わる場合、その外力を緩和できる位置に両括れ部61,62が配置されていることで、ナプキン1がしなやかに変形して着用者の動作に追随することが可能となり、違和感が少なく動きやすい装着感が提供される点で好ましい。
その上、本実施形態のナプキン1は、その後方領域Rが先細り形状になっていることから、ナプキン1が着用者の臀部寄りの位置にフィットしやすい。そのことに起因して、着用者の動作、特に立ち歩き動作への追従性が一層良好になる。この利点は、ナプキン1の後方領域Rだけでなく、吸収体4が後方先細り部45を有していることで一層顕著なものとなる。特に図4に示すように、吸収体4の縦方向Xの後端4Rと、該後端4Rから横方向Yの両外方に延びる後方先細り部45の一対の輪郭線それぞれの縦方向前端とを結ぶ、2本の仮想直線L1,L1のなす角度αを、好ましくは120°未満、より好ましくは100°以下、一層好ましくは70°以上90°以下に設定すると、後方先細り部45が着用者の動作に更に一層追従しやすくなる。
また、後方領域Rにおいて、後方凸部65と縦方向後端1Rとの間に位置するフラップ部6の外縁は、該外縁の外側に曲率中心を有し且つナプキン1の内方に向けて凸形の湾曲形状であることが、着用者の歩行動作時や着座時の動作時に着用者の臀部の膨らみ形状に起因する外力が後方領域Rに加わり難くなり、上述した効果が一層得られやすくなるので好ましい。
更に本実施形態のナプキン1は、その前方領域Fも横方向Yの長さが中間領域側から縦方向Xの外方に向けて漸次短くなる先細り形状になっている先細り部を有していることから、ナプキン1が着用者の腹側寄りの位置にフィットしやすい。そのことに起因しても、着用者の動作、特に立ち歩き動作への追従性が更に一層良好になる。この利点は、ナプキン1の前方領域Fだけでなく、吸収体4が前方先細り部46を有していることで一層顕著なものとなる。特に図5に示すように、吸収体4の縦方向Xの前端4Fと、吸収体4の該前端4Fから横方向Yの両外方に延びる前方先細り部46の一対の輪郭線それぞれの縦方向後端とを結ぶ、2本の仮想直線L2,L2のなす角度βを、好ましくは120°未満、より好ましくは100°以下、一層好ましくは70°以上90°以下に設定すると、ナプキン1が着用者の動作、特に立ち歩き動作へ更に一層追従しやすくなる。
特に、前方領域Fにおける先細り部は、フラップ部6の外縁の内側に曲率中心を有し且つナプキン1の外方に向けて凸形の湾曲形状であることが、着用者腹側部の、比較的平坦な形状に沿って前方領域Fがフィットして、着用違和感を感じにくくなるので好ましい。
以上のとおり、本実施形態のナプキン1によれば、ナプキン1の着用中における適正位置からの位置ズレが防止され、ナプキン1の排泄部対向領域Mが着用者の身体に追従性良く密着し、排泄物の漏れが防止され得る。
特に本実施形態では、前述したとおり図2に示すように、吸収体4が圧縮回復領域Lに、柔軟性、クッション性等に優れる繊維塊11を主体とする繊維塊層42を備えていることから、仮に、ナプキン1の着用中にサイドフラップ部6Sにヨレが発生しても、そのサイドフラップ部6Sのヨレは繊維塊層42の配置領域には伝播しにくい。そのため本実施形態によれば、両括れ部61,62によるサイドフラップ部6Sのヨレ防止効果と繊維塊層42による吸収体4のヨレ防止効果とが相俟って、ナプキン1の着用時の違和感を伴うような変形が一層確実に防止され、延いては防漏性が一層向上し得る。
特に、圧縮回復領域Lにおいて、繊維塊11と吸水性繊維12の合計含有質量に対する繊維塊11の含有質量の比率が、吸収体4の非肌対向面側に比べて吸収体4の肌対向面側の方が低くなっていることで、ナプキン1の着用時の違和感を伴うような変形が更に一層確実に防止され、延いては防漏性が更に一層向上し得る。
前述した前方括れ部61及び後方括れ部62による、ナプキン1の着用者への追従性を一層確実に奏させるようにする観点から、前方括れ部61及び後方括れ部62の寸法は以下のように設定することが好ましい。
前方括れ部61は、ナプキン1の排泄部対向領域Mの縦方向前端よりも縦方向前方に、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上であり、また好ましくは30mm以内、より好ましくは20mm以内の位置に配されていることが好ましい。
後方括れ部62は、ナプキン1の排泄部対向領域Mの縦方向後端よりも縦方向後方に、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上であり、また好ましくは50mm以内、より好ましくは40mm以内の位置に配されていることが好ましい。
また、図1及び図3に示すように、サイドフラップ部6Sの外縁における後方凸部65から後方括れ部62にわたる部分を、サイドフラップ部6Sの外縁における前方凸部64から前方括れ部61にわたる部分に比べて、曲率半径を小さくすることが好ましい。すなわち、前方凸部64から前方括れ部61にわたる部分は、サイドフラップ部6Sの外縁のナプキン1の内側への曲がり具合が比較的緩やかであるのに対し、後方凸部65から後方括れ部62にわたる部分は、斯かる曲がり具合が比較的急であることが好ましい。サイドフラップ部6Sの外縁がこのように構成されていることにより、着用中におけるナプキン1のヨレやズレが一層確実に防止され得る。特に、後方凸部65から後方括れ部62にわたる部分の曲率半径が比較的小さいことで、例えば、ナプキン1の着用者が長時間座位の姿勢をとるなどした結果、後方領域Rにヨレが発生しても、その後方領域Rのヨレが前方領域Fに伝搬しにくい。また、前方凸部64から前方括れ部61にわたる部分の曲率半径が比較的大きいことで、前方領域Fが、着用者の膣口などの前記排泄部よりも腹側の部分にフィットしやすくなり、ヨレやシワが発生しにくくなる。
フラップ部6の外縁における前方凸部64から前方括れ部61にわたる部分の曲率半径R1と、フラップ部6の外縁における後方凸部65から後方括れ部62にわたる部分の曲率半径R2は、R1<R2の関係にある。
図1及び図3に示すように、中間領域C(排泄部対向領域M)のうち、最大幅部が存する位置でのサイドフラップ部6Sの外縁は、後方領域Rのうち、最大幅部が存する位置でのサイドフラップ部6Sの外縁よりも横方向Yの外方に位置していることが好ましい。こうすることで、排泄部対向領域Mにおいて経血の横漏れが発生することやショーツが汚れることを防ぐことが可能であり、同時に、装着中にナプキン1の後方部が肌に触れる違和感や、体の動きに伴いナプキンと肌が擦れる不快感を解消できるという有利な効果が奏される。
更に図1に示すように、ナプキン1の後方領域Rにおけるフラップ部6の外縁に着目したとき、該外は、後方凸部65から縦方向後端1Rまでの間において、横方向Yの内方に凸に向けて凸の曲線を描く第1部位66と、第1部位66に連設し且つ横方向Yの外方に凸に向けて凸の曲線を描く第2部位67とを、この順に有していることが好ましい。こうすることで、臀部に密着してフィットし、装着中にナプキン1の後方部が肌に触れる違和感や、体の動きに伴いナプキンと肌が擦れる不快感を解消できるという有利な効果が奏される。
ナプキン1が着用者の動作に追従しやすく要因について本発明者が鋭意検討した結果、下記方法によって測定される「ねじれトルク値」を低減することが有効との知見を得た。そして、本実施形態のナプキン1が備えている上述の構成、すなわち前方括れ部61及び後方括れ部62並びにナプキン1の後方領域Rにおける先細形状は、ねじれトルク値の低減に極めて有効であることが判明した。
ねじれトルク値の一層の低減のためには、ナプキン1の後方領域Rだけでなく、吸収体4が後方先細り部45を有していることが有効である。更に、ナプキン1の前方領域Fが先細形状を有していることや、それに加えて吸収体4が前方先細り部46を有していることも、ねじれトルク値の更に一層の低減のために有効である。
<ねじれトルク値の測定方法>
測定対象の吸収性物品をそのまま測定サンプルとして用いる。図6(a)-図6(c)に、測定サンプルとして生理用ナプキン1を用いた場合の測定方法を示す。ナプキン1の基本構成は前述のナプキン1と同じである。図6(a)に示すように、ナプキン1の縦方向X(長手方向)の両端を張力制御式トルク試験機(株式会社イマダ製)が備える上下クランプ101,102に挟んで、ナプキン1を上下クランプ101,102の間に固定する。次いで、図6(b)及び図6(c)に示すように、ナプキン1の縦方向Xを回転軸として、正方向及び反対方向(正回転と逆回転)に上クランプ101を60°往復回転させ、ナプキン1にかかるねじれモーメント値(60°ねじれトルク値)を測定する。具体的には、往復回転を10往復行い、正方向及び反対方向それぞれのねじれモーメント値の最大点を10点得る。そして、正方向及び反対方向それぞれについて、前記10点の最大値の平均値を求め、両平均値の絶対値の和を当該測定対象のねじれトルク値(単位:Ncm)とする。斯かる測定を、5枚の測定サンプルについて行い、その5回の測定の平均を算出する。なお、回転時に測定サンプルにかかる張力を3~6Nの範囲にして測定する。測定時、クランプ間の長さは、テンションがかかっていない状態下で175mmとする。使用するトルク試験機は、JIS K 7244-2の図2に記載されているものに準ずる。
本実施形態では、各部位の圧縮回復性に差を設けている。詳細には、排泄部対向領域Mの圧縮回復率を、前方領域F及び後方領域Rの圧縮回復率よりも高くしている。圧縮回復性が高い排泄部対向領域Mは、クッション性に優れ、外力に対して応答性よく変形し、外力が解除されると速やかに元の状態に戻ることができる。斯かる構成により、排泄部対向領域Mの着用者の身体に対するフィット性が向上し、前述したナプキン1の外形的特徴と相俟って、ナプキン1全体のフィット性、身体への追従性が向上し、防漏性及び着用感の一層の向上が期待できる。この場合、排泄部対向領域Mの圧縮回復率が、前方領域F及び後方領域Rの圧縮回復率のいずれよりも高ければよく、前方領域Fと後方領域Rとでの圧縮回復率が同じであることは要しない。
前述した観点から、排泄部対向領域Mの圧縮回復率は、前方領域F及び後方領域Rの圧縮回復率よりも高いことを前提として、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下である。この関係が成立することにより、着用者の排泄部及びその周辺に密着するナプキン1の排泄部対向領域Mにおいては、外力からの保形性やクッション性に優れることになり、繊維塊11が着用者の肌近くに偏在する構成となるため、ナプキン1全体のフィット性、身体への追従性が向上し、防漏性及び着用感の良さが際立つようになる。
前記「圧縮回復性」は、圧縮仕事量(以下、「WC」とも言う。)及び回復仕事量(以下、「WC’」とも言う。)を指標として評価することができる。
WCは、測定対象のクッション性の指標となるもので、WCの数値が大きいほど、測定対象はクッション性に優れ、したがって圧縮回復性に優れると評価される。つまり、ナプキン1全体のフィット性及び身体への追従性の一層向上、並びに、防漏性及び着用感の一層の向上が期待できる。
WC’は、測定対象に外力を作用させてこれを圧縮した後、該外力を排除したときの測定対象の回復性(圧縮回復性)の指標となるもので、WC’の数値が大きいほど、測定対象は圧縮回復性に優れると評価される。WC,WC’はそれぞれ下記方法により測定される。
<圧縮仕事量(WC)及び回復仕事量(WC’)の測定方法>
測定対象のWC及びWC’は、カトーテック株式会社製のKES(カワバタ・エバリュエーション・システム)での測定値で表し得ることが一般的に知られている(参考文献:風合い評価の標準化と解析(第2版)、著者 川端季雄、昭和55年7月10日発行)。具体的には、カトーテック株式会社製の圧縮試験装置KES-G5を用いてWC、WC’を測定することができる。測定手順は以下のとおりである。
先ず、試料を圧縮試験装置の試験台に取り付ける。試料は、例えば、ナプキン1の如き吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)である。試料は乾燥状態とし、且つナプキン1をそのまま、又は寸法を縦120mm、横70mmの平面視四角形形状に調整する。乾燥状態の試料が吸収体又はこれを含む吸収性物品である場合、吸収体は未使用のものであって液を吸収しておらず、乾燥状態である。次に、試料を面積2cmの円形平面を持つ鋼板間で圧縮する。このとき圧縮する部分は、試料の非凹陥部、すなわち圧搾加工などが施されておらず試料本来の姿が残っている部分とする。圧縮速度は0.2cm/sec、圧縮最大荷重は2450mN/cmとする。回復過程も同一速度で測定を行う。WCは下記式(1)、WC’は下記式(2)で表され、それぞれ単位は「mN・cm/cm」である。下記式中、Tは、2450mN/cm(4.9kPa)荷重時の厚み、Tは、4.902mN/cm(49Pa)荷重時の厚みを示す。また、下記式(1)中のPa及び下記式(2)中のPbは、それぞれ、圧縮過程時の測定荷重(mN/cm)、厚み回復過程時の測定荷重(mN/cm)を示す。
なお、WC’は、前記KES-G5の測定結果画面には表示されず、該測定結果画面に表示されるのは、WCと、WC’から算出される圧縮回復率ないし圧縮レジリエンス(以下、「RC」ともいう。)である。このような場合には、測定装置に表示されるパラメータ(WC,RC)を用い、次式によりWC’を算出する。
前述したサイドフラップ部6Sによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、排泄部対向領域Mに、サイドフラップ部6Sの外縁(縦方向Xに沿う側縁)と吸収体4との横方向Yの間隔G1(図1参照)が最大となる部分が存在すること好ましい。また、その最大間隔G1maxは、好ましくは10mm以上、より好ましくは40mm以上、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。最大間隔G1maxを有する部分は、典型的には、サイドフラップ部6Sにおける両括れ部61,62に挟まれた曲線部63を有する部分であり、該部分が排泄部対向領域Mに位置し且つ吸収体4との最大間隔G1maxが前記範囲にあることで、ナプキン1の装着時にショーツのクロッチ部の側縁から延出した曲線部63及びその近傍が着用者の大腿部に沿うように変形しやすくなるため、着用中におけるシワやヨレ等の意図しないナプキン1の変形が一層効果的に防止され得る。
前述したサイドフラップ部6Sによる作用効果を一層確実に奏させるようにする観点から、ナプキン1の各部の寸法は以下のように設定することが好ましい。
前方括れ部61は、ナプキン1の縦方向前端1Fから縦方向Xの後方に、好ましくは20mm以上、より好ましくは40mm以上、そして、好ましくは90mm以内、より好ましくは70mm以内の位置に配されていることが好ましい。
後方括れ部62は、ナプキン1の縦方向後端1Rから縦方向Xの前方に、好ましくは40mm以上、より好ましくは60mm以上、そして、好ましくは120mm以内、より好ましくは90mm以内の位置に配されていることが好ましい。
前方括れ部61と後方括れ部62との縦方向Xの間隔G2(図1参照)は、好ましくは90mm以上、より好ましくは100mm以上、そして、好ましくは150mm以下、より好ましくは130mm以下である。
ナプキン1の横方向Yの最大長さ(最大幅)は、好ましくは90mm以上、より好ましくは100mm以上、そして、好ましくは170mm以下、より好ましくは120mm以下である。ナプキン1の最大幅を有する部分は、典型的には、排泄部対向領域Mに存在し、図示の形態では、サイドフラップ部6Sの曲線部63における凸の頂部が存在する部分である。
ナプキン1の縦方向Xの全長は、好ましくは140mm以上、より好ましくは200mm以上、そして、好ましくは450mm以下、より好ましくは350mm以下である。
吸収体4の横方向Yの長さ(幅)は、吸収体4における前方括れ部61と縦方向Xにおいて同位置にある部分の方が、吸収体4における後方括れ部62と縦方向Xにおいて同位置にある部分に比べて短いことが好ましい。図1中、符号W1は前者の幅、符号W2は後者の幅を示しており、幅W1<幅W2の大小関係が成立することが好ましい。
また、前記大小関係の成立に加えて更に、サイドフラップ部6Sの外縁と吸収体4との横方向Yの間隔G1は、前方括れ部61が位置する部分と後方括れ部62が位置する部分とで同じであることが好ましい。ここで言う「間隔G1が同じ」とは、前方括れ部61が位置する部分での間隔G1と後方括れ部62が位置する部分での間隔G1との差の絶対値が3mm以内であることを意味する。
ナプキン1の典型的な止着対象であるショーツは一般に、股下部から前身頃にかけてのレッグホールの曲率が、股下部から後身頃にかけてのそれに比べて大きいため、例えば、着用者が座位の姿勢をとった場合、着用者の大腿部による圧力は、ショーツの後身頃側に比べて前身頃側の方が大きくなりやすい。そのため、ショーツに止着されたナプキン1においては、特に前方領域Fに着用者の身体の動きによる外力がかかりやすく、後方領域Rにヨレやシワなどの意図しない変形が発生しやすい傾向がある。これに対し前記のように、吸収体4の幅に関してW1<W2の大小関係が成立し、且つ間隔G1が両括れ部61,62の位置する部分どうしで同じであることにより、前方括れ部61から後方括れ部62にわたる領域(排泄部対向領域M)を中心に、サイドフラップ部6S及び吸収体4の双方にヨレやシワなどの意図しない変形が一層発生しにくくなる。
吸収体4の幅W1と幅W2との比率は、W1<W2である。
吸収体4における前方括れ部61と縦方向Xにおいて同位置にある部分の幅W1(図1参照)は、幅W2に比べて短いことを前提として、好ましくは30mm以上、より好ましくは40mm以上、そして、好ましくは80mm以下、より好ましくは65mm以下である。
吸収体4における後方括れ部62と縦方向Xにおいて同位置にある部分の幅W2(図1参照)は、幅W1に比べて長いことを前提として、好ましくは50mm以上、より好ましくは60mm以上、そして、好ましくは90mm以下、より好ましくは70mm以下である。
前方括れ部61又は後方括れ部62と吸収体4との横方向Yの間隔G1は、好ましくは10mm以上、より好ましくは40mm以上、そして、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である。
図3に示すように、止着部7は吸収体4と平面視で重なる領域(吸収体配置領域)において、横方向Yに延びるように、且つ縦方向Xに距離を置いて複数条配されている。ナプキン1のショーツ等の着衣に対する固定力を確保しつつ、ナプキン1の着用者の身体に対する追従性を良好なものとして良好な着用感を得る観点から、前方領域Fの少なくとも一部における止着部7の横方向Yの長さ(幅)は、排泄部対向領域Mの止着部7の横方向Yの長さ(幅)に比べて短いことが好ましい。同様の観点から、後方領域Rの少なくとも一部における止着部7の横方向Yの長さ(幅)は、排泄部対向領域Mの止着部7の横方向Yの長さ(幅)に比べて短いことが好ましい。本実施形態では、前方領域Fの一部(後述する前方先細り部46)及び後方領域Rの一部(後述する後方先細り部45)の双方の止着部7の幅W3,W5は、排泄部対向領域Mの止着部7の幅W4に比べて短い。
図3に示すように、後方先細り部45と平面視で重なる領域に配された止着部7は、前方括れ部61と後方括れ部62とに挟まれた領域に配された止着部7に比べて、横方向Yの長さ(幅)が短い。図中、符号W3は前者の幅、符号W4は後者の幅を示しており、本実施形態では幅W3<幅W4の大小関係が成立している。特に、ナプキン1の着用者が座位の姿勢を長時間とっている場合は、ナプキン1の後方領域Rに体圧がかかりやすく、後方領域Rにヨレなどの意図しない変形が生じやすいが、後方領域Rに関連して止着部7の幅について前記の幅W3<幅W4の大小関係が成立することにより、着用中における後方領域Rのヨレやズレが一層確実に防止され得る。
本実施形態では、後方先細り部45と平面視で重なる領域に複数の止着部7が縦方向Xに間欠配置されているところ、これら複数の止着部の幅W3は互いに同じである。また、前方括れ部61と後方括れ部とに挟まれた領域に複数の止着部7が縦方向Xに間欠配置されているところ、これら複数の止着部の幅W4は互いに同じである。また、前方先細り部46と平面視で重なる領域に複数の止着部7が縦方向Xに間欠配置されているところ、これら複数の止着部の幅W5は互いに同じである。
なお、後方先細り部45と平面視で重なる領域に配された複数の止着部7の幅W3が互いに異なる場合、それら複数の幅W3のうちの最大値を、該領域に配された止着部7の幅W3とする。また、前方括れ部61と後方括れ部62とに挟まれた領域に配された複数の止着部7の幅W4が互いに異なる場合、それら複数の幅W4のうちの最大値を、該領域に配された止着部7の幅W4とする。また、前方先細り部46と平面視で重なる領域に配された複数の止着部7の幅W5が互いに異なる場合、それら複数の幅W5のうちの最大値を、該領域に配された止着部7の幅W5とする。
止着部7の幅W3と幅W4との比率は、W3<W4を前提として、W3/W4として、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.5以下である。
止着部7の幅W5と幅W4との比率は、W5<W4を前提として、W5/W4として、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.7以下である。
前方括れ部61と後方括れ部62とに挟まれた領域に配された止着部7の幅W4(図3参照)は、吸収体4の幅(横方向Yの長さ)以下であることを前提として、好ましくは50mm以上、より好ましくは55mm以上、そして、好ましくは90mm以下、より好ましくは70mm以下である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば図7に示すとおり、本発明の吸収性物品は、一対のウイング部を有する形態の生理用ナプキンであってもよい。
本発明の吸収性物品は、人体から排出される体液(経血、尿、軟便、汗等)の吸収に用いられる物品を包含し、前述の生理用ナプキンに限定されない。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
体液を吸収保持可能な吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
前記吸収体の外縁から外方に延出し、前記吸収性物品の輪郭を形成するフラップ部を備え、該フラップ部は、該吸収体の前記横方向の最外方端を通って前記縦方向に延びる一対の仮想直線よりも前記横方向の外方に位置する一対のサイドフラップ部を備え、
前記サイドフラップ部の外縁は、前記縦方向の前方に位置する前方括れ部と、該縦方向の後方に位置する後方括れ部とを有し、
前記吸収性物品は、前記前方括れ部の後端よりも前記縦方向の前方に位置する前方領域と、前記後方括れ部の前端よりも該縦方向の後方に位置する後方領域と、該前方括れ部と該後方括れ部とによって画定される中間領域と、を備えており、
前記中間領域は、着用時に着用者の排泄部と対向する排泄部対向領域を含んでおり、
前記中間領域は、圧縮回復材を含む圧縮回復領域を有しており、
前記後方括れ部と前記吸収性物品の縦方向後端との間に位置し且つ該後方括れ部よりも該横方向の外方に張り出した後方凸部とを有し、
前記フラップ部における前記後方凸部よりも前記縦方向の後方に位置する部分は、該フラップ部の縦方向後端に向かって前記横方向の長さが漸減する先細り形状をなしている、吸収性物品。
<2>
前記サイドフラップ部の外縁と前記吸収体との前記横方向の間隔は、前記前方領域では前記前方括れ部で最短であり、前記後方領域では前記後方括れ部で最短である、<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記吸収体は、前記後方領域に、該吸収体の縦方向後端に向かって該吸収体の前記横方向の長さが漸減する後方先細り部を有し、
前記吸収体の前記縦方向の後端と、該吸収体の該縦方向の後端から前記横方向の両外方に延びる前記後方先細り部の一対の輪郭線それぞれの縦方向前端とを結ぶ、2本の仮想直線のなす角度が120°未満である、<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記前方括れ部が前記排泄部対向領域の前記縦方向の前端よりも5mm以上該縦方向の前方に位置し、
前記後方括れ部が前記排泄部対向領域の前記縦方向の後端よりも5mm以上縦方向後方に位置する、<1>から<3>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<5>
前記排泄部対向領域は、その圧縮回復率が、前記前方領域及び前記後方領域の圧縮回復率よりも高い、<1>から<4>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<6>
前記吸収体の厚みは、前記排泄部対向領域の前記横方向の中央域に比べて前記前方領域及び前記後方領域の方が薄い、<1>から<5>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収体は、非吸水性繊維を含む繊維塊、吸水性繊維、及び吸水性ポリマーを含み、該繊維塊は前記圧縮回復材であり、
前記繊維塊及び前記吸水性繊維の合計含有質量に対する該繊維塊の含有質量の比率は、前記前方領域及び前記後方領域に比べて前記排泄部対向領域の方が高い、<1>から<6>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<8>
前記圧縮回復領域においては、前記繊維塊及び前記吸水性繊維の合計含有質量に対する前記繊維塊の含有質量の比率は、前記吸収体の非肌対向面側に比べて該吸収体の肌対向面側の方が低い、<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記排泄部対向領域の圧縮回復率が40%以上である、<1>から<8>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<10>
前記排泄部対向領域に位置する前記吸収体の前記縦方向に沿う側縁は、前記縦方向に平行な直線である、<1>から<9>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収性物品の非肌対向面における前記吸収体と平面視で重なる領域に、該吸収性物品を着用者の着衣に止着する止着部が配されており、
前記止着部は、前記横方向に延びるように、且つ前記縦方向に距離を置いて複数条配されており、
前記前方領域及び前記後方領域の双方の少なくとも一部における前記止着部の前記横方向の長さは、前記排泄部対向領域の前記止着部の該横方向の長さに比べて短い、<1>から<10>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<12>
前記サイドフラップ部の外縁における前記前方括れ部と前記後方括れ部とに挟まれた部分には変曲点が存在しない、<1>から<11>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<13>
前記サイドフラップ部の外縁における前記後方凸部から前記後方括れ部にわたる部分の曲率半径は、該サイドフラップ部の外縁における前記前方凸部から前記前方括れ部にわたる部分の曲率半径に比べて小さい、<1>から<12>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<14>
前記繊維塊層は、前記中間領域のみに存在する、<1>から<13>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<15>
前記後方凸部と前記縦方向後端との間に位置する前記フラップ部の外縁は、該外縁の外側に曲率中心を有し且つ前記吸収性物品の内方に向けて凸形の湾曲形状である、<1>から<14>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<16>
前記前方領域は、前記横方向の長さが前記中間領域側から前記吸収性物品の前記縦方向の外方に向けて漸次短くなる先細り形状をなす前方先細り部を有する、<1>から<15>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<17>
前記前方領域における前記先細り部は、前記フラップ部の外縁の内側に曲率中心を有し且つ前記吸収性物品の外方に向けて凸形の湾曲形状である、<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収体の前記縦方向の前端と、該吸収体の該縦方向の前端から前記横方向の両外方に延びる前記前方先細り部の一対の輪郭線それぞれの縦方向後端とを結ぶ、2本の仮想直線のなす角度が、120°未満、好ましくは100°以下、より好ましくは70°以上90°以下である、<16>又は<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記中間領域のうち、最大幅部が存する位置での前記サイドフラップ部の外縁は、前記後方領域のうち、最大幅部が存する位置での該サイドフラップ部の外縁よりも前記横方向の外方に位置している、<1>から<18>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示すナプキン1と基本構成が同様の生理用ナプキンを作製した。実施例1の生理用ナプキンの主な構成部材の詳細は以下のとおりである。
・表面シート:エアスルー不織布(坪量28g/m)を用いた。
・裏面シート:ポリエチレン樹脂フィルム(坪量37g/m)を用いた。
・サイドシート:スパンボンド不織布(坪量20g/m)を用いた。
・吸収性コア:吸水性繊維(針葉樹晒クラフトパルプ、排泄部対向領域Mの坪量240g/m、前方領域Fと後方領域Rの坪量160g/m)からなる繊維集合体に吸水性ポリマー粒子(50g/m)を担持させた積繊タイプを用いた。図4に示す角度αは89°、図5に示す角度βは83°とした。
・コアラップシート:吸収紙(坪量16g/m)を用いた。
・繊維塊層:繊維塊180g/mを用いた。繊維塊としては、以下の方法で製造したものを用いた。
(繊維塊の製造方法)
繊維塊は、特開2019-063469号公報に記載の方法に準じて製造した。具体的には、原料繊維シートを賽の目状に切断して、直方体形状の繊維塊(2つの対向する基本面と、該2つの基本面を連結する骨格面とを有する繊維塊)を製造した。前記原料繊維シートとして、ポリエチレン樹脂及びポリエチレンテレフタラート樹脂からなる疎水性の熱可塑性繊維(非吸水性繊維、繊維径18μm)を構成繊維とする坪量25g/mのエアスルー不織布(構成繊維どうしの熱融着部を有する繊維シート)を用いた。繊維塊は、前記基本面の短辺が3.9mm、長辺が5.0mm、厚みが1.1mmであった。
〔実施例2〕
図7に示す生理用ナプキン1を作製した。本実施例のナプキン1は、後述する構成以外は基本的に前述のナプキン1(実施例1の生理用ナプキン)と同様に構成されている。図7では、本実施例のナプキン1と同様の構成には、前述のナプキン1におけるものと同一の符号が付されている。本実施例のナプキン1において特に説明しない構成は、前述したナプキン1についての説明が適宜適用される。
図7に示すナプキン1は、ウイング部を備えている点で前述のナプキンと異なる。該「ウイング部」は、吸収性物品をショーツ等の着衣のクロッチ部の肌対向面に止着する際に、クロッチ部の非肌対向面側に手指を用いて人為的に折り返される部位であり、典型的には、ナプキン1を例に取れば、サイドフラップ部6Sにおける排泄部対向領域Mに位置する部分が、周辺部よりも横方向Yの外方に大きく延出した部分である。
〔比較例1〕
花王株式会社製の生理用ナプキン(商品名「ロリエ(登録商標)スリムガード特に多い昼用25cm」)と同一の形状を有する生理用ナプキンを作製した。本比較例の生理用ナプキンには、前方括れ部と後方括れ部は存在しない。各部材の詳細は以下のとおりである。
・表面シート:エアスルー不織布(坪量28g/m)を用いた。
・裏面シート:ポリエチレン樹脂フィルム(坪量37g/m)を用いた。
・サイドシート:スパンボンド不織布(坪量20g/m)を用いた。
・吸収性コア:吸水性繊維(針葉樹晒クラフトパルプ、排泄部対向領域Mの坪量210g/m、前方領域Fと後方領域Rの坪量200g/m)からなる繊維集合体に吸水性ポリマー粒子(排泄部対向領域Mの坪量50g/m2、前方領域Fと後方領域Rの坪量35g/m)を担持させた積繊タイプを用いた。
・コアラップシート:吸収紙(坪量16g/m)を用いた。
・繊維塊層:繊維塊200g/mを用いた。
〔比較例2〕
本比較例は、特許文献1に相当する例である。実施例1において、サイドフラップ部の構造を以下の構成とし、且つ、圧縮回復領域を配置しない以外は同様にして生理用ナプキンを作製した。本比較例の生理用ナプキンのサイドフラップ部は、前側の端部に一つの括れ部を有し、排泄部対向領域の側部外方に他の括れ部を有する構造とした。後方領域には括れ部を有していない。
各実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、下記方法により、装着圧振幅及び動的最大吸収量を測定した。前記方法により、ねじれトルク値、圧縮回復率及び圧縮仕事量を測定した。その結果を下記表1に示す。
<装着圧振幅の測定方法>
測定対象のナプキンを生理用ショーツに固定し、前記〔動的最大吸収量〕で用いた人体の動的モデルに装着した。この際、動的モデルにおける排泄部対向部と、ナプキンとの間に、小型3軸力覚センサー(株式会社テック技販製、型番USL06-H5)を配して、歩行時における装着圧を測定した。装着圧は、動的モデルの歩行により周期的に変動するので、歩行動作と同期した周期的な波形状のグラフが得られる。本測定では、歩行動作の開始から1分経過するまで装着圧を連続して測定した。動的モデルの歩行速度は50歩/分で測定した。そして、得られた装着圧の波形状のグラフに基づき、一周期毎の最大装着圧と最小装着圧から得られる変動差から、歩行動作による装着圧の平均変動差(装着圧の振幅ともいう)を求めた。斯かる装着圧の振幅が、小さいほど、ナプキンの身体へのフィット性が高く、高評価となる。
<動的最大吸収量の測定方法>
測定対象の生理用ナプキンを生理用ショーツに固定し、人体の動的モデルに装着した。人体の動的モデルとしては、両脚を歩行運動させることが可能な可動式女性腰部モデルを用いた。動的モデルの歩行動作を開始させ、歩行動作開始より1分後に、液排泄点より2gの疑似血液を注入した(1回目)。更に1回目の液注入終了より3分後に3gの疑似血液を注入した(2回目)。更に2回目の液注入終了より3分後に2gの疑似血液を注入した(3回目)。3回目以降は、液注入後から3分後に2gの疑似血液を注入する操作を繰り返し、生理用ナプキンのサイドフラップ部又はウイング部から疑似血液が染み出した時点で液注入操作を終了し、その時点までに注入した疑似血液の総重量を動的最大吸収量(g)とした。
疑似血液は、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB-10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、25℃、60秒間)を用いて測定した粘度が8mPa・sになるように、脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調製したものを用いた。動的最大吸収量の数値が大きいほど、体液が素早く吸収体へ移行しやすく、漏れにくく、高評価となる。
表1に示すとおり、各実施例の生理用ナプキンにおいては、各比較例の生理用ナプキンに比べて、ねじれトルク値及び装着圧振幅が小さかった。これより、各実施例の生理用ナプキンは、着用者の身体への密着性に優れるとともに、着用者の動作に追従し得ることがわかった。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
42 繊維塊層
5 サイドシート
6 フラップ部
6S サイドフラップ部
6F 前方フラップ部
6R 後方フラップ部
61 前方括れ部
62 後方括れ部
63 曲線部
64 前方凸部
65 後方凸部
7 止着部
11 繊維塊
12 吸水性繊維
M 排泄部対向領域
F 前方領域
C 中間領域
R 後方領域
X 縦方向
Y 横方向

Claims (11)

  1. 体液を吸収保持可能な吸収体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体の外縁から外方に延出し、前記吸収性物品の輪郭を形成するフラップ部を備え、該フラップ部は、該吸収体の前記横方向の最外方端を通って前記縦方向に延びる一対の仮想直線よりも前記横方向の外方に位置する一対のサイドフラップ部を備え、
    前記サイドフラップ部の外縁は、前記縦方向の前方に位置する前方括れ部と、該縦方向の後方に位置する後方括れ部とを有し、
    前記吸収性物品は、前記前方括れ部の後端よりも前記縦方向の前方に位置する前方領域と、前記後方括れ部の前端よりも該縦方向の後方に位置する後方領域と、該前方括れ部と該後方括れ部とによって画定される中間領域と、を備えており、
    前記中間領域は、着用時に着用者の排泄部と対向する排泄部対向領域を含んでおり、
    前記中間領域は、圧縮回復材を含む圧縮回復領域を有しており、
    前記後方括れ部と前記吸収性物品の縦方向後端との間に位置し且つ該後方括れ部よりも該横方向の外方に張り出した後方凸部とを有し、
    前記フラップ部における前記後方凸部よりも前記縦方向の後方に位置する部分は、該フラップ部の縦方向後端に向かって前記横方向の長さが漸減する先細り形状をなしており、
    前記後方凸部と前記縦方向後端との間に位置する前記フラップ部の両外縁は、該両外縁の外側に曲率中心を有する凸型の湾曲形状である、吸収性物品。
  2. 前記サイドフラップ部の外縁と前記吸収体との前記横方向の間隔は、前記前方領域では前記前方括れ部で最短であり、前記後方領域では前記後方括れ部で最短である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体は、前記後方領域に、該吸収体の縦方向後端に向かって該吸収体の前記横方向の長さが漸減する後方先細り部を有し、
    前記吸収体の縦方向後端と、該吸収体の縦方向後端から前記横方向の両外方に延びる前記後方先細り部の一対の輪郭線それぞれの縦方向前端とを結ぶ、2本の仮想直線のなす角度が120°未満である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記前方括れ部が前記排泄部対向領域の縦方向前端よりも5mm以上縦方向前方に位置し、
    前記後方括れ部が該排泄部対向領域の縦方向後端よりも5mm以上縦方向後方に位置する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記排泄部対向領域の圧縮回復率は、前記前方領域及び前記後方領域の圧縮回復率よりも高い、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体の厚みは、前記排泄部対向領域の前記横方向の中央域に比べて前記前方領域及び前記後方領域の方が薄い、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収体は、非吸水性繊維を含む繊維塊、吸水性繊維、及び吸水性ポリマーを含み、該繊維塊は前記圧縮回復材であり、
    前記繊維塊及び前記吸水性繊維の合計含有質量に対する該繊維塊の含有質量の比率は、前記前方領域及び前記後方領域に比べて前記排泄部対向領域の方が高い、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記圧縮回復領域においては、前記繊維塊及び前記吸水性繊維の合計含有質量に対する前記繊維塊の含有質量の比率は、前記吸収体の非肌対向面側に比べて該吸収体の肌対向面側の方が低い、請求項7に記載の吸収性物品。
  9. 前記排泄部対向領域の圧縮回復率が40%以上である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記排泄部対向領域に位置する前記吸収体の前記縦方向に沿う側縁は、前記縦方向に平行な直線である、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 前記吸収性物品の非肌対向面における前記吸収体と平面視で重なる領域に、該吸収性物品を着用者の着衣に止着する止着部が配されており、
    前記止着部は、前記横方向に延びるように、且つ前記縦方向に距離を置いて複数条配されており、
    前記前方領域及び前記後方領域の双方の少なくとも一部における前記止着部の前記横方向の長さは、前記排泄部対向領域の前記止着部の該横方向の長さに比べて短い、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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