JP7725192B2 - 構造体 - Google Patents
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Description
[1]
箱に電子回路が収納され、前記電子回路の少なくとも一部がウレタン系封止剤で封止された構造体であって、
前記箱と、前記ウレタン系封止剤とが少なくとも一部で接触しており、
前記箱は、(a)結晶性熱可塑性樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂とを含有する樹脂組成物からなり、
前記箱は、前記(a)成分を主成分とする(A)相、及び前記(b)成分を主成分とする(B)相を含み、
前記樹脂組成物の(a)成分と(b)成分との含有割合が、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(a)成分が15~60質量部、(b)成分が40~85質量部であり、
前記樹脂組成物100質量%中の、(a)成分と(b)成分との合計質量の割合が65質量%以上であり、
前記箱と前記ウレタン系封止剤との接触部において、前記箱の表面から厚み方向に1μmから3μmの範囲の前記(A)相と前記(B)相との相体積比率(A)S/(B)SをXとし、前記箱の厚み方向中心部の前記(A)相と前記(B)相との相体積比率(A)C/(B)CをYとしたとき、0.1≦X≦0.5かつY≧Xであり、前記Yが1未満である、ことを特徴とする構造体。
[2]
前記樹脂組成物の、示差走査熱量計で測定される融解ピークの融点が150℃以上300℃以下、かつ融解エンタルピーが15J/g以上85J/g以下である、[1]に記載の構造体。
[3]
前記(a)成分がポリプロピレンである、[1]又は[2]に記載の構造体。
[4]
前記樹脂組成物が、さらに(c)水素添加ブロック共重合体を含有する、[3]に記載の構造体。
[5]
(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(c)成分を1~20質量部含有する、[4]に記載の構造体。
[6]
前記樹脂組成物が、さらに(d)リン系難燃剤を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の構造体。
[7]
(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(d)成分を5~45質量部含有する、[6]に記載の構造体。
[8]
前記(d)成分がリン酸エステル系難燃剤を含む、[6]又は[7]に記載の構造体。
[9]
前記箱の表面で測定した耐トラッキング電圧が600V以上である、[1]~[8]のいずれかに記載の構造体。
[10]
前記ウレタン系封止剤が、フタル酸系エステルを含む、[1]~[9]のいずれかに記載の構造体。
[11]
前記ウレタン系封止剤が、炭素数6以上のメチレン鎖を有するオキシアルキレン化合物を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の構造体。
[12]
前記ウレタン系封止剤が、ひまし油から合成されるオキシアルキレン化合物を含む、[11]に記載の構造体。
[13]
太陽光発電モジュールに用いられる、[1]~[12]のいずれかに記載の構造体。
[14]
太陽光発電接続コネクタである、[1]~[12]のいずれかに記載の構造体。
[15]
太陽光発電用ジャンクションボックスである、[1]~[12]のいずれかに記載の構造体。
本実施形態の構造体は、箱に電子回路が収納され、上記電子回路の少なくとも一部がウレタン系封止剤で封止された構造体であって、上記箱と、上記ウレタン系封止剤とが少なくとも一部で接触しており、上記箱は、(a)結晶性熱可塑性樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂とを含有する樹脂組成物からなり、上記箱は、上記(a)成分を主成分とする(A)相、及び上記(b)成分を主成分とする(B)相を含み、上記箱と上記ウレタン系封止剤との接触部において、上記箱の表面から厚み方向に1μmから3μmの範囲の上記(A)相と上記(B)相との相体積比率(A)S/(B)SをXとし、上記箱の厚み方向中心部の上記(A)相と上記(B)相との相体積比率(A)C/(B)CをYとしたとき、0.1≦X≦1かつY≧Xである
なお、本明細書において、(a)結晶性熱可塑性樹脂を「(a)成分」、(b)ポリフェニレンエーテル樹脂を「(b)成分」と称する場合がある。
((a)結晶性熱可塑性樹脂)
本実施形態で用いられる(a)結晶性熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シンジオクタチックポリスチレン等が挙げられる。耐熱性と加工性の観点から、その中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド66、ポリアミド9Tが好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
上記(a)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記ポリプロピレンとしては、特に限定されることなく、例えば、変性されていないポリプロピレン、変性ポリプロピレン、及び両者の混合物等が挙げられる。ポリプロピレンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)を用いて、従来公知の方法により求めることができ、ここで、移動相としては、特に限定されることなく、例えば、o-ジクロロベンゼンを用いることができ、標準物質としては、特に限定されることなく、例えば、ポリスチレンを用いることができる。
上記結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体としては、特に限定されることなく、例えば、結晶性プロピレン単独重合体部分とプロピレン-エチレンランダム共重合体部分とを有するもの等が挙げられる。
なお、MFRは、具体的には、ISO1133に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件下で測定することができる。
上記方法では、重合体の分子量を調整するため、水素等の連鎖移動剤を添加してもよい。
本実施形態で用いられる(b)ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されることなく、例えば、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、及び両者の混合物等が挙げられる。(b)ポリフェニレンエーテル樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
なお、還元粘度は、ηsp/c:0.5g/dLのクロロホルム溶液を用いて、温度30℃の条件下測定することができ、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、下記式(3)で表される繰り返し単位構造からなる単独重合体及び/又は下記式(3)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、上記のポリフェニレンエーテルに、スチレン系重合体又はその誘導体をグラフト化又は付加させたもの等が挙げられる。グラフト化又は付加による質量増加の割合は、特に限定されることなく、変性ポリフェニレンエーテル100質量%に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
本実施形態において(a)結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド66、ポリアミド9T、ポリプロピレンを用いる場合(好ましくはポリプロピレンを用いる場合)、上記樹脂組成物は、相溶化剤として(c)水素添加ブロック共重合体を含有することが好ましい。なお、(c)水素添加ブロック共重合体は、(a)成分、(b)成分を含まないものとする。
本実施形態で用いられる(c)水素添加ブロック共重合体としては、特に限定されることなく、例えば、未変性水素添加ブロック共重合体、変性水素添加ブロック共重合体、及び両者の混合物等が挙げられる。(c)水素添加ブロック共重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
(c)水素添加ブロック共重合体は、上述のポリプロピレンと上述の(b)ポリフェニレンエーテル樹脂との混和剤又は耐衝撃性付与剤として作用する。
(c)水素添加ブロック共重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAとしては、特に限定されることなく、例えば、ビニル芳香族化合物の単独重合体ブロック、又はビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックが挙げられる。
なお、重合体ブロックAにおいて「ビニル芳香族化合物を主体とする」とは、水素添加前の重合体ブロックAにおけるビニル芳香族化合物部分の含有量が、50質量%超であることを指し、該含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、また、100質量%以下としてよい。
なお、数平均分子量(Mn)は、GPC(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)を用いて、従来公知の方法により求めることができる。数平均分子量(Mn)は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとしては、特に限定されることなく、例えば、共役ジエン化合物の単独重合体ブロック、又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロックが挙げられる。
なお、重合体ブロックBにおいて「共役ジエン化合物を主体とする」とは、水素添加前の重合体ブロックBにおける共役ジエン化合物部分の含有量が、50質量%超であることを指し、樹脂組成物の流動性を高める観点から、該含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、また、100質量%以下としてよい。
なお、ビニル芳香族化合物の含有量は、紫外線分光光度計を用いて測定することができる。
なお、数平均分子量は、GPC(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)を用いて、従来公知の方法により求めることができる。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)を用いて、従来公知の方法により求めた重量平均分子量(Mw)を、上述の数平均分子量(Mn)で除することによって算出することができる。
なお、水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。
変性水素添加ブロック共重合体は、上記の未変性水素添加ブロック共重合体に、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(例えば、酸無水物、エステル等)をグラフト化又は付加させたものである。
本実施形態においては、樹脂組成物中にリン系難燃剤を含有させることにより、難燃性を付加することができるため、好ましい。リン系難燃剤としては特に限定されるものではないが、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸塩もしくはその誘導体、有機ホスフィン酸塩もしくはその誘導体、ホスファゼンもしくはその誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。長期における難燃性保持の観点から、リン酸エステル系難燃剤が好ましい。
(d)リン系難燃剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本実施形態で任意選択的に用いられるリン酸エステル系難燃剤としては、特に限定されることなく、樹脂組成物の難燃性向上の効果を有するリン酸エステル化合物全般(リン酸エステル化合物、縮合リン酸エステル化合物等)としてよく、例えば、トリフェニルホスフェート、フェニルビスドデシルホスフェート、フェニルビスネオペンチルホスフェート、フェニル-ビス(3,5,5’-トリメチル-ヘキシルホスフェート)、エチルジフェニルホスフェート、2-エチル-ヘキシルジ(p-トリル)ホスフェート、ビス-(2-エチルヘキシル)-p-トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ビス-(2-エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ-(ノニルフェニル)ホスフェート、ジ(ドデシル)-p-トリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、2-クロロエチルジフェニルホスフェート、p-トリルビス(2,5,5’-トリメチルヘキシル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ビスフェノールA・ビス(ジフェニルホスフェート)、ジフェニル-(3-ヒドロキシフェニル)ホスフェート、ビスフェノールA・ビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシン・ビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシン・ビス(ジキシレニルホスフェート)、2-ナフチルジフェニルホスフェート、1-ナフチルジフェニルホスフェート、ジ(2-ナフチル)フェニルホスフェート等が挙げられる。
下記式(4)
又は
下記式(5)
で表される芳香族縮合リン酸エステル化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするもの好ましい。
なお、上記式(4)及び上記式(5)で表される芳香族縮合リン酸エステル化合物は、それぞれ複数種の分子を含んでよく、各分子について、x及びyは、それぞれ、1~3の整数であることが好ましい。
本実施形態の箱の形状は、特に限定されないが、例えば、立方体状、直方体状、多角錐状、多角柱状、円錐状、円柱状、球状等が挙げられる。上記箱の壁は、全面が同じ厚みであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態の箱の壁は、厚みが0.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは1~5mmである。
本実施形態の箱は、ウレタン系封止剤と少なくとも一部で接触している。上記箱は、内側表面の少なくとも一部でウレタン系封止剤と接触していることが好ましい。
本実施形態の箱は、上記(a)成分を主成分とする(A)相と、上記(b)成分を主成分とする(B)相とを含む。上記(B)相は、(b)成分以外に、(c)成分、(d)成分を含んでいてもよい。本実施形態の箱は、(A)相と(B)相とのみからなっていてもよいし、他の相(例えば、(a)成分及び(b)成分を主成分としない相など)を含んでいてもよい。
上記(A)相及び上記(B)相における「主成分」とは、各相の単位質量100質量%に対して、50質量%超含む成分をいい、60質量%以上含む成分であることが好ましく、70質量%以上含む成分であることがより好ましく、80質量%以上含む成分であることがさらに好ましい。
上記箱と上記ウレタン系封止剤との接触部において、上記箱の表面から厚み方向に1μmから3μmの範囲における上記(A)相と上記(B)相との各相の体積比率(相体積比率)(A)S/(B)SをXとしたとき、0.1≦X≦1であり、かつ上記箱の厚み方向の中心部における上記(A)相と上記(B)相との各相の体積比率(相体積比率)(A)C/(B)CをYとしたとき、Y≧Xである。当該相体積比率となることで、ウレタン系封止剤への耐性に優れる傾向にある。上記X及びYは後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
さらに、Y>Xであることが、より優れた耐薬品性の観点から好ましい。より好ましくは、Y>1.1Xであり、さらに好ましくはY>1.2Xであり、よりさらに好ましくはY>1.3Xである。
Xは、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.1≦X≦0.5、さらに好ましくは0.15≦X≦0.4である。また、Yは、1未満であることが好ましい。
上記箱とウレタン系封止剤との接触部が複数ある場合は、少なくとも一つの接触部が上記範囲を満たすことが好ましく、全ての接触部が上記範囲を満たすことがより好ましく、上記箱と上記ウレタン系封止剤とが接触する箱の内面全体が上記範囲を満たすことがさらに好ましい。
なお、中心部とは、箱の内面の一部である接触部に対して垂直方向の箱の厚みについて、その厚み方向の中心から、箱の厚み100%に対して±5%の範囲をいう。
上述のモルフォロジーを満たす箱を得る方法としては、樹脂組成物の(a)結晶性熱可塑性樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂との質量割合を調整する方法、溶融混練工程で製造された樹脂組成物を射出成形する際に、成形温度、平均流動速度等の成形条件を調整する方法、等の方法が挙げられる。
また、上記樹脂組成物100質量%中の、(a)成分と(b)成分との合計質量の割合は、60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
射出成形においては、成形温度は(a)結晶性熱可塑性樹脂の融点より20℃~50℃高い温度であることが好ましい。射出成形条件は特段制限されることは無いが、成形品中の溶融樹脂の平均流動速度が5~100mm/secであることが、望ましい相体積比率の観点から好ましい。当該平均流動速度は、5~50mm/secであることがより好ましく、5~30mm/secであることがさらに好ましい。平均流動速度を小さくすることで、Xに対するYの比率を大きくすることができる傾向にある。
なお、平均流動速度は、充填に要した時間と成形品の体積から算出することができる。
上記樹脂組成物は、示差走査熱量計で測定された融解ピークの融点が、150℃以上300℃以下、かつ融解エンタルピーが15J/g以上85J/g以下であることが好ましい。より好ましくは融点が155℃以上275℃以下、かつ融解エンタルピーが17J/g以上80J/g以下であり、さらに好ましくは融点が160℃以上270℃以下、かつ融解エンタルピーが20J/g以上70J/g以下である。
なお、融解ピークの融点及び融解エンタルピーは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記箱の成形品表面で測定した耐トラッキング電圧は、600V以上であることが好ましい。
なお、耐トラッキング電圧は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記樹脂組成物は、(a)成分と(b)成分との含有質量割合が、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(a)成分1~60質量部、(b)成分40~99質量部であることが、耐薬品性と絶縁性能との観点から好ましい。より好ましくは、(a)成分16~58質量部、(b)成分42~84質量部である。
上記樹脂組成物100質量部に対する(a)成分の質量割合は、耐薬品性と絶縁性能との観点から10~50質量部であることが好ましく、より好ましくは15~40質量部である。また、上記樹脂組成物100質量部に対する(b)成分の質量割合は、耐薬品性と絶縁性能との観点から20~65質量部であることが好ましく、より好ましくは25~60質量部である。
(a)成分がポリプロピレンである場合、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(c)水素添加ブロック共重合体を1~20質量部含有することが、衝撃性の観点から好ましく、より好ましくは2~15質量部、さらに好ましくは5~13質量部である。
さらに(d)リン系難燃剤を含有する場合は、難燃性の観点から(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、リン系難燃剤を5~45質量部含有することが好ましく、より好ましくは10~44質量部、さらに好ましくは20~43質量部である。
なお、樹脂組成物の組成は、上記接触部を、厚み方向に箱の表面から全厚みまで切り出した試料を用いて解析してよい。
上記電子回路としては、例えば、太陽の光エネルギーを電気に変換する太陽光発電モジュールからのケーブルを接続するためのジャンクションボックス内に格納される電子回路、例えば直流開閉器、逆流防止ダイオード、ヒューズ、出力端子台、サージアブソーバ等が挙げられる。
上記箱の内部に、上記電子回路の少なくとも一部が収納されていることが好ましく、臓器電子回路全体が収納されていることがより好ましい。
本実施形態において、ウレタン系封止剤とはイソシアネート系化合物とポリオール化合物を主成分とする封止剤である。
当該ウレタン系封止剤は、加工性の観点から、フタル酸エステルを含んでいることが好ましい。また当該ウレタン系封止剤は、耐水蒸気透過の観点から、炭素数6以上のメチレン鎖を有するオキシアルキレン化合物を含んでいることが好ましい。また当該ウレタン系封止剤は、耐水蒸気透過の観点から、ひまし油から合成されるオキシアルキレン化合物を含んでいることが好ましい。
(a-1)ポリプロピレン
日本ポリプロ(株)製ノバテックEA9FTを使用した。
(a-2)ポリエチレン
旭化成ケミカルズ製サンテックJ320を使用した。
(a-3)ポリアミド66(PA66)
旭化成ケミカルズ製レオナ1400Sを使用した。
(a-4)ポリアミド9T(PA9T)
特開2000-204239号公報の実施例に記載の方法を参考に、テレフタル酸3256.2g(19.6モル)、1,9-ノナンジアミン2690.9g(17.0モル)、2-メチル-1,8-オクタンジアミン474.9g(3.0モル)、安息香酸97.7g(0.8モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物6.5g(上記のポリアミドの原料4種の合計に対して0.1質量%)及び蒸留水6リットルを、内容積20リットルのオートクレーブに入れ、内部を窒素で置換した。100℃で30分間攪拌した後、2時間かけて内部温度を310℃に昇温した。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間この状態を保持した後、330℃に昇温し、その後2時間、330℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて、圧力を22kg/cm2に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで下げ、さらに1時間反応させて、極限粘度[η]が0.30dl/gのプレポリマーを得た。このプレポリマーを、100℃の温度で減圧下に12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを温度230℃、圧力0.1mmHgの条件下に10時間固相重合し、ポリアミドの粒状ポリマーを得た。得られた粒状ポリマーを、シリンダー温度330℃に設定した二軸押出機を用いてペレット状とし、これを(a-4)とした。
(b-1)2,6-キシレノールを酸化重合して得た、還元粘度ηsp/c 0.41dL/gのポリフェニレンエーテル
還元粘度は、ウベローデ粘度計を用いて、0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃の条件で測定した。
(c-1)水素添加されたポリブタジエン-ポリスチレン-水素添加されたポリブタジエン-ポリスチレンの構造(B-A-B-A)を有し、結合スチレン量44%、ポリマー全体の数平均分子量95,000、分子量分布1.06、ポリスチレンブロックの数平均分子量20,900、水素添加前のポリブタジエンの1,2-ビニル結合量と3,4-ビニル結合量の合計量が75%、ポリブタジエンブロックの水素添加率が99.9%の水素添加ブロック共重合体を合成した。
ポリブタジエンブロックの全ビニル結合量は、赤外分光光度計によって測定し、算出方法はAnalytical Chemistry,Volume21,No.8,August 1949に記載の方法に準じて行った。また、結合スチレン量の測定は、紫外線分光光度計によって行った。さらに、ポリマー全体の数平均分子量及び分子量分布、ポリスチレンブロックの数平均分子量の測定は、GPC(移動層:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)によって行った。またさらに、ポリブタジエンブロックの水素添加率はNMRによって測定した。
(d-1)ホスフィン酸塩類(クラリアント社製 Exolit OP1312)
(d-2)縮合リン酸エステル系化合物 大八化学社製E890
HIPS:(製品名「CT-60」、ペトロケミカルズ社製)
樹脂組成物の製造装置として、二軸押出機ZSK-25(コペリオン社製 バレル数:12)を用いた。該二軸押出機において、原料の流れ方向に対し上流側に第1原料供給口(第1バレル)、これより下流に第2(第6バレル)、第3原料供給口(第8バレル)、さらに下流に液添ポンプを設け、第1原料供給口と第2原料供給口、第3原料供給口と液添ポンプの間に真空ベントを設けた。押出機のスクリューは、3つの混練ブロックを設けた。その第一の混練ブロックは押出機の第4バレルに位置し、その構成は、上流側より、L(混練ブロックを構成するスクリューのスクリュー軸方向の長さ)が12mmのR-KD(送り型:Rタイプニーディングディスク)を1個、Lが24mmのN-KD(無搬送型:Nタイプニーディングディスク)を1個、及びLが12mmのL-KD(逆送り:Lタイプニーディングディスク)を1個である。第二の混練ブロックは、押出機の第7バレルに位置し、その構成は上流側より、Lが12mmのR-KDを1個、Lが12mmのL-KDを1個、及びLが12mmのR-KDを1個である。第三の混練ブロックは、押出機の第9バレルに位置し、その構成は、上流側より、Lが12mmのR-KDを1個、Lが12mmのL-KDを1個である。ここでいう、「混練ブロック」とは、ニーディングディスクと呼ばれる混練効果の高いスクリューエレメントが複数個連続したブロックを指す。また、第2、第3供給口への原料供給方法は、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法とした。上記のように設定した二軸押出機に、(a)~(d)成分を表1に示した組成で供給し、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/時間の条件にて溶融混練し、製造例1の樹脂組成物のペレットを得た。なお、押出し温度はポリプロピレン、ポリエチレンを用いた場合は270℃、ポリアミド66を用いた場合は300℃、ポリアミド9Tを用いた場合は330℃とした。
表1の配合割合に従って、製造例1~10の樹脂組成物のペレットを得た。
製造例1~10で得られたペレットを用いて、図1に示すような形状の箱型成形品(大きさ120mm×80mm×50mm、壁面の厚みは2mm)を射出成形により作製した。射出成形においては射出成形機(東芝(株)製EC100)を用いて、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却10秒の射出成形条件で行った。平均流動速度については、表1に示す通り25mm/secを基本としたが、実施例1、3、4においてはそれぞれ10mm/sec、45mm/sec、100mm/sec、比較例1については200mm/secとした。なお、シリンダー温度は(a-1)ポリプロピレン、(a-2)ポリエチレンを用いた場合は270℃、(a-3)ポリアミド66を用いた場合は300℃、(a-4)ポリアミド9Tを用いた場合は330℃とした。
また、同様の射出成形により射出15秒、冷却10秒の射出成形条件で4mm厚みのISO試験片を得た。
箱型成形品、ISO試験片につき、下記の評価を実施した。評価結果を表1の評価欄に示す。
パーキンエルマー社製示差走査熱量計DiamondDSCを用いた。昇温、降温条件は±20℃/分で行った。箱型成形品から切出により得た試料約10mgを50℃から昇温させ、350℃で3分間保持した。次いで50℃まで試料を冷却した後に、再度昇温させて融解ピークを観測した。そのピークトップが示した温度を融解温度(即ち、融解ピークの融点)とした。また、そのピークの面積からJISK7122の規定に従って融解熱(融解エンタルピー)を決定した。
箱型成形品にウレタン系封止剤(サンユレック(株)社製UF-820A/B)を塗布して60℃1時間の条件で硬化させたのち、24時間経過した後の接触部から、ウルトラミクロトームを用いて箱の厚み方向に切削し、成形品表面を含む厚さ約80nmの薄膜切片を作製した。薄膜切片の観察を倍率2,500倍で透過型電子顕微鏡(SEM)にて行った。観察した画像を画像解析装置ソフトウェア(商品名LUSEX SE:ニレコ社製)により解析した。
画像の左右両端におけるウレタン系封止剤と接触していた成形品表面を直線で結び、これを直線Aとする。その直線Aと平行かつ成形品内部側に表面から厚み方向に1μm移動させた直線を直線B、同様に成形品内部側に3μm移動させた直線を直線Cとする。この直線Bと直線Cの間に確認される、(a)結晶性熱可塑性樹脂を主成分とする分散相を(A)相、(b)PPEを主成分とする黒色の連続相を(B)相とし、(A)相と(B)相との面積比を、成形品表面近傍の相体積比率(X)とした。
同様に箱型成形品から、ウルトラミクロトームを用いて、上記と同じ接触部から箱の厚み方向に切削し、成形品中央部を含む厚さ約80nmの薄膜切片を作製し、同一の装置を用いて解析を行った。
成形品中央部が観察視野の中心に来るように調整したのち、中央から上下1μmの範囲において(a)結晶性熱可塑性樹脂を主成分とする分散相を(A)相、PPEを主成分とする黒色の連続相を(B)相とし、(A)相と(B)相との面積比を成形品コア部の相体積比率(Y)とした。
UL 746A(ASTM D3638)に準拠し、日立化成工業(株)製、耐トラッキング試験機 HAT-500-3型の装置を用いて、耐トラッキング試験を行った。なお試験片は箱型成形品から切出した幅65mm×長さ90mmの試験片を用いて以下のとおり耐トラッキング試験を行った。
試験片をHAT-500-3型の装置にセットし、試験片表面に接触させた二本の電極によって100~600Vの電圧を25V刻みにて印加し、その電極間に0.1%塩化アンモニウム水溶液を30秒毎に滴下した。そして、試験片に0.1A以上の電流が0.5秒間以上通電(絶縁破壊)するまでの塩化アンモニウム水溶液の滴下回数を測定した。
5回の耐トラッキング試験を行い、塩化アンモニウム水溶液の滴下回数の平均値が50滴未満となる電圧(V)を測定した。得られた電圧により耐トラッキング性を評価した。
箱型成形品から切り出した幅10mm×長さ50mm試験片をベンディングバーに取り付け、ベンディングバーの曲率に応じたひずみを与えたまま試験片表面にウレタン系封止剤(サンユレック(株)社製UF-820A/B)を塗布して60℃1時間の条件で硬化させた。48時間後の試験片表面におけるクラックの発生状況を観察し、クラックが発生している最小のひずみを臨界歪み値として評価した。
得られた箱型成形品の底面にウレタン系封止剤(サンユレック(株)社製UF-820A/B)を塗布して60℃1時間の条件で硬化させた。48時間放置後、高さ1mからコンクリート面に自由落下させたのち、底面内側に亀裂が生じていないものを〇(良好)、亀裂が生じているものを×(不良)とした。
得られたISO試験片を用いて、ISO527-1に準じて、引張強度(MPa)及び引張伸度(%)の測定を行った。
得られたISO試験片を用いて、ISO179-1に準じてシャルピー衝撃強度(ノッチあり、単位kJ/m2)の測定を行った。
Claims (15)
- 箱に電子回路が収納され、電子回路の少なくとも一部がウレタン系封止剤で封止された構造体であって、
前記箱と、前記ウレタン系封止剤とが少なくとも一部で接触しており、
前記箱は、(a)結晶性熱可塑性樹脂と(b)ポリフェニレンエーテル樹脂とを含有する樹脂組成物からなり、
前記箱は、前記(a)成分を主成分とする(A)相、及び前記(b)成分を主成分とする(B)相を含み、
前記樹脂組成物の(a)成分と(b)成分との含有割合が、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(a)成分が15~60質量部、(b)成分が40~85質量部であり、
前記樹脂組成物100質量%中の、(a)成分と(b)成分との合計質量の割合が65質量%以上であり、
前記箱と前記ウレタン系封止剤との接触部において、前記箱の表面から厚み方向に1μmから3μmの範囲の前記(A)相と前記(B)相との相体積比率(A)S/(B)SをXとし、前記箱の厚み方向中心部の前記(A)相と前記(B)相との相体積比率(A)C/(B)CをYとしたとき、0.1≦X≦0.5かつY≧Xであり、
前記Yが1未満である、
ことを特徴とする構造体。 - 前記樹脂組成物の、示差走査熱量計で測定される融解ピークの融点が150℃以上300℃以下、かつ融解エンタルピーが15J/g以上85J/g以下である、請求項1に記載の構造体。
- 前記(a)成分がポリプロピレンである、請求項1又は2に記載の構造体。
- 前記樹脂組成物が、さらに(c)水素添加ブロック共重合体を含有する、請求項3に記載の構造体。
- (a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(c)成分を1~20質量部含有する、請求項4に記載の構造体。
- 前記樹脂組成物が、さらに(d)リン系難燃剤を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体。
- (a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、(d)成分を5~45質量部含有する、請求項6に記載の構造体。
- 前記(d)成分がリン酸エステル系難燃剤を含む、請求項6又は7に記載の構造体。
- 前記箱の表面で測定した耐トラッキング電圧が600V以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の構造体。
- 前記ウレタン系封止剤が、フタル酸系エステルを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の構造体。
- 前記ウレタン系封止剤が、炭素数6以上のメチレン鎖を有するオキシアルキレン化合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の構造体。
- 前記ウレタン系封止剤が、ひまし油から合成されるオキシアルキレン化合物を含む、請求項11に記載の構造体。
- 太陽光発電モジュールに用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の構造体。
- 太陽光発電接続コネクタである、請求項1~12のいずれか一項に記載の構造体。
- 太陽光発電用ジャンクションボックスである、請求項1~12のいずれか一項に記載の構造体。
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