JP7732205B2 - 電解めっき液及び電解めっき方法 - Google Patents
電解めっき液及び電解めっき方法Info
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Description
2H2O → 4H+ + O2↑ + 4e-
この際、アノード表面で発生した酸素ガス(気泡)は、アノード表面から脱離し、めっき液中に放出される。めっき液中に放出された酸素気泡は、めっき液中を浮遊した後、液面に到達して消泡するか、溶存ガスとしてめっき液中に溶解することで消滅する。しかし、気泡が消滅するまでの間に、気泡がカソード(陰極)に接続される被めっき部材に付着した場合に、めっきの析出を妨げてピット欠陥を引き起こし易く、また、めっき膜中に取り込まれてボイドを引き起こし易いという問題があった。この問題は、水平式(CUP式、Face down式、噴水(Fountain type)式とも呼ばれる方式)のめっき装置を用いた場合に、顕在化する傾向にあり、特にアノード電流密度が0.5A/dm2(以下、ASD(Ampere per Square Decimeter)ということもある。)以上でめっきした際に顕著であった。
本実施形態の可溶性塩(A)は、第一錫塩単独であるか、又はこの第一錫塩及び銀、銅、ビスマス、ニッケル、アンチモン、インジウム、亜鉛からなる群から選ばれた1種又は2種以上の金属の塩の混合物よりなる。
本実施形態の酸又はその塩(B)は、有機酸、無機酸、及びそれらの塩から選択される1種以上の酸又はその塩である。上記有機酸には、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、或いは脂肪族カルボン酸などが挙げられる。無機酸には、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などが挙げられる。それらの塩は、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、アミン塩、スルホン酸塩などである。金属塩の溶解性や排水処理の容易性の観点から有機スルホン酸がより好ましい。
本実施形態のめっき液において用いる界面活性剤(C)としては、ノニオン系界面活性剤と両性界面活性剤が挙げられる。これら2種の界面活性剤を単独で用いても、併用してもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)とを含み、末端がポリオキシプロピレン(PO)であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(PO-EO-PO)を用いることができる。このブロックポリマー(PO-EO-PO)中のEO比率はモル比率で35%以上かつ50%以下の範囲であり、このノニオン系界面活性剤の質量平均分子量は3000以上かつ5000以下の範囲である。上記EO比率がモル比率で35%未満では界面活性剤の疎水性の傾向が強くなり、50%を超えると界面活性剤の親水性の傾向が強くなり、いずれの場合も不溶性アノードから放出される気泡の粒径分布極大値を150μm以上にすることが困難になる。また界面活性剤の質量平均分子量が3000未満では錫又は錫合金の析出を抑制する効果が十分でないおそれがあり、5000を超えると錫又は錫合金の析出抑制力が強くなり過ぎて、均一なめっき膜が形成されないおそれがある。上記EO比率はモル比率で35%以上かつ45%以下の範囲であることが好ましく、40%以上かつ45%以下の範囲であることがより好ましい。上記質量平均分子量は3000以上かつ4500以下の範囲であることが好ましく、3500以上かつ4500以下の範囲であることがより好ましい。
なお、EO比率はNMR(Nuclear Magnetic Resonance)を用いてポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)の強度比を比較することによって測定することができる。この測定方法については、「界面活性剤分析法」界面活性剤分析研究会編、幸書房(1975年発行)などに詳細に記載されている。
また、質量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC;Size Exclusion Chromatography)を用いて市販の標準物質と比較することによって測定することができる。
酸化防止剤はめっき液中のSn2+の酸化防止を目的としたものである。酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸又はその塩、ピロガロール、ヒドロキノン、フロログルシノール、トリヒドロキシベンゼン、カテコール、クレゾールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ヒドロキノンスルホン酸又はその塩などが挙げられる。例えば、酸性浴では、ヒドロキノンスルホン酸又はその塩、中性浴ではアスコルビン酸又はその塩などが好ましい。
本実施形態のめっき液は、酸性、弱酸性、中性などの任意のpH領域の錫又は錫合金めっき浴に適用できる。Sn2+イオンは強酸性(pH:<1)では安定であるが、酸性から中性付近(pH:1~7)では白色沈澱を生じ易い。このため、本実施形態の錫又は錫合金めっき液を中性付近の錫めっき浴に適用する場合には、Sn2+イオンを安定化させる目的で、錫用の錯体化剤を添加するのが好ましい。
本実施形態のめっき液は、必要に応じてpH調整剤を含有することができる。pH調整剤の例としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられる。また、pH調整剤としては、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類なども有効である。
本実施形態のめっき液は、必要に応じて光沢化剤を含有することができる。光沢化剤としては、芳香族カルボニル化合物が有効である。芳香族カルボニル化合物は、錫合金めっき膜中の錫合金の結晶粒子を微細化する作用がある。芳香族カルボニル化合物は、芳香族炭化水素の炭素原子にカルボニル基(-CO-X:但し、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数が1~6個の範囲にあるアルキル基または炭素原子数が1~6個の範囲にあるアルコキシ基を意味する)が結合した化合物である。芳香族炭化水素は、ベンゼン環、ナフタレン環およびアントラセン環を含む。芳香族炭化水素は、置換基を有してもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数が1~6個の範囲にあるアルキル基および炭素原子数が1~6個の範囲にあるアルコキシ基を挙げることができる。カルボニル基は、芳香族炭化水素に直結していてもよいし、炭素原子数が1個以上かつ6個以下の範囲にあるアルキレン基を介して結合してもよい。芳香族カルボニル化合物の具体例としては、ベンザルアセトン、桂皮酸、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒドを挙げることができる。
本実施形態の電解めっき方法は、図1に示される電解めっき装置を用いて行われる。この装置のめっき槽1には、カソードに接続される被めっき部材、例えば半導体ウエハ4に不溶性アノード3が対向配置される。このめっき槽1に上述した電解めっき液2を供給して電解めっきが行われる。半導体ウエハ4に不溶性アノード3が水平に配置される水平式のめっき装置において、本発明の効果がより一層発揮される。この電解めっき装置では、被めっき部材4と不溶性アノード3のそれぞれの対向面が互いにほぼ平行となる配置が好ましい。また被めっき部材及び不溶性アノードの上下関係は限定されないが、図1に示すように、不溶性アノードを下側に、被めっき部材を上側に配置することが、被めっき部材の入れ替えが容易となるため、量産性の観点から好ましい。
本実施形態のめっき膜の形成時のアノード電流密度は、0.1A/dm2以上かつ5A/dm2以下の範囲とするとよい。液温は、10℃以上かつ50℃以下の範囲であることが好ましく、20℃以上かつ40℃以下の範囲であることが更に好ましい。
実施例1~5及び比較例1~5において使用されるポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)を含むポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(PO-EO-PO)又は(EO-PO-EO)の構造式、EO比率、界面活性剤の質量平均分子量を表1に示す。
また、実施例6~9において使用される界面活性剤を表2に示す。
<実施例1>
メタンスルホン酸Sn水溶液に、遊離酸としてのメタンスルホン酸と、界面活性剤として上記表1に示す構造式(PO-EO-PO)を有し、EO比率が35%(モル比率)で、質量平均分子量が4000であるノニオン系界面活性剤と、光沢剤としてベンザルアセトンを加えた。そして最後にイオン交換水を加えて、下記組成のSnめっき液を建浴した。なお、メタンスルホン酸Sn水溶液は、金属Sn板をメタンスルホン酸水溶液中で電解させることにより調製した。
メタンスルホン酸Sn(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として):100g/L
界面活性剤:5g/L
ベンザルアセトン(光沢剤として):10mg/L
イオン交換水:残部
実施例2~4及び比較例1~5では、界面活性剤として、構造式(PO-EO-PO)又は(EO-PO-EO)とEO比率と質量平均分子量が上記表1に示す性状のノニオン系界面活性剤を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2~4及び比較例1~5のSnめっき液を建浴した。
<実施例5>
メタンスルホン酸Sn水溶液に、遊離酸としてのメタンスルホン酸と、錯体化剤としてチオジエタノールとを混合して溶解させた後、更にメタンスルホン酸Ag液を加えて混合した。混合によって均一な溶液となった後、更に界面活性剤として上記表1に示す構造式(PO-EO-PO)を有し、EO比率が50%(モル比率)で、質量平均分子量が5000であるノニオン系界面活性剤と、光沢剤としてベンザルアセトンを加えた。そして最後にイオン交換水を加えて、下記組成のSnAgめっき液を建浴した。なお、メタンスルホン酸Sn水溶液は、金属Sn板を、メタンスルホン酸Ag水溶液は、金属Ag板を、それぞれメタンスルホン酸水溶液中で電解させることにより調製した。
メタンスルホン酸Sn(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸Ag(Ag+として):0.2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として):100g/L
チオジエタノール(錯体化剤として):5g/L
界面活性剤:5g/L
ベンザルアセトン(光沢剤として):10mg/L
イオン交換水:残部
界面活性剤として、上記表1の比較例4に示すノニオン系界面活性剤1と、上記表2に示すラウリルヒドロキシスルホベタイン(炭素鎖数12)の両性界面活性剤2を用いた。
メタンスルホン酸Sn水溶液に、遊離酸としてのメタンスルホン酸と、錯体化剤としてチオジエタノールとを混合して溶解させた後、更にメタンスルホン酸Ag液を加えて混合した。混合によって均一な溶液となった後、更に上記界面活性剤1と、上記界面活性剤2と、光沢剤としてベンザルアセトンを加えた。そして最後にイオン交換水を加えて、下記組成のSnAgめっき液を建浴した。なお、メタンスルホン酸Sn水溶液は、金属Sn板を、メタンスルホン酸Ag水溶液は、金属Ag板を、それぞれメタンスルホン酸水溶液中で電解させることにより調製した。
メタンスルホン酸Sn(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸Ag(Ag+として):0.2g/L
メタンスルホン酸(遊離酸として):100g/L
チオジエタノール(錯体化剤として):5g/L
ノニオン系界面活性剤1:5g/L
両性界面活性剤2:2g/L
ベンザルアセトン(光沢剤として):10mg/L
イオン交換水:残部
実施例6の両性界面活性剤2をラウリルスルホベタインに代えた以外、実施例6と同様の組成のSnAgめっき液を建浴した。
実施例6の両性界面活性剤2をステアリルスルホベタインに代えた以外、実施例6と同様の組成のSnAgめっき液を建浴した。
実施例6からメタンスルホン酸Agとノニオン系界面活性剤を除いた以外、実施例6と同様の組成のSnAgめっき液を建浴した。
実施例1~9及び比較例1~5の14種類の建浴したそれぞれのめっき液を用いて、(1)不溶性アノードから放出される気泡の粒径分布極大値、(2)めっき後のピット欠陥発生率、及び(3)バンプ内のボイド発生率を次の方法により測定した。
これらの結果を上記表1及び下記の表3に示す。
初めに、気泡の粒径分布極大値を測定する装置について、図3を参照して説明する。このめっき槽11はフェイスダウン方式(Cup type、Fountain type)のめっきを行うための槽であって、その内寸の直径が35cm、深さが50cmの円筒形であり、建浴しためっき液12を入れたときの底面から液面までの高さが35cmであった。不溶性アノード(陽極)13として、厚み1.5mmのTi板上に3μm厚でPt層をクラッド形成した直径300mmのPt/Ti円盤を用い、めっき槽11内の底面に接する形で設置した。めっき槽11の底面から高さ5cmの位置に循環ポンプ11cの吸引口となる配管11aを設置した。配管11aと対向する側壁に、底面から高さ5cmの位置に戻り口となる配管11bを設置した。循環ポンプ11cと戻り口となる配管11bとは配管11dにより接続した。この配管11dからサンプリング用配管11eを分岐して設け、サンプリング用配管11eの途中に透明な測定セル11fを設置した。この測定セル11fには、測定セルを通過する気泡の大きさ(粒径)を測定するためのVisiSize粒度分布測定装置(Oxford Lasers 社製、装置型番:SF、解析ソフトウェア:SOLO)11gを設置した。配管11a、11b及び11dの内径は60mmとし、サンプリング用配管11eの内径は40mmとした。
直径300mmのシリコンウエハの表面に、スパッタリング法によりチタン0.1μm、銅0.3μmの順に積層し、電気導通用シード層を形成し、そのシード層の上にドライフィルムレジスト(膜厚50μm)を積層した。次いで、露光用マスクを介して、ドライフィルムレジストを部分的に露光し、その後、現像処理した。こうして、図4に示すように、ウエハ4の表面に、直径が75μmの開口部であるビア6が150μmピッチで160万個形成されているパターンを有するレジスト層5を形成した。
ピット欠陥発生率(ppm)=(欠陥バンプ数/全バンプ数)×106
ピット欠陥発生率を算出した後、ボイド発生率を測定した。めっき後のウエハの電気導通用シード層をエッチングすることにより除去し、このウエハをリフローした。図5(e)にリフロー前に形成されたバンプ7内のボイド9aを示す。透過X線装置(Dage社製)を用いて、リフローしたウエハ上の5000個のバンプを上面から観察し、ボイドの有無を検査した。ここで、バンプ面積(バンプの最大水平断面積)に対するボイド面積が1%以上の場合を「ボイドがあるバンプ」としてカウントし、次式に基づいて、ボイド発生率を算出した。
ボイド発生率(%)=(ボイドがあるバンプの数/全バンプの数)×102
その結果を上記表1及び表3に示す。
1a 吸引口
1b 戻り口
1c 循環ポンプ
2 めっき液
3 不溶性アノード
4 ウエハ(被めっき部材)
5 レジスト層
6 ビア(開口部)
7 バンプ(めっき堆積層)
8 気泡
9a ピット欠陥
9b ボイド
Claims (5)
- 少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、酸又はその塩(ただし、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩を除く)(B)と、界面活性剤(C)とを含む電解めっき液であって、
アノード電流密度を0.7A/dm2で電解した際に、不溶性アノードから放出される気泡の粒径分布極大値が150μm以上であり、
前記界面活性剤(C)が、末端がポリオキシプロピレン(PO)であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(PO-EO-PO)のノニオン系界面活性剤であり、
前記ブロックポリマー(PO-EO-PO)中のEO比率がモル比率で35%以上かつ50%以下の範囲であり、
前記ノニオン系界面活性剤の質量平均分子量が3000以上かつ5000以下の範囲であることを特徴とする電解めっき液。 - 少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、酸又はその塩(ただし、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩を除く)(B)と、界面活性剤(C)とを含む電解めっき液であって、
アノード電流密度を0.7A/dm 2 で電解した際に、不溶性アノードから放出される気泡の粒径分布極大値が150μm以上であり、
前記界面活性剤(C)が、前記界面活性剤(C)が、アルキルスルホベタイン、又はアルキルヒドロキシスルホベタインの両性界面活性剤であり、
前記両性界面活性剤のアルキル基の炭素数は10以上かつ22以下であり、前記界面活性剤(C)の含有量が0.5g/L以上かつ10g/L以下の範囲であることを特徴とする電解めっき液。 - 前記界面活性剤(C)の含有量が0.5g/L以上かつ10g/L以下の範囲である請求項1または請求項2に記載の電解めっき液。
- カソードに接続される被めっき部材に不溶性アノードが対向配置されためっき槽に、請求項1から3のいずれか1項に記載の電解めっき液を供給して前記被めっき部材を電解めっきする方法。
- 前記被めっき部材及び前記不溶性アノードが水平に配置されためっき槽を用いて電解めっきをする請求項4に記載の電解めっき方法。
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