JP7738499B2 - コンクリート柱と鉄骨梁との接合構造 - Google Patents

コンクリート柱と鉄骨梁との接合構造

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Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材を含むコンクリート柱と鉄骨梁との接合構造に関する。
従来、図7に示すようなプレキャストコンクリート部材を含むコンクリート柱と鉄骨梁との接合構造が知られている(例えば、特許文献1の背景技術参照)。この接合構造は、梁貫通型と呼ばれる形態で、鉄骨梁101が鉄筋コンクリート柱102を貫通している。鉄筋コンクリート柱102との接合部において、鉄骨梁101が十字状に交差している。複数のふさぎ板103が、鉄骨梁101との溶接により一体化され、鉄筋コンクリート柱102における接合部のコンクリートの型枠を形成する。鉄筋コンクリート柱102の主筋104は、鉄骨梁101によって区分された4隅に配置される。鉄筋コンクリート柱102の既設部分に、十字状に配置された鉄骨梁101とふさぎ板103とを含む仕口部材105が載置され、ふさぎ板103で囲まれた領域にコンクリートが打設される。
特開2015-059408号公報
しかし、上記の従来技術では、仕口部材105を鉄筋コンクリート柱102の既設部分の上に配置する際に、仕口部材105と鉄筋コンクリート柱102との間に所定の隙間を設け、後からこの隙間に目地材を注入していた。このため、目地材用の型枠や作業用の足場が必要となり、作業効率を十分に向上させることができなかった。
また、上記の従来技術を大型物流施設の構築に適用すると、柱を構築するためのプレキャストコンクリート部材の重量が重くなった。このため、プレキャストコンクリート部材の工場から建築現場までプレキャストコンクリート部材を運搬する際に、1台の車両に1本のプレキャストコンクリート部材しか積載できない場合もあり、作業効率の低下を招いた。
本発明は、以上の背景に鑑み、作業効率を向上させたプレキャストコンクリート部材を含むコンクリート柱と鉄骨梁との接合構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、コンクリート柱(1)と鉄骨梁(2)との接合構造(3)であって、主筋(7)、前記主筋を少なくとも部分的に埋設したコンクリート部(9)、及び前記コンクリート部の上面に取り付けられて平坦な上面を有する鋼板部材(10)を含むプレキャストコンクリート柱部材(4)と、前記鉄骨梁における前記コンクリート柱を貫通する部分を構成して前記鋼板部材に直接に載置された鉄骨部(14)を含む仕口部材(5)とを備える。
この態様によれば、鉄骨部が鋼板部材に直接に載置されることにより、仕口部材とその下に主要部が配置されるプレキャストコンクリート柱部材との間に目地材を注入することが不要となる。このため、この部分に目地材を注入するための型枠や作業のための足場が不要となり、作業効率が向上する。
上記の態様において、前記プレキャストコンクリート柱部材(4)は、上下方向に貫通する中空部(12)を含み、前記中空部に充填された現場打コンクリート部(6)を更に備えても良い。
この態様によれば、中実構造の部材に比べてプレキャストコンクリート柱部材が軽くなるため、輸送手段1台当たりに積載可能はプレキャストコンクリート柱部材の本数が増え、作業効率が向上する。また、比較的小型のクレーンでプレキャストコンクリート柱部材を吊り上げることができるため、建物の構築コストを低減することができる。
上記の態様において、前記コンクリート部(9)は、前記中空部(12)の横断面の輪郭が前記上下方向の中央部から上方及び下方に向かうにしたがって大きくなるように構成されても良い。
この構成によれば、中空部を成型するための型枠がテーパー形状となるため、脱型が容易となる。
上記の態様において、平面視において、前記コンクリート部(9)は四角形の枠形状をなし、前記主筋(7)は前記枠形状の隅部(11)に配置され、前記鋼板部材(10)は互いに隣り合う隅部の間の辺部(13)に配置され、前記鋼板部材の内側縁及び外側縁は前記辺部の内側縁及び外側縁に整合していると良い。
鉄骨部の下面の中心部近傍には溶接等により凹凸が生じているところ、この態様によれば、このような凹凸を避けて、鋼板部材に鉄骨部14の下面の平坦な部分を当接させることができる。
上記の態様において、前記コンクリート柱は、48N/mm以上100N/mm以下の設計基準強度と、0.9m以上1.1m以下の縦及び横方向長さの横断面寸法を有してもよい。
このような大型物流施設に適用される態様では、中空構造によるプレキャストコンクリート柱部材4の軽量化による運搬作業の効率向上が顕著となる。
以上の態様によれば、作業効率を向上させたプレキャストコンクリート部材を含むコンクリート柱と鉄骨梁との接合構造を提供することができる。
実施形態に係る接合構造を示す一部断面正面図 実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材を示す正面図 実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材を示す図(A:平面図、B:図2におけるB-B線に沿った断面図、C:底面図) 実施形態に係る接合構造(接合部にコンクリートを打設する前の状態)を示す平面図 図1における二点鎖線で囲った部分についての、図4におけるV-V線に沿った断面に相当する部分での断面図 実施形態に係る接合構造の構築手順を示す説明図 従来技術に係る接合構造(接合部にコンクリートを打設する前の状態)を示す斜視図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係るコンクリート柱1と鉄骨梁2との接合構造3を示す。接合構造3は、プレキャストコンクリート柱部材4と、プレキャストコンクリート柱部材4に載置された仕口部材5と、プレキャストコンクリート柱部材4内及び仕口部材5内に打設された現場打コンクリート部6とを備える。接合構造3は、例えば、大型物流施設の建物に適用される。典型的な大型物流施設において、コンクリート柱1の設計基準強度は、48N/mm以上60N/mm以下、又は48N/mm以上100N/mm以下であり、コンクリート柱1の横断面寸法は、縦及び横方向長さがそれぞれ1m内外(例えば、0.9m以上1.1m以下)である。
図2及び図3に示すように、プレキャストコンクリート柱部材4は、上下方向に延在する複数の主筋7と、主筋7を囲むように水平方向に延在する複数の帯筋8と、前記主筋7を部分的に埋設し、前記帯筋8を埋設して上下方向に延在する筒形状のコンクリート部9と、コンクリート部9の上面に取り付けられた4つの鋼板部材10とを含む。
主筋7は、平面視で四角形の枠形状をなすコンクリート部9の4つの隅部11に部分的に埋設されている。主筋7の上端部は、コンクリート部9の上面から突出している。
筒形状のコンクリート部9は、内周面によってプレキャストコンクリート柱部材4を上下に貫通する中空部12を画定している。中空部12の横断面の輪郭が上下方向の中央部から上方及び下方に向かうにしたがって大きくなるように構成されていることが好ましい。図示する例では、中空部12を画定する内周面が、上下方向の中央部から上方及び下方に向かうにつれて、外方(プレキャストコンクリート柱部材4に関する「内外方向」は、プレキャストコンクリート柱部材4の上下方向に延びる中心軸線に近づく向きを「内」方とし、中心軸線から遠ざかる向きを「外」方とする)に向かうように所定の角度で傾斜している。なお、内周面の傾斜角度が途中で変わっても良く、内周面が上下方向に対して湾曲した形状であっても良い。
鋼板部材10は、コンクリート部9の上面における、隣り合う隅部11の間に延在する4つの辺部13に取り付けられる。鋼板部材10は、プレキャストコンクリート柱部材4のコンクリートの打設時に型枠内の所定の位置に配置され、型枠内に打設されたコンクリートの硬化によってコンクリート部9に付着していることが好ましい。鋼板部材10は、平面視で矩形の平板形状をなし、平坦な上面を有する。鋼板部材10の上面は、コンクリート部9の上面における鋼板部材10が配置されていない部分と面一であることが好ましい。平面視において、鋼板部材10の内側縁及び外側縁は、コンクリート部9の上面における辺部13の内側縁及び外側縁に整合している。鋼板部材10の厚さは、例えば、約9mmである。
図4及び図5に示すように、仕口部材5は、平面視で十字状に配置された鉄骨部14と、プレキャストコンクリート柱部材4のコンクリート部9の外側面の上方への延長面上に内側の主面が配置されるように鉄骨部14に溶接されたふさぎ板15とを含む。
鉄骨部14は、鉄骨梁2(図1参照)の一部を構成する。鉄骨部14は、互いに平行な1組の辺部13の延在方向と平行な水平方向に延在するH形鋼を含む第1鉄骨部材16と、一端部において第1鉄骨部材16に溶接等により接合し、第1鉄骨部材16に直交する水平方向に延在するH形鋼を含む第2鉄骨部材17と、一端部において第2鉄骨部材17とは反対側にて第1鉄骨部材16に溶接等により接合し、第1鉄骨部材16に直交する水平方向に延在するH形鋼を含む第3鉄骨部材18とを含む。第3鉄骨部材18は、第2鉄骨部材17の延長線上に配置されるため、鉄骨部14は、平面視で十字形状をなす。平面視において、鉄骨部14の十字形状の交差部が、プレキャストコンクリート柱部材4の中心軸線に整合している。第1鉄骨部材16は互いに対向する辺部13に配置された2つの鋼板部材10に直接に載置され、第2及び第3鉄骨部材17,18の各々は、対応する1つの鋼板部材10に直接に載置されている。第1~第3鉄骨部材16,17,18の幅は、対応する鋼板部材10の長さ(辺部13の延在方向に沿った長さ)以下であり、第1~第3鉄骨部材16,17,18は、コンクリート部9の上面に直接には当接していない。
複数のふさぎ板15は、全体として平面視で四角形の枠形状をなすように、隙間なく鉄骨部14に溶接によって接合し、型枠として機能する。ふさぎ板15の下縁とコンクリート部9の上面との間に隙間が生じないように仕口部材5が配置された後、現場打のコンクリートがふさぎ板15で囲まれた領域と中空部12に打設されることにより、現場打コンクリート部6が成型される。
現場打コンクリート部6は、プレキャストコンクリート柱部材4とともに、コンクリート柱1(図1参照)の一部を構成する。ふさぎ板15に囲まれた領域に鉄骨部14の十字形状の交差部が含まれるため、鉄骨部14は、互いに直交する2方向において、現場打コンクリート部6を貫通する。主筋7におけるコンクリート部9の上面から突出した部分は、その上端部を除いて現場打コンクリート部6に埋設される。
図5に示すように、プレキャストコンクリート柱部材4及び仕口部材5の上には、他のプレキャストコンクリート柱部材4が配置される。プレキャストコンクリート柱部材4のコンクリート部分の下端部には、主筋7の機械式継手を形成するためのスリーブ19が埋設されている。スリーブ19は上下方向に延在し、その下端はコンクリート部9の下面に開口している。スリーブ19の上部は、そのプレキャストコンクリート柱部材4の主筋7の下端部を受容しており、スリーブ19の下部は、その下に配置されたプレキャストコンクリート柱部材4の主筋7の上端部を受容している。スリーブ19内には、継手グラウト(図示せず)が充填されている。継手グラウトは、コンクリート部9の側面に開口してスリーブ19の下端部に連通する注入孔20から注入され、スリーブ19の上端部に連通してコンクリート部9の側面に開口する排出孔21から排出されることにより、スリーブ19内に充填される。
ふさぎ板15に囲まれた領域の現場打コンクリート部6の上面及び鉄骨部14の上面とその上に配置されたプレキャストコンクリート柱部材4のコンクリート部9との間には目地グラウト22が注入されている。目地グラウト22の一部は、中空部12の下端部にも侵入して硬化している。
図5及び図6を参照して、接合構造3の構築方法について説明する。
作業員は、プレキャストコンクリート柱部材4を工場にて製造する。プレキャストコンクリート柱部材4は、その延在方向(構築後における上下方向)が水平方向を向くように型枠を用いて製造される。製造されたプレキャストコンクリート柱部材4は、トラック等によって建築現場まで輸送される。
図6(A)に示すように、作業員は、クレーン等によって、プレキャストコンクリート柱部材4を所定の位置に配置し、仕口部材5をプレキャストコンクリート柱部材4に載置する。図5に示すように、仕口部材5は、鉄骨部14が直接に鋼板部材10に当接するように載置される。
図6(B)に示すように、作業員は、プレキャストコンクリート柱部材4の中空部12及び仕口部材5のふさぎ板15(図5参照)で囲まれた領域に、コンクリートを打設して現場打コンクリート部6を構築する。また、作業員は、2つの仕口部材5の間に鉄骨梁2の一部を構成する梁部材23を配置し、添え板及び高力ボルト(図示せず)等によって、梁部材23を鉄骨部14に接合する。
図6(C)に示すように、作業員は、設置済みのプレキャストコンクリート柱部材4よりも1つ上の階層のコンクリート柱1を構築するため、クレーン等によって、新たなプレキャストコンクリート柱部材4を設置済みのプレキャストコンクリート柱部材4の上方に配置する。この時、作業員は、図5に示すように、新たなプレキャストコンクリート柱部材4のスリーブ19に、設置済みのプレキャストコンクリート柱部材4の主筋7の上端部を挿入させる。作業員は、新たなプレキャストコンクリート柱部材4の位置調整を行った後、新たなプレキャストコンクリート柱部材4の下面とその直下の現場打コンクリート部6の上面及び鉄骨部14の上面との間に目地グラウト22を注入し、スリーブ19に継手グラウト(図示せず)を注入する。
接合構造3の作用効果について説明する。
プレキャストコンクリート柱部材4の中空部12の断面の輪郭が、中央部から上方及び下方に向かうにつれて大きくなるため、中空部12を成型するための型枠(図示せず)はテーパー形状を有して容易に脱型することができる。また、型枠によってプレキャストコンクリート柱部材4を成型するため、遠心成型する場合に比べて製造コストを抑制することができる。
プレキャストコンクリート柱部材4は、中空構造であるため、中実構造の部材に比べて軽い。このため、トラック1台当たりの輸送可能本数が増え、比較的小型のクレーンで吊り上げることができる。特に、大型物流施設用のプレキャストコンクリート柱部材4では、中実構造の柱部材だとトラック1台に1本の部材しか積載できなかったところ、トラック1台に2本のプレキャストコンクリート柱部材4を積載でき、作業効率が向上する。
仕口部材5の鉄骨部14が、プレキャストコンクリート柱部材4の鋼板部材10に直接に載置されることにより、仕口部材5とその下に主要部が配置されるプレキャストコンクリート柱部材4との間に目地材を注入するが不要となる。このため、この部分に目地材を注入するための型枠や作業のための足場が不要となり、作業効率が向上する。
また、第1鉄骨部材16に対する第2及び第3鉄骨部材17,18の溶接等によって、鉄骨部14の下面には凹凸が生じている。中実構造のプレキャストコンクリートの部材に鉄骨部14を直接に載置しようとすると、このような凹凸によって両者の間に隙間が生じてしまう。本実施形態では、プレキャストコンクリート柱部材4が中空構造であり、鉄骨部14は辺部13に配置された鋼板部材10にのみ載置されるため、凹凸が生じた部分を避けて鋼板部材10に鉄骨部14の下面の平坦な部分を当接させることができる。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。例えば、接合構造は、大型物流施設以外の建物に適用されても良い。外壁沿いや建物の隅においては、鉄骨部は平面視でT字形状やL字形状とし、鋼板部材10は、T字形状やL字形状の鉄骨部に対応する位置にのみ設けても良い。中空部を成型するための型枠として縞鋼板を用い、コンクリート部の内面にコッターを設けて、プレキャストコンクリート柱部材のコンクリート部と現場打コンクリート部との互いの付着力を高めても良い。プレキャストコンクリート柱部材のコンクリート部の上端部に機械式継手が設けられ、その上方に配置される他のプレキャストコンクリート柱部材のコンクリート部の下面から主筋が突出していても良く、コンクリート部の上端部及び下端部に機械式継手が設けられたプレキャストコンクリート柱部材と、コンクリート部の上端部及び下端部から主筋が突出してプレキャストコンクリート柱部材とを交互に用いても良い。
1 :コンクリート柱
2 :鉄骨梁
3 :接合構造
4 :プレキャストコンクリート柱部材
5 :仕口部材
6 :現場打コンクリート部
7 :主筋
9 :コンクリート部
10 :鋼板部材
11 :隅部
12 :中空部
13 :辺部
14 :鉄骨部

Claims (3)

  1. コンクリート柱と鉄骨梁との接合構造であって、
    主筋、前記主筋を少なくとも部分的に埋設したコンクリート部、上下方向に貫通する中空部、及び前記コンクリート部の上面に取り付けられて平坦な上面を有する鋼板部材を含むプレキャストコンクリート柱部材と、
    前記鉄骨梁における前記コンクリート柱を貫通する部分を構成して前記鋼板部材に直接に載置された鉄骨部を含む仕口部材と
    前記中空部に充填された現場打コンクリート部と
    を備え
    前記コンクリート部は、前記中空部の横断面の輪郭が前記上下方向の中央部から上方及び下方に向かうにしたがって大きくなるように構成された、接合構造。
  2. 平面視において、前記コンクリート部は四角形の枠形状をなし、前記主筋は前記枠形状の隅部に配置され、前記鋼板部材は互いに隣り合う隅部の間の辺部に配置され、前記鋼板部材の内側縁及び外側縁は前記辺部の内側縁及び外側縁に整合している、請求項に記載の接合構造。
  3. 前記コンクリート柱は、48N/mm以上100N/mm以下の設計基準強度と、0.9m以上1.1m以下の縦及び横方向長さの横断面寸法を有する、請求項1又は2に記載の接合構造。
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