JP7741621B2 - 揮発性薬剤含有フィルム - Google Patents

揮発性薬剤含有フィルム

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本発明は、揮発性薬剤含有フィルムに関する。
抗菌剤、防虫剤、香料などの常温で揮発する薬剤をフィルムに含有させ、薬剤を徐放させることで薬剤の効能を発揮させる揮発性薬剤含有フィルムが知られている。
揮発性薬剤の徐放性を制御する技術として、下記の特許文献1には、基材上に粘着剤層を形成した後に、粘着剤層に揮発性薬剤を含侵させる手段が開示されている。
特開平6-212136号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、より長期に亘って薬剤の効能を持たせるほどには、徐放性が制御できていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より長期に亘って薬剤の効能を持たせることのできる、揮発性薬剤含有フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る揮発性薬剤含有フィルムは、接着剤層、薬剤透過性層、および放出制御層を順に備える揮発性薬剤含有フィルムである。前記接着剤層は、揮発性薬剤および接着剤を含む組成物から形成され、前記放出制御層は、積層方向の少なくとも一方の最外層に配置され、前記放出制御層は、金属蒸着層であって、前記薬剤透過性層および前記放出制御層からなる積層体の水蒸気透過度は、1~10-2g/m2・dayである。
上述した揮発性薬剤含有フィルムによれば、放出制御層として金属蒸着層を備えるため、より長期に亘って薬剤の効能を持たせることができる。
本発明の実施形態に係る揮発性薬剤含有フィルムを示す断面図である。 変形例に係る揮発性薬剤含有フィルムを示す断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性の測定等は、室温(20~25℃)/相対湿度45~55%の条件で行う。また、揮発性薬剤を単に薬剤とも称する。
以下、図1を参照して、本実施形態に係る揮発性薬剤含有フィルム1を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る揮発性薬剤含有フィルム1を示す断面図である。
本実施形態に係る揮発性薬剤含有フィルム1は、図1に示すように、接着剤層10と、接着剤層10の上部に位置する第1薬剤透過性層20と、第1薬剤透過性層20の上部に位置する第1放出制御層30と、接着剤層10の下部に位置する第2薬剤透過性層40と、第2薬剤透過性層40の下部に位置する第2放出制御層50と、を有する。
<接着剤層10>
接着剤層10は、揮発性薬剤および接着剤を含む組成物を用いて作製される。揮発性薬剤および接着剤を含む組成物を以下、接着剤組成物とも称する。
揮発性薬剤としては、例えば、ラベンダー油、ハッカ油、レモン油、ローズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油、シトロネラ油、シナモン油、ティートリー油、ヒバ油、シナモン油、ユーカリ油、ユーカリシトリオドラ、コリアンダー油、タイム油などの植物精油からなる植物性香料などの天然香料、テルペン化合物、エステル化合物、芳香族化合物などからなる合成香料、あるいはそれらをブレンドした調合香料などの香料、イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチオシアン酸n-ブチル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸ベンジルなどのイソチオシアン酸エステル類などが挙げられる。
さらに、「揮発性」とは、25℃において薬剤として有効な程度の揮発性を示すことを意味する。
揮発性薬剤量はフィルム中、効能を発揮させる観点から、0.01g/m2以上が好ましく、0.1~20.0g/m2であることがより好ましい。かような濃度とすることで、薬剤の効果が適切に発揮される。
接着剤となり得る樹脂としては、揮発性薬剤と混合物が形成できるように、好適には、所望する揮発性薬剤との関係で、該揮発性薬剤に相溶するように適宜選択して使用すればよい。すなわち、本発明の好適な形態は、接着剤が揮発性薬剤に相溶する形態である。ここで、相溶とは両者を混合した際に均一な状態になることを指す。溶液重合によって得られる樹脂など、水や有機溶媒を含む接着剤は、樹脂と薬剤とを混合した後に溶媒を乾燥させる工程が必要となり、揮発性薬剤が揮発してしまうので不適切である。したがって、本実施形態においては、無溶剤型の接着剤を用いることが好ましい。なお、樹脂は、揮発性薬剤と相溶するものが好ましいが、揮発性薬剤を油剤等に溶解した混合物と相溶する樹脂であってもよい。
接着剤としては、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン-ブチレン共重合体・スチレン(SEBS)、スチレン・エチレン-プロピレン共重合体・スチレン(SEPS)、スチレン・ブタジエン(SB)、スチレン・イソプレン(SI)、スチレン・エチレン-ブチレン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン-プロピレン共重合体(SEP)、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-エチルアクレート共重合体(EEA)、及びこれらの混合物(例えば、ポリプロピレンとEPDMの混合物など)などの熱可塑性エラストマー系接着剤;イソプレンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどのゴム系接着剤;一成分湿気硬化形ウレタン樹脂系接着剤、二成分反応形ウレタン樹脂系接着剤などのウレタン系樹脂接着剤などが挙げられる。
また、接着剤となり得る樹脂は、揮発性薬剤と相溶する樹脂であれば、ここに例示した以外の樹脂を用いることもできる。
なお、接着剤には感圧性接着剤も含まれる。感圧性接着剤としては、特に限定されず、アクリル系感圧性接着剤、ゴム系感圧性接着剤、シリコーン系感圧性接着剤、ウレタン系感圧性接着剤、ポリエステル系感圧性接着剤、ビニルアルキルエーテル系感圧性接着剤、ポリアミド系感圧性接着剤、フッ素系感圧性接着剤などを用いることができる。上記感圧性接着剤は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
感圧性接着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系感圧性接着剤を好適に用いることができる。アクリル系感圧性接着剤を構成するアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。ここで、主成分とは、単量体中50質量%以上(上限100質量%)であることを指し、好ましくは65質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。
共重合性単量体を用いる場合、アクリル系ポリマーを構成する単量体成分のうち、0.1~35質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましい。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に限定されるものではないが、10万~100万であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
感圧性接着剤は、アクリル系ポリマーの他、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。架橋剤の添加量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001~10質量部であることが好ましく、0.005~0.5質量部であることがより好ましい。
接着剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
接着剤組成物は粘着付与剤をさらに含んでもよい。粘着付与剤としては、ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、およびこれらのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、トリエチレングリコールエステル、フェノール変性物、及びフェノール変性物のエステル化物、等のロジン類;テルペン重合体、テルペンフェノール、β-ピネン重合体、芳香族変性テルペン重合体、α-ピネン重合体およびテルペン系水素添加樹脂等のテルペン系樹脂;炭素数5の石油留分又は炭素数9の石油留分を重合した石油系樹脂、およびこれの水素添加樹脂などが挙げられる。
粘着付与剤を含む場合、接着剤組成物における含有量は、接着性を考慮して適宜設定されるが、接着剤100質量部に対して1~500質量部であることが好ましく、10~300質量部であることがより好ましい。
また、接着剤層には、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの充填剤などを配合することもできる。これらは接着剤となり得る樹脂を揮発性薬剤に相溶させる前にあらかじめ配合しておいてもよいし、接着剤となり得る樹脂を揮発性薬剤に相溶させる際に配合してもよい。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.05~50μmである。
揮発性薬剤の混合比率は、薬剤の放出性、および接着性を考慮して、接着剤層中、5~90質量%であることが好ましく、より好ましくは20~85質量%である。なお、薬剤は揮発性であるため、時間の経過とともに薬剤の含有量は低下する。
また、接着剤層の形成方法としては、例えば特開2000-343640号公報に記載の方法または特開平6-212136号公報に記載の方法を用いることができる。
<薬剤透過性層20、40>
薬剤透過性層としては、揮発性薬剤を透過するものであれば各種材料を適宜選択して使用すればよく、単層であっても複数層であってもよい。薬剤透過性層としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸などの生分解性樹脂、塩化ビニルなどの樹脂フィルム、紙、不織布、布、合成紙、そしてそれらの複合体などが挙げられる。中でも、薬剤量を制御しやすく、また機械的強度も担保されることから、薬剤透過性層は、樹脂フィルム、樹脂フィルムと紙または不織布との複合体であることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂フィルムであることがより好ましい。
樹脂フィルムに不織布または紙を積層させる場合、通常繊維質のフィルムを積層するために樹脂フィルムの表面(外面側)に接着剤を用いて両者を接着する。接着剤としては、通常のドライラミネート法やウェットラミネート法などで用いられている接着剤が使用でき、例えば、アクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系などの溶剤型接着剤又は水溶性接着剤などが好適に使用できる。
薬剤透過性層は、接着剤層の基材としても機能する。
この際、複合体を形成するために用いられる接着剤から形成される接着剤層の厚さは、薬剤の透過性や接着性などを考慮して、0.1~30μmであることが好ましい。
不織布または紙の厚さは特に限定されないが、フィルム全体の厚さを考慮すると、通常5~50μm程度である。
ここで、薬剤透過性層の薬剤の1日あたりの透過量は25℃で、全体の透過量の5%以上(上限100%)であることが好ましい。かような透過性を有することで、薬剤の効果が発揮されやすく、また、持続時間も適当になる。本明細書において、「薬剤の1日あたりの透過量」とは、薬剤がほぼ放出した時点における透過量を、開始から薬剤がほぼ放出するまでの日数で割った値を、さらに薬剤透過性層の表面積で割った値を示す。
薬剤透過性層の厚さは、徐放性、機械的強度などを考慮して適宜設定されるが、5~200μmであることが好ましく、10~100μmであることがより好ましい。
<放出制御層30、50>
放出制御層は、揮発性薬剤の放出量を制御する。放出制御層は、揮発性薬剤含有フィルム1の積層方向の双方の最外層に配置されている。
放出制御層は、金属(例えば、アルミニウム、スズなど)、および金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなど)のような金属蒸着層である。放出制御層は、薬剤の放出量を制御しやすいことから、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素であることが好ましく、アルミニウムであることがより好ましい。
蒸着方法としては、化学蒸着法、物理蒸着法を用いることができる。また、蒸着を施す基材(薬剤透過性層)には蒸着前に表面処理などの前処理を行ってもよい。表面処理の方法としては、イオン照射、電子線照射、レーザー照射、コロナ放電、グロー放電、プラズマ照射、火炎処理等がある。また、これらの表面処理に加えて、アンカーコートを行うと密着力がさらに改善される場合がある。アンカーコートで使用するアンカーコート剤の例としては、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、等がある。
ここで、放出制御層における薬剤の1日あたりの透過量は、薬剤透過性層20、40の1日あたりの透過量よりも少ない。
また、薬剤透過性層および放出制御層からなる積層体の水蒸気透過度は、1~10-2g/m2・dayであることが好ましい。このような構成によれば、上述したように薬剤の1日当たりの放出量を所望の量とすることができる。
金属蒸着層面の水蒸気透過度は、JIS K7129:2008(A法)に準じて、水蒸気透過度計(LYSSY社製、製品名「L80-5000」を使用して測定する。
水蒸気透過度を上記の範囲に制御する方法としては、成膜速度を遅くする、成膜時間を短くすることが挙げられる。
金属蒸着層は通常、ガスバリア性を有するが、水蒸気透過度が上述の範囲となるように、金属蒸着の程度を制御することで、金属蒸着層がない構成よりも薬剤の透過量を低くしつつ、微量の薬剤を透過させることができる。したがって、長期にわたって薬剤を放出させることができる。
放出制御層の厚みは、徐放性を考慮して適宜設定されるが、100Å~1000Åであることが好ましい。放出制御層の厚みが厚い場合、薬剤の放出量は低減する。ここで、放出制御層の厚みは、光学濃度OD値から換算することができる。
なお、放出制御層の薬剤透過性層とは反対側の面に、薬剤不透過性フィルムからなる保護フィルムを積層することにより、揮発性薬剤含有フィルムの使用時まで揮発性薬剤が放出しないようにすることもできる。
以上説明したように、本実施形態に係る揮発性薬剤含有フィルム1は、接着剤層10、薬剤透過性層20、40、および放出制御層30、50を備える揮発性薬剤含有フィルム1である。接着剤層10は、揮発性薬剤および接着剤を含む組成物からなり、放出制御層30、50は、積層方向の少なくとも一方の最外層に配置され、放出制御層30、50は、金属蒸着層であって、薬剤透過性層および放出制御層からなる積層体の水蒸気透過度は、1~10-2g/m2・dayである。このように構成された揮発性薬剤含有フィルム1によれば、放出制御層として金属蒸着層を備えるため、より長期に亘って薬剤の効能を持たせることができる。
また、放出制御層30、50は、積層方向の双方の最外層に配置される。このように構成された揮発性薬剤含有フィルム1によれば、より好適に薬剤の放出を制御することができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る揮発性薬剤含有フィルム1を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、薬剤透過性層20、40および放出制御層30、50は、それぞれ2つ設けられた。しかしながら、図2に示すように、揮発性薬剤含有フィルム2は、1つの放出制御層30を有する構成であってもよい。このとき、接着剤層10の下側には、薬剤不透過性層60が設けられる。薬剤不透過性層60としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデンなどの樹脂フィルム;樹脂フィルムに金属(例えば、アルミニウムなど)、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなど)などの蒸着層を設けたもの、金属箔などが挙げられる。加工性や軽量性の観点からは基材は樹脂フィルムであることが好ましく、中でも、寸法安定性の観点から、基材は、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。揮発性薬剤不透過性層は、延伸フィルムであってもよいし、無延伸フィルムであってもよく、工程材料を用いてキャスティング法等で形成したものであってもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
[実施例1]
イソチオシアン酸アリル1350gに、芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンTO105」)600gとスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体樹脂(クレイトンポリマー社製「クレイトン(登録商標)D1161J」)300gを攪拌しながら加えて溶解させた。得られた溶液を揮発性薬剤不透過性層(基材)である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラー(登録商標)T60」)にイソチオシアン酸アリルの接着剤層含有量が2g/m2となるように塗布した。塗布の際、塗布温度は25℃、溶液粘度は500mPa・sで行った。その後、接着剤層上に薬剤透過性層(OPP:フタムラ化学社製、FOS、厚さ40μm、薬剤の1日あたりの透過量0.45g/m2)および放出制御層であるアルミ蒸着層の積層体(放出制御層の薬剤の1日あたりの透過量0.038g/m2)の薬剤透過性層面を貼り合わせた。その後、アルミ製の封入フィルム内に入れ、2日間放置して接着剤層を形成させて、揮発性薬剤含有フィルムを得た。なお、OPPとアルミ蒸着との積層体の水蒸気透過度は、1g/m2・dayであり、OPPの水蒸気透過度は、4.5g/m2・dayであった
[実施例2]
1.アクリル系共重合体の製造
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、ブチルアクリレート90質量部、アクリル酸10質量部の組成を有するモノマー混合物、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) モノマー混合物100質量部に対して0.25質量部、および酢酸エチル(溶剤) モノマー混合物100質量部に対して200質量部を添加し、窒素置換を行いながら65℃まで加温した後、重合を行って、アクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、50万であった。
2.感圧性接着剤組成物の作製
1.で得られたアクリル系共重合体100質量部に対して、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(固形分75質量%、NCO13.2質量%)2質量部(カルボキシル基に対するイソシアネート基の当量:22mol%)を添加・混合して感圧性接着剤組成物を作製した。
3.揮発性薬剤含有フィルムの作製
2.で得られた感圧性接着剤組成物を厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラー(登録商標)T60」)上にナイフコーターにより乾燥膜厚30μmとなるように塗布した後、乾燥させて、接着剤層を形成した。
この後、イソチオシアン酸アリルを含浸量が接着剤層に対して2g/m2となるようにグラビアコーターにより含浸させて、接着剤層にイソチオシアン酸アリルが保持された揮発性薬剤層を形成した
この積層体の接着剤層側に、薬剤透過性層(OPP:フタムラ化学社製、FOS、厚さ40μm、薬剤の1日あたりの透過量0.45g/m2)および放出制御層であるアルミ蒸着層の積層体(放出制御層の薬剤の1日あたりの透過量0.038g/m2)の薬剤透過性層面を積層させて、揮発性薬剤含浸フィルムを得た。
[比較例1]
実施例1において、薬剤透過性層および放出制御層の積層体の代わりに、OPPフィルム(OPP:フタムラ化学社製、FOS、厚さ40μm、薬剤の1日あたりの透過量0.45g/m2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして揮発性薬剤含有フィルムを得た。
(評価方法)
上記で得られたフィルムを100mm×100mmサイズに切り出し(イソチオシアン酸アリル0.02g)、23℃50%環境下に静置した。時間経過ごとにサンプル質量を測定し、質量変化量を測定した。
質量の減少量を下記表1に示す。
上記結果より、実施例1、2の揮発性薬剤含有フィルムは、比較例1の揮発性薬剤含有フィルムと比較して、より長期に亘ってイソチオシアン酸エステルの効能を持たせることができることがわかる。
1、2 揮発性薬剤含有フィルム、
10 接着剤層、
20、40 薬剤透過性層、
30、50 放出制御層。

Claims (3)

  1. 接着剤層、薬剤透過性層、および揮発性薬剤の放出量を制御する放出制御層を順に備える揮発性薬剤含有フィルムであって、
    前記接着剤層は、揮発性薬剤およびアクリル系感圧性接着剤を含む組成物から形成され、
    前記放出制御層は、積層方向の一方の最外層に配置され、
    前記放出制御層は、100Å~1000Åの厚みを備えるアルミニウム蒸着層であって、
    前記積層方向の他方の最外層には、薬剤不透過性層としてのポリエチレンテレフタレートが配置される、揮発性薬剤含有フィルム。
  2. 前記薬剤透過性層および前記放出制御層からなる積層体の水蒸気透過度は、1~10-2g/m2・dayである、請求項1に記載の揮発性薬剤含有フィルム。
  3. 前記薬剤透過性層は、ポリオレフィン系樹脂フィルムである、請求項1または2に記載の揮発性薬剤含有フィルム。
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