以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる形態で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、以下に示される複数の実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。また、1つの実施の形態の中に複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
また、図面等において、大きさ、層の厚さ、領域等は、明瞭化のため誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。
また、図面等において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「上」や「下」などの配置を示す用語は、構成要素の位置関係が、「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。
また、本明細書等において、「電気的に接続」とは、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、容量素子、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「電圧」とは、ある電位と基準の電位(例えば、グラウンド電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧と電位差とは言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む、少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域、またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域、またはソース電極)の間にチャネル形成領域を有しており、チャネル形成領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル形成領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等において、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。つまり、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流、という場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソース電流をいう場合がある。また、オフ電流と同じ意味で、リーク電流という場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインの間に流れる電流を指す場合がある。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorともいう)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼ぶことができる。以下、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタを、「酸化物半導体トランジスタ」、「OSトランジスタ」ともいう。また、上述した、「酸化物半導体を用いたトランジスタ」も、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタである。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。金属酸化物の詳細については後述する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一形態に係わる撮像装置の構成例について説明する。本発明の一形態に係わる撮像装置は、半導体基板に形成されたトランジスタを有する層と、OSトランジスタを有する層とが積層され、さらに、半導体基板に形成されたトランジスタおよびフォトダイオードを有する層が貼り合わされて積層された構造を有する。
<撮像装置の構成例>
図1(A)は、本発明の一形態に係わる撮像装置10の構成例を示す斜視図である。
撮像装置10は、層100、層200、および層300を有する。撮像装置10は、図1(A)に示すように、層100上に層200が積層され、層200上に層300が積層された構造を有する。なお、層100と層200の間には、層間絶縁層を設けることができる。
図1(B)は、撮像装置10の構成例を、より分かりやすく説明するための斜視図である。
層100、層200、および層300には、それぞれ、半導体特性を利用することで機能しうる装置または回路が設けられており、層100には信号処理回路110が設けられ、層200には記憶装置210が設けられ、層300にはイメージセンサ310が設けられている。
<信号処理回路110>
信号処理回路110は、記憶装置210およびイメージセンサ310の動作を制御する機能、イメージセンサ310が生成した画像データを処理する機能、撮像装置10を搭載した電子機器との間でデータおよび制御信号等を送受信する機能、等を有する。
具体的には、例えば、信号処理回路110は、制御回路111、制御回路112、画像処理回路113、および入出力回路114を有する(図1(B)参照)。
制御回路111は、記憶装置210に書き込まれるデータ、データの読み書きを行う記憶装置210のアドレスを指定するアドレス信号、および、記憶装置210の動作を制御するための制御信号、等を供給する機能を有する。また、制御回路111は、記憶装置210から読み出されたデータを受信する機能を有する。
制御回路112は、イメージセンサ310が生成した画像データを受信する機能、および、イメージセンサ310の動作を制御するための制御信号等を供給する機能を有する。制御回路112は、アナログデジタル変換回路(Analog-Digital Converter:ADC)を有していてもよい。
画像処理回路113は、イメージセンサ310が生成した画像データに対して、例えば、ガンマ補正、調光処理、調色処理、ノイズ除去、歪み補正、ビデオコーデックなどを行う機能を有する。また、画像処理回路113は、顔検出、自動シーン認識、ハイダイナミックレンジ合成(High Dynamic Range Rendering:HDR)を行う機能を有していてもよい。
ここで、自動シーン認識とは、外部環境などのシーンを認識して、露光、フォーカス、フラッシュなどを自動的に調整することをいう。画像処理回路113は、上記すべての処理を行う必要はなく、必要に応じて取捨することができる。
入出力回路114は、撮像装置10を搭載した電子機器との間でデータおよび制御信号等を送受信する機能を有する。入出力回路114には、例えば、LVDS(Low-Voltage Differential Signaling)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)、SPI(Serial Peripheral Interface)等のインターフェースが使用される。
その他、信号処理回路110は、バスライン115、電源回路116等を有していてもよい。図1(B)では、バスライン115を介して、制御回路111、制御回路112、画像処理回路113、および入出力回路114が接続されている様子を示している。
信号処理回路110は、半導体基板SUB1に形成されたトランジスタを用いて構成されている。半導体基板SUB1は、トランジスタのチャネル領域を形成することが可能であれば、特に限定されない。例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、化合物半導体基板(SiC基板、GaN基板など)、SOI(Silicon on Insulator)基板などを用いることができる。
また、SOI基板として、鏡面研磨ウェハーに酸素イオンを注入した後、高温加熱することにより、表面から一定の深さに酸化層を形成させるとともに、表面層に生じた欠陥を消滅させて形成されたSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板や、水素イオン注入により形成された微小ボイドの熱処理による成長を利用して半導体基板を劈開するスマートカット法、ELTRAN法(登録商標:Epitaxial Layer Transfer)などを用いて形成されたSOI基板を用いてもよい。単結晶基板を用いて形成されたトランジスタは、チャネル形成領域に単結晶半導体を有する。
本実施の形態では、一例として、半導体基板SUB1に単結晶シリコン基板を用いた場合について説明する。以下、単結晶シリコン基板に形成されたトランジスタを、Siトランジスタという。
<記憶装置210>
記憶装置210は、層100と層200を接続する配線CLを介して、制御回路111と接続されている。配線CLは、層100と層200間のコンタクトホールに形成された導電体によって形成される。そして、記憶装置210と制御回路111間のデータおよび信号の入出力は、配線CLを介して行われる。
層200に設けられた記憶装置210は、セルアレイ211、駆動回路221、駆動回路222を有する。また、セルアレイ211は、マトリクス状に配置された複数のメモリセル212によって構成されている。
メモリセル212は、データを記憶する機能を有する。メモリセル212は、2値(ハイレベルおよびローレベル)のデータを記憶する機能を有していてもよいし、4値以上の多値データを記憶する機能を有していてもよい。また、メモリセル212は、アナログデータを記憶する機能を有していてもよい。
駆動回路221は、メモリセル212を選択する機能を有する。具体的には、駆動回路221は、データの書き込みまたは読み出しを行うメモリセル212を選択するための信号(以下、選択信号ともいう)を、メモリセル212と接続された配線に供給する機能を有する。
駆動回路222は、メモリセル212にデータを書き込む機能と、メモリセル212に記憶されたデータを読み出す機能とを有する。具体的には、駆動回路222は、データの書き込みを行うメモリセル212と接続された配線に、メモリセル212に記憶されるデータに対応する電位(以下、書き込み電位ともいう)を供給する機能を有する。また、駆動回路222は、メモリセル212に記憶されたデータに対応する電位(以下、読み出し電位ともいう)を読み出し、配線CLを介して制御回路111に出力する機能を有する。
層100に設けられた制御回路111から駆動回路221には、アドレス信号、クロック信号、およびタイミング信号などが配線CLを介して入力される。そして、駆動回路221はこれらの信号を用いて選択信号を生成する。なお、駆動回路221から選択信号が出力されるタイミングは、制御回路111から入力されたタイミング信号によって制御される。
また、層100に設けられた制御回路111から駆動回路222には、アドレス信号、クロック信号、タイミング信号、およびメモリセル212に書き込まれるデータなどが、配線CLを介して供給される。そして、駆動回路222はこれらの信号を用いて書き込み電位を生成する。なお、駆動回路222から書き込み電位が出力されるタイミングは、制御回路111から入力されたタイミング信号によって制御される。
なお、図1(B)では、駆動回路221および駆動回路222と接続された配線CLを、1本にまとめて図示している。
メモリセル212、駆動回路221、および駆動回路222は、OSトランジスタによって構成されている。酸化物半導体のバンドギャップは2.5eV以上、好ましくは3.0eV以上であるため、OSトランジスタは熱励起によるリーク電流が小さく、またオフ電流が極めて小さい。なお、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。
トランジスタのチャネル形成領域に用いられる酸化物半導体は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含む酸化物半導体であることが好ましい。このような酸化物半導体としては、In-M-Zn酸化物(元素Mは、例えばAl、Ga、YまたはSn)が代表的である。電子供与体(ドナー)となる水分、水素などの不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、酸化物半導体をi型(真性)、または実質的にi型にすることができる。このような酸化物半導体は、高純度化された酸化物半導体と呼ぶことができる。なお、OSトランジスタの詳細については、実施の形態3で説明する。
OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、メモリセル212に用いるトランジスタとして好適である。OSトランジスタは、例えば、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を、100zA/μm以下、または10zA/μm以下、または1zA/μm以下、または10yA/μm以下とすることができる。OSトランジスタをメモリセル212に用いることにより、メモリセル212に記憶されたデータを長期間に渡って保持することができる。
メモリセル212にOSトランジスタを用いることで、メモリセル212のリフレッシュ頻度を少なくすることができる。または、メモリセル212のリフレッシュ動作を不要にすることができる。また、メモリセル212のリフレッシュ頻度を少なくすることで、記憶装置210の消費電力を低減することができる。または、メモリセル212のリフレッシュ動作を不要にすることで、リフレッシュ動作に要する回路を削減することができる。
また、OSトランジスタはリーク電流が非常に小さいため、メモリセル212に対して、多値データまたはアナログデータを保持することができる。また、OSトランジスタは高温下でもオフ電流が増加しにくいため、信号処理回路110またはイメージセンサ310の発熱による高温下においても、メモリセル212に記憶されたデータの消失が生じにくい。OSトランジスタを用いることで、記憶装置210の信頼性を高めることができる。
図2(A)は、OSトランジスタを用いたメモリセル212の構成例を示す回路図である。図2(A)に示すメモリセル212は、トランジスタ213、容量素子214を有する。なお、図中の「OS」の符号は、OSトランジスタであることを示している。
トランジスタ213のゲートはノードa1と接続され、ソースまたはドレインの一方は容量素子214の一方の電極と接続され、ソースまたはドレインの他方はノードa2と接続されている。容量素子214の他方の電極は、定電位(例えば、低電源電位)が供給されるノードa3と接続されている。また、ノードa1は図1(B)における駆動回路221と接続され、ノードa2は図1(B)における駆動回路222と接続されている。なお、トランジスタ213のソースまたはドレインの一方、および容量素子214の一方の電極と接続されたノードをノードN1とする。
メモリセル212にデータを書き込む際は、ノードa2に書き込み電位を供給する。そして、ノードa1に選択信号(ハイレベルの電位)を供給することにより、トランジスタ213をオン状態にする。これにより、書き込み電位がノードN1に書き込まれる。その後、ノードa1にローレベルの電位を供給することにより、トランジスタ213をオフ状態にする。これにより、ノードN1がフローティング状態となり、書き込み電位が保持される。
メモリセル212に記憶されたデータを読み出す際は、ノードN1の電位が読み出し電位となる。ノードa1に選択信号(ハイレベルの電位)を供給することにより、トランジスタ213をオン状態にする。これにより、ノードa2の電位がノードN1の電位に応じて決定される。このようにして、メモリセル212に記憶されたデータが読み出される。
トランジスタ213にはOSトランジスタが用いられているため、ノードN1の電位は長期間に渡って保持される。これにより、データのリフレッシュ頻度を少なくすることが可能となり、消費電力を低減することができる。図2(A)に示す回路によってメモリセル212が構成される記憶装置210を、本明細書等では、DOSRAMと呼ぶ。
メモリセル212は、バックゲートを有するトランジスタを用いてもよい。図2(B)に、バックゲートを有するトランジスタ215を用いたメモリセル212の構成例を示す。図2(B)に示すメモリセル212は、トランジスタ215、容量素子214を有する。
トランジスタ215のバックゲートは、ノードa4と接続されている。ノードa4に任意の電位を印加することで、トランジスタ215のしきい値電圧を増減することができる。例えば、バックゲートに負電位(ノードa2およびノードN1より低い電位)を印加することで、しきい値電圧は増加し、オフ電流を小さくすることができる。
また、図2(C)に示すように、トランジスタ215のバックゲートを、ノードa1に接続してもよい。トランジスタ215のバックゲートをノードa1に接続することで、トランジスタ215が導通状態のとき、トランジスタ215に流れる電流を増加することができる。なお、図2(B)および図2(C)において、バックゲート以外の説明は図2(A)と同様のため、省略する。
図1(B)に示す駆動回路221および駆動回路222も、上記のメモリセル212と同様、OSトランジスタによって構成されている。すなわち、メモリセル212、駆動回路221、および駆動回路222はSiトランジスタを含まず、nチャネル型のOSトランジスタによって構成されている。このように、同一の極性のトランジスタによって構成されている回路を、以下、単極性回路ともいう。すなわち、層200は、OSトランジスタを用いた単極性回路によって構成された記憶装置210を有する。
なお、記憶装置210を制御する制御回路111は、層100に設けられており、Siトランジスタを用いたCMOS回路などによって構成することができる。これにより、動作が高速で高性能な制御回路111を構成し、これを用いて記憶装置210を動作させることができる。
なお、上記では層200に設けられる回路にOSトランジスタが用いられる構成について説明したが、酸化物半導体以外の半導体材料を含む膜にチャネル領域が形成されるトランジスタを用いることもできる。このようなトランジスタとしては、例えば、非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜、多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、非晶質ゲルマニウム膜、微結晶ゲルマニウム膜、多結晶ゲルマニウム膜、または単結晶ゲルマニウム膜を半導体層に用いたトランジスタが挙げられる。
<イメージセンサ310>
イメージセンサ310は、半導体基板SUB2に形成されたトランジスタを用いて構成されている。半導体基板SUB2は、トランジスタのチャネル領域を形成することが可能であれば、特に限定されない。半導体基板SUB2の説明は、半導体基板SUB1と同様のため、省略する。また、本実施の形態では、一例として、半導体基板SUB2に単結晶シリコン基板を用いた場合について説明する。
イメージセンサ310は、層100と層200を接続する配線CL、および、層200の最表面に設けられた導電体201と、層300の最表面に設けられた導電体301が、電気的な接続を有することで、制御回路112と接続されている。イメージセンサ310と制御回路112間のデータおよび信号の入出力は、配線CL、導電体201、および導電体301を介して行われる。
ここで、層200の表面とは記憶装置210が形成された面であり、層300の表面とはイメージセンサ310が形成された面である。すなわち、イメージセンサ310が形成された面が、記憶装置210が形成された面と接するように、層300は層200上に積層される。
イメージセンサ310は、画素アレイ311、駆動回路321、駆動回路322を有する。また、画素アレイ311は、マトリクス状に配置された複数の画素312によって構成される。
画素312は、光の強度を電気信号に変換する機能を有する。複数の画素312によって得られた電気信号は、駆動回路322によって読み出され、画像データとしてイメージセンサ310から制御回路112へ出力される。
ここで、層300は、イメージセンサ310が形成された面と、記憶装置210が形成された面が接するように積層されるため、光20は、層300のイメージセンサ310が形成されていない面から入射される(図1(B)参照)。そのため、層300は、光が透過できる程度に薄膜化されている。
そして、駆動回路321は、画素312を選択する機能を有する。具体的には、駆動回路321は、データの読み出しを行う画素312を選択するための選択信号を、画素312と接続された配線に供給する機能を有する。
駆動回路322は、画素312から電気信号を読み出す機能を有する。駆動回路322は、読み出した電気信号に対し、ノイズ除去、アナログデジタル変換等を行う機能を有していてもよい。例えば、ノイズ除去を行う回路としてCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)回路、アナログデジタル変換を行なう回路として列並列型(カラム型)アナログデジタル変換回路を有している場合がある。
アナログデジタル変換回路は、駆動回路322、もしくは、層100に設けられた制御回路112のどちらかに有していればよい。または、駆動回路322と制御回路112の両方に有していてもよい。アナログデジタル変換回路を有することで、イメージセンサ310が生成した画像データを、デジタル信号として処理することができる。
層100に設けられた制御回路112から駆動回路321には、クロック信号、およびタイミング信号などが、配線CL、導電体201、および導電体301を介して入力される。そして、駆動回路321はこれらの信号を用いて選択信号を生成する。なお、駆動回路321から選択信号が出力されるタイミングは、制御回路112から入力されたタイミング信号によって制御される。
また、駆動回路322は、画素312から読み出した電気信号を、画像データとして出力する機能を有する。駆動回路322は、導電体301、導電体201、および配線CLを介して、画像データを制御回路112に出力する。
なお、図1(B)では、駆動回路321および駆動回路322と接続された配線CLを1本に、導電体201、および導電体301を1つに、それぞれまとめて図示している。
<画素312>
図2(D)は、画素312の構成例を示す回路図である。図2(D)に示す画素312は、光電変換素子313、トランジスタ314、トランジスタ315、トランジスタ316、トランジスタ317、および容量素子318を有する。
光電変換素子313としては、例えば、p型シリコン半導体とn型シリコン半導体を用いたpn接合型フォトダイオードを用いることができる。また、p型シリコン半導体とn型シリコン半導体の間に、i型シリコン半導体層を設けたpin型のフォトダイオードであってもよい。または、非晶質シリコン膜や微結晶シリコン膜などを用いたpin型のダイオード素子、ダイオード接続のトランジスタ、光電効果を利用した可変抵抗などをシリコン、ゲルマニウム、セレンなどを用いて形成してもよい。
また、光電変換素子313として、放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料を用いてもよい。放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料としては、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ガリウムヒ素、CdTe、CdZnなどがある。
そして、トランジスタ314のソースまたはドレインの一方は、光電変換素子313のカソードと電気的に接続され、他方はノード331(電荷蓄積部)と電気的に接続されている。光電変換素子313のアノードは、配線334と電気的に接続されている。
トランジスタ315のソースまたはドレインの一方は、ノード331と電気的に接続され、他方は配線332と電気的に接続されている。トランジスタ316のゲートはノード331と電気的に接続され、ソースまたはドレインの一方は配線333と電気的に接続され、他方はトランジスタ317のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ317のソースまたはドレインの他方は、配線332と電気的に接続されている。容量素子318の一方の電極はノード331と電気的に接続され、他方の電極は配線334と電気的に接続される。
トランジスタ314は、転送トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ314のゲートには、転送信号TXが供給される。トランジスタ315は、リセットトランジスタとしての機能を有する。トランジスタ315のゲートには、リセット信号RSTが供給される。トランジスタ316は、増幅トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ317は、選択トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ317のゲートには、選択信号SELが供給される。
また、配線332に高電源電位VDDが供給され、配線334には低電源電位VSSが供給される。ここで、本明細書等において、高電源電位とは、低電源電位よりも高い電位の電源電位のことである。また、低電源電位とは、高電源電位よりも低い電位の電源電位である。
次に、図2(D)に示す画素312の動作について説明する。
まず、トランジスタ315をオン状態にして、ノード331にVDDを供給する(リセット動作)。その後、トランジスタ315をオフ状態にすると、ノード331にVDDが保持される。
次に、トランジスタ314をオン状態とすると、光電変換素子313の受光量に応じて、ノード331の電位が変化する(蓄積動作)。その後、トランジスタ314をオフ状態にすると、ノード331の電位が保持される。
そして、トランジスタ317をオン状態とすると、ノード331の電位に応じた電位が配線333から出力される(選択動作)。配線333の電位を検出することで、光電変換素子313の受光量を知ることができる。
上記の動作を、画素アレイ311が有するすべての画素312にて行い、駆動回路322が電気信号を読み出すことで、イメージセンサ310は画像データを生成することができる。
なお、上述した画素312の構成は一例であり、一部の回路、一部のトランジスタ、または一部の容量素子などが含まれない場合がある。または、上述した画素312の構成に含まれない回路、トランジスタ、または容量素子などが含まれる場合もある。または、一部の電源電位が異なる場合もある。
<撮像装置10>
上記のように、撮像装置10は、層100上に層200が、層200上に層300が積層された構造を有し、信号処理回路110、記憶装置210、およびイメージセンサ310を有する。撮像装置10は、イメージセンサ310が生成した画像データに、アナログデジタル変換、ノイズ除去、その他各種画像処理を行ってから、撮像装置10を搭載した電子機器にデータを出力することができる。そのため、撮像装置10を搭載した電子機器を小型化、軽量化することができる。
また、撮像装置10は、OSトランジスタによって構成された記憶装置210を有し、撮像した画像データを記憶装置210に保存することで、入出力回路114が撮像装置10を搭載した電子機器との間でデータを送受信する速度(データ転送速度)を超える高速撮像を行うことができる。
また、OSトランジスタは、層100上に形成することができるため、非特許文献1で示されている撮像装置の作製方法より、貼り合わせ工程および薄膜化工程を少なくすることができる。また、撮像装置10は、層200を複数有していてもよい。撮像装置10が、層200を2層有する例を、図3に示す。図3に示す撮像装置15は、層100、層200a、層200、および層300を有する。層200aは、導電体201を有さない以外は層200と同様のため、説明を省略するが、撮像装置10は、層200を増やすことで記憶容量を容易に増やすことができる。
また、記憶装置210を構成するOSトランジスタはリーク電流が非常に小さいため、メモリセル212に記憶されたデータを長期間に渡って保持することができる。このことは、メモリセル212のリフレッシュ頻度を少なく、または、リフレッシュ動作を不要にすることができ、記憶装置210の消費電力を低減することができる。また、OSトランジスタは高温下でもオフ電流が増加しにくいため、高温下においてもメモリセル212に記憶されたデータの消失が生じにくい。すなわち、記憶装置210の信頼性を高めることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した撮像装置10の断面構成例について説明する。
なお、信号処理回路110は半導体基板SUB1に形成されたトランジスタを用いて構成され、イメージセンサ310は半導体基板SUB2に形成されたトランジスタを用いて構成されているため、層100と層300は、異なる半導体基板に形成されたトランジスタを用いて構成されている。また、記憶装置210はOSトランジスタによって構成され、層200は層100上に形成されているため、層200は半導体基板SUB1の上方に構成されている。
図4および図5に、層100および層200の断面構成例を示し、図6に、層300の断面構成例を示す。
<層100および層200>
図4に示す層100および層200の断面構成例は、トランジスタ400a、トランジスタ400b、トランジスタ500、および容量素子600を含んでいる。図5(A)はトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図5(B)はトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図5(C)はトランジスタ400aのチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタである。トランジスタ500は、オフ電流が極めて小さいため、これをメモリセル212に用いることにより、長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作の頻度が少ない、もしくは、リフレッシュ動作を必要としないため、記憶装置210の消費電力を低減することができる。
図4に示すように、トランジスタ500は、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bの上方に設けられ、容量素子600は、トランジスタ500の上方に設けられている。
トランジスタ400aは、半導体基板411上に設けられ、導電体416、絶縁体415、半導体基板411の一部からなる半導体領域413、ソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域414aおよび低抵抗領域414b、を有する。同様に、トランジスタ400bは半導体基板411上に設けられ、導電体416、絶縁体415、半導体基板411の一部からなる半導体領域417、ソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域418aおよび低抵抗領域418b、を有する。なお、半導体基板411は、実施の形態1における半導体基板SUB1に対応する。
図5(C)のトランジスタ400aのチャネル幅方向の断面図に示すように、半導体領域413の上面およびチャネル幅方向の側面が、絶縁体415を介して導電体416に覆われている。このように、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bは、Fin型のトランジスタである。トランジスタ400aおよびトランジスタ400bをFin型のトランジスタとすることにより、実効上のチャネル幅が増大し、トランジスタのオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bのオフ特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、一例として、半導体基板411にn型の単結晶シリコン基板を用いている。また、半導体領域417は、半導体基板411の一部に設けられた、p型半導体のウェルの一部である。すなわち、トランジスタ400aはpチャネル型のトランジスタとして機能し、トランジスタ400bはnチャネル型のトランジスタとして機能する。
また、半導体基板411は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。または、結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。または、GaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ400をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域414a、低抵抗領域414b、および半導体領域417は、半導体領域413に適用される半導体材料に加え、ホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。また、低抵抗領域418aおよび低抵抗領域418bは、半導体領域417に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体416は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数が定まるため、導電体の材料を変更することでトランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために、導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層して用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図4に示すトランジスタ400aおよびトランジスタ400bは一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、トランジスタ500と同様に、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bに酸化物半導体を用いる構成としてもよい。
そして、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bを覆って、絶縁体420、絶縁体422、絶縁体424、および絶縁体426が、順に積層して設けられている。
絶縁体420、絶縁体422、絶縁体424、および絶縁体426として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体422は、その下方に設けられるトランジスタ400aなどによって生じる段差を平坦化する、平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体422の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法などを用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体424には、半導体基板411またはトランジスタ400aなどから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。例えば、水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。
トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子は、当該半導体素子に水素が拡散することで、特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bとの間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析(TDS分析:Thermal Desorption Spectroscopy)法などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体424の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体424の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体426は、絶縁体424より誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体426の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また、例えば、絶縁体426の比誘電率は、絶縁体424の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体420、絶縁体422、絶縁体424、および絶縁体426には、容量素子600またはトランジスタ500と接続する、導電体428および導電体430等が埋め込まれている。なお、導電体428および導電体430は、プラグまたは配線としての機能を有する。
ここで、プラグまたは配線としての機能を有する導電体には、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグおよび配線(導電体428および導電体430など)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体426および導電体430上に、配線層を設けてもよい。例えば、図4において、絶縁体450、絶縁体452、および絶縁体454が順に積層して設けられている。また、絶縁体450、絶縁体452、および絶縁体454には、導電体456が形成されている。導電体456は、トランジスタ400a等と接続するプラグ、または配線としての機能を有する。なお、導電体456は、導電体428および導電体430と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体450は、絶縁体424と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体456は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。この場合、水素に対するバリア性を有する絶縁体450が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bと、トランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bから、トランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体として、例えば、窒化タンタルを用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bからの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体450と接する構造であることが好ましい。
絶縁体454および導電体456上に、配線層を設けてもよい。例えば、図4において、絶縁体460、絶縁体462、および絶縁体464が順に積層して設けられている。また、絶縁体460、絶縁体462、および絶縁体464には、導電体466が形成されている。導電体466は、プラグまたは配線としての機能を有する。なお、導電体466は、導電体428および導電体430と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体460は、絶縁体424と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体466は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。この場合、水素に対するバリア性を有する絶縁体460が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bと、トランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bから、トランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
上記において、導電体456を含む配線層および導電体466を含む配線層について説明したが、層100および層200の断面構成は、これに限られるものではない。導電体456を含む配線層と同様の配線層を1層にしてもよいし、導電体456を含む配線層と同様の配線層を3層以上にしてもよい。
ここで、トランジスタ400aのゲートは、導電体428、導電体430、導電体456、および導電体466等を介して、トランジスタ500のソースおよびドレインの一方と電気的に接続されている。この一連の配線が、実施の形態1における配線CLに対応する。
絶縁体464上には、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、および絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、および絶縁体516のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510および絶縁体514には、例えば、半導体基板411、またはトランジスタ400aおよびトランジスタ400bを設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体424と同様の材料を用いることができる。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510および絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512および絶縁体516には、絶縁体420と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512および絶縁体516として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、および絶縁体516には、導電体518およびトランジスタ500を構成する導電体(導電体503(図5(A)参照))等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600またはトランジスタ400aと接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体518は、導電体428および導電体430と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510および絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bと、トランジスタ500とは、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で分離することができ、トランジスタ400aおよびトランジスタ400bから、トランジスタ500への水素等の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図5(A)、(B)に示すように、トランジスタ500は、絶縁体514および絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516と導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に、互いに離して配置された導電体542aおよび導電体542bと、導電体542aおよび導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の中に配置された導電体560と、酸化物530b、導電体542a、導電体542b、および絶縁体580と、導電体560と、の間に配置された絶縁体550と、酸化物530b、導電体542a、導電体542b、および絶縁体580と、絶縁体550と、の間に配置された酸化物530cと、を有する。
また、図5(A)、(B)に示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542aおよび導電体542bと、絶縁体580の間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図5(A)、(B)に示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図5(A)、(B)に示すように、絶縁体580、導電体560、および絶縁体550の上に、絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、および酸化物530cをまとめて、酸化物530という場合がある。また、導電体542aおよび導電体542bをまとめて、導電体542という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域とその近傍において、酸化物530a、酸化物530b、および酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、または4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図4、図5(A)(B)に示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542aおよび導電体542bは、それぞれソース電極またはドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、および導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542aおよび導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができ、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、例えば、層200に設けられた記憶装置210の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542aまたは導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542aおよび導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することで、トランジスタ500のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、および導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、および導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界とがつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514および絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。
絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、および絶縁体550は、ゲート絶縁体としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、昇温脱離ガス分析(TDS分析)法にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、または3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素や不純物の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524や、酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などの、いわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、および酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出や、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
または、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。または、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、high-k材料の絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
なお、絶縁体520、絶縁体522、および絶縁体524が、4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。
酸化物530においてチャネル形成領域として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530aまたは酸化物530bに用いることができる金属酸化物を用いることができる。
また、酸化物530aおよび酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530aおよび酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、および酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、および酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、および酸化物530bと酸化物530cとの界面において、形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530aおよび酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、および酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極およびドレイン電極として機能する導電体542(導電体542aおよび導電体542b)が設けられる。導電体542としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
また、図5(A)に示すように、酸化物530の導電体542との界面と、その近傍には、低抵抗領域として、領域543(領域543aおよび領域543b)が形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域またはドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域またはドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542を設けることで、領域543の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543に、導電体542に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543のキャリア密度が増加し、領域543は低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542を覆うように設けられ、導電体542の酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530の側面を覆い、絶縁体524と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウムなどから選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウムまたはハフニウムの一方、または双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542が耐酸化性を有する材料、または、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体550は、ゲート絶縁体として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面および側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分析(TDS分析)法にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、または3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下の範囲が好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図5(A)、(B)では2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、または酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
また、導電体560bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、または樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、および導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、および絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550および絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、および窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、および絶縁体544に形成された開口に、導電体540aおよび導電体540bを配置する。導電体540aおよび導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540aおよび導電体540bは、後述する導電体546および導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500の保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体420と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、および絶縁体586には、導電体546および導電体548等が埋め込まれている。
導電体546および導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、またはトランジスタ400aおよびトランジスタ400bと接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体546および導電体548は、導電体428および導電体430と同様の材料を用いて設けることができる。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
また、導電体546および導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612および導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612および導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。または、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図4では、導電体612および導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620および絶縁体630上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体420と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
また、絶縁体650には、導電体646および導電体648が埋め込まれている。導電体646および導電体648は、トランジスタ500、トランジスタ400aおよびトランジスタ400b等と接続するプラグとしての機能を有する。導電体646および導電体648は、導電体428および導電体430と同様の材料を用いて設けることができる。
導電体646および導電体648上には、導電体660が設けられている。導電体660は、導電体612および導電体610と同様の材料を用いて設けることができる。そして、導電体660は、実施の形態1における導電体201に対応する。すなわち、導電体660を介して、層300との電気的な接続を確保することができる。
なお、トランジスタ500および容量素子600上に、トランジスタ500および容量素子600と同様の素子を有する層を設けてもよい。トランジスタ500および容量素子600を有する層を、複数設けることで、記憶装置210の記憶容量を増やすことができる。
以上のような構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを含む層200において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。または、オン電流が大きい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さい酸化物半導体を有するトランジスタを提供することができる。または、消費電力が低減された記憶装置210を提供することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた記憶装置210において、微細化または高集積化を図ることができる。
<層300>
図6に、層300の断面構成例を示す。図6に示す層300の断面構成例は、トランジスタ700a、および、pn接合型のフォトダイオード700cを含んでいる。なお、フォトダイオード700cは、実施の形態1における光電変換素子313として機能する。
トランジスタ700aは、半導体基板711上に設けられ、導電体716、絶縁体715、半導体基板711の一部からなる半導体領域713、ソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域714aおよび低抵抗領域714b、を有する。なお、半導体基板711は、実施の形態1における半導体基板SUB2に対応する。
なお、本実施の形態では、一例として、半導体基板711にn型の単結晶シリコン基板を用いている。半導体基板711の一部はフォトダイオード700cのn型半導体として機能し、半導体基板711の中に設けられたp型半導体領域718が、フォトダイオード700cのp型半導体として機能する。また、トランジスタ700aはpチャネル型のトランジスタとして機能する。図6では、nチャネル型のトランジスタを図示していないが、上述したトランジスタ400bと同様に作製することができる。
低抵抗領域714a、低抵抗領域714b、およびp型半導体領域718は、半導体領域713に適用される半導体材料に加え、ホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体716は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数が定まるため、導電体の材料を変更することでトランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために、導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層して用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
そして、トランジスタ700aおよびフォトダイオード700cを覆って、絶縁体720、絶縁体722、絶縁体724、および絶縁体726が、順に積層して設けられている。
絶縁体720、絶縁体722、絶縁体724、および絶縁体726として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体722は、その下方に設けられるトランジスタ700aなどによって生じる段差を平坦化する、平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体722の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法などを用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。また、絶縁体722として、低誘電率材料(low-k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)などを用いてもよい。
また、絶縁体720、絶縁体722、絶縁体724、および絶縁体726には、導電体728および導電体730等が埋め込まれている。なお、導電体728および導電体730は、プラグまたは配線としての機能を有する。
各プラグおよび配線(導電体728および導電体730など)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体726および導電体730上に、配線層を設けてもよい。例えば、図6において、絶縁体750、絶縁体752、および絶縁体754が順に積層して設けられている。また、絶縁体750、絶縁体752、および絶縁体754には、導電体756が形成されている。導電体756は、トランジスタ700a等と接続するプラグ、または配線としての機能を有する。なお、導電体756は、導電体728および導電体730と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体750、絶縁体752、および絶縁体754には、絶縁体720等と同様の材料を用いて設けることができる。
絶縁体754および導電体756上に、配線層を設けてもよい。例えば、図6において、絶縁体760、絶縁体762、および絶縁体764が順に積層して設けられている。また、絶縁体760、絶縁体762、および絶縁体764には、導電体766が形成されている。導電体766は、プラグまたは配線としての機能を有する。なお、導電体766は、導電体728および導電体730と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体760、絶縁体762、および絶縁体764には、絶縁体720等と同様の材料を用いて設けることができる。
上記において、導電体756を含む配線層および導電体766を含む配線層について説明したが、層300の断面構成は、これに限られるものではない。導電体756を含む配線層と同様の配線層を1層にしてもよいし、導電体756を含む配線層と同様の配線層を3層以上にしてもよい。
導電体766上には、導電体770が設けられている。導電体770は、導電体728および導電体730と同様の材料を用いて設けることができる。そして、導電体770は、実施の形態1における導電体301に対応する。すなわち、導電体770を介して、層100および層200との電気的な接続を確保することができる。
<撮像装置10>
撮像装置10は、上述した、層100および層200と、層300を貼り合わせて構成される。図7に、撮像装置10の断面構成例を示す。
撮像装置10は、層100および層200において、半導体基板411上の、トランジスタ400a、トランジスタ400b、トランジスタ500、および容量素子600等が設けられた面と、層300において、トランジスタ700a、およびフォトダイオード700c等が設けられた面と、が貼り合わされて構成される。なお、図7に示す撮像装置10は、一部の符号と、導電体466を含む層、導電体756を含む層を省略し、一部の図形の縮尺を変更して示している点で、図4および図6と異なっている。
図7において、層100および層200と、層300が貼り合わせられ、導電体660と導電体770は電気的な接続を有する。層100および層200と、層300が貼り合わされた後、層300が有する半導体基板711を薄膜化して、撮像装置10が形成される。
フォトダイオード700cは、半導体基板711を透過した光を捉え、電気信号に変換する。フォトダイオード700cで変換された電気信号は、信号処理回路110もしくはイメージセンサ310が有するアナログデジタル変換回路にて、デジタル信号に変換される。フォトダイオード700cで変換された電気信号は、導電体770と導電体660を介して、信号処理回路110に送信される。
<トランジスタの構成例1>
図4及び図5では、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電体542が、酸化物530に接して形成されている構成例について説明したが、OSトランジスタの構成はこれに限られない。例えば、導電体542を設けず、酸化物530を選択的に低抵抗化することで、酸化物530bにソース領域またはドレイン領域が設けられた構成を用いることもできる。このようなトランジスタの構成例を、図8に示す。
図8(A)はトランジスタ500Aのチャネル長方向の断面図であり、図8(B)はトランジスタ500Aのチャネル幅方向の断面図である。なお、図8に示すトランジスタ500Aは図5に示すトランジスタ500の変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主にトランジスタ500と異なる点について説明する。
トランジスタ500Aは、トランジスタ500と同様に、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることができる。
酸化物530は、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素を添加されることで、キャリア密度が増大し、低抵抗化する場合がある。酸化物530を低抵抗化する元素としては、代表的には、ホウ素、またはリンが挙げられる。また、水素、炭素、窒素、フッ素、硫黄、塩素、チタン、希ガス等を用いてもよい。希ガスの代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。
なお、上記元素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定すればよい。
特に、ホウ素、及びリンは、アモルファスシリコン、または低温ポリシリコンの製造ラインの装置を使用することができるため、好ましい。既存の設備を転用することができ、設備投資を抑制することができる。
図8に示す、領域543(領域543a、および領域543b)は、酸化物530bに上記の元素が添加された領域である。領域543は、例えば、ダミーゲートを用いることで形成することができる。
例えば、酸化物530b上にダミーゲートを設け、当該ダミーゲートをマスクとして用い、上記酸化物530bを低抵抗化する元素を添加するとよい。つまり、酸化物530が、ダミーゲートと重畳していない領域に、当該元素が添加され、領域543が形成される。なお、当該元素の添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
続いて、酸化物530b、およびダミーゲート上に、絶縁体544となる絶縁膜、および絶縁体545となる絶縁膜を成膜してもよい。絶縁体544となる絶縁膜、および絶縁体545となる絶縁膜を積層して設けることで、領域543と、酸化物530cおよび絶縁体550とが重畳する領域を設けることができる。
具体的には、絶縁体545となる絶縁膜上に絶縁体580となる絶縁膜を設けた後、絶縁体580となる絶縁膜にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことで、絶縁体580となる絶縁膜の一部を除去し、ダミーゲートを露出する。続いて、ダミーゲートを除去する際に、ダミーゲートと接する絶縁体544の一部も除去するとよい。従って、絶縁体580に設けられた開口部の側面には、絶縁体545、および絶縁体544が露出し、当該開口部の底面には、酸化物530bに設けられた領域543の一部が露出する。次に、当該開口部に酸化物530cとなる酸化膜、絶縁体550となる絶縁膜、および導電体560となる導電膜を順に成膜した後、絶縁体580が露出するまでCMP処理などにより、酸化物530cとなる酸化膜、絶縁体550となる絶縁膜、および導電体560となる導電膜の一部を除去することで、図8に示すトランジスタを形成することができる。
なお、絶縁体544、および絶縁体545は必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
図8に示すトランジスタは、既存の装置を転用することができ、さらに、導電体542を設けないため、コストの低減を図ることができる。
<トランジスタの構成例2>
図4及び図5では、ゲートとして機能する導電体560が、絶縁体580の開口の内部に形成されている構成例について説明したが、OSトランジスタの構成はこれに限られない。例えば、当該導電体の上方に、当該絶縁体が設けられた構成を用いることもできる。このようなトランジスタの構成例を、図9及び図10に示す。
図9(A)はトランジスタの上面図であり、図9(B)はトランジスタの斜視図である。また、図9(A)におけるX1-X2の断面図を図10(A)に示し、Y1-Y2の断面図を図10(B)に示す。
図9、図10に示すトランジスタは、バックゲートとしての機能を有する導電体BGEと、ゲート絶縁膜としての機能を有する絶縁体BGIと、酸化物半導体Sと、ゲート絶縁膜としての機能を有する絶縁体FGIと、フロントゲートとしての機能を有する導電体FGEと、配線としての機能を有する導電体WEと、を有する。また、導電体PEは、導電体WEと、酸化物S、導電体BGE、または導電体FGEと、を接続するためのプラグとしての機能を有する。なお、ここでは、酸化物半導体Sが、3層の酸化物S1、S2、S3によって構成されている例を示している。
<トランジスタの電気特性>
次に、OSトランジスタの電気特性について説明する。以下では一例として、第1のゲート及び第2のゲートを有するトランジスタについて説明する。第1のゲート及び第2のゲートを有するトランジスタは、第1のゲートと第2のゲートに異なる電位を印加することで、閾値電圧を制御することができる。例えば、第2のゲートに負の電位を印加することにより、トランジスタの閾値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することができる。つまり、第2のゲートに負の電位を印加することにより、第1の電極に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、酸化物半導体は、水素などの不純物が添加されると、キャリア密度が増加する場合がある。例えば、酸化物半導体は、水素が添加されると、金属原子と結合する酸素と反応して水になり、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリア密度が増加する。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。つまり、水素などの不純物が添加された酸化物半導体は、n型となり、低抵抗化される。
したがって、酸化物半導体を選択的に低抵抗化することができる。つまり、酸化物半導体に、キャリア密度が低く、チャネル形成領域として機能する半導体として機能する領域と、キャリア密度が高く、ソース領域、またはドレイン領域として機能する低抵抗化した領域と、を設けることができる。
ここで、第1のゲートと第2のゲートに異なる電位を印加する場合、酸化物半導体に設ける低抵抗領域、および高抵抗領域の構成が、トランジスタの電気特性に与える影響を評価する。
[トランジスタ構造]
図11(A)および図11(C)は、電気特性の評価に用いたトランジスタの断面図である。なお、図11(A)および図11(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図11(A)および図11(C)に示すトランジスタは、第1のゲートとして機能する導電体TGEと、第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁体TGIと、第1のゲートの側面に設けられたサイドウォールとして機能する絶縁体SWと、酸化物半導体Sと、第2のゲートとして機能する導電体BGEと、第2のゲート絶縁体として機能する絶縁体BGIと、を有する。絶縁体BGIは、導電体BGEと接する第1層、第1層上の第2層、第2層上の第3層、からなる3層構造とする。なお、第3層は酸化物半導体Sと接する。
ここで、図11(A)に記載のトランジスタが有する酸化物半導体Sは、n+領域と、導電体TGEと重畳するi領域を有する。一方、図11(C)に記載のトランジスタが有する酸化物半導体Sは、n+領域と、導電体TGEと重畳するi領域と、n+領域とi領域との間のn-領域と、を有する。
なお、n+領域は、ソース領域またはドレイン領域として機能し、キャリア密度が高い、低抵抗化した領域である。また、i領域は、チャネル形成領域として機能し、n+領域よりもキャリア密度が低い高抵抗領域である。また、n-領域は、n+領域よりもキャリア密度が低い、かつ、i領域よりもキャリア密度が高い領域である。
また、図示しないが、酸化物半導体Sのn+領域は、ソースまたはドレインとして機能するS/D電極と接する構造である。
[電気特性の評価結果]
図11(A)に示すトランジスタ、および図11(C)に示すトランジスタにおいて、Id-Vg特性を計算し、トランジスタの電気特性を評価した。
ここで、トランジスタの電気特性の指標として、トランジスタのしきい値電圧(以下、Vshともいう)の変化量(以下、ΔVshともいう)を用いた。なお、Vshとは、Id-Vg特性において、Id=1.0×10-12[A]の時のVgの値と定義する。
なお、Id-Vg特性とは、トランジスタの第1のゲートとして機能する導電体TGEに印加する電位(以下、ゲート電位(Vg)ともいう)を、第1の値から第2の値まで変化させたときの、ソースとドレインとの間の電流(以下、ドレイン電流(Id)ともいう)の変動特性である。
ここでは、ソースとドレインとの間の電位(以下、ドレイン電位Vdともいう)を+0.1Vとし、ソースと、第1のゲートとして機能する導電体TGEとの間の電位を-1Vから+4Vまで変化させたときのドレイン電流(Id)の変動を評価した。
また、計算は、Silvaco社デバイスシミュレータATLASを用いた。また、表1には、計算に用いたパラメータを示す。なお、Egはエネルギーギャップ、Ncは伝導帯の実効状態密度、Nvは価電子帯の実効状態密度を示す。
図11(A)に示すトランジスタは、片側のn+領域を700nmとし、片側のn-領域を0nmと設定した。また、図11(C)に示すトランジスタは、片側のn+領域を655nmとし、片側のn-領域を45nmと設定した。また、図11(A)に示すトランジスタ、および図11(C)に示すトランジスタにおいて、第2のゲートは、i領域よりも大きい構造とした。なお、本評価においては、第2のゲートとして機能する導電体BGEの電位(以下、バックゲート電位(Vbg)ともいう)を、0.00V、-3.00V、または-6.00Vと設定した。
図11(B)に、図11(A)に示すトランジスタの計算によって得られたId-Vg特性の結果を示す。バックゲート電位を-3.00Vとした場合、0.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+1.2Vであった。また、バックゲート電位を-6.00Vとした場合、0.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+2.3Vであった。つまり、バックゲート電位を-6.00Vとした場合、-3.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+1.1Vであった。従って、第2のゲートとして機能する導電体BGEの電位を大きくしても、トランジスタの閾値電圧の変動量はほとんど変化しなかった。また、バックゲート電位を大きくしても、立ち上がり特性に変化は見られなかった。
図11(D)に、図11(C)に示すトランジスタの計算によって得られたId-Vg特性の結果を示す。バックゲート電位を-3.00Vとした場合、0.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+1.2Vであった。また、バックゲート電位を-6.00Vとした場合、0.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+3.5Vであった。つまり、バックゲート電位を-6.00Vとした場合、-3.00Vとした時と比較して、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVsh)は、+2.3Vであった。従って、第2のゲートとして機能する導電体BGEの電位を大きくするほど、トランジスタの閾値電圧の変動量が大きくなった。一方、バックゲート電位を大きくするほど、立ち上がり特性が悪化した。
上記より、図11(C)に示すトランジスタは、第2のゲートとして機能する導電体BGEの電位を大きくするほど、トランジスタの閾値電圧の変動量が大きくなることがわかった。一方で、図11(A)に示すトランジスタは、第2のゲートとして機能する導電体BGEの電位を大きくしても、トランジスタの閾値電圧の変動量の変化は見られなかった。
なお、本実施の形態は、本明細書に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物の構成について説明する。
<金属酸化物の構成>
本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
<金属酸化物の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
トランジスタの半導体に用いる酸化物半導体として、結晶性の高い薄膜を用いることが好ましい。該薄膜を用いることで、トランジスタの安定性または信頼性を向上させることができる。該薄膜として、例えば、単結晶酸化物半導体の薄膜または多結晶酸化物半導体の薄膜が挙げられる。しかしながら、単結晶酸化物半導体の薄膜または多結晶酸化物半導体の薄膜を基板上に形成するには、高温またはレーザー加熱の工程が必要とされる。よって、製造工程のコストが増加し、さらに、スループットも低下してしまう。
2009年に、CAAC構造を有するIn-Ga-Zn酸化物(CAAC-IGZOと呼ぶ)が発見されたことが、非特許文献2および非特許文献3で報告されている。ここでは、CAAC-IGZOは、c軸配向性を有する、結晶粒界が明確に確認されない、低温で基板上に形成可能である、ことが報告されている。さらに、CAAC-IGZOを用いたトランジスタは、優れた電気特性および信頼性を有することが報告されている。
また、2013年には、nc構造を有するIn-Ga-Zn酸化物(nc-IGZOと呼ぶ)が発見された(非特許文献4参照)。ここでは、nc-IGZOは、微小な領域(例えば、1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有し、異なる該領域間で結晶方位に規則性が見られないことが報告されている。
非特許文献5および非特許文献6では、上記のCAAC-IGZO、nc-IGZO、および結晶性の低いIGZOのそれぞれの薄膜に対する電子線の照射による平均結晶サイズの推移が示されている。結晶性の低いIGZOの薄膜において、電子線が照射される前でさえ、1nm程度の結晶性IGZOが観察されている。よって、ここでは、IGZOにおいて、完全な非晶質構造(completely amorphous structure)の存在を確認できなかった、と報告されている。さらに、結晶性の低いIGZOの薄膜と比べて、CAAC-IGZOの薄膜およびnc-IGZOの薄膜は電子線照射に対する安定性が高いことが示されている。よって、トランジスタの半導体として、CAAC-IGZOの薄膜またはnc-IGZOの薄膜を用いることが好ましい。
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC-OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さい、具体的には、トランジスタのチャネル幅1μmあたりのオフ電流がyA/μm(10-24A/μm)オーダである、ことが非特許文献7に示されている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(非特許文献8参照)。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を利用した、該トランジスタの表示装置への応用が報告されている(非特許文献9参照)。表示装置では、表示される画像が1秒間に数十回切り換っている。1秒間あたりの画像の切り換え回数はリフレッシュレートと呼ばれている。また、リフレッシュレートを駆動周波数と呼ぶこともある。このような人の目で知覚が困難である高速の画面の切り換えが、目の疲労の原因として考えられている。そこで、表示装置のリフレッシュレートを低下させて、画像の書き換え回数を減らすことが提案されている。また、リフレッシュレートを低下させた駆動により、表示装置の消費電力を低減することが可能である。このような駆動方法を、アイドリング・ストップ(IDS)駆動と呼ぶ。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体膜のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物半導体は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい。例えば、酸化物半導体中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
CAAC構造およびnc構造の発見は、CAAC構造またはnc構造を有する酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性および信頼性の向上、ならびに、製造工程のコスト低下およびスループットの向上に貢献している。また、該トランジスタのリーク電流が低いという特性を利用した、該トランジスタの表示装置およびLSIへの応用研究が進められている。
なお、本実施の形態は、本明細書に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した撮像装置10を搭載した電子機器の一例について説明する。
図12(A)は監視カメラであり、筐体951、レンズ952、支持部953などを有する。当該監視カメラにおける画像を取得するための部品の一つとして本発明の一形態に係る撮像装置を備えることができる。これにより、監視カメラを小型化、軽量化することができる。また、温度の高い環境においても信頼性の高い監視カメラを提供することができる。なお、監視カメラとは慣用的な名称であり、用途を限定するものではない。例えば、監視カメラとしての機能を有する機器はカメラ、またはビデオカメラとも呼ばれる。
図12(B)はビデオカメラであり、第1筐体971、第2筐体972、表示部973、操作用のボタン974、レンズ975、接続部976などを有する。操作用のボタン974およびレンズ975は第1筐体971に設けられており、表示部973は第2筐体972に設けられている。当該ビデオカメラにおける画像を取得するための部品の一つとして本発明の一形態に係る撮像装置を備えることができる。これにより、ビデオカメラを小型化、軽量化することができる。また、消費電力を低減し長時間撮像が可能なビデオカメラを提供することができる。また、高速撮像が可能なビデオカメラを提供することができる。
図12(C)はデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、発光部967、レンズ965などを有する。当該デジタルカメラにおける画像を取得するための部品の一つとして本発明の一形態に係る撮像装置を備えることができる。これにより、デジタルカメラを小型化、軽量化することができる。また、高速撮像が可能なデジタルカメラを提供することができる。
図12(D)は携帯電話(スマートフォン)であり、筐体981に、表示部982、マイク987、スピーカー984、カメラ989、入出力端子986、操作用のボタン985などを有する。表示部982が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。当該携帯電話における画像を取得するための部品の一つとして本発明の一形態に係る撮像装置を備えることができる。これにより、携帯電話を小型化、軽量化することができる。また、高速撮像が可能な携帯電話を提供することができる。また、撮像動作時の消費電力を低減した携帯電話を提供することができる。
図13に示すロボット900は、演算装置910、照度センサ901、マイクロフォン902、上部カメラ903、スピーカ904、ディスプレイ905、下部カメラ906および障害物センサ907、移動機構908を備える。上部カメラ903および下部カメラ906は、ロボット900の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ907は、移動機構908を用いてロボット900が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット900は、上部カメラ903、下部カメラ906および障害物センサ907を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
ロボット900において、上部カメラ903および下部カメラ906に、画像を取得するための部品の一つとして本発明の一形態に係る撮像装置を備えることができる。これにより、ロボットを小型化、軽量化することができる。また、温度の高い環境においても安全に移動することができる、信頼性の高いロボットを提供することができる。
なお、本実施の形態で説明した電子機器、その電子機器の機能、その効果などは、他の電子機器の記載と適宜組み合わせることができる。また、本実施の形態は、本明細書に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施例では、酸化物半導体を用いたトランジスタがメモリセルに適用されたDRAM(DOSRAM)を試作し、試作したDOSRAMが、記憶内容を100,000秒保持できることを確認した。また、リフレッシュ頻度を少なくすることで、消費電力は、従来のDRAMに比べて最大50%削減可能と見積もられた。
試作したDOSRAMの仕様を、表2に示す。当該DOSRAMは、メモリセルに60nm OSFETプロセスが使用され、酸化物半導体トランジスタが用いられている。また、メモリセルを選択、またはメモリセルにデータを書き込む、またはメモリセルに記憶されたデータを読み出す等の機能を有する駆動回路は、65nm CMOSプロセスが使用され、Siトランジスタが用いられている。
図14(A)に25℃でのShmooプロット、図14(B)に85℃でのShmooプロットを示す。供給電圧が1.2V、および25℃から85℃の温度範囲において、サイクルタイム(Cycle time)10nsで動作可能なことがわかる。このことは、従来のDRAMの仕様におさまるため、従来のDRAMとの互換性が保たれると考えられる。
図15に、85℃でのメモリ保持特性(Retention characteristics)を示す。105秒後においても、正常ビット率(Rate of correct bit)99.97%の良好なデータ保持特性を示した。
図16は、DRAM、DOSRAM、およびDOSRAMにおいてパワーゲーティングを行った場合について、消費電力(Power Consumption Ratio)の見積もりを行った結果である。図16において、DOSRAMは、酸化物半導体トランジスタが微細化され、DRAMと同じセルサイズ、同じメモリ容量が実現できたと仮定している。また、図16(A)はI/O数が×4、図16(B)はI/O数が×8、図16(C)はI/O数が×16であり、メモリ容量が4Gbit、8Gbit、16Gbitの場合をそれぞれ示している。
DOSRAMは、リフレッシュ動作が不要のため、リフレッシュ動作に要する電力を削減できる。さらに、パワーゲーティングを行うことで、スタンバイ電力も削減できる。一方、リフレッシュ動作に要する電力が総電力に占める割合は、メモリ密度が大きく、I/O数が小さくなるほど大きくなる。その結果、総電力は、最大50%削減できると見積もられた(図16(A)参照)。なお、計算には、Micron社の、「Micron DDR4 SDRAM System-Power Calculator」を使用した。