JP7746248B2 - 脂肪族ポリカーボネート樹脂およびその製造方法、ならびに、脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体およびその製造方法 - Google Patents
脂肪族ポリカーボネート樹脂およびその製造方法、ならびに、脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体およびその製造方法Info
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Description
(式(Ia)及び式(Ib)中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。式(Ic)及び式(Id)中、R3及びR4は架橋性官能基を有する炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
CH2=CH-C(=O)-O-X-O- ・・・(II)
(式(II)中、Xはアルキル鎖である。)
〔脂肪族ポリカーボネート樹脂〕
本発明の一実施形態に係る脂肪族ポリカーボネート樹脂(以下「脂肪族ポリカーボネート樹脂A」という場合がある。)は、主鎖にエーテル構造を有し、下記式(Ia)で示される繰り返し単位、下記式(Ib)で示される繰り返し単位、下記式(Ic)で示される繰り返し単位、および下記式(Id)で示される繰り返し単位をランダムに共重合した構造(以下「構造SA」という場合がある。)を有するものである。
(式(Ia)及び式(Ib)中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。式(Ic)及び式(Id)中、R3及びR4は架橋性官能基を有する炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
CH2=CH-C(=O)-O-X-O- ・・・(II)
(式(II)中、Xはアルキル鎖である。)
CH2=CH-CH2-Y-O- ・・・(III)
(式(III)中、Yは単結合又はアルキル鎖である。)
CH2=CH-C(=O)-O-X-O-CH2- ・・・(IV)
(式(IV)中、Xはアルキル鎖である。)
CH2=CH-CH2-Y-O-CH2- ・・・(V)
(式(V)中、Yは単結合又はアルキル鎖である。)
(式(VI)中、pは3以上の整数である。)
本発明の一実施形態に係る脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体(以下「脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体B」という場合がある。)は、前述した実施形態に係る脂肪族ポリカーボネート樹脂Aを架橋したものである。脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体Bは、脂肪族ポリカーボネート樹脂Aと同様に低いガラス転移温度(Tg)を維持して柔軟性やタック性を発現する一方、その架橋構造により凝集力が高くなり、粘着剤としてより好適なものなる。
(1)重合触媒の合成
ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム(K3[Co(CN)6];富士フイルム和光純薬株式会社製)1.33gを20mLの脱イオン水に溶解し、激しく撹拌した50℃の塩化亜鉛溶液(ZnCl211.42gを60mLの脱イオン水と30mLのt-ブチルアルコールとの混合溶液中に溶解したもの)に45分かけて滴下した。その後、混合物を60分間激しく撹拌した。得られた白色懸濁液を5000rpmで遠心分離し、白色固体を単離した。単離した白色固体を、t-ブチルアルコールおよび脱イオン水の溶液(体積比で、t-ブチルアルコール:脱イオン水=5:5)中で激しく30分間撹拌しながら再懸濁した。その後、水に対してt-ブチルアルコール量を徐々に増加させつつ(t-ブチルアルコール:脱イオン水を、体積比で6:4から7:3、8:2、9:1と変化させる)、遠心分離による単離および再懸濁を数回繰り返した。最後に、白色固体をt-ブチルアルコール中に再懸濁した後に、遠心分離によって単離した。その後、所定の質量になるまで50℃、真空下で乾燥させることによって、DMC触媒であるZn3(Cо[CN]6)2を得た。
原料モノマーとして、エポキシドE1としての1,2-エポキシデカン(Edec;1,2-デシレンオキシド)、およびエポキシドE2としての4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE;三菱ケミカル株式会社製)を用意した。そして、1,2-エポキシデカンおよび4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを99:1の割合(モル比)で配合し、重合溶媒として50質量部のトルエン(脱水トルエン(関東化学株式会社製,GCで確認した純度が99.5%以上))で希釈した。
エーテル構造単位比率[%]={γ/(α+β+γ)}×100
上記で得られた脂肪族ポリカーボネート樹脂を酢酸エチルで溶解させ、当該脂肪族ポリカーボネート樹脂100質量部(固形分換算値;以下同じ)に対し、光重合開始剤としての1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを1.5質量部配合し、十分に撹拌して、これを粘着剤の塗布液とした。
・高圧水銀ランプ使用
・照度200mW/cm2,光量1800mJ/cm2
・UV照度・光量計はアイグラフィックス株式会社製「UVPF-A1」を使用
1,2-エポキシデカンと4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルとの配合割合(モル比)を、99.5:0.5(実施例2)、99.7:0.3(実施例3)、99.9:0.1(実施例4)、99.5:0.5(重合溶媒を使用せず塊状重合,CO2圧力:1MPa)(実施例5)、99.5:0.5(CO2圧力:1MPa)(実施例6)に変更する以外、実施例1と同様にしてポリマーおよび粘着シートを製造した。
原料モノマーとして、エポキシドE1としての1,2-エポキシオクタン(Eoct;1,2-オクチレンオキシド)、およびエポキシドE2としての4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE;三菱ケミカル社製)を用意した。そして、1,2-エポキシオクタンおよび4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを99.9:0.1(実施例7)、99.7:0.3(実施例8)、99.5:0.5(実施例9)、99:1(実施例10)の割合(モル比)で配合した。
原料モノマーとして、エポキシドE1としての1,2-エポキシオクタン(Eoct;1,2-オクチレンオキシド)、およびエポキシドE2としてのアリルグリシジルエーテル(AGE)を用意した。そして、1,2-エポキシオクタンおよびアリルグリシジルエーテルを99:1(実施例11)、90:10(実施例12)の割合(モル比)で配合した。
原料モノマーとして、エポキシドE1としての1,2-エポキシデカン(Edec;1,2-デシレンオキシド)、およびエポキシドE2としてのアリルグリシジルエーテル(AGE)を用意した。そして、1,2-エポキシオクタンおよびアリルグリシジルエーテルを99:10の割合(モル比)で配合した。
(1)重合触媒の合成
(R,R)-N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチルサリチリデン)-1,2-ジアミノシクロヘキサンコバルト(II)(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,製品名「(R,R)-salcyCoII」)と、ペンタフルオロ安息香酸(東京化成工業株式会社製)とをモル比で1:1.1になるように秤量してフラスコに入れ、そこに脱水トルエンを加えた。そして、当該フラスコをアルミホイルで遮光し、室温で20時間反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を除去し、過剰量のヘキサンで数回洗浄した。その後、室温で真空乾燥を行い、コバルトサレン錯体を得た。
エポキシモノマーである1,2-エポキシプロパン(プロピレンオキシド;PO)(便宜的にエポキシドE1に分類する)と、重合触媒として上記(1)で得られたコバルトサレン錯体と、助触媒としてビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)とを、モル比で、エポキシモノマー:重合触媒:助触媒=2000:1:1になるよう秤量し、圧力容器内で撹拌した。これらの作業はすべて、圧力容器内をアルゴン雰囲気に置換して行った。なお、この重合工程では、重合溶剤を使用せず塊状重合とした。
上記で得られた脂肪族ポリカーボネート樹脂を使用し、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。得られた粘着シートにおいては、粘着剤層にタック性がなく、粘着力および保持力の測定ができなかった。
原料モノマーとして、1,2-エポキシプロパン(プロピレンオキシド;PO)(便宜的にエポキシドE1に分類する)、およびエポキシドE2としての4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE;三菱ケミカル社製)を用意した。そして、1,2-エポキシプロパンおよび4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを90:10の割合(質量比)で配合した。
実施例および比較例で調製した脂肪族ポリカーボネート樹脂の数平均分子量(Mn)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)し、標準ポリスチレン換算した。結果を表1に示す。
[測定条件]
・GPC測定装置:東ソー株式会社製,HLC-8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー株式会社製
TSK guard column SuperH-H
TSK gel SuperHM-H
TSK gel SuperHM-H
TSK gel SuperH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
実施例および比較例で調製した脂肪族ポリカーボネート樹脂(UV前)ならびに実施例で製造した粘着シート(UV後)の粘着剤層を構成する脂肪族ポリカーボネート架橋体(UV後)ついて、示差走査熱量測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製,製品名「DSC Q2000」)によって測定を行い、ガラス転移温度(Tg)を求めた。具体的には、ポリマーの測定試料を4mg採り、アルミパンに入れた後に蓋をして密閉した。乾燥窒素雰囲気下、-70℃から70℃までの範囲で、昇温・降温速度10℃/分にて測定試料を加熱・冷却して測定を行った。得られたデータのうち、2nd heating時のデータを用いて、DSC曲線を作成した。得られたDSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になる点で引いた接線との交点の温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。結果を表1に示す。
実施例および比較例で製造した粘着シート(UV前)および粘着シート(UV後)を80mm×80mmのサイズに裁断して、その粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に包み、その質量を精密天秤にて秤量し、上記メッシュ単独の質量を差し引くことにより、粘着剤のみの質量を算出した。このときの質量をM1とする。
実施例および比較例で調製した脂肪族ポリカーボネート樹脂(UV前)、ならびに実施例で製造した粘着シート(UV後)の粘着剤層を構成する脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体(UV後)について、示差熱・熱重量同時測定装置(株式会社島津製作所製,製品名「DTG-60」)を用い、流入ガスを窒素として、ガス流入速度100ml/min、昇温速度20℃/minで、40℃から550℃まで昇温させて熱重量測定を行った(JIS K7120「プラスチックの熱重量測定方法」に準拠)。得られた熱重量曲線に基づいて、温度100℃での質量に対して質量が5%減少する温度(5%重量減少温度)を求めた。結果を表1に示す。
実施例および比較例で製造した粘着シート(UV前)および粘着シート(UV後)を、25mm幅、300mm長に裁断した。23℃、50%RHの環境下にて、上記粘着シートから剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を下記3種の被着体に貼付した。貼付に際しては、重さ2kgのローラーを1往復させて、粘着シートを被着体に圧着した。その後、23℃、50%RHの環境下で24時間放置したものを、粘着力測定用サンプルとした。
・ステンレススチール(SUS)板(SUS304,360番研磨)
・ポリカーボネート(PC)板(株式会社ユーコウ商会製,製品名「PC(PC-1600)」,厚さ:2mm)
・ポリプロピレン(PP)板(株式会社ユーコウ商会製,製品名「PP(PP-N-BN)」,厚さ:2mm)
G:被着体表面に薄く跡が残った。
Cf:粘着剤層の凝集破壊が見られた。
Zip:ジッピングが生じた。
実施例および比較例で製造した粘着シート(UV前)および粘着シート(UV後)の粘着剤層を、被着体としてのステンレススチール(SUS)板(SUS304,360番研磨)に貼付した。このとき、粘着剤層のステンレススチール板への貼付領域が25mm×25mmの大きさとなるようにした。このように、粘着シートを貼付したステンレススチール板を、23℃、50%RHの環境下で15分静置した後、クリープ試験機にセットし、この状態でさらに15分間静置した。次いで、40℃の環境下で粘着シートに9.8Nの荷重を加え、JIS Z0237:2009の保持力の測定法に従って、粘着シートが落下するまでの時間(最大70000秒)を測定し、粘着剤層の保持力(秒)とした。結果を表1に示す。
N.C.:保持力の測定時に70000秒を超えても、粘着シートが落下しなかっただけでなく、粘着シートの被着体への貼付位置にずれが生じていなかった。
Cf:粘着剤層の凝集破壊が見られた。
実施例および比較例で調製した脂肪族ポリカーボネート樹脂(ポリマー)におけるCO2導入率(質量%)を、以下の式に基づいて算出した。このCO2導入率の値が大きいほど、二酸化炭素をより有効に利用しているということができる。結果を表1に示す。
CO2導入率[質量%]=(ポリマー中CO2量[g]/ポリマー量[g])×100
ポリマー中CO2量[g]=44×(カーボネート比率[%])
ポリマー量[g]={(ポリマー中カーボネート部位の単位分子量)×(カーボネート比率[%])}+{(ポリマー中エーテル部位の単位分子量)×(エーテル構造単位比率[%])}
カーボネート比率[%]=100-エーテル構造単位比率[%]
Claims (13)
- 主鎖にエーテル構造を有し、下記式(Ia)で示される繰り返し単位、下記式(Ib)で示される繰り返し単位、下記式(Ic)で示される繰り返し単位、および下記式(Id)で示される繰り返し単位をランダムに共重合した構造を有し、
(式(Ia)及び式(Ib)中、R1及びR2は炭素数4以上の炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。式(Ic)及び式(Id)中、R3及びR4は架橋性官能基を有する炭化水素基であり、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
前記架橋性官能基を0.01mol%以上、10mol%以下含む
ことを特徴とする脂肪族ポリカーボネート樹脂。 - 前記架橋性官能基が、(メタ)アクリロイル基またはアリル基であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- 前記R3又は前記R4が、アルキル鎖を有することを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- 前記R3又は前記R4が、エーテル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- 前記R3又は前記R4が、下記式(II)で示される構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
CH2=CH-C(=O)-O-X-O- ・・・(II)
(式(II)中、Xはアルキル鎖である。) - 主鎖における前記エーテル構造の単位を0.1質量%以上、99質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- 二酸化炭素とエポキシドとの重合反応物であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- ガラス転移温度(Tg)が、5℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂を架橋してなる脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体。
- ゲル分率が、15%以上、85%以下であることを特徴とする請求項9に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体。
- 5%重量減少温度が、200℃以上、450℃以下であることを特徴とする請求項9に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂に対し活性エネルギー線を照射して、前記脂肪族ポリカーボネート樹脂を架橋する、脂肪族ポリカーボネート樹脂架橋体の製造方法。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
二酸化炭素と、エポキシドとを重合反応させる工程を有する
ことを特徴とする脂肪族ポリカーボネート樹脂の製造方法。
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