I.序文
本発明は、がんのための治療、診断、及び予後方法、ならびに組成物を提供する。本発明は、少なくとも部分的に、個体から得られた試料における体細胞変異の総数を決定して、がんを有する個体の治療におけるバイオマーカー(例えば、予測バイオマーカー)として使用され得る血中腫瘍変異量(bTMB)スコアを導き出し、がんを有する個体を診断し、がんを有する個体が、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に応答する可能性があるかを決定し、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法の治療有効性を最適化し、かつがんを有する個体のための療法を選択する発見に基づく。本発明は、がんを有する個体の予後を提供するための方法、ならびに免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療に対する個体の応答を監視する方法も提供する。
II.定義
本明細書に記載の本発明の態様及び実施形態が、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことを理解されたい。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途示されない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、当業者に容易に既知のそれぞれの値に対する通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」を指す説明は、「X」の説明を含む。
本明細書で使用される場合、各々同義に使用され得る、「血中腫瘍変異量スコア」、「血中腫瘍変異量スコア」、及び「bTMBスコア」という用語は、個体(例えば、がんの危険性があるか、またはがんを有する個体)から得られた血液試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)中で検出された体細胞変異の数を反映する数値を指す。bTMBスコアは、例えば、全ゲノムもしくはエクソームに基づいて、またはゲノムもしくはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)に基づいて測定され得る。ある特定の実施形態では、bTMBスコアは、遺伝子間配列に基づいて測定され得る。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセットに基づいて測定されたbTMBスコアを外挿して、全ゲノムまたはエクソームのbTMBスコアを決定することができる。ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セットは、全ゲノムまたは全エクソームを含まない。他の実施形態では、サブゲノム区間セットは、全ゲノムまたは全エクソームを含まない。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セットは、複数の遺伝子を含み、これらは、変異体形態で、細胞分裂、成長、または生存への影響に関連するか、またはがんに関連する。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セットは、少なくとも約50個以上、約100個以上、約150個以上、約200個以上、約250個以上、約300個以上、約350個以上、約400個以上、約450個以上、または約500個以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セットは、約1Mb(例えば、約1.1Mb、例えば、約1.125Mb)を網羅する。
いくつかの実施形態では、bTMBスコアは、試料中の無細胞DNA(cfDNA)における体細胞変異の数を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、bTMBスコアは、試料中の循環腫瘍DNA(ctDNA)における体細胞変異の数を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、体細胞変異の数は、カウントされた単一ヌクレオチドバリアント(SNV)の数、またはカウントされたSNVの数とインデル変異の数との合計である。いくつかの実施形態では、bTMBスコアは、腫瘍における蓄積された体細胞変異の数を指す。したがって、bTMBスコアは、発がん性(例えば、腫瘍)細胞上のネオ抗原の数の代理として使用され得る。bTMBスコアは、発がん性(例えば、腫瘍)細胞上のネオ抗原の数の代理である、腫瘍内での変異率代理としても使用され得る。いくつかの実施形態では、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、アテゾリズマブ)を含む治療から利益を享受し得る者と特定する。いくつかの実施形態では、基準bTMBスコア未満のbTMBスコアは、個体を、PD-L1軸結合アンタゴニスト以外の、またはそれに加えた抗がん療法を含む治療から利益を享受し得る者と特定する。いくつかの実施形態では、bTMBスコアは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、アテゾリズマブ)を含む治療に対するがんを有する個体の応答を監視するために使用され得る。
本明細書で使用される場合、「基準bTMBスコア」という用語は、例えば、診断、予測、予後、及び/または治療決定を行うための、別のbTMBスコアが比較されるbTMBスコアを指す。例えば、基準bTMBスコアは、基準試料、基準集団、及び/または所定の値におけるbTMBスコアであり得る。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と、カットオフ値であるか、またはそれを超える、及び/またはカットオフ値未満の非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性との間の有意差に基づいて、基準集団における免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセットと、同じ基準集団における免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットとを有意に分けるカットオフ値である。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性は、カットオフ値であるか、またはそれを超える非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と比較して著しく改善される。いくつかの例では、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性は、カットオフ値未満の免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と比較して著しく改善される。
当業者であれば、基準bTMBスコアの数値が、がんの種類(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)、bTMBスコアを測定するために使用される方法論、及び/またはbTMBスコアを生成するために使用される統計的方法によって変動し得ることを理解するであろう。
「同等bTMB値」という用語は、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表されるbTMBスコアに相当する数値を指す。概して、bTMBスコアが、配列決定されたゲノム領域のサイズに線形的に関連することを理解されたい。かかる同等bTMB値は、bTMBスコアと比較して同等程度の腫瘍変異量を示し、本明細書に記載の方法において同義に使用して、例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)に対するがん患者の応答を予測することができる。一例として、いくつかの実施形態では、同等bTMB値は、体細胞バリアント(例えば、体細胞変異)カウントを配列決定された塩基の数で割ることによって計算され得る正規化bTMB値である。例えば、同等bTMB値は、例えば、変異の数/メガベースとして表され得る。例えば、約25のbTMBスコア(約1.1Mbにわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたもの)は、約23変異/Mbの同等bTMB値に相当する。本明細書に記載のbTMBスコア(例えば、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表されるbTMBスコア)が、異なる方法論(例えば、全エクソーム配列決定または全ゲノム配列決定)を使用して得られた同等bTMB値を包含することを理解されたい。一例として、全エクソームパネルの場合、標的領域は、およそ50Mbであり得、検出された約500の体細胞変異を有する試料は、約10変異/Mbの同等bTMB値を有する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約30%未満(例えば、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、またはそれ未満)逸脱する。例えば、Chalmers et al.Genome Medicine 9:34,2017を参照されたい。
本明細書で使用される場合、各々同義に使用され得る「最大体細胞対立遺伝子頻度」及び「MSAF」という用語は、分率またはパーセンテージとして表される、約40%未満(例えば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満)の、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から検出される対立遺伝子(すなわち、体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)を有する遺伝子のバリアント)の最大頻度を指す。体細胞変異の対立遺伝子頻度は、ヒトゲノムの特定の領域にアラインされた全リードに対して体細胞変異を示す配列リードの数を割ることによって計算され得る。いくつかの例では、MSAFは、試料における約20%未満の最大体細胞対立遺伝子頻度から導き出される。いくつかの実施形態では、この値は、その対立遺伝子を保有する対象由来の試料中の全てのcfDNAの分率である。いくつかの実施形態では、この値は、その対立遺伝子を保有する対象由来の試料中のctDNAの分率である。いくつかの実施形態では、この値は、試料中の腫瘍含有量の総量を推定するために使用される。いくつかの実施形態では、本方法は、試料から検出された各体細胞改変の対立遺伝子頻度を決定することを含む。例えば、複数の体細胞改変を有する試料は、恐らく、がん(例えば、腫瘍)におけるそれらの本来のクローン頻度に応じて、体細胞対立遺伝子頻度の分布としてそれらの改変を提示し得る。いくつかの実施形態では、この値は、所定の遺伝子セット、例えば、所定の遺伝子セットのコーディング領域の関数として表される。他の実施形態では、この値は、配列決定されたサブゲノム区間、例えば、配列決定されたコーディングサブゲノム区間の関数として表される。いくつかの実施形態では、MSAFを使用して、がんを有する個体の予後を提供することができる。
本明細書で使用される場合、同義に使用され得る「組織中腫瘍変異量スコア」及び「tTMBスコア」という用語は、腫瘍組織試料(例えば、ホルマリン固定及びパラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料、アーカイブ腫瘍試料、新鮮な腫瘍試料、または凍結腫瘍試料)において検出された所定の遺伝子セット(例えば、所定の遺伝子セットのコーディング領域)における事前選択された単位(例えば、メガベース)当たりの改変(例えば、1つ以上の改変、例えば、1つ以上の体細胞改変)のレベル(例えば、数)を指す。tTMBスコアは、例えば、全ゲノムもしくはエクソームに基づいて、またはゲノムもしくはエクソームのサブセットに基づいて測定され得る。ある特定の実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセットに基づいて測定されたtTMBスコアを外挿して、全ゲノムまたはエクソーム変異荷重を決定することができる。いくつかの実施形態では、tTMBスコアは、個体(例えば、動物(例えば、ヒト))における蓄積された体細胞変異のレベルを指す。tTMBスコアは、がん(例えば、肺癌、例えば、NSCLC)を有する患者における蓄積された体細胞変異を指す場合がある。いくつかの実施形態では、tTMBスコアは、個体の全ゲノムにおける蓄積された変異を指す。いくつかの実施形態では、tTMBスコアは、個体から収集された特定の組織試料(例えば、腫瘍組織試料生検、例えば、肺癌腫瘍試料、例えば、NSCLC腫瘍試料)における蓄積された変異を指す。
本明細書で使用される場合、「基準tTMBスコア」という用語は、例えば、診断、予測、予後、及び/または治療決定を行うための、別のtTMBスコアが比較されるtTMBスコアを指す。例えば、基準tTMBスコアは、基準試料、基準集団、及び/または所定の値におけるtTMBスコアであり得る。いくつかの例では、基準tTMBスコアは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と、カットオフ値であるか、またはそれを超える、及び/またはカットオフ値未満の非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性との間の有意差に基づいて、基準集団における免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット(例えば、患者)と、同じ基準集団における免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセット(例えば、患者)とを有意に分けるカットオフ値である。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性は、カットオフ値であるか、またはそれを超える非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と比較して著しく改善される。いくつかの例では、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性は、カットオフ値未満の免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する個体の応答性と比較して著しく改善される。
当業者であれば、基準tTMBスコアの数値が、がんの種類(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)または小細胞肺癌)、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌または腎細胞癌(RCC))、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌(例えば、一次(1L)または二次またはより高次の(2L+)局所進行性または転移性尿路上皮癌を含む、局所進行性または転移性尿路上皮癌))、乳癌(例えば、ヒト上皮成長因子受容体-2(HER2)+乳癌またはホルモン受容体陽性(HR+)乳癌)、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、皮膚癌(例えば、皮膚扁平上皮細胞癌)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)、tTMBスコアを測定するために使用される方法論、及び/またはtTMBスコアを生成するために使用される統計的方法によって変動し得ることを理解するであろう。
「同等tTMB値」という用語は、体細胞バリアント(例えば、体細胞変異)カウントを配列決定された塩基の数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))で割ることによって計算され得るtTMBスコアに相当する数値を指す。概して、tTMBスコアが、配列決定されたゲノム領域のサイズに線形的に関連することを理解されたい。かかる同等tTMB値は、tTMBスコアと比較して同等程度の腫瘍変異量を示し、本明細書に記載の方法において同義に使用して、例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)に対するがん患者の応答を予測することができる。一例として、いくつかの実施形態では、同等tTMB値は、体細胞バリアント(例えば、体細胞変異)カウントを配列決定された塩基の数で割ることによって計算され得る正規化tTMB値である。例えば、同等tTMB値は、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表され得る。例えば、約25のtTMBスコア(約1.1Mbにわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたもの)は、約23変異/Mbの同等tTMB値に相当する。本明細書に記載のtTMBスコア(例えば、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表されるTMBスコア)が、異なる方法論(例えば、全エクソーム配列決定または全ゲノム配列決定)を使用して得られた同等tTMB値を包含することを理解されたい。一例として、全エクソームパネルの場合、標的領域は、およそ50Mbであり得、検出された約500の体細胞変異を有する試料は、約10変異/MbのtTMBスコアとの同等tTMB値である。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたtTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたtTMBスコアから約30%未満(例えば、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、またはそれ未満)逸脱する。例えば、Chalmers et al.Genome Medicine 9:34,2017を参照されたい。
「体細胞変異」または「体細胞改変」という用語は、体細胞組織(例えば、生殖系列外の細胞)で生じる遺伝子改変を指す。遺伝子改変の例としては、点変異(例えば、単一ヌクレオチドの別のヌクレオチドとの交換(例えば、サイレント変異、ミスセンス変異、及びナンセンス変異))、挿入及び欠失(例えば、1つ以上のヌクレオチドの付加及び/または除去(例えば、インデル))、増幅、遺伝子重複、コピー数改変(CNA)、転位、及びスプライスバリアントが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、インデルは、1つ以上のヌクレオチド(例えば、約1~40個のヌクレオチド)のフレームシフト変異またはインフレーム変異であり得る。特定の変異の存在は、疾患状態(例えば、がん、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)と関連し得る。
ある特定の実施形態では、体細胞改変は、サイレント変異(例えば、同義改変)である。他の実施形態では、体細胞改変は、非同義単一ヌクレオチドバリアント(SNV)である。他の実施形態では、体細胞改変は、パッセンジャー変異(例えば、クローンの適応度に検出可能な影響を及ぼさない改変)である。ある特定の実施形態では、体細胞改変は、意義不明のバリアント(VUS)、例えば、その病原性を確認も排除もすることができない改変である。ある特定の実施形態では、体細胞改変は、がん表現型に関連するものと特定されていない。
ある特定の実施形態では、体細胞改変は、細胞分裂、成長、または生存への影響に関連しないか、またはそれに関連することが知られていない。他の実施形態では、体細胞改変は、細胞分裂、成長、または生存への影響に関連する。
ある特定の実施形態では、体細胞改変の数は、サブゲノム区間内の1つ以上の機能的改変を除外する。
本明細書で使用される場合、各々同義に使用され得る、「サブゲノム(sub-genomic)区間」及び「サブゲノム(subgenomic)区間」という用語は、ゲノム配列の一部分を指す。いくつかの実施形態では、サブゲノム区間は、単一ヌクレオチド位置、例えば、腫瘍表現型と(正または負の)関連を示すヌクレオチド位置バリアントであり得る。いくつかの実施形態では、サブゲノム区間は、1つより多くのヌクレオチド位置を含む。かかる実施形態は、少なくとも2、5、10、50、100、150、または250のヌクレオチド位置長の配列を含む。サブゲノム区間は、全遺伝子またはその事前選択された部分、例えば、コーディング領域(もしくはその部分)、事前選択されたイントロン(もしくはその部分)、またはエクソン(もしくはその部分)を含み得る。サブゲノム区間は、天然に存在する、例えば、ゲノムDNA、核酸の断片の全てまたは一部を含み得る。例えば、サブゲノム区間は、配列決定反応に供されるゲノムDNAの断片に対応し得る。ある特定の実施形態では、サブゲノム区間は、ゲノム源由来の連続した配列である。他の実施形態では、サブゲノム区間は、ゲノム中で近接していない配列を含み、例えば、それは、cDNA中のエクソン-エクソン接合部で形成される接合部を含み得る。
一実施形態では、サブゲノム区間は、単一ヌクレオチド位置;遺伝子内領域または遺伝子間領域;エクソンもしくはイントロン、またはその断片、典型的には、エクソン配列またはその断片;コーディング領域または非コーディング領域、例えば、プロモーター、エンハンサー、5’非翻訳領域(5’UTR)、または3’非翻訳領域(3’UTR)、またはその断片;cDNAまたはその断片;SNV;SNP;体細胞変異、生殖系列変異、またはそれらの両方;改変、例えば、点変異または単一変異;欠失変異(例えば、インフレーム欠失、遺伝子内欠失、全遺伝子欠失);挿入変異(例えば、遺伝子内挿入);逆位変異(例えば、染色体内逆位);連結変異;連結された挿入変異;逆位重複変異;タンデム重複(例えば、染色体内タンデム重複);転座(例えば、染色体転座、非相反転座);再編成(例えば、ゲノム再編成(例えば、1つ以上のイントロンまたはその断片の再編成;再編成されたイントロンは、5’-UTR及び/または3’-UTRを含み得る));遺伝子コピー数の変化;遺伝子発現の変化;RNAレベルの変化;またはそれらの組み合わせを含むか、またはそれらからなる。
「遺伝子のコピー数」とは、特定の遺伝子産物をコードする細胞中のDNA配列の数を指す。概して、所与の遺伝子について、哺乳動物は、各遺伝子の2つのコピーを有する。コピー数は、例えば、遺伝子増幅もしくは重複によって増加し得るか、または欠失によって減少し得る。
いくつかの実施形態では、機能的改変は、参照配列(例えば、野生型配列または変異していない配列)と比較して、細胞分裂、成長、または生存に影響を及ぼす(例えば、細胞分裂、成長、または生存を促進する)改変である。ある特定の実施形態では、機能的改変は、機能的改変のデータベース、例えば、COSMICデータベース(参照により全体が本明細書に組み込まれる、Forbes et al.Nucl.Acids Res.43(D1):D805-D811,2015を参照のこと)に含まれるようなものと特定される。他の実施形態では、機能的改変は、既知の機能状態を有する(例えば、COSMICデータベースにおいて既知の体細胞改変として生じる)改変である。ある特定の実施形態では、機能的改変は、起こり得る機能状態(例えば、腫瘍抑制遺伝子における切断)を有する改変である。ある特定の実施形態では、機能的改変は、ドライバー変異(例えば、細胞生存または繁殖を増加させることによって、例えば、その微小環境においてクローンに選択的優位性を与える改変)である。他の実施形態では、機能的改変は、クローン増殖を引き起こすことができる改変である。ある特定の実施形態では、機能的改変は、(a)成長シグナルにおける自給自足、(b)抗成長シグナルの低下、例えば、それに対する非感受性、(c)アポトーシスの低下、(d)複製能の増加、(e)持続的血管新生、または(f)組織浸潤もしくは転移のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ全てを引き起こすことができる改変である。
ある特定の実施形態では、機能的改変は、パッセンジャー変異ではない(例えば、細胞のクローンの適応度に検出可能な影響を及ぼさない改変ではない)。ある特定の実施形態では、機能的改変は、意義不明のバリアント(VUS)ではない(例えば、その病原性を確認も除外もすることができない改変ではない)。
ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セット内の事前選択された腫瘍遺伝子における複数(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)の機能的改変が除外される。ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セット内の事前選択された遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における全ての機能的改変が除外される。ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セット内の複数の事前選択された遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における複数の機能的改変が除外される。ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セット内の全ての遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における全ての機能的改変が除外される。
ある特定の実施形態では、体細胞改変の数は、サブゲノム区間内の生殖系列変異を除外する。
ある特定の実施形態では、生殖系列改変は、SNP、塩基置換、挿入、欠失、インデル、またはサイレント変異(例えば、同義変異)である。
ある特定の実施形態では、生殖系列改変は、一致した正常な配列との比較を使用しない方法の使用によって除外される。他の実施形態では、生殖系列改変は、アルゴリズム、例えば、体細胞-生殖系列-接合性(SGZ)アルゴリズム(Sun et al.Cancer Research 2014;74(19S):1893-1893を参照のこと)の使用を含む方法によって除外される。ある特定の実施形態では、生殖系列改変は、生殖系列改変のデータベース、例えば、dbSNPデータベース(参照により全体が本明細書に組み込まれる、Sherry et al.Nucleic Acids Res.29(1):308-311,2001を参照のこと)に含まれるようなものと特定される。他の実施形態では、生殖系列改変は、ExACデータベース(参照により全体が本明細書に組み込まれる、Exome Aggregation Consortium et al.bioRxiv preprint,October 30,2015を参照のこと)の2つ以上のカウントに含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、1000 Genome Projectデータベース(参照により全体が本明細書に組み込まれる、McVean et al.Nature 491,56-65,2012)に含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、ESPデータベース(Exome Variant Server,NHLBI GO Exome Sequencing Project(ESP),Seattle,WA)に含まれるようなものと特定される。
「PD-L1軸結合アンタゴニスト」という用語は、PD-1シグナル伝達軸上のシグナル伝達に起因するT細胞機能障害を除外し、結果として、T細胞機能を復元または増強するように、PD-L1軸結合パートナーとその結合パートナーのうちの1つ以上との相互作用を阻害する分子を指す。本明細書で使用される場合、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PD-L1結合アンタゴニスト及びPD-1結合アンタゴニスト、ならびにPD-L1とPD-1(例えば、PD-L2-Fc融合)との間相互作用を妨害する分子を含む。
免疫機能障害との関連での「機能障害」という用語は、抗原刺激に対する免疫応答性が低下した状態を指す。この用語は、抗原認識が起こり得るが、その後の免疫応答が感染または腫瘍成長の制御に無効である「消耗」及び/または「アネルギー」の両方の共通要素を含む。
本明細書で使用される「機能障害性」という用語は、抗原認識に対する不応性または無応答性、具体的には、抗原認識を、増殖、サイトカイン産生(例えば、IL-2)、及び/または標的細胞死滅等の下流T細胞エフェクター機能に翻訳する能力の障害も含む。
「アネルギー」という用語は、T細胞受容体を介して伝達される不完全または不十分なシグナル(例えば、Ras活性化の不在下での細胞内Ca2+の増加)に起因する抗原刺激に対する無応答状態を指す。T細胞アネルギーは、共刺激の不在下での抗原での刺激時にも生じ得、結果として、共刺激との関連でも、細胞を抗原によるその後の活性化に対して不応性にする。無応答状態は、多くの場合、インターロイキン-2の存在によって無効にされ得る。アネルギーT細胞は、クローン増殖を経ず、及び/またはエフェクター機能を獲得しない。
「消耗」という用語は、多くの慢性感染症及びがん発症中に生じる持続的TCRシグナル伝達に起因するT細胞機能障害の状態としてのT細胞消耗を指す。これは、不完全または不十分なシグナル伝達ではなく、持続的シグナル伝達に起因するという点で、アネルギーとは区別される。これは、エフェクター機能不全、阻害性受容体の持続的発現、及び機能的エフェクターまたはメモリーT細胞とははっきりと異なる転写状態によって定義される。消耗は、感染及び腫瘍の最適な制御を妨げる。消耗は、外因性の負の調節経路(例えば、免疫調節サイトカイン)及び細胞固有の負の調節(共刺激)経路(PD-1、B7-H3、B7-H4等)の両方に起因し得る。
「免疫原性」とは、免疫応答を誘発する特定の物質の能力を指す。腫瘍は、免疫原性であり、腫瘍免疫原性の増強により、免疫応答による腫瘍細胞のクリアランスが助長される。腫瘍免疫原性の増強の例としては、PD-L1軸結合アンタゴニストでの治療が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」という用語は、免疫応答の調節を改変する、例えば、免疫応答を下方調節または阻害する少なくとも1つの免疫チェックポイントタンパク質を標的とする治療薬を指す。免疫チェックポイントタンパク質は、当該技術分野で既知であり、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、プログラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、T細胞活性化のVドメインIg抑制因子(VISTA)、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPアルファ(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、LAG-3、BTLA、IDO、OX40、及びA2aRを含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、免疫チェックポイントタンパク質は、活性化T細胞の表面で発現される。本発明の方法に有用な免疫チェックポイント阻害剤として機能し得る治療薬としては、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、VISTA、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPアルファ(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、LAG-3、BTLA、IDO、OX40、及びA2aRのうちの1つ以上を標的とする治療薬が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤は、1つ以上の標的とされた免疫チェックポイントタンパク質の機能を増強または抑制する。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤は、本明細書に記載のPD-L1軸結合アンタゴニストである。
本明細書で使用される場合、「PD-L1結合アンタゴニスト」とは、PD-L1と、その結合パートナーのうちの1つ以上、例えば、PD-1及び/またはB7-1のいずれかとの相互作用に起因するシグナル伝達を低減、遮断、阻害、抑止、または妨害する分子である。いくつかの実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の態様では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のPD-1及び/またはB7-1への結合を阻害する。いくつかの実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストとしては、抗PD-L1抗体及びその抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、小分子アンタゴニスト、ポリヌクレオチドアンタゴニスト、ならびにPD-L1と、その結合パートナーのうちの1つ以上、例えば、PD-1及び/またはB7-1との相互作用に起因するシグナル伝達を低減、遮断、阻害、抑止、または妨害する他の分子が挙げられる。一実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1またはPD-1を介してTリンパ球及び他の細胞で発現された細胞表面タンパク質によって、またはそれを介して媒介される負のシグナルを低減し、それにより、機能障害T細胞の機能障害を低下させる(例えば、抗原認識に対するエフェクター応答を増強する)。いくつかの実施形態では、PD-L1結合アンタゴニストは、抗PD-L1抗体である。特定の態様では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載のYW243.55.S70である。別の特定の態様では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載のMDX-1105である。なお別の特定の態様では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載のアテゾリズマブ(CAS登録番号:1422185-06-5)、別名、MPDL3280Aである。なお別の特定の態様では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載のMEDI4736(ドルバルマブ)である。なお別の特定の態様では、抗PD-L1抗体は、本明細書に記載のMSB0010718C(アベルマブ)である。
本明細書で使用される場合、「PD-1結合アンタゴニスト」とは、PD-1と、その結合パートナーのうちの1つ以上、例えば、PD-L1及び/またはPD-L2との相互作用に起因するシグナル伝達を低減、遮断、阻害、抑止、または妨害する分子である。いくつかの実施形態では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のPD-L1及び/またはPD-L2への結合を阻害する。例えば、PD-1結合アンタゴニストとしては、抗PD-1抗体及びその抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、小分子アンタゴニスト、ポリヌクレオチドアンタゴニスト、ならびにPD-1とPD-L1及び/またはPD-L2との相互作用に起因するシグナル伝達を低減、遮断、阻害、抑止、または妨害する他の分子が挙げられる。一実施形態では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1またはPD-L1を介してTリンパ球及び他の細胞で発現された細胞表面タンパク質によって、またはそれを介して媒介される負のシグナルを低減し、それにより、機能障害T細胞の機能障害を低下させる。いくつかの実施形態では、PD-1結合アンタゴニストは、抗PD-1抗体である。特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、本明細書に記載のMDX-1106(ニボルマブ)である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、本明細書に記載のMK-3475(ペムブロリズマブ)である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、本明細書に記載のCT-011(ピディリズマブ)である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、MEDI-0680(AMP-514)である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、PDR001である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、REGN2810である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、BGB-108である。別の特定の態様では、PD-1結合アンタゴニストは、本明細書に記載のAMP-224である。
「プログラム死リガンド1」及び「PD-L1」という用語は、本明細書において、天然配列PD-L1ポリペプチド、ポリペプチドバリアント(すなわち、PD-L1ポリペプチドバリアント)、ならびに天然配列ポリペプチド及びポリペプチドバリアントの断片(これらは本明細書でさらに定義される)を指す。本明細書に記載のPD-L1ポリペプチドは、様々な源、例えば、ヒト組織型もしくは別の源から単離されたもの、または組換え法もしくは合成法によって調製されたものであり得る。
「天然配列PD-L1ポリペプチド」は、自然界に由来する対応するPD-L1ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
「PD-L1ポリペプチドバリアント」またはその変形は、本明細書に開示される天然配列PD-L1ポリペプチド配列のうちのいずれかと少なくとも約80アミノ酸配列同一性%を有する、本明細書で定義されるPD-L1ポリペプチド、一般に、活性PD-L1ポリペプチドを意味する。かかるPD-L1ポリペプチドバリアントには、例えば、天然アミノ酸配列のN末端またはC末端で1つ以上のアミノ酸残基が付加または欠失されたPD-L1ポリペプチドが含まれる。通常、PD-L1ポリペプチドバリアントは、本明細書に開示される天然配列PD-L1ポリペプチド配列と少なくとも約80アミノ酸配列同一性%、あるいは、少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99アミノ酸配列同一性%を有するであろう。通常、PD-L1ポリペプチドバリアントは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは、少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、281、282、283、284、285、286、287、288、もしくは289アミノ酸長、またはそれ以上である。任意選択的に、PD-L1ポリペプチドバリアントは、天然PD-L1ポリペプチド配列と比較して1つ以下の保存的アミノ酸置換、あるいは、天然PD-L1ポリペプチド配列と比較して2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以下の保存的アミノ酸置換を有するであろう。
本明細書で同義に使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドまたは塩基、及び/またはそれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによって、または合成反応によってポリマーに組み込まれ得る任意の基質であり得る。したがって、例えば、本明細書で定義されるポリヌクレオチドとしては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖領域を含むDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、ならびに一本鎖及び二本鎖領域を含むRNA、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖であり得るか、または一本鎖及び二本鎖領域を含むDNA及びRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、RNAもしくはDNAを含むか、またはRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。かかる領域内の鎖は、同じ分子由来であっても、異なる分子由来であってもよい。これらの領域は、これらの分子のうちの1つ以上の全てを含み得るが、より典型的には、これらの分子のうちのいくつかの領域のみを含み得る。三重らせん領域の分子のうちの1つは、多くの場合、オリゴヌクレオチドである。「ポリヌクレオチド」という用語は、具体的には、cDNAを含む。
ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体等の修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組み立て前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、標識とのコンジュゲーション等による合成後にさらに修飾され得る。修飾の他の種類としては、例えば、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の類似体での「キャップ」置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非電荷性結合(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメート等)によるもの、及び電荷性結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)によるもの、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リジン等)等を含むもの、挿入剤(例えば、アクリジン、ソラーレン等)によるもの、キレート剤(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸等)によるもの、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態などが挙げられる。さらに、糖に通常存在するヒドロキシル基のうちのいずれかは、例えば、ホスホン酸基、リン酸基によって置換され得るか、標準の保護基によって保護され得るか、または追加のヌクレオチドへのさらなる結合を調製するように活性化され得るか、または固体もしくは半固体支持体にコンジュゲートされ得る。5’末端及び3’末端OHは、リン酸化され得るか、または1~20個の炭素原子を有するアミンもしくは有機キャッピング基部分で置換され得る。他のヒドロキシルは、標準の保護基に誘導体化される場合もある。ポリヌクレオチドは、例えば、2’-O-メチル-、2’-O-アリル-、2’-フルオロ-、または2’-アジド-リボース、炭素環式糖類似体、α-アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロース、またはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、及び脱塩基ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドを含む、当該技術分野で一般に既知のリボース糖またはデオキシリボース糖の類似形態も含み得る。1つ以上のホスホジエステル結合は、代替の連結基によって置換され得る。これらの代替の連結基としては、ホスフェートが、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、「(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO、またはCH2(「ホルムアセタール」)(式中、各RまたはR’が独立して、Hまたは置換もしくは非置換アルキル(1~20C)(任意選択的にエーテル(-O-)結合を含む)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、もしくはアラルジルである)によって置換される実施形態が挙げられるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチド内の全ての結合が同一である必要はない。ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の1つ以上の異なる種類の修飾及び/または同じ種類の複数の修飾を含み得る。前述の説明は、RNA及びDNAを含む本明細書で言及される全てのポリヌクレオチドに適用される。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」とは、一般に、約250ヌクレオチド長未満であるが、必ずしもそうではない短い一本鎖ポリヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチドは、合成であり得る。「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、相互排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の説明は、オリゴヌクレオチドに同等かつ完全に適用可能である。
「プライマー」という用語は、一般に遊離3’-OH基を提供することによって、核酸にハイブリダイズし、かつ相補的核酸の重合を可能にすることができる一本鎖ポリヌクレオチドを指す。
「小分子」という用語は、約2000ダルトン以下、好ましくは約500ダルトン以下の分子量を有する任意の分子を指す。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、同義に使用され、外因性核酸が導入されている細胞(かかる細胞の子孫を含む)を指す。宿主細胞には、初代形質転換細胞及び継代の数にかかわらずそれに由来する子孫を含む「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれる。子孫は、核酸含有量が親細胞と完全に同一ではない場合があるが、変異を含み得る。最初に形質転換された細胞についてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が本明細書に含まれる。
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが結合している別の核酸を増殖することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれるベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが作動可能に結合している核酸の発現を誘導することができる。かかるベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。
「単離された」核酸とは、その天然環境の成分から単離された核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子を含むが、その核酸分子は、染色体外に、またはその天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片(それらが所望の抗原結合活性を呈する限り)を含むが、これらに限定されない様々な抗体構造を包含する。
「単離された」抗体とは、その天然環境の成分から特定及び分離及び/または回収された抗体である。その天然環境の汚染成分は、抗体の研究的、診断的、及び/または治療的使用を妨害するであろう物質であり、それらには、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が含まれ得る。いくつかの実施形態では、抗体は、(1)例えば、ローリー法によって決定される、抗体の95重量%超に、かついくつかの実施形態では、99重量%超に、(2)例えば、スピニングカップシークエネーターを使用して、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度まで、または(3)例えば、クマシーブルーまたはシルバー染色を使用して、還元または非還元条件下でSDS-PAGEによって均質性が得られるまで精製される。単離された抗体は、抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内でインサイチュの抗体を含む。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製されるであろう。
「天然抗体」とは、通常、2つの同一の軽鎖(L)及び2つの同一の重鎖(H)から構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に結合しているが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖によって変動する。各重鎖及び軽鎖は、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)を有し、いくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)を有し、その他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインとアラインされており、軽鎖の可変ドメインは、重鎖可変ドメインとアラインされている。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている。
任意の哺乳類種由来の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明らかに異なるタイプのうちの1つに割り当てられ得る。
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含む可変ドメインである免疫グロブリンの他方の部分と比較してより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2、及びCH3ドメイン(集合的に、CH)、ならびに軽鎖のCHL(またはCL)ドメインを含む。
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」と称され得る。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と称され得る。これらのドメインは、一般に、抗体の最も可変の部分であり、抗原結合部位を含む。
「可変」という用語は、可変ドメインのある特定の部分が抗体間で配列の点で広範に異なり、各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合及び特異性に使用されるという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたって均等に分布していない。これは、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインの両方において超可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、4つのFR領域を含み、これらは、主にベータ-シート構成を採用し、3つのHVRによって接続され、これらの3つのHVRは、ベータ-シート構造を接続し、いくつかの場合では、その一部を形成するループを形成する。各鎖内のHVRは、FR領域によってごく近接して一緒に保持されており、他方の鎖のHVRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照のこと)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、抗体依存性細胞毒性への抗体の関与等の様々なエフェクター機能を呈する。
本明細書で使用される「超可変領域」、「HVR」、または「HV」という用語は、配列が超可変である、及び/または構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は、6つのHVRを含み、3つがVHにあり(H1、H2、H3)、3つがVLにある(L1、L2、L3)。天然抗体において、H3及びL3は、これらの6つのHVRのうちで最も高い多様性を呈し、特にH3が、抗体への優れた特異性の付与に特有の役割を果たすと考えられている。例えば、Xu et al.,Immunity 13:37-45(2000)、Johnson and Wu,in Methods in Molecular Biology 248:1-25(Lo,ed.,Human Press,Totowa,N.J.,2003)を参照されたい。実際には、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科抗体は、軽鎖の不在下で機能的であり、安定している。例えば、Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-448(1993)、Sheriff et al.,Nature Struct.Biol.3:733-736(1996)を参照されたい。
いくつかのHVR描写が使用されており、本明細書に包含される。Kabat相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。代わりに、Chothiaは、構造的ループの位置を参照する(Chothia and LeskJ.Mol.Biol.196:901-917(1987))。AbM HVRは、Kabat HVRとChothia構造的ループとの間の折衷案に相当し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されている。「接触」HVRは、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づいている。これらのHVRの各々由来の残基が以下に記載される。
HVRは、以下の「伸張HVR」:VLにおいて、24~36または24~34(L1)、46~56または50~56(L2)、及び89~97または89~96(L3)、ならびにVHにおいて、26~35(H1)、50~65、または49~65(H2)、及び93~102、94~102、または95~102(H3)を含み得る。可変ドメイン残基は、これらの定義の各々について、Kabat et al.(上記参照)に従って番号付けされる。
「フレームワーク」または「FR」残基とは、本明細書で定義されるHVR残基以外の可変ドメイン残基である。
「Kabatにあるような可変ドメイン残基番号付け」または「Kabatにあるようなアミノ酸位置番号付け」という用語、及びそれらの変形は、Kabat et al.(上記参照)における抗体の編集物の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用して、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはHVRの短縮またはそれへの挿入に対応するより少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入(Kabatに従う残基52a)、及び重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatに従う残基82a、82b、及び82c等)を含み得る。残基のKabat番号付けは、抗体の配列の相同領域での「標準の」Kabat番号付け配列とのアライメントによって所与の抗体について決定され得る。
Kabat番号付けシステムは、一般に、可変ドメイン内の残基(軽鎖のおよそ残基1~107及び重鎖のおよそ残基1~113)を参照するときに使用される(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest.5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。「EU番号付けシステム」または「EUインデックス」は、一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域内の残基を参照するときに使用される(例えば、Kabat et al.(上記参照)で報告されているEUインデックス)。「KabatにあるようなEUインデックス」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。
「全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、以下で定義される抗体断片ではなく、その実質的にインタクトな形態の抗体を指すために、本明細書で同義に使用される。この用語は、具体的には、Fc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
「抗体断片」は、好ましくはその抗原結合領域を含む、インタクトな抗体の一部分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体断片は、抗原結合断片である。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体;一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。
抗体のパパイン消化は、各々単一の抗原結合部位を有する「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び容易に結晶化するその能力を名称が反映する残りの「Fc」断片を産生する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、かつ依然として抗原を架橋することができるF(ab’)2断片が産出される。「Fv」とは、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。一実施形態では、二本鎖Fv種は、密接に非共有会合している1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。一本鎖Fv(scFv)種において、1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインは、軽鎖及び重鎖が二本鎖Fv種にある構造に類似した「二量体」構造で会合し得るように、可動性ペプチドリンカーによって共有結合され得る。各可変ドメインの3つのHVRが相互作用してVH-VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するのは、この立体配置においてである。集合的に、6つのHVRが抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、全結合部位よりも低い親和性であるが、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのHVRのみを含むFvの半分)でさえも、抗原を認識してそれに結合する能力を有する。
Fab断片は、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含み、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端での数個の残基の付加だけFab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を持つFab’の本明細書における表記である。F(ab’)2抗体断片は、元来、間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生されたものであった。抗体断片の他の化学結合も既知である。
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVHドメイン及びVLドメインを含み、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖内に存在する。一般に、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの概説については、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag,New York,1994),pp.269-315を参照されたい。
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する抗体断片を指し、これらの断片は、同じポリペプチド鎖内の軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)(VH-VL)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合させられ、2つの抗原結合部位を作製する。ダイアボディは、二価であっても二重特異性であってもよい。ダイアボディについては、例えば、EP404,097、WO1993/01161、Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003)、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)により詳細に記載されている。トリアボディ及びテトラボディについても、Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。
抗体の「クラス」とは、その重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。5つの主な抗体クラス、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分類され得る。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体集団から得られた抗体を指し、例えば、その集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在し得る可能な変異、例えば、天然に存在する変異を除いて同一である。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、別個の抗体の混合物ではないという抗体の特徴を示す。ある特定の実施形態では、かかるモノクローナル抗体は、典型的には、標的に結合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、標的結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一の標的結合ポリペプチド配列の選択を含むプロセスによって得られたものである。例えば、この選択プロセスは、複数のクローン、例えば、ハイブリドーマクローン、ファージクローン、または組換えDNAクローンのプールからの特有のクローンの選択であり得る。選択された標的結合配列が、例えば、標的に対する親和性を改善し、標的結合配列をヒト化し、細胞培養におけるその産生を改善し、インビボでのその免疫原性を低下させ、多重特異性抗体を作製するようにさらに改変されてもよく、改変された標的結合配列を含む抗体が本発明のモノクローナル抗体でもあることを理解されたい。異なる決定基(エピトープ)に対して指向される異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体調製物は、それらには他の免疫グロブリンが典型的には夾雑していないという点で有利である。
「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein,Nature 256:495-97(1975)、Hongo et al.,Hybridoma 14(3):253-260(1995)、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988)、Hammerling et al.,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624-628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004)、及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)を参照のこと)、及びヒト免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子座または遺伝子の一部または全てを有する動物においてヒトまたはヒト様抗体を産生する技術(例えば、WO1998/24893、WO1996/34096、WO1996/33735、WO1991/10741、Jakobovits et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2551(1993)、Jakobovits et al.,Nature 362:255-258(1993)、Bruggemann et al.,Year in Immunol.7:33(1993)、米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、及び同第5,661,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992)、Lonberg et al.,Nature 368:856-859(1994)、Morrison,Nature 368:812-813(1994)、Fishwild et al.,Nature Biotechnol.14:845-851(1996)、Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996)、ならびにLonberg et al.,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を参照のこと)を含む、様々な技法によって作製され得る。
本明細書におけるモノクローナル抗体には、具体的には、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である一方で、鎖(複数可)の残り部分が、別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体、ならびにかかる抗体の断片(それらが所望の生物学的活性を呈する限り)(例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855(1984)を参照のこと)が含まれる。キメラ抗体には、抗体の抗原結合領域が、例えば、マカクザルを目的とする抗原で免疫化することによって産生された抗体に由来するPRIMATIZED(登録商標)抗体が含まれる。
「ヒト抗体」とは、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された抗体、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒト源に由来する抗体に対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基及びヒトフレームワーク領域(FR)由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、HVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、ヒト化を経た抗体を指す。
「抗PD-L1抗体」及び「PD-L1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-L1を標的とする際に診断薬及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-L1に結合することができる抗体を指す。一実施形態では、抗PD-L1抗体の非関連非PD-L1タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される、抗体のPD-L1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、抗PD-L1抗体は、異なる種由来のPD-L1間で保存されたPD-L1のエピトープに結合する。
「抗PD-1抗体」及び「PD-1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-1を標的とする際に診断薬及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-1に結合することができる抗体を指す。一実施形態では、抗PD-1抗体の非関連非PD-1タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される、抗体のPD-1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、抗PD-1抗体は、異なる種由来のPD-1間で保存されたPD-1のエピトープに結合する。
「遮断」抗体または「アンタゴニスト」抗体とは、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害または低減する抗体である。好ましい遮断抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を実質的にまたは完全に阻害する。
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の合計の強度を指す。別途示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(Kd)で表され得る。親和性は、本明細書に記載の方法を含む当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定され得る。結合親和性を測定するための特定の例証的かつ例示的な実施形態が以下に記載される。
本明細書で使用される場合、「結合する」、「に特異的に結合する」、または「に特異的な」という用語は、生物学的分子を含む異種分子集団の存在下で標的の存在を決定する標的と抗体との間の結合等の測定可能かつ再現可能な相互作用を指す。例えば、標的(エピトープであり得る)に結合するか、またはそれに特異的に結合する抗体は、それが他の標的に結合するよりも高い親和性で、高い結合力で、より容易に、及び/またはより長い期間、この標的に結合する抗体である。一実施形態では、抗体の非関連標的への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される、抗体の標的への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されたタンパク質のエピトープに特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、それを必要としない。
「親和性成熟」抗体とは、改変を有しない親抗体と比較して1つ以上の超可変領域(HVR)に1つ以上の改変を有し、かかる改変により抗体の抗原に対する親和性が改善される抗体を指す。
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する。
「イムノコンジュゲート」とは、細胞傷害性剤を含むが、これに限定されない1つ以上の異種分子(複数可)にコンジュゲートされる抗体である。
本明細書で使用される場合、「イムノアドヘシン」という用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性を免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能と組み合わせた抗体様分子を指す。構造的に、イムノアドヘシンは、抗体の抗原認識及び結合部位以外の(すなわち、「異種の」)所望の結合特異性を有するアミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドヘシン部分は、典型的には、少なくとも受容体またはリガンドの結合部位を含む連続したアミノ酸配列である。イムノアドヘシンにおける免疫グロブリン定常ドメイン配列は、任意の免疫グロブリン、例えば、IgG1、IgG2(IgG2A及びIgG2Bを含む)、IgG3、またはIgG4サブタイプ、IgA(IgA1及びIgA2を含む)、IgE、IgD、またはIgMから得られ得る。Ig融合物は、好ましくは、Ig分子内の少なくとも1つの可変領域の代わりに本明細書に記載のポリペプチドまたは抗体のドメインの置換を含む。特に好ましい実施形態では、免疫グロブリン融合物は、IgG1分子の、ヒンジ領域、CH2領域、及びCH3領域、またはヒンジ領域、CH1領域、CH2領域、及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合物の産生については、米国特許第5,428,130号も参照されたい。例えば、本明細書における療法に有用な薬剤として有用なイムノアドヘシンは、免疫グロブリン配列の定常ドメインに融合した、PD-L1もしくはPD-L2の細胞外ドメイン(ECD)もしくはPD-1結合部分、またはPD-1の細胞外もしくはPD-L1もしくはPD-L2結合部分(例えば、それぞれ、PD-L1 ECD-Fc、PD-L2 ECD-Fc、及びPD-1 ECD-Fc)を含むポリペプチドを含む。細胞表面受容体のIg FcとECDとのイムノアドヘシンの組み合わせは、可溶性受容体とも呼ばれる。
「融合タンパク質」及び「融合ポリペプチド」とは、一緒に共有結合した2つの部分を有するポリペプチドを指し、これらの部分は各々、異なる特性を有するポリペプチドである。この特性は、インビトロまたはインビボでの活性等の生物学的特性であり得る。この特性は、単純な化学的または物理的特性、例えば、標的分子への結合、反応の触媒作用等でもあり得る。これらの2つの部分は、単一のペプチド結合によって直接、またはペプチドリンカーを介して連結され得るが、互いにリーディングフレーム内にある。
本明細書で特定されるポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアラインし、最大配列同一性パーセントを達成するために必要に応じてギャップを導入した後に、いずれの保存的置換も配列同一性とは見なさずに、比較されるポリペプチド内のアミノ酸残基と同一の候補配列内のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、当該技術分野の技術の範囲内の様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書における目的のために、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して生成される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムの著者はGenentech,Inc.であり、ソースコードは、ユーザ文書と共に米国著作権庁(Washington D.C.,20559)に提出されており、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaから公的に入手可能である。ALIGN-2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム、好ましくは、デジタルUNIX V4.0Dで使用するためにコンパイルされるべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定されており、変動しない。
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Aの、所与のアミノ酸配列Bへの、それとの、またはそれに対するアミノ酸配列同一性%(あるいは、所与のアミノ酸配列Bへの、それとの、またはそれに対するある特定のアミノ酸配列同一性%を有するか、または含む所与のアミノ酸配列Aと表現され得る)は、以下のように計算され、
100×分数X/Y
式中、Xは、配列アライメントプログラムALIGN-2によってそのプログラムのAとBとのアライメントにおいて完全な一致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解される。別途具体的に述べられない限り、本明細書で使用される全てのアミノ酸配列同一性%値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して直前の段落に記載されるように得られる。
「検出」という用語は、直接及び間接的検出を含む、任意の検出手段を含む。
本明細書で使用される「バイオマーカー」という用語は、試料中で検出され得る、例えば、予測、診断、及び/または予後の指標、例えば、bTMBスコア、tTMBスコア、またはPD-L1を指す。バイオマーカーは、ある特定の分子的、病理学的、組織学的、及び/または臨床的特徴(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む療法に対する応答性)によって特徴付けられる疾患または障害(例えば、がん)の特定のサブタイプの指標としての機能を果たし得る。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、遺伝子の集合体または遺伝子の集合体における変異/改変(例えば、体細胞変異)の集合数である。バイオマーカーとしては、ポリヌクレオチド(例えば、DNA及び/またはRNA)、ポリヌクレオチド改変(例えば、ポリヌクレオチドコピー数改変、例えば、DNAコピー数改変)、ポリペプチド、ポリペプチド及びポリヌクレオチド修飾(例えば、翻訳後修飾)、炭水化物、及び/または糖脂質ベースの分子マーカーが挙げられるが、これらに限定されない。
個体への臨床的利益の増加に関連する体細胞変異の「量」または「数」は、生体試料中で検出可能なレベルである。これらは、当業者に既知であり、かつ本明細書にも開示される方法によって測定され得る。評価される体細胞変異の量を使用して、治療に対する応答を決定することができる。
本明細書で使用される「増幅」とは、一般に、所望の配列の複数のコピーを作り出すプロセスを指す。「複数のコピー」とは、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、必ずしも鋳型配列に対する完全な配列相補性または同一性を意味しない。例えば、コピーは、デオキシイノシン等のヌクレオチド類似体、意図的な配列改変(鋳型にハイブリダイズ可能であるが相補的ではない配列を含むプライマーによって導入される配列改変等)、及び/または増幅中に生じる配列エラーを含み得る。
本明細書で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」技法は、一般に、核酸、RNA、及び/またはDNAの微量の特定の小片が、例えば、米国特許第4,683,195号に記載されるように増幅される手順を指す。一般に、オリゴヌクレオチドプライマーが設計され得るように、目的とする領域の末端またはそれ以降からの配列情報が利用可能でなければならず、これらのプライマーの配列は、増幅される鋳型の反対側の鎖と同一であるか、または同様である。これらの2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅される材料の末端と一致し得る。PCRを使用して、特定のRNA配列、全ゲノムDNAからの特定のDNA配列、及び全細胞RNAから転写されたcDNA、バクテリオファージ、またはプラスミド配列等を増幅することができる。概して、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263(1987)、及びErlich,ed.,PCR Technology,(Stockton Press,NY,1989)を参照されたい。本明細書で使用される場合、PCRは、プライマーとしての既知の核酸(DNAまたはRNA)の使用を含む、核酸試験試料を増幅するための核酸ポリメラーゼ反応法の一例であるとみなされるが、唯一の例ではなく、核酸の特定の小片を増幅もしくは生成するために、または特定の核酸に相補的な核酸の特定の小片を増幅もしくは生成するために、核酸ポリメラーゼを利用する。
「診断」という用語は、分子的または病理学的状態、疾患、または状態(例えば、がん)の特定または分類を指すために本明細書で使用される。例えば、「診断」とは、特定の種類のがんの特定を指し得る。「診断」とは、例えば、病理組織的基準による、または分子的特徴(例えば、バイオマーカー(例えば、特定の遺伝子またはそれらの遺伝子によってコードされるタンパク質)のうちの1つまたは組み合わせの発現を特徴とするサブタイプ)による、がんの特定のサブタイプの分類も指し得る。
「診断を助ける」という用語は、疾患または障害(例えば、がん)の特定の種類の症状または状態の存在または性質に関する臨床的決定を行う助けとなる方法を指すために本明細書で使用される。例えば、疾患または状態(例えば、がん)の診断を助ける方法は、個体由来の生体試料におけるある特定の体細胞変異を測定することを含み得る。
本明細書で使用される「試料」という用語は、例えば、物理的、生化学的、化学的、及び/または生理学的特性に基づいて、特徴付け及び/または特定される細胞及び/または他の分子実体を含む、目的とする対象及び/または個体から得られるか、またはそれに由来する組成物を指す。例えば、「疾患試料」という語句及びその変形は、特徴付けされる細胞及び/または分子実体を含むことが予想されるか、それを含むことが既知である、目的とする対象から得られた任意の試料を指す。試料としては、組織試料、初代もしくは培養細胞または細胞株、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、乳、全血、血漿、血清、血液由来の細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、及び組織培養培地、組織抽出物、例えば、均質化組織、腫瘍組織、細胞抽出物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例では、試料は、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせである。
本明細書で使用される「腫瘍細胞」とは、腫瘍またはその試料中に存在する任意の腫瘍細胞を指す。腫瘍細胞は、当該技術分野で既知である、及び/または本明細書に記載の方法を使用して、腫瘍試料中に存在し得る他の細胞、例えば、間質細胞及び腫瘍浸潤免疫細胞と区別され得る。
本明細書で使用される「基準試料」、「参照細胞」、「参照組織」、「対照試料」、「対照細胞」、または「対照組織」とは、比較目的のために使用される試料、細胞、組織、標準物、またはレベルを指す。
「相関する」または「相関すること」とは、任意の方法で、第1の分析またはプロトコルの性能及び/または結果を第2の分析またはプロトコルの性能及び/または結果と比較することを意味する。例えば、第2のプロトコルを行う際に第1の分析もしくはプロトコルの結果を使用してもよく、及び/または第1の分析もしくはプロトコルの結果を使用して、第2の分析もしくはプロトコルが行われるべきかを決定してもよい。ポリペプチド分析またはプロトコルの実施形態に関して、ポリペプチド発現分析またはプロトコルの結果を使用して、特定の治療レジメンが行われるべきかを決定してもよい。ポリヌクレオチド分析またはプロトコルの実施形態に関して、ポリヌクレオチド発現分析またはプロトコルの結果を使用して、特定の治療レジメンが行われるべきかを決定してもよい。
「個体応答」または「応答」は、(1)遅延または完全停止を含む、疾患増悪(例えば、がん進行)のある程度の阻害、(2)腫瘍サイズの低減、(3)隣接する末梢器官及び/または組織へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、軽減、遅延、または完全停止)、(4)転移の阻害(すなわち軽減、遅延、または完全停止)、(5)疾患または障害(例えば、がん)に関連する1つ以上の症状のある程度の緩和、(6)全生存期間及び無増悪生存期間を含む、生存期間の増大または延長、及び/または(7)治療後の所与の時点での死亡率の低下を含むが、これらに限定されない、個体への利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価され得る。
薬剤での治療に対する患者の「有効な応答」または患者の「応答性」及び同様の言い回しは、がん等の疾患または障害の危険性があるか、それに罹患する患者に付与される臨床的または治療的利益を指す。一実施形態では、かかる利益は、生存期間の延長(全生存期間及び/または無増悪生存期間を含む)、客観的奏功(完全奏功または部分奏効を含む)をもたらすこと、またはがんの兆候もしくは症状の改善のうちのいずれか1つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、基準bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア約4~約30、例えば、基準bTMBスコア約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)であるか、またはそれを超える、本明細書に開示される方法を使用して決定されたbTMBスコアは、薬剤での治療(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、例えば、抗PD-L1抗体を含む治療)に応答する可能性が高いことが予測される患者を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、基準bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア約4~約30、例えば、基準bTMBスコア約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)未満である、本明細書に開示される方法を使用して決定されたbTMBスコアは、PD-L1軸結合アンタゴニスト以外の、またはそれに加えた抗がん療法での治療に応答する可能性が高いことが予測される患者を特定するために使用される。いくつかの例では、個体由来の試料から決定されたbTMBスコアは、約8~約100(例えば、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100)である。
概して、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、配列決定されたゲノム領域のサイズに線形的に関連している。上記の例示の数は、約1.1Mbの配列決定によって、例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルを使用して得られたbTMBスコアを指す。試料のbTMBスコアは、塩基のX倍配列決定した場合、約X倍高いことが予想される。いくつかの実施形態では、正規化bTMB値は、カウントされた体細胞変異(例えば、変異)の数を、配列決定された塩基の数、例えば、メガベース当たりのカウントされた体細胞変異(例えば、変異)の数で割ることによって計算され得る。したがって、前述のbTMBスコアまたは基準bTMBスコアのうちのいずれかは、同等bTMB値、例えば、全エクソーム配列決定によって決定された同等bTMB値であり得る。いくつかの例では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、例えば、全エクソームベースのアッセイにおいて、約400~約1500(例えば、bTMBスコア約400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500)であり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法を使用して決定されたbTMBスコアとMSAFとの組み合わせは、薬剤での治療(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、例えば、抗PD-L1抗体を含む治療)に応答する可能性が高いことが予測される患者を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法を使用して決定されたbTMBスコアとMSAFとの組み合わせは、PD-L1軸結合アンタゴニスト以外の、またはそれに加えた抗がん療法での治療に応答する可能性が高いことが予測される患者を特定するために使用される。
「客観的奏功」とは、完全奏功(CR)または部分奏功(PR)を含む、測定可能な応答を指す。いくつかの実施形態では、「客観的奏功率(ORR)」とは、完全奏功(CR)率及び部分奏功(PR)率の合計を指す。
「完全奏効」または「CR」とは、治療に応答したがんの全ての兆候の消滅(例えば、全ての標的病変の消滅)を意味する。これは、必ずしもがんが治癒されたことを意味しない。
「持続的応答」とは、治療中止後の腫瘍成長の低下に対する持続的効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、薬剤投与期の開始時のサイズと比較して同じサイズまたはより小さいサイズであり得る。いくつかの実施形態では、持続的応答は、治療期間と少なくとも同じ期間、治療期間の少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、もしくは3.0倍長い、またはそれ以上の期間を有する。
本明細書で使用される場合、「がん再発を低減または阻害する」とは、腫瘍もしくはがん再発または腫瘍もしくはがん進行を低減または阻害することを意味する。本明細書に開示されるように、がん再発及び/またはがん進行には、がん転移が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「部分奏効」または「PR」とは、治療に応答した、1つ以上の腫瘍もしくは病変のサイズの低減、または身体におけるがんの範囲の低減を指す。例えば、いくつかの実施形態では、PRは、ベースラインSLDを参照として、標的病変の最長径和(SLD)の少なくとも30%の低減を指す。
本明細書で使用される場合、「安定した疾患」または「SD」とは、治療開始以後の最小SLDを参照として、PRにふさわしい十分な標的病変の収縮も、PDにふさわしい十分な増大もないことを指す。
本明細書で使用される場合、「進行性疾患」または「PD」とは、治療開始または1つ以上の新たな病変の存在以後に記録された最小SLDを参照として、標的病変のSLDの少なくとも20%の増加を指す。
「生存」という用語は、生存し続けている患者を指し、全生存、ならびに無増悪生存を含む。
本明細書で使用される場合、「無増悪生存期間」または「PFS」とは、治療される疾患(例えば、がん)が悪化しない治療中及び治療後の時間の長さを指す。無増悪生存期間は、患者が完全奏効または部分奏効を経験した患者の期間、ならびに患者が安定した疾患を経験した期間を含み得る。
本明細書で使用される場合、「全生存期間」または「OS」は、特定の期間後に生存している可能性がある群における個体のパーセンテージを指す。
「生存期間の延長」とは、治療されていない患者と比較した(すなわち薬剤で治療されていない患者と比較した)、または指定されたレベルで体細胞変異を有しない患者と比較した、及び/または抗腫瘍剤で治療された患者と比較した、治療された患者における全生存期間または無増悪生存期間の延長を意味する。
本明細書で使用される「実質的に同じ」という用語は、2つの数値間の類似の程度が十分に高いことを意味し、したがって、当業者であれば、これらの2つの値間の差が、それらの値(例えば、Kd値または変異レベル)によって測定される生物学的特性との関連で、生物学的及び/または統計的にほとんどまたは全く有意ではないとみなすであろう。これらの2つの値間の差は、参照/比較値の関数として、例えば、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/または約10%未満である。
本明細書で使用される「実質的に異なる」という語句は、2つの数値間の差の程度が十分に高いことを意味し、したがって、当業者であれば、これらの2つの値間の差が、それらの値(例えば、Kd値または変異レベル)によって測定される生物学的特性との関連で、統計的に有意であるとみなすであろう。これらの2つの値間の差は、参照/比較分子の値の関数として、例えば、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/または約50%超である。
「標識」という単語は、本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドプローブ等の試薬または抗体に直接または間接的にコンジュゲートまたは融合し、それがコンジュゲートまたは融合する試薬の検出を容易にする化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能(例えば、放射性同位標識または蛍光標識)であってもよく、または酵素標識の場合、検出可能な基質化合物もしくは組成物の化学的改変を触媒してもよい。この用語は、検出可能な物質をプローブまたは抗体にカップリングすること(すなわち、物理的に連結すること)によるプローブまたは抗体の直接標識、ならびに直接標識される別の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接標識を包含するよう意図されている。間接標識の例としては、蛍光標識二次抗体を使用した一次抗体の検出、及び蛍光標識ストレプトアビジンを用いて検出され得るようなビオチンでのDNAプローブの末端標識が挙げられる。
「有効量」とは、哺乳動物における疾患または障害を治療または予防するための治療薬の量を指す。がんの場合、治療薬の治療有効量は、がん細胞の数を減少させ得る、原発腫瘍サイズを低減し得る、末梢器官へのがん細胞浸潤を阻害し得る(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは停止し得る)、腫瘍転移を阻害し得る(すなわち、ある程度遅延させ、好ましくは停止し得る)、腫瘍成長をある程度阻害し得る、及び/またはその障害に関連する症状のうちの1つ以上をある程度緩和し得る。薬物が既存のがん細胞の増殖を阻害する、及び/またはそれらを死滅させる限り、この薬物は、細胞増殖抑制性及び/または細胞傷害性であり得る。がん療法について、インビボでの有効性は、例えば、生存期間、疾患増悪までの期間(TTP)、奏効率(例えば、CR及びPR)、奏効期間、及び/または生活の質を評価することによって測定され得る。
「障害」とは、哺乳動物を問題になっている障害に罹患しやすくする病態を含む慢性及び急性障害または疾患を含むが、これらに限定されない、治療から利益を享受するであろう任意の状態である。
「がん」及び「がん性」という用語は、典型的には調節されていない細胞成長を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、またはそれを説明する。この定義には、良性がん及び悪性がんが含まれる。「早期がん」または「早期腫瘍」とは、浸潤性でも転移性でもなく、病期0、1、または2のがんと分類されるがんを意味する。がんの例としては、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。かかるがんのより具体的な例としては、肺癌、例えば、NSCLC、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮扁平上皮細胞癌)、肺癌、例えば、小細胞肺癌(SCLC)、ならびに肺腺癌及び肺扁平上皮癌が挙げられる。具体的な例では、肺癌は、NSCLC、例えば、局所進行性または転移性NSCLC(例えば、IIIB期NSCLC、IV期NSCLC、または再発性NSCLC)である。いくつかの実施形態では、肺癌(例えば、NSCLC)は、切除不能/手術不能肺癌(例えば、切除不能NSCLC)である。いくつかの実施形態では、がんは、局所再発性または転移性疾患(局所再発性疾患が治癒目的で切除を受けられない場合)を有する任意の組織学的に確認されたトリプルネガティブ(ER-、PR-、HER2-)乳腺癌を含む、トリプルネガティブ転移性乳癌である。
本明細書で使用される「腫瘍」という用語は、悪性であるか良性であるかにかかわらず、全ての腫瘍性細胞成長及び増殖、ならびに全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。「がん」、「がん性」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書で言及されるように相互排他的ではない。
「薬学的製剤」という用語は、中に含まれる活性成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつその製剤が投与されるであろう対象に許容できない程度に毒性である追加の成分を含まない調製物を指す。
「薬学的に許容される担体」とは、対象に非毒性の活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体としては、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「治療」(及び「治療する」または「治療すること」等のその文法的変形)とは、治療される個体の自然経過を変更するための臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の経過中に行われ得る。治療の望ましい効果としては、疾患の発症または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接または間接的病理学的帰結の縮小、転移の予防、疾患進行速度の低減、疾患状態の改善または緩和、及び緩解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗体(例えば、抗PD-L1抗体及び/または抗PD-1抗体)は、疾患の発症を遅延させるか、または疾患の進行を遅らせるために使用される。
「抗がん療法」という用語は、がんの治療に有用な療法を指す。抗がん治療薬の例としては、細胞傷害性剤、化学療法剤、成長阻害剤、放射線療法に使用される薬剤、抗血管新生剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、及びがんを治療するための他の薬剤、例えば、抗CD20抗体、血小板由来成長因子阻害剤(例えば、GLEEVEC(商標)(メシル酸イマチニブ))、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、以下の標的、PDGFR-β、BlyS、APRIL、BCMA受容体(複数可)、TRAIL/Apo2、他の生物活性及び有機化学剤等のうちの1つ以上に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。それらの組み合わせも本発明に含まれる。
本明細書で使用される「細胞傷害性剤」という用語は、細胞の機能を阻害もしくは阻止する物質及び/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、及び放射性同位体Lu)、化学療法剤、例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、または他の挿入剤、酵素及びその断片、例えば、核酸分解酵素、抗生物質、及び毒素、例えば、細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素的に活性な毒素(それらの断片及び/またはバリアントを含む)、ならびに以下に開示される様々な抗腫瘍または抗がん剤を含むよう意図されている。他の細胞傷害性剤が以下に記載される。殺腫瘍剤は、腫瘍細胞の破壊を引き起こす。
「化学療法剤」とは、がんの治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メツレドパ、及びウレドパ;エチレンイミン及びメチルアメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(例えば、合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT-11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、及び9-アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(例えば、そのアドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(例えば、合成類似体、KW-2189及びCB1-TM1);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;窒素マスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビシン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムヌスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特に、カリケアミシンγ1I及びカリケアミシンω1I(例えば、Nicolaou et al.,.Angew.Chem Intl.Ed.Engl.,33:183-186(1994)を参照のこと);ジネミシン、例えば、ジネミシンA;エスペラミシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(例えば、モルフォリノ-ドキソルビシン、シアノモルフォリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシ)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝産物、例えば、メトトレキセート及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸リプレニッシャー、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド、例えば、メイタンシン及びアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダムノール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テニュアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T-2毒素、ベラキュリンA、ロリデンA、及びアングイデン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(商標)Cremophor-free、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、及びTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France)を含むタキサン;クロラムブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナまたはプラチナベースの化学療法剤及びプラチナ類似体、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))、サトラプラチン、ピコプラチン、ネダプラチン、トリプラチン、及びリポプラチン;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボリン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン(XELODA(登録商標));上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記の2つ以上の組み合わせ、例えば、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの併用療法の略称)、及びFOLFOX(5-FU及びロイコボリンと組み合わせたオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))での治療レジメンの略称)が挙げられる。追加の化学療法剤としては、例えば、マイタンシノイド(DM1、例えば)ならびにオーリスタチンMMAE及びMMAF等の抗体薬物コンジュゲートとして有用な細胞傷害性剤が挙げられる。
「化学療法剤」には、がんの成長を促進し得るホルモンの作用を調節、低減、遮断、または阻害する役割を果たす「抗ホルモン剤」または「内分泌治療薬」も含まれ、多くの場合、全身(systemic)または全身(whole-body)治療の形態である。それら自体がホルモンであり得る。例としては、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、例えば、タモキシフェン(例えば、NOLVADEX(登録商標)タモキシフェン)、EVISTA(登録商標)ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)トレミフェン;抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方調節薬(ERD);卵巣を抑制するか、または活動停止させるように機能する薬剤、例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、例えば、LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標)酢酸ロイプロリド、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリン、及びトリプテレリン;他の抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、及びビカルタミド;ならびに副腎内のエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタイン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及びARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール等が挙げられる。加えて、化学療法剤のかかる定義には、ビスホスホネート、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、DIDROCAL(登録商標)エチドロネート、NE-58095、ZOMETA(登録商標)ゾレドロン酸/ゾレドロネート、FOSAMAX(登録商標)アレンドロネート、AREDIA(登録商標)パミドロネート、SKELID(登録商標)チルドロネート、またはACTONEL(登録商標)リセドロネート;ならびにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-アルファ、Raf、H-Ras、及び上皮成長因子受容体(EGFR)等;ワクチン、例えば、THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ジトシル酸ラパチニブ(ErbB-2及びEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤、別名、GW572016);ならびに上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれる。
化学療法剤には、抗体、例えば、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、及び抗体薬物コンジュゲート、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)も含まれる。本発明の化合物と組み合わせて薬剤として治療可能性を有する追加のヒト化モノクローナル抗体としては、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネオズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、パキセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツクシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、ビジリズマブ、及び抗インターロイキン-12(ABT-874/J695、Wyeth Research and Abbott Laboratories)(インターロイキン-12 p40タンパク質を認識するように遺伝子修飾された排他的にヒト配列の組換え全長IgG1λ抗体)が挙げられる。
化学療法剤には、それに結合するか、またはさもなければそれと直接相互作用し、そのシグナル伝達活性を阻止または低減する化合物を指し、代替的に「EGFRアンタゴニスト」とも称される「EGFR阻害剤」も含まれる。かかる薬剤の例としては、EGFRに結合する抗体及び小分子が挙げられる。EGFRに結合する抗体の例としては、MAb 579(ATCC CRL HB 8506)、MAb 455(ATCC CRL HB8507)、MAb 225(ATCC CRL 8508)、MAb 528(ATCC CRL 8509)(米国特許第4,943,533号、Mendelsohn et al.を参照されたい)及びそのバリアント、例えば、キメラ化225(C225またはセツキシマブ、ERBUTIX(登録商標))及び再成形ヒト225(H225)(WO96/40210、Imclone Systems Inc.を参照のこと);IMC-11F8、完全ヒトEGFR標的抗体(Imclone);II型変異体EGFRに結合する抗体(米国特許第5,212,290号);米国特許第5,891,996号に記載のEGFRに結合するヒト化及びキメラ抗体;及びEGFRに結合するヒト抗体、例えば、ABX-EGFまたはパニツムマブ(WO98/50433、Abgenix/Amgenを参照のこと);EMD55900(Stragliotto et al.Eur.J.Cancer 32A:636-640(1996));EMD7200(マツズマブ)(EGFR結合においてEGF及びTGF-アルファの両方と競合するEGFRに対して指向されるヒト化EGFR抗体)(EMD/Merck);ヒトEGFR抗体、HuMax-EGFR(GenMab);E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、及びE7.6.3として既知であり、かつUS6,235,883に記載の完全ヒト抗体;MDX-447(Medarex Inc);及びmAb806またはヒト化mAb806(Johns et al.,J.Biol.Chem.279(29):30375-30384(2004))が挙げられる。抗EGFR抗体は、細胞傷害性剤にコンジュゲートされ、それ故に、イムノコンジュゲートを生成し得る(例えば、EP659,439A2、Merck Patent GmbHを参照のこと)。EGFRアンタゴニストは、米国特許第5,616,582号、同第5,457,105号、同第5,475,001号、同第5,654,307号、同第5,679,683号、同第6,084,095号、同第6,265,410号、同第6,455,534号、同第6,521,620号、同第6,596,726号、同第6,713,484号、同第5,770,599号、同第6,140,332号、同第5,866,572号、同第6,399,602号、同第6,344,459号、同第6,602,863号、同第6,391,874号、同第6,344,455号、同第5,760,041号、同第6,002,008号、及び同第5,747,498号、ならびに以下のPCT公開:WO98/14451、WO98/50038、WO99/09016、及びWO99/24037に記載の化合物等の小分子を含む。特定の小分子EGFRアンタゴニストとして、OSI-774(CP-358774、エルロチニブ、TARCEVA(登録商標)Genentech/OSI Pharmaceuticals);PD 183805(CI 1033、2-プロペンアミド、N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-6-キナゾリニル]-、二塩酸塩、Pfizer Inc.);ZD1839、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))4-(3’-クロロ-4’-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン、AstraZeneca);ZM 105180((6-アミノ-4-(3-メチルフェニル-アミノ)-キナゾリン、Zeneca);BIBX-1382(N8-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-N2-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,8-ジアミン、Boehringer Ingelheim);PKI-166((R)-4-[4-[(1-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]-フェノール);(R)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-4-[(1-フェニルエチル)アミノ]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン);CL-387785(N-[4-[(3-ブロモフェニル)アミノ]-6-キナゾリニル]-2-ブチンアミド);EKB-569(N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-3-シアノ-7-エトキシ-6-キノリニル]-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテンアミド)(Wyeth);AG1478(Pfizer);AG1571(SU 5271;Pfizer);及び二重EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、またはN-[3-クロロ-4-[(3-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]-6[5[[[2メチルスルホニル)エチル]アミノ]メチル]-2-フラニル]-4-キナゾリンアミン)が挙げられる。
化学療法剤には、「チロシンキナーゼ阻害剤」、例えば、前段落に記載のEGFR標的薬物;小分子HER2チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、Takedaから入手可能なTAK165;CP-724,714、ErbB2受容体チロシンキナーゼの経口選択的阻害剤(Pfizer及びOSI);二重HER阻害剤、例えば、EGFRに優先的に結合するが、HER2及びEGFR過剰発現細胞の両方を阻害するEKB-569(Wyethから入手可能);ラパチニブ(GSK572016、Glaxo-SmithKlineから入手可能)、経口HER2及びEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;PKI-166(Novartisから入手可能);pan-HER阻害剤、例えば、カネルチニブ(CI-1033、Pharmacia);Raf-1阻害剤、例えば、Raf-1シグナル伝達を阻害するISIS Pharmaceuticalsから入手可能なアンチセンス薬剤ISIS-5132;非HER標的TK阻害剤、例えば、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Glaxo SmithKlineから入手可能);多標的チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizerから入手可能);VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、バタラニブ(PTK787/ZK222584、Novartis/Schering AGから入手可能);MAPK細胞外調節キナーゼI阻害剤CI-1040(Pharmaciaから入手可能);キナゾリン、例えば、PD 153035,4-(3-クロロアニリノ)キナゾリン;ピリドピリミジン;ピリミドピリミジン;ピロロピリミジン、例えば、CGP 59326、CGP 60261、及びCGP 62706;ピラゾロピリミジン、4-(フェニルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン;クルクミン(ジフェルロイルメタン、4,5-ビス(4-フルオロアニリノ)フタルイミド);ニトロチオフェン部分を含有するチルホスチン;PD-0183805(Warner-Lamber);アンチセンス分子(例えば、HERコード核酸に結合するもの);キノキサリン(米国特許第5,804,396号);トリホスチン(米国特許第5,804,396号);ZD6474(Astra Zeneca);PTK-787(Novartis/Schering AG);pan-HER阻害剤、例えば、CI-1033(Pfizer);Affinitac(ISIS 3521、Isis/Lilly);メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標));PKI 166(Novartis);GW2016(Glaxo SmithKline);CI-1033(Pfizer);EKB-569(Wyeth);Semaxinib(Pfizer);ZD6474(AstraZeneca);PTK-787(Novartis/Schering AG);INC-1C11(Imclone)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));または以下の特許公報:米国特許第5,804,396号;WO1999/09016(American Cyanamid);WO1998/43960(American Cyanamid);WO1997/38983(Warner Lambert);WO1999/06378(Warner Lambert);WO1999/06396(Warner Lambert);WO1996/30347(Pfizer,Inc);WO1996/33978(Zeneca);WO1996/3397(Zeneca);及びWO1996/33980(Zeneca)のうちのいずれかに記載のものも含まれる。
化学療法剤には、デキサメタゾン、インターフェロン、コルヒチン、メトプリン、シクロスポリン、アンホテリシン、メトロニダゾール、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アミホスチン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、生BCG、ベバクジマブ、ベキサロテン、クラドリビン、クロファラビン、ダルベポエチンアルファ、デニロイキン、デクスラゾキサン、エポエチンアルファ、エロチニブ、フィルグラスチム、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブ、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、レナリドミド、レバミゾール、メスナ、メトキサレン、ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オプレルベキン、パリフェルミン、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、キナクリン、ラスブリカーゼ、サルグラモスチム、テモゾロミド、VM-26、6-TG、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ゾレドロネート、及びゾレドロン酸、ならびにそれらの薬学的に許容される塩も含まれる。
化学療法剤には、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チクソコルトール、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン-17-ブチラート、ヒドロコルチゾン-17-バレレート、プロピオン酸アクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン-17-ブチラート、クロベタゾール-17-プロピオネート、カプロン酸フルオコルトロン、ピバリン酸フルオコルトロン、及び酢酸フルプレドニデン;免疫選択的抗炎症性ペプチド(ImSAID)、例えば、フェニルアラニン-グルタミン-グリシン(FEG)及びそのD-異性体(feG)(IMULAN BioTherapeutics,LLC);抗リウマチ剤、例えば、アザチオプリン、シクロスポリン(シクロスポリンA)、D-ペニシラミン、金塩、ヒドロキシクロロキン、レフルノミドミノサイクリン、スルファサラジン、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)遮断剤、例えば、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標))、セルトリズマブペゴル(CIMZIA(登録商標))、ゴリムマブ(SIMPONI(登録商標))、インターロイキン1(IL-1)遮断剤、例えば、アナキンラ(KINERET(登録商標))、T細胞共刺激遮断剤、例えば、アバタセプト(ORENCIA(登録商標))、インターロイキン6(IL-6)遮断剤、例えば、トシリズマブ(ACTEMERA(登録商標));インターロイキン13(IL-13)遮断剤、例えば、レブリキズマブ;インターフェロンアルファ(IFN)遮断剤、例えば、ロンタリズマブ;ベータ7インテグリン遮断剤、例えば、rhuMAb Beta7;IgE経路遮断剤、例えば、抗M1プライム;分泌ホモ三量体LTa3及び膜結合ヘテロ三量体LTa1/β2遮断剤、例えば、抗リンホトキシンアルファ(LTa);種々の治験薬、例えば、チオプラチン、PS-341、酪酸フェニル、ET-18-OCH3、及びファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(L-739749、L-744832);ポリフェノール、例えば、ケルセチン、レスベラトロル、ピセアタンノール、没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、フラバノール、プロシアニジン、ベツリン酸、及びそれらの誘導体;自食作用阻害剤、例えば、クロロキン;デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;アセチルカンプトセシン、スコポレチン、及び9-アミノカンプトセシン);ポドフィロトキシン;テガフール(UFTORAL(登録商標));ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標));ビスホスホネート、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標));及び上皮成長因子受容体(EGF-R);ワクチン、例えば、THERATOPE(登録商標)ワクチン;ペリフォシン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブまたはエトリコキシブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、PS341);CCI-779;ティピファルニブ(R11577)、またはアフェニブ、ABT510;Bcl-2阻害剤、例えば、オブリメルセンナトリウム(GENASENSE(登録商標));ピキサントロン;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、ロナファルニブ(SCH 6636、SARASAR(商標));及び上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体;ならびに上記の2つ以上の組み合わせも含まれる。
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、親薬物と比較して腫瘍細胞に対して細胞傷害性が低く、かつより活性な親形態に酵素的に活性化または変換されることができる薬学的に活性な物質の前駆体または誘導体形態を指す。例えば、Wilman,“Prodrugs in Cancer Chemotherapy”Biochemical Society Transactions,14,pp.375-382,615th Meeting Belfast(1986)、及びStella et al.,“Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery,”Directed Drug Delivery,Borchardt et al.,(ed.),pp.247-267,Humana Press(1985)を参照されたい。本発明のプロドラッグとしては、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、スルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D-アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β-ラクタム含有プロドラッグ、任意選択的に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、または任意選択的に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5-フルオロシトシン、及び他の5-フルオロウリジンプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されず、これらは、より活性な細胞傷害性遊離薬物に変換され得る。本発明に使用するためのプロドラッグ形態に誘導体化され得る細胞傷害性薬の例としては、上述の化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「成長阻害剤」は、本明細書で使用される場合、細胞(例えば、成長がPD-L1発現に依存する細胞)の成長及び/または増殖をインビトロまたはインビボで阻害する化合物または組成物を指す。したがって、成長阻害剤は、S期における細胞のパーセンテージを著しく低下させるものであり得る。成長阻害剤の例としては、細胞周期進行(S期以外の場所で)を遮断する薬剤、例えば、G1停止及びM期停止を誘導する薬剤が挙げられる。古典的なM期遮断剤としては、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン、及びトポイソメラーゼII阻害剤、例えば、アントラサイクリン抗生物質ドキソルビシン((8S-シス)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-L-リキソ-ヘキサピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-5,12-ナフタセンジオン)、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンが挙げられる。G1を停止する薬剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、及びara-C等のDNAアルキル化剤は、S期停止にも波及する。さらなる情報は、“The Molecular Basis of Cancer,”Mendelsohn and Israel,eds.,Chapter 1,entitled“Cell cycle regulation,oncogenes,and antineoplastic drugs”by Murakami et al.(WB Saunders:Philadelphia,1995)、特に、13貢で見つけることができる。タキサン(パクリタキセル及びドセタキセル)は、いずれもイチイに由来する抗がん薬である。ヨーロッパイチイに由来するドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer)は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)の半合成類似体である。パクリタキセル及びドセタキセルは、チューブリン二量体由来の微小管のアセンブリを促進し、脱重合を阻止することによって微小管を安定させ、それにより、細胞内の有糸分裂の阻害をもたらす。
「放射線療法」とは、正常に機能する細胞の能力を制限するか、または細胞を完全に破壊するように、細胞に十分な損傷を引き起こす指向性ガンマ線またはベータ線の使用を意味する。投薬量及び治療期間を決定するための当該技術分野で既知の多くの方法が存在することが理解される。典型的な治療は、1回の投与として与えられ、典型的な投薬量は、1日当たり10~200単位(グレイ)の範囲である。
本明細書で使用される場合、「個体」、「患者」、または「対象」という用語は、同義に使用され、治療が所望される任意の単一の動物、より好ましくは、哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類等の非ヒト動物を含む)を指す。具体的な実施形態では、本明細書における患者は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、「投与すること」とは、対象(例えば、患者)に化合物(例えば、アンタゴニスト)または薬学的組成物(例えば、アンタゴニストを含む薬学的組成物)の投薬量を与える方法を意味する。投与は、非経口、肺内、及び鼻腔内、ならびに局所治療が所望される場合、病巣内投与を含む、任意の好適な手段により行われ得る。非経口注入には、例えば、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。投薬は、投与が短期であるか長期であるかに部分的に応じて、任意の好適な経路、例えば、静脈内または皮下注射等の注射により行われ得る。単回投与または様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含むが、これらに限定されない様々な投薬スケジュールが本明細書で企図される。
「同時に」という用語は、投与の少なくとも一部が時間的に重複している2つ以上の治療薬の投与を指すために本明細書で使用される。したがって、同時投与には、1つ以上の薬剤(複数可)の投与が1つ以上の他の薬剤(複数可)の投与を中止した後に継続する投薬レジメンが含まれる。
「低減または阻害する」とは、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の全体的な減少をもたらす能力を意味する。低減または阻害は、例えば、治療される障害の症状、転移の存在もしくはサイズ、または原発腫瘍のサイズを指し得る。
「添付文書」という用語は、治療薬の使用に関する適応症、用法、投薬量、投与、併用療法、禁忌、及び/または警告につての情報を含む、かかる治療薬の市販のパッケージに通常含まれる説明書を指すために使用される。
「滅菌」製剤とは、無菌であるか、または全ての生きている微生物及びそれらの胞子を含まないものである。
「製品」とは、少なくとも1つの試薬、例えば、疾患もしくは障害(例えば、がん)を治療するための薬剤、または本明細書に記載のバイオマーカー(例えば、PD-L1)を特異的に検出するプローブを含む、任意の製造物(例えば、パッケージもしくは容器)またはキットである。ある特定の実施形態では、製造物またはキットは、本明細書に記載の方法を行うためのユニットとして販売促進、流通、または販売される。
「に基づく」という語句は、本明細書で使用される場合、1つ以上のバイオマーカーについての情報が、治療決定、添付文書に提供される情報、またはマーケティング/販売促進ガイダンス等を知らせるために使用されることを意味する。
III.方法
がんを有する個体を治療し、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療から利益を享受し得るがんを有する個体を特定し、がんを有する患者を診断し、がんを有する個体が、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に応答する可能性があるかを決定し、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法の治療有効性を最適化し、がんを有する個体のための療法を選択し、がんを有する個体の予後を提供し、かつ免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に対する個体の応答を監視するための方法及びアッセイが本明細書に提供される。
本明細書に記載の方法及びアッセイは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から決定された血中腫瘍変異量(bTMB)スコアを使用して、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト単剤療法またはPD-L1軸結合アンタゴニストを含む併用療法(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストと、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、及び/またはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体)との併用)の治療有効性を予測することができるという所見に基づく。これらの方法のうちのいずれかは、最大体細胞対立遺伝子頻度(MSAF)を決定することをさらに含み得る。これらの方法のうちのいずれかは、tTMBスコアを決定することをさらに含み得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、個体にPD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、以下の第IV節に記載されるもの)を投与することをさらに含み得る。したがって、個体由来の試料におけるbTMBを評価する方法及びアッセイも本明細書に提供される。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、以下の第IV節に記載される)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせ以外の、またはそれに加えた抗がん療法を投与することを含み得る。これらの方法のうちのいずれかは、個体に、本明細書に記載の追加の治療薬の有効量を投与することをさらに含み得る。
A.診断方法及びアッセイ
(i)予測診断方法
具体的な例では、本明細書に提供される方法及びアッセイを使用して、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療から利益を享受し得るがんを有する個体を特定することができ、本方法は、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料からのbTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療から利益を享受し得る者と特定する。
具体的な例では、本明細書に提供される方法及びアッセイを使用して、がんを有する個体のための療法を選択することができ、本方法は、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料からのbTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療から利益を享受し得る者と特定する。
具体的な例では、本明細書に提供される方法及びアッセイを使用して、がんを有する患者を診断することができ、本方法は、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料からのbTMBスコアは、個体を、がんを有する可能性がある者と特定する。いくつかの例では、基準bTMBスコア未満のbTMBスコアは、個体を、がんを有する可能性が低い者と特定する。
本明細書に提供される方法は、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)からbTMBスコアを決定することを含み得る。個体由来の試料は、アーカイブ試料、新鮮な試料、または凍結試料であり得る。決定ステップは、所定の遺伝子セットに生じる体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)の総数を決定して、個体由来の試料からbTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、体細胞変異の数は、カウントされた単一ヌクレオチドバリアント(SNV)の数、またはカウントされたSNVの数とインデル変異の数との合計である。
体細胞変異の数は、個体におけるDNA、mRNA、cDNA、タンパク質、タンパク質断片、及び/または遺伝子コピー数レベルの測定値を含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の任意の好適な基準に基づいて、定性的及び/または定量的に決定され得る。いくつかの例では、個体の包括的ゲノムプロファイルが決定される。いくつかの例では、個体から収集された試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)の包括的ゲノムプロファイルが決定される。いくつかの例では、ゲノムプロファイルの決定は、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の次世代配列決定法を適用して、ゲノム改変(例えば、体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異))を特定することを含む。いくつかの例では、この試験は、少なくとも約0.05Mb~約10Mb(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10Mb)をカバーする約300個の遺伝子(例えば、多様なセットの少なくとも約300~約400個の遺伝子、例えば、約300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、または400個の遺伝子)の、少なくとも約500倍(例えば、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、または1,000倍)の典型的なエクソンカバレッジ深度中央値までのコーディング領域を同時に配列決定する。他の例では、この試験は、約400個の遺伝子、約425個の遺伝子、約450個の遺伝子、約475個の遺伝子、約500個の遺伝子、約525個の遺伝子、約550個の遺伝子、約575個の遺伝子、約600個の遺伝子、約625個の遺伝子、約650個の遺伝子、約675個の遺伝子、約700個の遺伝子、約725個の遺伝子、約750個の遺伝子、約775個の遺伝子、約800個の遺伝子、約825個の遺伝子、約850個の遺伝子、約875個の遺伝子、約900個の遺伝子、約925個の遺伝子、約950個の遺伝子、約975個の遺伝子、約1000個の遺伝子、または1000個を超える遺伝子のコーディング領域を同時に配列決定する。いくつかの例では、遺伝子セットは、表1に記載の1つ以上の遺伝子(例えば、がん関連遺伝子)を含む。いくつかの例では、遺伝子セットは、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルの遺伝子セットである(例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Frampton et al.Nat.Biotechnol.31:1023-31,2013を参照のこと)。いくつかの例では、遺伝子セットは、FOUNDATIONONE(登録商標)CDxパネルの遺伝子セットである。いくつかの実施形態では、この試験は、個体の約10Mb超、例えば、約10Mb超、約15Mb超、約20Mb超、約25Mb超、約30Mb超、約35Mb超、約40Mb超、約45Mb超、約50Mb超、約55Mb超、約60Mb超、約65Mb超、約70Mb超、約75Mb超、約80Mb超、約85Mb超、約90Mb超、約95Mb超、約100Mb超、約200Mb超、約300Mb超、約400Mb超、約500Mb超、約600Mb超、約700Mb超、約800Mb超、約900Mb超、約1Gb超、約2Gb超、約3Gb超、または約3.3Gb超のゲノムを配列決定する。いくつかの例では、bTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定される。いくつかの例では、bTMBスコアは、全ゲノム配列決定によって決定される。bTMBスコアが遺伝子同一性とは無関係に計算され得ることが現在理解されている。いくつかの例では、各カバーされた配列決定リードは、特有のDNA断片を表し、腫瘍不均一性、低い腫瘍純度、及び少ない試料体積のため低頻度で生じるゲノム改変の高感度及び特異的検出を可能にする。決定ステップは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から単離された無細胞DNA(cfDNA)及び/または循環腫瘍DNA(ctDNA)における体細胞変異の数を決定して、bTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約5ng(例えば、少なくとも約5ng、少なくとも約10ng、少なくとも約15ng、少なくとも約20ng、少なくとも約25ng、少なくとも約30ng、少なくとも約35ng、少なくとも約40ng、少なくとも約45ng、少なくとも約50ng、少なくとも約75ng、少なくとも約100ng、少なくとも約200ng、少なくとも約300ng、少なくとも約400ng、またはそれ以上)である。例えば、いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約20ngのcfDNAである。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、例えば、約5ng~約100ng(例えば、約5ng~約100ng、約5ng~約90ng、約5ng~約80ng、約5ng~約70ng、約5ng~約60ng、約5ng~約50ng、約5ng~約40ng、約5ng~約30ng、約5ng~約20ng、約5ng~約15ng、約5ng~約10ng、約10ng~約100ng、約10ng~約90ng、約10ng~約80ng、約10ng~約70ng、約10ng~約60ng、約10ng~約50ng、約10ng~約40ng、約10ng~約30ng、約10ng~約20ng、約15ng~約100ng、約15ng~約90ng、約15ng~約80ng、約15ng~約70ng、約15ng~約60ng、約15ng~約50ng、約20ng~約100ng、約20ng~約90ng、約20ng~約80ng、約20ng~約70ng、約20ng~約60ng、約20ng~約50ng、約20ng~約40ng、約20ng~約30ng、約25ng~約100ng、約25ng~約90ng、約25ng~約80ng、約25ng~約70ng、約25ng~約60ng、約25ng~約50ng、約25ng~約40ng、約25ng~約30ng、約30ng~約100ng、約30ng~約90ng、約30ng~約80ng、約30ng~約70ng、約30ng~約60ng、約30ng~約50ng、約30ng~約40ng、約30ng~約35ng、約35ng~約100ng、約35ng~約90ng、約35ng~約80ng、約35ng~約70ng、約35ng~約60ng、約35ng~約50ng、約35ng~約40ng、約40ng~約100ng、約40ng~約90ng、約40ng~約80ng、約40ng~約70ng、約40ng~約60ng、約40ng~約50ng、約40ng~約45ng、約50ng~約100ng、約50ng~約90ng、約50ng~約80ng、約50ng~約70ng、約50ng~約60ng、約60ng~約100ng、約60ng~約90ng、約60ng~約80ng、約60ng~約70ng、約70ng~約100ng、約70ng~約90ng、約70ng~約80ng、約80ng~約100ng、約80ng~約90ng、または90ng~約100ng)である。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、約100ng以上(例えば、約100ng以上、約200ng以上、約300ng以上、約400ng以上、約500ng以上、約600ng以上、約700ng以上、約800ng以上、約900ng以上、またはそれ以上)である。
任意の好適な試料体積が前述の方法のうちのいずれかに使用され得る。例えば、いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、例えば、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約13mL、約14mL、約15mL、約16mL、約17mL、約18mL、約19mL、約20mL、約22mL、約24mL、約26mL、約28mL、約30mL、約32mL、約34mL、約36mL、約38mL、約40mL、約42mL、約44mL、約46mL、約48mL、または約50mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、約1mL~約40mL、約1mL~約30mL、約1mL~約20mL、約1mL~約10mL、約5mL~約50mL、約5mL~約40mL、約5mL~約30mL、約5mL~約20mL、約5mL~約10mL、約6mL~約50mL、約6mL~約40mL、約6mL~約30mL、約6mL~約20mL、約6mL~約10mL、約7mL~約50mL、約7mL~約40mL、約7mL~約30mL、約7mL~約20mL、約7mL~約10mL、約8mL~約50mL、約8mL~約40mL、約8mL~約30mL、約8mL~約20mL、約8mL~約10mL、約9mL~約50mL、約9mL~約40mL、約9mL~約30mL、約9mL~約20mL、約9mL~約10mL、約5mL~約15mL、約5mL~約14mL、約5mL~約13mL、約5mL~約12mL、約5mL~約11mL、約6mL~約15mL、約6mL~約14mL、約6mL~約13mL、約6mL~約12mL、約6mL~約11mL、約7mL~約15mL、約7mL~約14mL、約7mL~約13mL、約7mL~約12mL、約7mL~約11mL、約8mL~約15mL、約8mL~約14mL、約8mL~約13mL、約8mL~約12mL、約8mL~約11mL、約9mL~約15mL、約9mL~約14mL、約9mL~約13mL、約9mL~約12mL、または約9mL~約11mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約10mLの体積を有する。例えば、いくつかの例では、血漿試料は、10mLの体積を有する。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、約0.1%以上、例えば、約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、約0.6%以上、約0.7%以上、約0.8%以上、約0.9%以上、約1.0%以上、約1.1%以上、約1.2%以上、約1.3%以上、約1.4%以上、約1.5%以上、約1.6%以上、約1.7%以上、約1.8%以上、約1.9%以上、約2.0%以上、約2.1%以上、約2.2%以上、約2.3%以上、約2.4%以上、約2.5%以上、約2.6%以上、約2.7%以上、約2.8%以上、約2.9%以上、約3.0%以上、約3.1%以上、約3.2%以上、約3.3%以上、約3.4%以上、約3.5%以上、約3.6%以上、約3.7%以上、約3.8%以上、約3.9%以上、約4.0%以上、約4.1%以上、約4.2%以上、約4.3%以上、約4.4%以上、約4.5%以上、約4.6%以上、約4.7%以上、約4.8%以上、約4.9%以上、約5.0%以上、約6.0%以上、約7.0%以上、約8.0%以上、約9.0%以上、約10.0%以上、約11.0%以上、約12.0%以上、約13.0%以上、約14.0%以上、約15.0%以上約16.0%以上、約17.0%以上、約18.0%以上、約19.0%以上、約20.0%以上、またはそれ以上の対立遺伝子頻度を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、0.5%以上の対立遺伝子頻度を有する。
決定ステップは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から対立遺伝子(すなわち、体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)を有する遺伝子のバリアント)の最大相対頻度を決定して、MSAFを導き出すことを含み得る。次の最も一般に生じる変異の体細胞対立遺伝子頻度も、個体由来の試料から決定され得る。いくつかの例では、個体由来の試料から検出された各変異の体細胞対立遺伝子頻度が決定される。いくつかの例では、複数の体細胞変異を有する試料は、恐らく、がん(例えば、腫瘍)におけるそれらの本来のクローン頻度に応じて、体細胞対立遺伝子頻度の分布としてそれらの変異を提示するであろう。いくつかの例では、40%超(例えば、40%超、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%)の体細胞対立遺伝子頻度は排除され、40%未満(例えば、40%以下)の次に高い体細胞対立遺伝子頻度を有するバリアントが試料のMSAFであると決定される。いくつかの例では、MSAFは、試料における20%未満の最大体細胞対立遺伝子頻度から計算される。生殖系列変異が約50%~約100%の体細胞対立遺伝子頻度分布を有することが見出され得る。
MSAFの決定は、個体由来の試料からのbTMBスコアの決定前に、その決定と同時に、またはその決定後に起こり得る。
前述の例のうちのいずれかでは、個体は、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍から選択されるがんを有し得る。
いくつかの例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)でのがんの治療後に進行している。他の例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)での治療に不適格であり得る、及び/またはがんの前治療を受けていない。いくつかの例では、個体は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせでの前治療を受けていない。
前述の方法のうちのいずれかでは、患者から得られた試料(例えば、血液試料)は、全血、血漿、血清、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例では、試料は、アーカイブ血液試料、新鮮な血液試料、または凍結血液試料である。
前述の例のうちのいずれかでは、基準bTMBスコアは、がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)を有する基準個体集団におけるbTMBスコアであり得、個体集団は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット及び非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットからなり、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性と比較したPD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性の有意差に基づいて、第1の個体サブセットと第2の個体サブセットとを各々有意に分ける。いくつかの例では、治療に対する応答性は、無増悪生存期間(PFS)の増加及び/または全生存期間(OS)の増加である。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、事前に割り当てられたbTMBスコアであり得る。基準bTMBスコアは、4~30(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30、例えば、8~30、例えば、10~16、または例えば、10~20)であり得る。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、10~20(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり得る。他の例では、基準bTMBスコアは、16~20(例えば、16、17、18、19、または20)であり得る。例えば、いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び9以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び10以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び11以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び12以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び13以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び14以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び16以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び18以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)及び16以上のスコアの基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び20以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び21以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び22以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び23以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び24以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び25以上の基準bTMBスコアを有する。
前述の例のうちのいずれかでは、試料からのbTMBスコアは、4以上(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれ以上)であり得る。例えば、試料からのbTMBスコアは、約8~約100(例えば、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、及び100)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、約400~約1500(例えば、約400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500のbTMBスコア)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、4未満(例えば、0、1、2、または3)であり得るか、または検出不能であり得る。
前述の例のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表される。いくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、例えば、全エクソーム配列決定によって決定される、同等bTMB値である。
いくつかの例では、個体由来の試料からのbTMBスコアは、基準集団において約5%以上の有病率、例えば、約5%~約75%の有病率(例えば、約5%~約15%、約15%~約30%、約30%~約45%、約45%~約60%、または約60%~75%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%の有病率)を有し得る。
いくつかの例では、基準カットオフbTMBスコア以上であるbTMBスコアの有病率は、基準集団における約5%、例えば、約5%~約75%の有病率(例えば、約5%~約15%、約15%~約30%、約30%~約45%、約45%~約60%、または約60%~75%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%の有病率)である。
いくつかの例では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約30%未満(例えば、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、またはそれ未満)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約1%~約30%(例えば、約1%~約30%、約1%~約25%、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%、約15%~約30%、約15%~約25%、約15%~約20%、約20%~約30%、または約20%~約25%)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約10%~約20%(例えば、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%)逸脱する。本明細書に提供される方法のうちのいずれかでは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療からの利益は、OSの増加、PFSの増加、またはOS及びPFSの増加であり得る。
前述の方法のうちのいずれかでは、PD-L1軸結合アンタゴニストは、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の、例えば、以下の第IV節に記載のいずれのPD-L1軸結合アンタゴニストであり得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者、または別の者もしくは実体、介護者、医師、がん専門医、病院、診療所、第三者支払人、保険会社、製薬会社もしくは生物工学会社、または官庁に対して、報告書、例えば、電子報告書、ウェブベース報告書、または書面報告書を作成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、報告書は、bTMBスコアの評価を含む本方法からの結果を含む。
(ii)予後及び薬力学的診断方法
本発明は、予後及び薬力学的方法を提供する。いくつかの例では、本方法は、がんを有する個体の予後を提供することを含み得る。他の例では、本方法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に対する患者の応答を監視することを含み得る。具体的な例では、本明細書に提供される方法及びアッセイを使用して、がんを有する個体が、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に応答する可能性があるかを決定することができ、本方法は、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料からのbTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療に応答する可能性がある者と特定する。いくつかの例では、基準bTMBスコア未満の試料からのbTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療に応答する可能性が低い者と特定する。
一態様では、がんを有する個体の予後を提供する方法であって、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料からのbTMBスコアが、個体を、予後不良を有し得る者と特定する、方法が本明細書に提供される。
一態様では、がんを有する個体の予後を提供する方法であって、個体由来の試料からctDNAレベルを決定することを含み、基準ctDNAレベルであるか、またはそれを超える試料からのctDNAレベルが、個体を、予後不良を有し得る者と特定する、方法が本明細書に提供される。
別の態様では、がんを有する個体の予後を提供する方法であって、個体由来の試料からMSAFを決定することを含み、基準MSAFであるか、またはそれを超える試料からのMSAFが、個体を、予後不良を有し得る者と特定する、方法が本明細書に提供される。MSAFは、例えば、以下の第C節に記載の、または実施例に記載の任意の好適なアプローチを使用して決定され得る。
別の態様では、がんを有する個体の臨床病理学的変数を評価する方法であって、個体から得られた試料におけるbTMBスコアを決定することを含む、方法が本明細書に提供される。臨床病理学的変数は、例えば、腫瘍量、SLD、または腫瘍組織像(例えば、扁平上皮または非扁平上皮形態)であり得る。
別の態様では、がんを有する個体の臨床病理学的変数を評価する方法であって、個体から得られた試料におけるMSAFを決定することを含む、方法が本明細書に提供される。臨床病理学的変数は、例えば、腫瘍量、SLD、または腫瘍組織像(例えば、扁平上皮または非扁平上皮形態)であり得る。
さらに別の態様では、がんを有する個体における疾患増悪を予測する方法であって、個体から得られた試料におけるbTMBスコアを決定することを含み、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える試料におけるbTMBスコアが、個体を、疾患増悪を呈する可能性が高い者と特定する、方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、疾患増悪は、腫瘍量の増加である。いくつかの実施形態では、腫瘍量の増加は、最長径和(SLD)の増加を特徴とする。いくつかの実施形態では、疾患増悪は、例えば、腫瘍組織像によって評価される、扁平上皮形態の増加を特徴とする。他の実施形態では、疾患増悪は、例えば、腫瘍組織像によって評価される、非扁平上皮形態の増加を特徴とする。
なおさらなる態様では、がんを有する個体における疾患増悪を予測する方法であって、個体から得られた試料におけるMSAFを決定することを含み、基準MSAFであるか、またはそれを超える試料におけるMSAFが、個体を、疾患増悪を呈する可能性が高い者と特定する、方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、疾患増悪は、腫瘍量の増加である。いくつかの実施形態では、腫瘍量の増加は、最長径和(SLD)の増加を特徴とする。いくつかの実施形態では、疾患増悪は、例えば、腫瘍組織像によって評価される、扁平上皮形態の増加を特徴とする。他の実施形態では、疾患増悪は、例えば、腫瘍組織像によって評価される、増加非扁平上皮形態を特徴とする。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、個体由来の試料からのMSAFは、約0.01%~約10%、例えば、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%である。
いくつかの実施形態では、個体由来の試料からのMSAFは、約0.01%~約10%、約0.01%~約9%、約0.01%~約8%、約0.01%~約7%、約0.01%~約6%、約0.01%~約5%、約0.01%~約4%、約0.01%~約3%、約0.01%~約2%、約0.01%~約1%、約0.05%~約10%、約0.05%~約9%、約0.05%~約8%、約0.05%~約7%、約0.05%~約6%、約0.05%~約5%、約0.05%~約4%、約0.05%~約3%、約0.05%~約2%、約0.05%~約1%、約0.1%~約10%、約0.1%~約9%、約0.1%~約8%、約0.1%~約7%、約0.1%~約6%、約0.1%~約5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約3%、約0.1%~約2%、または約0.1%~約1%である。具体的な実施形態では、個体由来の試料からのMSAFは、約0.1%~約5%である。他の具体的な実施形態では、個体由来の試料からのMSAFは、約0.1%~約2%である。
いくつかの実施形態では、個体由来の試料からのMSAFは、約0.1%~約5%、約0.1%~約4.5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約3.5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約0.9%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約0.9%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.6%、約1%~約5%、約1%~約4.5%、約1%~約4%、約1%~約3.5%、約1%~約3%、約1%~約2.5%、約1%~約2%、約1%~約1.5%、約1%~約1.25%、約1.25%~約5%、約1.25%~約4.5%、約1.25%~約4%、約1.25%~約3.5%、約1.25%~約3%、約1.25%~約2.5%、約1.25%~約2%、約1.25%~約1.5%、約1.5%~約5%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.75%~約5%、約1.75%~約4.5%、約1.75%~約4%、約1.75%~約3.5%、約1.75%~約3%、約1.75%~約2.5%、約1.75%~約2%、約2%~約5%、約2%~約4.5%、約2%~約4%、約2%~約3.5%、約2%~約3%、約2%~約2.5%、約2.5%~約5%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約3%、約3%~約5%、約3%~約4.5%、約3%~約4%、約3%~約3.5%、約3.5%~約5%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約4%、約4%~約5%、または約4%~約4.5%である。
いくつかの実施形態では、個体由来の試料からのベースラインMSAFは、約0.1%~約5%、約0.1%~約4.5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約3.5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約0.9%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約0.9%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.6%、約1%~約5%、約1%~約4.5%、約1%~約4%、約1%~約3.5%、約1%~約3%、約1%~約2.5%、約1%~約2%、約1%~約1.5%、約1%~約1.25%、約1.25%~約5%、約1.25%~約4.5%、約1.25%~約4%、約1.25%~約3.5%、約1.25%~約3%、約1.25%~約2.5%、約1.25%~約2%、約1.25%~約1.5%、約1.5%~約5%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.75%~約5%、約1.75%~約4.5%、約1.75%~約4%、約1.75%~約3.5%、約1.75%~約3%、約1.75%~約2.5%、約1.75%~約2%、約2%~約5%、約2%~約4.5%、約2%~約4%、約2%~約3.5%、約2%~約3%、約2%~約2.5%、約2.5%~約5%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約3%、約3%~約5%、約3%~約4.5%、約3%~約4%、約3%~約3.5%、約3.5%~約5%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約4%、約4%~約5%、または約4%~約4.5%である。
いくつかの実施形態では、個体由来の試料からのベースラインMSAFは、約0.1%~約5%、約0.1%~約4.5%、約0.1%~約4%、約0.1%~約3.5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約2.5%、約0.1%~約2%、約0.1%~約1.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約0.9%、約0.1%~約0.8%、約0.1%~約0.7%、約0.1%~約0.6%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.2%、約0.5%~約5%、約0.5%~約4.5%、約0.5%~約4%、約0.5%~約3.5%、約0.5%~約3%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約0.9%、約0.5%~約0.8%、約0.5%~約0.7%、約0.5%~約0.6%、約1%~約5%、約1%~約4.5%、約1%~約4%、約1%~約3.5%、約1%~約3%、約1%~約2.5%、約1%~約2%、約1%~約1.5%、約1%~約1.25%、約1.25%~約5%、約1.25%~約4.5%、約1.25%~約4%、約1.25%~約3.5%、約1.25%~約3%、約1.25%~約2.5%、約1.25%~約2%、約1.25%~約1.5%、約1.5%~約5%、約1.5%~約4.5%、約1.5%~約4%、約1.5%~約3.5%、約1.5%~約3%、約1.5%~約2.5%、約1.5%~約2%、約1.75%~約5%、約1.75%~約4.5%、約1.75%~約4%、約1.75%~約3.5%、約1.75%~約3%、約1.75%~約2.5%、約1.75%~約2%、約2%~約5%、約2%~約4.5%、約2%~約4%、約2%~約3.5%、約2%~約3%、約2%~約2.5%、約2.5%~約5%、約2.5%~約4.5%、約2.5%~約4%、約2.5%~約3.5%、約2.5%~約3%、約3%~約5%、約3%~約4.5%、約3%~約4%、約3%~約3.5%、約3.5%~約5%、約3.5%~約4.5%、約3.5%~約4%、約4%~約5%、または約4%~約4.5%である。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、個体由来の試料は、抗がん療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法)の投与前に、個体から得られる。言い換えれば、試料は、ベースライン試料であり得る。
前述の方法のうちのいずれかは、個体のための抗がん療法を選択することを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、個体に抗がん療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗がん療法は、可能な限り早急に選択される、及び/または個体に投与される。いくつかの実施形態では、抗がん療法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、免疫チェックポイント阻害剤を含む抗がん療法を選択すること及び/または個体にそれを追加の治療薬(例えば、化学療法剤)と組み合わせて投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、免疫チェックポイント阻害剤を含まない抗がん療法、例えば、化学療法剤を含む抗がん療法を選択すること及び/または個体にそれを投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、本明細書に記載されているか、または当該技術分野で既知の任意の化学療法剤である。いくつかの実施形態では、抗がん療法は、細胞傷害性組み合わせ(例えば、より攻撃的な細胞傷害性組み合わせ)を含む。
さらに別の態様では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む抗がん療法での治療に対するがんを有する個体の応答を監視する方法であって、(a)個体への抗がん療法の投与後のある時点で個体から得られた試料におけるbTMBスコアを決定することと、(b)試料におけるbTMBスコアを基準bTMBスコアと比較し、それにより、抗がん療法での治療に対する個体の応答を監視することと、を含む、方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、試料におけるbTMBスコアが基準bTMBスコアと比較して減少した場合、抗がん療法の1つ以上の追加の用量を投与することをさらに含む。他の実施形態では、本方法は、試料におけるbTMBスコアが基準bTMBスコアと比較して増加した場合、個体のための免疫チェックポイント阻害剤を含まない抗がん療法を選択することをさらに含み得る。他の実施形態では、本方法は、試料におけるbTMBスコアが基準bTMBスコアと比較して増加するか、または同じままである場合、個体のための免疫チェックポイント阻害剤を含む抗がん療法を追加の治療薬と組み合わせて選択することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤を含まない抗がん療法、例えば、化学療法剤を含む抗がん療法を投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、本明細書に記載されているか、または当該技術分野で既知の任意の化学療法剤である。
本明細書に提供される方法は、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)からbTMBスコアまたはMSAFを決定することを含み得る。個体由来の試料は、アーカイブ試料、新鮮な試料、または凍結試料であり得る。決定ステップは、所定の遺伝子セットに生じる体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)の総数を決定して、個体由来の試料からのbTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、体細胞変異の数は、カウントされたSNVの数、またはカウントされたSNVの数とインデル変異の数との合計である。
体細胞変異の数は、個体におけるDNA、mRNA、cDNA、タンパク質、タンパク質断片、及び/または遺伝子コピー数レベルの測定値を含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の任意の好適な基準に基づいて、定性的及び/または定量的に決定され得る。いくつかの例では、個体の包括的ゲノムプロファイルは、個体から収集された試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から決定される。いくつかの例では、ゲノムプロファイルの決定は、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の次世代配列決定法を適用して、ゲノム改変(例えば、体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異))を特定することを含む。いくつかの例では、この試験は、少なくとも約0.05Mb~約10Mb(例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10Mb)をカバーする約300個の遺伝子(例えば、少なくとも約300~約400個の遺伝子のセット、例えば、約300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、または400個の遺伝子のセット)の、少なくとも約500倍(例えば、500倍、550倍、600倍、650倍、700倍、750倍、800倍、850倍、900倍、950倍、または1,000倍)の典型的なエクソンカバレッジ深度中央値までのコーディング領域を同時に配列決定する。他の例では、この試験は、約400個の遺伝子、約425個の遺伝子、約450個の遺伝子、約475個の遺伝子、約500個の遺伝子、約525個の遺伝子、約550個の遺伝子、約575個の遺伝子、約600個の遺伝子、約625個の遺伝子、約650個の遺伝子、約675個の遺伝子、約700個の遺伝子、約725個の遺伝子、約750個の遺伝子、約775個の遺伝子、約800個の遺伝子、約825個の遺伝子、約850個の遺伝子、約875個の遺伝子、約900個の遺伝子、約925個の遺伝子、約950個の遺伝子、約975個の遺伝子、約1000個の遺伝子、または1000個を超える遺伝子のコーディング領域を同時に配列決定する。いくつかの例では、遺伝子セットは、表1に記載の少なくとも2つの遺伝子(例えば、がん関連遺伝子)を含む。いくつかの例では、遺伝子セットは、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルの遺伝子セットである。いくつかの例では、遺伝子セットは、FOUNDATIONONE(登録商標)CDxパネルの遺伝子セットである。いくつかの実施形態では、この試験は、個体の約10Mb超、例えば、約10Mb超、約15Mb超、約20Mb超、約25Mb超、約30Mb超、約35Mb超、約40Mb超、約45Mb超、約50Mb超、約55Mb超、約60Mb超、約65Mb超、約70Mb超、約75Mb超、約80Mb超、約85Mb超、約90Mb超、約95Mb超、約100Mb超、約200Mb超、約300Mb超、約400Mb超、約500Mb超、約600Mb超、約700Mb超、約800Mb超、約900Mb超、約1Gb超、約2Gb超、約3Gb超、または約3.3Gbのゲノムを配列決定する。いくつかの例では、bTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定される。いくつかの例では、bTMBスコアは、全ゲノム配列決定によって決定される。bTMBスコアは、遺伝子同一性とは無関係に計算され得る。いくつかの例では、各カバーされた配列決定リードは、特有のDNA断片を表し、腫瘍不均一性、低い腫瘍純度、及び少ない試料体積のため低頻度で生じるゲノム改変の高感度及び特異的検出を可能にする。
決定ステップは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から単離された無細胞DNA(cfDNA)及び/または循環腫瘍DNA(ctDNA)における体細胞変異の数を決定して、bTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約5ng(例えば、少なくとも約5ng、少なくとも約10ng、少なくとも約15ng、少なくとも約20ng、少なくとも約25ng、少なくとも約30ng、少なくとも約35ng、少なくとも約40ng、少なくとも約45ng、少なくとも約50ng、少なくとも約75ng、少なくとも約100ng、少なくとも約200ng、少なくとも約300ng、少なくとも約400ng、またはそれ以上)である。例えば、いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約20ngのcfDNAである。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、例えば、約5ng~約100ng(例えば、約5ng~約100ng、約5ng~約90ng、約5ng~約80ng、約5ng~約70ng、約5ng~約60ng、約5ng~約50ng、約5ng~約40ng、約5ng~約30ng、約5ng~約20ng、約5ng~約15ng、約5ng~約10ng、約10ng~約100ng、約10ng~約90ng、約10ng~約80ng、約10ng~約70ng、約10ng~約60ng、約10ng~約50ng、約10ng~約40ng、約10ng~約30ng、約10ng~約20ng、約15ng~約100ng、約15ng~約90ng、約15ng~約80ng、約15ng~約70ng、約15ng~約60ng、約15ng~約50ng、約20ng~約100ng、約20ng~約90ng、約20ng~約80ng、約20ng~約70ng、約20ng~約60ng、約20ng~約50ng、約20ng~約40ng、約20ng~約30ng、約25ng~約100ng、約25ng~約90ng、約25ng~約80ng、約25ng~約70ng、約25ng~約60ng、約25ng~約50ng、約25ng~約40ng、約25ng~約30ng、約30ng~約100ng、約30ng~約90ng、約30ng~約80ng、約30ng~約70ng、約30ng~約60ng、約30ng~約50ng、約30ng~約40ng、約30ng~約35ng、約35ng~約100ng、約35ng~約90ng、約35ng~約80ng、約35ng~約70ng、約35ng~約60ng、約35ng~約50ng、約35ng~約40ng、約40ng~約100ng、約40ng~約90ng、約40ng~約80ng、約40ng~約70ng、約40ng~約60ng、約40ng~約50ng、約40ng~約45ng、約50ng~約100ng、約50ng~約90ng、約50ng~約80ng、約50ng~約70ng、約50ng~約60ng、約60ng~約100ng、約60ng~約90ng、約60ng~約80ng、約60ng~約70ng、約70ng~約100ng、約70ng~約90ng、約70ng~約80ng、約80ng~約100ng、約80ng~約90ng、または90ng~約100ng)である。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、約100ng以上(例えば、約100ng以上、約200ng以上、約300ng以上、約400ng以上、約500ng以上、約600ng以上、約700ng以上、約800ng以上、約900ng以上、またはそれ以上)である。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、約0.1%以上、例えば、約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、約0.6%以上、約0.7%以上、約0.8%以上、約0.9%以上、約1.0%以上、約1.1%以上、約1.2%以上、約1.3%以上、約1.4%以上、約1.5%以上、約1.6%以上、約1.7%以上、約1.8%以上、約1.9%以上、約2.0%以上、約2.1%以上、約2.2%以上、約2.3%以上、約2.4%以上、約2.5%以上、約2.6%以上、約2.7%以上、約2.8%以上、約2.9%以上、約3.0%以上、約3.1%以上、約3.2%以上、約3.3%以上、約3.4%以上、約3.5%以上、約3.6%以上、約3.7%以上、約3.8%以上、約3.9%以上、約4.0%以上、約4.1%以上、約4.2%以上、約4.3%以上、約4.4%以上、約4.5%以上、約4.6%以上、約4.7%以上、約4.8%以上、約4.9%以上、約5.0%以上、約6.0%以上、約7.0%以上、約8.0%以上、約9.0%以上、約10.0%以上、約11.0%以上、約12.0%以上、約13.0%以上、約14.0%以上、約15.0%以上約16.0%以上、約17.0%以上、約18.0%以上、約19.0%以上、約20.0%以上、またはそれ以上の対立遺伝子頻度を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、0.5%以上の対立遺伝子頻度を有する。任意の好適な試料体積が前述の方法のうちのいずれかに使用され得る。例えば、いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、例えば、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約13mL、約14mL、約15mL、約16mL、約17mL、約18mL、約19mL、約20mL、約22mL、約24mL、約26mL、約28mL、約30mL、約32mL、約34mL、約36mL、約38mL、約40mL、約42mL、約44mL、約46mL、約48mL、または約50mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、約1mL~約40mL、約1mL~約30mL、約1mL~約20mL、約1mL~約10mL、約5mL~約50mL、約5mL~約40mL、約5mL~約30mL、約5mL~約20mL、約5mL~約10mL、約6mL~約50mL、約6mL~約40mL、約6mL~約30mL、約6mL~約20mL、約6mL~約10mL、約7mL~約50mL、約7mL~約40mL、約7mL~約30mL、約7mL~約20mL、約7mL~約10mL、約8mL~約50mL、約8mL~約40mL、約8mL~約30mL、約8mL~約20mL、約8mL~約10mL、約9mL~約50mL、約9mL~約40mL、約9mL~約30mL、約9mL~約20mL、約9mL~約10mL、約5mL~約15mL、約5mL~約14mL、約5mL~約13mL、約5mL~約12mL、約5mL~約11mL、約6mL~約15mL、約6mL~約14mL、約6mL~約13mL、約6mL~約12mL、約6mL~約11mL、約7mL~約15mL、約7mL~約14mL、約7mL~約13mL、約7mL~約12mL、約7mL~約11mL、約8mL~約15mL、約8mL~約14mL、約8mL~約13mL、約8mL~約12mL、約8mL~約11mL、約9mL~約15mL、約9mL~約14mL、約9mL~約13mL、約9mL~約12mL、または約9mL~約11mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約10mLの体積を有する。例えば、いくつかの例では、血漿試料は、10mLの体積を有する。決定ステップは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から対立遺伝子(すなわち、体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)を有する遺伝子のバリアント)の最大相対頻度を決定して、MSAFを導き出すことを含み得る。次の最も一般に生じる変異の体細胞対立遺伝子頻度も、個体由来の試料から決定され得る。いくつかの例では、個体由来の試料から検出された各変異の体細胞対立遺伝子頻度が決定される。いくつかの例では、複数の体細胞変異を有する試料は、恐らく、がん(例えば、腫瘍)におけるそれらの本来のクローン頻度に応じて、体細胞対立遺伝子頻度の分布としてそれらの変異を提示するであろう。いくつかの例では、40%超(例えば、40%超、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%)の体細胞対立遺伝子頻度は排除され、40%未満(例えば、40%以下)の次に高い体細胞対立遺伝子頻度を有するバリアントが試料のMSAFであると決定される。いくつかの例では、MSAFは、試料における20%未満の最大体細胞対立遺伝子頻度から計算される。生殖系列変異が約50%~約100%の体細胞対立遺伝子頻度分布を有することが見出され得る。
前述の例のうちのいずれかでは、個体は、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍から選択されるがんを有し得る。
いくつかの例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)でのがんの治療後に進行している。他の例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)での治療に不適格であり得る、及び/またはがんの前治療を受けていない。いくつかの例では、個体は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストでの前治療を受けていない。
前述の方法のうちのいずれかでは、患者から得られた試料(例えば、血液試料)は、全血、血漿、血清、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例では、試料は、アーカイブ血液試料、新鮮な血液試料、または凍結血液試料である。
前述の例のうちのいずれかでは、基準bTMBスコアは、がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)を有する基準個体集団におけるbTMBスコアであり得、個体集団は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット及び非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットからなり、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性と比較したPD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性の有意差に基づいて、第1の個体サブセットと第2の個体サブセットとを各々有意に分ける。いくつかの例では、治療に対する応答性は、無増悪生存期間(PFS)の増加及び/または全生存期間(OS)の増加である。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、事前に割り当てられたbTMBスコアであり得る。基準bTMBスコアは、4~30(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30、例えば、8~30、例えば、10~16、または例えば、10~20)であり得る。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、10~20(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり得る。他の例では、基準bTMBスコアは、16~20(例えば、16、17、18、19、または20)であり得る。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び14以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び16以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び18以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)及び16以上のスコアの基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び20以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び21以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び22以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び23以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び24以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び25以上の基準bTMBスコアを有する。
前述の例のうちのいずれかでは、試料からのbTMBスコアは、4以上(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれ以上)であり得る。例えば、試料からのbTMBスコアは、約8~約100(例えば、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、及び100)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、約400~約1500(例えば、約400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500のbTMBスコア)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、4未満(例えば、0、1、2、または3)であり得るか、または検出不能であり得る。
前述の例のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表される。いくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、例えば、全エクソーム配列決定によって決定される、同等bTMB値である。
いくつかの例では、個体由来の試料からのbTMBスコアは、基準集団において約5%以上の有病率、例えば、約5%~約75%の有病率(例えば、約5%~約15%、約15%~約30%、約30%~約45%、約45%~約60%、または約60%~75%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%の有病率)を有し得る。
いくつかの例では、基準カットオフbTMBスコア以上であるbTMBスコアの有病率は、基準集団における約5%、例えば、約5%~約75%の有病率(例えば、約5%~約15%、約15%~約30%、約30%~約45%、約45%~約60%、または約60%~75%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%の有病率)である。
いくつかの例では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約30%未満(例えば、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、またはそれ未満)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約1%~約30%(例えば、約1%~約30%、約1%~約25%、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%、約15%~約30%、約15%~約25%、約15%~約20%、約20%~約30%、または約20%~約25%)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約10%~約20%(例えば、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%)逸脱する。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかでは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療からの利益は、OSの増加、PFSの増加、またはOS及びPFSの増加であり得る。
前述の方法のうちのいずれかでは、PD-L1軸結合アンタゴニストは、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の、例えば、以下の第IV節に記載のいずれのPD-L1軸結合アンタゴニストであり得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者、または別の者もしくは実体、介護者、医師、がん専門医、病院、診療所、第三者支払人、保険会社、製薬会社もしくは生物工学会社、または官庁に対して、報告書、例えば、電子報告書、ウェブベース報告書、または書面報告書を作成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、報告書は、bTMBスコアの評価を含む本方法からの結果を含む。
B.治療方法
本発明は、がんを有する個体を治療する方法であって、個体由来の試料からbTMBスコアを決定することであって、試料からのbTMBスコアが、基準bTMBスコア(例えば、基準集団におけるbTMBスコア、例えば、基準bTMBスコア約4~約30、例えば、基準bTMBスコア約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)であるか、またはそれを超える、該スコアを決定することと、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ(MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせの有効量を投与することと、を含む、方法をさらに提供する。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、10~20(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり得る。他の例では、基準bTMBスコアは、16~20(例えば、16、17、18、19、または20)であり得る。いくつかの例では、個体由来の試料からのbTMBスコアは、基準bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア約4~約30、例えば、基準bTMBスコア約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)未満であり、本方法は、個体に、免疫チェックリスト阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせ以外の、またはそれに加えた抗がん療法を投与することをさらに含む。いくつかの例では、個体由来の試料からのbTMBスコアは、約8~約100(例えば、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100)である。
具体的な例では、本明細書に提供される方法及びアッセイを使用して、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る抗がん療法の治療有効性を最適化することができ、本方法は、抗がん療法での治療中(例えば、ある治療期間にわたって)、基準bTMBスコアと比較した個体由来の試料からのbTMBスコアを監視することを含む。監視は、例えば、抗がん療法の投与前及び/または投与後の時間間隔で収集された個体由来の試料からbTMBスコアを得ること及びそれを比較することを含み得る。いくつかの例では、bTMBスコアは、抗がん療法の投与の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間前、約1、2、3、4、5、6、7日前、約1、2、3、もしくは4週間前、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月前に収集された個体由来の試料から得られ得る。いくつかの例では、bTMBスコアは、抗がん療法の投与の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間後、約1、2、3、4、5、6、7日後、約1、2、3、もしくは4週間後、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月後に収集された個体由来の試料から得られ得る。抗がん療法の投与前及び/または投与後に収集された個体由来の試料からのbTMBスコアが比較され得、治療後に収集された試料からのbTMBスコアと比較した、治療前に収集された個体由来の試料からのbTMBスコアの増加は、投与された抗がん療法の治療有効性の低レベルを示し得、治療後に収集された試料からのbTMBスコアと比較した、治療前に収集された個体由来の試料からのbTMBスコアの減少は、投与された抗がん療法の治療有効性を示し得る。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、抗がん療法での治療前に個体から得られ得る。いくつかの例では、本方法は、抗がん療法での治療中(例えば、ある治療期間にわたって)、治療前のbTMBスコアと比較した個体由来の試料からのbTMBスコアを監視することを含む。
決定ステップは、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から単離された無細胞DNA(cfDNA)及び/または循環腫瘍DNA(ctDNA)における体細胞変異の数を決定して、bTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約5ng(例えば、少なくとも約5ng、少なくとも約10ng、少なくとも約15ng、少なくとも約20ng、少なくとも約25ng、少なくとも約30ng、少なくとも約35ng、少なくとも約40ng、少なくとも約45ng、少なくとも約50ng、少なくとも約75ng、少なくとも約100ng、少なくとも約200ng、少なくとも約300ng、少なくとも約400ng、またはそれ以上)である。例えば、いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、少なくとも約20ngのcfDNAである。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、例えば、約5ng~約100ng(例えば、約5ng~約100ng、約5ng~約90ng、約5ng~約80ng、約5ng~約70ng、約5ng~約60ng、約5ng~約50ng、約5ng~約40ng、約5ng~約30ng、約5ng~約20ng、約5ng~約15ng、約5ng~約10ng、約10ng~約100ng、約10ng~約90ng、約10ng~約80ng、約10ng~約70ng、約10ng~約60ng、約10ng~約50ng、約10ng~約40ng、約10ng~約30ng、約10ng~約20ng、約15ng~約100ng、約15ng~約90ng、約15ng~約80ng、約15ng~約70ng、約15ng~約60ng、約15ng~約50ng、約20ng~約100ng、約20ng~約90ng、約20ng~約80ng、約20ng~約70ng、約20ng~約60ng、約20ng~約50ng、約20ng~約40ng、約20ng~約30ng、約25ng~約100ng、約25ng~約90ng、約25ng~約80ng、約25ng~約70ng、約25ng~約60ng、約25ng~約50ng、約25ng~約40ng、約25ng~約30ng、約30ng~約100ng、約30ng~約90ng、約30ng~約80ng、約30ng~約70ng、約30ng~約60ng、約30ng~約50ng、約30ng~約40ng、約30ng~約35ng、約35ng~約100ng、約35ng~約90ng、約35ng~約80ng、約35ng~約70ng、約35ng~約60ng、約35ng~約50ng、約35ng~約40ng、約40ng~約100ng、約40ng~約90ng、約40ng~約80ng、約40ng~約70ng、約40ng~約60ng、約40ng~約50ng、約40ng~約45ng、約50ng~約100ng、約50ng~約90ng、約50ng~約80ng、約50ng~約70ng、約50ng~約60ng、約60ng~約100ng、約60ng~約90ng、約60ng~約80ng、約60ng~約70ng、約70ng~約100ng、約70ng~約90ng、約70ng~約80ng、約80ng~約100ng、約80ng~約90ng、または90ng~約100ng)である。いくつかの実施形態では、試料から単離されたcfDNAの量は、約100ng以上(例えば、約100ng以上、約200ng以上、約300ng以上、約400ng以上、約500ng以上、約600ng以上、約700ng以上、約800ng以上、約900ng以上、またはそれ以上)である。
任意の好適な試料体積が前述の方法のうちのいずれかに使用され得る。例えば、いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、例えば、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約13mL、約14mL、約15mL、約16mL、約17mL、約18mL、約19mL、約20mL、約22mL、約24mL、約26mL、約28mL、約30mL、約32mL、約34mL、約36mL、約38mL、約40mL、約42mL、約44mL、約46mL、約48mL、または約50mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約1mL~約50mL、約1mL~約40mL、約1mL~約30mL、約1mL~約20mL、約1mL~約10mL、約5mL~約50mL、約5mL~約40mL、約5mL~約30mL、約5mL~約20mL、約5mL~約10mL、約6mL~約50mL、約6mL~約40mL、約6mL~約30mL、約6mL~約20mL、約6mL~約10mL、約7mL~約50mL、約7mL~約40mL、約7mL~約30mL、約7mL~約20mL、約7mL~約10mL、約8mL~約50mL、約8mL~約40mL、約8mL~約30mL、約8mL~約20mL、約8mL~約10mL、約9mL~約50mL、約9mL~約40mL、約9mL~約30mL、約9mL~約20mL、約9mL~約10mL、約5mL~約15mL、約5mL~約14mL、約5mL~約13mL、約5mL~約12mL、約5mL~約11mL、約6mL~約15mL、約6mL~約14mL、約6mL~約13mL、約6mL~約12mL、約6mL~約11mL、約7mL~約15mL、約7mL~約14mL、約7mL~約13mL、約7mL~約12mL、約7mL~約11mL、約8mL~約15mL、約8mL~約14mL、約8mL~約13mL、約8mL~約12mL、約8mL~約11mL、約9mL~約15mL、約9mL~約14mL、約9mL~約13mL、約9mL~約12mL、または約9mL~約11mLの体積を有し得る。いくつかの例では、試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)は、約10mLの体積を有する。例えば、いくつかの例では、血漿試料は、10mLの体積を有する。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、約0.1%以上、例えば、約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、約0.6%以上、約0.7%以上、約0.8%以上、約0.9%以上、約1.0%以上、約1.1%以上、約1.2%以上、約1.3%以上、約1.4%以上、約1.5%以上、約1.6%以上、約1.7%以上、約1.8%以上、約1.9%以上、約2.0%以上、約2.1%以上、約2.2%以上、約2.3%以上、約2.4%以上、約2.5%以上、約2.6%以上、約2.7%以上、約2.8%以上、約2.9%以上、約3.0%以上、約3.1%以上、約3.2%以上、約3.3%以上、約3.4%以上、約3.5%以上、約3.6%以上、約3.7%以上、約3.8%以上、約3.9%以上、約4.0%以上、約4.1%以上、約4.2%以上、約4.3%以上、約4.4%以上、約4.5%以上、約4.6%以上、約4.7%以上、約4.8%以上、約4.9%以上、約5.0%以上、約6.0%以上、約7.0%以上、約8.0%以上、約9.0%以上、約10.0%以上、約11.0%以上、約12.0%以上、約13.0%以上、約14.0%以上、約15.0%以上約16.0%以上、約17.0%以上、約18.0%以上、約19.0%以上、約20.0%以上、またはそれ以上の対立遺伝子頻度を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本アッセイで評価された体細胞変異は各々、0.5%以上の対立遺伝子頻度を有する。個体由来の試料から決定されたbTMBスコアが、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超える本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの例では、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせの有効量を投与することをさらに含み得る。いくつかの例では、個体由来の試料から決定されたbTMBスコアは、基準bTMBスコア未満である。いくつかの例では、本方法は、個体由来の試料からMSAFを決定することをさらに含む。いくつかの例では、試料からのMSAFは、1%以上(例えば、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、または10%以上)である。いくつかの例では、試料からのMSAFは、1%未満(例えば、1%未満、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、または0.1%以下)である。MSAFは、bTMBスコアの決定前に、その決定と同時に、またはその決定後に決定され得る。
例えば、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコア、及び1%以上(例えば、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、または10%以上)のMSAFが個体由来の試料から決定された場合、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)の有効量を投与することをさらに含み得る。基準bTMBスコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコア、及び1%未満(例えば、1%未満、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、または0.1%以下)のMSAFが個体由来の試料から決定された場合、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)の有効量を投与することをさらに含み得る。同様に、基準bTMBスコア未満のbTMBスコア及び1%未満(例えば、1%未満、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、または0.1%以下)のMSAFが個体由来の試料から決定された場合、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)の有効量を投与することをさらに含み得る。しかしながら、基準bTMBスコア未満のbTMBスコア及び1%以上(例えば、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、または10%以上)のMSAFが個体由来の試料から決定された場合、本方法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)以外の、またはそれに加えた抗がん療法の有効量を投与することをさらに含み得る。前述の例のうちのいずれかでは、がんは、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍であり得る。いくつかの例では、肺癌は、局所進行性または転移性(例えば、IIIB期、IV期、または再発性)NSCLCを含むが、これらに限定されないNSCLCであり得る。いくつかの例では、肺癌(例えば、NSCLC)は、切除不能/手術不能肺癌(例えば、NSCLC)であり得る。他の例では、肺癌(例えば、NSCLC)は、プラチナ含有レジメンでの前治療中または前治療後に進行しているかもしれない。
いくつかの例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)でのがんの治療後に進行している。他の例では、個体は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)での治療に不適格であり得る、及び/またはがんの前治療を受けていない。いくつかの例では、個体は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストでの前治療を受けていない。
前述の方法のうちのいずれかでは、患者から得られた試料(例えば、血液試料)は、全血、血漿、血清、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例では、試料は、アーカイブ血液試料、新鮮な血液試料、または凍結血液試料である。決定ステップは、所定の遺伝子セットに生じる体細胞変異(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)の総数を決定して、個体由来の試料からbTMBスコアを導き出すことを含み得る。いくつかの実施形態では、体細胞変異の数は、カウントされたSNVの数、またはカウントされたSNVの数とインデル変異の数との合計である。
前述の例のうちのいずれかでは、基準bTMBスコアは、がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍)を有する基準個体集団におけるbTMBスコアであり得、個体集団は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット及び非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットからなり、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性と比較したPD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性の有意差に基づいて、第1の個体サブセットと第2の個体サブセットとを各々有意に分ける。いくつかの例では、治療に対する応答性は、無増悪生存期間(PFS)の増加及び/または全生存期間(OS)の増加である。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、事前に割り当てられたbTMBスコアであり得る。基準bTMBスコアは、8~30(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30)であり得る。いくつかの例では、基準bTMBスコアは、10~20(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり得る。他の例では、基準bTMBスコアは、16~20(例えば、16、17、18、19、または20)であり得る。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び14以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び16以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、及び18以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)及び16以上のスコアの基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び20以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び21以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び22以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び23以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び24以上の基準bTMBスコアを有する。いくつかの例では、基準個体集団は、黒色腫及び25以上の基準bTMBスコアを有する。
前述の例のうちのいずれかでは、試料からのbTMBスコアは、8以上(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれ以上)であり得る。例えば、試料からのbTMBスコアは、約8~約100(例えば、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、及び100)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、約400~約1500(例えば、約400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500のbTMBスコア)であり得る。いくつかの例では、試料からのbTMBスコアは、8未満(例えば、0、1、2、3、4、5、6、または7)であり得るか、または検出不能であり得る。
前述の例のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として表される。いくつかの実施形態では、bTMBスコア(例えば、基準bTMBスコア)は、例えば、全エクソーム配列決定によって決定される、同等bTMB値である。
いくつかの例では、個体由来の試料からのbTMBスコアは、基準集団において約5%以上の有病率、例えば、約5%~約75%(例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%)の有病率を有し得る。
いくつかの例では、基準カットオフbTMBスコア以上であるbTMBスコアの有病率は、基準集団における約5%、例えば、約5%~約75%の有病率(例えば、約5%~約15%、約15%~約30%、約30%~約45%、約45%~約60%、または約60%~75%、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、または75%の有病率)である。
前述の例のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約30%未満(例えば、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、またはそれ未満)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約1%~約30%(例えば、約1%~約30%、約1%~約25%、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%、約15%~約30%、約15%~約25%、約15%~約20%、約20%~約30%、または約20%~約25%)逸脱する。いくつかの実施形態では、ゲノムまたはエクソームのサブセット(例えば、所定の遺伝子セット)における配列決定された塩基の定義された数(例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、例えば、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb))にわたってカウントされた体細胞変異の数として決定されたbTMBスコアは、全エクソーム配列決定によって決定されたbTMBスコアから約10%~約20%(例えば、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%)逸脱する。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかでは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療からの利益は、OSの増加、PFSの増加、またはOS及びPFSの増加である。
前述の方法のうちのいずれかでは、PD-L1軸結合アンタゴニストは、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の、例えば、以下の第IV節に記載のいずれのPD-L1軸結合アンタゴニストである。
いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PD-L1結合アンタゴニスト、PD-1結合アンタゴニスト、及びPD-L2結合アンタゴニストからなる群から選択される。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PD-L1結合アンタゴニストである。いくつかの例では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のそのリガンド結合パートナーのうちの1つ以上への結合を阻害する。他の例では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のPD-1への結合を阻害する。さらに他の例では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のB7-1への結合を阻害する。いくつかの例では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のPD-1及びB7-1の両方への結合を阻害する。いくつかの例では、PD-L1結合アンタゴニストは、抗体である。いくつかの例では、抗体は、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、YW243.55.S70、MDX-1105、MEDI4736(デュルバルマブ)、及びMSB0010718C(アベルマブ)からなる群から選択される。いくつかの例では、抗体は、配列番号19のHVR-H1配列、配列番号20のHVR-H2配列、及び配列番号21のHVR-H3配列を含む重鎖、ならびに配列番号22のHVR-L1配列、配列番号23のHVR-L2配列、及び配列番号24のHVR-L3配列を含む軽鎖を含む。いくつかの例では、抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PD-1結合アンタゴニストである。例えば、いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のそのリガンド結合パートナーのうちの1つ以上への結合を阻害する。いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のPD-L1への結合を阻害する。他の例では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のPD-L2への結合を阻害する。さらに他の例では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のPD-L1及びPD-L2の両方への結合を阻害する。いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、抗体である。いくつかの例では、抗体は、MDX1106(ニボルマブ)、MK-3475(ペムブロリズマブ)、CT-011(ピディリズマブ)、MEDI-0680(AMP-514)、PDR001、REGN2810、及びBGB-108からなる群から選択される。いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、Fc融合タンパク質である。例えば、いくつかの例では、Fc融合タンパク質は、AMP-224である。
さらなる態様では、本発明は、薬剤の製造または調製における免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストの使用を提供する。一例では、薬剤は、がんの治療のためのものである。さらなる例では、薬剤は、がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)を有する個体に、薬剤の有効量を投与することを含む、がんを治療する方法に使用するためのものである。かかる一例では、本方法は、個体に、例えば、以下に記載の少なくとも1つの追加の治療薬の有効量を投与することをさらに含む。
本明細書に記載の方法で利用される組成物(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト)は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、動脈内、腹腔内、病巣内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、髄腔内、鼻腔内、膣内、直腸内、局所、腫瘍内、腹膜、結膜下、小胞内、粘膜、心膜内、臍帯内、眼球内、眼窩内、経口、局所、経皮、硝子体内(例えば、硝子体内注射による)、点眼薬による、吸入による、注射による、移植による、注入による、持続注入による、標的細胞を直接浸す局所灌流による、カテーテルによる、洗浄による、クリーム中に入れること、または脂質組成物中に入れることを含む、任意の好適な方法によって投与され得る。本明細書に記載の方法で利用される組成物は、全身または局所投与される場合もある。投与方法は、様々な要因(例えば、投与される化合物または組成物、及び治療される状態、疾患、または障害の重症度)によって異なり得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、移植により、吸入により、髄腔内、脳室内、または鼻腔内投与される。投薬は、投与が短期であるか長期であるかに部分的に応じて、任意の好適な経路、例えば、静脈内または皮下注射等の注射により行われ得る。単回投与または様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含むが、これらに限定されない様々な投薬スケジュールが本明細書で企図される。
本明細書に記載のPD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗体、結合ポリペプチド、及び/または小分子)(任意の追加の治療薬)は、優れた医療行為と一致する様式で製剤化、投薬、及び投与され得る。これに関連して考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に既知の他の要因が挙げられる。PD-L1軸結合アンタゴニストは、必ずしもではないが、任意選択的に、問題になっている障害を予防または治療するために同時に使用される1つ以上の薬剤と共に製剤化される、及び/またはそれと同時に投与される。かかる他の薬剤の有効量は、薬剤中に存在するPD-L1軸結合アンタゴニストの量、障害または治療の種類、及び上で論じられる他の要因に依存する。これらは、通常、本明細書に記載のものと同じ投薬量及び投与経路で、または本明細書に記載の投薬量の約1~99%で、または適切であると実験的/臨床的に決定される任意の投薬量及び任意の経路で使用される。
がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)の予防または治療のために、本明細書に記載の免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせの適切な投薬量は(単独で、または1つ以上の他の追加の治療薬と組み合わせて使用される場合)、治療される疾患の種類、疾患の重症度及び経過、PD-L1軸結合アンタゴニストが予防目的で投与されるか治療目的で投与されるか、以前の療法、患者の病歴及びPD-L1軸結合アンタゴニストに対する応答、ならびに主治医の裁量に依存するであろう。PD-L1軸結合アンタゴニストは、一度に、または一連の治療にわたって患者に好適に投与される。1つの典型的な1日投薬量は、上述の要因に応じて、約1μg/kg~100mg/kg以上の範囲であり得る。数日間またはそれ以上にわたる反復投与の場合、状態に応じて、治療は、一般に、疾患の症状の所望の抑制が生じるまで持続されるであろう。かかる用量は、(例えば、患者が、PD-L1軸結合アンタゴニストを、例えば、約2~約20回、または例えば約6回受けるように)例えば、毎週または3週間毎に間欠的に投与され得る。最初により高い負荷用量、続いて、1回以上のより低い用量が投与され得る。しかしながら、他の投薬量レジメンが有用であり得る。この療法の経過は、従来の技法及びアッセイによって容易に監視される。
例えば、一般的な提案として、ヒトに投与される免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト抗体、抗CTLA-4抗体、抗TIM-3抗体、または抗LAG-3抗体の治療有効量は、1回以上の投与によるかにかかわらず、約0.01~約50mg/患者の体重kgの範囲であろう。いくつかの例では、使用される抗体は、約0.01mg/kg~約45mg/kg、約0.01mg/kg~約40mg/kg、約0.01mg/kg~約35mg/kg、約0.01mg/kg~約30mg/kg、約0.01mg/kg~約25mg/kg、約0.01mg/kg~約20mg/kg、約0.01mg/kg~約15mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、または約0.01mg/kg~約1mg/kgであり、例えば、毎日、毎週、2週間毎、3週間毎、または毎月投与される。いくつかの例では、抗体は、15mg/kgで投与される。しかしながら、他の投薬量レジメンが有用であり得る。一例では、本明細書に記載の抗PD-L1抗体は、21日サイクル(3週間毎、q3w)の1日目に、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、または約1800mgの用量でヒトに投与される。いくつかの例では、抗PD-L1抗体であるMPDL3280Aは、3週間毎(q3w)に1200mgで静脈内投与される。この用量は、注入物等として、単回用量として、または複数回用量(例えば、2回用量または3回用量)として投与され得る。併用治療で投与される抗体の用量は、単独治療と比較して低減され得る。この療法の経過は、従来の技法によって容易に監視される。
いくつかの例では、本方法は、個体に、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト以外の、またはそれに加えた抗がん療法(例えば、抗腫瘍剤、化学療法剤、成長阻害剤、抗血管新生剤、放射線療法、または細胞傷害性剤)を投与することを含む。
いくつかの例では、本方法は、患者に追加の治療薬の有効量を投与することをさらに含む。いくつかの例では、追加の治療薬は、抗腫瘍剤、化学療法剤、成長阻害剤、抗血管新生剤、放射線療法、細胞傷害性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、化学療法または化学療法剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、放射線療法剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、標的療法または標的治療薬と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、免疫療法または免疫治療薬、例えば、モノクローナル抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、追加の治療薬は、共刺激分子に対して指向されるアゴニストである。いくつかの例では、追加の治療薬は、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニストである。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、単剤療法として投与される。
上述のかかる併用療法は、併用投与(2つ以上の治療薬が同じまたは別個の製剤中に含まれる)、及び別個の投与(この場合、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストの投与は、追加の治療薬(複数可)の投与前に、その投与と同時に、及び/またはその投与後に起こり得る)を包含する。一例では、PD-L1軸結合アンタゴニストの投与及び追加の治療薬の投与は、互いに約1ヵ月以内、または約1、2、もしくは3週間以内、または約1、2、3、4、5、もしくは6日以内に起こる。
理論に縛られることを望むことなく、共刺激分子を促進するか、または共阻害分子を阻害することによってT細胞刺激を増強することにより、腫瘍細胞死が促進され、それにより、がんを治療するか、またはその進行を遅延させることができると考えられる。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、共刺激分子に対して指向されるアゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、共刺激分子は、CD40、CD226、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、HVEM、またはCD127を含み得る。いくつかの例では、共刺激分子に対して指向されるアゴニストは、CD40、CD226、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、HVEM、またはCD127に結合するアゴニスト抗体である。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、共阻害分子は、CTLA-4(別名、CD152)、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、B7-H3、B7-H4、IDO、TIGIT、MICA/B、またはアルギナーゼを含み得る。いくつかの例では、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニストは、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、B7-H3、B7-H4、IDO、TIGIT、MICA/B、またはアルギナーゼに結合するアンタゴニスト抗体である。
いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CTLA-4(別名、CD152)に対して指向されるアンタゴニスト、例えば、遮断抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、イピリムマブ(別名、MDX-010、MDX-101、またはYERVOY(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、トレメリムマブ(別名、チシリムマブまたはCP-675,206)と併せて投与され得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、B7-H3(別名、CD276)に対して指向されるアンタゴニスト、例えば、遮断抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、MGA271と併せて投与され得る。いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、TGF-ベータに対して指向されるアンタゴニスト、例えば、メテリムマブ(別名、CAT-192)、フレソリムマブ(別名、GC1008)、またはLY2157299と併せて投与され得る。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞(例えば、細胞傷害性T細胞またはCTL)の養子移入を含む治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ドミナントネガティブTGFベータ受容体、例えば、ドミナントネガティブTGFベータII型受容体を含むT細胞の養子移入を含む治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、HERCREEMプロトコル(例えば、ClinicalTrials.gov Identifier NCT00889954)を含む治療と併せて投与され得る。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CD137(別名、TNFRSF9、4-1BB、またはILA)に対して指向されるアゴニスト、例えば、活性化抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ウレルマブ(別名、BMS-663513)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CD40に対して指向されるアゴニスト、例えば、活性化抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CP-870893と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、OX40(別名、CD134)に対して指向されるアゴニスト、例えば、活性化抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗OX40抗体(例えば、AgonOX)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CD27に対して指向されるアゴニスト、例えば、活性化抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CDX-1127と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)に対して指向されるアンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、IDOアンタゴニストは、1-メチル-D-トリプトファン(別名、1-D-MT)を有する。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗体薬物コンジュゲートと併せて投与され得る。いくつかの例では、抗体薬物コンジュゲートは、メルタンシンまたはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗NaPi2b抗体-MMAEコンジュゲート(別名、DNIB0600AまたはRG7599)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、トラスツズマブエムタンシン(別名、T-DM1、アド-トラスツズマブエムタンシン、またはKADCYLA(登録商標)、Genentech)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、DMUC5754Aと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、エンドセリンB受容体(EDNBR)を標的とする抗体薬物コンジュゲート、例えば、MMAEとコンジュゲートされたEDNBRに対して指向される抗体と併せて投与され得る。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗血管新生剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、VEGF、例えば、VEGF-Aに対して指向される抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ベバシズマブ(別名、AVASTIN(登録商標)、Genentech)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、アンジオポイエチン2(別名、Ang2)に対して指向される抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、MEDI3617と併せて投与され得る。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗腫瘍剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CSF-1R(別名、M-CSFRまたはCD115)を標的とする薬剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、抗CSF-1R(別名、IMC-CS4)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、インターフェロン、例えば、インターフェロンアルファまたはインターフェロンガンマと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、Roferon-A(別名、組換えインターフェロンアルファ-2a)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GM-CSF(別名、組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、rhu GM-CSF、サルグラモスチム、またはLEUKINE(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-2(別名、アルデスロイキンまたはPROLEUKIN(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-12と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CD20を標的とする抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、CD20を標的とする抗体は、オビヌツズマブ(別名、GA101またはGAZYVA(登録商標))またはリツキシマブである。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GITRを標的とする抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、GITRを標的とする抗体は、TRX518である。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、がんワクチンと併せて投与され得る。いくつかの例では、がんワクチンは、ペプチドがんワクチンであり、いくつかの例では、個別化されたペプチドワクチンである。いくつかの例では、ペプチドがんワクチンは、多価長ペプチド、多ペプチド、ペプチドカクテル、ハイブリッドペプチド、またはペプチドパルス樹状細胞ワクチンである(例えば、Yamada et al.,Cancer Sci.104:14-21,2013を参照のこと)。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、アジュバントと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、TLRアゴニスト、例えば、Poly-ICLC(別名、HILTONOL(登録商標))、LPS、MPL、またはCpG ODNを含む治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、腫瘍壊死因子(TNF)アルファと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-1と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、HMGB1と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-10アンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-4アンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、IL-13アンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、HVEMアンタゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ICOSアゴニスト(例えば、ICOS-Lの投与による)、またはICOSに対して指向されるアゴニスト抗体と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CX3CL1を標的とする治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CXCL9を標的とする治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CXCL10を標的とする治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、CCL5を標的とする治療と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、LFA-1またはICAM1アゴニストと併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、セレクチンアゴニストと併せて投与され得る。
いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、標的療法と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、B-Raf阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ベムラフェニブ(別名、ZELBORAF(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ダブラフェニブ(別名、TAFINLAR(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、エルロチニブ(別名、TARCEVA(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、MEK1(別名、MAP2K1)またはMEK2(別名、MAP2K2)等のMEKの阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、コビメチニブ(別名、GDC-0973またはXL-518)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、トラメチニブ(別名、MEKINIST(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、K-Ras阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、c-Met阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、オナルツズマブ(別名、MetMAb)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、Alk阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、AF802(別名、CH5424802またはアレクチニブ)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、BKM120と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、イデラリシブ(別名、GS-1101またはCAL-101)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、ペリホシン(別名、KRX-0401)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、Akt阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、MK2206と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GSK690693と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GDC-0941と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、mTOR阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、シロリムス(別名、ラパマイシン)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、テムシロリムス(別名、CCI-779またはTORISEL(登録商標))と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、エベロリムス(別名、RAD001)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、リダフォロリムス(別名、AP-23573、MK-8669、またはデフォロリムス)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、OSI-027と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、AZD8055と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、INK128と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、二重PI3K/mTOR阻害剤と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、XL765と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GDC-0980と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、BEZ235(別名、NVP-BEZ235)と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、BGT226と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、GSK2126458と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PF-04691502と併せて投与され得る。いくつかの例では、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PF-05212384(別名、PKI-587)と併せて投与され得る。
C.MSAFの検出方法及びアッセイ
いくつかの態様では、対象由来の試料におけるMSAFを評価する方法が本明細書に提供される。本方法は、例えば、a)対象由来のサブゲノム区間(例えば、コーディングサブゲノム区間)のセットの配列、例えば、ヌクレオチド配列を提供することであって、サブゲノム区間が所定の遺伝子セットからのものである、該配列を提供することと、b)MSAFの値を決定することであって、この値が、サブゲノム区間セット内の対立遺伝子、すなわち、体細胞改変を有するサブゲノム区間のバリアントの頻度の関数である、該値を決定することと、を含む。
いくつかの実施形態では、この値は、分率またはパーセンテージとして表される、約40%未満(例えば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、または1%未満)の、試料から検出される対立遺伝子、例えば、体細胞改変(例えば、コーディング領域における塩基置換及び/またはコーディング領域におけるインデル変異)を有するサブゲノム区間(例えば、遺伝子)のバリアントの最大頻度として表される。
いくつかの実施形態では、この値は、サブゲノム区間にアラインされた全リードに対して体細胞改変を示す配列リードの数を割ることによって、例えば、ヒトゲノムの特定の領域にアラインされた全リードに対して体細胞変異を示す配列リードの数を割ることによって決定される。いくつかの実施形態では、この値は、40%超(例えば、40%超、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%)の頻度を除外する。いくつかの実施形態では、この値は、試料における20%以上の頻度を除外する。いくつかの実施形態では、この値は、試料における約20%未満の最大体細胞対立遺伝子頻度から導き出される。
いくつかの実施形態では、この値は、その対立遺伝子を保有する対象由来の試料中の全てのcfDNAの分率である。いくつかの実施形態では、この値は、その対立遺伝子を保有する対象由来の試料中のctDNAの分率である。いくつかの実施形態では、この値は、試料中の腫瘍含有量の総量を推定するために使用される。
いくつかの実施形態では、本方法は、試料から検出された各体細胞改変の対立遺伝子頻度を決定することを含む。例えば、複数の体細胞改変を有する試料は、恐らく、がん(例えば、腫瘍)におけるそれらの本来のクローン頻度に応じて、体細胞対立遺伝子頻度の分布としてそれらの改変を提示し得る。
いくつかの実施形態では、この値は、所定の遺伝子セット、例えば、所定の遺伝子セットのコーディング領域の関数として表される。他の実施形態では、この値は、配列決定されたサブゲノム区間、例えば、配列決定されたコーディングサブゲノム区間の関数として表される。
ある特定の実施形態では、所定の遺伝子セットは、全ゲノムまたは全エクソームを含まない。他の実施形態では、サブゲノム区間セットは、全ゲノムまたは全エクソームを含まない。
いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セットは、複数の遺伝子を含み、これらは、変異体形態で、細胞分裂、成長、または生存への影響に関連するか、またはがんに関連する。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セットは、少なくとも約50個以上、約100個以上、約150個以上、約200個以上、約250個以上、約300個以上、約350個以上、約400個以上、約450個以上、または約500個以上の遺伝子を含む。
ある特定の実施形態では、この値は、所定の遺伝子セットの事前選択された数の位置、例えば、所定の遺伝子セットのコーディング領域における体細胞改変の頻度の関数として表される。他の実施形態では、この値は、配列決定されたサブゲノム区間(例えば、コーディングサブゲノム区間)の事前選択された数の位置における体細胞改変の頻度の関数として表される。いくつかの実施形態では、この値は、ゲノムのより大きい部分、例えば、全エクソームまたは全ゲノムに外挿される。
ある特定の実施形態では、この値は、サブゲノム区間における機能的改変及び/またはサブゲノム区間における生殖系列改変の頻度を除外する。
いくつかの実施形態では、機能的改変は、機能的改変のデータベース、例えば、COSMICデータベース(cancer.sanger.ac.uk/cosmic;Forbes et al.Nucl.Acids Res.2015;43(D1):D805-D811)に含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、機能的改変は、例えば、COSMICデータベースにおいて既知の体細胞改変として起こる既知の機能的状態を有する改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、機能的である可能性が高い状態、例えば、腫瘍抑制因子遺伝子における切断を有する改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、ドライバー変異、例えば、細胞生存または繁殖を増大させること等によって、その微小環境においてクローンに選択的優位性を与える改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、クローン増殖を引き起こすことができる改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、(a)増殖シグナルにおける自給自足、(b)抗成長シグナルの低下、例えば、それに対する非感受性、(c)アポトーシスの低下、(d)複製能の増加、(e)持続的血管新生、または(f)組織浸潤もしくは転移のうちの1つ以上を引き起こすことができる改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、パッセンジャー変異ではなく、例えば、クローンの適応度に検出可能な影響を及ぼす改変である。いくつかの実施形態では、機能的改変は、意義不明のバリアント(VUS)ではなく、例えば、その病原性を確認も排除もすることができない改変ではない。
いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セット内の事前選択された遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における複数(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、または75%以上)の機能的改変が除外される。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セット内の事前選択された遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における全ての機能的改変が除外される。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セット内の複数の事前選択された遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における複数の機能的改変が除外される。いくつかの実施形態では、所定の遺伝子セット内の全ての遺伝子(例えば、腫瘍遺伝子)における全ての機能的改変が除外される。
いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、単一ヌクレオチド多型(SNP)、塩基置換、インデル、またはサイレント変異(例えば、同義変異)である。
いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、一致した正常な配列との比較を使用しない方法の使用によって除外される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、SGZアルゴリズム(例えば、WO2014/183078に記載されるもの)の使用を含む方法によって除外される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、生殖系列改変のデータベース、例えば、dbSNPデータベース(www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/index.html;Sherry et al.Nucleic Acids Res.2001;29(1):308-311)に含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、ExACデータベース(exac.broadinstitute.org;Exome Aggregation Consortium et al.“Analysis of protein-coding genetic variation in 60,706 humans,”bioRxiv preprint.October 30,2015)の2つ以上のカウントに含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、1000 Genome Projectデータベース(www.1000genomes.org;McVean et al.Nature.2012;491,56-65)に含まれるようなものと特定される。いくつかの実施形態では、生殖系列改変は、ESPデータベース(Exome Variant Server,NHLBI GO Exome Sequencing Project(ESP),Seattle,WA(evs.gs.washington.edu/EVS/)に含まれるようなものと特定される。
いくつかの実施形態では、体細胞改変は、サイレント変異、例えば、同義改変である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、パッセンジャー変異、例えば、クローンの適応度に検出可能な影響を及ぼさない改変である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、意義不明のバリアント(VUS)であり、例えば、その病原性を確認も排除もすることができない改変である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、点変異である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、短いバリアント(例えば、短いコーディングバリアント)、例えば、塩基置換、インデル、挿入、または欠失である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、非同義単一ヌクレオチドバリアント(SNV)である。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、スプライスバリアントである。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、がん表現型に関連するものと特定されていない。いくつかの実施形態では、体細胞改変は、再編成以外、例えば、転座以外である。
いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の前悪性もしくは悪性細胞;固形腫瘍、軟部組織腫瘍、もしくは転移性病巣由来の細胞;切除縁由来の組織もしくは細胞;組織学的に正常な組織;1つ以上の循環腫瘍細胞(CTC);正常隣接組織(NAT);またはFFPE試料を含む。
いくつかの実施形態では、試料は、血液試料である。いくつかの実施形態では、対象から得られた試料(例えば、血液試料)は、全血、血漿、血清、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、試料は、アーカイブ血液試料、新鮮な血液試料、または凍結血液試料である。いくつかの実施形態では、試料は、無細胞DNA(cfDNA)及び/または循環腫瘍DNA(ctDNA)を含む。
いくつかの実施形態では、試料は、固形腫瘍、血液癌、またはそれらからの転移形態を有する患者から得られる。
ある特定の実施形態では、試料は、がんを有する対象、または療法を受けているか、または療法を受けていたことがある対象由来である。
いくつかの実施形態では、試料は、例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍から選択されるがんを有する対象から得られる。
いくつかの実施形態では、対象は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)でのがんの治療後に進行している。他の実施形態では、対象は、プラチナ含有レジメン(例えば、プラチナベースの化学療法剤を含むレジメン、例えば、シスプラチンベースの化学療法を含むレジメン)でのがんの治療に不適格であり得る、及び/またはがんの前治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストでの前治療を受けていない。前述の方法のうちのいずれかでは、PD-L1軸結合アンタゴニストは、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載の、例えば、以下の第IV節に記載のいずれのPD-L1軸結合アンタゴニストであり得る。
いくつかの実施形態では、MSAF値は、bTMBスコアとは無関係に試料から得られる。いくつかの実施形態では、MSAF値の決定は、試料からのbTMBスコアの決定前に、その決定と同時に、またはその決定後に起こる。
いくつかの実施形態では、本方法は、試料から複数の核酸を含むライブラリを取得することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、ライブラリをベイトセットと接触させて、選択された核酸を提供することをさらに含み、前記ベイトセットは、核酸とハイブリダイズし、それにより、ライブラリキャッチを提供する。
いくつかの実施形態では、本方法は、上記ライブラリまたはライブラリキャッチ由来の核酸から体細胞改変を含むサブゲノム区間のリードを取得し、それにより、例えば、次世代配列決定法によってサブゲノム区間のリードを取得することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、アライメント法によって前記リードをアラインすることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、上記リードから事前選択されたヌクレオチド位置にヌクレオチド値を割り当てることをさらに含む。いくつかの実施形態では、サブゲノム区間のリードの取得は、少なくとも約50個以上、約100個以上、約150個以上、約200個以上、約250個以上、約300個以上の遺伝子または遺伝子産物からサブゲノム区間を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、サブゲノム区間のリードの取得は、約250×超、約500×超、または約1,000×超の平均固有カバレッジで配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、サブゲノム区間のリードの取得は、配列決定される遺伝子(例えば、エクソン)の95%超、約97%超、または約99%超で、約250×超、約500×超、または約1,000×超の平均固有カバレッジで配列決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、MSAFの評価に応じて試料または試料が由来する対象を分類することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者、または別の者もしくは実体、介護者、医師、がん専門医、病院、診療所、第三者支払人、保険会社、製薬会社もしくは生物工学会社、または官庁に対して、報告書、例えば、電子報告書、ウェブベース報告書、または書面報告書を作成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、報告書は、MSAFの評価を含む本方法からの結果を含む。
D.tTMBスコアを決定する方法
前述の方法のうちのいずれかは、個体由来の腫瘍試料からtTMBスコアを決定することをさらに含み得る。tTMBスコアは、いずれも全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開第WO2017/151524号または国際特許出願第PCT/US2017/055669号に記載の任意のアプローチを使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、基準tTMBスコアであるか、またはそれを超える腫瘍試料からのtTMBスコアは、個体を、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む治療から利益を享受し得る者と特定する。いくつかの実施形態では、腫瘍試料から決定されたtTMBスコアは、基準tTMBスコアであるか、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、腫瘍試料から決定されたtTMBスコアは、基準tTMB未満である。前述の態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、基準tTMBスコアは、がんを有する基準個体集団におけるtTMBスコアであり、個体集団は、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット及び非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットからなり、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法は、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体)または共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、またはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))を含まない。いくつかの実施形態では、基準tTMBスコアは、がんを有する基準個体集団におけるtTMBスコアであり、個体集団は、PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第1の個体サブセット及び非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法で治療されている第2の個体サブセットからなり、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法は、PD-L1軸結合アンタゴニストを含まない。いくつかの実施形態では、基準tTMBスコアは、非PD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性と比較したPD-L1軸結合アンタゴニスト療法での治療に対する応答性の有意差に基づいて、第1の個体サブセットと第2の個体サブセットとを各々有意に分ける。いくつかの実施形態では、治療に対する応答性は、PFSの増加、OSの増加、及び/または全奏効率(ORR)の増加である。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、基準レベルの体細胞変異と比較して増加したレベルの体細胞変異を有すると決定されている。いくつかの実施形態では、腫瘍試料は、表1に記載の少なくとも1つの遺伝子における基準レベルの体細胞変異と比較して表1に記載の少なくとも1つの遺伝子における増加したレベルの体細胞変異を有すると決定されている。いくつかの実施形態では、体細胞変異は、タンパク質改変体細胞変異である。いくつかの実施形態では、体細胞変異は、置換、欠失、及び/または挿入である。いくつかの実施形態では、置換、欠失、及び/または挿入は、コーディング領域にある。いくつかの実施形態では、欠失及び/または挿入は、インデルである。
前述の方法のうちのいずれかでは、いくつかの例では、基準tTMBスコアは、事前に割り当てられたtTMBスコアである。いくつかの例では、基準tTMBスコアは、1Mb当たり約5~約100の変異(mut/Mb)、例えば、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、または約100mut/Mbである。例えば、いくつかの例では、基準tTMBスコアは、約8~約30mut/Mb(例えば、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30mut/Mb)である。いくつかの例では、基準tTMBスコアは、約10~約20mut/Mb(例えば、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20mut/Mb)である。具体的な例では、基準tTMBスコアは、10mut/Mb、16mut/Mb、または20mut/Mbであり得る。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約5mut/Mb以上のtTMBスコアを有する。例えば、いくつかの例では、腫瘍試料からのtTMBスコアは、約5~約100mut/Mb(例えば、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、または約100mut/Mb)である。いくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、または約50mut/Mb以上のtTMBスコアを有する。例えば、いくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約10mut/Mb以上のtTMBスコアを有する。いくつかの実施形態では、基準tTMBスコアは、10mut/Mbである。いくつかの例では、腫瘍試料からのtTMBスコアは、約10~100mut/Mbである。いくつかの例では、腫瘍試料からのtTMBスコアは、約10~20mut/Mbである。いくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約16mut/Mb以上のtTMBスコアを有する。いくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約16mut/Mb以上のtTMBスコアを有し、基準tTMBスコアは、16mut/Mbである。他の例では、患者由来の腫瘍試料は、約20mut/Mb以上のtTMBスコアを有する。いくつかの例では、患者由来の腫瘍試料は、約20mut/Mb以上のtTMBスコアを有し、基準tTMBスコアは、約20mut/Mbである。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの例では、tTMBスコアまたは基準tTMBスコアは、配列決定された塩基の定義された数当たりのカウントされた体細胞変異の数として表される。例えば、いくつかの例では、配列決定された塩基の定義された数は、約100kb~約10Mbである。いくつかの例では、配列決定された塩基の定義された数は、例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)パネルによって評価される、約1.1Mb(例えば、約1.125Mb)である。いくつかの例では、tTMBスコアまたは基準tTMBスコアは、同等tTMB値である。いくつかの例では、同等tTMB値は、全エクソーム配列決定(WES)によって決定される。前述の方法のうちのいずれかでは、決定されたtTMBスコアは、表1に列記される遺伝子において検出された体細胞変異及び/または再編成のレベルの反映であり得る。いくつかの例では、治療(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療)に対する応答性を予測するtTMBスコアは、少なくとも約5mut/Mb以上(例えば、約5mut/Mb以上、約6mut/Mb以上、約7mut/Mb以上、約8mut/Mb以上、約9mut/Mb以上、約10mut/Mb以上、約11mut/Mb以上、約12mut/Mb以上、約13mut/Mb以上、約14mut/Mb以上、約15mut/Mb以上、約16mut/Mb以上、約17mut/Mb以上、約18mut/Mb以上、約19mut/Mb以上、約20mut/Mb以上、約25mut/Mb以上、約30mut/Mb以上、約35mut/Mb以上、約40mut/Mb以上、及び約50mut/Mb以上)であると決定されている(または決定される)。いくつかの例では、治療(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療)に対する応答性を予測するtTMBスコアは、約7変異/Mb~約20変異/Mbであり得る。いくつかの例では、治療に対する応答性を予測するtTMBスコアは、約10変異/Mb~約15変異/Mbであり得る。いくつかの例では、治療に対する応答性を予測するtTMBスコアは、約11変異/Mb~約13変異/Mbであり得る。いくつかの例では、治療に対する応答性を予測するtTMBスコアは、約12.5変異/Mbであり得る。他の例では、治療に対する応答性を予測するtTMBスコアは、約10mut/Mb以上、例えば、約10mut/Mb以上、約11mut/Mb以上、約12mut/Mb以上、約13mut/Mb以上、約14mut/Mb以上、約15mut/Mb以上、約16mut/Mb以上、約17mut/Mb以上、約18mut/Mb以上、約19mut/Mb以上、約20mut/Mb以上であり得る。
E.PD-L1発現を決定する方法
前述の方法のうちのいずれかは、個体から得られた試料(例えば、腫瘍試料)におけるPD-L1発現レベルを決定することを含み得る。PD-L1発現レベルを決定するための任意の好適なアプローチ、例えば、免疫組織化学(IHC)が使用され得る。例示的なPD-L1 IHCアッセイが、例えば、実施例1に記載されており、他のアッセイは、当該技術分野で既知である。
いくつかの実施形態では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約1%未満において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約1%以上(例えば、約1%以上、2%以上、3%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上,18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約1%~約5%未満(例えば、1%~4.9%、1%~4.5%、1%~4%、1%~3.5%、1%~3%、1%~2.5%、または1%~2%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約5%以上において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約5%~50%未満(例えば、5%~49.5%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、5%~9%、5%~8%、5%~7%、5%~6%、10%~49.5%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、15%~49.5%、15%~45%、15%~40%、15%~35%、15%~30%、15%~30%、15%~25%、15%~20%、20%~49.5%、20%~45%、20%~40%、20%~35%、20%~30%、20%~25%、25%~49.5%、25%~45%、25%~40%、25%~35%、25%~30%、30%~49.5%、30%~45%、30%~40%、30%~35%、35%~49.5%、35%~45%、35%~40%、40%~49.5%、40%~45%、または45%~49.5%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
さらに他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約50%以上(例えば、約50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約50%~約99%(例えば、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~85%、50%~80%、50%~75%、50%~70%、50%~65%、50%~60%、50%~55%、55%~99%、55%~95%、55%~90%、55%~85%、55%~80%、55%~75%、55%~70%、55%~65%、55%~60%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~85%、60%~80%、60%~75%、60%~70%、60%~65%、65%~99%、65%~95%、65%~90%、65%~85%、65%~80%、65%~75%、65%~70%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、70%~85%、70%~80%、70%~75%、75%~99%、75%~95%、75%~90%、75%~85%、75%~80%、80%~99%、80%~95%、80%~90%、80%~85%、85%~99%、85%~95%、85%~90%、90%~99%、または90%~95%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約1%未満に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約1%以上(例えば、約1%以上、2%以上、3%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上,18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、または100%)に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約1%~約5%未満(例えば、1%~4.9%、1%~4.5%、1%~4%、1%~3.5%、1%~3%、1%~2.5%、または1%~2%)に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞の約1%未満において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞において約1%以上(例えば、約1%以上、2%以上、3%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上,18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、または100%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞の約1%~約5%未満(例えば、1%~4.9%、1%~4.5%、1%~4%、1%~3.5%、1%~3%、1%~2.5%、または1%~2%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約5%以上に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約5%~約10%未満(例えば、5%~9.5%、5%~9%、5%~8.5%、5%~8%、5%~7.5%、5%~7%、5%~6.5%、5%~6%、5%~5.5%、6%~9.5%、6%~9%、6%~8.5%、6%~8%、6%~7.5%、6%~7%、6%~6.5%、7%~9.5%、7%~9%、7%~7.5%、8%~9.5%、8%~9%、または8%~8.5%)に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
さらに他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞の約5%以上において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。例えば、いくつかの例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞の約5%~約10%未満(例えば、5%~9.5%、5%~9%、5%~8.5%、5%~8%、5%~7.5%、5%~7%、5%~6.5%、5%~6%、5%~5.5%、6%~9.5%、6%~9%、6%~8.5%、6%~8%、6%~7.5%、6%~7%、6%~6.5%、7%~9.5%、7%~9%、7%~7.5%、8%~9.5%、8%~9%、または8%~8.5%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
なおさらなる例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料の約10%以上(例えば、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上,18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
なおさらなる例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍浸潤免疫細胞の約10%以上(例えば、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
さらに他の例では、患者から得られた腫瘍試料は、腫瘍試料中の腫瘍細胞の約50%以上(例えば、約50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上)において検出可能なPD-L1発現レベルを有する、及び/または腫瘍試料の約10%以上(例えば、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上,18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)に含まれる腫瘍浸潤免疫細胞において検出可能なPD-L1発現レベルを有すると決定されている。
前述の方法のうちのいずれかでは、腫瘍浸潤免疫細胞に含まれる腫瘍試料のパーセンテージが、例えば、抗PD-L1抗体(例えば、SP142抗体)を使用してIHCによって評価される、患者から得られた腫瘍試料の一区分中の腫瘍浸潤免疫細胞に覆われた腫瘍面積のパーセンテージの観点であり得ることを理解されたい。
IV.本発明の方法に使用するためのPD-L1軸結合アンタゴニスト
がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)を有する個体を治療するための方法が本明細書に提供される。前述の方法のうちのいずれも、個体由来の試料からのbTMBスコアの決定に基づいている。前述の方法のうちのいずれかは、個体由来の試料からMSAF値を決定することをさらに含み得る。前述の方法のうちのいずれかは、個体由来の試料からtTMB値を決定することをさらに含み得る。
例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストには、PD-1結合アンタゴニスト、PD-L1結合アンタゴニスト、及びPD-L2結合アンタゴニストが含まれる。PD-1(プログラム死1)は、当該技術分野で、「プログラム細胞死1」、「PDCD1」、「CD279」、及び「SLEB2」とも称される。例示的なヒトPD-1は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q15116に示される。PD-L1(プログラム死リガンド1)は、当該技術分野で、「プログラム細胞死1リガンド1」、「PDCD1LG1」、「CD274」、「B7-H」、及び「PDL1」とも称される。例示的なヒトPD-L1は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9NZQ7.1に示される。PD-L2(プログラム死リガンド2)は、当該技術分野で、「プログラム細胞死1リガンド2」、「PDCD1LG2」、「CD273」、「B7-DC」、「Btdc」、及び「PDL2」と称される。例示的なヒトPD-L2は、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9BQ51に示される。いくつかの例では、PD-1、PD-L1、及びPD-L2は、ヒトPD-1、PD-L1、及びPD-L2である。
いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、PD-1のそのリガンド結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の態様では、PD-1リガンド結合パートナーは、PD-L1及び/またはPD-L2である。別の例では、PD-L1結合アンタゴニストは、PD-L1のその結合リガンドへの結合を阻害する分子である。特定の態様では、PD-L1結合パートナーは、PD-1及び/またはB7-1である。別の例では、PD-L2結合アンタゴニストは、PD-L2のそのリガンド結合パートナーへの結合を阻害する分子である。特定の態様では、PD-L2結合リガンドパートナーは、PD-1である。アンタゴニストは、抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであり得る。
いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、例えば、以下に記載の抗PD-1抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体)である。いくつかの例では、t抗PD-1抗体は、MDX-1106(ニボルマブ)、MK-3475(ペムブロリズマブ)、CT-011(ピディリズマブ)、MEDI-0680(AMP-514)、PDR001、REGN2810、及びBGB-108からなる群から選択される。MDX-1106、別名、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558、またはニボルマブは、WO2006/121168に記載の抗PD-1抗体である。MK-3475、別名、ペムブロリズマブまたはランブロリズマブは、WO2009/114335に記載の抗PD-1抗体である。CT-011、別名、hBAT、hBAT-1、またはピディリズマブは、WO2009/101611に記載の抗PD-1抗体である。いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD-L1またはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。いくつかの例では、PD-1結合アンタゴニストは、AMP-224である。AMP-224、別名、B7-DCIgは、WO2010/027827及びWO2011/066342に記載のPD-L2-Fc融合可溶性受容体である。
いくつかの例では、抗PD-1抗体は、MDX-1106である。「MDX-1106」の代替名としては、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558、及びニボルマブが挙げられる。いくつかの例では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ(CAS登録番号:946414-94-4)である。なおさらなる例では、配列番号1由来の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/または配列番号2由来の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む単離された抗PD-1抗体が提供される。なおさらなる例では、重鎖及び/または軽鎖配列を含む単離された抗PD-1抗体が提供され、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号1)と
少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有し、
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号2)と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
いくつかの例では、PD-L1軸結合アンタゴニストは、PD-L2結合アンタゴニストである。いくつかの例では、PD-L2結合アンタゴニストは、抗PD-L2抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体)である。いくつかの例では、PD-L2結合アンタゴニストは、イムノアドヘシンである。
いくつかの例では、PD-L1結合アンタゴニストは、例えば、以下に記載の抗PD-L1抗体である。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、PD-L1とPD-1との間及び/またはPD-L1とB7-1との間の結合を阻害することができる。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、及び(Fab’)2断片からなる群から選択される抗体断片である。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、ヒト抗体である。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、YW243.55.S70、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、MDX-1105、及びMEDI4736(デュルバルマブ)、及びMSB0010718C(アベルマブ)からなる群から選択される。抗体YW243.55.S70は、WO2010/077634に記載の抗PD-L1である。MDX-1105、別名、BMS-936559は、WO2007/005874に記載の抗PD-L1抗体である。MEDI4736(デュルバルマブ)は、WO2011/066389及びUS2013/034559に記載の抗PD-L1モノクローナル抗体である。本発明の方法に有用な抗PD-L1抗体及びそれらを作製するための方法の例は、参照により本明細書に組み込まれる、PCT特許出願第WO2010/077634号、同第WO2007/005874号、同第WO2011/066389号、米国特許第8,217,149号、及びUS2013/034559号に記載されている。
WO2010/077634A1及びUS8,217,149に記載の抗PD-L1抗体は、本明細書に記載の方法に使用され得る。いくつかの例では、抗PD-L1抗体は、配列番号3の重鎖可変領域配列及び/または配列番号4の軽鎖可変領域配列を含む。なおさらなる例では、重鎖可変領域及び/または軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号3)と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有し、
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKR(配列番号4)と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
一例では、抗PD-L1抗体は、HVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列を含む重鎖可変領域を含み、
さらに、式中、X1は、DまたはGであり、X2は、SまたはLであり、X3は、TまたはSである。特定の一態様では、X1は、Dであり、X2は、Sであり、X3は、Tである。別の態様では、ポリペプチドは、式:(FR-H1)-(HVR-H1)-(FR-H2)-(HVR-H2)-(FR-H3)-(HVR-H3)-(FR-H4)に従ってHVR間に並置された可変領域重鎖フレームワーク配列をさらに含む。さらに別の態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。さらなる態様では、フレームワーク配列は、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、フレームワーク配列のうちの少なくとも1つは、以下のものである。
なおさらなる態様では、重鎖ポリペプチドは、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む可変領域軽鎖とさらに組み合わせられ、
式中、X4は、DまたはVであり、X5は、VまたはIであり、X6は、SまたはNであり、X7は、AまたはFであり、X8は、VまたはLであり、X9は、FまたはTであり、X10は、YまたはAであり、X11は、Y、G、F、またはSであり、X12は、L、Y、F、またはWであり、X13は、Y、N、A、T、G、F、またはIであり、X14は、H、V、P、T、またはIであり、X15は、A、W、R、P、またはTである。なおさらなる態様では、X4は、Dであり、X5は、Vであり、X6は、Sであり、X7は、Aであり、X8は、Vであり、X9は、Fであり、X10は、Yであり、X11は、Yであり、X12は、Lであり、X13は、Yであり、X14は、Hであり、X15は、Aである。
なおさらなる態様では、軽鎖は、式:(FR-L1)-(HVR-L1)-(FR-L2)-(HVR-L2)-(FR-L3)-(HVR-L3)-(FR-L4)に従ってHVR間に並置された可変領域軽鎖フレームワーク配列をさらに含む。なおさらなる態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なおさらなる態様では、フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、フレームワーク配列のうちの少なくとも1つは、以下のものである。
別の例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体または抗原結合断片が提供され、
(a)重鎖は、HVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3を含み、さらに、
式中、X1は、DまたはGであり、X2は、SまたはLであり、X3は、TまたはSであり、X4は、DまたはVであり、X5は、VまたはIであり、X6は、SまたはNであり、X7は、AまたはFであり、X8は、VまたはLであり、X9は、FまたはTであり、X10は、YまたはAであり、X11は、Y、G、F、またはSであり、X12は、L、Y、F、またはWであり、X13は、Y、N、A、T、G、F、またはIであり、X14は、H、V、P、T、またはIであり、X15は、A、W、R、P、またはTである。特定の態様では、X1は、Dであり、X2は、Sであり、X3は、Tである。別の態様では、X4は、Dであり、X5は、Vであり、X6は、Sであり、X7は、Aであり、X8は、Vであり、X9は、Fであり、X10は、Yであり、X11は、Yであり、X12は、Lであり、X13は、Yであり、X14は、Hであり、X15は、Aである。さらに別の態様では、X1は、Dであり、X2は、Sであり、X3は、T、X4は、Dであり、X5は、Vであり、X6は、Sであり、X7は、Aであり、X8は、Vであり、X9は、Fであり、X10は、Yであり、X11は、Yであり、X12は、Lであり、X13は、Yであり、X14は、Hであり、X15は、Aである。
さらなる態様では、重鎖可変領域は、(FR-H1)-(HVR-H1)-(FR-H2)-(HVR-H2)-(FR-H3)-(HVR-H3)-(FR-H4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含み、軽鎖可変領域は、(FR-L1)-(HVR-L1)-(FR-L2)-(HVR-L2)-(FR-L3)-(HVR-L3)-(FR-L4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含む。なおさらなる態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、Kabat下位群I、II、またはIII配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号8、9、10、及び11として記載される。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、IIまたはIV下位群配列に由来する。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号15、16、17、及び18として記載される。
なおさらなる特定の態様では、抗体は、ヒトまたはマウス定常領域をさらに含む。なおさらなる態様では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、及びIgG4からなる群から選択される。なおさらなる特定の態様では、ヒト定常領域は、IgG1である。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、及びIgG3からなる群から選択される。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG2Aである。なおさらなる特定の態様では、抗体は、低下したまたは最小のエフェクター機能を有する。なおさらなる特定の態様では最小のエフェクター機能は、「エフェクターなしFc変異」または脱グリコシル化に起因する。なおさらなる例では、エフェクターなしFc変異は、定常領域におけるN297AまたはD265A/N297A置換である。
さらに別の例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む抗PD-L1抗体が提供され、
(a)重鎖は、それぞれ、GFTFSDSWIH(配列番号19)、AWISPYGGSTYYADSVKG(配列番号20)、及びRHWPGGFDY(配列番号21)と少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列をさらに含むか、または
(b)軽鎖は、それぞれ、RASQDVSTAVA(配列番号22)、SASFLYS(配列番号23)及びQQYLYHPAT(配列番号24)と少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3配列をさらに含む。
特定の態様では、配列同一性は、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
別の態様では、重鎖可変領域は、(FR-H1)-(HVR-H1)-(FR-H2)-(HVR-H2)-(FR-H3)-(HVR-H3)-(FR-H4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含み、軽鎖可変領域は、(FR-L1)-(HVR-L1)-(FR-L2)-(HVR-L2)-(FR-L3)-(HVR-L3)-(FR-L4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含む。さらに別の態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、Kabat下位群I、II、またはIII配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号8、9、10、及び11として記載される。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、II、またはIV下位群配列に由来する。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号15、16、17、及び18として記載される。
さらなる態様では、重鎖可変領域は、(FR-H1)-(HVR-H1)-(FR-H2)-(HVR-H2)-(FR-H3)-(HVR-H3)-(FR-H4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含み、軽鎖可変領域は、(FR-L1)-(HVR-L1)-(FR-L2)-(HVR-L2)-(FR-L3)-(HVR-L3)-(FR-L4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含む。なおさらなる態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、Kabat下位群I、II、またはIII配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、以下のものである。
なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、IIまたはIV下位群配列に由来する。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、以下のものである。
なおさらなる特定の態様では、抗体は、ヒトまたはマウス定常領域をさらに含む。なおさらなる態様では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、及びIgG4からなる群から選択される。なおさらなる特定の態様では、ヒト定常領域は、IgG1である。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、及びIgG3からなる群から選択される。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG2Aである。なおさらなる特定の態様では、抗体は、低下したまたは最小のエフェクター機能を有する。なおさらなる特定の態様では最小のエフェクター機能は、「エフェクターなしFc変異」または脱グリコシル化に起因する。なおさらなる例では、エフェクターなしFc変異は、定常領域におけるN297AまたはD265A/N297A置換である。
さらに別の例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む抗PD-L1抗体が提供され、
(c)重鎖は、それぞれ、GFTFSDSWIH(配列番号19)、AWISPYGGSTYYADSVKG(配列番号20)、及びRHWPGGFDY(配列番号21)と少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列をさらに含む、及び/または
(d)軽鎖は、それぞれ、RASQDVSTAVA(配列番号22)、SASFLYS(配列番号23)、及びQQYLYHPAT(配列番号24)と少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3配列をさらに含む。
特定の態様では、配列同一性は、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
別の態様では、重鎖可変領域は、(FR-H1)-(HVR-H1)-(FR-H2)-(HVR-H2)-(FR-H3)-(HVR-H3)-(FR-H4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含み、軽鎖可変領域は、(FR-L1)-(HVR-L1)-(FR-L2)-(HVR-L2)-(FR-L3)-(HVR-L3)-(FR-L4)としてHVR間に並置された1つ以上のフレームワーク配列を含む。さらに別の態様では、フレームワーク配列は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、Kabat下位群I、II、またはIII配列に由来する。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列は、VH下位群IIIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、重鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号8、9、10、及びWGQGTLVTVSSASTK(配列番号29)として記載される。
なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、IIまたはIV下位群配列に由来する。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なおさらなる態様では、軽鎖フレームワーク配列のうちの1つ以上は、配列番号15、16、17、及び18として記載される。なおさらなる特定の態様では、抗体は、ヒトまたはマウス定常領域をさらに含む。なおさらなる態様では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、及びIgG4からなる群から選択される。なおさらなる特定の態様では、ヒト定常領域は、IgG1である。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、及びIgG3からなる群から選択される。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG2Aである。なおさらなる特定の態様では、抗体は、低下したまたは最小のエフェクター機能を有する。なおさらなる特定の態様では最小のエフェクター機能は、「エフェクターなしFc変異」または脱グリコシル化に起因する。なおさらなる例では、エフェクターなしFc変異は、定常領域におけるN297AまたはD265A/N297A置換である。
なおさらなる例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTK(配列番号25)と少なくとも85%の配列同一性を有するか、または
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKR(配列番号4)と少なくとも85%の配列同一性を有する。
いくつかの例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、軽鎖可変領域配列は、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。いくつかの例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、重鎖可変領域配列は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する。いくつかの例では、重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、軽鎖可変領域配列は、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有し、重鎖可変領域配列は、配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。いくつかの例では、重鎖及び/または軽鎖のN末端の1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基が、欠失、置換、または修飾され得る。
なおさらなる例では、重鎖配列及び軽鎖配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号30)と少なくとも85%の配列同一性を有する、及び/または
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号31)と少なくとも85%の配列同一性を有する。
いくつかの例では、重鎖配列及び軽鎖配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、軽鎖配列は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの例では、重鎖配列及び軽鎖配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、重鎖配列は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの例では、重鎖配列及び軽鎖配列を含む単離された抗PD-L1抗体が提供され、軽鎖配列は、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有し、重鎖配列は、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
いくつかの例では、単離された抗PD-L1抗体は、脱グリコシル化される。抗体のグリコシル化は、典型的には、N結合またはO結合のいずれかである。N結合とは、炭水化物部分のアスパラギン残基の側鎖への結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-トレオニン(式中、Xが、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素結合の認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在により、潜在的なグリコシル化部位が作製される。O結合グリコシル化とは、糖であるN-アセイルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的には、セリンまたはトレオニンへの結合を指すが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンも使用され得る。抗体からのグリコシル化部位の除去は、上述のトリペプチド配列(N結合グリコシル化部位について)のうちの1つが除去されるようにアミノ酸配列を改変することによって好都合に達成される。この改変は、グリコシル化部位内のアスパラギン、セリン、またはトレオニン残基の別のアミノ酸残基(例えば、グリシン、アラニン、または保存的置換)での置換によって行われ得る。
本明細書の例のうちのいずれでも、単離された抗PD-L1抗体は、ヒトPD-L1、例えば、UniProtKB/Swiss-Prot受託番号Q9NZQ7.1に示されるヒトPD-L1、またはそのバリアントに結合することができる。
なおさらなる例では、本明細書に記載の抗体のうちのいずれかをコードする単離された核酸が提供される。いくつかの例では、核酸は、前述の抗PD-L1抗体のうちのいずれかをコードする核酸の発現に好適なベクターをさらに含む。なおさらなる特定の態様では、ベクターは、核酸の発現に好適な宿主細胞内にある。なおさらなる特定の態様では、宿主細胞は、真核細胞または原核細胞である。なおさらなる特定の態様では、真核細胞は、哺乳類細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
本抗体またはその抗原結合断片は、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば、発現に好適な形態で前述の抗PD-L1抗体または抗原結合断片のうちのいずれかをコードする核酸を含む宿主細胞をかかる抗体または断片の産生に好適な条件下で培養することと、その抗体または断片を回収することとを含むプロセスによって作製され得る。
上で列挙される例のうちのいずれかに使用するためのかかるPD-L1軸結合アンタゴニスト抗体(例えば、抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体、及び抗PD-L2抗体)、または本明細書に記載の他の抗体が、以下の第1-7節に記載の特徴のうちのいずれかを単独または組み合わせで有し得ることが明確に企図される。
1.抗体親和性
ある特定の例では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。
一例では、Kdは、放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。一例では、RIAは、目的とする抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて行われる。例えば、Fabの抗原に対する溶液結合親和性は、滴定系列の非標識抗原の存在下でFabを最低濃度の(125I)標識抗原と平衡させ、その後、結合した抗原を抗Fab抗体コーティングプレートで捕捉することによって測定される(例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照のこと)。本アッセイのための条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)は、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中5μg/mLの捕捉抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングされ、その後、室温(およそ23℃)で2~5時間にわたってPBS中2w/v%のウシ血清アルブミンで遮断される。非吸着性プレート(Nunc番号269620)内で、100pMまたは26pMの[125I]-抗原は、目的とするFabの連続希釈物と混合される(例えば、Presta et al.,Cancer Res.57:4593-4599(1997)における抗VEGF抗体であるFab-12の評価と一致する)。その後、目的とするFabは一晩インキュベートされるが、インキュベーションは、平衡が達成されることを確実にするために、より長い時間(例えば、約65時間)継続し得る。その後、混合物は、室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のために捕捉プレートに移される。その後、溶液が除去され、プレートがPBS中0.1%ポリソルベート20(TWEEN-20(登録商標))で8回洗浄される。プレートが乾燥した時点で、150μL/ウェルのシンチラント(MICROSCINT-20(商標)、Packard)が添加され、プレートがTOPCOUNT(商標)ガンマカウンター(Packard)で10分間計数される。20%以下の最大結合をもたらす各Fabの濃度は、競合結合アッセイに使用するために選ばれる。
別の例によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。例えば、BIACORE(登録商標)-2000またはBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.、Piscataway,NJ)を使用したアッセイは、固定化抗原CM5チップを約10応答単位(RU)で用いて25℃で行われる。一例では、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)は、供給業者の指示に従って、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化される。抗原は、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/mL(約0.2μM)に希釈され、その後、5μL/分の流量で注入し、およそ10応答単位(RU)のカップリングされたタンパク質を達成する。抗原注入後、1Mのエタノールアミンが注入されて、未反応基を遮断する。動態測定のために、Fabの2倍連続希釈物(0.78nM~500nM)が、25℃で0.05%ポリソルベート20(TWEEN-20(商標))界面活性剤(PBST)を有するPBS中におよそ25μl/分の流量で注入される。会合速度(kon)及び解離速度(koff)は、単純な1対1ラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)評価ソフトウェアバージョン3.2)を使用して、会合センサグラムと解離センサグラムを同時にフィッティングすることによって計算される。平衡解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照されたい。上記の表面プラズモン共鳴アッセイによるon速度が106M-1s-1を超えた場合、on速度は、ストップフローを備えた分光光度計(Aviv Instruments)または撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定される増加する抗原濃度の存在下でPBS(pH7.2)中20nMの抗抗原抗体(Fab形態)の25℃での蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加または減少を測定する蛍光消光技法を使用することによって決定され得る。
2.抗体断片
ある特定の例では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)は、抗体断片である。抗体断片としては、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、ならびに以下に記載の他の断片が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の概説については、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag,New York),pp.269-315(1994)を参照されたく、WO93/16185、ならびに米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、増加したインビボ半減期を有するFab及びF(ab’)2断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、EP404,097、WO1993/01161、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)、及びHollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)を参照されたい。トリアボディ及びテトラボディも、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部分または抗体の軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部分を含む抗体断片である。ある特定の例では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.、Waltham,MA、例えば、米国特許第6,248,516B1号を参照のこと)。
抗体断片は、本明細書に記載される、インタクトな抗体のタンパク質分解、ならびに組換え宿主細胞(例えば、E.coliまたはファージ)による産生を含むが、これらに限定されない、様々な技法によって作製され得る。
3.キメラ及びヒト化抗体
ある特定の例では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)は、キメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、または非ヒト霊長類、例えば、サルに由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変化した「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合断片が含まれる。
ある特定の例では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながらヒトに対する免疫原性を低減するようにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその部分)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはその部分)がヒト抗体配列に由来する1つ以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト定常領域の少なくとも一部分も含むであろう。いくつかの例では、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を修復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
ヒト化抗体及びそれらを作製する方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に概説されており、例えば、Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(特異性決定領域(SDR)グラフティングについて記載している);Padlan、Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「表面再構築」について記載している);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」について記載している);ならびにOsbourn et al.,Methods 36:61-68(2005)及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000)(FRシャッフリングへの「誘導選択」アプローチについて記載している)にさらに記載されている。
ヒト化に使用され得るヒトフレームワーク領域としては、「ベストフィット」法を使用して選択されたフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照のこと)、軽鎖可変領域または重鎖可変領域の特定の下位群のヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992)及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照のこと)、ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照のこと)、及びFRライブラリのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
4.ヒト抗体
ある特定の例では、本明細書に提供される抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の様々な技法を使用して産生され得る。ヒト抗体は、概して、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答してインタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように修飾されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。かかる動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するヒト免疫グロブリン遺伝子座、または染色体外に存在するか、または動物の染色体にランダムに組み込まれているヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部分を含む。かかるトランスジェニックマウスにおいて、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般に、不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照されたい。例えば、XENOMOUSE(商標)技術について記載している米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号、HUMAB(登録商標)技術について記載している米国特許第5,770,429号、K-M MOUSE(登録商標)技術について記載している米国特許第7,041,870号、及びVELOCIMOUSE(登録商標)技術について記載している米国特許出願公開第US2007/0061900号も参照されたい。かかる動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによってさらに修飾され得る。
ヒト抗体は、ハイブリドーマベースの方法によっても作製され得る。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株について記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984)、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照のこと)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって生成されたヒト抗体についても、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生について記載している)及びNi,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマについて記載している)に記載の方法が含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)についても、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)に記載されている。
ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても生成され得る。その後、かかる可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組み合わせられ得る。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技法は、以下に記載される。
5.ライブラリ由来の抗体
本発明の抗体(例えば、抗PD-L1抗体及び抗PD-1抗体)は、所望の活性(複数可)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリをスクリーニングすることによって単離され得る。例えば、ファージディスプレイライブラリを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてかかるライブラリをスクリーニングするための様々な方法が当該技術分野で既知である。かかる方法は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説されており、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554、Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992)、Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004)、Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004)、Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004)、及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)にさらに記載されている。
ある特定のファージディスプレイ法では、VH遺伝子及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローニングされ、ファージライブラリ内でランダムに組換えられ、その後、これが、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように抗原結合ファージについてスクリーニングされ得る。ファージは、典型的には、抗体断片を一本鎖Fv(scFv)断片またはFab断片のいずれかとしてディスプレイする。免疫化源由来のライブラリは、ハイブリドーマの構築を必要とすることなく、高親和性抗体を免疫原に提供する。あるいは、ナイーブレパートリーが(例えば、ヒトから)クローニングされて、Griffiths et al.,EMBO J,12:725-734(1993)に記載されるように、いずれの免疫化も必要とすることなく、単一の抗体源を広範な非自己抗原及び自己抗原にも提供することができる。最後に、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)に記載されるように、幹細胞から再編成されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用して高度に可変のCDR3領域をコードし、インビトロで再編成を達成することによって、ナイーブライブラリが合成的に作製される場合もある。ヒト抗体ファージライブラリについて記載する特許公報としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
ヒト抗体ライブラリから単離された抗体または抗体断片は、本明細書でヒト抗体またはヒト抗体断片とみなされる。
6.多重特異性抗体
上記の態様のうちのいずれか1つでは、本明細書に提供される抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体であり得る。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の例では、本明細書に提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。ある特定の例では、結合特異性の一方は、PD-L1に対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の例では、二重特異性抗体は、PD-L1の2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体を使用して、PD-L1を発現する細胞に細胞傷害性剤を局在化することもできる。二重特異性抗体は、全長抗体または抗体断片として調製され得る。
多重特異性抗体を作製するための技法としては、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))、WO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBOJ.10:3655(1991)を参照のこと)、及び「ノブインホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。多重特異性抗体は、静電ステアリング効果を操作して抗体Fc-ヘテロ二量体分子を作製することによって(例えば、WO2009/089004A1を参照のこと)、2つ以上の抗体または断片を架橋することによって(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science 229:81(1985)を参照のこと)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を産生することによって(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.148(5):1547-1553(1992)を参照のこと)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体断片を作製することによって(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)を参照のこと)、一本鎖Fv(sFv)二量体を使用することによって(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと)、かつ例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載されるように三重特異性抗体を調製することによって作製される場合もある。
「オクトパス抗体」を含む3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体も、本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1を参照のこと)。
本明細書の抗体または断片は、PD-L1に結合し、別の異なる抗原にも結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」または「DAF」も含む。
7.抗体バリアント
ある特定の例では、本発明の抗体(例えば、抗PD-L1抗体及び抗PD-1抗体)のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製され得る。かかる修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/またはそれへの挿入、及び/またはその置換が含まれる。最終構築物に到達するように、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが行われ得るが、但し、最終構築物が所望の特性、例えば、抗原結合を有することを条件とする。
I.置換、挿入、及び欠失バリアント
ある特定の例では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。置換型変異誘発に対する目的とする部位には、HVR及びFRが含まれる。保存的置換は、表2の「好ましい置換」という見出しで示されている。より実質的な変化は、表2の「例示的な置換」という見出しで提供されており、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載されるものである。アミノ酸置換は、目的とする抗体に導入され得、その産物は、所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、低減された免疫原性、または改善された抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)もしくは補体依存性細胞傷害性(CDC)についてスクリーニングされ得る。
アミノ酸は、一般的な側鎖特性に従って群分けされ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:His、Lys、Arg、
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro、
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの別のクラスとの交換を伴うであろう。
一種の置換型バリアントは、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基の置換を伴う。一般に、さらなる研究のために選択された結果として生じたバリアント(複数可)は、親抗体と比較してある特定の生物学的特性の修正(例えば、改善)(例えば、増加した親和性及び/または低減された免疫原性)を有する、及び/または実質的に保持された親抗体のある特定の生物学的特性を有するであろう。例示的な置換型バリアントは、例えば、本明細書に記載の技法等のファージディスプレイベースの親和性成熟技法を使用して好都合に生成され得る親和性成熟抗体である。簡潔には、1つ以上のHVR残基が変異し、バリアント抗体がファージ上にディスプレイされ、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。
改変(例えば、置換)は、例えば、抗体親和性を改善するために、HVRで行われ得る。かかる改変は、HVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセス中に高頻度で変異を経るコドンによってコードされた残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照のこと)、及び/または抗原と接触する残基で行われ得、結果として生じたバリアントVHまたはVLは、結合親和性について試験される。二次ライブラリを構築し、それから再選択することによる親和性成熟が、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載されている。親和性成熟のいくつかの例では、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド指向性変異誘発)のうちのいずれかによって成熟のために選ばれた可変遺伝子に多様性が導入される。その後、二次ライブラリが作製される。その後、ライブラリがスクリーニングされて、所望の親和性を有する任意の抗体バリアントを特定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4~6個の残基)がランダム化されるHVR指向性アプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング変異誘発またはモデリングを使用して、特異的に特定され得る。特にCDR-H3及びCDR-L3が標的とされることが多い。
ある特定の例では、置換、挿入、または欠失は、かかる改変が抗体の抗原に結合する能力を実質的に低下させない限り、1つ以上のHVR内で生じ得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的改変(例えば、本明細書に提供される保存的置換)がHVR内で行われ得る。かかる改変は、例えば、HVR内の抗原接触残基の外側であり得る。上に提供されるバリアントVH及びVL配列のある特定の例では、各HVRは、改変されていないか、または1つ以下、2つ以下、もしくは3つ以下のアミノ酸置換を含むかのいずれかである。
変異誘発の標的とされ得る抗体の残基または領域の特定に有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されるように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基または基(例えば、Arg、Asp、His、Lys、及びGlu等の荷電残基)が特定され、中性または負に帯電されたアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)によって置換されて、抗体と抗原との相互作用が影響されているかを決定する。さらなる置換が、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入され得る。あるいは、または加えて、抗原-抗体複合体の結晶構造が、抗体と抗原との間の接触点を特定する。かかる接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的とされ得るか、または排除され得る。バリアントがスクリーニングされて、それらが所望の特性を有するかを決定することができる。
アミノ酸配列挿入には、長さが1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの範囲であるアミノ末端及び/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列間挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入型バリアントとしては、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTのための)またはポリペプチドへの抗体のN末端またはC末端の融合が挙げられる。
II.グリコシル化バリアント
ある特定の例では、本発明の抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少させるように改変され得る。本発明の抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作製または除去されるようにアミノ酸配列を改変することによって好都合に達成され得る。
抗体がFc領域を含む場合、それに結合した炭水化物が改変され得る。哺乳類細胞によって産生された天然抗体は、典型的には、N結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に結合される分岐状の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖には、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「幹」内のGlcNAcに結合したフコースが含まれ得る。いくつかの例では、ある特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作製するために、本発明の抗体中のオリゴ糖の修飾が行われ得る。
一例では、Fc領域に(直接または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、かかる抗体中のフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%、または20%~40%であり得る。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載されるように、MALDI-TOF質量分析によって測定される、Asn297に結合した全ての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、及び高マンノース構造)の合計に対するAsn297での糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域内の約297位(Fc領域残基のEU番号付け)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297は、抗体における軽度の配列変異に起因して、297位から約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、294位と300位との間に位置する場合もある。かかるフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第US2003/0157108号及び同第US2004/0093621号を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体バリアントに関する公報の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004)、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108A1号、及びWO2004/056312A1(Adamsら、特に実施例11))、及びノックアウト細胞株、例えば、アルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)、Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006)、及びWO2003/085107を参照のこと)が挙げられる。
例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐のオリゴ糖がGlcNAcによって二分されている、二分オリゴ糖を有する抗体バリアントがさらに提供される。かかる抗体バリアントは、低減されたフコシル化及び/または改善されたADCC機能を有し得る。かかる抗体バリアントの例は、例えば、WO2003/011878、米国特許第6,602,684号、及びUS2005/0123546に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。かかる抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。かかる抗体バリアントは、例えば、WO1997/30087、WO1998/58964、及びWO1999/22764に記載されている。
III.Fc領域バリアント
ある特定の例では、1つ以上のアミノ酸修飾が本発明の抗体のFc領域に導入され、それにより、Fc領域バリアントを生成することができる。Fc領域バリアントは、1つ以上のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域)を含み得る。
ある特定の例では、本発明は、全てではないがいくつかのエフェクター機能を有し、それにより、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、ある特定のエフェクター機能(補体及びADCC等)が不要または有害である用途に望ましい候補になる抗体バリアントを企図する。インビトロ及び/またはインビボ細胞傷害性アッセイを行って、CDC及び/またはADCC活性の低減/欠乏を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行って、抗体がFcγR結合を欠く(それ故に、ADCC活性を欠く可能性が高い)が、FcRn結合能力を保持することを確実にすることができる。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞がFcγRIIIのみを発現する一方で、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464貢の表3に要約されている。目的とする分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照のこと)、及びHellstrom,I et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985)、米国特許第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照のこと)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ方法が用いられ得る(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA、及びCYTOTOX 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI))を参照のこと)。かかるアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、または加えて、目的とする分子のADCC活性は、インビボで、例えば、動物モデル、例えば、Clynes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるモデルで評価され得る。C1q結合アッセイを行って、抗体がC1qに結合することができず、それ故に、CDC活性を欠くことを確認することができる。例えば、WO2006/029879及びWO2005/100402におけるC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイが行われ得る(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg et al.,Blood.101:1045-1052(2003)、及びCragg et al.,Blood.103:2738-2743(2004)を参照のこと)。FcRn結合及びインビボクリアランス/半減期決定も当該技術分野で既知の方法を使用して行われ得る(例えば、Petkova et al.Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照のこと)。
低下したエフェクター機能を有する抗体としては、Fc領域残基238、265、269、270、297、327、及び329のうちの1つ以上の置換を有する抗体が挙げられる(米国特許第6,737,056号及び同第8,219,149号)。かかるFc変異体としては、残基265及び297のアラニンへの置換を有するいわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸265位、269位、270位、297位、及び327位のうちの2つ以上に置換を有するFc変異体が挙げられる(米国特許第7,332,581号及び同第8,219,149号)。
FcRへの結合が改善または低減されたある特定の抗体バリアントが記載されている(例えば、米国特許第6,737,056号、WO2004/056312、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照のこと)。
ある特定の例では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、及び/または334位(残基のEU番号付け)での置換を有するFc領域を含む。
いくつかの例では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されるように、C1q結合及び/または補体依存性細胞傷害性(CDC)の改変(すなわち、改善または低減のいずれか)をもたらす改変がFc領域に行われ得る。
増加した半減期及び母体IgGの胎児への移入に関与する新生児Fc受容体(FcRn)への改善された結合を有する抗体(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))が、US2005/0014934A1(Hinton et al.)に記載されている。それらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を改善する1つ以上の置換を内部に有するFc領域を含む。かかるFcバリアントには、Fc領域残基238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434のうちの1つ以上での置換、例えば、Fc領域残基434の置換を有するものが含まれる(米国特許第7,371,826号)。
Fc領域バリアントの他の例に関して、Duncan & Winter,Nature 322:738-40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、及びWO94/29351も参照されたい。
IV.システイン操作抗体バリアント
ある特定の例では、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されるシステイン操作抗体、例えば、「thioMAb」を作製することが望ましい場合がある。具体的な例では、置換された残基は、抗体の到達可能な部位に生じる。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基が抗体の到達可能な部位に位置付けられ、それを使用して、抗体を他の部分、例えば、薬物部分またはリンカー-薬物部分にコンジュゲートして、本明細書でさらに記載されるイムノコンジュゲートを作製することができる。ある特定の例では、以下の残基:軽鎖のV205(Kabat番号付け)、重鎖のA118(EU番号付け)、及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)のうちのいずれか1つ以上がシステインで置換され得る。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成され得る。
V.抗体誘導体
ある特定の例では、本明細書に提供される抗体は、当該技術分野で既知であり、かつ容易に入手可能な追加の非タンパク質性部分を含むようにさらに修飾され得る。抗体の誘導体化に好適な部分としては、水溶性ポリマーが挙げられるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、及びデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のため、製造時に有利であり得る。ポリマーは、任意の分子量のものであってもよく、分岐状であっても非分岐状であってもよい。抗体に結合しているポリマーの数は異なり得、1つより多くのポリマーが結合している場合、それらは同じ分子であっても異なる分子であってもよい。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/または種類は、改善されるべき抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が定義された条件下である療法に使用されるか等を含むが、これらに限定されない考慮すべき事項に基づいて決定され得る。
別の例では、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る抗体と非タンパク質性部分とのコンジュゲートが提供される。一例では、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600-11605(2005))。放射線は、任意の波長のものであってもよく、この波長には、通常の細胞に危害を加えないが、非タンパク質性部分を抗体-非タンパク質性部分に近接する細胞が死滅する温度まで加熱する波長が含まれるが、これらに限定されない。
VI.イムノコンジュゲート
本発明は、1つ以上の細胞傷害性剤、例えば、化学療法剤または化学療法薬、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素的に活性な毒素、またはそれらの断片)、または放射性同位体にコンジュゲートされた本明細書の抗体(例えば、抗PD-L1抗体または抗PD-1抗体)を含むイムノコンジュゲートも提供する。
一例では、イムノコンジュゲートは、抗体が、マイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号、及び欧州特許第EP0 425 235 B1号を参照のこと)、オーリスタチン、例えば、モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5,635,483号及び同第5,780,588号及び同第7,498,298号を参照のこと)、ドラスタチン、カリケアマイシンまたはその誘導体(米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号、及び同第5,877,296号、Hinman et al.,Cancer Res.53:3336-3342(1993)、及びLode et al.,Cancer Res.58:2925-2928(1998)を参照のこと)、アントラサイクリン、例えば、ダウノマイシンまたはドキソルビシン(Kratz et al.,Current Med.Chem.13:477-523(2006)、Jeffrey et al.,Bioorganic & Med.Chem.Letters 16:358-362(2006)、Torgov et al.,Bioconj.Chem.16:717-721(2005)、Nagy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829-834(2000)、Dubowchik et al.,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529-1532(2002)、King et al.,J.Med.Chem.45:4336-4343(2002)、及び米国特許第6,630,579号を参照のこと)、メトトレキサート、ビンデシン、タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセル、トリコテセン、ならびにCC1065を含むが、これらに限定されない1つ以上の薬物にコンジュゲートされている抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。
別の例では、イムノコンジュゲートは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンシンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセンを含むが、これらに限定されない酵素的に活性な毒素またはその断片にコンジュゲートされた本明細書に記載の抗体を含む。
別の例では、イムノコンジュゲートは、放射性原子にコンジュゲートされて放射性コンジュゲートを形成する本明細書に記載の抗体を含む。様々な放射性同位体が放射性コンジュゲートの産生に利用可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体が挙げられる。放射性コンジュゲートが検出のために使用される場合、それは、シンチグラフィー研究のための放射性原子、例えば、tc99mまたはI123、または核磁気共鳴(NMR)画像法(別名、磁気共鳴画像法(mri))のためのスピン標識、例えば、この場合も同様にヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガン、または鉄を含み得る。抗体と細胞傷害性剤とのコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、アジプイミド酸ジメチルHCl)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス-アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6-ジイソシアネート)、及びビス-活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を使用して作製され得る。例えば、リシン免疫毒素がVitetta et al.,Science 238:1098(1987)に記載されるように調製され得る。炭素-14標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体にコンジュゲートするための例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。リンカーは、細胞内での細胞傷害性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカー、またはジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Res.52:127-131(1992)、米国特許第5,208,020号)が使用され得る。
本明細書の免疫コンジュゲートまたはADCは、市販の(例えば、Pierce Biotechnology,Inc.(Rockford,IL.,U.S.A)社製の)、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC、スルホ-SMPB、及びSVSB(スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むが、これらに限定されない架橋剤試薬を用いて調製されたコンジュゲートを明確に企図するが、これらに限定されない。
V.薬学的製剤
本発明に従って使用される免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体(例えば、MPDL3280A))及び共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、またはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))の治療製剤は、所望の純度を有するアンタゴニストを、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で、任意選択的な薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって、保管のために調製される。製剤に関する一般情報については、例えば、Gilman et al.(eds.)The Pharmacological Bases of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press,1990、A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.,Pennsylvania,1990、Avis et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,New York,1993、Lieberman et al.(eds.)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,New York,1990、Lieberman et al.(eds.),Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,New York,1990、及びWalters(ed.)Dermatological and Transdermal Formulations(Drugs and the Pharmaceutical Sciences),Vol 119,Marcel Dekker,2002を参照されたい。
許容される担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投薬量及び濃度ではレシピエントに対して非毒性であり、これらには、緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、及び他の有機酸緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン;単糖、二糖、及び他の炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、もしくはデキストリン;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
本明細書の製剤は、1つより多くの活性化合物、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものも含み得る。かかる薬剤の種類及び有効量は、例えば、製剤中に存在するアンタゴニストの量及び種類、ならびに対象の臨床的パラメータに依存する。
活性成分は、例えば、コアセルベーション技法によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、及びナノカプセル)またはマクロエマルジョン中の、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセル及びポリ-(メチルメタシレート)マイクロカプセル中に封入される場合もある。かかる技法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
持続放出調製物が調製され得る。持続放出調製物の好適な例としては、アンタゴニストを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスが挙げられ、このマトリクスは、成形物品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタミン酸とのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なミクロスフェア)、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
インビボ投与に使用される製剤は、滅菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。
上記の製品のうちのいずれも、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストの代わりに、またはそれに加えて、本明細書に記載のイムノコンジュゲートを含み得ることを理解されたい。
VI.診断用キット及び製品
本明細書に記載されるように、個体由来の試料(例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、またはそれらの組み合わせ)から、血中腫瘍変異量(bTMB)スコア、またはbTMBスコア及び最大体細胞対立遺伝子頻度(MSAF)を決定することによって、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニストを含む治療から利益を享受し得る、がん(例えば、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC))、腎癌(例えば、腎尿路上皮癌)、膀胱癌(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)癌)、乳癌、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、卵巣癌、膵癌、胃癌、食道癌、中皮腫、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC))、甲状腺癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、または横紋筋肉腫)、前立腺癌、膠芽細胞腫、子宮頸癌、胸腺癌、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、または慢性リンパ球性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉腫、メルケル細胞癌、血液悪性腫瘍、血液組織癌、B細胞癌、気管支癌、胃癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、子宮または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝臓癌、睾丸癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、副腎癌、腺癌、炎症性筋線維芽腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖障害(MPD)、真性赤血球増加症、脊索腫、滑液腫瘍、ユーイング腫瘍、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、小細胞癌、本態性血小板血症、特発性骨髄化生、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍)を有する個体を特定するための1つ以上の試薬を含む診断及び予後キットが本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、キットは、個体由来の試料(例えば、腫瘍試料)からtTMBスコアを決定するための1つ以上の試薬をさらに含む。
任意選択的に、キットは、個体由来の試料から得られたbTMBスコアが基準bTMBスコアを超える場合、キットを使用して、がんを治療するための薬剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、MPDL3280A))、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを選択するための説明書をさらに含み得る。別の例では、説明書は、個体由来の試料から得られたbTMBスコアが基準bTMBスコア未満である場合、キットを使用して、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト以外の、またはそれに加えた抗がん療法を選択するためのものである。いくつかの例では、キットは、個体由来の試料から決定されたbTMBスコアとMSAFとの組み合わせに基づいて、キットを使用してがんを治療するための薬剤を選択するための説明書をさらに含み得る。いくつかの例では、キットは、個体由来の試料から決定されたbTMBスコアと個体由来の腫瘍試料から決定されたtTMBスコアとの組み合わせに基づいて、キットを使用してがんを治療するための薬剤を選択するための説明書をさらに含み得る。
免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを薬学的に許容される担体中に含む、免疫チェックポイント阻害剤が体細胞変異の存在に基づいて本明細書に記載のがんを有する患者を治療するためのものであることを示す添付文書と一緒にパッケージされる製品も本明細書に提供される。治療方法は、本明細書に開示される治療方法のうちのいずれかを含む。本発明は、パッケージ内で、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体)、共阻害分子に対して指向されるアンタゴニスト(例えば、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、もしくはLAG-3アンタゴニスト(例えば、抗LAG-3抗体))、またはそれらの任意の組み合わせを含む薬学的組成物を組み合わせることを含む、製品を製造するための方法、及び個体由来の試料から得られたbTMBスコアに基づいて薬学的組成物が疾患または障害を有する患者を治療するためのものであることを示す添付文書にも関する。いくつかの実施形態では、添付文書は、個体由来の試料から得られたbTMBスコア及び個体由来の腫瘍試料から得られたtTMBスコアに基づいて薬学的組成物が疾患または障害を有する患者を治療するためのものであることを示す。
製品は、例えば、容器と、容器上のまたは容器に関連するラベルもしくは添付文書を含み得る。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ等が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチック等の様々な材料から形成され得る。容器は、活性薬剤としてがん薬剤を含む組成物を保持または収容し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有する静脈注射用溶液袋またはバイアルであり得る)。
製品は、薬学的に許容される希釈緩衝液、例えば、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液、及び/またはデキストロース溶液を含む第2の容器をさらに含み得る。製品は、他の緩衝液、希釈液、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
本発明の製品は、本明細書において、体細胞変異(複数可)の存在に基づいて、及び/またはバイオマーカーの発現(例えば、腫瘍細胞及び/または腫瘍浸潤免疫細胞におけるPD-L1発現レベルなど)に基づいて、組成物ががんを治療するために使用されることを示す情報(例えば、添付文書の形態で)も含む。添付文書またはラベルは、紙面または電子媒体、例えば、磁気記録媒体(例えば、フロッピーディスク)、CD-ROM、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ等の任意の形態をとり得る。ラベルまたは添付文書は、キットまたは製品内の薬学的組成物及び剤形に関する他の情報も含み得る。
以下は、本発明の方法の例である。上に提供される概要を考慮して、様々な他の実施形態が実施され得ることが理解される。
実施例1.方法
血液ベースのアッセイを使用して、アテゾリズマブを単剤療法として投与した2つの臨床試験、第II相臨床試験POPLAR(臨床試験識別番号NCT01903993)、及び第III相臨床試験OAK(臨床試験識別番号NCT02008227)に登録された非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者における、アテゾリズマブ(MPDL3280A)での治療に対する臨床応答と、血中腫瘍変異量(bTMB)スコアとの間の関連性を評価した。
試験デザイン
アテゾリズマブを単剤療法として投与したPOPLAR試験及び/またはOAK試験に登録されたNSCLCを有する患者由来の治療前血液試料を、bTMBスコア及び/または最大体細胞対立遺伝子頻度(MSAF)について評価した。
bTMBスコアについて評価したPOPLAR(臨床試験識別番号NCT01903993)患者集団は、273名の患者からなった。患者は、局所進行性または転移性(例えば、IIIB期、IV期、または再発性)非小細胞肺癌(NSCLC);局所進行性、切除不能/手術不能、もしくは転移性NSCLC、またはプラチナベースのアジュバント/ネオアジュバントレジメンでの治療の6ヶ月以内の疾患再発のためのプラチナ含有レジメンでの前治療中または前治療後の疾患増悪;RECIST v1.1によって定義される、測定可能な疾患;及び0または1の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する場合、POPLAR試験への登録に適格であった。参加者を、アテゾリズマブを3週間毎に1200mgの用量で静脈内に受けるか、またはドセタキセルを3週間毎に75mg/平方メートル(mg/m2)静脈内に受けるかのいずれかに無作為化した。参加者が臨床的利益を経験する限り、すなわち、疾患増悪に起因する許容できない毒性または症状悪化の不在下で、アテゾリズマブでの治療を継続した。
bTMBスコアについて評価したOAK(臨床試験識別番号NCT02008227)患者集団は、583名の患者からなった。患者は、局所進行性または転移性(例えば、IIIB期、IV期、または再発性)NSCLC;局所進行性、切除不能/手術不能、もしくは転移性NSCLC、またはプラチナベースのアジュバント/ネオアジュバントレジメンでの治療の6ヶ月以内の疾患再発のためのプラチナ含有レジメンでの前治療中または前治療後の疾患増悪;RECIST v1.1によって定義される、測定可能な疾患;及び0または1のECOGパフォーマンスステータスを有する場合、OAK試験への登録に適格であった。参加者を、アテゾリズマブを3週間毎に1200mgの用量で静脈内に受けるか、またはドセタキセルを3週間毎に75mg/平方メートル(mg/m2)静脈内に受けるかのいずれかに無作為化した。参加者が臨床的利益を経験する限り、すなわち、疾患増悪に起因する許容できない毒性または症状悪化の不在下で、アテゾリズマブでの治療を継続した。
POPLAR及びOAKの両方を良き臨床上の基準及びヘルシンキ宣言のガイドラインに完全に従って行い、全ての患者から同意書を得た。両試験の各参加場所についてのプロトコル承認を独立倫理委員会から得た。
bTMBの分析を遡及的に行った。無増悪生存期間(PFS)を、無作為化の日付と、RECIST v.1.1を使用して治験責任医師によって評価される第1の実証された疾患増悪または任意の原因による死のいずれか先に生じた方の日付との間の期間と定義した。全生存期間(OS)を、無作為化の日付から任意の原因による死までの期間と定義した。治療アームを、バイオマーカー評価可能集団(BEP)及びそれらの下位群における層別化なしの単変量Cox回帰モデルを使用して、またはITT集団における(無作為化層別化因子によって)層別化されたCoxモデルを使用して、OS及びPFSについて別個に比較した。いずれの多重度補正もp値または信頼区間(CI)に適用しなかった。カプラン・マイヤー方法論を使用してOS中央値及びPFS中央値を推定し、生存曲線を構築した。
各試験のBEPを構成した患者を、以下のように定義した。
OAK ITT集団(N=850)では、797個の試料が分析に利用可能であった。これらの試料のうち、13個を1%超の試料汚染の理由により取り除き、42個を800X未満のエクソンカバレッジ中央値の理由により取り除き、100個を1%未満の低MSAFの理由により取り除いた。
OAK BEP(N=642)にはEGFR変異またはALK再編成を有する59名の患者が含まれており、583名は既知の改変を有しなかった。
POPLAR ITT集団(N=287)では、273個の試料が分析に利用可能であった。これらのうち、6個を1%超の試料汚染の理由により取り除き、9個を800X未満のエクソンカバレッジ中央値の理由により取り除き、47個を1%未満の低MSAFの理由により取り除いた。
POPLAR BEP(N=211)にはEGFR変異またはALK再編成を有する15名の患者が含まれており、196名は既知の改変を有しなかった。
これらの2つの試験の有効性結果を実施例2の表8及び表9に要約する。
血漿単離及び無細胞DNA(cfDNA)抽出
臨床試料を-80℃で保管された凍結血漿として受け取った。血漿を解凍し、16,000×gでの第2の遠心分離を4℃で20分間行い、その後、上清を血漿として収集してcfDNA抽出のために使用した。血漿を60℃で20分間にわたってプロテイナーゼKで処理し、1.25倍体積のcfDNA結合溶液(Thermo Scientific、Waltham MA)及び500ng/mLの常磁性MYONE(商標)SILANEビーズ(Thermo Scientific)と混合した。ビーズをcfDNA洗浄溶液(Thermo Scientific)で2回洗浄し、80%エタノールで2回洗浄し、cfDNA溶出溶液(Thermo Scientific)中に溶出させた。cfDNA濃度を、100~700の塩基対の断片に焦点を当てることによって、4200 TapeStation(Agilent Technologies)でD1000 ScreenTapeアッセイを使用して決定した。20~100ngのcfDNAをライブラリ構築に使用した。
ライブラリ構築
ライブラリ構築を、ライブラリ収率及び複雑度を最大化する「ビーズを用いた」プロトコルを使用して、末端修復、dA付加、及びライゲーションのための混合物を含有するNEBNEXT(登録商標)ライブラリ調製試薬(New England BioLabs Inc.)を用いたBRAVO(商標)Benchbot(Agilent Technologies)自動化システムで行った。一組の特別に設計された断片レベルインデック付きアダプターを各インプット二重cfDNA断片の両末端にランダムにライゲートした。ライゲートされた配列決定ライブラリを、高忠実度ポリメラーゼ(Kapa Biosystems、Wilmington MA)を用いてユニバーサルPCRプライマー及びインデックス付きPCRプライマーで10サイクルのPCR増幅を行い、1.8倍SPRI精製し、PICOGREEN(登録商標)DNA定量化溶液(Invitrogen)によって定量化した。500~2,000ngの配列決定ライブラリをもたらした試料をハイブリッド捕捉に進めた。
パネル設計、ハイブリッド捕捉、及び配列決定
溶液ハイブリダイゼーションを、50倍超のモル過剰の別個に合成された5’ビオチン化ssDNAオリゴヌクレオチド「ベイト」プール(アッセイベイトセットバージョンT7)(Integrated DNA Technology)を使用して行った。ベイトセットは、1.125コーディングメガベース(Mb)のヒトゲノムを標的とした。ベイト設計及びハイブリダイゼーション捕捉を、500~2,000ngの配列決定ライブラリを使用して行い、ヒトCot-1 DNA、剪断したサケ精子DNA、及びアダプター特異的遮断オリゴヌクレオチドと共に凍結乾燥させ、水中に再懸濁させ、95℃で5分間熱変性させ、68℃でインキュベートし、最後にベイトセットをハイブリダイゼーション緩衝液に添加した。ハイブリダイゼーション反応物を68℃で12~24時間インキュベートし、ライブラリ-ベイトセット二重物を常磁性MYONE(商標)ストレプトアビジンビーズ(Invitrogen)上で捕捉した。標的外ライブラリを、25℃の1倍生理食塩水-クエン酸ナトリウム(SSC)緩衝液で1回及び55℃の0.25倍SSCで4回洗浄することによって除去した。PCRマスターミックス(Kapa Biosystems)をビーズに直接添加して、捕捉したライブラリを増幅した。試料を、1.8倍固相可逆的固定化(SPRI)精製し、PICOGREEN(登録商標)(Invitrogen)によって定量化した。ライブラリを1.05nMに正規化し、プールし、フローセルでの直接の鋳型伸長反応のためにIllumina cBotに装填し、これを2×151bpでのIllumina HISEQ(登録商標)4000(Illumina)に装填した。
bTMBスコア及びアテゾリズマブの有効性の分析
体細胞変異を特定し、bTMBスコアを計算するために、各患者から得られた(EDTAまたはStreck管内に収集された)全血試料を一連の回転により処理して血漿を単離し、これから無細胞DNA(cfDNA)を配列決定分析のために抽出した。具体的には、少なくとも20ngの精製されたcfDNAをライブラリ構築のために使用した。次世代配列決定ライブラリを、断片バーコード及びハイブリッド捕捉を使用して構築して、およそ1.125Mbのエクソームをカバーした所定の組の394個の遺伝子を分析及び配列決定した。具体的には、精製されたライブラリを、394遺伝子ベイトセットを使用してハイブリッド捕捉し、その後、さらに精製し、プールし、ILLUMINA(登録商標)HISEQ(登録商標)4000配列決定システムに装填した。配列決定されたライブラリをアラインし、選別した。バリアントを低い対立遺伝子頻度で正確にコールし、配列決定、PCR、またはDNA損傷関連エラーからのアーチファクトを最小限に抑えるために、配列決定されたライブラリを、断片バーコードの使用によりエラーを補正するcfDNA計算パイプラインによって処理した。簡潔には、十分に高い深度まで配列決定して、各試料中の最も多いDNA断片についての複数の観察を得ることによって、かつ断片バーコードを使用して、ライブラリ調製及び配列決定中に導入されたエラーを正確に検出及び除外することによって、断片バーコードエラー補正を行った。エラーが補正されたリードをhg19基準ゲノムにアラインし、塩基置換をコールした。ライブラリサイズは、Chalmers et al.(Genome Medicine.9(34),2017)に記載の方法論に従ってThe Cancer Genome Atlas(TCGA)からの全エクソーム配列(WES)データを使用して計算されたbTMBスコアの比較分析に基づいた。この分析では、エクソームの0.5Mbまたは1.0Mbをカバーする配列データを使用して計算されたbTMBスコア10が、WESデータを使用して計算されたbTMBスコア10から、それぞれ、20%または10%のみ逸脱したことが見出された。この分析は、約0.5Mbのコーディングゲノムを標的とする配列決定ライブラリが、全エクソームの配列決定と比較してbTMBを正確に評価することができることを示した。
bTMBスコアを、体細胞、コーディング、塩基置換の数として測定した。同義改変を含む標的とされた遺伝子のコーディング領域内の全ての塩基置換を最初にカウントし、その後、以下に記載されるようにフィルタリングした。非コーディング改変をカウントしなかった。COSMICデータベース(Forbes et al.(2014)Nucl.Acids Res.43:D805-11)に既知の体細胞改変として列記される改変及び腫瘍抑制因子遺伝子における切断をカウントしなかった。体細胞-生殖系列-接合性(SGZ)アルゴリズムによって生殖系列であると予測された改変をカウントしなかった(Sun et al.Cancer Research 2014;74(19S):1893-1893)。SGZ法は、体細胞または生殖系列である可能性があるものとしてのバリアントの状態を特徴付けするためのゲノム規模でのコピー数及び腫瘍/正常混合物の統計モデルを利用する。残りの変異をそれらの予測されたドライバー状態に従ってさらにフィルタリングして、捕捉に使用された遺伝子に関連する偏向を最小限に抑えた。評価された臨床検体のコホートにおいて生殖系列であると反復的に予測された改変をカウントしなかった。dbSNPデータベース(Sherry et al.(2001)Nucleic Acids Res.29(1):308-11)に列記される既知の生殖系列改変をカウントしなかった。エクソーム集約コンソーシアム(ExAC)データベースにおける2以上のカウントで生じる生殖系列改変をカウントしなかった(Lek et al.Nature 2016;536:285-91)。加えて、既知の変異であるか、またはがんにおけるドライバー変異である可能性が高いものとみなされる塩基置換をbTMB計算から除外して、遺伝子パネルに関連する偏向に対抗した。
ctDNAの総量を推定し、MSAFを計算するために、各患者から得られた血液試料における体細胞変異を上述のように特定した。その後、1試料につき20%未満の最も一般的に存在する対立遺伝子(例えば、体細胞変異を有する遺伝子バリアント)の頻度をMSAFとして特定した。
BEPを、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコアを有する患者と定義した。以下の例のうちのいずれかでは、BEPを、基準bTMBスコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコア及び所定のMSAFを有する患者、または所定のMSAFのみを有する患者と定義した。
分析的検証
bTMBアッセイの分析的検証の一環として、以前に検証されたFOUNDATIONONE(登録商標)TMB法と本明細書に記載のbTMB法との間の一致分析を、分割され、両アッセイによって分析された非試験用試料(N=69)の独立コホートを使用して行った。
血中腫瘍変異量(bTMB)アッセイの分析的検証は、bTMBカウントの精度及び状態の信頼性の両方の確立、ならびにMSAFに焦点を当てたものであった。bTMBカウントを、394個の遺伝子(約1.1Mb)のコーディング領域にわたって0.5%以上の対立遺伝子頻度で存在する全ての塩基置換を特定し、かつdbSNPデータベース及びExACデータベースと比較することによって生殖系列事象をフィルタリングすることによって決定した。加えて、これらのデータベースには見られない珍しい生殖系列事象を、コピー数モデリングを使用して生殖系列状態確率を割り当てる体細胞-生殖系列-接合性アルゴリズムを使用して除去した(Sun et al.PLoS Computational Biology 14(2):e1005965,2018を参照のこと)。残りの変異をそれらの予測されたドライバー状態に従ってさらにフィルタリングして、捕捉に使用された遺伝子に関連する偏向を最小限に抑えた。MSAFによる腫瘍分率の推定を、それらのドライバー状態にかかわらず、20%超の確認された体細胞塩基置換に対する最も高い対立遺伝子分率に従って定義する。この閾値を、推定に影響を及ぼす高異数性腫瘍における珍しい生殖系列事象が生じる可能性を最小限に抑えるように選んだ。
以前に分析的に検証されたFOUNDATIONACT(登録商標)に対するbTMBにおけるバリアント対立遺伝子頻度コールの一致を以下のように評価した。陽性一致率(PPA)または感度を、bTMBアッセイ及びFOUNDATIONACT(登録商標)の両方によって検出されたバリアントの数をFOUNDATIONACT(登録商標)アッセイによって検出されたバリアントの数で割ることによって測定した。陽性予測値(PPV)を、bTMBアッセイ及びFOUNDATIONACT(登録商標)の両方によって検出されたバリアントの数をbTMBアッセイによって検出されたバリアントの数で割ることによって測定した。PPAもPPVもいずれも、FOUNDATIONACT(登録商標)アッセイによってカバーされた領域である、両アッセイによって標的とされた領域に限定した。
bTMBの精度を、TMBの全エクソーム配列決定測定値と十分に相関することが以前に示された直交的に検証された方法(FOUNDATIONONE(登録商標)TMB)に対して評価した。比較可能性を、PPA及び陰性一致率(NPA)の両方を評価することによって確立した。加えて、MSAF値の精度を、希釈系列において観察された値を予想された値と比較することによって評価した。
bTMBカウント(スコア)の精度を、23の群にわたって合計77個の試料の平均変動係数(CV)を測定することによって確立し、bTMBカウントは、非小細胞肺癌(NSCLC)(0~34の変異)を有する患者において観察された臨床的に有意な範囲に及んだ。各複製群内で、試料を過半数コールに対して評価し、再現性を16以上のbTMBスコアに従って計算した。MSAFの精度を38の群にわたって127個の複製試料から同様に計算し、信頼性をcfDNA試料において1%以上のMSAFの品質管理基準に従って決定して、信頼できる正確なbTMBをコールを作成した。
MSAF値の精度を評価するために、6つの異なるがん基準細胞株から抽出されたDNAを非腫瘍細胞株由来のDNAに希釈して、0.1%~20%のMSAF値範囲を反映した。MSAFの精度を、6つ全ての細胞株にわたって観察された値及び予想された値から線形回帰を評価することによって決定し、決定係数(R2)を各それぞれの細胞株について計算した。平均R2値を6つ全ての測定値から計算した(表3)。
Frampton et al.Nat.Biotechnol.31:1023-1031,2013に記載されるように、FoundationOne(F1)アッセイを使用してPOPLAR試験及びOAK試験由来のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料で包括的ゲノムプロファイリングを行った後に、組織からの腫瘍変異量(tTMB)を決定した。腫瘍純度を、ゲノムにわたるカバレッジ(対照と比較して)及び単一ヌクレオチド多型(SNP)対立遺伝子頻度に基づいて、コピー数モデルから計算的に導き出した(Frampton et al.(上記参照))。tTMBを、以前に説明されているように(Chalmers et al.Genome Med.9:34-017-0424-2,2017)、既知の発がん性ドライバーである可能性が高い事象及び生殖系列SNPの除去後の、体細胞、コーディング、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)の数、ならびに5%以上の対立遺伝子頻度で検出された挿入及び欠失(インデル)と定義した。アーチファクト除去を、以前に説明されているように(Frampton et al.(上記参照))、正常な健常FFPE組織から成るアーチファクトデータベースとの比較及び鎖偏向についての計算フィルタリングによって行った。
血液ベースのTMB(bTMB)アッセイは、ゲノム内に1.1Mbのコーディング領域を含む、F1 TMB試験と全く同じハイブリダイゼーション捕捉パネルを使用する。このパネルについては、Chalmers et al.(上記参照)に詳述されている。Chalmersらが315個の遺伝子について述べているが、この数は、F1試験におけるがんに関連する特異的改変の報告のために使用された遺伝子を指す。F1報告書には含まれておらず、それ故に、Chalmersの参考文献には記載されていない目的とする探索的遺伝子とみなされるChalmersらによって説明された技術に含まれるさらに79個の遺伝子が存在する。しかしながら、Chalmersの試験で利用されたベイトセット(1.1Mb)は、本明細書に記載のベイトセットと同じである。この試験において完全な1.1MbをbTMBの計算に使用した。
bTMBスコアの精度を、FOUNDATIONONE(登録商標)(F1)ワークフローの一環である直交的に検証された方法を使用して10以上または16以上のコールTMBの一致を評価することによって確立した。この方法は、bTMBアッセイについて記載のものと同様の研究室ワークフローを使用するが、このプロセスを、20%以上の腫瘍含有量を有するホルマリン固定パラフィン包埋組織試料のために最適化した。さらに、bTMB計算分析は、第一に、血液ベースのアッセイが単一ヌクレオチドバリアント(SNV)コールのみを使用してbTMBを決定する一方で、tTMBアッセイがSNV及び挿入または欠失の両方を使用するという点、第二に、bTMB計算パイプラインがtTMBと比較してはるかに低い対立遺伝子頻度(0.5%)までSNVをコールするという点の2つの点で組織ベースのTMB(tTMB)計算とは異なる。したがって、両パイプラインにより分析された同じ次世代配列決定(NGS)データは、所与の試料における遺伝的バリアントのスペクトルに応じて、いくらか異なる結果をもたらす。合計69個の試料をDNA抽出段階後に分割し、各別個のプロセスに従って分析した。PPAを、16以上の直交的に決定されたTMB値として定義された真陽性の数を真陽性と偽陰性との合計で割ることによって計算した。NPAを、16未満の直交的に決定されたTMB値として定義された真陰性の数を全ての真陰性と偽陽性との合計で割ることによって計算した。PPVも、真陽性の数を全ての真陽性と偽陽性との合計で割ることによって計算した。同様の分析を10のbTMBカットポイントに行った。
bTMB計算のPPVも精度もいずれも、cfDNA試料中の腫瘍含有量(MSAF)の影響を受ける。したがって、10以上または16以上の一致したbTMBバイオマーカースコアを維持するために必要な最小MSAFの評価を、開始bTMB値の範囲の129個の人為的腫瘍細胞株DNA試料を使用して評価し、正常なDNA中に連続希釈して0.1%に至るまでのMSAF値の範囲をもたらした。各MSAF複製群の場合、16以上のbTMB状態を非希釈試料状態と比較し、結果として生じた累積状態再現性を20%のMSAFから開始して0.1%のMSAFに至るまで計算した。
加えて、エクソン標的カバレッジ中央値の品質管理測定基準を、8個の臨床検体のインシリコダウンサンプリングを使用してbTMBスコア及びMSAF値の両方の精度を評価することによって評価した。インシリコカバレッジダウンサンプリングを、2000倍から800倍に至るまでのエクソンカバレッジ中央値を反映するようにコンセンサスリードの総数をランダムに減少させることによって行った。各それぞれのカバレッジで、CVを計算するために10個のインシリコ複製物を評価し、過半数の試料における30%未満のbTMBスコア及びMSAF計算の両方の平均CVをもたらした最も低いカバレッジを選んだ。
少なくとも800倍の配列カバレッジを達成するための最小cfDNAインプット質量を、1,000個超の臨床試料にわたるインプット質量と配列カバレッジとの間の関係を評価することによって決定した。100%頻度で少なくとも800倍のカバレッジを達成した最も低い質量を、最小cfDNAインプット質量として選んだ。
ピアソンの相関及びスピアマンの相関、変動係数、PPA、NPA、PPV、及びNPVを含む、前述のアッセイ性能測定基準を計算するための統計的方法を、Microsoft EXCEL(登録商標)(2016 MS Office)によって提供される統計ソフトウェアまたはJMPソフトウェア(著作権:SAS Institute,Inc.)を使用して行った。
TMBアッセイの模擬感度及び特異度を、その計算に使用したパネルのサイズに従って示す(図15)。これらの値を生成するために、合計250万回のランダムサンプリングを各パネルサイズ(5Mbから50Kbに至るまで)及び全エクソームTMB(100mut/Mbから0.5mut/Mbに至るまで)に対して行った。14mut/Mb以上もしくは14mut/Mb未満のTMB値、またはbTMBアッセイからの合計16の変異を維持したサンプリングの分率を、基礎をなす全エクソームから導き出されたTMB値と比較し、各それぞれのパネルサイズについて計算した。結果を、Foundation Medicineデータベースを使用してNSCLCを有する患者から得られたTMB値の実世界分布と比較した(n=19,320)。感度を、全ての真陽性と偽陰性との合計で割った真陽性の分率として計算し、特異度を、全ての真陰性と偽陽性との合計で割った真陰性の数として計算した。プロットした値は、この分析から得られた結果を表し、共有領域は、少なくとも85%の感度及び特異度を維持するために必要なパネルのサイズを表す。
腫瘍試料におけるPD-L1発現の免疫組織化学的(IHC)分析
ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を脱パラフィン化し、その後、抗原を回収し、遮断し、一次抗PD-L1抗体とインキュベートした。二次抗体とインキュベートし、酵素着色した後、切片を対比染色し、一連のアルコール及びキシレン中で脱水した後、カバースリップした。
以下のプロトコルをIHCに使用した。Ventana Benchmark XTまたはBenchmark Ultraシステムを使用して、以下の試薬及び材料を使用したPD-L1 IHC染色を行った。
一次抗体:抗PD-L1ウサギモノクローナル一次抗体(SP142)
検体の種類:腫瘍試料のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片
エピトープ回収条件:細胞条件付け、標準1(CC1、Ventana、カタログ番号950-124)
一次抗体条件:1/100、6.5μg/mL、36℃で16分間
希釈剤:抗体希釈緩衝液(担体タンパク質及びBRIJ(商標)-35を含有するトリス緩衝生理食塩水)
陰性対照:6.5μg/mlのナイーブウサギIgG(Cell Signaling)または希釈剤のみ
検出:OptiviewまたはultraView Universal DAB検出キット(Ventana)、及び増幅キット(該当する場合)を製造業者(Ventana)の指示に従って使用した。
対比染色:Ventana Hematoxylin II(カタログ番号790-2208)/ブルーイング試薬(カタログ番号760-2037)(それぞれ、4分間及び4分間)
Ventanaベンチマークプロトコルは、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開第WO2016/183326号に記載されている。
腫瘍試料を、それぞれ、表4及び表5に示される診断評価の両基準に従って、腫瘍浸潤免疫細胞及び腫瘍細胞におけるPD-L1陽性についてスコア化した。
実施例2.bTMBスコアとアテゾリズマブでの治療に対するNSCLCを有する患者の臨床応答との間の関連性の分析
bTMBスコアをアテゾリズマブ治療に対する患者応答の予測バイオマーカーとして使用することができるかを評価するために、bTMBスコアを、実施例1に記載のPOPLAR試験またはOAK試験における患者から得られた治療前血液試料で評価した。POPLAR試験及びOAK試験からの全生存期間(OS)及び無増悪生存期間(PFS)を、それぞれ、4以上~20以上と4以上~26以上との間の、基準スコアであるか、またはそれを超えるbTMBスコアに基づいて診断陽性(Dx+)であった患者において観察した(図1A、1B、2A、及び2B)。PFS利益及びOS利益が、POPLARにおける10以上と20以上との間(例えば、12以上と20以上との間)の全てのbTMBスコアカットオフで観察された(図1A及び1B)。基準bTMBスコア18以上のbTMBスコアを有するDx+患者は、POPLAR試験及びOAK試験の両方においてアテゾリズマブ治療から診断陰性(Dx-)患者よりも高いPFS利益を得ることが見出された(図3A、3B、4A、及び4B)。アテゾリズマブ治療からのPFS利益は、OAK試験において基準bTMBスコア16または14以上のbTMBスコアを有するDx+患者でも観察された(図5A、5B、6A、及び6B)。bTMBスコアは、POPLARデータとOAKデータを組み合わせたときにより良好なPFSに関連することが見出された(図7A及び7B)。bTMBスコアのPOPLAR患者集団及びOAK患者集団における有効性エンドポイントとの関連性の要約を、以下の表8及び表9に提示する。これらの結果は、bTMBスコアをアテゾリズマブ治療に対する患者応答の予測バイオマーカーとして使用することができることを実証する。これらの試験からの結果は、以下でさらに詳細に論じられている。
POPLAR
POPLARにおけるITT集団の287名の患者のうち、273名が、遡及的bTMB分析に利用可能なベースライン(第1サイクル1日目治療前)血漿試料を有した。準最適試料体積のため、273個の試料(BEP)のうち211個が、最低800倍のカバレッジを達成した。臨床病理学的及び人口統計学的変数は、POPLAR試験においてITT集団とBEPとの間で一致していた(表6)。PFSについてBEPと比較して同等の臨床的利益がPOPLAR ITT集団で観察された(ITT HRが0.92に対して、BEP HRが0.90)及びOS(ITT HRが0.69に対して、BEP HRが0.68)(図1A及び1B)。POPLARにおけるbTMBスコア中央値は、8変異(四分位下限:4変異、四分位上限:17変異)。
我々は、POPLARにおけるbTMBと臨床転帰との間の関連性をある範囲の基準bTMBスコア(別名、「bTMBカットポイント」)にわたって探究し、bTMB整数値は、4以上~20以上の変異であった。PFS利益及びOS利益は、bTMBスコアカットポイント10以上で観察された(図1A及び1B)。例えば、改善されたPFS及びOS利益は、POPLAR試験におけるBEP及びITT集団に対して全ての3つのbTMBカットポイント、10以上、16以上、及び20以上で観察された(図1A及び1B)。10以上及び20以上のCI95%の上界は、PFS HRでは1超であり、OS HRでは20以上であった。bTMBカットポイント16以上で、PFS HRは、0.57であった(CI95%、0.33~0.99)(図1A-1C)。bTMB16以上で、PFS中央値は、アテゾリズマブアームでは4.2ヶ月であり、ドセタキセルアームでは2.9ヶ月であり、それぞれのOS中央値は、それぞれ、13.0ヶ月及び7.4ヶ月であった。16以上のbTMBを有する患者は、ドセタキセルと比較してアテゾリズマブでより長いPFSを有した(相互作用P=0.055)(図1D)。POPLAR試験のBEPにおけるbTMB16以上の有病率は、29.9%であった。bTMB16以上の下位群及び16未満の下位群における全生存期間のカプラン・マイヤー推定値を、それぞれ、図1E及び図1Fに示す。
カットポイント16以上でのbTMBアッセイの技術的性能及び10以上または20以上と比較してより強力なPFS治療効果に基づいて、16以上をOAK試験における確認分析のために選択した。
OAK
bTMBがPOPLARにおける有効性に関連したことを実証した後、bTMB分析を、極めて重要なOAK試験由来の血漿試料を使用して行った。臨床転帰を有する797名の患者由来のベースライン血漿試料を分析し、583名(BEP)は、1%以上の腫瘍含有量(MSAF)で最低800倍を達成するのに十分なcfDNAを有した。OAK試験における一次分析ITT集団(N=850)とBEP(N=583)との間の人口統計は、BEP由来のEGFR及びALKドライバー変異の排除を除いて、両治療アームにわたって類似していた(故に、これらの患者は将来のがん免疫療法試験に登録されないであろう)。表7を参照されたい。OAKにおいて、転帰は、ITT(PFS:HR0.95、OS:HR0.73)よりもBEP(PFS:HR0.87、OS:HR0.64)において良好であった(図5A及び5B)。
bTMB16以上を有するOAK患者は、ドセタキセルと比較してアテゾリズマブで有意なPFS利益(HR0.65、CI95%、0.92に対して0.47、P=0.013)を有した(図5A)。バイオマーカーのPFSとの関連性が独立して検証されたが、bTMBの高い下位群は、BEPと比較してOSのさらなる改善を示さなかった(HR0.64[CI95%:0.44、0.92]、P=0.017)(図5C及び5D)。BEPで観察されたOS利益は、バイオマーカー陽性下位群で維持された。OS中央値は、ドセタキセルアームの6.8ヶ月と比較して、アテゾリズマブ治療アームのbTMB16以上を有する患者では13.5ヶ月であった。bTMBスコア16以上の間の相互作用は、PFSについて有意であった(相互作用p値:0.036)。OAK BEPにおけるbTMB16以上の有病率は、27%であった。POPLARで観察された改善されたOS利益を検証することができないのは、OAK BEPにおける優れたOS HR(0.64)に起因する可能性があると考えられる。これらの結果は、16以上のbTMBスコアが、アテゾリズマブから利益を享受する患者、例えば、アテゾリズマブ治療からのPFS利益を再現性良く特定することを示唆する。
多変量適応回帰スプライン(MARS;Friedman et al.Stat.Methods Med.Res.4:197-217,1995)を使用して、我々は、PFS HRとカットポイント値との間の関係をモデル化した。OAKにおけるこのデータ駆動型アプローチは、12~18の「エルボー」領域(図2C)を示唆し、これは、POPLARデータの分析から繰り越されたカットポイント値16と一致している。
さらなる探索的分析を様々なbTMBカットポイントで行った。POPLARで観察されたことと同様に、bTMBのPFS利益との関連性が最小10変異のbTMBカットポイントで観察された(図2A)。全体的に見て、増加するbTMBスコアとPFS転帰との間にはっきりとした単調な関係があった(図2A)。同様であるが、比較的強制的ではない単調な傾向がOSについて観察された(図2B)。とりわけ、OSとの関連性は、最も高いbTMBカットポイントでのみ観察された(bTMB24以上及び26以上)(図2B)。この下位群の低い有病率を考慮して、我々は、POPLAR試験におけるこの観察の再現性を評価することができなかった。最良の全奏効率は、bTMB16以上の患者においてドセタキセル(10%)に対してアテゾリズマブ(21%)での利益に傾いた(図8)。
要約
総合的に、これらのデータは、bTMBスコアが、PD-L1結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)を含む治療の治療有効性を予測する予測バイオマーカーとしての機能を果たすことができることを示す。その結果として、bTMBスコアの評価を使用して、例えば、PD-L1結合アンタゴニスト(例えば、抗PD-L1抗体、例えば、アテゾリズマブ)を含む治療からPFS利益、OS利益、またはPFS利益及びOS利益の両方を得るがん(例えば、NSCLC)を有する患者を特定することができる。DNA源として組織の代わりに血液試料(例えば、血漿)を使用することにより、bTMBアッセイは、生検を受けられない患者または腫瘍組織が入手できない患者、例えば、転移性NSCLCを有する患者にとって特に魅力的な代替案になる。治療有効性(例えば、PFSに関して)を予測するバイオマーカーとしてのbTMBの特定は、例えば、第一線状況において、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-L1軸結合アンタゴニスト、例えば、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)について患者を特定する際に重要な要素であり得る。これらのデータは、bTMBが、アテゾリズマブからPFS利益を得て、第二線状況においてOS利益を保持した、PD-L1 IHCによって特定されない患者集団を特定することも示す。第一線状況への同様の適用が、例えば、分子試験のための組織を欠くNSCLCを有する患者の30%において適切であり得る。
実施例3:bTMBは、PD-L1 IHC及び組織像とは無関係である。
OAKにおけるbTMB下位群の臨床的特徴を表10及び表11に示す。OAK BEP内で、陽性bTMB状態(16以上)は、喫煙と関連し(P=1.3e-10)、激しい変異原曝露、ベースラインでの標的病変のSLD(P=4.8e-08)、転移性部位の数(P=0.0055)、及びPD-L1発現(TC1/2/3またはIC1/2/3(P=0.0062)と一致していた(表10)。ベースライン特性は、16以上のbTMBカットポイントを超える治療アーム間で平衡していた(表11)。非扁平上皮組織像を有する患者の平均bTMB値は、11.22(CI95%:10.09、12.36)であり、扁平上皮組織像を有する患者では12.4(CI95%:11、13.8)であった(図10)。
TC0及びIC0:PD-L1を発現するTC及びIC1%未満、TC1/2/3またはIC1/2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC1%以上、TC2/3またはIC2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC5%以上、TC3またはIC3:PD-L1を発現するTC50%以上またはIC10%以上。
a「TC3またはIC3」は、TC3IC3バイナリ病理学者読み取りデータからのものであり、「TC2/3またはIC2/3」及び「TC2/3」は、TC2IC2病理学者読み取りデータからのものであり、「TC1/2/3またはIC1/2/3」、「TC0及びIC0」、及び「TC123」は、TC1IC1病理学者読み取りデータからのものであった。
TC0及びIC0:PD-L1を発現するTC及びIC1%未満、TC1/2/3またはIC1/2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC1%以上、TC2/3またはIC2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC5%以上、TC3またはIC3:PD-L1を発現するTC50%以上またはIC10%以上。
a「TC3またはIC3」は、TC3IC3バイナリ病理学者読み取りデータからのものであり、「TC2/3またはIC2/3」及び「TC2/3」は、TC2IC2病理学者読み取りデータからのものであり、「TC1/2/3またはIC1/2/3」、「TC0及びIC0」、及び「TC123」は、TC1IC1病理学者読み取りデータからのものであった。
b比較のために、tTMBアッセイに基づいて16以上のベースラインSLD中央値は、78.4(15、281.6)であり、16未満では71.7(`0.1、237.8)であった。
これ以前に、我々は、OAK ITTが、PD-L1陽性患者において改善した有意なOS利益を有したことを示した(VENTANA SP142 PD-L1 IHCアッセイによるTC1/2/3またはIC1/2/3)が、増強されたPFS利益が、PD-L1 IHCの最も高いカットオフでのみ観察された(TC3またはIC3、腫瘍細胞[TC]の染色50%以上または腫瘍浸潤免疫細胞[IC]の染色10%以上)、約16%の有病率を表す)。我々は、bTMB及びPD-L1 IHCが同様の患者集団を特定するかを評価した。OAKにおけるPD-L1発現及びbTMBを比較して、有意な関連性は見出されず(図9A)、bTMBスコア中央値は相互排他的IHC下位群間で異なり(図9A及び9E)、最大値は同様に全ての下位群にわたって類似していた(図9E)。これらのデータは、bTMBがPD-L1発現(IHCによる)とは無関係であることを示す。
bTMB16以上の集団で観察された臨床的利益がPD-L1 TC3/IC3陽性集団の過剰提示によって説明され得るかを決定するために、我々は、bTMB16以上と定義されるOAKにおける陽性患者集団といくつかのPD-L1発現下位群との間の重複の程度を試験した。我々は、bTMBとPD-L1 IHC下位群との間の類似した重複割合を見出し、bTMB中央値及びbTMB最大値も類似していた(図9E、表10)。合計229名の患者がbTMBまたは最も高いPD-L1 IHCレベル(TC3またはIC3)のいずれかに陽性であった一方で、30名の患者のみ(bTMB16以上の患者の19.2%、TC3またはIC3患者の29.1%)が両アッセイによって陽性であると見出された(フィッシャーの正確確率検定、P=0.62)(図9B)。他のIHCカットポイントでの重複の程度も試験した(図9C及び9D、表10及び11)。
統計的に有意な相関が高PD-L1発現とbTMBとの間で観察されなかったが、我々は、2つの異なるアプローチを使用してPFS利益に対するそれらの寄与の非依存性をさらに評価した。第一に、我々は、PD-L1状態(TC3またはIC3か否か)、bTMB状態(16以上か否か)、治療相互作用によるPD-L1、及び治療相互作用によるbTMB状態のために調整した治療からのPFS利益のためのCoxモデルをフィッティングした。相互作用HRは、PD-L1では0.73(CI95%:0.46、1.13、P=0.160)であり、bTMBでは0.66(CI95%:0.45、0.97、P=0.035)であった。この有意な治療相互作用は、bTMB状態がPD-L1状態及び治療とのその相互作用を制御しながらPFS HRに影響を及ぼすであろうことを示唆する。
第二に、我々は、2つのバイオマーカー間の重複サブセット及び非重複サブセットにおけるPFS利益を試験した。両バイオマーカーに陽性の患者は、アテゾリズマブから最も高い臨床的利益を得るように見えた(PFS:HR0.38[CI95%、0.17~0.85]、OS:HR0.23[CI95%、0.09~0.58)一方で、TC3もしくはIC3のみまたはbTMB16以上のみの(他方のマーカーに陰性の)患者は、OAKにおけるBEPでの0.87のHR(CI95%:0.73、1.04)と比較して、それぞれ、0.71(CI95%:0.43、1.16)または0.70(CI95%:0.48、1.03)のPFS HRを有した(表12)。とりわけ、bTMB16以上のTC0及びIC0患者は、PFS利益への傾向を示した(HR0.68[CI95%、0.37~1.25])(表12)。
OAK BEP内で、陽性bTMB状態は、喫煙と関連し(P=1.3e-10)、激しい変異原曝露、最長径和(SLD)(P=4.8e-08)、及び転移性部位の数(P=0.0055)と一致していた。表13も参照されたい。この所見は、より高い全疾患負荷と合致し、これは、血流中へのctDNAシェディングの増加をもたらし得る。ctDNAを検出する可能性は、全腫瘍量に依存している。これと合致して、OAK患者の配列カバレッジ及び汚染QCに合格した試料のうち、MSAF1%未満のものが、MSAF1%超のものと比較してより低い平均ベースラインSLDを有した(それぞれ、62.3mm及び80.4mm)。他のベースライン特性はbTMBに関連しておらず、明らかな予後効果は基準bTMBスコア16以上では観察されなかった。非扁平上皮組織像と扁平上皮組織像との間にbTMB値の平均分布の差はないように見えた(図10)。表14は、有効なbTMB及びPD-L1 IHC結果を有するOAK BEPにおけるOS及びPFS HRの要約を示す。
実施例4:bTMB分析的検証
bTMBアッセイ検証試験を行って、ctDNA試料由来の同じ配列決定データセット上でbTMBアルゴリズム及びFOUNDATIONONE(登録商標)TMBアルゴリズムを使用してTMBスコアを比較した。
bTMBアッセイの開発の一環として、我々は、分析に十分な組織を有するPOPLAR(N=74)及びOAK(N=244)サブセットから得られたTMBの組織ベースの分析からの結果を、同じ患者由来の治療前血漿から得られた対応するbTMB結果と比較した。全体的に見て、tTMBとbTMBスコアとの間の正の相関が観察された(スピアマンの相関=0.59、CI95%、0.49~0.67)(図11E)。別の実験では、tTMBとbTMBスコアとの間の正の相関が観察された(スピアマンの相関=0.64、CI95%、0.56~0.71)(図11F)。正の相関が存在する一方で、腫瘍不均一性(潜在的に複数の病変、例えば、転移性腫瘍からの単一生検に対して純ctDNAアウトプット)、計算パイプラインの差異(tTMBが5%以上の対立遺伝子頻度(AF)で単一ヌクレオチドバリアント(SNV)をコールし、挿入及び欠失の両方(インデル)を含む一方で、bTMBはSNVのみをコールするが、0.5%以上のAFでコールする)、または試料特性の差異(例えば、FFPE組織由来のDNAに対してctDNA)、収集時間(例えば、アーカイブ腫瘍組織に対して治療前血漿)、試料の種類(例えば、生検に対して切除)、診断段階、組織純度、ctDNAのMSAF、及び無細胞DNAインプット(TMBの差異をもたらし得る)を含むいくつかの要因は、何故tTMBとbTMBとの間の相関がより高くなかったかを説明し得る。
tTMB計算アルゴリズムがインデル及びSNVの両方をカウントする一方で、bTMB計算アルゴリズムはSNVのみをカウントする。したがって、我々は、SNVのみを使用して2つの測定値間の相関を比較した。興味深いことに、これは、対相関を変化させず(スピアマンの順位相関=0.65、CI95%:0.57、0.71、図11G)、恐らく、インデルがこの試験において体細胞バリアントの4%の割合しか占めなかったためである。
どの要因がbTMB計算パイプラインとtTMB計算パイプラインとの間の変動を説明し得るかを区別するために、非試験用ctDNA試料の独立コホート(N=69)を使用して一致分析を行い、これらの試料を各々分割し、F1 tTMB計算パイプラインまたはbTMB計算パイプラインのいずれかを使用して分析した(図11A、11B、及び11H)。この分析では、スピアマンの相関は、0.93(CI95%、0.59~0.96)であった。スピアマンの順位相関係数は、試験患者から得られた組織由来のDNA及び血漿由来のctDNAの比較に対してこの非試験用試料由来のctDNAの比較において著しく高かった。これらのデータは、本明細書に記載の広範な分析的検証実験とともに、アッセイ性能が、血液由来のctDNAまたは組織由来のDNAから計算されたTMB間で観察された変動のわずかな割合しか占めなかったことを示唆する。
bTMBアッセイによって行われたバリアントコールが信頼できることをさらに検証するために、我々は、bTMBアッセイによって行われた個々のバリアントコールの直交的な検証に努めた。この分析のために、我々は、臨床試料と細胞株の組み合わせを使用し、bTMBアッセイによって検出された重複領域内のバリアントコールと高深度配列決定を使用して血漿由来のcfDNAにおける少量のバリアントを検出する以前に検証されたアッセイ(He et al.Blood 127:3004-3014,2016)であるFoundationACT(FACT)によって検出されたものとを比較した。陽性一致率(PPA)を、bTMBアッセイによっても検出されたFACTによって検出された体細胞バリアントの分率を比較することによって計算した。PPAは、93.4%であった。我々は、bTMBで検出されたバリアントをFACTによって問い合わせられた重複ゲノム領域内のバリアントに限定することによって陽性予測値(PPV)を測定し、これらの2つの試験間で共有された分率を計算した。PPVは、93.5%であった(図11I)。PPA及びPPVの両方について、不一致バリアントコールは、低いAF(1%未満)または隣接するホモポリマーの結果であった(図11I及びIIJ)。これらのアッセイ間の一貫性をさらに評価するために、我々は、各一致バリアントのバリアント対立遺伝子頻度(VAF)を比較した。各アッセイによって検出されたVAFは、高度に一致していた(R2=1.00、図11J、上パネル)が、一致は、より低い1%未満のVAFであった(R2=0.68、図11J、下パネル)。これらのデータは、両アッセイが同じバリアントを検出することを示す。
NSCLCは、著しい腫瘍内不均一性を持つことが示されており(例えば、Abbosh et al.Nature 545:446-451,2017及びJamal-Hanjani et al.N.Engl.J.Med.376:2109-2121,2017を参照のこと)、それ故に、任意の単一の局部生検で見られるバリアントセットは、患者に存在する腫瘍細胞によって血液中に放出されるDNA断片で見られる凝集バリアントセットとは著しく異なり得る。かかる不均一性が本明細書に記載の血液試料と組織試料との間のTMB値の差異を説明し得るかを決定するために、我々は、血液検体及び組織検体の両方に存在する個々のバリアントの分率を評価した。血液及び組織の両方において高いTMB(30超の変異)を有する患者では、平均してバリアントの3分の1が血液試料に特有であり、全バリアントの4分の1が組織試料に特有であり、残りのバリアントは両試料で特定された(図11K)。組織において30超の変異を有する患者は、bTMBとtTMBとの間に一連の一致を有した。22名のうち7名が血中で検出された変異をほとんど有さず、それ故に、わずかしか組織と重複しない。対照的に、試料のおよそ68%が組織と血液との間でTMBバリアントの大半を共有した。これは、異なるバリアントの存在が組織中TMBと血中TMBとの間の差異の大部分を占め得ることを示す。
これらの試料に関連する要因自体がPOPLAR及びOAKにおけるtTMBとbTMBとの対比較で観察された変動に寄与したかを決定するために、我々は、試料の種類(生検に対して切除)、診断段階、試料で検出された最大体細胞対立遺伝子頻度(MSAF)によって測定されるctDNAであるcfDNAの分率、試料収集時間(血液に対して組織)、RECIST v1.1によって決定されるベースライン腫瘍量、及び腫瘍純度、ならびに他の要因を含む一連の試料特性を評価した。生メタデータの要約を表15に示す。
いずれの場合にも、我々は、一致の指標として、全ての組織SNV及び血液SNVの合計で割った共有SNVの数として定義される、組織バリアントと血液バリアントとの間のジャカール指数を決定した。その後、我々は、目的とする変数が、各血液-対-組織一致群におけるジャカール指数:要約統計値(表15)に基づいて一致群間で異なったMSAF、ベースライン最長径和(SLD)、及び試料収集間の時間にどのように影響を及ぼしたかを調べた。我々は、組織と血液との間の一致に影響を及ぼす最も重要な要因が、低いMSAF及び試料収集間のより長い時間(日数間隔)(いずれの場合もP<2×10-16)であったことを見出した(図11L及び11M)。興味深いことに、我々は、新たに収集された(100日未満の)組織(0.06[CI95%:-0.18、0.3])には存在しなかった、より古い(約3ヶ月以上の)組織試料(スピアマンの順位相関及びブートストラップCI95%:-0.3[CI95%:-0.42、-0.16])における試料収集日とジャカール指数との間の負の関係を認めた(図11L)。図11Nは、tTMBアッセイ及びbTMBアッセイによって観察されたSNVのベン図を示す。
bTMB分析的検証の一環として、bTMBの精度を、TMBの全エクソーム配列決定ベースの測定値と十分に相関することが以前に示された直交的に検証された方法(FOUNDATIONONE(登録商標)TMB)に対して評価した。比較可能性を、PPA及び陰性一致率(NPA)の両方を推定カットポイント範囲(bTMB10以上~20以上)にわたって評価することによって確立した。異なるカットポイントのPPAは、85.7%(bTMB15以上)~100%(bTMB10以上)の範囲であった(図11C及び11H)。NPAは、81.8%(bTMB19以上)~100%(bTMB10以上、16以上)の範囲であった。これらの結果は、POPLAR試験からのデータに関して、アッセイ性能が、3つのカットポイント、bTMB10以上、16以上、及び20以上で特に好ましかったことを示す。
表16は、2つのはっきりと異なるカットポイント(10以上及び16以上)のbTMBアッセイの平均性能の要約を示す。PPA及びNPA、ならびにPPVを、以前に検証されたFOUNDATIONEONE(登録商標)TMBアッセイに対して上述のbTMBアッセイを使用して処理された同じ試料から導き出されたTMBスコアを評価することによって決定した。精度を、はっきりと異なるカットポイント(10以上及び16以上)に対するbTMB結果の信頼性として評価した。CVは、複製試料からのbTMBスコアの再現性を表す。検出限界(LoD)を、80%を超える信頼性を維持するために必要な最小腫瘍含有量(MSAFに関して)としてこの実施例のために定義した。配列決定されたゲノム領域がより小さい場合にLoDがより高いことが予想される一方で、ゲノムのより大部分の配列決定がより低いLoDをもたらすことが予想されることを理解されたい。
bTMB16以上の平均精度は、97.8%(CV6.3%)であった。MSAF1%以上の品質管理測定基準の精度は、99.3%(CV12.1%)であった。6個の細胞株希釈系列にわたる予想されたMSAF値に対する観察されたMSAF値の線形回帰分析から得られたスピアマンの相関は、0.98であった。129個の試料の希釈系列において、91%が16以上の正しいbTMBバイオマーカー状態を維持し、MSAFによって推定される腫瘍含有量はわずか1%であった。bTMB値及びMSAF値の精度値は、エクソンカバレッジ中央値が800倍を超えたときに一貫して維持された(図16及び表17)。1,076個の臨床試料の分析において、100.0%が少なくとも20ngのcfDNAインプットでこの標的深度を達成した(図11A-11D)。図13は、2つのはっきりと異なるbTMBカットポイント(10以上及び16以上)のアッセイの再現性、ならびにMSAFによって推定される1%の循環腫瘍DNA(ctDNA)の品質管理測定基準に従って評価された精度分析を示す。以前の研究は、腫瘍量が血漿試料中のcfDNAまたはctDNAを検出する可能性の重要な決定因子であることを示した。OAK試験及びPOPLAR試験において各患者から収集された血漿の準最適容量(平均値、4.2mL)のため、我々は、抽出されたcfDNAの全質量(中央値、29.3ng)が品質管理に合格した全ての試料のbTMB測定値に影響を与えたかを試験した。全抽出cfDNAとbTMBスコアとの間に、小さいが、統計的に有意な正のスピアマンの相関があった(スピアマンr=0.15、[CI95%:0.07、0.23]、図17)。bTMBとMSAFとの間に正の相関があり(r2=0.2223)、bTMBとSLDとの間には正の相関はなく(r2=0.05373)、MSAF変動がbTMB変動のわずかな部分を占め、SLDがbTMB変動の最小部分を占めることを示唆する(図18A及び18B)。
所与の患者の血液中のctDNAの絶対質量の変動性の基礎となる生物学は未知であるが、全腫瘍量と増加するbTMBとの間に関連性があったことは予想外ではなかった。POPLAR試験もOAK試験もいずれも必須組織要件を有し、これは、ctDNAの検出に影響を及ぼす要因(腫瘍量等)に影響を与えたかもしれない。我々は、MSAFによって推定される1%以上がctDNAから得られた20ngのcfDNAインプットが、bTMBスコアの正確かつ再現可能なコールを可能にしたことを見出した(図12)。図14は、MSAFによって推定される試料中の腫瘍含有量の関数としてカットポイント10以上及び16以上に従うbTMBアッセイの再現性を示す。MSAFによって推定されるより少ないインプット材料またはより低いctDNA含有量の試料が腫瘍変異量を過小評価する傾向があったが、偽陽性試料は存在しなかった(図11A-11D)。この結果は、他の血液ベースのアッセイの性能と一致し、品質管理基準が満たされたかにかかわらず、高いbTMBスコアが転帰を予測し得ることを示唆する。
表18は、bTMB及びtTMBの両方について評価可能な患者の臨床的特徴を示す。全体的に見て、これらの患者は、BEP及びITT集団と比較して同様の特徴を有した。
bTMB:血液ベースの腫瘍変異量、ECOG:米国東海岸がん臨床試験グループ、IC:腫瘍浸潤免疫細胞、IHC:免疫組織化学、ITT:治療意図、PD-L1:プログラム死-リガンド1、SLD:最長径和、TC:腫瘍細胞、TC0及びIC0:PD-L1を発現するTC及びIC1%未満、TC1/2/3またはIC1/2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC1%以上、TC2/3またはIC2/3:PD-L1を発現するTCまたはIC5%以上、TC3またはIC3:PD-L1を発現するTC50%以上またはIC10%以上。
a二重BEPには、血液ベースのTMB分析及び組織ベースのTMB分析の両方について評価可能なベースライン試料を有したOAK ITT集団(N=850)由来の患者が含まれた。
b「TC3またはIC3」は、TC3IC3バイナリ病理学者読み取りデータからのものであり、「TC2/3またはIC2/3」及び「TC2/3」は、TC2IC2病理学者読み取りデータからのものであり、「TC1/2/3またはIC1/2/3」、「TC0及びIC0」、及び「TC123」は、TC1IC1病理学者読み取りデータからのものである。
実施例5.一次(1L)進行性または転移性NSCLCを有する患者におけるBlood First-Line Ready Screening Trial(B-F1RST)及びBlood First Assay Screening Trial(BFAST)
試験デザイン
bTMBスコア及び体細胞変異(例えば、体細胞変異、例えば、ALKまたはRET改変等の発がん性体細胞変異の存在及び/または不在)を測定する血液ベースの診断アッセイをさらに評価し、先を見越して検証し、かつNSCLC患者における1Lアテゾリズマブまたはアレクチニブ治療の有効性及び安全性を決定するために、2つの臨床試験を行う。
bTMBスコアについて評価されるB-F1RST(臨床試験識別番号NCT02848651)患者集団は、20~25の試験施設でおよそ150名の患者からなる(N=153)。患者は、治療を受けていない局所進行性または転移性(例えば、IIIB~IVB期)NSCLC、RECIST v1.1によって定義される測定可能な疾患、及び0または1のECOGパフォーマンスステータスを有する場合に、B-F1RST試験の登録に適格である。除外基準には、感作EGFR変異もしくはALK再編成、治療を必要とする活動性脳転移、軟膜疾患、登録から5年以内の他の悪性腫瘍、HBV、HCV、もしくはHIV感染、または自己免疫障害の病歴が含まれる。参加者をbTMBスコアに基づいてコホートに分け、アテゾリズマブを3週間毎に1200mg用量で静脈内投与する。全ての患者は、ベースライン時に、かつ最初の12ヶ月間は6週間毎に第1サイクル1日目に、その後、9週間毎に腫瘍評価を受ける。参加者が臨床的利益を得ている限り、すなわち、許容できない毒性または疾患増悪に起因する症状悪化が存在しない限り、アテゾリズマブでの治療を続けることができる。RECIST v1.1に従う疾患増悪もしくは臨床的利益の喪失(治験責任医師による評価)、同意取り消し、試験中断、試験完了、または死亡まで、腫瘍評価を続ける。必須の血液試料を、ベースライン時、療法中、及び増悪時に採取して、探索的バイオマーカーの変化を評価する。患者の50%が登録された後の6ヶ月時点での中間分析を事前指定し、事前指定したbTMBスコアは16以上であった。共一次エンドポイントは、アテゾリズマブの臨床的有効性(RECIST v1.1に従って治験責任医師が評価したORRによって評価される)及びbTMBとPFS利益との間の関係(RECIST v1.1に従って治験責任医師が評価したPFSによって評価される)である。二次目的は、治験責任医師が評価した奏効期間(DOR)及びOSによる安全性及び有効性の評価である。
BFAST(臨床試験識別番号NCT03178552)患者集団を、bTMBスコア及び/または体細胞変異状態(例えば、体細胞変異、例えば、ALKまたはRETにおける変異等の発がん性体細胞変異の存在及び/または不在)について評価する。患者は、併用モダリティ化学放射線療法での治療を受けられない組織学的または細胞学的に確認された局所進行性または転移性(例えば、IIIB~IVB期)NSCLC、RECIST v1.1によって定義される測定可能な疾患、0~2のECOGパフォーマンスステータス、適切な臓器機能、12週間以上の平均余命、出産可能性のある女性参加者及び男性参加者の場合、許容できる避妊法を使用する積極的意志、及び血液試料の提供を有した場合、BFAST試験の登録に適格である。除外基準には、治療されていない活動性脳転移、スクリーニング前の5年以内の他の悪性腫瘍の病歴、または重大な心臓血管疾患が含まれる。参加者をbTMBスコア及び/または体細胞変異状態(例えば、ALKまたはRET変異状態、例えば、ALKまたはRET陰性)に基づいてコホートに分け、アテゾリズマブを3週間毎に1200mg用量で静脈内投与し、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤であるアレクチニブを1日2回600mg用量または900mg~1200mgの増加用量で経口投与する。コホート1は、ALK I1171N、ALK I1171S、またはALK G1202R塩基置換を有しないアレクチニブでの治療のための適格ALK融合物を有する患者を無作為化し、コホート2は、アレクチニブでの治療のための適格RET融合物を有する患者を無作為化し、コホート3は、いずれの以前に特定された適格ALK融合物もRET融合物も含まず、またはEGFR L858Rもしくはエクソン19非フレームシフト欠失を含まないアテゾリズマブでの治療のための適格bTMBスコアを有し、かつCD137アゴニストまたは免疫チェックポイント阻害剤、例えば、抗PD-1または抗PD-L1治療抗体での前治療を受けていない患者を無作為化する。参加者が臨床的利益を得ている限り、すなわち、許容できない毒性または疾患増悪に起因する症状悪化が存在しない限り、アテゾリズマブまたはアレクチニブでの治療を続けることができる。他の体細胞変異(例えば、ALKまたはRET変異以外の体細胞変異)に対処するために、将来的に追加のコホートを加えることができる。患者は、ベースライン時に、かつ48週間は6週間毎に第1サイクル1日目に、その後、9週間毎に腫瘍評価を受ける。必須の血液試料を、ベースライン時、療法中(すなわち、各腫瘍評価時)、及び疾患増悪時に採取して、探索的予後及び/または予測バイオマーカーを評価する。
これらの2つの試験の所望の有効性エンドポイントを以下の表19に要約する。
B-F1RST中間分析集団からの結果
B-F1RST試験からの中間分析集団(IAP)における78名の治療患者のうち、58名が、循環腫瘍DNAが十分に検出された(MSAF1%以上)適切な血液試料を有し、バイオマーカー評価可能集団(BEP)を構成した。IAPの患者1名は以前に治療されておらず、それ故に、安全性または有効性評価可能ではなかった。bTMBスコア16(有病率19%[58名中11名])を事前指定して、BEPにおける臨床的有効性を評価した(16以上であればbTMB高、16未満であればbTMB低)。統計的検定は、0.1レベル及び90%信頼区間での両側検定であった。図19を参照されたい。
ベースライン特性は、IAP及びBEPにおいて類似していた(図20)。最低6ヶ月間のフォローアップで、PFS中央値は、9.5ヶ月(bTMB高)に対して2.8ヶ月(bTMB低)であり、HRは0.51(CI90%、0.24、1.08、P=0.1315)であった(図24及び表20)。PFS HRは、bTMBスコアが増加するにつれて改善した(表21及び図25)。BEPにおいて、ORRは、12.1%(58名中7名)であり、疾患管理率は、25.9%(58名中15名)であった(表22及び図21)。bTMB高群対bTMB低群において、ORRは、36.4%(11名中4名)対6.4%(47名中3名)であり、オッズ比は、8.38(CI90%、2.02、34.79;P=0.02)であった(表22及び図21)。図22は、中間分析集団におけるbTMB下位群によるベースラインからの最大SLD減少を示す。これらのデータは、大半のbTMB高の患者が、減少したSLDによって測定される臨床的利益を有したことを示す。図23A及び図23Bは、bTMB下位群による経時的な腫瘍量の変化を示す。これらのデータは、bTMB高下位群が、より高いPR及びより低いPDの観点で改善された応答を有したことを示し、利益は恒久的であった。治療関連の重篤なAE及び治療関連のグレード3/4のAEが、それぞれ、患者の14.1%及び16.7%に生じ、15.4%が中断につながるAEを経験した(表23)。表24は、医薬品規制用語集(MedDRA)に従う特に関心のあるAEを示す。図27は、安全性評価可能中間分析集団の10%以上で観察されたAEを示す。
ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ、AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、PT:優先使用語、SAE:重篤な有害事象。c大腸炎(グレード4)を除く全てのグレード3の事象。
結論
B-F1RSTは、1L NSCLCにおけるアテゾリズマブの予測治療マーカーとしてbTMBを評価する最初の前向き臨床試験である。中間データは、16以上のbTMBスコアが、アテゾリズマブ単剤療法で治療された患者におけるPFS利益を予測し得ることを示す(bTMB高下位群対bTMB低下位群のPFS中央値:9.5ヶ月に対して2.8ヶ月、HR=0.51、CI90%:0.24、1.08、p=0.1315)。bTMB高下位群及びbTMB低下位群で、それぞれ、36.4%及び6.4%のORRが観察され、bTMB高の患者がより高いORRを有することを示す。アテゾリズマブは良好な忍容性を示し、新たな安全性シグナルは観察されなかった。これらのデータは、現在進行中の第III相BFAST試験における患者のbTMB選択を支援する。B-F1RSTは現在進行中であり、患者が153名になった時点で登録を終了している。実施例1~5に記載のデータは、高bTMBが、抗PD-L1抗体、アテゾリズマブ等のPD-L1軸結合アンタゴニストに応答する可能性がある患者を特定するために使用され得るがんに依存しないバイオマーカーとしての機能を果たすことができることを示す。
他の実施形態
前述の発明は、明確に理解するために例証及び例としていくらか詳細に説明されているが、これらの説明及び例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書で引用される全ての特許及び科学文献の開示は、参照によりそれらの全体が明確に組み込まれる。