JP7760309B2 - 防水板装置 - Google Patents

防水板装置

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JP7760309B2 JP2021157121A JP2021157121A JP7760309B2 JP 7760309 B2 JP7760309 B2 JP 7760309B2 JP 2021157121 A JP2021157121 A JP 2021157121A JP 2021157121 A JP2021157121 A JP 2021157121A JP 7760309 B2 JP7760309 B2 JP 7760309B2
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Description

本発明は、建造物の出入口等に設置される防水板装置に関する。
例えば洪水や集中豪雨等により想定以上の大量の水が道路に溢れた場合、家屋、ビル、地下駐車場、地下鉄等の出入口を介して建造物内に水が浸入するおそれがある。そこで、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているように、建造物内への水の浸入を防止するために、洪水時に防水板を起立させて建造物の出入口を閉塞することができるようにした防水板装置が開発されている。
許文献1に記載の防水板装置の起立機構は、高圧ガスを駆動源として作動するシリンダ部材と、基端部を中心として上下に回動し、遊端部に設けたローラの転動により防水板を起立させるアームとを備え、アームの回動中心である基端部に左右方向を向く軸体を固着し、アームの側方に突出する軸体に固着されたリンクをシリンダロッドの先端部により押動して軸体を回動させることにより、アームと共に防水板を起立させる構成となっている。
特許文献2に記載の防水板装置は、油圧や空気圧を駆動源とするシリンダ部材のシリンダロッドの先端部を防水板の裏面に枢着し、シリンダ部材を伸長させることにより防水板を一端部を中心として起立させる構成となっている。
特開2014-114619号公報(第4頁、第1図) 特開2001-132322号公報(第2頁、第7図)
特許文献1に記載されている防水板装置においては、起立させた防水板に屋外から大きな水圧がかかると、アームに倒伏方向の大きな逆推力が直接加わるとともに、下端部の軸体を中心とする大きな回転モーメントが作用する。このようになると、アームの軸体に固着されたリンクを介してシリンダロッドを押し戻す方向の大きな力が加わる。その結果、防水板の起立状態が維持されなくなって防水効果が失われ、防水板装置としての信頼性が損なわれるおそれがある。また、起立機構の部品点数が多く、構成が複雑となる問題もある。
一方、特許文献2に記載されている防水板装置は、シリンダ部材のみの起立機構で防水板を起立させることができるので、構成が簡素であるという利点がある。しかしながら、シリンダロッドが直線状に突っ張るようにして防水板の裏面を直接支持する構成であるため、防水板に作用する水圧及び防水板の重量に対する抗力を持続的に維持するためには、大型のシリンダ部材を採用して内部圧力を大きくしなければならず、起立機構が大型化してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、簡素な構成の起立機構を用いて防水板の起立状態を確実に維持できるようにした信頼性の高い防水板装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の防水板装置は、
ベースに倒伏位置と起立位置との間を上下に回動可能に枢着された防水板と、該防水板を前記起立位置まで押し上げる起立機構とを備える防水板装置であって、
前記起立機構は、一端が前記ベースに枢着された、前後方向に伸長するシリンダ部材と前記シリンダ部材の先端に回動可能に連結されたアームとを備え、
前記アームの長手方向の一端は前記ベースに回動可能に枢着され、他端には前記防水板の裏面に形成された案内面に沿って相対移動する移動端部を有し、前記案内面の終端には、前記防水板が前記起立位置まで回動したとき前記移動端部が落ち込む段部が形成されており、
前記案内面は、始端から終端方向に向けて、前記防水板の裏面方向に徐々に突出する傾斜面となっており、該傾斜面の終端に前記段部が連続して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、シリンダ部材の伸長によりアームが回動し、移動端部が防水板の案内面に沿って移動するに従って防水板が起立され、移動端部が案内面の段部に落ち込むことにより、防水板の重量及び防水板に作用する水圧をアームの上下方向で受けることができる。従って、簡素な構成の起立機構で水圧に抗して防水板を起立状態に確実に維持することができ、防水効果に優れる信頼性の高い防水板装置を提供することができる。また従来のように、シリンダ部材の突っ張り力によって防水板を起立状態に維持する構成ではないため、アクチュエータを小型化してコンパクトな起立機構を構成することができる。
前記案内面は、始端から終端方向に向けて、前記防水板の裏面方向に徐々に突出する傾斜面となっており、該傾斜面の終端に前記段部が連続して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、裏面方向に突出する傾斜面の終端に段部を形成することにより、段部を深くすることができるので、段部からアームの移動端部が不意に外れるのを防止できる。
前記移動端部は、前記アームの他端の左右方向に延びる軸に枢支された転動ローラであり、前記傾斜面と鈍角に交わる面により前記段部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、段部を鈍角の面とすることにより、防水板の倒伏動作時において転動ローラがスムーズに段部から離脱して傾斜面まで案内され、応答よく倒伏動作が開始される。
前記防水板の裏面には、前記案内面の裏面方向に離間するとともに該案内面に沿って延びる前記移動端部の規制部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、案内面と規制部との間を移動端部が移動するため、アームと防水板とが起立方向に相対的に離間せず、安全に防水板を起立させることができる。また、倒伏動作時において倒伏方向に回動するアームの移動端部が規制部を介して防水板を倒伏方向に押動するので、応答よく倒伏動作が開始される。
前記防水板の裏面には、前記案内面の左右両側に沿って延びる側壁部と、該左右の側壁部から内側に延びる前記規制部とを有するガード部材が取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ガード部材の左右の側壁部によって移動端部の左右方向への移動が規制され、移動端部を確実に案内面に沿って移動させることができるとともに、確実に段部に案内することができる。
本発明の実施例に係る防水板装置おける防水板が倒伏位置にあるときの平面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。説明の便宜上、奥側の部材の図示を省略している。 防水板が起立位置にあるときの平面図である。 図4のC-C線断面図である。 図4のD-D線断面図である。説明の便宜上、奥側の部材の図示を省略している。 図5のE-E線の拡大断面図である。 (a)及び(b)は、防水板が倒伏位置から起立位置の途中まで回動した状態の概略側面図である。 (c)及び(d)は、起立位置の途中まで回動した防水板が更に回動して起立位置に達した状態の概略側面図である。 (a)及び(b)は、防水板が起立位置から倒伏位置の途中まで回動した状態の概略側面図である。 (c)及び(d)は、倒伏位置の途中まで回動した防水板が更に回動して倒伏位置に達した状態の概略側面図である。 (a)及び(b)は、第2起立機構の作動により防水板が倒伏位置から起立位置まで回動された状態の概略側面図である。
本発明に係る防水板装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る防水板装置につき、図1から図12を参照して説明する。以下においては、防水板の起立方向である屋外側(図1の紙面上方)を前方、倒伏方向である屋内側を後方として説明する。
図1~図7に示すように、防水板装置1は、建造物の出入口の左右一対の柱2、2間の屋内側の床面に設置され、洪水や集中豪雨等の非常時に後記する防水板4を起立させ、柱2、2の後面に密封状に押し当てることにより、建造物内への水の浸入を防止するものである。
防水板装置1は、床面または地中に形成された凹部内に設置されるベースとしての上面が開口する箱形金属製のケース3と、ケース3の前端部の底面に枢着された防水板4と、ケース3の底面の左右両側部に設置された電気(商用電源)を駆動源として作動する左右一対の第1起立機構5、5と、第1起立機構5、5間の中央部に設置された電気以外の駆動源で作動する異常時用の第2起立機構6とを備えている。
防水板4は、金属製の長方形の板材により形成され、その裏面(起立状態において後面)には、複数の補強材7が溶接により縦横に固着されている。防水板4は、一方の長辺が左右複数(実施例では3個)のヒンジ機構8によりケース3の前側の底面に上下方向(前後方向)に回動可能に枢着され、倒伏位置(図1~図3参照)と起立位置(図4~図6参照)との間を上下方向に回動することができる。
倒伏状態での防水板4の前後寸法は、ケース3の前後寸法よりも所要寸法短く形成され、防水板4の後端とケース3の後壁との間に、点検等に使用されるケース3の内部空間にアクセス可能な開口9が形成されるようになっている。開口9は、取外し可能なカバープレート10により常時閉塞されている。なお、カバープレート10はヒンジによりケース3に開閉可能に枢着してもよい。
防水板4が倒伏位置まで回動すると、その後端部の裏面が、ケース3の後方寄りの底面に立設された左右複数のストッパ杆11の上端に当接し、防水板4の上面と床面Fとがほぼ同一面に整合するようになっている(図3参照)。また、防水板4が起立位置まで回動すると、防水板4の表面(前面)が左右の柱2、2の後面にシール部材(図示略)を介して密封状に圧接するとともに、下端縁がケース3の前面の設けられたシール部材(図示略)に密封状に圧接して防水性が維持されるようになっている。
ケース3の前方寄りの内側面には、ケース3よりも若干高さの低い平面視内向きコ字状の枠部材12、12が固着され、枠部材12の下方のケース3の底面は開口されている。枠部材12、12に生コンクリートを流し込むことにより、ケース3を床面Fの基礎に固定することができる。
左右の第1起立機構5、5は、それぞれアクチュエータである電動シリンダ(電動アクチュエータ)51と、電動シリンダ51の駆動力を防水板4に伝達するアーム52とを備えている。電動シリンダ51は、中空の筒状であるシリンダ513と、シリンダ513に対して前後方向に進退可能なシリンダロッド511とからなるシリンダ部材510と、モータ512とを備えている。電動シリンダ51は公知のものであり、電動シリンダ51の内部には、モータ512により回転させられる軸方向に延びるボールねじ(図示略)が収容されている。また、シリンダロッド511には、ボールねじに対し共回りが規制された状態で螺合するナット(図示略)が固定されている。モータ512によりボールねじが回転すると、ナットがボールねじに沿ってねじ送りされることにより、シリンダロッド511が進退するようになっている。電動シリンダ51を用いると、図示しない制御装置により左右の電動シリンダ51を同期させて作動させることができる。
第2起立機構6は、油圧シリンダ61と、前後方向に進退可能なシリンダロッド611と、シリンダロッド611により起倒させられる、第1起立機構5のアーム52と同一構造のアーム62とを備えている。油圧シリンダ61は、中空の筒状であるシリンダ613と、前後方向に進退可能なシリンダロッド611とからなるシリンダ部材610とを備え、シリンダ部材610の内部に突出用の油室と戻り用の油室を有し、それらに圧油を選択的に供給してシリンダロッド611を進退移動させる公知の複動式油圧シリンダである。油圧シリンダ61は、第1起立機構5が正常に作動しなかった場合に、可搬式の手動油圧ポンプまたはバッテリを内蔵した可搬式の電動油圧ポンプによって作動させることができる。なお、油圧シリンダ61は、内部に突出用の油室と戻り用の油室を有し、それらに圧油を選択的に供給してシリンダロッド611を進退移動させる公知の複動式油圧シリンダが用いられる。
ケース3の底面の後部側の左右両側部とそれよりも若干前方寄りの中央部には、それぞれシリンダブラケット13がボルト止めされ、各シリンダブラケット13の左右の起立片13a、13aには、それぞれ第1起立機構5、5の電動シリンダ51及び第2起立機構6の油圧シリンダ61の基端部(後端部)が左右方向を向く枢軸14により上下に回動可能に枢着されている。
第1起立機構5及び第2起立機構6のアーム52、62は、それぞれ左右に所定寸法離間して対向する左右一対の側板部材521、521、621、621と、左右の側板部材521、621の長手方向の一端部と他端部(倒伏時において前端部と後端部)同士及び一端部寄りの中間部同士を連結する左右方向を向く連結軸522、622とを備え、一対の側板部材521、621は、連結軸522、622により一体をなすようにユニット化されている。各アーム52、62の一端部と他端部の連結軸522、622は、側板部材521、621の外側方に突出し、他端部の連結軸522、622の左右の突出部には、移動端部である転動ローラ15、15が枢支されている。転動ローラ15,15は、防水板4の裏面に沿って相対移動する(詳細は後述する)。
ケース3の底面の前部寄りの上面における左右両側部と中央部には、アームブラケット16がボルト止めされ、各アームブラケット16の左右の起立片16a、16aには、それぞれ第1起立機構5のアーム52及び第2起立機構6のアーム62における一端部側の連結軸522、622の左右の突出部が枢支されている。これにより各アーム52、62は、一端部(前端部)を中心として上下に回動することができる。
各アーム52、62の中間部の連結軸522、622の左右方向の中央部には、それぞれ第1起立機構5のシリンダロッド511の先端部と、第2起立機構6のシリンダロッド611の先端部とが回動可能に枢着され、シリンダロッド511、611とアーム52、62の左右方向の中央とが平面視において直線状に並ぶようになっている。各アーム52、62は、電動シリンダ51及び油圧シリンダ61の推力により一端部を中心として上向きに回動し、他端部の転動ローラ15により防水板4が押し上げられるようになる。なお、図3及び図6に示すように、アーム52、62の側板部材521、621には、シリンダロッド511、611の連結軸522、622が取り付けられる取付孔17が複数設けてあり、防水板4の重量や大きさの違いに対応して、推力やストロークの異なるアクチュエータのシリンダロッドの枢着位置を変更できるようにしてある。
防水板4の裏面の補強材7の左右両側部と中央部とには、それぞれ左右一対ずつのレール部材18、18とガード部材19、19とが、第1起立機構5と第2起立機構6に対応して設けられている。なお、左右両側と中央の全てのレール部材18、18及びガード部材19、19は、構造並びに取付形態が同一であるため、以下、右側方のもののみ詳細に説明する。
図5~図7に示すように(防水板が起立した状態で説明する)、補強材7の互いに隣接する縦補強材7a、7aの裏面の上下方向の中央部には、取付基板20が溶接により固定され、この取付基板20の中央部の裏面(後面)に上下方向を向く左右一対のレール部材18、18のフランジ部18aが複数のボルト21により固定されている。また、取付基板20における左右のレール部材18を挟む左右両側には、左右一対のガード部材19、19の外向きフランジ部19a、19aが複数のボルト21により固定されている。
レール部材18、18は、後方(防水板4の裏面方向)に突出し、それらの後端面(なお、倒伏状態において下面である。)は、アーム52の転動ローラ15、15を案内する案内面18b、18bとなっている。案内面18bは、始端から終端(図5、図6において上端から下端)に向けて、防水板4の裏面方向に徐々に突出する傾斜面となっている。図6に示すように、左右の案内面(傾斜面)18b、18bの終端には、案内面18bと鈍角に交わる面により段部18cが形成されている。図9(d)の拡大図で示すように、この段部18cには、防水板4が起立位置まで回動したとき、転動ローラ15、15が落ち込むようになっている。
ガード部材19、19は、レール部材18、18の案内面18b、18bに沿って延び、後方に突出する側壁部19b、19bと、側壁部19b、19bの後端から左右内側に延びる規制部19c、19cを有している(図7参照)。規制部19c、19cとレール部材18、18の案内面18b、18bとの対向面は、転動ローラ15、15が通過可能なように離間している。なお、ガード部材19の上下寸法はレール部材18よりも短寸とされ、規制部19cはレール部材18よりもヒンジ機構8側(起立状態の防水板4の下方側)に配置してある。詳しくは、図5に示すように、規制部19cの始端がレール部材18の始端よりも下方に位置するようにしてある。これは、防水板4が倒伏位置にあるとき、転動ローラ15が案内面18bと規制部19cとの間に位置しないようにするためである。
次に、図8~図12を参照して防水板装置1の動作及び作用効果について説明する。図8(a)に示すように、通常時は防水板4が完全に倒伏した状態にあり、防水板4の上面と床面Fとはほぼ同一面をなしている。洪水や集中豪雨等の緊急時において建造物内への水の浸入を防止する必要が生じた場合には、図示しない制御装置を操作して左右の第1起立機構5を同時に作動させる。
左右の第1起立機構5を作動させると、電動シリンダ51のモータ512が作動し、シリンダロッド511がねじ送りされて前方に突出する。すると、図8(b)~図9(c)に示すように、シリンダロッド511の先端に連結されたアーム52が一端部(前端部)を中心として徐々に上向きに回動する。これにより、アーム52の他端部に枢支された転動ローラ15、15が防水板4の裏面のレール部材18、18の案内面18bに当接し、防水板4を徐々に押し上げながら下方に相対移動する。この際、転動ローラ15は、ガード部材19の側壁部19bにより左右方向への移動が規制された状態で、規制部19cと案内面18bとの間を移動するため、転動ローラ15を確実に案内面18bに沿って移動させることができ、かつアーム52と転動ローラ15とが当接した状態を保ち相対的に離間しないため、防水板4を円滑かつ安全に起立させることができる。
また、防水板4が倒伏位置にあるとき、第2起立機構6の転動ローラ15は案内面18bと規制部19cとの間に位置しないようになっているので、第1起立機構5による防水板4の起立動作時において転動ローラ15に当接することなく規制部19cは防水版4とともに上方に回動し、第2起立機構6のアーム62が転動ローラ15を介して起立させられることはない(図4、図5も参照。)。従って、第1起立機構5による起立動作の負荷にはならない。
図9(d)に示すように、シリンダロッド511が予め定めた最大ストロ-クまで突出すると、モータ512が停止し、防水板4は左右の柱2と当接する起立位置まで回動して停止する。これにより、緊急時において出入口が防水板4により閉塞され、建造物内への水の浸入が防止される。この際、重量のある防水板4であっても、左右一対の第1起立機構5が協働して防水板4をバランスよく起立させることができる。また、起立位置において防水板4に水圧が加わっても、左右の第1起立機構5が水圧を受け止めるので、防水板4が倒伏方向に押し戻されて防水効果が失われるおそれもない。しかも、シリンダロッド511はねじ送り機構により伸長するため、モータ512が停止すると最大伸長位置に保持され、防水板4が倒伏方向に押し戻されるおそれは更に小さくなる。なお、モータ512の停止条件を、シリンダロッド511のストロ-ク以外でもよく、例えば、シリンダロッド511に作用する荷重や防水板4と柱2との当接によるものであってもよい。
また、シリンダロッド511の先端がアーム52の左右方向の中央部に枢着されているので、シリンダロッド511によりアーム52を上向きに回動させる際、電動シリンダ51の推力がアーム52の起立方向に効率よく直接伝達され、緊急時に電動シリンダ51やアーム52の動作に不具合を発生させることなく防水板4を確実に起立させることができる。アーム52の長さ方向の一端はケース3に枢着され、他端には転動ローラ15が枢支され、中間部にシリンダロッド511の先端が枢着されているので、アーム52の一端と他端との距離が大となり、従って、防水板4の重量や水圧をアーム52により確実に受けることができる。
図9(d)の拡大図で示すように、防水板4が起立位置まで回動すると、転動ローラ15がレール部材18の段部18cに落ち込む。これにより、防水板4の重量及び防水板4に作用する水圧による力はアーム52の前後方向の成分は小さくかつ上下方向の成分を主体として受けることができ、簡素な構成の第1起立機構5により水圧に抗して防水板4を起立状態に確実に維持することができる。その結果、電動シリンダ51にアーム52から作用する力は小さくなるとともに、防水効果に優れる信頼性の高い防水板装置1を提供することができる。しかも、段部18cは、突出寸法の大きな案内面18bの終端に形成されているので、段部18cを深くすることができ、転動ローラ15が段部18cから不意に外れるのを防止できる。また、従来のように、シリンダロッドの突っ張り力によって防水板4を起立状態に維持する構成ではないので、小型の電動シリンダ51を使用してコンパクトな起立機構5を構成することができる。
防水板4を倒伏位置に復帰させるには、制御装置を操作して電動シリンダ51のモータ512を逆回転させる。すると、図10(b)の拡大図に示すように、それまで段部18cに位置していた転動ローラ15が、モータ512の作動直後におけるシリンダロッド511の縮退動作とアーム52の後方への回動により、上方に移動して段部18cから離脱する。アーム52がさらに後方に回動すると、転動ローラ15はガード部材19の規制部19cに当接し、防水板4が規制部19cを介して倒伏方向に押動される。これにより、応答よく防水板4の倒伏動作が開始される。この際、段部18cは案内面18bと鈍角に交わる面とされているので、防水板4の倒伏動作時に転動ローラ15がスムーズに段部18cより離脱する。この倒伏動作により防水板4は自重により後方に倒れ転動ローラ15は規制部19cから離れ案内面18bに当接する。
図10(b)の状態からシリンダロッド511がさらに縮退すると、図11(c)に示すように、アーム52がさらに下向きに回動し、転動ローラ15が案内面18bに沿って上方に相対移動することにより、防水板4は徐々に倒伏方向に回動する。そして、シリンダロッド511が最小ストローク位置まで縮退すると、モータ512が自動的に停止し、防水板4は図11(d)に示すように倒伏位置まで回動して停止する。この際、制御装置によりシリンダロッド511が最小ストローク位置で停止するため、アーム52の下向きの最大回動量を規制するストッパ機構等は必要なく、転動ローラ15が枢支されている連結軸522等が電動シリンダ51と干渉することもない。
アーム52は、左右方向に対向する一対の側板部材521よりなっているので、防水板4の倒伏時において一対の側板部材521間に電動シリンダ51におけるシリンダ部材510の少なくとも一部が入りこむので、倒伏状態においてアーム52とシリンダ部材510とが干渉することがなく、第1起立機構5の高さを低くすることができる。
以上説明したように、通常時においては、電気を駆動源として作動する第1起立機構5によって防水板4を起立させることができるが、万が一、電力供給が停止されたり、第1起立機構5に不具合が生じて正常に作動しなかったりした場合には、図12に示すように、第2起立機構6を作動させて防水板4を起立させることができる。この場合には、可搬式の手動油圧ポンプまたはバッテリを内蔵した可搬式の電動油圧ポンプ(いずれも図示略)の油圧ホースを油圧シリンダ61に接続して第2起立機構6を作動させる。油圧ホースは、ケース3の後端部のカバープレート10を取り外し、開口9を介して油圧シリンダ61に接続することができる。
図12(a)の倒伏状態において油圧シリンダ61内の突出側の油室に圧油が供給されると、シリンダロッド611が前方に突出し、アーム62が一端部を中心として上向きに回動する。シリンダロッド611が最大ストローク位置まで前方に突出すると、図12(b)に示すように、アーム62の他端部の転動ローラ15により防水板4が起立位置まで押し上げられ、出入口が閉塞される。なお、レール部材18の段部18cの作用やガード部材19の規制部19c等の作用は、第1起立機構5と同一であり、また、第2起立機構6の効果等も第1起立機構5とほぼ同じであるので、それらの詳細な説明は省略する。
防水板4が倒伏位置にあるとき、第1起立機構5の転動ローラ15は案内面18bと規制部19cとの間に位置しないようになっているので、第2起立機構6を作動させる場合でも、第1起立機構5のアーム52が転動ローラ15を介して起立させられることはなく、第2起立機構6による起立動作の負荷にはならない。
防水板4を倒伏位置に復帰させるには、油圧シリンダ61内の戻り側の油室に圧油を供給し、シリンダロッド611を縮退させればよい。シリンダロッド611が最小ストローク位置まで縮退し、防水板4が倒伏すると、シリンダロッド611はその位置で停止するので、アーム62の下向きの最大回動量を規制するストッパ機構等は必要なく、転動ローラ15が枢支されている連結軸622等が油圧シリンダ61と干渉することもない。
このように、電力供給の停止等により第1起立機構5が正常に作動しなかった場合には、電気以外の油圧ポンプで作動する第2起立機構6により防水板4を起立させることができるため、防水が必要な状況下において確実に防水板4を起立させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、左右一対の第1起立機構5と第2起立機構6とを有するものとしたが、第2起立機構6は本発明に直接関係しないため省略してもよい。
また、前記実施例では、左右一対の第1起立機構5を有するものとしたが、一つの起立機構を左右方向の中央部に設置してもよい。
さらに、前記実施例では、第1起立機構5のアクチュエータに電動シリンダ51を使用しているが、油圧または空気圧により作動する流体圧シリンダを使用することもできる。
1 防水板装置
2 柱
3 ケース(ベース)
4 防水板
5 第1起立機構
6 第2起立機構
7 補強材
7a 縦補強材
8 ヒンジ機構
9 開口
10 カバープレート
11 ストッパ杆
12 枠部材
13 シリンダブラケット
13a 起立片
14 枢軸
15 転動ローラ(移動端部)
16 アームブラケット
16a 起立片
17 取付孔
18 レール部材
18a 外向きフランジ部
18b 案内面
18c 段部
19 ガード部材
19a 外向きフランジ部
19b 側壁部
19c 規制部
20 取付基板
21 ボルト
51 電動シリンダ(アクチュエータ)
52 アーム
61 油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
62 アーム
510 シリンダ部材
511 シリンダロッド
512 モータ
513 シリンダ
521 側板部材
522 連結軸
610 シリンダ部材
611 シリンダロッド
613 シリンダ
621 側板部材
622 連結軸
F 床面

Claims (3)

  1. ベースに倒伏位置と起立位置との間を上下に回動可能に枢着された防水板と、該防水板を前記起立位置まで押し上げる起立機構とを備える防水板装置であって、
    前記起立機構は、一端が前記ベースに枢着された、前後方向に伸長するシリンダ部材と前記シリンダ部材の先端に回動可能に連結されたアームとを備え、
    前記アームの長手方向の一端は前記ベースに回動可能に枢着され、他端には前記防水板の裏面に形成された案内面に沿って相対移動する移動端部を有し、前記案内面の終端には、前記防水板が前記起立位置まで回動したとき前記移動端部が落ち込む段部が形成されており、
    前記案内面は、始端から終端方向に向けて、前記防水板の裏面方向に徐々に突出する傾斜面となっており、該傾斜面の終端に前記段部が連続して形成されていることを特徴とする防水板装置。
  2. 前記移動端部は、前記アームの他端の左右方向に延びる軸に枢支された転動ローラであり、前記傾斜面と鈍角に交わる面により前記段部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防水板装置。
  3. 前記防水板の裏面には、前記案内面の裏面方向に離間するとともに該案内面に沿って延びる前記移動端部の規制部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の防水板装置。
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