(発明の詳細な説明)
(定義)
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の専門家によって一般的に理解される意味を有する。本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下でそれに帰せられる意味を有する。
ガンマデルタ(γδ) T細胞は、その表面に、特徴のある決定的T細胞受容体(TCR)を発現するT細胞の小さいサブセットに相当する。このTCRは、1つのガンマ(γ)鎖と1つのデルタ(δ)鎖から構成される。各々の鎖は、可変(V)領域、定常(C)領域、膜貫通領域、及び細胞質テールを含有する。V領域は、抗原結合部位を含有する。ヒトγδ T細胞の2つの主なサブタイプ:末梢血で優勢であるもの及び非造血組織で優勢であるものが存在する。この2つのサブタイプは、細胞上に存在するδ及び/又はγのタイプによって定義することができる。例えば、末梢血で優勢であるγδ T細胞は、主にデルタ可変2鎖(Vδ2)を発現する。非造血組織で優勢である(すなわち、組織常在性である)γδ T細胞は、主に、デルタ可変1(Vδ1)鎖を発現する。「Vδ1 T細胞」に対する言及は、Vδ1鎖を有するγδ T細胞、すなわち、Vδ1+ T細胞を指す。
「デルタ可変1」に対する言及をVδ1又はVd1と称することができ、一方、この領域を含有するTCR鎖をコードするヌクレオチドを「TRDV1」と称することができる。γδ TCRのVδ1鎖と相互作用する抗体又はその断片は全て、事実上、Vδ1に結合する抗体又はその断片であり、「抗TCRデルタ可変1抗体もしくはその断片」又は「抗Vδ1抗体もしくはその断片」と称することができる。
さらなる言及を「デルタ可変2」鎖などの他のデルタ鎖に対して本明細書で行うこともできる。これらを同様の方法で称することができる。例えば、デルタ可変2鎖をVδ2と称することができ、一方、この領域を含有するTCR鎖をコードするヌクレオチドを「TRDV2」と称することができる。好ましい実施態様において、γδ TCRのVδ1鎖と相互作用する抗体又はその断片は、Vδ2などの他のデルタ鎖と相互作用しない。
「ガンマ可変鎖」に対する言及を本明細書で行うこともできる。これらをγ-鎖又はVγと称することができ、一方、この領域を含有するTCR鎖をコードするヌクレオチドをTRGVと称することができる。例えば、TRGV4は、Vγ4鎖を指す。好ましい実施態様において、γδ TCRのVδ1鎖と相互作用する抗体又はその断片は、Vγ4などのガンマ鎖と相互作用しない。
「抗体」という用語は、少なくとも1つの抗原結合部位(ABS)を含む少なくとも1つの抗体可変ドメインを含む任意の抗体タンパク質コンストラクトを含む。抗体としては、タイプIgA、IgG、IgE、IgD、IgM(及びこれらのサブタイプ)の免疫グロブリンが挙げられるが、これらに限定されない。2つの同一の重(H)鎖ポリペプチドと2つの同一の軽(L)鎖ポリペプチドから組み立てられた免疫グロブリンG(IgG)抗体の全体的な構造は十分に確立されており、哺乳動物で高度に保存されている(Padlanの文献(1994) Mol. Immunol. 31:169-217)。
従来の抗体又は免疫グロブリン(Ig)は、4つのポリペプチド鎖: 2つの重(H)鎖と2つの軽(L)鎖を含むタンパク質である。各々の鎖は、定常領域と可変ドメインに分けられる。重(H)鎖可変ドメインは、本明細書でVHと略され、軽(L)鎖可変ドメインは本明細書でVLと略される。これらのドメイン、それに関連するドメイン、及びそれに由来するドメインは、本明細書で免疫グロブリン鎖可変ドメインと称することができる。VH及びVLドメイン(VH及びVL領域とも称する)は、「フレームワーク領域」(「FR」)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、「相補性決定領域」(「CDR」)と呼ばれる領域にさらに分けることができる。フレームワーク及び相補性決定領域は、厳密に定義されている(Kabatらの文献、免疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、第5版、U.S. Department of Health and Human Services(1991) NIH Publication Number 91-3242)。CDR配列の別の付番慣例、例えば、Chothiaらの文献(1989) Nature 342: 877-883で提示されているものも存在する。従来の抗体において、各々のVH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序で配置された3つのCDRと4つのFR: FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4から構成される。2つの重免疫グロブリン鎖及び2つの軽免疫グロブリン鎖の従来の抗体四量体は、例えば、ジスルフィド結合によって相互接続され、かつ重鎖も同様に接続された、重免疫グロブリン鎖及び軽免疫グロブリン鎖を用いて形成される。重鎖定常領域は、CH1、CH2、及びCH3という3つのドメインを含む。軽鎖定常領域は、CLという1つのドメインから構成される。重鎖の可変ドメイン及び軽鎖の可変ドメインは、抗原と相互作用する結合ドメインである。抗体の定常領域は、通常、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第一成分(C1q)を含む、宿主組織又は因子への抗体の結合を媒介する。
本明細書で使用される抗体の断片(これは、「抗体断片」、「免疫グロブリン断片」、「抗原結合断片」、又は「抗原結合ポリペプチド」と称することもできる)は、標的に特異的に結合する抗体の部分(又は該部分を含有するコンストラクト)、γδ T細胞受容体のデルタ可変1(Vδ1)鎖(例えば、1以上の免疫グロブリン鎖が完全長ではないが、標的に特異的に結合する分子)を指す。抗体断片という用語に包含される結合断片の例としては:
(i)Fab断片(VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、及びCH1ドメインからなる一価断片);
(ii)F(ab')2断片(ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片からなる二価断片);
(iii)Fd断片(VHドメイン及びCH1ドメインからなる);
(iv)Fv断片(抗体の単一アームのVLドメイン及びVHドメインからなる);
(v)単鎖可変断片、scFv(組換え法を用いて、それらがVL領域とVH領域が対になって一価分子を形成する単一のタンパク質鎖として作られるのを可能にする合成リンカーによって接続された、VLドメイン及びVHドメインからなる);
(vi)VH(VHドメインからなる免疫グロブリン鎖可変ドメイン);
(vii)VL(VLドメインからなる免疫グロブリン鎖可変ドメイン);
(viii)ドメイン抗体(VHドメイン又はVLドメインのいずれかからなるdAb);
(ix)ミニボディ(CH3ドメインを介して連結されているscFv断片の対からなる);並びに
(x)ダイアボディ(ある抗体由来のVHドメインが小さいペプチドリンカーによって別の抗体由来のVLドメインに接続されたものからなるscFv断片の非共有結合的二量体からなる)
が挙げられる。
「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域及び定常領域を有する抗体を指す。該ヒト抗体を投与されたヒト対象は、該抗体内に含まれる一級アミノ酸に対する交差種抗体応答(例えば、HAMA応答-ヒト抗マウス抗体と呼ばれる)を発生させない。該ヒト抗体は、例えば、CDR、特に、CDR3に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、ランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によるか又は体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る。しかしながら、この用語は、別の哺乳動物種、例えば、マウスの生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植されている抗体を含むことが意図されない。組換え手段によって調製、発現、作出、又は単離されるヒト抗体、例えば、宿主細胞に移入された組換え発現ベクターを用いて発現される抗体、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離される抗体、又は他のDNA配列へのヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを伴う任意の他の手段によって調製、発現、作出、もしくは単離される抗体も「組換えヒト抗体」と称することができる。
非ヒト免疫グロブリン可変ドメインのフレームワーク領域中の少なくとも1つのアミノ酸残基をヒト可変ドメイン由来の対応する残基と置き換えることを「ヒト化」と呼ぶ。可変ドメインのヒト化は、ヒトにおける免疫原性を低下させることができる。
「特異性」は、特定の抗体又はその断片が結合することができる異なるタイプの抗原又は抗原性決定基の数を指す。抗体の特異性とは、特定の抗原を独特の分子実体として認識し、それを別のものと区別する抗体の能力である。抗原又はエピトープに「特異的に結合する」抗体とは、当技術分野で十分に理解されている用語である。分子は、それが、別の標的と反応するよりも高い頻度で、迅速に、長い期間、かつ/又は大きい親和性で特定の標的抗原又はエピトープと反応する場合、「特異的結合」を示すと言われる。抗体は、それが他の物質に結合するよりも大きい親和性、結合力で、迅速に、かつ/又は長い期間結合する場合、標的抗原又はエピトープに「特異的に結合する」。
抗原と抗原結合ポリペプチドとの解離の平衡定数(KD)によって表される「親和性」は、抗原性決定基と抗体(又はその断片)上の抗原結合部位との間の結合強度の尺度であり: KDの値が小さいほど、抗原性決定基と抗原結合ポリペプチドとの間の結合強度は大きい。或いは、親和性は、1/KDである親和性定数(KA)と表すこともできる。親和性は、対象となる特異的抗原に応じて、既知の方法によって決定することができる。
10-6未満の任意のKD値は、結合を示すと考えられる。抗原又は抗原性決定基に対する抗体又はその断片の特異的結合は、例えば、スキャッチャード解析及び/又は競合結合アッセイ、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA)、及びサンドイッチ競合アッセイ、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、又は分光法(例えば、蛍光アッセイを使用)、並びに当技術分野で公知のこれらの様々な変法を含む、任意の好適な公知の方法で決定することができる。
「結合力」は、抗体又はその断片と関連抗原との間の結合強度の尺度である。結合力は、抗原性決定基と抗体上のその抗原結合部位との間の親和性と抗体上の関連結合部位の数の両方に関連する。
「ヒト組織Vδ1+細胞」及び「造血及び血液Vδ1+細胞」及び「腫瘍浸潤リンパ球(TIL) Vδ1+細胞」は、それぞれ、ヒト組織もしくは造血系もしくはヒト腫瘍に含まれるか又はこれらに由来するVδ1+細胞と定義される。該細胞型は全て、その(i)位置又はそれがどこに由来するかということ、及び(ii)そのVδ1+ TCRの発現によって特定することができる。
「調節抗体」は、限定されないが、該抗体が結合する標的を発現する細胞に接触もしくは結合したときの、細胞周期及び/又は細胞数、及び/又は細胞生存率、及び/又は1以上の細胞表面マーカー、及び/又は1以上の分泌分子(例えば、サイトカイン、ケモカイン、ロイコトリエンなど)の分泌、及び/又は機能(例えば、標的細胞もしくは疾患細胞に対する細胞傷害性)の測定可能な変化を含む、測定可能な変化を付与する抗体である。
細胞又はその集団を「調節する」方法は、該細胞(単数)もしくは細胞(複数)、そこからの分泌の少なくとも1つの測定可能な変化を誘発して、1以上の「調節された細胞」を作製する方法を指す。
「免疫応答」は、調節抗体を添加したときの、免疫系の少なくとも1つの細胞、又は1つの細胞型、又は1つの内分泌経路、又は1つの外分泌経路の測定可能な変化(限定されないが、細胞媒介性応答、液性応答、サイトカイン応答、ケモカイン応答を含む)である。
「免疫細胞」は、限定されないが、CD34+細胞、B細胞、CD45+(リンパ球共通抗原)細胞、アルファ-ベータT細胞、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、形質細胞、好中球、単球、マクロファージ、赤血球、血小板、樹状細胞、食細胞、顆粒球、自然リンパ球細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びガンマデルタT細胞を含む、免疫系の細胞と定義される。通常、免疫細胞を特定又はグループ化又はクラスター化するためのコンビナトリアル細胞表面分子解析(例えば、フローサイトメトリーによる)を用いて分類して、免疫細胞を亜集団へと区別する。その後、さらなる解析によって、これらをさらにそれ以上に細別することができる。例えば、CD45+リンパ球をvδ陽性集団及びvδ陰性集団へとさらに細別することができる。
「モデル系」は、抗体又はその断片などの薬物が疾患の兆候又は症状の改善における薬剤としていかに機能し得るかということの理解を助けるように設計された生物学的モデル又は生物学的説明である。そのようなモデルは、通常、インビトロ、エクスビボ、及びインビボの疾患細胞、非疾患細胞、健常細胞、エフェクター細胞、及び組織など、並びに該薬剤の性能が研究及び比較されるものの使用を含む。
「疾患細胞」は、癌、感染症、例えば、ウイルス感染症、又は炎症性疾病もしくは炎症性疾患などの疾患の進行と関連する表現型を示す。例えば、疾患細胞は、腫瘍細胞、自己免疫組織細胞、又はウイルス感染細胞であり得る。したがって、該疾患細胞は、腫瘍性、ウイルス感染性、又は炎症性と定義し得る。
「健常細胞」は、罹患していない正常細胞を指す。これは、「正常」又は「非疾患」細胞と称することもできる。非疾患細胞には、非癌性又は非感染性又は非炎症性細胞が含まれる。該細胞は、薬剤によって付与される疾患細胞特異性を決定し、かつ/又は薬剤の治療指数をより良く理解するために、関連疾患細胞とともに利用されることが多い。
「疾患細胞特異性」は、エフェクター細胞又はその集団(例えば、Vδ1+細胞の集団など)が、非疾患又は健常細胞を温存しながら、癌細胞などの疾患細胞をいかに効果的に識別及び殺傷するかということの尺度である。この潜在性は、モデル系で測定することができ、エフェクター細胞又はエフェクター細胞の集団が疾患細胞を選択的に殺傷し又は溶解させる傾向を、該エフェクター細胞が非疾患又は健常細胞を殺傷し又は溶解させる潜在性と比較することを伴い得る。該疾患細胞特異性は、薬剤の潜在的な治療指数を知らせることができる。
「増強された疾患細胞特異性」は、例えば、疾患細胞を特異的に殺傷するその能力をさらに増大させるように調節されているVδ1+細胞又はその集団などのエフェクター細胞の表現型を説明している。この増強は、疾患細胞殺傷特異性又は選択性における倍率変化、又はパーセンテージ増加を含む、種々の方法で測定することができる。
好適には、本発明の抗体又はその断片(すなわち、ポリペプチド)は単離されている。「単離された」ポリペプチドは、そのもとの環境から取り出されているポリペプチドである。「単離された」という用語を用いて、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指すことができる(例えば、Vδ1又はその断片に特異的に結合する単離された抗体は、Vδ1以外の抗原に結合する抗体を実質的に含まない)。「単離された」という用語を用いて、単離された抗体が、医薬組成物の活性成分として製剤化された場合に治療的に投与されるのに十分に純粋であるか、又は少なくとも70~80%(w/w)純粋、より好ましくは、少なくとも80~90%(w/w)純粋、さらにより好ましくは、90~95%純粋;及び最も好ましくは、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%(w/w)純粋である調製物を指すこともできる。
好適には、本発明で使用されるポリヌクレオチドは単離されている。「単離された」ポリヌクレオチドは、そのもとの環境から取り出されているポリヌクレオチドである。例えば、天然に存在するポリヌクレオチドは、自然系の共存する材料の一部又は全てから分離されている場合、単離されている。ポリヌクレオチドは、例えば、それがその自然の環境の一部ではないベクターにクローニングされているか、又はそれがcDNAに含まれる場合、単離されていると考えられる。
抗体又はその断片は、天然に存在するアレル変異体、及び突然変異体又は任意の他の天然に存在しない変異体も含む、「機能的に活性のある変異体」であってもよい。当技術分野で公知であるように、アレル変異体は、ポリペプチドの生物学的機能を本質的には変化させない1以上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を有すると特徴付けられる別の形態の(ポリ)ペプチドである。非限定的な例として、該機能的に活性のある変異体は、CDRを含有するフレームワークが修飾された場合、CDRそれ自体が修飾された場合、該CDRが別のフレームワークに移植された場合、又はN-もしくはC-末端伸張が組み込まれた場合に依然として機能することができる。さらに、CDR含有結合ドメインは、異なるパートナー鎖、例えば、別の抗体と共有されている鎖と対にすることができる。いわゆる、「共通」軽鎖又は「共通」重鎖と共有したとき、該結合ドメインは、それでも機能することができる。さらに、該結合ドメインは、多量体化したときに機能することができる。さらに、「抗体又はその断片」は、VH又はVL又は定常ドメインが(例えば、IMGT.orgに掲載されている)異なる標準配列から遠ざかるように又はそれに近づくように改変されており、かつそれでも機能する機能的変異体を含むこともできる。
2つの密接に関連するポリペプチド配列を比較するために、第一のポリペプチド配列と第二のポリペプチド配列の間の「%配列同一性」を、ポリペプチド配列(BLASTP)の標準的な設定を使用するNCBI BLAST v2.0を用いて計算することができる。2つの密接に関連するポリヌクレオチド配列を比較するために、第一のヌクレオチド配列と第二のヌクレオチド配列の間の「%配列同一性」を、ヌクレオチド配列の標準的な設定を使用するNCBI BLAST v2.0を用いて計算することができる(BLASTN)。
ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列は、それらがその全長にわたって100%配列同一性を共有する場合、他のポリペプチド又はポリヌクレオチド配列と同じ又は「同一」と言われる。配列中の残基は、左から右に、すなわち、ポリペプチドのN-末端からC-末端へと;ポリヌクレオチドの5'末端から3'末端へと付番される。
配列間の「相違」は、第一の配列と比較した第二の配列の位置における単一のアミノ酸残基の挿入、欠失、又は置換を指す。2つのポリペプチド配列は、1つ、2つ、又はそれより多くのそのようなアミノ酸の相違を含有することができる。それがなければ第一の配列と同一(100%配列同一性)である第二の配列における挿入、欠失、又は置換は、%配列同一性の低下を生じさせる。例えば、同一の配列が9アミノ酸残基の長さである場合、第二の配列における1つの置換は、88.9%の配列同一性を生じさせる。第一及び第二のポリペプチド配列が9アミノ酸残基の長さで、かつ6つの同一の残基を共有する場合、第一及び第二のポリペプチド配列は、66%を超える同一性を共有する(第一及び第二のポリペプチド配列は、66.7%の同一性を共有する)。
或いは、第一の参照ポリペプチド配列と第二の比較ポリペプチド配列を比較する目的で、第二の配列を生じさせるために第一の配列に対してなされた付加、置換、及び/又は欠失の数を確認することができる。「付加」は、第一のポリペプチドの配列への1つのアミノ酸残基の付加(第一のポリペプチドのいずれかの末端における付加を含む)である。「置換」は、第一のポリペプチド配列中の1つのアミノ酸残基と1つの異なるアミノ酸残基との置換である。該置換は、保存的であっても非保存的であってもよい。「欠失」は、第一のポリペプチドの配列からの1つのアミノ酸残基の欠失(第一のポリペプチドのいずれかの末端における欠失を含む)である。
「保存的」アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似の化学構造の別のアミノ酸残基と置換され、かつポリペプチドの機能、活性、又は他の生物学的特性にほとんど影響を及ぼさないと考えられるアミノ酸置換である。そのような保存的置換は、好適には、以下のグループ内の1つのアミノ酸が同じグループ内からの別のアミノ酸残基によって置換されている置換である:
好適には、疎水性アミノ酸残基は、非極性アミノ酸である。より好適には、疎水性アミノ酸残基は、V、I、L、M、F、W、又はCから選択される。
本明細書で使用される場合、ポリペプチド配列の付番及並びにCDR及びFRの定義は、Kabat体系に従って定義されている通りである(引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Kabatらの文献、1991)。第一のポリペプチド配列と第二のポリペプチド配列の間の「対応する」アミノ酸残基は、Kabat体系に従って第二の配列中のアミノ酸残基と同じ位置を共有し、その一方で、第二の配列中のアミノ酸残基が第一のものと内容が異なり得る第一の配列中のアミノ酸残基である。好適に対応する残基は、フレームワーク及びCDRがKabat定義に従って同じ長さである場合、同じ番号(及び文字)を共有することになる。アラインメントは、手作業で、又は例えば、標準的な設定を用いる配列アラインメント用の既知のコンピュータアルゴリズム、例えば、NCBI BLAST v2.0(BLASTPもしくはBLASTN)を使用することにより達成することができる。
「エピトープ」に対する本明細書中の言及は、抗体又はその断片によって特異的に結合される標的の部分を指す。エピトープは、「抗原性決定基」と称することもできる。両方が同一の又は立体的に重複するエピトープを認識する場合、抗体は、別の抗体と「本質的に同じエピトープ」に結合する。2つの抗体が同一の又は重複するエピトープに結合するかどうかを決定するために一般的に使用される方法は、標識抗原又は標識抗体のいずれかを用いる、いくつかの異なるフォーマット(例えば、放射性標識もしくは酵素標識を用いるウェルプレート、又は抗原発現細胞に対するフローサイトメトリー)で構成されることができる競合アッセイである。
タンパク質標的上に見られるエピトープは、「線状エピトープ」又は「立体構造エピトープ」と定義することができる。線状エピトープは、タンパク質抗原中の連続するアミノ酸配列によって形成される。立体構造エピトープは、タンパク質配列中で不連続であるが、タンパク質がフォールディングしたとき、一体化して、その三次元構造体になるアミノ酸から形成される。
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を指すことが意図される。1つのタイプのベクターは、さらなるDNAセグメントをライゲーションすることができる環状二本鎖DNAループを指す「プラスミド」である。別のタイプのベクターは、さらなるDNAセグメントをウイルスゲノム中にライゲーションすることができるウイルスベクターである。ある種のベクターは、それが導入される宿主細胞内で自律複製することができる(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクター並びにエピソーム性の哺乳動物及び酵母ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性の哺乳動物ベクター)は、宿主細胞内に導入されたとき、宿主細胞のゲノムに組み込まれることができ、それにより、宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、ある種のベクターは、それが機能的に連結されている遺伝子の発現を導くことができる。そのようなベクターは、本明細書において、「組換え発現ベクター」(又は単に、「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技法において有用な発現ベクターは、プラスミドの形態であることが多い。プラスミドは、ベクターの形態で使用されることが最も多いので、本明細書において、「プラスミド」と「ベクター」は、互換的に使用することができる。しかしながら、本発明は、そのような他の形態の発現ベクター、例えば、同等の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)を含み、かつバクテリオファージ及びファージミド系をも含むことが意図される。本明細書で使用される「組換え宿主細胞」(又は単に、「宿主細胞」)という用語は、組換え発現ベクターが導入されている細胞を指すことが意図される。そのような用語は、特定の対象細胞だけでなく、例えば、そのような細胞の子孫が、後に、本明細書に記載される抗体又はその断片を製造するために、任意に保存、提供、販売、輸送、又は利用される細胞株又は細胞バンクを作るために使用される場合、該子孫も指すことが意図される。
「対象」、「患者」、又は「個体」に対する言及は、治療されることになる対象、特に、哺乳動物対象を指す。哺乳動物対象には、ヒト、非ヒト霊長類、家畜(例えば、ウシ)、競技用動物、又は愛玩動物、例えば、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、もしくはマウスが含まれる。いくつかの実施態様において、対象は、ヒトである。代わりの実施態様において、対象は、非ヒト哺乳動物、例えば、マウスである。
「十分量」という用語は、所望の効果をもたらすのに十分な量を意味する。「治療有効量」という用語は、疾患又は障害の症状を改善するのに有効である量である。予防を治療法とみなすことができる場合、治療有効量は、「予防有効量」であることができる。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、本明細書で使用されるとき、指定された値よりも最大10%(10%を含む)大きい値及び指定された値よりも最大10%(10%を含む)小さい値、好適には、指定された値よりも最大5%(5%を含む)大きい値及び指定された値よりも最大5%(5%を含む)小さい値、特に、指定された値を含む。「の間」という用語は、指定された範囲の値を含む。
疾患もしくは障害の兆候もしくは症状の重症度、そのような兆候もしくは症状が対象によって経験される頻度、又はその両方が軽減されている場合、該疾患又は障害は「改善されている」。
本明細書で使用される場合、「疾患又は障害を治療すること」は、対象によって経験される疾患又は障害の少なくとも1つの兆候又は症状の頻度及び/又は重症度を軽減することを意味する。
本明細書で使用される「癌」は、細胞の異常な成長又は分裂を指す。通常、癌細胞の成長及び/又は寿命は、その周辺の正常な細胞及び組織の成長及び/又は寿命を超過し、かつそれと調和しない。癌は、良性、前悪性、又は悪性であり得る。癌は、口腔(例えば、口、舌、咽頭など)、消化器系(例えば、食道、胃、小腸、結腸、直腸、肝臓、胆管、胆嚢、膵臓など)、呼吸器系(例えば、喉頭、肺、気管支など)、骨、関節、皮膚(例えば、基底細胞、扁平細胞、髄膜腫など)、胸部、生殖系(例えば、子宮、卵巣、前立腺、精巣など)、尿路系(例えば、膀胱、腎臓、尿管など)、目、神経系(例えば、脳など)、内分泌系(例えば、甲状腺など)、及び造血系(例えば、リンパ腫、骨髄腫、白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病など)を含む、種々の細胞及び組織で生じる。
(γδ T細胞を調節する方法)
本発明の第一の態様によれば、デルタ可変1鎖(Vδ1) T細胞を調節するエクスビボ法であって、本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片をVδ1 T細胞を含む細胞集団に投与することを含む、エクスビボ法が提供される。抗体又はその断片を「投与すること」は、Vδ1 T細胞と「接触させること」を含むことが理解されるであろう。
Vδ1 T細胞の調節は:
-例えば、Vδ1 T細胞の数の選択的増大又はVδ1 T細胞の生存の促進によるVδ1 T細胞の拡大;
-例えば、Vδ1 T細胞強度の増大、すなわち、標的細胞殺傷の増大によるVδ1 T細胞の刺激;
-例えば、Vδ1 T細胞の持続性の増大によるVδ1 T細胞消耗の防止;
-Vδ1 T細胞の脱顆粒;
-例えば、Vδ1 TCR細胞表面発現の下方調節による、すなわち、Vδ1 TCR内在化もしくはVδ1 TCR タンパク質の発現の低下を引き起こすこと又はVδ1 TCRの結合を遮断することによるVδ1 T細胞の免疫抑制;
-例えば、Vδ1 T細胞増殖の阻害によるか又はVδ1 T細胞死(すなわち、Vδ1 T細胞の殺傷)の低下によるVδ1 T細胞数の低下
を含み得る。
Vδ1 T細胞のそのような調節には、例えば、Vδ1 T細胞活性化又はVδ1 T細胞阻害が含まれ得る。一実施態様において、Vδ1 T細胞は、本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片を投与することにより活性化される。代わりの実施態様において、Vδ1 T細胞は、本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片を投与することにより阻害される。代わりの実施態様において、Vδ1 T細胞は、患者への本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片の投与によって阻害されない。
一実施態様において、Vδ1 T細胞の調節は、抗TCRデルタ1可変抗体又はその断片を培養物中の(すなわち、インビトロ又はエクスビボの)Vδ1 T細胞に投与することを含む。Vδ1 T細胞は、混合細胞集団に、例えば、他のリンパ球細胞型(例えば、αβ T細胞又はNK細胞)を含む細胞集団に存在し得る。
一実施態様において、Vδ1 T細胞を含む細胞集団は、抗Vδ1抗体又はその断片の投与前に単離される(すなわち、本明細書に記載される試料から)。さらなる実施態様において、該細胞集団は、抗Vδ1抗体又はその断片の投与前に、T細胞について濃縮される。またさらなる実施態様において、該細胞集団は、抗Vδ1抗体又はその断片の投与前に、γδ T細胞について濃縮される。
本方法は、純化されたγδ T細胞の画分を含む細胞集団に対して実施されることもできる。そのような実施態様において、該細胞集団から、抗Vδ1抗体又はその断片の投与前に、試料中に存在するγδ T細胞以外の細胞型、例えば、αβ T細胞及び/又はNK細胞が除去される。該細胞集団は、それに加えて又はその代わりに、抗Vδ1抗体又はその断片の投与前に、Vδ1を含有し得る細胞型、例えば、T細胞及び/又はγδ細胞について濃縮することができる。例えば、試料を培養する前に、試料をT細胞について濃縮するか又はγδ T細胞について濃縮するか又は試料からαβ T細胞を除去するか又は非γδ T細胞を除去することができる。一実施態様において、最初に、試料からαβ T細胞を除去し、その後、CD3+細胞について濃縮する。濃縮又は除去は、当技術分野で公知の技法を用いて、例えば、濃縮/除去されることになる表現型に関連する細胞表面上の分子に結合する抗体がコーティングされた磁気ビーズを用いて達成することができる。
細胞培養物中のリンパ球以外の細胞型の存在は、Vδ1細胞拡大を阻害し得る。そのような細胞、例えば、間質、上皮、腫瘍、及び/又はフィーダー細胞は、培養前に除去することができる。したがって、一実施態様において、細胞集団は、培養時に間質細胞と直接接触しない。間質細胞の例としては、線維芽細胞、周皮細胞、間葉系細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、及び非造血腫瘍細胞が挙げられる。好ましくは、リンパ球は、培養時に線維芽細胞と直接接触しない。一実施態様において、細胞集団は、培養時に上皮細胞と直接接触しない。一実施態様において、細胞集団は、培養時に腫瘍細胞及び/又はフィーダー細胞と直接接触しない。
一実施態様において、本方法は、実質的な間質細胞接触の非存在下でVδ1 T細胞を培養することを含む。さらなる実施態様において、本方法は、実質的な線維芽細胞接触の非存在下でVδ1 T細胞を培養することを含む。
一実施態様において、本方法は、血清が実質的に含まれない培地(例えば、無血清培地又は血清代替品(SR)を含有する培地)中でVδ1 T細胞を培養することを含む。したがって、一実施態様において、本方法は、無血清培地中で培養することを含む。そのような無血清培地としては、ヒト又は動物由来血清の使用を回避するために、血清代替品が化学的に規定された成分に基づいている、血清代替培地を挙げることもできる。代わりの実施態様において、本方法は、血清(例えば、ヒトAB血清又は胎仔ウシ血清(FBS))を含有する培地中で培養することを含む。一実施態様において、培地は、血清代替品を含有する。一実施態様において、培地は、動物由来製品を含有しない。
無血清培地中で培養された試料は、血清の濾過、沈殿、汚染、及び供給に関する問題を回避するという利点を有することが理解されるであろう。さらに、動物由来製品は、ヒト治療薬の臨床グレードの製造における使用には好まれない。細胞、特に、Vδ1 T細胞に対する無血清培地の使用は、AB血清を含有する培地の使用と比較して、試料から得られる細胞の数を大幅に増加させる。
一実施態様において、抗Vδ1抗体又はその断片は、可溶性又は固定化された形態である。例えば、該抗体又はその断片は、可溶性形態でVδ1 T細胞に投与することができる。或いは、該抗体又はその断片は、該抗体又はその断片がビーズ又はプレートなどの表面に結合又は共有結合されている(すなわち、固定化された形態にある)とき、Vδ1 T細胞に投与することができる。一実施態様において、該抗体は、Fcコーティングされたウェルなどの表面に固定化される。或いは、該抗体又はその断片は、細胞の表面に結合される(例えば、抗原提示細胞(APC)の表面に固定化される)。別の実施態様において、該抗体は、細胞集団が該抗体と接触しているとき、表面に固定化されない。
抗Vδ1抗体又はその断片によって接触される細胞集団は、種々の試料タイプから得ることができる(単離の方法は、以下でさらに記載されている)。一実施態様において、試料は、非造血組織試料である。「非造血組織」又は「非造血組織試料」に対する本明細書中の言及は、皮膚(例えば、ヒト皮膚)及び腸(例えば、ヒト腸)を含む。非造血組織は、血液、骨髄、リンパ組織、リンパ節組織、又は胸腺組織以外の組織である。一実施態様において、非造血組織試料は、皮膚(例えば、ヒト皮膚)である。いくつかの実施態様において、細胞集団(例えば、γδ T細胞)は、血液又は滑液などの、特定のタイプの生体液試料から得られない。いくつかの実施態様において、該細胞集団(例えば、γδ T細胞)は、当技術分野で公知の方法によって得ることができる皮膚(例えば、ヒト皮膚)から得られる。例えば、該細胞集団は、非造血組織試料からの細胞遊出を促進するように構成された合成スキャフォールド上で非造血組織試料を培養することにより、非造血組織試料から得ることができる。或いは、本方法は、消化管(例えば、結腸又は腸)、乳腺、肺、前立腺、肝臓、脾臓、膵臓、子宮、膣、及び他の皮膚、粘膜、又は漿膜から得られた細胞集団(例えば、γδ T細胞)に適用することができる。
代わりの実施態様において、試料は、造血試料又はその画分である(すなわち、細胞集団は、造血試料又はその画分から得られる)。「造血試料」又は「造血組織試料」に対する本明細書中の言及は、血液(例えば、末梢血又は臍帯血)、骨髄、リンパ組織、リンパ節組織、胸腺組織、及びこれらの画分又は濃縮部分を含む。試料は、好ましくは、末梢血もしくは臍帯血、又はこれらの画分を含む血液であり、これには、バフィーコート細胞、白血球アフェレーシス製品、末梢血単核細胞(PBMC)、及び低密度単核細胞(LDMC)が含まれる。いくつかの実施態様において、試料は、ヒト血液又はその画分である。細胞は、密度勾配遠心分離などの当技術分野で公知の技法を用いて、血液の試料から得ることができる。例えば、全血を等量のFICOLL-HYPAQUEに重層し、その後、400×gで、室温で15~30分間、遠心分離することができる。界面の材料は、低密度単核細胞を含有しており、これを回収し、培養培地中で洗浄し、200×gで、室温で10分間遠心分離することができる。
細胞集団は、癌組織試料、例えば、乳房又は前立腺の腫瘍から得ることができる(すなわち、γδ T細胞は、癌組織試料中にも常在し得る)。いくつかの実施態様において、細胞集団は、ヒト癌組織試料(例えば、固形腫瘍組織)から得ることができる。他の実施態様において、細胞集団は、ヒト癌組織以外の試料(例えば、相当な数の腫瘍細胞を含まない組織)由来のものであってもよい。例えば、細胞集団は、近接又は隣接する癌組織から離れた皮膚(例えば、健康な皮膚)の領域由来のものであってもよい。したがって、いくつかの実施態様において、細胞集団は、癌組織(例えば、ヒト癌組織)から得られない。
細胞集団は、ヒト又は非ヒト動物組織から得ることができる。それゆえ、本方法は、ヒト又は非ヒト動物組織から細胞集団を得る工程をさらに含むことができる。一実施態様において、試料は、ヒトから得られたものである。代わりの実施態様において、試料は、非ヒト動物対象から得られたものである。
(γδ T細胞の拡大)
一実施態様において、調節は、Vδ1 T細胞の活性化、特に、Vδ1 T細胞の拡大を含む。それゆえ、本発明の一態様によれば、Vδ1 T細胞を拡大するエクスビボ法であって、本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片をVδ1 T細胞を含む細胞集団に投与することを含む、エクスビボ法が提供される。Vδ1 T細胞のそのような拡大は、Vδ1 T細胞の数の選択的増加によって、及び/又はVδ1 T細胞の生存の促進によって達成することができる。一実施態様において、Vδ1 T細胞の拡大は、抗TCRデルタ1可変抗体又はその断片を培養物中の(すなわち、インビトロ又はエクスビボの)Vδ1 T細胞に投与することを含む。Vδ1 T細胞は、混合細胞集団に、例えば、他のリンパ球細胞型(例えば、αβ T細胞又はNK細胞)を含む細胞集団に存在し得る。
それゆえ、本発明は、濃縮されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)集団を産生するためのエクスビボ法を提供する。該濃縮された集団は、(例えば、患者/ドナーから採取された試料から得られた)単離された混合細胞集団又はその純化された画分を抗体又はその断片と接触させることを含む方法によって、該混合細胞集団から産生することができる。該抗体(又はその断片)は、γδ TCRのVδ1鎖に特異的なエピトープに結合することにより、Vδ1 T細胞を選択的に拡大する。
また提供されるのは、本明細書で定義される方法に従って得られた拡大されたVδ1 T細胞集団である。本発明のこの態様によれば、そのような拡大されたVδ1 T細胞の集団をインビトロ又はエクスビボで取得及び/又は拡大することができることが理解されるであろう。一態様において、本明細書で定義される方法に従って得られた拡大されたVδ1集団が提供され、該方法において、該Vδ1集団をインビトロ又はエクスビボで単離及び拡大する。
本明細書に記載される抗体又はその断片は、γδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)を拡大する方法で使用することができる。これらの方法は、インビトロで実施することができる。この拡大方法をインビトロで実施する場合、抗体(又はその断片)を上記のように得られた単離されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)に適用することができる。いくつかの実施態様において、γδ T細胞は、非造血組織試料から単離された細胞集団から拡大される。代わりの実施態様において、γδ T細胞は、造血組織試料、例えば、血液試料から単離された細胞集団から拡大される。
γδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の拡大は、試料を、本明細書に記載される抗体又はその断片、及びサイトカインの存在下で培養することを含み得る。サイトカインとしては、インターロイキン、リンホカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子、及びケモカインを挙げることができる。一実施態様において、サイトカインは、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-18(IL-18)、インターロイキン-21(IL-21)、インターロイキン-33(IL-33)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インターロイキン-1β(IL-1β)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、及び間質細胞由来因子-1(SDF-1)からなる群から選択される。本明細書に記載されるサイトカインに対する言及は、培養下のVδ1 T細胞に対する同様の生理的効果を促進するその能力に関して、該サイトカインと同じ活性を有する任意の化合物を含むことができ、かつ限定されないが、模倣物、又はその任意の機能的等価物を含むことが理解されるであろう。
一実施態様において、該サイトカインは、共通サイトカイン受容体ガンマ鎖(γc)ファミリーのサイトカインである。さらなる実施態様において、γc-サイトカインは、IL-2、IL 4、IL-7、IL-9、IL-12、IL-15、IL-21、又はこれらの混合物:から選択される。
使用されるサイトカイン(例えば、インターロイキン)は、ヒト又は動物起源のもの、好ましくは、ヒト起源のものであり得る。それは、野生型タンパク質又は任意の生物学的に活性のある断片もしくは変異体であり得、すなわち、その受容体に結合することができる。そのような結合は、本発明による方法の条件下でγδ T細胞の活性化を誘導することができる。より好ましくは、サイトカインは、例えば、ペプチド、ポリペプチド、又は生物学的に活性のあるタンパク質などの別の分子と融合又は複合体化された、可溶性形態のものであってもよい。好ましくは、ヒト組換えサイトカインが使用される。より好ましくは、インターロイキン濃度の範囲は、1~10000U/ml、一層より好ましくは、100~1000U/mlと様々に異なり得る。
さらなる実施態様において、サイトカインは、ケモカインである。ケモカインは、γδ T細胞を得るために使用される試料に応じて異なり、かつ選択されることがさらに理解されるであろう。
一実施態様において、本方法は、IL-2、IL-9、及び/又はIL-15の存在下で細胞集団を培養することを含む。さらなる実施態様において、本方法は、IL-2及び/又はIL-15(すなわち、IL-2、IL-15、又はこれらの組合せ)の存在下で細胞集団を培養することを含む。代わりの実施態様において、本方法は、IL-9及び/又はIL-15(すなわち、IL-9、IL-15、又はこれらの組合せ)の存在下で細胞集団を培養することを含む。一実施態様において、本方法は、IL-2、IL-9、及び/又はIL-15、並びにさらなる成長因子(例えば、IL-21)の存在下の細胞集団を含む。他の実施態様において、本方法は、IL-2及び/又はIL-15以外の成長因子を欠く培地中で細胞集団を培養することを含む。代わりの実施態様において、本方法は、IL-9及び/又はIL-15以外の成長因子を欠く培地中で細胞集団を培養することを含む。さらなる実施態様において、本方法は、IL-2、IL-9、及び/又はIL-15が補充された基本培地からなる培地中で細胞集団を培養することを含む。さらなる実施態様において、本方法は、IL-2及び/又はIL-15が補充された基本培地からなる培地中で細胞集団を培養することを含む。
一実施態様において、本方法は、IL-21の存在下で細胞集団を培養することを含む。
一実施態様において、本方法は、IL-4の存在下で細胞集団を培養することを含む。IL-4によって促進されるVδ1 T細胞に対する生理的効果(WO2016/198480号に記載されている)には、NKG2D及びNCR発現レベルの減少、細胞傷害性機能の阻害、及び選択的生存の改善が含まれる。さらに、培養の後半の期間中のIL-4の欠如は、細胞の生理的特性を抗腫瘍又は抗ウイルス治療としての使用により適切な表現型に変化させることができることが以前に示されている。それゆえ、一実施態様において、本拡大方法は、IL-4様活性を有する成長因子、例えば、IL-4の非存在下で、試料を培養することをさらに含む。一実施態様において、本拡大方法は、IL-4の非存在下で、試料を培養することを含む。
一実施態様において、サイトカインは、インターロイキン-15様活性を有する成長因子、すなわち、培養下のVδ1 T細胞に対する同様の生理的効果を促進するその能力に関してIL-15と同じ活性を有する任意の化合物であり、これには、IL-15及びIL-15模倣物、又はIL-2及びIL-7を含むIL-15の任意の機能的等価物が含まれるが、これらに限定されない。IL-15、IL-2、及びIL-7によって促進される培養されたVδ1 T細胞に対する生理的効果(WO2016/198480号に記載されている)は、本質的に等価、すなわち、より細胞傷害性の高い表現型へと向かう細胞分化の誘導である。さらに、培養の最初の期間中のIL-2、IL-7、及びIL-15の欠如は、これらのサイトカインに生存を非常に依存している混入細胞(TCRαβ+ T及びVδ2+ T細胞を含む)の飢餓及びアポトーシスの一因となったことが以前に示されている。それゆえ、一実施態様において、本拡大方法は、最初に、IL-15様活性を有する成長因子の非存在下で試料を培養することを含む。
したがって、一実施態様において、本方法は、細胞集団を、IL-4を含む第一の培養培地中で培養し、その後、該細胞集団を、IL-15を含む第二の培養培地中で培養することを含む。
一実施態様において、第一の培養培地は、IL-15、IL-2、及び/又はIL-7を欠いている。一実施態様において、第二の培養培地は、IL-4を欠いている。
したがって、一実施態様において、本拡大方法は、
(1)試料中の細胞を、IL-15、IL-2、及びIL-7の非存在下で;本明細書に記載される抗体又はその断片及びIL-4を含む第一の培養培地中で培養すること;並びに
(2)工程(1)で得られた細胞を、IL-4の非存在下で、本明細書に記載される抗体又はその断片及びIL-15を含む第二の培養培地中で培養すること
:を含む。
本明細書に記載されているように、培養培地は、Vδ1 T細胞の拡大をさらに増強することができるサイトカインを含む、他の成長因子を含有することもできる。そのようなサイトカインの例としては、(i)IFN-γ及びIFN-γ様活性を有する任意の成長因子、(ii)IL-21及びIL-21様活性を有する任意の成長因子、並びに(iii)IL-1β及びIL-1β様活性を有する任意の成長因子:が挙げられるが、これらに限定されない。添加することができる他の成長因子の例としては、共刺激分子、例えば、ヒト抗SLAM抗体、CD27の任意の可溶性リガンド、又はCD7の任意の可溶性リガンドが挙げられる。これらの成長因子の任意の組合せを培地に含めることができる。
一実施態様において、第一もしくは第二の培養培地、又は両方の培養培地は、1以上の追加のサイトカインを含む。第一及び/又は第二の培養培地は、第二の、第三の、及び/又は第四のサイトカインを含むことができる。さらなる実施態様において、追加のサイトカインは、IL-21、IFN-γ、及びIL-1βから選択される。
一実施態様において、本方法は、IL-15並びにIL-2、IL-4、IL-21、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-12、IL-18、IL-33、IGF-1、IL-1β、IFN-γ、ヒト血小板ライセート(HPL)、及び間質細胞由来因子-1(SDF-1)からなる群から選択される因子の存在下で細胞集団を培養することを含む。
γδ T細胞の拡大は、少なくとも1つのさらなるT細胞有糸分裂促進因子の存在下で試料を培養することを含むことができる。「T細胞有糸分裂促進因子」(これは、「γδ TCRアゴニスト」と称することもできる)という用語は、限定されないが、フィトヘマグルチニン(PHA)及びコンカナバリンA(ConA)などの植物レクチン、並びに非植物起源のレクチンを含む、TCRシグナル伝達を介してT細胞を刺激することができる任意の薬剤を意味する。一実施態様において、T細胞有糸分裂促進因子は、抗CD3モノクローナル抗体(mAb)である。他の有糸分裂促進因子としては、ホルボール 12-ミリステート-13-アセテート(TPA)及びメゼレインなどのその関連化合物、又は細菌化合物(例えば、ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)及び連鎖球菌プロテインA)が挙げられる。T細胞有糸分裂促進因子は、可溶性であっても、固定されていてもよく、複数のT細胞有糸分裂促進因子が本拡大方法で使用されてもよい。
本明細書で使用される場合、「拡大された」又は「拡大されたγδ T細胞の集団」に対する言及は、拡大されていない集団よりも大きい又は拡大されていない集団よりも多くの数の細胞を含有する細胞の集団を含む。そのような集団は、数が多くても、数が少なくても、集団内の一部又は特定の細胞型の拡大を伴う混合集団であってもよい。「拡大方法」という用語は、拡大又は拡大された集団を生じさせるプロセスを指すことが理解されるであろう。したがって、拡大又は拡大された集団は、拡大工程が実施されていないか又は任意の拡大工程の前の集団と比較して、数がより多くても、又はより多くの細胞を含有していてもよい。拡大を示すために本明細書で示される任意の数(例えば、増加倍率又は拡大倍率)は、細胞の集団の数もしくはサイズ又は細胞の数の増加を示すものであり、かつ拡大の量を示すものであることがさらに理解されるであろう。
一実施態様において、本方法は、細胞集団を、少なくとも5日間(例えば、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも18日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、又はそれより長い間、例えば、5日~40日、7日~35日、14日~28日、又は約21日間)培養することを含む。さらなる実施態様において、本方法は、細胞集団を、少なくとも7日間、例えば、少なくとも11日又は少なくとも14日間培養することを含む。
さらなる実施態様において、本方法は、細胞集団を、ある持続期間(例えば、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも18日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、又はそれより長い間、例えば、5日~40日、7日~35日、14日~28日、又は約21日間)、拡大されたγδ T細胞の集団を産生するのに有効な量で培養することを含む。
一実施態様において、細胞集団は、5~60日間、例えば、少なくとも7~45日間、7~21日間、又は7~18日間培養される。本方法が(例えば、1~40日、例えば、14~21日の)単離培養期間を含む場合、単離及び拡大工程は、いくつかの実施態様において、21~39日持続することができる。
本方法は、培養期間中の抗Vδ1抗体もしくはその断片及び/又は成長因子の定期的な添加を含み得る。例えば、抗Vδ1抗体もしくはその断片及び/又は成長因子は、2~5日毎に、より好ましくは、3~4日毎に添加することができる。一実施態様において、抗Vδ1抗体もしくはその断片及び/又は成長因子は、培養から7日後に、及びそれ以降、3~4日毎に、添加される。
拡大方法は、参照集団よりも数が多い拡大されたγδ T細胞の集団を提供する。いくつかの実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、拡大工程の前の単離されたγδ T細胞の集団よりも数が多い(例えば、拡大工程の前の単離されたγδ T細胞の集団と比べて、数が少なくとも2倍、数が少なくとも5倍、数が少なくとも10倍、数が少なくとも25倍、数が少なくとも50倍、数が少なくとも60倍、数が少なくとも70倍、数が少なくとも80倍、数が少なくとも90倍、数が少なくとも100倍、数が少なくとも200倍、数が少なくとも300倍、数が少なくとも400倍、数が少なくとも500倍、数が600倍、数が少なくとも1,000倍であるか、又はそれより多い)。一実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、抗体又はその断片の非存在下で同じ時間培養された集団よりも数が多い。一実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、TS8.2又はTS-1存在下で同じ時間培養された集団よりも数が多い。
拡大方法は、参照集団よりも高いパーセンテージのVδ1 T細胞を有する拡大されたVδ1 T細胞の集団を提供する。いくつかの実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、約50%超のVδ1 T細胞、例えば、約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、又は95%超のvδ1 T細胞を含有する。さらなる実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、約85%超のVδ1 T細胞、例えば、約90%超のVδ1 T細胞を含有する。
いくつかの実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、約10%未満のαβ T細胞、例えば、約5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、又は0.05%未満のαβ T細胞を含有する。さらなる実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、約1%未満のαβ T細胞を含有する。αβ受容体を有するT細胞は、反応性が高く、それゆえ、本発明との関連における患者への投与に好適な細胞集団は、低レベルのαβ T細胞を含有することしかできない。本明細書に記載される抗体を用いて、Vδ1 T細胞集団を選択的に拡大することができ、これにより、αβ T細胞を除去するための拡大後の広範な純化方法の必要性が低下する。
いくつかの実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、約10%未満のVδ2 T細胞、例えば、約5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、又は0.05%未満のVδ2 T細胞を含有する。さらなる実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、約0.5%未満のVδ2 T細胞を含有する。
いくつかの実施態様において、拡大されたγδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)の集団は、約10%未満のナチュラルキラー(NK)細胞(CD56+CD3-細胞とも称される)、例えば、約5%、4%、3%、2.5%、2%、1.5%、又は1%未満のNK細胞を含有する。さらなる実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、約2%未満のNK細胞を含有する。
CD27、CD69、TIGIT、PD-1、及びTIM-3を含む、細胞表面マーカーの発現の増加又は減少をさらに又は代わりに用いて、1以上の拡大されたVδ1 T細胞の集団を特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、高レベルのCD27を発現する(CD27high)。例えば、約70%超、例えば、約80%、85%、90%超の拡大されたVδ1 T細胞の集団は、CD27を発現する(すなわち、CD27+)。いくつかの実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、例えば、拡大前の単離されたVδ1 T細胞の集団と比べて、より大きいCD27の平均発現を有する。いくつかの実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、低レベルのCD69、TIGIT、PD-1、及び/又はTIM-3を発現する。例えば、約40%未満、例えば、約30%未満の拡大されたVδ1 T細胞の集団は、CD69、TIGIT、PD-1、及び/又はTIM-3を発現する。いくつかの実施態様において、拡大されたVδ1 T細胞の集団は、単離されたVδ1 T細胞の集団と比べて、CD69、TIGIT、PD-1、及びTIM-3からなる群から選択されるマーカーのうちの1つ又は複数のより低い平均発現を有する。
γδ T細胞の増殖において使用するのに好適な多くの基本培養培地、特に、血清又は血漿の存在下の培地、例えば、AIM-V、Iscoves培地、及びRPMI-1640(Life Technologies)、EXVIVO-10、EXVIVO-15、又はEXVIVO-20(Lonza)が利用可能である。培地に、本明細書で定義される他の培地因子、例えば、血清、血清タンパク質、及び選択剤、例えば、抗生物質を補充してもよい。例えば、いくつかの実施態様において、2mMグルタミン、10%FBS、10mM HEPES、pH 7.2、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、ピルビン酸ナトリウム(1mM; Life Technologies)、非必須アミノ酸(例えば、100μM Gly、Ala、Asn、Asp、Glu、Pro、及びSer; 1×MEM非必須アミノ酸(Life Technologies))、並びに10μl/L β-メルカプトエタノールを含有するRPMI-1640培地。代わりの実施態様において、AIM-V培地に、CTS Immune製の血清代替品及びアムホテリシンBを補充してもよい。ある実施態様において、培地に、本明細書に記載されるIL-2、IL-4、IL-9、及び/又はIL-15をさらに補充してもよい。好都合なことに、細胞は、単離及び/又は拡大時に、好適な培養培地中、5%CO2を含有する湿気のある雰囲気下、37℃で培養される。
γδ T細胞の拡大培養物中の他の因子の添加を使用することもできる。一実施態様において、そのような因子は、γδ T細胞の拡大を選択的に促進する拡大において使用される。例えば、拡大は、インターロイキンなどの拡大培養物への外因性サイトカインの添加をさらに含むことができる。そのような拡大は、IL-2及びIL-15の存在下でγδ T細胞を培養することを含むことができる。或いは、拡大は、IL-9及びIL-15の存在下でγδ T細胞を培養することを含むことができる。任意の拡大工程は、拡大されたγδ T細胞の集団を産生するのに有効な期間実施されることが理解されるであろう。
γδ T細胞を拡大する方法は、5日未満(例えば、4.5日未満、4.0日未満、3.9日未満、3.8日未満、3.7日未満、3.6日未満、3.5日未満、3.4日未満、3.3日未満、3.2日未満、3.1日未満、3.0日未満、2.9日未満、2.8日未満、2.7日未満、2.6日未満、2.5日未満、2.4日未満、2.3日未満、2.2日未満、2.1日未満、2.0日未満、46時間未満、42時間未満、38時間未満、35時間未満、32時間未満)の集団倍加時間を含むことができる。
(γδ T細胞を単離する方法)
本明細書に記載されているように、抗体(又はその断片)は、培養下のγδ T細胞、すなわち、試料から得られたγδ T細胞に適用することができる。一実施態様において、細胞集団は、抗Vδ1抗体又はその断片を投与する前に、試料から単離される。それゆえ、Vδ1 T細胞を調節する(特に、拡大する)方法であって、本明細書で定義される抗Vδ1抗体又はその断片を、試料から単離されたγδ T細胞の集団(例えば、Vδ1 T細胞を含む細胞集団)に投与することを含む、方法が提供される。
非造血組織中で優勢である(すなわち、組織常在性である)γδ T細胞は、主に、デルタ可変1鎖を含有し、それゆえ、本明細書に記載される抗Vδ1抗体は、非造血組織から単離されたγδ T細胞において特に使用される。したがって、一実施態様において、試料は、非造血組織試料、例えば、皮膚である。或いは、本発明の方法を用いて、主にVδ1鎖を含有しない試料、例えば、血液試料中のVδ1 T細胞の集団を拡大することができる。それゆえ、本方法を用いて、試料中のVδ1 T細胞の数を増大させることができる。
細胞、特に、γδ T細胞の「単離(isolation)」又は「単離(isolating)」に対する本明細書中の言及は、細胞が、組織又は細胞のプールから除去されるか、分離されるか、純化されるか、濃縮されるか、又は別の形で取り出される方法又はプロセスを指す。そのような言及は、「分離された」、「除去された」、「純化された」、「濃縮された」という用語及び同様の用語を含むことが理解されるであろう。γδ T細胞の単離は、無傷の非造血組織試料からの又は非造血組織の間質細胞(例えば、線維芽細胞もしくは上皮細胞)からの細胞の単離又は分離を含む。そのような単離は、その代わりに又はそれに加えて、他の造血細胞(例えば、αβ T細胞又は他のリンパ球)からのγδ T細胞の単離又は分離を含み得る。単離は、規定の期間のもの、例えば、組織外植片又は生検が単離培養物に入れられるときから始まって、細胞が、例えば、遠心分離もしくは単離された細胞集団を拡大培養に移すための他の手段によって培養物から回収されるか又は他の目的で使用されるか、或いはもとの組織外植片又は生検が培養物から除去されるときに終わるものであってもよい。単離工程は、少なくとも約3日~約45日間であってもよい。一実施態様において、単離工程は、少なくとも約10日~少なくとも28日間である。さらなる実施態様において、単離工程は、少なくとも14日~少なくとも21日間である。それゆえ、単離工程は、少なくとも3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、約35日、約40日、又は約45日間であってもよい。この単離工程の間、細胞増殖は大したものではない可能性があるが、該細胞の増殖が必ずしも存在しないというわけではないということを理解することができる。実際、当業者にとって、単離された細胞が分裂し始めて、複数のそのような細胞を、試料を含有する単離容器内で発生させることもできることが認識される。
したがって、「単離されたγδ T細胞」、「単離されたγδ T細胞集団」、又は「単離されたγδ T細胞の集団」に対する本明細書中の言及は、試料、例えば、起源の非造血組織試料から単離されているか、分離されているか、除去されているか、純化されているか、又は濃縮されており、その結果、細胞が無傷(非造血組織)試料に含まれる細胞と実質的に接触していないγδ細胞を指すことが理解されるであろう。「単離されたVδ1 T細胞」、「単離されたVδ1 T細胞集団」、「単離されたVδ1 T細胞の集団」、「分離されたVδ1 T細胞」、「分離されたVδ1 T細胞集団」、又は「分離されたVδ1 T細胞の集団」に対する本明細書中の言及は、該細胞が無傷(非造血組織)試料に含まれる細胞と実質的に接触しないように、試料、例えば、起源の非造血組織試料から単離されたか、分離されたか、除去されたか、純化されたか、又は濃縮されたVδ1 T細胞指すことが理解されるであろう。
細胞集団は、ヒト又は非ヒト動物試料、例えば、非造血組織試料からのリンパ球、特に、Vδ1 T細胞の単離を可能にする任意の好適な方法によって得ることができる。1つのそのような方法は、Clarkらの文献(2006) J. Invest. Dermatol. 126(5): 1059-70に記載されており、これには、ヒト皮膚からリンパ球を単離するための三次元皮膚外植片プロトコルが記載されている。外植片を合成スキャフォールドに接着させて、外植片からスキャフォールド上へのリンパ球遊出を促進することができる。合成スキャフォールドは、細胞成長を支援するのに好適な非天然の三次元構造物を指す。合成スキャフォールドは、ポリマー(例えば、天然もしくは合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、メチルセルロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン)、セラミック(例えば、リン酸三カルシウム、アルミン酸カルシウム、カルシウムハイドロキシアパタイト)、又は金属(タンタル、チタン、白金、及び白金と同じ元素群の金属、ニオブ、ハフニウム、タングステン、並びにこれらの合金の組合せ)などの材料から構築することができる。生物学的因子(例えば、コラーゲン(例えば、コラーゲンI又はコラーゲンII)、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管新生因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン(vitrogen)、抗体及びその断片、サイトカイン(例えば、IL-2又はIL-15、及びこれらの組合せ)を、当技術分野で公知の方法に従って、スキャフォールド表面にコーティングするか又はスキャフォールド材料内に封入して、細胞の接着、遊走、生存、又は増殖を増強することができる。この方法及び他の方法を用いて、いくつかの他の非造血組織型、例えば、腸、前立腺、及び乳房から細胞集団を単離することができる。好適な単離方法の他の例は、細胞集団及び/又は試料を、γδ T細胞、特に、Vδ1 T細胞の単離又は分離を誘導するのに十分なサイトカイン及び/又はケモカインの存在下で培養することを含み得る「這い出し」法を利用する。試料(例えば、非造血組織試料)からのγδ T細胞の単離は、試料をIL-2及びIL-15の存在下で培養することを含み得る。
非造血組織常在性リンパ球は、例えば、強いピペッティングによって、間質細胞、例えば、皮膚線維芽細胞から採取及び分離することができる。リンパ球採取物は、プロセスの間にばらばらになってしまう可能性がある線維芽細胞凝集物を保持するために、40μmナイロンメッシュに通してさらに洗浄することができる。リンパ球は、例えば、CD45抗体を使用する蛍光又は磁気関連細胞選別を用いて単離することもできる。
或いは、試料(例えば、造血組織試料)からのγδ T細胞の単離は、該試料を、WO2012/156958号に記載されているT細胞有糸分裂促進因子(例えば、γδ TCRアゴニスト)及びサイトカイン(特に、共通サイトカイン受容体ガンマ鎖(γc)ファミリーのサイトカイン)の存在下で培養することを含み得る。別の代替案として、試料(例えば、造血組織試料)からのγδ T細胞の単離は、試料を、WO2016/198480号に記載されているT細胞有糸分裂促進因子及びサイトカインの存在下で培養することを含み得る。
γδ T細胞の単離は、試料を少なくとも1つのサイトカインの存在下で培養することを含み得る。例えば、本方法は、試料を少なくとも薬剤、例えば、ケモカインの存在下で培養することを含み得る。ケモカインは、単離されるγδ T細胞に応じて選択されることがさらに理解されるであろう。さらに、ケモカインは、γδ T細胞の単離に使用される試料に応じて異なり、かつ選択される。
γδ T細胞の単離は、試料を少なくとも1つのサイトカインの存在下で培養することをさらに含み得る。該サイトカインは、初期培養で使用されるサイトカインと異なっていてもよい。
単離方法は、試料を培養することを含み得る。「培養すること」に対する本明細書中の言及は、試料から単離されたか、分離されたか、除去されたか、純化されたか、又は濃縮された細胞を含む試料の、細胞及び/又は試料によって必要とされ、かつ/又は好まれる成長因子及び/又は必須栄養分を含む培地への添加を含む。そのような培養条件は、試料から単離されることになる細胞もしくは細胞集団に従って適合させてもよく、又は試料から単離及び拡大されることになる細胞もしくは細胞集団に従って適合させてもよいことが理解されるであろう。
ある実施態様において、試料の培養は、試料からのγδ T細胞の単離に十分な期間にわたるものである。ある実施態様において、培養期間は、少なくとも14日である。ある実施態様において、培養期間は、45日未満、例えば、30日未満、例えば、25日未満である。さらなる実施態様において、培養期間は、14日~35日、例えば、14日~21日である。またさらなる実施態様において、培養期間は、約21日である。
特定の実施態様において、γδ T細胞は、試料の培養後に、試料の培養物から回収される。γδ T細胞の回収は、培養物からのγδ T細胞の物理的回収、他のリンパ球(例えば、αβ T細胞及び/もしくはNK細胞)からのγδ T細胞の単離、又は試料中に存在する他の細胞、例えば、間質細胞、例えば、線維芽細胞からのγδ T細胞の単離及び/もしくは分離を含み得る。一実施態様において、γδ T細胞は、機械的手段(例えば、ピペッティング)によって回収される。さらなる実施態様において、γδ T細胞は、磁気分離及び/又は標識によって回収される。またさらなる実施態様において、γδ T細胞は、フローサイトメトリーの技法、例えば、FACSによって回収される。したがって、ある実施態様において、γδ T細胞は、γδ T細胞の特異的標識によって回収される。そのようなγδ T細胞の回収は、試料の培養物からの物理的除去、別々の培養容器への移転、又は別々のもしくは異なる培養条件への移転を含み得ることが理解されるであろう。
そのようなγδ T細胞の回収は、試料から単離されたγδ T細胞の集団を得るのに十分な期間の後に行われることが理解されるであろう。ある実施態様において、γδ T細胞は、試料の培養から少なくとも1週間、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、又は少なくとも14日後に回収される。好適には、γδ T細胞は、40日以内、例えば、38日以内、36日以内、34日以内、32日以内、30日以内、28日以内、26日以内、又は24日以内に回収される。一実施態様において、γδ T細胞は、試料の培養から少なくとも14日後に回収される。さらなる実施態様において、γδ T細胞は、試料の培養から14~21日後に回収される。
一実施態様において、試料は、血清を実質的に含まない培地(例えば、無血清培地又は血清代替品(SR)を含有する培地)中で培養される。したがって、一実施態様において、試料は、無血清培地中で培養される。そのような無血清培地は、血清代替品がヒト又は動物由来血清の使用を避けるために化学的に規定された成分を基にしている血清代替品培地も含み得る。一実施態様において、培地は、動物由来製品を含有しない。代わりの実施態様において、試料は、血清(例えば、ヒトAB血清又は胎仔ウシ血清(FBS))を含有する培地中で培養される。
培養培地は、γδ T細胞の成長及び拡大を助けることができる他の成分をさらに含み得る。添加し得る他の成分の例としては、血漿又は血清、アルブミンなどの精製タンパク質、低密度リポタンパク質(LDL)などの脂質供給源、ビタミン、アミノ酸、ステロイド、並びに細胞の成長及び/又は生存を支援又は促進する任意の他の補助物質が挙げられるが、これらに限定されない。
血液中で優勢であるγδ T細胞は、主に、Vδ2 T細胞であるが、一方、非造血組織中で優勢であるγδ T細胞は、主に、Vδ1 T細胞であり、その結果、Vδ1 T細胞は、非造血組織常在性γδ T細胞集団の約70~80%を含む。1つの好ましい実施態様において、単離されたγδ T細胞は、Vδ1 T細胞の集団を含む。
(抗体又はその断片)
本明細書に提供されるのは、γδ T細胞受容体(TCR)のデルタ可変1鎖(Vδ1)に特異的に結合することができる抗体又はその断片である。
一実施態様において、抗体又はその断片は、scFv、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、可変ドメイン(例えば、VHもしくはVL)、ダイアボディ、ミニボディ、又はモノクローナル抗体である。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、scFvである。
本明細書に記載される抗体は、任意のクラス、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、IgD、又はこれらのアイソタイプのものであることができ、かつカッパ又はラムダ軽鎖を含むことができる。一実施態様において、抗体は、IgG抗体、例えば、アイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4のうちの少なくとも1つである。さらなる実施態様において、抗体は、所望の特性を付与するように修飾されている、例えば、エフェクター機能を低下させるか、半減期を延長するか、ADCCを改変するか、又はヒンジ安定性を向上させるように突然変異させられたFcを有するフォーマット、例えば、IgGフォーマットのものである。そのような修飾は、当技術分野において周知である。
一実施態様において、抗体又はその断片は、ヒトのものである。したがって、抗体又はその断片は、ヒト免疫グロブリン(Ig)配列に由来し得る。抗体(又はその断片)のCDR、フレームワーク、及び/又は定常領域は、ヒトIg配列、特に、ヒトIgG配列に由来し得る。CDR、フレームワーク、及び/又は定常領域は、ヒトIg配列、特に、ヒトIgG配列について、実質的に同一であり得る。ヒト抗体を使用する利点は、それがヒトにおいて低免疫原性又は非免疫原性であることである。
抗体又はその断片は、キメラ、例えば、マウス-ヒト抗体キメラであることもできる。
或いは、抗体又はその断片は、非ヒト種、例えば、マウスに由来する。そのような非ヒト抗体は、ヒトで天然に産生される抗体変異体とのその類似性を増大させるように修飾することができ、したがって、抗体又はその断片は、部分的に又は完全にヒト化することができる。それゆえ、一実施態様において、抗体又はその断片は、ヒト化されている。
(エピトープに標的化される抗体)
本明細書に提供されるのは、γδ TCRのVδ1鎖のエピトープに結合する抗体(又はその断片)である。そのような結合は、γδ TCR活性、例えば、活性化又は阻害に対する効果を任意に有し得る。
一実施態様において、エピトープは、γδ T細胞の活性化エピトープであってもよい。「活性化」エピトープは、例えば、TCR機能、例えば、脱顆粒、TCR下方調節、細胞傷害性、増殖、動員、生存もしくは疲弊に対する耐性の増加、細胞内シグナル伝達、サイトカインもしくは成長因子分泌、表現型の変化、又は遺伝子発現の変化を刺激することを含むことができる。例えば、活性化エピトープの結合は、γδ T細胞集団、好ましくは、Vδ1+ T細胞集団の拡大(すなわち、増殖)を刺激し得る。したがって、これらの抗体を用いて、γδ T細胞活性化を調節し、それにより、免疫応答を調節することができる。それゆえ、一実施態様において、活性化エピトープの結合は、γδ TCRを下方調節する。追加の又は代わりの実施態様において、活性化エピトープの結合は、γδ T細胞の脱顆粒を活性化させる。さらなる追加の又は代わりの実施態様において、活性化エピトープの結合は、γδ T細胞殺傷を活性化させる。
或いは、抗体(又はその断片)は、別の抗体又は分子の結合又は相互作用の妨害による遮断効果を有し得る。一実施態様において、本発明は、Vδ1を遮断し、TCR結合を(例えば、立体障害によって)妨害する単離された抗体又はその断片を提供する。Vδ1を妨害することにより、抗体は、TCR活性化及び/又はシグナル伝達を妨害し得る。エピトープは、γδ T細胞の阻害性エピトープであり得る。「阻害性」エピトープは、例えば、TCR機能を遮断し、それにより、TCR活性化を阻害することを含むことができる。
エピトープは、好ましくは、γδ TCRのVδ1鎖の少なくとも1つの細胞外、可溶性、親水性、外部、又は細胞質部分から構成される。
特に、エピトープは、γδ TCRのVδ1鎖の超可変領域、特に、Vδ1鎖のCDR3に見られるエピトープを含まない。好ましい実施態様において、エピトープは、γδ TCRのVδ1鎖の非可変領域内のものである。そのような結合は、可変性が高いTCRの配列(特に、CDR3)に制限されずに、Vδ1鎖の固有の認識を可能にすることが理解されるであろう。MHC様ペプチド又は抗原を認識する様々なγδ TCR複合体は、単にVδ1鎖の存在によって、このように認識され得る。したがって、任意のVδ1鎖を含むγδ TCRは、γδ TCRの特異性とは無関係に、本明細書で定義される抗体又はその断片を用いて認識され得ることが理解されるであろう。一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域1~24及び/又は35~90、例えば、CDR1及び/又はCDR3配列の部分ではないVδ1鎖の部分内の1以上のアミノ酸残基を含む。一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域91~105(CDR3)内のアミノ酸残基を含まない。
十分に特徴付けられたαβ T細胞と同様の様式で、γδ T細胞は、異なるセットの体細胞的に再配列された可変(V)、多様性(D)、接合(J)、及び定常(C)遺伝子を利用するが、γδ T細胞は、αβ T細胞よりも少ないV、D、及びJセグメントを含有する。一実施態様において、抗体(又はその断片)によって結合されるエピトープは、Vδ1鎖のJ領域(例えば、ヒトデルタ1鎖生殖系列においてコードされる4つのJ領域:配列番号131(J1*0)又は132(J2*0)又は133(J3*0)又は134(J4*0)のうちの1つ)に見られるエピトープを含まない。一実施態様において、抗体(又はその断片)によって結合されるエピトープは、Vδ1鎖のC-領域(例えば、C-末端膜近傍/膜貫通領域を含有する配列番号135(C1*0))に見られるエピトープを含まない。一実施態様において、抗体(又はその断片)によって結合されるエピトープは、Vδ1鎖のN-末端リーダー配列(例えば、配列番号129)に見られるエピトープを含まない。それゆえ、抗体又は断片は、Vδ1鎖のV領域(例えば、配列番号130)中でのみ結合することができる。したがって、一実施態様において、エピトープは、γδ TCRのV領域(例えば、配列番号1のアミノ酸残基1~90)中のエピトープからなる。
エピトープに対する言及は、配列番号1:
として示される、Luomaらの文献(2013) Immunity 39: 1032-1042に記載されている配列、並びにRCSBタンパク質データバンクエントリー: 4MNH及び3OMZに由来するVδ1配列に関してなされる。
配列番号1は、V領域(可変ドメインとも称される)、D領域、J領域、及びTCR定常領域を含む可溶性TCRを表す。V領域は、アミノ酸残基1~90を含み、D領域は、アミノ酸残基91~104を含み、J領域は、アミノ酸残基105~115を含み、定常領域は、アミノ酸残基116~209を含む。V領域において、CDR1は、配列番号1のアミノ酸残基25~34と定義され、CDR2は、配列番号1のアミノ酸残基50~54と定義され、CDR3は、配列番号1のアミノ酸残基93~104と定義される(Xuらの文献、PNAS USA 108(6):2414-2419(2011))。
それゆえ、一実施態様において、単離された抗体又はその断片は、アミノ酸領域:
(i)配列番号1の3~20;及び/又は
(ii)配列番号1の37~77
内の1以上のアミノ酸残基を含むγδ T細胞受容体(TCR)の可変デルタ1(Vδ1)鎖のエピトープに結合する。
さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号128のアミノ酸残基1~90エピトープを含む多形V領域をさらに認識する。したがって、本明細書に記載されるエピトープを定義する場合、配列番号1のアミノ酸1~90と多型生殖系列変異体配列(アミノ酸1~90、配列番号128)は、互換的であると考えることができる。本発明の抗体は、この生殖系列配列の両方の変異体を認識することができる。例として、本明細書で定義される抗体又はその断片が配列番号1のアミノ酸領域1~24及び/又は35~90内の1以上のアミノ酸残基を含むエピトープを認識すると記載されている場合、これは、配列番号128の同じ領域;具体的には、配列番号128のアミノ酸領域1~24及び/又は35~90も指す。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号1のアミノ酸領域1~90内の1以上のアミノ酸残基及び配列番号128の領域1~90の同等に位置するアミノ酸を認識する。より具体的には、一実施態様において、本明細書で定義される抗体又はその断片は、ヒト生殖系列エピトープを認識し、ここで、該生殖系列は、配列番号1の位置71のアラニン(A)又はバリン(V)のいずれかをコードする。
一実施態様において、エピトープは、記載されている領域内の1以上、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くのアミノ酸残基を含む。
さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域3~20内の1以上(例えば、5以上、例えば、10以上)のアミノ酸残基を含む。代わりの実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域37~77(例えば、アミノ酸領域50~54)内の1以上(例えば、5以上、例えば、10以上)のアミノ酸残基を含む。またさらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域3~20(例えば、5~20又は3~17)内の1以上(例えば、5以上、例えば、10以上)のアミノ酸残基及びアミノ酸領域37~77(例えば、62-77又は62~69)内の1以上(例えば、5以上、例えば、10以上)のアミノ酸残基を含む。
該抗体(又はその断片)は、定義された範囲内の全てのアミノ酸に結合する必要はないことがさらに理解されるであろう。そのようなエピトープは、線状エピトープと称することができる。例えば、配列番号1のアミノ酸領域5~20内のアミノ酸残基を含むエピトープに結合する抗体は、該範囲内のアミノ酸残基、例えば、任意に、該範囲内のアミノ酸(すなわち、アミノ酸5、9、16、及び20)を含む、該範囲の各々の末端(すなわち、アミノ酸5及び20)のアミノ酸残基の1つ又は複数とだけ結合することができる。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基3、5、9、10、12、16、17、20、37、42、50、53、59、62、64、68、69、72、又は77うちの少なくとも1つを含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基3、5、9、10、12、16、17、20、37、42、50、53、59、62、64、68、69、72、又は77から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、又は12のアミノ酸を含む。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1(又は上記の配列番号128)の以下のアミノ酸領域:
(i)3~17;
(ii)5~20;
(iii)37~53;
(iv)50~64;
(v)59~72;
(vi)59~77;
(vii)62~69;及び/又は
(viii)62~77
内の1以上のアミノ酸残基を含む。
さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域: 5~20及び62~77; 50~64; 37~53及び59~72; 59~77;又は3~17及び62~69内の1以上のアミノ酸残基を含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域: 5~20及び62~77; 50~64; 37~53及び59~72; 59~77;又は3~17及び62~69内の1以上のアミノ酸残基からなる。
さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基: 3、5、9、10、12、16、17、62、64、68、及び69を含むか、又は配列番号1のアミノ酸残基: 3、5、9、10、12、16、17、62、64、68、及び69から好適になる。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基: 5、9、16、20、62、64、72、及び77を含むか、又は配列番号1のアミノ酸残基: 5、9、16、20、62、64、72、及び77から好適になる。またさらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基: 37、42、50、53、59、64、68、69、72、73、及び77を含むか、又は配列番号1のアミノ酸残基: 37、42、50、53、59、64、68、69、72、73、及び77から好適になる。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基: 50、53、59、62、及び64を含むか、又は配列番号1のアミノ酸残基: 50、53、59、62、及び64から好適になる。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸残基: 59、60、68、及び72を含むか、又は配列番号1のアミノ酸残基: 59、60、68、及び72から好適になる。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域5~20及び/又は62~77内の1以上のアミノ酸残基を含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域5~20及び62~77内の1以上のアミノ酸残基からなる。代わりのさらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域5~20又は62~77内の1以上のアミノ酸残基を含む。そのようなエピトープを有する抗体又はその断片は、1245_P01_E07の配列の一部もしくは全てを含み得るか、又はそのような抗体又はその断片は、1245_P01_E07に由来し得る。例えば、1245_P01_E07の1以上のCDR配列又は1245_P01_E07のVH及びVL配列の一方もしくは両方を有する抗体又はその断片は、そのようなエピトープに結合し得る。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域50~64内の1以上のアミノ酸残基を含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域50~64内の1以上のアミノ酸残基からなる。そのようなエピトープを有する抗体又はその断片は、1252_P01_C08の配列の一部もしくは全てを含み得るか、又はそのような抗体又はその断片は、1252_P01_C08に由来し得る。例えば、1252_P01_C08の1以上のCDR配列又は1252_P01_C08のVH及びVL配列の一方もしくは両方を有する抗体又はその断片は、そのようなエピトープに結合し得る。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域37~53及び/又は59~77内の1以上のアミノ酸残基を含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域37~53及び59~77内の1以上のアミノ酸残基からなる。代わりのさらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域37~53又は59~77内の1以上のアミノ酸残基を含む。そのようなエピトープを有する抗体又はその断片は、1245_P02_G04の配列の一部もしくは全てを含み得るか、又はそのような抗体又はその断片は、1245_P02_G04に由来し得る。例えば、1245_P02_G04の1以上のCDR配列又は1245_P02_G04のVH及びVL配列の一方もしくは両方を有する抗体又はその断片は、そのようなエピトープに結合し得る。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域59~72内の1以上のアミノ酸残基を含む。さらなる実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域59~72内の1以上のアミノ酸残基からなる。そのようなエピトープを有する抗体又はその断片は、1251_P02_C05の配列の一部もしくは全てを含み得るか、又はそのような抗体又はその断片は、1251_P02_C05に由来し得る。例えば、1251_P02_C05の1以上のCDR配列又は1251_P02_C05のVH及びVL配列の一方もしくは両方を有する抗体又はその断片は、そのようなエピトープに結合し得る。
一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域11~21内のアミノ酸残基を含まない。一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域21~28内のアミノ酸残基を含まない。一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域59及び60内のアミノ酸残基を含まない。一実施態様において、エピトープは、配列番号1のアミノ酸領域67~82内のアミノ酸残基を含まない。
一実施態様において、エピトープは、市販の抗Vδ1抗体、例えば、TS-1又はTS8.2によって結合される同じエピトープではない。WO2017197347号に記載されているように、可溶性TCRに対するTS-1及びTS8.2の結合は、δ1鎖が、Vδ1 J3鎖ではなく、Vδ1 J1及びVδ1 J2配列を含む場合に検出され、TS-1及びTS8.2の結合がデルタJ1及びデルタJ2領域中の重要な残基を必要とすることを示した。
「内の」に対する本明細書中の言及は、定義された範囲の末端を含む。例えば、「アミノ酸領域5~20内の」は、残基5(残基5を含む)から残基20(残基20を含む)までの全てのアミノ酸残基を指す。
どのエピトープが抗体によって結合されるかということを確定するための様々な技法が当技術分野において公知である。例示的な技法としては、例えば、ルーチンの交差遮断アッセイ、アラニンスキャニング突然変異解析、ペプチドブロット解析、ペプチド切断解析、結晶学的研究、及びNMR解析が挙げられる。さらに、抗原のエピトープ切り出し、エピトープ抽出、及び化学修飾などの方法を利用することができる。抗体が相互作用するポリペプチド内のアミノ酸を同定するために使用することができる別の方法は、マススペクトロメトリーによって検出される水素/重水素交換(実施例9に記載されている)である。一般的に、水素/重水素交換法は、対象となるタンパク質を重水素標識し、その後、抗体を重水素標識タンパク質に結合させることを含む。次に、タンパク質/抗体複合体を水に移すと、抗体複合体によって保護されるアミノ酸内の交換可能なプロトンは、界面の部分ではないアミノ酸内の交換可能なプロトンよりも遅い速度で重水素から水素への逆交換を経る。結果として、タンパク質/抗体界面の部分を形成するアミノ酸は、重水素を保持することができ、それゆえ、界面に含まれないアミノ酸と比較して、相対的に大きな質量を示す。抗体の解離後、標的タンパク質をプロテアーゼ切断及びマススペクトロメトリー解析に供し、それにより、抗体が相互作用する特定のアミノ酸に対応する重水素標識残基を明らかにする。
(抗体配列)
単離された抗Vδ1抗体又はその断片は、そのCDR配列を参照して記載することができる。
一実施態様において、抗Vδ1抗体又はその断片は、
配列番号2~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3;
配列番号26~37及び配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2;並びに/又は
配列番号38~61のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1
:のうちの1つ又は複数を含む。
一実施態様において、単離された抗Vδ1抗体又はその断片は、配列番号2~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号26~37及び(表2の)配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号38~61のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~25のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号26~37及び(表2の)配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号38~61のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~25のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号26~37及び(表2の)配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列からなるCDR2を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号38~61のいずれか1つと少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列からなるCDR1を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を共有するCDR3配列を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む。
一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号2~7、特に、2~6、例えば、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号14~19、特に、14~18、例えば、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも90%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。一実施態様において、配列番号8~13、特に、8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVH領域、及び/又は配列番号20~25、特に、20、21、22、又は23のいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する配列からなるCDR3を含むVL領域を含む、抗体又はその断片。
本明細書において、「少なくとも80%」又は「80%以上」を指す実施態様は、80%以上、例えば、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性の全ての値を含むことが理解されるであろう。一実施態様において、抗体又はその断片は、指定された配列と少なくとも85%、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を含む。
パーセンテージ配列同一性の代わりに、実施態様は、1以上のアミノ酸変化、例えば、1以上の付加、置換、及び/又は欠失を用いて定義することもできる。一実施態様において、配列は、最大5つのアミノ酸変化、例えば、最大3つのアミノ酸変化、特に、最大2つのアミノ酸変化を含み得る。さらなる実施態様において、配列は、最大5つのアミノ酸置換、例えば、最大3つのアミノ酸置換、特に、最大1つ又は2つのアミノ酸置換を含み得る。例えば、抗体のCDR3又はその断片は、配列番号2~25のいずれか1つと比較して、2以下の、より好適には、1以下の置換を有する配列を含むか、又は該配列からより好適になる。
好適には、配列番号2~61及び配列: A1~A12中のその対応する残基と異なるCDR1、CDR2、又はCDR3の任意の残基は、その対応する残基に関して保存的置換である。例えば、配列番号2~25中のその対応する残基と異なるCDR3の任意の残基は、その対応する残基に関して保存的置換である。
一実施態様において、抗体又はその断片は、
(i)配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域;
(ii)配列番号26~37のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVH領域;
(iii)配列番号38~49のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVH領域;
(iv)配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域;
(v)配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVL領域;及び/又は
(vi)配列番号50~61のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVL領域
:を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、
(i)配列番号2~13のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域;
(ii)配列番号26~37のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVH領域;及び
(iii)配列番号38~49のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVH領域
:を有する重鎖を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、
(i)配列番号14~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域;
(ii)配列: A1~A12のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVL領域;及び
(iii)配列番号50~61のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVL領域
:を有する軽鎖を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号2、3、4、5、又は6、例えば、2、3、4、又は5、特に、2、3、又は4のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域を含む(又はからなる)。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号26、27、28、29、又は30、例えば、26、27、28、又は29、特に、26、27、又は28のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVH領域を含む(又はからなる)。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号:38、39、40、41、又は42、例えば、38、39、40、又は41、特に、38、39、又は40のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVH領域を含む(又はからなる)。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号8、9、10、又は11のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVH領域を含む(又はからなる)一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号32、33、34、又は35のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVH領域を含む(又はからなる)。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号44、45、46、又は47のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVH領域を含む(又はからなる)。
一実施態様において、VH領域は、配列番号2の配列を含むCDR3、配列番号26の配列を含むCDR2、及び配列番号38の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号2の配列からなり、CDR2は、配列番号26の配列からなり、かつCDR1は、配列番号38の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号3の配列を含むCDR3、配列番号27の配列を含むCDR2、及び配列番号39の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号3の配列からなり、CDR2は、配列番号27の配列からなり、かつCDR1は、配列番号39の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号4の配列を含むCDR3、配列番号28の配列を含むCDR2、及び配列番号40の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号4の配列からなり、CDR2は、配列番号28の配列からなり、かつCDR1は、配列番号40の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号5の配列を含むCDR3、配列番号29の配列を含むCDR2、及び配列番号41の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号5の配列からなり、CDR2は、配列番号29の配列からなり、かつCDR1は、配列番号41の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号6の配列を含むCDR3、配列番号30の配列を含むCDR2、及び配列番号42の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号6の配列からなり、CDR2は、配列番号30の配列からなり、かつCDR1は、配列番号42の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号8の配列を含むCDR3、配列番号32の配列を含むCDR2、及び配列番号44の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号8の配列からなり、CDR2は、配列番号32の配列からなり、かつCDR1は、配列番号44の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号9の配列を含むCDR3、配列番号33の配列を含むCDR2、及び配列番号45の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号9の配列からなり、CDR2は、配列番号33の配列からなり、かつCDR1は、配列番号45の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号10の配列を含むCDR3、配列番号34のCDR2配列、及び配列番号46のCDR1配列を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号10の配列からなり、CDR2は、配列番号34の配列からなり、かつCDR1は、配列番号46の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号11の配列を含むCDR3、配列番号35のCDR2配列、及び配列番号47のCDR1配列を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号11の配列からなり、CDR2は、配列番号35の配列からなり、かつCDR1は、配列番号47の配列からなる。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号14~25、例えば、配列番号14、15、16、17、又は18、例えば、14、15、16、又は17、特に、14、15、又は16のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3を含むVL領域を含む(又はからなる)。一実施態様において、抗体又はその断片は、(表2の)配列: A1~A12、例えば、配列: A1、A2、A3、A4、又はA5、例えば、A1、A2、A3、又はA4、特に、A1、A2、又はA3のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2を含むVL領域を含む(又はからなる)。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号50~61、例えば、配列番号50、51、52、53、又は54、例えば、50、51、52、又は53、特に、50、51、又は52のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1を含むVL領域を含む(又はからなる)。
一実施態様において、VL領域は、配列番号14の配列を含むCDR3、配列: A1の配列を含むCDR2、及び配列番号50の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号14の配列からなり、CDR2は、配列: A1の配列からなり、かつCDR1は、配列番号50の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号15の配列を含むCDR3、配列: A2の配列を含むCDR2、及び配列番号51の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号15の配列からなり、CDR2は、配列: A2の配列からなり、かつCDR1は、配列番号51の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号16の配列を含むCDR3、配列: A3の配列を含むCDR2、及び配列番号52の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号16の配列からなり、CDR2は、配列: A3の配列からなり、かつCDR1は、配列番号52の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号17の配列を含むCDR3、配列: A4の配列を含むCDR2、及び配列番号53の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号17の配列からなり、CDR2は、配列: A4の配列からなり、かつCDR1は、配列番号53の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号18の配列を含むCDR3、配列: A5の配列を含むCDR2、及び配列番号54の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号18の配列からなり、CDR2は、配列: A5の配列からなり、かつCDR1は、配列番号54の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号20の配列を含むCDR3、配列: A7の配列を含むCDR2、及び配列番号56の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号20の配列からなり、CDR2は、配列: A7の配列からなり、かつCDR1は、配列番号56の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号21の配列を含むCDR3、配列: A8の配列を含むCDR2、及び配列番号57の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号21の配列からなり、CDR2は、配列: A8の配列からなり、かつCDR1は、配列番号57の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号22の配列を含むCDR3、配列: A9の配列を含むCDR2、及び配列番号58の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号22の配列からなり、CDR2は、配列: A9の配列からなり、かつCDR1は、配列番号58の配列からなる。
一実施態様において、VL領域は、配列番号23の配列を含むCDR3、配列: A10の配列を含むCDR2、及び配列番号59の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、CDR3は、配列番号23の配列からなり、CDR2は、配列: A10の配列からなり、かつCDR1は、配列番号59の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号2の配列を含むCDR3、配列番号26の配列を含むCDR2、配列番号38の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号14の配列を含むCDR3、配列: A1の配列を含むCDR2、及び配列番号50の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号2の配列からなり、HCDR2は、配列番号26の配列からなり、HCDR1は、配列番号38の配列からなり、LCDR3は、配列番号14の配列からなり、LCDR2は、配列: A1の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号50の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号3の配列を含むCDR3、配列番号27の配列を含むCDR2、配列番号39の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号15の配列を含むCDR3、配列: A2の配列を含むCDR2、及び配列番号51の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号3の配列からなり、HCDR2は、配列番号27の配列からなり、HCDR1は、配列番号39の配列からなり、LCDR3は、配列番号15の配列からなり、LCDR2は、配列: A2の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号51の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号4の配列を含むCDR3、配列番号28の配列を含むCDR2、配列番号40の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号16の配列を含むCDR3、配列: A3の配列を含むCDR2、及び配列番号52の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号4の配列からなり、HCDR2は、配列番号28の配列からなり、HCDR1は、配列番号40の配列からなり、LCDR3は、配列番号16の配列からなり、LCDR2は、配列: A3の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号52の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号5の配列を含むCDR3、配列番号29の配列を含むCDR2、配列番号41の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号17の配列を含むCDR3、配列: A4の配列を含むCDR2、及び配列番号53の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号5の配列からなり、HCDR2は、配列番号29の配列からなり、HCDR1は、配列番号41の配列からなり、LCDR3は、配列番号17の配列からなり、LCDR2は、配列: A4の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号53の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号6の配列を含むCDR3、配列番号30の配列を含むCDR2、配列番号42の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号18の配列を含むCDR3、配列: A5の配列を含むCDR2、及び配列番号54の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号6の配列からなり、HCDR2は、配列番号30の配列からなり、HCDR1は、配列番号42の配列からなり、LCDR3は、配列番号18の配列からなり、LCDR2は、配列: A5の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号54の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号7の配列を含むCDR3、配列番号31の配列を含むCDR2、配列番号43の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号19の配列を含むCDR3、配列: A6の配列を含むCDR2、及び配列番号55の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号7の配列からなり、HCDR2は、配列番号31の配列からなり、HCDR1は、配列番号43の配列からなり、LCDR3は、配列番号19の配列からなり、LCDR2は、配列: A6の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号55の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号8の配列を含むCDR3、配列番号32の配列を含むCDR2、配列番号44の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号20の配列を含むCDR3、配列: A7の配列を含むCDR2、及び配列番号56の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号8の配列からなり、HCDR2は、配列番号32の配列からなり、HCDR1は、配列番号44の配列からなり、LCDR3は、配列番号20の配列からなり、LCDR2は、配列: A7の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号56の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号9の配列を含むCDR3、配列番号33の配列を含むCDR2、配列番号45の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号21の配列を含むCDR3、配列: A8の配列を含むCDR2、及び配列番号57の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号9の配列からなり、HCDR2は、配列番号33の配列からなり、HCDR1は、配列番号45の配列からなり、LCDR3は、配列番号21の配列からなり、LCDR2は、配列: A8の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号57の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号10の配列を含むCDR3、配列番号34の配列を含むCDR2、配列番号46の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号22の配列を含むCDR3、配列: A9の配列を含むCDR2、及び配列番号58の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号10の配列からなり、HCDR2は、配列番号34の配列からなり、HCDR1は、配列番号46の配列からなり、LCDR3は、配列番号22の配列からなり、LCDR2は、配列: A9の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号58の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号11の配列を含むCDR3、配列番号35の配列を含むCDR2、配列番号47の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号23の配列を含むCDR3、配列: A10の配列を含むCDR2、及び配列番号59の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号11の配列からなり、HCDR2は、配列番号35の配列からなり、HCDR1は、配列番号47の配列からなり、LCDR3は、配列番号23の配列からなり、LCDR2は、配列: A10の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号59の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号12の配列を含むCDR3、配列番号36の配列を含むCDR2、配列番号48の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号24の配列を含むCDR3、配列: A11の配列を含むCDR2、及び配列番号60の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号12の配列からなり、HCDR2は、配列番号36の配列からなり、HCDR1は、配列番号48の配列からなり、LCDR3は、配列番号24の配列からなり、LCDR2は、配列: A11の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号60の配列からなる。
一実施態様において、VH領域は、配列番号13の配列を含むCDR3、配列番号37の配列を含むCDR2、配列番号49の配列を含むCDR1を含み、かつVL領域は、配列番号25の配列を含むCDR3、配列: A12の配列を含むCDR2、及び配列番号61の配列を含むCDR1を含む。一実施態様において、HCDR3は、配列番号13の配列からなり、HCDR2は、配列番号37の配列からなり、HCDR1は、配列番号49の配列からなり、LCDR3は、配列番号25の配列からなり、LCDR2は、配列: A12の配列からなり、かつLCDR1は、配列番号61の配列からなる。
一実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されている1以上のCDR配列を含む。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1252_P01_C08の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P01_E07の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P02_G04の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P02_B07の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1251_P02_C05の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1139_P01_E04の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P02_F07の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P01_G06の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1245_P01_G09の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1138_P01_B09の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、表2に記載されているクローン1251_P02_G10の1以上(例えば、全て)のCDR配列を含む。
好適には、上に列挙されているVH及びVL領域は、各々、4つのフレームワーク領域(FR1~FR4)を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つにおけるフレームワーク領域と少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、及び/又はFR4)を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つにおけるフレームワーク領域と少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、97%、又は99%の配列同一性を有する配列を含むフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、及び/又はFR4)を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つにおける配列を含むフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、及び/又はFR4)を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つにおける配列からなるフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、及び/又はFR4)を含む。
本明細書に記載される抗体は、その完全な軽鎖及び/又は重鎖可変配列によって定義することができる。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~73のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~73のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるVH領域を含む。さらなる実施態様において、VH領域は、配列番号62、63、64、65、又は66、例えば、62、63、64、又は65、特に、62、63、又は64のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、VH領域は、配列番号62、63、64、65、又は66、例えば、62、63、64、又は65、特に、62、63、又は64のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらなる実施態様において、VH領域は、配列番号68、69、70、71、72、又は73、例えば、68、69、70、又は71のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、VH領域は、配列番号68、69、70、71、72、又は73、例えば、68、69、70、又は71のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号74~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む。一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号74~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるVL領域を含む。さらなる実施態様において、VL領域は、配列番号74、75、76、77、又は78、例えば、74、75、76、又は77、特に、74、75、又は76のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、VL領域は、配列番号74、75、76、77、又は78、例えば、74、75、76、又は77、特に、74、75、又は76のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらなる実施態様において、VL領域は、配列番号80、81、82、83、84、又は85、例えば、80、81、82、又は83のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、VL領域は、配列番号80、81、82、83、84、又は85、例えば、80、81、82、又は83のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~73のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域、及び配列番号74~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62~73のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるVH領域、及び配列番号74~85のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号63(1252_P01_C08)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62(1245_P01_E07)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号64(1245_P02_G04)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号68(1139_P01_E04)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号69(1245_P02_F07)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号70(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号71(1245_P01_G09)のアミノ酸配列を含むVH領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号63(1252_P01_C08)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62(1245_P01_E07)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号64(1245_P02_G04)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号68(1139_P01_E04)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号69(1245_P02_F07)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号70(1245_P01_G06)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号71(1245_P01_G09)のアミノ酸配列からなるVH領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号75(1252_P01_C08)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号74(1245_P01_E07)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号76(1245_P02_G04)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号80(1139_P01_E04)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号81(1245_P02_F07)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号82(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号83(1245_P01_G09)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号75(1252_P01_C08)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号74(1245_P01_E07)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号76(1245_P02_G04)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号80(1139_P01_E04)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号81(1245_P02_F07)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号82(1245_P01_G06)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号83(1245_P01_G09)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号63(1252_P01_C08)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号75(1252_P01_C08)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62(1245_P01_E07)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号74(1245_P01_E07)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号64(1245_P02_G04)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号76(1245_P02_G04)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号68(1139_P01_E04)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号80(1139_P01_E04)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号69(1245_P02_F07)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号81(1245_P02_F07)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号70(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号82(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号71(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号83(1245_P01_G09)のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号63(1252_P01_C08)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号75(1252_P01_C08)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号62(1245_P01_E07)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号74(1245_P01_E07)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号64(1245_P02_G04)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号76(1245_P02_G04)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号68(1139_P01_E04)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号80(1139_P01_E04)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号69(1245_P02_F07)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号81(1245_P02_F07)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号70(1245_P01_G06)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号82(1245_P01_G06)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号71(1245_P01_G09)のアミノ酸配列からなるVH領域及び配列番号83(1245_P01_G09)のアミノ酸配列からなるVL領域を含む。
VH領域とVL領域の両方を含む断片について、これらは、共有結合的にか(例えば、ジスルフィド結合もしくはリンカーを介して)又は非共有結合的にかのいずれかで関連していてもよい。本明細書に記載される抗体断片は、scFv、すなわち、リンカーによって接続されたVH領域及びVL領域を含む断片を含み得る。一実施態様において、VH領域とVL領域は、(例えば、合成)ポリペプチドリンカーによって接続される。ポリペプチドリンカーは、(Gly4Ser)nリンカー(ここで、n=1~8、例えば、2、3、4、5、又は7である)を含み得る。ポリペプチドリンカーは、[(Gly4Ser)n(Gly3AlaSer)m]pリンカー(ここで、n=1~8、例えば、2、3、4、5、又は7であり、m=1~8、例えば、0、1、2、又は3であり、かつp=1~8、例えば、1、2、又は3である)を含み得る。さらなる実施態様において、リンカーは、配列番号98を含む。さらなる実施態様において、リンカーは、配列番号98からなる。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号:86~97のいずれか1つと少なくとも80%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号86~97のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号87(1252_P01_C08)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号86(1245_P01_E07)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号88(1245_P02_G04)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号92(1139_P01_E04)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号93(1245_P02_F07)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号94(1245_P01_G06)のアミノ酸配列を含む。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号95(1245_P01_G09)のアミノ酸配列を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号86~97のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号86~97のいずれか1つのアミノ酸配列からなる。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号87(1252_P01_C08)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号86(1245_P01_E07)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号88(1245_P02_G04)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号92(1139_P01_E04)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号93(1245_P02_F07)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号94(1245_P01_G06)のアミノ酸配列からなる。代わりの実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号95(1245_P01_G09)のアミノ酸配列からなる。
scFvコンストラクトを、翻訳、精製、及び検出を助けるためのN-末端及びC-末端修飾を含めて設計及び作製することができることが当業者によって理解されるであろう。例えば、scFv配列のN-末端において、追加のメチオニン及び/又はアラニンアミノ酸残基を標準的なVH配列(例えば、QVQ又はEVQで始まる)の前に含めることができる。C-末端(すなわち、IMGT定義による標準的なVLドメイン配列末端のC-末端)において、(i)定常ドメインの部分配列並びに/又は(ii)精製及び検出を助けるためのHis-タグ及びFlag-タグなどのタグを含む追加の合成配列などの追加の配列を含めることができる。一実施態様において、配列番号124は、配列番号86、88~90、92~97のいずれか1つのC-末端に付加される。一実施態様において、配列番号125は、配列番号86、88~90、92~97のいずれか1つのC-末端に付加される。一実施態様において、配列番号126は、配列番号87又は91のいずれか1つのC-末端に付加される。一実施態様において、配列番号127は、配列番号87又は91のいずれか1つのC-末端に付加される。該scFvのN-又はC-末端配列は、任意であり、別のscFv設計、翻訳、精製、又は検出戦略が採用される場合、除去されるか、修飾されるか、又は置換されることができることが十分に理解される。
本明細書に記載されているように、抗体は、任意のフォーマットのものであり得る。好ましい実施態様において、抗体は、IgG1フォーマットのものである。それゆえ、一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~122のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~122のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~116、例えば、配列番号111~113及び116のアミノ酸配列を含む。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号117~122、例えば、配列番号117~120のアミノ酸配列を含む。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111、112、116~120、例えば、配列番号111、112もしくは116、又は配列番号117~120のアミノ酸配列を含む。
一実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~122のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。さらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~122のいずれか1つのアミノ酸配列からなる。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111~116、例えば、配列番号111~113及び116のアミノ酸配列からなる。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号117~122、例えば、配列番号117~120のアミノ酸配列からなる。またさらなる実施態様において、抗体又はその断片は、配列番号111、112、116~120、例えば、配列番号111、112もしくは116、又は配列番号117~120のアミノ酸配列からなる。
一実施態様において、抗体は、本明細書で定義される抗体又はその断片と同じ又は本質的に同じエピトープに結合するか、又は該抗体もしくはその断片と競合する。当技術分野で公知のルーチンの方法を使用することにより、抗体が参照抗Vδ1抗体と同じエピトープに結合するかどうか、又は参照抗Vδ1抗体と結合を競合するかどうかを容易に決定することができる。例えば、試験抗体が参照抗Vδ1抗体と同じエピトープに結合するかどうかを決定するために、参照抗体を飽和条件下でVδ1タンパク質又はペプチドに結合させる。次に、Vδ1鎖に結合する試験抗体の能力を評価する。試験抗体が参照抗Vδ1抗体との飽和結合後にVδ1に結合することができる場合、試験抗体は、参照抗Vδ1抗体と異なるエピトープに結合すると結論付けることができる。他方、試験抗体が参照抗Vδ1抗体との飽和結合後にVδ1鎖に結合することができない場合、試験抗体は、参照抗Vδ1抗体によって結合されるエピトープと同じエピトープに結合し得る。
本発明は、本明細書で定義される抗体又はその断片、又は本明細書に記載される例示的抗体のいずれかのCDR配列を有する抗体とVδ1結合を競合する抗Vδ1抗体も含む。例えば、どのタンパク質、抗体、及び他のアンタゴニストが、Vδ1鎖への結合を抗体と競合するか及び/又はエピトープを共有するかを決定するために、抗体を用いて、競合的アッセイを実施することができる。これらのアッセイは、当業者に容易に分かり;それにより、タンパク質、例えば、Vδ1上の限られた数の結合部位に対するアンタゴニスト又はリガンド間の競合が評価される。抗体(又はその断片)は、競合の前又は後に固定化又は不溶化され、Vδ1鎖に結合した試料は、例えば、デカント処理によるか(抗体が予め不溶化された場合)又は遠心分離により(抗体が競合反応後に沈殿した場合)、結合していない試料から分離される。また、競合結合は、機能がタンパク質への抗体の結合又は結合の欠如によって変化するかどうか、例えば、抗体分子が例えば、標識の酵素活性を阻害又は強化するかどうかによって決定することができる。当技術分野で公知かつ本明細書に記載されるELISA及び他の機能アッセイを使用することができる。
2つの抗体は、各々が標的抗原に対するもう一方の結合を競合的に阻害する(遮断する)場合、同じ又は重複するエピトープに結合する。すなわち、1倍、5倍、10倍、20倍、又は100倍過剰の一方の抗体は、競合結合アッセイで測定したとき、もう一方の結合を、少なくとも50%、しかし、好ましくは、75%、90%、又は99%も阻害する。或いは、2つの抗体は、一方の抗体の結合を低下又は消失させる標的抗原中の本質的に全てのアミノ酸突然変異がもう一方の結合を低下又は消失させる場合、同じエピトープを有する。
その後、追加のルーチンの実験(例えば、ペプチド突然変異及び結合解析)を実施して、観察された試験抗体の結合の欠如が実際に参照抗体と同じエピトープへの結合によるものかどうか、又は立体的遮断(もしくは別の現象)が観察される結合の欠如の原因であるかどうかを確認することができる。この種の実験は、ELISA、RIA、表面プラズモン共鳴、フローサイトメトリー、又は当技術分野で利用可能な任意の他の定量的もしくは定性的な抗体結合アッセイを用いて実施することができる。
いくつかの実施態様において、抗体又はその断片は、Asn 297(Kabat付番方式)に接続される糖の改変によって、修飾されたエフェクター機能を含有する。さらなる該修飾において、Asn 297は、フコシル化されていないか、又はフコシル化の低下を示す(すなわち、脱フコシル化抗体又は非フコシル化抗体)。フコシル化には、分子への糖フコースの付加、例えば、N-グリカン、O-グリカン、及び糖脂質へのフコースの付着が含まれる。したがって、脱フコシル化抗体において、フコースは、定常領域の炭水化物鎖に付着していない。抗体を修飾して、抗体のフコシル化を妨害又は阻害することができる。通常、グリコシル化修飾は、該抗体又はその断片を、標的化エンジニアリングによるか又は標的化もしくは偶然の宿主もしくはクローン選択のよるかのいずれかによって、別のグリコシル化処理能力を含有する宿主細胞において発現させることを含む。これらの及びその他のエフェクター修飾は、例えば、Xinhua Wangらの文献(2018) Protein & Cell 9: 63-73による及びPereiraらの文献(2018) mAbs 10(5): 693-711による、最近の総説でさらに考察されており、これらは、引用により組み込まれる。
(抗体配列修飾)
抗体及びその断片は、既知の方法を用いて修飾することができる。本明細書に記載される抗体分子に対する配列修飾は、当業者によって容易に組み込まれることができる。以下の例は、非限定的なものである。
抗体発見及びファージライブラリーからの配列回収時に、所望の抗体可変ドメインをサブクローニングによって再フォーマット化して、全長IgGにすることができる。このプロセスを加速させるために、可変ドメインは、制限酵素を用いて転移されることが多い。これらのユニークな制限部位は、標準配列から離れて、追加の/別のアミノ酸を導入してすることができる(そのような標準配列は、例えば、国際ImMunoGeneTics[IMGT]情報システムに見出すことができる、http://www.imgt.orgを参照)。これらは、カッパ又はラムダ軽鎖配列修飾として導入することができる。
(カッパ軽鎖修飾)
可変カッパ軽鎖可変配列を、再フォーマット化時に制限部位(例えば、Nhe1-Not1)を用いてクローニングして、全長IgGにすることができる。より具体的には、カッパ軽鎖N-末端において、追加のAla-Ser配列を導入して、クローニングを支援した。好ましくは、その後、この追加のAS配列を、標準的なN-末端配列を生成させるように、さらなる展開において除去する。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体を含有するカッパ軽鎖は、そのN-末端にAS配列を含有しない、すなわち、配列番号74、76~78、及び80~85は、最初のAS配列を含まない。さらなる実施態様において、配列番号74及び76~78は、最初のAS配列を含まない。この実施態様は、この配列を含有する本明細書に含まれる他の配列(例えば、配列番号86、88~90、及び92~97)にも適用されることが理解されるであろう。
追加のアミノ酸変化を加えて、クローニングを支援することができる。例えば、本明細書に記載される抗体について、カッパ軽鎖可変ドメイン/定常ドメイン境界において、バリンからアラニンへの変化を導入して、クローニングを支援した。これにより、カッパ定常ドメイン修飾がもたらされた。具体的には、これにより、
(NotI制限部位由来)から始まる定常ドメインが得られる。好ましくは、この配列をさらなる展開において修飾して、
で始まる標準的なカッパ軽鎖定常領域を生成させることができる。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体を含有するカッパ軽鎖は、配列RTVで始まる定常ドメインを含有する。それゆえ、一実施態様において、配列番号111~114及び117~122の配列
は、配列
で置き換えられている。
(ラムダ軽鎖修飾)
上記のカッパの例と同様に、ラムダ軽鎖可変ドメインも、再フォーマット化時に制限部位(例えば、Nhe1-Not1)を導入することによりクローニングして、全長IgGにすることができる。より具体的には、ラムダ軽鎖N-末端において、追加のAla-Ser配列を導入して、クローニングを支援することができる。好ましくは、その後、この追加のAS配列を、標準的なN-末端配列を生成させるように、さらなる展開において除去する。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体を含有するラムダ軽鎖は、そのN-末端にAS配列を含有しない、すなわち、配列番号75及び79は、最初のAS配列を含有しない。この実施態様は、この配列を含有する本明細書に含まれる他の配列(例えば、配列番号87、91、115、及び116)にも適用されることが理解されるであろう。一実施態様において、配列番号75は、最初の6残基を含有しない、すなわち、
配列は除去されている。
別の例として、本明細書に記載される抗体について、ラムダ軽鎖可変ドメイン/定常ドメイン境界において、リジンからアラニン配列への変化を導入して、クローニングを支援した。これにより、ラムダ定常ドメイン修飾がもたらされた。具体的には、これにより、
(NotI制限部位由来)で始まる定常ドメインが得られた。好ましくは、この配列を、
で始まる標準的なラムダ軽鎖定常領域を生成させるように、さらなる展開において修飾することができる。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体を含有するラムダ軽鎖は、配列
で始まる定常ドメインを含有する。それゆえ、一実施態様において、配列番号115又は116の配列
は、配列
で置き換えられている。
(重鎖修飾)
通常、ヒト可変重鎖配列は、塩基性グルタミン(Q)又は酸性グルタミン酸(E)のいずれかで始まる。しかしながら、その後、両方のそのような配列は、酸性アミノ酸残基のピログルタミン酸(pE)に転換することが知られている。QからpEへの転換は、抗体の電荷変化をもたらすが、EからpEへの転換は、抗体の電荷を変化させない。したがって、経時的な可変電荷変化を回避するために、1つの選択肢は、まず第一に、出発重鎖配列をQからEへと修飾することである。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体の重鎖は、N-末端にQからEへの修飾を含有する。特に、配列番号62、64、及び/又は67~71の最初の残基をQからEへと修飾することができる。この実施態様は、この配列を含有する本明細書に含まれる他の配列(例えば、配列番号86、88、91~97及び111、112、115、117~120)にも適用されることが理解されるであろう。
さらに、IgG1定常ドメインのC-末端は、PGKで終わる。しかしながら、末端の塩基性リジン(K)は、その後、多くの場合、発現時に(例えば、CHO細胞において)切断される。これにより、次に、C-末端リジン残基の変化に富む損失によって、抗体の電荷変化がもたらされる。それゆえ、1つの選択肢は、まず最初にリジンを除去し、PGで終わる均一かつ一貫した重鎖C-末端配列を生じさせることである。したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体の重鎖は、末端KがそのC-末端から除去されている。特に、本発明の抗体は、末端リジン残基が除去されている配列番号111~122のいずれか1つを含み得る。
(任意のアロタイプ修飾)
抗体発見時に、特定のヒトアロタイプを利用することができる。任意に、抗体を、開発時に、異なるヒトアロタイプに転換することができる。非限定的な例として、カッパ鎖について、3つのKmアレルを(アロタイプ付番を用いて)規定するKm1、Km1,2、及びKm3と表記される3つのヒトアロタイプが存在し: Km1は、バリン153(IMGT V45.1)及びロイシン191(IMGT L101)と互いに関係があり; Km1,2は、アラニン153(IMGT A45.1)及びロイシン191(IMGT L101)と互いに関係があり;かつKm3は、アラニン153(IMGT A45.1)及びバリン191(IMGT V101)と互いに関係がある。任意に、それゆえ、標準的なクローニング手法によって、配列をあるアロタイプから別のものへと修飾することができる。例えば、L191V(IMGT L101V)変化は、Km1,2アロタイプをKm3アロタイプに変換する。そのようなアロタイプに関するさらなる言及については、引用により本明細書中に組み込まれるJefferis及びLefrancの文献(2009) MAbs 1(4):332-8を参照されたい。
したがって、一実施態様において、本明細書に記載される抗体は、同じ遺伝子の別のヒトアロタイプに由来するアミノ酸置換を含有する。さらなる実施態様において、抗体は、c-ドメインをkm1,2からkm3アロタイプに変換するために、カッパ鎖に対するL191V(IMGT L101V)置換を含有する。
(抗体結合)
抗体又はその断片は、表面プラズモン共鳴によって測定された1.5×10-7M(すなわち、150nM)未満の結合親和性(KD)でγδ TCRのVδ1鎖に結合し得る。好ましい実施態様において、KDは、1.5×10-7M(すなわち、150nM)未満である。さらなる実施態様において、KDは、1.3×10-7M(すなわち、130nM)以下、例えば、1.0×10-7M(すなわち、100nM)以下である。またさらなる実施態様において、KDは、5.0×10-8M(すなわち、50nM)未満、例えば、4.0×10-8M(すなわち、40nM)未満、3.0×10-8M(すなわち、30nM)、又は2.0×10-8M(すなわち、20nM)未満である。例えば、一態様によれば、表面プラズモン共鳴によって測定された1.5×10-7M(すなわち、150nM)未満の結合親和性(KD)でγδ TCRのVδ1鎖に結合するヒト抗Vδ1抗体が提供される。
一実施態様において、抗体又はその断片は、表面プラズモン共鳴によって測定された4.0×10-8M(すなわち、40nM)未満、3.0×10-8M(すなわち、30nM)未満、又は2.0×10-8M(すなわち、20nM)未満の結合親和性(KD)でγδ TCRのVδ1鎖に結合する。
一実施態様において、抗体又はその断片の結合親和性は、該抗体又はその断片を直接的に又は間接的に(例えば、抗ヒトIgG Fcによる捕捉によって)、センサー(例えば、アミン高容量チップ又は同等品)の表面にコーティングすることにより確定され、ここで、該抗体又はその断片(すなわち、γδ TCRのVδ1鎖)によって結合される標的は、結合を検出するために、チップ上に流される。好適には、MASS-2装置(これは、Sierra SPR-32と称することもできる)は、PBS+0.02%Tween 20泳動バッファー中、30μl/分で、25℃で使用される。
本明細書に記載されるのは、抗体機能を規定するために使用し得る他のアッセイである。例えば、本明細書に記載される抗体又はその断片は、γδ TCRエンゲージメントによって、例えば、抗体結合時のγδ TCRの下方調節を測定して評価することができる。抗体又はその断片(任意に、細胞の表面に提示されているもの)の適用後のγδ TCRの表面発現は、例えば、フローサイトメトリーによって測定することができる。本明細書に記載される抗体又はその断片は、γδ T細胞脱顆粒を測定することにより評価することもできる。例えば、細胞脱顆粒のマーカーであるCD107aの発現は、例えば、フローサイトメトリーによって、γδ T細胞への抗体又はその断片(任意に、細胞の表面に提示されているもの)の適用後に測定することができる。本明細書に記載される抗体又はその断片は、(該抗体がγδ T細胞の殺傷活性に対する効果を有するかどうかを試験するために)γδ T細胞殺傷活性を測定することにより評価することもできる。例えば、標的細胞は、抗体又はその断片(任意に、細胞の表面に提示されているもの)の存在下で、γδ T細胞とともにインキュベートすることができる。インキュベーション後、培養物を細胞生死判定色素で染色して、生きている標的細胞と死んだ標的細胞を区別することができる。その後、死細胞の比率を、例えば、フローサイトメトリーによって測定することができる。
本明細書に記載されているように、アッセイで使用される抗体又はその断片は、表面、例えば、Fc受容体を含む細胞などの細胞の表面に提示させることができる。例えば、抗体又はその断片は、THP-1細胞、例えば、TIB-202(商標)細胞(American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能)の表面に提示させることができる。或いは、抗体又はその断片は、アッセイで直接使用することができる。
そのような機能アッセイにおいて、出力は、「EC50」又は「50パーセントでの有効濃度」とも称される半最大濃度を計算することにより測定することができる。「IC50」という用語は、阻害濃度を指す。EC50とIC50はどちらも、当技術分野で公知の方法、例えば、フローサイトメトリー法を用いて測定することができる。誤解を避けるために、本出願におけるEC50の値は、IgG1フォーマット化抗体を用いて提供される。そのような値は、次のように、同等の値について、抗体フォーマットの分子量に基づいて容易に変換することができる:
(μg/ml)/(MW、単位はkDa)=μM
抗体(又は断片)結合時のγδ TCRの下方調節についてのEC50は、0.50μg/ml未満、例えば、0.40μg/ml、0.30μg/ml、0.20μg/ml、0.15μg/ml、0.10μg/ml、又は0.05μg/ml未満であり得る。好ましい実施態様において、抗体(又は断片)結合時のγδ TCRの下方調節についてのEC50は、0.10μg/ml未満である。特に、抗体(又は断片)結合時のγδ TCRの下方調節についてのEC50は、0.06μg/ml未満、例えば、0.05μg/ml、0.04μg/ml、又は0.03μg/ml未満であり得る。特に、該EC50値は、抗体がIgG1フォーマットで測定されるときのものである。例えば、γδ TCR下方調節のEC50値は、フローサイトメトリー(例えば、実施例6のアッセイにおいて記載されているもの)を用いて測定することができる。
抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞脱顆粒についてのEC50は、0.050μg/ml未満、例えば、0.040μg/ml、0.030μg/ml、0.020μg/ml、0.015μg/ml、0.010μg/ml、又は0.008μg/ml未満であり得る。特に、抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞脱顆粒についてのEC50は、0.005μg/ml未満、例えば、0.002μg/ml未満であり得る。好ましい実施態様において、抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞脱顆粒についてのEC50は、0.007μg/ml未満である。特に、該EC50値は、抗体がIgG1フォーマットで測定されるときのものである。例えば、γδ T細胞脱顆粒のEC50値は、フローサイトメトリー(例えば、実施例7のアッセイにおいて記載されているもの)を用いて、CD107a発現(すなわち、細胞脱顆粒のマーカー)を測定することによりにより測定することができる。一実施態様において、CD107a発現は、抗CD107a 抗体、例えば、抗ヒトCD107a BV421(クローンH4A3)(BD Biosciences)を用いて測定される。
抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞殺傷についてのEC50は、0.50μg/ml未満、例えば、0.40μg/ml、0.30μg/ml、0.20μg/ml、0.15μg/ml、0.10μg/ml、又は0.07μg/ml未満であり得る。好ましい実施態様において、抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞殺傷についてのEC50は、0.10μg/ml未満である。特に、抗体(又は断片)結合時のγδ T細胞殺傷についてのEC50は、0.060μg/ml未満、例えば、0.055μg/ml未満、特に、0.020μg/ml又は0.010μg/ml未満であり得る。特に、該EC50値は、抗体がIgG1フォーマットで測定されるときのものである。例えば、γδ T細胞殺傷のEC50値は、抗体、γδ T細胞、及び標的細胞のインキュベーション後に、フローサイトメトリー(例えば、実施例8にアッセイにおいて記載されているもの)を用いて、死細胞の比率を検出する(すなわち、細胞生死判定色素を使用する)ことにより測定することができる。一実施態様において、標的細胞の死は、Viability Dye eFluor(商標) 520(ThermoFisher)である細胞生死判定色素を用いて測定される。
これらの態様に記載されているアッセイにおいて、抗体又はその断片は、細胞、例えば、THP-1細胞、例えば、TIB-202(商標)(ATCC)の表面に提示させることができる。THP-1細胞は、色素、例えば、CellTracker(商標) Orange CMTMR(ThermoFisher)で任意に標識される。
抗体(又は断片)は、例えば、Green及びSambrookの文献、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)(2012)、第4版、Cold Spring Harbour Laboratory Pressに開示されている技法を用いて取得及び操作することができる。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を用いて、特異的な抗体を産生するB細胞を、組織培養下で成長するその能力について及び抗体鎖合成の欠如について選択される骨髄腫(B細胞癌)細胞と融合させることにより産生することができる。
所定の抗原に対するモノクローナル抗体は、例えば、
a)ハイブリドーマを形成させるために、所定の抗原で予め免疫された動物の末梢血から得られたリンパ球を不死細胞で、好ましくは、骨髄腫細胞で不死化すること、
b)形成された不死化細胞(ハイブリドーマ)を培養し、所望の特異性を有する抗体を産生する細胞を回収すること
:により得ることができる。
或いは、ハイブリドーマ細胞の使用は、必要とされない。本明細書に記載される標的抗原に結合することができる抗体は、ルーチンの業務によって、例えば、当技術分野で公知のファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、リボソームディスプレイ、又は哺乳動物ディスプレイ技術を用いて、好適な抗体ライブラリーから単離することができる。したがって、モノクローナル抗体は、例えば、
a)ベクターに、特に、ファージに、より具体的には、糸状バクテリオファージに、動物のリンパ球、特に、末梢血リンパ球(好適には、所定の抗原で予め免疫されたもの)から得られたDNA又はcDNA配列をクローニングする工程
b)原核生物細胞を、抗体の産生を可能にする条件で、上記のベクターで形質転換する工程
c)それを抗原-親和性選択に供することにより、抗体を選択する工程
d)所望の特異性を有する抗体を回収する工程
:を含むプロセスによって得ることができる。
(医薬組成物)
本発明のさらなる態様によれば、本明細書で定義される方法によって得られるVδ1 T細胞集団を含む組成物が提供される。一実施態様において、該Vδ1 T細胞集団は、拡大されたVδ1 T細胞集団である。そのような実施態様において、該組成物は、任意に、他の賦形剤と組み合わせた細胞を含み得る。また含まれるのは、1以上の追加の活性剤(例えば、本明細書で言及される疾患を治療するのに好適な活性剤)を含む組成物である。
医薬組成物は、本明細書に記載されるVδ1 T細胞、特に、拡大されたVδ1 T細胞を、1以上の医薬として又は生理的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤と組み合わせて含み得る。そのような組成物は、バッファー、例えば、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝生理食塩水など;炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン、マンニトール;タンパク質;ポリペプチド又はアミノ酸、例えば、グリシン;抗酸化剤;キレート剤、例えば、EDTA又はグルタチオン;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);及び防腐剤を含み得る。本発明の医薬組成物において使用し得る凍結保護溶液としては、例えば、DMSOが挙げられる。組成物は、例えば、静脈内投与用に製剤化することができる。
一実施態様において、医薬組成物は、エンドトキシン又はマイコプラズマの混入物を実質的に含まず、例えば、エンドトキシン又はマイコプラズマの検出可能なレベルの混入物は、存在しない。
好ましい投与様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、髄腔内)である。好ましい実施態様において、組成物は、静脈内注入又は注射によって投与される。別の好ましい実施態様において、組成物は、筋肉内又は皮下注射によって投与される。
本明細書に記載される疾患の治療のための治療法において、そのような疾患の治療において通常使用される確立された他の療法の補助として、又は該療法と併せて、本発明の医薬組成物を使用することは、本発明の範囲内である。
本発明のさらなる態様において、細胞集団、組成物、又は医薬組成物は、少なくとも1つの活性剤と連続的に、同時に、又は別々に投与される。
(細胞集団を用いる治療方法)
本発明のさらなる態様によれば、薬剤として使用するための、本明細書で定義される方法によって得られる細胞集団が提供される。本発明のさらなる態様によれば、薬剤として使用するための、本明細書で定義される拡大された細胞集団が提供される。薬剤として又は療法において「使用するための」細胞集団に対する本明細書中の言及は、対象への細胞集団の投与に限定される。そのような使用は、患者への抗体又はその断片の直接投与を含まない、すなわち、この場合、該抗体は、治療剤として使用される。
一実施態様において、細胞集団は、癌、感染性疾患、又は炎症性疾患の治療において使用するためのものである。さらなる実施態様において、細胞集団は、癌の治療において使用するためのものである。
一実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団は、50%超のVδ1 T細胞、例えば、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超のVδ1 T細胞を含む。さらなる実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団は、Vδ1 T細胞からなる。
一実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団は、10%未満のαβ T細胞、例えば、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、又は3%未満のαβ T細胞を含む。一実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団は、10%未満のVδ2 T細胞、例えば、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、又は3%未満のVδ2 T細胞を含む。一実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団は、50%未満のNK細胞、例えば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、又は5%未満のNK細胞を含む。一実施態様において、薬剤として使用するための細胞集団に存在する細胞の50%未満がCD56を発現し、例えば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、又は5%未満がCD56を発現する。
本発明のさらなる態様によれば、薬剤として使用するための、本明細書で定義される細胞集団を含む医薬組成物が提供される。一実施態様において、該細胞集団を含む医薬組成物は、癌、感染性疾患、又は炎症性疾患の治療において使用するためのものであるさらなる実施態様において、該細胞集団を含む医薬組成物は、癌の治療において使用するためのものである。
本発明のさらなる態様によれば、それを必要としている対象における免疫応答を調節する方法であって、本明細書で定義される細胞集団の治療有効量を投与することを含む、方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、それを必要としている対象における癌、感染性疾患、又は炎症性疾患を治療する方法であって、本明細書で定義される細胞集団の治療有効量を投与することを含む、方法が提供される。或いは、該細胞集団を含む医薬組成物の治療有効量が投与される。
本発明のさらなる態様によれば、例えば、癌、感染性疾患、又は炎症性疾患の治療における、薬剤の製造のための本明細書で定義される細胞集団の使用が提供される。
(養子T細胞療法)
本発明の拡大方法によって得られるガンマデルタT細胞は、薬剤として、例えば、養子T細胞療法のために使用することができる。これは、γδ T細胞の患者への移植を伴う。該療法は、自己に対するものあってもよい、すなわち、γδ T細胞を、それが得られた同じ患者に移植して戻してもよく、又は療法は、同種異系に対するものであってもよい、すなわち、ある人由来のγδ T細胞を異なる患者に移植してもよい。同種異系移植を伴う場合、γδ T細胞は、αβ T細胞を実質的に含まないものであってもよい。例えば、αβ T細胞は、例えば、拡大後に、当技術分野で公知の任意の好適な手段を用いて(例えば、磁気ビーズを用いる、例えば、陰性選択によって)、γδ T細胞集団から除去してもよい。治療方法は、ドナー個体から得られた組織の試料(例えば、非造血組織試料)を提供すること;本明細書に記載される試料から得られたγδ T細胞を培養して、拡大された集団を産生すること;及び該γδ T細胞の集団をレシピエント個体に投与すること:を含み得る。
治療されることになる患者又は対象は、好ましくは、ヒト癌患者(例えば、固形腫瘍の治療を受けているヒト癌患者)又はウイルス感染患者(例えば、CMV感染もしくはHIV感染患者)である。場合により、患者は、固形腫瘍を有し、かつ/又は固形腫瘍に対する治療を受けている。組織常在性Vδ1 T細胞は、通常、非造血組織に常在しているので、該細胞も、腫瘍塊にホーミングし、かつ腫瘍塊の中に保持される可能性がその全身性血液常在性対応物よりも高く、これらの細胞の養子移入は、固形腫瘍及び潜在的に、他の非造血組織関連免疫病理を標的とするのにより効果的である可能性がある。
γδ T細胞はMHC非拘束性であるので、それが異物として移植される宿主を認識せず、これは、γδ T細胞が移植片対宿主病を引き起こす可能性が低いことを意味する。これは、γδ T細胞を「市販品として(off the shelf)」使用し、例えば、同種異系の養子T細胞療法のための任意のレシピエントに移植することができることを意味する。
本明細書に記載される方法によって得られるγδ T細胞は、NKG2Dを発現し、悪性腫瘍と強く関連するNKG2Dリガンド(例えば、MICA)に応答することができる。該γδ T細胞は、任意の活性化の非存在下で細胞傷害性プロファイルを発現することもでき、それゆえ、腫瘍細胞を殺傷するのに効果がある可能性が高い。例えば、該γδ T細胞は、任意の活性化の非存在下で、IFN-γ、TNF-α、GM-CSF、CCL4、IL-13、グラニュライシン、グランザイムA及びB、並びにパーフォリンのうちの1つ又は複数、好ましくは、全てを発現し得る。IL-17Aは、発現されなくてもよい。
いくつかの実施態様において、腫瘍を有する個体の治療方法は、ドナー個体から得られる腫瘍の試料を提供すること、上記の試料から得られたγδ T細胞を培養すること、及び;該γδ T細胞の集団を腫瘍を有する個体に投与すること;を含み得る。さらなる実施態様において、非造血組織内に腫瘍を有する個体の治療方法は、ドナー個体から得られる該非造血組織の試料を提供すること、上記の試料から得られたγδ T細胞を培養すること、及び;該γδ T細胞の集団を腫瘍を有する個体に投与すること;を含み得る。
場合により、上記の方法のいずれかによって得られるγδ T細胞の治療有効量を(例えば、癌の治療のために、例えば、固形腫瘍の治療のために)対象に治療有効量で投与することができる。場合により、γδ T細胞(例えば、皮膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の治療有効量は、用量当たり10×1012個未満の細胞(例えば、用量当たり9×1012個未満の細胞、用量当たり8×1012個未満の細胞、7×1012個未満の細胞、用量当たり6×1012個未満の細胞、用量当たり5×1012個未満の細胞、用量当たり4×1012個未満の細胞、用量当たり3×1012個未満の細胞、用量当たり2×1012個未満の細胞、用量当たり1×1012個未満の細胞、用量当たり9×1011個未満の細胞、用量当たり8×1011個未満の細胞、用量当たり7×1011個未満の細胞、用量当たり6×1011個未満の細胞、用量当たり5×1011個未満の細胞、用量当たり4×1011個未満の細胞、用量当たり3×1011個未満の細胞、用量当たり2×1011個未満の細胞、用量当たり1×1011個未満の細胞、用量当たり9×1010個未満の細胞、用量当たり7.5×1010個未満の細胞、用量当たり5×1010個未満の細胞、用量当たり2.5×1010個未満の細胞、用量当たり1×1010個未満の細胞、用量当たり7.5×109個未満の細胞、用量当たり5×109個未満の細胞、用量当たり2.5×109個未満の細胞、用量当たり1×109個未満の細胞、用量当たり7.5×108個未満の細胞、用量当たり5×108個未満の細胞、用量当たり2.5×108個未満の細胞、用量当たり1×108個未満の細胞、用量当たり7.5×107個未満の細胞、用量当たり5×107個未満の細胞、用量当たり2.5×107個未満の細胞、用量当たり1×107個未満の細胞、用量当たり7.5×106個未満の細胞、用量当たり5×106個未満の細胞、用量当たり2.5×106個未満の細胞、用量当たり1×106個未満の細胞、用量当たり7.5×105個未満の細胞、用量当たり5×105個未満の細胞、用量当たり2.5×105個未満の細胞、又は用量当たり1×105細胞個未満の細胞)である。
いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、皮膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の治療有効量は、治療経過中、10×1012個未満の細胞(例えば、治療経過中、9×1012個未満の細胞、8×1012個未満の細胞、7×1012個未満の細胞、6×1012個未満の細胞、5×1012個未満の細胞、4×1012個未満の細胞、3×1012個未満の細胞、2×1012個未満の細胞、1×1012個未満の細胞、9×1011個未満の細胞、8×1011個未満の細胞、7×1011個未満の細胞、6×1011個未満の細胞、5×1011個未満の細胞、4×1011個未満の細胞、3×1011個未満の細胞、2×1011個未満の細胞、1×1011個未満の細胞、9×1010個未満の細胞、7.5×1010個未満の細胞、5×1010個未満の細胞、2.5×1010個未満の細胞、1×1010個未満の細胞、7.5×109個未満の細胞、5×109個未満の細胞、2.5×109個未満の細胞、1×109個未満の細胞、7.5×108個未満の細胞、5×108個未満の細胞、2.5×108個未満の細胞、1×108個未満の細胞、7.5×107個未満の細胞、5×107個未満の細胞、2.5×107個未満の細胞、1×107個未満の細胞、7.5×106個未満の細胞、5×106個未満の細胞、2.5×106個未満の細胞、1×106個未満の細胞、7.5×105個未満の細胞、5×105個未満の細胞、2.5×105個未満の細胞、又は1×105個未満の細胞)である。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるγδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、約1×106、1.1×106、2×106、3.6×106、5×106、1×107、1.8×107、2×107、5×107、1×108、2×108、又は5×108細胞/kgを含む。いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、最大約1×106、1.1×106、2×106、3.6×106、5×106、1×107、1.8×107、2×107、5×107、1×108、2×108、又は5×108細胞/kgを含む。いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、約1.1×106~1.8×107細胞/kgを含む。いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、約1×107、2×107、5×107、1×108、2×108、5×108、1×109、2×109、又は5×109個の細胞を含む。いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、少なくとも約1×107、2×107、5×107、1×108、2×108、5×108、1×109、2×109、又は5×109個の細胞を含む。いくつかの実施態様において、γδ T細胞(例えば、膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)の用量は、最大約1×107、2×107、5×107、1×108、2×108、5×108、1×109、2×109、又は5×109個の細胞を含む。
一実施態様において、対象は、対象のkg体重当たり104~106個のγδ T細胞(例えば、皮膚由来γδ T細胞及び/又はVδ1 T細胞)を投与される。一実施態様において、対象は、γδ T細胞の集団の初回投与(例えば、対象のkg体重当たり104~106個のγδ T細胞、例えば、対象のkg体重当たり104~105個のγδ T細胞の初回投与)、及びγδ T細胞の1回以上(例えば、2、3、4、又は5回)の後続投与(例えば、対象のkg体重当たり104~106個のγδ T細胞、例えば、対象のkg体重当たり104~105個のγδ T細胞の1回以上の後続投与)を受容する。一実施態様において、1回以上の後続投与は、前の投与から15日未満、例えば、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2日未満で、例えば、前の投与から4、3、又は2日未満で投与される。一実施態様において、対象は、γδ T細胞の集団の少なくとも3回の投与の経過中、対象のkg体重当たり合計約106個のγδ T細胞を受容し、例えば、対象は、1×105個のγδ T細胞の初期投与、3×105個のγδ T細胞の第二の投与、及び6×105個のγδ T細胞の第三の投与を受容し、例えば、各々の投与は、前の投与から4、3、又は2日未満で投与される。
いくつかの実施態様において、1以上の追加の治療剤を対象に投与することができる。追加の治療剤は、免疫療法剤、細胞毒性剤、成長阻害剤、放射線療法剤、抗血管新生剤、又はこれらの2以上の薬剤の組合せからなる群から選択され得る。追加の治療剤は、γδ T細胞の投与と同時に、その前に、又はその後に投与することができる。追加の治療剤は、対象の身体(例えば、対象自身の免疫系)内の標的に及び/又は移植されたγδ T細胞に作用し得る免疫療法剤であってもよい。
組成物の投与は、任意の好都合な方法で実施することができる。本明細書に記載される組成物は、経動脈的に、皮下に、皮内に、腫瘍内に、結節内に、髄内に、筋肉内に、静脈内注射によって、又は腹腔内に、例えば、皮内又は皮下注射によって患者に投与することができる。γδ T細胞の組成物は、腫瘍、リンパ節、又は感染部位に直接注射することができる。
(遺伝子改変)
本発明の方法によって得られるγδ T細胞は、増強された治療特性、例えば、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法のために遺伝子改変することもできる。これは、新たな特異性、例えば、モノクローナル抗体の特異性を有するT細胞を再プログラミングするための改変されたT細胞受容体(TCR)の生成を伴う。改変されたTCRは、悪性細胞に特異的な、それゆえ、癌免疫療法に有用なT細胞を作ることができる。例えば、T細胞は、対象組織由来の正常な体細胞によって発現されない腫瘍抗原、例えば、腫瘍関連抗原を発現する癌細胞を認識することができる。したがって、CAR修飾T細胞は、例えば、癌患者の養子T細胞療法に使用することができる。
(抗体又はその断片のその他の使用)
本発明のさらなる態様によれば、γδ T細胞(特に、Vδ1 T細胞)の抗原認識、活性化、シグナル伝達、又は機能を試験するための本明細書に記載される抗Vδ1抗体又はその断片の使用が提供される。本明細書に記載されているように、抗体は、γδ T細胞機能を検討するために使用することができるアッセイにおいて活性があることが示されている。そのような抗体は、γδ T細胞の増殖を誘導するのに有用である場合もあり、それゆえ、γδ T細胞(例えば、Vδ1 T細胞)を拡大する方法において使用することができる。
Vδ1鎖に結合する抗体を用いて、γδ T細胞を(すなわち、標識として)検出することができる。好ましくは、標識として使用される抗体は、標的Vδ1 T細胞が抗体結合時に影響を受けないように、細胞増殖を刺激しない。例えば、該抗体を検出可能な標識もしくレポーター分子で標識し、又は捕捉リガンドとして用いて、試料中のVδ1 T細胞を選択的に検出及び/又は単離することができる。標識抗体は、当技術分野で公知の多くの方法、例えば、免疫組織化学及びELISAで使用される。
検出可能な標識又はレポーター分子は、放射性同位体、例えば、3H、14C、32P、35S、又は125l;蛍光もしくは化学発光部分、例えば、フルオレセインイソチオシアネート、もしくはローダミン;又は酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、もしくはルシフェラーゼであることができる。本発明の抗体に適用される蛍光標識は、その後、蛍光活性化細胞選別(FACS)法において使用することができる。
(ポリヌクレオチド及び発現ベクター)
また提供されるのは、本発明の抗Vδ1抗体又は断片をコードするポリヌクレオチドである。一実施態様において、該抗Vδ1抗体又は断片は、配列番号99~110と少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなるポリヌクレオチドによってコードされる。一実施態様において、該抗Vδ1抗体又は断片は、配列番号99~110のVH領域を含む発現ベクターによってコードされる。別の実施態様において、該抗Vδ1抗体又は断片は、配列番号99~110のVL領域を含む発現ベクターによってコードされる。さらなる実施態様において、該ポリヌクレオチドは、配列番号99~110を含むか又は配列番号99~110からなる。さらなる態様において、該ポリヌクレオチドを含むcDNAが提供される。
一実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~110と少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~110のVH領域を含む。別の実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~110のVL領域を含む。さらなる実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~110を含むか又は配列番号99~110からなる。さらなる態様において、該ポリヌクレオチドを含むcDNAが提供される。
一実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~101又は105~108と少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~101又は105~108のVH領域を含む。別の実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~101又は105~108のVL領域を含む。さらなる実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~101もしくは105~108を含むか又は配列番号99~101もしくは105~108からなる。さらなる態様において、該ポリヌクレオチドを含むcDNAが提供される。
一実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~101と少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~101のVH領域を含む。別の実施態様において、発現ベクターは、配列番号99~101のVL領域を含む。さらなる実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号99~101を含むか又は配列番号99~101からなる。さらなる態様において、該ポリヌクレオチドを含むcDNAが提供される。
一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのCDR1、CDR2、及び/又はCDR3をコードする配列番号99~110の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのCDR1、CDR2、及び/又はCDR3をコードする配列番号99~101又は105~108の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのCDR1、CDR2、及び/又はCDR3をコードする配列番号99~101の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。
一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのFR1、FR2、FR3、及び/又はFR4をコードする配列番号99~110の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのFR1、FR2、FR3、及び/又はFR4をコードする配列番号99~101又は105~108の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、ポリヌクレオチドは、コードされた免疫グロブリン鎖可変ドメインのFR1、FR2、FR3、及び/又はFR4をコードする配列番号99~101の部分のいずれか1つと少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、例えば、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又は該配列からなる。
本発明のポリヌクレオチド及び発現ベクターは、コードされたアミノ酸配列と関連して記載することもできる。それゆえ、一実施態様において、該ポリヌクレオチドは、配列番号62~85のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする配列を含むか又は該配列からなる。一実施態様において、該発現ベクターは、配列番号62~73のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む。別の実施態様において、該発現ベクターは、配列番号74~85のいずれか1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む。
抗体又はその断片を発現させるために、本明細書に記載される部分長又は全長軽鎖及び重鎖をコードするポリヌクレオチドは、遺伝子が転写及び翻訳制御配列に機能的に連結されるように、発現ベクターに挿入される。それゆえ、本発明の一態様において、本明細書で定義されるポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターが提供される。一実施態様において、該発現ベクターは、配列番号99~110、例えば、配列番号99、100、101、105、106、107、又は108のVH領域を含む。別の実施態様において、該発現ベクターは、配列番号99~110、例えば、配列番号99、100、101、105、106、107、又は108のVL領域を含む。
本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、翻訳、精製、及び検出を助けるために、アミノ酸残基をコードする追加の配列を含むが、使用される発現系に応じて、別の配列を使用し得ることが理解されるであろう。例えば、配列番号99~110の最初の(5'-末端の)9つのヌクレオチド及び配列番号99~100、102~103、105~110最後の(3'-末端の)36ヌクレオチド又は配列番号101及び104の最後の(3'-末端の)39ヌクレオチドは、任意配列である。別の設計、翻訳、精製、又は検出戦略を採用する場合、これらの任意配列を除去するか、修飾する、又は置換することができる。
ポリペプチドのアミノ酸配列に関してサイレントであるが、特定の宿主において翻訳のための好ましいコドンを提供するポリペプチドをコードするDNA又はcDNAに対して突然変異を作成することができる。例えば、大腸菌及び出芽酵母(S.cerevisiae)、並びに哺乳動物、具体的には、ヒトにおける核酸の翻訳のための好ましいコドンは公知である。
ポリペプチドの突然変異は、例えば、ポリペプチドをコードする核酸に対する置換、付加、又は欠失によって達成することができる。ポリペプチドをコードする核酸に対する置換、付加、又は欠失は、例えば、エラープローンPCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発、アセンブリPCR、PCR突然変異誘発、インビボ突然変異誘発、カセット突然変異誘発、再帰的集合突然変異誘発、指数関数的集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再アセンブリ、人工遺伝子合成、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成ライゲーション再アセンブリ(SLR)、又はこれらの方法の組合せを含む、多くの方法によって導入することができる。核酸に対する修飾、付加、又は欠失は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップド二重鎖突然変異誘発、点ミスマッチ修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発、制限精製突然変異誘発、集合突然変異誘発、キメラ核酸多量体生成、又はこれらの組合せを含む方法によって導入することもできる。
特に、人工遺伝子合成を使用することができる。本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は、例えば、固相DNA合成によって、合成的に産生することができる。前駆体鋳型DNAを必要とすることなく、遺伝子全体をデノボで合成することができる。所望のオリゴヌクレオチドを得るために、構成要素を、成長するオリゴヌクレオチド鎖に、産物の配列によって要求される順序で順次カップリングさせる。鎖アセンブリが終了したら、産物を固相から溶液に遊離させ、脱保護し、回収する。産物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって単離して、所望のオリゴヌクレオチドを高純度で得ることができる。
発現ベクターとしては、例えば、プラスミド、レトロウイルス、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、及びエプスタイン・バーウイルス(EBV)由来エピソームが挙げられる。ポリヌクレオチドは、ベクター内の転写及び翻訳制御配列がポリヌクレオチドの転写及び翻訳を調節するその意図された機能を果たすように、ベクターにライゲーションされる。発現及び/又は制御配列としては、プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、コード配列の5'にある開始コドン(すなわち、ATG)、イントロンのスプライシングシグナル、及び終止コドンを挙げることができる。発現ベクター及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。配列番号99~110は、合成リンカー(例えば、配列番号98をコードする)によって接続されたVH領域及びVL領域を含む、本発明の単鎖可変断片をコードするヌクレオチド配列を含む。本発明のポリヌクレオチド又は発現ベクターは、VH領域、VL領域、又は両方(任意に、リンカーを含む)を含み得ることが理解されるであろう。それゆえ、VH及びVL領域をコードするポリヌクレオチドは、別々のベクターに挿入されることができ、或いは、両方の領域をコードする配列は、同じ発現ベクターに挿入される。ポリヌクレオチドは、標準的な方法(例えば、ポリヌクレオチド及びベクター上の相補的制限部位のライゲーション、又は制限部位が存在しない場合、平滑末端ライゲーション)によって、発現ベクターに挿入される。
好都合なベクターは、任意のVH又はVL配列を、本明細書に記載されるように、容易に挿入し、発現させることがきるように改変された適当な制限部位を有する、機能的に完全なヒトCH又はCL免疫グロブリン配列をコードするベクターである。発現ベクターは、宿主細胞からの抗体(又はその断片)の分泌を容易にするシグナルペプチドをコードすることもできる。ポリヌクレオチドは、シグナルペプチドが抗体のアミノ末端にインフレームで連結されるように、ベクターにクローニングすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質由来のシグナルペプチド)であることができる。
宿主細胞は、抗体の軽鎖又はその断片をコードする第一のベクター及び抗体又はその断片の重鎖をコードする第二のベクターを含み得る。或いは、重鎖と軽鎖はどちらも、宿主細胞に導入される同じ発現ベクター上でコードされる。一実施態様において、ポリヌクレオチド又は発現ベクターは、抗体又はその断片に融合した膜結合又は膜貫通ドメインをコードし、ここで、該抗体又はその断片は、宿主細胞の細胞外表面に提示される。
形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための任意の公知の方法によるものであることができる。異種ポリヌクレオチドを哺乳動物に導入するための方法は、当技術分野において周知であり、これには、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチドの封入、バイオリスティック注射、及び核へのDNAの直接的なマイクロインジェクションが含まれる。さらに、核酸分子は、ウイルスベクターによって哺乳動物に導入することができる。
発現用の宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当技術分野において周知であり、これには、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が含まれる。これらには、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、3T3細胞、及びいくつかの他の細胞株が含まれる。哺乳動物宿主細胞には、ヒト、マウス、ラット、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、及びハムスター細胞が含まれる。特に好ましい細胞株は、どの細胞株が高い発現レベルを有するかを決定することにより選択される。使用し得る他の細胞株は、昆虫細胞株、例えば、Sf9細胞、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞、及び真菌細胞である。抗体の抗原結合断片、例えば、scFv及びFv断片を、当技術分野で公知の方法を用いて、単離し、大腸菌内で発現させることができる。
抗体は、宿主細胞における抗体の発現、又はより好ましくは、宿主細胞が成長する培養培地中への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間、宿主細胞を培養することにより産生される。抗体は、標準的なタンパク質精製法を用いて、培養培地から回収することができる。
本発明の抗体(又は断片)は、例えば、Green及びSambrookの文献、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)(2012)、第4版、Cold Spring Harbour Laboratory Pressに開示されている技法を用いて取得及び操作することができる。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を用いて、特異的な抗体を産生するB細胞を、組織培養下で成長するその能力について及び抗体鎖合成の欠如について選択される骨髄腫(B細胞癌)細胞と融合させることにより産生することができる。
所定の抗原に対するモノクローナル抗体は、例えば、
a)ハイブリドーマを形成させるために、所定の抗原で予め免疫された動物の末梢血から得られたリンパ球を不死細胞で、好ましくは、骨髄腫細胞で不死化すること、
b)形成された不死化細胞(ハイブリドーマ)を培養し、所望の特異性を有する抗体を産生する細胞を回収すること
:により得ることができる。
或いは、ハイブリドーマ細胞の使用は、必要とされない。本明細書に記載される標的抗原に結合することができる抗体は、ルーチンの業務によって、例えば、当技術分野で公知のファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、リボソームディスプレイ、又は哺乳動物ディスプレイ技術を用いて、好適な抗体ライブラリーから単離することができる。したがって、モノクローナル抗体は、例えば、
a)ベクターに、特に、ファージに、より具体的には、糸状バクテリオファージに、動物のリンパ球、特に、末梢血リンパ球(好適には、所定の抗原で予め免疫されたもの)から得られたDNA又はcDNA配列をクローニングする工程
b)原核生物細胞を、抗体の産生を可能にする条件で、上記のベクターで形質転換する工程
c)それを抗原-親和性選択に供することにより、抗体を選択する工程
d)所望の特異性を有する抗体を回収する工程
:を含むプロセスによって得ることができる。
本明細書に記載される全ての実施態様を本発明の全ての態様に適用し得ることが理解されるであろう。
本発明の他の特徴及び利点は、本明細書に提供される説明から明らかであろう。しかしながら、様々な変更及び修正が当業者には明らかであるので、該説明及び具体的な実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すと同時に、単なる例示として与えられることが理解されるべきである。これから、本発明を、以下の非限定的な実施例を用いて説明することにする:
(実施例)
(実施例1.材料及び方法)
(ヒト抗体発見)
ヒトファージディスプレイを利用して、本明細書に記載されるヒト抗ヒト可変Vδ1+ドメイン抗体を作製した。ライブラリーをSchofieldらの文献(Genome biology 2007, 8(11): R254)に記載されている通りに構築し、これは、~400億個のヒトクローンの単鎖断片可変(scFv)提示ライブラリーを含んでいた。このライブラリーを、本明細書に記載される抗原、方法、選択、選択解除、スクリーニング、及び特徴解析戦略を用いてスクリーニングした。
(抗原調製)
下の実施例で使用されるTCRα及びTCR β定常領域を含む可溶性γδ TCRヘテロ二量体の設計をXuらの文献(2011) PNAS 108: 2414-2419に従って作成した。Vγ又はVδドメインを、膜貫通ドメインを欠くTCRα又はTCRβ定常領域と、それに続く、ロイシンジッパー配列又はFc配列、及びヒスチジンタグ/リンカーにインフレームで融合させた。
発現コンストラクトを、哺乳動物EXPI HEK293懸濁細胞に(ヘテロ二量体の単一トランスフェクション又は共トランスフェクションのいずれかとして)、一過性にトランスフェクトした。分泌された組換えタンパク質を親和性クロマトグラフィーによって培養上清から回収し、精製した。単量体抗原の良好な回収を保証するために、試料を、分取サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いてさらに精製した。精製された抗原を、純度についてはSDS-PAGEにより、凝集状態については分析的SECにより解析した。
(抗原の機能的検証)
デルタ可変1(Vδ1)鎖を含有する抗原の特異性を、DELFIA免疫アッセイ(Perkin Elmer)及びREA173-Miltenyi Biotec製の抗Vδ1抗体を用いてγδ T細胞と競合させるフローベースのアッセイで確認した。
(解離増強ランタニド蛍光免疫アッセイ(DELFIA))
抗原の特異性の確認のために、DELFIA免疫アッセイを、プレート(50μL PBS中、3μg/mLの抗原、4℃で一晩(Nunc #437111)に直接コーティングした抗原及び300nMから始まる一次抗体の連続希釈液を用いて実施した。DELFIA Eu-N1の検出のために、抗ヒトIgG(Perkin Elmer # 1244-330)を、二次抗体として、50μLの3%MPBS(PBS+3%(w/V)スキムミルク粉末)中、1/500希釈で使用した。発色は、50μLのDELFIA増強溶液(Perkin Elmer #4001-0010)によるものとした。
対象となる抗体の親和性ランキングは、抗体をプレートにコーティングされたプロテインGによって捕捉し、可溶性ビオチン化L1(DV1-GV4)抗原を、50μL(3MPBS)中、5nMで添加するDELFIA免疫アッセイを用いて行った。検出のために、50μLのストレプトアビジン-Eu(アッセイバッファー中、1:500、Perkin Elmer)を使用し、シグナルをDELFIA増強溶液で発色させた。D1.3 hIgG1(Englandらの文献(1999) J. Immunol. 162: 2129-2136に記載されている)を陰性対照として使用した。
ファージディスプレイ選択の産出物をscFv発現ベクターpSANG10(Martinらの文献(2006) BMC Biotechnol. 6: 46)にサブクローニングした。可溶性scFvを発現させ、直接固定化された標的に対するDELFIAでの結合についてスクリーニングした。ヒットは、3000蛍光単位を上回るDELFIAシグナルと定義した。
(抗体調製)
選択されたscFvを、市販のプラスミドを用いて、IgG1フレームワークにサブクローニングした。抗体発現のために、expi293F懸濁細胞に該プラスミドをトランスフェクトした。便宜上、別途記載されない限り、これらの実施例で特徴付けられる抗体は、scFvとしてファージディスプレイから選択されたIgG1フォーマット化抗体を指す。しかしながら、本発明の抗体は、先に論じられている任意の抗体フォーマットのものであってもよい。
(抗体精製)
IgG抗体を、プロテインAクロマトグラフィーを用いて、上清からバッチ精製した。その後、濃縮されたプロテインA溶出物を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて精製した。精製IgGの品質は、ELISA、SDS-PAGE、及びSEC-HPLCを用いて解析した。
(γδ T細胞調製)
濃縮されたγδ T細胞の集団をWO2016/198480号(すなわち、血液由来γδ T細胞)又はWO2020/095059号(すなわち、皮膚由来γδ T細胞)に記載されている方法に従って調製した。簡潔に説明すると、血液由来γδ T細胞については、PBMCを血液から取得し、磁気によるαβ T細胞の除去に供した。その後、αβが除去されたPBMCを、OKT-3(又はそれぞれの抗Vδ1抗体)、IL-4、IFN-γ、IL-21、及びIL-1βの存在下、CTS OpTmiser培地(ThermoFisher)中で7日間培養した。培養7日目に、培地に、OKT-3(又はそれぞれの抗Vδ1抗体)、IL-21、及びIL-15をさらに4日間補充した。培養11日目に、培地に、OKT-3(又はそれぞれの抗Vδ1抗体)及びIL-15をさらに3日間補充した。培養14日目に、培地の半分を新鮮な完全OpTmiserと交換し、OKT-3(又はそれぞれの抗Vδ1抗体)、IL-15、及びIFN-γを補充した。培養17日目以降、培養物に、OKT-3(又はそれぞれの抗Vδ1抗体)及びIL-15を3~4日毎に補充し;培地の半分を7日毎に新鮮な培地と交換した。
皮膚由来γδ T細胞については、皮膚試料を皮下脂肪を除去することにより調製し、3mm生検パンチを用いて、多数のパンチを作製する。パンチをカーボンマトリクスグリッド上に置き、G-REX6(Wilson Wolf)のウェルに入れた。各々のウェルを、AIM-V培地(Gibco, Life Technologies)、CTS Immune製の血清代替品(Life Technologies)、IL-2、及びIL-15を含有する完全単離培地で満たした。培養から最初の7日間は、アムホテリシンB(Life Technologies)を含有する完全単離培地を使用した(「+AMP」)。プレート又はバイオリアクターの底の細胞を乱さないように、上の方の培地を穏やかに吸引し、2×完全単離培地(AMPなし)と交換することにより、培地を7日毎に交換した。培養下で3週間を超えたら、その後、得られた遊出細胞を新しい組織培養容器及び新鮮な培地(例えば、AIM-V培地又はTexMAX培地(Miltenyi))+組換えIL-2、IL-4、IL-15、及びIL-21に通した後、回収した。任意に、その後、同じく培養物中に存在するαβ T細胞を、αβ T細胞除去キット及び関連プロトコル、例えば、Miltenyiによって提供されているものを援用して除去する。さらなる参考のために、WO2020/095059号を参照されたい。
(γδ T細胞結合アッセイ)
γδ T細胞に対する抗体の結合を、一定濃度の精製抗体を250000個のγδ T細胞とともにインキュベートすることにより試験した。このインキュベーションは、Fc受容体による抗体の非特異的な結合を防ぐために、ブロッキング条件下で実施した。検出は、ヒトIgG1に対する蛍光色素コンジュゲート二次抗体の添加によって実施した。陰性対照については、細胞を、a)アイソタイプ抗体のみ(組換えヒトIgG)、b)蛍光色素コンジュゲート抗ヒトIgG 抗体のみ、及びc)a)とb)の組合せを用いて調製した。全く染色されていない細胞の対照ウェルも調製し、解析した。陽性対照として、精製マウスモノクローナルIgG2抗ヒトCD3抗体及び精製マウスモノクローナルIgG1抗ヒトTCR Vδ1抗体を2つの異なる濃度で使用し、蛍光色素コンジュゲートヤギ抗マウス二次抗体で染色した。アッセイは、FITCチャネルにおけるより低い濃度の陽性対照の平均蛍光強度が最も高い陰性対照の少なくとも10倍である場合に容認した。
(SPR解析)
アミン高容量チップを備えたMASS-2装置(どちらも、Sierra Sensors, Germany製)を用いて、SPR解析を実施した。15nM IgGをプロテインGを介してアミン高容量チップ(TS8.2の場合、100nM)に捕捉させた。L1(DV1-GV4)抗原を、2000nMから15.625nMまでの1:2希釈系列で、以下のパラメータ: 180s会合、600s解離、流量30μL/分、泳動バッファーPBS+0.02%Tween 20を用いて、細胞の上に流した。実験は全て、室温で、MASS-2装置で実施した。ソフトウェアSierra Analyzer 3.2を用いて、Langmuir 1:1結合に従って、定常状態フィッティングを決定した。
(コンパレーター抗体)
抗体を、記載されている試験アッセイにおいて、市販の抗体と比較した。
(γδ TCR下方調節及び脱顆粒アッセイ)
試験抗体がローディングされた又はローディングされていないTHP-1(TIB-202(商標)、ATCC)標的細胞をCellTracker(商標) Orange CMTMR(ThermoFisher, C2927)で標識し、CD107a 抗体(抗ヒトCD107a BV421(クローンH4A3) BD Biosciences 562623)の存在下、2:1の比でγδ T細胞とともにインキュベートした。インキュベーションから2時間後、γδ T細胞上でのγδ TCRの表面発現(TCR下方調節を測定するため)及びCD107aの発現(脱顆粒を測定するため)を、フローサイトメトリーを用いて評価した。
(殺傷アッセイ)
ガンマデルタT細胞殺傷活性及びγδ T細胞の殺傷活性に対する試験抗体の効果をフローサイトメトリーによって評価した。インビトロ共培養から4時間後、生きている標的THP-1細胞と死んだ標的THP-1細胞を区別するために、20:1の比のγδ T細胞及びCellTracker(商標) Orange CMTMR(ThermoFisher, C2927)標識THP-1細胞(抗体がローディングされたもの又はローディングされていないもの)をViability Dye eFluor(商標) 520(ThermoFisher, 520 65-0867-14)で染色した。試料取得時に、標的細胞に、CellTracker(商標) Orange CMTMR陽性でゲートをかけ、生死判定色素の取込みに基づいて、細胞死について調べた。CMTMR及びeFluor(商標) 520二重陽性細胞を死んだ標的細胞と認識した。γδ T細胞の殺傷活性を死んだ標的細胞の%として示した。
(エピトープマッピング)
エピトープマッピングに使用された全てのタンパク質試料(抗原L1(DV1-GV4)及び抗体1245_P01_E07、1245_P02_G04、1252_P01_C08、1251_P02_C05、及び1141_P01_E01)を、タンパク質完全性及び凝集レベルについて、高質量MALDIを用いて解析した。
L1(DV1-GV4)/1245_P01_E07、L1(DV1-GV4)/1245_P02_G04、L1(DV1-GV4)/1252_P01_C08、L1(DV1-GV4)/1251_P02_C05、及びL1(DV1-GV4)/1141_P01_E01複合体エピトープを高分解能で決定するために、タンパク質複合体を、重水素化クロスリンカーとともにインキュベートし、トリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンを用いる多重酵素タンパク質分解に供した。架橋ペプチドの濃縮後、試料を高分解能マススペクトロメトリー(nLC-LTQ-Orbitrap MS)によって解析し、作成されたデータをXQuest及びStavroxソフトウェアを用いて解析した。
(SYTOX-フロー殺傷アッセイ)
SYTOXアッセイは、フローサイトメトリーを用いる標的細胞のT細胞媒介性細胞溶解の定量を可能にする。死細胞/瀕死細胞を、欠陥のある血漿膜を有する細胞にのみ浸透するが、健康な細胞の無傷の細胞膜を越えることができない死細胞染色剤(SYTOX(登録商標) AADvanced(商標), Life Technologies, S10274)によって検出する。NALM-6標的細胞をCTV色素(Cell Trace Violet(商標), Life Technologies, C34557)で標識し、それにより、未標識のエフェクターT細胞と区別可能になった。死んだ/瀕死の標的細胞は、死細胞色素及び細胞追跡色素の二重染色によって同定される。
表示されたエフェクター対標的比(E:T、1:1又は10:1)でのエフェクター及びCTV標識標的細胞のインビトロ共培養から16時間後、細胞をSYTOX(登録商標) AADvanced(商標)で染色し、FACSLyric(商標)(BD)で取得した。殺傷結果は、エフェクター細胞が添加されていない対照ウェル中の生きている標的細胞(最大カウント)に対する試験試料中の生きている標的細胞(試料カウント)の数を考慮することにより計算される%標的細胞低下として示されている:
(実施例2.抗原設計)
ガンマデルタ(γδ) T細胞は、CDR3ポリクローナル性に関してポリクローナルである。作製された抗体がCDR3配列に対して選択される状況を避けるために(CDR3配列はTCRクローンによって異なるので)、抗原設計には、様々なフォーマットで一貫したCDR3を維持することが含まれた。この設計は、生殖系列によってコードされ、それゆえ、全てのクローンで同じである可変ドメイン内の配列を認識する抗体を作製し、それにより、γδ T細胞のより幅広いサブセットを認識する抗体を提供することを目標にした。
抗原調製プロセスの別の重要な側面は、タンパク質としての発現に好適である抗原を設計することであった。γδ TCRは、鎖内ジスルフィド結合と鎖間ジスルフィド結合を有するヘテロ二量体を含む複合タンパク質である。ロイシンジッパー(LZ)フォーマット及びFcフォーマットを用いて、ファージディスプレイ選択において使用されることになる可溶性TCR抗原を作製した。LZフォーマットとFcフォーマットはどちらも、十分に発現され、TCR(特に、ヘテロ二量体TCR、例えば、Vδ1Vγ4)を良好に提示した。
γδ TCRの公的データベースエントリーから得たCDR3配列は、タンパク質(RCSBタンパク質データバンクエントリー: 3OMZ)として良好に発現することが分かった。それゆえ、これを抗原調製用に選択した。
デルタ可変1鎖を含有する抗原を、LZフォーマットでヘテロ二量体として(すなわち、異なるガンマ可変鎖-「L1」、「L2」、「L3」と組み合わせて)及びFcフォーマットでヘテロ二量体(「F1」、「F2」、「F3」)としてか又はホモ二量体として(すなわち、別のデルタ可変1鎖-「Fc1/1」と組み合わせて)かのいずれかで発現させた。抗原のデルタ可変1鎖は全て、3OMZ CDR3を含有していた。同様のフォーマットを用いた別の一連のγδ TCR抗原を異なるデルタ可変鎖(例えば、デルタ可変2及びデルタ可変3)を含めて設計し、非特異的結合又はオフターゲット結合を有する抗体を選択解除するために使用した(「L4」、「F9」、「Fc4/4」、「Fc8/8」)。また、CDR3領域における抗体結合も選択解除されることを保証するために、これらの抗原を3OMZ CDR3を含むように設計した。
設計された抗原が抗TRDV1(TCRデルタ可変1)抗体を作製するのに好適であることを確認するために、抗原機能の検証を行った。検出は、δ1ドメインを含有する抗原の場合にのみ見られた(図1)。
(実施例3.ファージディスプレイ)
どちらかのヘテロ二量体LZ TCRフォーマットをラウンド1及び2で使用し、両方のラウンドでヘテロ二量体LZ TCRで選択解除を行って、ファージディスプレイ選択をヒトscFvのライブラリーに対して行った。又はラウンド1をホモ二量体Fc融合TCRを使用し、ヒトIgG1 Fcで選択解除し、その後、ラウンド2をヘテロ二量体LZ TCRで行い、ヘテロ二量体LZ TCRで選択解除した(表1を参照)。
表1.ファージディスプレイ選択の概要
bt=ビオチン
選択は、100nMビオチン化タンパク質を用いて、溶液相で実施した。選択解除は、1μM非ビオチン化タンパク質を用いて実施した。
ファージディスプレイ選択の成功は、ポリクローナルファージELISA(DELFIA)によって解析した。DV1選択の産出物は全て、標的Fc 1/1、L1、L2、L3、F1、及びF3に対する所望の結合を示した。非標的L4、F9、Fc 4/4、Fc 8/8、及びFcに対する様々な程度の結合が検出された(図2A及びBを参照)。
(実施例4.抗体選択)
実施例3で得られたヒットを(当技術分野で公知の標準的な方法を用いて)シークエンシングした。130個のユニークなクローンが同定され、これらは、VH CDR3とVL CDR3のユニークな組合せを示した。これらの130個のユニークなクローンのうち、125個がユニークなVH CDR3を示し、109個がユニークなVL CDR3を示した。
ユニークなクローンを再配置し、特異性をELISA(DELFIA)によって解析した。TRDV1(L1、L2、L3、F1、F2、F3)に結合するが、TRDV2(L4)には結合しない94個のユニークなヒトscFvバインダーのパネルが選択から同定された。
選択されたバインダーの親和性ランキングは、クローンの選択を前に進めるのを助けるために含まれた。多数のバインダーがナノモル濃度範囲での親和性を示し、25~100nMのビオチン化抗原と反応した。少数のバインダーが5nMの抗原との強い反応を示し、1桁台のナノモル濃度親和性の可能性を示した。いくつかのバインダーは、100nMの抗原との反応を示さず、マイクロモル濃度範囲での親和性を示した。
クローンの選択をIgG変換まで進めるために、目標は、できる限り多くの生殖系列系譜及びできる限り多くの異なるCDR3を含めることであった。さらに、グリコシル化、インテグリン結合部位、CD11c/CD18結合部位、不対システインのような配列傾向を回避した。さらに、種々の親和性を含めた。
選択されたクローンを、天然の細胞表面に発現されたγδTCRに対する結合について、様々なドナーから得られた皮膚由来γδ T細胞を用いてスクリーニングした。IgGに変換されるべく選択されたクローンは、表2に示されている。
表2. IgG変換用のDV1バインダー
(実施例5:抗体SPR解析)
調製されたIgG抗体をγδ細胞結合アッセイにかけ、5つの最も優れたバインダーをさらなる機能的及び生物物理学的特徴解析用に選択した。平衡解離定数(K
D)を決定するために、SPR解析を実施した。被験抗体と分析物との相互作用のセンサーグラムが、定常状態フィット(利用可能な場合)とともに、図3に示されている。TS8.2については、結合が検出されず、80RUのIgGがチップ上に捕捉された。結果は、表3にまとめられている。
表3. IgG捕捉の結果
*1252_P02_C05の結合は飽和に到達せず、それゆえ、データを外挿した。
(実施例6: TCRエンゲージメントアッセイ)
本発明者らは、選択された抗体の機能的特徴解析に使用されるべきいくつかのアッセイを設計した。第一のアッセイは、抗体結合時のγδ TCRの下方調節を測定することにより、γδ TCRエンゲージメントを評価した。選択された抗体を、陽性対照として使用される市販の抗CD3抗体及び抗Vδ1抗体に対して、又は(1139_P01_E04、1245_P02_F07、1245_P01_G06、及び1245_P01_G09の)陽性対照としての1252_P01_C08に対して試験した。市販の抗汎γδは、可変鎖に関係なく、全てのγδ T細胞を認識する汎γδ抗体であり、それゆえ、異なる作用様式を有する可能性が高いので、これを陰性対照として使用した。
このアッセイを、3つの異なるドナー試料(94%、80%、及び57%の純度を有する試料)から得られた皮膚由来γδ T細胞を用いて実施した。結果は、図4に示されている。EC50値は、下の表4にまとめられている。
(実施例7: T細胞脱顆粒アッセイ)
第二のアッセイは、γδ T細胞の脱顆粒を評価した。γδ T細胞は、パーフォリン-グランザイム媒介性のアポトーシス活性化による標的細胞殺傷を媒介し得ると考えられる。γδ T細胞の細胞質内の溶解性顆粒は、T細胞活性化時に、標的細胞に向かって放出され得る。それゆえ、CD107aに対する抗体による標的細胞の標識及びフローサイトメトリーによる発現の測定を用いて、脱顆粒γδ T細胞を同定することができる。
実施例6に関して、選択された抗体を、陽性対照としての市販の抗CD3抗体及び抗Vδ1抗体又は(1139_P01_E04、1245_P02_F07、1245_P01_G06、及び1245_P01_G09の)陽性対照としての1252_P01_C08に対して試験した。IgG2a、IgG1、及びD1.3抗体を陰性対照として使用した。このアッセイを、3つの異なるドナー試料(94%、80%、及び57%の純度を有する試料)から得られた皮膚由来γδ T細胞を用いて実施した。結果は、図5に示されている。EC50値は、下の表4にまとめられている。
(実施例8:殺傷アッセイ)
第三のアッセイは、選択された抗体で活性化されたγδ T細胞の標的細胞を殺傷する能力を評価した。
実施例6に関して、選択された抗体を、陽性対照としての市販の抗CD3抗体及び抗Vδ1抗体に対して又は(1139_P01_E04、1245_P02_F07、1245_P01_G06、及び1245_P01_G09の)陽性対照としての1252_P01_C08並びに陰性対照としての抗汎γδに対して試験した。IgG2a、IgG1、及びD1.3 抗体もアイソタイプ対照として使用した。このアッセイを、2人のドナーから得られた皮膚由来γδ T細胞(94%及び80%の純度)を用いて実施した。結果は、図6に示されている。
実施例6~8で試験された3つの機能アッセイの結果は、表4にまとめられている。
表4.機能アッセイから得られた結果のまとめ
N/D:判定できなかった; N/D
*:判定できず、滴定曲線がプラトーに達しなかった; N/D
**:殺傷プロファイルが低下し、EC50が確定されなかった。
(実施例9:エピトープマッピング)
抗原/抗体複合体のエピトープを高分解能で決定するために、タンパク質複合体を重水素化クロスリンカーとともにインキュベートし、多重酵素切断に供した。架橋ペプチドの濃縮後、試料を高分解能マススペクトロメトリー(nLC-LTQ-Orbitrap MS)によって解析し、作成されたデータを、XQuest(バージョン2.0)及びStavrox(バージョン3.6)ソフトウェアを用いて解析した。
重水素化d0d12とともに、タンパク質複合体L1(DV1-GV4)/1245_P01_E07をトリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンでタンパク質分解した後、nLC-orbitrap MS/MS解析により、L1(DV1-GV4)と抗体1245_P01_E07の間の13の架橋ペプチドが検出された。結果は、図7に示されている。
重水素化d0d12とともに、タンパク質複合体L1(DV1-GV4)/1252_P01_C08をトリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンでタンパク質分解した後、nLC-orbitrap MS/MS解析により、L1(DV1-GV4)と抗体1252_P01_C08の間の5つの架橋ペプチドが検出された。結果は、図8に示されている。
重水素化d0d12とともに、タンパク質複合体L1(DV1-GV4)/1245_P02_G04をトリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンでタンパク質分解した後、nLC-orbitrap MS/MS解析により、L1(DV1-GV4)と抗体1245_P02_G04の間の20の架橋ペプチドが検出された。結果は、図9に示されている。
重水素化d0d12とともに、タンパク質複合体L1(DV1-GV4)/1251_P02_C05をトリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンでタンパク質分解した後、nLC-orbitrap MS/MS解析により、L1(DV1-GV4)と抗体1251_P02_C05の間の5つの架橋ペプチドが検出された。結果は、図10に示されている。
別の抗体、クローンID 1141_P01_E01によるエピトープ結合も試験した。重水素化d0d12とともに、タンパク質複合体L1(DV1-GV4)/1141_P01_E01をトリプシン、キモトリプシン、Asp-N、エラスターゼ、及びサーモリシンでタンパク質分解した後、nLC-orbitrap MS/MS解析により、L1(DV1-GV4)と抗体1141_P01_E01の間の20の架橋ペプチドが検出された。結果は、図11に示されている。
エピトープマッピング結果のまとめは、表5に示されている。
表5.抗原/抗体複合体のエピトープマッピングの結果
(実施例10: Vδ1 T細胞の拡大)
単離されたγδ T細胞の拡大を、選択された抗体及びコンパレーター抗体の存在下で調べた。コンパレーター抗体は、陽性対照としてのOKT3抗CD3抗体、陰性対照としての抗体なし、又はアイソタイプ対照としてのIgG1抗体:から選択した。市販の抗Vδ1抗体であるTS-1及びTS8.2も比較のために試験した。
実験1:
70,000細胞/ウェルを完全Optimizer及び実施例1の血液由来γδ T細胞の「γδ T細胞調製」に記載されているサイトカインとともに播種することにより、最初の検討を行った。選択された抗体及びコンパレーター抗体を4.2ng/ml~420ng/mlの範囲に及ぶ様々な濃度で試験した。この実験は、プラスチックへの抗体の結合/固定化を可能にする組織培養プレートを用いて実施した。
細胞を7、14、及び18日目に回収し、細胞カウンター(NC250、ChemoMetec)を用いて、全細胞カウントを決定した。結果は、図12に示されている。Vδ1 T細胞の細胞生存率も各々の回収物で測定し、全ての抗体が実験の全体を通じて細胞生存率を維持することが示された(データは示さない)。18日目に、Vδ1 T細胞のパーセンテージ、細胞カウント、及び変化倍率も解析した。結果は、図13に示されている。
図12に見られるように、抗体との培養下で産生された細胞の総数は、培養の全体を通じて着実に増加し、市販の抗Vδ1抗体と同程度又はそれ以上であった。18日目に、試験された最大濃度の1245_P02_G04(「G04」)、1245_P01_E07(「E07」)、1245_P01_B07(「B07」)、及び1252_P01_C08(「C08」)抗体の存在下でのVδ1陽性細胞の割合は、OKT3、TS-1、又はTS8.2対照抗体が存在する培養物中よりも大きかった(図13Aを参照)。
実験2:
後続の実験を、実施例1の「γδ T細胞調製」に記載されているサイトカインを含む培養容器中の単離された細胞に対して行った。実験1と比較して、その表面が抗体結合/固定化を促進しない異なる培養容器を使用した。選択された抗体及びコンパレーター抗体を、42pg/ml~42ng/mlの範囲に及ぶ様々な濃度で試験した。実験2において、結果は、3連で実施された実験から得た。
細胞を7、11、14、及び17日目に回収し、前と同じ細胞カウンターを用いて、全細胞カウントを決定した。結果は、図14に示されている。17日目に、Vδ1 T細胞のパーセンテージ、細胞カウント、及び変化倍率も解析した。結果は、図15に示されている。
非Vδ1細胞を含む細胞組成も実験2において測定した。17日目の細胞を回収し、フローサイトメトリーにより、Vδ1、Vδ2、及びαβ TCRの表面発現について解析した。各々の培養物における各々の細胞型の割合は、図16にグラフで示されており、パーセンテージ値は、表6に提供されている。
表6. 17日目の細胞組成-各々のサブセットの生細胞のパーセンテージ
これらの結果から分かるように、Vδ1陽性細胞の割合は、OKT3、TS-1、又はTS8.2対照と比較して、B07、C08、E07、及びG04が存在する培養物においてより大きい。それゆえ、被験抗体は、培養物中に低濃度で存在する場合であっても、市販の抗体よりも効率的にVδ1陽性細胞を産生し、拡大する。
CD27を発現する(すなわち、CD27+の)ナチュラルキラー(NK)細胞及びVδ1 T細胞の存在を確認するために、実験2の17日目の細胞を、CD3-CD56+を含む、追加の細胞マーカーについても解析した。結果は、表7にまとめられている。
表7. 17日目の細胞組成-NK及びCD27+細胞のパーセンテージ
SEM:平均の標準誤差
(実施例11: Vδ1 T細胞の機能性)
選択された抗体の存在下で拡大されたVδ1 T細胞は、CDR3領域のポリクローナルレパートリーを保持しており、これを、SYTOX-フロー殺傷アッセイを用いて、機能性についても試験した。結果は、実験1において、細胞を10:1のエフェクター対標的(E:T)比で用いて、14日目に得られた細胞(図17A)並びに実験2において、細胞を1:1及び10:1のE:T比で用いて、17日目(凍結解凍後)に得られた細胞(図17B)について示されている。
図17に見られるように、全ての抗体の存在下で拡大されたVδ1陽性細胞は、標的細胞を効果的に溶解させ、該細胞を凍結及び解凍した後でも、該細胞が機能的であることを示した。
(実施例12:保存後の細胞の機能性)
凍結させて、その後、解凍するという保存工程の後の細胞の機能性も調べた。細胞の一部を実験2の17日目に培養物から除去し、凍結させた。その後、細胞を解凍し、IL-15を含む培養物中でさらに拡大した。図18は、凍結前にB07、C08、E07、G04、又はOKT-3抗体と接触させた培養物について、凍結解凍後に細胞を培養してから7日後の全細胞カウントを示している。培養物は全て、保存後に増殖する能力を示した。培養を42日まで継続し、この期間中、全細胞カウントをモニタリングした(結果は、図19に示されている)。総細胞数は、選択された抗体に予め曝露された培養物中で維持されるか又は増加した。
(実施例13:抗Vδ1抗体はTILにおける免疫細胞の調節及び増殖を付与した)
抗Vδ1抗体によって付与されるヒト腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の調節及び増殖を調べる試験を始めた。これらの試験のために、ヒト腎細胞癌(RCC)腫瘍生検を新鮮な状態で輸送し、受け取り後すぐに処理した。具体的には、組織を切り刻んで、~2mm2にした。最大1gの組織を、4.7mLのRPMI及び関連のある細胞表面分子の切断を防ぐために0.2×濃度で使用される酵素Rを除いて、製造元によって推奨される濃度のMiltenyi製のTumour Dissociation Kitの酵素とともに、各々のMiltenyi Cチューブに入れた。C-チューブを、ヒーターを備えたgentleMACS(商標) Octo Dissociator上に置いた。軟部腫瘍の解離のためのプログラム37C_h_TDK_1を選択した。その後、消化物を70mMフィルターに通して濾過して、単一細胞懸濁液を作製した。10%FBSを含有するRPMIを消化物に添加して、酵素活性をクエンチした。細胞をRPMI/10%FBSで2回洗浄し、カウント用に再懸濁させる。その後、得られた細胞を、TCウェル(24-ウェルG-REX, Wilson Wolf)に、1ウェル当たり2.5×10e6で播種した。その後、細胞をサイトカインあり又はなしで及び抗体あり又はなしで18日間インキュベートした。試験に含まれた抗体は、図20に要約されている。これには、OKT3(50ng/mlまで)及び本明細書において「C08」としても知られる1252_P01_C08(500ng/mlまで)が含まれる。含まれる場合、これらの抗体のボーラス添加を0、7、11、及び14日目に添加した。該インキュベーション中、培地を11日目及び14日目に新鮮な培地に交換した。リンパ球表現型及び細胞数の倍率変化を決定するために、フローサイトメトリー解析を0日目及び18日目に実施した。細胞に、まず、生きたCD45+細胞で、その後、表示されているようにゲートをかけた。組換えサイトカインを含める群において、これらを次のように添加した。0日目: IL-4、IFN-γ、IL-21、IL-1β。追加のIL-15を7、11、14日目に含めた。追加のIL-21及びIFN-γを、それぞれ、7日目及び14日目に含めた。図20(A)は、表示されている場合、サイトカインの補助(CK)あり及びなしのC08又はOKT3の存在下における18日間の培養後のTIL Vδ1+細胞の増加倍率を示している。これらの結果は、抗体又はサイトカインのみと比較したときの、サイトカインの存在下におけるC08又はコンパレーターOKT3抗体のいずれかの適用によるTIL Vδ1+細胞の大幅な増加倍率を示している。図20(B)は、回収時の全Vδ1細胞数の増加を示している。これらの結果は、抗体又はサイトカインのみと比較した、サイトカインの存在下でC08又はコンパレーターOKT3抗体とともに培養した後のTIL Vδ1+細胞数の大幅な増加を示している。図20(C)は、細胞のフローサイトメトリー解析において使用されたゲーティング戦略の例を示している。生きたCD45+ 細胞集団から、細胞に、その前方及び側方散乱光特性に基づいてリンパ球でゲートをかけ(図示せず)、その後、T細胞受容体について染色することにより、γδ T細胞をαβ T細胞から分離した。最後に、全γδ T細胞集団内のVδ1細胞の割合を決定した。18日目の実施例のデータは、表示されている2つの条件(+/-1252_P01_C08)について示されており: 64.3%の細胞がCD45+であり、このCD45%細胞のうち、53.1%がγδ+であり、このγδ細胞のうち、89.7がVδ1+であった。図20(D)は、回収時のTIL Vδ1+細胞の細胞表面表現型プロファイルを示している。より高いレベルのCD69がC08抗体との培養後に観察された。図20(E)は、回収時の生きたCD45陽性ゲート内のTIL γδ陰性CD8陽性リンパ球画分の解析を示している。まとめると、合わせた結果は、TIL集団に対する本明細書に記載される本発明の抗Vδ1抗体によって付与される調節効果を強調している。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
Vδ1 T細胞を調節するエクスビボ法であって、アミノ酸領域:
(i)配列番号1の3~20;及び/又は
(ii)配列番号1の37~77
内の1以上のアミノ酸残基を含むγδ T細胞受容体(TCR)の可変デルタ1(Vδ1)鎖のエピトープに結合するヒトの抗TCRデルタ可変1(抗Vδ1)抗体又はその断片を、Vδ1 T細胞を含む細胞集団に投与することを含む、前記エクスビボ法。
(態様2)
前記エピトープが、アミノ酸領域:配列番号1の5~20及び62~77; 50~64; 37~53及び59~72; 59~77;又は3~17及び62~69内に1以上のアミノ酸残基を含む、態様1記載の方法。
(態様3)
前記エピトープがγδ T細胞の活性化エピトープである、態様1又は態様2記載の方法。
(態様4)
γδ TCRのVδ1鎖のV領域中のエピトープにのみ結合する、態様1~3のいずれか一項記載の方法。
(態様5)
γδ TCRのVδ1鎖のCDR3に見られるエピトープに結合しない、態様1~4のいずれか一項記載の方法。
(態様6)
Vδ1 T細胞を調節するエクスビボ法であって、
配列番号2~25のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR3;
配列番号26~37及び(表2の)配列:A1~A12のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR2;並びに/又は
配列番号38~61のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むCDR1,
:のうちの1つ又は複数を含む抗Vδ1抗体又はその断片をVδ1 T細胞を含む細胞集団に投与することを含む、前記エクスビボ法。
(態様7)
前記抗体又はその断片が、配列番号62~73、例えば、配列番号63、62、又は64のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域を含む、態様6記載の方法。
(態様8)
前記抗体又はその断片が、配列番号74~85、例えば、配列番号75、74、又は76のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む、態様6記載の方法。
(態様9)
前記抗体又はその断片が、配列番号86~97、例えば、配列番号87、86、又は88のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様6~8のいずれか一項記載の方法。
(態様10)
前記抗体又はその断片が、態様6~9のいずれか一項記載の抗体もしくはその断片と同じもしくは本質的に同じエピトープに結合するか、又は態様6~9のいずれか一項記載の抗体もしくはその断片と競合する、態様6~9のいずれか一項記載の方法。
(態様11)
前記抗体又はその断片が、表面プラズモン共鳴によって測定された1.5×10
-7
M未満の結合親和性(KD)で、γδ T細胞受容体(TCR)の可変デルタ1(Vδ1)鎖に結合する、態様1~10のいずれか一項記載の方法。
(態様12)
前記抗体又はその断片が、scFv、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、可変ドメイン(例えば、VHもしくはVL)、ダイアボディ、ミニボディ、又は全長抗体である、態様1~11のいずれか一項記載の方法。
(態様13)
前記調節がVδ1 T細胞の拡大を含む、態様1~12のいずれか一項記載の方法。
(態様14)
前記方法が、約85%超のVδ1 T細胞、例えば、約90%超のVδ1 T細胞を含有する拡大されたVδ1 T細胞の集団を提供する、態様13記載の方法。
(態様15)
前記方法が前記細胞集団を少なくとも5日間培養することを含む、態様1~14のいずれか一項記載の方法。
(態様16)
前記方法が少なくとも1つのサイトカインの存在下で細胞集団を培養することを含む、態様1~15のいずれか一項記載の方法。
(態様17)
前記サイトカインが、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-21(IL-21)、又はこれらの混合物:から選択される、態様16記載の方法。
(態様18)
前記方法が、IL-2、IL-9、及び/又はIL-15の存在下で細胞集団を培養することを含む、態様1~17のいずれか一項記載の方法。
(態様19)
前記方法がIL-21の存在下で細胞集団を培養することを含む、態様1~18のいずれか一項記載の方法。
(態様20)
前記方法がIL-4の存在下で細胞集団を培養することを含む、態様1~19のいずれか一項記載の方法。
(態様21)
前記方法が、前記細胞集団を、IL-4を含む第一の培養培地中で培養し、その後、該細胞集団を、IL-15を含む第二の培養培地中で培養することを含む、態様1~17のいずれか一項記載の方法。
(態様22)
前記第一の培養培地が、IL-15、IL-2、及び/又はIL-7を欠いている、態様21記載の方法。
(態様23)
前記第二の培養培地がIL-4を欠いている、態様21記載の方法。
(態様24)
前記第一もしくは第二の培養培地、又は両方の培養培地が1以上の追加のサイトカインを含む、態様21~23のいずれか一項記載の方法。
(態様25)
前記追加のサイトカインが、IL-21、IFN-γ、及びIL-1β:からなる群から選択される、態様24記載の方法。
(態様26)
前記細胞集団が、培養時に間質及び/又は上皮細胞と直接接触しない、態様15~25のいずれか一項記載の方法。
(態様27)
前記細胞集団が、培養時に線維芽細胞と直接接触しない、態様26記載の方法。
(態様28)
前記細胞集団が、培養時に腫瘍細胞及び/又はフィーダー細胞と直接接触しない、態様15~27のいずれか一項記載の方法。
(態様29)
前記方法が前記細胞集団を無血清培地中で培養することを含む、態様1~28のいずれか一項記載の方法。
(態様30)
前記細胞集団が、前記抗体又はその断片の投与前に、T細胞について濃縮される、態様1~29のいずれか一項記載の方法。
(態様31)
前記細胞集団が、前記抗体又はその断片の投与前に、γδ T細胞について濃縮される、態様1~30のいずれか一項記載の方法。
(態様32)
前記細胞集団が、前記抗体又はその断片の投与前に、αβ T細胞又はNK細胞を除去される、態様1~31のいずれか一項記載の方法。
(態様33)
前記細胞集団が造血試料又はその画分から得られる、態様1~32のいずれか一項記載の方法。
(態様34)
前記造血試料が、末梢血、臍帯血、リンパ組織、胸腺、骨髄、リンパ節組織、又はこれらの画分から選択される、態様33記載の方法。
(態様35)
前記造血試料が低密度単核細胞(LDMC)又は末梢血単核細胞(PBMC)からなる、態様33又は態様34記載の方法。
(態様36)
前記細胞集団が、非造血組織試料、例えば、皮膚、結腸、腸、乳腺、肺、前立腺、肝臓、脾臓、膵臓、子宮、膣、又は他の皮膚膜、粘膜、若しくは漿膜試料から得られる、態様1~32のいずれか一項記載の方法。
(態様37)
前記細胞集団が、前記非造血組織試料からの細胞遊出を促進するように構成された合成スキャフォールド上で該非造血組織試料を培養することにより、該非造血組織試料から得られる、態様36記載の方法。
(態様38)
前記細胞集団が癌組織試料から得られる、態様1~37のいずれか一項記載の方法。
(態様39)
前記細胞集団がヒト又は非ヒト動物組織から得られる、態様1~38のいずれか一項記載の方法。
(態様40)
前記細胞集団が、前記抗Vδ1抗体又はその断片を投与する前に、試料から単離される、態様1~39のいずれか一項記載の方法。
(態様41)
態様1~40のいずれか一項記載のエクスビボ法によって得られるVδ1 T細胞集団。
(態様42)
態様41記載のVδ1 T細胞集団を含む組成物。
(態様43)
態様41記載のVδ1 T細胞集団を含む医薬組成物。
(態様44)
薬剤として使用するための、態様43記載の医薬組成物。
(態様45)
癌、感染性疾患、又は炎症性疾患の治療において使用するための、態様43記載の医薬組成物。
(態様46)
それを必要としている対象における癌、感染性疾患、又は炎症性疾患を治療する方法であって、態様41記載のVδ1 T細胞集団又は態様43記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、前記方法。