JP7768309B2 - 化粧材及び化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材及び化粧材の製造方法

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JP7768309B2 JP2024125769A JP2024125769A JP7768309B2 JP 7768309 B2 JP7768309 B2 JP 7768309B2 JP 2024125769 A JP2024125769 A JP 2024125769A JP 2024125769 A JP2024125769 A JP 2024125769A JP 7768309 B2 JP7768309 B2 JP 7768309B2
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Description

本発明は、化粧材及び化粧材の製造方法に関するものである。
化粧材は、家具及び建具等の内装材及び外装材;建築物の壁の表面;床、天井等の室内空間表面;腰壁、廻縁、鴨居等の造作部材の表面;建築物の外壁、屋根、戸袋、軒天井等の室外表面;柵、塀等の屋外構造物表面;窓枠、扉枠、扉、間仕切等の建具の室内表面又は室外部分の表面;箪笥、戸棚等の家具の表面;自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物の内部表面又は外部表面;各種家電製品、事務用機器等の表面を装飾するために広く用いられており、近年、装飾効果を高めるために、立体感を付与し得るものが求められている。
立体感を付与する方法として、例えば導管部の木材組織の形状のエンボスを施し、該エンボス部にワイピング法により着色塗料で着色し、更にトップコートした化粧板が知られていた(特許文献1)。また、無機粒子等を含有した表面保護層を用いた方法(特許文献2)やエンボスによる凹凸パターンとフィラーを含む表面保護層を組み合わせた方法(特許文献3)などが知られていた。
特開昭56-164859号公報 特開2015-77709号公報 特開2019-209499号公報
特許文献1の化粧板は、エンボス及びワイピングにより導管部の立体感を付与するものであるが、化粧板全体にわたり光沢を有する(高艶)ため、人工物的な印象が強くまた立体感も弱いため、木目等の自然物を表現したい場合には意匠性が不十分なものであった。
特許文献2の化粧シートは平面的な絵柄模様層を有し、更に無機粒子等を含む表面保護層を用いることにより立体意匠感を改善するものであるが、化粧シート全面にわたり同様のマット感を有する(低艶)ため、人工物的な印象が強くまた立体感も弱いものであった。
特許文献3の化粧シートは絵柄模様層を有する積層にエンボス加工を行い、絵柄模様層と一致した印刷版を用いて第二の表面コート層をグラビアコートにより形成している。第二の表面コート層はアクリルビーズを含有するため、マット感を有する層となる。このようにしてエンボスで形成した凹部とは異なる凸部に低光沢の部分を持つ化粧シートを得ているが、製造時の位置合わせが必要となり、製造工程が複雑になる問題や位置合わせが不十分なときに生じる意匠性の低下の問題、またそもそもエンボス工程で形成した凹部が凸部と比較して高光沢であるため立体感が十分に得られないなどの問題があった。
本発明は、優れた立体感を付与することができ、かつ、自然物の表現が良好である化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、化粧材の凹部と凸部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる艶消剤の含有量の合計に着目し、艶消剤含有量比を検討することにより優れた立体感を付与することができ、かつ、自然物の表現が良好である化粧材が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1] 表面保護層(A)と、着色層(B)と、基材(C)とを有し、
前記基材(C)の少なくとも一方の主面側に凹部を有し、
前記凹部内に前記着色層(B)を有し、
少なくとも前記着色層(B)を被覆するように前記表面保護層(A)を有し、
凸部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凸)と、
前記凹部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凹)とが、艶消剤含有量比S(凸)/S(凹)として0.85以下を満足する化粧材。
[2] 前記凹部の底面の算術平均粗さ(Ra)が0.10 μm以上である[1]記載の化粧材。
[3] 基材(C)の主面側の面積に対する、凹部領域の平面視における面積の合計の割合が10%以上である[1]又は[2]に記載の化粧材。
[4] 凹部領域(i)の領域内の最大深さがYであり、前記凹部領域(i)とは異なる凹部領域(i+1)の領域内の最大深さがYi+1であるとき、Y≠Yi+1の条件をみたす凹部領域(i)及び凹部領域(i+1)が存在する[1]~[3]のいずれか1に記載の化粧材。
[5] 少なくとも一部の凹部領域は、同一の凹部領域内で凹部の深さが変動している[1]~[4]のいずれか1に記載の化粧材。
本発明の化粧材は、優れた立体感を示し、かつ、自然物の表現が良好である。
本発明の化粧材の一実施形態を示す化粧材の主面側の平面図の模式図である。 図1のA-A’線を含み図1のZ軸に平行な切断面からなる断面図の模式図である。 図2に対応するエンボス工程後の基材(C)の断面図の模式図である。 エンボス工程後の基材(C)の断面図の他形態の模式図である。 本発明の化粧材の一実施形態を示す模式図である。
〔化粧材〕
本発明の化粧材は、少なくとも表面保護層(A)、着色層(B)及び基材(C)を有している。図1は本発明を説明するための平面視の模式図である。
本発明において「平面視」とは、本発明の化粧材を、凹部を有する側(表面側)から平面方向に視認することを意味する。「平面視」の典型的な例は、図1を参照して説明すると、視線方向を化粧材1の凹部20を有する面(以下、単に「表面」と称することがある。)の法線方向Zに一致させて目視する場合であるが、本発明における「平面視」はこの形態に限定されず、本発明の化粧材をその凹部20を有する面の側(表面)から本来想定される視線方向で目視する任意の場合も含む。また、本発明において「断面視」とは、図2に示されるように、本発明の化粧材の表面の法線方向Zと平行かつ凹部20の延在方向Yと直交する断面を延在方向Yから視認することを意味し、少なくとも本発明の化粧材の断面形状が視認できる程度の方向から目視する任意の場合も含む。
前記基材(C)12は少なくとも一方の主面側に凹部20を有しており、前記凹部内に前記着色層(B)11を有し、少なくとも前記着色層(B)を被覆するように前記表面保護層(A)10を有している。
本発明の化粧材1は、凹部と着色層(B)更に表面樹脂塗装層(A)により、又は必要に応じ後記の装飾層(E)も含め、視覚的に立体感を発現することで実物の又は創作された意匠外観を形成し、リアル感及び高級感を演出することができる。
<S(凸)/S(凹)>
本発明においてはS(凸)/S(凹)が0.85以下であることを要する。
より具体的には、凸部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凸)と、
前記凹部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凹)とが、艶消剤含有量比S(凸)/S(凹)として0.85以下を満足することで、優れた立体感を付与することができ、かつ、自然物の表現が良好である化粧材得られる。
本発明において凹部とは凸部に対し相対的に凹形成する領域であり、着色層(B)が存在する領域である。
凸部は後述するエンボス工程等を実施する前の透明樹脂層(E)や基材(C)の本来の表面であり、エンボス工程後にそのまま残っている領域であり、後記するワイピング工程等により着色層(B)を含まない領域である。
S(凸)/S(凹)を適宜選択することで、凹部と凸部の艶差が生じることにより、立体感をより引き立てることができる。
立体感を強調させる観点からはS(凸)/S(凹)は0.85以下であることを要する。また0.83以下であることがより好ましく、0.82以下であることが更に好ましい。
S(凸)/S(凹)が0に近づくほど艶差が生じるため、S(凹)は大きな値程よいが、S(凸)/S(凹)を0に近づけるために凹部の特に着色層(B)の艶消剤(B)の含有量をあまり大きくすると後記する製造工程において艶消剤を含有する着色塗液から艶消剤(B)が析出するなどの作業性観点、また硬化後の強度の観点から、S(凸)/S(凹)は0.10以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.50以上であることが更に好ましい。
凸部に存在する層について詳細は後記するが、表面保護層(A)であり、必要に応じて表面プライマー層(D)を含んでもよい。
凹部に存在する層について詳細は後記するが、表面保護層(A)及び着色層(B)であり、必要に応じて表面プライマー層(D)を含んでもよい。
後記するように表面保護層(A)には艶消剤(A)を含んでいてもよく、艶消剤(A)を含む場合には、表面保護層(A)の艶消剤(A)の含有量はM(質量部)である。
着色層(B)には艶消剤(B)を含んでおり、着色層(B)の艶消剤(B)の含有量はM(質量部)である。
本発明の化粧材が表面プライマー層(D)を有している場合、表面プライマー層(D)には艶消剤(D)を含んでいてもよく、含んでいる場合には表面プライマー層(D)の艶消剤(D)の含有量はM(質量部)である。
前記S(凸)はM又はM+Mで表され、前記S(凹)はM+M又はM+M+Mで表される。
このため、艶消剤含有量比S(凸)/S(凹)は、凸部に艶消剤を含む層が表面保護層(A)のみであり、凹部に艶消剤を含む層が表面保護層(A)及び着色層(B)のみである場合にはM/(M+M)であり、凸部に艶消剤を含む層が表面保護層(A)及び表面プライマー層(D)のみであり、凹部に艶消剤を含む層が表面保護層(A)、着色層(B)及び表面プライマー層(D)のみである場合には(M+M)/(M+M+MD)で表される。
<<M/(M+M)>>
艶消剤含有量比M/(M+M)を適宜選択し、凹部の表面保護層(A)と着色層(B)、凸部の表面保護層(A)の艶差が生じることにより、立体感をより引き立てることができる。
立体感を強調させるためにはM/(M+M)は0.85以下であることが好ましく、0.80以下であることがより好ましく、0.78以下であることが更に好ましい。
/(M+M)が0に近づくほど艶差が生じるため、Mは大きな値程よいが、M/(M+M)を0に近づけるためにMをあまり大きくすると後記する製造工程において艶消剤を含有する着色塗液から艶消剤(B)が析出するなどの作業性の観点、また硬化後の強度の観点から、M/(M+M)は0.10以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.50以上であることが更に好ましい。
/(M+M)は、例えば表面樹脂塗層(A)と着色層(B)の厚さ、後述する艶消剤(A)と艶消剤(B)の粒子径、凹部の深さ、凹部の幅等により、調整することが可能である。
<<(M+M)/(M+M+M)>>
本発明では、表面プライマー層(D)が存在する場合、表面プライマー層(D)の艶消剤(D)の含有量M(質量部)を単独で決定するより、(M+M)/(M+M+M)の関係を最適化することが好ましい。
艶消剤含有量比(M+M)/(M+M+M)を適宜選択し、凹部の表面保護層(A)と着色層(B)と表面プライマー層(D)、凸部の表面保護層(A)と表面プライマー層(D)の艶差が生じることにより、立体感をより引き立てることができる。
立体感を強調させる観点からは(M+M)/(M+M+M)は0.85以下であることが好ましく、0.83以下であることがより好ましく、0.82以下であることが更に好ましい。
(M+M)/(M+M+M)が0に近づくほど艶差が生じるため、Mは大きな値程よいが、(M+M)/(M+M+M)を0に近づけるためにMをあまり大きくすると後記する製造工程において艶消剤を含有する着色塗液から艶消剤(B)が析出するなどの作業性観点、また硬化後の強度の観点から、(M+M)/(M+M+M)は0.10以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.50以上であることが更に好ましい。
<<M>>
本発明では、M及びMをそれぞれ単独で決定するより、これらの関係を最適化することが好ましい。
表面保護層(A)の艶消剤(A)の含有量M(質量部)は、後記する着色層(B)中の艶消剤(B)の含有量Mとの関係から定めることができる。
含有量Mは、艶消剤(A)の含有量を増加させ表面保護層(A)と着色層(B)との艶差を一定以上とすることにより立体感が優れるため28.0質量部以下とすることが好ましく、24.0質量部以下とすることがより好ましく、20.0質量部以下とすることが更に好ましく、5.0μg/cm以下とすることがより更に好ましく、周囲との艶差を大きくする観点からは実質的にMを0質量部すなわち含有しなくてもよい。他方、艶差を調整する観点から下限値を5.0質量部以上とすることがより好ましく、8.0質量部以上とすることが更に好ましいが、MはM/(M+M)を最適化するため、適宜調整することが好ましい。
<<M>>
着色層(B)の艶消剤(B)の含有量C(質量部)は、前記のMとの関係で立体感の観点から決定される。
含有量Mは、周囲との艶差を大きくする観点からはMを3.0質量部以上とすることが好ましく、4.0質量部以上とすることが好ましく、5.0質量部以上とすることが好ましく、後記する製造工程において艶消剤を含有する着色塗液からの艶消剤(B)が析出を抑えるなど作業性の観点及び着色層(B)の均一性の観点から35.0質量部以下とすることが好ましく、25.0質量部以下とすることがより好ましく、15.0質量部以下とすることが更に好ましい。
<<M>>
表面プライマー層(D)の艶消剤(D)の含有量M(質量部)は、前記のM及びMとの関係で立体感の観点から決定される。
含有量Mは、周囲との艶差を大きくする観点からはMを3.0質量部以上とすることが好ましく、4.0質量部以上とすることが好ましく、5.0質量部以上とすることが好ましく、後記する製造工程において艶消剤を含有する表面プライマー層塗液からの艶消剤(D)が析出を抑えるなど作業性の観点及び表面プライマー層(D)の均一性の観点から20.0質量部以下とすることが好ましく、15.0質量部以下とすることがより好ましく、10.0質量部以下とすることが更に好ましい。
<化粧材の外観、形状等>
化粧材1が表現する外観、意匠の対象としては、タイル貼、レンガ積み、陶磁器、硝子、大理石、花崗岩、砂岩等の石材、杉、松、檜、樫、チーク等の木材等がある。これら素材固有の色彩、模様、凸部の上に更に重畳する微細凹凸の外観、意匠も再現する場合は、後記する装飾層を更に設けることも好ましい。
本発明の化粧材の形状としては、特に制限はなく、所望に応じて適宜選択すればよく、例えば、平板状のものでもよいし、曲面を有するものでもよいし、また角を有するもの等の非平板状のものであってもよい。図1には、平板状の化粧材が示されているが、本発明の化粧材の形状は、これに限られるものではない。化粧材の製造のしやすさ、用途等を考慮すると、平板状であることが好ましい。
<化粧材の積層構成>
本発明の化粧材は、表面保護層(A)、着色層(B)及び基材(C)以外の層を有していてもよく、典型的な層構成は図5等に示しているが、下記(1)~(6)の積層構成が挙げられる。なお、「/」は層の界面を示し、着色層(B)と基材(C)が接している場合には基材(C)の表面保護層(A)の側の表面、又は着色層(B)と透明樹脂層(E)が接している場合には透明樹脂層(E)の表面保護層(A)の側の表面が化粧材の主面(H)を示す。
(1)表面保護層(A)/着色層(B)/基材(C)
(2)表面保護層(A)/着色層(B)/透明樹脂層(E)/基材(C)
(3)表面保護層(A)/表面プライマー層(D)/着色層(B)/透明樹脂層(E)/基材(C)
(4)表面保護層(A)/着色層(B)/透明樹脂層(E)/装飾層(F)/基材(C)
(5)表面保護層(A)/表面プライマー層(D)/着色層(B)/透明樹脂層(E)/装飾層(F)/基材(C)
(6)表面保護層(A)/表面プライマー層(D)/着色層(B)/透明樹脂層(E)/装飾層(F)/プライマー層(G)/基材(C)
以下、表面保護層(A)、着色層(B)及び基材(C)に関する説明を行い、その後、必要に応じて用いるその他層を説明する。
<表面保護層(A)>
本発明の化粧シートは、表面保護層(A)を有するため、優れた立体感が得られる。また、表面保護層(A)を有するため化粧シートはさらに耐擦傷性が向上し、高い強度等の表面特性を得ることができる。
表面保護層(A)は前記着色層(B)を被覆するように形成されればよいが、後述するが基材(C)の凸部においては、基材(C)上に直接形成されていてもよい。
本発明において被覆とは、全面を覆うことのほか、一部を覆う形態も含む。
表面保護層(A)は、着色層(B)の基材(C)が設けられる面とは反対側の面(以下、「表面側」とも称する。)に配置されるため、表面保護層(A)を通し、着色層(B)が視認できる程度に可視光を透過することが好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも、表面保護層の架橋密度を高め、耐擦傷性等の表面特性を向上させる観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。また無溶媒で塗布することができ、取り扱いが容易との観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物の中でも電子線硬化性樹脂組成物がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。
また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性化合物は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
更に、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。加工特性と耐擦傷性及び耐候性を向上させる観点からは、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、及びアクリル(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる1種以上が好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる1種以上がより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが更に好ましい。
表面保護層(A)の厚みは、耐擦傷性及び耐候性の観点から、1.5μm以上が好ましく、2.0μm以上がより好ましく、3.0μm以上が更に好ましく、加工特性の観点から30.0μm以下が好ましく、15.0μm以下がより好ましく、10.0μm以下が更に好ましい。
なお、本願において各層の厚みや凹部の深さ等は化粧材の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行うことにより決定することができる。
各層の任意の10点についてその層厚を測定し、平均値として決定される。
表面保護層(A)は必要に応じ更に汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を更に含有してもよい。
<<艶消剤(A)>>
表面保護層(A)は、艶消剤(A)が前記のようにS(凸)/S(凹)が0.85以下を満たす。このようにすることにより、周辺領域との艶差が発生すると視覚的に凹凸感が生まれ、優れた立体感を付与することができ、かつ、自然物の表現が良好となる。
この値が0.85を超えると製造工程において艶消剤を含有する塗液から艶消剤が析出するなどの作業性観点、また硬化後の強度の観点から好ましくない。
艶消剤(A)としては、無機粒子及び有機粒子を挙げることができる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びガラス等を挙げることができる。
有機粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。
艶消剤(A)としては、艶消効果が高く、艶の制御が容易に行えるという観点から、シリカ粒子が好適である。また、艶消剤(A)としては、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
艶消剤(A)の平均粒径は、表面保護層(A)の厚みを参照して決定するとよい。艶消効果及び艶の制御の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、7.0μm以上であることが更に好ましく、表面保護層(A)の耐久性の観点から10.0μm以下であることが好ましく、9.0μm以下であることがより好ましく、7.0μm以下であることが更に好ましい。
なお本明細書において艶消剤の粒径は、島津レーザ回折式粒度分布測定装置「SALD-2100-WJA1」を使用し、圧縮空気を利用してノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させて測定する噴射型乾式測定方式による測定値を平均したものである。
<<その他添加物>>
表面保護層(A)は、必要に応じ更に汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
<着色層(B)>
着色層(B)は、凹部に設けられ、本発明の化粧材に意匠性を付与し、かつ表面保護層(A)との艶差により化粧材に立体感を発現する層である。
本発明の化粧材は、図1に示すように凹部20と凸部21を有しているが、図2に示すように、独立した複数の凹部(A)の深さ方向の少なくとも一部に着色層(B)11が充填されている形態であってもよい。当該構成とすることにより、化粧材の意匠性をより良好にすることができる。
また、着色剤として暗色系の着色剤を用いることにより、凹部20をより暗くすることができ、化粧材面内の明度のコントラストをより高くすることができるので、立体感の向上を図り得る。
本発明において、「暗色」とは、明度が低く、具体的にはJIS Z8781-4:2013に準拠して測定されるCIE(国際照明委員会)L表色系におけるL値(以下、単に「L値」と称することがある。)が、好ましくは40以下、より好ましく35以下、更に好ましくは30以下であり、また下限値としては特に制限はないが、好ましくは0以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは18以上、特に好ましくは20以上であることをいう。
特に、濃灰色、深緑色、紺色、黒色、濃紫色、臙脂(えんじ)色、茶色等の低明度、低彩色が好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、あるいは染料等が挙げられる。
着色層(B)を構成するバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂及びゴム系樹脂等が好ましく、アクリルウレタン樹脂がより好ましい。
表面保護層(A)を構成する樹脂と同様のものを使用することができる。着色層(B)を構成する樹脂と表面保護層(A)を構成する樹脂が同一の種類の艶消剤であっても、異なる種類のものであってもよい。
着色層(B)は、凹部の深さ方向の少なくとも一部に着色剤を充填することにより形成するが、充填は凹部を有する基材(C)の主面側に、着色剤及びバインダー樹脂を含む充填用インキを塗布し、ドクター刃等の掻き取り用の刃で該インキを掻き取る手段が挙げられる。この際、刃の材質、刃を当てる角度及びインキの粘度等を調整することにより、凹部に充填される着色剤の量を調整することができる。その後、溶媒を留去等し、着色層(B)とするため、着色層(B)の厚みは、凹凸の形状に依存することになるが、着色性、立体感の効果及び耐候性のバランスの観点から、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、製造工程の容易性の観点から15.0μm以下であることが好ましく、10.0μm以下であることがより好ましく、5.0μm以下であることが更に好ましい。
<<艶消剤(B)>>
また、着色層(B)は艶消剤(B)を含有している。艶消剤(B)は艶消剤(A)と同様のものを使用することができる。艶消剤(A)と艶消剤(B)が同一の種類の艶消剤であっても、異なる種類のものであってもよい。
<<その他添加物>>
着色層(B)は、更に後記の汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
<基材(C)>
基材(C)の材質は特に制限されないが、エンボス加工により、後記する凹部形成のしやすさを考慮して、プラスチックフィルム又はプラスチックフィルムと紙との複合体が好ましい。
プラスチックフィルムは単層であっても、複数の層の積層であってもよい。
プラスチックフィルムを構成する樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、耐水性等の各種物性、印刷適性、成形加工適性、価格等の観点からポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、或いはアクリル樹脂が好ましい。
基材(C)は透明基材であってもよいし、着色基材であってもよい。また、基材は複数の基材を積層した積層基材であってもよい。
基材(C)の厚みは特に制限はないが、凹部の深さを規定以上とするため、20.0μm以上が好ましく、40.0μm以上がより好ましく、60.0μm以上が更に好ましく、化粧材の強度及び柔軟性の観点から200.0μm以下が好ましく、180.0μm以下がより好ましく、160.0μm以下が更に好ましい。
基材(C)上には、基材(C)上に設けられる層との密着性を向上させるために、片面又は両面に、物理的処理又は化学的表面処理等の易接着処理を行ってもよい。
また基材(C)上には、後記するプライマー層(G)を有していてもよい。
<<凹部>>
本発明の基材(C)は少なくとも一方の主面側に凹部を有している。図2に、図1のA-A’線を含み図1のZ軸に平行な切断面からなる断面図の一例を示したが、本発明の実施形態はこれに限定されるわけではない。
図3は、図2の化粧材において、表面保護層(A)及び着色層(B)を形成する前の、基材(C)をエンボス加工した直後の状態を説明する模式図である。
図3の凸部21として表す部分は、エンボス加工を行う前の基材(C)の一方の主面側の主面(H)17である。これをエンボス加工により凹部20を形成する。
図3では説明のため、階段状に不連続に深さが変化しているが、図4のように連続的に深さが変化していてもよい。
図3及び図4では、最も深さの深い凹部内の最深部が1か所であるが、同一の凹部に2か所以上存在していてもよい。
凹部20に入射した光は多重反射により散乱及び減衰されやすくなる。このため、化粧材において凹部20は暗く視認される。更に、暗色を呈する着色層(B)を採用すると凹部は更に暗く視認されるため、立体感が向上する。
凹部の呈する模様は、化粧材が呈する模様により、凹部の呈する模様も異なる。
凹部及び凸部が組み合わさり呈する模様として、タイル貼り調模様、レンガ積み調模様、木目調模様、大理石調模様、布地調模様、レザー調模様、浮彫した文字、彫刻した文字、幾何学調模様、寄木調又はパッチワーク調が挙げられる。
本発明の化粧材は自然物の表現に好適なため、中でも木目調模様、大理石調模様、布地調模様、レザー調模様又は寄木調が好ましい。
また、本発明の化粧材は立体感に優れるため、タイル貼り調模様、レンガ積み調模様、浮彫した文字、彫刻した文字、幾何学調模様、寄木調又はパッチワーク調も好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様がタイル貼り調模様であるときは、凹部は目地部分を呈し、凸部は各種素材と形状からなるタイル部分を呈するものであることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様がレンガ積み調模様であるときは、凹部は目地部分を呈し、凸部はレンガ部分を呈するものであることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様が木目調模様であるときは、凹部は木目導管部分、秋材部分、節部分又は杢部分を呈し、凸部は春材部分を呈するものであることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様が大理石調模様であるときは、凹部は石目模様(マーブル模様)の境界を呈する部分であり、凸部は境界により分けられた領域を呈する部分であることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様が布地調模様、レザー調模様又はパッチワーク調模様であるときは、凹部はパッチワーク調のステッチ部分や、布目や布状の模様を模した布地模様(テクスチュア)の凹状部分、レザーのシボを表現したレザー模様の皺状凹部部分を呈し、凸部は布部分又は皮部分を呈するものであることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様が文字模様又は幾何学調模様であるときは、凹部又は凸部のいずれかが文字部分又は幾何学図形部分を呈するものとすることが好ましい。
該凹部及び凸部が呈する模様が寄木調であるときは、凹部は目地部分を呈し、凸部は木部部分を呈するものであることが好ましい。
凹部の呈する模様は、凸部がブロック状であるときは、略等間隔に設けられた縦目地部分及び略等間隔に設けられた横目地部分であり、凸部が不定形であったり、相似形であっても大きさが異なっていたりする場合には、それぞれの凸部の間を埋める形状であり、凸部が幾何学模様や文字であるときには、その幾何学模様や文字を表現するために必要な領域を表すための形状となる。また、凹部の呈する模様は、凸部の呈する模様と同色であってもよく、異なる色であってもよく、単一の色であっても、多数の色であってもよく、グラデーションにより立体感を演出すことも好ましい。
凹部は、前記柄に応じた色調を呈することが好ましく、例えばシリコーン系、変性シリコーン系、ウレタン系、漆喰、モルタル、セメント又はシーリング材を模した色であることが挙げられる。
凹部の幅は、特に制限はなく、所望の意匠に応じて適宜決定すればよいが、一定の幅であっても幅が不規則に変化してもよい。幅が場所によって変化する場合は、規則的に変化してもよく、不規則に変化してもよい。
その平均値としては立体感の観点からは0.1mm以上とすることが好ましく、0.3mm以上とすることがより好ましく、0.5mm以上とすることが更に好ましく、0.8mm以上とすることがより更に好ましく、製造上の観点から20.0mm以下とすることが好ましく、10.0mm以下とすることがより好ましく、5.0mm以下とすることが更に好ましく、2.0mm以下とすることがより更に好ましい。
目地を強調したい場合、外装壁タイル貼り調の化粧材とする場合、レンガ積み調の化粧材とする場合、幾何学模様調の化粧材とする場合又は文字模様の化粧材とする場合にはそのなかでも広くすることが好ましく、3.0mm以上とすることが好ましく、5.0mm以上とすることがより好ましく、7.0mm以上とすることが更に好ましく、15.0mm以下とすることが好ましく、13.0mm以下とすることがより好ましく、10.0mm以下とすることが更に好ましく、
凸部を強調したい場合又は内装タイル貼り模様の化粧材とする場合にはそのなかでも狭くすることが好ましく、0.5mm以上とすることが好ましく、0.8mm以上とすることがより好ましく、0.9mm以上とすることが更に好ましく、1.0mm以上とすることがより更に好ましく、12.0mm以下とすることが好ましく、8.0mm以下とすることがより好ましく、6.0mm以下とすることが更に好ましく、4.0mm以下とすることがより更に好ましい。
トラバーチン大理石模様の化粧材とする場合、布目や布状の模様を模した布地模様の化粧材とする場合、レザーのシボを表現したレザー模様の化粧材とする場合、ヘアライン調の化粧材とする場合又は万線条溝調の化粧材とする場合にはそのなかでも更に狭くすることが好ましく、0.01mm以上とすることが好ましく、0.02mm以上とすることがより好ましく、2.0mm以下とすることが好ましく、1.0mm以下とすることがより好ましく、0.5mm以下とすることが更に好ましく、0.3mm以下とすることがより更に好ましい。
基材(C)の主面側の面積に対する、凹部の平面視における面積の合計の割合は、化粧材が呈する模様により適宜決められるが、視認性及び高級感が向上し立体感及び自然物の表現の観点から、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、製造時の歩留まりの観点からは90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
なお、基材(C)の主面側の面積に対する、凹部領域の平面視における面積の合計の割合は、化粧材から任意に切り出した5か所の10cm×10cmの正方形の領域内にある凹部の面積を測定しその平均値として算出する。
また、化粧材における凹部の個数は、化粧材から任意に切り出した5か所の10cm×10cmの正方形の領域内にある凹部の数の平均値が、3個以上であることが好ましく、5個以上であることがより好ましく、10個以上であることが更に好ましく、20個以上であることがより更に好ましい。
なお、
凹部の断面視の形状において、その底面の算術表面粗さ(Ra)は、特に制限はないが、艶を消し、凹部が視覚的により凹部と視認され、より質感の高い意匠性が得られやすくなる観点からは、0.10μm以上が好ましく0.50 μm以上がより好ましく、1.0μm以上が更に好ましい。
Raが大きくなりすぎると着色層(B)を均一に形成する観点からは10.0μm以下が好ましく、8.0μm以下がより好ましく、5.0μm以下が更に好ましい。
本明細書において、算術表面粗さRaは、カットオフ値を0.8mmとした際のJIS B0601:2013の算術平均粗さであり、凹部の底面の任意の十箇所における算術表面粗さRaを測定し、その平均値とする。
本発明の凹部は例えばエンボス加工により形成することが好ましい。
エンボス加工は、当該分野において通常用いられる方法を好ましく用いることができるが、例えばレーザー彫刻されたエンボス版を用いて賦型することが好ましい。このようなエンボス加工の場合形成される凹部のエッジに1発のレーザーで切削される形状に対応した微細な段差を有していることがある。凹部の幅及び凸部の幅を算出する際には、かかる微細な段差をスムージングして算出すればよい。
エンボス加工は、適宜な公知の方法によれば良く、特に制限はない。エンボス加工時の温度及び圧力は、化粧材の材質によって適宜調整すればよく、化粧材の基材及び透明樹脂層がポリオレフィンであれば、140~180℃、10~50.0質量kg/cm程度である。
エンボス加工の代表的な方法は例えば次のようなものである。
まず、軟化した樹脂基材の表面にエンボス版を押圧して該基材表面にエンボス版表面の凹凸模様を賦形する。そして樹脂基材を冷却や光照射により固化して、樹脂基材上の凹凸模様を固定する。その後に凹凸模様が賦形された樹脂をエンボス版から離型する。
着色層(B)は、例えば基材(C)にエンボス加工して形成された凹部に形成されるが、凹部の深さ方向の少なくとも一部に着色層(B)を形成するための艶消剤(B)を含む後記する着色塗液(B)を用いることが好ましい。
着色塗液(B)を凹部に充填する手段は、化粧材の主面側に、着色塗液(B)を塗布し、ドクター刃等の掻き取り用の刃で該着色塗液(B)を掻き取る手段が挙げられる。この際、刃の材質、刃を当てる角度や圧力及び着色塗液(B)の粘度等を調整することにより、凹部に充填される着色剤の量を調整することができる。
着色塗液(B)を充填後、更に必要に応じて乾燥、固化させることにより着色層(B)を形成する。
着色塗液(B)を充填する際に凹部が閉領域となっていれば、凹部に着色塗液(B)が留まるため好ましい。
基材(C)の主面側に複数の凹部があり、そのうちの一つを凹部領域(i)と、その凹部領域(i)とは異なる凹部を凹部領域(i+1)とした場合に、凹部領域(i)の領域内の最大深さがYであり、前記凹部領域(i)とは異なる凹部領域(i+1)の領域内の最大深さがYi+1であるとき、Y≠Yi+1の条件をみたす凹部領域(i)及び凹部領域(i+1)が存在することが好ましい。
これは、例えば図5に示すように同一の化粧材内に深さの異なる凹部が存在することが好ましいことを意味する。
凹部に入射した光は、多重反射により反射光が減衰する。そして、多重反射による反射光の減衰量は凹部の深さによって変動する(凹部が深い方が減衰割合は大きく、凹部が浅い方が減衰割合は小さい。)。したがって、Y≠Yi+1の条件を満たすことにより、隣接する凹部間でも色調や艶感が異なり、より自然な立体感が得られることになるため好ましい。
凹部の最大深さYiは、特に制限はなく、所望の意匠に応じて適宜決定すればよく、その平均値としては1.0~200.0μm程度であり、より質感の高い意匠性を得る観点から、好ましくは5.0~150.0μm、より好ましくは10.0~100.0μmである。本明細書において、凹部の最大深さは、JIS B0601:2013に規定される方法に準拠して、三次元表面粗さ測定器を用いて測定される値であり、より具体的には、任意の十箇所における表面の最大高さ粗さ(Rz)を測定し、その平均値を凹部の最大深さの平均値とする。
また、少なくとも一部の凹部領域は、同一の凹部領域内で図3及び図4で示すように凹部の深さ(深さa、深さb、深さc)が変動していることが好ましい。
これにより、凹部の深さが深い場所の方が、色が濃くまた艶消剤の量が多く艶が抑えられるため、同一の凹部内でコントラストが生じ立体感が増すため好ましい。
〔製造方法〕
本発明の化粧材の製造方法は、下記(1)~(3)の工程を含む、表面保護層(A)の艶消剤(A)の含有量M 質量部と、着色層(B)の艶消剤(B)の含有量M 質量部とが、艶消剤含有量比M/(M+M)として0.85以下を満足する化粧材の製造方法である。
(1)基材(C)の単層、あるいは、前記基材(C)及び後記の透明樹脂層(E)を含む積層体をエンボス版で賦型して、前記基材(C)の主面側に、凹部領域を形成する工程。
(2)前記(1)で得られた前記基材(C)の主面側の面に、少なくとも艶消剤(B)及び着色剤を含む着色塗液(B)を塗布した後、前着色塗液を掻き取り、着色層(B)中の単位面積当たりの艶消剤(B)の含有量Mμg/cmとなる着色層(B)を形成する工程。
(3)前記基材(C)の主面側の凹部領域内に有する着色層(B)を覆うように前記基材(C)の主面側に、表面保護層(A)の艶消剤(A)の含有量M質量部となる表面保護層液(A)を塗布し、表面保護層(A)を形成する工程。
上記(1)~(3)の工程を経て得られた化粧材は、優れた立体感を付与できることから、意匠性に極めて優れるものである。
表面保護層液(A)は、前記の艶消剤(A)、前記の表面保護層(A)を構成する樹脂を形成するための重合性化合物及び溶媒を含有する。
着色塗液(B)は、前記の艶消剤(B)、前記の着色層(B)を構成する樹脂を形成するための重合性化合物、着色剤及び溶媒を含有する。
[その他の層]
更に本願の化粧材は必要に応じて、表面プライマー層(D)、透明樹脂層(E)、装飾層(F)、プライマー層(G)及び接着剤層から選ばれる1種又は2種以上を有していてもよい。
<表面プライマー層(D)>
本発明の化粧材は、耐擦傷性を向上するために、更に表面プライマー層(D)を有していてもよい。
表面プライマー層(D)によって、表面保護層(A)と着色層(B)との密着性が向上する。また、本発明の化粧材が透明樹脂層(E)を有する場合には、表面保護層(A)と透明樹脂層(E)との密着性が向上する。これにより、屋外暴露した際の長期的な層間密着性の確保(いわゆる耐候密着性)及び耐擦傷性を良好にしやすくできる。
表面プライマー層(D)は、主としてバインダー樹脂から構成され、必要に応じ更に汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を更に含有してもよい。
表面プライマー層(D)のバインダー樹脂としては、着色層(B)を構成するバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。
表面プライマー層(D)の厚みは、接着力の観点及び化粧材の厚みのバランスから決定され、0.5μm以上であることが好ましく、0.7μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましく、5.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることが更に好ましい。
<<艶消剤(D)>>
また、表面プライマー層(D)は艶消剤(D)を含有している。艶消剤(D)は艶消剤(B)と同様のものを使用することができる。艶消剤(B)と艶消剤(D)が同一の種類の艶消剤であっても、異なる種類のものであってもよい。
<<その他添加物>>
着色層(B)は、更に後記の汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。
<透明樹脂層(E)>
透明樹脂層(E)を有しているとエンボス加工による凹部の形成が容易になり、立体感の形成に好ましい。透明樹脂層(E)を有している場合には、図3や図4の主面(H)17は透明樹脂層(E)における基材(C)とは逆側の主面となる。
透明樹脂層(E)は、主としてバインダー樹脂から構成され、必要に応じ更に汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を更に含有してもよい。
透明樹脂層(E)のバインダー樹脂としては、基材(C)を構成するバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。
透明樹脂層(E)の厚みは、エンボス加工による立体感の形成の観点から20.0μm以上であることが好ましく、40.0μm以上であることがより好ましく、60.0μm以上であることが更に好ましく、エンボス加工の作業性の観点から150.0μm以下であることが好ましく、120.0μm以下であることがより好ましく、100.0μm以下であることが更に好ましい。
<装飾層(F)>
意匠性を向上させる観点から、化粧材の任意の箇所に更に装飾層(F)を有していてもよい。
装飾層(F)の耐候性を高める観点から基材(C)に近い側であることが好ましい。
装飾層(F)は、例えば、全面を被覆する層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
装飾層(F)により付与する模様は特に限定されないが、例えば、木材の模様、石の模様、タイル模様、レンガ模様、布地模様及びレザー模様が挙げられる。装飾層によりこれらの模様を形成することで、表面樹脂塗装層(A)及び着色層(B)に基づく立体感の効果をより強調することができる。
木材の模様は、木肌部分と、導管、秋材及び節から選ばれる1種以上の模様とを組み合わせて形成することが好ましい。
石の模様は、石肌部分と、凹陥部とを組み合わせて形成することが好ましい。
タイル模様又はレンガ模様は、タイル又はレンガの地肌部分と、目地模様とを組み合わせて形成することが好ましい。
布地模様は、布の地肌部分と、布地の凹部とを組み合わせて形成することが好ましい。
レザー模様は、レザーの地肌部分と、皺状模様とを組み合わせて形成することが好ましい。
装飾層(F)は、例えば、顔料及び染料等の着色剤と、バインダー樹脂とを含む装飾層用インキを塗布、乾燥して形成することができる。該インキには、必要に応じて、体質顔料、酸化防止剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の添加剤を混合することができる。
装飾層の着色剤及びバインダー樹脂は特に限定されず、例えば、充填用インキで例示したものと同様にものを用いることができる。
装飾層(F)の厚みは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよいが、被着材の地色を隠蔽し、かつ意匠性を向上させ立体感を生じさせる観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましく、化粧材の製造性及び強度の観点から20.0μm以下であることが好ましく、10.0μm以下であることがより好ましく、5.0μm以下であることが更に好ましい。
<プライマー層(G)>
化粧シートが装飾層(F)を有する場合、基材(C)と接して装飾層(F)との間にプライマー層(G)を更に有していてもよく、透明樹脂層(E)を有する場合、基材(C)と接して透明樹脂層(E)との間にプライマー層(G)を更に有していてもよい。
プライマー層(G)によって、基材(C)と装飾層(F)との密着性、基材(C)と透明樹脂層(E)との密着性が向上し、屋外暴露した際の長期的な層間密着性の確保(いわゆる耐候密着性)及び耐擦傷性を良好にしやすくできる。
プライマー層(G)は、主としてバインダー樹脂から構成され、必要に応じ更に汎用の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、開始剤、沈降防止剤,分散剤、着色剤等の添加剤を更に含有してもよい。
プライマー層(G)のバインダー樹脂としては、表面プライマー層(D)を構成するバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。
プライマー層(G)の厚みは、接着力の観点及び化粧材の厚みのバランスから決定され、0.5μm以上であることが好ましく、0.7μm以上であることがより好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましく、10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましく、6.0μm以下であることが更に好ましい。
<接着剤層>
化粧材は各層同士の密着性を向上するために更に接着剤層を有していてもよい。
接着剤層は、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等の汎用の接着剤から構成することができる。これら接着剤の中でも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。
ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。
接着剤層の厚みは、各層の密着性と化粧材の厚みのバランスから決定され、0.1μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、2.0μm以上であることが更に好ましく、30.0μm以下であることが好ましく、15.0μm以下であることがより好ましく、10.0μm以下であることが更に好ましい。
本発明のバインダー樹脂中には、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明の電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
本発明の光重合開始剤としては汎用のものが使用できるが、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、本発明の光重合促進剤は汎用のものが使用できるが、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の酸化防止剤としては汎用のものが使用できるが、アミン系酸化防止剤又はフェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明の沈降防止剤としては汎用のものが使用できるが、酸化ポリエチレン系、水素添加ひまし油、高級脂肪酸アミド等が好ましく、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、カプロン酸アミド、リノール酸アミド、N,N′-メチレンビスステアリン酸アミド、N,N′-エチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
本発明の分散剤としては汎用のものが使用できるが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びメタクリル酸とスチレンスルホン酸由来の構成単位を有する共重合体が好ましい。
本発明の化粧材の耐候性を向上させる観点から、上記添加剤の中でも、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を用いることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、化粧材に汎用される紫外線吸収剤を特に制限なく用いることができ、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としても、化粧材に汎用される光安定剤を特に制限なく用いることができ、例えばピペリジニルセバケート系光安定剤等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、分子中に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、その他各種添加剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
<化粧材の用途>
本発明の化粧材は、そのままで、あるいは被着材に貼り合わせた積層体として、あるいは化粧材又は積層体に所定の成形加工等を施して各種用途に用いることができる。
各種用途としては、壁、天井、床等の建築物の内装材;窓枠、扉、手すり等の建具;家具;家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア、フェンス、建築物外壁面等の外装材等が挙げられる。
被着材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)、集成材等の木質板;石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板;パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板;陶器、磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス板;鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗布鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板;ポリオレフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネート板等の熱可塑性樹脂板;フェノール樹脂板、尿素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化型樹脂板;フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化したいわゆるFRP板等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、これらの2種以上を積層した複合基板として用いてもよい。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
1.評価
1-1.立体感
実施例及び比較例で得られた化粧材を、任意の成人20人に、蛍光灯の照明下で様々な方向から観察させ、立体感を感じるか否かについて目視評価させた。
AAA:立体感が良好と答えた人が19人以上であった。
AA:立体感が良好と答えた人が18人以上であった。
A:立体感が良好と答えた人が15~17人であった。
B:立体感が良好と答えた人が11~14人であった。
C:立体感が良好と答えた人が10人以下であった。
1-2.天然の質感
実施例及び比較例で得られた化粧材を、任意の成人20人に、蛍光灯の照明下で様々な方向から観察させ、自然物感(天然の質感)を目視評価させた。
AAA:天然の質感があると答えた人が19人以上であった。
AA:天然の質感があると答えた人が18人以上であった。
A:天然の質感があると答えた人が15~17人であった。
B:天然の質感があると答えた人が11~14人であった。
C:天然の質感があると答えた人が10人以下であった。
(実施例1)
基材(C)(厚さ60.0μmの白色ポリプロピレンフィルム)上に、グラビア印刷により、グレー調のインキからなる厚み1.0μmのベタ印刷層を形成した。更にベタ印刷層上に木目の絵柄を印刷し装飾層(F)を形成した。
次いで、装飾層(F)上に接着剤層(ポリエステル樹脂、厚さ:2.0μm)を形成した。次いで、接着剤層上に、透明樹脂層(E)(透明ポリプロピレン樹脂シート、厚さ:80.0μm)を押出しラミネート方式で積層した。
次いで、透明樹脂層(E)を加熱して軟化状態にし、エンボス版(硬質クロムメッキ処理、レーザー照射、基材(C)の主面側の面積に対する、凹部領域の平面視における面積の合計の割合が50%)を用いて基材(C)の透明樹脂層(E)側の面からエンボス処理を施し、凹部を形成した。
凹部は木目の導管を模したものであり、化粧材は木材の絵柄とした。
画像解析による凹部はY:60.0~80.0μm、凹部の深さ:60.0~80.0μmであった。
更に、凹部を形成した透明樹脂層(E)に、アクリル系樹脂、艶消剤(B)(シリカ粒子)、着色剤(黒褐色)及び溶剤(酢酸エチル)を含む着色塗液(B)を塗布した後、基材(C)に対して垂直となるようにドクター刃を押し当て、充填用インキを掻き取り、凹部に着色塗液(B)を充填した後、乾燥及び硬化を行い、着色層(B)を形成した。
更に、艶消剤(A)及び溶剤(酢酸エチル)を含む表面保護層液(A)を基材(C)の凹部側に塗布し、乾燥及び硬化を行い、乾燥硬化後の膜厚が4.0μmとなる表面保護層(A)を形成して実施例1の化粧材を得た。
使用したシリカ粒子、層厚、含有量及び評価結果を表1に記載した。
(実施例2)
実施例1において、着色層(B)を形成するまでは同様にして、透明樹脂層(E)及び着色層(B)を有する基材(C)を得た。
更に、着色層(B)を有する基材(C)の主面側に、シリカ粒子(艶消剤(D))を含む塗液を塗布し、乾燥及び硬化を行い、表面プライマー層(D)を形成した。
更に実施例1と同様に表面プライマー層(D)上に表面保護層(A)を形成した。
使用したシリカ粒子、層厚、含有量及び評価結果を表1に記載した。
(実施例3及び比較例1~4)
実施例1及び2と同様にして実施例3及び比較例1~4の化粧材を作成した。
層構成、使用したシリカ粒子、層厚、含有量及び評価結果を表1に記載した。
表1に示したように本願発明の化粧材は優れた立体感を示し、天然木の質感を再現したものであり、自然物の表現が良好であった。
1:化粧材
10:表面保護層(A)
11:着色層(B)
12:基材(C)
13:表面プライマー層(D)
14:透明樹脂層(E)
15:装飾層(F)
16:プライマー層(G)
17:主面(H)
20:凹部
21:凸部
22a:基材凹部底面a
22b:基材凹部底面b
22c:基材凹部底面c
30a:深さa
30b:深さb
30c:深さc

Claims (5)

  1. 表面保護層(A)と、着色層(B)と、基材(C)とを有し、
    前記基材(C)の少なくとも一方の主面側に深さの異なる凹部を有し、
    前記凹部内に前記着色層(B)を有し、
    少なくとも前記着色層(B)を被覆するように前記表面保護層(A)を有し、
    凸部に存在する層を形成する樹脂組成物が、艶消剤を含み、
    前記凸部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凸)と、
    前記凹部に存在する層を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂100質量部に対する艶消剤の含有量(質量部)の合計S(凹)とが、艶消剤含有量比S(凸)/S(凹)とし0.85以下を満足する化粧材。
  2. 前記凹部の底面の算術平均粗さ(Ra)が0.10μm以上である請求項1記載の化粧材。
  3. 基材(C)の主面側の面積に対する、凹部領域の平面視における面積の合計の割合が10%以上である請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 基材(C)の主面側に複数の凹部があり、そのうちの一つの凹部領域(i)の領域内の最大深さがY であり、前記凹部領域(i)とは異なる凹部領域(i+1)の領域内の最大深さがY i+1 であるとき、Y ≠Y i+1 の条件をみたす凹部領域(i)及び凹部領域(i+1)が存在する請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧材。
  5. 少なくとも一部の凹部領域は、同一の凹部領域内で凹部の深さが変動している請求項1~4のいずれか1項に記載の化粧材。
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