JP7768904B2 - 動作軌道の評価装置、動作軌道の評価方法 - Google Patents

動作軌道の評価装置、動作軌道の評価方法

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Description

本明細書で開示される技術は、ロボットハンドの動作軌道を評価する技術に関する。
産業用ロボットの一つに、作業者と協働して所定の作業を行う協働ロボットがある。協働ロボットに関する先行技術として、特許文献1、特許文献2がある。
特開2020-197790号公報 特開2018-192556号公報
ロボットの周囲で作業を行う場合、作業中に、ロボットハンドやそれに保持されたワーク等が移動するため、作業者はロボットハンドの動作軌道に注意が必要である。
本明細書で開示される技術は、作業者への注意喚起のため、ロボットハンドの動作軌道を評価する評価装置、評価方法を提供することを課題とする。
本明細書で開示される技術は、ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、演算部と、記憶部と、を含み、前記記憶部は、前記ロボットハンドの注意部位又は前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のうち少なくともいずれかのデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、前記演算部は、前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルを算出し、前記注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルを算出し、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルとに基づいて、前記ロボットハンドの動作軌道の評価値を算出する。
この構成では、ロボットハンドの動作軌道を評価することで、ロボットの周囲で作業を行う作業者への注意喚起等が可能となる。
本明細書で開示される評価装置の一実施態様として、前記第1ベクトルの大きさは、前記注意部位に依存せず、一定であり、前記第2ベクトルの大きさは、前記注意部位の注意度が高い程、大きくてもよい。注意度は、注意部位の形状、材質、温度のうちいずれかにより判断してもよい。また、これらの組み合わせにより、判断してもよい。この構成では、注意部位の注意度を考慮して、ロボットハンドの動作軌道を評価することが出来る。
本明細書で開示される評価装置の一実施態様として、前記評価値は、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積でもよい。この構成では、ロボットハンドの動作軌道を、ロボットハンドの移動方向と注意部位の方向の関係から、評価することが出来る。
本明細書で開示される評価装置の一実施態様として、前記評価値は、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積と前記ロボットハンドの移動速度の積でもよい。この構成では、ロボットハンドの移動速度を考慮して、ロボットハンドの動作軌道を評価することが出来る。
本明細書で開示される評価装置の一実施態様として、前記演算部は、前記評価値が閾値以下となるように、前記ロボットハンドの移動速度を自動で補正してもよい。この構成では、評価値を閾値以下に抑え、ロボットの周囲で作業を行う作業者のリスクを低減することが出来る。
本明細書で開示される評価装置の一実施態様として、動作軌道の評価結果を、表示部に対して表示してもよい。評価結果の表示により、ロボットの周囲で作業を行う作業者に、注意を促すことができる。
この技術によれば、ロボットハンドの動作軌道を評価することが出来る。動作軌道の評価により、ロボットの周囲で作業を行う作業者への注意喚起等が可能となる。
作業ロボットの側面図 ロボットハンドの斜視図 作業ロボットのブロック図 評価装置のブロック図 ロボットハンドの動作軌道を示す斜視図 ロボットハンドの動作軌道を示す平面図 動作軌道の評価方法の説明図 動作軌道の評価基準を示す図 動作軌道の評価結果を示す図 評価結果の表示例を示す図 動作軌道の評価シーケンス S50のサブルーチン 評価結果の表示例を示す図 作業ロボットの斜視図 注意部位の説明図 注意部位の説明図 作業ロボットの側面図
<実施形態1>
1.作業ロボット30と評価装置200の説明
作業ロボット30は、作業対象物であるワーク20の加工や組み立てなど、所定の作業を行う。作業ロボット30は、作業者と協働して所定の作業を行う協働ロボットでもよいし、単独で作業を行うロボットでもよい。
図1に示すように、作業ロボット30は、ベース部31と、旋回ボディ35と、アーム機構41と、から構成される垂直多関節ロボットである。図1中、上下方向をZ方向としている。Z方向と直交する2方向を、X方向とY方向としている。他図も同様である。
旋回ボディ35はベース部31に対して、軸部33を介して取り付けられている。旋回ボディ35は、軸部33を中心として、周方向(R方向)への旋回動作が可能である。
アーム機構41は、旋回ボディ35上に取り付けられている。アーム機構41は第1アーム42と、第2アーム43と、第3アーム44から構成されており、各アーム42~44は独立して動作可能(モータ軸を中心に回転可能)である。
第3アーム44の先端には、図2に示すように、ロボットハンド50が取り付けられている。ロボットハンド50は、円筒形状をしたシリンダ部51と、対向する一対のクランプ片52、53を有している。
一対のクランプ片52、53は、エア駆動により開閉して、作業対象のワーク20を保持することが出来る。具体的には、ワーク20の基準点が、ハンド中心Pと一致するようにワーク20を保持することが出来る。ワーク20の基準点は、ワーク中心でもよい。
ティーチング装置150は、作業ロボット30を遠隔操作し、ワーク20を移動させるなどの作業を実際に行わせることにより、作業ロボット30に対して動作を教示する装置である。
図3は、作業ロボット30の電気的構成を示すブロック図である。作業ロボット30は、コントローラ81、記憶部83、駆動モータM1~M4を備えている。
駆動モータM1は、軸部33の外周面に、取り付けられている。駆動モータM2~M4は、各アーム42~44の結合部に組み込まれている。駆動モータM1~M4は、位置センサS1~S4を備えており、モータ軸の回転角度を検出することが出来る。
記憶部83は、作業ロボット30の制御プログラムPXを記憶する。制御プログラムPXは、各モータM1~M4の回転角度、回転速度を制御するプログラムである。
コントローラ81は、各駆動モータM1~M4を、制御プログラムPXに従って制御することにより、ワーク20を移動させる等、所定の作業を作業ロボット30に行わせる。
図4は、評価装置200のブロック図である。評価装置200は、CPU等により構成される演算部210と、接続部220と、入力部230と、表示部240と、記憶部250とを備える。評価装置200は、接続部220を介して作業ロボット30と接続することが出来る。評価装置200は、例えば、ノートパソコン等でもよい。
評価装置200は、ロボットハンド50の動作軌道Wを評価する装置であり、記憶部250には、ロボットハンド50の動作軌道Wを評価する評価プログラムPYが格納されている。また、記憶部250は、動作軌道Wの評価に必要なデータを記憶する。
動作軌道Wの評価に必要なデータには、以下の(a)~(c)のデータが含まれる。また、これ以外にも、ロボットハンド50の移動速度Vのデータを含んでもよい。注意部位がロボットハンド50、ワーク20の双方にある場合、(c)は、各注意部位のデータでもよい。
(a)ロボットハンド50の動作軌道Wのデータ
(b)ロボットハンド50及びワーク20のデータ
(c)ロボットハンド50又はワーク20の注意部位のデータ
2.動作軌道Wの評価方法
評価装置200は、第1ベクトルA1と第2ベクトルA2に基づいて、動作軌道Wの評価値Bを算出する。
図5、図6は、ロボットハンド50の動作軌道Wの一例を示す。「P1」~「P4」はロボットハンド50の中心である。ワーク20を保持したロボットハンド50は、「P1」⇒「P2」⇒「P3」⇒「P4」の動作軌道Wで移動する。
ワーク20は一方向に長い形状であり、両側に三角形状の突出部21、22を有している。また、図6に示す「O」は作業ロボット30の中心(軸部33の中心)である。
第1ベクトルA1は、ロボットハンド50の移動方向を示すベクトルである。ロボットハンド50の動作軌道Wが連続する複数の動作から構成されている場合、動作ごとに、第1ベクトルA1を算出する。
上記の場合、動作軌道Wは、ロボットハンド50が「P1」から「P2」まで移動する第1動作、「P2」から「P3」まで移動する第2動作、「P3」から「P4」まで移動する第3動作により、構成されている。
ロボットハンド50が「P1」から「P2」まで移動する第1動作の場合、第1ベクトルA1は「P1」を始点として次の点「P2」に向かうベクトルである。つまり、2点P1、P2を結ぶ直線L1の方向のベクトルである。
ロボットハンド50が「P2」から「P3」まで移動する第2動作の場合、第1ベクトルA1は、「P2」を始点として、次の点「P3」に向かうベクトルである。つまり、2点P2、P3を結ぶ直線L2の方向のベクトルである。
また、ロボットハンド50が「P3」から「P4」まで移動する第3動作の場合、第1ベクトルA1は、「P3」を始点として、次の点「P4」に向かうベクトルである。つまり、2点P3、P4を結ぶ直線L3の方向のベクトルである。このように、第1ベクトルA1は、ロボットハンド50の各動作に応じて、向きが変化する。
第2ベクトルA2は、ロボットハンド50の注意部位又はロボットハンド50に保持されたワーク20の注意部位の方向を示すベクトルである。
注意部位は、ロボットハンド50及びワーク20の形状に基づいて、作業者が決定してもよい。また、コンピュータで自動的に決定するようにしてもよい。
この例では、ワーク両側の突出部21、22のうち、一方(右側)の突出部21が、他方(左側)の突出部22よりも、鋭利な形状である。そのため、一方の突出部21の先端部Mを注意部位25としている(図7参照)。
第2ベクトルA2は、注意部位25のデータに基づいて、算出することが出来る。具体的には、第2ベクトルA2の向きは、ロボットハンド50の中心Pを始点として、注意部位25に向かう方向である。
この例では、ワーク20の先端部Mが注意部位25であることから、第2ベクトルA2は、ロボットハンド50の中心Pを始点として、ハンド50に保持されたワーク20の先端部Mに向かうベクトルである。つまり、ロボットハンド50の中心Pとワーク20の先端部Mを結ぶ直線PMの方向のベクトルである(図7参照)。
第1ベクトルA1の大きさ(長さ)は、注意部位25の注意度に依存せず、一定である。
第2ベクトルA2の大きさ(長さ)は、注意部位25の注意度が高いほど、大きい。
注意度は、注意部位25の形状により、判断することが出来る。例えば、注意部位25が鋭利な形状であるほど、注意度は高い。注意度は、例えば、「高」、「中」、「低」などの3段階で設定することが出来る。注意度は、作業者が、所定の評価基準に基づいて決定してもよいし、コンピュータで自動的に決定してもよい。注意度の設定は、3段階に限らず、2段階、4段階でもよい。
動作軌道Wの評価値Bは、第1ベクトルA1と第2ベクトルA2の内積であり、(1)式より、求めることが出来る。「・」の記号は、内積を示す。
B=A1・A2=|A1||A2|COSθ・・・・(1)式
|A1|は第1ベクトルの大きさ、|A2|は第2ベクトルの大きさである。また、「θ」は2つのベクトルA1、A2の角度(図7:なす角)である。
(1)式により得られる評価値Bは、注意部位25の注意度が高い程、また、2つのベクトルA1、A2の角度θが小さい程、大きい。
作業者は、注意部位25の注意度が高い程、また、2つのベクトルA1、A2の角度θが小さい程、ロボットハンド50の動きやそれに保持されたワーク20の動きに、注意を払う必要がある。そのため、ロボット周囲で作業を行う場合、評価値Bが大きい程、リスクが高く、作業者は注意が必要である。また、評価値Bが小さい程、リスクは小さく、注意を払う必要性は小さい。このように、評価値Bを用いて、ロボットハンド50の動作軌道Wを評価することが出来る。つまり、ロボット周囲で作業を行う作業者について、ロボットハンド50の動作のリスクを評価することが出来る。
尚、角度θが小さい場合に、注意が必要となる理由は、角度θが小さいと、ロボットハンド50の移動方向とワーク20の注意部位25の方向がほぼ一致した状態になることから、ロボットハンド50の移動方向に作業者が居た場合、注意部位25が作業者に向かって移動することになるからである。
この実施形態では、ロボットハンド50の動作軌道Wは、P1からP2に移動する第1動作、P2からP3に移動する第2動作、P3からP4に移動する第3動作から構成されているので、これら各動作について、評価値Bを、それぞれ算出する。
(2)式に示すように、第1動作、第2動作、第3動作の順に2つのベクトルA1、A2の角度θが小さいから、評価値B1~B3は、(3)式にて示すように、第1動作の評価値B1、第2動作の評価値B2、第3動作の評価値B3の順に、大きい。
θ1<θ2<θ3・・・・(2)式
B3<B2<B1・・・・(3)式
そのため、評価値Bが最も大きい第1動作、第2動作、第3動作の順に、リスクが高く、作業者は、注意が必要である。
この例では、図8、図9に示すように、評価値Bを閾値K1、K2と比較し、「小」、「中」、「大」の3段階にランク分けして、動作軌道Wを評価する。ランク分けは、3段階に限らず、「小」、「大」の2段階でもよい。また、4段階以上でもよい。
図10は、動作軌道Wの評価結果の表示例である。評価結果は評価装置200の表示部240に表示することが出来る。図10に示す「O」は、作業ロボット30の中心(軸部33の中心)である。この例では、ロボットハンド50の動作軌道Wを、第1ベクトルA1を用いて表している。
つまり、P1からP2までの第1動作、P2からP3までの第2動作、P3からP4までの第3動作を、3つの第1ベクトルA11、A12、A13を用いて表している。そして、評価値Bのランクにより表示色を変えて、第1ベクトルA11~A13を表示する。
例えば、評価値Bが「大」の場合、表示色を「赤」、評価値Bが「中」の場合、表示色を「黄色」、評価値Bが「小」の場合、表示色を「青」とする。
この例では、第1動作の評価値B1は「大」であるため、第1動作の第1ベクトルA11は「赤色」で表示される。第2動作の評価値B2は「中」であり、第3動作の評価値B3は「小」であるため、第2動作の第1ベクトルA12は「黄色」、第3動作の第1ベクトルA13は「青色」で表示される。
このように、ロボットハンド50の各動作を表す第1ベクトルA11~A13の表示色を変えることで、ロボットハンド50の各動作の評価結果を、作業者に提示することが出来る。つまり、第1ベクトルA11~A13の表示色より、各動作のリスクの程度を提示することが出来る(赤:リスク高、青:リスク低)。
次に、動作軌道Wの評価シーケンスを説明する(図11参照)。評価シーケンスは、S10~S70の7つのステップから構成されており、作業ロボット30の作業開始前に実行される。
まず、S10において、作業者は、評価装置200に対して、ロボットハンド50及びワーク20のデータを登録する。
ロボットハンド50のデータは、ロボットハンド50の外形形状や、中心Pの座標のデータを含む。中心Pは、シリンダ部51の中心でもよい。ワーク20のデータは、ワーク20の外形形状や、基準点(中心座標)のデータを含む。データの登録は、所定のアプリケーションソフトを用いて行うことが出来る。登録されたロボットハンド50及びワーク20のデータは、記憶部250に対して記憶される。
その後、S20において、作業者は、S10において登録したロボットハンド50及びワーク20のデータに基づいて、ロボットハンド50及びワーク20の中に、注意が必要と考えられる部位が、存在するか否かを判断する。
作業者は、注意が必要と考えられる部位がある場合、評価装置200に対して入力部230を用いて、注意部位25を登録する。例えば、ワーク20の突出部21に注意が必要と考えられる場合、突出部21を注意部位25として入力し、記憶部250に記憶する。具体的には、ワーク20上における突出部21の位置情報(座標)を、注意部位25の位置情報として記憶する。
また作業者は、注意部位25と併せて、注意部位25の注意度を、入力して登録する。注意度は、注意部位25の形状により判断できる。注意部位25が鋭利な形状である程、注意度は高く設定される。この例では、注意度を、「高」、「中」、「低」などの3段階で設定する。注意度の情報は、記憶部250に対して記憶される。
その後、S30において、作業者は、作業ロボット30に対してロボットハンド50の動作を教示する。動作の教示は、ティーチング装置150により作業ロボット30を遠隔操作し、ワーク20を移動させるなどの作業を、実際に行わせることにより行う。
作業ロボット30に動作を教示することで、作業ロボット30の制御データ(制御プログラムPX)が得られる。制御データは、教示された動作を実行するための各モータM1~M4の軸値や回転速度のデータである。
S40において、作業者は、コントローラ81から作業ロボット30の制御データを読み込む。そして、制御データが読み込まれると、演算部210は、読み込んだ制御データ、アーム機構40のデータ及びロボットハンド50のデータ等から、ロボットハンド50の動作軌道Wのデータを生成する。
動作軌道Wのデータは、ロボットハンド50の移動する中心点P1~P4の座標データであり、記憶部250に対して記憶される。
S50において、評価装置200の演算部210は、動作軌道Wの評価値Bを算出する。動作軌道Wが連続する複数の動作から構成されている場合、各動作についてそれぞれ評価値Bを算出する。
具体的には、ロボットハンド50の動作軌道Wは、図6に示すように、連続する3つの動作、つまり、P1からP2まで移動する第1動作、P2からP3まで移動する第2動作、P3からP4まで移動する第3動作から構成されているので、これら各動作について、それぞれ評価値Bを算出する。
評価値Bは、図12に示すように、S51、S53、S55の3ステップにより算出することが出来る。
S51は、第1ベクトルA1を算出するステップである。S51において、演算部210は、記憶部250からロボットハンド50の動作軌道Wのデータを読み出す。そして、読み出した動作軌道Wの各動作のデータに基づいて、各動作の第1ベクトルA1を算出する。
S53は、第2ベクトルA2を算出するステップである。S53において、演算部210は、記憶部250から注意部位25のデータを読み出し、読み出した注意部位25のデータに基づいて、第2ベクトルA2を算出する。
S55は、S51で算出した第1ベクトルA1と、S53で算出した第2ベクトルA2の内積を計算するステップである。内積は、上記した(1)式にて計算することが出来る。演算部210は、S55の演算を、ロボットハンド50の各動作についてそれぞれ行う。これにより、各動作の評価値Bが得られる。
その後S60に移行し、演算部210は、各動作の評価値B1~B3を、閾値K1、K2と比較して、ランク分けする(図9参照)。
その後S70に移行し、演算部210は、表示部240に対して、動作軌道Wの評価結果を表示する。例えば、図10に示すように、各第1ベクトルA11~A13の表示色を、各動作の評価値B1~B3のランクに応じて、変えて表示する。
評価装置200は、作業ロボット30から着脱可能であり、評価結果の表示後は取り外して、作業を行うことが出来る。
3.効果説明
本構成では、ロボットハンド50の動作軌道Wの評価結果より、ロボット周囲におけるリスクの有無を作業者に対して事前に周知させることが出来、作業者に対して注意を促すことが出来る。この技術は、作業ロボット30の周囲作業のリスクアセスメントに有効である。
<実施形態2>
実施形態1では、動作軌道Wの評価値Bを、(1)式により算出した。実施形態2は、動作軌道Wの評価値Bを、(4)式にて算出する。
B=|A1||A2|COSθ×V・・・・(4)式
Vは、ロボットハンド50の移動速度である。
評価値Bの計算式に対して、ロボットハンド50の移動速度Vを含めることで、ロボットハンド50の動作軌道Wを、移動速度Vを考慮して、評価することが可能となる。
また、評価値Bの算出に移動速度Vを利用する場合、評価値Bが閾値K以下になるように、移動速度Vを自動で補正してもよい。閾値Kは、実施形態1で説明したK1やK2である(図8参照)。
例えば、「閾値K2」よりも「評価値B」大きい場合、(5)式を満たすように、移動速度Vを自動で補正し、移動速度Vを補正前よりも遅くしてよい。
K2≧|A1||A2|COSθ×V・・・・(5)式
移動速度Vの補正により、評価値Bを「K2」以下に出来るので、ロボット周囲で作業を行う作業者のリスクを低減することが出来る。尚、移動速度Vの補正は、作業ロボット30の動作単位で行うとよい。
<実施形態3>
実施形態3は、実施形態1に対して、動作軌道Wの評価結果の表示方法が異なる。
図13は、動作軌道Wの評価結果の表示例である。図13に示す「O」は、作業ロボット30の中心(軸部33の中心)である。この例では、作業ロボット30の周囲を4つの作業領域S1~S4に分けており、各領域S1~S4について、動作軌道Wの評価結果を表示する。
例えば、領域S4であれば、領域S4に含まれる第1動作の評価値B1を、領域S4の動作軌道Wの評価値B1とする。図10の表示例では、各領域S1~S4について、動作軌道Wの評価値Bを「大」、「中」、「小」などの文字情報で示している。
尚、同じ領域S内に動作が複数含まれている場合、複数の動作の評価値Bのうち、最も大きい評価値Bを、その領域Sの動作軌道Wの評価値Bとしてもよい。
各領域S1~S4の評価値Bを表示することで、作業中に出入りする可能性がある作業領域S1~S4にリスクがあるかどうか、注意が必要かどうか、判断材料を提示することが出来る。
尚、図13に示すように、各領域S1~S4の評価結果に加えて、第1ベクトルA11~A13を合わせて表示してもよい。また、実施形態1と同様に、第1ベクトルA11~A13の表示色を、「評価値B」に応じて変えてもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)実施形態1では、作業ロボットの一例として、垂直多関節ロボット30を例示した。作業ロボットは、垂直多関節ロボットに限定されない。例えば、図14に示すスカラーロボット(水平多関節ロボット)300でもよい。
(2)実施形態1では、ロボットハンド50によるワーク20の保持構造として、チャック式の保持構造を例示したが、負圧による保持構造でもよい。
(3)実施形態1では、動作軌道の評価結果(具体的には、評価値B1~B3)を、表示部240に表示することにより、作業者に作業の注意喚起を行った。評価結果の活用方法は、表示に限らない。警告音を鳴らすようにしてもよい。例えば、評価値Bが大きい第1動作中、作業者の注意喚起を目的として、ブザーを鳴らすようにしてもよい。
(4)実施形態1では、ワーク20の右側の突出部21の先端部を注意部位としたが、注意部位は複数箇所でもよい。例えば、図15に示すように、ワーク20の両側の突出部21、22の先端部をそれぞれ注意部位25A、25Bとしてもよい。「A2a」は注意部位25Aの第2ベクトル、「A2b」は注意部位25Bの第2ベクトルである。注意部位が複数の場合、各動作について、注意部位ごとに評価値Bを算出する。そして、もっとも条件の悪い、つまり、値の大きい評価値Bを、その動作の評価値Bとして、動作軌道Wを評価してもよい。
(5)実施形態1では、ワーク20の一部を注意部位25としたが、ロボットハンド50の一部を注意部位としてもよい。例えば、図16に示すように、クランプ片52、53の両端を注意部位55A、55Bとしてもよい。「A2a」は注意部位55Aの第2ベクトル、「A2b」は注意部位55Bの第2ベクトルである。
尚、動作軌道Wの評価は、ロボットハンド50がワーク20を保持して移動している場合に限らず、ワーク20を保持せずに移動している場合も、対象とすることが出来る。
(6)実施形態1では、動作軌道Wの評価値Bを(1)式より算出し、実施形態2では、動作軌道Wの評価値Bを(4)式により算出した。評価値Bは、第1ベクトルA1と第2ベクトルA2に基づいて算出されるものであれば、(1)式、(4)式に限らず、他の方法で算出してもよい。例えば、2つのベクトルA1、A2の角度θのみに基づいて算出してもよい。
(7)実施形態1では、第2ベクトルA2の大きさを、注意部位25の注意度に応じて決めたが、第1ベクトルA1と同様に、注意度に依存せず、一定の値としてもよい。
(8)実施形態1では、「注意度」を、注意部位25の形状に基づいて判断した。「注意度」は、注意部位25の形状、材質、温度のうち、いずれかにより判断することが出来る。また、これらの組み合わせにより、判断することが出来る。形状を判断要素とする場合、注意部位25の形状が鋭利であるほど、注意度は高い。材質を判断要素とする場合、注意部位25の材質が硬いほど、注意度は高い。温度を判断要素とする場合、注意部位25の温度が高いほど、注意度は高い。
(9)実施形態1では、第1ベクトルA1と第2ベクトルA2を二次元(XY)のベクトルとしたが、第1ベクトルA1と第2べクトルA2は、3次元のベクトル(XYZ)のベクトルでもよい。
(10)この技術は、図17に示すように、AGV(Automatic Guided Vehicle)などの搬送装置310を用いて移動する作業ロボット330にも、適用することが出来る。また、ワーク20も、実施形態で開示した形状に限定されるものではなく、別の形状でもよい。
20 ワーク
25 注意部位
30 作業ロボット
50 ロボットハンド
200 評価装置
210 演算部
240 表示部
250 記憶部
A1 第1ベクトル
A2 第2ベクトル
B 評価値
W 動作軌道

Claims (10)

  1. ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、
    演算部と、
    記憶部と、を含み、
    前記記憶部は、前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、
    前記演算部は、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルを算出し、
    前記注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルを算出し、
    前記第1ベクトルと前記第2ベクトルとに基づいて、前記ロボットハンドの動作軌道の評価値を算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値のランクにより表示色を変えて表示部に表示する、評価装置。
  2. 請求項1に記載の評価装置であって、
    前記第1ベクトルの大きさは、前記注意部位に依存せず、一定であり、
    前記第2ベクトルの大きさは、前記注意部位の注意度が高い程、大きい、評価装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の評価装置であって、
    前記評価値は、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積である、評価装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の評価装置であって、
    前記評価値は、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積と前記ロボットハンドの移動速度の積である、評価装置。
  5. 請求項4に記載の評価装置であって、
    前記演算部は、前記評価値が閾値以下となるように、前記ロボットハンドの移動速度を補正する、評価装置。
  6. ロボットハンドの動作軌道の評価方法であって、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルを算出し、
    記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心から前記注意部位に向かう第2ベクトルを算出し、
    前記第1ベクトルと前記第2ベクトルに基づいて、前記ロボットハンドの動作軌道の評価値を算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値のランクにより表示色を変えて表示部に表示する、評価方法。
  7. ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、
    演算部と、
    記憶部と、を含み、
    前記記憶部は、前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、
    前記演算部は、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルを算出し、
    前記ロボットハンドに保持される前記ワークの注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルを算出し、
    前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積に基づいて、前記ワークを保持する前記ロボットハンドの動作軌道の評価値を算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値のランクにより表示色を変えて表示部に表示する、評価装置。
  8. ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、
    演算部と、
    記憶部と、を含み、
    前記記憶部は、前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、
    前記演算部は、
    前記ロボットハンドの動作軌道が連続した複数の動作から構成されている場合、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、連続する複数の動作について、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルをそれぞれ算出し、
    前記注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルを算出し、
    前記ロボットハンドの動作軌道を構成する連続した複数の動作の評価値を、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルの内積に基づいて、それぞれ算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値のランクにより表示色を変えて表示部に表示する、評価装置。
  9. ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、
    演算部と、
    記憶部と、を含み、
    前記記憶部は、前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、
    前記演算部は、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルを算出し、
    前記注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルを算出し、
    前記第1ベクトルと前記第2ベクトルとに基づいて、前記ロボットハンドの動作軌道の評価値を算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値のランクにより表示色を変えて表示部に表示し、
    前記第2ベクトルの大きさは、前記注意部位の注意度に応じて算出され、
    前記注意部位の注意度は、前記注意部位の材質、温度のうちのいずれか一方、または、前記注意部位の形状、材質、温度の組み合わせに基づいて判断される、評価装置。
  10. ロボットハンドの動作軌道の評価装置であって、
    演算部と、
    記憶部と、を含み、
    前記記憶部は、前記ロボットハンドに保持されるワークの注意部位のデータ、及び前記ロボットハンドの動作軌道のデータを、少なくとも記憶し、
    前記演算部は、
    前記ロボットハンドの動作軌道のデータに基づいて、前記ロボットハンドの移動方向を示す第1ベクトルA1を算出し、
    前記注意部位のデータに基づいて、前記ロボットハンドの中心を始点とした前記注意部位の方向を示す第2ベクトルA2を算出し、
    内積を用いた下記数式(1)のベクトル演算式により、前記ロボットハンドの動作軌道の評価値Bを算出し、
    動作軌道の評価結果を、前記評価値Bのランクにより表示色を変えて表示部に表示する、評価装置。
    B=A1・A2=|A1||A2|COSθ …(1)
    「B」は動作軌道の評価値、「A1」は第1ベクトル、「A2」は第2ベクトル、「・」は内積を表す記号、「|A1|」は第1ベクトルの大きさ、「|A2|」は第2ベクトルの大きさ、「θ」は2つのベクトルA1、A2のなす角度である。
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