JP7770824B2 - シート制御装置、シート制御方法 - Google Patents

シート制御装置、シート制御方法

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Description

本発明は、車両などに装備された電動式のシートを制御する装置に関し、特に、異物の挟み込みを検出する機能を備えたシート制御装置に関する。
自動四輪車のような車両には、モータの回転により前後に移動する電動式のシートが装備されているものがある。このようなシートの前後位置を調整する場合、従来は、シートの近傍に設けられた操作部を操作して、シートを前方または後方に手動で移動させることにより、シート位置を調整していた。一方、近年では、利用者の好みに合ったシート位置を目標位置として予め登録しておき、乗車時にその目標位置までシートを自動的に移動させる、オート駆動機能を備えた車両が登場している。
このようなオート駆動機能を備えた車両にあっては、たとえば、前席のシートと後席のシートとの間に人や物が存在している状態で、前席のシートが自動的に後方へ移動すると、前後のシートの間に人や物が挟み込まれて、安全が脅かされるおそれがある。このため、シート制御装置には、挟み込みが発生した場合に、これを検出してモータを逆転させることにより、シートを前方へ反転移動させて挟み込みを解消する機能が要求される。
挟み込みが発生すると、モータに加わる荷重の増加に伴って、モータに流れる電流が増加するとともに、モータの回転数が低下する。そこで、所定期間におけるモータの電流や回転数の変化量(差分)を検出し、その検出値を閾値と比較することにより、挟み込みが発生したか否かを判定することができる。特許文献1~6には、シートの位置制御における挟み込み検出の技術が開示されている。
挟み込みの発生時に、モータを逆転させて挟み込みを解消することは、窓の開閉を電動式に行うパワーウィンドウ装置においても、従来から行われている(たとえば特許文献7)。パワーウィンドウ装置の場合、窓が上昇して閉じる過程で挟み込みが発生すると、窓が反転して下降するが、このときの反転移動量は常に一定である。また、窓が反転移動している間は、窓が開いた状態であるため、挟み込みが再度発生するおそれはない。これに対し、シートによる挟み込みの場合は事情が異なる。以下、具体的に説明する。
図8は、シートが前後に直進するスライド動作において発生する、挟み込みの状況を示している。(a)はスライド動作前の状態であって、乗員50が着座した前席(ここでは運転席)のシート30は、乗員60が着座した後席のシート40から一定距離を隔てた位置にある。シート30は、前後に直進が可能な座部31と、前後に傾斜が可能な背もたれ部32とを備えている。
この状態で乗員50が、シート30を目標位置M1まで自動的に移動させる操作を行うと、図8の(b)のように、シート30の座部31が、目標位置M1に向かってP方向(後方)へ移動する。このとき、たとえば運転席のスペースを十分確保するために、目標位置M1が図のような後方寄りの位置に設定されていると、破線aで示すように、移動中のシート30の一部が後席の乗員60の脚に当たる。このため、シート30がそれ以上移動できなくなって、両シート30、40の間に脚が挟み込まれた状態となる。この挟み込みが検出されると、モータが逆転して、シート30は(b)の挟み込み位置から反転し、(c)に示したQ方向(前方)へ移動する。これによって、乗員60の脚の挟み込みが解消される。
しかしながら、反転後のシート30の移動量(反転移動量)は、挟み込みを解消できるに足る移動量であればよく、常に一定以上の移動量である必要はない。かえって、反転移動量が必要以上に大きいと、シート30の前方への移動距離が長くなり、図8の(c)に破線bで示すように、前席の乗員50の脚がダッシュボード70とシート30との間に挟まれるという事態が発生する。これは、パワーウィンドウ装置には無い、シート制御装置に特有の問題点である。さらに、反転後に停止したシート30を、図8の(c)の位置から目標位置M1まで再移動させる場合に、移動距離が長いために時間がかかるという問題もある。
これらと同様の問題は、シートが前後に傾斜するリクライニング動作においても存在する。図9は、この場合の挟み込みの状況を示している。(a)はリクライニング動作前の状態であって、シート30の背もたれ部32は、両シート30、40の間に置かれた荷物80から離れた位置にある。
この状態で乗員50が、シート30を目標位置M2まで自動的に傾ける操作を行うと、図9の(b)のように、シート30の背もたれ部32が、目標位置M2に向かってP方向(後方)へ傾斜する。このとき、目標位置M2までの傾斜量が大きいと、破線cで示すように、背もたれ部32が荷物80に当ってそれ以上傾斜できなくなり、両シート30、40の間に荷物80が挟み込まれた状態となる。この挟み込みが検出されると、モータが逆転して、背もたれ部32は(b)の挟み込み位置から反転し、(c)に示したQ方向(前方)へ傾斜する。これによって、荷物80の挟み込みが解消される。
しかしながら、この場合も、反転後の背もたれ部32の移動量(反転移動量)は、挟み込みを解消できるに足る移動量であればよく、常に一定以上の移動量である必要はない。かえって、反転移動量が必要以上に大きいと、背もたれ部32の前方への移動距離が長くなり、図9の(c)の破線dで示すように、乗員50がステアリング90と背もたれ部32との間に挟まれるという事態が発生する。さらに、反転後に停止したシート30を、(c)の位置から目標位置M2まで再移動させる場合にも、移動距離が長いために時間がかかるという問題がある。
韓国特許公開第10-2020-0065312号 韓国特許公開第10-2020-0065302号 韓国特許公開第10-2013-0039104号 中国特許公開第109278594号 特開2016-129449号公報 特開2007-131138号公報 特開2016-142068号公報
本発明の課題は、挟み込み発生時に反転移動するシートによって他の場所で再び挟み込みが発生するのを防止し、また、反転移動後に停止したシートが目標位置へ移動するまでの時間を短縮することにある。
本発明に係るシート制御装置は、モータの回転により移動する電動式のシートを、動作開始位置から目標位置まで自動で移動させる機能を有するシート制御装置であって、挟み込み検出部と、シート移動量算出部と、モータ制御部とを含む。挟み込み検出部は、シートが目標位置への移動中に物体を挟み込んだことを検出する。シート移動量算出部は、動作開始位置から挟み込みの発生した挟み込み位置までのシート移動量を算出する。モータ制御部は、モータを正転させてシートを目標位置まで移動させるとともに、挟み込み検出部が物体の挟み込みを検出した場合に、モータを逆転させて、シートを上記挟み込み位置から逆方向へ、所定の反転移動量だけ移動させる。
本発明では、モータ制御部は、シート移動量算出部が算出したシート移動量と、あらかじめ定められた基準値とを比較して、シート移動量が基準値以上か否かを判定する。そして、シート移動量が基準値以上と判定された場合、モータ制御部は、当該基準値を反転移動量として、シートを逆方向へ移動させる。一方、シート移動量が基準値未満と判定された場合、モータ制御部は、当該シート移動量を反転移動量として、シートを逆方向へ移動させる。
このような本発明においては、挟み込み位置で反転したシートが動作開始位置を越えて移動しないように、反転移動量が制限されるので、反転後のシートによって別の場所で挟み込みが発生するのを回避することができる。また、反転後のシートは動作開始位置を越えない位置で停止するため、当該位置から目標位置までシートを移動させる際の時間を短縮することができる。
本発明のシート制御装置は、シートを目標位置まで自動で移動させる際に操作される、第1スイッチをさらに備えていてもよい。この場合、モータ制御部は、シートが逆方向へ移動して停止した後、第1スイッチが操作されたことに基づき、モータを正転させて、シートを目標位置まで移動させる。
また、本発明のシート制御装置は、シートを手動で移動させる際に操作される、第2スイッチをさらに備えていてもよい。この場合、モータ制御部は、シートが逆方向へ移動して停止した後、第2スイッチが操作されたことに基づき、モータを正転させて、第2スイッチが操作されている間、シートを目標位置の方向へ移動させる。
本発明のシート制御装置において、シートが、前後に直進が可能な座部を有するシートである場合、シート移動量は、座部の移動距離である。また、シートが、前後に傾斜が可能な背もたれ部を有するシートである場合、シート移動量は、背もたれ部の傾斜角度である。
本発明によれば、挟み込み発生時に反転移動するシートによって他の場所で再び挟み込みが発生するのを防止することができ、また、反転移動後に停止したシートが目標位置へ移動するまでの時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態のシート制御装置を備えた電動シートシステムのブロック図である。 正常時のシートの動作を説明する図である。 挟み込み発生時の動作(パターン1)を説明する図である。 挟み込み発生時の動作(パターン2)を説明する図である。 反転位置から目標位置へのシートの移動を説明する図である。 パターン1およびパターン2の動作を実行するための、シート制御装置における手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態のシート制御装置を備えた電動シートシステムのブロック図である。 シートのスライド動作における挟み込みを説明する図である。 シートのリクライニング動作における挟み込みを説明する図である。
本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。図面中、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。以下では、車両に搭載されるシート制御装置を例に挙げる。
図1は、本発明の第1実施形態によるシート制御装置2と、これを用いた電動シートシステム100の一例を示している。電動シートシステム100は、たとえば自動四輪車のような車両に搭載されており、操作部1、シート制御装置2、モータ駆動回路3、モータ電流検出部4、モータ回転数検出部5、モータ6、スライド機構7、およびシート30を備えている。シート30は、モータ6とスライド機構7によって駆動される電動式のシートである。
操作部1は、シート30を目標位置まで自動で移動させる際に操作する、オート駆動用の第1スイッチ11と、シート30を任意の位置まで手動で移動させる際に操作する、マニュアル駆動用の第2スイッチ12とを備えている。第1スイッチ11は、たとえば運転席のドアの内側に設けられており、第2スイッチ12は、たとえばシート30の側方に設けられている。
シート制御装置2は、モータ制御部21、挟み込み検出部22、シート移動量算出部23、および目標位置記憶部24を備えている。モータ制御部21は、操作部1の各スイッチ11、12の操作状態や、挟み込み検出部22の検出結果や、シート移動量算出部23で算出されたシート移動量などに基づいて、モータ6の回転を制御するための制御信号をモータ駆動回路3へ出力する。
挟み込み検出部22は、モータ電流検出部4で検出されたモータ6の電流に基づいて、シート30による物体(人の脚や荷物など)の挟み込みを検出する。モータ電流に基づく挟み込み検出の詳細については、よく知られているので説明を省略する。
シート移動量算出部23は、モータ回転数検出部5で検出されたモータ6の回転数に基づいて、シート30の移動量を算出する。この場合の移動量は、シート30の移動距離である。モータ回転数検出部5は、たとえば、モータ6の回転と同期してパルス信号を出力する回転センサから構成されている。
目標位置記憶部24には、第1スイッチ11によりシート30がオート駆動される場合の目標位置が設定されている。第2スイッチ12を操作して、シート30の位置を好みの位置に調整した後、図示しない設定スイッチを操作することによって、当該位置が目標位置として目標位置記憶部24に記憶される。
なお、シート制御装置2はマイクロコンピュータから構成されており、モータ制御部21、挟み込み検出部22、およびシート移動量算出部23のそれぞれの機能は、実際にはソフトウェアによって実現されるが、ここでは便宜上、ハードウェアのブロックとして図示している。
モータ駆動回路3は、モータ6を回転させるための駆動電圧を生成し、これをモータ6へ供給する。モータ6は、この駆動電圧により回転し、スライド機構7を介してシート30を前後方向(α方向)に移動させる。スライド機構7は、モータ6とシート30に連結されていて、モータ6の回転運動を直線運動に変換する。
次に、上述した電動シートシステム100の動作を、図2ないし図4に基づいて説明する。
図2は、挟み込みの発生がない正常時の動作を示している。図2のシート30は、図8のシート30と同じものであって、前後に直進が可能な座部31と、この座部31に連結された背もたれ部32とを備えている。以下の説明では、座部31の直進移動による挟み込みを例に挙げる。
図2において、動作前の初期状態では、シート30は破線で示した位置にある。このときのシート30の位置を、動作開始位置Aとする。この動作開始位置Aは、基準位置Uから座部31の後端部までの距離として表される。基準位置Uは、シート30の移動を案内するレール7aの左端位置に設定されている。レール7aは、前述したスライド機構7(図1)に設けられている。
この初期状態において、操作部1の第1スイッチ11(図1)が操作されると、オート駆動が開始されてモータ6が正転し、シート30は、座部31がレール7aによって案内されながら、目標位置Mに向かってP方向(後方)へ移動する。目標位置Mは、前述のとおり、目標位置記憶部24にあらかじめ記憶された位置であり、基準位置Uからの距離として表される。シート30が実線で示すように目標位置Mまで移動すると、モータ6の正転が停止して、シート30は自動的に停止する。このときの、シート30の動作開始から停止までの移動距離、すなわちシート移動量Lは、L=|A-M|となる。
図3および図4は、挟み込みが発生した場合の動作例を示している。図3は、シートの動作開始位置から挟み込み対象までの距離が長い場合の動作(パターン1)であり、図4は、シートの動作開始位置から挟み込み対象までの距離が短い場合の動作(パターン2)である。本発明では、これらの2つのパターンを、シート移動量に応じて選択的に実行する。
最初に、図3のパターン1について説明する。図3の(a)に示すように、シート30が、動作開始位置AからP方向(後方)へ移動して、目標位置Mへ至るまでの間に、後席のシート40に着座している乗員の脚9に当たると、挟み込みが発生する。このときのシート30の位置を挟み込み位置Bとすると、シート30の移動距離、すなわちシート移動量L1は、L1=|A-B|となる。パターン1の場合、このL1は後述する基準値Cよりも大きい値である(L1>C)。挟み込みの発生が挟み込み検出部22(図1)により検出されると、モータ6は、一旦停止した後に逆転する。このため、シート30は、図3の(b)のように挟み込み位置Bから反転し、Q方向(前方)へ移動する。これによって、脚9の挟み込みが解消される。
反転移動したシート30が、図3の(b)に示した反転位置Xに至ると、モータ6の逆転が停止して、シート30もこの位置で停止する。ここで、反転位置Xは、Q方向に向かって動作開始位置Aよりも手前にあるので、シート30は動作開始位置Aへ至る前に停止する。このときの挟み込み位置Bから反転位置Xまでのシート30の移動距離、すなわち反転移動量L2は、L2=|X-B|であって、この反転移動量L2は、あらかじめ定められた基準値C(固定値)と等しい値となっている(L2=C)。したがって、反転移動量L2とシート移動量L1の関係は、L2<L1となる。
このように、図3のパターン1においては、動作開始位置Aから挟み込み位置Bまでのシート移動量L1が基準値Cより大きい場合(L1>C)に、挟み込み位置Bから反転位置Xまでの反転移動量L2がシート移動量L1を超えないように、反転移動量L2を基準値Cに制限している(L2=C)。このため、反転移動したシート30が、動作開始位置Aを超えて更にQ方向へ移動することはないので、図8の(c)で示したような、別の場所で再度の挟み込みが発生する事態を回避することができる。
シート30が反転位置Xで停止した後は、操作者がシート30、40間に人や物が存在しないことを確認したうえで、第1スイッチ11(図1)を再度操作することにより、図5に示すように、シート30を反転位置Xから目標位置Mまで移動させる。Wはこのときのシート30の移動量を示している。この場合、反転位置Xが動作開始位置Aの手前にあるため、動作開始位置Aを超えた位置Eに反転位置がある場合に比べて、シート移動量Wが小さくなり、目標位置Mへのシート30の移動時間を短縮することができる。なお、第1スイッチ11の替わりに、第2スイッチ12を操作することにより、シート30を手動で反転位置Xから目標位置Mまで移動させてもよい。
以上の説明では、シート移動量L1が基準値Cより大きい(L1>C)ことを条件としたが、シート移動量L1は基準値Cと等しくてもよい(L1=C)。この場合、反転移動量L2はシート移動量L1と等しくなり(L2=L1=C)、反転移動したシート30は、動作開始位置Aで停止する。したがって、シート30が動作開始位置Aを超えて移動することはないので、前記の場合と同様に、別の場所で再度の挟み込みが発生するのを回避できる。また、シート30が動作開始位置Aを超えて停止した場合と比べて、目標位置Mへのシート30の移動時間が短縮される。
次に、図4のパターン2について説明する。図4の場合は、(a)のように、シート30の動作開始位置Aが、図3と比べて後方にあり、動作開始位置Aから挟み込み位置Bまでのシート30の移動距離、すなわちシート移動量L3(=|A-B|)が、前述の基準値Cよりも小さくなっている(L3<C)。そして、挟み込みが発生すると、シート30は、(b)のように挟み込み位置BからQ方向へ反転した後、反転位置Yまで移動するが、この反転位置Yは動作開始位置Aと同じ位置である(Y=A)。すなわち、シート30の反転移動量L4は、シート移動量L3と同じである(L4=L3=|A-B|)。
このように、パターン2においては、動作開始位置Aから挟み込み位置Bまでのシート移動量L3が基準値Cより小さい場合(L3<C)に、挟み込み位置Bから反転位置Yまでの反転移動量L4がシート移動量L3と等しくなるようにして、反転移動量L4を基準値C未満に制限している(L4<C)。このため、反転移動したシート30が、動作開始位置Aを超えて更にQ方向へ移動することはないので、パターン1の場合と同様に、別の場所で再度の挟み込みが発生するのを回避することができる。
シート30が反転位置Yで停止した後は、パターン1の場合と同様の手順で、シート30を自動または手動で目標位置Mまで移動させる(図5参照)。この場合も、反転位置Yが動作開始位置Aを超えないので、反転位置Yから目標位置Mへのシート30の移動時間を短縮することができる。
なお、図4では、反転位置Yが動作開始位置Aと同じ位置であったが、反転位置Yは動作開始位置Aの少し手前の位置であってもよい。この場合、反転移動したシート30は、動作開始位置Aの手前で停止するので、動作開始位置Aを超えて移動することはなく、別の場所で再度の挟み込みが発生するのを回避することができる。また、反転位置Yから目標位置Mへのシート30の移動時間がさらに短縮される。
図6は、上述したパターン1およびパターン2の動作を実行するための、シート制御装置2における手順を示したフローチャートである。
ステップS1では、操作部1の第1スイッチ11がオンか否かを、モータ制御部21が判定する。第1スイッチ11がオンであれば(ステップS1:YES)、シートのオート駆動を行うために、ステップS2以下へ進む。ステップS2では、挟み込み検出部22による挟み込み検出の機能が起動される。
続くステップS3では、モータ制御部21の制御の下で、モータ駆動回路3が動作してモータ6が正転し、シートのオート駆動が開始される。このため、シート30が、動作開始位置Aから目標位置Mに向かって移動する。この間、ステップS4において、挟み込み検出部22は挟み込みの有無を検出する。また、ステップS5において、モータ制御部21は、シート移動量算出部23で算出されたシート移動量に基づいて、シート30が目標位置Mまで移動したか否かを監視する。
挟み込みが検出されず(ステップS4:NO)、かつ、シート30が目標位置Mへ至っていない場合(ステップS5:NO)は、ステップS3のオート駆動が継続される。そして、挟み込みが検出されないまま(ステップS4:NO)、シート30が目標位置Mへ至ると(ステップS5:YES)、ステップS11へ移る。ステップS11では、モータ制御部21がモータ6を停止させ、これによってシート30も停止する。
一方、シート30が目標位置Mへ至る前に、挟み込みが検出されると(ステップS4:YES)、ステップS6へ進む。ステップS6では、シート移動量算出部23で算出されたシート移動量に基づいて、モータ制御部21が挟み込み位置Bを特定する。続いて、ステップS7では、モータ制御部21が、モータ6の正転によるオート駆動を一旦停止させた後、モータ6を逆転させて、シートの反転動作を開始する。これにより、シート30は、挟み込み位置Bで反転して、逆方向(図3等に示されたQ方向)へ移動する。
次に、ステップS8において、モータ制御部21は、シート移動量算出部23が算出したシート移動量|A-B|(図3のL1、図4のL3)を、基準値Cと比較する。比較の結果、|A-B|≧Cであれば(ステップS8:YES)、ステップS9へ進み、|A-B|<Cであれば(ステップS8:NO)、ステップS10へ進む。
ステップS9では、モータ制御部21によって、図3のパターン1の反転移動が実行される。この場合、ステップS8における判定結果が|A-B|>C(つまりL1>C)であれば、挟み込み位置Bで反転したシート30は、動作開始位置Aより手前の反転位置Xまで移動する。また、ステップS8における判定結果が|A-B|=C(つまりL1=C)であれば、挟み込み位置Bで反転したシート30は、動作開始位置Aまで移動する。いずれの場合も、シート30の反転移動量L2は、前述のとおりL2=Cである。
一方、ステップS10では、モータ制御部21によって、図4のパターン2の反転移動が実行される。すなわち、挟み込み位置Bで反転したシート30は、動作開始位置Aと同じ反転位置Yまで移動する。このときの反転移動量L4は、前述のとおりL4=|A-B|である。
ステップS9、S10において、シート30が所定の反転位置まで移動すると、ステップS11へ移り、モータ6が停止してシート30も停止する。
ステップS1で、第1スイッチ11がオンでない場合は(ステップS1:NO)、ステップS12で、第2スイッチ12がオンか否かを、モータ制御部21が判定する。第2スイッチ12がオンであれば(ステップS12:YES)、ステップS13へ進み、モータ制御部21の制御の下で、シート30のマニュアル駆動が行われる。このマニュアル駆動は、第2スイッチ12がオンの間(ステップS14:NO)、継続される。第2スイッチ12がオフになると(ステップS14:YES)、モータ制御部21は、マニュアル駆動を解除するためにモータ6を停止して、シート30を停止状態にする(ステップS11)。
ステップS9、S10で反転位置まで移動したシート30が、ステップS11で停止した後は、前述したように、自動または手動でシート30を目標位置Mへ移動させる。自動の場合は、第1スイッチ11を再度オンにすることで、ステップS1~S11が実行されて、オート駆動によりシート30が目標位置Mまで移動する。また、手動の場合は、第2スイッチ12をオンにすることで、ステップS12~S14、S11が実行されて、マニュアル駆動によりシート30が目標位置Mまで移動する。
以上のように、上述した実施形態では、シート30が動作開始位置Aから目標位置Mへ至るまでに挟み込みが発生した場合に、図3のようにシート移動量L1が基準値C以上であれば、基準値Cを反転移動量L2として、シート30を挟み込み位置Bから逆方向へ移動させる(パターン1)。一方、図4のようにシート移動量L3が基準値C未満であれば、シート移動量L3を反転移動量L4として、シート30を挟み込み位置Bから逆方向へ移動させる(パターン2)。
このようにしたことで、挟み込み位置Bで反転したシート30が動作開始位置Aを越えて移動しないように、反転移動量L2、L4が制限されるので、反転後のシート30によって別の場所で挟み込みが発生するのを回避することができる。また、反転後のシート30は動作開始位置Aを越えない位置で停止するため、当該位置から目標位置Mまでシート30を移動させる際の時間を短縮することができる。
以上の実施形態では、座部31の移動による挟み込みを例に挙げたが、図9で説明したような背もたれ部32の傾斜よる挟み込みが発生した場合にも、本発明は適用が可能である。この場合の実施形態を図7に示す。
図7は、本発明の第2実施形態によるシート制御装置20と、これを用いた電動シートシステム200の一例である。図7では、図1の操作部1が、スライド操作部1aとリクライニング操作部1bとに置き換わっている。スライド操作部1aには、座部31をオート駆動するための第1スイッチ11aと、座部31をマニュアル駆動するための第2スイッチ12aとが備わっている。リクライニング操作部1bには、背もたれ部32をオート駆動するための第1スイッチ11bと、背もたれ部32をマニュアル駆動するための第2スイッチ12bとが備わっている。
また、図7では、シート制御装置20において、図1のモータ制御部21が、第1モータ制御部21aと、第2モータ制御部21bとに置き換わっており、図1のモータ駆動回路3が、第1モータ駆動回路3aと、第2モータ駆動回路3bとに置き換わっており、図1のモータ6が、第1モータ6aと、第2モータ6bとに置き換わっている。また、図1のモータ電流検出部4が、第1モータ電流検出部4aと、第2モータ電流検出部4bに置き換わっており、図1のモータ回転数検出部5が、第1モータ回転数検出部5aと、第2モータ回転数検出部5bに置き換わっている。
さらに、図7では、スライド機構7のほかに、リクライニング機構8が設けられている。第1モータ6aは、スライド機構7を介して、シート30の座部31をα方向に直進させる。第2モータ6bは、リクライニング機構8を介して、シート30の背もたれ部32をβ方向に傾斜させる。
なお、図7において、挟み込み検出部22は、座部31による挟み込みと、背もたれ部32による挟み込みとを個別に検出する。また、シート移動量算出部23は、座部31の移動量(距離)と、背もたれ部32の移動量(角度)とを個別に算出する。さらに、目標位置記憶部24は、座部31の目標位置(距離)と、背もたれ部32の目標位置(角度)とを個別に記憶している。
このような第2実施形態において、座部31による挟み込みが発生した場合の動作は、第1実施形態における動作(図3~図6)と同じである。また、背もたれ部32による挟み込みが発生した場合の動作については、背もたれ部32の移動量や位置が、距離ではなく傾斜角度で表される点を除いて、基本的に座部31による挟み込みの場合の動作と同じであり、第1実施形態から容易に類推できるため、詳細な説明は割愛する。
本発明では、以上述べた実施形態以外にも、以下のような種々の実施形態を採用することができる。
前記の実施形態では、シート30が挟み込み位置Bから反転位置X、Yまで移動して停止した後に、第1スイッチ11または第2スイッチ12を操作することによって、シート30を目標位置Mまで移動させたが(図5)、本発明はこれに限定されない。たとえば、シート30が反転位置X、Yで停止した時点から一定時間が経過した後に、スイッチ11、12の操作を必要とせずに、シート30が自動的に目標位置Mまで移動するようにしてもよい。
前記の実施形態では、第1スイッチ11を操作することによって、シート30のオート駆動を開始したが、これに代えて、ドアの施錠または解錠の際に用いる電子キーとの通信に基づいて、シート30のオート駆動を開始することも可能である。
前記の実施形態では、モータ電流検出部4で検出されたモータ電流に基づいて挟み込みを検出したが、これに代えて、モータ回転数検出部5で検出されたモータ6の回転数に基づいて、挟み込みを検出してもよい。
前記の実施形態では、図1において、モータ駆動回路3がシート制御装置2の外部に設けられているが、このモータ駆動回路3をシート制御装置2に含めてもよい。また、モータ電流検出部4やモータ回転数検出部5も、シート制御装置2に含めてもよい。
前記の実施形態では、車両に搭載されるシート制御装置を例に挙げたが、本発明は、車両以外の分野で用いられるシート制御装置にも適用することができる。
1 操作部
2 シート制御装置
6 モータ
11 第1スイッチ
12 第2スイッチ
21 モータ制御部
22 挟み込み検出部
23 シート移動量算出部
24 目標位置記憶部
30 シート
31 座部
32 背もたれ部
A 動作開始位置
B 挟み込み位置
C 基準値
L1、L3 シート移動量
L2、L4 反転移動量
M 目標位置
X、Y 反転位置

Claims (6)

  1. モータの回転により移動する電動式のシートを、動作開始位置から目標位置まで自動で移動させる機能を有するシート制御装置であって、
    前記シートが前記目標位置への移動中に物体を挟み込んだことを検出する挟み込み検出部と、
    前記動作開始位置から挟み込みの発生した挟み込み位置までのシート移動量を算出するシート移動量算出部と、
    前記モータを正転させて、前記シートを前記目標位置まで移動させるとともに、前記挟み込み検出部が前記物体の挟み込みを検出した場合に、前記モータを逆転させて、前記シートを前記挟み込み位置から逆方向へ、所定の反転移動量だけ移動させるモータ制御部と、を備え、
    前記モータ制御部は、
    前記シート移動量算出部が算出した前記シート移動量と、あらかじめ定められた基準値とを比較して、前記シート移動量が前記基準値以上か否かを判定し、
    前記シート移動量が前記基準値以上と判定した場合は、当該基準値を前記反転移動量として、前記シートを前記逆方向へ移動させ、
    前記シート移動量が前記基準値未満と判定した場合は、当該シート移動量を前記反転移動量として、前記シートを前記逆方向へ移動させる、ことを特徴とするシート制御装置。
  2. 請求項1に記載のシート制御装置において、
    前記シートを前記目標位置まで自動で移動させる際に操作される第1スイッチをさらに備え、
    前記モータ制御部は、前記シートが前記逆方向へ移動して停止した後、前記第1スイッチが操作されたことに基づき、前記モータを正転させて、前記シートを前記目標位置まで移動させる、ことを特徴とするシート制御装置。
  3. 請求項2に記載のシート制御装置において、
    前記シートを手動で移動させる際に操作される第2スイッチをさらに備え、
    前記モータ制御部は、前記シートが前記逆方向へ移動して停止した後、前記第2スイッチが操作されたことに基づき、前記モータを正転させて、前記第2スイッチが操作されている間、前記シートを前記目標位置の方向へ移動させる、ことを特徴とするシート制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシート制御装置において、
    前記シートは、前後に直進が可能な座部を有するシートであり、
    前記シート移動量は、前記座部の移動距離である、ことを特徴とするシート制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシート制御装置において、
    前記シートは、前後に傾斜が可能な背もたれ部を有するシートであり、
    前記シート移動量は、前記背もたれ部の傾斜角度である、ことを特徴とするシート制御装置。
  6. モータの回転により移動する電動式のシートを、動作開始位置から目標位置まで自動で移動させる場合のシート制御方法であって、
    前記モータを正転させて、前記シートを前記目標位置まで移動させる手順と、
    前記シートが前記目標位置への移動中に物体を挟み込んだことを検出する手順と、
    前記動作開始位置から挟み込みの発生した挟み込み位置までのシート移動量を算出する手順と、
    前記物体の挟み込みが検出された場合に、前記モータを逆転させて、前記シートを前記挟み込み位置から逆方向へ、所定の反転移動量だけ移動させる手順と、
    前記シート移動量と、あらかじめ定められた基準値とを比較して、前記シート移動量が前記基準値以上か否かを判定する手順と、
    前記シート移動量が前記基準値以上と判定した場合は、当該基準値を前記反転移動量として、前記シートを前記逆方向へ移動させる手順と、
    前記シート移動量が前記基準値未満と判定した場合は、当該シート移動量を前記反転移動量として、前記シートを前記逆方向へ移動させる手順と、を含むことを特徴とするシート制御方法。
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