以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されている。
<実施形態の課題>
ここで、本実施形態が解決しようとする課題について改めて説明する。
昨今、世界的に新型コロナウイルス等の感染症の拡大が懸念されている。この為、外出する際や人と接近する可能性のある場合は、感染原因となる唾液等の飛沫を防ぐ手段として、マスクを着用する事が推奨されている。また、感染拡大を防止するために、人がマスクを着用していない可能性の高い施設や店舗は、可能な限り利用しない事が推奨されている。
感染防止の為にマスクの着用が有効であるものの、夏季など外気が高温となる気候時には、マスクの着用を行わない状態で外出する人が増加することが懸念される。また、感染者が一時的に減少した場合や、マスクが品不足である場合等においても、マスクを着用せずに外出する人が増加することが懸念される。この時、マスクを着用していない人が多く集まる施設や店舗においては、他の場所と比較してウイルスへの感染リスクが高い状態であると言える。そこで感染防止の為、外出する際は、当該の感染リスクが高い場所へは近づかない事、あるいは目的地までの経路に当該の感染リスクの高い場所が存在した場合には迂回する事が望ましい。
しかしながら、従来技術ではマスクを着用していない人が多く集まっている場所を定量的に特定する手段が無かった。このため、外出時にマスクを着用していない人が多く集まる場所に知らぬ間に近づいてウイルスに感染してしまうというリスクが高かった。
例えば上述の特許文献1に記載の入場管理システムは、カメラが設置された特定の場所における人々のマスク着用の有無の情報を取得でき、マスクを着用していない人が建物内に入場することを防止できる。しかしながら、上述の入場管理システムでは、不特定の場所(多数の場所や広範囲の場所)における不特定多数の人々のマスク着用状態の情報を容易に取得することは困難である。
ここで国、自治体、公共交通機関等が感染症対策を策定する上で、多くの人々のマスク着用状況を把握したいというニーズがある。また個人が外出や旅行等の計画を立てる上で、自分の関心のあるエリアのマスク着用状況を把握したいというニーズがある。すなわち、個人、企業、自治体、国等が関心のある地域の人々のマスク着用状況を把握して、感染予防に活かしたいというニーズがある。しかしながら、上述の特許文献1の技術では、このようなニーズに応えることができない。
また、個々のユーザは、感染リスクを下げるための行動に役立つ情報を把握したいというニーズがある。例えば、ユーザは、自分が現在いる場所が、感染リスクの高い場所なのか、あるいは感染リスクの低い場所なのかを把握したいというニーズがある。そのような情報を把握できると、ユーザは場所を移動する等の措置を取ることができ、感染リスクを下げることができる。しかし、上述の特許文献1では、特定の場所において人々の感染リスクを下げることができるが、不特定の場所における不特定多数の人々の感染リスクを下げることは困難である。すなわち、個々のユーザの周囲の状況に応じて、感染リスクを下げるための情報をユーザに提供することができなかった。
以上のように、不特定の場所の人々のマスク着用状態の情報を取得し、感染リスクを下げるために役立つ情報を生成し提供することは困難である、という課題が存在する。本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、以下に実施形態を説明する。
<実施形態1>
まず、実施形態1について説明する。図1は、実施形態1にかかる感染予防支援システム1の概略構成図である。
本図に示す感染予防支援システム1は、ユーザのウイルス感染リスクを低減させ、ウイルスの感染拡大を予防するためのコンピュータシステムである。感染予防支援システム1は、情報処理装置(以下、管理装置と呼ぶ)10と、端末装置20-1,20-2,…,20-6と、中継装置30-1,30-2,30-3とを備える。以下では、端末装置20-1,20-2,…,20-6を区別しないで言及する場合、単に端末装置20と呼び、中継装置30-1,30-2,30-3を区別しないで言及する場合、単に中継装置30と呼ぶ。端末装置20の数および中継装置30の数は、それぞれ6および3に限らない。
端末装置20は、ユーザが使用する、スマートフォン等の携帯電話端末である。しかしこれに限らず、端末装置20は、タブレット端末、パーソナルコンピュータまたはその他の通信機能を備えた端末装置であってよい。端末装置20は、端末装置20で使用可能な通信手段、例えば有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、または4Gや5G等の携帯電話回線により、管理装置10と通信を行う。本実施形態1では、端末装置20は、「ユーザ認証用の顔画像」を撮像したことに応じて、顔画像からユーザのマスク着用状態を判定し、判定結果を示すマスク着用状態情報と、端末装置20の位置情報とを、管理装置10に送信する。あるいは、端末装置20は、マスク着用状態を判定可能な顔画像と、端末装置20の位置情報とを、管理装置10に送信する。
一般的に、スマートフォン等の端末装置では、一定時間操作が行われなかった場合に、セキュリティーを確保する為あるいはバッテリーの消費を抑える為、画面等のユーザインターフェース(UI)をロック状態へ遷移させる設定が行われている。UIは例えば画面であり、ロック状態は画面ロックとも呼ばれる。スマートフォンのUIがロック状態に遷移した場合、スマートフォンの正規ユーザがロック状態を解除するまでスマートフォンの操作は出来ない状態となる。また近年、スマートフォンのロック状態を解除する手段として、パスワード入力、パターン描画、指紋認証に加え、顔認証によるロック解除機能を搭載する機種が増えている。顔認証によるロック解除では、スマートフォンに搭載されているカメラでユーザの顔を撮影し、画像解析処理により撮影された顔画像の特徴量がスマートフォンに事前に登録されている正規ユーザの顔画像の特徴量と一致しているか否かを判定する。撮影した顔画像の特徴量がスマートフォンに事前に登録されている特徴量と一致していると判定された場合、顔認証を行っているユーザがスマートフォンの正規ユーザであると判定し、スマートフォンのロック状態を解除する。
本実施形態1では、スマートフォンにおいて顔認証によるロック解除が頻繁に行われていることに着目し、端末装置20において顔認証の際に撮影された顔画像から、ユーザのマスク着用状態が判定される。すなわち本実施形態1では、「ユーザ認証用の顔画像」とは、端末装置20のUIのロック状態を解除するための顔認証用の顔画像である。しかしこれに加えてまたは代えて、「ユーザ認証用の顔画像」は、端末装置20を用いた電子決済のための顔認証や、端末装置20を用いたその他の本人確認のための顔認証、に用いられる顔画像であってよい。例えば、端末装置20を起動する際や停止する際に顔認証が行われる場合、そのために撮影された顔画像を用いてマスク着用状態を判定してもよい。すなわち、端末装置20のロック状態を解除するための顔画像に限らず、端末装置20において本人確認を行うための顔画像を用いて処理を行ってもよい。
中継装置30は、端末装置20をインターネットNWへ接続させるための装置である。中継装置30は、ルータ、基地局、回線終端装置またはプロバイダ(回線事業者)の装置を含んでよい。
管理装置10は、インターネットNWに接続されるサーバ・コンピュータである。管理装置10は、複数の端末装置20の各々から中継装置30を介して受信したデータに基づいて、各地域のマスクの着用状況を示す指標(着用状況指標)を生成し、着用状況指標に基づいて感染拡大予防のための情報を生成する。
図2は、実施形態1にかかる端末装置20の構成の一例を示すブロック図である。端末装置20は、通信部21、表示部22、入力部23、音声出力部24、位置特定部25、顔認証部26、撮像部27、制御部28および記憶部29を有する。各構成要素は、データバス等を介して相互に接続されている。
通信部21は、インターネット通信機能を備えており、中継装置30およびインターネットNWを経由して、管理装置10との間でデータの送受信を行う。具体的には、通信部21は、制御部28により算出されたマスク着用状態情報と、位置特定部25により取得した位置情報とを管理装置10に送信する。また通信部21は、管理装置10から、対象エリアのマスクの着用状況指標に関連する情報を受信し、表示部22または音声出力部24に出力させる。
表示部22は、端末装置20の操作画面および設定情報の表示、並びに管理装置10からの通知情報の表示を行うインターフェースである。
入力部23は、操作部とも呼ばれ、端末装置20の操作を行うための各種ボタンまたはタッチパネル等の入力デバイスと、入力信号を制御部28に供給するためのインターフェースとを含んでいる。なお表示部22と入力部23は、タッチパネルを用いて一体的に構成されてもよい。
音声出力部24は、ユーザへの音声通知を行う。音声出力部24は、例えばスピーカ、またはイヤフォンで構成される。なお、図2には示していないが、端末装置20はマイク等で構成される音声入力部を備えていてもよい。また、音声入力部に入力された音声を音声コマンドとして用いて端末装置20を制御したり、音声入力部に入力された音声を通信部21を介して送信し、音声通話を行ってもよい。
位置特定部25は、GPS(Global Positioning System)受信機等で構成され、端末装置20の現在の位置情報(緯度および経度)を取得する。
顔認証部26は、後述する撮像部27で撮影された顔画像データの画像解析処理を行い、顔認証に用いる認証スコアを算出する。そして顔認証部26は、認証スコアに基づいて、端末装置20を使用中のユーザが正規ユーザであるか否かを判定する。
本実施形態1では、顔認証部26は、表示部22等のUIのロック状態を解除するアンロック処理を実行する。顔認証部26は、アンロック処理を実行する際に、撮像部27に撮影要求を行う。また顔認証部26は、アンロック処理に限らず、電子決済等においてユーザ認証をする場合にも、撮像部27に撮影要求を行ってもよい。顔認証部26は、例えば、ロック状態において入力部23に対して何らかの入力(操作)がなされたことを検出し、アンロック処理を開始する。顔認証部26は撮像部27に撮影要求を行った後、撮像部27から顔画像データを取得し、取得した顔画像データが事前に登録された正規ユーザのデータ(テンプレート)と一致する度合いを示す認証スコアを生成する。そして顔認証部26は、認証スコアに基づいて、端末装置20を使用中のユーザが正規ユーザであるか否かを判定する。
撮像部27は、ユーザが顔認証を行う場合に、ユーザの顔を撮影し、顔画像を生成する。本実施形態1では、撮像部27は、顔認証部26がアンロック処理を実行したことに応じて、ユーザの顔を撮影し、顔画像を生成する。また撮像部27は、アンロック処理に限らず、電子決済等のためにユーザ認証をする場合にも、ユーザの顔を撮影し、顔画像を生成してもよい。
制御部28は、端末装置20の各構成要素を制御する。制御部28をCPU(Central Processing Unit)で構成し、制御部28が記憶部29に記憶されたプログラムを実行することにより、端末装置20の各処理を行ってもよい。制御部28は、顔認証部26により算出された認証スコア、または撮像部27により撮影された顔画像に基づいて、マスク着用状態情報を生成する。マスク着用状態情報の生成処理の詳細は、後述する。なお、顔認証部26は制御部28に含まれていてもよい。また、制御部28と顔認証部26を一体的に構成してもよい。
そして制御部28は、通信部21を介して、マスク着用状態情報を、端末装置20を識別する識別子(端末識別子)、および位置特定部25が取得した位置情報に関連付けて、管理装置10に送信する。具体的には、制御部28は、顔認証によるロック状態の解除が行われる毎に、マスク着用状態情報、位置情報、および端末識別子を含むマスク情報を作成し、通信部21を経由して管理装置10へ送信する。あるいは、制御部28は、マスク着用状態を判定可能な顔画像、位置情報、および端末識別子を含むマスク情報を作成し、通信部21を経由して管理装置10へ送信する。端末識別子は、端末装置20を識別するためのIDであり、例えば電話番号のハッシュ値であってよい。なお、端末識別子の代わりに、ユーザを識別する識別子(ユーザ識別子)が用いられてもよい。制御部28は、顔認証部26が正規ユーザでないと判定した場合には、マスク情報を管理装置10に送信しない制御を行ってもよい。このような制御を行うことにより、管理装置10は各端末装置20で本人と確認された信頼性の高いデータを取得できる(他のユーザのデータが混入しない)ため、管理装置10による処理の結果として生成される情報の信頼性が向上する。
記憶部29は、端末装置20の各種処理に用いられるデータやプログラムを記憶する記憶媒体で構成される。
なお以下では、便宜上、顔認証部26による顔認証を、スマートフォンの画面ロック状態の解除時のユーザ認証として説明するが、これに限らないことは言うまでもない。
図3は、実施形態1にかかる管理装置10の構成の一例を示すブロック図である。管理装置10は、通信部11と、計時部12と、制御部13と、出力部16と、記憶部17とを有する。
通信部11は、インターネット通信機能を備えており、インターネットNWおよび中継装置30を経由して、端末装置20との間でデータの送受信を行う。
計時部12は、現在時刻を取得する。
記憶部17は、管理装置10の各種処理に用いられるデータやプログラムを記憶する記憶媒体で構成される。記憶部17には、マスク情報テーブル18および地図データベース(地図情報)19が格納される。
マスク情報テーブル18は、端末装置20のユーザのマスク着用状態情報を記憶するテーブルであり、詳細は後述する。また地図データベース19には、道路、鉄道、施設等の構造物に関する位置情報や、市区町村境界や河川範囲などに関する位置情報が記録されている。また地図データベース19には、1つ以上の所定のエリア(区画)の位置情報(緯度、経度など)を示すエリア情報が記録されてもよい。また、地図データベース19にエリア情報を記録せずに、制御部13あるいは指標生成部15がエリア情報を生成する構成としてもよい。
制御部13は、管理装置10の各構成要素を制御する。制御部13は、収集部14と、指標生成部15とを含む。制御部13をCPU(Central Processing Unit)で構成し、制御部13が記憶部17に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置10の各処理を行ってもよい。
収集部14は、複数の端末装置20の各々について、その端末装置20のユーザのマスク着用状態情報と、その端末装置20の位置情報とを収集し、記憶部17のマスク情報テーブル18に記録する。より具体的には、収集部14は、端末装置20から通信部11を経由して、マスク着用状態情報、位置情報および端末識別子を含むマスク情報を取得した場合、計時部12から現在時刻(受信日時)を取得する。そして収集部14は、受信日時と、マスク着用状態情報と、位置情報と、端末識別子とを関連付けて、記憶部17のマスク情報テーブル18に記録する。もちろん、制御部13と収集部14とを一体的に構成してもよい。
指標生成部15は、マスク情報テーブル18に収集された、マスク着用状態情報および位置情報に基づいて、対象エリアのマスクの着用状況指標を生成する。対象エリアは、マスクの着用状況指標の算出対象となるエリアである。なお着用状況指標は、マスク着用率を示してもよく、着用レベルごとの割合を示してもよい。もちろん、制御部13と指標生成部15とを一体的に構成してもよい。
また指標生成部15は、マスク情報テーブル18内の位置情報から、エリア毎の着用状況指標をマップ化する。これにより、管理装置10は、不着用状態の人が多く集まるエリア、すなわち感染リスクが高いエリアをユーザへ通知する事が可能となる。これは、スマートフォン等の端末装置20は常にユーザの手元にあることに加え、頻繁にロック状態の解除が行われる為、ユーザのマスクの着用状態をリアルアイムで検出する事が容易であるという知見に基づく処理となる。
出力部16は、対象エリアの着用状況指標に関連する情報を出力する。例えば出力部16は、着用状況指標に関連する情報を出力する表示部または音声出力部であってよい。なお出力部16は、対象エリアの着用状況指標に関連する情報を、通信部11を介して、端末装置20またはインターネットNWに接続される外部装置(不図示)に送信してもよい。この場合、通信部11は出力部16の一部として構成されてよい。
本実施形態1では、以下の方法1~4のいずれかを用いて、端末装置20の制御部28または管理装置10の制御部13が、マスク着用状態情報を生成する。方法1~2は、端末装置20の制御部28がマスク着用状態情報を生成する方法である。方法3~4は、管理装置10の制御部13がマスク着用状態情報を生成する方法である。
(方法1:端末装置20において直接的に判定する方法)
端末装置20の制御部28は、撮像部27がユーザ認証用の顔画像を撮像したことに応じて、撮像部27から顔画像データを取得し、顔画像データに対してマスク認識処理を実行し、マスク着用状態情報を生成する。マスク認識処理としては、例えば、特開2011-118588号公報に開示されている公知の技術を用いてよい。もちろん、その他の画像認識技術を用いて顔画像データからマスク着用状態情報を生成してもよい。
ここでマスク着用状態情報(マスク着用状態の情報)について具体的に説明する。最も基本的なマスク着用状態情報は、マスクを着用しているか否かの判定結果である。これを第1のマスク着用状態情報と呼ぶこともある。第1のマスク着用状態情報は、マスク着用を示す「Yes:1」と、マスク不着用を示す「No:0」の2値であってもよいし、マスク着用の可能性(確率)を示す数値(例えば「80%」)であってもよい。なおマスク着用状態情報は、マスクの着用状態を数値化した着用スコアとして表されてよい。例えば、マスクを着用している場合に着用スコアを「100」とし、マスクを着用していない場合に着用スコアを「0」としてもよい。また、マスク着用の可能性(確率)が80%である場合に、着用スコアを「80」としてもよい。
またマスク着用状態情報は、マスクを完全に着用しているか、あるいは中途半端にしているか等の着用状態を類型化(カテゴリ化)した着用レベル(着用の程度)の判定結果であってもよい。マスクの着用レベルに関する情報を含むマスク着用状態情報を第2のマスク着用状態情報と呼ぶこともある。第2のマスク着用状態情報は、着用の完全さの程度、あるいは不完全さの程度を示す着用レベルの種別を示す数値であってもよい。着用レベルは、例えば、「マスクで鼻と口を完全に覆っている完全状態(レベル1)」、「マスクで口を覆っているが鼻を覆っていない不完全状態(レベル2)」、「マスクを耳にかけているが、あごの下にかけており、口と鼻を覆っていない実質的不着用状態(レベル3)」および「顔画像からマスクが一切検出されない形式的不着用(不所持)状態(レベル4)」等に分類されてよい。また、着用レベルを着用スコアとして数値で表してもよい。例えば、レベル1の着用スコアを「100」、レベル2の着用スコアを「70」、レベル3の着用スコアを「30」、レベル4の着用スコアを「0」といった値に設定してもよい。もちろん、着用レベルは4種類に限られるものではなく、これより多くてもよいし少なくてもよい。
また、第2のマスク着用状態情報は、着用レベルごとの確率(可能性)を示す数値であってもよい。例えば、上述の4種類の着用レベルを用いる場合、ある顔画像に対して、「レベル1である確率20%、レベル2である確率70%、レベル3である確率10%、レベル4である確率0%」といった情報を付与してもよい。つまり、着用レベルと確率とを対応付けた情報を第2の着用状態情報としてもよい。
また制御部28は、「マスクに加えて、フェイスシールドを着用している」、「マスクは着用していないが、フェイスシールドを着用している」、「マスクは着用していないが、マウスシールドを着用している」といった情報をマスク着用状態情報に入れてもよい。つまり、マスク以外の飛沫防止用具に関する情報をマスク着用状態情報に入れてもよい。マスク以外の飛沫防止用具に関する情報を含むマスク着用状態情報を第3のマスク着用状態情報と呼ぶこともある。また、第3のマスク着用状態情報を着用スコアとして数値化してもよい。例えば、「マスクに加えて、フェイスシールドを着用している」場合に着用スコアを「100」とし、「マスクを着用しているが、フェイスシールドを着用していない」場合に着用スコアを「80」とし、「マスクを着用していないが、フェイスシールドを着用している」場合に着用スコアを「40」とし、「マスクを着用していないが、マウスシールドを着用している」場合に着用スコアを「10」とし、「マスクもフェイスシールドもマウスシールドも着用していない」場合に着用スコアを「0」としてもよい。
また制御部28は、画像認識によりマスクの素材や形状を判定し、その結果をマスク着用状態情報に入れてもよい。マスクの素材や形状に関する情報を含むマスク着用状態情報を第4のマスク着用状態情報と呼ぶこともある。第4のマスク着用状態情報は、マスクの素材に関する情報だけでもよいし、マスクの形状(大きさ)に関する情報だけでもよいし、その両方に関する情報でもよい。例えば制御部28は、「布マスク:小サイズ」、「ウレタンマスク:中サイズ」、「不織布マスク:大サイズ」、「医療用マスク:大サイズ」といった情報を生成し、マスク着用状態情報に入れてよい。また、第4のマスク着用状態情報を着用スコアとして数値化してもよい。例えば、「医療用マスク:大サイズ」の着用スコアを「100」とし、「不織布マスク:大サイズ」の着用スコアを「80」とし、「ウレタンマスク:中サイズ」の着用スコアを「60」とし、「布マスク:小サイズ」の着用スコアを「50」としてもよい。つまり、マスクの大きさが大きいほど、かつ飛沫防止効果の高い素材であるほど、着用スコアの値を高くするとよい。
そして端末装置20の制御部28は、マスク着用状態情報、端末装置20の位置情報および端末識別子を含むマスク情報を生成し、通信部21を介してマスク情報を管理装置10に送信する。なお、マスク着用状態情報は、文字列であってもよいし、着用スコア(数値)であってもよい。
(方法2:端末装置20において間接的に判定する方法)
一般的に、顔認証の画像解析処理では、顔画像から複数のパラメータを抽出し、登録情報との一致率を認証スコアとして算出する。顔認証部26で算出される認証スコアは、例えば、値が大きいほど本人(正規ユーザ)である可能性(確率)が高いことを示す。顔認証部26は、認証スコアが第1の所定値(例えば、認証スコアの最大値を「100」とした場合、「70」)以上の場合は正規ユーザと判定し、端末装置20のロック状態を解除する。一方、顔認証部26は、認証スコアが第1の所定値未満の場合は、正規ユーザではないと判定し、端末装置20のロック状態を解除しない。
また、顔認証をするユーザが端末装置20の正規ユーザであり、画像解析処理で算出された認証スコアが第1の所定値以上の場合においても、撮影状態により認証スコアが変動する場合がある。例えば、マスク着用により顔の隠される部分が増えると、認証スコアの値が低下する傾向がある。図4は、マスク着用状態と認証スコアとの関係を示す模式図である。
ここで図4(a)は、ユーザがマスクを着用していない不着用(不所持)状態(レベル4)の顔画像を示す。一般的に顔認証のための初期登録(初期設定)時にユーザはマスクを着用していないため、顔認証部26は、図4(a)の場合、認証スコアとして高い値を算出する(本図では、「96」)。
また図4(b)は、マスクで口を覆っているが鼻を覆っていない不完全状態(レベル2)の顔画像を示す。この場合、顔認証部26は、認証スコアとして、レベル4よりも低い値を算出する(本図では、「80」)。
また図4(c)は、マスクで鼻と口を完全に覆っている完全状態(レベル1)の顔画像を示す。この場合、顔認証部26は、認証スコアとして、レベル2よりも低い値を算出する(本図では、「72」)。
このようにマスクの着用状態によって認証スコアが変動する。したがって方法2においては、端末装置20の制御部28は、顔認証部26により算出された認証スコアに応じて、マスクの着用有無やマスクの着用レベルを判定する。具体的には、制御部28は、認証スコアが第1の所定値以上かつ第2の所定値未満の場合、正規ユーザがレベル1でマスクを着用していると判定する。ここで、第2の所定値は第1の所定値よりも大きな(高い)値である。また顔認証部26は、認証スコアが第2の所定値以上かつ第3の所定値未満の場合、正規ユーザがレベル2でマスクを着用していると判定する。ここで、第3の所定値は第2の所定値よりも大きな(高い)値である。また顔認証部26は、認証スコアが第3の所定値以上である場合、正規ユーザがマスクを着用していない(レベル3またはレベル4)と判定する。また制御部28は、上述したように、着用レベルに応じて着用スコアを生成してもよい。また制御部28は、認証スコアに所定の演算を施して着用スコアを生成してもよい。例えば、認証スコアが高いほど低い値となるように着用スコアを算出してもよい。
なお、ユーザは、顔認証の初期登録を行う際に、マスクを着用した顔画像(着用テンプレート)、およびマスクを着用していない顔画像(不着用テンプレート)の2種類の顔画像を登録してもよい。例えば、表示部22が「まず、マスクを着用した状態で顔を撮影してください。次にマスクを外した状態で撮影してください。」といったメッセージを表示し、ユーザにマスク着用の顔画像と、マスク不着用の顔画像との両方の登録を促す。この場合は、顔認証部26が顔認証を行う場合に、正規ユーザであるか否かの判定に加えて、撮影した顔画像が着用テンプレートと不着用テンプレートのどちらに近いかを判定する。そして顔認証部26は、撮影した顔画像が着用テンプレートにより近い場合には、マスク着用と判定し、非着用テンプレートにより近い場合には、マスク不着用と判定してよい。なお顔認証部26は、着用テンプレートとの一致度および不着用テンプレートとの一致度に応じて、着用レベルを推定してよい。また、着用と不着用の2種類のテンプレートに限らず、「鼻と口を完全に覆う完全着用(レベル1)テンプレート」、「鼻は出して口は覆う不完全着用(レベル2)テンプレート」、「不着用テンプレート」といったように、3種類以上のテンプレートを用いてもよい。また、マスク以外の飛沫防止用具を着用した顔画像を着用テンプレートに登録してもよい。
このように方法2では、端末装置20の制御部28は、顔認証部26により算出された認証スコアや着用テンプレートとの一致度に応じて、マスク着用状態情報を生成する。そして制御部28は、マスク着用状態情報、端末装置20の位置情報および端末識別子を含むマスク情報を生成し、マスク情報を、通信部21を介して管理装置10に送信する。
端末装置20の制御部28は、顔認証を実行した日時(マスク着用状態情報を生成した日時であって、測定日時とも呼ばれる)を管理装置10に送信してもよい。そして管理装置10の制御部13の収集部14は、受信日時の代わりに測定日時をマスク情報テーブル18に記録してよい。
方法1および2は、ユーザの顔画像というプライバシー情報を管理装置10が直接保有することを回避できるため、プライバシー保護性が高い。つまり、プライバシー保護に関してユーザに与える心理的負担が軽いというメリットがある。ただし方法1~2に代えて、管理装置10がマスク着用状態情報を生成する構成をとってもよい。この場合、端末装置20は、ユーザ認証用の顔画像を撮像したことに応じて、ユーザの顔画像または認証スコアを、すなわちユーザのマスク着用状態を判定可能なデータを、管理装置10に送信する。以下の方法3~4は、管理装置10の制御部13がマスク着用状態情報を生成する方法である。
(方法3:管理装置10において直接的に判定する方法)
端末装置20は、ユーザ認証用の顔画像を撮像したことに応じて、マスク着用状態を判定可能なデータとして、顔画像データを、管理装置10に送信する。より具体的には、端末装置20の制御部28が、顔認証部26から顔画像データを取得し、顔画像データ、端末装置20の位置情報および端末識別子を含むマスク情報を生成し、マスク情報を、通信部21を介して管理装置10に送信する。管理装置10の制御部13の収集部14は、方法1と同様の方法で、端末装置20から受信したマスク情報に含まれる顔画像データからユーザのマスク着用状態を判定し、マスク着用状態情報を生成する。例えば、顔画像データをもとに着用スコアを生成する。つまり、収集部14は、顔画像データに基づいてその端末装置20のユーザのマスク着用状態を検出する検出部として機能する。また収集部14は、収集した顔画像データに基づいてその端末装置20のユーザのマスク着用状態の情報を生成する生成部(着用状態情報生成部)として機能する。そして収集部14は、生成したマスク着用状態情報と、端末装置20の位置情報および端末識別子とを、記憶部17のマスク情報テーブル18に記録する。
(方法4:管理装置において間接的に判定する方法)
端末装置20は、マスク着用状態を判定可能なデータとして、方法2で説明した認証スコアを管理装置10に送信する。具体的には、端末装置20の制御部28が、顔認証部26から認証スコアを取得し、認証スコア、端末装置20の位置情報および端末識別子を含むマスク情報を生成し、マスク情報を、通信部21を介して管理装置10に送信する。なお、端末装置20は、認証スコアが第1の所定値未満である場合、つまり端末装置20を使用中のユーザが正規ユーザとして認証されなかった場合、認証スコアを送信しないようにしてもよい。
そして、管理装置10の制御部13の収集部14は、方法2と同様の方法で、認証スコアに基づいてユーザのマスク着用状態を判定し、マスク着用状態情報を生成する。例えば、認証スコアをもとに着用スコアを生成する。収集部14は、生成したマスク着用状態情報と、端末装置20の位置情報および端末識別子とを、記憶部17のマスク情報テーブル18に記録する。なお、収集部14は、認証スコアが第1の所定値未満である場合には、マスク情報テーブル18への記録をしない制御を行ってもよい。
方法3~4においても、端末装置20の制御部28は、顔認証を実行した日時(測定日時)を管理装置10に送信してもよい。そして管理装置10の制御部13の収集部14は、受信日時の代わりに測定日時をマスク情報テーブル18に記録してよい。方法4は、方法1~2と同様に、ユーザの顔画像というプライバシー情報を管理装置10が直接保有しないため、プライバシー保護性が高い。一方、方法3は、管理装置10で画像認識処理を行うため、最新の画像認識技術や計算量の多い画像認識技術を使い易いといったメリットがある。また、複数のユーザの顔画像を比較してマスク着用状況を判定する等の処理が可能になるため、マスク着用状態をより高精度に判定できるというメリットがある。このように、方法1~4のいずれの方法であっても、マスク着用状態情報は、端末装置20で撮影されたユーザ認証用の顔画像をもとに生成された情報であり、管理装置10のマスク情報テーブル18に記録される。ただし、方法1および方法3において、ユーザ認証用に限らずその他の用途で撮影された顔画像を用いて、マスク着用状態情報を生成することも可能である。
図5は、実施形態1にかかるマスク情報テーブル18のデータ構造の一例を示す図である。本図に示すマスク情報テーブル18には、受信日時と、マスク着用状態情報として着用スコアと、位置情報と、端末識別子とが記録されている。
受信日時は、管理装置10が端末装置20からマスク情報を受信した日付と時刻が記録される。なお、受信日時の記録である「2020/9/10 10:33:21」の表記は「2020年9月10日 10時33分21秒」であることを表す。
着用スコアは、上述の通り、ユーザのマスク着用状態を示す判定結果を数値化したものであり、例えば、「0」から「100」までの数値で表される。数値が大きいほど、ユーザがマスクを着用している可能性(確率)が高い、あるいはマスクの着用レベル(着用の完全さ)が高い。一方、数値が小さいほど、ユーザがマスクを着用していない可能性が高い、あるいはマスクの着用レベル(着用の完全さ)が低い。なお本図では、マスク着用状態情報として着用スコアを格納する例を示しているが、上述したように、マスク着用状態情報は数値でなくてもよく、文字列や記号であってもよい。例えば、「Yes(着用)」と「No(不着用)」の2つの論理値をマスク情報テーブル18に格納してもよい。位置情報、および端末識別子には、端末装置20から受信したマスク情報に含まれる位置情報(緯度、経度)、および端末識別子が記録される。
管理装置10の制御部13の収集部14は、端末装置20からマスク情報を受信した場合、マスク情報テーブル18に新規レコード(新たな行)を追加する。レコード数が所定の数(例えば1億)を超える場合は、収集部14は、受信日時が古いレコードから順に削除する。また収集部14は、マスク情報テーブル18の容量が所定の値(例えば1PB)を超えた場合に受信日時が古いレコードから順に削除してもよい。または収集部14は、受信日時が現在時刻と比較して所定の時間(例えば6か月)を超えているレコードを削除してもよい。また、収集部14は、マスク情報テーブル18内に既に端末装置20のマスク情報が記録されている状態で、同一の端末装置20からマスク情報を受信した場合に、その端末装置20のレコード(既存レコード)を上書きしてもよいし、新規レコードを追加してもよい。つまり、端末装置20ごとに最新のマスク情報のみをマスク情報テーブル18に記録してもよいし、同一の端末装置20から受信した複数のマスク情報を時系列的に記録してもよい。既存レコードを上書きする場合、収集部14は、以下のような処理を行ってよい。まず収集部14は、端末装置20からマスク情報を受信した場合、マスク情報内の端末識別子を参照し、マスク情報テーブル18に端末識別子が一致するレコードが存在するか否かを判定する。そして収集部14は、一致する端末識別子が存在する場合、その端末識別子に対応するレコードを、受信したマスク情報で上書きする。収集部14は、マスク情報テーブルに端末識別子が一致するレコードが存在しない場合、マスク情報テーブルに新規レコードを追加する。なお、本図では説明のため、マスク情報テーブル18は受信日時の降順で示している。
次に図6を用いて、管理装置10の制御部13が着用状況指標としてマスク着用率を算出する場合の算出処理について説明する。図6は、実施形態1にかかる管理装置10のマスク着用率算出処理手順の一例を示すフローチャートである。マスク着用率算出処理は、管理装置10の記憶部17のマスク情報テーブル18、および地図データベース19を参照し、エリア毎に、そのエリアに存在している端末装置20のユーザのマスク着用率を算出する処理である。管理装置10の制御部13は、所定の間隔(例えば10分)でマスク着用率算出処理を実行する。なお、マスク着用率算出処理は、「マスク着用状況指標算出処理」、あるいは「着用状況指標算出処理」、あるいは「感染リスク指標算出処理」と呼ばれることもある。
まずS100において、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、計時部12から現在時刻CTを取得する。その後、指標生成部15は、処理をS110に進める。
S110において、指標生成部15は、記憶部17のマスク情報テーブル18を参照し、マスク情報テーブル18に記録されているレコードの中から、受信時刻が現在時刻CTから所定の期間DT(例えば15分)以内であるレコードRtを抽出する。すなわち、レコードRtは、管理装置10が受信した比較的新しいマスク情報である。指標生成部15は、処理をS120に進める。
S120において、指標生成部15は、マスク着用率を算出する対象となる対象エリアであるエリアZを選択する。具体的には、指標生成部15は、地図データベース19に含まれるn個(1つ以上)のエリアの中から未処理のエリアを1つ選択し、エリアZとする。エリアの数は1つであっても複数であってもよいが、以下では複数のエリアがある場合を例にして説明する。
ここで図7~8は、実施形態1にかかるエリアの一例を説明するための図である。
図7は、地図情報をメッシュ化した場合のエリア区分けの例を示す。本図は、地図データベース19のエリア情報に地域を所定の緯度および経度の範囲で区切った複数の矩形のエリアが記録されている場合の例を示す。また例えば、指標生成部15が地域を所定の緯度および経度の範囲で区切り、複数の矩形のエリアを生成してもよい。例えば指標生成部15が斜線で覆ったエリアZを選択した場合、緯度がNb~Nc、経度がEa~Ebの範囲がマスク着用率を算出する対象のエリア(区画)となる。なお、各エリアは矩形に限らず、任意の形状であってよい。
図8は、施設毎にエリアを区分けした場合の例を示す。本図は、地図データベース19のエリア情報に店舗等の施設毎のエリアが記録されている場合の例を示す。例えば指標生成部15が斜線で覆ったエリアZを選択した場合、緯度がNc~Nd、経度がEc~Edの範囲がマスク着用率を算出する対象の区画となる。なお、図8では施設のエリアを矩形範囲で指定する例を示しているが、エリアは任意の形状であってよい。例えば、地図データベース19のエリア情報に、各々の施設の実際の形状を示す位置情報を記録してもよい。また例えば、指標生成部15は、地図データベース19に含まれる施設の中心を示す位置情報(中心座標)をもとに、その中心座標から所定の距離以内となる円形範囲としてエリアを生成してもよい。円形範囲でエリアを生成する場合、エリアは、施設の中心となる緯度、経度および施設の中心からの半径、あるいは施設全体の直径に基づいて、画定されてよい。また、エリアごとに異なった形状であってもよい。図6に戻り説明を続ける。指標生成部15は、S120において、マスク着用率を算出するエリアZを選択した後、処理をS130に進める。
S130において、指標生成部15は、S110で抽出したレコードRtの中から、位置情報がS120で選択したエリアZの区画に含まれているレコードRa(レコード集合Ra)を抽出する。通常は、レコードRaに複数の端末装置20(複数のユーザ)のマスク情報が含まれる。その後、指標生成部15は、処理をS140に進める。
S140において、指標生成部15は、S130で抽出したレコードRaの中から、着用スコアが所定の閾値以上であるレコードRm(レコード集合Rm)を抽出する。この閾値は、例えば「50」に設定すればよいが、もちろん、この値に限定されるものではない。また管理装置10の管理者あるいは端末装置20のユーザが、所定の閾値を任意に設定できるようにしてもよい。着用スコアが所定の閾値以上のレコードRmは、ユーザが顔認証の際にマスクを着用していると推定されるレコードである。その後、指標生成部15は、処理をS150に進める。
S150において、指標生成部15は、マスク着用率Pを算出する。マスク着用率P[パーセント]は、S130で抽出したレコードRaの数をTa、S140で抽出したレコードRmの数をTmとし、式(1)により算出する。すなわち、エリアZにおけるマスク情報(データ)の数に対する、着用スコアが所定の閾値以上のマスク情報(データ)の数の割合をマスク着用率Pとする。
あるいは、指標生成部15は、式(2)に従って、マスク着用率Pを算出してもよい。
式(2)において、MS[i]は、レコード集合Raに含まれるi番目のレコードの着用スコアの値である。上述した通り、着用スコアは0~100の値をとるため、レコード集合Raの全ての着用スコアの合計値をレコード集合Raのレコード数Taで除算することにより、パーセント単位のマスク着用率Pを算出することができる。この場合、マスク着用率Pは、所定のエリアにおける着用スコアの平均値であるともいえる。なお、所定のエリアにおける着用スコアの代表値(平均値に限らず、中央値や最頻値など)をマスク着用率Pとしてもよい。
その後、指標生成部15は、処理をS160に進める。
S160において、指標生成部15は、全てのエリアでマスク着用率Pを算出したか否かを判定する。指標生成部15は、全てのエリアのマスク着用率Pを算出していない場合(未処理のエリアがある場合)(S160:NO)は、処理をS120に戻し、マスク着用率Pを算出していないエリア(未処理のエリア)をエリアZとして選択する。一方、指標生成部15は、全てのエリアでマスク着用率を実行している場合(S160:YES)は、処理を終了する。
なお、上述の説明では、地図データベース19に登録された全てのエリアのマスク着用率Pを順次算出したが、これに限られるものではない。例えば、管理装置10の管理者が、1または複数のエリアを選択し、指標生成部15は、選択された各エリアのマスク着用率Pを順次算出してよい。また管理装置10は、端末装置20毎に、1または複数のエリアを選択し、選択された各エリアのマスク着用率Pを順次算出してよい。この場合、管理装置10は、端末装置20毎に、端末装置20の現在の位置情報に基づいて、算出対象となるエリアを1または複数選択してよい。しかしこれに代えて、管理装置10は、端末装置20毎に、現在の位置情報に基づいて予測される将来の位置情報に基づいて、算出対象となるエリアを1または複数選択してもよい。例えば、管理装置10が端末装置20の位置情報の時系列データ、あるいは端末装置20の移動速度や移動方向の情報を取得し、それらをもとに、将来(現在から所定時間経過後の時点)における端末装置20の位置情報を予測し、予測した位置情報を用いて算出対象となるエリアを選択してよい。また端末装置20のユーザが位置(例えば、将来の時点における端末装置20の位置)を指定し、管理装置10が指定された位置情報を取得し、その位置情報を用いて算出対象となるエリアを選択してもよい。なお、複数のエリアが選択された場合は、指標生成部15が選択された複数のエリアを統合して(1つのエリアとみなして)、統合エリアのマスク着用率を算出してもよい。
管理装置10の制御部13の指標生成部15は、マスク着用率算出処理を実行後、エリア毎のマスク着用率マップを作成する。そして管理装置10の制御部13は、マスク着用率マップのデータを、通信部21を経由して端末装置20に送信し、表示部22に表示させる。また、管理装置10の制御部13は、マスク着用率マップのデータ(例えば画像データ)を、図示しない他のシステムのサーバ等へ送信してもよい。
図9~10は、実施形態1にかかるマスク着用率マップの一例を示す図である。図9は、地図情報をメッシュ化したマスク着用率マップであり、図10は、施設毎のマスク着用率マップを示している。指標生成部15は、マスク着用率に応じて、エリアまたは施設の表示形態が変わるようにマスク着用率マップを作成してもよい。例えば、マスク着用率が第1所定値未満であるエリアが赤色で表示され、マスク着用率が第1所定値以上であり、かつ第1所定値よりも大きな第2所定値未満であるエリアが黄色で表示され、マスク着用率が第2所定値以上であるエリアが青色で表示されるように、マスク着用率マップを作成してもよい。もちろん、表示色を変更だけに限定されないし、表示形態の種類は3種類に限定されない。例えば、マスク着用率に応じて、エリアや施設の表示パターン(塗りつぶしパターン)や文字を変えてもよい。例えば、マスク着用率が低いエリアの地域名や施設名に対して、所定のアイコンを付与したり、地域名や施設名を大きなフォントで表示する等、ユーザの注意が喚起されるように表示形態を設定してもよい。あるいは逆に、マスク着用率が高いエリアの地域や施設がより目立つように表示形態を設定してもよい。また、図10において、マスク着用率に加えて、各施設(各エリア)のレコードRaの数を表示してもよい。すなわち、マスク着用率に加えて、各施設に存在する端末装置20の数やユーザの数(人数)を表示してもよい。また、各施設の単位面積あたりの人数(人口密度)を表示してもよい。このように、各施設の人数や人口密度を表示することにより、ユーザは感染リスクをより正確に判断することができる。例えば、マスク着用率が「50%」の施設が2つある場合、人数や人口密度がより少ない施設の方が、感染リスクがより少ないと判断できる。
なお管理装置10の制御部13の指標生成部15は、着用状況指標として、マスク着用率に代えて、着用レベル毎の割合を算出してもよい。この場合、指標生成部15は、エリア毎の着用レベル割合のデータを示すマスク着用レベルマップを作成する。例えば、エリア1では「レベル1:50%、レベル2:30%:、レベル3:15%、レベル4:5%」、エリア2では「レベル1:10%、レベル2:40%:、レベル3:20%、レベル4:30%」といった着用状況指標を生成してもよい。
図11は、実施形態1にかかるマスク着用レベルマップの一例を示す図である。本図では、施設毎に、着用レベル割合のデータを示している。上述したレベル1~レベル4の着用レベルで、全てのマスク着用状態がカバー(網羅)されるため、各施設(各エリア)におけるレベル1~レベル4の割合の合計は「100%」になる。また、図11に示す例において、各施設のレベル1とレベル2の割合の合計が、図10のマスク着用率に一致する。このように、所定の着用レベルの割合をもとにマスク着用率を算出してもよい。また、着用レベルごとの割合に限らず、各施設(各エリア)に対応させて、着用レベルごとの人数や端末装置20の数を表示してもよい。また、着用レベルごとに、単位面積あたりの人数(人口密度)を表示してもよい。このように、着用レベルごとの人数や人口密度を表示することにより、ユーザは感染リスクをより正確に判断することができる。
上述の説明では、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、マスク着用率マップを作成し、マスク着用率マップのデータを端末装置20に送信するとしたが、端末装置20においてマスク着用率マップが生成されてもよい。この場合、制御部13の指標生成部15は、マスク着用率算出処理を実行後、エリア毎のマスク着用率データを作成し、端末装置20に通信部21を経由して配信する。
図12は、実施形態1にかかるマスク着用率データの一例を示す図である。本図では、エリアの範囲を示す緯度、経度、および当該のエリアのマスク着用率を記述しているが、施設名等の他の要素を追加してもよい。また、本図ではマスク着用率データの例としてXML形式のデータを示しているが、もちろんこれに限定されるものではなく、他の形式を用いて記述してもよい。
端末装置20の制御部28は、通信部21を経由して管理装置10からマスク着用率データを受信した場合、マスク着用率データを記憶部29に格納する。端末装置20の制御部28は、マスク着用率データをもとに、マスク着用率マップを生成し、表示部22に表示する。また端末装置20の制御部28は、上述した管理装置10で作成されるマスク着用率マップと同様に、マスク着用率に応じてエリアや施設の表示形態を変えてもよい。制御部28は、マスク着用率が所定値(例えば60%)未満のエリアをウイルス感染リスクが高いエリア(高リスクエリア)とし、それ以外のエリアとは表示形態を変えて、マスク着用率マップを表示部22に表示してもよい。例えば、端末装置20は、マスク着用率が所定値未満のエリアを赤色で表示し、マスク着用率が所定値以上のエリアを赤色以外の通常色で表示してもよい。これにより、ユーザはマスク着用率の低いエリアを容易に把握することができ、ウイルス感染のリスクを下げることができる。また端末装置20の制御部28は、マスク着用率に応じて、3種類以上の表示形態を用いて、マスク着用率マップを作成してもよい。例えば、マスク着用率が第1所定値未満であるエリアが赤色で表示され、マスク着用率が第1所定値以上であり、かつ第1所定値よりも大きな第2所定値未満であるエリアが黄色で表示され、マスク着用率が第2所定値以上であるエリアに青色で表示されるように、マスク着用率マップを作成してもよい。また端末装置20は、マスク着用率に応じて、表示色を変えることに限らず、表示パターン(塗りつぶしパターン)やフォントを変えてもよい。
図13は、実施形態1にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。本図は、端末装置20の表示部22にマスク着用率マップを表示した際に、マスク着用率が所定値未満のエリアをウイルス感染危険エリア(高リスクエリア)として端末装置20のユーザへ通知するための画面の構成例となる。本図に示す例では、「店舗A」、「店舗B」、「駅C」が高リスクエリアとして太線の枠(四角形)で示されている。例えば、所定値を「60%」とすると、図10の例において、「店舗A」、「店舗B」、「駅C」のマスク着用率が「60%」未満であるため、これらの施設が高リスクエリアとして抽出される。一方、「店舗D」は高リスクエリアではないため、細線の枠(四角形)で示されている。もちろん、線の太さに限らず、表示色を変える等、他の表示形態の違いを用いて、高リスクエリアを表現してもよい。
図14は、実施形態1にかかる端末装置20における表示の他の例を示す図である。本図は、端末装置20の制御部28が位置特定部25から所定の間隔(例えば10秒)毎に位置情報を取得し、現在端末装置20のユーザが存在している位置のマスク着用率が所定値未満であった場合に、表示部22に表示される画面(警告画面)の構成例となる。この場合、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、端末装置20の現在位置情報を取得し、それに基づいて、マスク着用率Pを算出するエリアZを決定してよい。
なお、端末装置20の表示部22が図13~図14の画面を表示する場合、音声出力部24が音声情報としてウイルス感染危険エリアについての通知を行ってもよい。例えば、音声出力部24は、警告音(報知音)を出力したり、警告メッセージを音声合成で出力してよい。
図15は、実施形態1にかかる端末装置20における表示の他の例を示す図である。本図は、端末装置20の制御部28が位置特定部25から所定の間隔(例えば10秒)毎に位置情報を取得し、端末装置20のユーザが移動している方向の先にマスク着用率が所定の値未満のエリアが存在した場合の画面(警告画面)の構成例となる。この場合、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、端末装置20の位置情報の時系列データまたは端末装置20の位置情報に含まれる方角情報を取得し、それに基づいて、マスク着用率Pを算出するエリアZを決定してよい。
このように実施形態1によれば、管理装置10は、スマートフォンやインターネットという既にあるインフラを有効に活用して、不特定の場所(広域または多地域)の人々のマスク着用状態情報を容易に取得することができる。このため管理装置10は、エリア毎にマスクの着用状況指標を容易かつ定量的に算出する事ができる。すなわち、感染予防支援システム1として複雑で高価なシステムを用いることなく、広域(多地域)における不特定多数の人々のマスクの着用状況を示す指標を容易かつ定量的に算出することができる。そして管理装置10が着用状況指標に基づく関連情報を端末装置20に提供することで、感染リスクが高いエリアについて、ユーザへ感染防止の注意喚起をリアルタイムで行う事が可能となる。これにより、ユーザが感染リスクの高いエリアに近づく可能性を低減させ、ユーザのウイルス感染リスクを低減させ、ひいては感染拡大を防止できる。
またユーザは顔認証を行うための通常の操作を行うだけでよく、特別な操作が必要ないので、ユーザの負担が非常に少ない。またUIのロック状態を解除するための顔認証を用いる場合、一般的に、ユーザはロック状態を解除するために頻繁に顔認証を行うため、ユーザのマスク着用情報を頻繁に、かつ自然な形で取得できる。
なお本実施形態1では、管理装置10で作成したマスク着用率マップ、またはマスク着用率データを端末装置20へ送信する構成とした。しかしこれに代えて、管理装置10が地図情報と感染リスクが高いエリアを組み合わせて端末装置20へ送信する構成としてもよい。つまり、管理装置10は、感染リスクが低いエリア(マスク着用率が高いエリア)に関する情報を端末装置20へ送信することを省略してもよい。また、管理装置10で作成したマスク着用率データを図示しない他のシステムのサーバへ送信し、当該のシステムにてマスク着用率データを利用する構成としてもよい。
<実施形態1の変形例>
実施形態1のマスク着用率算出処理においては、図6のS110において、指標生成部15は、マスク情報テーブル18に記録されているマスク情報の中から、受信時刻が現在時刻CTと比較して所定の期間以内であるレコードRtを抽出していた。しかしながら、同一の端末装置20の複数のマスク情報を時系列的にマスク情報テーブル18に記録する構成とし、かつ同一の端末装置20のユーザが短時間の内に何回も顔認証によるロック解除を行った場合、同一の端末装置20のユーザの複数のマスク情報がレコードRtとして抽出される可能性がある。例えば、図5の1番目のレコードと10番目のレコードは、端末識別子「UE001」のユーザのマスク情報であり、これらを含むレコードがレコードRtとして抽出される。このような場合、特定のユーザのマスク着用状態がより強くマスク着用率に反映されるため、マスク着用率の精度や信頼性が低下することになる。例えば、短時間に何回も顔認証によるロック解除を行ったユーザがマスクを着用していた場合、ステップS140で抽出されるレコードRmの数が多くなり、結果的にS150でマスク着用率Pを算出した際に、マスク着用率Pが実際より高く算出される可能性がある。逆に、短時間に何回も顔認証によるロック解除を行ったユーザがマスクを着用していない場合、マスク着用率Pが実際より低く算出される可能性がある。
本変形例では、図6のフローチャートのS110においてレコードRtを抽出する際、指標生成部15は、端末識別子が重複しているレコードについては、受信日時が最新のレコードのみをレコードRtとして抽出する。つまり、指標生成部15は、1つの端末装置20について最新の1つのレコードを抽出する。これにより、マスク着用率Pの算出精度を向上させる事が可能となる。本変形例で式(1)を用いると、エリアZ(対象エリア、所定のエリア)に含まれる端末装置20の数に対する、着用スコアが所定の閾値以上の端末装置20の数の割合をマスク着用率Pとすることになる。換言すれば、エリアZに含まれる端末装置20を対象端末とし、対象端末における着用スコアが所定の閾値以上の端末装置20の割合をマスク着用率Pとしてよい。また本変形例で式(2)を用いると、エリアZに含まれる端末装置20の着用スコアの平均値をマスク着用率Pとすることになる。なお、上述したように、平均値に限らず代表値を算出してマスク着用率Pとしてもよい。またマスク着用率Pと同様に、本変形例により、着用レベルごとの割合の算出精度を向上させることができる。なお指標生成部15は、端末識別子の代わりにユーザを識別するユーザ識別子を用いて、1人のユーザから1つのレコードを抽出してもよい。例えば、1人のユーザが複数の端末装置20を使用している場合に、複数の端末装置20で顔認証を行った複数のデータの中から、ユーザごとに最新のデータを1つ抽出し、それを用いてマスク着用率Pを算出してもよい。すなわち、エリアZに存在するユーザの数に対する、着用スコアが所定の閾値以上のユーザの数の割合をマスク着用率としてよい。換言すれば、エリアZに存在するユーザを対象ユーザとし、対象ユーザにおける着用スコアが所定の閾値以上のユーザの割合をマスク着用率としてよい。また、エリアZに存在するユーザの着用スコアの代表値をマスク着用率としてよい。
<実施形態2>
次に、実施形態1の変形例である実施形態2について説明する。個人の邸宅内といった私的空間(私的エリア)内では、マスクを外していることが多いため、住宅地が多く存在するエリアでは、着用状況指標が低く算出される傾向にある。このため実施形態2では、エリアZの着用状況指標の算出処理においては、私的空間に位置する端末装置20のマスク着用状態情報が除外されたマスク着用状態情報が用いられる。具体的には、実施形態2では、管理装置10の制御部13は、予め公的エリアと定められた位置にある端末装置20のみのマスク着用状態情報を用いて、エリアZの着用状況指標を算出する。この場合、管理装置10の記憶部17は、公的エリアの位置情報を定めた公的エリアテーブルを記憶し、制御部13は、公的エリアテーブルを用いて端末装置20が公的エリアに位置するか否かを判定してよい。
図16は、実施形態2にかかる公的エリアテーブルのデータ構造の一例を示す図である。例えば本図に示すように、公的エリアテーブルは、公的エリアとして定められた施設名と、その施設の位置情報とを関連付ける。本図における位置情報は、施設のエリア(範囲)を矩形(長方形)で規定し、その矩形の対角頂点の位置情報(緯度、経度)を示している。例えば、図16の1行目は、施設名が「デパート1」であり、「デパート1」のエリア(範囲)が頂点1「(N011、E011)」と、頂点2「(N012、E012)」の2つの対角頂点で規定される矩形であることを表す。もちろん図16はあくまでも一例であり、公的エリアは矩形に限らず任意の形状で規定されてよい。また、図16に示す例に限らず、公的エリアテーブルに記録する施設名や施設の数を任意に設定してよい。また、公的エリアテーブルは、公的エリアとして定められた施設の種別(施設種別)と、その種別に該当する施設の位置情報とを関連付けてもよい。この場合、図16における「デパート1」、「デパート2」といった施設名は、「デパート」といった施設種別に統一して表される。あるいは、「店舗」や「大規模小売店舗」といった施設種別を用いてもよい。また、公的エリアテーブルにおいて施設名や施設種別を省略してもよい。この場合、公的エリアの範囲を示す位置情報のみが公的エリアテーブルに格納される。公的エリアテーブルは、地図データベースから生成されてよい。また制御部13は、必要に応じて、外部のサーバ等から公的エリアテーブルを取得してもよい。この場合は、記憶部17における公的エリアテーブル格納を省略することも可能である。
次に本実施形態におけるマスク着用率算出処理手順を説明する。本実施形態では、図6のS110に相当するS110A(不図示)において、収集部14は、マスク情報テーブル18に記録されるレコードから、受信時刻が現在時刻CTから所定の期間DT以内であり、かつ端末装置20の位置情報が公的エリアテーブルの位置情報に含まれるレコードRt’を抽出する。具体的には、受信時刻が上述の条件を満たし、かつマスク情報テーブル18の位置情報(端末装置20の位置情報)が公的エリアテーブルの位置情報で規定された範囲に含まれるレコードを対象として、レコードRt’を抽出する。
なお、これに代えて、図6のS130に相当するS130A(不図示)において、指標生成部15は、S110で抽出したレコードRtから、端末装置20の位置情報がS120で選択したエリアZの区画に含まれ、かつ公的エリアテーブルの位置情報に含まれるレコードRa’を抽出してよい。つまり、S110AとS130を組み合わせて実行してもよいし、S110とS130Aを組み合わせて実行してもよい。その他の処理は実施形態1と同様である。
このように実施形態2によれば、管理装置10の制御部13は、公的エリアに位置する端末装置20のみのユーザのマスク着用状態を考慮して着用状況指標を算出するため、着用状況指標の精度が向上する。
<実施形態3>
次に、実施形態1の変形例である実施形態3について説明する。実施形態3は、管理装置10の制御部13が、端末装置20からマスク情報を取得する他に、端末装置20から端末装置20の位置情報を頻繁に取得することを特徴とする。実施形態1では、マスク情報に含まれる位置情報を用いて端末装置20の位置を特定していた。このため、端末装置20が移動しており、かつ端末装置20で顔認証が長時間行われない場合には、端末装置20の実際の位置と、マスク情報テーブル18の位置情報との間のズレ(乖離)が発生するという問題がある。実施形態3では、このような問題を改善するための処理を行う。本実施形態では、端末装置20が、マスク情報を管理装置10に送信する他に、顔認証を実行したか否かに関わらず、所定のタイミング(例えば、所定の周期)で端末装置20の位置情報を管理装置10に送信する。なお、この際に端末装置20は、端末識別子と位置情報とを関連付けて送信する。あるいは端末装置20は、端末識別子と位置情報と位置情報を測定した測定日時とを関連付けて送信してもよい。端末装置20が位置情報を送信する頻度は、マスク情報を送信する頻度よりも高く設定される。例えば、端末装置20は10秒ごとに位置情報を送信すればよい。また、端末装置20は、自装置の位置情報が変化していることを検知し、その場合に位置情報を管理装置10に送信してもよい。つまり、端末装置20は、自装置の位置情報が変化した場合に送信し、自装置の位置情報が変化しない場合には送信しない制御を行ってもよい。
管理装置10の制御部13は、通信部11を介して端末装置20の位置情報を受信すると、それを記憶部17に記憶する。以下の説明では、受信した位置情報をマスク情報テーブル18に記憶するが、これに限られるものではない。例えば、受信日時(あるいは測定日時)と、端末識別子と、位置情報とを関連付けて記憶部17の他のテーブルに記憶してもよい。上述したように、管理装置10は、同じ端末装置20からマスク情報を受信してから次にマスク情報を受信するまでの期間においても、例えば所定の周期でその端末装置20の位置情報を取得する。管理装置10の制御部13は、次のマスク情報を受信するまでの間は、ユーザのマスク着用状態は変わらないものとして、マスク情報テーブル18を更新する。
図17は、実施形態3にかかる管理装置10のマスク情報テーブル18の更新処理を説明するための図である。本図は、管理装置10が、「2020/9/10 10:38:19」に、端末識別子「UE002」の端末装置20から最新の位置情報「N100,E100」を受信した状況を示している。このとき管理装置10が端末装置20から受信したデータは、マスク情報ではなく位置情報であるため、マスク着用状態情報は含まれていない。管理装置10の制御部13は、最新の位置情報を取得したことに応じて、端末識別子「UE002」の端末装置20についての新たなレコード(1番目のレコード)を追加する。制御部13は、新たに追加されたレコードの位置情報に「N100,E100」を登録する。制御部13は、着用スコアとして、端末識別子「UE002」の直近のレコード(12番目のレコード)を抽出し、直近のレコードの着用スコア(この例では「41」)を、新たなレコード(1番目のレコード)の着用スコアとして登録する。すなわち、制御部13は、その端末装置20から取得した新しい位置情報と、端末識別子と、直近で取得したその端末装置20のユーザの着用スコアとを関連付けるレコードを追加し、マスク情報テーブル18を更新する。本実施形態では、このように位置情報が高頻度で更新されるマスク情報テーブル18を用いて、着用状況指標算出処理を行う。なお本実施形態では、マスク情報テーブル18に同一の端末識別子のレコードが多数存在することになるため、実施形態1の変形例の方法を用いて着用状況指標算出処理を行うことが望ましい。もちろん、実施形態1の変形例と、実施形態2と、実施形態3とを組み合わせて実行してもよい。
本実施形態によれば、端末装置20がマスク情報を送信した後に移動した場合においても、管理装置10は、端末装置20の最新の位置情報を着用状況指標に反映させることができる。このため、所定のエリアにおける着用状況指標をより高い精度で算出することができる。したがって、端末装置20のユーザに対して、ウイルス感染を予防するための情報をより高い精度で提供することができる。
なお制御部13は、所定時間経過しても同じ端末装置20からマスク情報を受信しない場合、その端末装置20について新たなレコードの追加処理を停止してよい。長時間経過した場合には、ユーザのマスク着用状態が変化している可能性が高いからである。
なお本実施形態では、端末装置20の現在の位置情報を用いて対象エリアに含まれる端末装置20を特定しているが、これに限られるものではない。例えば、管理装置10が端末装置20の位置情報の時系列データ、あるいは端末装置20の移動速度や移動方向の情報を取得し、それらをもとに、将来(現在から所定時間経過後の時点)における端末装置20の位置情報を予測し、予測した位置情報を用いて対象エリアに含まれる端末装置20を特定してもよい。また例えば、端末装置20のユーザが将来の時点における端末装置20の位置を指定し、管理装置10が指定された位置情報を取得し、その位置情報を用いて対象エリアに含まれる端末装置20を特定してもよい。例えば、端末装置20のユーザが「30分後」に自分が存在する予定の位置を地図上で指定し、管理装置10がその位置情報を取得して処理を行ってもよい。
<実施形態4>
次に、実施形態1の変形例である実施形態4について説明する。実施形態4は、管理装置10が感染リスクの高いエリアを避けて、目的地までユーザを誘導する経路情報を生成することに特徴を有する。
例えば、ユーザが端末装置20の入力部23を介して目的地を指定すると、端末装置20の制御部28は、通信部21を介して、出発地情報と目的地情報とを管理装置10に送信する。出発地情報は、端末装置20の現在位置またはユーザにより指定された出発地であってよい。
管理装置10の制御部13の指標生成部15は、受信した出発地情報および目的地情報に基づいて指標算出対象のエリアを決定し、該エリアの着用状況指標を算出する。続いて指標生成部15は、出発地情報および目的地情報、地図情報並びにエリアの着用状況指標に基づいて、出発地から目的地までの経路を示す経路案内情報を生成する。そして管理装置10の通信部11は、端末装置20に対して、生成した経路案内情報を送信し、端末装置20の表示部22に経路案内情報を表示させる。
以下では着用状況指標としてマスク着用率が算出される場合の、具体的な経路案内情報の生成処理について説明するが、これに限らない。
まず、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、端末装置20の現在位置またはユーザにより指定された出発地、から目的地までの経路(ルート)を探索する。この際に指標生成部15は、記憶部17に記憶された地図データベース(地図情報)19と、マスク着用率マップデータを参照し、危険エリアを避けて目的地に至るルートを探索する。
また指標生成部15は、出発地から目的地に至る複数(N個)の経路(経路候補)を生成し、それぞれに経路について、以下の式(3)に従って指標Sを算出し、指標Sが最も小さな経路を最適経路として選択してよい。
式(3)において、S[i](i=1~N)はi番目の経路の指標Sであり、D[i]はi番目の経路の距離であり、M[i,x]はi番目の経路の地点xにおけるマスク着用率を示す。また、α、βは正の値の所定の係数(重み係数)である。式(3)の第2項は、i番目の経路の地点xにおけるマスク着用率を経路に沿って積分(線積分)することを示している。すなわち式(3)によれば、各経路候補の距離が短いほど、かつ経路上のマスク着用率が高いほど、指標Sの値が小さく(低く)なる。このため、指標生成部15は、指標Sの最も小さな経路を最適な経路として選択すればよい。すなわち、距離が短く、かつマスク着用率が高い経路を優先的に選択する。また、αとβの値(バランス)を変えることにより、距離をどの程度重視し、マスク着用率をどの程度重視するかのバランスを任意に調整することができる。つまり、経路の性質(特性)を調整することができる。端末装置20のユーザに、αとβを指定させてもよい。また、式(3)において、経路の距離D[i]の代わりに、経路の所要時間(移動時間)を用いてもよい。すなわち、経路の所要時間が短いほど、かつ経路上のマスク着用率が高いほど、指標Sの値が小さくなるようにしてもよい。
図18は、実施形態4にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。本図において、目的地が斜線の丸印で示されており、目的地までのウイルス感染リスクの低い最適な経路が、点線で示されている。なお上述のマスク着用率の高い地点を優先的に選択して経路を導出する処理を、管理装置10の制御部13に代えて、端末装置20の制御部28が実行してもよい。
端末装置20の表示部22が本図に示す画面を表示する場合、音声出力部24が音声情報としてウイルス感染危険エリアについての通知を行ってもよい。例えば、音声出力部24は、最適な経路を音声ガイドしてよい。また例えば、音声出力部24は、ウイルス感染危険エリアに関する情報を音声で通知してもよい。
このように実施形態4によれば、ユーザが感染リスクの高いエリアを通過することを回避し、ユーザの感染リスクをさらに低減できる。すなわち、端末装置20のユーザに対して、ウイルス感染防止につながるユーザ行動に関する情報を分かり易く伝えることができる。なお本実施形態では、地図情報を用いて経路案内情報を生成したが、これに限られるものではない。例えば、大きな広場内をユーザが通行する際など、ユーザが任意の位置を通過できる環境においては、道路情報などを含む地図情報を用いずに経路案内情報を生成することも可能である。
<実施形態5>
次に、実施形態1の変形例である実施形態5について説明する。実施形態1~4では、管理装置10の制御部13は、端末装置20のユーザの直近のマスク情報から、エリア毎のマスクの着用状況指標をリアルタイムで算出し、感染リスクの高いエリアをユーザへ通知した。本実施形態5では、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、過去の、すなわち現時点までに収集されたマスク着用状態情報を集計し、集計した情報を用いて、未来(将来)の、すなわち現時点以降の着用状況指標を予測する。具体的には、指標生成部15は、過去のマスク着用状態情報に基づいて、例えば1か月前から現在までの着用状況指標をエリア別かつ日単位で算出する。続いて指標生成部15は、過去のエリア別かつ日単位の着用状況指標に基づいて、未来のエリア別かつ日単位の着用状況指標を算出する。これにより、着用状況指標が低い、すなわち感染リスクの高い日やエリアを予測する事が可能となる。そして管理装置10の通信部11または出力部16は、予測した指標に関連する情報を出力する。もちろん、日単位の着用状況指標を予測することに限られるものではない。例えば、時間帯別の着用状況指標、あるいは曜日別の着用状況指標、あるいは曜日と時間帯の組み合わせ(曜日時間帯)別の着用状況指標などを予測してもよい。
以下では、着用状況指標としてマスク着用率が算出される場合を例として着用状況指標の予測処理について説明するが、これに限らない。例えば、各エリアにおける着用レベルごとの割合を予測してもよい。
本実施形態5において、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、実施形態1の図6のS100に相当するS100B(不図示)にて、マスク着用率を算出する基準日時ATを設定する。その後、指標生成部15は、S110に相当するS110B(不図示)に処理を進める。指標生成部15は、S110Bにて、受信時刻が基準日時AT以降であり、かつ基準日時ATから所定の期間DT(例えば、24時間)が経過するまでの期間に含まれるレコードを、レコードRtとして抽出する。なお、本実施形態5において、収集部14は、同一の端末装置20から受信したマスク情報をマスク情報テーブル18に記録する際に、上書きせずに新規レコードを追加して記録する。つまり、マスク情報テーブル18には、最新のマスク情報だけでなく過去のマスク情報も記録されている。その後、指標生成部15は、処理をS120に進める。
例えば、指標生成部15は、「2020/8/20」の日付のマスク着用率を算出する場合、S100Bにおいて基準日時ATは「2020/8/20 00:00:00」に設定される。次にS110Bにおいて、指標生成部15は、所定の期間DTとして「24時間」を用い、レコードRtとして「2020/8/20 00:00:00」から「2020/8/20 23:59:59」までのマスク情報を抽出し、後のステップで「2020/8/20」の日付のマスク着用率を算出する。例えば、指標生成部15は、S100Bにおいて、過去1か月にわたり基準日時ATを1日ずつずらして、毎日午前0時に設定しながら、図6に示すフローチャートの処理を繰り返す事により、過去1か月分の日毎のマスク着用率を算出できる。指標生成部15は、過去のマスク着用率を算出した後、過去の日別のマスク着用率のデータをもとに、現在以降のマスク着用率を予測する。
例えば指標生成部15は、以下の式(4)に従って、所定のエリアの過去の時点t-1、t-2、t-3等におけるマスク着用率M[t-1]、M[t-2]、M[t-3]等をもとに、当該エリアの未来(将来)の時点tにおけるマスク着用率M[t]を算出する。
式(4)において、φ0~φ3等は、所定の係数であり、公知の自己回帰モデルの手法を用いて算出すればよい。また、過去の時点のデータの個数は任意であり、3つに限られるものではない。例えば、指標生成部15は、過去の時点のデータM[t-1]を1つのみ用いて、未来の時点におけるマスク着用率を予測してもよい。
また指標生成部15は、過去のマスク着用率の他に、曜日や気温の情報を用いて、マスク着用率を予測してもよい。例えば指標生成部15は、以下の式(5)に従ってマスク着用率を予測してもよい。
式(5)において、C[t]はマスク着用率を予測したい時点の曜日である。またK[t]はマスク着用率を予測したい時点における所定のエリアの予想気温である。φ0~φ4等の係数は、過去のマスク着用率と、過去の曜日と、過去の気温のデータを用意し、公知の重回帰分析や機械学習の手法を用いて算出すればよい。すなわち指標生成部15は、過去のマスク着用率と曜日と気温とを独立変数とし、未来のマスク着用率を従属変数とする統計モデルを作成し、過去のマスク着用率および過去の曜日や気温のデータを用いてパラメータ(係数)を最適化すればよい。
またさらに指標生成部15は、時間帯、天気、人口密度、地域のイベントなどのデータをもとに、未来のマスク着用率を予測(算出)してもよい。制御部13は、このように生成したマスク着用率の予測データおよび過去データを、通信部11を介して、端末装置20に送信する。
図19は、実施形態5にかかるマスク着用率予測結果を示す図である。端末装置20は、管理装置10から受信したマスク着用率予測データをもとに、図19に示すグラフを表示部22に表示してもよい。本図は、あるエリアの過去のマスク着用率から、現在以降のマスク着用率を予測した際のグラフである。本図では現在の日付が「2020/9/10」であり、無地の棒グラフが過去のマスク着用率を示しており、斜線の棒グラフが予測されるマスク着用率を示している。本図の例では、当該エリアにおいて週末にかけてマスク着用率が低くなることから、「2020/9/10」以降の週末のマスク着用率も低くなると予測されている。また、このようなグラフに、地域のイベント情報を合わせて表示してもよい。例えば、対象地域において映画館で毎月20日に感謝デーが開催される場合や、ショッピングモールにおいて3が付く日にポイントが増加する場合等において、そのようなイベント情報がグラフに重ねて表示されてもよい。つまり、対象地域において人出が増減したり、客層が変化する可能性のあるイベント情報を表示してもよい。これにより、管理装置10の管理者あるいは端末装置20のユーザは、マスク着用率の変化と、曜日や日付やイベント情報との関連性を容易に把握することができる。
管理装置10の制御部13の指標生成部15は、過去のマスク着用率を算出したエリアそれぞれに対して今後のマスク着用率を予測した後、それらをまとめてマスク着用率予測データを作成する。マスク着用率予測データは、エリア毎の現在以降のマスク着用率を予測したデータとなる。指標生成部15は、本例で作成したマスク着用率予測データを、通信部11を経由して、端末装置20に配信する。
図20は、管理装置10から端末装置20へ配信されるマスク着用率予測データの一例を示す図である。本図に示す例では、各エリアの緯度、経度、および当該のエリアのマスク着用率を、現在(本日)以降の日毎に分けて記述している。もちろん、マスク着用率予測データに過去のマスク着用率のデータが含まれていてよい。また、実施形態1と同様に、本図ではマスク着用率予測データの例としてXML形式の記述により示しているが、もちろんこれに限定されるものではなく、他の形式を用いて記述してもよい。
端末装置20の制御部28は、通信部21を経由して管理装置10からマスク着用率予測データを受信した場合、マスク着用率予測データを記憶部29に記録する。端末装置20の制御部28は、マスク着用率予測データをもとに、マスク着用率予測マップを作成し、表示部22に表示させる。実施形態1と同様に、制御部28は、マスク着用率に応じて、マスク着用率予測マップの表示形態を変えてもよい。例えば、予測されるマスク着用率が低いほど、目立つように表示形態を設定してもよい。また制御部28は、マスク着用率予測マップにおいて、マスク着用率が所定の値(例えば60%)未満のエリアをウイルスへの感染リスクが高いエリア(高リスクエリア)とし、表示部22において高リスクエリアに関する情報を表示してもよい。
図21は、実施形態5にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。本図は、端末装置20のスケジューラ(スケジュール管理アプリ)等において、ユーザの移動予定日、および移動予定場所でのマスク着用率が所定の値未満のエリアであると判定された場合に、端末装置20のユーザへ通知するための画面の構成例となる。端末装置20の表示部22に本図に示す画面を表示する際、音声出力部24より音声情報としてウイルス感染危険エリアについての通知を行ってもよい。
また管理装置10は、端末装置20のユーザが店舗検索している際、検索先の各店舗のマスク着用率の予測値から、感染リスクの高い日(マスク着用率の低い日)を端末装置20のユーザへ通知してもよい。この場合の端末装置20の画面の構成例を図22に示す。 図22は、実施形態5にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。本図に示すように、例えば端末装置20の表示部22は、検索された施設や店舗の、曜日別の感染リスクの予測情報を表示する。本図には、週の始めの時点(月曜日)に、その週における各店舗の感染リスクを表示した例である。マスク着用率が高い曜日や店舗は「安全」と表示され、マスク着用率が低い曜日や店舗は「危険」と表示されている。もちろん、時間帯別や曜日時間帯別に感染リスクの予測情報を表示してもよい。また、マスク着用率の予測値に基づく情報に限らず、過去のマスク着用率(実測値)に基づく情報を表示してもよい。例えば、過去4週間の日別のマスク着用率に基づいて、各店舗の曜日別の感染リスクを表示してもよい。例えば、過去4週間の日別のマスク着用率と、その曜日別の平均値を算出し、曜日別のマスク着用率の平均値に基づいて、各店舗の曜日別の感染リスクを表示してもよい。
なお、本実施形態5では過去のマスク着用率から現在以降のマスク着用率を日毎に予測する処理を説明したが、予測する時間の範囲はもちろんこれに限定されるものではない。例えば、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、過去のマスク着用率を1時間毎に算出してもよい。この場合、指標生成部15は、S100Bにおいてマスク着用率を算出する基準日時ATを1時間単位で指定し、S110Bにおいて所定の期間DTを1時間とすればよい。これにより、時間単位でのマスク着用率を算出する事が可能となる。時間単位でマスク着用率を予測する事により、マスク着用率の低い時間帯を予測する事が出来る。もちろん1時間単位というのは、あくまでも一例であって、30分単位等、任意の時間単位でマスク着用率を予測してもよい。また、曜日と時間帯の組み合わせごとにマスク着用率を予測してもよい。例えば、「金曜日の18時~19時」、「金曜日の19時~20時」といった曜日時間帯別にマスク着用率を算出してもよい。
このように、本実施形態5によれば、管理装置10は、過去のマスク着用状態情報から所定期間毎の着用状況指標を算出する事により、現在以降(将来)の着用状況指標を予測する事が可能となる。現在以降の着用状況指標を予測する事により、端末装置20のユーザへ事前に感染リスクの高いエリアを通知する事が可能となる。これにより、端末装置20のユーザがウイルスに感染するリスクを低減する事が可能となる。
なお、本実施形態5では、管理装置10で作成したマスク着用率予測データを端末装置20へ送信し、端末装置20にて感染リスクが高いと予測されるエリアをユーザへ通知する構成とした。しかしこれに代えて、管理装置10は端末装置20へ過去のマスク着用率も併せて送信し、端末装置20の表示部22にグラフとして表示させてもよい。つまり、将来のマスク着用率データを省略し、過去のマスク着用率データのみを管理装置10が送信してもよい。また、管理装置10で作成したマスク着用率予測データを図示しない他のシステムのサーバへ送信し、当該のシステムにてマスク着用率予測データを利用する構成としてもよい。また管理装置10がマスク着用率予測マップを作成し、それを端末装置20や他の装置に配信してもよい。
<実施形態6>
次に、実施形態5の変形例である実施形態6について説明する。実施形態5では、管理装置10の制御部13の指標生成部15は、過去のマスク着用状態情報から日毎の着用状況指標を算出し、現在以降の着用状況指標を予測した。本実施形態6では、指標生成部15は、過去のマスク着用状態情報から算出した日毎の着用状況指標をもとに、将来のウイルス感染状況を予測する。そして管理装置10の通信部11または出力部16は、予測したウイルス感染者数に関連する情報を出力する。
以下でも、着用状況指標としてマスク着用率が算出される場合の例について説明するが、これに限らない。指標生成部15は、実施形態5と同様に、過去のマスク着用状態情報から日毎のマスク着用率を算出する。そして指標生成部15は、過去のマスク着用率をもとに、将来のウイルス感染状況、例えばウイルス感染者数を予測する。また指標生成部15は、過去のマスク着用率に加えて過去のウイルス感染者数をもとに、将来の感染者数を予測してもよい。
前述の様に、国や自治体等により日毎の地域単位での感染者数が発表されている。そこでまず、管理装置10の制御部13の収集部14は、外部のサーバ装置から日毎の感染者数の履歴を取得する。
そして指標生成部15は、実施形態5で説明した日毎の着用状況指標を算出し、外部のサーバ装置から取得した日毎の感染者数と、日毎の着用状況指標とをもとに、将来のウイルス感染者数を予測する。
具体的には、指標生成部15は、所定のエリアの過去の時点t-1、t-2におけるマスク着用率M[t-1]、M[t-2]等と、感染者数Q[t-1]、Q[t-2]等を用いて、以下の式(6)に従って、当該エリアの未来の時点tにおける感染者数Q[t]を予測する。
ここで、φ0~φ2等、およびε1~ε2等は、所定の係数であり、公知の重回帰分析や機械学習の手法を用いて算出すればよい。
すなわち指標生成部15は、過去のマスク着用率および過去の感染者数を独立変数とし、未来の感染者数を従属変数とする統計モデルを作成し、過去のマスク着用率および過去の感染者数のデータを用いてパラメータ(係数)を最適化すればよい。なお指標生成部15は、独立変数として過去の感染者数を用いずに、過去のマスク着用率のみを用いてもよい。この場合は、過去の感染者数データの取得を省略できる。また指標生成部15は、人口密度、気温、国や自治体の発行する警告(アラート)の程度(状態)などを独立変数に加えてもよい。制御部13は、このようにして生成した感染者数の予測情報を、通信部11を介して、端末装置20に送信する。なおこの際に、実施形態5で説明したのと同様に、マスク着用率の予測データ(および過去データ)を管理装置10から端末装置20に送信してもよい。
図23は、実施形態6にかかる感染者数予測結果の一例を示す図である。端末装置20は、管理装置10から受信したマスク着用率予測データをもとに、図23に示すグラフを表示部22に表示してもよい。本図は、ある地域の日付ごとのマスク着用率と感染者数とを示すグラフである。本図では棒グラフがマスク着用率、折れ線グラフが感染者数を示している。図19と同様に、本図では現在の日付が「2020/9/10」であり、無地の棒グラフが過去のマスク着用率を示しており、斜線の棒グラフが予測されるマスク着用率を示している。さらに、折れ線グラフの黒丸(●)は過去の感染者数を示しており、白丸(○)は将来の予測感染者数を示している。管理装置10は、本図に示すグラフあるいは本図に示すグラフを描画可能なデータを、端末装置20に送信してもよい。この地域では、8月下旬に感染者数が比較的少なかったことも影響して、8月下旬から「2020/9/1」前後にかけてマスク着用率が日毎に低下している。そしてその約2週間後の「2020/9/14」前後から感染者数が急激に増加する予想となっている。本図に示すグラフでは、当該の地域の予測感染者数が急激に増えるため、端末装置20のユーザ(一般の人々)は、自分が確実にマスクを着用することや、外出の自粛が必要と判断できる。また自治体等の担当者は、マスク着用の呼びかけ、医療機関の整備、飲食店への時短要請などが必要と判断できる。また、このようなグラフを観察することにより、感染者数の増加の原因がマスク着用率の低下である可能性が高いと判断する事が出来る。なお、図23のグラフにおいて、将来のマスク着用率および将来の感染者数を省略し、過去のマスク着用率と過去の感染者数を表示してもよい。このような表示を行っても、マスク着用率と感染者数との関係性を容易に把握することができる。特に、管理装置10の管理者(運営者)等は、そのようなグラフによりマスク着用率と感染者数との関係性を把握し、その知見を式(6)の統計モデルに反映することができる。つまり、過去のマスク着用率と過去の感染者数を分かり易く示すグラフを作成することにより、より精度の高い統計モデルを構築することが可能になり、感染者数の予測精度を向上させることができる。また端末装置20のユーザにとっても、過去のマスク着用率と感染者数との関係性を容易に把握できるグラフは有益である。
また管理装置10の制御部13は、当該の地域で今後感染者が増加する事が予測された場合、当該の地域に存在する端末装置20へ注意喚起情報を配信してよい。
図24は、実施形態6にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。端末装置20の制御部28は、管理装置10から注意喚起情報を受信した場合、表示部22に、本図に示す画面を表示させる。
また、端末装置20の制御部28は、ユーザの行動履歴やスケジュール管理アプリのデータと連携して、ユーザの行動傾向またはスケジュールに合わせた注意喚起情報を表示してもよい。例えば、スケジュール管理アプリに登録された日時および場所において、感染者数が多く予測されている場合に、端末装置20の制御部28は、表示部22に注意喚起情報を表示させてもよい。また制御部28は、ユーザの過去の行動履歴をもとに、ユーザが今後訪問する可能性の高い場所と日時を推定し、その日時および場所において、感染者数が多く予測されている場合に、表示部22に注意喚起情報を表示させてもよい。また制御部28は、スケジュール管理アプリに対して、ユーザの行動計画(日時および場所)の変更をユーザに対して提案するように制御してもよい。
なお、管理装置10の制御部13は、当該地域の医療機関の装置(不図示)に、予測される感染者数に関する情報を送信してもよい。これにより、医療機関に対して、ベッド数や人員を増加させる等の事前対策の実施を迅速に促すことができる。
このように実施形態6によれば、管理装置10は、地域(エリア)毎の過去のマスク着用状態情報をもとに未来の感染者数を予測する事が可能となる。また管理装置10は、マスクの着用状況指標の推移から感染者数の傾向を予測する事により、端末装置20のユーザへ注意喚起を促すことが可能となる。これにより、端末装置20のユーザがウイルスに感染する可能性を低減する事が可能となる。
<実施形態7>
次に、実施形態7について説明する。ここで、実施形態1~6では、管理装置10が、広域又は多地域のエリアの着用状況指標を生成し、着用状況指標に基づいて感染拡大予防のための情報を生成した。一方、実施形態7では、管理装置が、広域又は多地域のエリアにいる個々のユーザに対して、そのユーザの周囲の状況に応じて、感染リスクを下げるための情報を提供する。より具体的には、個々のユーザの近くにマスクを着用していない他の人が存在する場合に、注意を促す情報(注意喚起情報)を個々のユーザに通知する。
実施形態7にかかる感染予防支援システム1は、図1と同様な構成であるが、管理装置10に代えて管理装置100を備える。管理装置100は、インターネットNWに接続されるサーバ・コンピュータである。管理装置100は、複数の端末装置20の各々から中継装置30を介して受信したデータに基づいて、マスクの着用状態情報が所定の基準を満たさない端末装置20の近傍領域を、高リスクエリアとして特定し、高リスクエリア内に位置する他の端末装置20に通知を行う。
実施形態7にかかる端末装置20は、実施形態1で説明した図2と同じ構成である。ただし、感染予防支援システム1に含まれる一部の端末装置20は、顔認証部26と撮像部27を省略することも可能である。すなわち、感染予防支援システム1に含まれる全部の端末装置20が図2と同じ構成であってもよいし、その一部の端末装置20は図2と同じ構成であり、残りの端末装置20は顔認証部26と撮像部27を省略した構成であってもよい。顔認証部26と撮像部27を省略した端末装置20が存在する場合、その端末装置20は、マスク情報を送信せずに、位置情報と端末識別子を含むユーザ位置情報を所定のタイミングで管理装置100に送信する。一方、図2と同じ構成の端末装置20は、マスク着用状態情報、位置情報、および端末識別子を含むマスク情報を管理装置100に送信する。また、図2と同じ構成の端末装置20は、実施形態3と同様に、第1のタイミングでマスク情報(マスク着用状態情報を含む情報)を送信し、第2のタイミングでユーザ位置情報(マスク着用状態情報を伴わない位置情報)を送信してもよい。例えば、第1のタイミングに比べて、第2のタイミングの頻度を高く(周期を短く)してもよい。
図25は、実施形態7にかかる管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。管理装置100は、通信部110、計時部120、制御部130及び記憶部170を有する。
通信部110は、上述の通信部11に対応する。また、計時部120は、上述の計時部12に対応する。
制御部130は、管理装置100の各構成要素を制御する。制御部130をCPUで構成し、制御部130が記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置100の各処理を行ってもよい。制御部130は、収集部140と、特定部150とを含む。
収集部140は、上述の収集部14に対応し、端末装置20のユーザのマスク着用状態情報と、端末装置20の位置情報とを収集する。本実施形態7では、収集部140は、上述の収集部14と同様に、マスク情報を送信する各々の端末装置20からマスク情報を受信し、それに含まれるユーザのマスク着用状態情報と、端末装置20の位置情報とを記憶部170のマスク情報テーブル180に記録する。上述の通り、マスク着用状態情報は、端末装置20により撮影されたユーザ認証用の顔画像に基づいて生成されたものである。また収集部140は、通信部110を経由して端末装置20からユーザ位置情報を受信する。上述したように、端末装置20は、マスク着用状態情報を伴わないユーザ位置情報を送信するが、収集部140は、この位置情報を収集する。収集部140はユーザ位置情報を受信した場合、計時部120より現在時刻(受信日時)を取得し、受信日時と、位置情報と、端末識別子をユーザ位置情報テーブル190に記録する。基本的には端末装置20が送信する位置情報は、端末装置20の位置情報であるため、ユーザ位置情報テーブル190は、端末位置情報テーブルとも呼ばれる。ただし、例えば、ユーザがスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスを着用している場合、端末装置20がウェアラブルデバイスの位置情報を送信してもよい。この場合は、端末装置20とユーザの位置が若干離れていても、ユーザの正確な位置が端末装置20から管理装置100に通知される。もちろん、制御部130と収集部140とを一体的に構成してもよい。
特定部150は、端末装置20から受信したマスク着用状態情報が所定の基準を満たさない場合、その送信元の端末装置20の位置から、所定距離Rの範囲を、高リスクエリアHAとして特定する。ここで、マスク着用状態情報が所定の基準を満たさない場合とは、例えば、着用スコアが所定値未満である場合、あるいはマスクの着用レベルが所定のレベル未満である場合である。そして特定部150は、収集した端末装置20の位置情報に基づいて、高リスクエリアHAに位置する端末装置20を特定する。ここで、マスク着用状態情報が所定の基準を満たさない端末装置20を第1の端末装置20と呼び、高リスクエリアHA内に位置する他の端末装置20を、第2の端末装置20と呼ぶことがある。なお、第2の端末装置20には、マスク着用状態情報を送信していない端末装置20(ユーザ位置情報のみを送信した端末装置20)が含まれる場合がある。そして特定部150は、ユーザが高リスクエリアHAに位置することを示す注意喚起情報を生成し、通信部110を介して第2の端末装置20に対して注意喚起情報の通知を行う。つまり、注意喚起情報は、第1の端末装置20のユーザの近傍(近く)に存在している他のユーザに対して、ウイルス感染の可能性が高いことを示す情報である。もちろん、制御部130と特定部150とを一体的に構成してもよい。
記憶部170は、管理装置100の各種処理に用いられるデータやプログラムを記憶する記憶媒体で構成される。記憶部170は、マスク情報テーブル180およびユーザ位置情報テーブル190が格納される。マスク情報テーブル180は、上述のマスク情報テーブル18に対応する。マスク情報テーブル180は、マスク情報テーブル18と同様のデータ構造を有してよい。
ユーザ位置情報テーブル190は、ユーザの位置情報を記憶する。
図26は、実施形態7にかかるユーザ位置情報テーブル190のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ位置情報テーブル190には、端末装置20ごとに、受信日時、位置情報、および端末識別子が記録される。本図の(A)、(B)および(C)は、それぞれ、端末識別子が「UE001」、「UE002」、「UE003」の端末装置20の対応するユーザ位置情報テーブル190-1、190-2、190-3を示している。受信日時は管理装置100が端末装置20からユーザ位置情報を受信した日付と時刻が記録される。なお、受信日時の記録である「2020/9/10 10:33:20」の表記は「2020年9月10日 10時33分20秒」であることを表す。なお、本図では端末装置20が管理装置100へ10秒ごとにユーザ位置情報を送信している例を示している。位置情報および端末識別子には、端末装置20から受信したユーザ位置情報に含まれる位置情報(緯度、経度)、および端末識別子が記録される。なお、端末装置20がユーザ位置情報を送信する間隔は10秒に限らず、例えば1秒であってもよく、任意である。また、所定の周期で送信することに限られるものではなく、例えば、ユーザ(端末装置20)が前回送信した位置情報から所定の距離以上移動したタイミングで位置情報を送信してもよい。また、管理装置100は、マスク情報テーブル180(図5参照)に記憶されていない端末装置20(端末識別子)の位置情報をユーザ位置情報テーブル190に記憶してもよい。つまり、ユーザ位置情報テーブル190は、マスク着用状態情報を取得した端末装置20の位置情報と、マスク着用状態情報を取得していない端末装置20の位置情報の両方の位置情報を記憶してよい。
管理装置100の制御部130の収集部140は、端末装置20からユーザ位置情報を受信した場合、ユーザ位置情報テーブル190に新規レコードを追加する。収集部140は、各テーブルのレコード数が所定の数、例えば1万、を超える場合は受信日時が古いレコードから順に削除してもよい。または、収集部140は、ユーザ位置情報テーブル190の容量が所定の値、例えば1TB、を超えた場合に受信日時が古いレコードから順に削除してもよい。または、収集部140は、受信日時が現在時刻と比較して所定の時間、例えば1か月、を超えているレコードを削除してもよい。なお、本図では説明のため、ユーザ位置情報テーブル190は受信日時の降順で示している。また、本図では説明のため、ユーザ位置情報テーブル190を端末装置20ごとに分ける構成としたが、すべての端末装置20のユーザ位置情報をひとつのユーザ位置情報テーブル190に記録する構成としてもよい。
図27は、実施形態7にかかる情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。管理装置100の制御部130は、所定のタイミングで、例えば1分毎に情報提供処理を実行する。情報提供処理は、マスクを着用している可能性の低いユーザの近傍に存在しているユーザに対して注意喚起情報を送信する処理となる。情報提供処理は、「リスク低減処理」あるいは「感染リスク低減処理」とも呼ばれる。なお、以下では、「マスクを着用している可能性の低い」という用語は、マスクを着用していないことだけでなく、マスクの着用レベルが所定レベル未満であることを含んでよい。例えば、着用スコアが所定値未満であることを含んでよい。また、「マスクを着用している可能性の低いユーザ」は、「マスク未着用ユーザ」と呼ばれることがあるが、「マスク未着用ユーザ」は、マスクを着用していないユーザだけでなく、例えばマスクで口と鼻を完全に覆っていない等、マスクの着用レベルが所定レベル未満のユーザを含んでよい。すなわち、マスク未着用ユーザは、マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさないユーザである。
まず、S200において、管理装置100の制御部130の特定部150は、計時部120から現在時刻CTを取得する。その後、特定部150は、処理をS210に進める。
S210において、特定部150は、記憶部170のマスク情報テーブル180を参照し、マスク情報テーブル180に記録されているマスク情報の中から、所定条件を満たすレコードをレコードReとして抽出する。例えば、特定部150は、端末識別子ごとに最新の着用スコアが所定の値S(しきい値S)以下であるレコードをレコードReとして抽出する。所定の値Sは、例えば「60」にすればよいが、もちろんこの値に限定されるものではない。あるいは、特定部150は、端末識別子ごとに最新の着用スコアが所定の値S以下であり、かつ最新の受信時刻が現在時刻CTから所定の期間DT1、例えば5分、以内であるレコードをレコードReとしてもよい。すなわち、レコードReは、直近の時点においてマスクを着用している可能性の低いユーザの情報となる。また、レコードReは、周囲へ感染させるリスクの高いユーザに関する情報であるともいえる。その後、特定部150は、処理をS220に進める。
S220において、特定部150は、レコードReをもとに、位置情報リストPを作成する。位置情報リストPは、レコードReの端末識別子と、その端末装置20の位置情報とを関連付けて記憶する。具体的には、特定部150は、以下のいずれかの方法で位置情報リストPを作成する。第1の方法は、レコードReの位置情報をそのまま位置情報リストPに入れる方法である。この方法は、簡易ではあるが、マスク情報テーブル180にデータが記録されてから時間が経過していると、感染リスクの高いユーザ(の端末装置20)の位置が変化していて誤差が生じる可能性がある。第2の方法は、レコードReの端末識別子を抽出し、ユーザ位置情報テーブル190において、その端末識別子に一致する最新の位置情報を特定し、その位置情報を位置情報リストPに入れる方法である。この方法は、周囲に感染させるリスクの高いユーザの位置情報をより高い精度で特定できる。すなわち、位置情報リストPはマスクを着用している可能性の低いユーザが存在している位置情報のリストとなる。位置情報リストPに記録される端末装置20(端末識別子)の数は任意であり、1つである場合もあれば、複数である場合もある。また、S210におけるレコードReの抽出条件に合致する端末装置20が存在しない場合には、位置情報リストPは空(NULL)になる。その後、特定部150は、処理をS230に進める。
S230において、特定部150は、高リスクエリアマップを作成する。
ここで、図28は、実施形態7にかかる高リスクエリアマップの構成例を示す図である。高リスクエリアマップでは、位置情報リストPに記録されている位置情報、すなわちマスク未着用ユーザが存在する位置から距離Rの領域が高リスクエリアHAとして設定される。距離Rは、例えば2メートルに設定されてよいが、もちろんこれに限定されるものではなく、3メートルや5メートル等に設定されてもよい。つまり、距離Rは、唾液等の飛沫やくしゃみ等により周囲にウイルスを感染させるリスクのある距離で設定されればよい。なお、図28では高リスクエリアHAを半径Rの円形領域で示したが、マスクを着用している可能性の低いユーザが存在する位置情報を中心とする矩形領域で構成してもよい。
また、制御部130の特定部150は、その日の気温や湿度に応じて、距離Rを設定してもよい。例えば、気温が低く、湿度が低い環境では、ウイルスが活性化しやすく、飛沫も遠くまで飛びやすいため、特定部150は、距離Rを長く設定する。一方、気温が高く、湿度が高い環境では、特定部150は、距離Rを短く設定する。また、特定部150は、風向きや風速に応じて、高リスクエリアHAを設定してもよい。具体的には、ウイルスが飛散し易い風下方向の高リスクエリアHAをより広く設定してもよい。例えば、東から西に流れる風が吹いている地域において、位置情報リストPに記録されている位置(基準位置)を基準にして、その東側よりも西側(風下方向)の高リスクエリアHAを広く設定してもよい。この場合、高リスクエリアHAは円形や矩形ではなくてもよく、基準位置よりも西側に中心があり、南北方向よりも東西方向が長い楕円形等であってもよい。つまり、高リスクエリアは任意の形状であってよい。また、風速に応じて高リスクエリアHAを設定してもよい。例えば、風速が所定条件を満たす場合に、高リスクエリアHAを通常よりも広く設定してもよい。その所定条件としては、ウイルスが飛散し易く、かつある程度一定箇所に留まり易い風速の範囲を用いるとよい。すなわち、特定部150は、気象条件に応じて、高リスクエリアHAを設定してもよい。
また、特定部150は、単位面積あたりの端末装置20の数、すなわち端末密度(以下では、人口密度とも呼ぶ)に応じて、距離Rを設定してもよい。例えば、人口密度が高い場合には、後述する注意喚起情報の量が多くなり過ぎて、ユーザが混乱したり、ユーザが注意を払わなくなることを防止するために、距離Rを短くする。一方、人口密度が低い場合には、注意喚起の量が多くなり過ぎる懸念が少ないため、距離Rを長くする。このように、気象条件や人口密度などの周囲の環境に応じて高リスクエリアHAの範囲(大きさや形状)を変更することで、ウイルス感染のリスクのある範囲を適切に設定できる。なお、特定部150は、S230で設定した高リスクエリアHAの情報を位置情報リストPに記憶してもよいし、記憶部170に他のデータとして記憶してもよい。例えば、特定部150は、端末識別子と位置情報と高リスクエリアHAの範囲などの情報とを関連付けて、位置情報リストPに記憶してもよい。
図27に戻り、説明を続ける。特定部150は、S230を実行後、処理をS240に進める。
S240において、特定部150は、記憶部170のユーザ位置情報テーブル190を参照し、所定の条件を満たすレコードをレコードRcとして抽出する。例えば、特定部150は、端末識別子ごとの最新のレコードをレコードRcとする。あるいは、特定部150は、端末装置20ごとの最新のレコードであり、かつ受信時刻が現在時刻CTから所定の期間DT2、例えば1分、以内のレコードをレコードRcとする。その後、特定部150は、処理をS250に進める。
S250において、特定部150は、レコードRcおよび位置情報リストPを参照し、レコードRcの位置情報が高リスクエリアマップの高リスクエリアHAとして設定されている領域内に入るレコードの端末識別子を端末装置リストTへ記録し、端末装置リストTを作成する。すなわち、端末装置リストTには、直近でマスクを着用している可能性の低いユーザの近傍に存在するユーザの情報が記録される。
ここで図29は、実施形態7にかかる端末装置リストTのデータ構造の一例を示す図である。例えば端末装置リストTは、高リスクエリアHAのエリア識別子と、高リスクエリアHAを形成する元となった第1の端末装置20の端末識別子である「第1の端末識別子」と、第1の端末装置のユーザの着用スコアと、高リスクエリアHAの距離Rと、高リスクエリアHA内に位置する他の端末装置20の端末識別子である「第2の端末識別子」とを対応付けている。なお、第1の端末識別子と着用スコアと距離Rの各フィールドは、省略することも可能である。また本図には示していないが、端末装置リストTはさらに、各高リスクエリアHAの形状、大きさ、領域を規定する位置情報(緯度、経度)などを含んでいてよい。
ここで、特定部150は、第1の端末装置20とは異なる端末装置20を、第2の端末装置20とし、その端末識別子を第2の端末識別子として、端末装置リストTに記録する。例えば、端末装置「UE001」の着用スコアが所定の基準より低い場合、端末装置「UE001」の位置を中心にして高リスクエリア「HA001」が形成される。高リスクエリア「HA001」に端末装置「UE002」と端末装置「UE003」が位置する場合、特定部150は、端末装置「UE002」と「UE003」を、端末装置リストTに記録する。また、特定部150は、端末装置リストTの第2の端末識別子の対象として、着用スコアが所定の基準よりも低い端末装置20を含めてもよいし、除外してもよい。上述の例において、例えば、端末装置「UE002」の着用スコアも所定の基準より低い場合、高リスクエリア「HA001」の他に、端末装置「UE002」の位置を中心にして高リスクエリア「HA002」が形成される。このような場合、特定部150は、高リスクエリア「HA001」に関して、端末装置「UE002」を第2の端末識別子に入れてもよいし、除外してもよい。図29に示す例では、高リスクエリア「HA001」の第2の端末識別子に、高リスクエリア「HA002」の第1の端末識別子である「UE002」が含まれていることから分かるように、着用スコアが所定の基準よりも低い端末装置20を第2の端末識別子に含めている。このように、特定部150が端末装置「UE002」を第2の端末識別子に入れた場合、着用スコアが低い「UE002」に対しても、後述する注意喚起情報が通知される。
着用スコアが低いユーザは、他のユーザにウイルスを感染させるリスクが高いと同時に、自身がウイルス感染するリスクも高い。このため、ウイルス感染拡大を防止する観点、特に短期的にウイルス感染拡大を防止する観点からは、着用スコアが低いユーザ(端末装置20)および着用スコアが不明なユーザ(マスク情報を送信しない端末装置20)についても、第2の端末識別子の対象とし、注意喚起情報が通知されるようにすることが望ましい。すなわち、なるべく多くの端末装置20を第2の端末識別子の対象とすることが望ましい。一方、着用スコアが低い端末装置20を第2の端末識別子の対象から除外し、着用スコアが高いユーザのみが注意喚起情報を得られるようにしてもよい。このようにすると、注意喚起情報を得たいがために、ユーザがマスク着用を徹底する効果が期待できる。また、マスク情報(マスク着用状態情報)を送信しない端末装置20を第2の端末識別子の対象から除外し、マスク情報を送信したユーザのみが注意喚起情報を得られるようにしてもよい。また、マスク情報を頻繁に(所定の頻度以上で)送信する端末装置20のみを第2の端末識別子の対象としてもよい。このようにすると、注意喚起情報を得たいがために、ユーザが積極的にマスク情報を送信する効果が期待できる。つまり、注意喚起情報が、ユーザにとってマスク着用のインセンティブあるいはマスク情報提供のインセンティブになり得る。そして、ユーザのマスク着用状況が向上することにより、中長期的には、ウイルス感染拡大防止が期待できる。このため、ユーザにマスク着用を徹底させたり、マスク着用率を向上させる観点からは、着用スコアが低いユーザ(端末装置20)およびマスク情報を提供しないユーザについては、第2の端末識別子の対象外とし、注意喚起情報が通知されないようにすることが望ましい。すなわち、その時々のウイルス感染状況や感染予防支援システム1により優先的に得たい効果に応じて、特定部150は、第2の端末識別子の対象となる端末装置20を設定(決定)すればよい。
図27に戻り、説明を続ける。特定部150は、S250を実行後、処理をS260に進める。S260において、特定部150は、注意喚起情報を生成し、端末装置リストTに記録されている第2の端末識別子の端末装置20に対して、通信部110を介して注意喚起情報を送信する。すなわち、特定部150は、高リスクエリアHAに位置する第2の端末装置20に対して、注意喚起情報を送信する。注意喚起情報には、端末装置20(第2の端末装置20)が感染リスクの高い場所に位置していることを示す情報が含まれている。その後、特定部150は、処理を終了する。
端末装置20は、管理装置100から注意喚起情報を受信した場合、表示部22に注意喚起情報を表示する。図30は、実施形態7にかかる端末装置20における表示の一例を示す図である。本図には、表示部22に表示される注意喚起情報の構成例が示される。本図に示す例のように、「あなたの近くにマスクを着用していない人が居ます」等の端末装置20のユーザが感染リスクの高い場所にいることを示す情報が注意喚起情報に含まれている。またさらに、「感染防止の為、速やかに移動してください」等のユーザに移動を促す情報が含まれていてもよい。なお、端末装置20は、注意喚起情報を受信した場合、音声出力部24から音声による注意喚起情報を出力してもよい。また、注意喚起情報には、マスク着用の可能性が低いユーザが存在する方向や距離に関する情報が含まれていてもよい。例えば、端末装置20は、「あなたの進行方向の右側3メートルの位置にマスクを着用していない人がいます」、あるいは「あなたの位置の北側2メートルにマスクを着用していない人がいます」といった情報を表示したり、音声出力してもよい。また、注意喚起情報を出力する端末装置20(第2の端末装置20)は、マスク未着用ユーザ(第1の端末装置20)との距離に応じて、注意喚起情報の出力形態を変えてもよい。例えば、第2の端末装置20は、第1の端末装置20との距離が相対的に長い(遠い)場合には、「ポーン」といった報知音とともに、注意喚起情報を表示する。つまり、第2の端末装置20は、両者の距離が遠い場合には、注意喚起の必要性(緊急性)がそれほど高くはないので、音声出力はせずに画面表示にとどめる。また、第2の端末装置20は、第1の端末装置20との距離が中程度である場合には、注意喚起情報を表示するとともに、注意喚起情報を、音声合成等を用いて音声出力する。つまり、第2の端末装置20は、両者の距離が中程度である場合、注意喚起の必要性が高いので、音声出力と画面表示を両方用いる。また、第2の端末装置20は、第1の端末装置20との距離が相対的に短い(近い)場合には、注意喚起情報を表示するとともに、振動を発生させる。つまり、第2の端末装置20は、両者の距離が近い場合には、注意喚起の必要性が非常に高いが、一方でマスク未着用ユーザに注意喚起情報が聞こえる可能性があるため、音声出力をせずに、振動出力をする。このように両者の距離に応じて出力形態を変えることにより、注意喚起情報を確実にユーザに伝達できるとともに、マスク未着用ユーザに対して、注意喚起情報が出力されていることを不必要に伝達しないため、ユーザ同士のトラブルを予防できる。また、第1の端末装置20と第2の端末装置20との距離に応じて、表示部22に表示される注意喚起情報の表示形態(文字の大きさ、文字の色、文字の装飾など)を変えてもよい。例えば、特定部150は、両者の距離が短いほど、文字を大きくしたり、文字を目立つ色にしたり、文字を太いフォントにした注意喚起情報を生成してもよい。また、端末装置20の制御部28が、両者の距離に応じて、注意喚起情報の表示形態を決定してもよい。
また、特定部150あるいは端末装置20の制御部28は、マスク着用状態情報に応じて、注意喚起情報の表示形態と出力形態の少なくとも一方を変えてもよい。例えば、特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが低いほど、文字を大きくしたり、文字を目立つ色にしたり、文字を太くする注意喚起情報を生成してもよい。つまり、特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが低いほど、第2の端末装置20のユーザの注意をより強く引くように強調度の高い注意喚起情報を生成してもよい。また特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが低いほど、注意喚起情報の報知手段が増えるように注意喚起情報を生成してもよい。例えば、特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが40以上60未満である場合に、端末装置20の表示部22に表示させる「表示注意喚起情報」を生成してよい。そして特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが20以上40未満である場合に、表示注意喚起情報に加えて、端末装置20に振動を出力させる「振動注意喚起情報」を生成してよい。そして特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアが20未満である場合に、表示注意喚起情報および振動注意喚起情報に加えて、端末装置20に音声を出力させる「音声注意喚起情報」を生成してもよい。また、特定部150は、第2の端末装置20の着用スコアを取得できる場合は、第2の端末装置20の着用スコアに応じて、注意喚起情報の表示形態および出力形態の少なくとも一方を変えてもよい。例えば、端末装置20の着用スコアが低いほど、強調度の高い表示形態となるようにしたり、報知手段の数が多くなるようにしてもよい。また、第1の端末装置20の着用スコアと第2の端末装置20の着用スコアの両方を用いて、注意喚起情報の表示形態および出力形態の少なくとも一方を変えてもよい。また特定部150は、第1の端末装置20の着用スコアと第2の端末装置20の着用スコアの少なくとも一方と、第1の端末装置20と第2の端末装置20との距離の両方を用いて、注意喚起情報の表示形態および出力形態の少なくとも一方を変えてもよい。例えば、着用スコアが低いほど、かつ両者の距離が近いほど、強調度の高い表示形態となるようにしたり、報知手段の数が多くなるようにしてもよい。また、このような表示形態および出力形態を変える処理は、端末装置20の制御部28が行ってもよい。例えば、特定部150は、通信部110を介して、第2の端末装置20に注意喚起情報を送信する際に、第1の端末装置20の着用スコアと第2の端末装置20の着用スコアをそれに含めて送信する。それらを受信した第2の端末装置20の制御部28は、第1の端末装置20および第2の端末装置20のうちの少なくとも一方の着用スコアをもとに、注意喚起情報の表示形態および出力形態の少なくとも一方を変えてもよい。
本実施形態7によれば、マスクを着用している可能性の低いユーザの位置情報を特定する事により、近傍に存在している端末装置20のユーザへ、感染リスクを下げるために役立つ注意喚起情報を提示する事が可能となる。これにより、個々の端末装置20のユーザに対して、ウイルスに感染する可能性を低減させる事が可能となる。マスクを着用している可能性の低いユーザの特定は、端末装置20のユーザが顔認証を行う際の情報を用いるため、複雑で高価なシステムは不要である。これにより、不特定の場所における人々のマスク着用状態情報を容易に取得できるため、不特定の場所において注意喚起情報を容易に生成し、提供できる。
またユーザは顔認証を行うための通常の操作を行うだけでよく、特別な操作が必要ないので、ユーザの負担が非常に少ない。また一般的に、ユーザはUIのロック状態を解除するために頻繁に顔認証を行うため、ユーザのマスク着用状態情報を頻繁に、かつ自然な形で取得することができる。
なお、管理装置100が通知対象からマスク未着用ユーザを除いた場合には、マスクを着用しているユーザに対しては注意喚起情報という特典が与えられることとなる。したがって、ユーザに対してマスクの着用へのインセンティブを与えることができる。また、管理装置100が通知対象からマスク情報を提供しないユーザを除いた場合には、マスク情報を提供するユーザに対しては注意喚起情報という特典が与えられることとなる。したがって、ユーザに対してマスク情報を提供することへのインセンティブを与えることができる。
<実施形態7の第1変形例>
なお、上述の実施形態7においては、管理装置100の制御部130の特定部150が、周囲の環境に応じて、高リスクエリアHAの範囲や形状、例えば距離Rを設定してよいとした。しかしこれに代えて又は加えて、特定部150は、マスク未着用ユーザ(第1の端末装置20のユーザ)のマスク着用状態情報(例えば、着用スコア)に応じて、そのマスク未着用ユーザの端末装置20の位置から形成される高リスクエリアHAの範囲を変動させてもよい。
具体的には、実施形態7の図27のS210において、特定部150は、着用スコアの所定の値Sを「60」と設定し、S230において高リスクエリアマップを作成する際、着用スコアに応じて高リスクエリアHAの距離Rの値を設定してよい。例えば、ユーザがマスクで口を覆っているが鼻を覆っていない不完全状態(レベル2)を着用スコア「50」とする場合、特定部150は、着用スコア「50」のユーザ(第1の端末装置20)の位置から形成される高リスクエリアHAの距離Rを「1メートル」に設定する。また、マスクを耳にかけているが、あごの下にかけており、口と鼻を覆っていない実質的不着用状態(レベル3)を着用スコア「30」とする場合、特定部150は、着用スコア「30」のユーザの位置から形成される高リスクエリアの距離Rを「2メートル」に設定する。また、顔画像からマスクが一切検出されない形式的不着用(不所持)状態(レベル4)の着用スコアを「0」とする場合、特定部150は、着用スコア「0」の場合のユーザの位置から形成される高リスクエリアの距離Rを「3メートル」に設定する。そして特定部150は、端末装置リストTに、エリア識別子ごとに、設定した距離Rを記録してよい。
このように、特定部150は、ユーザのマスクの着用レベルに基づいて距離Rを設定し、第1の端末装置20の位置から距離Rの範囲内に位置する第2の端末装置20を特定する。なお、高リスクエリアを半径Rの円形領域に設定するのは、あくまでも一例であり、高リスクエリアHAの形状は任意であってよい。そして、特定部150は、ユーザのマスク着用レベルに基づいて高リスクエリアHAの範囲を設定してよい。つまり、ユーザのマスク着用レベルが低いほど、高リスクエリアHAの範囲を広く設定してよい。またさらに特定部150は、ユーザのマスク着用レベルおよび周囲の環境に基づいて、高リスクエリアHAを設定してよい。例えば、ユーザのマスク着用レベルおよび気象条件に基づいて、高リスクエリアHAの範囲(形状および大きさ)を設定してよい。また、ユーザのマスク着用レベルおよび人口密度に基づいて、高リスクエリアHAを設定してもよい。すなわち、特定部150は、気象条件、人口密度、ユーザのマスク着用状態情報のうちの少なくとも1つに基づいて、第1の端末装置20の位置を基準にした所定の範囲を高リスクエリアHAとして設定してよい。本変形例によれば、ユーザのマスクの着用レベルに応じて個別に高リスクエリアHAを設定する事が可能となり、管理装置100が正確な注意喚起情報を通知する事が可能となる。
<実施形態7の第2変形例>
なお、特定部150は、マスク未着用ユーザが、ウイルス感染のために実施した対策に応じて、情報提供処理(感染リスク低減処理)を変更してもよい。ウイルス感染のための対策とは、マスク着用以外の対策を指し、例えば検査又はワクチンの接種の少なくともいずれかであってよい。検査とは、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)検査、抗原検査等であってよい。
例えば端末装置20のユーザは、ウイルス感染対策を実施したことを示す対策情報を、事前に管理装置100に対して送信する。対策情報には、対策の種別及び対策実施日が含まれていてよい。対策の種別は「検査」または「ワクチン接種」のいずれかである。例えば、対策の種別が検査である場合、対策実施日とは、検査日である。また例えば、対策の種別が「ワクチン接種」である場合、対策実施日とは、ワクチン接種が完了した日、あるいはワクチンが有効である期間の最初の日である。また対策の種別が「検査」である場合には、検査結果が対策情報に含まれている。また対策の種別が「ワクチン接種」である場合には、ワクチンの有効期間が対策情報に含まれている。管理装置100は、端末識別子と、対策情報とを対応付ける対策テーブル(不図示)を記憶部170に記憶しており、端末装置20から対策情報を受信した場合、対策テーブルに端末識別子と対策情報とを記録する。そして制御部130は、実施形態7の図27に示すフローチャートの処理を実行する際に、対策テーブルを参照し、対策情報に応じて処理を変える。具体的には、以下の少なくとも1つの処理を行う。
(対策情報を用いた処理1)
S210において、特定部150は、レコードReを抽出する際に、対策テーブルからマスク情報テーブル180の端末識別子に対応する最新の対策情報を取得し、その対策情報が有効であるか否かに応じて、しきい値Sの値を変更する。対策情報が有効であるとは、対策種別が「検査」である場合は、検査結果が「陰性」であり、かつ検査日から処理時点までに所定日数(所定時間)以上経過していないという条件を満たすことである。また、対策種別が「ワクチン接種」である場合は、処理時点がワクチンの有効期間に含まれるという条件を満たすことである。特定部150は、対策情報が有効である場合に、通常(対策情報が無効である場合あるいは対策情報が存在しない場合)に比べて、しきい値を小さな(低い)値に設定する。これにより、対策情報が有効であるユーザは、着用スコアが低くてもレコードReとして抽出されにくくなる。また、対策情報が有効である場合に、しきい値Sを「0」にしてもよい。これにより、対策情報が有効であるユーザがマスクを全く着用していない場合であっても、レコードReが抽出されなくなる。
(対策情報を用いた処理2)
S230において、特定部150は、高リスクエリアマップを作成する際、対策テーブルから位置情報リストPに含まれる端末識別子に対応する最新の対策情報を取得し、その対策情報が有効であるか否かに応じて、高リスクエリアHAの範囲を変える。例えば、対策情報が有効である場合、通常(対策情報が無効である場合あるいは対策情報が存在しない場合)に比べて、高リスクエリアHAを規定する距離Rの値を小さく設定する。これにより、高リスクエリアHAに含まれる第2の端末装置20の数を減らすことができる。また、対策情報が有効である場合に、距離Rを「0」にしてもよい。これにより、対策情報が有効であるユーザがマスクを全く着用していない場合であっても、高リスクエリアHAに含まれる第2の端末装置20が存在しなくなる。また、特定部150は、端末装置リストTに、エリア識別子ごとに、対応する距離Rを記録してもよい。またS250において、特定部150は、レコードRcの位置情報を参照し、位置情報が高リスクエリアマップの高リスクエリアHA内に入るレコードの端末識別子を、端末装置リストTの第2の端末識別子へ記録する。
このように、特定部150は、ユーザが実施したウイルス感染対策に基づいて個別に高リスクエリアHAの範囲を設定し、高リスクエリアHAの範囲内に位置する第2の端末装置20を特定する。これにより、管理装置100は、より適切な注意喚起情報を通知する事が可能となる。
<実施形態7の第3変形例>
上述の実施形態7では、図27のS250においては、端末装置20の位置情報が高リスクエリアマップの高リスクエリアHA内に入っている場合、端末識別子が端末装置リストTの第2の端末識別子に記録される。ここで、端末装置20のユーザの近傍にマスク未着用ユーザが複数存在し、端末装置20の位置情報が複数の高リスクエリアHA内に入っている場合、端末装置リストTの第2の端末識別子には同一の端末識別子が複数回記録される。すなわち、端末装置リストTの第2の端末識別子に複数回記録されている端末装置20のユーザは、近傍にマスク未着用ユーザが複数存在しており、ウイルスの感染リスクが非常に高い状態であると言える。なお、端末装置リストTの第2の端末識別子に複数回記録されるとは、端末装置リストTにおいて、エリア識別子が異なる複数のレコードの「第2の端末識別子」フィールドに、同一の端末識別子が記録されることを指す。
そこで、本変形例では、管理装置100は、端末装置20へ送信する注意喚起情報の注意喚起レベルを、端末装置リストTの第2の端末識別子への記録回数に応じて、段階的に変更する。以下では、注意喚起レベルを、単にレベルと呼ぶことがある。
具体的には、管理装置100の制御部130の特定部150は、図27のS260において、端末装置リストTの第2の端末識別子フィールドに記録される端末識別子の各々について、重複数、つまり同一の端末識別子が記録されているレコード数に応じて、注意喚起情報のレベルを設定する。そして特定部150は、端末装置20に通信部110を介して注意喚起情報を送信する場合、設定したレベルをその端末装置20に通知する。
例えば、特定部150は、端末識別子の重複数が「3」の端末装置20については、レベル「3」を、通信部110を介して送信する。また特定部150は、端末識別子の重複数が「2」の端末装置20については、レベル「2」を、通信部110を介して送信する。また特定部150は、端末識別子の重複数が「1」の端末装置20については、レベル「1」を、通信部110を介して送信する。このように、重複数と同じレベルを用いてもよいが、重複数とレベルが異なっていてもよい。例えば、重複数が「2」から「4」の範囲にある場合に、レベル「2」としてもよい。なお、特定部150は、注意喚起情報にレベルの情報を含ませて、通信部110を介して端末装置20に送信してよい。
端末装置20は注意喚起レベルに応じて、ユーザへ通知する注意喚起情報を変化させる。例えば、受信した注意喚起レベルに応じて、図30で示す注意喚起情報のメッセージを変更してもよい。例えば、レベル「1」の場合に「感染防止の為、移動することを推奨します」といったメッセージを表示し、レベル「2」の場合に「感染防止の為、大至急移動してください!」といったメッセージを表示してもよい。また注意喚起レベルに応じて、注意喚起情報の表示形態を変更してもよい。例えば、レベルが高いほど、文字フォントを大きくしたり、赤色等のより目立つ表示色を用いたり、画面の点滅の周期を速くして表示してもよい。つまり、レベルが高いほど、ユーザの注意を強く引くように、強調表示の程度を強くするとよい。また注意喚起レベルに応じて、注意喚起情報の出力形態を変えてもよい。例えば、注意喚起レベルが高い場合、表示部22のメッセージを表示することに加えて、音声出力部24から音声により注意喚起情報を出力したり、あるいはバイブレーション機能により端末装置20本体を振動させてもよい。
なお、上述の説明では、特定部150は、第2の端末装置20に通信部110を介して注意喚起情報を送信する場合、設定したレベルの情報を送信するものとした。しかし、特定部150は、これに代えて、設定したレベルに応じた注意喚起情報を生成し、第2の端末装置20に通信部110を介して、生成した注意喚起情報を送信してもよい。例えば、特定部150は、端末識別子の重複数が「3」の端末装置20については、レベル「3」に応じた注意喚起情報を、通信部110を介して送信する。また特定部150は、端末識別子の重複数が「2」の端末装置20については、レベル「2」に応じた注意喚起情報を、通信部110を介して送信する。また特定部150は、端末識別子の重複数が「1」の端末装置20については、レベル「1」に応じた注意喚起情報を、通信部110を介して送信する。すなわち、特定部150は、上述した端末装置20における処理と同様に、注意喚起レベルに応じて、注意喚起情報のメッセージを変更したり、注意喚起情報の表示形態を変更してもよい。この場合は、端末装置20は、受信した注意喚起情報を、変化させずにそのまま出力してよい。
このように、管理装置100の特定部150は、第2の端末装置20が位置する高リスクエリアHAの数に応じて、注意喚起レベルの異なる注意喚起情報を、通信部110を介して第2の端末装置20に送信する。これにより、ウイルスの感染リスクのレベルに応じて、ユーザごとに適切な注意喚起情報を提示する事が可能となる。
なお、特定部150は、端末装置リストTに含まれる第1の端末装置20(第1の端末識別子)と、注意喚起情報を出力する第2の端末装置20(第2の端末識別子)との距離に応じて、レベルを設定してもよい。例えば、特定部150は、両者の距離が1メートル未満であれば、レベル「3」とし、1メートル以上2メートル未満であれば、レベル「2」とし、2メートル以上3メートル未満であれば、レベル「1」としてもよい。つまり、管理装置100の特定部150は、第1の端末装置20と第2の端末装置20との間の距離に応じて、注意喚起レベルの異なる注意喚起情報を、通信部110を介して第2の端末装置20に送信してよい。この場合も、ウイルス感染リスクのレベルに応じて、ユーザごとに適切な注意喚起情報を提示する事が可能となる。
<実施形態8>
次に、実施形態8について説明する。実施形態8は、上述した実施形態7の変形例である。実施形態7では、管理装置100は、端末装置20のユーザの直近のマスク情報、およびユーザ位置情報をもとに、マスク未着用ユーザの近傍に存在するユーザへ注意喚起情報を通知した。これに対して本実施形態8では、ユーザの移動履歴から、ユーザがマスク未着用ユーザに接近することが予想される場合に、そのユーザの端末装置20に注意喚起情報を送信する。
ここで、本実施形態8にかかる管理装置100の情報提供処理の詳細を説明する。管理装置100の制御部130の特定部150は、所定のタイミングで、例えば10秒毎に情報提供処理を実行する。情報提供処理は、マスク未着用ユーザに接近する対象ユーザが存在した場合、対象ユーザに対して、予測される移動地点においてウイルス感染の可能性が高い旨の情報を含む注意喚起情報を送信する処理となる。
図31は、実施形態8にかかる情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。本図のS300からS330に示す処理は、図27のS200からS230と同様の処理である。S340において、特定部150は、記憶部170のユーザ位置情報テーブル190を参照し、テーブル内の端末装置(端末識別子)の中から、未処理の任意の端末装置(端末識別子)を端末装置Xとして選出する。なお、端末装置Xを「処理対象の端末装置20」と呼ぶこともある。次に、ユーザ位置情報テーブル190の位置情報の履歴から、端末装置Xが移動する位置情報を予測する。具体的には、端末装置Xの位置情報の履歴の差分から、端末装置Xの移動方向及び移動速度を推定し、端末装置Xが所定時間後に移動する位置(移動地点)を予測する。その後、特定部150は、処理をS350に進める。S350において、特定部150は、端末装置Xが移動すると予測される位置情報が高リスクエリアHAに入るか否かを判定する。S340とS350の処理を合わせて、「高リスクエリアHAへの侵入予測処理」あるいは「侵入予測処理」と呼ばれることがある。
図32は、実施形態8にかかる高リスクエリアHAへの侵入予測処理の一例を説明するための図である。図32に示すように、位置情報(N303、E303)に位置していた端末装置Xは、10秒後、高リスクエリアHAにより近い位置情報(N302、E302)に位置している。さらに10秒後、端末装置Xは、位置情報(N302、E302)よりも高リスクエリアHAに近い位置情報(N301、E301)に位置している。つまり、本図では、端末装置Xが、高リスクエリアHAに接近中である様子を示している。ここで、特定部150は、端末装置Xの位置情報の履歴の差分から、所定時間経過後の端末装置Xの位置情報を予測する。なお、この所定時間として複数の時間を設定してもよい。例えば、所定時間として「5秒」、「10秒」、「15秒」、「20秒」といった時間を用いて、各々の所定時間経過後の位置情報を予測してもよい。あるいは、所定時間を「30秒」として設定し、その所定時間が経過するまで「1秒」ごとに位置情報を予測してもよい。そして、特定部150は、予測した位置情報に基づいて、端末装置Xが所定時間以内に高リスクエリアHAに入るか否かを判定する。図32に示すように、端末装置Xが高リスクエリアHAに入ると予測される場合(S350:YES)は、特定部150は、処理をS360に進める。一方、端末装置Xが高リスクエリアHAに入らない予測される場合(S350:NO)は、特定部150は、処理をS370に進める。
なお、図32では高リスクエリアHAを静止しているものとして扱っているが、特定部150は、高リスクエリアHAを動的なもの(移動するもの)として扱い、高リスクエリアHAへの侵入予測処理を行ってもよい。
図33は、高リスクエリアHAを動的なものとして扱う場合の侵入予測処理の一例を説明するための図である。図33に示すように、特定部150は、高リスクエリアHAを形成した第1の端末装置20の位置情報の履歴を、ユーザ位置情報テーブル190から取得する。そして特定部150は、第1の端末装置20の位置情報の履歴から、第1の端末装置20の所定時間経過後の位置を予測し、予測した高リスクエリアHA、すなわち未来の高リスクエリアHAに端末装置Xが所定時間以内に入るか否かを判定する。なお本図は、現在時刻から所定時間以内に、端末装置Xが高リスクエリアHAに入ると予測される様子を示している。つまり、特定部150は、高リスクエリアHAと端末装置X(のユーザ)の双方について、今後の位置を予測し、予測した位置情報もとに端末装置Xの今後のリスクを予測してもよい。
図31に戻り、説明を続ける。S360において、特定部150は、端末装置Xの端末識別子Xを端末装置リストTの第2の端末識別子に記録する。その後、特定部150は、処理をS370に進める。
S370において、特定部150は、記憶部170のユーザ位置情報テーブル190内の全ての端末装置20の位置情報を予測したか否かを判定する。つまり、未処理の端末装置20が存在するか否かを判定する。全ての端末装置20の位置情報を予測した場合(S370:YES)は、特定部150は、処理をS380に進める。全ての端末装置の位置情報を予測していない場合(S370:NO)は、特定部150は、処理をS340に戻し、S340以降の処理を繰り返す。
S380において、特定部150は、端末装置リストTの第2の端末識別子に記録されている端末装置20へ注意喚起情報を、通信部110を介して送信する。その後、特定部150は、処理を終了する。
なお上述の説明では、高リスクエリアHAへの侵入予測処理は、少なくとも端末装置Xの移動履歴に基づいていたが、端末装置Xに代えて第1の端末装置20の移動履歴に基づいて実行されてもよい。この場合、端末装置Xは静止し、高リスクエリアHAのみが移動するものとして扱われる。
端末装置20は管理装置100から注意喚起情報を受信した場合、表示部22に注意喚起情報を表示する。
図34は、実施形態8にかかる端末装置20における表示の一例であり、表示部22に表示される注意喚起情報の構成例を示す。なお、端末装置20は注意喚起情報を受信した場合、音声出力部24から音声による注意喚起情報を出力してもよい。なお、マスク未着用ユーザまでの距離や、高リスクエリアHAに侵入するまでの時間に関する情報を注意喚起情報に含めてもよい。例えば、端末装置20は、「あなたの進行方向の20メートル先にマスクを着用していない人がいます」、「このまま進むと15秒後にマスクを着用していない人と遭遇します」、「10秒後に右斜め前から来るマスクを着用していない人と交差します」といった情報を表示したり、音声出力してもよい。
このように、管理装置100の制御部130の特定部150は、第1の端末装置20及び端末装置Xの少なくとも一方の移動履歴に基づいて、端末装置Xが所定時間以内に高リスクエリアHAに位置するか否かを予測する。そして特定部150は、端末装置Xが高リスクエリアHAに入ることを予測した場合、端末装置Xを第2の端末装置20として特定する。そして特定部150は、通信部110を介して第2の端末装置20に注意喚起情報の通知を行う。これにより、事前にマスク未着用ユーザへ接近する事態を回避する事が可能となる。したがって、端末装置20のユーザがウイルスに感染するというリスクを低減する事が可能となる。
<実施形態9>
次に実施形態9について説明する。実施形態9は、実施形態7の変形例である。上述の実施形態7では、管理装置100は、図30に示すように、ユーザに現在位置が高リスクであることを示す情報を提供した。また上述の実施形態8では、管理装置100は、図34に示すように、ユーザに現在の移動方向を変更することを促す情報を提供した。しかしながら、ユーザに提供する情報はこれらに限定されない。本実施形態9においては、管理装置100は、ユーザに感染リスクの少ない安全な経路(ルート)の情報を提供する。具体的には、端末装置20および管理装置が100は、以下の処理を行ってよい。
まず、ユーザは端末装置20を操作して出発地と目的地を指定する。例えば、ユーザは地図上の任意の地点を指定してもよいし、駅名や施設名を入力してもよい。また、端末装置20の現在の位置を出発地としてもよい。また、端末装置20または管理装置100が、端末装置20の日常的な位置情報からユーザの行動パターンを解析し、ユーザの自宅、職場、友人宅、よく行く店などを認識し、ユーザの現在の位置と合わせて目的地を推測してもよい。端末装置20(経路案内情報を要求する端末装置20)は、出発地および目的地の情報を管理装置100に送信する。管理装置100は、地図データベース等を参照し、ユーザの指定した出発地および目的地の位置情報(緯度、経度)を特定し、記憶部170に記憶する。記憶部170は、端末識別子ごとに端末装置20の目的地(緯度、経度)を記憶する。
管理装置100は、実施形態4の処理と同様な処理を実行し、出発地から目的地に至る感染リスクの少ないルートを決定する。具体的には、図31のフローチャートのS330を実行した後に、S340ではなくS390(不図示)を実行する。S390において、特定部150は、実施形態4で説明したマスク着用率マップデータの代わりに、S330で作成した高リスクエリアマップを用いて、同様の処理を実行し、経路案内情報を作成する。具体的には、出発地から目的地に至る複数(N個)の経路候補を生成し、各々の経路候補について、式(7)を用いて、指標Sを算出し、指標Sが最も小さな経路を最適経路として選択する。
式(7)において、S[i](i=1~N)はi番目の経路の指標Sであり、D[i]はi番目の経路の距離である。また、H[i,x]は、i番目の経路の地点xが高リスクエリアHAに含まれるか否かに応じて値が変わる関数である。例えば、i番目の経路の地点xが高リスクエリアHAに含まれる場合は、H[i,x]は正の定数(例えば、「1」)となり、i番目の経路の地点xが高リスクエリアHAに含まれない場合は、H[i,x]は「0」となる。あるいは、i番目の経路の地点xが高リスクエリアHAに含まれる場合に、第1の端末装置20の着用スコアが低いほど、大きな正の値になり、i番目の経路の地点xが高リスクエリアHAに含まれない場合に「0」となるような特性の関数H[i,x]を用いてもよい。つまり、i番目の経路の地点xのマスク着用状態情報が良好であるほど、関数H[i,x]の値が小さくなるように設定してもよい。また、α、βは正の値の所定の係数(重み係数)である。式(7)の第2項は、i番目の経路の地点xにおける関数H[i,x]の値を経路に沿って積分(線積分)することを示している。すなわち式(7)によれば、各経路候補の距離が短いほど、かつ経路上のマスク着用状態情報が良好であるほど、指標Sの値が小さく(低く)なる。このため、特定部150は、指標Sの最も小さな経路を最適な経路として選択すればよい。すなわち、なるべく距離が短く、かつなるべく高リスクエリアHAに含まれない経路を優先的に選択する。また、αとβの値(バランス)を変えることにより、距離をどの程度重視し、着用スコアをどの程度重視するかのバランスを任意に調整することができる。つまり、経路の性質(特性)を調整することができる。なお、端末装置20の表示部22にαとβを指定するための操作画面を表示し、端末装置20のユーザにαとβを指定させてもよい。また、式(7)において、経路の距離D[i]の代わりに、経路の所要時間(移動時間)を用いてもよい。すなわち、経路の所要時間が短いほど、かつ経路上のマスク着用状態情報が良好であるほど、指標Sの値が小さくなるようにしてもよい。次に特定部150は、S390からS391(不図示)に処理を進める。S391において、特定部150は、S390で作成したルートを示す経路案内情報を、通信部110を介して経路情報を要求した端末装置20に送信する。
このように、管理装置100の制御部130の特定部150は、端末装置20から取得した出発地情報及び目的地情報と、高リスクエリアHAの位置情報とに基づいて、経路案内情報を生成する。そして、特定部150は、その端末装置20に対して、経路案内情報を、通信部110を介して送信する。S391を実行した後、特定部150は、処理を終了する。
経路案内情報を受信した端末装置20は、図35に示す経路案内画面(ナビ画面)を表示部に表示する。図35は、実施形態9にかかる端末装置20における表示の一例を示す図であり、経路案内画面の構成例を示している。本図において、出発地から目的地までのウイルス感染リスクの低い最適な経路が、点線で示されている。ユーザは、このような画面を閲覧することにより、感染リスクが少なく、かつ目的地に効率的に到達するルートを容易に把握することができる。これにより、個々のユーザの感染リスクを低減することができる。なお上述の高リスクエリアHAに含まれない地点を優先的に選択して経路を導出する処理を、管理装置100の制御部130の特定部150に代えて、端末装置20の制御部28が実行してもよい。
<実施形態10>
次に、実施形態10について説明する。実施形態10は、上述の実施形態7の変形例である。ここで上述の実施形態7では、管理装置100は、端末装置20のユーザの直近のマスク情報、およびユーザ位置情報から、マスク未着用ユーザの近傍に存在するユーザの端末装置20に注意喚起情報を通知した。一方、本実施形態10では、マスク未着用ユーザの近傍に他のユーザが存在している場合、マスク未着用ユーザの端末装置20に、マスクの着用を促す旨のマスク着用励行情報を送信する。なお本実施形態10では、すべての端末装置20がユーザ位置情報を管理装置100に送信するものとする。また、少なくとも一部の端末装置20がマスク情報を管理装置100に送信するものとする。
次に、本実施形態10の情報提供処理の詳細を説明する。管理装置100の制御部130の特定部150は、所定のタイミングで、例えば1分毎に情報提供処理を実行する。本実施形態10における情報提供処理は、マスク未着用ユーザに接近する他ユーザが存在した場合、マスク未着用ユーザにマスクの着用を促す処理となる。本実施形態10における情報提供処理は、「マスク着用励行処理」とも呼ばれる。
図36は、実施形態10にかかる情報提供処理手順の一例を示すフローチャートである。まずS400において、管理装置100の制御部130の特定部150は、計時部120から現在時刻CTを取得する。その後、特定部150は、処理をS410に進める。
S410において、特定部150は、記憶部170のユーザ位置情報テーブル190を参照し、端末識別子ごとに最新のレコードをレコードRcとして抽出する。すなわち、レコードRcは、すべてのユーザの直近の位置情報となる。なお、特定部150は、端末識別子ごとの最新のレコードであり、かつ受信時刻が現在時刻CTと比較して所定の期間DT2(例えば10秒)以内のレコードを、レコードRcとして抽出してもよい。その後、特定部150は、処理をS420に進める。
S420において、特定部150は、記憶部170のマスク情報テーブル180を参照し、マスク情報テーブル180に記録されているマスク情報の中から、所定条件を満たすレコードをレコードReとして抽出する。例えば、特定部150は、端末識別子ごとの最新の着用スコアが所定の値S以下であるレコードをレコードReとして抽出してよい。すなわち、レコードReは、マスク未着用ユーザに関する情報である。あるいは、特定部150は、受信時刻が現在時刻CTと比較して所定の期間DT1(例えば1分)以内であり、かつ着用スコアが所定の値S以下であるレコードをレコードReとして抽出してもよい。所定の値Sは、例えば「60」とすればよいが、もちろんこの値に限定されるものではない。その後、特定部150は、処理をS430に進める。
S430において、特定部150は、S410で抽出したレコードRcをもとに、ユーザエリアマップを作成する。ユーザエリアマップは、各ユーザ(各端末装置20)の位置を基準にした所定の範囲(領域)であるユーザエリアUAを示す情報である。図37は、実施形態10にかかるユーザエリアマップの構成例を示す図である。ユーザエリアマップでは、レコードRcに記録されている位置情報、すなわちすべてのユーザが存在する位置から予め定められた距離R、例えば半径2メートルがユーザエリアUAとして設定される。なお、図37では、ユーザエリアUAを円形領域で示したが、ユーザが存在する位置情報を中心とする矩形領域で構成してもよい。つまり、ユーザエリアUAは、ユーザの位置を基準にした任意の形状および任意の大きさの領域であってよい。また、気象条件や人口密度(端末密度)などの周囲の状況に応じて、ユーザエリアUAの形状および大きさを決定してもよい。なお図37では、マスク未着用のユーザAとユーザBを図に示しているが、これはS440およびS450の処理を説明するためのものであり、S430においてマスク未着用ユーザを特定する必要はない。図36に戻り、説明を続ける。特定部150は、S430を実行後、処理をS440に進める。
S440において、特定部150は、S420で抽出したレコードReと、S430で作成したユーザエリアマップをもとに、端末装置リストTを作成する。具体的には、レコードReの中から、レコードReの位置情報がユーザエリアマップのユーザエリアUAに入っているレコード(励行対象レコード)を特定し、励行対象レコードの端末識別子(励行対象端末識別子)を端末装置リストTへ記録する。ただし、特定部150は、レコードReの端末識別子と、ユーザエリアUAを形成する端末装置20の端末識別子とが異なる場合に、端末装置リストTに記録する。端末装置リストTとしては、例えば図29に示すデータ形式を用いることができる。その場合、励行対象端末識別子を端末装置リストTの第1の端末識別子に記録し、励行対象端末識別の近く(所定距離R以内)に存在する他の端末識別子(他のユーザエリアUAを形成する端末識別子)を端末装置リストTの第2の端末識別子に記録する。また、励行端末識別子の着用スコアと距離Rを端末装置リストTに記録してもよい。また距離Rの代わりに、励行端末識別子の端末装置20と、他の端末装置20との距離を記録してもよい。ただし、本実施形態10においては、着用スコアと、距離Rと、第2の端末識別子を端末装置リストTに記録せずに省略することも可能である。すなわち、端末装置リストTには、直近で他のユーザに接近している状態でありながら、マスクを着用している可能性の低いユーザの端末識別子(第1の端末識別子)が少なくとも記録される。その後、特定部150は、処理をS450に進める。
S450において、特定部150は、端末装置リストTの第1の端末識別子に記録されている端末装置20に、マスク着用励行情報を送信する。その後、特定部150は、処理を終了する。
図37で示したユーザエリアマップの例では、レコードReとして抽出されたマスク未着用ユーザを、ユーザA及びユーザBとして示している。それ以外のユーザは、マスク着用ユーザ(着用スコアが所定値Sより大きいユーザ)、あるいはマスク着用状態が不明なユーザ(着用スコアが存在しないユーザ)である。図37で示したユーザエリアマップにおいては、マスク未着用ユーザAは、他のユーザのユーザエリアUA内に位置するため、つまり他のユーザに接近している状態であるため、S440で、マスク未着用ユーザAの端末装置20の端末識別子が端末装置リストTの第1の端末識別子に記録される。一方、マスク未着用ユーザBは、他のユーザのユーザエリアUA内に位置していないため、つまり他のユーザに接近していない状態であるため、S440において、マスク未着用ユーザBの端末装置20の端末識別子は、端末装置リストTの第1の端末識別子に記録されない。このため、S450においてマスク未着用ユーザAの端末装置20は、マスク着用励行情報の送信対象となるが、マスク未着用ユーザBの端末装置20は、マスク着用励行情報の送信対象にはならない。このような処理により、管理装置100は、マスク着用励行情報を、感染拡大防止の観点から必要性及び実効性の高いユーザに対して適切に送信することができる。一方で、管理装置100は、必要性が高くないユーザに対して、マスク着用励行情報を送信しないため、ユーザを必要以上に刺激する、つまり、ユーザの気分を不必要に害することを防止できる。また、管理装置100は、必要性の高いユーザを選択してマスク着用励行情報を送信するので、全てのユーザに一律にマスク着用励行情報を送信するのに比べて、ユーザの納得性が高くなり、ユーザが指示に従ってマスクを着用する可能性を高めることができる。
そして端末装置20は、管理装置100からマスク着用励行情報を受信した場合、表示部22にマスク着用励行情報を表示する。図38は、実施形態10にかかる端末装置20における表示の一例を示す図であり、マスク着用励行情報の構成例を示す。例えば、端末装置20は、「あなたの近くに人がいます。感染防止の為、マスクをきちんと着用してください」といった情報を表示したり、音声出力してよい。
なお、マスク未着用ユーザがマスクを所持していない可能性を想定し、管理装置100の記憶部170には、マスクを販売しているドラッグストアやコンビニエンスストア等の店舗の位置情報が記録されるテーブルが記憶されていてもよい。管理装置100の制御部130の特定部150は、マスク着用励行情報を送信する際、マスク未着用ユーザが存在している位置情報から所定距離以内の店舗、例えば最寄りの店舗、に関する情報も送信してよい。
この場合、端末装置20は、ユーザへマスク着用励行情報を通知すると伴に、マスクを購入可能な店舗の情報、例えば地図情報などを表示、あるいはマスクを購入可能な店舗へのナビゲーションを行ってよい。また管理装置100の制御部130は、マスク着用励行情報に、マスク購入時に使用できる割引クーポンやポイントを含めて、通信部110を介してマスク未着用ユーザの端末装置20に送信してもよい。また、管理装置100の制御部130は、店舗においてマスク着用励行情報を店員に提示した上でマスクを購入したユーザに対して、通常のポイントより高いボーナスポイントを付与してもよい。このような処理を行うことにより、「マスク着用励行情報」という注意を受けたことに対するユーザの反感を緩和し、ユーザの納得性を高めて、ユーザのマスク着用を促進することができる。
このように実施形態10によれば、管理装置100の制御部130の特定部150は、マスク未着用ユーザの第1の端末装置20と、他の端末装置20との距離が所定値(しきい値)以内であるか否かを判定する。そして第1の端末装置20と他の端末装置20との距離が所定値以内である場合、通信部110を介して、第1の端末装置20に対してマスク着用励行情報の通知を行う。これにより、管理装置100は、マスク未着用ユーザの近傍に他のユーザが存在している場合、マスク未着用ユーザの端末装置20(第1の端末装置20)に対してマスクの着用を促す情報を提示する事が可能となる。したがって、管理装置100は、個々の端末装置20のユーザがウイルスに感染する可能性を低減する事が可能となる。なお、第1の端末装置20と他の端末装置20との距離の近さを判定するしきい値を、着用スコアをもとに設定してもよい。例えば、第1の端末装置20の着用スコアが低いほど、しきい値を大きな値にしてもよい。また例えば、他の端末装置20の着用スコアが取得できる場合に、その着用スコアが低いほど、しきい値を大きな値にしてもよい。また例えば、他の端末装置20の着用スコアが取得できない場合(不明な場合)に、他の端末装置20の着用スコアが取得でき、かつその着用スコアが高い場合に比べて、しきい値を大きな値にしてもよい。
以上の実施形態1~10のように、感染予防支援システム1における管理装置10,100は、不特定の場所の人々のマスク着用状態の情報を取得し、感染リスクを下げるために役立つ情報を生成し提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば管理装置10,100は、各端末装置20のUIの起動状態を監視する監視部を備えてよい。この場合、管理装置10,100の監視部(不図示)は、端末装置20に対して、所定の間隔ごとにUIの起動状態(ロック状態)を問合せ、起動している場合(ロックが解除されている場合)に直近の顔認証用の顔画像に基づくマスク着用状態と、位置情報とを送信するように要求してよい。また、管理装置10,100の制御部13,130が監視部として機能してもよい。
また上述の実施形態では、顔認証用の顔画像を用いてマスク着用状態を判定したが、これに限られるものではない。例えば、端末装置20においてビデオ通話(テレビ電話)が行われる際に、ビデオ通話用の顔画像をもとにマスク着用状態を判定してもよい。また例えば、スマートフォン等のインカメラ(自撮り用カメラ)で撮影された画像をもとにマスク着用状態を判定してもよい。管理装置10,100の制御部13,130(監視部)は、端末装置20に対して、所定の間隔ごとに、ビデオ通話の使用状況、あるいは自撮り用カメラ使用状況を問合せ、それらが使用された場合には、直近の顔画像に基づくマスク着用状態と、位置情報とを送信するように要求してよい。あるいは、直近で撮影された顔画像データと位置情報とを送信するように要求してよい。また端末装置20は、ビデオ通話あるいは自撮り用カメラが使用されたことを契機(トリガー)として、そのために撮影された顔画像を管理装置10に送信してもよい。
また上述の実施形態1~6を任意に組み合わせてもよい。例えば、実施形態1の変形例と、実施形態2と、実施形態3とを組み合わせてもよい。また、実施形態2と実施形態6とを組み合わせてもよい。また、実施形態4と実施形態5を組み合わせてもよい。この場合、経路案内情報を作成する際に、出発地および目的地の他に、ユーザに出発日時を指定させる。制御部13は、それらの情報をもとに到着日時を予測する。さらに制御部13は、出発日時から到着日時までの期間(将来の時点)において、各エリアや各施設における将来のマスク着用率を算出する。制御部13は、将来の時点においてマスク着用率と高いと予測され、かつ移動距離が短い(あるいは移動時間が短い)経路を優先的に選択する。また同様に、実施形態4と実施形態6を組み合わせてもよい。このような組み合わせにより、将来の時点において感染者数が少ないと予測され、かつ移動距離が短い(あるいは移動時間が短い)経路を優先的に選択し、ユーザに提示することができる。
また上述の実施形態7~10を任意に組み合わせてもよい。例えば、実施形態7の第1~3変形例の少なくとも1つと、実施形態8とを組み合わせてもよい。また、実施形態8と実施形態9とを組み合わせてもよい。この場合、経路案内情報を作成する際に、出発地および目的地の他に、ユーザに出発日時を指定させる。制御部130は、それらの情報をもとに到着日時を予測する。さらに制御部130は、出発日時から到着日時までの期間(将来の時点)において、高リスクエリアHAの位置を予測する。制御部130は、将来の時点において高リスクエリアHAから所定距離以上離れた地点を経由し、かつ移動距離が短い(あるいは移動時間が短い)経路を優先的に選択する。このような組み合わせにより、将来の時点において高リスクエリアHAを回避でき、かつ移動距離が短い(あるいは移動時間が短い)経路を優先的に選択し、ユーザに提示することができる。
なお上述の実施形態1~6の少なくとも1つと、実施形態7~10の少なくとも1つとを任意に組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上述の実施形態ではコンピュータは、パーソナルコンピュータ等を含むコンピュータシステムで構成される。しかしこれに限らず、コンピュータは、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)のサーバ、コンピュータ(パソコン)通信のホスト、インターネット上に接続されたコンピュータシステム等によって構成されることも可能である。また、ネットワーク上の各機器に機能分散させ、ネットワーク全体でコンピュータを構成することも可能である。また、複数のコンピュータに異なる機能を実行させる分散処理システムや、複数のコンピュータに同一の機能を並行して実行させる並列処理システムを用いて各実施形態の管理装置10を構築してもよい。
また上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記A1)
複数の端末装置の各々について、端末装置のユーザのマスク着用状態の情報と、端末装置の位置情報とを収集する収集部と、
収集した前記マスク着用状態の情報と、収集した前記位置情報とに基づいて、対象エリアのマスクの着用状況を示す指標を生成する指標生成部と、
前記指標に関連する情報を出力する出力部と
を備え、
前記マスク着用状態の情報は、前記端末装置により撮影されたユーザ認証用の顔画像に基づいて生成される
情報処理装置。
(付記A2)
前記ユーザ認証用の顔画像は、前記端末装置のユーザインターフェースのロック状態を解除するために撮影される
付記A1に記載の情報処理装置。
(付記A3)
前記収集部は、ユーザのマスク着用状態を数値化したスコアを前記マスク着用状態の情報として収集し、
前記指標生成部は、前記位置情報が前記対象エリアに含まれる端末装置を対象端末とし、前記対象端末における前記スコアが所定のしきい値以上である端末装置の割合、または前記対象端末の前記スコアの代表値、を前記指標として生成する
付記A1またはA2に記載の情報処理装置。
(付記A4)
前記指標は、マスク着用率、または着用状態を類型化した各着用レベルの割合、を示す 付記A1からA3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A5)
前記収集部は、
前記複数の端末装置の各々について、その端末装置から顔画像のデータを受信し、
前記複数の端末装置の各々について、その端末装置から受信した顔画像に基づいてその端末装置のユーザの前記マスク着用状態の情報を生成する生成部を有する
付記A1からA4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A6)
前記収集部は、前記複数の端末装置の各々について、その端末装置から、前記マスク着用状態の情報として、その端末装置のユーザの顔認証スコア情報を取得する
付記A1からA4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A7)
前記出力部は、前記端末装置に対して、前記指標に関連する情報を送信する
付記A1からA6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A8)
前記指標生成部は、前記端末装置の現在の位置情報、または前記現在の位置情報に基づいて予測される所定時間経過後の位置情報、または前記端末装置から指定された位置情報に基づいて、前記対象エリアに含まれる端末装置を特定し、特定した前記端末装置の前記マスク着用状態の情報をもとに、前記指標を生成する
付記A1からA7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A9)
前記指標生成部は、
前記端末装置から取得した出発地情報および目的地情報に基づいて前記対象エリアを決定し、
前記出発地情報と前記目的地情報と前記対象エリアの前記指標とに基づいて、出発地から目的地までの経路を示す経路案内情報を生成し、
前記出力部は、前記端末装置に対して前記経路案内情報を送信する
付記A1からA8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A10)
前記指標生成部は、現時点までに収集された前記マスク着用状態の情報に基づいて、対象エリアの現時点以降のマスクの着用状況を示す指標を予測し、
前記出力部は、予測した前記指標に関連する情報を出力する
付記A1からA9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A11)
前記指標生成部は、現時点までに収集された前記マスク着用状態の情報に基づいて、現時点以降の感染症感染者数を予測し、
前記出力部は、予測した前記感染症感染者数の情報を出力する
付記A1からA10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記A12)
複数の端末装置と、
情報処理装置と
を備え、
前記複数の端末装置の各々は、ユーザ認証用の顔画像を撮影し、
前記情報処理装置は、
複数の端末装置の各々について、前記顔画像から検出された端末装置のユーザのマスク着用状態の情報と、端末装置の位置情報とを収集する収集部と、
収集した前記マスク着用状態の情報と、収集した前記位置情報とに基づいて、対象エリアのマスクの着用状況を示す指標を生成する指標生成部と、
前記指標に関連する情報を出力する出力部と
を備える
感染予防支援システム。
(付記A13)
前記端末装置は、ユーザインターフェースのロック状態を解除するアンロック処理を実行したことに応じて、前記顔画像を撮影する
付記A12に記載の感染予防支援システム。
(付記A14)
コンピュータに、
複数の端末装置の各々について、端末装置のユーザのマスク着用状態の情報と、端末装置の位置情報とを収集する収集処理と、
収集した前記マスク着用状態の情報と、収集した前記位置情報とに基づいて、対象エリアのマスクの着用状況を示す指標を生成する指標生成処理と、
前記指標に関連する情報を出力する出力処理と
を実行させるためのプログラムであって、
前記マスク着用状態は、前記端末装置により撮影されたユーザ認証用の顔画像に基づいて生成される
プログラム。
(付記B1)
第1の端末装置のユーザのマスク着用状態の情報と、前記第1の端末装置の位置情報とを収集する収集部と、
前記収集部で収集した前記マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさない場合、前記第1の端末装置の位置を基準とした所定の範囲内に位置する端末装置または前記所定の範囲内に入ると予想される端末装置を、第2の端末装置として特定する特定部と、
前記第2の端末装置に対して通知を行う通信部と
を備え、
前記マスク着用状態の情報は、前記第1の端末装置により撮影されたユーザ認証用の顔画像に基づいて生成される
情報処理装置。
(付記B2)
前記特定部は、気象条件、人口密度及び前記ユーザのマスクの着用状態の情報の少なくとも1つに基づいて前記所定の範囲を設定し、前記所定の範囲内に位置する第2の端末装置を特定する
付記B1に記載の情報処理装置。
(付記B3)
前記通信部は、前記第2の端末装置に対して、前記第2の端末装置が感染リスクの高い場所に位置することを示す注意喚起情報を送信する
付記B1またはB2に記載の情報処理装置。
(付記B4)
前記特定部は、前記所定の基準を満たさないマスク着用状態の情報を送信した複数の前記第1の端末装置の各々について、該第1の端末装置の位置から所定距離の範囲を、高リスクエリアとして特定し、
前記通信部は、前記第2の端末装置が位置する高リスクエリアの数に応じて、異なる注意喚起情報を、前記第2の端末装置に送信する
付記B1からB3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記B5)
前記特定部は、前記収集部で収集した前記マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさない場合、前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置の少なくとも一方の移動履歴に基づいて、前記第2の端末装置が、所定時間以内に、前記第1の端末装置の位置から所定距離以内の範囲である高リスクエリア内に位置すると予測し、
前記通信部は、前記第2の端末装置に通知を行う
付記B1からB4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記B6)
前記特定部は、前記収集部で収集した前記マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさない場合、前記第1の端末装置の位置から、所定距離以内の範囲を、高リスクエリアとして特定し、
他の端末装置から取得した出発地情報及び目的地情報と、前記高リスクエリアの位置情報とに基づいて、出発地から目的地までの経路を示す経路案内情報を生成し、
前記通信部は、前記他の端末装置に対して、前記経路案内情報を送信する
付記B1からB5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記B7)
前記特定部は、前記収集部で収集した前記マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさない場合、前記第1の端末装置が、他の端末装置の位置から所定距離以内の範囲に位置するか否かを判定し、
前記通信部は、前記特定部が真と判定した場合、前記第1の端末装置に対して通知を行う
付記B1からB6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記B8)
コンピュータに、
第1の端末装置のユーザのマスク着用状態の情報と、前記第1の端末装置の位置情報とを収集する収集処理と、
前記マスク着用状態の情報が所定の基準を満たさない場合、前記第1の端末装置の位置を基準にした所定の範囲内に位置する端末装置または前記所定の範囲内に入ると予想される端末装置を、第2の端末装置として特定する特定処理と、
前記第2の端末装置に対して通知を行う通信処理と
を実行させるためのプログラムであって、
前記マスク着用状態の情報は、前記第1の端末装置により撮影されたユーザ認証用の顔画像に基づいて生成される
プログラム。