JP7779663B2 - カカオ組成物を含有するチーズ又はチーズ様食品 - Google Patents
カカオ組成物を含有するチーズ又はチーズ様食品Info
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Description
[1] 以下の(a)~(d)のいずれかのカカオ組成物を含有する、チーズ又はチーズ様食品:
(a)粒度分布が10μm~1.5mmの範囲内にあり、未破砕カカオ細胞を含有するカカオ組成物、
(b)油分あたりのフリーファット含有率が60重量%以下であるカカオ組成物、
(c)カカオ豆細胞中の未破砕カカオ豆細胞が30%以上であるカカオ組成物、
(d)破断強度が3kgf以下である、未破砕カカオ豆細胞を含有するカカオ組成物。
[2] ポリフェノール含有量が0.05重量%以上である、1に記載のチーズ又はチーズ様食品。
[3] ポリフェノール含有量が0.3重量%以上である、1又は2に記載のチーズ又はチーズ様食品。
[4] プロシアニジン含有量が0.015重量%以上である、1~3のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
[5] 原料中のカカオ組成物の配合量が1~20%である、1~4のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
[6] プロセスチーズ、又はチーズ用食品である、1~5のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
[7] カマンベールチーズである、1~5のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
(a)粒度分布が10μm~1.5mmの範囲内にあり、未破砕カカオ細胞を含有するカカオ組成物
(b)油分あたりのフリーファット含有率が60重量%以下であるカカオ組成物
(c)カカオ豆細胞中の未破砕カカオ豆細胞が30%以上であるカカオ組成物
(d)破断強度が3kgf以下である、未破砕カカオ豆細胞を含有するカカオ組成物
なお本発明に関し、食品に含有される成分や素材の量を割合(%、又は部)で表す場合は、特に記載した場合を除き、重量(質量)に基づいている。
本発明に関し、チーズというときは、特に記載した場合を除き、「ナチュラルチーズ、プロセスチーズ及びチーズフードの表示に関する公正競争規約」(昭和46年4月9日公正取引委員会告示第27号)で定められているナチュラルチーズ、プロセスチーズをいう。また、本発明に関し、チーズ様食品というときは、特に記載した場合を除き、以下の1)又は2)をいう:
1)上記の規約で定められているチーズフード;
2)乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令ということもある。)(昭和26年12月27日厚生省令第52号)で定められている、乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品(乳等)に該当し、かつ、ナチュラルチーズ及びプロセスチーズの少なくとも一種類を含む食品。
(主な特徴)
チーズ又はチーズ様食品に用いられるカカオ組成物は、カカオ豆を原料として加工された素材であり、以下の特徴を有する:
1)未破砕カカオ豆細胞を含有する。
2)粒度分布が10μm~1.5mmである。
あるいは、以下の特徴を有する。
3)油分含有量に対するフリーファット含有量の重量比率が60%以下である。なお本発明に関し、組成物等について含有される成分の割合又は率をいうときは、特に記載した場合を除き、重量に基づく。
あるいは、以下の特徴を有する。
4)カカオ豆細胞中の未破砕細胞の個数比率が30%以上である。
あるいは、以下の特徴を有する。
1)未破砕カカオ豆細胞を含有する。
5)破断強度が3kgf以下である。
なお、カカオ組成物には、ホールの生カカオ豆は含まれない。ホールの生カカオ豆の例としては、天然のカカオ豆自体、発酵したカカオ豆自体が挙げられる。またカカオ組成物には既存のカカオニブは含まれない。カカオニブとは、カカオ豆からシェルが除去されたものであり、水分存在下で加熱されていないものである。ただし、カカオニブは、一般的なチョコレート及びココア製造で慣用されている加熱殺菌処理及び又はロースト処理されたものを含む。カカオニブには、前記のものの破砕物も含む。
カカオ豆は、カカオ(Theobroma cacao)の種子を指し、カカオ組成物の原料となるカカオ豆の品種や産地は、特に制限されない。カカオ品種の例として、フォラステロ種、クリオロ種、トリニタリオ種、これらの派生種、交配種が挙げられる。産地の例として、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、ブラジル、ベネズエラ、トリニダード・トバゴが挙げられる。
カカオ組成物は、カカオ豆の破砕物であるということができる。カカオ豆の破砕は、後述するように得られる組成物が未破砕カカオ豆細胞を含有すれば、サイズに制限はない。カカオ豆細胞のサイズは様々であるが、最小径は約10μmであるから、カカオ組成物は、約10μm以上の粒子を含みうる。前記粒子とは、カカオ豆細胞そのもの、又はカカオ豆細胞の集合体をいう。前記カカオ豆細胞の集合体には、カカオ豆細胞が分離されず接着した組織の状態で残存している形態や、カカオ豆細胞が分離された後に凝集された形態も含まれる。カカオ組成物の粒度分布は、例えば10μm~1.5mmであり、好ましくは10μm~1.2mmであり、より好ましくは10μm~1mmである。
カカオ組成物は、未破砕のカカオ豆細胞を含有する。未破砕とは、細胞膜が破砕されていないことをいう。対象となる組成物に未破砕カカオ豆細胞が含有されているかどうかは、マイクロスコープ等を用いた観察により、細胞膜に囲まれた細胞の存在が確認できるか否かにより判断できる。またカカオ豆細胞が未破砕であれば、脂質及びタンパク質が細胞内にとどまっていることから、未破砕のカカオ豆細胞が含有されているかどうかは、タンパク質と脂質とをそれぞれ染色し、観察してタンパク質と脂質の所在が同じであるか否かにより判断できる。
(1) サンプル0.03gに2mlの水を加えて撹拌し、さらに0.5mlの0.01%メチレンブルー溶液を加えて、撹拌した後、スライドガラスに滴下し、カバーガラスを載せて顕微鏡で観察する(倍率:450倍)。
(2) 観察像、又はそれを撮影した画像から、必要に応じ画像解析ソフトを用いて、サンプルのエリア面積(A)と破砕細胞数(B)を求める。破砕細胞数は、エリアに含まれる破砕されている細胞を目視により選択してカウントすることにより得られる。
(3) 未破砕細胞を半径10μmの円として、一つの未破砕細胞の面積(C)を算出する(10×10×3.14=314μm2)。
(4) エリア面積(A)を一つの未破砕細胞の面積(C)で除して全細胞数(D)を算出する。
(5) カカオ豆細胞中の未破砕細胞の割合(%)は、以下の式により算出する。このとき、全細胞数(D)が100~300の範囲であるエリアを、5以上、好ましくは10以上用いて、各々について以下の式で値を算出し、得られた値を平均してそのサンプルのカカオ豆細胞中の未破砕細胞の割合とすることができる。
カカオ組成物は、油分あたりのフリーファット含有率が低い。チョコレート分野において、フリーファット(遊離油脂)とは、材料中に遊離状態で存在する油脂をいう。フリーファットは、チョコレートの流動性や粘度等に影響を与える。また、フリーファットを多く含む材料からは油がしみ出しやすいと考えられる。
(1) サンプル約5g(a)を50ml遠沈管に入れる
(2) n-ヘキサン25mlを加える
(3) 130回/分×3分間、振幅4cmで振とうする
(4) 3000rpm,4℃,10分間遠心分離
(5) 100ml三角フラスコの重量(b)を測定
(6) 上記(4)の上澄をろ紙上に移してろ過し、100ml三角フラスコでろ液を回収
(7) 窒素ガスを吹き付けてn-ヘキサンを蒸発させる
(8) 真空定温乾燥機にて、98℃、減圧下で4時間保持し、n-ヘキサンを蒸発させる
(9) デシケーター内で空冷後、三角フラスコの重量(c)を測定する
<y>油分あたりのフリーファット含有率(%)=<x>/a中の油分×100
<z>固形分あたりのフリーファット含有率(%)=<x>/(a-a中の水分)×100
カカオ組成物は、ポリフェノール含有量が高い。また、カカオ組成物は、プロシアニジン含有量が高い。加熱処理により、カカオ豆に内在するポリフェノールオキシダーゼが失活されているからである。
カカオ組成物は、後述するように水分存在下で加熱処理され、破断強度が一定の範囲値となるように軟化されていてもよい。カカオ組成物の破断強度は、例えば3kgf以下であり、2.87kgf以下であることが好ましく、2.49以下であることがより好ましく、2.46以下であることがさらに好ましく、2.28kgf以下であることがさらに好ましい。下限値は、上限値がいずれの場合であっても0.5kgf以上とすることができ、1.0kgf以上とすることが好ましく、1.42kgf以上とすることがより好ましく、1.69kgf以上であることがさらに好ましい。
減圧下、100℃、4時間以上乾燥させたサンプルを、レオメーターにより、直径3mm円柱状のプランジャーを用いて進入深度4.0mm、進入速度2cm/minで測定する。サンプルの温度は22~24℃とする。得られた測定値がばらつく場合は、適切なサンプル数に対して測定を行う。適切なサンプル数は、当業者であれば適宜決定できるが、例えば、一の組成物から50のサンプルを取り、50の測定値の平均値をその組成物の破断強度としてもよい。
カカオ組成物は、食品として許容される添加物を含んでいてもよい。そのような添加物の例は、甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤、乳化剤、安定剤等である。
カカオ組成物は、以下の工程を含む製造方法により製造することができる:
・原料カカオ豆を水分存在下で加熱処理し、加熱処理カカオ豆を得る工程、
・得られた加熱処理カカオ豆を破砕する工程。
また本発明は、フリーファット含有率の低い、組成物を得るのに適した、下記を含む製造方法を提供する:
・原料カカオ豆を水分存在下で加熱処理し、加熱処理カカオ豆を得る工程、あるいは、
・原料カカオ豆を細胞単位で分離が容易となるように加工する工程。
チーズ又はチーズ様食品は、原材料として、カカオ組成物を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができるが、原材料中のカカオ組成物の配合量は、好ましくは1~20%、より好ましくは3~15%、さらに好ましくは5~11%である。カカオ組成物の配合量がこの範囲より低い場合、食品を通常程度の量で摂取した場合に生理機能を得るのに十分な量のポリフェノールが摂取できるとは言い難い。また、この範囲より高い場合、原料を均一に混合することが困難となり、チーズ本来の風味が損なわれ、嗜好性が著しく低下することが想定される。
本発明により提供される、カカオ組成物を含むチーズ又はチーズ様食品は、カカオポリフェノールが豊富に含まれているにも関わらず、カカオポリフェノールを未破砕のカカオ細胞を含むカカオ組成物として含有するため、苦味、渋味が感じられにくいという利点がある。
配合原料中のポリフェノール含有量及びプロシアニジン含有量は、前述の、又は実施例の項中に記載の方法により測定できる。またチーズ又はチーズ様食品のミックス中のポリフェノール含有量及びプロシアニジン含有量は、配合した原材料中の含有量それぞれを合計することにより算出できる。なおポリフェノール含有量の測定方法(フォーリンチオカルト法)はOH基を定量する方法であるため、食品によってはポリフェノール以外の成分が測定される懸念がある。そのような懸念がある場合は、対照として目的の素材を含有しない食品を製造し、ベースとして差し引くことにより、目的の素材の配合によるポリフェノール含有量を適切に測定することができる。
チーズ又はチーズ様食品は、発明の効果を妨げない限り、形状や加工を様々にすることができる。例えば、形状は、スライスタイプ、キャンディータイプ、ブロックタイプ、スティックタイプ等が挙げられる。一方、加工は、他の原材料の添加、混合、被覆、及び燻製等が挙げられる。
チーズ又はチーズ様食品の好ましい例は、プロセスチーズ、及びナチュラルチーズである。ナチュラルチーズには、クリームチーズ、モッツァレラチーズ、クワルク、マスカルポーネ、フェタ、パスタフィラータチーズ、ストリングチーズ、カッテージチーズ等のフレッシュチーズ(非熟成系チーズ)と、カマンベール、ゴーダ、チェダー、パルメザン等の熟成型ナチュラルチーズとが含まれる。
本発明のチーズ又はチーズ様食品がプロセスチーズである場合、「ナチュラルチーズ、プロセスチーズ及びチーズフードの表示に関する公正競争規約」で定められているプロセスチーズと同様の方法で製造することができる。一例として、ナチュラルチーズを粉砕し、その他の原料と共に加熱混合し、成型する方法が挙げられる。カカオ組成物は、それ以外の材料を加熱混合した後に混合することができる。このようにすると未破砕のカカオ細胞が十分に維持され、好ましい。
生乳、脱脂乳、部分脱脂乳もしくはクリーム等を用いて原料乳を調製し、必要に応じて殺菌する。原料乳を加温し、乳酸菌及びレンネット(凝乳酵素)を加える。得られた凝乳からホエー(乳清)を除去し、チーズカードを得る。チーズカードをモールド(型)に投入し、成形する。成形したチーズカードに加塩処理を行い、チーズカードの表面に白カビを噴霧する。表面に白カビが噴霧されたチーズカードを、温度及び湿度が調整された熟成庫で熟成させる。熟成期間は、通常、1~4週間(例えば、2~3週間)である。カカオ組成物は、熟成後のチーズ表面にまぶすことができる。なお、前記のうち、一部工程を入れ替えて、乳酸菌及びレンネットにさらに白カビを加えた後、モールド成形、加塩処理、熟成させた後、熟成後のチーズ表面にまぶすことにより生産することもできる。
チーズ又はチーズ様食品には、カカオ豆加工品を含有している旨、その量が多い旨、ポリフェノール含有している旨、その量が多い旨、ポリフェノールにより期待できる効果を表示することができ、また特定の対象に対して当該食品の摂取を薦める旨を表示することができる。表示は、直接的に又は間接的にすることができ、直接的な表示の例は、製品自体、パッケージ、容器、ラベル、タグ等の有体物への記載であり、間接的な表示の例は、ウェブサイト、店頭、パンフレット、展示会、書籍、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、郵送物、電子メール、音声等の、場所又は手段による、広告・宣伝活動を含む。
カカオポッドから取り出したパルプ付きカカオ豆のパルプを除去し、乾燥させたカカオ豆を原料として、下記の方法で、未破砕カカオ細胞を含有する組成物(粉末状)を調製した。
(1) 鍋に、カカオ豆重量の5倍重量の水を入れ、沸騰させる。
(2) 前記(1)に原料のカカオ豆を入れて、1時間煮る。
(3) ザルにカカオ豆をあけて、水を切る。
手作業にて、カカオ豆からシェルを剥離する。
篩(32Me)にて、裏ごしする。
(1) 破砕工程により得られた破砕物を、減圧乾燥機にて乾燥させ(乾燥条件98℃、2時間)、水分3%以下の粉末カカオ豆破砕物を調製する。
(2) 前記粉末カカオ豆破砕物は、再度32Me篩を通過させて粉末化する。
配合原料中のポリフェノール含有量を、下記の「ポリフェノール含有量の測定方法」にしたがって測定した。配合原料中のプロシアニジン含有量を、下記の「プロシアニジン含有量の測定方法」にしたがって測定した。
(1) 遠沈管にサンプル各1gと温水(37~40℃)1mlを入れ、2分間ボルテックスで混合した。
37℃に温めておいた人工胃液(崩壊試験第1液、pH1.2(富士フイルム和光純薬株式会社)100mlにペプシン(富士フイルム和光純薬株式会社)107mgを混合して調製)を15ml加え、37℃、100rpmで60分振とうした。
(2) 2N NaHCO3を2ml投入し、中和した。
(3) 37℃に温めておいた人工腸液(崩壊試験第2液、pH6.8(富士フイルム和光純薬株式会社)100mlにパンクレアチン(富士フイルム和光純薬株式会社)0.5gを混合して調製)を20ml加え、37℃、100rpmで120分振とうした。
(4) 95℃で10分間加温した後、氷で冷却し、酵素を失活させた。
(5) 2ml取り出し、2N クエン酸を0.2ml投入し、酸性化したものを分析サンプルとした。
ポリフェノール含有量は、フォーリンチオカルト法で測定し、(-)-エピカテキン換算量として算出した。具体的には、全国チョコレート業公正取引協議会「チョコレート類のカカオポリフェノールに係る表示基準」別紙「カカオポリフェノール測定法」に記載された方法により測定し、算出した。
HPLCにて測定した。詳細には、カラムは、Deverosil-ODS-HG5(4.6mm×250mm、φ5μ、野村化学株式会社製)を使用した。溶離液は、A液とB液で構成され、A液は0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B液は0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル溶液を使用した。カラムへ通す溶離液の流速は0.8ml/分、グラジェントの条件は、溶離液全体に占めるB液の割合を、開始時点で10%、開始5分後で10%、開始35分後で25%、開始40分後で100%、開始45分後で100%とした。サンプルインジェクション量は10μLであり、エピカテキンを標準品として、各成分をエピカテキン当量で定量した。
各成分:カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB2、プロシアニジンB5、プロシアニジンC1、シンナムタンニンA2
1.ポリフェノール含有素材の配合率を揃えて調製したチーズ(プロセスチーズ)の比較
下表の配合で、プロセスチーズを製造した。
A(実施例):粉末状の未破砕カカオ細胞を含有する組成物(ポリフェノール含有量35mg/g、プロシアニジン含有量3.6mg/g)
B(比較例):ココアパウダー(油分12%、アルカリゼーション無し、ポリフェノール含有量52mg/g、プロシアニジン含有量4.8mg)
C(比較例):カカオエキスパウダー(特許6268333の方法により製造、ポリフェノール含有量169mg/g、プロシアニジン含有量89mg/g)
(1) チーズ、溶融塩、水を計量し、カップに入れた。
(2) 電子レンジ(500W、10~15秒)にて加熱した。
(3) 均一になるように撹拌した。
(4) 全体が均一になるまで(2)(3)を繰り返した。
(5) ポリフェノール含有素材を入れた。
(6) 再度、均一になるように撹拌した。
(7) 型に流し込んだ。
(8) 冷蔵庫にて一晩冷却した。
外観評価
表面(上部)の色の評価を行う為、色彩色差計CR-400/410(コニカミノルタ株式会社製)を用いて、色彩測定のL*a*b*表色系を選択して測定した。各サンプルの明度(L*値)を比較し、チーズらしい明るい色が維持できているか確認した。
カカオ原料未配合のチーズ(カカオ含量はチーズで代替)を同様の製法で作成し、それとの比較により専門パネル1名により評価した。
◎:カカオ原料未配合のチーズと同様の苦味である。
〇:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、若干苦味が感じられるが問題ない範囲であ る。
△:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、苦味が感じられるが、許容範囲の品質であ る。
×:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、明らかに苦く、許容範囲を超え、チーズとして違和感を覚える。
◎:カカオ原料未配合のチーズと同様の渋味である。
〇:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、若干渋味が感じられるが問題ない範囲であ る。
△:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、渋味が感じられるが、許容範囲の品質であ る。
×:カカオ原料未配合のチーズと比較すると、明らかに渋く、許容範囲を超え、チーズとして違和感を覚える。
結果を下表に示す。
(配合)
上述の「チーズ」の製法と同じとした。
外観評価、官能評価は、上述の「チーズ」と同じ基準で実施した。
先の試験で製造した「チーズB」(カカオポリフェノール含有素材として、ココアパウダーを5.3%配合)と、「チーズ様食品A」(カカオポリフェノール含有素材として、未破砕カカオ細胞を含有する組成物を10.3%配合)を比較評価した。
1:全く苦味/渋味を感じない
2:苦味/渋味を感じない
3:ほとんど苦味/渋味を感じない
4:どちらでもない
5:やや苦味/渋味を感じる
6:苦味/渋味を感じる
7:とても苦味/渋味を感じる
(1) 低温殺菌した後、加温した原料乳に乳酸菌スターター、レンネットを加えて、得られた凝乳からホエー(乳清)を除去し、チーズカードを得る。チーズカードをモールド(型)に投入して成形し、成形したチーズカードの表面に白カビを噴霧して接種し、型に詰める。
(2) 型から外し、表面に塩を振り、加塩する。
(3) 12℃で発酵し、白カビの成長を確認した後に、表面に未破砕カカオ細胞を含有する組成物をまぶし、フィルムでくるみ、カカオポリフェノールが強化されたカマンベールチーズを得る。
下記を準備・製造した。
(カカオ豆原料A)
カカオポッドから取り出したパルプ付きカカオ豆を、原料Aとして、以下で用いた。
カカオポッドから取り出したパルプ付きカカオ豆のパルプを除去し、乾燥したものを、原料Bとして、以下で用いた。
従来の発酵、乾燥、ロースト、及び磨砕工程を経て、従来のカカオ豆加工品としてのカカオマスを調製した。また、このカカオマスを、従来の油圧プレス機で処理して、油分12%又は油分22%のココアパウダーを調製した。
原料A、又はBを用い、加熱処理工程、シェル剥離工程、及び破砕工程(裏ごし工程)を経て、カカオ豆加工品A1(原料A使用、32メッシュによる裏ごし品)、A2(原料A使用、32メッシュ及び60メッシュによる裏ごし品)、B1(原料B使用、32メッシュによる裏ごし品)、B2(原料B使用、32メッシュ及び60メッシュによる裏ごし品)を得た。
(1) 鍋に、原料カカオ豆の重量の5倍重量の水を入れ、沸騰させる。
(2) (1)に原料カカオ豆を入れ、原料Aは30分間、原料Bは1時間煮る。
(3) ザルにカカオ豆をあけて、水を切る。
なお、ボイル時の水の量は、5倍量でも20倍量でもポリフェノール残存率に違いはなく、ボイル時間は、ポリフェノール残存率に影響を与えることが分かった。
手作業にて、カカオ豆からシェルを剥離する。
(1) 篩(32メッシュ、目開き500μm)で裏ごしする。
(2) 必要に応じ、(1)を篩(60メッシュ、目開き250μm)でさらに裏ごしする。
ポリフェノール含有量は、上述のフォーリンチオカルト法で測定した。
プロシアニジンは、上述のようにHPLCで定量した。
フリーファットは、下記の方法で測定した。
(1) サンプル約5g(a)を50ml遠沈管に入れる
(2) n-ヘキサン25mlを加える
(3) 130回/分×3分間、振幅4cmで振とう
(4) 3000rpm,4℃,10分間遠心分離
(5) 100ml三角フラスコの重量(b)を測定
(6) 上記(4)の上澄をろ紙上に移してろ過し、100ml三角フラスコでろ液を回収
(7) 窒素ガスを吹き付けてn-ヘキサンを蒸発させる
(8) 真空定温乾燥機にて、98℃、減圧下で4時間保持し、n-ヘキサンを蒸発させる
(9) デシケーター内で空冷後、三角フラスコの重量(c)を測定
油分あたりのフリーファット含有率(%)=<x>/a中の油分×100
固形分あたりのフリーファット含有率(%)=<x>/(a-a中の水分)×100
原料Aの60メッシュ裏ごし処理品(カカオ豆加工品A2)、カカオマス、及び融解させた市販のミルクチョコレートをそれぞれマイクロチューブにおよそ2g測り取り、遠心分離(16,000rpm、10分間)した後、各材料からの油の分離を目視で観察した。
下記の手順で、マイクロスコープにより観察した。
(1) サンプルをスライドガラスに載せる
(2) n-ヘキサンを滴下する
(3) メチレンブルー溶液を滴下する
(4) ヨウ素液を滴下する
(5) マイクロスコープにて観察
(1) サンプルをスライドガラスに載せる
(2) Nile Mix染色液を滴下する
(3) カバーガラスを載せる
(4) 共焦点顕微鏡にて観察
下記の手順で、未破砕細胞の割合を測定・算出した。
(1) 測定試料0.03gをコニカルチューブに入れて、2mlの超純水を加えて撹拌し、さらに0.5mlの0.01%メチレンブルー溶液(メチレンブルー三水和物(分子式 : C16H18N3SCl・3H2O 分子量 : 373.90)を超純水にて溶解、希釈し、0.01%(w/v)のメチレンブルー溶液 とする)を加えて撹拌した後、スライドガラスに滴下し、カバーガラスを載せてマイクロスコープで観察する(倍率:450倍)。
(2) 前記画像を画像解析ソフト「ImageJ」(フリーソフト、以下URLからダウンロードが可能:https://imagej.net/Welcome、バージョン1.50)を用いて、以下の「エリア面積(A)」、「破砕細胞数(B)」を得る。
エリア面積(A):画像を二値化(make binary)した後に、「Analyze」機能を用いることにより「Area」として解析される。なお、二値化した際に、光の加減で空洞になってしまった部分については「fill holes」により埋めて解析した。
破砕細胞数(B):「Cell Counter」機能により、画像から目視で破砕されている細胞を選択して手動でカウントする。
(3) 一つの未破砕細胞面積(C)については、細胞を半径10μmの円とした概算値とすることにより算出する(10×10×3.14=314μm2)。
(4) エリア面積(A)を一つの未破砕細胞面積(C)で除して全細胞数(D)を得る。
カカオ豆細胞中の未破砕細胞の割合(%)は、以下の式により算出する。全細胞数(D)が100~300の範囲であるエリアを5以上について値を算出し、平均値を求める。
粒度分布計(レーザー回折式粒度分布測定装置SALD-2200(株式会社島津製作所))にて測定した。図面の縦軸は、各粒子径の体積分布が全体の体積に占める割合を示す相対粒子量を%で示し、横軸は粒子径をμmで示した。
水分は、日本国消費者庁Webページの「別添 栄養表示関係」(http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/foods_index_18_180119_0003.pdf)における「別添 栄養成分等の分析方法等」 5.炭水化物 イ 水分 (3)減圧加熱乾燥法に従って測定した。
油分は、日本国消費者庁Webページの「別添 栄養表示関係」(http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/foods_index_18_180119_0003.pdf)における「別添 栄養成分等の分析方法等」 2.脂質 (1)エーテル抽出法に従って測定した。
測定結果を下表に示した。
加熱したカカオ豆の破断強度を測定した。
サンプルA~Dの調製手順を下記に示した。
A:未発酵乾燥カカオ豆
未発酵豆(乾燥豆)を減圧乾燥機にて100℃、4時間乾燥
B:未発酵ローストカカオ豆
(1) 未発酵豆(乾燥豆)をロースターにて126℃、40分ロースト
(2) 減圧乾燥機にて100℃、4時間乾燥
C:未発酵ボイル(1時間)乾燥カカオ豆
(1) 未発酵豆(乾燥豆)を沸騰水にて1時間ボイル
(2) 減圧乾燥機にて100℃、4時間乾燥
D:未発酵ボイル(2時間)乾燥カカオ豆
(1) 未発酵豆(乾燥豆)を沸騰水にて2時間ボイル
(2) 減圧乾燥機にて100℃、4時間乾燥
・使用機器:FUDOH社レオメーターRTC-3010D-CW
・S.ADJ(進入深度):4.0mm
・T.SPEED(進入速度):2cm/min
・プランジャー:直径3mm円柱状
・測定方法:各サンプル(ホールカカオ豆)を架台の中心部に設置し、サンプル温度は22~24℃にて測定した。
結果を下表及び図5に示した。
Claims (8)
- 以下の組成物を含有し、カカオポリフェノール含有量が0.05重量%以上0.11重量%以下である、チーズ又はチーズ様食品:
粒度分布が10μm~1.5mmの範囲内にあり、湿式加熱処理されたカカオ豆の粉砕物であって未破砕カカオ細胞を含有する、組成物。 - 組成物の油分あたりのフリーファット含有率が60重量%以下である、請求項1に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- 組成物のカカオ豆細胞中の未破砕カカオ豆細胞が30%以上である、請求項1又は2に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- 組成物の破断強度が3kgf以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- プロシアニジン含有量が0.015重量%以上である、請求項1~4に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- 原料中の組成物の配合量が1~20%である、請求項1~5に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- プロセスチーズ、又はチーズ様食品である、請求項1~6のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
- カマンベールチーズである、請求項1~6のいずれか1項に記載のチーズ又はチーズ様食品。
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|---|
| 「カカオ豆を煮てみたら...?」,[online], 2020年12月10日, [2025年4月21日検索],インターネット<URL: https://note.com/eighteenth_cocoa/n/ndd5d80001181> |
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