JP7782012B2 - 熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー - Google Patents

熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー

Info

Publication number
JP7782012B2
JP7782012B2 JP2024500861A JP2024500861A JP7782012B2 JP 7782012 B2 JP7782012 B2 JP 7782012B2 JP 2024500861 A JP2024500861 A JP 2024500861A JP 2024500861 A JP2024500861 A JP 2024500861A JP 7782012 B2 JP7782012 B2 JP 7782012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic sheet
thermally conductive
conductive film
heat
thickness direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2024500861A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023157236A5 (ja
JPWO2023157236A1 (ja
Inventor
均 安藤
則栄 許田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Publication of JPWO2023157236A1 publication Critical patent/JPWO2023157236A1/ja
Publication of JPWO2023157236A5 publication Critical patent/JPWO2023157236A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7782012B2 publication Critical patent/JP7782012B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K7/00Constructional details common to different types of electric apparatus
    • H05K7/20Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

クロスリファレンス
本願において引用した特許、特許出願及び文献に記載された内容は、本明細書に援用する。
本発明は、熱伝導部材及びその製造方法、並びに当該熱伝導部材を備えるバッテリーに関する。
自動車、航空機、船舶あるいは家庭用若しくは業務用電子機器の制御システムは、より高精度かつ複雑化してきており、それに伴って、回路基板上の小型電子部品の集積密度が増加の一途を辿っている。この結果、回路基板周辺の発熱による電子部品の故障や短寿命化を解決することが強く望まれている。
回路基板からの速やかな放熱を実現するには、従来から、回路基板自体を放熱性に優れた材料で構成し、ヒートシンクを取り付け、あるいは冷却ファンを駆動するといった手段を単一で若しくは複数組み合わせて行われている。これらの内、回路基板自体を放熱性に優れた材料、例えばダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)、立方晶窒化ホウ素(cBN)などから構成する方法は、回路基板のコストを極めて高くしてしまう。また、冷却ファンの配置は、ファンという回転機器の故障、故障防止のためのメンテナンスの必要性や設置スペースの確保が難しいという問題を生じる。これに対して、放熱フィンは、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)を用いた柱状あるいは平板状の突出部位を数多く形成することによって表面積を大きくして放熱性をより高めることのできる簡易な部材であるため、放熱部品として汎用的に用いられている。
ところで、現在、世界中で、地球環境への負荷軽減を目的として、従来からのガソリン車あるいはディーゼル車を徐々に電気自動車に転換しようとする動きが活発化している。特に、フランス、オランダ、ドイツをはじめとする欧州諸国の他、中国でも、電気自動車の普及が進行してきている。電気自動車の普及には、高性能バッテリーの開発の他、多数の充電スタンドの設置などが必要となる。特に、リチウム系の自動車用バッテリーの充放電機能を高めるための技術開発は重要である。上記自動車バッテリーは、摂氏60度以上の高温下では充放電の機能を十分に発揮できないことが良く知られている。また、現在、バッテリーの高速かつ非接触での充電を実現する試験が進行しており、バッテリーの寿命を損なわないように、バッテリーの過充電に伴う発熱への対処も必要になる。このような事情から、先に説明した回路基板と同様、バッテリーにおいても、放熱性を高めることが重要視されている。
上述した熱源からの放熱を促進するための熱伝導部材としては、例えば、熱伝導性に優れる薄いシートを樹脂製のシートの表裏方向に交互に露出させるように備える部材が知られている(特許文献1,2を参照)。
特開2015-201534号公報 特開2012-031242号公報
しかし、上記従来から公知の熱伝導部材には次のような課題がある。熱源と冷却部材との間に熱伝導部材を介在させる場合、熱源から冷却部材への熱伝導性能を上げるには、熱伝導部材と熱源あるいは冷却部材との密着が重要である。このため、熱伝導部材の厚さ方向に加圧して熱伝導部材を圧縮するのが好ましい。しかし、熱伝導部材が熱源と冷却部材との間に挟持されている状況下にて、熱伝導部材の表側の面または裏側の面に露出している熱伝導フィルムが破損する可能性がある。また、熱伝導部材の製造過程において熱伝導フィルムが破損する可能性もある。この結果、熱源から熱伝導部材を介して冷却部材への熱伝導が低下する可能性がある。このような課題に応えることは、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」という本出願人の持続可能な開発目標の達成にも資する。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、熱源と冷却部材との間に介在する熱伝導部材の熱伝導を高めることを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る熱伝導部材は、熱源と冷却部材との間に介在させて前記熱源から前記冷却部材へと熱を移動させることのできる熱伝導部材であって、少なくとも厚さ方向に弾性変形可能な弾性シートと、当該弾性シートの前記厚さ方向の少なくとも一方の面に形成される層であって前記弾性シートよりも滑性の高い高滑性化層と、を有する弾性シート体と、前記弾性シート体の厚さ方向の表側の面と裏側の面に交互に露出しながら前記弾性シート体の前記厚さ方向と直角でシート面内の所定方向に蛇行して進行するように備えられる熱伝導フィルムと、を備える。
(2)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記高滑性化層は、前記弾性シートの前記厚さ方向の両面に形成されても良い。
(3)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記高滑性化層は、樹脂フィルムであっても良い。
(4)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記弾性シートは、前記熱伝導フィルムと接する縁にテーパー部位若しくはカーブ部位を有しており、前記高滑性化層は、前記テーパー部位若しくはカーブ部位を覆っていても良い。
(5)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記弾性シートは、発泡シートであっても良い。
(6)一実施形態に係る熱伝導部材の製造方法は、上述のいずれかの熱伝導部材を製造する方法であって、前記弾性シートの厚さ方向の少なくとも一方の面に前記高滑性化層を形成する高滑性化層形成工程と、前記弾性シート体に、厚さ方向の表側の面から裏側の面に貫通する貫通孔を所定間隔おきに複数形成する貫通孔形成工程と、前記弾性シート体の前記表側の面に、前記貫通孔を覆うように前記熱伝導フィルムを配置する熱伝導フィルム配置工程と、前記熱伝導フィルムの上から、弾性シート体片を前記貫通孔に挿入して前記裏側の面から前記熱伝導フィルムを露出させる弾性シート体片挿入工程と、を含む。
(7)別の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法において、好ましくは、前記高滑性化層形成工程は、前記弾性シートの厚さ方向の両面に前記高滑性化層を形成する工程であっても良い。
(8)別の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法において、好ましくは、前記高滑性化層形成工程は、前記弾性シートの厚さ方向の少なくとも一方の面に樹脂フィルムを積層する工程であっても良い。
(9)別の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法において、好ましくは、前記高滑性化層形成工程に先立ち、前記弾性シートにおける前記熱伝導フィルムと接する縁に、テーパー部位若しくはカーブ部位を形成する縁加工工程を行っても良い。
(10)別の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法において、好ましくは、前記貫通孔形成工程は、前記貫通孔の形成、および前記貫通孔の開口部の一部につながる前記弾性シート体片を回動させて前記貫通孔から退避させる工程であり、前記弾性シート体片挿入工程は、前記弾性シート体片を前記貫通孔に向けて回動させて前記貫通孔に挿入する工程であっても良い。
(11)一実施形態に係るバッテリーは、前記熱源を、1または2以上のバッテリーセルとし、かつ前記冷却部材を、前記バッテリーセルを入れた筐体とし、上述のいずれかの熱伝導部材を前記バッテリーセルと前記筐体との間に介在させている。
本発明によれば、熱源と冷却部材との間に介在する熱伝導部材の熱伝導を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の平面図、右側面図および正面図を示す。 図2は、図1の熱伝導部材の斜視図を示す。 図3は、図1の熱伝導部材をその平面図におけるA-A線にて切断したときの断面図およびその一部Bの拡大図を示す。 図4は、図1の熱伝導部材の製造工程の一部状況の図3と同視の拡大断面図を示す。 図5は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の主な工程を含むフローチャートを示す。 図6は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための斜視図を示す。 図7は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための図3と同視の断面図を示す。 図8は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための斜視図を示す。 図9は、図8の製造方法の変形例を説明するための斜視図を示す。 図10は、熱伝導部材の変形例の図3の一部Bと同視の拡大図を示す。 図11は、熱伝導部材を備えるバッテリーの縦断面図を示す。 図12は、熱伝導部材の上に、バッテリーセルの側面を接触させるように横置きにしたときの断面図、その一部拡大図および充放電時にバッテリーセルが膨張した際の一部断面図を示す。
1・・・熱伝導部材、10,10a・・・弾性シート体、10b・・・弾性シート体片、11,11a・・・弾性シート(一例として発泡シート)、11b・・・弾性シート片(一例として発泡シート)、12・・・細長貫通孔(貫通孔の一例)、13・・・短辺(開口部の一部の例)、15・・・テーパー部位(若しくはカーブ部位)、16・・・高滑性化層(一例として樹脂フィルム)、17・・・切り込み、20・・・熱伝導フィルム、30,31・・・バッテリーセル(熱源の一例)、40・・・バッテリー(熱源の一例)、41・・・筐体、42・・・底部(冷却部材の一例)。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<熱伝導部材およびその製造方法>
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の平面図、右側面図および正面図を示す。図2は、図1の熱伝導部材の斜視図を示す。以後、厚さ方向、幅方向および長さ方向は、それぞれ、直方体の最も短い辺の方向、厚さ方向の次に長い辺の方向および最も長い辺の方向をいう。
この実施形態に係る熱伝導部材1は、熱源と冷却部材との間に介在させて熱源から冷却部材へと熱を移動させることのできる部材である。熱伝導部材1は、弾性シート体10と、熱伝導フィルム20と、を備える。弾性シート体10は、弾性シート11と、高滑性化層16と、を有する。弾性シート11は、少なくとも厚さ方向に弾性変形可能なシートである。弾性シート11は、厚さ方向に弾性変形可能であれば、幅方向および長さ方向にも弾性変形可能であっても良い。高滑性化層16は、弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面に形成される層であって弾性シート11よりも滑り性の高い層である。熱伝導フィルム20は、弾性シート体10の厚さ方向の表側の面と裏側の面に交互に露出しながら弾性シート体10の厚さ方向と直角でシート面内の所定方向(ここでは、弾性シート体10の長さ方向)に蛇行して進行するように備えられるフィルムである。弾性シート体10は、好ましくは、その厚さ方向に熱伝導フィルム20を貫通させて凹凸を繰り返すよう配置させることにより熱伝導フィルム20を保持する。すなわち、弾性シート体10は、熱源と対向する面および冷却部材と対向する面において、所定間隔を空けて熱伝導フィルム20が露出するように、熱伝導フィルム20を保持する。
この実施形態では、弾性シート11は、好ましくは、幅方向および長さ方向に比べて厚さ方向の長さが極端に小さい薄いシートである。この実施形態では、高滑性化層16は、好ましくは、幅方向および長さ方向の長さが弾性シート11と同等であって、厚さ方向の長さが弾性シート11に比べて薄いフィルムである。また、この実施形態では、高滑性化層16は、好ましくは、弾性シート11の厚さ方向の両面に形成されている。ただし、高滑性化層16は、弾性シート11の厚さ方向の一方の面にのみ形成されていても良い。この実施形態に係る熱伝導フィルム20は、弾性シート11に比べて、熱伝導性が高くて伸縮性が低いフィルムである。熱伝導フィルム20は、表側の面において、弾性シート体10の長さ方向に、好ましくは一定のピッチにて露出している。同様に、熱伝導フィルム20は、裏側の面においても、弾性シート体10の長さ方向に、好ましくは一定のピッチにて露出している。ただし、ピッチは、一定ではなく、異なっていても良い。
弾性シート11の重要な機能は、熱伝導部材1に、変形容易性と回復力を付与することである。回復力は、弾性シート11の弾性変形性に起因する。変形容易性は、弾性シート11の柔軟性に起因する。弾性シート11は、その厚さに制約はないが、好ましくは0.2~20mm、より好ましくは0.5~10mmの厚さを有する。また、弾性シート11の厚さは、熱伝導フィルム20の厚さより大きいのが好ましい。
弾性シート11は、好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を含むように構成される。弾性シート11は、熱伝導フィルム20を伝わる熱によって溶融あるいは分解等せずにその形態を維持できる程度の耐熱性の高い材料から構成されるのが好ましい。この実施形態では、弾性シート11は、より好ましくは、ウレタン系エラストマー中にシリコーンを含浸したもの、あるいはシリコーンゴムにより構成される。この実施形態では、弾性シート11は、シリコーンゴムシートである。弾性シート11は、その熱伝導性を少しでも高めるために、ゴム中にAl、AlN、cBN、hBN、ダイヤモンドの粒子等に代表されるフィラーを分散して構成されていても良い。弾性シート11は、より好ましくは、その内部に気泡を含むクッション性の高いスポンジである。この実施形態では、弾性シート11は、発泡シートである。また、「弾性シート」は、柔軟性に富み、弾性変形可能な部材を意味し、かかる意味では「クッション部材」、「クッションシート」或いは「ゴム状弾性体」と読み替えることもできる。
高滑性化層16は、当該層よりも内側の部位と比較して低に摩擦係数を有する層であって滑りやすい層をいう。高滑性化層16の重要な機能は、弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面の滑性を高めることである。このように弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面の滑性を高めることにより、弾性シート体10の厚さ方向に熱伝導フィルム20を貫通させて凹凸を繰り返すよう配置させる際に、熱伝導フィルム20と弾性シート体10との摩擦を軽減し、熱伝導フィルム20が破損する事態を抑制することができる。
高滑性化層16は、好ましくは、樹脂フィルムである。特に、弾性シート11を発泡性のスポンジシートとする場合には、高滑性化層16を樹脂フィルムにすると、熱伝導フィルム20が弾性シート11の表面(すなわち、高滑性化層16)での摩擦を低減できる。樹脂フィルムとしては、特に制約はないが、ポリイミド(Pi)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等を用いることができる。高滑性化層16は、熱伝導フィルム20を伝わる熱によって溶融あるいは分解等せずにその形態を維持できる程度の耐熱性の高い材料から構成されるのが好ましい。この実施形態では、高滑性化層16は、より好ましくは、PETフィルムである。高滑性化層16は、弾性体のクッション性を損なわない限り、その厚さに制約はないが、好ましくは3~10μm、より好ましくは3~5μmの厚さを有する。
熱伝導フィルム20の材料は、特に制約はないが、好ましくは、金属、炭素若しくはセラミックスの少なくとも1つを含み、可撓性を有する部材である。熱伝導フィルム20は、より好ましくは、炭素フィルム若しくは炭素含有樹脂フィルムである。熱伝導フィルム20は、好ましくは、90質量%以上を炭素から構成されるフィルムである。例えば、熱伝導フィルム20に、樹脂を焼成して成るグラファイト製のフィルムを用いることもできる。ただし、熱伝導フィルム20は、炭素と樹脂とを含むフィルムであっても良い。その場合、樹脂は、合成繊維でも良く、その場合には、樹脂として好適にはアラミド繊維を用いることができる。本願でいう「炭素」は、グラフェン、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。熱伝導フィルム20は、この実施形態では、樹脂に、グラファイト繊維やカーボン粒子を配合分散した材料を硬化させた薄いフィルムとすることができる。熱伝導フィルム20は、メッシュ状に編んだカーボンファイバーであっても良く、さらには混紡してあっても混編みしてあっても良い。なお、グラファイト繊維、カーボン粒子あるいはカーボンファイバーといった各種フィラーも、すべて、炭素フィラーの概念に含まれる。また、熱伝導フィルム20は、「熱伝導シート」と称しても良い。
熱伝導フィルム20を炭素と樹脂とを備えるフィルムとする場合には、当該樹脂が熱伝導フィルム20の全質量に対して50質量%を超えていても、あるいは50質量%以下であっても良い。すなわち、熱伝導フィルム20は、熱伝導に大きな支障が無い限り、樹脂を主材とするか否かを問わない。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、熱源からの熱を伝導する際に溶融しない程度の高融点を備える樹脂が好ましく、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリアミド(アラミド繊維)等を好適に挙げることができる。樹脂は、熱伝導フィルム20の成形前の状態において、炭素フィラーの隙間に、例えば粒子状あるいは繊維状に分散している。熱伝導フィルム20は、炭素フィラー、樹脂の他、熱伝導をより高めるためのフィラーとして、Al、AlNあるいはダイヤモンドを分散していても良い。また、樹脂に代えて、樹脂よりも柔軟なゴムを用いても良い。熱伝導フィルム20は、また、上述のような炭素に代えて若しくは炭素と共に、金属および/またはセラミックスを含むフィルムとすることができる。金属としては、アルミニウム、銅、それらの内の少なくとも1つを含む合金などの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。また、セラミックスとしては、Al、AlN、cBN、hBNなどの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。また、上記フィラーに熱伝導の異方性がある場合には、熱伝導フィルム成型時に流動配向、延伸配向、磁場配向などの方法によりフィラーの配向方向を制御して特定方向への熱伝導性をより高める手法を用いても良い。
熱伝導フィルム20は、導電性に優れるか否かは問わない。熱伝導フィルム20の熱伝導率は、好ましくは10W/mK以上である。この実施形態では、熱伝導フィルム20は、好ましくは、グラファイト製のフィルムであり、熱伝導性と導電性に優れる材料から成る。熱伝導フィルム20は、湾曲性(若しくは屈曲性)に優れるフィルムであるのが好ましく、その厚さに制約はないが、0.02~3mmが好ましく、0.03~0.5mmがより好ましい。この実施形態では、弾性シート体10の表側の面および裏側の面における熱伝導フィルム20が覆う領域は、弾性シート体10の表側の面および裏側の面から少なくとも熱伝導フィルム20の厚さだけ突出している。なお、弾性シート体10の表側の面および裏側の面のいずれか1つの面における熱伝導フィルム20の領域を、弾性シート体10の当該いずれか1つの面から少なくとも熱伝導フィルム20の厚さだけ突出させても良い。
図3は、図1の熱伝導部材をその平面図におけるA-A線にて切断したときの断面図およびその一部Bの拡大図を示す。図4は、図1の熱伝導部材の製造工程の一部状況の図3と同視の拡大断面図を示す。
弾性シート11は、好ましくは、熱伝導フィルム20と接する縁にテーパー部位15を備えている。弾性シート11は、テーパー部位に代えて、カーブ部位を備えても良い。ここで、テーパー部位とは、略直角の縁の角を平面状に除して傾斜面とした部位をいう。カーブ部位とは、略直角の縁の角を弧状、すなわちカーブを描くようにした部位をいう。高滑性化層16は、好ましくは、弾性シート11のテーパー部位(若しくはカーブ部位)15を覆っている。ここでは、高滑性化層16は、テーパー部位15の箇所にて、テーパー部位16aを備える。弾性シート11にカーブ部位を備える場合にも、高滑性化層16は、当該カーブ部位の箇所にてカーブ部位を備える。熱伝導フィルム20は、弾性シート11のテーパー部位(若しくはカーブ部位)15を覆っている。ここでは、熱伝導フィルム20は、テーパー部位15の箇所にて、テーパー部位21を備える。弾性シート11にカーブ部位を備える場合にも、熱伝導フィルム20は、当該カーブ部位の箇所にてカーブ部位を備える。このように、熱伝導部材1において、弾性シート11が熱伝導フィルム20と接する縁にテーパー部位15若しくはカーブ部位を備え、熱伝導フィルム20が弾性シート11のテーパー部位15若しくはカーブ部位を覆う形態とすると、熱伝導部材1の厚さ方向を熱源と冷却部材とで挟んで圧縮しても、熱伝導フィルム20が弾性シート11の縁で破損するリスクを低減できる。また、熱伝導部材1において、高滑性化層16が弾性シート11のテーパー部位15若しくはカーブ部位を覆う形態とすることにより、テーパー部位15における熱伝導フィルム20と弾性シート体10との摩擦が軽減され、熱伝導フィルム20が破損するリスクを低減できる。なお、高滑性化層16は、弾性シート11のテーパー部位15若しくはカーブ部位を覆っていなくとも良い。
次に、熱伝導部材1の一部Bの拡大図の領域を示す図4を参照して、弾性シート体10の厚さ方向両面に交互に熱伝導フィルム20を露出させる製造方法を説明する。
まず、弾性シート11における熱伝導フィルム20と接する縁に、テーパー部位15を形成する縁加工を行う。より具体的には、弾性シート11の長さ方向に一定の間隔をあけて、弾性シート11の幅方向に長い切り込み17を形成する(図6(b)を参照)。次に、縁加工された弾性シート11の厚さ方向の両面に、高滑性化層16を形成する(図6(c)を参照)。これにより縁加工された弾性シート体10が形成される。この縁加工および高滑性化層16の形成については、詳細を後述する。
そして、弾性シート体10の長さ方向に一定の間隔をあけて、弾性シート体10の幅方向に長い細長貫通孔12(貫通孔の一例)を形成する。細長貫通孔12は、好ましくは、縁加工により形成された隣接する2つの切り込みにより囲まれた矩形状の貫通孔である(図6(d)を参照)。この実施形態では、弾性シート体10は、その長さ方向に、合計11個の細長貫通孔12を備える。このように細長貫通孔12を形成することにより、細長貫通孔12の表側の開口部の縁にテーパー部位15が形成された弾性シート11aができる。また、高滑性化層16は、弾性シート11のテーパー部位15を覆うテーパー部位16aを備える。よって、テーパー部位15,16aを有する細長貫通孔12が形成された弾性シート体10aができる。テーパー部位15は、上記開口部の全周囲でも良いが、ここでは弾性シート11の長さ方向の縁のみをテーパー部位15としている。なお、細長貫通孔12の裏側の開口部の縁にもテーパー部位15を形成しても良い。また、テーパー部位15に代えてカーブ部位を備えても良い。図4は、1つの細長貫通孔12の近傍を図示して、一部製造工程を示す。
次に、弾性シート体10aの表側の面に、熱伝導フィルム20を配置する。熱伝導フィルム20は、好ましくは、11個の細長貫通孔12を全て覆うように弾性シート体10aを覆う。次に、熱伝導フィルム20を挟んで、弾性シート体片10bを細長貫通孔12内に挿入する。弾性シート体片10bは、好ましくは、細長貫通孔12の形成時に弾性シート体10から切り取られた部材である。弾性シート体片10bは、弾性シート11bと、弾性シート11bの厚さ方向の両面を覆う高滑性化層16と、を備える。弾性シート11bは、挿入方向(図4では、下方向)の面の縁にテーパー部位15を備える。また、高滑性化層16は、弾性シート11bのテーパー部位15を覆うテーパー部位16aを備える。よって、挿入方向の面の縁にテーパー部位15,16aを有する弾性シート体片10bができる。この結果、細長貫通孔12に弾性シート体片10bを挿入すると、弾性シート体片10bによって熱伝導フィルム20を弾性シート体10aの裏面側に露出させることができる。また、弾性シート体10aの表側の面および裏側の面において、熱伝導フィルム20は、弾性シート11および高滑性化層16のテーパー部位15,16aを覆うと共に、テーパー部位15,16aの箇所にてテーパー部位21を備える。弾性シート体10aと弾性シート体片10b、および/または熱伝導フィルム20に接着層を備えておくと、熱伝導部材1は、弾性シート体10と熱伝導フィルム20とが固定された部材となる。
図5は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の主な工程を含むフローチャートを示す。図6は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための斜視図を示す。図7は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための図3と同視の断面図を示す。図8は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の製造方法の一例を説明するための斜視図を示す。図4では、一部Bの領域だけで製造工程を説明したが、以下では、熱伝導部材の全領域にて製造工程を説明する。
熱伝導部材1の製造方法は、縁加工工程(S100)と、高滑性化層形成工程(S110)と、貫通孔形成工程(S120)と、熱伝導フィルム配置工程(S130)と、弾性シート体片挿入工程(S140)と、を経て製造可能である。以下、S100~S140について、図5~図8を参照して詳述する。
(1)縁加工工程(S100)
この工程は、弾性シート11における熱伝導フィルム20と接する縁に、テーパー部位15(若しくはカーブ部位)を形成する工程である。具体的には、弾性シート11の長さ方向に一定の間隔をあけて、弾性シート11の幅方向に長い切り込み17を形成する(図6(b)を参照)。この実施形態では、弾性シート11の厚さ方向の各面において、合計22個の切り込み17を形成する。切り込み17は、テーパー部位15を形成可能な形状であれば特に制約されないが、断面視略V字形状であることが好ましい(図7(b)を参照)。縁加工工程は、好ましくは、弾性シート11の厚さ方向の両面に、それぞれ複数の切り込み17を形成する。ただし、縁加工工程は、弾性シート11の厚さ方向の一方の面にのみ複数の切り込み17を形成しても良い。切り込み17は、その大きさおよび配置は特に制約されないが、熱伝導部材1の用途等に応じて適宜設計されることが好ましい。例えば、縁加工工程において、テーパー部位15に代えてカーブ部位を形成する場合、断面視略V字形状の切り込み17に代えて、断面視略V字形状の斜辺部分が湾曲した切り込みを形成すれば良い。
(2)高滑性化層形成工程(S110)
この工程は、弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面に高滑性化層16を形成する工程である。この実施形態では、高滑性化層形成工程は、弾性シート11の厚さ方向の両面に高滑性化層16を形成する。具体的には、縁加工が施された弾性シート11の厚さ方向の両面に、高滑性化層16を積層する(図6(c)および図7(c)を参照)。これにより、弾性シート体10が形成される。高滑性化層形成工程は、好ましくは、弾性シート11の切り込み17を全て覆うように高滑性化層16を積層する(図7(d)を参照)。高滑性化層形成工程では、弾性シート11と高滑性化層16との間に、接着剤等の接着層を介して積層しても良いし、当該接着層を介在させずに積層しても良い。なお、高滑性化層形成工程では、弾性シート11の厚さ方向の一方の面のみに高滑性化層16を形成しても良い。
(3)貫通孔形成工程(S120)
この工程は、弾性シート体10に、厚さ方向の表側の面から裏側の面に貫通する細長貫通孔12を所定間隔おきに複数形成する工程である。具体的には、隣接する2つの切り込み17により囲まれた矩形状の領域を、弾性シート体10から切り取る(図6(d)および図7(d)を参照)。これにより複数の細長貫通孔12が形成された弾性シート体10aと、弾性シート体10から切り取られた複数の弾性シート体片10bと、が形成される。この実施形態では、弾性シート11の厚さ方向の各面に備えられた22個の切り込みから、合計11個の細長貫通孔12を形成する。貫通孔形成工程は、好ましくは、厚さ方向の表側の面の切り込み17の断面視略V字形状の頂部と、当該切り込み17と対向する裏側の面の切り込み17の断面視略V字形状の頂部とを通るように、厚さ方向に貫通して弾性シート体片10bを切り取る(図7(d)を参照)。このように切り取ることにより、細長貫通孔12の表側の開口部の縁にテーパー部位15が形成された弾性シート11aと、当該テーパー部位15を覆うテーパー部位16aが形成された高滑性化層16と、からなる弾性シート体10aが形成される。また、このように弾性シート体10から切り取って形成された弾性シート体片10bは、挿入方向(図7では、下方向)の面の縁にテーパー部位15を備える弾性シート片11bと、当該テーパー部位15を覆うテーパー部位16aが形成された高滑性化層16と、を備える。
(4)熱伝導フィルム配置工程(S130)
この工程は、弾性シート体10の表側の面に、好ましくは全ての細長貫通孔12を覆うように熱伝導フィルム20を配置する工程である(図8(f)を参照)。ただし、熱伝導フィルム20は、複数ある細長貫通孔12の一部を覆うように配置されても良い。その場合、全ての細長貫通孔12を覆うために複数の熱伝導フィルム20を用いても良い。この点は、以後の実施形態または変形例における同工程でも同様である。
(5)弾性シート体片挿入工程(S140)
この工程は、熱伝導フィルム20の上から、弾性シート体片10bを細長貫通孔12に挿入して裏側の面から熱伝導フィルム20を露出させる工程である(図8(g)および(h)を参照)。
図8に示す製造工程では、細長貫通孔12の開口部の一部(ここでは、開口部の1つの短辺13)と弾性シート体片10bとを連接しておき、弾性シート体片10bを、回動軸として機能する短辺13に対して回動することにより、細長貫通孔12に対して弾性シート体片10bを着脱可能にしている。すなわち、弾性シート体10に細長貫通孔12を形成する際に、弾性シート体片10bを細長貫通孔12から完全に分離せず、短辺13の箇所だけ残すようにカットしている。
このように、弾性シート体片10bを細長貫通孔12の短辺13に連接しておくと、熱伝導部材1は、次のように製造できる。上述の貫通孔形成工程(S120)は、細長貫通孔12の形成、および細長貫通孔12の開口部の一部(短辺13)につながる弾性シート体片10bを回動させて細長貫通孔12から退避させる工程とすることができる。上述の熱伝導フィルム配置工程(S130)は、弾性シート体片10bを弾性シート体10aの外方向に回動させた状態の弾性シート体10の表側の面に、細長貫通孔12を覆うように熱伝導フィルム20を配置する工程とすることができる。また、上述の弾性シート片挿入工程(S140)は、弾性シート体片10bを細長貫通孔12に向けて回動させて細長貫通孔12に挿入する工程とすることができる(矢印Eを参照)。
このようにして完成した熱伝導部材1では、弾性シート体片10bの先端側の短辺14は、切り込みの形態となっており、その反対側の短辺13は、弾性シート体10aと連接状態となっており、切り込まれていない。
図9は、図8の製造方法の変形例を説明するための斜視図を示す。図4では、一部Bの領域だけで製造工程を説明したが、図9では、熱伝導部材の全領域にて製造工程を説明する。
この変形例に係る製造方法は、弾性シート体片10bが細長貫通孔12から完全に分離されている点で、先述の製造方法(図8を参照)と異なる。このため、変形例に係る製造方法は、次の通りとなる。まず、先述の製造方法(図6および図7を参照)と同様に、縁加工工程(S100)および高滑性化層形成工程(S110)を行い、弾性シート体10を形成する。次に、貫通孔形成工程(S120)において、弾性シート体10に細長貫通孔12を形成する(図9(e)を参照)。このとき、弾性シート体片10bは細長貫通孔12から完全に分離される。この結果、細長貫通孔12の表側の開口部の縁にテーパー部位15,16aが形成された弾性シート体10aが形成される。また、弾性シート体片10bは、挿入方向の面の縁にテーパー部位15,16aが形成される。そして、熱伝導フィルム配置工程(S130)において、細長貫通孔12を形成した弾性シート体10aの表側の面に、好ましくは全ての細長貫通孔12を覆うように熱伝導フィルム20を配置する(図9(f)を参照)。最後に、弾性シート片挿入工程(S140)弾性シート体片10bを熱伝導フィルム20の上から、細長貫通孔12に向けて挿入する(図9(g)および(h)を参照)。
こうして完成した熱伝導部材1では、弾性シート体片10bの先端側の短辺14およびその反対側の短辺13は、切り込みの形態となっている。
図10は、熱伝導部材の変形例の図3の一部Bと同視の拡大図を示す。
この変形例において、熱伝導部材1は、先述の熱伝導部材1(図3を参照)と類似の構造を有するが、テーパー部位15若しくはカーブ部位を備えていない点において、先述の熱伝導部材1と異なる。すなわち、この変形例において、高滑性化層16は、テーパー部位16aを備えず、弾性シート11の厚さ方向の両面に積層されている。また、この変形例において、熱伝導フィルム20は、テーパー部位21を備えず、弾性シート体10の厚さ方向の表側の面と裏側の面に交互に露出しながら弾性シート体10の厚さ方向と直角でシート面内の所定方向に蛇行して進行する。このように構成された熱伝導部材1もまた、先述の熱伝導部材1と同様の効果を奏する。なお、この変形例に係る熱伝導部材1は、テーパー部位15,16a,21を備えない点以外の構成は、先述の熱伝導部材1(図3を参照)の構成と同様のため、詳細な説明を省略する。
この変形例に係る熱伝導部材1は、先述の熱伝導部材の製造方法(図5を参照)において、縁加工工程(S100)を省略して、高滑性化層形成工程(S110)と、貫通孔形成工程(S120)と、熱伝導フィルム配置工程(S130)と、弾性シート体片挿入工程(S140)と、を経て製造可能である。すなわち、貫通孔形成工程(S120)において、開口部の縁にテーパー部位15を備えない複数の細長貫通孔12を有する弾性シート体10aが形成される。このとき、弾性シート体10から切り取った弾性シート体片10bは、挿入方向の面の縁にテーパー部位15を備えない略直方体の部材である。そして、熱伝導フィルム配置工程(S130)において、弾性シート体10の表側の面に熱伝導フィルム20が配置され、弾性シート体片挿入工程(S140)において、熱伝導フィルム20の上から、弾性シート体片10bを細長貫通孔12に挿入して裏側の面から熱伝導フィルム20を露出させることにより製造される。このような熱伝導部材1によれば、弾性シート11が熱伝導フィルム20と接する縁にテーパー部位15若しくはカーブ部位を備えず、当該縁が断面視略直角の形状であっても、高滑性化層16が弾性シート11を覆うことにより、熱伝導フィルム20と弾性シート体10との摩擦が軽減され、熱伝導フィルム20が破損するリスクを低減できる。
<バッテリー>
次に、本実施形態に係るバッテリーについて説明する。
図11は、熱伝導部材を備えるバッテリーの縦断面図を示す。ここで、「縦断面図」は、バッテリーの筐体内部の上方開口面から底部へと垂直に切断する図を意味する。
この実施形態に係るバッテリー40において、熱源は1または2以上のバッテリーセル30である。また、冷却部材はバッテリーセル30を入れた筐体41である。前述の熱伝導部材1は、バッテリーセル30と筐体41との間に介在している。以下、バッテリー40の構造について説明する。
この実施形態において、バッテリー40は、例えば、電気自動車用のバッテリーであって、多数のバッテリーセル30を備える。バッテリー40の好適な例としては、リチウムイオンバッテリーを挙げることができる。バッテリー40は、一方に開口する有底型の筐体41を備える。筐体41は、好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム基合金から成る。バッテリーセル30は、筐体41の内部44に配置される。バッテリーセル30の上方には、電極(不図示)が突出して設けられている。複数のバッテリーセル30は、好ましくは、筐体41内において、その両側からネジ等を利用して圧縮する方向に力を与えられて、互いに密着するようになっている(不図示)。筐体41の底部42には、冷却水45を流すために、1または複数の水冷パイプ43が備えられている。バッテリーセル30は、筐体41の一部を構成する底部42(冷却部材の一例)との間に、熱伝導部材1を挟むようにして、筐体41内に配置される。
上記構造のバッテリー40では、バッテリーセル30は、熱伝導部材1を通じて筐体41に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。なお、冷却水45は、「冷却媒体」あるいは「冷却剤」と読み替えても良い。冷却水45に代えて、液体窒素、エタノール等の有機溶剤を用いても良い。
バッテリーセル30を筐体41内にセットした状態では(図11を参照)、熱伝導部材1は、バッテリーセル30と、水冷パイプ43を備える底部42(筐体41の一部)との間において、熱伝導部材1の厚さ方向に圧縮される。この結果、バッテリーセル30からの熱は、熱伝導フィルム20、底部42、水冷パイプ43、冷却水45へと伝わりやすくなる。
図12は、熱伝導部材の上に、バッテリーセルの側面を接触させるように横置きにしたときの断面図、その一部拡大図および充放電時にバッテリーセルが膨張した際の一部断面図を示す。
先述の実施形態では、バッテリーセル30を縦にしてその下端に熱伝導部材1を接触せしめている状況について説明したが、バッテリーセルの構造および配置の形態は、これに限定されない。図12に示すように、パウチ袋内にバッテリー液を封入したバッテリーセル31の側面を熱伝導部材1の熱伝導フィルム20に接触させるように、バッテリーセル31を配置しても良い。バッテリーセル31は、充電および放電の際に温度上昇する。バッテリーセル31の容器自体が柔軟性に富む材料にて形成されていると、バッテリーセル31の特に側面が膨らむ可能性がある。そのような場合でも、図12に示すように、熱伝導部材1がバッテリーセル31の外面の形状に合わせて変形できるので、充放電時にも放熱性を高く維持できる。
(その他実施形態)
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
また、高滑性化層16は、樹脂フィルムの積層に制約されない。例えば、弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面に艶出し塗装を施したり、弾性シート11の厚さ方向の少なくとも一方の面をバフ研磨により鏡面化する等により、高滑性化層16が形成されても良い。
熱伝導部材1は、熱伝導フィルム20と高滑性化層16との間に、例えば接着層を介在させずに製造されるのが好ましい。また、弾性シート体10は、その形状に特に制約はなく、少なくともバッテリーセル30,31と対向する面および底部42と対向する面において、所定間隔を空けて熱伝導フィルム20が露出するように熱伝導フィルム20を保持可能な形状であれば、例えば、楕円、台形、円、多角形状等であっても良い。細長貫通孔12は、貫通孔の一例にすぎず、平面視にて細長くない形状の貫通孔でも良い。また、上述の製造工程において、縁加工工程(S100)よりも先に高滑性化層形成工程(S110)を行うこともできる。
また、熱源は、バッテリーセル30,31のみならず、回路基板や電子機器本体などの熱を発する対象物を全て含む。例えば、熱源は、キャパシタおよびICチップ等の電子部品であっても良い。また、熱伝導部材1は、バッテリー40以外の構造物、例えば、電子機器、家電、発電装置等に配置されていても良い。
本発明は、熱源と当該熱源より低温の冷却部材との間に配置され、熱源から冷却部材へと熱伝導を促進する分野にて利用可能である。

Claims (9)

  1. 熱源と冷却部材との間に介在させて前記熱源から前記冷却部材へと熱を移動させることのできる熱伝導部材であって、
    少なくとも厚さ方向に弾性変形可能な弾性シートと、当該弾性シートの前記厚さ方向の少なくとも一方の面に形成される層であって前記弾性シートよりも滑性の高い高滑性化層と、を有する弾性シート体と、
    前記弾性シート体の厚さ方向の表側の面と裏側の面に交互に露出しながら前記弾性シート体の前記厚さ方向と直角でシート面内の所定方向に蛇行して進行するように備えられる熱伝導フィルムと、
    を備え、
    前記弾性シートは、前記熱伝導フィルムが蛇行して進行する縁にテーパー部位若しくはカーブ部位を有しており、
    前記高滑性化層は、前記テーパー部位若しくはカーブ部位を覆っていることを特徴とする熱伝導部材。
  2. 前記高滑性化層は、前記弾性シートの前記厚さ方向の両面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記高滑性化層は、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導部材。
  4. 前記弾性シートは、発泡シートであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の熱伝導部材を製造する方法であって、
    前記弾性シートの厚さ方向の少なくとも一方の面に前記高滑性化層を形成する高滑性化層形成工程と、
    前記弾性シート体に、厚さ方向の表側の面から裏側の面に貫通する貫通孔を所定間隔おきに複数形成する貫通孔形成工程と、
    前記弾性シート体の前記表側の面に、前記貫通孔を覆うように前記熱伝導フィルムを配置する熱伝導フィルム配置工程と、
    前記熱伝導フィルムの上から、弾性シート体片を前記貫通孔に挿入して前記裏側の面から前記熱伝導フィルムを露出させる弾性シート体片挿入工程と、
    を含み、
    前記高滑性化層形成工程に先立ち、前記弾性シートにおける前記熱伝導フィルムが蛇行して進行する縁に、テーパー部位若しくはカーブ部位を形成する縁加工工程を行うことを特徴とする熱伝導部材の製造方法。
  6. 前記高滑性化層形成工程は、前記弾性シートの厚さ方向の両面に前記高滑性化層を形成する工程であることを特徴とする請求項5に記載の熱伝導部材の製造方法。
  7. 前記高滑性化層形成工程は、前記弾性シートの厚さ方向の少なくとも一方の面に樹脂フィルムを積層する工程であることを特徴とする請求項5または6に記載の熱伝導部材の製造方法。
  8. 前記貫通孔形成工程は、前記貫通孔の開口部の一部につながる前記弾性シート体片を回動させて前記貫通孔から退避させて前記貫通孔を形成する工程であり、
    前記弾性シート体片挿入工程は、前記弾性シート体片を前記貫通孔に向けて回動させて前記貫通孔に挿入する工程であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の熱伝導部材の製造方法。
  9. 前記熱源は1または2以上のバッテリーセルであり、かつ前記冷却部材は前記バッテリーセルを入れた筐体であり、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱伝導部材を前記バッテリーセルと前記筐体との間に介在させていることを特徴とするバッテリー。
JP2024500861A 2022-02-18 2022-02-18 熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー Active JP7782012B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2022/006672 WO2023157236A1 (ja) 2022-02-18 2022-02-18 熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2023157236A1 JPWO2023157236A1 (ja) 2023-08-24
JPWO2023157236A5 JPWO2023157236A5 (ja) 2025-01-30
JP7782012B2 true JP7782012B2 (ja) 2025-12-08

Family

ID=87578020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024500861A Active JP7782012B2 (ja) 2022-02-18 2022-02-18 熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7782012B2 (ja)
WO (1) WO2023157236A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007184392A (ja) 2006-01-06 2007-07-19 Taika:Kk 熱伝導構造体、それを用いた放熱部材及び電子機器
JP2015201534A (ja) 2014-04-08 2015-11-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法
JP2021170497A (ja) 2020-04-16 2021-10-28 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007184392A (ja) 2006-01-06 2007-07-19 Taika:Kk 熱伝導構造体、それを用いた放熱部材及び電子機器
JP2015201534A (ja) 2014-04-08 2015-11-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 熱伝導シートおよびその製造方法
JP2021170497A (ja) 2020-04-16 2021-10-28 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2023157236A1 (ja) 2023-08-24
WO2023157236A1 (ja) 2023-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4440838B2 (ja) 熱伝導性部材および該熱伝導性部材を用いた冷却構造
JP7503432B2 (ja) 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP7190311B2 (ja) 放熱構造体およびバッテリー
JP7689118B2 (ja) 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
CN213071222U (zh) 散热结构体及安装有该散热结构体的蓄电池
TW202109963A (zh) 散熱結構體以及具備該散熱結構體的電池
TW202030906A (zh) 散熱結構體以及具備該散熱結構體的電池
JP2019207759A (ja) 放熱構造体およびバッテリー
CN213638645U (zh) 散热结构体及蓄电池
JP7254661B2 (ja) 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP7782012B2 (ja) 熱伝導部材及びその製造方法、並びにバッテリー
JP2022175357A (ja) 熱伝導部材およびそれを備えるバッテリー
JP7542131B2 (ja) 熱伝導部材およびそれを備えるバッテリー
JP7376568B2 (ja) 放熱構造体シートおよび放熱構造体の製造方法
JP7598454B2 (ja) 熱伝導部材、熱伝導部材の製造方法およびバッテリー
JP2021197295A (ja) 放熱構造体、バッテリーおよび電子機器
JP7573483B2 (ja) 熱伝導部材およびそれを備えるバッテリー
JP7402705B2 (ja) 熱伝導構造体およびそれを備えるバッテリー
JP7550092B2 (ja) 熱伝導ユニットおよびそれを備えるバッテリー
EP4365939B1 (en) Heat-dissipating sheet and method for manufacturing the same
JP7534878B2 (ja) デバイス
JP7772885B1 (ja) 放熱構造体およびそれを用いたバッテリー
JP7550103B2 (ja) バッテリー
JP7478578B2 (ja) 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー
JP2019220261A (ja) 放熱構造体およびバッテリー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20241125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20241125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20251015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20251111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20251126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7782012

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150