JP7782200B2 - 電動車両 - Google Patents

電動車両

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Description

ここに開示する技術は、冷却用配管に冷却液を循環させる電動車両に関する。
特許文献1に開示された電動車両は、ラジエータと、前記ラジエータの流出口及び流入口を接続する冷却用配管と、前記冷却用配管に冷却水を循環させるポンプと、前記ポンプを制御する制御部とを備える。
特開2013-84648号公報
ところで、電動車両の走行に用いられる走行用バッテリを、所定の動作温度範囲の上限を超える温度で動作させると、性能の劣化を招く虞がある。
また、種々の演算を行うプロセッシングユニットを内蔵する半導体チップを電動車両に設ける場合、プロセッシングユニットの演算負荷が大きくなると、半導体チップが発熱によって故障する虞がある。
ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行用バッテリの性能の劣化、及び電動車両用の半導体チップの故障を抑制することにある。
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、ラジエータと、前記ラジエータの流出口及び流入口を接続する冷却用配管と、前記冷却用配管に冷却液を循環させるポンプと、温度を測定する温度センサと、前記温度センサによって測定された温度に基づいて前記ポンプを制御する制御部とを備えた電動車両であって、前記冷却用配管は、前記電動車両の走行に用いられる走行用バッテリの内部を通過するバッテリ冷却用配管部と、プロセッシングユニットを内蔵する半導体チップに熱伝導部材を介して接続されたチップ冷却用配管部とを有し、前記バッテリ冷却用配管部及び前記チップ冷却用配管部は互いに並列に接続され、前記冷却用配管には、前記ラジエータから流出した冷却液を、前記バッテリ冷却用配管部と前記チップ冷却用配管部とに分配する分配弁が介設されているという構成にした。
上記態様によると、バッテリ冷却用配管部に冷却液を流すことによって走行用バッテリを冷却できるので、高温での動作に起因する走行用バッテリの性能の劣化を抑制できる。また、チップ冷却用配管部に冷却液を流すことによって半導体チップを冷却できるので、半導体チップの発熱による故障を抑制できる。
上記態様によると、車室内の温度に応じて、走行用バッテリ及び半導体チップを冷却できる。
以上説明したように、ここに開示された技術によると、走行用バッテリの性能の劣化、及び電動車両用の半導体チップの故障を抑制できる。
実施形態のシステムの構成を例示する概略図である。 グリッドコンピューティングについて説明するための概念図である。 車両の構成を例示するブロック図である。 ユーザ端末の構成を例示するブロック図である。 クライアントサーバの構成を例示するブロック図である。 施設サーバの構成を例示するブロック図である。 管理サーバの構成を例示するブロック図である。 クライアントが運営側サーバにジョブを依頼するための登録フォームを例示する概略図である。 施設端末、車両、クライアント端末、及び管理サーバの間で伝達される情報を示す概略図である。 管理システムの動作を例示するフローチャートである。 グリッドの編成例を示す図である。 グリッドの編成例を示す図である。 グリッドの編成処理を例示するフローチャートである。 ジョブの受付処理を例示するフローチャートである。 マッチング処理を例示するフローチャートである。 グリッドコンピューティング処理を例示するフローチャートである。 実施形態1に係る電動車両の前部を示す概略斜視図である。 図17のXVIII-XVIII線における概略断面図である。 車両用演算装置を左側から見た側面図である。 冷却水及びフロンの流れを説明する概略側面図である。 実施形態1に係る電動車両の温度制御系統を示すブロック図である。 ECUの動作を例示するフローチャートである。 実施形態2の図21相当図である。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付すものとし、繰り返しの説明を省略する場合がある。
<実施形態>
(グリッドコンピューティングシステム)
図1は、実施形態のグリッドコンピューティングシステム1(以下、単に「システム1」ともいう)の構成を例示する。なお、本実施形態に係る車両(移動体)の温度制御システムは、グリッドコンピューティングシステム1の一部として構成される。
このシステム1は、複数の車両10と、複数のユーザ端末20と、クライアント端末30と、施設端末40と、管理サーバ50とを備える。これらの構成要素は、通信網5を経由して互いに通信可能である。複数の車両10の各々には、演算装置105が搭載される。
〔グリッドコンピューティング〕
図2に示すように、実施形態のシステム1では、複数の演算装置105によりグリッドコンピューティング(以下、単に「グリッドG」ともいう)が構成され、複数の演算装置105のうち利用可能な演算装置105にジョブデータを処理させるグリッドコンピューティング処理が行われる。
なお、車両10において演算装置105の計算能力が必要となると、演算装置105が稼働状態となり、演算装置105の計算能力が利用される。例えば、車両10が走行している場合、車両10の走行制御のために演算装置105の計算能力が必要となり、演算装置105が稼働状態となる。
一方、車両10において演算装置105の計算能力が不要になると、演算装置105が停止状態となり、演算装置105の計算能力が利用されなくなる。例えば、車両10が停車して車両10の電源がオフ状態になると、演算装置105の計算能力が不要となり、演算装置105が停止状態となる。
〔車両〕
車両10は、ユーザに所有される。ユーザは、車両10を運転する。この例では、車両10は、自動四輪車である。また、車両10には、走行用バッテリ6(図17参照)が搭載される。走行用バッテリ6の電力は、演算装置105などの車載機器に供給される。このような車両10の例としては、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などが挙げられる。
図3に示すように、車両10は、アクチュエータ11と、センサ12と、入力部101と、出力部102と、通信部103と、記憶部104と、演算装置(プロセッサ)105とを備える。
アクチュエータ11は、駆動系のアクチュエータ、操舵系のアクチュエータ、制動系のアクチュエータなどを含む。駆動系のアクチュエータの例としては、エンジン、トランスミッション、モータが挙げられる。制動系のアクチュエータの例としては、ブレーキが挙げられる。操舵系のアクチュエータの例としては、ステアリングが挙げられる。
センサ12は、車両10の制御に用いられる各種の情報を取得する。センサ12の例としては、車外を撮像する車外カメラ、車内を撮像する車内カメラ、車外の物体を検出するレーダ、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、アクセル開度センサ、ステアリングセンサ、ブレーキ油圧センサなどが挙げられる。
また、センサ12には、他にも、車両10の各部の温度情報を検出するセンサが含まれる。例えば、センサ12には、後述する室内温度センサ32などが含まれる。
入力部101は、情報やデータを入力する。入力部101の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。入力部101に入力された情報やデータは、演算装置105に送られる。
出力部102は、情報やデータを出力する。出力部102の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。
通信部103は、情報やデータを送受信する。通信部103により受信された情報やデータは、演算装置105に送られる。
記憶部104は、情報やデータを記憶する。記憶部104の具体的な構成は、特に限定されない。例えば、チップに内蔵されたメモリで実現されてもよいし、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)で実現されてもよいし、DVDやBDのような光ディスクで実現されてもよい。本開示では、車両10に搭載され、データを格納したり、蓄積できる記憶領域を総称して、ストレージ108と称する。換言すると、記憶部104は、ストレージ108の一部の記憶領域で実現される。
この例では、記憶部104は、車両情報D10を記憶する。車両情報D10には、車両識別情報D11と、車両状態情報D12と、車両走行情報D13と、リソース情報D14と、稼働履歴情報D15と、稼働予定情報D16が含まれる。
〈車両識別情報〉
車両識別情報D11は、それぞれの車両10を識別するための情報である。具体的には、車両識別情報D11は、車両10を識別する車両識別情報、車両10を所有するユーザを識別するユーザ識別情報、車両10の性能を示す車両10のグレード情報(車両の駆動系の性能、オプションの状態を含む)を含む。
〈車両状態情報〉
車両状態情報D12は、車両10の状態を示す情報である。例えば、車両状態情報D12は、車両位置情報、車両通信情報、車両電源情報、車両電池残量情報、車両充電情報などを含む。車両位置情報は、車両10の位置(緯度および経度)を示す。例えば、車両位置情報は、GPS(Global Positioning System)により取得可能である。車両通信情報は、車両10の通信状態を示す。車両電源情報は、車両10の電源の状態を示す。例えば、車両電源情報は、イグニッション電源のオンオフ、アクセサリ電源のオンオフなどを示す。車両電池残量情報は、車両10に搭載された走行用バッテリ6(図17参照)の残量を示す。車両充電情報は、充電設備(図示省略)において車両10が充電中であるか否かを示す。
〈車両走行情報〉
車両走行情報D13は、車両10の走行履歴を示す情報である。例えば、車両走行情報D13は、車両10の位置と時刻とを関連付けて示す。なお、走行履歴情報に加えて、車両10の未来の走行予定を示す走行予定情報が含まれてもよい。
〈リソース情報〉
リソース情報D14は、後述する演算資源109(後述するCPU106、GPU107及びストレージ108を含む)に関する情報である。
リソース情報D14は、例えば、演算装置105(CPU106、GPU107を含む)に関し、演算装置105に設定された演算装置ID、演算装置105を搭載する車両10に設定された車両ID、演算装置105の性能を示す演算装置性能情報を含む。演算装置IDは、例えば、CPU106、GPU107のそれぞれに設定されてもよい。演算装置性能情報は、例えば、CPU106、GPU107のそれぞれの性能情報を含む。
リソース情報D14は、例えば、ストレージ108に関し、グリッドコンピューティング処理に割り当てることができる情報、例えば、記憶容量値、ストレージの種別(HDD,SSD,フラッシュメモリ等)、各ストレージ108への書込速度/読出速度、エラーレートなどの情報を含む。また、ストレージ108に関するリソース情報として、車両全体で搭載されている記憶容量値、現在の空き容量値を含んでもよい。
演算装置IDは、演算装置105を識別する演算装置識別情報の一例である。演算装置性能情報に示される演算装置105の性能には、演算装置105の計算能力(具体的には最大計算能力)を示す計算能力、演算装置105におけるCPU106とGPU107との比率などが含まれる。なお、演算装置105の計算能力は、演算装置105が単位時間当たりに計算することができるデータ量である。
〈稼働履歴情報〉
稼働履歴情報D15は、演算装置105の稼働履歴を示す情報である。例えば、稼働履歴情報D15は、演算装置105の計算能力の利用率及び/またはジョブの処理量と、時刻とを関連付けて示す。稼働履歴情報D15は、通常稼働履歴と、グリッド稼働履歴とを含む。通常稼働履歴は、例えば、車両の走行やカーナビ、音楽再生等のサービスの提供等のように、ユーザの利用のために演算装置105を稼働させた履歴を示す情報である。グリッド稼働履歴は、グリッドコンピューティング処理を実行するために演算装置105を稼働させた履歴を示す情報である。
〈稼働予定情報〉
稼働予定情報D16は、演算装置105の稼働予定を示す情報である。具体的には、稼働予定情報D16は、演算装置105の過去の利用状況を利用履歴情報、演算装置105の未来の利用状況を示す利用予定情報などを示す。
演算装置105は、車両10の各部を制御する。この例では、演算装置105は、センサ12により得られた各種の情報に応じてアクチュエータ11を制御する。
演算装置105は、プロセッサ、メモリなどを有する。プロセッサの例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
なお、演算装置105に搭載されるプロセッサの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、演算装置105に搭載されるプロセッサは、CPU106およびGPU107のいずれか一方のみであってもよいし、CPU106およびGPU107の両方であってもよい。この例では、演算装置105は、CPU106およびGPU107の両方を有する。例えば、演算装置105は、1つまたは複数のECU(Electronic Control Unit)により構成される。
演算装置105には、CPU106とGPU107のうちの少なくとも1つが含まれる。本開示では、グリッドコンピューティングの計算・処理に利用可能な資源を「演算資源109」と称する。演算資源109は、車両10に搭載されたCPU106、GPU107及びストレージ108の一部または全部を含む。例えば、後述する図12において、マスタ車両CMには、演算資源として、3つのCPU106と1つのGPU107と1つのストレージ108とが搭載されている。同様に、車両C1には、1つのCPU106と2つのGPU107と1つのストレージ108とが搭載され、車両C2には、2つのCPU106と1つのGPU107と1つのストレージ108とが搭載され、車両C3には、1つのCPU106と1つのGPU107と2つのストレージ108とが搭載されている。なお、車両10に搭載されたCPU106、GPU107及びストレージ108のうち、その一部を演算資源109としてもよい。すなわち、例えば、CPU106、GPU107及び記憶部104に演算資源109としての利用ができないものや利用の制限がされているものが含まれていてもよい。
また、この演算資源109には、ECU110と、後述するMPU(Micro-processing unit)111とが含まれる。ECU110は、主に、車両10の各部を制御するために動作する演算資源である。MPU111は、グリッドコンピューティングを構成する。つまり、MPU111は、主に、グリッドコンピューティングの計算・処理を行うために用いられる演算資源である。詳しくは後述するが、MPU111は、ECU110の計算・処理能力を向上させるために、ECU110に対して増設される演算資源である。このため、車両10が走行などを行っていない場合、ECU110はほぼ動作していないため、ECU110の内部温度の制御を行う必要はない。しかし、車両10の駐車中に、MPU111がグリッドコンピューティングの計算・処理を行う場合がある。かかる場合、MPU111の内部温度の制御を行う必要が生じる。
また、例えば、演算資源109としての利用を許可される時間帯と、演算資源109としての利用を制限する時間帯とが分けられていてもよい。すなわち、単一のCPU106が、ある時間帯では演算資源109としてカウントされ、他の時間帯では演算資源109としてカウントされないとしてもよい。GPU107及びストレージ108についても同様である。
また、CPU106が単一または複数のコアで実現されている場合において、その複数のコアの一部が演算資源109としてカウントされ、それ以外のコアは演算資源109としてカウントされないとしてもよい。GPU107についても同様である。同様に、ストレージ108の記憶領域のうちの一部が演算資源109としてカウントされ、それ以外の記憶領域は演算資源109としてカウントされないとしてもよい。
〔ユーザ端末〕
ユーザ端末20は、ユーザに所有される。ユーザは、ユーザ端末20を操作して各種の機能を利用する。また、ユーザは、ユーザ端末20を持ち運ぶことができる。このようなユーザ端末20の例としては、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
図4に示すように、ユーザ端末20は、入力部201と、出力部202と、通信部203と、記憶部204と、制御部205とを備える。
入力部201は、情報やデータを入力する。入力部201の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。入力部101に入力された情報は、演算装置105に送られる。
出力部202は、情報やデータを出力する。出力部202の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。
通信部203は、情報やデータを送受信する。通信部303により受信された情報やデータは、制御部205に送られる。
制御部205は、ユーザ端末20の各部を制御する。制御部205は、プロセッサ、メモリなどを有する。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
記憶部204は、情報やデータを記憶する。この例では、記憶部204は、端末情報D21と、端末状態情報D22と、スケジュール情報D23とを記憶する。
〈端末情報〉
端末情報D21は、ユーザ端末20に関する情報である。例えば、端末情報D21は、ユーザ端末20に設定されたユーザ端末ID、ユーザ端末20の性能を示すユーザ端末性能情報などを含む。ユーザ端末IDは、ユーザ端末20を識別するユーザ端末識別情報の一例である。
〈端末状態情報〉
端末状態情報D22は、ユーザ端末20の状態を示す情報である。端末状態情報D22は、ユーザ端末20の位置を示すユーザ端末位置情報、ユーザ端末20の通信状態を示すユーザ端末通信状態情報などを含む。
〈スケジュール情報〉
スケジュール情報D23は、ユーザ端末20を所有するユーザの行動履歴および行動予定を示す。例えば、スケジュール情報D23は、ユーザの位置と滞在期間(または滞在予定期間)とを関連付けて示す。なお、スケジュール情報D23は、ユーザ端末20に搭載されたスケジュール機能により取得可能である。具体的には、ユーザがスケジュール機能を利用して自身の行動履歴および行動予定をユーザ端末20に入力することで、そのユーザの行動履歴および行動予定を示すスケジュール情報D23が得られる。
〔クライアントサーバ〕
クライアント端末30は、クライアントにより所有される。クライアントは、ジョブデータの計算を依頼する。このようなクライアントの例としては、企業、研究機関、教育機関などが挙げられる。
図5に示すように、クライアント端末30は、入力部301と、出力部302と、通信部303と、記憶部304と、制御部305とを備える。
入力部301は、情報やデータを入力する。入力部301の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。入力部301に入力された情報やデータは、制御部305に送られる。
出力部302は、情報やデータを出力する。出力部302の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。
通信部303は、情報やデータを送受信する。通信部303により受信された情報やデータは、制御部305に送られる。
制御部305は、クライアント端末30の各部を制御する。制御部305は、プロセッサ、メモリなどを有する。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
記憶部304は、情報やデータを記憶する。この例では、記憶部304は、クライアント情報D31と、ジョブデータD1とを記憶する。
〈クライアント情報〉
クライアント情報D31は、クライアントに関する情報である。クライアント情報D31は、クライアントに設定されたクライアントID、クライアントにより所有されるクライアント端末30に設定されたクライアント端末ID、担当者名、住所、電話番号などを含む。クライアントIDは、クライアントを識別するクライアント識別情報の一例である。クライアントサーバIDは、クライアント端末30を識別するクライアント識別情報の一例である。
〈ジョブデータ〉
ジョブデータD1は、ジョブに対応するデータであり、ジョブの実施のために処理されるデータである。
なお、ジョブデータD1は、計算タイプにより分類可能である。計算タイプの例としては、CPU系の計算タイプ、GPU系の計算タイプなどが挙げられる。CPU系の計算タイプのジョブデータD1では、シミュレーション計算など、条件分岐の多い複雑な計算が要求される傾向にある。GPU系の計算タイプのジョブデータD1では、画像処理や機械学習など、膨大な量の単純計算が要求される傾向にある。
また、ジョブデータD1は、処理条件により分類可能である。処理条件の例としては、常時通信が要求される処理条件、常時通信が要求されない処理条件などが挙げられる。常時通信が要求される処理条件のジョブデータD1では、グリッドコンピューティング処理において演算装置105が常に通信可能であることが要求される。常時通信が要求されない処理条件のジョブデータD1では、グリッドコンピューティング処理において演算装置105が常に通信可能であることが要求されない。
〈ジョブ情報〉
なお、記憶部304には、ジョブに関するジョブ情報が記憶されてもよい。ジョブ情報は、ジョブの名称を示すジョブ名称情報、ジョブの内容を説明するジョブ内容情報、ジョブに対応するジョブデータに関するジョブデータ情報、ジョブの納期を示すジョブ納期情報などを含む。ジョブデータ情報は、ジョブデータの計算タイプ、処理条件、必要計算能力などを示す。
〔施設端末〕
施設端末40は、施設により所有される。施設には、ユーザが訪れる。ユーザは、施設への来訪予約を行うことができる。このような施設の例としては、販売店、競技場、劇場、スーパーマーケット、レストラン、宿泊施設などが挙げられる。
この例では、施設は、車両のメンテナンスが可能に構成された販売店や整備工場であり、施設端末40は、その販売店や整備工場に設けられた端末であるものとする。施設端末40に代えて、施設に設けられた施設サーバとしてもよい。その場合においても、ブロック構成等は施設端末40と同様でよい。
図6に示すように、施設端末40は、入力部401と、出力部402と、通信部403と、記憶部404と、制御部405とを備える。施設端末40の入力部401、出力部402、通信部403、記憶部404、制御部405の構成は、クライアント端末30の入力部301、出力部302、通信部303、記憶部304、制御部305の構成と同様である。
この例では、記憶部404は、施設情報D41と、施設利用情報D42と、演算資源の増設情報D43を記憶する。
〈施設情報〉
施設情報D41は、施設に関する情報である。施設情報D41は、施設に設定された施設ID、施設により所有される施設端末40に設定された施設端末ID、施設の位置(緯度および経度)を示す施設位置情報、担当者名、住所、電話番号などを含む。施設端末IDは、施設端末40を識別する施設識別情報の一例である。
〈施設利用情報〉
施設利用情報D42は、販売店や整備工場などの施設の利用履歴情報、メンテナンス情報及び施設の利用予約情報を含む。メンテナンス情報は、各車両のメンテナンスのスケジュール情報、メンテナンスの種別、実施予定のメンテナンス内容、メンテナンスについての問い合わせ情報、メンテナンス時の伝達事項などの情報が含まれる。また、施設利用情報D42には、ユーザの来訪予約日時、演算資源の増設・交換を含む施設への来訪目的が含まれる。また、来訪目的に「演算資源の増設・交換」が含まれる場合には、ユーザ施設利用情報に、後述する演算資源109の増設情報D43が関連付けられている。なお、施設利用情報D42として、施設を訪れるユーザと滞在期間(または滞在予定期間)とを関連付けた情報が含まれてもよい。
〈演算資源の増設情報〉
演算資源109の増設情報D43は、増設の対象となる車両の車両識別情報D11と、増設・交換の対象となる演算資源109の情報とが関連付けされた情報である。
演算資源109の増設形態は、特に限定されない。例えば、CPU106、GPU107及びストレージ108が実装されたオールインワンのMPU(Micro-processing unit)ボードであってもよいし、増設したい演算資源(CPU106、GPU107またはストレージ108のうちの1または複数)に特化した単体ボードであってもよい。
増設・交換の対象となる演算資源109の情報は、例えば、上記のようなボードの名称や識別コードなどであって、施設端末40の利用者や、ボード(演算資源)などの増設を行う作業者がわかりやすい形態で登録される。
〔管理サーバ〕
管理サーバ50は、グリッドコンピューティングの運営を管理する。言い換えると、複数の車両10のそれぞれに搭載される演算資源109を活用したグリッドコンピューティングを管理する管理システムは、管理サーバ50を備える。管理サーバ50は、システム1を運営する事業者により所有される。
図7に示すように、管理サーバ50は、入力部501と、出力部502と、通信部503と、記憶部504と、制御部505とを備える。管理サーバ50の入力部501、出力部502、通信部503の構成は、クライアント端末30の入力部301、出力部302、通信部303の構成と同様である。記憶部504および制御部505は、グリッドコンピューティングを管理する管理システムの構成要素の一例である。
この例では、制御部505は、グリッドコンピューティングの運営や管理に関する一連の制御及び処理を実行する機能を有する。より具体的には、図9に示す矢印のフローを実現するための制御や処理であったり、図10以降のフロー図内での制御や処理を実行する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、管理サーバ50を主体をとして記載しているが、制御部505がその処理や制御に寄与することで実現される場合がある。例えば、制御部505は、後述する「抽出処理」、「案内処理」、「更新処理」、「計算能力推定処理」、「ジョブ推定処理」、「決定処理」を主体となって実行するように構成される。それぞれの処理については、後ほどフロー図等の図面を参照しつつ具体的に説明する。
制御部505は、プロセッサ、メモリなどを有する。プロセッサの例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。なお、制御部505を実現するためのプロセッサの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
記憶部504は、情報やデータを記憶する。記憶部104の具体的な構成は、特に限定されない。例えば、チップに内蔵されたメモリで実現されてもよいし、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)で実現されてもよいし、DVDやBDのような光ディスクで実現されてもよい。
この例では、記憶部504には、ユーザテーブルD51と、演算資源テーブルD52と、クライアントテーブルD53と、ジョブテーブルD54と、グリッドテーブルD55と、マッチングテーブルD56と、ジョブデータD1と、計算結果データD2、ジョブ傾向情報D9等の各種データが格納される。
〈ユーザテーブル〉
ユーザテーブルD51は、ユーザを管理するためのテーブルである。ユーザテーブルD51には、ユーザ毎に、そのユーザに設定されたユーザID、そのユーザにより所有される車両10(以下、所有車両ともいう)に設定された車両ID(例えば、VIN)、そのユーザにより所有される演算資源109に設定された演算資源ID、そのユーザにより所有されるユーザ端末20に設定されたユーザ端末IDなどが登録される。さらに、ユーザテーブルD51には、そのユーザに関する、販売店や整備工場の利用履歴情報、所有車両の次のメンテナンス期日や定期メンテナンス期日などのメンテナンス期日情報D3を含むメンテナンス情報D4、所有車両のグレード情報、所有車両への演算資源の増設可否の情報などが登録されていてもよい。
〈演算資源テーブル〉
演算資源テーブルD52は、演算資源109を管理するためのテーブルである。演算資源テーブルD52には、演算資源109毎に、その演算資源109に設定された演算資源ID、その演算資源109を所有するユーザに設定されたユーザID、その演算資源109が搭載される車両10に設定された車両IDなどが登録される。
また、演算資源テーブルD52には,演算資源109毎に、演算資源109の種別、その演算資源109のスペック(計算能力、記憶容量など)、その演算資源109の稼働状況(稼働履歴および稼働予定)などが登録される。言い換えると、演算資源テーブルD52は、複数の演算資源109の各々の稼働状況を示す稼働状況情報D5と、複数の演算資源109の各々の性能を示す演算資源情報D6とを含む。
演算資源情報D6には、演算資源109がCPU106やGPU107の場合には、その演算資源109の各々の計算能力を示す計算能力情報D7が含まれる。ここでの計算能力には、計算能力の時間変化を含む。言い換えると、計算能力情報D7には、計算能力の時間変化も考慮して、所定期間において発揮することができる計算能力という意味が含まれる。
また、演算資源109がストレージ108の場合には、記憶容量、データの書込/読出速度、エラーレート等のストレージ108の性能を示すストレージ性能情報D8が含まれる。ここでのストレージ性能には、ストレージ性能の時間変化を含む。言い換えると、ストレージ性能情報D8には、性能の時間変化も考慮して、所定期間において発揮することができるストレージ性能という意味が含まれる。
〈クライアントテーブル〉
クライアントテーブルD53は、クライアントを管理するためのテーブルである。クライアントテーブルD53には、クライアント毎に、そのクライアントに設定されたクライアントID、クライアントにより所有されるクライアント端末30に設定されたクライアント端末ID、そのクライアントの担当者名、住所、電話番号などが登録される。
〈ジョブテーブル〉
ジョブテーブルD54は、クライアントから依頼されたジョブを管理するためのテーブルである。ジョブテーブルD54には、ジョブ毎に、そのジョブに設定された受付番号、そのジョブを依頼したクライアントに設定されたクライアントID、そのジョブの名称および内容などが登録される。また、ジョブテーブルD54には、ジョブ毎に、そのジョブに対応するジョブデータの計算タイプおよび処理条件、そのジョブデータの計算に必要となる計算能力である必要計算能力、そのジョブに設定された納期などが登録される。
〈グリッドテーブル〉
グリッドテーブルD55は、グリッドコンピューティング処理におけるグリッドG及びそれぞれのグリッドGの計算能力を管理するためのテーブルである。
グリッドテーブルD55には、グリッドG毎に、そのグリッドGを識別するためのグリッドID、グリッドGを構成する車両の車両識別情報D11、そのグリッドGを構成する演算資源109による計算能力などが登録される。ここでの計算能力には、計算の前提となる基本性能(計算スペック)に加えて、計算能力の時間的変化の予測結果が含まれる。
言い換えると、グリッドテーブルD55には、グリッドコンピューティング処理において、所定の期間で考えた場合におけるそのグリッドGで処理が可能と予想されるジョブの概算予測値である実行可能ジョブ情報D59が登録されている。
なお、グリッドテーブルD55に、車両識別情報D11に関連付して他の車両情報D10(例えば、リソース情報D14)が登録されていてもよい。
〈マッチングテーブル〉
マッチングテーブルD56は、後述するマッチング処理の結果を管理するためのテーブルである。マッチングテーブルD56には、ジョブ毎に、そのジョブに設定された受付番号、そのジョブに対応するジョブデータD1に設定されたジョブデータID、マッチング処理によりそのジョブデータに対して割り当てられたグリッドGのグリッドIDなどが登録される。
〈ジョブデータ〉
記憶部504に記憶されるジョブデータD1は、後述するジョブ受付処理により受け付けられたジョブデータD1である。
〈計算結果データ〉
記憶部504に記憶される計算結果データD2は、後述するグリッドコンピューティング処理により実行されたジョブの計算結果のデータである。
〔グリッドコンピューティングシステムの動作〕
図9は、施設端末、車両、クライアント端末、及び管理サーバの間で伝達される情報を示す概略図である。また、図10は、管理システムの動作の一例について示したフロー図である。
〈ステップS1〉
ステップS1において、管理サーバ50は、各車両10の計算能力を推定する。
まず、管理サーバ50は、各車両10に最新の車両情報D10の送信を要請する。管理サーバ50から車両情報D10の送信要請を受けた各車両10は、参加者情報を管理サーバ50に送信する。このときに送信される車両情報D10は、車両情報D10の一部が送信されてもよいし、全ての車両情報D10が送信されてもよい。送信される車両情報D10には、車両識別情報D11とリソース情報D14が含まれる。管理サーバ50では、各車両10から受信した車両情報D10を演算資源テーブルD52に登録する。なお、すでに管理サーバ50に車両情報D10が登録されている車両10については、登録されている登録情報との差分情報のうち、必要な情報を車両10から管理サーバ50に送信するようにしてもよい。
次に、管理サーバ50では、例えば、演算資源テーブルD52に登録された車両情報D10を参照して、演算資源情報D6を推定する計算能力推定処理を実行する。演算資源情報D6は、各車両の計算能力情報D7とストレージ性能情報D8が含まれる。
計算能力推定処理において、管理サーバ50が参照する情報は、例えば、各車両10の車両状態、演算資源109の演算可能量、演算資源109で対応が可能な演算タイプ、または、演算可能時間である。演算可能時間に関しては、例えば、車両10から具体的なスケジュールを受信してもよいし、記憶部504に保存された車両10および車両10の演算装置105の過去の利用傾向を分析して、演算装置105が演算資源として使える時間帯のスケジュールを予測するようにしてもよい。なお、それぞれの車両10から演算資源情報D6に相当する情報が受信された場合、その情報を利用すればよい。
管理サーバ50は、取得または予測した演算資源情報D6を演算資源テーブルD52に登録する。
管理サーバ50は、推定した演算資源情報D6を、各車両10の車両識別情報D11と紐づけて演算資源テーブルD52に登録する。
〈ステップS2〉
ステップS2において、管理サーバ50は、グリッドコンピューティング処理を実行するためのグリッドGを編成するグリッド編成処理を実行する。
以下、図13を参照して、グリッド編成処理について説明する。
-ステップS21-
まず、管理サーバ50は、それぞれのグリッドGを構成する。グリッドGは、各車両10に搭載された演算装置105及びストレージ108のうち、グリッドコンピューティング処理に利用可能な演算資源109(単に、「演算資源109」ともいう)に基づいて構成される。
グリッドGの構成方法は、特に限定されないが、例えば、特定の時間に、所定のエリアに停車している可能性の高い車両同士でグリッドGを構成してもよい。この場合、例えば、ユーザの自宅の位置に基づいてグリッドGを構成してもよいし、ユーザが車で通勤している場合に、その職場や営業所などでグリッドGを構成してもよい。また、例えば、演算資源109に補完関係のある車両同士でグリッドGを構成してもよい。
また、例えば、管理サーバ50は、GPU107の利用に特化したジョブを実行できるようにグリッドGを構成するといったように、依頼されたジョブであったり、依頼される傾向の高いジョブであったり、対応しようとするジョブの難易度などに応じてグリッドGを構成してもよい。
また、管理サーバ50は、あらかじめ複数のグリッド候補を作成しておき、ジョブに応じて最終的にグリッドGを確定させるようなグリッドGの構成方法をとってもよい。その場合には、ステップS3からステップS6の間でグリッドGの編成または再編成が行われる。
また、管理サーバ50は、後述するグリッドコンピューティング処理の終了後に、グリッドGをいったん解消し、再度新しいグリッドGを組みなおすようにしてもよい。換言すると、後述するステップS3からS8のループ処理の中で、グリッドGの再構築が行われてもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜上、ステップS2で編成されたグリッドGが維持され、ステップS3以降の処理が進められるものとする。
図11では、複数の車両毎にグルーピングして、グリッドGA,GB,GC,…,GXを構成した例を示している。
なお、管理サーバ50は、後述するクライアント端末30からリクエストされたジョブの傾向や種別などに応じてグリッドGを構成するようにしてもよい。また、リクエストされたジョブに応じて、適宜、グリッドGを構成する車両10の台数や組み合わせを変えるようにしてもよい。
また、図12に示すように、管理サーバ50は、グリッドGを構成する車両10の中から、そのグリッドGに対して割り当てられたジョブを管理するマスタ車両CMを決定してもよい。そして、管理サーバ50は、基本的には、そのマスタ車両CMとの間でデータをやり取りするようにしてもよい。この場合、マスタ車両CMは、同じグリッドに所属する他の車両10(例えば、図12の車両C1~C3)を管理する管理機能と、それらの他の車両(例えば、図12の車両C1~C3)と管理サーバ50との間の中継装置としての機能とを備える。マスタ車両CMの選定方法は、特に限定されないが、例えば、グリッドコンピューティング処理の参加率や、搭載された演算資源109の性能などに基づいて選定される。
-ステップS22-
次に、管理サーバ50は、各グリッドGの計算能力及びストレージ性能の推定処理を実行する。
具体的には、管理サーバ50は、グリッドGを構成するそれぞれの車両10の演算資源テーブルD52を参照し、それぞれの車両10の演算資源情報D6に基づいて、グリッドGの計算能力及びストレージ性能を推定する。
-ステップS23-
管理サーバ50は、ステップS21においてグリッドGを編成すると、グリッドGを識別するためのグリッドIDと、各車両10の車両情報D10とを関連付けてグリッドテーブルD55に登録する。そのときに、管理サーバ50は、ステップS22において推定したグリッドGの計算能力及びストレージ性能を関連付けて登録する。
〈ステップS3〉
ステップS3において、管理サーバ50は、ジョブの受付処理を実行する。以下、図14を参照して、ジョブ受付処理について説明する。
ジョブ受付処理では、管理サーバ50は、クライアント端末30からジョブデータD1(ジョブの依頼)が受信される毎に、以下の処理を行う。
-ステップS31-
まず、管理サーバ50は、クライアントからジョブの依頼を受け付ける。具体的には、クライアント端末30は、クライアントの担当者による操作に応答して、ジョブ依頼申請を管理サーバ50に送信する。管理サーバ50は、その申請に応答して以下の処理を行う。
管理サーバ50は、ジョブの受付に必要となる情報(具体的にはジョブを依頼するクライアントに関するクライアント情報D31とジョブに関するジョブ情報)の送信をクライアント端末30に要求する。この例では、管理サーバ50は、ジョブ受付画面の画像データをクライアント端末30に送信する。クライアント端末30は、その画像データからジョブ受付画面の画像を再生し、その画像を出力部302(表示部)に出力(表示)させる。
図8は、クライアントが管理サーバ50にジョブを依頼するための登録フォームR10の一例である。この登録フォームR10は、例えば、クライアントが所有する計算機の表示部に入力可能な形式で表示される。登録フォームR10の入力情報は、管理サーバ50が複数の車両で構成されたグリッドG(単に「グリッドG」ともいう)とジョブとのマッチングをする際に、必要な情報が含まれる。
登録フォームR10には、例えば、企業(クライアントに相当)の概要として、企業名称の入力欄R101、担当者名の入力欄R102、企業の住所の入力欄R103、及び電話番号の入力欄R104がある。登録フォームR10には、例えば、ジョブ概要として、ジョブの名称の入力欄R111、ジョブの内容の入力欄R112、ジョブの演算タイプの入力欄R113、ジョブの実行条件の入力欄R114、ジョブの必要計算能力の入力欄R115、及び計算結果の納期R116などが含まれる。ジョブの内容としては、例えば、ジョブの目的やクライアントにおける当該ジョブの重要度等が入力される。ジョブの演算タイプとしては、例えば、前述の計算能力情報における「計算タイプ」と同様に、CPU系やGPU系等の情報が入力される。ジョブの実行条件としては、例えば、クライアント端末30との常時通信の有無や推奨される通信能力などが入力される。ジョブの必要計算能力としては、例えば、前述の計算能力情報における「計算能力」と同様に、ジョブの実行に必要な計算能力がFLOPSの単位で入力される。計算結果の納期としては、年月日及び時間が入力される。尚、登録フォームR10には、これら以外の情報が入力されてもよい。例えば、登録フォームR10には、クライアントが希望する計算結果のデータ形式を入力する項目があってもよい。また、登録フォームR10にジョブの実行に必要なプログラムを添付する項目が設けられていてもよい。
クライアントの担当者は、クライアント端末30の入力部301(操作部)を操作して、ジョブ受付画面に必要な情報を入力する。これにより、ジョブを依頼するクライアントに関するクライアント情報と、ジョブに関するジョブ情報とが入力される。そして、これらの情報の入力が完了すると、クライアントの担当者は、クライアント端末30の入力部301(操作部)を操作して、ジョブ受付画面の登録ボタンB100を押下する。登録ボタンB100が押下されると、クライアント端末30は、ジョブ受付画面に入力された情報(クライアント情報およびジョブ情報)を管理サーバ50に送信する。管理サーバ50は、クライアント情報とジョブ情報とを受信する。
次に、管理サーバ50は、依頼されたジョブに対応するジョブデータD1の送信をクライアント端末30に要求する。クライアント端末30は、その要求に応答して、依頼するジョブに対応するジョブデータD1を管理サーバ50に送信する。管理サーバ50は、ジョブデータD1を受信する。
-ステップS32-
次に、管理サーバ50は、ステップS31において受信されたジョブデータD1を分析する。具体的には、管理サーバ50において、ジョブデータD1の計算タイプ、処理条件、必要計算能力などを分析する。管理サーバ50は、このジョブデータD1の計算タイプ、処理条件、必要計算能力などの分析結果に基づいて、クライアント端末から依頼されるジョブの傾向を推定する。推定されたジョブの傾向は、ジョブ傾向情報D9として記憶部504に記憶される。
なお、管理サーバ50は、必要に応じて、ジョブデータD1の分析の結果に基づいて、ステップS31において受信されたジョブ情報を修正してもよい。
-ステップS33-
次に、管理サーバ50では、ステップS31において受信されたクライアント情報と、ジョブ情報とを関連付けて、ジョブテーブルD54に登録して、ジョブテーブルD54を更新する。さらに、管理サーバ50では、ステップS31において受信されたジョブデータD1が、対応するクライアント情報やジョブ情報に基づいて参照できるような形態で記憶部504に記憶される。ジョブテーブルD54の更新とジョブデータD1の記憶が完了したらジョブの受付処理が完了する。
なお、ジョブデータD1は、グリッドコンピューティング処理の前までに入手できればよいので、例えば、後述するマッチング処理の終了後に、ジョブデータD1の受信をするようにしてもよい。そうすることで、マッチングが不調な場合に、不必要なデータの送受信が行われることを回避できる。
〈ステップS4〉
ステップS4において、管理サーバ50は、マッチング処理を実行する。以下、図15を参照して、マッチング処理について説明する。
-ステップS41-
まず、管理サーバ50は、推定計算能力と受け付けたジョブに必要な計算能力とを比較する。管理サーバ50は、単純な処理能力の比較だけでなく、提供可能な時間帯とジョブの納期との比較や、提供可能な場所の通信状態とジョブにおける常時通信の要否との比較を行う。
-ステップS42-
次に、管理サーバ50は、現在登録されているジョブに推定計算能力で実行可能なジョブがあるか否かについて判定する。実行可能なジョブが存在する場合(S42でYES)、フローはステップS43に進む。一方で、推定計算能力で実行可能なジョブがない場合(S42でNO)、フローはステップS44に進む。
-ステップS43-
管理サーバ50は、実行可能なジョブの中から、実際にそのグリッドGに計算させるジョブを決定する。ジョブが1つの場合、そのジョブを対象となるグリッドGに割り当てる。一方で、実行可能なジョブが複数存在する場合には、所定の優先順位に基づいて、対象となるグリッドGに割り当てるジョブを決定する。ここでの優先順位の付け方は、任意に設定することができ、特に限定されない。例えば、納期が近いものの優先順位を高くしたりというように、納期や実行スケジュールに基づいて優先順位を設定することができる。また、例えば、他のグリッドGでも実行が可能か否かというように、ジョブの特殊性や、そのジョブの難易度に基づいて優先順位を設定することができる。
-ステップS44-
管理サーバ50は、ステップS42において、対象グリッドGの推定計算能力で実行可能なジョブがない原因を分析する。具体的には、管理サーバ50は、記憶部504のジョブ傾向情報D9を参照して、クライアント端末30から依頼されるジョブの傾向から対象グリッドGの演算資源109のうちで不足している演算資源を抽出する。
言い換えると、管理サーバ50は、クライアントから依頼されるジョブ(需要)と、対象グリッドGの計算能力(供給)との需給バランスを監視する。そして、その監視結果に基づいて、将来の需要動向を予測し、その予測結果に基づいて、対象グリッドGに不足している演算資源109であったり、ステップS2でグリッドGを編成するのにあたって不足しているもしくは不足しがちな演算資源109を抽出する。演算資源109の抽出後、フローは、ステップS45に進む。
なお、後述するステップS45の対象車両の抽出処理において、不足しているもしくは不足しがちな演算資源109の情報を使用しない場合、ステップS44を省略してもよい。その場合、ステップS42でのNO判定の後、ステップS45に進む。
-ステップS45-
管理サーバ50は、記憶部504に格納されたリソース情報D14および稼働履歴情報D15を参照して、対象グリッドGを構成する車両10の中から演算資源109を増強する対象となる対象車両10(以下、単に対象車両10ともいう)を抽出する抽出処理を実行する。
対象車両10の抽出方法は、特に限定されないが、例えば、ジョブ傾向情報D9に登録されているジョブの傾向と、対象グリッドGの計算能力の推定値とに基づいて、増強対象とする演算資源を特定し、その演算資源が増強可能な車両を対象車両10として抽出する。これにより、依頼を受けているジョブの傾向に即して演算資源109の増強をすることができるので、ジョブのマッチング率をより高めることができるという効果が得られる。
また、例えば、ステップS44において不足していると判断された演算資源109の増強が可能な車両10を対象車両10としてもよい。これにより、実際に不足している演算資源109を増強対象とする、すなわち、直近の実需に即した演算資源109の増強ができる。
また、例えば、管理サーバ50は、ユーザテーブルD51のメンテナンス期日情報D3を参照して、前述の抽出処理において、対象グリッドGの中で、メンテナンスの期日が近い車両10の優先度を高く設定してもよい。メンテナンスの期日にあわせて増設が設定できるようにすることで、ユーザは、予定されていたメンテナンスにあわせて増設をすることができる。これにより、ユーザの増設を促進することができる。
また、例えば、マスタ車両CMを指定している場合に、そのマスタ車両CMまたはマスタ車両にすることを予定している車両10を対象車両10としてもよい。前述のとおり、マスタ車両CMは、自車両でもグリッドコンピューティング処理を実行するとともに、同じ対象グリッドGに所属する他の車両10の管理や、他の車両10と管理サーバ50との間の中継装置としての機能を発揮する。したがって、マスタ車両CMの演算資源109を増強することで、単に、グリッドコンピューティング処理を行う端末としての能力を向上させることにとどまらず、グリッドGとして性能向上や安定性の向上に寄与することができる。
ステップS45での抽出処理の後、フローはステップS46に進む。
-ステップS46-
管理サーバ50は、対象車両10の所有者に、演算資源109の増強の案内を送信する案内処理を実行する。
具体的には、管理サーバ50は、ユーザ端末20に、演算資源109の増設案内と、演算資源109の増設による報酬を提示する。
演算資源109の増設案内は、例えば、販売店や整備工場の予約案内情報(予約フォームの送信など)、入庫案内情報(入庫日時、施設名、施設住所など)等を含む。
管理サーバ50は、演算資源109の増設案内にあわせて、演算資源109の増強をすることによって、車両10の使用に際して利用可能となる追加機能や追加サービスを対象車両10の所有者に案内してもよい。
例えば、演算装置105(CPU106、GPU107及び/またはストレージ108)を増強することは、グリッドコンピューティング処理を実行していない場合、すなわち、日常での走行シーンにおける車両の性能向上にも直結する。そこで、演算資源の増強をすることによる追加機能や追加サービスを対象車両の所有者に案内できるようにすることで、ユーザの増設意欲を高めることができる。
-ステップS47-
ステップS47では、施設端末40から管理サーバ50に増設情報が受信されたか否かが判定される。以下では、施設端末40から管理サーバ50に増設情報が受信されるまでの流れについて説明する。
ステップS46の案内処理の後、ユーザ端末20から管理サーバ50に対して、ユーザに増設意思があることが送信される。そうすると、管理サーバ50は、施設端末40に対して、対象車両10の入庫予約情報と、対象車両10に増設される演算資源109(例えば、MPUボード)の情報である増設情報D43を送信する。
施設端末40では、増設情報D43を受信すると、記憶部404に登録する。そして、施設に実際にユーザが来訪すると、施設のスタッフが、入庫予約情報及び増設情報D43に基づいて、増設作業を実施する。例えば、図9に示すように、施設では、旧型のMPU-A1から新型のMPU-A2に交換が実施されたり、空いているスロット等に新しいMPU-A3が追加されたりする。
演算資源109の増設作業が完了すると、その情報は、施設端末40に登録され、管理サーバ50に送信される。
管理サーバ50において、増設情報が受信されると、ステップS47でYES判定となり、フローは、次のステップS48に進む。
一方で、ユーザが入庫する前の状態であったり、増設を断られた場合には、ステップS47でNO判定となる。そうすると、例えば、ステップS41に戻って、グリッドGに対して新しいジョブとのマッチングを図ったり、ステップS2に戻って、グリッドGの組み直しがされる。
〔グリッドコンピューティング処理〕
次に、図16を参照して、ステップS5のグリッドコンピューティング処理について説明する。グリッドコンピューティング処理では、複数の演算装置105のうち利用可能な演算装置105にジョブデータD1を処理させる。管理サーバ50は、ステップS4のマッチング処理の完了後に、以下の処理を行う。
〈ステップS51〉
まず、管理サーバ50は、マッチングテーブルD56を参照し、グリッドコンピューティング処理の対象となるジョブデータD1を、マッチング処理においてそのジョブデータD1に割り当てられた演算資源109に分配する。具体的には、管理サーバ50は、ジョブデータD1に割り当てられた演算資源109の各々に、そのジョブデータD1の一部を送信する。これにより、ジョブデータD1は、そのジョブデータD1に割り当てられた演算資源109(CPU106、GPU107)により並列処理される。
〈ステップS52〉
次に、演算資源109(CPU106、GPU107)の各々は、その演算資源109に送信されたデータ(ジョブデータD1の一部)の計算が完了すると、その計算により得られた部分計算結果データを管理サーバ50に送信する。管理サーバ50は、演算資源109から送信された部分計算結果データを受信し、その部分計算結果データを記憶部504に記憶する。
〈ステップS53〉
管理サーバ50は、ステップS51においてジョブデータD1が分配された演算装置105の全てが計算を完了したか否かを判定する。演算装置105の全てが計算を完了している場合には、ステップS54の処理が行われ、そうでない場合には、ステップS52の処理が行われる。
〈ステップS54〉
演算装置105の全てが計算を完了すると、管理サーバ50では、記憶部504に記憶された部分計算結果データを結合することで、グリッドコンピューティング処理の対象となるジョブデータD1に対応する計算結果データD2(ジョブデータD1の計算の結果を示す計算結果データD2)を生成する。そして、管理サーバ50は、グリッドコンピューティング処理の対象となるジョブデータD1に対応する計算結果データD2を、そのジョブデータD1の計算を依頼したクライアントのクライアント端末30に送信する。
〈ステップS55〉
次に、グリッドコンピューティング処理に演算装置105の計算能力を提供したユーザに対して、システム1を運営する事業者から報酬が付与される。ユーザに付与される報酬の例としては、システム1において利用可能なポイント、仮想通貨、商品の割引特典などが挙げられる。例えば、管理サーバ50は、グリッドコンピューティング処理に演算装置105の計算能力を提供したユーザに対して報酬を付与するための処理を行う。報酬を付与するための処理の例としては、ユーザに設定された「ユーザID」とシステム1において利用可能な「ポイント」(または仮想通貨)とを関連付けてユーザテーブルD51に登録する処理、ユーザにより所有されるユーザ端末20に商品の割引特典を示す情報を送信する処理などが挙げられる。
また、グリッドコンピューティング処理に演算装置105の計算能力を提供したユーザに対して、クライアントから報酬が付与されてもよい。例えば、クライアント端末30は、グリッドコンピューティング処理に演算装置105の計算能力を提供したユーザに対して報酬を付与するための処理を実行してもよい。
図17は、上述のグリッドコンピューティングシステム1を構成する複数の車両10のうちの1つの車両10の前部を示す。この車両10は、右ハンドル仕様の電動車両である。この車両10の車室の下側には、フロアパネル3が略水平に配設されている。フロアパネル3の車幅方向中央部には、上方に膨出するトンネル部3aが形成されている。フロアパネル3の下方には、車両10の走行に用いられる走行用バッテリ6が配設されている。この走行用バッテリ6は、車幅方向に延びるバッテリケース6aと、このバッテリケース6aに収容された複数のセル6bが配設されている。図18にも示すように、フロアパネル3の前側には、前方に向かって上方に傾斜するように延びるダッシュロアパネル4が配設されている。当該ダッシュロアパネル4の前端には、板面を前後方向に向けたダッシュアッパパネル7が上方に向かって立設されている。
ダッシュアッパパネル7の前方には、図20に示すように、モータ9、ギヤボックス14、インバータ13、充電器15、ポンプ17、エアコンコンデンサ19、コンプレッサ18、ラジエータ21、エキスパンションバルブ22及びチラー23が配設されている。
ダッシュアッパパネル7の上方の前方には、図18に示すカウルボックス25が配設されている。カウルボックス25は、フロントウインドパネル27の前方で上方に開放する外気取入口25aを有している。
カウルボックス25の後方には、横置型のHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)29が配設されている。このHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)29は、その外殻を構成する車幅方向に長い横長形状のボックス部29’を有している。ボックス部29’は、ダッシュアッパパネル7よりも後方に配置され、車幅方向中央部から助手席側に延びている。ボックス部29’には、コンプレッサ29a、及びPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ29b、及びエバポレータ29c等を備えている。ボックス部29’の底面におけるエバポレータ29cの近傍には、1対の円形の空気孔29dが貫通形成されている。ボックス部29’の後方の面には、空気の吹出孔29eが形成されている。この吹出孔29eの近傍には、室内温度センサ32が配設されている。
ダッシュアッパパネル7の車幅方向中央部には、車両用演算装置31が後方から取り付けられている。車両用演算装置31は、車室内におけるHVAC29の下方に位置している。
車両用演算装置31は、第1の演算ユニット35と、第2の演算ユニット37とを備えている。
第1の演算ユニット35は、図19に示すように、第1の筐体39と、下側基板41及び上側基板43と、第1熱伝導シート45とを備えている。
第1の筐体39は、アルミニウム等の金属からなり、薄型箱状に形成されている。詳しくは、第1の筐体39は、平面視長方形状の第1取付壁部39aと、第1取付壁部39aと対向する平坦な長方形状の第1平坦壁部39bと、前記第1取付壁部39aの外周端縁及び前記第1平坦壁部39bの外周端縁を互いに接続する第1側壁部39cとを有している。第1の筐体39は、第1取付壁部39aの外表面を後方に向け、かつ第1取付壁部39a及び第1平坦壁部39bの長手方向を上下方向に向けた状態でダッシュアッパパネル7の車幅方向中央部に取り付けられている。
第1取付壁部39aは、板面を後方に向けた矩形板状の第1非突出壁部39dと、第1非突出壁部39dの下端縁から垂直に外側(後方)に向けて突出する第1立壁部39eと、第1立壁部39eの先端から第1非突出壁部39dと平行に下方に延出する第1突出壁部39fとを有している。第1立壁部39eは、第1取付壁部39aを車幅方向に横断するように形成されている。
第1側壁部39cの左側の面の下端部には、円形の第1吸気孔39gが形成されている。また、第1側壁部39cの左側の面には、1対の配管挿通孔39hが上下方向に互いに間隔を空けて形成されている。
第1吸気孔39gの周縁部には、図17に示すように、第1の空冷用配管48の一端が接続されている。この第1の空冷用配管48の他端は、HVAC29の空気孔29dに接続されている。
第1側壁部39cの右側の面には、図示しない排気孔が形成されている。
下側基板41は、長方形板状の下側基板本体41aを有している。この下側基板41は、下側基板本体41aを第1平坦壁部39bの近傍で当該第1平坦壁部39bに沿わせ、下側基板本体41aの長手方向を第1平坦壁部39bの長手方向に沿わせ、かつ下側基板本体41aの部品設置面を第1取付壁部39aに対向させた(後方に向けた)状態で第1の筐体39に内蔵されている。
下側基板本体41aの部品設置面には、プロセッシングユニットを内蔵する第1の半導体チップ41bが配設されている。この第1の半導体チップ41bのパッケージの外表面(後側の面)には、複数の板状のフィン41cを有し、熱伝導率の高い金属からなるヒートシンク41dが取り付けられている。なお、ヒートシンク41dには、板状のフィン41cに代えて、角柱状、円柱状のフィンを設けてもよい。
上側基板43は、矩形板状の上側基板本体43aを有している。この上側基板43は、上側基板本体43aの部品設置面を第1取付壁部39aの第1突出壁部39fに対向させた状態で第1の筐体39に内蔵されている。
上側基板本体43aの部品設置面における上半部の車幅方向中央には、プロセッシングユニットを内蔵する第2の半導体チップ43bが配設されている。この第2の半導体チップ43bの外表面(後側の面)には、熱伝導率の高い金属からなる冷却水ジャケット43cが当接している。冷却水ジャケット43cは、扁平な直方体形状をなし、その長手方向両端面を車幅方向両側に向けている。
第1熱伝導シート45は、第1の筐体39の第1取付壁部39aの第1突出壁部39fの内面に貼り付けられている。第1熱伝導シート45の反第1突出壁部39f側の面は、冷却水ジャケット43cに当接している。
第2の演算ユニット37は、第2の筐体53と、増設用基板55と、第2熱伝導シート57とを備えている。
第2の筐体53は、アルミニウム等の金属からなり、薄型箱状に形成されている。第2の筐体53は、平面視長方形状の第2取付壁部53aと、第2取付壁部53aと対向する平坦な長方形状の第2平坦壁部53bと、第2取付壁部53aの外周端縁及び第2平坦壁部53bの外周端縁を互いに接続する第2側壁部53cとを有している。第2の筐体53の第2取付壁部53aの外周端縁の平面視の形状及び大きさは、第1の筐体39の第1取付壁部39aの外周端縁の平面視の形状及び大きさと同じである。第2の筐体53は、第2取付壁部53aの外表面を第1の筐体39の第1取付壁部39aに対向させるとともに、第2取付壁部53aの外周端縁と第1の筐体39の第1取付壁部39aの外周端縁とを互いに合わせた状態で第1の筐体39に取り付けられている。
第2取付壁部53aは、板面を前方に向けた矩形板状の第2非突出壁部53dと、第2非突出壁部53dの上端縁から垂直に外側(前方)に向けて突出する第2立壁部53eと、第2立壁部53eの先端から第2非突出壁部53dと平行に上方に延出する第2突出壁部53fとを有している。第2立壁部53eは、第2取付壁部53aを車幅方向に横断するように形成されている。
第2側壁部53cの左側の面の上端部には、円形の第2吸気孔53gが形成されている。
第2吸気孔53gの周縁部には、図17に示すように、第2の空冷用配管62の一端が接続されている。この第2の空冷用配管62の他端は、HVAC29の空気孔29dに接続されている。
第2側壁部53cの右側の面には、図示しない排気孔が形成されている。
増設用基板55は、長方形板状の増設用基板本体55aを有している。この増設用基板55は、増設用基板本体55aを第2平坦壁部53bの近傍で当該第2平坦壁部53bに沿わせ、増設用基板本体55aの長手方向を第2平坦壁部53bの長手方向に沿わせ、かつ増設用基板本体55aの部品設置面を第2取付壁部53aに対向させた(前方に向けた)状態で第2の筐体53に内蔵されている。
増設用基板本体55aの部品設置面には、プロセッシングユニットを内蔵する第3の半導体チップ55bが配設されている。
第2熱伝導シート57は、第2の筐体53の第2取付壁部53aの第2非突出壁部53dの内面に貼り付けられている。第2熱伝導シート57の反第2非突出壁部53d側の面は、第3の半導体チップ55bに当接している。
下側基板41における第1の半導体チップ41bに内蔵されたプロセッシングユニットと、上側基板43における第2の半導体チップ43bに内蔵されたプロセッシングユニットとが、前記ECU110を構成し、増設用基板55における第3の半導体チップ55bに内蔵されたプロセッシングユニットが、前記MPU111を構成する。
また、上述のように構成された車両用演算装置31は、ダッシュアッパパネル7とともに、インストルメントパネル67によって後方及び上方から覆われている。
上述のように構成された車両では、HVAC29に冷房運転をさせた状態で、第1の筐体39内の図示しないファンを回転させると、冷却された空気がHVAC29から第1の空冷用配管48を介して第1吸気孔39gに流れ込み、第1の筐体39内を通過して図示しない排気孔から排気される。これにより、HVAC29で冷却された空気によって、第1の筐体39内の第1及び第2の半導体チップ41b,43bを冷却できる。
同様に、HVAC29に冷房運転をさせた状態で、第2の筐体53内の図示しないファンを回転させると、冷却された空気がHVAC29から第2の空冷用配管62を介して第2吸気孔53gに流れ込み、第2の筐体53内を通過して図示しない排気孔から排気される。これにより、HVAC29で冷却された空気によって、第2の筐体53内の第3の半導体チップ55bを冷却できる。
また、車両10には、図20に示すように、ラジエータ21の流出口及び流入口を接続する冷却用配管CPが配設されている。この冷却用配管CPの内部では、ポンプ17の駆動により、冷却液CLが循環している。この冷却用配管CPは、ラジエータ21の流出口から延出する第1配管部CP1と、ラジエータ21の流入口から延出する第2配管部CP2と、第1配管部CP1及び第2配管部CP2の間で互いに並列に接続されたバッテリ冷却用配管部としての第3配管部CP3及びチップ冷却用配管部としての第4配管部CP4とを有している。冷却用配管CPには、ラジエータ21から流出した冷却液CLを、第3配管部CP3と第4配管部CP4とに分配する分配弁63が介設されている。
第1配管部CP1の一部分は、インバータ13の内部を通過している。また第1配管部CP1のインバータ13通過部分よりも下流側(反ラジエータ21側)の一部分は、充電器15の内部を通過している。第1配管部CP1の充電器通過部分よりも下流側(反ラジエータ21側)には、ポンプ17が介設されている。このポンプ17は、第1配管部CP1内の冷却水CLを反ラジエータ21側に送る。第1配管部CP1の反ラジエータ21側の端部は、分配弁63を介して第3配管部CP3の一端部及び第4配管部CP4の一端部に接続されている。
第2配管部CP2の一部分は、モータ9の内部を通過している。第2配管部CP2のモータ通過部分よりも上流側(反ラジエータ21側)には、ポンプ17が介設されている。このポンプ17は、第2配管部CP2内の冷却水CLをラジエータ21側に送る。
第3配管部CP3の中途部は、走行用バッテリ6のバッテリケース6aの内部を通過している。
第4配管部CP4の中途部は、車両用演算装置31の第1の筐体39の配管挿通孔39hに挿通されて冷却水ジャケット43cに埋設されている。したがって、第4配管部CP4は、冷却水ジャケット43c、第1熱伝導シート45、第1の筐体39、第2の筐体53、第2熱伝導シート57を介して第3の半導体チップ55bに接続されている。冷却水ジャケット43c、第1熱伝導シート45、第1の筐体39、第2の筐体53、及び第2熱伝導シート57は、熱伝導部材である。
第2配管部CP2の反ラジエータ21側の端部、第3配管部CP3の他端部、及び第4配管部CP4の他端部は、互いに接続されている。
したがって、ポンプ17を駆動させると、ラジエータ21で放熱して低温となった冷却水CLは、インバータ13の内部、及び充電器15の内部を順に通過し、分配弁63で二手に分かれる。一部の冷却水CLは、走行用バッテリ6のバッテリケース6aの内部を通過し、残りの冷却水CLは、第1の筐体39の冷却水ジャケット43cを通過する。そして、これらの冷却水CLは合流し、モータ9の内部を通過してラジエータ21に戻る。
また、車両10には、冷媒用配管RPも配設されている。冷媒用配管RPは、第1冷媒用配管RP1と、第1冷媒用配管RP1の両端の間に互いに並列に接続された第2冷媒用配管RP2及び第3冷媒用配管RP3とを備えている。
第1冷媒用配管RP1には、エアコンコンデンサ19が介設されている。エアコンコンデンサ19の下流側には、エキスパンションバルブ22が介設されている。
第2冷媒用配管RP2には、HVAC29のエバポレータ29cが介設されている。
第3冷媒用配管RP3には、チラー23が介設されている。
第1冷媒用配管RP1の上流側端部、第2冷媒用配管RP2の下流側端部及び第3冷媒用配管RP3の下流側端部は、コンプレッサ18に接続されている。
上述のように構成された冷媒用配管RPでは、冷媒としてのフロンFが循環する。詳しくは、コンプレッサ18で圧縮されたフロンFは、半液体の状態でエアコンコンデンサ19を通過し、エキスパンションバルブ22から噴射されることにより気化する。気化したフロンFはエバポレータ29cを冷やし、コンプレッサ18に戻る。一方、エキスパンションバルブ22から噴射されたフロンFの一部はチラー23にも送られる。チラー23はフロンFの温度を低下させる。チラー23を通過したフロンFは、コンプレッサ18に戻る。
図21は、車両10の温度制御系統を示す。
ECU110は、室内温度センサ32によって測定された温度に基づいて、ポンプ17及び分配弁63を制御する。
例えば、図22に示すように、ポンプ17を停止させた状態で、ECU110は、(S221)において室内温度センサ32によって測定された温度を取得し、(S222)において(S221)で取得した温度が第1温度以上であるか否かを判定する。そして、ECU110は、(S222)において温度が第1温度未満であると判定した場合には、処理を終了する一方、(S222)において温度が第1温度以上であると判定した場合には、(S223)において、第3配管部CP3及び第4配管部CP4に分配する冷却液CLの比率、すなわち分配弁63の分配率を所定の比率に設定した状態で、ポンプ17を駆動させる。次いで、ECU110は、(S224)において、室内温度センサ32によって測定された温度を取得し、(S225)において(S224)で取得した温度が第1温度よりも高い第2温度以上であるか否かを判定し、第2温度未満である場合には、処理を終了する一方、第2温度以上である場合には、(S226)において第4配管部CP4に分配する冷却液CLの比率を所定比率分増加させて(S224)に戻る。
このように、第3配管部CP3に冷却液CLを流すことによって走行用バッテリ6を冷却できるので、高温での動作に起因する走行用バッテリ6の性能の劣化を抑制できる。また、第4配管部CP4に冷却液CLを流すことによって冷却水ジャケット43c、第1熱伝導シート45、第1の筐体39、第2の筐体53、第2熱伝導シート57を介して第3の半導体チップ55bを冷却できるので、第3の半導体チップ55bの発熱による故障を抑制できる。
また、室内温度センサ32によって測定された温度に応じて分配弁63を制御するので、第4配管部CP4に分配する冷却液CLの比率に、車室内温度を反映させることができる。
(実施形態2)
図23は、実施形態2の図21相当図である。本実施形態2では、MPU111に、温度センサとしてのサーミスタ111aが設けられている。MPU111は、サーミスタ111aによって測定された温度を、通信網5を介して、ECU110に送信する。
ECU110は、室内温度センサ32によって測定された温度に代えて、MPU111によって送信された温度、すなわちサーミスタ111aによって測定された温度を取得し、当該温度に基づいてポンプ17及び分配弁63を制御する。
その他の構成及び動作は、実施形態1と同じである。
したがって、本実施形態2によれば、ECU110内のデータ改ざんを防止するためにMPU111からECU110へデータ送信を直接行うことが禁止されている場合でも、MPU111のサーミスタ111aにより測定された温度を、第4配管部CP4に分配する冷却液CLの比率に反映させることができる。
(その他の実施形態)
以上の説明では、管理システムの記憶部504と制御部505とが単一の管理サーバ50に集約される場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、記憶部504と制御部505は、通信網5を経由して互いに通信する複数の管理サーバ50(図示省略)に分散されてもよい。
また、以上の説明において、管理システムの記憶部504は、単一の記憶装置により構成されてもよいし、複数の記憶装置により構成されてもよい。複数の記憶装置は、単一の管理サーバ50に集約されてもよいし、通信網5を経由して互いに通信する複数の管理サーバ50(図示省略)に分散されてもよい。
また、以上の説明において、管理システムの制御部505は、単一の制御ユニットにより構成されてもよいし、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。複数の制御ユニットは、単一の管理サーバ50に集約されてもよいし、通信網5を経由して互いに通信する複数の管理サーバ50(図示省略)に分散されてもよい。
また、上記実施形態1、2では、ECU110が、分配弁63の分配率をHVAC29の吹出孔29e近傍に設けられた室内温度センサ32、又はMPU111に設けられたサーミスタ111aの測定値に基づいて制御したが、車室内におけるその他の場所の温度を測定する温度センサの測定値に基づいて制御してもよい。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。すなわち、前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
以上説明したように、ここに開示する技術は、冷却用配管に冷却液を循環させる電動車両として有用である。
6 走行用バッテリ
10 車両(電動車両)
17 ポンプ
21 ラジエータ
32 室内温度センサ
39 第1の筐体(熱伝導部材)
43c 冷却水ジャケット(熱伝導部材)
45 第1熱伝導シート(熱伝導部材)
53 第2の筐体(熱伝導部材)
55b 第3の半導体チップ
57 第2熱伝導シート(熱伝導部材)
63 分配弁
110 ECU(制御部)
111 MPU(プロセッシングユニット)
111a サーミスタ(温度センサ)
CP 冷却用配管
CP3 第3配管部(バッテリ冷却用配管部)
CP4 第4配管部(チップ冷却用配管部)
CL 冷却液

Claims (5)

  1. ラジエータと、
    前記ラジエータの流出口及び流入口を接続する冷却用配管と、
    前記冷却用配管に冷却液を循環させるポンプと、
    温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサによって測定された温度に基づいて前記ポンプを制御する制御部とを備えた電動車両であって、
    前記冷却用配管は、前記電動車両の走行に用いられる走行用バッテリの内部を通過するバッテリ冷却用配管部と、プロセッシングユニットを内蔵する半導体チップに熱伝導部材を介して接続されたチップ冷却用配管部とを有し、前記バッテリ冷却用配管部及び前記チップ冷却用配管部は互いに並列に接続され、
    前記冷却用配管には、前記ラジエータから流出した冷却液を、前記バッテリ冷却用配管部と前記チップ冷却用配管部とに分配する分配弁が介設され
    前記プロセッシングユニットは、グリッドコンピューティングを構成していることを特徴とする電動車両。
  2. ラジエータと、
    前記ラジエータの流出口及び流入口を接続する冷却用配管と、
    前記冷却用配管に冷却液を循環させるポンプと、
    温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサによって測定された温度に基づいて前記ポンプを制御する制御部とを備えた電動車両であって、
    前記冷却用配管は、前記電動車両の走行に用いられる走行用バッテリの内部を通過するバッテリ冷却用配管部と、プロセッシングユニットを内蔵する半導体チップに熱伝導部材を介して接続されたチップ冷却用配管部とを有し、前記バッテリ冷却用配管部及び前記チップ冷却用配管部は互いに並列に接続され、
    前記冷却用配管には、前記ラジエータから流出した冷却液を、前記バッテリ冷却用配管部と前記チップ冷却用配管部とに分配する分配弁が介設され
    前記プロセッシングユニットは、駐車中に作動することを特徴とする電動車両。
  3. ラジエータと、
    前記ラジエータの流出口及び流入口を接続する冷却用配管と、
    前記冷却用配管に冷却液を循環させるポンプと、
    温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサによって測定された温度に基づいて前記ポンプを制御する制御部とを備えた電動車両であって、
    前記冷却用配管は、前記電動車両の走行に用いられる走行用バッテリの内部を通過するバッテリ冷却用配管部と、プロセッシングユニットを内蔵する半導体チップに熱伝導部材を介して接続されたチップ冷却用配管部とを有し、前記バッテリ冷却用配管部及び前記チップ冷却用配管部は互いに並列に接続され、
    前記冷却用配管には、前記ラジエータから流出した冷却液を、前記バッテリ冷却用配管部と前記チップ冷却用配管部とに分配する分配弁が介設され
    前記半導体チップは、車室内に配設され、
    前記温度センサは、前記車室内の温度を測定し、
    前記制御部は、前記分配弁の分配率を、前記温度センサによって測定された温度に基づいて制御することを特徴とする電動車両。
  4. 請求項1に記載の電動車両において、
    前記プロセッシングユニットは、駐車中に作動することを特徴とする電動車両。
  5. 請求項1又は2に記載の電動車両において、
    前記半導体チップは、車室内に配設され、
    前記温度センサは、前記車室内の温度を測定し、
    前記制御部は、前記分配弁の分配率を、前記温度センサによって測定された温度に基づいて制御することを特徴とする電動車両。
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