JP7784632B2 - 負極材料およびそれを用いた電池 - Google Patents

負極材料およびそれを用いた電池

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Description

本開示は、負極材料およびそれを用いた電池に関する。
従来、リチウムイオン電池において、リチウムチタン酸化物が負極活物質として用いられている。リチウムチタン酸化物は、電池のサイクル特性を向上させることができること、電位がフラットであること、および金属リチウムに対して高電位であることを特徴として有する。したがって、リチウムチタン酸化物は、優れた負極活物質材料である。
リチウムチタン酸化物は、リチウムチタン酸化物内のリチウム拡散が遅く、高レートでの充放電が困難であるという問題を有する。例えば、非特許文献1には、電解液を用いた液電池においてレート特性を向上させるために、ZrがドープされたLi4Ti512を負極活物質として用いることが開示されている。
Lina Hou et al.,"Zr-doped Li4Ti5O12 anode materials with high specific capacity for lithium-ion batteries", Journal of Alloys and Compounds 774(2019) 38-45
本開示は、固体電池への使用に適した、リチウムおよびチタンを含有する酸化物を含む新たな負極材料を提供する。
本開示の負極材料は、
負極活物質と、
固体電解質と、
を含み、
前記負極活物質は、Li、Ti、M1、およびOを含み、
M1は、LiおよびTi以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
前記固体電解質は、Li、M2、およびXを含み、
M2は、Li以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
本開示は、固体電池への使用に適した、リチウムおよびチタンを含有する酸化物を含む新たな負極材料を提供する。
図1は、第2実施形態による電池1000の断面図を示す。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る負極材料は、
負極活物質と、
固体電解質と、
を含み、
前記負極活物質は、Li、Ti、M1、およびOを含み、
M1は、LiおよびTi以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
前記固体電解質は、Li、M2、およびXを含み、
M2は、Li以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
第1態様に係る負極材料に含まれる負極活物質は、Li、Ti、およびOに加えて、さらにLiおよびTi以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素M1を含んでいる。このような負極活物質と、Li、M2、およびXを含む固体電解質とが組み合わされて負極材料を構成することにより、第1態様に係る負極材料は、電池の充放電速度を向上させることができる。すなわち、本開示の第1態様は、固体電池への使用に適した、リチウムおよびチタンを含有する酸化物を含む新たな負極材料を提供する。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る負極材料ではM1は、Zr、Cs、CeおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一つを含んでもよい。
第2態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第3態様において、例えば、第2態様に係る負極材料では、M1は、Zrを含んでもよい。
第3態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第4態様において、例えば、第3態様に係る負極材料では、M1は、Zrでもよい。
第4態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る負極材料では、前記負極活物質は、下記の組成式(1)により表されてもよい。
Li4Ti5-αM1α12 ・・・式(1)
ここで、αは、0<α≦0.3を充足する。
第5態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させ、さらに電池の充放電効率を向上させることができる。
本開示の第6態様において、例えば、第5態様に係る負極材料では、前記組成式(1)において、αは、0<α≦0.2を充足してもよい。
第6態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第7態様において、例えば、第6態様に係る負極材料では、前記組成式(1)において、αは、0.01≦α≦0.1を充足してもよい。
第7態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第8態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る負極材料では、前記負極活物質は、下記の組成式(2)により表されてもよい。
Li4-βTi5M1β12 ・・・式(2)
ここで、βは、0<β≦0.3を充足する。
第8態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させ、さらに電池の充放電効率を向上させることができる。
本開示の第9態様において、例えば、第8態様に係る負極材料では、前記組成式(2)において、βは、0<β≦0.1を充足してもよい。
第9態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第10態様において、例えば、第9態様に係る負極材料では、前記組成式(2)において、βは、0.01≦β≦0.06を充足してもよい。
第10態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第11態様において、例えば第1から第10態様のいずれか1つに係る負極材料では、M2は、Yを含んでもよい。
第11態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第12態様において、例えば第1から第11態様のいずれか1つに係る負極材料では、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一つであってもよい。
第12態様に係る負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
本開示の第13態様において、例えば、第1から第12態様のいずれか1つに係る負極材料では、前記固体電解質は、実質的に硫黄を含まなくてもよい。
第13態様に係る負極材料は、優れた安全性を有する。
本開示の第14態様に係る電池は、
正極層と、
負極層と、
前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層と、
を備え、
前記負極層は、第1態様から第13態様のいずれか一つに係る負極材料を含む。
第14態様に係る電池は、向上した充放電速度を有する。
(本開示の実施形態)
以下、本開示の実施形態が、図面を参照しながら説明される。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
第1実施形態による負極材料は、負極活物質と、固体電解質とを含む。負極活物質は、Li、Ti、M1、およびOを含む。ここで、M1は、LiおよびTi以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つである。固体電解質は、Li、M2、およびXを含む。ここで、M2は、Li以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、かつ、Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
第1実施形態による負極材料に含まれる負極活物質は、Li、Ti、およびOに加えて、さらにLiおよびTi以外の金属元素および半金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素M1を含んでいる。このような負極活物質と、Li、M2、およびXを含む固体電解質とが組み合わされて負極材料を構成することにより、当該負極材料は、電池の充放電速度を向上させることができる。すなわち、第1実施形態による負極材料は、固体電池への使用に適した、リチウムおよびチタンを含有する酸化物を含む新たな負極材料である。
本明細書において用いられる用語「金属元素」とは、
(i)周期表1族から12族中に含まれるすべての元素(ただし、水素を除く)、および(ii)周期表13族から16族に含まれるすべての元素(ただし、B、Si、Ge、As、Sb、Te、C、N、P、O、S、およびSeを除く)である。すなわち、金属元素は、ハロゲン化合物と無機化合物を形成した際に、カチオンとなりうる元素群である。
本明細書において用いられる用語「半金属元素」とは、B、Si、Ge、As、Sb、およびTeである。
電池の充放電速度をより向上させるために、第1実施形態による負極材料における負極活物質において、M1は、Zr(すなわち、ジルコニウム)、Cs(すなわち、セシウム)、Ce(すなわち、セリウム)およびCa(すなわち、カルシウム)からなる群より選ばれる少なくとも一つを含んでいてもよい。
以上の構成によれば、負極活物質のイオン伝導度をより向上させることができる。これにより、第1実施形態による負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
電池の充放電速度をより向上させるために、第1実施形態による負極材料における負極活物質において、M1は、Zrを含んでいてもよい。すなわち、第1実施形態による負極材料における負極活物質材料は、金属元素M1としてZrを含んでもよい。
以上の構成によれば、負極活物質のイオン伝導度をより向上させることができる。これにより、第1実施形態による負極材料は、電池の充放電速度をより向上させることができる。
電池の充放電速度をより向上させ、さらに電池の充放電効率を向上させるために、第1実施形態による負極活物質に含まれる負極活物質は、下記の組成式(1)により表されてもよい。
Li4Ti5-αZrα12 ・・・式(1)
ここで、αは、0<α≦0.3を充足する。
電池の充放電効率をより向上させるために、組成式(1)において、αは、0<α≦0.2を充足してもよい。
電池の充放電効率をより一層向上させるために、組成式(1)において、αは、0.01≦α≦0.1を充足してもよい。
電池の充放電速度をより向上させ、さらに電池の充放電効率を向上させるために、第1実施形態による負極活物質に含まれる負極活物質は、下記の組成式(2)により表されてもよい。
Li4-βTi5M1β12 ・・・式(2)
ここで、βは、0<β≦0.3を充足する。
電池の充放電効率をより向上させるために、組成式(2)において、βは、0<β≦0.1を充足してもよい。
電池の充放電効率をより一層向上させるために、組成式(2)において、βは、0.01≦β≦0.06を充足してもよい。
Zrを含む負極活物質としては、例えばLia1Tib1Zrc1Me1d1e1の組成式で表される化合物であってもよい。ここで、a1+4b1+4c1+m1d1=2e1、c1>0、Me1はLiおよびY以外の金属元素および半金属元素からなる群より選択される少なくとも一つであり、かつm1はMe1の価数である。Me1としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Sc、Al、Ga、Bi、Zr、Hf、Ti、Sn、Ta、およびNbからなる群より選択される少なくとも一つを用いてもよい。
第1実施形態による負極材料に含まれる固体電解質は、上述のとおり、Li、M2、およびXを含む。以下、第1実施形態による負極材料に含まれる、Li、M2、およびXを含む固体電解質が、第1固体電解質と呼ばれる。
第1固体電解質は、実質的に、Li、M2、およびXからなっていてもよい。「第1固体電解質が、実質的に、Li、M2、およびXからなる」とは、第1固体電解質において、固体電解質を構成する全元素の物質量の合計に対する、Li、M2、およびXの物質量の合計の比(すなわち、モル分率)が、90%以上であることを意味する。一例として、当該比(すなわち、モル分率)は95%以上であってもよい。第1固体電解質は、Li、M2、およびXのみからなっていてもよい。
イオン伝導度を高めて、電池の充放電速度を向上させるために、M2は、第1族元素、第2族元素、第3族元素、第4族元素、およびランタノイド元素からなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。また、イオン伝導度を高めて、電池の充放電速度を向上させるために、M2は、第5族元素、第12族元素、第13族元素、および第14族元素からなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。
第1族元素の例は、Na、K、Rb、またはCsである。第2族元素の例は、Mg、Ca、Sr、またはBaである。第3族元素の例は、ScまたはYである。第4族元素の例は、Ti、Zr、またはHfである。ランタノイド元素の例は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、またはLuである。第5族元素の例は、NbまたはTaである。第12族元素の例は、Znである。第13族元素の例は、Al、Ga、またはInである。第14族元素の例は、Snである。
イオン伝導度を高めて、電池の充放電速度を向上させるために、M2は、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Zr、Hf、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。
イオン伝導度を高めて、電池の充放電速度を向上させるために、M2は、Mg、Ca、Sr、Y、Sm、Gd、Dy、およびHfからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。
電池の充放電速度をより向上させるために、第1固体電解質において、M2は、Y(すなわち、イットリウム)を含んでもよい。すなわち、第1実施形態において、第1固体電解質は、金属元素M2としてYを含んでもよい。
電池の充放電速度をより向上させるために、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。
電池の充放電速度をより向上させるために、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも二種の元素を含んでもよい。
電池の充放電速度をより向上させるために、X1は、Cl、Br、およびIを含んでもよい。
第1固体電解質は、下記の組成式(3)により表される材料であってもよい。
LiαM2βγ・・・式(3)
ここで、α、β、およびγは、それぞれ独立して、0より大きい値である。なお、M2およびXは、上記のとおりである。
本明細書において用いられる用語「半金属元素」および「金属元素」とは、上述のとおりである。すなわち金属元素は、上記の組成式(1)、(2)、および(3)中の無機化合物を形成した際に、カチオンとなりうる元素群である。
以上の構成によれば、第1固体電解質のイオン伝導度をより向上することができる。これにより、電池の充放電速度を向上させることができる。
Yを含む第1固体電解質としては、例えばLia2Me2b2c26の組成式で表される化合物であってもよい。ここで、a2+m2b2+3c2=6、c2>0、Me2はLiおよびY以外の金属元素および半金属元素からなる群より選択される少なくとも一つであり、かつm2はMe2の価数である。Me2としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Sc、Al、Ga、Bi、Zr、Hf、Ti、Sn、Ta、およびNbからなる群より選択される少なくとも一つを用いてもよい。
第1固体電解質の形状は、限定されない。第1固体電解質の形状は、例えば、針状、球状、楕円球状、または繊維状などであってもよい。例えば、第1固体電解質は、粒子状であってもよい。第1固体電解質は、ペレットまたは板の形状を有するように形成されてもよい。
イオン伝導度をさらに高め、かつ負極活物質のような他の材料との良好な分散状態を形成するために、一例として、第1固体電解質が粒子状(例えば、球状)である場合、第1固体電解質は、0.1μm以上100μm以下のメジアン径を有していてもよい。メジアン径とは、体積基準の粒度分布における累積体積が50%に等しい場合の粒径を意味する。体積基準の粒度分布は、レーザ回折式測定装置または画像解析装置により測定され得る。
メジアン径は0.5μm以上10μm以下であってもよい。これにより、第1固体電解質は高いイオン伝導性を有する。
第1固体電解質は、例えば、実質的に硫黄を含有しない。第1固体電解質が実質的に硫黄を含有しないとは、第1固体電解質が、不純物として不可避に混入した硫黄を除き、構成元素として硫黄を含まないことを意味する。この場合、第1固体電解質に不純物として混入される硫黄は、例えば1モル%以下である。第1固体電解質は、硫黄を含有しなくてもよい。第1固体電解質が硫黄を含有しない場合、第1固体電解質は大気に曝露されても硫化水素が発生しないので、安全性に優れる。
第1実施形態による負極材料は、第1固体電解質とは異なる組成または異なる結晶構造を有する他の固体電解質をさらに含んでいてもよい。この場合、負極材料に含まれる固体電解質の合計質量に対する第1固体電解質の質量は、5質量%以上95質量%以下の範囲であってもよい。第1固体電解質とは異なる組成を有する固体電解質の例は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、または錯体水素化物固体電解質である。硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、および錯体水素化物固体電解質の例は、後述の第2実施形態による正極層101に用いられ得る固体電解質の例と同じである。
(第2実施形態)
以下、本開示の第2実施形態が説明される。第1実施形態において説明された事項は、省略され得る。
第2実施形態では、第1実施形態による負極材料が用いられた負極層を備えた電池が説明される。
図1は、第2実施形態による電池1000の断面図を示す。
第2実施形態による電池1000は、正極層101、電解質層102、および負極層103を備える。電解質層102は、正極層101および負極層103の間に配置されている。負極層103は、第1実施形態による負極材料を含む。
以上の構成によれば、第2実施形態による電池1000は、充放電速度を向上することができる。
本実施形態による電池1000の例は、全固体電池である。全固体電池は、一次電池でもよく、あるいは二次電池でもよい。
以下、本実施形態の電池1000の各構成が、より詳しく説明される。
(負極層)
上述のとおり、第2実施形態において、負極層103は、第1実施形態による負極材料を含む。負極材料は、第1実施形態で説明されたとおりである。
負極層103は、図1に示されるように、負極活物質粒子104および第1固体電解質粒子105を含んでもよい。
負極活物質粒子104のメジアン径は、0.1μm以上かつ100μm以下であってもよい。負極活物質粒子104が0.1μm以上のメジアン径を有する場合、負極層103において、負極活物質粒子104および第1固体電解質粒子105の分散状態が良好になる。これにより、電池1000の充放電特性が向上する。負極活物質粒子104が100μm以下のメジアン径を有する場合、負極活物質粒子104内のリチウム拡散速度が向上する。これにより、電池1000が高出力で動作し得る。
負極活物質粒子104は、第1固体電解質粒子105よりも大きいメジアン径を有していてもよい。これにより、負極層103において、負極活物質粒子104および第1固体電解質粒子105の分散状態が良好になる。
なお、本実施形態における負極層103においては、第1固体電解質粒子105および負極活物質粒子104は、図1に示されるように、互いに接触していてもよい。
また、本実施形態における負極層103は、複数の第1固体電解質粒子105および複数の負極活物質粒子104を含んでもよい。
また、本実施形態における負極層103において、第1固体電解質粒子105の含有量は、負極活物質粒子104の含有量と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
負極層103において、負極活物質粒子104および第1固体電解質粒子105の合計体積に対する負極活物質粒子の体積を表す体積比Vnは、0.3以上0.95以下であってもよい。体積比Vnが0.3以上である場合には、電池1000のエネルギー密度が向上され得る。一方、体積比Vnが0.95以下の場合には、電池1000の出力が向上し得る。
負極層103の厚みは、10μm以上かつ500μm以下であってもよい。
負極層103の厚みが10μm以上である場合には、電池1000が十分なエネルギー密度を確保し得る。また、負極層103の厚みが500μm以下である場合には、電池1000の出力が向上し得る。
(正極層)
正極層101は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵および放出可能な材料を含有する。正極層101は、正極活物質を含んでもよい。
正極活物質の例は、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属フッ化物、ポリアニオン材料、フッ素化ポリアニオン材料、遷移金属硫化物、遷移金属オキシフッ化物、遷移金属オキシ硫化物、または遷移金属オキシ窒化物である。リチウム含有遷移金属酸化物の例は、Li(NiCoAl)O2、Li(NiCoMn)O2、またはLiCoO2である。特に、正極活物質として、リチウム含有遷移金属酸化物を用いた場合には、製造コストを安くでき、平均放電電圧を高めることができる。
充放電容量を向上させるために、正極活物質は、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよい。
正極層101は、固体電解質を含んでもよい。以上の構成によれば、正極層101の内部のリチウムイオン伝導性を高め、高出力での動作が可能となる。
正極層101に含まれる固体電解質の例は、ハロゲン化物固体電解質、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、または錯体水素化物固体電解質である。
ハロゲン化物固体電解質としては、例えば、上述の第1固体電解質として例示した材料を用いてもよい。
硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S-P25、Li2S-SiS2、Li2S-B23、Li2S-GeS2、Li3.25Ge0.250.754、Li10GeP212、などが用いられうる。また、これらに、LiX’、Li2O、M’Oq、LipM’Oqなどが、添加されてもよい。ここで、X’は、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも一つである。M’は、P、Si、Ge、B、Al、Ga、In、Fe、およびZnからなる群より選択される少なくとも一つである。pおよびqは、自然数である。
酸化物固体電解質の例は、
(i)LiTi2(PO43またはその元素置換体のようなNASICON型固体電解質、
(ii)(LaLi)TiO3のようなペロブスカイト型固体電解質、
(iii)Li14ZnGe416、Li4SiO4、LiGeO4、またはその元素置換体のようなLISICON型固体電解質、
(iv)Li7La3Zr212またはその元素置換体のようなガーネット型固体電解質、
(v)Li3PO4またはそのN置換体
(vi)Li3NまたはそのH置換体、または
(vii)LiBO2、Li3BO3などのLi-B-O化合物をベースとして、Li2SO4、Li2CO3などが添加されたガラスまたはガラスセラミックス
などである。
高分子固体電解質の例は、高分子化合物およびリチウム塩の化合物である。
高分子化合物はエチレンオキシド構造を有していてもよい。エチレンオキシド構造を有する高分子化合物は、リチウム塩を多く含有することができるため、イオン導電率をより高めることができる。
リチウム塩の例は、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiSO3CF3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiN(SO2CF3)(SO249)、またはLiC(SO2CF33である。これらから選択される1種のリチウム塩が、単独で使用されてもよい。あるいは、これらから選択される2種以上のリチウム塩の混合物が使用されてもよい。
錯体水素化物固体電解質の例は、LiBH4-LiIまたはLiBH4-P25である。
正極活物質粒子のメジアン径は、0.1μm以上かつ100μm以下であってもよい。正極活物質粒子が0.1μm以上のメジアン径を有する場合、正極層101において、正極活物質粒子および固体電解質粒子の分散状態が良好になる。これにより、電池1000の充放電特性が向上する。正極活物質粒子が100μm以下のメジアン径を有する場合、正極活物質粒子内のリチウム拡散速度が向上する。これにより、電池1000が高出力で動作し得る。
正極活物質粒子のメジアン径は、固体電解質粒子のメジアン径よりも、大きくてもよい。これにより、正極活物質粒子と固体電解質粒子との良好な分散状態を形成できる。
正極層101において、正極活物質粒子および固体電解質粒子の合計体積に対する正極活物質粒子の体積を表す体積比Vpは、0.3以上0.95以下であってもよい。体積比Vpが0.3以上である場合には、電池1000のエネルギー密度が向上され得る。一方、体積比Vpが0.95以下の場合には、電池1000の出力が向上し得る。
正極層101の厚みは、10μm以上かつ500μm以下であってもよい。
正極層101の厚みが10μm以上である場合には、電池1000が十分なエネルギー密度を確保し得る。また、正極層101の厚みが500μm以下である場合には、電池1000の出力が向上し得る。
正極活物質は被覆されていてもよい。被覆材料としては、電子伝導性が低い材料が用いられうる。被覆材料として、酸化物材料、酸化物固体電解質などが用いられうる。
酸化物材料の例は、SiO2、Al23、TiO2、B23、Nb25、WO3、またはZrO2である。
酸化物固体電解質の例は、
(i)LiNbO3などのLi-Nb-O化合物、
(ii)LiBO2、Li3BO3などのLi-B-O化合物、
(iii)LiAlO2などのLi-Al-O化合物、
(iv)Li4SiO4などのLi-Si-O化合物、
(v)Li2SO4などのLi-S-O化合物、
(vi)Li4Ti512などのLi-Ti-O化合物、
(vii)Li2ZrO3などのLi-Zr-O化合物、
(viii)Li2MoO3などのLi-Mo-O化合物、
(ix)LiV25などのLi-V-O化合物、または
(x)Li2WO4などのLi-W-O化合物
である。
酸化物固体電解質は、イオン導電率が高く、高電位安定性が高い。このため、酸化物固体電解質を用いることで、充放電効率をより向上することができる。
(電解質層)
電解質層102は、固体電解質を含む。電解質層102に含まれる固体電解質としては、上述された材料(例えばハロゲン化物固体電解質、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、錯体水素化物固体電解質など)が用いられうる。
なお、電解質層102は、固体電解質材料として挙げられた材料のうちの2種類以上を含んでもよい。例えば電解質層102は、第1固体電解質と硫化物固体電解質とを含んでもよい。
電解質層102の厚みは1μm以上かつ300μm以下であってもよい。
電解質層102が1μm以上の厚みを有する場合、正極層101および負極層103が短絡しにくくなる。電解質層102が300μm以下の厚みを有する場合、電池1000が高出力で動作し得る。
正極層101、電解質層102、および負極層103からなる群より選択される少なくとも1つには、粒子同士の密着性を向上する目的で、結着剤が含まれてもよい。結着剤は、電極を構成する材料の結着性を向上するために用いられる。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、など、が挙げられる。
また、結着剤としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、およびヘキサジエンからなる群より選択された2種以上の材料の共重合体が用いられうる。
また、2種以上の結着剤が用いられ得る。
正極層101および負極層103からなる群より選択される少なくとも1つは、電子導電性を高める目的で、導電助剤を含んでもよい。
導電助剤の例は、
(i)天然黒鉛または人造黒鉛のようなグラファイト類、
(ii)アセチレンブラックまたはケッチェンブラックのようなカーボンブラック類、
(iii)炭素繊維または金属繊維のような導電性繊維類、
(iv)フッ化カーボン、
(v)アルミニウムのような金属粉末類、
(vi)酸化亜鉛またはチタン酸カリウムのような導電性ウィスカー類、
(vii)酸化チタンのような導電性金属酸化物、または
(viii)ポリアニリン、ポリピロール、またはポリチオフェンのような導電性高分子化合物
である。低コスト化のために、上記(i)または(ii)の導電助剤が使用されてもよい。
本実施形態による電池の形状の例は、コイン型、円筒型、角型、シート型、ボタン型、扁平型、または積層型である。
以下、実施例および比較例を用いて、本開示の詳細が説明される。
[実施例1]
(第1固体電解質の作製)
-60℃以下の露点を有する乾燥アルゴン雰囲気下で、原料粉LiBr、YBr3、LiCl、YCl3を、モル比でLi:Y:Br:Cl=3:1:2:4となるように、秤量した。これらを乳鉢で粉砕して混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、25時間、600rpmでミリング処理した。以上により、実施例1の第1固体電解質であるLi3YBr2Cl4の粉末を得た。
(第1固体電解質の組成の評価)
実施例1の第1固体電解質についてICP(Inductive coupled Plasma)発光分光分析法を用いて組成の評価を行った。その結果、Li/Yが仕込み組成からのずれが3%以内であった。すなわち、実施例1において、遊星型ボールミルによる仕込み組成と、得られた第1固体電解質の組成とは、ほとんど同様であったと言える。
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とZrO(NO32とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:ZrO(NO32=29.58:70.28:0.14となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例1の負極活物質であるLi4Ti4.99Zr0.0112の粉末を得た。
(負極材料の作製)
-60℃以下の露点を有する乾燥アルゴン雰囲気下で、実施例1の第1固体電解質であるLi3YBr2Cl4と、負極活物質としてのLi4Ti4.99Zr0.0112と、導電助剤としてのVGCF(Vapor Grown Carbon Fiber)とが、Li3YBr2Cl4:Li4Ti4.99Zr0.0112:VGCF=56.6:39:4.4の質量比率で秤量された。これらをメノウ乳鉢で混合することで、実施例1の負極材料を作製した。なお、VGCFは、昭和電工株式会社の登録商標である。
(電池の作製)
9.5mmの内径を有する絶縁性の筒の中で、実施例1の負極材料20mg、MSE社製の硫化物固体電解質材料Li6PS5Clを80mgが、この順に積層された。得られた積層体に360MPaの圧力が印加され、実施例1による負極材料から形成された負極層、および、Li6PS5Clから形成された電解質層が作製された。次に、電解質層の負極層と接する側とは反対側に、金属In(厚さ200μm)、金属Li(厚さ300μm)、金属In(厚さ200μm)が順に積層された。得られた積層体に80MPaの圧力が印加され、正極層が形成された。
以上により、正極層、電解質層、および負極層からなる積層体が得られた。次に、積層体の上下、すなわち正極層および負極層に、ステンレス鋼から形成された集電体が取り付けられ、当該集電体に集電リードが取り付けられた。最後に、絶縁性フェルールを用いて、絶縁性の筒の内部が外気雰囲気から遮断され、当該筒の内部が密閉された。このようにして、実施例1による電池が得られた。
[実施例2]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とZrO(NO32とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:ZrO(NO32=27.83:71.34:0.83となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例2の負極活物質であるLi4Ti4.98Zr0.0212の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例3]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とZrO(NO32とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:ZrO(NO32=27.53:70.01:2.46となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例3の負極活物質であるLi4Ti4.94Zr0.0612の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例4]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とZrO(NO32とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:ZrO(NO32=27.23:68.71:4.06となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例4の負極活物質であるLi4Ti4.9Zr0.112の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例5]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とZrO(NO32とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:ZrO(NO32=26.53:65.56:7.91となるよう混合した。その後遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例5の負極活物質であるLi4Ti4.8Zr0.212の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例6]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCs2(CO3)とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:Cs2(CO3)=28.43:71.43:0.14となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、実施例6の負極活物質であるLi3.98Ti5Cs0.0212の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例7]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCs2(CO3)とを、モル比で、Li2CO3:TiO2:Cs2(CO3)=27.86:71.43:0.71となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li3.9Ti5Cs0.112の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例8]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCe(NO33・6H2Oとを、モル比で、Li2CO3:TiO2:Ce(NO33=28.57:71.29:0.14となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li4Ti4.99Ce0.0112の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例9]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCe(NO33・6H2Oとを、モル比で、Li2CO3:TiO2:Ce(NO33=28.57:71.14:0.29となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li4Ti4.98Ce0.0212の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例10]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCe(NO33・6H2Oとを、モル比で、Li2CO3:TiO2:Ce(NO33=28.57:70.57:0.86となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li4Ti4.94Ce0.0612の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例11]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCaOとを、モル比で、Li2CO3:TiO2:CaO=28.39:71.32:0.29となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li3.98Ti5Ca0.0212の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[実施例12]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とCaOとを、モル比で、Li2CO3:TiO2:CaO=27.66:70.92:1.42となるよう混合し、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、Li3.9Ti5Ca0.112の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[比較例1]
(負極活物質の作製)
原料粉Li2CO3とTiO2とを、モル比で、Li2CO3:TiO2=27.98:72.02となるよう混合した。その後、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P-7型)を用い、1時間、150rpmでミリング処理を行った。その後、得られた混合粉を900℃で12時間熱処理をした。これにより、比較例1の負極活物質であるLi4Ti512の粉末を得た。
負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[比較例2]
(負極材料の作製)
-60℃以下の露点を有する乾燥アルゴン雰囲気下で、MSE社製の硫化物固体電解質材料Li6PS5Clと、比較例1と同様の方法で作製された負極活物質Li4Ti512と、導電助剤VGCFとを、Li6PS5Cl:Li4Ti512:VGCF=56.6:39:4.4の質量比率で秤量し、これらをメノウ乳鉢で混合することで、負極材料を作製した。
負極活物質および負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[比較例3]
(負極材料の作製)
-60℃以下の露点を有する乾燥アルゴン雰囲気下で、MSE社製の硫化物固体電解質材料Li6PS5Clと、実施例2と同様の方法で作製された負極活物質Li4Ti4.98Zr0.0212と、導電助剤VGCFとを、Li6PS5Cl:Li4Ti4.98Zr0.0212:VGCF=56.6:39:4.4の質量比率で秤量し、これらをメノウ乳鉢で混合することで、負極材料を作製した。
負極活物質および負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[比較例4]
(負極材料の作製)
-60℃以下の露点を有する乾燥アルゴン雰囲気下で、MSE社製の硫化物固体電解質材料Li6PS5Clと、実施例4と同様の方法で作製された負極活物質Li4Ti4.9Zr0.112と、導電助剤VGCFとを、Li6PS5Cl:Li4Ti4.9Zr0.112:VGCF=56.6:39:4.4の重量比率で秤量し、これらをメノウ乳鉢で混合することで、負極材料を作製した。
負極活物質および負極活物質の作製以外は、実施例1と同様とした。
[充放電試験]
すべての実施例および比較例における電池の充放電試験は、以下のように実施された。
電池を25℃の恒温槽に配置した。金属Li-In合金に対する電位0.38Vとなるまで、1Cレートに相当する電流値1387μAで定電流放電(実質的には充電)した。その後、20分開放状態が続けられた。20分の開放状態によって正極の電位が回復した。続いて、金属Li-In合金に対する電位0.38Vとなるまで、電流値69μAで定電流放電した。
以上の結果に基づいて、電流値1387μAでの定電流放電と、その後の電流値69μAでの定電流放電とによって求められた容量の合計に対する、電流値1387μAでの容量の割合(以下、「1C容量割合」という)を求めた。電池の1C容量割合は、以下の式によって求められた。なお、1C容量割合は、電池のレート特性を示している。レート特性が劣る電池は1C容量割合が低くなり、レート特性が優れた電池は1C容量割合が高くなる。
1C容量割合(%)=電流値1387μAでの容量÷(電流値1387μAでの容量+電流値69μAでの容量)×100
この結果は、下記の表1に示される。
表1に示されているように、Li、Ti、M1、およびOを含む負極活物質と、Li、M2、およびXを含む固体電解質とを含む負極材料を含む負極層を備えた実施例1から12の電池は、比較例1の電池と比較して、高い1C容量割合が得られた。なお、実施例1から12では、負極活物質がM1としてZr、Cs、Ce、またはCaを含み、第1固体電解質がM2としてYを含んでいる。実施例1から12の負極材料が高い1C容量割合を実現できた理由は、負極活物質内のリチウムイオンの輸送速度が向上したことによるものと考えられる。
実施例1から5の結果から、上記組成式(1)において、M1(すなわち、ここではZr)の組成比であるαが0.01以上0.1以下を満たすことにより、より高い1C容量割合が得られた。これは、負極活物質内のリチウムイオンの輸送速度がより向上したことによるものと考えられる。一方、負極活物質にM1(すなわち、ここではZr)が存在する系であっても、第1固体電解質にLi6PS5Clが用いられた場合は、1C容量割合が低下した。これは負極活物質と第1固体電解質との界面において、Zr-硫黄の結合により、リチウムイオン輸送を阻害する層が形成されることによるものであると推察される。
本開示の電池は、例えば全固体リチウムイオン二次電池などとして利用されうる。
1000 電池
101 正極層
102 電解質層
103 負極層
104 負極活物質粒子
105 固体電解質粒子

Claims (4)

  1. 負極活物質と、
    固体電解質と、
    を含み、
    前記負極活物質は、下記の組成式(1)または組成式(2)により表され、
    Li 4 Ti 5-α M1 α 12 ・・・式(1)
    Li 4-β Ti 5 M1 β 12 ・・・式(2)
    ここで、
    上記組成式(1)において、αは、0.01≦α≦0.1を充足し、
    上記組成式(2)において、βは、0.01≦β≦0.1を充足し、
    上記組成式(1)および(2)において、前記M1は、Cs、CeおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
    前記固体電解質は、Li 3 YX 6 で表され、
    前記Xは、ClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも一つである、
    負極材料。
  2. 前記組成式(2)において、βは、0.01≦β≦0.06を充足する、
    請求項に記載の負極材料。
  3. 前記固体電解質は、実質的に硫黄を含まない、
    請求項1または2に記載の負極材料。
  4. 正極層と、
    負極層と、
    前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層と、
    を備え、
    前記負極層は、請求項1からのいずれか一項に記載の負極材料を含む、
    電池。
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